JP2008228365A - 電力供給システム、自己保持回路およびリレー - Google Patents

電力供給システム、自己保持回路およびリレー Download PDF

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Abstract

【課題】 既存の安価な常時商用給電方式UPSをそのまま利用し、簡単な改修で瞬低等による電気機器停止を回避でき、電気機器を安定動作することを目的としている。
【解決手段】 本発明による電力供給システム100は、常時商用給電方式無停電電源装置200と、常時商用給電方式無停電電源装置から出力された電力を原動力として動作する電気機器300と、リレー412が一旦オンされると、リレー入力420と直列に接続されたリレーの接点422が通電し、リレーの接点422の閉状態および電気機器を動作させる接点424状態を保持する自己保持回路400と、を備え、停電時におけるリレーの接点が反転するまでの反応時間は、常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より長く設定されることを特徴としている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、常時商用給電方式無停電電源装置の停電時の切換瞬断に対する電気機器の起動停止を回避可能な電力供給システム、自己保持回路、リレーに関する。
近年、工場等における多くの生産設備がパーソナルコンピュータ等の精密機器で統括管理されるようになってきた。かかる精密機器は、電力が安定供給されることを前提として動作しているので、電力の瞬断(瞬時電力切断)や瞬低(瞬時電圧低下)によっても再起動してしまい生産処理の安定性に支障を来していた。従って、このような精密機器を導入する際には、電力の供給停止の影響を受けない無停電電源装置(UPS: Uninterruptible Power System、以下単にUPSと言う。)の導入も併わせて検討されている。UPSとしては、常時商用給電方式UPS、ラインインタラクティブ方式UPS、常時インバータ給電方式UPS等がある。
図11は、常時商用給電方式UPSを説明するための機能ブロック図である。常時商用給電方式UPS10では、通常時、スイッチ12を商用の高圧電源側に倒すことで商用電源からの電力を直接出力し、それと並行してAC/DC変換器14で整流された電力をバッテリ(蓄電池)16に蓄積する。そして、停電時には、スイッチ12を矢印で示したようにバッテリ16側に倒し、インバータ18を介してバッテリ16からの電力を出力する。
また、ラインインタラクティブ方式UPSは、上述した常時商用給電方式UPS10に交流電圧調整機能を加えたUPSであり、常時商用給電方式UPSより比較的電圧出力精度を要する負荷に利用される。
しかし、常時商用給電方式UPSおよびラインインタラクティブ方式UPSでは、通常時と停電時との電力の供給源の切換にスイッチが用いられているため、少なくとも数msecの切換期間を要してしまう。このような短時間の切換期間であっても、その間、負荷への電力供給が一旦途絶えてしまうため、電圧の変化に弱いHID(High Intensity Discharge)ランプや、ACリレー等の電気機器はその影響を受けてしまう。例えば、工場の生産設備では、電気機器の自己保持回路にACリレーが用いられ、常時商用給電方式UPSまたはラインインタラクティブ方式UPSの切換に要する短時間の瞬低によりリレーの閉路保持が解除され電気機器の停止を招いてしまう。そこで、上述のようなスイッチの切換が行われない常時インバータ給電方式UPSの導入が検討される。
図12は、常時インバータ給電方式UPSを説明するための機能ブロック図である。常時インバータ給電方式UPS20では、通常時から、図中実線の矢印で示したように、商用の高圧電源を一旦AC/DC変換器24で整流し、再度インバータ28で交流に変換して出力する。このとき、AC/DC変換器24によって整流された電力の一部をバッテリ26に蓄積する。そして、停電時には、図中点線の矢印で示したように、バッテリ26に蓄積された電力を、インバータ28を介して出力する。
かかる常時インバータ給電方式UPS20は、常時商用給電方式UPS10のような供給源の切換を要さず、停電時においてもバッテリ26へのスムーズな移行が可能となる。従って、HIDランプやACリレー等にも影響を及ぼすことなく、安定した電力の供給を行うことができる。また、常時インバータ給電方式UPS20のバッテリ26として、コンデンサまたは電気二重層コンデンサまたはフライホイールもしくは超伝導電力貯蔵を用い、バッテリ26の省スペース化が可能な技術も知られている(例えば、特許文献1)。
特開2001−061238号公報
しかし、常時インバータ給電方式UPS20では、直流への変換および交流への再変換が常に行われるので、変換機器の容量が無駄に大きくなり、機器の大型化を招いていた。また、通常時に利用される電力においてもAC/DC変換器24やインバータ28を介するので、その変換効率に応じた損失電力が生じ、常時商用給電方式UPS10よりコスト的に割高になるといった問題が生じている。
従って、工場等における実際の運用では、生産設備の中から瞬低を許容しない電気機器を抽出し、そのような電気機器に局所的に小容量の常時インバータ給電方式UPSを備え付けるといった部分的改修が行われている。また、対象がACリレーの場合、そのリレーをDCリレーに置換し直流化する等の対応もとられている。しかし、工場における設備が大規模であったり、さらに改修を要する電気機器が分散したりしている場合、そのような部分的改修は手間と時間を費やし、管理が複雑になるといった問題もある。また、リレーの直流化においては、シーケンスの再設計を伴い、その管理がさらに複雑化することになってしまう。
本発明は、従来のUPSが有する上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、既存の安価な常時商用給電方式UPSをそのまま利用し、簡単な改修で瞬低等による電気機器停止を回避でき、電気機器の安定した動作維持が可能な、電力供給システム、自己保持回路およびリレーを提供することである。
上記課題を解決するために、商用電源から直接供給される電力と、インバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置と、常時商用給電方式無停電電源装置から出力された電力を受電して動作する電気機器と、リレーが一旦オンされると、リレー入力に直列に接続されたリレーの接点が通電し、リレーの接点の閉状態および電気機器を動作させる接点状態を保持する自己保持回路と、を備え、停電時におけるリレーの接点が反転するまでの反応時間は、常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より長く設定されることを特徴とする、電力供給システムが提供される。
本発明では、常時インバータ給電方式UPSへの部分的改修やシーケンスの再設計を必要とせず、かつ、既存の常時商用給電方式UPSおよびシーケンス回路をそのまま流用可能であり、自己保持回路の安価かつ容易な改修のみによって、瞬低等の事故から電気機器の安定動作を守ることができる。
また、本発明の電力供給システムでは、通常時に商用電源を直接利用するので不要な損失電力を招くことなく、電力資源の利用効率の向上を図ることができる。
反応時間の設定は、リレーの機構的遅延によってなされてもよい。ここで、機構的遅延は、リレー入力に対する接点が開くタイミングを機構的に遅延させることを言う。かかる機構的遅延により電源切断期間が短時間であれば、リレーの接点を切断することなく閉路が維持されるので、電気機器の安定した動作状態を維持することができる。
接点の可動側、固定側の少なくとも一方を、弾性部材の弾性力により他方に当接面を押し当てる弾性接点で構成し、弾性接点の可動長を調整すること、または磁力が途絶えてる間両接点の開路を維持するバネのバネ定数を小さく設定することで機構的遅延を成すとしてもよい。ここで、可動長の調整は、弾性接点の弾性部材を支持する固定部のスライド機構によってなされてもよい。
かかる弾性接点の構成により、リレー入力がオフされたとしても弾性部材の弾性力により直ぐには接点が切断されない。このようなリレー内の機構的遅延量は、弾性接点の可動長、または、鉄片に付されたバネのバネ定数に応じて決定される。従って、常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間(瞬低時間)より遅延量が長くなるように可動長またはバネ定数を設定することで、電気機器の停止を回避することができる。
リレーは、既存のリレーと置換可能に形成されてもよい。上述したように、自己保持回路の一部であるリレー内の加工のみによって、リレー入力が切断されてから接点がオフするまでの反応時間を調整することができる。従って、本発明のリレーを既存のリレーと置換することのみによって、電気機器の停止を回避することができ、電気機器の安定した動作維持が可能となる。
反応時間の設定は、リレー入力の切断タイミングを遅延させる遅延回路によってなされてもよい。
かかる遅延回路は、切断タイミングのみを遅延させ、投入タイミングはそのまま出力することができるので、短時間の切断のみを無効化することが可能となる。従って、電源の短時間の切断が接点に伝わることもなく、電気機器は安定して動作し続けることができる。
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、商用電源から直接供給される電力と、インバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置からの電力を受電して動作する電気機器と並列に接続され、電気機器のオン/オフを切り換える自己保持回路であって、ユーザの押下または他のリレーの接点によって通電されるオンスイッチと、オンスイッチの押下または他のリレーの接点によって自体のリレー入力がオンされると、リレー入力に直列に接続された自体の接点が通電し、自体の接点の閉状態および電気機器を動作させる接点状態を保持するリレーと、リレー入力に直列に接続され、ユーザの押下または他のリレーの接点によってリレー入力を切断し電気機器を停止するオフスイッチと、を備え、停電時におけるリレーの接点が反転するまでの反応時間は、常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より長く設定されることを特徴とする、自己保持回路が提供される。
上記課題を解決するために、本発明のさらに他の観点によれば、商用電源から直接供給される電力とインバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より、自体のリレー入力が切断されてから自体の接点がオフするまでの反応時間が長く設定されることを特徴とする、リレーが提供される。
上述した、電力供給システムの技術的思想に基づく構成要素やその説明は、当該自己保持回路、リレーにも適用可能である。
以上説明したように本発明の電力供給システムによれば、既存の安価な常時商用給電方式UPSをそのまま利用し、簡単な改修で瞬低等による電気機器停止を回避でき、電気機器の安定した動作維持が可能となる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
安価な常時商用給電方式UPSでは、商用電源とバッテリ電源との切換に時間を要し、例えば約2msec程度の間、負荷への給電が断たれることとなる。このような電力の瞬断や瞬低によって、負荷となる各電気機器では不意な急停止や誤動作が生じてしまう。
本実施形態における電力供給システムでは、高価な常時インバータ給電方式UPSへの全部または一部改修や、シーケンスの再設計を要すリレーの直流化を行わず、既存の常時商用給電方式UPSおよびシーケンス回路をそのまま流用し、自己保持回路の安価かつ容易な改修のみによって、瞬低等の事故から電気機器の安定動作を守ることができる。以下、このような電力供給システムの具体的構成を述べ、後にその構成要素の具体的な機能を詳述する。
(電力供給システムの構成)
図1は、電力供給システムの概略的な構成を示す説明図である。例えば工場内の電力供給システム100は、変圧器110と、常時商用給電方式UPS200と、電気機器300と、自己保持回路400とから構成される。
上記変圧器110は、電力系統を通じて給電された高電圧を電力供給システム100で利用可能な商用電圧に変圧する。
上記常時商用給電方式UPS200は、図11を用いて説明したように、商用の高圧電源から直接供給される電力と、インバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する。通常時、インバータは停止状態で待機し、停電を検知して起動する。また、商用電源から直接電力を出力する際、並行して上記バッテリに電力を蓄積している。電力が蓄積されたバッテリは、停電時の電力補償を行う。
このような常時商用給電方式UPS200は、常時インバータ給電方式UPS等の他のUPSと比較して、安価であり、かつ損失電力を抑制することが可能なので、生産設備のUPSとして非常に利用価値が高い。しかし、常時商用給電方式UPS200では、上述したように、通常時と停電時との電力の供給源の切換にスイッチを用いているため、短時間ではあるが電力が供給されない期間を生じてしまう。
図2は、常時商用給電方式UPS200の出力電圧の例を示したタイミングチャートである。常時商用給電方式UPS200からは、3相電圧VRS、VST、VTRが出力されている。図中中央で停電が生じると、当該常時商用給電方式UPS200の出力は、商用電源からバッテリに切り替わる。図2によると、かかる切換に要する期間は、約2msecであり、その間各相の電圧は軒並み低下し、波形も乱れる。このような瞬低が起こる主な原因は、常時商用給電方式UPS200の電源切換を遂行するスイッチの切換にある。
このような瞬低は、例えその期間が2msecといった短期間であっても接続された負荷に影響を及ぼしてしまう。特に、以下に示すような、電気機器300の始動および停止を制御する自己保持回路400では、瞬低により電気機器300の不意な停止を招き、多大な損害を被ることになる。
上記電気機器300は、電動機等、工場における生産設備を構成し、常時商用給電方式UPS200から出力された電力を原動力として動作する。かかる電気機器300は、生産ラインや製品の加工に用いられるので、極力停止することを避けるべきであり、故に上述した常時商用給電方式UPS200が用いられている。
上記自己保持回路400は、常時商用給電方式UPS200に対して電気機器300と並列に接続され、電気機器300のオン/オフを制御する。
図3は、自己保持回路400の動作原理を説明するための回路図である。かかる自己保持回路400は、オンスイッチ410と、リレー412と、オフスイッチ414とから構成される。
上記オンスイッチ410は、ユーザの操作手段の一部を担い、電気機器300を始動するトリガとなる。ユーザによってオンスイッチ410が押下されると、オンスイッチ410、リレー412、オフスイッチ414の閉回路が形成され、オンスイッチ410自体が通電する。かかる通電によりリレー412が作動し電気機器300が始動する。また、オンスイッチ410は、後述するオフスイッチ414共々、ユーザの押下によるトリガ以外にも他のリレー(継電器)の接点により連動し動作する等、様々な入力に対応できる。
上記リレー(継電器)412は、ACリレーで構成され、リレー入力420が一方をオンスイッチ410に、他方をオフスイッチ414に直列に接続されている。また、リレー入力に応じて同期して動作する2つの接点のうち一方の接点422がオンスイッチ410を短絡できるよう並列に接続され、他方の接点424は誘導電動機310の動作/停止を切り換えるためインバータ312に接続される。
ここで、ユーザがオンスイッチ410を押下した場合、上述したようにオンスイッチ410、リレー412、オフスイッチ414の閉回路が形成され、リレー入力420に常時商用給電方式UPS200からの電流が流れる。こうしてリレー入力420がオンすると、接点422が閉じ、接点424が動作側に倒れ、リレー入力420に対してラッチがかかる。即ち、オンスイッチ410の押下状態を解除しても、自体のリレー入力420と接点422との閉回路によってリレー412のオン状態を維持できる。
このようにリレー412のオン状態が維持されている間は、リレー412の励磁が維持され、接点424も電気機器300の動作側に倒された接点状態も維持されて、電気機器300は動作し続ける。かかる接点424は、A接点またはB接点いずれであってもよく、接点424の開閉いずれをもってしても電気機器300の始動のトリガとすることができる。また、接点424に直接電流が流れていることを検知してもよいし、接点424が通電することで変化する端子電圧を検知してもよい。
上記オフスイッチ414は、オンスイッチ410同様、ユーザの操作手段の一部を担い、電気機器300を停止するトリガとなる。オフスイッチ414は、リレー入力420と直列に接続されているので、オフスイッチ414が押下されると、即ち、リレー入力420が切断されると、リレー入力420と接点422とのラッチが解除される。従って、電気機器300への接点424も電気機器300の停止側に移動し、電気機器300の動作が停止される。
通常、電気機器300の起動および停止は、ユーザ操作による上述したシーケンスに沿って遂行される。しかし、電気機器300動作中に停電があった場合、リレー入力420の通電が断たれる期間が生じ、例えそれが短期間であっても、ユーザがオフスイッチ414を押下したのと同様の状態が形成され、電気機器300が停止してしまう。
かかる点を踏まえると、オフスイッチ414に対するユーザの意図的な電気機器300の停止は受付け、短時間の瞬低は受け付けない構成が、自己保持回路400に必要となってくる。本願発明者らは、電源切断のタイミングのみを遅延することで、自己保持回路400が短時間の瞬低を無効化できることを見出した。その瞬低の無効化は、停電時におけるリレー412の接点424が反転するまでの反応時間を、常時商用給電方式UPS200の切換期間より長くすることで達成される。
かかる無効化回路は、電源電圧が下がった場合にその下がった波形を遅延させることで成し得る。このような無効化回路は、様々に構成することが可能であるが、本実施形態では、代表的に、リレー412の機構的遅延と、リレー入力の切断タイミングを遅延させる遅延回路とを挙げて説明する。
(リレー412の機構的遅延)
まず、リレー412の機構的遅延によって反応時間の設定を行う。ここで、機構的遅延は、リレー入力420に対して接点422、424が開くタイミングを機構的に遅延させることを言う。
図4は、本実施形態のリレー412の構成および動作を示した説明図である。先ず、図4(a)では、リレー入力420に接続されたスイッチ428が閉じているので、鉄心430に巻回されたコイル432に電流が流れ鉄心430に磁力が発生している。従って、鉄心430に吸引された鉄片434に設けられた可動接点436が固定接点に接触している。かかる固定接点は、可動接点に対する固定側接点という意味であり、実際の固定を要さない。本実施形態の固定接点は、弾性部材としてのバネ438が設けられた弾性接点440として動作可能であり、バネ438によって可動接点436に付勢されている。可動接点436と弾性接点440との接触により接点422または接点424とが閉じる。
ここで、図4(b)に示すようにスイッチ428が開きリレー入力420が開路されると、鉄心430の磁力がなくなり、鉄片434は、バネ442の張力によって、矢印で示すように、可動接点436を弾性接点440から離間する方向に推移する。しかし、弾性接点440は、バネ438の付勢力により、可動長Aまで可動接点436との接触を維持する。従って、スイッチ428が開いているにも拘わらず、可動接点436が可動長Aよりさらに離間するまで、可動接点436と弾性接点440とが接触し、接点422または接点424との閉路が維持される。
そして、可動接点436が可動長Aより離間すると、図4(c)に示すように可動接点436と弾性接点440との接触が断たれ、接点422または接点424も開くこととなる。
上述したように可動側または固定側の接点の少なくとも一方または両方を、バネ438の弾性力により他方に当接面を押し当てる弾性接点440で構成し、弾性接点440の可動長Aを調整することで開路までの時間を延長または短縮することができる。従って、可動長Aは、少なくとも、常時商用給電方式UPS200の切換期間(瞬低時間)が終了するまで、可動接点436との接触を維持できる長さに設定される。
ここで、可動長の調整は、弾性接点440の弾性部材438を支持する固定部446のスライド機構によってなされてもよい。
図5は、固定部446のスライド機構を説明するための説明図である。かかる固定部446は、弾性部材438の端部を支持し、弾性接点440の可動長を定める。従って、固定部446を矢印のように、弾性接点440と可動接点436との接触が不可能とならない範囲で、スライド移動すると、弾性部材438が伸びきったときの弾性接点440の位置も矢印のように下がり、可動長Aが短くなる。また、固定部446を矢印とは逆にスライド移動すると可動長Aが長くなる。ここでは、固定部446のスライド機構により可動長を設定する方法を述べたが、かかる場合に限られず、弾性接点440の高さや、弾性部材438の長さを調整したり、所定高さの弾性接点440や所定長さの弾性部材438に交換したり等様々な方法で可動長を調整することができる。
また、可動長の代わりにバネ442のバネ定数を変化させても本実施形態の目標を達成することができる。例えば、バネ442のバネ定数を小さくするとバネ442の張力が低下し、鉄片434を図4(b)の矢印方向に戻す開路速度が鈍り、可動接点436が弾性接点440と離間するまでの期間が延長され、機構的遅延がなされる。
また、上述した新規のリレー412は、例えば、端子形状を等しくし内部構成のみ加工することで、既存のリレーと置換することができる。上述したように、自己保持回路400の一部であるリレー412内の加工のみによって、リレー入力420が切断されてから接点422、424がオフするまでの反応時間を調整することができる。従って、本実施形態のリレー412を既存のリレーと置換することのみによって、電気機器300の停止を回避することができ、電気機器300の安定した動作維持が可能となる。
また、上記弾性接点440は、通常時においても可動接点436に付勢されているので、例えば、振動等の外力を受けたとしても、接点が離間することなく、その接触を確実に保持することが可能となる。従って、リレー412自体の信頼性向上を図ることもできる。
このような弾性力を利用した接点は、図4に示したようなバネ438に限らず、例えば、弾性部材として鉄片等板材の応力を利用することもできる。
図6は、本実施形態のリレー412の他の構成および動作を示した説明図である。先ず、図6(a)では、図4(a)同様、リレー入力420に接続されたスイッチ428が閉じられており、可動接点436が、弾性部材としての鉄片444に設けられた弾性接点440に接触している。かかる弾性接点440も鉄片444により可動接点436に付勢される。そして、可動接点436と弾性接点440との接触を通じて接点422または接点424とが閉じることになる。
また、図6(b)に示すようにスイッチ428が開き、リレー入力420が開路されると、矢印で示すように、可動接点436が弾性接点440から離間する方向に推移する。しかし、弾性接点440は、鉄片444の応力により、可動長Bまで可動接点436との接触を維持する。従って、図4同様、スイッチ428が開いているにも拘わらず、可動接点436が可動長Bより離間するまで、可動接点436と弾性接点440との接触を通じて接点422または接点424との閉路が維持される。
ここでは、弾性部材としてのバネ438や鉄片444を用いたリレー412の機構的遅延を説明したが、かかる場合に限らず、例えば、摩擦力を利用して接点の離隔を遅延させる等、様々な方法を適用することができる。
このような機構的遅延により、電源の瞬低に対して接点が切断されることなく閉路が維持されるので、電気機器の動作状態を維持することができる。
(リレー入力の切断タイミングを遅延させる遅延回路)
また、反応時間の設定は、リレー412におけるリレー入力420の切断タイミングを遅延させる遅延回路によってなされてもよい。かかる遅延回路を設けたリレーは、図7に示したようなオフディレイタイマ450で構成することができ、リレー入力420の切断タイミング、即ち、リレー入力有りから無しへの移行タイミングのみを遅延させ、逆に投入タイミング、即ち、リレー入力無しから有りへの移行タイミングは遅延させない。従って、オフディレイタイマ450を用いることで、瞬低等の短時間の切断のみを無効化することができる。従って、短時間の切断が接点の開閉に影響を及ぼさないので、接点の開路には至らず、電気機器の停止を回避することができる。
このようなオフディレイタイマ450においては、停電等により動作する機会が希少なので、定期的に動作確認を行うとよい。
続いて、本実施形態の電力供給システム100において、瞬低にどの程度耐えうるものかの実験結果を記述する。ここでは、特に、リレー412の機構的遅延によって反応時間を設定する構成を挙げ、その効果を詳述する。
図8は、実験で印加する試験信号を示したタイミングチャートである。試験信号は、常時定格の正弦波を加工したもので、開始位相(°)から、継続時間(msec)の間のみ、所定の電圧レベル(%)まで電圧を低下させたものである。ここでは、図8のような試験信号を、市販されている通常のリレーと、本実施形態によるリレーとの両リレーのリレー入力に印加し、それによって接点が閉路状態を維持できるかどうか確認した。
当該実験においては、上述した(1)開始位相、(2)継続時間、(3)電圧レベルの条件をそれぞれ9°、1msec、5%ずつ変化させ、(1)開始位相、(2)継続時間、(3)電圧レベルを3軸とする3次元の表の、リレーの接点が開路してしまった位置にマーキングを行っている。
図9は、通常のリレーの実験結果、図10は、本実施形態の実験結果を示す。かかる図9と図10とを比較すると、通常のリレーが、開始位相54°〜81°で見て取れるように、1msec程度の短時間の電圧変化でも開路してしまうのに対して、本実施形態のリレーは、開始位相や電圧レベルに拘わらず、3msec以下の継続時間に耐えられることが理解できる。これは、本実施形態のリレーが、常時商用給電方式UPSの切換時間約2msec程度では開路しないことを示している。
また、両リレーとも電圧低下の開始位置に応じて開路感度が異なることも把握されるが、本実施形態のリレーの方が、開始位相によっては経路時間が長くとも開路することがなく、通常のリレーより開路してしまう可能性が非常に少ないことが理解できる。
以上説明したように本実施形態の電力供給システムによれば、既存の安価な常時商用給電方式UPSをそのまま利用し、簡単な改修で瞬低等による電気機器停止を回避でき、電気機器の安定した動作維持が可能となる。
また、UPS単体で考えても、上述した自己保持回路のリレーを利用することで、安価な常時商用給電方式UPSを購入することのリスクが無くなり、高価かつ損失電力の大きな常時インバータ給電方式UPSを購入しなくとも、安定した電力供給システムを形成することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態においては、自己保持回路に対する瞬低を例に挙げて説明しているが、かかる場合に限られず、短時間であっても電源の瞬低を許容しない様々な機器に適応することができる。
本発明は、常時商用給電方式無停電電源装置の停電時の切換瞬断に対する電気機器の起動停止を回避可能な電力供給システム、自己保持回路、リレーに適用可能である。
電力供給システムの概略的な構成を示す説明図である。 常時商用給電方式UPSの出力電圧の例を示したタイミングチャートである。 自己保持回路の動作原理を説明するための回路図である。 本実施形態のリレーの構成および動作を示した説明図である。 固定部のスライド機構を説明するための説明図である。 本実施形態のリレーの他の構成および動作を示した説明図である。 リレーとしてオフディレイタイマを用いた構成を説明するための回路図である。 実験で印加する試験信号を示したタイミングチャートである。 通常のリレーの実験結果を示すグラフである。 本実施形態のリレーの実験結果を示すグラフである。 従来の常時商用給電方式UPSを説明するための機能ブロック図である。 従来の常時インバータ給電方式UPSを説明するための機能ブロック図である。
符号の説明
100 電力供給システム
200 常時商用給電方式UPS
300 電気機器
400 自己保持回路
410 オンスイッチ
412 リレー
414 オフスイッチ
420 リレー入力
422、424 接点
424 接点
440 弾性接点
446 固定部
450 オフディレイタイマ

Claims (9)

  1. 商用電源から直接供給される電力と、インバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置と、
    前記常時商用給電方式無停電電源装置から出力された電力を受電して動作する電気機器と、
    リレーが一旦オンされると、該リレー入力に直列に接続された該リレーの接点が通電し、該リレーの接点の閉状態および前記電気機器を動作させる接点状態を保持する自己保持回路と、
    を備え、
    停電時における前記リレーの接点が反転するまでの反応時間は、前記常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より長く設定されることを特徴とする、電力供給システム。
  2. 前記反応時間の設定は、前記リレーの機構的遅延によってなされることを特徴とする、請求項1に記載の電力供給システム。
  3. 接点の可動側、固定側の少なくとも一方を、弾性部材の弾性力により他方に当接面を押し当てる弾性接点で構成し、該弾性接点の可動長を調整することで前記機構的遅延を成すことを特徴とする、請求項2に記載の電力供給システム。
  4. 前記可動長の調整は、前記弾性接点の弾性部材を支持する固定部のスライド機構によってなされることを特徴とする、請求項3に記載の電力供給システム。
  5. 接点の可動側、固定側の少なくとも一方を、弾性部材の弾性力により他方に当接面を押し当てる弾性接点で構成し、磁力が途絶えてる間両接点の開路を維持するバネのバネ定数を小さく設定することで前記機構的遅延を成すことを特徴とする、請求項2に記載の電力供給システム。
  6. 前記リレーは、既存のリレーと置換可能に形成されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の電力供給システム。
  7. 前記反応時間の設定は、リレー入力の切断タイミングを遅延させる遅延回路によってなされることを特徴とする、請求項1に記載の電力供給システム。
  8. 商用電源から直接供給される電力と、インバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置からの電力を受電して動作する電気機器と並列に接続され、該電気機器のオン/オフを切り換える自己保持回路であって、
    ユーザの押下または他のリレーの接点によって通電されるオンスイッチと、
    前記オンスイッチの押下または他のリレーの接点によって自体のリレー入力がオンされると、該リレー入力に直列に接続された自体の接点が通電し、自体の接点の閉状態および前記電気機器を動作させる接点状態を保持するリレーと、
    前記リレー入力に直列に接続され、ユーザの押下または他のリレーの接点によって該リレー入力を切断し前記電気機器を停止するオフスイッチと、
    を備え、
    停電時における前記リレーの接点が反転するまでの反応時間は、前記常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より長く設定されることを特徴とする、自己保持回路。
  9. 商用電源から直接供給される電力とインバータを介したバッテリからの電力とを切り換えて出力する常時商用給電方式無停電電源装置の切換期間より、自体のリレー入力が切断されてから自体の接点がオフするまでの反応時間が長く設定されることを特徴とする、リレー。
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