JP5364929B2 - 霧化装置 - Google Patents
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Description
図12は振動子を用いて超音波により水から霧を発生させる(霧化する)一例としての方法を図解した図である。
圧電振動子100は、圧電素子101と、振動部102と、固定部(又は基部)103とを有する。圧電素子101と振動部102とは固定部103を介して接続されている。
振動部102は、図解の例示において、断面が湾曲している湾曲部102Aと、断面が平坦な円柱状部102Bとを有する。円柱状部102Bの先端面102FをY方向から見たとき、円柱状部102Bの形状は断面積が一定の円であり、湾曲部102Aの断面形状は固定部103から円柱状部102Bに向かって断面積が減少する円である。
圧電素子101は、例えば、圧電セラミックであり、圧電素子101に励起電圧が印加されると矢印A1で示した方向に振動子の固有振動数で振動部102を伸縮振動させる。
さらに水供給用綿150の磨耗及び/又は変形が進んで円柱状部102Bと水供給用綿150の接触が完全に無くなると水供給用綿150による円柱状部102Bの先端面102Fの面への給水が停止し、霧化による霧の発生が停止する。
好ましくは、前記冷却部が挿入される前記第2の穴と前記圧電素子との間、および、前記第2の面において前記圧電素子と前記ペルチェ素子とが接続される間に、断熱性を有し、振動緩衝機能を有する部材が介在されている。
また好ましくは、前記振動部は、前記圧電素子が接続される前記第1の面側の直径が大きく、前記振動部の先端面側の直径が小さい、湾曲した形状をしており、前記振動部の上面に前記第1の面側から前記先端面まで達する液体誘導溝が形成されている。
好ましくは、前記冷却手段は、前記振動部から吸熱するようにして設けられたペルチェ素子である。
好ましくは、前記冷却手段は、冷却された媒体を前記振動部に供給する熱交換器である。
さらに、上述の如く、消耗部材の交換が不要であり、保守もほとんど不要(メンテナンス・フリー)である。
また、本発明の霧化装置は、基本的に保守・交換部材がないので、霧化装置の周囲に部品交換を見込んだスペースを必要とせず、任意の位置に配設することができ、コンパクトに構成することができる。
さらに、本発明の霧化装置は、振動部の先端面に供給された過剰な液体は下方に流れ落ちるため、液体の過剰供給による霧(ミスト)の生成不良が抑制され、安定して適正な霧(ミスト)を発生させることができる。
図1を参照して、本発明の霧化装置における第1実施の形態である霧化装置1Aについて述べる。図1(A)は、霧化装置1Aの側面図である。図1(B)は、図1(A)における圧電振動子10と液体供給用容器20との配置の一例を示す部分拡大図である。
圧電振動子10は、例えば、図1に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。
圧電素子11は、励起電圧が印加されると変形する圧電体であり、例えば、圧電セラミックである。圧電素子11は、中心軸Xの方向に沿って分極されて図示省略する電極が設けられ、この電極に図示省略する励起回路が接続される。これにより、励起回路によって電極を介して圧電素子11に励起電圧を印加することで、圧電素子11は、中心軸Xと同一方向である矢印A1の方向に振動する。
圧電素子11は、図1の例示では円柱形であり、中心軸Xに直交する方向における断面が円形である。
湾曲部12aは、中心軸Xに直交する方向における断面が円形であり、中心軸Xに沿って固定部12bから先端面12F側に離れるにつれて、側面が湾曲するように断面の直径が小さくなる。これにより、振動部12は、先端面12F側が細くなったホーンの形状になっている。
固定部12bは、圧電振動子10を固定する部分である。例えば、圧電振動子10は、固定部12bによって、図示省略する緩衝部材やシール部材を介して機械製品の壁体(図示省略)などに固定される。なお、固定部12bは、湾曲部12aと別に製造されて、結合されてもよい。
ここでは、圧電振動子10をその中心軸Xが水平方向となるようにして固定しているが、中心軸を水平方向に対して傾斜させて固定しても良い。また、圧電振動子10を固定した壁体などの角度を調節可能とすることで、圧電振動子10の上下又は左右方向の向きを変えることもできる。
液体供給用容器20は、貯水部21及び流出部22を有する。
貯水部21は、円錐台の底面側を上側に、上面側を下側にして配置された中空の円錐台である。貯水部21には上部(円錐台の底面に相当する部分)及び下部(円錐台の上面に相当する部分)を開口した空間21aが内部に形成される。
空間21aには、図示しない補水装置により、上部の開口部から補水される。補水装置は、例えば、空間21aに設けられた水位検出センサからの出力に基づき、補水用ポンプにより水Wを供給する構成にすることができる。
霧化装置1Aでは、流体供給孔22aは、断面が一定の円形で形成されている。流体供給孔22aの内径Dは、振動部12の先端面12Fの直径d以下とすることが好ましい。これによれば、振動部12に過剰な水Wが流出して、水Wによる振動部12の振動に対する抵抗が増大することが防止される。
なお、流体供給孔22a及び/又は振動部12の先端面12Fの形状が円形以外の場合には、流出部22の流体供給孔22aの断面積が振動部12の先端面12Fの面積以下となるようにすることで、同様の効果を得ることが可能である。
液体供給用容器20は、好ましくは圧電振動子10における振動部12の先端面12F近傍上方に配置される。より好ましくは、図1(A)に二点鎖線で示すとおり、液体供給用容器20の流出部22を圧電振動子10の振動部12の先端に合わせて配置する。これによれば、液体供給用容器20から流出した水Wが、先端面12F直近の振動部12で受けられて先端面12Fに多く流れるため、十分な水量を先端面12Fに供給することが可能である。
図1(B)に示す液体供給用容器20の流出部22の下端と振動部12の先端面12Fの上端との距離Lは、振動部12の先端面12Fの直径dが3mmである圧電振動子10では、10mm程度とすることが好ましい。これによれば、液体供給用容器20から水Wを水滴にして滴下させる場合に、流出部22から滴下する前の水滴が圧電振動子10の振動部12に接触しないため、水滴の生成が可能である。また、この高さであれば、水滴又は流出した水が振動部12で飛散することが抑制される。そのため、振動部12の先端面12Fに水Wを良好に供給することができる。
霧化装置1Aでは、液体供給用容器20の貯水部21に図示しない補水装置から補水することで、貯水部21に水Wが溜められる。貯水部21の水量は、補水装置の制御により所定量に保たれる。
貯水部21に溜められた水Wは、流出部22の流体供給孔22aを通って振動部12に流出して先端面12Fを流れ、先端面12Fに付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
また、上述した霧化装置1Aにおいては、例えば、水供給用綿150の交換作業のためのスペースあるいは構成が不要であり、霧化装置1Aを小型かつ簡易な構成にできる。さらに、例えば、霧化装置1Aの周囲に水供給用綿150の交換作業のためのスペースを確保する必要がなく、このことは、霧化装置1Aを設置する設置場所において制約を受けることが少ないという利点を有する。
さらに、霧化装置1Aでは、振動部12の先端面12Fに過剰な水Wが流れた場合であっても、先端面12Fに付着可能な水量以上の水Wは落下するため、霧(ミスト)の生成不良が抑制され、安定して適正な霧(ミスト)を発生させることができる。
圧電振動子10の振動条件、能力、性能及び周辺の湿度などにも依存するが、圧電振動子10の振動周波数を約200KHzとした場合、通常10〜20μm程度の粒子径(直径)の水の粒(ミスト)が一番多く生成されることが確認できた。そのような霧は指向性が強く、図1において矢印A3で示す如く振動部12の中心軸Xに沿うようにしながら前方に多く進む。換言すると、最適な粒子径の霧は、到達距離が長く、加えて振動部12を若干上方(略5°程度)に傾斜させることによってその到達距離をさらに長くすることができる。
図3(A)〜(C)を参照して本発明の第1実施の形態の第1変形態様である霧化装置1Bについて、図1に示した第1実施の形態の霧化装置1Aとの相違を中心に述べる。
図3(A)は、霧化装置1Bの側面図である。図3(B)は、振動部12に形成された導水溝12dの一例を図示した圧電振動子10の上面図である。図3(C)は、導水溝12dの他の一例を図示した圧電振動子10の上面図である。
圧電振動子10は、例えば、図3(A)に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。圧電素子11については、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aと同一の構成であるため、説明を省略する。
導水溝12dとしては、所定の幅及び深さで一つ又は複数の溝が、振動部12の表面に沿って固定部12b又は固定部12bと先端面12Fとの間から先端面12Fまで形成される。
液体供給用容器20は、図示しない補水装置から貯水部21に補水され、溜められた水Wが流出部22の流体供給孔22aから振動部12に向けて流出する。流出した水Wは、振動部12に形成された導水溝12dに到達し、導水溝12dを通って先端面12Fに流れて、先端面12Fに付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
また、導水溝12dの上方であれば、液体供給用容器20を振動部12の先端面12Fから離して配置することができる。そのため、霧化装置1Bの配置に関して設計の自由度が向上する。
図4を参照して本発明の第2実施の形態である霧化装置1Cについて、図1に示した第1実施の形態の霧化装置1Aとの相違を中心に述べる。
図4は、霧化装置1Cの側面図である。
霧化装置1Cは、圧電振動子10、容器31及びポンプ32を有する。ここで、容器31は、本発明における液体貯留用容器の一例である。
圧電振動子10は、例えば、図4に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。これらについては、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aと同一の構成であるため、説明を省略する。
容器31は、圧電振動子10の振動部12の下方に配置される。
容器31は、図示しない補水装置から空間31cに補水されて、所定量の水Wが溜められる。ポンプ32は、作動して容器31に溜められた水Wを吸水し、吐出口32aから振動部12に水Wを流出する。流出された水Wは、先端面12Fに直接到達し、又は振動部12を流れて先端面12Fに到達して先端面12Fを流れ、先端面12Fに付着する。これにより振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは下方に落下し、再び容器31に溜められる。
さらに、水量調節の一つとして、ポンプ32を断続運転することも好ましい。かかる場合は、連続給水状態と異なって先端面12Fに水Wが付着した状態が得られ、霧(ミスト)を遠くに噴出させることができる。つまり、連続給水状態では、常に先端面12Fおよびその周囲に必要以上の水Wが存在することになり、その結果、振動部12に必要以上の負荷がかかり、霧(ミスト)の噴出作用を阻害してしまうことがあるが、断続運転であれば、かかる弊害も抑制できる。
また、断続運転とする制御回路は、タイマー機能を具備する回路などによって容易に実施することができる。
さらに、ポンプ32の動作と振動部12の動作を連動させ、ポンプ32の停止時に振動部12が振動するように制御することにより、動作効率が向上し、消費電力の抑制に供することができる。
図5を参照して本発明の第2実施の形態の第1変形態様である霧化装置1Dについて、図4に示した第2実施の形態の霧化装置1Cとの相違を中心に述べる。
図5は、霧化装置1Dの側面図である。
霧化装置1Dは、圧電振動子10、容器31及びポンプ33を有する。
圧電振動子10は、例えば、図5に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。これらについては、上述した第2実施の形態の霧化装置1Cと同一の構成であるため、説明を省略する。なお、振動部12には、第1実施の形態の第1変形態様である霧化装置1Bにおける振動部12と同様に、導水溝12dが形成されている。
また、容器31は、上述した第2実施の形態の霧化装置1Cと同一の構成であるため、説明を省略する。
なお、ポンプ33は、例えば吸入口にホースを接続し、ホース先端を容器31に溜められた水Wを吸入するようにして容器31に配置することで、容器31の外部に設けることも可能である。
容器31は、図示しない補水装置から空間31cに補水されて、所定量の水Wが溜められる。ポンプ33は、作動して容器31に溜められた水Wを吸水し、吐出口33bから下方に水Wを流出する。流出された水Wは、振動部12の導水溝12dによって先端面12Fに導かれて先端面12Fを流れて、先端面12Fに付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは下方に落下し、再び容器31に溜められる。
なお、霧化装置1Dにおいても、上述した第2実施の形態の霧化装置1Cと同様に、例えば、ポンプ33の吐出量を調節可能にして、振動部12の先端面12Fに供給する水Wの量を調節することによって、霧化装置1Dにおける霧(ミスト)の発生量を調節することができる。
また、ポンプ33は、吐出量を調節することによって、吐出口33bから流出する水Wを水滴として滴下させることが好ましい。これによれば、振動部12の振動の伝播が水滴に限定されるため、振動部12の振動に対する水Wによる抵抗を抑制することができる。
図6を参照して本発明の第3実施の形態である霧化装置1Eについて述べる。
図6(A)は、霧化装置1Eの側面図である。図6(B)は、霧化装置1Eにおける結露板41の正面図である。なお、図6(B)では、結露板41に結露した水Wを省略して示す。
圧電振動子10は、例えば、図6に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。圧電振動子10については、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aと同一の構成であるため、説明を省略する。
結露板41は、好ましくは、図6(A)に二点鎖線で示すとおり、平面41aを圧電振動子10の振動部12の先端に合わせて配置する。これによれば、結露板41から流出した水Wが、先端面12F直近の振動部12で受けられて先端面12Fに多く流れるため、十分な水量を先端面12Fに供給することが可能である。
結露板41の材料は、例えば表面が滑らかに加工され、ステンレス鋼やアルミニウムなどの金属あるいは熱伝導性が高く、表面が滑らかな樹脂材料が好ましい。また、必要に応じて、結露板41に表面処理を施すこともできる。例えば、結露板41の表面に撥水処理を施すことで、結露板41に結露した水Wの流出をより円滑にすることができる。また、結露板41の表面に防錆及び/又は防食処理を施すことで、結露板41の耐久性を向上させるとともに、水Wへ錆等による不純物が混入して霧(ミスト)の質が低下することを抑制することができる。
結露板41は、霧化装置1Eにおける空気の温度及び湿度によって、表面に水Wが結露する。結露した水Wは、重力により結露板41から振動部12に流出して先端面12Fを流れて、先端面12Fに付着する。これにより振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
また、結露した水Wを用いることで、水Wに不純物が含まれないため、良質な霧(ミスト)を発生させることができる。
また、これらの冷却手段では、冷却の調節手段を有することで、結露板41に結露する水量が調節されて、振動部12の先端面12Fに供給される水量が調節されるため、霧化装置1Eにおいて霧(ミスト)を所望の量で発生させることができる。
霧化装置1Eでは、温度、湿度又は冷却手段を調節することによって、結露板41から流出する水Wを水滴として滴下させることが好ましい。これによれば、振動部12の振動の伝播が水滴に限定されるため、振動部12の振動に対する水Wによる抵抗を抑制することができる。
図7を参照して本発明の第4実施の形態である霧化装置1Fについて述べる。
図7(A)は、霧化装置1Fの側面図である。図7(B)は、振動部12に設けられた貫通孔12eの他の形態を示す圧電振動子10の側面図である。
霧化装置1Fは、圧電振動子10、液体供給用容器20及び配管42を有する。
圧電振動子10は、例えば、圧電素子11及び振動部12を有する。
振動部12は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aでの構成に加えて、貫通孔12eが形成されている。貫通孔12eは、一端が先端面12Fに、他端が固定部12bの端面12cに開口されて、振動部12の振動方向A2に沿って振動部12の中心に直線的に形成される。
霧化装置1Fは、液体供給用容器20の貯水部21に図示しない補水装置から補水することで、貯水部21に水Wが溜められる。貯水部21に溜められた水Wは、流出部22の流体供給孔22a、配管42、圧電素子11の貫通孔11a及び振動部12の貫通孔12eを通って振動部12の先端面12Fから流出し、先端面12Fを流れて先端面12Fに付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
この場合には、液体供給用容器20などと振動部12の貫通孔12eとを、配管42で結合しなくても良く、また圧電素子11を加工する必要がないため、霧化装置1Fの生産価格を低減することができる。
好ましくは、図7(B)に示すように、水Wが貫通孔12eに流れ易くするために、貫通孔12eの他端12gを広く形成する。
図8を参照して本発明の第5実施の形態である霧化装置1Gについて述べる。
図8(A)は、霧化装置1Gの側面図である。図8(B)は、霧化装置1Gにおける圧電振動子10の正面図である。なお、図8(B)には、液体供給用容器20の一部を図示する。
霧化装置1Gは、圧電振動子10及び液体供給用容器20を有する。
圧電振動子10は、例えば、図8に示すように、圧電素子11及び振動部12を有する。圧電素子11は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aでの構成と同一であるため、説明を省略する。
振動部12は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aでの構成に加えて、液体供給補助部44を有する。液体供給補助部44は、振動部12の上側において、先端面12Fから振動部12の所定の範囲に設けられて、液体供給用容器20の流出部22から流出した水Wを集めて、振動部12の先端面12Fに流す部分である。
したがって、液体供給補助部44は、振動部12に流出した水Wが液体供給補助部44によって集められるように、先端面12Fから少なくとも液体供給用容器20の下方まで設けられる。
底部44aは、振動部12の上面に設けられる板状部材である。底部44aは、振動部12の振動方向A2において、水平又は先端面12Fに向かって下方に傾斜して設けられ、幅方向(図8(B)における紙面左右方向。以下同じ。)において、略水平に設けられる。底部44aの幅方向の大きさは、振動部12の先端において先端面12Fの直径と略同一である。なお、底部44aの幅は、振動部12の先端から離れるにつれて、水Wが集まり易いように大きくしても良い。
霧化装置1Gは、図示しない補水装置から液体供給用容器20の貯水部21に補水され、溜められた水Wが流出部22から振動部12に向けて流出する。流出した水Wは、液体供給補助部44で集められ、液体供給補助部44を流れて、振動部12の先端において液体供給補助部44から流出することで、振動部の先端面12Fを流れて、先端面12Fに付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
図9を参照して本発明の第6実施の形態である霧化装置1Hについて述べる。
図9は、霧化装置1Hの側面図である。
霧化装置1Hは、圧電振動子10及び送風装置51を有する。
圧電振動子10は、例えば、図9に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。圧電振動子10については、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aと同一の構成であるため、説明を省略する。
霧化装置1Hは、送風装置51から圧電振動子10の振動部12に向けて送風すると、振動部12が送風による熱伝達によって冷却される。ここで、上述したように、送風装置51が振動部12の固定部12bに向けて送風するようにして配置された場合には、振動部12の固定部12b周辺が送風によって冷却され、先端面12Fなどのその他の部分は、熱伝導により送風によって冷却された部分に熱が移動することで冷却される。
これにより、振動部12は、周囲の温度より低温となって、空気中の水蒸気が振動部12に結露する。そして、先端面12Fに水Wが結露し、又は先端面12F以外に結露した水Wが振動部12から先端面12Fに流れることによって、先端面12Fに水Wが付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
図10を参照して本発明の第7実施の形態の霧化装置1Jについて述べる。
図10は、霧化装置1Jの中心軸Xを通る面における断面図である。
霧化装置1Jは、圧電振動子10及びペルチェ素子52を有する。
圧電振動子10は、例えば、図10に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。
圧電素子11は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aにおける構成に加えて、圧電素子11の振動方向A1に沿って、貫通孔11bが圧電素子11の中心に形成される。
振動部12は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aでの構成に加えて、挿入穴12hが形成されている。挿入穴12hは、振動部12の振動方向A2に沿って、固定部12bの端面12cの中心から振動部12の内部に形成される。
振動部12の固定部12bの端面12cには、挿入穴12hに貫通孔11bを連続させて圧電素子11が結合される。
霧化装置1Jでは、ペルチェ素子52は、圧電素子11の振動部12側と反対側の端面と対向して配置される。ペルチェ素子52は、図示しない電気回路が接続され、通電されることで圧電素子11側から反対側に熱が移動する。
また、断熱材54によって、圧電素子11の振動によるペルチェ素子52への衝撃が緩和されている。
霧化装置1Jにおいて、ペルチェ素子52を図示省略する電気回路によって通電すると、ペルチェ素子52において圧電素子11側から反対側に熱が移動する。そのため、熱伝導によって、振動部12の熱が冷却部53を通ってペルチェ素子52に移動して、振動部12が冷却される。すなわち、ペルチェ素子52は、冷却部53を介して振動部12から吸熱する。
これにより、振動部12は、周囲の温度より低温となって、空気中の水蒸気が振動部12に結露する。そして、先端面12Fに水Wが結露し、又は先端面12F以外に結露した水Wが振動部12から先端面12Fに流れることによって、先端面12Fに水Wが付着する。これにより、振動部12の先端面12Fに、霧化の対象となる水Wが供給される。なお、先端面12Fに付着しない水Wは、下方に落下する。
なお、ペルチェ素子52は、冷却部53を介して振動部12と結合されているため、振動部12と一緒に振動する。
図11を参照して本発明の第8実施の形態の霧化装置1Kについて述べる。
図11は、霧化装置1Kを模式的に示す図である。
霧化装置1Kは、圧電振動子10及び熱交換器55を有する。
圧電振動子10は、例えば、図11に示すように、圧電素子11と振動部12とを有する。圧電振動子10は、上述した第1実施の形態の霧化装置1Aにおける構成に加えて、振動部12に熱交換器55の媒体が循環する媒体循環配管56が通されている。
熱交換器55は、例えば、冷媒が循環するヒートポンプである。ヒートポンプでは、図示省略する圧縮機で冷媒を圧縮して高温高圧とした後に、冷媒を放熱及び膨張させることで冷却する。この冷却した冷媒を媒体循環配管56によって振動部12に供給することで、冷媒は振動部12から吸熱して振動部12を冷却する。そして、再び圧縮機で冷媒を圧縮することによって、冷媒は高温高圧になって吸熱した熱を周囲に放熱する。このようにして、ヒートポンプは、熱を低温部から高温部に移動させることで振動部12を冷却することができる。
又は、熱交換器55は、上記ヒートポンプにおいて、冷却された冷媒によってブラインを冷却し、冷却したブラインを媒体循環配管56によって振動部12に供給する。これにより、ブラインは振動部12から吸熱して、振動部12を冷却する。
霧化装置1Kでは、熱交換器55から媒体循環配管56によって冷却した冷媒又はブラインを振動部12に供給することによって、熱伝導によって熱が振動部12から冷媒又はブラインに移動して、振動部12が冷却される。
これにより、振動部12は、周囲の温度より低温となって、空気中の水蒸気が振動部12に結露する。そして、先端面12Fに水Wが結露し、又は先端面12F以外に結露した水Wが振動部12から先端面12Fに流れることによって、先端面12Fに水Wが供給される。
このように、冷却手段として熱交換器55を用いることによって、振動部12を冷却することが可能である。
特に、かかる構成の場合は、熱交換器55を圧電素子11から離れた箇所に配置し、媒体循環配管56を介して冷却熱を圧電素子11に伝達することができるため、圧電素子11の取り付け箇所が特定されることも少なくなり、設計の自由度を向上させることができる。
また、一般的に熱交換器を用いると冷却効率が良いので、省電力での温度調整が可能になる。
本発明の霧化装置では、霧化される対象の液体は上述した水Wに限らない。本実施の形態において霧を発生させる対象の液体としては、振動部12の先端面12Fの表面に付着し、振動部12の振動によって霧になる各種の液体、例えば、水、香料が含まれる水、化粧水などの液体、液体薬品、液体肥料、液体塗料の他に、油、ガソリンなどの燃焼系液体など、比較的粘度が低い液体が対象となる。
また、本実施の形態の霧化装置を、超音波振動を利用する種々の装置、例えば、超音波霧化装置、超音波攪拌装置、超音波洗浄器などとして使用することもできる。
1A〜1H、1J、1K…霧化装置
10…圧電振動子、11…圧電素子、12…振動部、12d…導水溝、12e…貫通孔
12F…先端面
20…液体供給用容器
31…容器、32、33…ポンプ、
41…結露板、44…液体供給補助部
51…送風装置、52…ペルチェ素子、55…熱交換器
Claims (3)
- 圧電素子と、当該圧電素子の第1の面側に接続され、当該圧電素子の振動により振動する振動部とを有し、前記第1の面と対向する前記振動部の先端面に付着した液体を霧化する圧電振動子と、
前記圧電素子の振動軸方向に形成された第1の穴および当該第1の穴と連通する前記振動部の振動軸方向に形成された第2の穴に挿入された熱伝導性の冷却部と、
前記冷却部を介して前記振動部から吸熱するように、前記圧電素子の前記第1の面と対向する第2の面に設けられ、前記第2の穴から露出する前記冷却部に接続された、ペルチェ素子と、
を有する、
霧化装置。 - 前記冷却部が挿入される前記第2の穴と前記圧電素子との間、および、前記第2の面において前記圧電素子と前記ペルチェ素子とが接続される間に、断熱性を有し、振動緩衝機能を有する部材が介在されている、
請求項1に記載の霧化装置。 - 前記振動部は、
前記圧電素子が接続される前記第1の面側の直径が大きく、前記振動部の先端面側の直径が小さい、湾曲した形状をしており、
前記振動部の上面に前記第1の面側から前記先端面まで達する液体誘導溝が形成されている、
請求項1または2に記載の霧化装置。
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