JP2008226408A - 磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置 - Google Patents

磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気ヘッドスライダーの特性に大きく影響を与えるクラウンラッピング工程において、高精度でばらつきのない研磨加工を可能とし、これによりすぐれた特性を備え、特性のばらつきのない磁気ヘッドスライダーを得ることを可能にする。
【解決手段】 磁気ヘッドが作り込まれたウエハから切断されたロウバー10の、媒体に対向する面をラッピングして、磁気ヘッドのハイト方向の寸法出し加工を施す磁気ヘッドスライダーの加工装置において、水平面内で回転駆動される定盤40と、前記ロウバー10を支持するラップ治具20と、ラップ治具20に支持されたロウバー10に磁界を作用させる磁界印加機構50と、ロウバー10に形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給し、前記磁界印加機構50によりロウバー10に磁界を印加した場合と印加しない場合でのMR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量とから得られるMR素子のヘッド出力をモニター出力として出力する検知制御部60とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置ならびに磁気ヘッドスライダーに関し、より詳細には、磁気ヘッドが作り込まれたウエハからバー状に切断されたロウバーに、仕上げ研磨加工を施すクラウンラッピング工程を特徴とする磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置およびこの加工方法によって形成された磁気ヘッドスライダーに関する。
磁気ディスク装置に搭載される磁気ヘッドスライダーは、アルチック(AlTiC)からなるウエハ上に多数個の磁気ヘッドを整列させて形成した後、図7に示すような、加工工程を経て個片の磁気ヘッドスライダーとして提供される。
図7において、ウエハ切断工程とは、磁気ヘッドが縦横に整列して形成されたウエハを切断位置に合わせて、ウエハの裏面側をわずかに残すように細幅に溝加工する工程である。裏面研削加工は、溝加工が施されたウエハの裏面を研削加工し、ウエハを細幅のバー状(ロウバー)に加工する工程である。この裏面研削加工によってウエハは単体のロウバーに分離される。
バー接着工程は、ロウバーを研削するための治具にロウバーを接着する工程である。ウエハから切断されたロウバーは、媒体に対向する面(溝加工された面で素子側の面)を研磨面側として1枚ずつ治具に接着して支持される。
ラフラッピング工程は、ロウバーの研磨面(媒体に対向する面)を粗くラッピングする工程である。磁気ヘッドスライダーの加工工程では、媒体に対向する面に対して素子を位置出し(寸法出し)する加工が磁気ヘッドの特性を決めることになるためにきわめて重要である。ラフラッピング工程は、ロウバーを研磨する初期研磨段階として粗く加工するものである。
次のELGラッピング工程は、ロウバーに形成されているMR素子の電気抵抗値をモニターしながら、MR素子が所定の抵抗値となるようにラッピングする工程である。これによって磁気ヘッドのハイト方向の位置出しがなされる。通常、ELGラッピングはロウバーに形成されたモニター用のMR素子の抵抗値をモニターしながら行われる。
クラウンラッピング工程は、ロウバーについての仕上げラッピング工程であり、ELG加工よりもさらに細かい砥粒を使用して研磨し、最終的に素子のハイト位置を決める工程である。
このクラウンラッピング加工については、通常、ロウバーを研磨する前後におけるMR素子の、電気的な抵抗値(MR−R)と、磁気を印加した際の抵抗値(MR−H)との相関関係をあらかじめ測定しておき、単位時間あたりのラップ量の実測値からワークのラップ時間を求めてラップ加工を制御する方法がなされている。図8に、MR-RとMR-Hの相関関係の定性的な関係を示す。
クラウンラッピングは磁気ヘッドの特性を最終的に決めるから、高精度に加工する必要がある。しかしながら、実際にはラップ盤の状態がばらついたりすることによって、ラッピングレートがばらつき、規定時間研磨してもMR−Rの値にはばらつきが生じるし、規定のMR-R値の範囲に入っていても、磁気ヘッドの磁気特性についてみると特性不良が20%程度も発生する。このため、ロウバーについて研磨の前後における測定を繰り返し行って、誤差をなるべく抑えるようにする方法がとられたりする。
なお、クラウンラッピングをより精度よく行うために、クラウンラッピングする際に、ロウバーに外部から磁界を印加し、MR素子の抵抗値変化を検出して研磨量を制御する方法が行われている(たとえば、特許文献1〜3参照)。
スライダーの加工工程では、クラウンラッピング工程の後、DLC成膜工程によりロウバーの表面をDLC膜によって被覆し、浮上面加工工程によりスライダーの浮上面に浮上用レールを加工し、ρ−H測定によって各々の磁気ヘッドの磁気特性を検査した後に、ロウバーを幅方向に切断して個片のスライダーとする。個片に形成されたスライダーは治具から剥がされて洗浄され、最終的に良品が選別される。
特開平9−293214号公報 特表2003−53462号公報 特開2003−91804号公報
上述したように、スライダーの加工工程では、ロウバーを研磨してMR素子のハイト方向を寸法出しする加工は、MR素子の特性を制御する上できわめて重要な加工である。このため、ロウバーにモニター用の素子を作り込み、モニター素子の抵抗値をモニターしながら最終研磨位置を制御するといったことが行われてきた。ロウバーに外部から磁界を印加しながらMR素子の抵抗値を測定するといった方法も、MR素子の特性をより正確に反映する値をモニターすることによって、より高精度の研磨加工を可能にしようとするものである。
しかしながら、モニター素子を利用して研磨量を制御する方法は、ウエハに実素子(実際の製品となる素子)とモニター素子を作り込む際に位置ずれが生じることがあり、モニター素子でモニターしながら所定の規格内でロウバーを仕上げても、実素子の特性を検査すると必要な出力が得られないといった問題があった。また、ロウバーに外部から磁界を作用させてモニター素子の電気的な抵抗値の変化を検知する方法は、モニター素子による間接的な評価であって実素子の特性を直接的に反映するものではないこと、また、モニター素子あるいはMR素子について、単に電気抵抗値を評価する方法は実素子の磁気特性を的確に反映するものではなく、最終製品となった際に特性ばらつきを生じる原因になるという問題があった。
特許文献1には、ロウバーに外部から磁界を作用させてMR素子の電気抵抗値を測定する装置構成として、図9(a)に示すような、ラップ治具4に4枚のロウバー5をセットし、定盤6を回転駆動しながらロウバー5を研磨加工する際に、コイル7によりロウバー5に外部から磁界を印加して、磁界を印加した際のMR素子の抵抗値をモニターしながら研磨加工を制御する方法が記載されている。この方法の場合は、ラップ治具4は自転しながらロウバー5を研磨するから、各々のロウバー5には周期的に磁界が印加され、ロウバー5に形成されている各々のMR素子の特性を的確にモニターしながら研磨加工を制御することが難しいという問題があった。
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、磁気ヘッドスライダーの加工工程、とくに磁気ヘッドスライダーの特性に大きく影響を与えるクラウンラッピング工程において、高精度でばらつきのない研磨加工を可能とし、これによってすぐれた特性を備え、特性のばらつきのない磁気ヘッドスライダーを得ることができる磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置ならびにこの加工方法によって製造される磁気ヘッドスライダーを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため次の構成を備える。
すなわち、磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして、磁気ヘッドのハイト方向の寸法出しをする磁気ヘッドスライダーの加工方法において、前記ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給しながら、ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量とから得られる前記MR素子のヘッド出力をモニターして前記ロウバーの研磨加工を制御することを特徴とする。
また、前記研磨加工の際に前記センス電流を一定に維持するとともに、前記ロウバーに印加する磁界を一定として前記ヘッド出力をモニターして研磨加工を制御することを特徴とする。センス電流を一定とし、ロウバーに印加する磁界を一定として研磨加工開始時からヘッド出力をモニターすることにより、ロウバーの研磨状態を的確に把握することができ、ヘッド出力が一定値まで大きくなったところで研磨を停止させるといった制御が容易に可能になる。
また、磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして、磁気ヘッドのハイト方向の寸法出し加工を施す磁気ヘッドスライダーの加工装置において、水平面内で回転駆動される定盤と、前記ロウバーを支持するラップ治具と、該ラップ治具に支持された前記ロウバーに磁界を作用させる磁界印加機構と、ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給し、前記磁界印加機構により前記ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量とから得られる前記MR素子のヘッド出力をモニター出力として出力する検知制御部とを備えていることを特徴とする。
制御検知部から出力されるヘッド出力を監視してマニュアル的に研磨加工を制御することもできるし、モニター出力値から自動的に研磨加工を制御することもできる。
また、前記ラップ治具に前記ロウバーを支持し、前記定盤にロウバーを押接して研磨加工する際に、前記ラップ治具を前記定盤の径方向に往復動させる支持機構が設けられていることを特徴とする。支持機構によりラップ治具を定盤の径方向に往復動させることによってロウバーを均一にラッピングすることができる。
また、前記磁界印加機構として、前記ロウバーに磁界を印加するためのコイルが、前記検知制御部に電気的に接続されて、前記ラップ治具に設置されていることにより、定盤上でラップ治具が移動しても的確にロウバーに磁界を印加させることができる。
また、前記ラップ治具に、前記ロウバーに形成された実素子と前記検知制御部とを電気的に接続するための中継基板を設けることにより、実素子と検知制御部とが確実にかつ容易に電気的に接続される。
また、磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして磁気ヘッドのハイト方向の寸法出しをする研磨加工が施されて形成された磁気ヘッドスライダーであって、前記研磨加工として、前記ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給しながら、ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量から得られる前記MR素子のヘッド出力をモニターして前記ロウバーの研磨加工を制御する研磨加工が施されたことを特徴とする。
本発明に係る磁気ヘッドスライダーの加工方法および加工装置によれば、ロウバーに形成された実素子についてその特性をモニターしながら研磨加工を制御するから、ロウバーに形成したモニター素子の特性をモニターしながら研磨加工を制御する方法に比較してより高精度に、ばらつきのない研磨加工を行うことができる。また、実素子のヘッド出力を検知して研磨加工を制御することで、実素子の磁気特性により近い特性を把握して研磨加工することが可能となり、磁気ヘッドスライダー製品での特性のばらつきを抑え、高品質の製品を製造することが可能となる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る磁気ヘッドスライダーの加工装置についての第1の実施の形態の構成を示す。図1は、磁気ヘッドが縦横に整列して作り込まれたウエハから、バー状に切り出されたロウバーにクラウンラッピングを施す研磨装置を示す。クラウンラッピング工程は、ロウバーの媒体に対向する面を最終的に仕上げ研磨する工程である。
本実施形態の研磨装置は、ロウバー10にクラウンラッピングを施す際に、ロウバー10に磁界を作用させ、ロウバー10に形成された実素子にセンス電流を通流させながら実素子の出力をモニターしてロウバー10の研磨を制御する。
図2に、ロウバー10を支持するラップ治具20の平面図を示す。本実施形態で使用するラップ治具20は平面形状が矩形の平板状に形成され、板面にロウバー10をセットするセット部20aと、ダミーのロウバー12をセットするセット部20bが所定距離離間して平行に配置されている。図2は、セット部20aにロウバー10をセットし、セット部20bにダミーのロウバー12をセットした状態を示す。ダミーのロウバー12はアルチック材を用いて、ロウバー12とまったく同じ外形に形成したもので、実素子を形成せずに、単なるバー状体に形成されたものである。
図3にロウバー10の斜視図を示す。ロウバー10は細幅のバー状に形成され、ロウバー10の長手方向に、個片の磁気ヘッドスライダーとなる素子部10aが一列状に多数個連設されてなる。各々の素子部10aの側面には、リード用、ライト用の端子10bが形成されている。図3で、ロウバー10の上面(A面)がクラウンラッピングの際に研磨加工が施される面である。
図1に示すように、本実施形態の研磨装置は、電動モータを備える回転機構42に支持され水平面内で回転駆動される定盤40と、ラップ治具20を定盤40の径方向に往復動させてロウバー10をラッピングするためのラップ治具20の支持機構30と、ラップ治具20に支持されたロウバー10に磁界を作用させる磁界印加機構50と、ロウバー10にセンス電流を通流させ、磁界を印加させた状態で実素子のヘッド出力を検知し、モニター値としてヘッド出力を出力する検知制御部60とを備える。
ラップ治具20の支持機構30は、ラッピング時にラップ治具20に加圧力を作用させる加圧機構として、ラップ治具20を支持するスライドバー31とスライドバー31を鉛直方向に移動ガイドするガイド部32と、スライドバー31の上端に取り付けられた錘33とを備える。また、ラップ治具20を径方向に移動させる移動機構として、ガイド部32を水平方向に移動ガイドするスライドガイド34と、モータ35の出力軸に固定されたフランジ36と、フランジ36の側面とガイド部32とを連結するリンク37とを備える。モータ35によりフランジ36が正逆回転することによってガイド部32が水平方向に往復動する。
ロウバー10に磁界を作用させる磁界印加機構50は、コイル52とヨーク54とから構成され、ロウバー10に磁界を作用させる際には、ヨーク54はラップ治具20に支持されたロウバー10の位置に合わせて、先端部で定盤40とラップ治具20とを挟む配置に設けられる。研磨加工時には、ヨーク54のラップ治具20側の先端部はラップ治具20の上面に当接して固定され、支持機構30によりラップ治具20が定盤40の径方向に往復動する際にラップ治具20とともに定盤40の径方向に往復動する。
検知制御部60は、ラップ治具20に支持されたロウバー10の実素子にセンス電流を供給し、コイル52への通電を制御してロウバー10に印加する磁界を制御し、ロウバー10に形成された実素子のヘッド出力を検知する作用をなす。
図4は、ラップ治具20のロウバー10の取り付け部分の構成を拡大して示している。ラップ治具20の表面には、ロウバー10をラップ治具20に対して電気的に絶縁し、かつロウバー10を緩衝性をもたせて支持するためにシリコーンゴム22が貼着されている。ロウバー10はシート状に形成されたシリコーンゴム22の表面に裏面(クラウン面とは反対面)を接着して支持されている。
ロウバー10と検知制御部60との電気的接続は、ラップ治具20を厚さ方向に貫通して設けられた貫通孔21を覆って配置した、中継基板24を介してなされる。中継基板24としては、一例としてプリント基板が使用される。
貫通孔21はラップ治具20に貼着されて支持されているロウバー10の長手方向と平行にスリット状に開口するように設けられている。中継基板24はラップ治具20でロウバー10が貼着される面と同一面側に接合され、ロウバー10の側面に形成された端子10bと中継基板24に形成された接続パッド25、26とはワイヤボンディングによって接続される。接続パッド25はセンス電流端子に接続され、接続パッド26はMR素子の出力端子に接続される。なお、ロウバー10と中継基板24に設けられた接続パッド25、26との電気的な接続はワイヤボンディングに限られない。
中継基板24の裏面側には接続パッド25、26と電気的に接続する端子が形成され、接続パッド25に接続された端子はリード線を介して、検知制御部60のセンス電流(Is)の供給部に接続され、接続パッド26に接続された端子は検知制御部60のMR出力電圧を検知する検知部に接続される。
ロウバー10には、多数個の実素子(磁気ヘッド)が作り込まれている。本実施形態においては、これらのロウバー10に形成されているすべての実素子のセンス電流端子とMR素子の出力端子とを、接続パッドおよび端子を経由して個別に検知制御部60に接続する。
本実施形態の研磨装置では、ロウバー10にクラウンラッピングを施す際に、ロウバー10に形成されている実素子のMR素子にセンス電流を流しながら実素子に磁界を印加し、磁界を印加した場合と印加しない場合でのMR素子の抵抗値の変化量から、MR素子のヘッド出力を求め、このヘッド出力をモニターしながらロウバー10に対する研磨加工を制御することが特徴的である。以下に、本実施形態の研磨装置を用いてロウバー10を研磨する際の制御方法について説明する。
まず、ラップ治具20に研磨対象とするロウバー10とダミーのロウバー12を接着する。ダミーのロウバー12は、ロウバー10と離間させて平行に配置することによってラップ治具20を定盤40に平行に押接し、ロウバー10を均等な平坦面に形成する目的と、本実施形態ではラップ治具20を定盤40の径方向に往復動させてラッピングするから、その際にスラリーが均一にロウバー10に作用するようにする目的で使用する。
ラップ治具20にロウバー10とダミーのロウバー12を貼着した後、スライドバー31にラップ治具20を取り付け、ラップ治具20を定盤40上にセットする。次いで、ヨーク54によりラップ治具20と定盤40とを挟む配置としてラップ治具20に磁界印加機構50を取り付ける。
この状態から、スライドバー31の上部に錘33を取り付け、定盤40を回転しながら、支持機構30のモータ35を駆動し、定盤40上でラップ治具20を径方向に往復動させてラッピングする。
本実施形態では、図2に示すように、ラップ治具20の往復動の方向(矢印方向)に対してロウバー10とダミーのロウバー12を、その長手方向が直交する配置として研磨加工を施した。
ロウバー10に研磨加工を施す際に、ロウバー10の実素子にセンス電流を供給するとともに、検知制御部60により磁界印加機構50のコイル52への通電を制御し、実素子に磁界を印加したときと磁界を印加しないときのMR素子の抵抗値の変化量を検出し、センス電流と抵抗値の変化から実素子のヘッド出力に換算してロウバー10の研磨加工を制御する。センス電流は一定の電流値とし、磁界印加機構50による磁界の強さも一定にしてモニターすればよい。
センス電流(Is)を供給しながら、外部磁界を印加したときと磁界を印加しないときとのMR素子の抵抗値の変化量をΔRとすると、MR素子の出力(ヘッド出力)Vpは、Vp=ΔR×Isとして得られる。すなわち、本実施形態では、実素子にセンス電流を供給して、実素子に磁界を印加したときの抵抗値の変化量ΔRから、実素子のヘッド出力に換算し、そのヘッド出力が所定値になったところで研磨加工を停止させるように制御する。
検知制御部60ではヘッド出力のモニター値を研磨加工の加工途中で、随時、モニター画面あるいはプリンタ等に出力してマニュアルによる研磨加工の制御を可能とし、あるいはモニターデータをラッピングの制御用信号として出力して自動的に研磨加工を停止させるように制御することができる。
実際のクラウンラッピングでは、ラッピング開始時にはヘッド出力(Vp)は小さいが、研磨が進むにしたがってヘッド出力が大きくなってくる。したがって、所定のヘッド出力となったところで研磨加工を停止すればよい。
図5は、MR素子に外部磁界を作用させたときの出力電圧を測定したグラフである。このグラフは実際に磁気ヘッドスライダーとして完成された製品での測定値であり、クラウンラッピングしている段階では、この最終製品と同じ出力特性が得られるわけではない。しかしながら、本発明の加工方法によれば、外部磁界を印加した状態で実素子のヘッド出力を直接的にモニターすることができ、そのヘッド出力は実素子の磁気特性を良好に反映したものとなるから、単にMR素子の抵抗値の変化を測定するといった方法とくらべて、より高精度に研磨加工を制御することが可能となる。また、モニター用に形成したモニター素子についてヘッド出力を検知するのではなく、実素子についてのヘッド出力を計測することから、より高精度のモニターが可能となっている。
前述したように、クラウンラッピング工程は、磁気ヘッドスライダーの特性を決める仕上げ加工工程である。この仕上げ加工工程での加工精度は磁気ヘッドスライダーの特性に直接的に影響を及ぼすから、本実施形態の研磨装置のように、実素子についての磁気特性を反映した計測値をモニターしながら研磨加工する方法は、高品質の磁気ヘッドスライダーを製造する上できわめて有効である。
本実施形態では、ロウバー10に常時磁界を作用させながら、ロウバー10に作り込まれた実素子ごとにその特性を評価しながら加工を行う。したがって、1枚のロウバー10内における実素子の特性のばらつきを評価しながら加工停止時を判断することができる。もちろん、1枚のロウバー10のうちの特定の複数の実素子についてヘッド出力をモニターしながら研磨加工を制御するようにすることもできる。また、ロウバー10に作用させる磁界の大きさを変えながらヘッド出力を検知して研磨加工を制御するといったことも可能である。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、ロウバー10に磁界を作用させる磁界印加機構50としてラップ治具20と定盤40とをヨーク54によって挟む配置としたが、図6に示すように、ラップ治具20自体に磁界を印加するコイル56を埋設し、ラップ治具20に支持したロウバー10に外的に磁界が作用するように構成することもできる。コイル56はラップ治具20に支持されるロウバー10に効果的に磁界が作用する位置に配置する。
ラップ治具20にコイル56を埋設したことにより、ラップ治具20が定盤40の径方向に往復動しても、常時ロウバー10に磁界を作用させることができる。
このように、磁界印加機構50は、ラップ治具20が移動した場合でもラップ治具20に支持したロウバー10に的確に外部磁界を作用させることができる構成であればよく、その構成が限定されるものではない。
本実施形態の場合も、ラップ治具20に支持されたロウバー10の実素子にセンス電流を供給しながらコイル56に通電して、実素子に磁界を作用させ、MR素子の抵抗値を測定することによって、MR素子のヘッド出力をモニターしながら研磨加工を制御する。これによって、高精度にばらつきのないクラウンラッピングが可能となり、磁気ヘッドスライダー製品の歩留まりを向上させることができる。
なお、ラップ治具20にロウバー10を支持してクラウンラッピングする場合に、ラップ治具20の形状やラッピング方法が上述した実施形態の例に限定されるものではない。たとえば、上述した実施形態ではラップ治具20を定盤40の径方向に往復動させて研磨加工を施したが、ラップ治具20を円盤状に形成してラップ治具20をその中心線の回りに回転させながら研磨加工することも可能である。この場合には、ラップ治具20を回転させた状態でロウバー10に磁界を作用させるため、ラップ治具20自体にコイル56を設置し、磁界印加機構と検知制御部、ロウバーと検知制御部とを電気的に接続するために、摺動型の接続部を設けるようにすればよい。
ロウバーにクラウンラッピングを施す研磨装置の第1の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 ラップ治具にロウバーとダミーのロウバーを配置した状態の平面図である。 ロウバーの斜視図である。 ラップ治具のロウバーの取り付け位置の構成を拡大して示す説明図である。 MR素子に対する印加磁場に対する出力電圧の測定結果を示すグラフである。 ロウバーにクラウンラッピングを施す研磨装置の第2の実施の形態の構成を示す概略構成図である。 磁気ヘッドスライダーの加工工程を示すフロー図である。 MR素子の電気的な抵抗値(MR−R)と磁気を印加した際の抵抗値(MR−H)との相関関係を示すグラフである。 従来の研磨装置の構成を示す説明図である。
符号の説明
10 ロウバー
10a 素子部
10b 端子
12 ダミーのロウバー
20 ラップ治具
22 シリコーンゴム
24 中継基板
30 支持機構
31 スライドバー
32 ガイド部
33 錘
35 モータ
37 リンク
40 定盤
50 磁界印加機構
52 コイル
54 ヨーク
56 コイル
60 検知制御部

Claims (7)

  1. 磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして、磁気ヘッドのハイト方向の寸法出しをする磁気ヘッドスライダーの加工方法において、
    前記ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給しながら、ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、
    前記センス電流と前記抵抗値の変化量とから得られる前記MR素子のヘッド出力をモニターして前記ロウバーの研磨加工を制御することを特徴とする磁気ヘッドスライダーの加工方法。
  2. 前記研磨加工の際に前記センス電流を一定に維持するとともに、前記ロウバーに印加する磁界を一定として前記ヘッド出力をモニターして研磨加工を制御することを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダーの加工方法。
  3. 磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして、磁気ヘッドのハイト方向の寸法出し加工を施す磁気ヘッドスライダーの加工装置において、
    水平面内で回転駆動される定盤と、
    前記ロウバーを支持するラップ治具と、
    該ラップ治具に支持された前記ロウバーに磁界を作用させる磁界印加機構と、
    ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給し、前記磁界印加機構により前記ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量とから得られる前記MR素子のヘッド出力をモニター出力として出力する検知制御部と
    を備えていることを特徴とする磁気ヘッドスライダーの加工装置。
  4. 前記ラップ治具に前記ロウバーを支持し、前記定盤にロウバーを押接して研磨加工する際に、前記ラップ治具を前記定盤の径方向に往復動させる支持機構が設けられていることを特徴とする請求項3記載の磁気ヘッドスライダーの加工装置。
  5. 前記磁界印加機構として、前記ロウバーに磁界を印加するためのコイルが、前記検知制御部に電気的に接続されて、前記ラップ治具に設置されていることを特徴とする請求項3または4記載の磁気ヘッドスライダーの加工装置。
  6. 前記ラップ治具に、前記ロウバーに形成された実素子と前記検知制御部とを電気的に接続するための中継基板が設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項記載の磁気ヘッドスライダーの加工装置。
  7. 磁気ヘッドが形成されたウエハから切り出されたロウバーの、媒体に対向する面をラッピングして磁気ヘッドのハイト方向の寸法出しをする研磨加工が施されて形成された磁気ヘッドスライダーであって、
    前記研磨加工として、前記ロウバーに形成された実素子のMR素子にセンス電流を供給しながら、ロウバーに磁界を印加した場合と印加しない場合での前記MR素子の抵抗値の変化量を検知し、前記センス電流と前記抵抗値の変化量から得られる前記MR素子のヘッド出力をモニターして前記ロウバーの研磨加工を制御する研磨加工が施されたことを特徴とする磁気ヘッドスライダー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104420809A (zh) * 2013-08-21 2015-03-18 方晓斌 一种百叶片自动成型机

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