JP2008222168A - 4輪駆動車の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータトルク制御の応答性を高め、4輪駆動車の旋回性能を向上することを課題とする。
【解決手段】エンジン15で前輪12,13が駆動され、モータ25で後輪22,23が選択的に駆動される4輪駆動車100が旋回時に、4輪駆動車100の車両状態に基づいてニュートラルステアとなる目標車速を算出し、この目標車速となるために必要なモータ25の目標モータトルクを算出し、モータ25を駆動制御するベクトル制御手法におけるd軸電流とq軸電流を算出し、算出されたd軸電流とq軸電流とに基づいて、モータ25のトルクが目標モータトルクとなるようにモータ25を駆動制御して構成される。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン15で前輪12,13が駆動され、モータ25で後輪22,23が選択的に駆動される4輪駆動車100が旋回時に、4輪駆動車100の車両状態に基づいてニュートラルステアとなる目標車速を算出し、この目標車速となるために必要なモータ25の目標モータトルクを算出し、モータ25を駆動制御するベクトル制御手法におけるd軸電流とq軸電流を算出し、算出されたd軸電流とq軸電流とに基づいて、モータ25のトルクが目標モータトルクとなるようにモータ25を駆動制御して構成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、主駆動輪が内燃機関(エンジン)で駆動制御され、従駆動輪が電動機(モータ)で駆動制御される4輪駆動車の旋回時に、モータで制御される駆動トルクを改善した4輪駆動車の制御装置に関する。
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献1に記載されたような4輪駆動車の制御技術においては、車両の走行中におけるコーナリング(旋回)時には、アクセルの操作に対応して車両の駆動力が変化するので、車両の進行方向の旋回ラインが操舵角に比して外側に膨らむアンダーステアや、内側に切れ込むオーバーステアの傾向を示す場合があった。
これらの旋回特性に対して、モータのトルクを制御することで車輪に適切な制動力を与え、旋回時の走行安定性を向上させる制御装置が種々に提案されている。
特開2005−124399
このような従来の4輪駆動車の制御装置においては、モータに電力を供給するオルターネータ(車載用の発電機)及びバッテリの電力をインバータで制御しモータへの電力供給量を調整することでモータのトルクを可変制御している。しかし、上記バッテリを備えていないシステムでは、インバータにより電力供給量を制御してもモータで発生する誘起電圧等により所望のモータトルクに制御することができない場合があった。このため、モータのトルクを所望の値に制御するためには、オルターネータで発電される電力を制御し、モータへの電力供給量を調整せざるを得なかった。このような制御手法を採用した場合には、モータのトルク応答性は、オルターネータの電圧制御の応答性に依存することになる。
このオルターネータの電圧制御の応答速度は、良好とは言えず、応答性の良いモータトルク制御を実現するためには、必ずしも適切な方法ではなかった。
一方、旋回時における旋回特性を安定させるためには、常に操舵角に対応した旋回ラインがニュートラルステアとなる必要がある。旋回ラインがニュートラルステアとなるためには、旋回時に刻々と変化する車両の状態に対して応答良く追従するモータトルクが要求される。すなわち、旋回時におけるモータへの要求トルクの変化速度に対して、十分に速い応答速度でモータトルクを変化させる必要がある。
しかしながら、上述したようなオルターネータの電圧制御によるモータトルクの制御にあっては、モータトルクの高速な応答性を得ることは難しく、オーバーステアやアンダーステアを回避する適切なモータトルク制御を行うことはできなかった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、モータトルク制御の応答性を高め、旋回性能を向上した4輪駆動車の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、内燃機関で駆動される主駆動輪と、前記内燃機関で駆動される発電機で得られた電力で動作する電動機で駆動される従駆動輪と、前記従駆動輪に前記電動機で得られた動力を選択的に伝達制御するクラッチと
を備えた4輪駆動車の走行を制御する4輪駆動車の制御装置において、前記4輪駆動車が旋回時に、前記4輪駆動車の車両状態に基づいて、前記4輪駆動車が旋回時にニュートラルステアとなる旋回要件を算出する旋回要件算出手段と、前記旋回要件算出手段で算出された旋回要件を満足させて、前記4輪駆動車をニュートラルステアにするために必要な前記電動機の目標電動機トルクを算出する電動機トルク算出手段と、前記電動機を駆動制御するベクトル制御手法におけるd−q座標系のd軸電流とq軸電流を演算し、演算結果のd軸電流とq軸電流とに基づいて、前記電動機のトルクが前記トルク算出手段で算出された目標電動機トルクとなるように前記電動機を駆動制御する電動機制御手段とを有することを特徴とする。
を備えた4輪駆動車の走行を制御する4輪駆動車の制御装置において、前記4輪駆動車が旋回時に、前記4輪駆動車の車両状態に基づいて、前記4輪駆動車が旋回時にニュートラルステアとなる旋回要件を算出する旋回要件算出手段と、前記旋回要件算出手段で算出された旋回要件を満足させて、前記4輪駆動車をニュートラルステアにするために必要な前記電動機の目標電動機トルクを算出する電動機トルク算出手段と、前記電動機を駆動制御するベクトル制御手法におけるd−q座標系のd軸電流とq軸電流を演算し、演算結果のd軸電流とq軸電流とに基づいて、前記電動機のトルクが前記トルク算出手段で算出された目標電動機トルクとなるように前記電動機を駆動制御する電動機制御手段とを有することを特徴とする。
上記特徴の請求項1に記載の発明によれば、車両の旋回時に要求されるモータトルクの出力応答性を高め、車両の旋回時に迅速に車両をニュートラルステアに制御することが可能となり、旋回時の操縦安定性を向上することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記旋回要件算出手段は、前記4輪駆動車の操舵角を検出する操舵角検出手段と、前記4輪駆動車のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、前記操舵角検出手段で検出された操舵角と、前記ヨーレート検出手段で検出されたヨーレートと、前記4輪駆動車のホイールベールとに基づいて、前記4輪駆動車の操縦安定性を示す指標を算出する指標算出手段と、前記指標算出手段で算出された指標が、前記4輪駆動車がニュートラルステアであることを示すための要件(前記旋回要件)を算出する算出手段とを有することを特徴とする。
上記特徴の請求項2に記載の発明によれば、車両が旋回時に、車両がニュートラルステアとなるための旋回要件を的確に得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記指標算出手段で算出された指標が、前記4輪駆動車がニュートラルステアであることを示すための要件(前記旋回要件)は、前記指標をスタビリティファクタとした際に、前記スタビリティファクタがニュートラルステアとなる目標車速であることを特徴とする。
上記特徴の請求項3に記載の発明によれば、スタビリティファクタを用いて車両がニュートラルステアであるか否かを判別することで、車両がニュートラルステアであるか否かを容易に判別することが可能となり、車両がニュートラルステアとなるための要件を目標車速とすることで、ニュートラルステアとなる要件を容易に求めることが可能となる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1に係る制御装置を搭載した4輪駆動車の構成を示す図である。図1において、4輪駆動車100における車体10の前部側には第一の車軸となる前輪車軸11が回転可能に軸支されている。前輪車軸11の両端には前輪12,13が取り付けられている。前輪車軸11の中央部には、差動式の動力伝達機構である前輪側デファレンシャルギヤ(以下、前輪側DEFと呼称する)14が設けられている。
前輪車軸11には、車両の走行方向を操作するステアリング15が取り付けられ、またステアリング15の操舵によって決まる舵角を検出する舵角センサ16が設けられている車体10には、旋回方向への回転角が変化する速度(ヨーレート)を検出するヨーレートセンサ17が設置されている。
前輪12,13は、内燃機関であるエンジン18の回転動力が、トルクコンバータ19と変速機機構20とを備えてなる自動変速機により変速されて前輪側DEF14に伝達され、前輪側DEF14から前輪車軸11に伝達されることにより、車両の走行範囲全域において駆動される。
すなわち、エンジン18、トルクコンバータ19と変速機機構20とを備えてなる自動変速機及び前輪側DEF14から構成された動力系は、いわゆる前輪駆動車と同じ構成であり、主駆動系を構成している。なお、自動変速機は多段或いは無段のどちらのものを用いてもよい。
車体10の後部側には第二の車軸となる後輪車軸21が回転可能に軸支されている。後輪車軸21の両端には後輪22,23が取り付けられている。後輪車軸21の中央部には、差動式の動力伝達機構である後輪側デファレンシャルギヤ(以下、後輪側DEFと呼称する)24が設けられている。
後輪22,23は、電動機(モータ)25の回転動力が減速機26により減速されて、電磁クラッチ27を介して後輪側DEF24に伝達され、後輪側DEF24から後輪車軸21に伝達されることにより、車両走行の一部分、例えば車両の発進時から前輪12,13の駆動のみ(エンジン18の駆動のみ)による走行速度に達するまでの間において駆動される。また、後輪22,23は、前輪12,13にスリップが発生した場合にも駆動されるようになっている。すなわち、モータ25,減速機26,電磁クラッチ27及び後輪側DEF24から構成された動力系は従駆動系を構成している。なお、減速機26及び電磁クラッチ27は、後輪側DEF24と一体に設けられていてもよい。モータ25には、モータ25の回転数を検出する回転センサ28が設けられている。
車体10の後部側には第二の車軸となる後輪車軸21が回転可能に軸支されている。後輪車軸21の両端には後輪22,23が取り付けられている。後輪車軸21の中央部には、差動式の動力伝達機構である後輪側デファレンシャルギヤ(以下、後輪側DEFと呼称する)24が設けられている。
後輪22,23は、電動機(モータ)25の回転動力が減速機26により減速されて、電磁クラッチ27を介して後輪側DEF24に伝達され、後輪側DEF24から後輪車軸21に伝達されることにより、車両走行の一部分、例えば車両の発進時から前輪12,13の駆動のみ(エンジン18の駆動のみ)による走行速度に達するまでの間において駆動される。また、後輪22,23は、前輪12,13にスリップが発生した場合にも駆動されるようになっている。すなわち、モータ25,減速機26,電磁クラッチ27及び後輪側DEF24から構成された動力系は従駆動系を構成している。なお、減速機26及び電磁クラッチ27は、後輪側DEF24と一体に設けられていてもよい。モータ25には、モータ25の回転数を検出する回転センサ28が設けられている。
エンジン18には、車載電装用発電機(図示せず)ならびに駆動専用発電機29が機械的に連結されている。両発電機は、エンジン18の回転動力を受けて作動し、車両の運転状態に応じてそれぞれ用途の異なる電力を発生する。駆動専用発電機29は、モータ25の駆動用電力を専ら発生するモータ25の電源として機能し、車載電装用発電機よりも高い電圧を出力する車載42V系電源を構成し、車両の運転状態に応じて0V〜60V程度の範囲で可変出力が可能となる。駆動専用発電機29は、界磁巻線と永久磁石とを備えたルンデル型回転子(爪形磁極回転子)を有する水冷密閉型の発電機で構成され、エンジン18の一方の補機取付側部に取り付けられている。
両発電機は、エンジン18と共にエンジンルーム内に配置されている。駆動専用発電機29は、エンジン18のプーリと駆動専用発電機29のプーリとの間に1本のプーリベルト30が掛架されることにより、エンジン18に機械的に連結され、エンジン18の動力を受けることができる。
モータ25は、例えば界磁巻線と永久磁石を備えたルンデル型(爪形磁極回転子)他励式交流電動機で構成され、車両の後部座席からトランクルームに至る床下の狭いスペースに設置され、かつ後輪側DEF24近傍に配置されている。
モータ25は、例えば界磁巻線と永久磁石を備えたルンデル型(爪形磁極回転子)他励式交流電動機で構成され、車両の後部座席からトランクルームに至る床下の狭いスペースに設置され、かつ後輪側DEF24近傍に配置されている。
4輪駆動車100の内部には、エンジンコントロールユニット31、変速機コントロールユニット32、ドライブユニット34を備えたモータコントロールユニット33、ならびに車両コントロールユニット35を含む複数の車載制御装置が設けられている。これら複数の車載制御装置は、図示省略された車内通信網によって電気的に接続されており、各制御装置が所有する情報を信号伝送によってお互いに共有することが可能に構成されている。
エンジンコントロールユニット31は、エンジン18に搭載された絞り弁や燃料噴射弁などのエンジン機器の作動を制御してエンジン18から出力される動力を制御するためのものである。変速機コントロールユニット32は、自動変速機の変速機機構20の作動を制御して自動変速機から前輪側DEF14に伝達される動力を制御するためのものである。
エンジンコントロールユニット31は、エンジン18に搭載された絞り弁や燃料噴射弁などのエンジン機器の作動を制御してエンジン18から出力される動力を制御するためのものである。変速機コントロールユニット32は、自動変速機の変速機機構20の作動を制御して自動変速機から前輪側DEF14に伝達される動力を制御するためのものである。
モータコントロールユニット33は、モータ25の駆動に必要な電機子電流や界磁電流のモータ駆動電流を従来公知のベクトル制御の手法で制御し、車両コントロールユニット35から与えられる目標モータトルクでモータ25を駆動制御する。このベクトル制御は、3相交流のU相、V相、W相のモータ駆動電流を、磁束鎖交数ベクトルの位相を基準として、固定子巻線に流れる電流を磁束を形成する電流(d軸電流)成分と、それに直交してトルク出力に寄与する電流(q軸電流)成分とに分解し、それぞれのd軸ならびにq軸電流成分をそれぞれ独立して演算し、得られたd軸ならびにq軸電流を再び3相交流のU相、V相、W相のモータ駆動電流に変換してモータを駆動制御する。したがって、この実施例では、このようなベクトル制御において、磁束形成電流となるd軸電流を一定にした状態で、トルク寄与分電流となるq軸電流を高速に演算制御することで、俊敏にモータトルクを可変制御するようにしている。
モータコントロールユニット33に備えられたドライブユニット34は、駆動専用発電機29で得られた直流電力を受けて、この直流電力を交流電力に変換するインバータで構成され、上述したベクトル制御の結果にしたがってモータコントロールユニット33から与えられる指令に基づいて、変換で得られた交流電力を調整してモータ25にモータ駆動電力を供給する。
車両コントロールユニット35は、4輪駆動車100の運転走行を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。車両コントロールユニット35は、上記舵角センサ16、ヨーレートセンサ17、回転センサ28ならびにこれらのセンサで得られない車輪速等の本4輪駆動車100の運転走行に必要な情報を収集するセンサ類(図示せず)からの信号を読み込み、読み込んだ各種信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、駆動専用発電機29、モータコントロールユニット33を含む本4輪駆動車100の制御を要する構成要素に指令を送り、以下に説明する旋回時のモータトルクの制御を含む本4輪駆動車100の運転走行に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
車両コントロールユニット35は、上記各種センサで取得された情報ならびにエンジンコントロールユニット31から与えられるエンジン制御の情報に基づいて、車両がニュートラルステアとなる目標車速ならびに車両がこの目標車速となる目標モータトルクを演算し、得られた目標モータトルクをモータコントロールユニット33に与える。
次に、図2のフローチャートを参照して、図1に示す4輪駆動車100の旋回時におけるモータ25のトルク制御の手順を説明する。なお、図2に示すステップS101〜ステップS104の処理は、主に車両コントロールユニット35で実行され、ステップS105で示す処理は、主にエンジンコントロールユニット31ならびに車両コントロールユニット35で実行され、ステップS106で示す処理は主にモータコントロールユニット33で実行される。
図2において、先ず舵角センサ16で得られた検出信号にしたがって車両の舵角量(δ)を算出する(ステップS101)。
次に、得られた舵角量に基づいて、車両が転舵されているか否か(旋回が開始されているか否か)を判別する(ステップS102)。判別の結果、転舵されている場合には、続いてヨーレートセンサ17で得られた検出信号にしたがって車両のヨーレート(r)を算出する(ステップS103)。
次に、これらの車両情報に基づいて、旋回している車両がニュートラルステアとなるために必要な目標車速を算出する(ステップS104)。先ず、車両がニュートラルステアであるか否かを判別するための指標となるスタビリティファクタ(K)を算出する。このスタビリティファクタは、操縦安定性のポテンシャルを表す指標の一つとして従来より知られており、図3に示すように、K<0でアンダーステア、K>0でオーバーステア、K=0でニュートラルステアとなることが一般的に知られている。このスタビリティファクタは、次式により算出される。
(数1)
K={δ×(Vm/r)−l}/Vm2
ここで、Kはスタビリティファクタ、δは舵角量、Vmは目標車速、rはヨーレート、lはホイールベースである。上式からK=0(ニュートラルステア)となる目標車速は、次式で求められる。
K={δ×(Vm/r)−l}/Vm2
ここで、Kはスタビリティファクタ、δは舵角量、Vmは目標車速、rはヨーレート、lはホイールベースである。上式からK=0(ニュートラルステア)となる目標車速は、次式で求められる。
(数2)
Vm=r×(l/δ)
次に、車両が上記目標車速となるためにモータ25に要求される目標モータトルクを算出する(ステップS105)。先ず、車両がニュートラルステアとなるために必要な車両全体としての目標車両トルク(T)を算出する。車輪速センサ(図示せず)等で検出された車両の現在の車速(V0)を上記目標車速(Vm)にするためには、車両の駆動力を調整制御すればよい。そこで、車両の駆動力(F)は、よく知られた次式の運動方程式で表すことができる。
Vm=r×(l/δ)
次に、車両が上記目標車速となるためにモータ25に要求される目標モータトルクを算出する(ステップS105)。先ず、車両がニュートラルステアとなるために必要な車両全体としての目標車両トルク(T)を算出する。車輪速センサ(図示せず)等で検出された車両の現在の車速(V0)を上記目標車速(Vm)にするためには、車両の駆動力を調整制御すればよい。そこで、車両の駆動力(F)は、よく知られた次式の運動方程式で表すことができる。
(数3)
F=mα
ここで、Fは車両の駆動力、mは車両総重量、αは加速度である。また、車速と加速度との関係は、よく知られた次式の等加速度運動の方程式で表すことができる。
F=mα
ここで、Fは車両の駆動力、mは車両総重量、αは加速度である。また、車速と加速度との関係は、よく知られた次式の等加速度運動の方程式で表すことができる。
(数4)
Vm=V0+αt
ここで、Vmは目標車速、V0は現在の車速、tは図2に示す一連の制御処理を繰り返し実行する際の処理周期である。
Vm=V0+αt
ここで、Vmは目標車速、V0は現在の車速、tは図2に示す一連の制御処理を繰り返し実行する際の処理周期である。
上記(数3)と(数4)で示す関係に基づいて、上記車両の駆動力(F)は、次式により算出される。
(数5)
F=m×{(Vm−V0)/t}
このようにして算出される駆動量(F)をタイヤ半径(Wr)で除すことで、次式により目標車両トルク(T)は算出される。
F=m×{(Vm−V0)/t}
このようにして算出される駆動量(F)をタイヤ半径(Wr)で除すことで、次式により目標車両トルク(T)は算出される。
(数6)
T=[m×{(Vm−V0)/t}]/Wr
このようにして算出される目標車両トルク(T)は、エンジン18で発生される目標エンジントルク(Te)と、モータ25で得られたトルクが減速機26、電磁クラッチ27を介して後輪車軸21に伝達された際の車軸部におけるトルク(以下、目標モータ車軸部トルク(Tmg)と呼ぶ)との和(Te+Tmg)で表される。したがって、目標モータ車軸部トルク(Tmg)は、次式で算出される。
T=[m×{(Vm−V0)/t}]/Wr
このようにして算出される目標車両トルク(T)は、エンジン18で発生される目標エンジントルク(Te)と、モータ25で得られたトルクが減速機26、電磁クラッチ27を介して後輪車軸21に伝達された際の車軸部におけるトルク(以下、目標モータ車軸部トルク(Tmg)と呼ぶ)との和(Te+Tmg)で表される。したがって、目標モータ車軸部トルク(Tmg)は、次式で算出される。
(数7)
Tmg=T−Te
ここで、エンジントルク(Te)は、エンジンの回転数やスロットル開度等のエンジンの状態を示す各種情報に基づいてエンジンコントロールユニット31で算出される。また、上記(数7)で算出される目標モータ車軸部トルクTmgから目標モータトルクを求めるには、次式に示すように目標モータ車軸部トルクTmgを減速機26のギア比で除すことで算出される。
Tmg=T−Te
ここで、エンジントルク(Te)は、エンジンの回転数やスロットル開度等のエンジンの状態を示す各種情報に基づいてエンジンコントロールユニット31で算出される。また、上記(数7)で算出される目標モータ車軸部トルクTmgから目標モータトルクを求めるには、次式に示すように目標モータ車軸部トルクTmgを減速機26のギア比で除すことで算出される。
(数8)
Tm=Tmg/G
ここで、Tmは目標モータトルク、Gは減速機26のギア比である。
Tm=Tmg/G
ここで、Tmは目標モータトルク、Gは減速機26のギア比である。
最後に、上述したようにして算出した目標モータトルク(Tm)に基づいて、先に触れたモータ25のベクトル制御におけるd−q座標系の電流成分となる、目標d軸電流と目標q軸電流を算出する(ステップS106)。このd軸電流ならびにq軸電流は、上記モータトルクならびにモータ回転数と相関関係がある。したがって、d軸電流、q軸電流、モータトルクならびにモータ回転数をパラメータとして、車両の定常走行時におけるd軸電流、モータトルクならびにモータ回転数との相関関係、q軸電流、モータトルクならびにモータ回転数との相関関係を実験や机上検討のシミュレーション等で予め求め、求めた結果を例えば図4に示すようなマップとして用意し、これらのマップをモータコントロールユニット33もしくは車両コントロールユニット35を構成するマイクロコンピュータの記憶装置に格納記憶させておく。
そして、先のステップS105で算出した目標モータトルク(Tm)と回転センサ28で検出されたモータ回転数(Rm)に基づいて、図4に示すマップを参照して目標モータトルクに対応した目標d軸電流ならびに目標q軸電流を算出し、算出された目標d軸電流ならびに目標q軸電流に基づいて、モータ25のトルクが目標モータトルクとなるように制御される。
なお、上記相関関係は、図4に示すようなマップの他に、例えば演算式として表現して用意し同様に記憶させ、演算式を用いて目標d軸電流ならびに目標q軸電流を算出するようにしてもよい。
このように、上記実施例においては、車両の旋回時に車両がニュートラルステアになるために要求されるモータトルクを応答性よく確保することが可能となる。これにより、車両の旋回時に速やかに車両をニュートラルステアに制御することが可能となり、旋回時の操縦安定性を向上することができる。
また、操舵角センサ16で検出された操舵角と、ヨーレートセンサ17で検出されたヨーレートと、4輪駆動車100のホイールベールとに基づいて、4輪駆動車100の操縦安定性を示すスタビリティファクタを算出し、このスタビリティファクタを用いて車両がニュートラルステアであるか否かを判別することで、車両がニュートラルステアであるか否かを容易に判別することが可能となる。
さらに、このスタビリティファクタに基づいて車両が旋回時にニュートラルステアとなるための目標車速を算出することで、車両がニュートラルステアとなるための旋回要件となる目標車速を的確かつ容易に得ることができる。
10…車体
11…前輪車軸
12,13…前輪
14…前輪側デファレンシャルギヤ
15…ステアリング
16…舵角センサ
17…ヨーレートセンサ
18…エンジン
19…トルクコンバータ
20…変速機機構
21…後輪車軸
22,23…後輪
24…後輪側デファレンシャルギヤ
25…モータ
26…減速機
27…電磁クラッチ
28…回転センサ
29…駆動専用発電機
30…プーリベルト
31…エンジンコントロールユニット
32…変速機コントロールユニット
33…モータコントロールユニット
34…ドライブユニット
35…車両コントロールユニット
100…4輪駆動車
11…前輪車軸
12,13…前輪
14…前輪側デファレンシャルギヤ
15…ステアリング
16…舵角センサ
17…ヨーレートセンサ
18…エンジン
19…トルクコンバータ
20…変速機機構
21…後輪車軸
22,23…後輪
24…後輪側デファレンシャルギヤ
25…モータ
26…減速機
27…電磁クラッチ
28…回転センサ
29…駆動専用発電機
30…プーリベルト
31…エンジンコントロールユニット
32…変速機コントロールユニット
33…モータコントロールユニット
34…ドライブユニット
35…車両コントロールユニット
100…4輪駆動車
Claims (3)
- 内燃機関で駆動される主駆動輪と、
前記内燃機関で駆動される発電機で得られた電力で動作する電動機で駆動される従駆動輪と、
前記従駆動輪に前記電動機で得られた動力を選択的に伝達制御するクラッチと
を備えた4輪駆動車の走行を制御する4輪駆動車の制御装置において、
前記4輪駆動車が旋回時に、前記4輪駆動車の車両状態に基づいて、前記4輪駆動車が旋回時にニュートラルステアとなる旋回要件を算出する旋回要件算出手段と、
前記旋回要件算出手段で算出された旋回要件を満足させて、前記4輪駆動車をニュートラルステアにするために必要な前記電動機の目標電動機トルクを算出する電動機トルク算出手段と、
前記電動機を駆動制御するベクトル制御手法におけるd−q座標系のd軸電流とq軸電流を演算し、演算結果のd軸電流とq軸電流とに基づいて、前記電動機のトルクが前記トルク算出手段で算出された目標電動機トルクとなるように前記電動機を駆動制御する電動機制御手段と
を有することを特徴とする4輪駆動車の制御装置。 - 前記旋回要件算出手段は、
前記4輪駆動車の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記4輪駆動車のヨーレートを検出するヨーレート検出手段と、
前記操舵角検出手段で検出された操舵角と、前記ヨーレート検出手段で検出されたヨーレートと、前記4輪駆動車のホイールベールとに基づいて、前記4輪駆動車の操縦安定性を示す指標を算出する指標算出手段と、
前記指標算出手段で算出された指標が、前記4輪駆動車がニュートラルステアであることを示すための要件(前記旋回要件)を算出する算出手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の4輪駆動車の制御装置。 - 前記指標算出手段で算出された指標が、前記4輪駆動車がニュートラルステアであることを示すための要件(前記旋回要件)は、前記指標をスタビリティファクタとした際に、前記スタビリティファクタがニュートラルステアとなる目標車速である
ことを特徴とする請求項2に記載の4輪駆動車の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007067258A JP2008222168A (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 4輪駆動車の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007067258A JP2008222168A (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 4輪駆動車の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008222168A true JP2008222168A (ja) | 2008-09-25 |
Family
ID=39841255
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007067258A Pending JP2008222168A (ja) | 2007-03-15 | 2007-03-15 | 4輪駆動車の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008222168A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7877184B2 (en) * | 2006-06-28 | 2011-01-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and control method for hybrid vehicle |
-
2007
- 2007-03-15 JP JP2007067258A patent/JP2008222168A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7877184B2 (en) * | 2006-06-28 | 2011-01-25 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Control apparatus and control method for hybrid vehicle |
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