JP2008227210A - 半導体装置、半導体装置の製造方法、および電気光学装置 - Google Patents

半導体装置、半導体装置の製造方法、および電気光学装置 Download PDF

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JP2008227210A JP2007064523A JP2007064523A JP2008227210A JP 2008227210 A JP2008227210 A JP 2008227210A JP 2007064523 A JP2007064523 A JP 2007064523A JP 2007064523 A JP2007064523 A JP 2007064523A JP 2008227210 A JP2008227210 A JP 2008227210A
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Abstract

【課題】マルチゲート構造の薄膜トランジスタを更に改良することにより、簡素な電気的構成でソース−ドレイン耐圧を向上することのできる半導体装置、半導体装置の製造方法、および当該半導体装置を用いた電気光学装置を提供する。
【解決手段】半導体装置1において、マルチゲート構造の薄膜トランジスタ10では、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aの第1のチャネル領域1bの層厚を、ソース側の第2のトランジスタ部10bの第2のチャネル領域1fの層厚に比して薄くし、第1のトランジスタ部10aの閾値電圧をディプレッション側にシフトさせてあるので、ゲート電極3a、3bに同電位を印加した場合でも、トランジスタ部10a、10bのコンダクタンス差が小さい。チャネル領域1b、1bは各々、チャネルドープされているが、層厚が相違する分、不純物イオンのドーズ量を相違させてある。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁層に形成された半導体層を薄膜トランジスタの能動層に用いた半導体装置、半導体装置の製造方法、および電気光学装置に関するものである。
薄膜トランジスタは、有機エレクトロルミネセンス装置における有機エレクトロルミネッセンス素子に対する電流制御用トランジスタや、オペアンプなどに代表されるアナログ回路を同一基板上に内蔵した液晶装置の構成素子などとして用いられている。このような薄膜トランジスタでは、ドレイン端の空乏領域はチャネルの電界が最も多くかかる領域であり、インパクトイオン化が発生しやすい。特に、図5(a)に示すように、シリコン層からなる半導体層1aが下地絶縁層12を介して支持基板15上に形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた場合、インパクトイオン化によって生じたホットキャリアが原因で、しきい値電圧が変動するなどの基板浮遊効果や、ソース−ドレイン耐圧の低下等の好ましくない現象を引き起こす。ここで、インパクトイオン化が発生する電圧は、ソース−ドレイン間耐圧(以下、ドレイン耐圧という)と関係する。そこで、薄膜トランジスタ10の構造として、半導体層1aのドレイン側位置に第1のチャネル領域1bを備えた第1のトランジスタ部10aと、半導体層1aにおいて第1のチャネル領域1bに対して不純物導入領域1dを介してソース側で隣接する第2のチャネル領域1fを備えた第2のトランジスタ部10bとを備えたマルチゲート構造を採用することが提案されている(非特許文献1、2参照)。
このようなマルチゲート構造によれば、各チャネル領域1b、1fのドレイン端に電界が分散されるため、インパクトイオン化が生じにくいとされている。しかしながら、マルチゲート構造を採用しただけでは、駆動電圧(ソース−ドレイン間電圧)を高めた場合には、インパクトイオン化の発生を確実に防止することができない。すなわち、図5(b)に示すように、薄膜トランジスタ10がN型の場合、ドレイン電圧Vd、ソース電圧VS1、第1のトランジスタ部10aと第2のチャネル領域1fとのノード(不純物導入領域1d)の電圧VS2には、以下の大小関係
VS1<VS2<Vd
があるため、第1のトランジスタ部10aのゲート・ソース間電圧Vgs1と、第2のトランジスタ部10bのゲート・ソース間電圧Vgs2とには以下の大小関係
Vgs1 < Vgs2
があって、その差が大きいままであるため、第1のトランジスタ部10aと第2のトランジスタ部10bとの間でコンダクタンスの差が大きい。それ故、第1のチャネル領域1bのドレイン端に大きな電界が印加され、インパクトイオン化が発生するのを防止することができない。それ故、従来のマルチゲート構造のままでは、ソース−ドレイン耐圧が低いという問題点がある。
そこで、第1のゲート電極3aと第2のゲート電極3bとに印加されるゲート電圧を変えて、第1のトランジスタ部と第2のトランジスタ部と印加される分圧が偏るのを緩和した構成が考えられえる。
L.Mariucci et al、AM-LCD'03 pp57-60 Woo-Jin Nam et al、IDW'04 pp307-310
しかしながら、第1のゲート電極3aと第2のゲート電極3bとに印加されるゲート電圧を変えるという構成は、1つのマルチゲート構造の薄膜トランジスタに対してトランジスタと抵抗が各二つ必要になる。また、回路回りも複雑になるため、設計が回路的にもスペース的にも難しくなるという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、マルチゲート構造の薄膜トランジスタを更に改良することにより、簡素な電気的構成でソース−ドレイン耐圧を向上することのできる半導体装置、半導体装置の製造方法、および当該半導体装置を用いた電気光学装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、絶縁層上に形成された半導体層を能動層として備えた薄膜トランジスタを有する半導体装置において、前記薄膜トランジスタは、前記半導体層のドレイン側位置に第1のチャネル領域を備えた第1のトランジスタ部と、前記半導体層において前記第1のチャネル領域に対して不純物導入領域を介してソース側で隣接する第2のチャネル領域を備えた第2のトランジスタ部とを備え、前記第1のトランジスタ部と前記第2のトランジスタ部とは導電型が同一であって、前記第1のトランジスタ部のゲート電極と、前記第2のトランジスタ部のゲート電極とには同電位が印加され、前記第1のチャネル領域の層厚は、前記第2のチャネル領域の層厚に比して薄いことを特徴とする。
本発明では、完全空乏型の薄膜トランジスタでは、チャネル領域の膜厚によって閾値が変わる。すなわち、チャネル領域の膜厚が薄いほどディプレッション側にシフトし、チャネル領域の膜厚が厚いほどエンハンスメント側にシフトすることに着目して、マルチゲート構造の薄膜トランジスタにおいて、ドレイン側の第1のトランジスタ部の第1のチャネル領域の層厚を、第1のトランジスタ部に対してソース側に位置する第2のトランジスタ部の第2のチャネル領域の層厚に比して薄くしてある。このため、ドレイン側の第1のトランジスタ部では閾値電圧がディプレッション側にシフトし、ソース側の第2のトランジスタ部では、第1のトランジスタ部に比して相対的に閾値電圧がエンハンスメント側にシフトしている。従って、第1のトランジスタ部のゲート電極と、第2のトランジスタ部のゲート電極とは同電位を印加した場合でも、第1のトランジスタ部と第2のトランジスタ部との間に発生するコンダクタンス差を小さく抑えることができる。それ故、第1のチャネル領域および第2のチャネル領域のドレイン端で電界が好適に分散されるため、インパクトイオン化が生じにくい。よって、ソース−ドレイン耐圧を向上することができる。
このような構成の半導体装置の製造方法は以下の構成を有している。すなわち、本発明では、絶縁層上に形成された半導体層を能動層として備えた薄膜トランジスタを有し、当該薄膜トランジスタは、前記半導体層のドレイン側位置に第1のチャネル領域を備えた第1のトランジスタ部と、前記半導体層において前記第1のチャネル領域に対して不純物導入領域を介してソース側で隣接する第2のチャネル領域を備えた第2のトランジスタ部とを備えた半導体装置の製造方法において、前記絶縁層上に前記半導体層を形成した後、前記第1のチャネル領域を形成すべき第1の半導体領域の層厚を前記第2のチャネル領域を形成すべき第2の半導体領域の層厚に比して薄くする薄膜化工程を有していることを特徴とする。
本発明において、前記第1のチャネル領域および前記第2のチャネル領域は各々、異なるドーズ量の不純物によってチャネルドープされていることが好ましい。例えば、前記不純物は、前記薄膜トランジスタの導電型とは逆の導電型の不純物である場合、前記第1のチャネル領域に対する不純物濃度のドーズ量は、前記第2のチャネル領域に対する前記不純物のドーズ量に比して少ないことが好ましい。このように構成すると、チャネルドープを行った場合でも、第1のトランジスタ部と第2のトランジスタ部との間で閾値電圧が逆転することがない。
このような構成の半導体装置を製造するにあたっては、前記薄膜化工程の後、前記第1の半導体領域および前記第2の半導体領域に対してチャネルドープ工程を行うとともに、当該チャネルドープ工程では、前記第1の半導体領域および前記第2の半導体領域に対する不純物のドーズ量を相違させる。
本発明に係る半導体装置は、低消費電力LSIに用いられる。また、本発明に係る半導体装置は、携帯電話機やモバイルコンピュータなどの電子機器に用いられる液晶表示装置や、投射型表示装置の液晶ライトバルブ、プリンタヘッドなどに使用される有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)装置などいった電気光学装置において、複数の画素が形成された素子基板として用いられる。このような電気光学装置において、本発明を適用した薄膜トランジスタは、各画素の駆動用や、オペアンプなどに代表されるアナログ回路を構成するのに用いられる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明に用いた各図では、各層や各部材を図面上で認識可能とするため、各層や各部材毎に縮尺を相違させてある。また、以下の説明では、図5を参照して説明した構成との対応が分かりやすいように、対応する部分には同一の符号を付して説明する。
[半導体装置の構成]
図1(a)、(b)は、本発明を適用した半導体装置の要部を模式的に示す断面図、および等価回路図である。図1(a)に示す半導体装置1は、薄膜トランジスタ10を備えており、かかる薄膜トランジスタ10を構成するにあたって、本形態では、SOI基板が用いられている。すなわち、半導体装置1は、ガラスや石英などからなる支持基板15の表面にシリコン酸化膜などの下地絶縁層12が形成されており、この下地絶縁層12の表面に、薄膜トランジスタ10の能動層を構成する半導体層1aが形成されている。ここで、薄膜トランジスタ10は、半導体層1aのドレイン側位置に第1のチャネル領域1bを備えた第1のトランジスタ部10aと、半導体層1aにおいて第1のチャネル領域1bに対して不純物導入領域1dを介してソース側で隣接する第2のチャネル領域1fを備えた第2のトランジスタ部10bとを備えている。
本形態において、第1のトランジスタ部10aおよび第2のトランジスタ部10bはいずれもNチャネル型である。従って、半導体層1aにおいて、第1のチャネル領域1bに対してドレイン側には高濃度N型の不純物が導入されたドレイン領域1gが形成され、第2のチャネル領域1fに対してソース側には高濃度N型の不純物が導入されたソース領域1hが形成されている。また、不純物導入領域1dも、高濃度N型の不純物が導入されたN型領域である。
本形態において、半導体層1aの表面側にはシリコン酸化膜などからなるゲート絶縁層2が形成され、ゲート絶縁層2の表面には、ゲート絶縁層2を介して第1のチャネル領域1bと対向する位置に第1のゲート電極3aが形成され、ゲート絶縁層2を介して第2のチャネル領域1fと対向する位置に第2のゲート電極3bが形成されている。ここで、第1のゲート電極3aと第2のゲート電極3bとは一体に形成されており、同電位が印加される。なお、ドレイン領域1gおよびソース領域1hには、層間絶縁膜のコンタクトホールを介してドレイン電極およびソース電極が電気的に接続されているが、図1(a)には、層間絶縁膜、ドレイン電極およびソース電極の図示を省略してある。
このように構成したマルチゲート構造の薄膜トランジスタ10において、第1のチャネル領域1bの層厚は、第2のチャネル領域1fに比して薄くなっている。例えば、第1のチャネル領域1bは25nmであり、第2のチャネル領域1fの層厚は50nmである。また、薄膜トランジスタ10は完全空乏型である。このため、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aでは閾値電圧がディプレッション側にシフトし、ソース側の第2のトランジスタ部10bでは、第1のトランジスタ部10aに比して相対的に閾値電圧がエンハンスメント側にシフトしている。
また、本形態では、第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fは各々、チャネルドープが施されているが、不純物イオンのドーズ量が相違する。より具体的には、本形態では、例えば、第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fの各々にP型の不純物(例えばボロンイオン)がチャネルドープされているが、第1のチャネル領域1bのドーズ量は、第2のチャネル領域1fに対するドーズ量より少ない。このため、第1のチャネル領域1bの層厚が第2のチャネル領域1fに比して薄くなっているにもかかわらず、第1のチャネル領域1bの不純物濃度は、第2のチャネル領域1fの不純物濃度に対して低いか、同等である。それ故、第1のトランジスタ部10aおよび第2のトランジスタ部10bの閾値電圧はいずれもエンハンスメント側にシフトするが、第1のトランジスタ部10aの閾値電圧と第2のトランジスタ部10bの閾値電圧との関係においては、第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fの層厚で規定された通り、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aでは閾値電圧がディプレッション側にシフトし、ソース側の第2のトランジスタ部10bでは第1のトランジスタ部10aに比して相対的に閾値電圧がエンハンスメント側にシフトしている関係が維持されている。
以上説明したように、本形態の半導体装置1において、マルチゲート構造の薄膜トランジスタ10では、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aの第1のチャネル領域1bの層厚を、第1のトランジスタ部10aに対してソース側に位置する第2のトランジスタ部10bの第2のチャネル領域1fの層厚に比して薄くしてある。このため、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aでは閾値電圧がディプレッション側にシフトし、ソース側の第2のトランジスタ部10bでは第1のトランジスタ部10aに比して相対的に閾値電圧がエンハンスメント側にシフトしているので、第1のトランジスタ部10aのゲート電極3aと、第2のトランジスタ部10bのゲート電極3bとに同電位を印加した場合でも、第1のトランジスタ部10aと第2のトランジスタ部10bとの間に発生するコンダクタンス差を小さく抑えることができる。すなわち、図1(b)に示すように、ドレイン電圧Vd、ソース電圧VS1、第1のトランジスタ部10aと第2のチャネル領域1fとのノード(不純物導入領域1d)の電圧VS2には、以下の大小関係
VS1<VS2<Vd
があるため、第1のトランジスタ部10aのゲート・ソース間電圧Vgs1と、第2のトランジスタ部10bのゲート・ソース間電圧Vgs2とには以下の大小関係
Vgs1 < Vgs2
があるが、その差が極めて小さいため、第1のトランジスタ部10aと第2のトランジスタ部10bとの間でのコンダクタンスの差が小さい。それ故、第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fのドレイン端で電界が好適に分散されるため、インパクトイオン化が生じにくい。よって、インパクトイオン化によって生じたホットキャリアが原因でしきい値電圧が変動するなどの問題を回避することができるとともに、ソース−ドレイン耐圧を向上することができる。
[半導体装置の製造方法]
図2を参照して、図1に示す半導体装置の製造方法を説明する。図2は、図1に示す半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
図1に示す半導体装置1を製造するには、まず、図2(a)に示すように、支持基板15の表面に下地絶縁層12および半導体層が積層されたSOI基板を準備した後、フォトリソグラフィ技術を用いて半導体層をパターニングし、島状の半導体層1aを形成する。SOI基板は、例えば、単結晶シリコン基板上にシリコン酸化膜を形成した上で支持基板と貼り合わせる方法、あるいは支持基板と単結晶シリコン基板の双方にシリコン酸化膜を形成した上でシリコン酸化膜同士を接触させて貼り合わせる方法を採用でき、これらの場合、半導体層を単結晶シリコン層により形成することができる。また、支持基板15の表面に下地絶縁層12および半導体層を順次、形成していく方法を採用してもよく、この場合、半導体層1aとしては、アモルファスシリコン膜を形成した後、レーザアニールやランプアニールなどにより多結晶化したポリシリコン膜を用いることができる。
次に、薄膜化工程を行う。具体的には、図2(a)に示すように、第1のチャネル領域1bを形成すべき領域に開口部17aを有するエッチングマスク17を形成した後、開口部17aからドライエッチングあるいはウエットエッチングを行い、半導体層1aにハーフエッチングを施す。その結果、図2(b)に示すように、第1のチャネル領域1bを形成すべき第1の半導体領域1cは、第2のチャネル領域1fを形成すべき第2の半導体領域1eの層厚に比して薄くなる。
次に、図2(c)に示すように、熱酸化法などにより、半導体層1aの表面側にゲート絶縁層2を形成する。
次に、図2(d)、(e)に示すチャネルドープ工程を行う。具体的には、図2(d)に示すように、第2の半導体領域1eに重なる領域に開口部18aを備えたマスク18を形成した状態で低濃度P型の不純物、例えばドーズ量が0.1×1012/cm3〜1×1012/cm3のボロンイオンを導入した後、図2(e)に示すように、第1の半導体領域1cに重なる領域に開口部19aを備えたマスク19を形成した状態で低濃度P型の不純物、例えばドーズ量が0.1×1012/cm3〜1×1012/cm3のボロンイオンを導入する。その際、第1の半導体領域1cおよび第2の半導体領域1eに対するドーズ量を相違させる。より具体滴には、第1の半導体領域1cに対するドーズ量を、第2の半導体領域1eに対するドーズ量より少なくする。このため、第1の半導体領域1cの層厚が第2の半導体領域1eに比して薄くなっているにもかかわらず、第1半導体領域1cの不純物濃度は、第2の半導体領域1eの不純物濃度に対して低いか、同等となる。
次に、ゲート絶縁層2の表面に導電膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて導電膜をパターングし、図2(f)に示すように、第1の半導体領域1cおよび第2の半導体領域1eに略重なる領域、あるいはそれより狭い領域に第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bを形成する。ここで、第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bは直接、あるいは間接的に繋がっており、第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bには同電位が印加される。
次に、図2(g)に示すように、第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bをマスクにして半導体層1aに高濃度N型の不純物、例えば約0.1×1015/cm2〜約10×1015/cm2のドーズ量のリンイオンを導入する。その結果、半導体層1aには、第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bに対して自己整合的にドレイン電極1g、不純物導入領域1dおよびソース領域1hが形成される。また、第1のゲート電極3aおよび第2のゲート電極3bによって、N型の不純物が導入されなかった領域が第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fとなる。このようにして、図1(a)に示す薄膜トランジスタ10が形成される。それ以降の工程については説明を省略する。
[半導体装置の変形例]
上記形態では、Nチャネル型の薄膜トランジスタ10のチャネル領域1b、1fを低濃度P型の不純物によりチャネルドープして、第1のトランジスタ部10aおよび第2のトランジスタ部10bの双方において閾値電圧をエンハンスメント側にシフトさせたが、N型の薄膜トランジスタ10のチャネル領域1b、1fを低濃度N型の不純物によりチャネルドープして、第1のトランジスタ部10aおよび第2のトランジスタ部10bの双方において閾値電圧をデプレッション側にシフトさせてもよい。この場合には、層厚の薄い第1のチャネル領域1bの不純物濃度が層厚の厚い第2のチャネル領域1fの不純物濃度より高くなるので、第1のチャネル領域1bおよび第2のチャネル領域1fの層厚で規定された関係のまま、ドレイン側の第1のトランジスタ部10aでは閾値電圧がディプレッション側にシフトし、ソース側の第2のトランジスタ部10bでは閾値電圧がエンハンスメント側にシフトしている関係が維持される。但し、第1のチャネル領域1bの不純物濃度が高すぎる状態になるおそれがあるので、層厚の薄い第1のチャネル領域1bに対するドーズ量を層厚の厚い第2のチャネル領域1fに対するドーズ量より少なくすることが好ましい。
上記形態では、ドレイン領域1gおよびソース領域1hが高濃度不純物導入領域で形成されていたが、ドレイン領域1gおよびソース領域1hの各々に高濃度不純物導入領域および低濃度ドレイン領域を設けたLDD(Lightly Doped Drain)構造を採用してもよい。この場合、不純物導入領域1dでも、第1のチャネル領域1bに隣接する側あるいは第2のチャネル領域1fに隣接する側に低濃度領域を設けてもよい。
上記形態では、ゲート電極3a、3bが分割されている構成であったが、一体に形成されている構成を採用してもよい。
上記形態では、Nチャネル型の薄膜トランジスタ10を例に説明したが、Pチャネル型の薄膜トランジスタに本発明を適用してもよい。
上記形態では、薄膜トランジスタ10が2つのトランジスタ部10a、10bを有している構成であったが、第2のトランジスタ部10bよりさらにソース側に第3のトランジスタ部を有している構成であってもよい。
[半導体装置の用途例]
図1および図2を参照して説明した半導体装置1は、例えば、低消費電力LSIに用いられる。また、半導体装置1は、図3および図4を参照して、以下に説明する携帯電話機やモバイルコンピュータなどの電子機器に用いられる液晶表示装置や、投射型表示装置の液晶ライトバルブ、プリンタヘッドなどに使用される有機EL装置などといった電気光学装置において、複数の画素が形成された素子基板として用いられる。このような電気光学装置において、本発明を適用した薄膜トランジスタは、各画素の駆動用や、オペアンプなどに代表されるアナログ回路を構成するのに用いられる。
(液晶装置の概略構成)
図3は、図1および図2を参照して説明した半導体装置1を素子基板として用いた液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、液晶装置100xは、概ね、素子基板と対向基板とを貼り合せた液晶パネル100p、画像処理回路202、タイミング発生回路203および電源回路201によって構成されており、画像処理回路202、タイミング発生回路203および電源回路201は、液晶パネル100pに接続されたフレキシブル基板(図示せず)に実装されたICなどにより構成されている。タイミング発生回路203では、液晶パネル100pの各画素100aを駆動するためのドットクロックが生成され、このドットクロックに基づいて、クロック信号VCK、HCK、反転クロック信号VCKB、HCKB、転送開始パルスHSP、VSPが生成される。画像処理回路202は、外部から入力画像データが入力されると、この入力画像データに基づいて画像信号を生成し、液晶パネル100pに供給する。電源回路201は、複数の電源VDD、VSS、VHH、VLLを生成して液晶パネル100pに供給する。
液晶パネル100pは、その中央領域に複数の画素100aがマトリクス状に配列された画素領域100bを備えている。かかる液晶パネル100pにおいて、素子基板には、画素領域100bの内側で複数本のデータ線70aおよび複数本の走査線40aが縦横に延びており、それらの交点に対応する位置に画素100aが構成されている。複数の画素100aの各々には、画素スイッチング素子としての薄膜トランジスタ10xおよび画素電極が形成されている。薄膜トランジスタ10xのソースにはデータ線70aが電気的に接続され、薄膜トランジスタ10xのゲートには走査線40aが電気的に接続され、薄膜トランジスタ10xのドレインには画素電極が電気的に接続されている。
素子基板10において、画素領域100bの外側領域には走査線駆動回路104およびデータ線駆動回路101が構成されている。データ線駆動回路101は各データ線70aの一端に電気的に接続しており、画像処理回路202から供給される画像信号を各データ線70aに順次供給する。走査線駆動回路104は、各走査線40aに電気的に接続しており、走査信号を各走査線40aに順次供給する。
各画素100aにおいて、画素電極は、対向基板に形成された共通電極と液晶を介して対向し、液晶容量50aを構成している。また、各画素100aには、液晶容量50aで保持される画像信号がリークするのを防ぐために、液晶容量50aと並列に保持容量60が付加されている。本形態では、保持容量60を構成するために、走査線40aと並列するように容量線40bが形成されており、かかる容量線40bは共通電位線COMに接続され、所定の電位に保持されている。なお、保持容量60は前段の走査線40aとの間に形成される場合もある。
このように構成した液晶装置100xにおいては、画素スイッチング用の薄膜トランジスタ10xとして、図1および図2を参照して説明した薄膜トランジスタ10を用いることができる。また、液晶装置100xにおいて素子基板上には、オペアンプなどに代表されるアナログ回路が構成される。かかるアナログ回路を構成するにあたって、図1および図2を参照して説明した薄膜トランジスタ10を用いることができる。
(有機EL装置の構成)
図4は、図1および図2を参照して説明した半導体装置1を素子基板として用いた有機EL装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。図4に示す有機EL装置100yは、駆動電流が流れることによって発光する有機EL素子80を薄膜トランジスタで駆動制御する装置であり、このタイプの有機EL装置100yでは、有機EL素子80が自己発光するため、バックライトを必要とせず、また、視野角依存性が少ないなどの利点がある。有機EL装置100yでは、素子基板上に、複数の走査線120と、この走査線120の延設方向に対して交差する方向に延設された複数のデータ線110と、走査線120に並列する複数の共通給電線130と、データ線110と走査線120との交差点に対応する画素100eとが構成され、画素100eは、画像表示領域にマトリクス状に配置されている。素子基板上には、データ線110に対して、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン、アナログスイッチを備えるデータ線駆動回路(図示せず)が構成され、走査線120に対して、シフトレジスタおよびレベルシフタを備える走査線駆動回路(図示せず)が構成されている。また、複数の画素100eの各々には、走査線120を介して走査信号がゲート電極に供給される画素スイッチング用の薄膜トランジスタ20と、この薄膜トランジスタ20を介してデータ線110から供給される画像信号を保持する保持容量30と、この保持容量30によって保持された画像信号がゲートに供給される電流制御用の薄膜トランジスタ10yと、薄膜トランジスタ10yを介して共通給電線130に電気的に接続したときに共通給電線130から駆動電流が流れ込む有機EL素子80とが構成されている。
このように構成した有機EL装置100yにおいては、電流制御用の薄膜トランジスタ10y、あるいは駆動回路用の薄膜トランジスタ(図示せず)として、図1および図2を参照して説明した薄膜トランジスタ10を用いることができる。
(a)、(b)は、本発明を適用した半導体装置の要部を模式的に示す断面図、および等価回路図である。 図1に示す半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。 図1に示す半導体装置を素子基板として用いた液晶装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。 図1に示す半導体装置を素子基板として用いた有機EL装置(電気光学装置)の電気的構成を示すブロック図である。 (a)、(b)は、従来の半導体装置の要部を模式的に示す断面図、および等価回路図である。
符号の説明
1・・半導体装置、1a・・半導体層、1b・・第1のチャネル部、1f・・第2のチャネル部、3a、3b・・ゲート電極、10・・薄膜トランジスタ、10a・・第1のトランジスタ部、10b・・第2のトランジスタ部

Claims (6)

  1. 絶縁層上に形成された半導体層を能動層として備えた薄膜トランジスタを有する半導体装置において、
    前記薄膜トランジスタは、前記半導体層のドレイン側位置に第1のチャネル領域を備えた第1のトランジスタ部と、前記半導体層において前記第1のチャネル領域に対して不純物導入領域を介してソース側で隣接する第2のチャネル領域を備えた第2のトランジスタ部とを備え、
    前記第1のトランジスタ部と前記第2のトランジスタ部とは導電型が同一であって、前記第1のトランジスタ部のゲート電極と、前記第2のトランジスタ部のゲート電極とには同電位が印加され、
    前記第1のチャネル領域の層厚は、前記第2のチャネル領域の層厚に比して薄いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1のチャネル領域および前記第2のチャネル領域は各々、異なるドーズ量の不純物によりチャネルドープされていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記不純物は、前記薄膜トランジスタの導電型とは逆の導電型の不純物であり、
    前記第1のチャネル領域に対する不純物濃度のドーズ量は、前記第2のチャネル領域に対する前記不純物のドーズ量に比して少ないことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 絶縁層上に形成された半導体層を能動層として備えた薄膜トランジスタを有し、当該薄膜トランジスタは、前記半導体層のドレイン側位置に第1のチャネル領域を備えた第1のトランジスタ部と、前記半導体層において前記第1のチャネル領域に対して不純物導入領域を介してソース側で隣接する第2のチャネル領域を備えた第2のトランジスタ部とを備えた半導体装置の製造方法において、
    前記半導体層を形成した後、前記第1のチャネル領域を形成すべき第1の半導体領域の層厚を前記第2のチャネル領域を形成すべき第2の半導体領域の層厚に比して薄くする薄膜化工程を有していることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 前記薄膜化工程の後、
    前記第1の半導体領域および前記第2の半導体領域に対してチャネルドープ工程を行うとともに、当該チャネルドープ工程では、前記第1の半導体領域および前記第2の半導体領域に対する不純物のドーズ量を相違させることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の半導体装置を備えた電気光学装置であって、
    前記半導体装置は、複数の画素が形成された素子基板であることを特徴とする電気光学装置。
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