JP2008226580A - 沿面放電体感装置および沿面放電体感実験方法 - Google Patents

沿面放電体感装置および沿面放電体感実験方法 Download PDF

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Abstract

【課題】沿面放電を、手軽に体感することができる沿面放電体感装置を提供する。
【解決手段】沿面放電を発生させる装置であって、アースされた誘導電極4と、該誘導電極4と非接触状態に配設された放電電極3とからなる一対の電極と、一対の電極間に配設され、その表面に沿面放電を生じさせ得る絶縁部材5と、放電電極3に接続されたバンデグラフ起電機2とからなる。バンデグラフ起電機2を作動させれば、絶縁部材5の表面に沿面放電を発生させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、沿面放電体感装置および沿面放電体感実験方法に関する。絶縁材料表面に電圧を印加したときに、絶縁材料の表面に保持できる電荷の量は、絶縁材料の背後に導体を有する場合の方が背後に導体を有しない場合と比較して多量の電荷を保持し易くなり、一定の条件を満たした場合には、この絶縁材料の表面に沿って放電路が形成される沿面放電が発生する。
本発明は、かかる沿面放電を実際に体感し、その危険性を感じ取ることができる沿面放電体感装置およびこの装置を使用した沿面放電体感実験方法に関する。
従来から沿面放電を工業的に利用する技術が開発されている。例えば、導電性フィルムを製造する製造工程において、シート状非導電性基材の表面に沿面放電を発生させて表面処理を行う技術(特許文献1)や、イオン発生装置においてイオンを発生させる方法として沿面放電を利用する技術(特許文献2、3)が開発されている。
沿面放電のような放電現象は様々な分野で利用される一方、偶発的に発生する放電現象は火災や爆発等の原因となる可能性があり、工場やプラント等の作業者や設計者は放電現象の危険性や発生原因を理解し、放電による災害を未然に防ぐことが必要である。
放電現象の実体や発生原因を明らかにするために、放電現象の研究が行われている(非特許文献1、2)。そして、比較的簡単かつ安全に発生させることができるコロナ放電や火花放電であれば簡易な実験装置でも実験を行うことができることから、研究者以外の作業者等であっても簡単に体験することができる。
しかしながら、沿面放電はその発生条件が特殊であるため、現在のところ研究室のような特別な施設において実験が行われているのみであり、一般の作業者等が沿面放電を体験する機会はほとんどなく、沿面放電を体験させる簡易な実験装置も存在していない。
また、上述したような沿面放電を利用する技術も工場内などでは使用されているものの、沿面放電を発生させる装置は厳重に管理され、作業者等が沿面放電を直接観測し体験する機会はほとんどない。
特開平9−201915号 特開2003−153995号 特開2006−114326号 Martin Glor, "Ignition hazard due to static electricity in particulate processes", Power Technology135-136(2003), p.223-233 Martin Glor, "Electrostatic Hazards in Powder Handling",JOHN WILEY & SONS INC., 1988, p.83-93
本発明は上記事情に鑑み、沿面放電を、手軽に体感することができる沿面放電体感装置およびこの装置を使用した沿面放電体感実験方法を提供することを目的とする。
第1発明の沿面放電体感装置は、沿面放電を発生させる装置であって、アースされた誘導電極と、該誘導電極と非接触状態に配設された放電電極とからなる一対の電極と、該一対の電極間に配設され、その表面に沿面放電を生じさせ得る絶縁部材と、前記放電電極に接続されたバンデグラフ起電機とからなることを特徴とする。
第2発明の沿面放電体感装置は、第1発明において、前記放電電極は、前記絶縁部材側の先端部の曲率半径が5〜50mmであることを特徴とする。
第3発明の沿面放電体感装置は、第1発明において、 前記絶縁部材の厚さが、0.01〜8mmであることを特徴とする。
第4発明の沿面放電体感装置は、第1発明において、前記放電電極と前記絶縁部材の表面との距離が、20mm以下であることを特徴とする。
第5発明の沿面放電体感装置は、第1、2、3または4発明において、前記一対の電極および前記絶縁部材を内部に収容するケースを備えており、該ケースは、内部を視認しうる観測窓を備えていることを特徴とする。
第6発明の沿面放電体感装置は、第5発明において、前記ケース内を換気する換気手段を備えていることを特徴とする。
第7発明の沿面放電体感装置は、第5発明において、前記ケース内が、相対湿度65%以下に保たれていることを特徴とする。
第8発明の沿面放電体感実験方法は、第1、2、3、4、5、6または7発明の沿面放電体感装置を、相対湿度65%以下の雰囲気で作動させることを特徴とする。
第1発明によれば、バンデグラフ起電機を作動させれば、放電電極が帯電し、一方、誘導電極には放電電極と逆の電荷が誘導される。両極間には、絶縁性を有しその表面に沿面放電を生じさせ得る絶縁部材が存在しているので、両極間の電圧が所定の電圧以上となると、絶縁部材の表面に沿面放電を発生させることができる。また、バンデグラフ起電機によって放電電極を帯電させており、放電電極を高電圧に帯電させることができるから、沿面放電が発生する可能性を高くすることができる。
第2発明によれば、コロナ放電の発生を防ぐことができ、確実に沿面放電を発生させることができる。
第3発明によれば、絶縁部材の絶縁破壊による誘導電極と放電電極の短絡頻度を小さくすることができ、かつ、誘導電極の作用を効果的に得ることができるので、沿面放電を発生させることが容易になる。
第4発明によれば、バンデグラフ起電機によって放電電極を帯電させた場合であっても、確実に沿面放電を発生させることができる。
第5発明によれば、ケース内において沿面放電による可燃物などの着火実験を行えば、観測窓からその状況を観察できるので、沿面放電による災害等の把握をより深めることができる。
第6発明によれば、換気手段によってケース内を換気しながら実験を行えば、実験時に発生した有害ガスがケース外に漏れることを防ぐことができる。
第7発明によれば、ケース内が沿面放電が発生しやすい雰囲気になるので、沿面放電を確実に発生させることができ、発生する沿面放電の規模を大きくすることができる。
第8発明によれば、沿面放電が発生しやすい雰囲気であるから、沿面放電を確実に発生させることができ、発生する沿面放電の規模を大きくすることができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の沿面放電体感装置1の概略ブロック図である。図2(A)は電極近傍の概略拡大説明図であり、(B)は電極近傍の概略平面図である。
図1において、符号2はバンデグラフ起電機を示している。このバンデグラフ起電機2は、静電気を連続して発生させることができるものであり、その帯電部分2aに150kV程度の高電圧を発生させることはできるが、作り出せる電流は小さい起電機である。なお、バンデグラフ起電機2は、機種を適切に選定することによって正または負どちらか一方の所望する電荷を発生させ、帯電部分2aに帯電させることができる。
このバンデグラフ起電機2の帯電部分2aは、例えば、フッ素樹脂製チューブによって被覆された電線3aによって、放電電極3の上端部に電気的に接続されている。この放電電極3は、略筒状に形成された部材であり、その下端部の端面が略球面に形成されているが、詳細は後述する。
なお、放電電極3とバンデグラフ起電機2の帯電部分とを電気的に接続する方法は、上記のごとき構成に限られず、バンデグラフ起電機2の帯電部分2aと放電電極3とが電気的にボンディング(接続)され、かつ、大地を含む周辺の導体から電気的に絶縁することができる構成であればよい。
図1に示すように、前記放電電極3の下方には、誘導電極4が配設されている。この誘導電極4は、その表面が平坦な面に形成された円板状の部材である。この誘導電極4は、例えば、鉄やステンレス等の導電性材料によって形成された電極であり、アースされた状態で絶縁性材料によって形成された台6の上に配置されている。
なお、誘導電極4は台6等を設けず、床や地面、テーブル等の上に直接設置してもよい。
そして、誘導電極4の上面には、絶縁部材5が配置されている。この絶縁部材5は、放電電極3と誘導電極4との間を絶縁するように配置された、略四角形状に形成されたシートである。この絶縁部材5は、誘導電極4の上面を覆い隠すことができる程度の大きさに形成されており、その中心が放電電極3の中心軸の延長線上に位置するように配設されている(図2(B))。
なお、絶縁部材5の形状は略四角形状に限られず、円形等としてもよい。
さらになお、絶縁部材5は誘導電極4よりも小さくてもよいが、絶縁部材5によって誘導電極4の上面が覆い隠されていれば、絶縁部材5の絶縁破壊なしで放電電極3と誘導電極4との間を直接つなぐような放電が発生することを防ぐことができ好適である。
さらになお、絶縁部材5は1つの部材でもよいし、薄膜を数枚重ねた状態でもよい。絶縁部材5の厚さが薄いと、低い電圧で絶縁部材の絶縁破壊が生じて放電電極3と誘導電極4との間を繋ぐ放電が発生してしまい、そのときに、火花放電のみが観測されるか、観測される沿面放電の規模が小さくなる場合がある。このような場合には、絶縁部材5を複数枚重ねて厚みを増すことによって、沿面放電が確実に発生させることができるようになり、しかも、より大きな沿面放電が観察できるようになる。
以上のごとき構成であるから、バンデグラフ起電機2によってその帯電部分2aを高電圧に帯電させれば、放電電極3も強帯電し、誘導電極4には放電電極3の電荷と異なる符号の電荷が誘導される。これにより絶縁部材5の表面に保持できる電荷量が増大する。そして、放電電極3に対する電圧の印加が所定の条件を超えたときに、絶縁部材5に沿った形で沿面放電を発生させることができる。
また、バンデグラフ起電機2はその帯電部分2aに150kV程度の高電圧を発生させることができる。よって、放電電極3も高電圧に帯電させることができるので、沿面放電が発生する可能性を高くすることができる。
なお、図1に示すように、放電電極3を地面等と電気的に接続する電線3bを設けておき、この電線3bに放電電極3と地面等との間を電気的に接続遮断できるスイッチ3cを設けてもよい。
本実施形態の沿面放電体感装置1の場合、バンデグラフ起電機2で発生した電荷によって放電電極3を強帯電させるために、通常の実験では、放電電極3と地面等との間を電気的に遮断した状態で実験が行われる。
しかし、スイッチ3cを設けておけば、バンデグラフ起電機2から放電電極3への電荷の供給を停止してから、放電電極3を地面等に接続したときにおける状況も観察することもできる。つまり、バンデグラフ起電機2による電荷の供給が停止してから放電電極3をアースしたときの状況も観察でき、そのときに絶縁部材5の表面に発生する沿面放電も観察することができる。
さらになお、上述した沿面放電体感装置1では、放電電極3、絶縁部材5および誘導電極4がこの順で上下に並ぶように配設しているが、放電電極3の球面状の面と誘導電極4の一面とが対向し、両者の間を絶縁するように絶縁部材5が配設されていればよく、上下方向に並べる必要はない。
本実施形態の沿面放電体感装置1による沿面放電の体感教育実験は、沿面放電体感装置1を設置する空間が、相対湿度65%以下の雰囲気で実施することが好ましく、相対湿度が30%以上55%以下であれば更に好ましい。例えば、空調設備を備えた室内で本実施形態の沿面放電体感装置1による沿面放電の体感教育実験を行うのであれば、上記のごとき湿度となるように、空調設備によって空間内の雰囲気を調整することが好ましい。
これは静電気の発生量は相対湿度の影響を大きく受け、相対湿度が小さいほど静電気の発生量が大きくなるからである。逆にいえば、相対湿度が大きくなると静電気の発生量が小さくなり、沿面放電が発生しにくくなるからである。例えば、相対湿度が65%より高くなると、沿面放電の発生の規模が小さくなったり、また、沿面放電が全く発生しなかったりする可能性が考えられる。すると、プラントなどの作業者に対して沿面放電の体感教育実験を行っても、その教育効果が弱くなってしまう。
したがって、本実施形態の沿面放電体感装置1による沿面放電の体感教育実験は、相対湿度が65%以下の雰囲気で行うことが好ましく、体感教育の教師や受講者の健康確保(喉の渇き防止)と一定規模以上の沿面放電を発生させるという観点からは、相対湿度は30%以上55%以下がより好ましい。
つぎに、本実施形態の沿面放電体感装置1における、放電電極3および絶縁部材5について、詳細に説明する。
なお、以下に説明する条件は、あくまでバンデグラフ起電機2によって放電電極3を帯電させる場合に必要とされる条件である。
放電電極3は、例えば、鉄やステンレスなどの導電性を有する材料によって形成された電極であり、略円筒状に形成されている。この放電電極3は、その球面状の面の曲率半径Rが5〜50mmとなるように形成されている。これは、放電電極3の曲率半径Rが小さすぎる(5mm未満)とコロナ放電が発生してしまい沿面放電を発生させることができなくなるし、曲率半径Rが大きすぎる(50mmより大きい)と、放電電極3自体が沿面放電の観察の妨げとなるからである。
したがって、この放電電極3は、その球面状の面の曲率半径Rが5〜50mmであることが好ましく、その球面状の面の曲率半径Rが5〜25mmであればさらに好ましい。
なお、放電電極3は必ずしも略円筒状である必要はなく、その断面積がある程度の大きさを有していればよい。そして、その先端に球面状の面を有しその面の曲率半径Rが5〜25mmであれば、コロナ放電の発生を防ぎ沿面放電を発生させることができる。
絶縁部材5は、絶縁性を有する素材によって形成されたシート状の部材であり、その表面に沿面放電を生じさせ得る素材によって、その表面に沿面放電を生じさせ得る形状に形成されている。
以下に、沿面放電を生じさせるために必要となる、絶縁部材5の素材の条件および、絶縁部材5の形状の条件について説明する。
この絶縁部材5は、その表面抵抗率が1010Ω以上かつ体積抵抗率108Ω・m以上であることが好ましい。絶縁部材5の表面抵抗率、体積抵抗率のいずれかが上記の値よりも小さい場合には、絶縁部材5の表面電荷が漏洩し易くなり、沿面放電が発生しにくくなるからである。
したがって、絶縁部材5は、その表面抵抗率が1010Ω以上かつ体積抵抗率108Ω・m以上であることが好ましく、表面抵抗率が1012Ω以上かつ体積抵抗率1010Ω・m以上であればさらに好ましい。
上記の条件は、絶縁部材5の素材として、ポリエチレンやポリプロピレン等を採用すれば満たすことができる。
また、絶縁部材5の素材は、厚さが0.01〜8mmであることが好ましい。厚さが8mmよりも厚くなると、背後導体である誘導電極4の影響力が弱くなるため沿面放電を発生させることが困難となり、また、0.01mmよりも薄くなると絶縁部材5が絶縁破壊して、放電電極3と誘導電極4が短絡してしまう可能性が高くなるからである。
したがって、絶縁部材5は、厚さが0.01〜8mmであることが好ましく、厚さが0.1〜3mmであればさらに好ましい。
なお、絶縁部材5は、単体で厚さが0.01〜8mmとなる必要はなく、厚さの薄いシート状部材を0.01〜8mmとなるように重ねて使用してもよい。
また、絶縁部材5は、その内部に半径L1が5cm以上の円を取ることができる程度の大きさに形成されている(図2(B))。絶縁部材5が小さすぎると小さな沿面放電しか観測されなくなり、観察者等に与える印象が弱くなる。すると、本実施形態の沿面放電体感装置1を使ってプラントなどの作業者に沿面放電の体感教育を行うときに、その教育効果が弱くなる。
したがって、絶縁部材5は、その内部に半径L1が5cm以上の円を取ることができる程度の大きさに形成されていることが好ましく、さらに、半径L1が10cm以上の円を取ることができることができれば、さらに好ましい。
また、放電電極3および絶縁部材5が上述したような条件を満たした場合であっても、放電電極3と絶縁部材5との距離Hが20mmより長くとなると、沿面放電を発生させるために必要な印加電圧が高くなるため、放電電極3からの放電が生じにくくなる。
したがって、放電電極3は、その先端曲面と絶縁部材5の表面との距離Hが、20mm以下であることが好ましく、5mm以下であればさらに好ましい。
なお、絶縁部材5が上述したような表面抵抗率、体積抵抗率を有しており、しかも、その厚さが0.01〜8mmの場合であれば、絶縁部材5と放電電極3とが接触していても、絶縁部材5の絶縁破壊による誘導電極4と放電電極3との間に発生する短絡頻度を小さくすることができ、かつ、誘導電極4の作用を効果的に得ることができるので、沿面放電を発生させることが容易になる。
また、図3に示すように、本実施形態の沿面放電体感装置1には、放電電極3、誘導電極4、および絶縁部材5の周囲を囲い、これらを外部から遮断するケース10を設けてもよい。
なお、図3では、バンデグラフ起電機2がケース2外に配設されているが、ケース10として、その内部にバンデグラフ起電機2と電線3aも収容できるものを設けてもよい。
ケース10は、箱状に形成されており、その内部に放電電極3等を収容できる空間を備えたものである。このケース10の前面には、その内部を視認できるように観測窓10aが設けられている。そして、このケース10は、観測窓10a以外の部分は、例えば、鉄やステンレス等の金属によって形成されており、観測窓10aは、例えば、強化ガラス等によって形成されている。
以上のような構成の場合、このケース10内に配置された絶縁部材5の上、つまり、沿面放電が発生する位置に固体の可燃物Mを配置しておけば、沿面放電による固体の可燃物Mの着火実験を行うことができ、その状況を観測窓10aを通して確認できる。
すると、単に沿面放電の状況を確認するだけよりも、実験者や観測者に与えるインパクトが強くなり、沿面放電による災害等の危険性に対する認識をより深めることができる。
しかも、ケース10内において、固体の可燃物Mを着火燃焼したときに発生する熱や有害物質等が周囲に飛散することを防ぐことができる。
また、ケース10内を換気する換気手段11を設けておけば、着火燃焼時に発生する有害ガスがケース10から漏れ出すことを防ぐことができる。
換気手段11は、単にケース10内の空気を吸引し外部に排出するポンプなどでもよいが、ケース10内から吸引した気体に含まれる燃焼ガスを除害する除害手段を備えている方が好ましい。
さらに、着火実験を行わない場合であっても、沿面放電が発生したときにオゾンが発生する可能性があるので、換気手段11を備えたケース10内で実験を行うことが安全衛生上好ましい。
なお、規模の大きい沿面放電をより確実に発生させるためには、ケース10内を、相対湿度65%以下とした状態で実験を実施することが好ましく、相対湿度が30%以上55%以下であれば更に好ましい。
例えば、空間内の空気の相対湿度を適度(相対湿度65%以下)に調整できる装置12、例えば、空気調和装置等を設け、この空気調和装置等から相対湿度が調整された空気をケース10内に供給できるようにしておけば、ケース10内の雰囲気を沿面放電の発生に適した状態とすることができる。そして、かかるケース10内の相対湿度を調整できる装置12を備えていれば、ケース10を設置する場所の雰囲気に関係なく、本実施形態の沿面放電体感装置1による実験を効果的に行うことができる。
とくに、バンデグラフ起電機2を含む全ての装置をケース10内に設置している場合であれば、周囲の雰囲気に係わらず、バンデグラフ起電機2においても安定した状態で静電気を発生させることができるので、より好ましい。
本発明の沿面放電体感装置において、放電電極と絶縁部材との距離を、0、10、50mmと変化させて、沿面放電が発生する条件を確認した。
実験には以下の起電機および部材を使用した。
バンデグラフ起電機:島津理化器械株式会社製ツインタワーバンデグラフVG−T
放電電極:先端の曲率半径10mmの棒状材料(素材:ステンレス)
絶縁部材:低密度ポリエチレン製絶縁フィルム(ホリアキ株式会社製、半透明ラップインごみ袋厚口45L、厚さ0.04mm)を、50cm角に切り、4枚重ねたもの
誘導電極:直径0.3mの円形平板(素材:ステンレス)
台:テフロン(登録商標)製ブロック
なお、バンデグラフ起電機と放電電極を繋ぐ電線には、内径6mm外径8mmのテフロン(登録商標)チューブによる被覆を施している。
また、実験は、気温26℃、相対湿度50%の条件で行った。
放電電極と絶縁部材との距離が0mmの場合には、バンデグラフ起電機のスイッチを入れた直後から沿面放電が観察された(図4)。
また、バンデグラフ起電機のスイッチを切り、放電電極をアースした時にも大きな沿面放電が観察された(図5)。
放電電極と絶縁部材との距離が10mmの場合にも、バンデグラフ起電機のスイッチを入れた直後から沿面放電が観察された。しかし、沿面放電が発生した領域は、距離が0mmにおけるバンデグラフ起電機のスイッチを入れた状態において発生した沿面放電よりも小さかった。
また、バンデグラフ起電機のスイッチを切り、放電電極をアースした時にも沿面放電が観察された。この場合も、距離が0mmにおける同じ条件の場合と比べて、その沿面放電が発生した領域が小さかった。
放電電極と絶縁部材との距離が50mmの場合には、バンデグラフ起電機のスイッチを入れた状態、バンデグラフ起電機のスイッチを切り放電電極をアースした時、いずれの場合にも沿面放電は発生しなかった。
本発明の沿面放電体感装置は、沿面放電が発生する可能性がある現場において作業を行う作業者に対し、沿面放電による火災や爆発災害の発生を防止するための教育に使用することができる。
本実施形態の沿面放電体感装置1の概略ブロック図である。 (A)は電極近傍の概略拡大説明図であり、(B)は電極近傍の概略平面図である。 ケース10を設けた本実施形態の沿面放電体感装置1の概略ブロック図である。 本実施形態の沿面放電体感装置1によって沿面放電を発生させた状況を示す図である。 本実施形態の沿面放電体感装置1によって沿面放電を発生させた状況を示す図である。
符号の説明
1 沿面放電体感装置
2 バンデグラフ起電機
3 放電電極
4 誘導電極
5 絶縁部材
10 ケース
10a 観測窓
11 換気手段

Claims (8)

  1. 沿面放電を発生させる装置であって、
    アースされた誘導電極と、該誘導電極と非接触状態に配設された放電電極とからなる一対の電極と、
    該一対の電極間に配設され、その表面に沿面放電を生じさせ得る絶縁部材と、
    前記放電電極に接続されたバンデグラフ起電機とからなる
    ことを特徴とする沿面放電体感装置。
  2. 前記放電電極は、
    前記絶縁部材側の先端部の曲率半径が5〜50mmである
    ことを特徴とする請求項1記載の沿面放電体感装置。
  3. 前記絶縁部材の厚さが、0.01〜8mmである
    ことを特徴とする請求項1記載の沿面放電体感装置。
  4. 前記放電電極と前記絶縁部材の表面との距離が、20mm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の沿面放電体感装置。
  5. 前記一対の電極および前記絶縁部材を内部に収容するケースを備えており、
    該ケースは、内部を視認しうる観測窓を備えている
    ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の沿面放電体感装置。
  6. 前記ケース内を換気する換気手段を備えている
    ことを特徴とする請求項5記載の沿面放電体感装置。
  7. 前記ケース内が、相対湿度65%以下に保たれている
    ことを特徴とする請求項5記載の沿面放電体感装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7記載の沿面放電体感装置を、相対湿度65%以下の雰囲気で作動させる
    ことを特徴とする沿面放電体感実験方法。
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