JP2008229455A - 霧化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】霧化した霧のうち、所望の寸法の霧を排出可能な霧化装置を提供する。
【解決手段】圧電振動子10の振動部12により霧化する。矩形の霧排出・水位維持用開口部313が形成された第1の分級板31Aによって第1ミストM1のうち、所望の粒子径以下の霧を分級して(選別して)第2ミストM2を生成する。さらに、第2の分級手段としての正面板32または平板32Aを設け、第2ミストM2を衝突させてさらに粒子径の小さな第3ミストM3を生成する。平板32Aの高さ、傾きを変化させることにより、第3ミストM3の発生条件を変化させることができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、圧電素子の振動子を振動させて液体、例えば、水などの液体を霧化する霧化装置に関する。特に本発明は、前記振動子への液体の供給に磨耗・消耗する部材を用いずに耐久性を向上させ、かつ、メンテナンス・フリーにする霧化装置に関する。
超音波振動子を用いて霧を発生させる超音波加湿器は実用化されている。
図18は振動子を用いて超音波により水から霧を発生させる(霧化する)1例としての方法を図解した図である。
圧電振動子10は、圧電素子11と、振動部12と、固定部(または基部)13とを有する。圧電素子11と振動部12とは固定部13を介して接続されている。
振動部12は、図解の例示において、断面が湾曲している湾曲部12Aと、断面が平坦な円柱状部12Bとを有する。円柱状部12Bの先端12FをY方向から見たとき、前記円柱状部12Bの形状は断面積が一定の円であり、湾曲部12Aの断面形状は固定部13から円柱状部12Bに向かって断面積が減少する円である。
圧電素子11は、例えば、PZTであり、圧電素子11に励起電圧が印加されると矢印A1で示した方向に振動子の固有振動数で振動部12を伸縮振動させる。
振動部12の円柱状部12Bの先端12Fに霧化のための水を提供するため、先端12Fの下部には円柱形の水供給用綿150が接触している(特許文献1参照)。水供給用綿150は底部が図示しない貯水部に浸漬しており、綿の毛細管現象により水供給用綿150の頂面まで水Wを吸い上げる。水供給用綿150の頂部に吸い上げられた水Wが、圧電振動子10の励起に伴う振動部12の円柱状部12Bの振動により、円柱状部12Bの先端12Fの面に沿って上昇され、さらに、円柱状部12Bの先端12Fの面に付着した水Wは、振動部12の高速な振動に伴う円柱状部12Bの矢印A2で示す方向の高速振動によって霧化され、矢印55方向へ噴射される。
上述した霧化方法に従って製造された、超音波霧化装置、超音波攪拌装置、超音波洗浄器などの装置が実用化されている。
実用新案登録第2,544,634号公報
毛細管現象を利用した水供給用綿150によって振動部12の円柱状部12Bの先端12Fに霧化の対象となる水を導く霧化装置において、長期間連続運転すると、高速に振動する振動部12の円柱状部12Bと接触している水供給用綿150が磨耗および/または変形し、円柱状部12Bと水供給用綿150の接触が少なくなり、水供給用綿150による円柱状部12Bの先端12Fの面への給水性が低下する。その結果、振動部12で発生される霧の量が低下する、すなわち、霧化性能が低下する。
さらに水供給用綿150の磨耗および/または変形が進んで円柱状部12Bと水供給用綿150の接触が完全に無くなると水供給用綿150による円柱状部12Bの先端12Fの面への給水が停止し、霧化による霧の発生が停止する。
以上から、水供給用綿150の磨耗および/または変形に応じた適切なタイミングで水供給用綿150を交換する必要がある。
したがって、長時間あるいは長期間にわたって連続運転しても、霧化装置に用いる部材の交換または保守点検が不要で(メンテナンス・フリーで)液体を霧化可能な霧化装置を提供することが要望されている。
また、安定して希望する大きさの霧を噴霧可能な超音波霧化装置を提供することが要望されている。
さらに、所望の寸法(粒子径)の霧を発生することが要望されている。
本発明の霧化装置においては、図18を参照して述べた水供給用綿150などのように磨耗/変形する部材を用いずに霧化を可能とする。そのため、本発明においては、液体の表面張力を引き起こす構造を用いて圧電振動子の振動部の先端に霧化の対象となる液体を直接表面張力によって自動的に提供する。
本発明によれば、霧化の対象となる液体を収容する容器と、圧電素子と該圧電素子に接続された振動部とを有し、前記振動部の先端に付着した前記液体を霧化するように前記容器に配設されている圧電振動子と、前記圧電振動子が配設されている壁と対向する壁面を有し、該対向する壁面に、開口あるいは切欠きより形成され、前記圧電振動子によって霧化された霧を分級する、第1の分級手段を設けた構成とし、当該対向する壁面が液位維持壁を形成し、当該対向する壁面に設けられた第1の分級手段の底部が前記液位維持壁の先端を形成し、前記第1の分級手段を通過した霧の進行方向に位置し、該霧をさらに分級する第2の分級手段と、前記圧電振動子の圧電素子を励起する励起回路とを有する、霧化装置が提供される。
好ましくは、前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きからの距離と、当該第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きからの高さ、当該第2の分級手段の形状のいずれかに応じて、分級される霧の状態を規定する。
好ましい第1の形態として、前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きと対向する面が平坦な部材を有し、当該平坦な部材が前記容器の底面に対して垂直している。
また好ましくは、前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段に形成された前記開口あるいは切欠きからの距離、および/または、当該第1の分級手段に形成された前記開口あるいは切欠きからの高さが変更可能に構成されている。
好ましい第2の形態として、前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段と対向する面が平坦な部材を有し、当該平坦な部材の底部から頭部にかけて前記第1の分級手段から離間するように前記容器の底面に対して傾斜している。
また好ましくは、前記第2の分級手段は、前記平坦な部材の傾斜角度、および/または、前記平坦な部材の高さが変更可能に構成されている。
好ましい第3形態として、前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段と対向する面が、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きに対して凸状の湾曲部材を有する。
また好ましくは、前記第2の分級手段を構成する前記湾曲部材の傾斜角度、および/または、前記湾曲部材の高さが変更可能に構成されている。
また本発明によれば、霧化の対象となる液体を収容する容器と、圧電素子と該圧電素子に接続された振動部とを有し、前記振動部の先端の少なくとも一部が前記液体に浸漬するように前記容器の第1の垂直壁に配設されている圧電振動子と、前記振動部によって霧化されたミストの進行方向に延出する上部壁に形成された開口部であって、前記振動部によって霧化されたミストの進行方向に位置し、かつ、分級に応じた大きさを持つ開口部と、前記圧電振動子の圧電素子を励起する励起回路とを有する、霧化装置が提供される。
開口部は、振動部の先端からの距離と高さのいずれかに応じて、分級される霧の状態を規定する。
好ましくは、前記開口部には、分級に応じて所定以下の粒子径の霧を通過させ、前記所定以上の粒子径の霧を捕捉する捕捉手段を有する。
また好ましくは、前記容器に、前記振動部によって霧化された霧に風を与える送風手段を配設した。
好ましくは、前記圧電振動子の振動部の近傍に、前記振動部との協働による表面張力によって前記振動部の先端に液体を導く表面張力補助部材が設けられている。
好ましくは、前記励起回路は、前記圧電振動子における振動部の固有の周波数を規定する電圧を間欠的に前記圧電振動子の圧電素子に励起する間欠励起回路を有する。
好ましくは、前記容器に収容される液体は水を含む液体であり、前記励起回路における間欠的に励起する周期は60Hz〜200Hzである。
また好ましくは、前記間欠励起回路は、前記圧電素子の励起を開始するときバースト状のパルス信号が前記圧電素子に印加するように構成されている。
好ましくは、前記振動部の先端面の正面形状を矩形にし、矩形の先端部を液面に矩形の長辺が垂直方向になるように配置した。
好ましくは、前記容器内に液体を補給する液体補給部を設けた。
さらに好ましくは、前記振動部の先端部に液体を補給するようにした。
また好ましくは、前記振動部の軸線が、前記容器内の液面に対して非平行となるように前記圧電素子を配置した。
好ましくは、前記容器壁面と振動部の間に、前記霧化の対象となる液体に対する漏水防止性能を持ち、振動を緩和する緩衝部材を設け、該緩衝部材を前記容器壁面と前記振動部で挟持した。
好ましくは、前記緩衝部材は弾性材料で製造されている。
本発明においては、例えば、上述した水供給用綿などのように磨耗/変形する部材を用いず、直接、霧化の対象となる液体を霧化可能な状態で振動部の先端部に導くように構成したので、霧化装置を長時間あるいは長期間連続運転しても、消耗部材の交換などが不要であり、保守も基本的に不要で(メンテナンス・フリーで)ある。
また本発明の霧化装置は、保守・交換部材がないので、霧化装置の周囲に部品交換を見込んだスペースを必要とせず、任意の位置に配設することができる。
本発明の霧化装置は構成が簡単である。
本発明の霧化装置は小型に製造できる。
本発明の霧化装置は、霧化の対象として、水のみならず、種々の液体から霧を発生することができる。
本発明の霧化装置は、安定して高品質の霧化した霧を提供できる。
特に、本発明においては、第1および第2の分級手段の協働により、所望の寸法(粒子径)の霧を発生させることができる。
第1実施の形態
図1(A)を主体に参照して本発明における霧化装置の第1実施の形態について述べるが、便宜上構成説明の一部に図1(E)を参照する。
図1(A)は本発明の霧化装置における霧化原理を説明する第1実施の形態の霧化装置1の部分断面図である。
霧化装置1は、圧電振動子10と、水位WFを規定する上端部20aを有する正面壁20−1を有する。
圧電振動子10は、例えば、図1(E)に図解したように、圧電素子11と、振動部12と、固定部(または基部)13とを有する。圧電素子11は、例えば、PZTである。 圧電振動子10の振動部12は、図1(E)の図解の例示では、固定部13から離れるにつれて直径が徐々に小さくなるように湾曲した形状の円柱(略円錐台形状)として構成されており、先端12Fの表面は平坦に形成されているが、図1(A)においては、振動部12が同一径の円柱形状に形成されたものとして説明する。
圧電振動子10は、裏面壁20−2を基準として、圧電素子11と固定部13とが容器20の外部に位置し、振動部12の一部が容器20の内部に位置するように、裏面壁20−2に固定されている。圧電振動子10の固定部13は、圧電振動子10を裏面壁20−2に固定する部分である。
振動部12の先端12Fは、その表面に水Wの表面張力によって水Wが導かれるように、例えば、平坦に形成されている。
また、正面壁20−1は、水Wが過剰な場合にその上端部20aから水Wを溢れさせ、規定の水位WFを維持するもので、この水位WFの維持により、前述の如く振動部12の先端12Fに水Wをその表面張力によって付着させることができる。前記水位WFの維持手段は、図1(A)の構成に限るものではなく、水位検出センサなどを用いてポンプ装置を制御する手段とすることも可能である。かかる場合であれば、前記正面壁20−1の上端部20a高さは、前述の水位WF維持と関係なく高い寸法に設定できる。
本発明の第1実施の形態における霧化装置の霧化原理を述べる。
図1(A)の図解において、容器20内に収容された霧化の対象となる液体、例えば、水Wは、正面壁20−1の上端部20aにおいて表面張力によって盛り上がり、振動部12の先端12Fの下端に接した水Wは、振動部12の先端12Fの平坦な表面を表面張力によってはい上がる。これにより振動部12の先端12Fには霧化の対象となる水Wが供給される。
このように、正面壁20−1の上端部20aの位置と、振動部12の先端12Fとの位置を、水Wが振動部12の先端12Fの平坦な表面に供給される(付着する)水位WFを維持するように選択(調整)すると、例えば、図18に図解した毛細管現象を利用した水供給用綿150を用いずに、霧化の対象となる水Wを振動部12の先端12Fの面に供給することができ、また供給された水Wが過剰であっても、正面壁20−1の上端部20aから溢れて適正な水位WFを維持することができる。
このように、正面壁20−1の上端部20aは、簡単な構成であるが、表面張力によって水Wを振動部12の先端12Fに供給するための水位WFを維持する手段として機能する。
振動部12の先端12Fに霧化のために必要な所望の水Wが供給された状態において、励起回路によって圧電振動子10を励起させると圧電素子11がその固有振動数に応じて、矢印方向A2に振動部12を高速に振動させる。圧電素子11を励起する励起回路については、例えば、図14に図解した励起回路を参照して後述する。
振動部12の振動により、振動部12の先端12Fに導かれた水Wが霧化されて霧(ミスト)となって矢印方向Aに飛ばされる。霧化発生を連続的に行うことにより、発生された霧を連続的に霧排出開口部30−1から容器20の外部に放出することができる。
以上が本発明の第1実施の形態における霧化原理である。
図2は霧化対象液体を水Wとした場合の、振動部12における先端12Fの表面に付着する水滴の粒子径と、霧化される霧の量の累積体積との関係を示すグラフである。
振動子10の振動条件、能力、性能及び周辺の湿度などにも依存するが、発振周波数を約200KHzとした場合、通常10〜20μm程度の粒子径(直径)の水の粒(ミスト)が一番多く生成されることが確認できた。そのような霧は、図1(A)において矢印Aで示す如く振動部12の中心軸に沿うようにしながら前方に向かって多く進む。
換言すると、十分小さな粒子となった霧は、到達距離が長く、加えて振動部12を傾斜させることによってその到達距離をさらに長くすることができる。
振動部12の先端12Fにおいて霧化される霧の大きさは種々であるが、その詳細は後述する。
本発明における第1実施の形態の霧化装置1においては、水位WFを維持することにより、水Wの表面張力によって振動部12の先端12Fの表面に自動的かつ適切な量の水Wが間断なく提供されるので、霧化状態が安定する。
本実施の形態においては、例えば、図18に例示した水供給用綿150のような振動部12に水Wを提供するため振動部12と接触し、振動部12の高速な振動による磨耗および/または劣化する部材を用いていないので、そのような部材の交換作業が不要となり、基本的に保守作業の要らないメンテナンス・フリーの霧化装置を提供できる。
さらに上述した霧化装置においては、例えば、水供給用綿150の交換作業のためのスペースが不要であり、霧化装置を小型に構成できる。さらに、例えば、水供給用綿150の交換作業を行うためのスペースを、霧化装置1の周囲に確保する必要がない。このことは、霧化装置1を設置する設置場所の制約を受けることが少ないという利点を有する。
本発明における第1実施の形態の霧化装置の用途例を例示する。
本発明における第1実施の形態の霧化装置において、霧化される対象の液体は、上述した水Wに限らない。本実施の形態において霧を発生させる対象の液体としては、表面張力によって振動部12の先端12Fの表面に付着し、振動部12の振動によって霧になる、各種の液体、例えば、水、または、香料が含まれる水、化粧水などの液体、液体薬品、液体肥料、液体塗料などの他に、油、ガソリンなどの燃焼系液体などもが対象となる。
例えば、水から霧を発生させた場合、霧化装置1を加湿器などに使用できる。加湿器としては、住宅の居室内の加湿、あるいは、冷蔵庫内の野菜など生鮮食品の保湿などに使用することもできる。
他方、香料を含む水、または、肌あれ防止用などの化粧水から霧を発生させると、霧化装置1を、香料を含む霧、または、化粧水の霧を発生させる霧化装置として使用することができる。
また、本実施の形態の霧化装置1として、液体塗料を霧化して霧化塗料を提供することができる。かかる場合は、粘性の小さな液体塗料を用いることが好ましい。さらに、霧化の対象とする液体として、ガソリンなどの燃焼系液体を霧化した場合も同様である。
さらに、本実施の形態の霧化装置を、超音波振動を利用する種々の装置、例えば、超音波霧化装置、超音波攪拌装置、超音波洗浄器などとして使用することもできる。
第2実施の形態
図1(B)〜図1(E)を参照して本発明の第2実施の形態について述べる。
第2実施の形態の霧化装置は、図1(A)を参照して述べた本発明の第1実施の形態における霧化原理を適用した霧化装置1Aである。
図1(B)は、第2実施の形態の霧化装置1Aにおける斜視外観図であり、図1(C)は、第2実施の形態の霧化装置1Aにおける内部を図解した断面図である。図1(D)は、図1(C)に図解した霧化装置1Aにおける圧電振動子10と表面張力補助部材50(51、52)の配置を示す正面図である。図1(E)は、図1(D)に図解した圧電振動子10、表面張力補助部材(または水吸引部材)50、および、緩衝部材14の配置を示す霧化装置1の上部から見た断面図である。
第2実施の形態の霧化装置1Aは、箱状の容器20と、圧電振動子10と、水補給部40とを有する構成を基本としている。霧化装置1Aはさらに、圧電振動子10を駆動する励起回路を有する。励起回路については、例えば、図14に図解した励起回路を参照して後述する。また、第1実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
図1(B)、(C)を参照すると、容器20は、正面壁20−1と、裏面壁20−2と、右側面壁20−3と、左側面壁20−4と、上部壁20−5と、底面壁20−6とを有する。
正面壁20−1の上部と上部壁20−5の正面壁20−1近傍の端部とが切り欠きされており、霧化された霧が容器20から放出される霧排出開口部30−1が規定されている。
水補給部40は、例えば、開口部30−1から、容器20内(圧電振動子10と後述する液位維持壁21の間)に霧化の対象となる水Wを供給する。
図1(C)、(E)に図解されているように、図1(A)を参照して述べたと同様の圧電振動子10が裏面壁20−2に固定されている。図解の例示では、振動部12は固定部13から離れるにつれて直径が小さくなるように湾曲した形状の円柱(略円錐台形状)として形成されている。圧電振動子10は、例えば、PZTである。
振動部12は、水Wなどの霧化対象の液体と接するので、霧化対象の液体による腐食が少なく、さらに機械的振動に耐え得る材料、例えば、金属、好ましくは、ステンレススチールで形成されることが望ましい。また、振動部12の先端12Fは、表面張力によって水Wなどの霧化対象の液体が先端12Fの表面に付着可能なように、平坦に形成されていることが望ましい。
圧電振動子10の励起(駆動)は、励起回路、例えば、図14に図解する励起回路120によって行うことができる。
図1(C)の矢印B方向から見た圧電振動子10の取り付け状態を示す図1(E)を参照して、より詳細に圧電振動子10の取り付け状態を述べる。
容器20の裏面壁20−2には圧電振動子10の固定のための位置決めを兼ねる凹陥部20−2aが形成さており、この凹陥部20−2aにシール機能を有する緩衝部材14を介して、固定部13および振動部12における固定部13近傍部分が収容されて固定されている。
裏面壁20−2には、振動部12が貫通する孔20−2bが形成されている。孔20−2bは、湾曲した振動部12の外形より幾分大きく形成されており、振動部12が孔20−2bに接触して振動部12の振動特性が変化することを防止するようにしている。
緩衝部材14は、押圧により変形する程度の弾性を有するとともに防水性を有する部材、例えば、弾性ゴムを用いたOリング、ゴムパッキンなどである。
そして、緩衝部材14は、圧電振動子10を裏面壁20−2に固定するときの押圧により、緩衝部材14が変形して凹陥部20−2aと固定部13との間の隙間をシールし、振動部12と孔20−2bとの隙間から水Wが容器20の外部に漏洩することを防止する漏洩防止機能(シール性)を持つ。さらに緩衝部材14は、圧電素子11の振動に伴う振動部12の振動を抑制する機能(緩衝機能または振動伝達緩和性)を併せ持つ。緩衝部材14を用いると、振動伝達緩和性により振動部12の振動減衰が抑制されるため、振動部12における振動のロスを減少させ、霧化動作を効率よく行うことができるという効果をも奏する。
図1(C)を参照すると、容器20内に正面壁20−1と所定間隔あけて溢水受け部20−7を形成する液位維持壁21が設けられている。
液位維持壁21は、図1(A)を参照して述べた正面壁20−1の上端部20aのように、圧電振動子10を構成する振動部12の先端12Fの表面に、霧化のための水Wが表面張力によって適量自動的に提供されるように、容器20内の水位WFを維持する。
液位維持壁21を容器20内に設けることにより、水補給部40から容器20内に水Wが過剰に供給されたとき、液位維持壁21を越えて溢れた水Wは溢水受け部20−7内に止まり、容器20の外部に溢れ出ない。
図1(C)に図解した例示においては、容器20が配置される水平面20−6a、例えば、床面に対して、裏面壁20−2が所定の角度αだけ傾斜している。その理由は、液位維持壁21の上端部と圧電振動子10の振動部12の先端12Fとの高さの関係において、振動部12の先端12Fに水Wが表面張力により自動的に供給されるように水位WFを保つためである。角度αは、例えば、30〜100度(振動部12の中心線{圧電素子11から振動部先端12Fへ向かう線}が床面と水平方向になる場合を90度とする)の範囲である。
好ましくは、角度αは、75〜85度である。
例えば、液位維持壁21の上端部を、振動部12の先端12Fの下端部とほぼ同じ高さ、または、多少低い位置にすれば、霧化の対象となる水Wが振動部12の先端12Fに供給されながら余剰の水Wが排出されるので、必ずしも、容器20を傾斜させる必要はなく、このとき、角度αは0度である。
好ましくは、図示しない角度調整機構を設け、ユーザが角度調整機構を用いて容器20の角度αを調整し、水位WFの調整、および/または、振動子10の振動部12の先端12Fへの水の接触状態の調整、発生した霧の選択排出、霧の向きを調整するようにすることもできる。
図1(C)に図解した霧化装置1Aは、第1実施の形態として述べた霧化原理に従って、水補給部40から供給され容器20に収容された水Wを、表面張力によって振動部12の先端12Fに導き、導かれた水Wを振動部12の振動によって連続的に霧化させ、開口部30−1から霧化した霧を容器20の外部に放出することができる。
もし、水補給部40から給水された水Wが過剰な場合、液位維持壁21の上端部から溢れ出るので、水Wの水位WFは振動部12の先端12Fに表面張力によって霧化に必要な水Wが供給されるように、自動的に調整・維持される。
第2実施の形態においても、図2を参照して上述したように、使用する振動子10の振動条件、能力、性能および周辺の湿度などにも依存するが、振動子10の振動周波数を約200KHzとした場合、通常10〜20μm程度の粒子径(直径)の水の粒(ミスト)が一番多く生成されることが確認できた。その粒(ミスト)は、振動部12を構成する先端12Fの面に付着した水が主であると考えられる。先端12Fにおいて、その面を越えて周縁に付着した水も同様と考えられるが、振動部12を離れた瞬間に隣接する粒(ミスト)を吸着し、それを繰り返す結果、成長して大粒となり、上述の域から外れたものになると考えられる。そのような主要な霧は、図1(C)の図解において、振動部12の中心軸に沿うようにしながら前方に向かって多く進む。粒子径の大きな水の粒(水滴)は、十分霧化されず、水を含んだ霧、または、その粒状態のまま、水位WFの面に近い方向に飛ぶ。小さく霧化された粒子径の水の粒(霧、ミスト)は、上方向に飛ぶ。
換言すると、十分小さな粒子となった霧は、到達距離が長く、加えて振動部12を傾斜させることによってその到達距離をさらに長くすることができる。
図1(B)、(C)に図解した例示においては、大きな面積の霧排出開口部30−1が容器20の正面壁20−1の上部から上部壁20−5の端部に形成されているから、種々の粒子径の霧を広い空間に放出するのに適している。
このような用途例としては、例えば、居室内の加湿に適切である。もし、対象液体に香料、または、香料を含む水を用いれば霧化した香料の散布が可能となる。
また、例えば、本実施の形態の霧化装置1Aをビニルハウスなどの農産物生育空間への適用を考慮した場合、霧化対象の液体に農薬(薬剤または薬物)、肥料、あるいは、農薬などを含む水を用い、霧化した農薬を農産物の消毒などに用いることができる。本実施の形態の霧化装置1Aによる霧化された農薬は、通常の噴霧器による水滴状態の農薬に比較して粒子径が小さく、連続的に噴霧可能という利点を有する。このような農薬を霧化する霧化装置1Aを移動可能にすれば、より広い範囲に霧化した農薬などを散布することが可能となる。
第2実施の形態における霧化装置1Aの用途例を述べたが、本実施の形態の霧化装置1Aは、これらの例示に限らず、第1実施の形態において例示したように、霧化した液体を噴霧または散布する種々の用途に適用できる。
第2実施の形態の変形態様
図1(D)、(E)を参照して本発明における第2実施の形態の変形態様を述べる。
第2実施の形態の変形態様における霧化装置(1B)は、振動部12の先端12Fの周囲に、かつ、先端12Fの近傍に、第1、第2表面張力補助部材(水吸引部材)51、52を裏面壁20−2(および/または底面壁20−6)に設けたことを特徴とする。第1、第2表面張力補助部材51、52を総称して表面張力補助部材(または水吸引部材)50と呼ぶ。
第1、第2表面張力補助部材51、52は、振動子10の振動部12を挟んで対向する位置に位置している。第1、第2表面張力補助部材51、52の裏面壁20−2からの延出寸法Lは、裏面壁20−2から、振動部12の先端12Fとほぼ同程度に設定されている。
第1、第2表面張力補助部材51、52は、図1(D)に図解したように、振動部12と協働して振動部12の先端12Fにおいて水Wなどの霧化対象液体が表面張力によって付着するようにその水位WFを維持する保水機能を果たすものである。換言すれば、第1、第2表面張力補助部材51、52は、振動部12と協働して水Wを保水可能とする如く、振動部12の近傍に対向した位置、および、高さに設けられている。
図1(A)および図1(C)の構成において、第1、第2表面張力補助部材51、52を設けることにより、図1(A)および図1(C)を参照して述べた横方向の水位WFの面における振動部12の軸方向における先端12Fへの表面張力による水Wの補給に加えて、横方向の水位WFの面と直交する縦方向の面(振動部12の径方向)における表面張力によっても振動部12の先端12F面への表面張力による水Wの補給が行われる。
すなわち、振動部12の軸方向と径方向の二次元方向における表面張力による、振動部12の先端12Fの表面への水Wの補給が行われる。その結果、振動部12の先端12Fの表面への一層安定かつ適切な水Wの補給が可能となる。
例えば、微弱な地震などに伴う霧化装置の振動により、あるいは、容器20の傾斜角度αが微妙に変化して水位WFと振動部12の先端12Fとが微妙に離間するような事態が発生しても、振動部12と協働する表面張力補助部材50の表面張力助成作用によって、表面張力に伴う水Wの先端Fへの付着が継続され、これに基づく給水作用および保水作用により、安定して水Wを振動部12の先端12Fの表面に提供することができる。
第1、第2表面張力補助部材51、52は少なくとも一方を設ければよいが、1対として設けられることが好ましい。他方、振動部12を挟んで3以上の複数の表面張力補助部材を配設することもできる。
表面張力補助部材の形状は、第1図(D)、(E)に例示した、断面が矩形なものに限らず、円形の振動部12を囲むように、振動部12の外径より大きな部分円形(弧)状の形状にすることもできる。このように、表面張力補助部材としては、振動部12の断面形状に応じて水Wの表面張力を助成し、水Wを効果的に振動部12の先端12Fの面に付着し、はい上がる吸い上げ構造を持つようにすることができる。
第3実施の形態
図3(A)〜(G)は、本発明の第3実施の形態における霧化装置1Cの構成を示す図である。第3実施の形態の霧化装置1Cは、霧化によって発生した霧を分級して放出する霧化装置である。
「分級」とは、霧化によって発生した種々の粒子径の霧において、粒子径(大きさ)に応じた霧に区分(分類)することをいう。したがって、所望する範囲の粒子径の霧を、用途に応じて用いることができる。
なお、第1および第2実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
第3実施の形態の霧化装置1Cは、箱状の容器20と、振動子10と、霧の分級を可能とする正面壁20−1に設けられた霧排出・水位維持用開口部30と、水補給部40とを有する。霧化装置1Cはさらに振動子10を駆動する励起回路を有する。
励起回路については、例えば、図14を参照して後述する。
容器20は、第2実施の形態における容器20と同様、正面壁20−1、裏面壁20−2、右側面壁20−3、左側面壁20−4、上部壁20−5、底面壁20−6とで構成されている。
第3実施の形態においては、正面壁20−1には、水位WFの維持機能の他に、発生した霧の分級を可能とする霧排出・水位維持用開口部30が正面壁20−1に設けられている。
正面壁20−1の霧排出・水位維持用開口部30が設けられた位置と対向する裏面壁20−2の位置に圧電振動子10が固定されている。
上部壁20−5には、容器20の内部に霧化の対象となる水Wを補給する水補給部40が設けられている。
水補給部40によって容器20に水Wを補給する方法としては、例えば、上部壁20−5に図示しない開口部が設けられており、その開口部を介して水補給部40が容器20内に水を落下させる構成、あるいは、水補給部40から容器20の水中に延びるチューブを接続し、チューブを介して水補給部40から容器20内に水を補給する構成とすることもできる。
水補給部40から容器20に補給する水の量は、圧電振動子10の先端12Fに導かれた水Wが霧化されることによる水位WFの低下に応じて水Wが振動部12の先端12Fの面から離れない程度に行う。例えば、霧化装置1を連続運転した場合、発生する霧の量、すなわち、霧化で消費する水量はある程度判るから、例えば、霧化装置1の連続運転時間を基準に水補給部40から水を断続的に補給することができる。あるいは、容器20内の水位を測定する水位計を設けて、水位計の計測値と基準値とを比較して水位計の計測値が基準値を下回ったとき水補給部40から所定量の水Wを補給することもできる。これらの水の補給に際しては、ポンプなどを用いた電気回路で構成することができる。
水補給部40による容器20への水Wの補給は、必ずしも、正確である必要はなく、多少余剰であってもよい。その理由は、本実施の形態においては、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30を介して霧化のために余剰の水が溢れ出ることにより、容器20内の水位WFが維持されるからである。この水位WFの維持は、容器20を傾斜させるなどして、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30の下辺30aの位置を調整することにより、最適な状態に調節可能である。
上述した水補給部40による水Wの補給(給水)方法は、第2実施の形態についても適用できる。
容器20は、例えば、アクリル材、ABS樹脂などで製造することができる。
容器20の正面壁20−1に設けられた霧排出・水位維持用開口部30の周囲は、霧の発生状態の目視、水の補給状態および/または水位WFの確認のために、透明または準(半)透明にすることができる。その場合、透明アクリル材、透明ガラスなどで霧排出・水位維持用開口部30の周囲を形成することができる。もちろん、霧排出・水位維持用開口部30の周囲が透明または準(半)透明であることが必須ではない。
正面壁20−1に設けられた霧排出・水位維持用開口部30の周囲を除く部分の素材は任意である。
上述した容器20の材質などについては、第2実施の形態の霧化装置についても適用できる。
図3(D)に図解したように、裏面壁20−2には、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30と対向する位置に圧電振動子10が取り付けられている。
第3実施の形態における圧電振動子10は、図3(E)に図解したように、圧電素子11と、固定部(または基部)13と、固定部13と同じ径を有する大径部12aと、この大径部12aに一体構成された断面が矩形の矩形部12bとからなる振動部12とを有する。すなわち、第3実施の形態の圧電振動子10における振動部12の矩形部12bの先端12Fは、図3(C)に図解したように、正面から見た断面が矩形である。
裏面壁20−2への圧電振動子10の固定について述べる。
裏面壁20−2には振動部12の矩形部12bが挿入される孔20−2bが形成され、裏面壁20−2の外側に固定部13および大径部12aを収容して圧電振動子10を固定する圧電振動子取り付け部20−2xが形成されている。
緩衝部材14を裏面壁20−2に形成された孔20−2hに嵌め込み、孔20−2bに振動部12の矩形部12bを挿入させ、振動部12の大径部12aおよび圧電振動子10を圧電振動子取り付け部20−2xに挿入する。そして、圧電振動子10を裏面壁20−2側に押圧して緩衝部材14を変形させた状態で大径部12aを、例えば、接着剤、また、ろうづけ、あるいは、ネジ止めして圧電振動子取り付け部20−2xに固定する。
以上により、振動部12の矩形部12bが容器20の水Wが収容される内側に臨む。
図解の例示では孔20−2bは振動部12の矩形部12bより大きく形成されており、振動部12が孔20−2bに接触して振動部12の振動特性が変化されることはない。
緩衝部材14は、第2実施の形態における緩衝部材14と同様、例えば、押圧により変形し、防水性のある材料、例えば、弾性ゴムを用いたOリング、または、断面が矩形状の弾性の環状ゴム、ゴムパッキンである。
緩衝部材14は、押圧により変形して圧電振動子取り付け部20−2xと振動部12との間に水Wが漏洩する隙間を作らないか、水Wが孔20−2bから容器20の外部に漏洩しないように取り付けられている。
緩衝部材14はこのように、容器20内の水Wが容器20の外部に漏洩することを防止する漏洩防止する機能(シール性)を持つとともに、圧電素子11の振動により振動する振動部12の振動を吸収して抑制する機能(緩衝機能または振動伝達緩和性)を併せ持つ。緩衝部材14の振動伝達緩和性により振動部12の振動減衰が抑制されるため、振動部12における振動のロスを減少させ、霧化動作を効率よく行うことができるという効果をも奏する。
正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30による水位維持機能と分級機能について述べる。
圧電振動子10と対向する位置に位置する霧排出・水位維持用開口部30は、図3(A)に図解した例示では、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの横長の矩形として正面壁20−1に形成されている。
霧排出・水位維持用開口部30は、図3(B)に図解したように、表面張力によって振動部12の先端12Fに霧化のための水Wを供給するため容器20内の水位WFを維持する機能と、圧電振動子10の振動部12の先端12Fによって発生した霧が容器20の外部に放出(排出)されるときに所定範囲の粒子径の霧のみ放出するように、放出される霧の大きさを規制する機能(分級機能)とを有する。
そのため、霧排出・水位維持用開口部30は、振動部12で発生して飛ぶ霧の飛散方向の位置に応じた正面壁20−1の位置(通常は振動部12の真正面)に配置され、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの矩形の形状をしている。
図3(B)に例示したように、水の表面張力で霧排出・水位維持用開口部30が設けられた正面壁20−1の下辺30aより水が幾分盛り上がっている。
水補給部40から補給された水Wのうち霧化に使用できない余剰の水Wが霧排出・水位維持用開口部30の下辺30aから溢れて容器20から流れ出る。その結果、仮に霧の発生に対して水補給部40から過剰の水が補給された場合でも、容器20内において圧電振動子10における振動部12の先端12Fの全てが水W中に埋没して、霧の発生が困難になることがないように、水位WFが水平方向Hにおいてほぼ一定に維持される。このように、霧排出・水位維持用開口部30は第1の水位維持機能を有する。
霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に流れ落ちる水を溜める部分は図示を省略している。
また、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30は、図3(C)に図解したように、振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの面において下部に水が接触し、その水が表面張力によって振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの面をはい上がって先端12Fの所定範囲に付着し、振動部12の振動によって霧化されるように水位WFを一定に維持する第2の水位維持機能を有する。
振動子10の振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの面は、表面張力によって水Wがはい上がるように平坦に形成されている。
また、振動部12の先端12Fにおいて、その面の平坦度の調整や一定のR形状にすることで霧化による霧の噴霧量を調整することも可能である。
本実施の形態においても、表面張力によって直接水Wが振動子10の振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fに補給され、上述した毛細管現象を利用する水供給用綿150を用いないので、磨耗および/または変形する水供給用綿150を交換する必要がない。
このように、本実施の形態の霧化装置は、水補給部40と正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30とを用い、かつ、水Wの表面張力を利用しており、単に図18を参照して述べた水供給用綿150を水補給部40などで代替したものではない。
本実施の形態においても、第2実施の形態においても述べたように、水位WFを所定の状態に維持するため、および/または、後述する発生した霧を分級して所望の大きさの霧を外部に効果的に排出するため、および/または、発生した霧の向き(方向)を規定するため、例えば、図3(B)に図解したように、容器20の正面壁20−1を上向きにして、容器20を所定の角度αで傾斜させることができる。角度αは、例えば、30〜100度(振動部12の中心線{圧電素子11から振動部先端12Fへ向かう線}が床面と水平方向になる場合を90度とする)の範囲で変化させる事が望ましい。
例えば、図示しない角度調整機構を設け、ユーザが角度調整機構を用いて容器20の角度αを調整することにより、水位WFの調整、および/または、振動子10の振動部12の先端12Fへの水の接触状態の調整を可能とし、さらに正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30によって発生した霧の粒子径を規制した排出、および/または、霧の排出向き、排出範囲を調整することができる。
なお、通常、霧化装置1Cは、底面を水平な面の上に載置して使用するから、図3(B)の破線で示した形状を成しており、したがって、正面壁20−1は、同図の如く傾斜している。しかし、用途などに応じて、その底面20−6aが、例えば、テーブルなどの水平面と一致するような構造にすることもできる。
図3(C)に図解したように、容器20内に位置する振動子10の振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fが部分的に水Wに接触していると、矩形部12bの先端12Fの面には表面張力によって水がはい上がる。そして、振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの面に付着した水Wは、振動部12の振動によって霧化される。
振動部12の振動によって霧化され、喪失した水W相当分の先端12F下部面への補充は、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30の水位維持機能によって容器20内の水位WFが維持されている限り、絶えることなく表面張力によって補充される。これにより、振動子10が振動している間、連続的に霧が発生する。なお、容器20内で不足した水Wは水補給部40から補給される。
振動部12を構成する矩形部12bの先端12F下部の面に付着した水Wが振動部12の振動によって霧化される現象は、図18を参照して述べた現象と同様である。
分級の詳細について述べる。
図2を参照して上述したように、通常、10〜20μm程度の粒子径の霧が最も多く生成され、そのような霧は、図3(F)において振動部12を構成する矩形部12bの中心の前方、すなわち矢印で示した方向Aに向かって多く進み、またその到達距離も長い。他方、粒子径の大きな水の粒は十分小さな粒径の霧となることなく、水の粒を含んだ霧、または、その粒状態のまま、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bに向かって飛ぶが、正面壁20−1の上辺部30bに遮られて容器20の外部には飛ばない。水位WFより低い方向に進んだ水の粒、あるいは霧排出・水位維持用開口部30まで到達しなかった水の粒は容器20内の水Wに吸収される。
図3(B)および図3(F)に図解したように、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30は、その上辺部30bが、そのような霧にならない水の粒(水滴)が容器20の外部に放出(排出)されることを防止するように、その寸法が設定される。その結果、霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bは、所望の寸法(粒子径)の霧を容器20から排出させるとともに、霧にならない水の粒(水滴)などを容器20から排出させないように規制することができる。
同様に、図3(G)に図解したように、霧排出・水位維持用開口部30の左辺部30cおよび右辺部30dも、容器20から排出する霧における左右方向成分の寸法(粒子径)規制を行う。
このように、霧排出・水位維持用開口部30は、霧化した霧または霧化にまで到達していない水の粒(水滴)の寸法(粒子径)を規制して容器20の外部に排出する機能(分級機能)を有する。その結果、ある範囲の寸法(粒子径)に特定された品質の高い霧を霧噴出・水位維持用開口部30から排出することができる。
図3(G)に図解したように、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30の長辺(幅)wを適切に設定することにより、左右方向についても分級機能が得られ、その結果、左右の辺部30c、30dの正面壁20−1にぶつかった、十分霧化されず、水の粒を含んだ霧、または、水の粒(水滴)は、霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部には排出されない。
図4(A)、(B)は、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30の有無による分級性能の実例を示すグラフである。
図4(A)は分級手段としても機能する霧排出・水位維持用開口部30(条件:h=13.5mm、w=12mm/矩形部12−bの先端Fより5mm離れて設置)が形成された正面壁20−1を用いた場合の霧の粒度分布を示すグラフである。図4(A)に示す結果は、数μm〜数十μmの粒子径の霧が霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に排出されていることを示す。
他方、図4(B)は分級手段としても機能する霧排出・水位維持用開口部30が、正面壁20−1に形成されなかったいわゆる開放状態にある空間で霧化させた場合の霧の粒度分布を示すグラフである。霧排出・水位維持用開口部30が形成されなかった場合とは、第1、第2実施の形態の霧化装置におけるように、図3(B)における霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bより上の正面壁20−1が存在せず、霧化された霧が遮られることなく進行可能であることを意味する。
図4(B)に示す結果は、10μm〜100μmの範囲の比較的大きな粒子径の霧、すなわち、水分を多く含む霧が霧排出・水位維持用開口部30から容器20の外部に排出されたことを示す。
図4(B)の結果は、分級されることなく霧が蔓延している中で、到達距離の短い大粒のミストが隣接する粒(ミスト)を吸着して成長し、その間に到達距離の長いミストが成長の遅いまま遠くまで排出されたものと考えられる。
以上から、霧排出・水位維持用開口部30が、たとえば、数μm〜数十μmの粒子径程度の霧を選別する分級機能(性能)を示すことが理解できる。霧排出・水位維持用開口部30の上辺部30bの位置、換言すれば、霧排出・水位維持用開口部30の高さhの寸法を適宜設定することにより、所望の寸法の霧を選別する分級性能が調整できることも理解できる。
なお、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30を、図1(C)の液位維持壁21と同様の壁と、図1(B)の霧排出開口部30−1とに分離して、液位維持壁21から溢れた水が容器20の外部に溢れ出ないようにすることもできる。
第3実施の形態の第1の変形態様
好ましくは、第3実施の形態の霧化装置1Cはさらに、図3(C)、(D)に図解した、第1および/または第2表面張力補助部材51、52を備えることができる。
振動部12の矩形部12bに隣接して(近傍に)、振動部12を構成する矩形部12bの両側の位置、好ましくは、両側の対称な位置に、第1、第2表面張力補助部材51、52を設けると、振動部12と第1表面張力補助部材51との間、および、第2表面張力補助部材52と振動部12との間に、表面張力で水Wがはい上がってくる。換言すれば、振動部12と第1および第2の表面張力補助部材51、52との間隔は、第1、第2の表面張力補助部材51、52を設けることにより、水Wが表面張力によって振動部12の矩形部12bまではい上がることが可能な距離にする。
振動部12と第1および第2の表面張力補助部材51、52は、はい上がった水Wを保持する保水効果をも奏する。
このように、第1表面張力補助部材51および第2表面張力補助部材52を設けると、振動部12だけの時に比べて、表面張力による矩形部12bの先端12Fの面への水の補充が適正かつ連続的に効率よく行われる。その結果、霧の発生を効果的に行うことができる。
第1表面張力補助部材51および第2表面張力補助部材52は、その両者を配設する必要はなく、いずれか一方のみ配設することもできる。他方、振動部12を挟んで3以上の複数の表面張力補助部材を配設することもできる。
表面張力補助部材の形状は、図解を例示した断面が矩形なものに限らず、振動部12の形状に沿って形成すればよいもので、例えば、円柱状の振動部であれば、表面張力補助部材における振動部と対向する面を、振動部12を囲むように、振動部12の外径より大きな部分円形(弧)状の形状にすることもできる。このように、表面張力補助部材としては、振動部12の断面に応じて、水を表面張力によって効果的に振動部12の先端12Fの面に付着し、はい上がる吸い上げ構造を持つようにすることができる。
第3実施の形態の第2変形態様
図5(A)〜(D)を参照して霧排出・水位維持用開口部30の好ましい形態、および、好ましい圧電振動子10の形態について述べる。さらに、水補給部40による好ましい補給方法を述べる。
図5(A)は、正面図であり、図5(B)は、A−A線による断面を上から見た図であり、図5(C)は、B−B線による断面を側面から見た図である。図5(D)は、正面図であり、図5(A)に図解した霧排出・水位維持用開口部30と水補給部40の位置を変更した例である。
図5(A)、(B)には、例示として寸法の具体例を示した。寸法の単位はmmである。もちろん、このような寸法は例示である。ただし、本実施の形態の霧化装置においては、容器20がこの例示のような寸法、すなわち、小型にも構成できる。なお、先の実施の形態と同様の構成要件については同一の符号を付して説明する。
図5(A)に図解されているように、水補給部40によって容器20に水Wを補給する方法としては、例えば、上部壁20−5に形成された開口部を介して傾斜した案内部40bから容器20内に水を落下させることができる。あるいは、水補給部40から容器20の水中に延びるチューブ(図示せず)を接続し、チューブを介して水補給部40から容器20内に水を補給することもできる。
また、図5(D)に図解されるように、水補給部40と霧排出・水位維持用開口部30を左右対称な(対向する)位置に配置することで、容器20内の水に流れが生じ、容器内20の水が常に新鮮に保たれる。
水位WFの維持と分級を行う正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30は、図3(A)に例示したように、矩形または正方形に限定される訳ではなく、例えば、図5(A)、(B)に図解したように、縦長の楕円形、あるいは、図示しない円、多角形などにすることができる。
霧排出・水位維持用開口部30の形状を如何に設定するかは、霧の発生状況、霧排出・水位維持用開口部30をいかに通過させるかなどの条件に応じて決定する。
図5(A)を参照すると、霧排出・水位維持用開口部30が縦長の楕円形状をしている。振動子10を構成する振動部12の先端12Fの断面形状は矩形である。
そして、その振動部12の先端12Fにおいて、矩形の短辺が水面に接し、そして矩形の長辺(図示の例では、縦方向の辺)が垂直方向になるように配置することにより、より安定した霧化が可能となり、かつ、霧化時間が長くなることが確かめられた。その理由は、縦方向の長さがある程度長いと、表面張力によって振動部12の先端12Fの面に供給される水が霧化に必要な分の量だけ、安定して供給されるためと考えられる。
実験した振動部12の先端12Fの寸法は、縦方向(長辺)の長さ約3mm、横方向(短辺)の長さ約1mmであった。
なお、図3(E)に図解したように、振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの正面の矩形形状は、矩形の対角線の長さが振動部12の大径部12aの直径より小さいように形成されている。もちろん、振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの正面は、表面張力で付着した水Wを、所定の時間に所定量、霧化できる面積を持つように形成されている。
そして、矩形部12bの先端12F正面の矩形形状は、縦方向:横方向の比率を、例えば、1:0.3(矩形)〜1.0:1.0(正方形)の範囲とする。本明細書における矩形には、正方形をも含む。このように、振動部12の先端部の形状は、正方形でもよい。
正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30が矩形の場合、例えば、正方形の場合、四隅部分から、水滴を含む霧が容器20の外部に排出される可能性がある。そこで、図5(A)に図解したように、霧排出・水位維持用開口部30の形状を楕円、あるいは、円、または多角形などにすることができる。
このような形状の霧排出・水位維持用開口部30を用いると、矩形の霧排出・水位維持用開口部30を用いた場合に四隅から排出する水滴を含む霧が容器20の外部に排出される可能性を低下することができる。
換言すれば、霧排出・水位維持用開口部30の形状を選択し、その寸法を調節することにより、容器20の外部に排出される霧の分級条件を変化させることができる。その結果、排出される霧の質を用途等に応じて変化させることができる。
霧排出・水位維持用開口部30は、矩形または正方形に限定される訳ではなく、縦長の楕円形、円、多角形など任意の形状にすることができる。
霧排出・水位維持用開口部30の形状を如何に設定するかは、霧の発生状況、霧排出・水位維持用開口部30をいかに通過させるかなどの条件に応じて決定する。
図5(C)に示すように、水補給部40は傾斜面を有する案内部40bを有し、その先端が振動部12の先端12Fの近辺に延びている。そのため、水補給部40から供給された水は、自ずと圧電振動子10の振動部12の先端12Fに注がれ、下部に位置する水位の表面張力作用による先端12Fへのはい上がりを補うこととなる。その結果、水の表面張力による振動部12の矩形部12bの先端12Fへの付着が安定し、振動による霧化の安定化をはかることができる。
第3実施の形態の霧化装置1Cは、第1実施の形態および第2実施の形態の霧化装置と同様の用途に適用できる。
ただし、第3実施の形態の霧化装置1Cは、分級手段を設けて、所望の粒径の霧を排出させることができるので、特に、そのような粒径の霧を必要とする用途、たとえば、多量の霧必要はないが、粒径の小さな霧によって、たとえば、冷蔵庫内の野菜に湿りけを与えて野菜を長期間新鮮に維持するための加湿器などに適用できる。
第4実施の形態
図6〜図10を参照して本発明の霧化装置における第4実施の形態を述べる。
第3実施の形態の霧化装置1Cは、正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30によって、霧化された霧(ミスト)を分級する機能を有する。第4実施の形態の霧化装置は、第3実施の形態の霧化装置1Cにおける正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30を第1の分級手段とした場合、さらに分級を行う第2の分級手段を設けてさらに所望する小さな寸法の霧を提供可能とする霧化装置である。
第4実施の形態、第1形態
図6(A)〜(C)を参照して、第4実施の形態における第1形態の霧化装置1Dについて述べる。
図6(A)は、第4実施の形態の第1形態における霧化装置1Dの断面図である。
第4実施の形態の霧化装置1Dは、第3実施の形態の霧化装置1Cにおける容器20と同様の箱状の容器20Dと、振動子10と、水補給部40と、振動子10を駆動する励起回路とを有する。励起回路については、例えば、図14を参照して後述する。
容器20Dは、正面板32と、裏面壁20−2と、図6(A)には図示しない右側面壁20−3と、図示しない左側面壁20−4と、上部壁20−5と、底面壁20−6とで構成されている。右側面壁20−3と左側面壁20−4とは図3(A)を参照されたい。
容器20D内に霧化の対象となる水Wが収容されている。
容器20D内には、第1の分級板31Aまたは31Bが設けられている。第1の分級板31A、31Bは、第3実施の形態の霧化装置1Cにおける正面壁20−1の位置に該当する位置に配置することができる。
図6(B)、(C)は、図6(A)に図解した霧化装置1Dに配置された第1の分級板31としての例示的な分級板31A、31Bの正面図である。
図6(B)に図解した第1の分級板31Aは、本体部311と、本体部311内に形成された矩形の霧排出・水位維持用開口部313とを有する。圧電振動子10と対向する位置に位置する第1の分級板31Aに形成された矩形の霧排出・水位維持用開口部313は、第3実施の形態の霧化装置1Cにおける正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30と同様、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの横長の正方形を含む矩形として形成されている。
図6(C)に図解した第1の分級板31Bは、本体部311と、本体部311内に形成された上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部314とを有する。霧排出・水位維持用開口部314は、高さh1までが横長wの矩形、その上部に高さがhの半径r(=w/2)の半円に形成されている。
第1の分級板31Aと第1の分級板31Bとの相違は、本体部311に、矩形の霧排出・水位維持用開口部313が形成されている(31A)か、上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部314が形成されているか(31B)である。
なお、第1の分級板31Aおよび第1の分級板31Bにおける本体部311の容器20Aを形成する底面20−6の近傍の位置に連通穴315を設けて第1の水溜め空間201と、第2の水溜め空間202との間を連通可能にすることもできる。
以下、図6(B)に図解した第1の分級板31Aを例示して述べる。
第3実施の形態の霧化装置1Cと第4実施の形態の霧化装置1Dとの主要な要素を比較する。
(1)霧化装置1Cにおける霧排出・水位維持用開口部30が設けられた正面壁20−1が、霧化装置1Dにおける霧排出・水位維持用開口部313が設けられた第1の分級板31Aに対応している。
(2)霧化装置1Dには、さらに第2の分級手段として機能する正面板32が設けられている。
このように、第4実施の形態の霧化装置1Dにおいては、第1の水溜め空間201内の第1水位WF1の維持機能と発生した霧の分級を可能とする矩形の霧排出・水位維持用開口部313が形成された第1の分級手段としての第1の分級板31Aと、霧排出・水位維持用開口部313を通過した霧をさらに分級する第2の分級手段としての正面板32が設けられている。
(3)第1の分級板31Aの本体における下部に連通穴315が設けられている場合は、霧化装置1Dにおいては、第1の水溜め空間201と第2の水溜め空間202との間を、水Wが連通する。すなわち、水位WFを維持する機能を有する第1の分級板31Aの霧排出・水位維持用開口部313の下辺313aから溢れた水Wは第2の水溜め空間202に落ちるが、連通穴を介して第1の水溜め空間201と第2の水溜め空間202とが連通しているから、下辺313aから溢れ出た水Wは再び霧化に使用される。
裏面壁20−2への圧電振動子10の固定方法は、第3実施の形態で述べた方法と同様である。圧電振動子10は、圧電素子11と、固定部(または基部)13と、振動部12とを有する。もちろん、緩衝部材14を用いて圧電振動子10を裏面壁20−2に固定することもできる。
上部壁20−5の端部には、容器20Dの内部に霧化の対象となる水Wを補給する水補給部40が設けられている。水補給部40によって容器20Dに水Wを補給する方法は、第3実施の形態において述べたいずれかの方法をとることができる。
第4実施の形態の霧化装置1Dにおいても、図3(C)、(D)に図解した、第1および/または第2表面張力補助部材51、52を備えることができる。
さらに、第4実施の形態の霧化装置1Dにおいて、図5(A)〜(D)を参照して霧排出・水位維持用開口部30と同様に、霧排出・水位維持用開口部313を構成することができる。
容器20Dの材料も、第3実施の形態における容器20の材料と同様のものを使用することができる。
圧電振動子10による霧化の方法(原理)は、第1〜第3実施の形態と同様である。
第1の分級板31Aに形成された矩形の霧排出・水位維持用開口部313による分級方法は、第3実施の形態の正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30と同様である。
したがって、これらについての記述を割愛する。
第1の分級板
霧化方法および第1の分級板31Aによる分級の概要を述べる。
霧排出・水位維持用開口部313が形成された第1の分級板31Aによる分級の原理は、図2を参照して述べた第3実施の形態と同様である。
第1の分級板31Aにおける矩形の霧排出・水位維持用開口部313は、表面張力によって振動部12の先端12Fに霧化のための水Wを供給するため、容器20D内の第1の水溜め空間201内の第1水位WF1を維持する機能と、圧電振動子10の振動部12の先端12Fによって発生した霧の大きさを選別して正面板32に向かって通過するように、所定範囲の寸法にある粒子径の霧のみ、たとえば、数μm〜数十μmの粒子径の範囲にある霧を、通過させるように、矩形の霧排出・水位維持用開口部313を通過する霧の大きさを規制する機能(分級機能)とを有する。
そのため、短辺の長さ(高さ)h、長辺(幅)wの矩形の霧排出・水位維持用開口部313は、圧電振動子10の振動部12で発生した霧の飛散方向の位置に応じた第1の分級板31Aの位置(通常は振動部12の真正面)に配置されている。
図3(B)を参照して述べたと同様に、図6(A)においても、水の表面張力で矩形の霧排出・水位維持用開口部313が形成された第1の分級板31Aの下辺313aより水が幾分盛り上がっている。
水補給部40から容器20D内に補給された水Wのうち霧化に供しない余剰の水Wが矩形の霧排出・水位維持用開口部313の下辺313aから溢れて第2の水溜め空間202に流れ出る。その結果、第1の水溜め空間201の第1水位WF1が水平方向Hにおいてほぼ一定に維持される。このように、霧排出・水位維持用開口部313は第1の水位維持機能を有する。第1の水溜め空間201の第1水位WF1と、第2の水溜め空間202の第2水位WF2とは、水Wの表面張力の程度だけ高さが異なるだけでほぼ同じ水位である。
さらに、第1の分級板31Aに設けられた霧排出・水位維持用開口部313は、図3(C)に図解したと同様に、振動部12を構成する矩形部12bの先端12Fの面において下部の一部に水が接触し、その水が表面張力によって振動部12の先端12Fの面をはい上がって振動部12の先端12Fの面に付着し、振動部12の振動によって霧化されるように第1水位WF1を一定に維持する第2の水位維持機能を有する。
第4実施の形態においても、第2および第3実施の形態においても述べたように、第1水位WF1を所定の状態に維持するために、および/または、後述する発生した霧を分級して所望の大きさの霧を外部に効果的に排出するために、および/または、発生した霧の向き(方向)を規定するために、図示しない角度調整機構を設けて、底面壁20−6を所定の角度αで傾斜させることができる。角度αは、例えば、30〜100度(振動部12の中心線{圧電素子11から振動部先端12Fへ向かう線}が床面と水平方向になる場合を90度とする)の範囲で変化させることができる。このようにすることによって、第1水位WF1の調整、および/または、振動子10の振動部12の先端12Fへの水の接触状態の調整を可能とし、さらに第1の分級板31Aに設けられた霧排出・水位維持用開口部313を通過する霧の粒子径を規制した排出、霧の排出の向きを調整することができる。
霧排出・水位維持用開口部313の左辺部313cおよび右辺部313dについても、霧排出・水位維持用開口部313を通過する霧について左右方向成分の寸法(粒子径)規制を行う。
第1の分級板31Aによる分級性能は、たとえば、図4(A)を参照して述べた例と同様である。
このように、第1の分級板31Aは第1の分級を行う。すなわち、霧排出・水位維持用開口部313を有する第1の分級板31Aは、霧化した霧または霧化しない水の粒(水滴)の寸法(粒子径)を規制して正面板32に向かって排出する機能(分級機能)を有する。その結果、ある範囲の寸法(粒子径)に特定された品質の高い霧を、たとえば、数μm〜数十μmの粒子径の霧を、霧排出・水位維持用開口部313から正面板32に向けて通過させることができる。
もちろん、図6(B)に図解した矩形の霧排出・水位維持用開口部313で形成された第1の分級板31Aに代えて、図6(C)に図解した上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部314が形成された第1の分級板31Bを用いることができる。
矩形の霧排出・水位維持用開口部313を用いた場合、例えば、正方形の場合、四隅部分から、水滴を含む霧が矩形の霧排出・水位維持用開口部313を通過する可能性がある。そこで、図6(C)に図解した上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部314を用いることができる。このような形状の霧排出・水位維持用開口部314を用いると、水滴を含む霧が正面板32に向かって排出される可能性を低下することができる。
霧排出・水位維持用開口部としては、その他に図5(A)、(B)に図解した楕円形を用いることができる。
第1の分級板31Aまたは第1の分級板31Bにおける圧電振動子10の振動部12からの距離、振動部12の中心線に対する高さ、霧排出・水位維持用開口部の形状および大きさは、圧電振動子10の振動部12で霧化された第1ミストM1の指向性、拡散度合い、第1ミストM1の粒径の分布などを考慮して、かつ、正面板32に向けてどの程度の粒径の第2ミストM2を通過させるかを考慮して、規定する。
本実施の形態では、たとえば、第1の分級板31Aまたは第1の分級板31Bから、数μm〜数十μmの粒子径の第2ミストM2を、第2の分級手段としての正面板32に向けて通過させる。
以下、第2の分級手段を用いた場合について述べる。
第2の分級手段
第2の分級手段としての正面板32は、第1の分級板31Aから、距離d1だけ離間した高さH1またはH2の壁である。
第1の分級板31Aにおける矩形の霧排出・水位維持用開口部313を通過した第2ミストM2は、正面板32に当たる。第2ミストM2のうち粒径の大きなミスト(霧)は、たとえば、10μmを越える霧は正面板32に衝突した水滴になり、正面板32の壁面に沿って第2の水溜め空間202内に落下していく。第2ミストM2のうち粒子径の小さいな軽いミスト(霧)は、たとえば、10μm以下の霧は第3ミストM3となって上昇、または、後から発生する第3ミストM3のエネルギーを受けて共に上昇する。
このように、正面板32は、第2ミストM2よりさらに粒子径の小さな第3ミストM3を発生させる第2の分級手段として機能する。
なお、本実施の形態では、正面板32は、第2の水溜め空間202を規定する容器壁としても機能している。
正面板32の高さを調整することにより、第3ミストM3に占める粒子径を調整することができる。
たとえば、正面板32の高さをH2と高くすると、正面板32によって水滴にされる霧が多いから、第3ミストM3としてはより粒径の小さな分布の霧となる。他方、正面板32の高さをH1と低くすると、正面板32によって水滴にされる霧が少なくなり、場合によっては、正面板32を越える霧も存在し、第3ミストM3としては、第2ミストM2よりは小さいが粒径の大きな分布の霧となる。
このように、正面板32の高さを変化させることによって、第3ミストM3の粒径分布を調整することができる。
同様に、第1の分級板31Aから正面板32までの距離d1を調整することによって、第2ミストM2の拡散の巾が変化し、これに伴って正面板32に衝突する霧の分布状態が変化するので、正面板32に衝突した派生する第3ミストM3の粒径の分布を変化させることができる。
もちろん、正面板32の高さを変化させること、または、所望の高さに設定することと、第1の分級板31Aから正面板32の距離を変化させる、または、所望の距離に設定することを同時に行うこともできる。
所望の粒子径を持つ第3ミストM3をいかに発生させるかは、圧電振動子10による第1ミストM1の発生条件、矩形の霧排出・水位維持用開口部313が形成された第1の分級板31Aの条件、および、正面板32の上記高さ、距離などを総合的に判断して決定する。
たとえば、第1〜第3実施の形態において述べたように、ある条件においては、10〜20μm程度の粒子径の霧(ミスト)が最も多く生成され易いので、圧電振動子10においてそのように水滴を霧化して、たとえば、数μm〜数十μmの粒子径の第2ミストM2を選別し、最終的に10μm以下の第3ミストM3を生成する。
第4実施の形態の霧化装置1Dは、第1〜第3実施の形態の霧化装置と同様の用途に適用できる。
ただし、第4実施の形態の霧化装置1Dは、第1および第2の分級手段を設けて、相当粒径の小さな霧を発生させることができるので、特に、そのような粒径の霧を必要とする用途、たとえば、多量の霧必要はないが、粒径の小さな霧によって、たとえば、冷蔵庫内の野菜に湿りけを与える加湿器などに適用できる。
第4実施の形態、第1形態の第1の変形態様
図7を参照して、第4実施の形態における第1形態の第1の変形態様について、図6(A)に図解した霧化装置1Dと相違を中心に述べる。
霧化装置1Daは、容器20Daとして、正面壁20−1を設けて、第2の水溜め空間202を規定している。さらに、正面壁20−1に昇降機構33を設けて、第2の分級手段として機能する正面板32と同様の平板32Aを上下に昇降可能にしている。
昇降機構33としては、たとえば、正面壁20−1に対して平板32Aを押圧しながら摺動可能に機構、あるいは、ノッチを用いてピッチごとに平板32Aを上下に移動可能にする機構などを適用することができ、設ける位置としては、第2の水溜め空間202に溜まる水量に伴う水漏れなどを考慮すると、圧電振動子10と略同じ高さが望ましい。
霧化装置1Daによれば、第3ミストM3の発生を調整することができる。
第4実施の形態、第1形態の第2の変形態様
図7において、正面壁20−1と、第1の分級板31Aとの間、または、正面壁20−1と第2の水溜め空間202との間に横木部材をかけ渡し、その横木部材に昇降機構33を固定し、横木部材に沿って昇降機構33を水平方向に移動可能とすることにより、平板32Aを第1の分級板31Aの霧排出・水位維持用開口部313に接近させることができ、また平板32Aの高さを調整することもできる。
第4実施の形態の第2形態
図8を参照して第4実施の形態における第2の形態について述べる。
図8に図解した霧化装置1Dbは、図7に図解したように、正面壁20−1を有し、正面壁20−1に対して平板32BをRからLの範囲で傾斜可能にする傾動機構34を有する。その他は図6(A)および図7を参照して述べた内容と同じである。
傾動機構34は平板32Bとともに第2の分級手段として機能し、平板32Bを正面壁20−1の垂直線に対して角度θだけ傾動可能である。
第2ミストM2の流れに対する平板32Bの角度を変化させると、平板32Bに衝突する第2ミストM2の角度が変化するので、正面板32Bにおいて水滴となって第2の水溜め空間202に落下する量が変化する。特に、平板32Bの角度が変化すると発生する第3ミストM3の流れる向きが変化する。
このように、図8を参照して第4実施の形態における第2の形態の霧化装置1Dbは、第3ミストM3に占める霧の粒径の選別、第3ミストM3の向きを調整することができる。
第4実施の形態の第2形態の第1の変形態様
図8において、正面壁20−1と、第1の分級板31Aとの間、または、正面壁20−1と第2の水溜め空間202との間に横木部材をかけ渡し、その横木部材に傾動機構34を固定する。その他は、図7を参照して述べたことと同じである。
横木部材に沿って傾動機構34を水平方向に移動可能とすることにより、平板32Bを第1の分級板31Aの霧排出・水位維持用開口部313に接近させ、および/または、平板32Bの傾きを調整することができる。
第4実施の形態の第2形態の第2の変形態様
図9を参照して、第4実施の形態における第2形態の第2の変形態様を述べる。
図9において、正面壁20−1に平板32BをRからLの範囲での傾斜とUからDの範囲での上下移動を可能にする傾動・昇降機構35を設けた。その他は図6(A)、図7、図8を参照して述べた内容と同じである。
傾動・昇降機構35により、平板32Bの高さを変化できるとともに、平板32Bの傾きを変化させることができる。このような平板32Bの高さ、および/または、傾きの変化により、第3ミストM3の向き、分級される霧の粒径を選別することができる。
第4実施の形態の第3形態
図10を参照して第4実施の形態の第3形態について述べる。
図10に図解した霧化装置1Ddは、図6(A)〜図9に図解した正面板32または平板32A、32Bに代えて、湾曲板状部材36を用いた。
第2ミストM2は、半径Rの湾曲板状部材36のどの部分に衝突するかによって、湾曲板状部材36への衝突角度が変化する。したがって、湾曲板状部材36のどの部分に衝突したかによって、水滴になるか否かが決定される。さらに、湾曲板状部材36のどこに衝突したかによって、発生する第3ミストM3の進行方向が決定される。
このように、第2の分級手段としての傾動・昇降機構37は、第3ミストM3の生成の条件、発生した第3ミストM3の進行方向を規定する。
好ましくは、図9に図解した傾動・昇降機構35と同様の傾動・昇降機構37を用いて、湾曲板状部材36を正面壁20−1の面に対して角度θだけ傾け、および/または、湾曲板状部材36を昇降させることができる。これにより、第3ミストM3の向きの制御、分級される霧の粒径を選別することができる。
以上、第2の分級手段の好ましい形態を例示したが、本発明の第2の分級手段は上述した例示には限定されず、第1の分級板31Aまたは第1の分級板31Bで分級された第2ミストM2をさらに分級する種々の手段を適用することができる。
第5実施の形態
図11を参照して本発明の第5実施の形態における霧化装置1Eを述べる。
霧化装置1Eは、容器20Eと、圧電振動子10と、水補給部40と、開口部60と、後述する励起回路とを有する。
容器20Eは、正面壁20−1と、裏面壁20−2と、上部壁20−5と、底面壁20−6とを有し、さらに、図解はしていないが、図3(A)に図解したように、右側面壁20−3および左側面壁20−4を有し、水Wを収容している。
第3実施の形態において述べた正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30、または、第4実施の形態において述べた第1の分級板31Aまたは第1の分級板31Bは設けられておらず、その代わりに、上部壁20−5に、分級手段としての開口部60が形成されている。
圧電振動子10が裏面壁20−2に固定されている。圧電振動子10の裏面壁20−2への固定方法は、基本的には、第2〜第3実施の形態において述べた方法と同様の方法で固定される。ただし、第5実施の形態においては、圧電振動子10の半分程度が水Wに沈む(漬かる)ので、緩衝部材14などを用いて水の漏洩対策を講じることが望ましい。
水補給部40は水位WFを維持するため、上述した方法と同様の方法で容器20E内に水Wを補給する。
本実施の形態では、圧電振動子10の振動部12が半分程度水Wに浸かった状態で使用するので、表面張力によって振動部12に水Wを導く必要はないから、上述した表面張力補助部材50(51、52)は用いない。
振動部12による霧化の方法は上述した実施の形態と同様である。
振動部12によって霧化された霧(第1ミストM1)のうち、粒子径の大きな霧は容器20E内の水W中に吸収される。したがって、容器20E内の水Wは分級手段として機能する。
容器20E内の水Wに吸収されなかった霧(ミスト)は、第1ミストM1として正面壁20−1の内壁と上部壁20−5に向かう。正面壁20−1の内壁に衝突した霧の多くが水滴となって容器20E内の水W中に落ちる。また、上部壁20−5の内壁に衝突した多くの霧、特に、粒径の大きな霧も水滴となって容器20E内の水W中に落ちる。以上から、正面壁20−1および上部壁20−5、特に、上部壁20−5は、分級手段として機能する。
上部壁20−5に形成された上部開口部60を通過した霧が第2ミストM2となって上部壁20−5の外部に排出される。
したがって、霧化装置1Eを、第2ミストM2を生成する超音波霧化装置、加湿器などとして応用することができる。
水位WFの面からの上部壁20−5の高さ、開口部60の寸法、および、圧電振動子10の振動部12に対する開口部60の位置を調整することにより、第2ミストM2の発生量、粒子径の分布を調整することができる。
たとえば、開口部60の位置を振動部12に接近させた開口部60Aの位置に移動することにより、第2ミストM2の発生状態を変化させることができる。
なお、開口部60の配置は、上部壁20−5のみに限定されず、振動部12によって霧化されたミストの進行方向の前方に位置する、正面壁20−1の上部および上部壁20−5の両者に設けることができる。
図12に図解した格子網70を用いてさらに分級の性能を向上させる例を述べる。
格子網70は、分級の程度に応じて所定以下の粒子径の霧を通過させ、前記所定以上の粒子径の霧を捕捉可能な間隔の網を有する網手段として機能する。
開口部60または開口部60Aに、格子網70を装着することにより、開口部60または開口部60Aを通過していく第2ミストM2を選別(分級)することができる。たとえば、粒子径の大きな霧が格子網70に触れるとそこで捕獲されて水滴となり、容器20E内に落下する。他方、粒子径の小さな霧は格子網70を通過して容器20Eの外部に排出される。
このように、格子網70も分級手段として機能する。
好ましくは、格子網70の表面に撥水機能を付与し、表面張力で目詰まりしないような対策を講じることが望ましい。
図13を参照して第5実施の形態の霧化装置1Eaについて述べる。
霧化装置1Eaには、圧電振動子10の上部の裏面壁20−2に送風機80が付加されている。その他の構成は、図11および図12を参照して述べたものと同じである。
送風機80の回転扇の回転による風が、振動部12によって発生された第1ミストM1を細分化し、さらに第1ミストM1を移動させて、噴霧距離を伸ばすことができる。
図11〜図13を参照して述べた第5実施の形態の霧化装置も、第1〜第4実施の形態の霧化装置と同様の用途に適用できる。
励起回路
図14を参照して、第1〜第5実施の形態の霧化装置に適用可能な励起回路の1例について述べる。
図14に図解したように、励起回路120は、例えば、バースト回路121と、スイッチ回路122と、昇圧トランス123と、駆動電流検出器124と、分圧器125と、比較器126と、基準電圧発生器127と、電圧制御型発振器(VCO:Voltage Controlled Oscillator))128とを有する。
励起回路120は、負荷に応じて周波数制御が可能な励起回路である。そのため、駆動電流検出器124、分圧器125、比較器126、基準電圧発生器127およびVCO128を用いた負帰還回路を構成している。
ここでいう負荷とは、本実施の形態においては、圧電振動子10の振動部12の先端12Fに付着する水Wの量などに該当する。
励起回路120の動作を述べる。
図示しない交流電源がバースト回路121に印加される。
バースト回路121は、図15に例示したように、所定の周期τで間欠的に動作してバースト状のパルス信号を出力する。
バースト回路121の出力信号に応じて、スイッチ回路122がVCO128からの出力信号を昇圧トランス123に出力する。
昇圧トランス123にVCO128からの信号が印加されると、昇圧トランス123はその信号を、圧電素子11を駆動可能な電圧レベルまで昇圧して、圧電素子11に印加する。
それにより圧電素子11が励起されて振動し、圧電素子11の駆動に応じて振動部12が振動する。それにより、振動部12の先端12Fの表面に付着し、表面張力ではい上がった水Wが霧化される。
駆動電流検出器124が圧電振動子10(圧電素子11)の負荷に応じた駆動電流を検出し、分圧器125に出力する。圧電素子11の負荷とは、正確には、圧電素子11に接続されている振動部12の先端12Fに付着した水Wの量を意味している。振動部12の先端12Fの面に付着した水Wの量が多ければ、振動部12、すなわち、圧電素子11の負荷が重いことを意味する。他方、振動部12の先端12Fの面に付着した水Wの量が少なければ、振動部12、すなわち、圧電素子11の負荷が軽いことを意味する。
励起回路120は、このように、圧電素子11、換言すれば、振動部12の負荷に応じた、圧電素子11に印加される周波数、換言すれば、VCO128の発振周波数の制御を行う。
駆動電流検出器124で検出した電流を整流した電圧と、VCO128で発生される発振周波数の関係は、図16に図解したようになる。図16において、縦軸は電圧を、横軸は発振周波数をそれぞれ示している。
frは圧電振動子10の共振周波数である。基準電圧発生器127は共振周波数frに対応する基準電圧VrをVCO128に出力する。
曲線CV1は、負荷が基準状態の周波数特性を示し、曲線CV2は負荷が重いときの周波数特性を示し、曲線CV3は負荷が軽いときの周波数特性を示す。
分圧器125は励起回路120において必須の回路ではないが、駆動電流検出器124の検出電流に相当する電圧を分圧して、比較器126に出力する。
比較器126は基準電圧発生器127からの共振周波数frに対応する基準電圧Vrと分圧器125からの出力信号との差の電圧をVCO128に出力する。
VCO128は、入力電圧に応じた周波数の発振信号を生成し、スイッチ回路122に出力する。
以上から圧電素子11は、振動部12の負荷に応じた、VCO128で発生された発振周波数で励起されることになる。
本発明の間欠励起回路を構成している、バースト回路121とスイッチ回路122との協働によって、VCO128の発振周波数信号を周期τで間欠的(周期的に)に昇圧トランス123に出力することにより、特に、圧電素子11の励起を停止させ、振動部12の振動を停止することができる。これにより、振動部12の先端12Fの面に付着する水が適切に維持されるので、霧化の性能が低下しない、および/または、霧化が安定に継続して行われる。
その理由は、振動部12が連続的に振動すると、その振動により水Wが振動部12の先端12Fの面をはい上がるが、振動部12の振動が停止すると、振動部12の先端12Fの面にはい上がる水Wの量が低下する。この繰り返しが極短時間で連続して行われることにより、振動部12の先端12Fの面に付着する水Wの量が適切に維持されるためである。換言すれば、振動部12の先端12Fの面に過剰な水Wが供給されないためである。よって、過剰な水による振動部12の性能低下および/または霧化の不安定さが回避できる。
好ましくは、励起回路120は、圧電素子11における振動部12の固有の周波数を規定する電圧を周期τで間欠的に圧電振動子の振動部12を励起する。
周期τでバースト状の信号を用いることにより、圧電素子11の立ち上がり時の過渡応答を利用して圧電素子11に印加される電圧が大きくなり、安定に霧化させることができる。すなわち、振動子10の発熱を抑制し、安定して振動子10を動作させることができる。
周期τは、通常、数十Hz〜数100Hzである。
図17(A)、(B)に実験結果を示す。
実験によれば、図17(A)に図解したように、周期τを60Hz、70Hz、80Hzの時間に相当する時間とした場合、発生する霧の粒度分布が数μm〜100μm程度にガウス分布に類似した分布を示すことが判った。実験した周期τとしては、60〜150Hzにおいて、上記結果が得られることが判った。
他方、図17(B)に図解したように、周期τを50Hz、40Hz、30Hz、10Hzと変化させたとき、発生する霧の粒度分布が一致しなかった。
以上の実験によれば霧の粒度分布が数μm〜100μm程度の範囲で分布させるためには、50〜60Hzの間に臨界周波数があることが判った。基本的に周期τは、60Hz以上であればよい。上限周波数は、実験では150Hzまで行ったが、例えば、200Hz〜300Hz程度までは図17(A)に示した分布と同様の霧の粒度分布を示すことが理解できる。
もちろん、圧電振動子10の特性に応じて上述した周波数は変化する可能性がある。
発生する霧の粒度分布は、上述した霧排出・水位維持用開口部30の分級性能に関連する。
図14に図解した励起回路120において、バースト状のパルス信号が圧電振動子10の圧電素子11に印加されればよいので、図14に例示した部分ではなく、例えば、昇圧トランス123の後の部分にバースト状の電圧を圧電素子11に印加する回路を設けてもよい。
図15を参照して、好適な例として、バースト状の信号を間欠的に圧電素子11に印加する場合について述べたが、圧電素子11が周期的に停止する時間があればよいので、バースト状の信号ではなく、所定の周期でオン・オフする矩形パルス信号でもよい。
上述した本実施の形態における霧化装置の構成、効果などを整理して述べる。
第1〜第5実施の形態の霧化装置において、容器20内の水補給部40によって水が補給され、振動部12に接触するのは霧化の対象となる水だけであり、図18を参照して述べた、水吸引綿150のような、磨耗および/または変形して交換すべき部材がない。したがって、本実施の形態の霧化装置1は、基本的にメンテナンス・フリーである。
第3実施の形態の霧化装置における正面壁20−1に形成された霧排出・水位維持用開口部30によって、または、第4実施の形態の霧化装置における第1の分級板31Aに形成された矩形の霧排出・水位維持用開口部313または第1の分級板31Bに形成された上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部314と、第2の分級手段としての正面板32などによって、あるいは、第5実施の形態の上部開口部60、好ましくは、格子網70を装着した上部開口部60によって、霧化装置から外部に排出する霧を分級しているから、所望する範囲の寸法の霧を霧化装置の外部に排出することができる。すなわち、品質の高い霧が提供できる。
なお、発生する霧の量を制御する方法としては、第3実施の形態における霧排出・水位維持用開口部30による分級、第4実施の形態における第1の分級板31Aまたは第1の分級板31B並びに正面板32など、および、第5実施の形態における上部開口部60と格子網70の他、たとえば、振動部12の先端12Fへの水Wの補給量を調整する、あるいは、圧電振動子10の圧電素子11の励起状態を変化させて振動部12の振動数を制御することができる。
前者については、水補給部40からの水Wの補給量を調整する、容器20の傾斜角度を調整して表面張力によって振動部12の先端12Fにはい上がる水Wの量を調整する、表面張力補助部材(または水吸引部材)50の設置間隔を調整するなどの方法が適用できる。
後者については、上述した励起回路120の動作状態を調整する。
圧電振動子10は、第1〜第5実施の形態において例示した圧電振動子10はもとより、図18を参照して述べた圧電振動子10の形状に限定されないことは勿論である。したがって、種々の特性、形状の圧電振動子を適用することができる。
ただし、図5(A)に図解した振動部12の先端12Fが矩形に形成された圧電振動子10が、本実施の形態の霧化装置には特に好ましい。その理由は上述した。
圧電振動子10の材質についても適宜、選択できる。ただし、振動部12の先端12Fは霧化対象の液体と接触するので、そのような液体によって腐食されない材質、例えば、ステンレススチールが好ましい。
第1および/または第2表面張力補助部材51、52は、例示した断面が矩形のものに限らず、断面が丸でも、三角でもよい。すなわち、第1、第2表面張力補助部材51、52は、振動部12の近傍に位置して、振動部12と共に表面張力によって、振動部12の先端12Fに適量の水を補給し、保水できればよい。
霧化の対象となる液体として、水について述べたが、霧化の対象となる液体としては、水に限らず、表面張力によって振動部12の先端12Fに付着し、振動部12の振動によって霧になる、各種の液体、例えば、水、または、香料が含まれる水、化粧水などの水系液体、液体塗料、油、ガソリンなどの燃焼系液体などが対象となる。
容器20の形状および材質について種々例示したが、霧化の対象となる液体を収容でき、圧電振動子10を固定し、液位維持壁21、霧排出・水位維持用開口部30、霧排出開口部30−1などを設けることが可能なその他の種々の形態、材質を選択できる。
産業上の利用分野
本発明の霧化装置は、水をはじめ粘度の低い液体を霧化することが可能であり、空間の加湿あるいは消臭、香料散布を行う空調装置、さらには着色料の塗布、揮発性液体の噴霧など、用途が広く、家庭用から産業用まで幅広く応用することができるものである。
本発明の霧化装置における霧化原理を説明するための第1実施の形態における霧化装置の部分断面図である。 本発明の第2実施の形態における霧化装置の斜視外観図である。 本発明の第2実施の形態における霧化装置の内部を図解した断面図である。 図1(C)に図解した霧化装置における圧電振動子と表面張力補助部材の配置を示す正面図である。 図1(D)に図解した圧電振動子、表面張力補助部材、および、緩衝部材の配置を示す霧化装置1の上部から見た断面図である。 霧化対象液体を水とした場合の、圧電振動子における振動部の先端の面に付着する水滴の粒子径と、霧化される量の累積体積との関係を示すグラフである。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第1構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第2構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第3構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第4構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第5構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第6構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態における霧化装置の第7構成を示す図である。 図4(A)、(B)は、霧排出・水位維持用開口部の有無による分級性能の実例を示すグラフである。 図5(A)〜(D)は、本発明における第3実施の形態の変形態様を図解する図で、図5(A)は正面図であり、図5(B)はA−A線による断面を上から見た図であり、図5(C)はB−B線による断面を側面から見た図であり、図5(D)は正面図で図5(A)の霧排出・水位維持用開口部と水補給部の位置関係を変更した例である。 図6(A)は本発明の第4実施の形態における第1形態の霧化装置の断面図であり、図6(B)、(C)は図6(A)の霧化装置に用いられる第1の分級板の正面図である。 図7は本発明の第4実施の形態における第2形態の霧化装置の断面図である。 図8は本発明の第4実施の形態における第2形態の第1の変形態様における霧化装置の断面図である。 図9は本発明の第4実施の形態における第2形態の第2の変形態様における霧化装置の断面図である。 図10は本発明の第4実施の形態における第3形態の霧化装置の断面図である。 図11は本発明の第5実施の形態における霧化装置の断面図である。 図12は図11に図解した本発明の第5実施の形態における霧化装置に使用される分級手段としての格子網の構成図である。 図13は本発明の第5実施の形態における霧化装置の第2形態の断面図である。 本発明の実施の形態に適用する振動子の圧電素子を励起する励起回路の回路図である。 励起回路内のバースト回路によるバースト信号の波形図である。 圧電振動子の周波数特性を示す図である。 図17(A)、(B)は、図14に図解した励起回路における動作周期τに起因して発生する霧の寸法分布を示すグラフである。 従来の霧化装置の構成図である。
符号の説明
10…圧電振動子、11…圧電素子、12…振動部、12F…振動部の先端、
20…容器、20−1…正面壁、20−2…裏面壁、20−3…右側面壁、20−4…左側面壁、20−5…上部壁、20−6…底面壁、
30…霧排出・水位維持用開口部、30−1…霧排出開口部、
31…第1の分級板、
311…本体部、313…矩形の霧排出・水位維持用開口部、314…上部が半円で底部が矩形の霧排出・水位維持用開口部、
32…正面板、32A,32B…平板、
33…昇降機構、34…傾動機構、35…傾動・昇降機構、
36…湾曲板状部材、37…傾動・昇降機構、
40…水補給部、51,52…第1、第2表面張力補助部材、
60…開口部、70…格子網、80…送風機、
120……励起回路

Claims (21)

  1. 霧化の対象となる液体を収容する容器と、
    圧電素子と該圧電素子に接続された振動部とを有し、前記振動部の先端に付着した前記液体を霧化するように前記容器に配設されている圧電振動子と、
    前記圧電振動子が配設されている壁と対向する壁面を有し、該対向する壁面に、開口あるいは切欠きより形成され、前記圧電振動子によって霧化された霧を分級する、第1の分級手段を設けた構成とし、当該対向する壁面が液位維持壁を形成し、当該対向する壁面に設けられた第1の分級手段の底部が前記液位維持壁の先端を形成し、
    前記第1の分級手段を通過した霧の進行方向に位置し、該霧をさらに分級する第2の分級手段と、
    前記圧電振動子の圧電素子を励起する励起回路と
    を有する、霧化装置。
  2. 前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きからの距離と、当該第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きからの高さ、当該第2の分級手段の形状のいずれかに応じて、分級される霧の状態を規定する、
    請求項1に記載の霧化装置。
  3. 前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きと対向する面が平坦な部材を有し、当該平坦な部材が前記容器の底面に対して垂直している、
    請求項2に記載の霧化装置。
  4. 前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段に形成された前記開口あるいは切欠きからの距離、および/または、当該第1の分級手段に形成された前記開口あるいは切欠きからの高さが変更可能に構成されている、
    請求項3に記載の霧化装置。
  5. 前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段と対向する面が平坦な部材を有し、当該平坦な部材の底部から頭部にかけて前記第1の分級手段から離間するように前記容器の底面に対して傾斜している、
    請求項2に記載の霧化装置。
  6. 前記第2の分級手段は、前記平坦な部材の傾斜角度、および/または、前記平坦な部材の高さが変更可能に構成されている、
    請求項5に記載の霧化装置。
  7. 前記第2の分級手段は、前記第1の分級手段と対向する面が、前記第1の分級手段を形成する前記開口あるいは切欠きに対して凸状の湾曲部材を有する、
    請求項2に記載の霧化装置。
  8. 前記第2の分級手段を構成する前記湾曲部材の傾斜角度、および/または、前記湾曲部材の高さが変更可能に構成されている、
    請求項7に記載の霧化装置。
  9. 霧化の対象となる液体を収容する容器と、
    圧電素子と該圧電素子に接続された振動部とを有し、前記振動部の先端の少なくとも一部が前記液体に浸漬するように前記容器の第1の壁に配設されている圧電振動子と、
    前記振動部によって霧化されたミストの進行方向に延出する上部壁に形成された開口部であって、前記振動部によって霧化されたミストの進行方向に位置し、かつ、分級に応じた大きさを持つ開口部と、
    前記圧電振動子の圧電素子を励起する励起回路と
    を有する、霧化装置。
  10. 前記開口部には、分級に応じて所定以下の粒子径の霧を通過させ、前記所定以上の粒子径の霧を捕捉する捕捉手段を有する、請求項9に記載の霧化装置。
  11. 前記容器に、前記振動部によって霧化された霧に風を与える送風手段を配設した、
    請求項1〜10のいずれかに記載の霧化装置。
  12. 前記圧電振動子の振動部の近傍に、前記振動部との協働による表面張力によって前記振動部の先端に液体を導く表面張力補助部材が設けられている、
    請求項1〜11のいずれかに記載の霧化装置。
  13. 前記励起回路は、前記圧電振動子における振動部の固有の周波数を規定する電圧を間欠的に前記圧電振動子の圧電素子に励起する間欠励起回路を有する、
    請求項12に記載の霧化装置。
  14. 前記容器に収容される液体は水を含む液体であり、
    前記励起回路における間欠的に励起する周期は60Hz〜200Hzである、
    請求項13に記載の霧化装置。
  15. 前記間欠励起回路は、前記圧電素子の励起を開始するときバースト状のパルス信号が前記圧電素子に印加するように構成されている、
    請求項13または14に記載の霧化装置。
  16. 前記振動部の先端面の正面形状を矩形にし、矩形の先端部を液面に矩形の長辺が垂直方向になるように配置した、
    請求項1〜15のいずれかに記載の霧化装置。
  17. 前記容器内に液体を補給する液体補給部を設けた、
    請求項1〜16のいずれかに記載の霧化装置。
  18. 前記振動部の先端部に液体を補給するようにした、
    請求項17に記載の霧化装置。
  19. 前記振動部の軸線が、前記容器内の液面に対して非平行となるように前記圧電素子を配置した、
    請求項1〜18のいずれかに記載の霧化装置。
  20. 前記容器壁面と振動部の間に、前記霧化の対象となる液体に対する漏水防止性能を持ち、振動を緩和する緩衝部材を設け、該緩衝部材を前記容器壁面と前記振動部で挟持した、 請求項1〜19のいずれかに記載の霧化装置。
  21. 前記緩衝部材は弾性材料で製造されている、
    請求項20に記載の霧化装置。
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