JP2008221279A - 抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性の高い抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様にかかる抵抗溶接方法は、1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接方法であって、正極11と負極12との間に、溶接対象物であるソレノイド端子15、及び端子14を配置するステップS102と、正極11と負極12を近づけ、ソレノイド端子15、及び端子14を第1の加圧力でプレ加圧するステップS104と、第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で、正極11と負極12の間に電流を供給して、ソレノイド端子15、及び端子14を溶接するステップS106と、を備えるものである。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の一態様にかかる抵抗溶接方法は、1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接方法であって、正極11と負極12との間に、溶接対象物であるソレノイド端子15、及び端子14を配置するステップS102と、正極11と負極12を近づけ、ソレノイド端子15、及び端子14を第1の加圧力でプレ加圧するステップS104と、第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で、正極11と負極12の間に電流を供給して、ソレノイド端子15、及び端子14を溶接するステップS106と、を備えるものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法に関し、特に詳しくは、1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、抵抗溶接する抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法に関する。
自動車の製造工程において、電子部品を取り付ける方法として、抵抗溶接機が広く利用されている。抵抗溶接機では、1対の電極間によって、電子部品の端子を挟み込む。そして、電極によって端子を加圧すると、電子部品の端子同士が接触する。端子を加圧した状態で、電極に電流を供給する。この電流によって生じる抵抗熱によって端子の一部が溶融して、電子部品を溶接することができる(特許文献1)。
抵抗溶接では、目的の溶着品質を得るため、部品毎に、最適な溶接条件に設定する必要がある。例えば、加圧力、電圧、通電時間、電流などがその部品に適した値に設定される。ここで、高い加圧力で端子同士を加圧すると、通電時の接触面積が安定して、接触面の電気抵抗を低減することができる。しかしながら、電気抵抗が小さくなると、高電流で溶接する必要がある。すなわち、高い加圧力で端子同士を加圧すれば、接触面の抵抗が減り、高電流で溶接する必要がある。高電流で溶接を行なうと、溶接機の電極の消耗が激しくなってしまう。例えば、高電流、高加圧力で溶接すると、溶接した端子が強く潰され、変形してしまう。よって、溶接電極の圧痕が深くつき、熱負荷が大きくなり、消耗しやすい。これにより、生産性が低下して、コスト高を招いてしまう。また、端子自体の断面積が減少し、破壊強度が低下してしまう。
一方、逆に加圧力を低くすると、電流値を下げることができるが、接触面積を安定させることが困難になってしまう。特に、電子部品の端子形状にばらつきがある場合、ばらつきを矯正することができず、溶着品質が安定しない。十分接触させることが出来ない場合、接合部の強度不足や、爆飛が生じてしまうおそれがある。すなわち、接触面がばらつきことによって、電流が局所的に集中して流れてしまう。このため、部分的な接合となったり、局所的に過熱したりすることで爆飛が発生するおそれがある。
このように、従来の抵抗溶接方法では、安定して溶接することが困難であり、電極の消耗が激しいため、生産性が低くなってしまうという問題点があった。従って、このような抵抗溶接方法を用いた場合、電子部品の生産性が低下してしまう。
本発明は、生産性の高い抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる抵抗溶接方法は、1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接方法であって、前記1対の電極間に、前記溶接対象物を配置するステップと、前記1対の電極を近づけ、前記溶接対象物を第1の加圧力で加圧するステップと、前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で、前記1対の電極に電流を供給して、前記溶接対象物を溶接するステップと、を備えるものである。これにより、安定して密着させることができるとともに、電流を低減することができる。従って、安定して溶接することができる。
本発明の第2の態様にかかる抵抗溶接方法は、上記の抵抗溶接方法であって、前記第2の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分を、前記第1の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分よりも小さくするステップを、さらに備えるものである。これにより、電極に逃げる熱を低減することができるため、熱効率を向上することができる。
本発明の第3の態様にかかる抵抗溶接方法は、上記の抵抗溶接方法であって、前記第1の加圧力で加圧するステップでは、前記溶接対象物が塑性変形するまで加圧することを特徴とするものである。これにより、溶接対象物間の変形のばらつきを抑制することができ、安定した溶接が可能になる。
本発明の第4の態様にかかる電子部品の製造方法は、上記の抵抗溶接方法によって、溶接対象物である電子部品の端子を接合するステップを有するものである。これにより、安定して溶接することができるため、生産性を向上することができる。
本発明の第5の態様にかかる抵抗溶接機は、溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接機であって、前記溶接対象物を挟み込む一対の電極と、前記1対の電極の間隔を近づけて、前記一対の電極間に配置された前記溶接対象物を加圧する加圧機構と、前記加圧機構によって前記溶接対象物を第1の加圧力で加圧した後、前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で前記1対の電極に電流を供給する電流供給部とを備えるものである。これにより、安定して変形することができるとともに、電流を低減することができる。従って、安定して溶接することができる。
本発明の第6の態様にかかる抵抗溶接機は、前記第1の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分を、前記第2の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分よりも小さくするものである。これにより、電極に逃げる熱を低減することができるため、熱効率を向上することができる。これにより、溶接対象物間の変形のばらつきを抑制することができ、安定した溶接が可能になる。
本発明の第7の態様にかかる抵抗溶接機は、上述の抵抗溶接機であって、前記溶接対象物が塑性変形するまで加圧することを特徴とするものである。
本発明によれば、生産性の高い抵抗溶接方法、及び抵抗溶接機、並びに生産性の高い電子部品の製造方法を提供することが可能になる。
本実施の形態にかかる抵抗溶接方法は、1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なうものである。そのため、まず、1対の電極間に、溶接対象物を配置する。そして、1対の電極を近づけ、溶接対象物を第1の加圧力で加圧する。第1の加圧力で加圧した後、第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で、1対の電極に電流を供給する。これにより、溶接対象物を溶接することができる。
発明の実施の形態1.
図1、及び図2を用いて、本実施の形態にかかる抵抗溶接機、及び抵抗溶接方法について説明する。図1は、実施の形態1にかかる抵抗溶接方法における抵抗溶接機の構成を示す工程断面図である。図2は、抵抗溶接方法を示すフローチャートである。
図1、及び図2を用いて、本実施の形態にかかる抵抗溶接機、及び抵抗溶接方法について説明する。図1は、実施の形態1にかかる抵抗溶接方法における抵抗溶接機の構成を示す工程断面図である。図2は、抵抗溶接方法を示すフローチャートである。
ここでは、電子部品のコイルを抵抗溶接する例について説明する。具体的には、自動車のABS(アンチロック・ブレーキ・システム)に用いられている油圧バルブの開閉を制御する電磁ソレノイドを溶接する例について説明する。ここでは、図1に示すように、電磁ソレノイド16に設けられたソレノイド端子15と、バスバーボックス13に設けられた端子14とがワーク端子となり、溶接される。バスバーボックス13のベースには開口部が設けられている。この開口部には、ソレノイド端子15が挿入されている。従って、開口部を介して、電磁ソレノイド16のソレノイド端子15が端子14側に配置される。バスバーボックス13には、電磁ソレノイド16を駆動させるための回路や配線が形成されている。そして、電磁ソレノイド16のソレノイド端子15とバスバーボックス13の端子14とを接続することによって、電磁ソレノイド16を動作させることができる。このように、ソレノイド端子15、及び端子14が溶接される溶接対象物となる。ソレノイド端子15は、例えば、銅線によって形成される。端子14は、例えば、真鍮によって形成される。端子14、及びソレノイド端子15は、例えば、幅1mm程度の大きさである。なお、溶接される溶接対象物(ワーク)としては、上記のソレノイド端子15、及び端子14に限られるものではない。なお、以下の説明で、ソレノイド端子15、及び端子14をワーク端子と称することもある。
図1(a)に示すように、抵抗溶接機100は、正極11、負極12、加圧機構17、電流供給部18を備えている。電流供給部18は、フレキシブルな給電線を介して、正極11、及び負極12に接続されている。電流供給部18は、1対の電極である正極11、及び負極に直流電流を供給する。さらに、電流供給部18は、正極11と負極12との間に流れる電流値、及び通電時間等を制御する。以下の説明において、正極11、及び負極12を電極と称することもある。なお、正極11、及び負極12は、移動機構に取り付けられ、上下方向に移動可能に設けられている。
加圧機構17は、例えば、エアシリンダーなどであり、正極11と接続されている。加圧機構17は、負極12に対して正極11を近づけたり、離したりする。すなわち、加圧機構17は正極11と負極12の間隔を変化させる。また、負極12は固定されている。そして、正極11と負極12との間に、端子14、及びソレノイド端子15が配置された状態で、正極11を負極12に近づけると、ソレノイド端子15、及び端子14が加圧される。加圧機構17は、ソレノイド端子15、及び端子14を加圧する加圧力を制御することができる。例えば、エアシリンダーに供給するエア圧を制御することによって、加圧力が制御される。なお、正極11は、移動方向を制限するスライド機構に取り付けられていてもよい。また、正極11と負極12とは反対であってもよい。すなわち、加圧機構17によって、負極12を移動させてもよく、さらには、両方を移動させてもよい。
まず、ワーク端子であるソレノイド端子15と端子14をセットする(ステップS101)。すなわち、ソレノイド端子15と端子14を移動して、図1(a)に示すように、正極11と負極12との間の下方にセットする。例えば、バスバーボックス13、及び電磁ソレノイド16が載置されたXYテーブルを駆動して、1対の電極間の下方に、ソレノイド端子15と端子14を配置する。そして、XYテーブルを固定して、電磁ソレノイド16、バスバーボックス13の水平方向の位置を固定する。
次に、溶接電極機の電極を降下させる(ステップS102)。これにより、図1(b)に示すように、正極11と負極12との間に、ソレノイド端子15と端子14が配置される。従って、1対の電極が、ソレノイド端子15と端子14を掴める位置に、移動する。そして、正極11、及び負極12が取り付けられている電極ベースフローティング(不図示)のロックを解除する(ステップS103)。これにより、1対の電極の位置が可変となり、後のプレ加圧工程(ステップS104)、及び溶接加圧工程(ステップS105)で、電極間における所定の位置にソレノイド端子15と端子14が配置される。これにより、ワーク端子と、電極の相対位置のばらつきを吸収することができる。すなわち、ソレノイド端子15、又は端子14の形状、大きさにばらつきがある場合でも、電極間の所定の位置に、ソレノイド端子15、又は端子14が配置された状態で加圧することができる。
そして、プレ加圧を実施する(ステップS104)。ここでは、加圧機構17を駆動して、正極11を負極12に近づけていく。正極11がソレノイド端子15を押さえ、負極12が端子14を押える。これによって、ソレノイド端子15と端子14とが接触する。正極11、及び負極12がワーク端子であるソレノイド端子15、及び端子14を掴む。これにより、電極間にワーク端子が挟み込まれた状態となる。そして、第1の加圧力で一定時間、ソレノイド端子15と端子14とを加圧する。これにより、ソレノイド端子15が端子14に押し付けられる。
ここでは、ソレノイド端子15と端子14とを十分に密着させて、図1(c)に示すように塑性変形させる。すなわち、ソレノイド端子15を端子14に押圧して、ソレノイド端子15と端子14とを永久変形させる。例えば、加圧機構17による加圧推力を250Nとして、プレ加圧を実施する。プレ加圧での加圧力は変形に適した高い加圧力とする。これにより、ソレノイド端子15と端子14とが塑性変形して平たくなり、ワーク端子間の接触面積が大きくなる。すなわち、ワーク端子の接合面が密着して、ワーク端子の永久変形により接触面が安定になるまで加圧する。このように、プレ加圧工程では、正極11、及び負極12によって、ソレノイド端子15と端子14とをクランプし、ソレノイド端子15と端子14とが塑性変形する加圧力で加圧を実施する。
なお、ステップS103において電極ベースフローティングのロックが解除されている。このため、プレ加圧工程では、ワーク端子間の接合面が電極間の中央になった状態で、ソレノイド端子15が端子14に押し付けられる。これにより、製品間のばらつきがなく、略同じ形状に変形させることができる。すなわち、ソレノイド端子15、及び端子14の形状、大きさにばらつきがあった場合でも、プレ加圧による変形形状のばらつきを低減することができる。よって、接触面積を略同じにすることができ、安定した溶接が可能になる。
次に、加圧力を低減して、溶接加圧を実施する(ステップS105)。本実施の形態では、加圧したまま、すなわちクランプしたまま、加圧力を溶接に適した加圧力へ減少させる。すなわち、第1の加圧力よりも低い第2の加圧力まで徐々に下げていく。そして、第1の加圧力から第2の加圧力に下げ、第2の加圧力で一定時間、加圧を実施する。ここでは、加圧機構17の加圧推力を135Nとして、溶接加圧を実施する。
そして、溶接通電を行なう(ステップS106)。ここでは、加圧機構17が溶接加圧時の第2の加圧力と同じ加圧力で、ソレノイド端子15、及び端子14とを加圧している。すなわち、ソレノイド端子15、及び端子14をプレ加圧時よりも低い加圧力で加圧した状態で、電流供給部18が通電する。これにより、正極11、及び負極12を介して、ソレノイド端子15、及び端子14に電流が供給される。すなわち、ソレノイド端子15、及び端子14を介して正極11から負極12に電流が流れる。また、ソレノイド端子15と端子14との間には、接触状態に応じた界面抵抗が存在する。従って、界面抵抗、及び電流に応じた抵抗熱(ジュール熱)によって、ソレノイド端子15、及び端子14の界面温度が上昇する。これにより、端子14、及びソレノイド端子15が溶融する。従って、端子14、及びソレノイド端子15が溶着されて、接合される。
例えば、溶接条件として、電極間に印加する電圧を0.7Vとし、電流供給部18が供給する電流を1.8kAとし、通電時間を50msecとする。溶接通電工程では、プレ加圧時の最大加圧力よりも低い加圧力(135N)で加圧している。すなわち、プレ加圧時の最大加圧力は、通電時の最大加圧力よりも高くなる。このように、通電する前にプレ加圧した後、プレ加圧時よりも低い加圧力で加圧した状態で通電を行なう。溶接加圧工程、及び溶接通電工程では、溶接に適した小さな加圧力で加圧する。
端子14、及びソレノイド端子15が接合された後、電極を開放する(ステップS107)。すなわち、正極11、及び負極12を離して、ワーク端子をアンクランプする。具体的には、通電を停止して、端子14、及びソレノイド端子15の温度が低下するまで放置する。そして、端子14、及びソレノイド端子15とが固着するまで放置したら、加圧機構17によって正極11を移動する。これにより、正極11が負極12から離れていき、電極が開放される。そして、電極ベースフローティングロッドをロックして(ステップS108)、次の溶接サイクルに移動する(ステップS109)。すなわち、電極ベースフローティングロッドをロックした状態で、XYテーブルを駆動して、次の溶接箇所まで移動させる。そして、次の溶接箇所を同様の手順により溶接する。すなわち、バスバーボックス13の次の溶接箇所まで、XYテーブルを移動させる。そして、バスバーボックス13の全溶接箇所を溶接するまで、上記の手順で溶接を繰り返す。全溶接箇所の溶接終了したら、溶接が完了したバスバーボックス13をXYテーブルから取り除き、次のバスバーボックス13を載置する。
上記のように、溶接通電を開始する前に、高加圧力で、プレ加圧を実施している。従って、端子14、及びソレノイド端子15の表面に酸化被膜や水和物が形成されていても、プレ加圧工程において、端子14とソレノイド端子15の金属同士が接触する。ここでは、通電時よりも高い加圧力で加圧しているため、接触面積が大きくなる。そして、接触面が安定するように、端子14、及びソレノイド端子15を永久変形する。すなわち、高加圧力で加圧するため、プレ加圧では、接触面が安定する。この状態では、界面抵抗が低くなる。そして、加圧力を変更して、プレ加圧よりも低い加圧力で加圧した状態で、溶接通電を行なう。これにより、端子14とソレノイド端子15との界面抵抗がプレ加圧時よりも高くなった状態で、通電される。よって、供給する電流を低くしても、十分安定した状態で溶着することができる。すなわち、プレ加圧では、安定した形状で変形して、ワーク間の変形形状のばらつきを低減する。そして、通電するために加圧力を低下すると、その形状のまま、接触面積が小さくなる。これにより、界面抵抗を高くすることができ、電流を低減することができる。よって、正極11、及び負極12の消耗を抑制することができ、長寿命化を図ることができる。これにより、生産性を向上することができる。このように、本実施の形態にかかる抵抗溶接方法によって、製品間のばらつきが低減され、安定した溶接が可能となる。
次に、実施形態1にかかる抵抗溶接方法で溶接された電子部品(ワーク)と、従来の抵抗溶接方法で溶接された電子部品(ワーク)とを図3を用いて比較する。図3(a)は、従来の抵抗溶接方法で溶接されたワークの溶接強度を示すグラフであり、図3(b)は、実施形態1にかかる抵抗溶接方法で溶接されたワークの溶接強度を示すグラフである。すなわち、図3(a)ではプレ加圧無しで溶接した時の溶接部のせん断強度が示され、図3(b)では、プレ加圧有りで溶接した時の溶接部のせん断強度が示されている。図3(a)、図3(b)の横軸は、通電時の加圧力(N)を示し、縦軸は、溶接部のせん断強度(N)を示している。なお、それぞれの抵抗溶接方法において、電流供給部18が供給する電圧、電流をそれぞれ0.7V、1.8kAとし、通電時間を50msecとしている。さらに、通電時の加圧力を50N、128Nとして、溶接を行なった例について説明する。なお、実施形態1にかかる方法では、250Nでプレ加圧を行なっている。また、従来の方法では、加圧力を200Nとした場合についても、溶接を行なっている。図3(a)、及び図3(b)では、それぞれの加圧力で複数のワークを溶接した時のワーク間の強度のばらつきが示されている。
従来の抵抗溶接方法では、上述のように、低い加圧力で加圧すると接触面積が小さくなる。従って、界面抵抗が上がり、電流が下がる。このため、ワークが、十分、溶解せずに、高い溶接強度で溶着することができなくなってしまうことがある。特にワーク間のばらつきがある場合、安定して溶接することが困難になってしまう。例えば、50Nの加圧力で溶接を行なうと、溶接強度が低くなるワークがある。従って、図3(a)に示すように、ワーク間のばらつき範囲が広くなってしまう。一方、高い加圧力で加圧すると安定して変形することができるため、ばらつきが低減する。すなわち、安定して、十分な溶接強度を得ることができる。128Nの加圧力で溶接を行なうと、ワーク間のばらつきを低減することができる。さらに、加圧力を上げて200Nとすると、電極の消耗が激しくなり、ワーク間のばらつきが大きくなる。このように、ばらつき範囲を狭くすることができる加圧力の範囲が狭くなる。ワーク間のばらつきや、加圧力のばらつきによって、十分な溶接強度を得ることができないおそれがある。
一方、実施形態1にかかる抵抗溶接方法では、図3(b)に示すように、低い加圧力(50N)で加圧しても、ワーク間のばらつきを低減することができる。すなわち、高い加圧力のプレ加圧で端子を一端、変形しているため、ワーク間で安定した変形が可能になる。これにより、接触面積を安定することができる。さらに、高い加圧力(128N)で加圧した場合でも、従来の方法よりもワーク間のばらつきを低減することができる。
従って、ワーク間にばらつきが生じても、安定した溶接が可能になる。すなわち、同じ加圧力で加圧している場合でも、溶接部のせん断強度のばらつきが小さくなる。ワークの加工精度によって、ワーク間に形状や大きさのばらつきがあっても、安定して溶接することができる。さらに、ワーク間の強度ばらつきを低減することができる加圧力のマージンを広くすることができる。これにより、安定して溶接することができる加圧力の適正範囲が広くなる。従って、加圧力に変動が生じた場合でも、安定して溶接することが可能にある。さらに、従来の方法に比べて、2〜6割電流を低下させても、溶接強度を安定させることができる。また、低加圧力で溶接した場合でも、電流を低くすることができるため、界面が過熱されることによって生じる爆飛を防ぐことができる。実施形態1では、プレ加圧と溶接加圧との間で、電極位置を変えていないため、サイクル時間を短縮することができる。これにより、生産性を向上することができる。
発明の実施の形態2.
本実施の形態にかかる抵抗溶接方法について、図4、及び図5を用いて説明する。図4は、実施の形態2にかかる抵抗溶接方法における抵抗溶接機の構成を示す工程断面図である。図5は、本実施の形態にかかる抵抗溶接方法を示すフローチャートである。実施形態2にかかる抵抗溶接方法では、プレ加圧工程(ステップS204)と溶接加圧工程(ステップS207)の間に、溶接電極を開放する工程(ステップS205)と、溶接電極を上昇する工程(ステップS206)が設けられている。なお、実施の形態1にかかる抵抗溶接方法と同様の工程については、詳細な説明を省略する。すなわち、ステップS201〜ステップS204については、実施形態1におけるステップS101〜ステップS104と同様であり、ステップS207〜ステップS211については、実施形態1におけるステップS105〜ステップS109と同様であるため、詳細な説明を省略する。
本実施の形態にかかる抵抗溶接方法について、図4、及び図5を用いて説明する。図4は、実施の形態2にかかる抵抗溶接方法における抵抗溶接機の構成を示す工程断面図である。図5は、本実施の形態にかかる抵抗溶接方法を示すフローチャートである。実施形態2にかかる抵抗溶接方法では、プレ加圧工程(ステップS204)と溶接加圧工程(ステップS207)の間に、溶接電極を開放する工程(ステップS205)と、溶接電極を上昇する工程(ステップS206)が設けられている。なお、実施の形態1にかかる抵抗溶接方法と同様の工程については、詳細な説明を省略する。すなわち、ステップS201〜ステップS204については、実施形態1におけるステップS101〜ステップS104と同様であり、ステップS207〜ステップS211については、実施形態1におけるステップS105〜ステップS109と同様であるため、詳細な説明を省略する。
まず、実施の形態1と同様に、ワーク端子をセットする(ステップS201)。これにより、図4(a)に示す構成となる。そして、溶接機電極を降下させる(ステップS202)。これにより、図4(b)に示すように、1対の電極間にワーク端子が配置される。すなわち、正極11、及び負極12がソレノイド端子15、及び端子14を掴める位置に移動する。その後、電極ベースフローティングのロックを解除し(ステップS203)、プレ加圧を実施する(ステップS204)。これにより、図4(c)に示す構成となる。ここでは、例えば、加圧機構17の加圧推力を300Nとする。これにより、ソレノイド端子15、及び端子14が塑性変形する。
この後、正極11と負極12から離して、電極を開放(アンクランプ)する(ステップS205)。すなわち、加圧機構17を駆動して、負極12から正極11を離す。これにより、正極11がソレノイド端子に接触しない状態となる。電極を開放した状態で、溶接機の電極をわずかに上昇させる(ステップS206)。ここでは、正極11、及び負極12がソレノイド端子15、及び端子14を浅く掴むように、正極11、及び負極12を上昇させる。このように、掴み量が減るように、正極11、及び負極12をわずかに上昇させる。なお、掴み量とは、例えば、ソレノイド端子15、及び端子14の先端(上端)から、正極11、及び負極12の先端(下端)までの距離とする。従って、正極11とソレノイド端子15との接触面積、及び負極12と端子14との接触面積が小さくなる。すなわち、掴み量を小さくすることにより、ソレノイド端子15、及び端子14の電極間に挟まれている部分が、プレ加圧時に加圧されているソレノイド端子15、及び端子14の電極間に挟まれている部分よりも小さくなる。
そして、溶接機の電極を上昇した後、溶接加圧を実施する(ステップS207)。これにより、図4(d)に示す構成となる。ここでは、加圧機構17を駆動して、加圧力をプレ加圧時の加圧力よりも低下させている。例えば、加圧機構17の加圧推力を135Nとする。溶接加圧時に加圧されているソレノイド端子15、及び端子14の正極11と負極12との間に挟まれている部分が、プレ加圧時に加圧されているソレノイド端子15、及び端子14の正極11と負極12との間に挟まれている部分よりも小さくなる。すなわち、溶接加圧工程では、プレ加圧時よりも掴み量が減った状態で、加圧される。よって、図4(d)に示す構成では、図4(c)に示す構成よりも、電極の掴み量が減少している。例えば、図4(d)での掴み量を、図4(c)の掴み量の約半分にすることができる。
次に、溶接通電を実施する(ステップS208)。ここでは、ステップS205、及びステップS206によって、プレ加圧時よりも掴み量が減った状態で通電が行なわれる。すなわち、溶接加圧時に加圧されているソレノイド端子15、及び端子14の電極間に挟まれている部分が、プレ加圧時に加圧されているソレノイド端子15、及び端子14の電極間に挟まれている部分よりも小さくなった状態で、通電される。すなわち、ソレノイド端子15と端子14との界面において、電流が流れる部分の面積が減少している。通電時に端子14、及びソレノイド端子15から正極11、及び負極12に逃げる熱を低減することができる。よって、熱効率を向上することができ、供給する電流を低減することができる。あるいは、通電時間を短縮することができる。また、プレ加圧時では掴み量が深くなっているので、端子14及びソレノイド端子15が真直ぐに変形される。よって、安定して変形させることができ、ワーク間のばらつきを低減することとができる。
通電終了後、端子14、及びソレノイド端子15とが固着するまで放置したら、電極を開放(アンクランプ)する(ステップS209)。そして、溶接機の電極を上昇する(ステップS210)。電極ベースフローティングをロックして(ステップS211)、次の溶接サイクルを実施する。
このように、実施形態2では、プレ加圧工程(ステップS204)と溶接加圧(ステップS207)との間において、電極を一端開放して、掴み量を小さくしている。これにより、電極に逃げる熱を低減することができるため、熱損失が減少する。よって、通電時間の短縮や、電流の低減が可能になる。これにより、生産性の向上を図ることができる。さらに、プレ加圧時では、掴み量が大きくなっているため、ワーク端子を安定して変形させることができる。よって、溶接を安定して行なうことができる。
なお、実施の形態1、2の説明では、バスバーボックス13と電磁ソレノイド16と接続させる例に説明したが、これに限られるものではない。すなわち、実施の形態1、2にかかる抵抗溶接方法によって、これらに以外の所望の電子部品を溶接することができる。このような溶接方法によって、電子部品の端子を溶接することによって、電子部品の生産性を向上することができる。すなわち、電子部品間の溶接強度のばらつきを低減することができる。もちろん、自動車に用いられる電子部品に限らず、様々な用途に用いられる電子部品に適用可能である。
11 正極、12 負極、13 バスバーボックス、14 端子、15 ソレノイド端子、16 電磁ソレノイド、17 加圧機構、18 電流供給部
Claims (7)
- 1対の電極を介して溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接方法であって、
前記1対の電極間に、前記溶接対象物を配置するステップと、
前記1対の電極を近づけ、前記溶接対象物を第1の加圧力で加圧するステップと、
前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で、前記1対の電極に電流を供給して、前記溶接対象物を溶接するステップと、を備える抵抗溶接方法。 - 前記第2の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分を、前記第1の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分よりも小さくするステップを、さらに備える請求項1に記載の抵抗溶接方法。
- 前記第1の加圧力で加圧するステップでは、前記溶接対象物が塑性変形するまで加圧することを特徴とする請求項1、又は2に記載の抵抗溶接方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の抵抗溶接方法によって、溶接対象物である電子部品の端子を接合するステップを有する電子部品の製造方法。
- 溶接対象物に電流を供給して、溶接を行なう抵抗溶接機であって
前記溶接対象物を挟み込む一対の電極と、
前記1対の電極の間隔を近づけて、前記一対の電極間に配置された前記溶接対象物を加圧する加圧機構と、
前記加圧機構によって前記溶接対象物を第1の加圧力で加圧した後、前記第1の加圧力よりも低い第2の加圧力で加圧した状態で前記1対の電極に電流を供給する電流供給部とを備える溶接抵抗機。 - 前記第1の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分を、前記第2の加圧力で加圧されている前記溶接対象物の前記第1対の電極間に挟まれている部分よりも小さくする請求項5に記載の抵抗溶接機。
- 前記溶接対象物が塑性変形するまで加圧することを特徴とする請求項5、又は6に記載の抵抗溶接機。
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---|---|---|---|
JP2007063150A JP2008221279A (ja) | 2007-03-13 | 2007-03-13 | 抵抗溶接方法、抵抗溶接機、及び電子部品の製造方法 |
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JP2010087318A (ja) * | 2008-09-30 | 2010-04-15 | Nippon Chemicon Corp | キャパシタモジュールおよびその製造方法 |
-
2007
- 2007-03-13 JP JP2007063150A patent/JP2008221279A/ja active Pending
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