JP2008220225A - 油脂分解性微生物及びそれを用いた油脂含有廃水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラード分解能を有するし、かつ低温環境下においても優れた油脂分解能を有する新規微生物及びそれら微生物が産生する酵素の提供。
【解決手段】油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有する、16SリボソームRNA遺伝子が特定の塩基配列を有する油脂分解性シュードモナスエスピー(Pseudomonas sp.) WU−ML1株(受領番号;NITE AP−324)及び該WU−ML1株と同等の油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有するその変異体。該WU−ML1株又はその変異体が細胞外に分泌する油脂分解性酵素。WU−ML1株若しくはその変異体及び/又は該WU−ML1株が産生する油脂分解性酵素を用いて油脂含有廃水を処理することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、厨房等から排水される廃水中に含まれる動植物性油脂を効率よく分解することが可能な新規な油脂分解性微生物及び該微生物が産生する油脂分解性酵素、並びに該油脂分解性微生物又は該微生物が産生する油脂分解性酵素を用いた油脂含有廃水の処理方法に関する。
より具体的には、特にラード等の動物性油脂に対して優れた分解活性を有し、低温においても優れた分解活性を有する新規シュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.)WU−LM1、該微生物が細胞外に分泌産生する油脂分解性酵素、並びに該油脂分解性微生物又は該微生物が産生する油脂分解性酵素を用いた油脂含有廃水の処理方法に関する。
廃油と環境問題;
レストラン、食堂、ホテル、給食センター、病院などの業務用の厨房を有する事業所等では大量の油脂や油などが使用され、それらの大量の油脂や油などが廃油として廃棄されている。これら廃油は、通常では分解されにくく、環境汚染の原因となるばかりでなく、排水管等に付着蓄積した油脂は悪臭やパイプ詰まりの原因となる。
油脂や油などの廃油が混入した廃水は、古くは海洋投棄や焼却などの方法で処理されてきた。しかし、廃水の海洋投棄は、公害や河川や海洋の汚染の原因となり、社会問題化してきて、現在では、油脂や油などの廃油を含む廃水を海洋投棄することは法律で禁止されている。一方、廃油の焼却処理も、大気汚染の原因となるだけでなく、地球温暖化の大きな原因の1つである炭酸ガスの排出の観点からも問題がある。
廃水浄化とグリストラップ;
そのような背景のもとに、昭和51年の建設省告示1597号「廃水トラップ・阻集器設置基準」により、飲食店、学校給食、病院、社員食堂、老人ホーム、食品加工工場等は、油脂分などの廃油を含む廃水の排出にあたっては油脂の阻集器であるグリストラップの設置が義務づけらた。
グリストラップは、厨房から廃水や残渣を一時溜めておく装置であり、いわば「油」や「ゴミ」を集める阻集器である。集まったゴミと油脂分及び沈殿汚物(スカム)は、分離して、金網、ひしゃく等で除去する構造となっており、毎日1回のバスケット清掃、1ヶ月に1回のグリス、残渣等の除去、数ヶ月に1回のトラップ内部の清掃が必要である。
厨房から廃棄された油脂を含む廃水はグリストラップに流れ込み、ここで油脂が分離、蓄積され、さらに浄化槽、二次槽を経て、定められた基準以下の水質(下道に流せる水の基準値)に処理されてから、浄化槽を経て下水へ放流される。
グリストラップは、廃水が流れ込む入り口とグリストラップ内の廃水を排水管や浄化槽などに排出する廃水口を有し、槽内が3槽ないし4槽に区切られていて、廃水の滞留時間を長くすることによって、廃水中の油脂などの廃油がグリストラップ内に捕捉されるような構造を有する貯水槽である。第1層には金網カゴが設けられ、ここで大きなゴミを分離する。第2層は、油脂分と汚物の分離を担い、ここで油脂分は上部の水面付近に浮上し、小さなゴミや汚物スカムは水中に浮遊するか低部に沈殿する。第3層の下方に配水管が設けられ、ここから油脂分・沈殿物を含まないある程度浄化された水が下水道へと排出される。グリストラップ内に浮遊した油脂分及び沈殿物の処理は、ポンプによって槽内の油脂分・スカムを吸引し、分離機で油と水に分離した後産業廃棄物として廃棄または焼却される。
このようにグリストラップそれ自体には、油脂などの廃油を廃水から分離収集するという物理的な機能は保持しているが、生物学的あるいは化学的に油脂などの廃油などを分解するという機能は有していない。
しかしながら、この装置では、廃水中に処理能力以上の油脂が含まれていた場合、処理能力が追いつかず、排水管内にスカム状態に付着・腐敗してして、悪臭、害虫発生の原因等となるばかりか、排管詰まりを生じて装置そのものの機能が停止して、油分が河川などにたれ流され、更に大きな公害問題を引き起す原因となる。
そこで、グリストラップの性能を向上すべく、様々な工夫が提案され、実用化されている。例えば、以下のとおりである。
(1)フィルターなど特殊な備品や器具を利用する方式
(2)オゾンを用いる方法
(3)酵素を利用して油脂分を分解する方式
(4)好気性の油脂分解性微生物を利用して油脂分を分解する方式
(5)好気性微生物の成長を促進するためのエアレーションポンプを併用する方法
なお、エアレーションは、油脂の分解の過程でアンモニア、硫化水素等悪臭を放出する嫌気性微生物の増殖を抑制し、酸素を必要とする好気性菌である油脂分解性微生物を増殖させるための処理である。
微生物の利用;
生物学的廃水処理方法において使用される微生物としては、例えば、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、バチルス属(Bacillus)、バークホルデイア属(Burkholderia)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アスペルギルス属(Aspergillus)などに属する多くの菌株などが報告されている。
このうちシュードモナス(Pseudomonas)属細菌は、環境に広範囲に生息し、種々の有機物分解に関与している細菌として知られているが、中には油脂分解酵素を生産する菌種もある。油脂分解酵素生産菌株としては、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・シュードアルカリゲネス(Pseudomonas
pseudoalkaligenes)、シュードモナス・アルカリゲネス(Pseudomonas
alkaligenes)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・セパシア(Pseudomonas cepacia)、シュードモナス・フラギ(Pseudomonas
fragi)等が挙げられる。
より具体的には、油脂分解技術に関連するシュードモナス属(Pseudomonas)細菌について、以下のような報告がなされている。
(a)高い油脂分解能力を有するシュードモナス属に属する菌体であって、15℃〜55℃の範囲で生育でき、動物性油脂、植物性油脂、および遊離脂肪酸に対する分解能力を有することを特徴とする高機能油脂分解菌(特許文献1参照)。
(b)細胞外に分泌されない膜結合型の油脂分解酵素を産生し、16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有するシュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) AQ−T5株(FERMP−17554)又はその突然変異体(特許文献2参照)。
(c)鉱物油を分解することができるシュード
モナス(Pseudomonas)属菌(特許文献3参照)。
(d)4〜40℃の範囲の温度で生育することができるシュードモナス
デニトリフィカンス(Pseudomonasdenitrificans)株であって、油脂分解能力、及び脱窒能力を有することを特徴とする、高機能脱窒油脂分解菌(特許文献4参照)。
(e)高い油脂分解能力を有するシュードモナス属に属する菌体であって、15℃〜55℃の範囲で生育でき、動物性油脂、植物性油脂、および遊離脂肪酸に対する分解能力を有することを特徴とする高機能油脂分解菌(特許文献5参照)
(f)10〜37℃において油脂を分解
することができるシュードモナス属に属する微生物(特許文献6参照)。
(g)油脂含有廃水の処理方法において、処理槽にシュードモナスセパシア
LM2−1(Pseudomonas cepacia LM2−1)株もしくは油脂分解能を有するその突然変異体、又はそれらの培養物を添加することを特徴とする油脂含有廃水の処理方(特許文献7参照)。
(h)浮上濾材に包括固定する微生物として、界面活性剤に対して分解性能を示すシュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)NO.AES053株(微工研菌寄第13230号)を用いた方法(特許文献8参照)。
(i)トルエンを分解する能力を有する新規微生物シュードモナス・プチダSH−2992株(FERM P-13564)(特許文献9参照)。
(j)シュウドモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)SK0401株(微工研菌寄第13231号)及びアシネドバクター・エスピー(Acinetobactor sp.)SK0402A株(微工研菌寄第13232号)として、それぞれ寄託されている食用油脂に対して分解性能を持つ微生物(特許文献10参照)。
(k)シュードモナス属に属し、高いリパーゼ生産能力を有するシュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) S10−071 株(特許文献11参照)。
これら油脂分解性微生物は、廃油中に、粉末として散布したり、液状として点滴したりして使用される。
しかし、これらの微生物を用いた文献記載の技術は、微生物を単独で使用して廃水中の油脂分を分解するものであるが、その分解能は必ずしも使用者の要求を十分満たすものとは言えず、とりわけ冬季あるいは寒冷地における分解能、ラードに対する分解能の点では未だ不十分であり、さらなる改良の余地があるものであった。
なお、上記(b)に開示されるAQ−T5株又はその突然変異体は、膜結合型の油脂分解酵素を産生する点で、本発明の微生物とは異なるものである。
油脂分解性酵素(リパーゼ)の利用;
上記のとおり、物理化学的方法の他に油脂含有廃水を微生物が産生する酵素によって処理する方法も知られている。この他にも、油脂含有廃水に油脂分解性酵素(リパーゼ)を添加して廃水中の油脂を加水分解することも知られている。例えば、シュードモナス
セパシア(Pseudomonas cepacia)S16−019B株(微工研菌寄第12574 号)により生産されるリパーゼの使用が報告されている(特開平5−123170)。
かかる油脂分解酵素としてのリパーゼとしては、動物由来または植物由来のものはもとより、微生物由来のリパーゼも知られている。このうちで、微生物由来リパーゼとしては、例えば、リゾプス(Rhizopus)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、ムコール(Mucor)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ジオトリケム(Geotrichum)属、ペニシリウム(Penicillium) 属、カンジダ
(Candida) 属等の起源のものが挙げられる(特許文献12参照)。
しかし、これらリパーゼについても、上記微生物の場合と同様、その分解能は必ずしも使用者の要求を十分満たすものとは言えず、とりわけ冬季あるいは寒冷地における分解能、ラードに対する分解能の点では未だ不十分であり、さらなる改良の余地があるものであった。
依然として残る問題点;
レストラン、食堂、ホテル、給食センター、病院などの業務用の厨房を有する多くの事業所などから排出される廃水には、それぞれに特徴があり、これらの廃水を効率よく処理するためには、かかる廃水に対応した微生物処理が必要である。また、微生物製剤に関しては、熱湯の廃水や殺菌力の強い洗剤によって微生物がが死滅したり増殖力が低下したりするために、これに対する対策も必要である。
また、通常の温度で、通常の油脂分解能を有する微生物や酵素は多く知られているが、冬季あるいは寒冷地での低温条件下でも十分な分解能を有し、固化しやすいがゆえに分解が困難なラードに対しても満足のいく分解能を有する微生物や酵素は知られていなかった。
ちなみに公知の微生物製剤314も通常の温度で通常の動植物オイルに対しては満足し得る油脂分解能を有しているが、冬季若しくは寒冷地等の低温条件下における分解能、及びラードに対する分解能の点では必ずしも満足し得るものではない。ラードの微生物による分解の困難性、及び低温化での油脂の分解の困難性については、下記のとおりである。
ラード分解の困難さ;
ラードは様々な料理に用いられ、廃水水中に含まれるラードの量も決して無視できるものではない。しかし、ラードは、分子量が大きいいために微生物によって分解され難いだけでなく、融点が低いためにグリストラップ内で固体として存在し、水中に溶解乃至懸濁しないため、微生物による分解を一層困難なものとしている。油脂分解性微生物やそれら微生物が産生するリパーゼについては上記のとおり様々な報告がなされているが、ラードを満足に分解し得る微生物やリパーゼに関する報告は殆どなされていない。
例えば、石川県工業試験場の「平14年度研究報告Vol.52」では、以下のように、微生物によるラード分解の困難性について次のように述べている(非特許文献1参照)。
「本研究では,生物的油処理装置(バイオリアクター)を2種類考案し,市販油3種類と廃油の微生物分解を試みた。その結果,微生物は曝気した装置内において27℃、72時間でオリーブオイル3000ppmを92%分解した。エンジンオイル3000ppmでは、同一条件で97%分解した。また、めっき工場から排出された廃油は約65%分解された。しかし、ラードはほとんど分解されなかった。」
低温環境における油脂分解活性の問題;
上記グリストラップは、冬季あるいは寒冷地においても十分な効果を発揮しなければならないが、公知の多くの微生物は、冬季あるいは寒冷地において活性が低下し、十分な分解性能を維持できなかった。とりわけ、ラードは、このような低温条件下では固化して、分解が困難であった。
このように、ラード分解能及び低温環境下での分解能については、さらなる改良の余地があるものであった。
特開2003−116526 特開2001−178451 特開2005−313159 特開2005−117973 特開2003−116526 特開2000−270845 特開平11−47789 特開平7−222988 特開平6−277045 特開平6−153922 特開平5−304949 特開2004−113238号公報 石川県工業試験場「平14年度研究報告Vol.52」
したがって、本発明の目的の1つは、通常の条件下で広範囲な動植物性油脂・油に対して十分な分解能を有するだけでなく、特にラードに対しても有効な分解能を有し、かつ、冬季・寒冷地の低温条件下でもその活性を有する新規な油脂分解性微生物、及びそれら微生物が分泌する同様の分解能を有する新規酵素(リパーゼ)を提供することである。また、本発明の他の目的は、それら油脂分解性微生物及び/又は該微生物が分泌する同様の分解能を有する酵素(リパーゼ)を用いた廃水中の油脂分解方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、厨房廃水中から、ラード分解能を有し、低温においても優れた油脂分解活性を有する新規微生物の分離に成功し、本発明を完成した。
本発明は、より具体的には以下のとおりである。
1.油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有する、16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有する油脂分解性シュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)及び油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有するその変異体。
2.上記1に記載のシュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株又はその変異体が細胞外に分泌する油脂分解性酵素。
3.上記1に記載のシュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株若しくはその変異体及び/又は上記2に記載の油脂分解性酵素を用いて油脂含有廃水を処理することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法。
4.油脂含有廃水がラードを含む廃水である上記3に記載の油脂含有廃水の処理方法。
5.更に界面活性剤を併用することを特徴とする上記3又は4に記載の油脂含有廃水の処理方法。
6.シュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株又はその変異体を10乃至20,000倍に希釈して使用することを特徴とする上記3乃至5のいずれかに記載の油脂含有廃水の処理方法。
本件発明によれば、通常の条件下で広範囲な動植物性油脂・油に対して十分な油脂分解効果を発揮するだけでなく、特にラードに対しても効果的に分解し、かつ、冬季・寒冷地の低温条件下でもその油脂分解効果を発揮し得る。したがって、ラードを多用するレストラン、寒冷地におけるレストラン等において効果的に利用することができる。
上記のとおり本発明の1つの形態は、「油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有する、16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有する油脂分解性シュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)及び該WU−LM1株と同等の油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有するその変異体」である。なお、WU−LM1株は、受領機関独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(NPMD)に寄託した。受領番号はNITE AP−324、受領日は平成19年2月28日である。
ここで「油脂分解性酵素分泌能」とは、油脂分解性酵素即ちリパーゼを細胞外に分泌する能力を有すること意味する。また「ラード分解能を有する」とは、具体的には15℃及び30℃の環境下において、3日後のラード分解能が初期濃度の40%以下に低減する能力を有することを意味する。また、「変異体」とは、該WU−LM1株と同等の性質、即ち、WU−LM1株と同等の「油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能」を有する変異体を意味する。また、同等とは10%以内の範囲で一致することを意味する。これら微生物の使用に際しては、液状であっても、乾燥固形分であっても良い。なお、ここで、「分解能」と「分解活性」は同義である。
また、本発明の別の形態は「上記1に記載のシュードモナス エスピー(Pseudomonas
sp.) WU−LM1株又はその変異体が細胞外に分泌する油脂分解性酵素。」である。
「油脂分解性酵素」とは、本発明の微生物を培養した上清中に含まれる油脂分解性の酵素である。廃水処理にあたっては、これら上清をそのまま使用してもよいし、これを濃縮あるいは精製して用いてもよい。使用に際しては、液状であっても、乾燥固形分であっても良い。「油脂分解性酵素」は、必ずしも1つの酵素に限定されるものではなく、複数のリパーゼを含んだ所謂「油脂分解性酵素組成物」であってもよい。通常は複数のリパーゼを含んだ「油脂分解性酵素組成物」である。また、ここで好ましい「油脂分解性酵素」は、30℃、3日後のリパーゼ活性が100(unit/l)以上のものである。
また、本発明の別の形態は「上記1記載のシュードモナス エスピー(Pseudomonas
sp.) WU−LM1株若しくはその変異体及び/又は上記2に記載の油脂分解性酵素を用いて油脂含有廃水を処理することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法。」である。
具体的にはグリストラップ中の油脂含有廃水の処理に関する。WU−LM1株とその変異体を単独で使用してもよいし、それらを併用しても良い。また、上記「油脂分解性酵素」を単独で用いてもよいし、「WU−LM1株若しくはその変異体」と併用してもよい。微生物投与の利点は、油脂分解性微生物それ自体がグリストラップ中で自然増殖するので、頻繁な投与が不要な点である。
WU−LM1株とその変異体は、粉末状にした微生物をグリストラップ中に直接投入してもよいし、これら微生物を固形状にしてグリストラップ中に吊り下げておいてもよいし、あるいは水に溶かしてボトルに入れ、ボトルから投入してもよい。水に溶かして点滴装置等で自動投入してもよい。また、浮遊性の軽量多孔質(例えば、軽石、ガラス発泡体、セラミックボール、不織布シート)にこれら微生物を担持させてグリストラップ中に浮かべてもよい。これら微生物のグリストラップ中への添加タイミングは、排水が停止された閉店後が望ましいが、開店中でもよい。
酵素は、微生物の培養上清をそのまま使用してもよいし、これを濃縮あるいは精製して用いてもよい。液状であっても、乾燥固形分であっても良い。添加タイミングは、微生物の場合と同様、閉店後が望ましいが開店中でもよい。酵素投与の利点は、微生物が界面活性剤や熱湯の存在により死滅する恐れがあるのに対して、酵素の場合はそのようなことがない点である。
また、本発明の別の形態は「油脂含有廃水がラードを含む廃水である上記3に記載の油脂含有廃水の処理方法。」である。ラードは、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸を相対的に多く含み、沸点も高いため常温では固体である。このように、ラードは不飽和脂肪酸に比べて化学的に安定な飽和脂肪酸から構成されるため、通常の微生物では十分に分解することができない。また、固体であるために、水中に溶解乃至分散されず、この点からしても微生物による分解は困難であった。しかるに、本発明の微生物及び/又は酵素はラードに対しても優れた分解能を有するので、ラードを含む廃水に対しても有効に対処することができる。
また、本発明の別の形態は「更に界面活性剤を併用することを特徴とする上記3又は4に記載の油脂含有廃水の処理方法。」である。界面活性剤は、それ自体は油脂分解能を有さないが、グリストラップ中の油脂成分、例えばラードを液中に溶解乃至は分散させて微生物や酵素との接触機会を増大し、油脂の分解を促進する。使用し得る界面活性剤は、微生物を死滅させないものであれば特に限定されるものでない。
界面活性剤としては、例えば、トリデセス‐3、直鎖第一級C12‐14アルコールのエチレンオキシド3モル付加物、直鎖第一級C12‐14アルコールのエチレンオキシド7モル付加物、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、コカミドジエタノールアミン、ラウラミンオキシド、αスルホメチルC12‐18ナトリウムエステル及びαスルホC12‐18脂肪酸二ナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルポリグリコシド、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、分枝、ノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、分枝、アルコキシル化直鎖アルコール、直鎖第一級C12‐14アルコールのエトキシル化物の混合物、直鎖アルキル硫酸塩、アルカノールアミド、炭酸マグネシウムに吸着されたオクチルフェノキシポリエトキシエタノール、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びイソプロピルアルコール、poe(6)トリデシルアルコール、ポリ(オキシ‐1,2‐エタンジイル)、α(ノニルフェニル)‐ωヒドロキシ等を挙げることができる。好ましくは、非イオン性の界面活性剤であり、特に好ましくはTween(登録商標)であり、特に好ましくはTween 60又はTween 80である。配合量は、微生物を死滅させない量であれば、特に制限はないが、好ましくは、微生物又は酵素に対して0.01〜10重量倍である。
また、本発明の別の形態は「シュードモナス エスピー(Pseudomonas
sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)又はその変異体を100乃至20,000倍に希釈して使用することを特徴とする上記3乃至5のいずれかに記載の油脂含有廃水の処理方法。」である。好ましい希釈率は、500乃至15,000倍である。
次に、本明細書中で用いられる用語について説明する。
本発明において用語「脂質」は、飽和又は不飽和の脂肪酸及びそのグリセリンエステルを含む動植物由来の油状の物質を意味する。また、それらが食用油の場合は、調理その他によって変性した変性油をも包含するものである。一般的には、常温で液状の油(oil)及び常温で固形の脂質(fat)を意味する。特に限定されるものではないが、好ましくは食用、調理に使用される動植物油である。具体的には、オリーブオイル、大豆油、菜種油、牛脂、ラード等を挙げることができる。また、成分的には、飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸を包含し、具体例としては、オレイン酸、リノール酸、ドコセン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、ミリスチン酸等を挙げることができる。
「飽和脂肪酸」は、パルチミン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸などがあり、牛脂やラードなどの動物性脂肪やパーム油の中に多く含まれる。飽和脂肪酸は、融点が高いため通常は固体であり、また、飽和であるがゆえに化学的に安定であって、不飽和脂肪酸に比べて分解に困難を伴う。
不飽和脂肪酸のうち「単価不飽和脂肪酸」は、1つの二重結合を有する不飽和脂肪酸を意味し、具体的には、オリーブ油、菜種油を挙げることができる。
「多価不飽和脂肪酸」は、2箇所以上の二重結合を有する不飽和脂肪酸を意味し、具体的には、α‐リノレン酸(シソ油など)、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、リノール酸等を挙げることができる。
「動植物油」とは、オリブ油,紅花油,大豆油等の植物油、ヘット(牛脂)、ラード(豚脂)等の動物油を意味する。植物油は、オレイン酸,リノール酸を多く含み通常は液体である。動物油は、パルミチン酸,オレイン酸,ステアリン酸を相対的に多く含み、通常は固体である。また、鯨やイルカなどの水生動物の油脂は不飽和脂肪酸(エイコペンタエン酸,ドコサヘキサエン酸など)を多く含むため液体である。
「廃油」または「油脂含有廃水」乃至「油脂含有排水」は、これらの油脂や油などを廃棄物として含有する廃水または排水を意味する。
「油脂分解性酵素分泌能」及び「ラード分解能」の意味については、上記したとおりである。
「細胞外に分泌する」とは、産生された酵素が完全に細胞外に放出され、細胞と分離することが可能なことを意味する。通常は、培養液中に放出される。したがって、本発明の微生物は、この意味において、特開2001−178451号公報に報告されるような膜結合型の酵素とは明確に区別され得る。
「油脂含有廃水を処理する」とは、上記「油脂含有廃水」中の「油脂」を該WU−LM1株からなる油脂分解性微生物及び/又は該微生物が産生する油脂分解性酵素(リパーゼ)で分解することを意味する。これにより、油脂含有廃水中の油脂を減少することができ、それによって汚染や悪臭などを減少するか、消失させることができる。
「16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有する油脂分解性シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)」とは、寄託番号が06−161である、16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有する油脂分解性シュードモナス
エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株であり、より詳しくは、Pseudomonasに含まれ、P.Koreesisに属する新菌株である。
グリストラップ中の油脂含有廃水の処理方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法に従って行なえばよい。例えば、営業を終了し、廃水の流入が停止する夜間に、本発明の微生物又は酵素をグリストラップに適量加えればよい。このとき、タイマーを用いて添加のタイミングを制御してもよい。微生物を使用する場合は、エアレーションポンプにより空気を送るのが好ましい。酵素を使用する場合は、微生物を培養したときの上清をそのまま使ってもよいし、それを濃縮、あるいは精製したものであってもよい。微生物及び酵素の形態は、粉末であってもよいし、あるいはそれら微生物又は酵素を含む液体であってもよい。また、該微生物と酵素を併用してもよい。
以下、具体的な試験例をもって説明する。しかし、本発明は、これら具体例に限定されるものでないことは言うまでもない。
1.試験材料と測定方法;
(1)使用油脂;
本試験で使用した主な油脂とその主成分の関係は下記表1のとおりである。
Figure 2008220225
(2)液体培地;
液体培地としては下記表2に示すMedium Aを用い、選択用平板培地は同じく下記表2に示すMedium Bを用いた。なお、基質は各種動植物性油脂(オリーブオイル、菜種油、大豆油、牛脂、ラード)を用いた。
Figure 2008220225
(3)模擬排水;
本実験で用いた模擬廃水の組成を下記表3に示す。
Figure 2008220225
(4)リパーゼ活性の測定方法
リパーゼ活性はリパーゼキットS(大日本製薬)を用いて分析した。なお、リパーゼ活性は三酪酸ジメルカプロールを基質としたとき、30℃で1分間当たり1 μmol SH基を遊離する酵素量を1 unitと定義した。
(5)模擬廃水を用いた油脂分解活性の測定方法
ここで、模擬廃水を用いた脂質分解能の測定は、模擬廃水200mlを500ml容器に入れ、次いで、1%濃度の前記前培養液、失活させた314微生物製剤を添加し、150rpm、30℃で3日間振盪培養し、JISK-0102に準拠してヘキサン抽出により残存油脂量を測定した。
前培養条件は、牛脂2%(w/v)を加えたLB培地、30℃、240rpmであり、培養時間は1日である。
2.微生物製剤314の30℃及び15℃における油脂分解能試験;
(1)30℃における公知微生物製剤314の分解能試験;
公知の314製剤を3,000倍に希釈して30℃で油脂類(オリーブオイル、大豆油、菜種油、牛脂及びラード)に対する分解活性を測定した。結果を表4に示す。オリーブオイル、大豆油、菜種油、牛脂については、8時間後にはその濃度が500mg/lから80〜125mg/lに低減することができた。なお、菜種油についてはオリーブオイルや大豆油に比べて油脂分解速度が若干遅かったが、これは菜種油の主構成脂肪酸がドコセン酸であって、炭素数が22と長いためと思われる。しかし、ラードについては、8時間後で410mg/lであって、その分解効果は十分なものでなかった。牛脂が分解され、ラードが分解されない理由は不明である。
(2)15℃における公知微生物製剤314の分解能試験
試験温度が15℃である点を除いて、上記(1)と同様にして試験を行った結果を表4に示す。8時間後の油・油脂濃度は、それぞれオリーブオイルが380mg/l、大豆油が420mg/l、菜種油が470mg/l、牛脂及びラードについては500mg/lであった。15℃における各種油脂分解率は30℃の場合と比べて低く、微生物製剤314は寒冷地や冬季の使用に対しては満足のいくものではなかった。
Figure 2008220225
上記表4から明らかなとおり、微生物製剤314は30℃においてはオリーブオイル、大豆油、菜種油、牛脂に対して分解活性を有するものの、ラードに対しては満足し得る分解能を示さなかった。また15℃においては実用化の面から効果が期待できないものであった。
3.油脂分解性微生物の探索;
低温条件下における効率的な油脂含有廃水処理を目的に、低温でも油脂分解活性の高い微生物を探索を行なった。具体的には、大型レストラン厨房の廃水サンプルより新株を探索した。液体培地としてMedium Aを用い、選択用平板培地としてMedium Bを用いた。Medium A及びMedium Bの組成は前記のとおりである。基質は、各種動植物性油脂(オリーブオイル、菜種油、大豆油、牛脂、ラード)を用いた。
その結果、廃水サンプルより新たに油脂分解微生物4株(A株、B株、C株及びD株)を分離することに成功した。このうちA株とB株が、特に高いリパーゼ活性、油脂分解活性を示した。また、いずれの株も培養液上清中に油脂分解性酵素(菌体外酵素)を産生していた。
これらA株とB株の同定を行い、更に菌体外酵素のSDS−PAGE分析、菌体外酵素量及びリパーゼ活性の測定を以下のとおり行なった。
(1)新規油脂分解性微生物の油脂分解能の測定;
油脂分解活性の測定は、前記の方法に従い、前記模擬廃水200mlを500ml容器に入れ、次いで、1%前培養液を加えて植菌し、150rpm、30℃で1日振盪培養し、JISK-0102に準拠してへキサン抽出により残存油脂量を測定した。
(2)リパーゼ活性の測定方法;
前記の「リパーゼ活性の測定方法」に従って実施した。
(3)新規油脂分解性微生物の同定と活性評価;
新規油脂分解性微生物4株(A株、B株、C株及びD株)について、168rRNA遺伝子解析により菌株の同定を行った。対照は、微生物製剤314から採取した菌株OFD1である。
評価結果は、下記表5のとおりであった。なお、A株の同定、特性の詳細については後述する。
Figure 2008220225
結果
A株、B株はPseudomonas sp.と高い相同性を示した。また、C株はPseudomonas aeruginosaと、D株はSerratia
liquefaciens、Serratia protemaculamsと高い相同性を示した.
Pseudomonas aeruginosa 、Serratia属はリパーゼの生産菌として報告例があるが、ともに日和見感染菌である。そのため、C株、D株はグリストラップの廃水処理には適さない。
また、A株、B株は微生物製剤314からの分離株であるBacillus sp. WU−OFD1よりも更に油脂分解活性、リパーゼ活性ともに高いため、グリストラップの廃水処理に有効であると考えられる。そこで、A株、B株を候補株とすこととした。また、A株を「WU−LM1」と名づけた。
(4)新規油脂分解微生物の菌体外酵素のSDS−PAGE分析
これら4つの株について、油脂分解微生物の培養液上清(菌体外酵素)のSDS−PAGE分析を行なった。
リパーゼの分子量は、一般的に、25〜65kDa という報告例が多い。A乃至Dのいずれの菌株もこの分子量の範囲にバンドが見られるため、リパーゼを菌体外酵素として分泌していると考えられる。しかし、単一のバンドではなく複数のバンドが見られたことから、複数の菌体外酵素が油脂分解に関与しているのではないかと考えられる。
(5)新規油脂分解微生物の生育と分解活性の測定
オリーブ油、牛脂に対してOFD1株よりも高い油脂分解活性を示したA株とB株について、その成育(OD660による)と時間経緯に対する分解活性および生育を測定した。比較のためにOFD1株についても同じ測定を行った。結果を表6、表7に示す。いずれも、30℃、3日後の測定結果である。
Figure 2008220225
Figure 2008220225
表6、表7から明らかなとおり、A株及びB株は、油脂分解能が優れているだけでなく、生育能にも優れている。
(6)新規油脂分解微生物が産生する菌体外酵素量とそのリパーゼ活性の測定
オリーブ油、牛脂に対してOFD1 株よりも高い油脂分解活性を示したA株とB株が産生する菌体外酵素の酵素量とリパーゼ活性を測定した。比較のためにOFD1株についても同じ測定を行った。結果を表8、表9に示す。いずれも、30℃、3日後の測定結果である。
Figure 2008220225
Figure 2008220225
結果
A株、B株は、高い油脂分解活性を示した。特にA株についてはOFD1株よりも高い油脂分解活性を示し、牛脂のような動物性油脂に対しても高い油脂分解活性を有することが明らかになった。
さらに、A株、B株は、オリーブ油分解、牛脂分解のどちらの場合においても、ともにOFD1株よりも高いリパーゼ活性(油脂分解能)を示した。特に、A株が非常に高いリパーゼ活性を示した。また、菌体外酵素のタンパク質量の結果から、単位タンパク質量当たりのリパーゼ活性としては、A株が特に高いことがわかる。
これらのことから、A株は高い油脂分解活性を有している菌株であり、油脂分解処理ににおいて極めて有望であることが伺い知れる。
(7)新規WU−LM1株(A株)の同定;
以下のとおり、WU−LM1株(A株)について更に詳しく分類及び菌学的特性の解析を行なった。
(i)培養条件;
培養温度30℃、LB寒天培地(1%トリプトン、0.5%乾燥酵母エキス、1%NaCl)で、24時間、好気培養して得られた菌株を供試菌体とした。
(ii)16S rDNA相同性検索;
抽出からサイクルシークエンスまでの操作は下記プロトコールに基づいて実施した。
・DNA抽出 InstaGene Matrix (BIO RAD, CA, USA)
・PCR PrimeSTAR HS DNA Polymerase(タカラバイオ,滋賀)
・サイクルシークエンス BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit
(Applied Biosystems, CA, USA)
・使用プライマー 9F, 339F, 785F, 1099F, 536R, 802R, 1242R, 1510R
・シークエンス ABI PRISM 3100 Genetic Analyzer System
(Applied Biosystems, CA, USA)
・解析ソフトウェア Auto Assembler (Applied Biosystems, CA, USA)
DNASIS Pro(日立ソフトウェアエンジニアリング、東京)
・相同性検索 細菌基準株データべース(テクノスルガ、静岡)
国際塩基配列データペース(GenBank/DDBJ/EMBL)
(iii)細菌第1段階試験;
光学顕微鏡による形態観察およびBARROW1)らの方法に基づき、カタラーゼ反応、オキシダーゼ反応、ブドウ糖からの酸/ガス産生、ブドウ糖の酸化/発酵(O/F)について試験を行った。
・グラム染色 フェイバーG「ニッスイ」(日水製薬、東京)
・顕微鏡 光学顕微鏡BX50F4(オリンパス、東京)
結果は、以下のとおりであった。
Figure 2008220225
(iv)細菌第2段階試験;
細菌第2段階試験にはAPI 20NE(bioMerieux. Lyon,
France)キットを用いた。
また、蛍光色素の産生等について追加試験を行った。結果は、下記のとおりである。
Figure 2008220225
(v)結論;
BRAST2)をもちいた細菌基準株データべースに対する相同性検索の結果、A株(WU−LM1株)の16S rDNA塩基配列はPseudomonas由来の16S rDNA に対し高い相同性を示し、相同率99.4%でP. Koreensis3) Ps 9-14株の16S rDNAに対し最も高い相同性を示した。
GenBank/DDBJ/EMBLに対する相同性検索の結果においても、A株(WU−LM1株)の16S rDNAはPseudomonas由来の16S rDNA に対し高い相同性を示したが、基準株由来の16S rDNA は検索されなかった。また、A株(WU−LM1株)の16S rDNA と細菌基準株データべースに対する相同性検索上位30株の16S rDNAをもちいて行った簡易分子系統解析の結果、A株(WU−LM1株)はP.Koreesisの16S rDNAと系統枝を形成した。
上記のことから、A株(WU−LM1株)はPseudomonasに含まれ、P.Koreesisに帰属する可能性もあると考えらる。
しかし、両者の16SrDNAは完全には一致しておらず、A株(WU−LM1株)がP.Koreesis に近縁であるものの、種としては異なる菌株である可能性もある。よって、今回の16S rDNA 塩基配列解析の結果からは、A株(WU−LM1株)をP.Koreesisに近縁なPseudomonas sp.と推定した。
細菌第1段階試験の結果、A株(WU−LM1株)は運動性を有するグラム陰性桿菌で、グルコースを酸化し、カタラーゼ反応およびオキシダーゼ反応ともに陽性を示した。API キットを用いた細菌第2段階試験の結果、A株(WU−LM1株)は硝酸塩を還元せず、アルギニンジヒドロラーゼ活性を示し、グルコース、アラビノース等を資化した。さらに、追加試験の結果、A株(WU−LM1株)はKing’s B寒天上で蛍光色素を産生し、4℃では生育するものの、41℃では生育しなかった。また、5% NaCIを含有する培地では生育せず、レバンを産生せず、レシチナーゼ活性を示さず、リパーゼ活性を示した。これらの性状は16S rDNA塩基配列解析において近縁性が示唆されたP.Koreesisと類似する点が多いと考えらる。しかし、5%NaCIで生育しない点はP.Koreesis の性状と異なった。
以上のことから、A株(WU−LM1株)はPseudomonas
に含まれ、既知種ではP.Koreesisに最も近縁と考えらる。しかし、16S rDNA塩基配列解析および生理生化学性状試験の結果は、A株(WU−LM1株)がP.Koreesisとやや異なることを示唆していた。
よって、今回の細菌Premium試験の結果からは、A株(WU−LM1株)をP.Koreesisに近縁なPseudomonas sp.とすることが妥当と考えられる。
WU−LM1株(A株)は、2007年2月28日に独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センターに寄託した。受領番号はNITE AP−324である。
また、16S rDNAは配列番号:1に示すとおりである。
1);BARROW,(G.1.)
and FELTHANM, (R.K.A.): Cowal and Steel’s Manual for the Identification of
Medical Bacteria. 3rd edition. 1993, Cambridge University Press.
2);ALTSCHUL,
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and LIPMAN, (D.J.):Gapped BLAST and PS1-BLAST:a new
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3);KWON(S.W.),
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4.各種温度条件下におけるWU−LM1株(A株)の油脂分解活性
次に、上記実施例に従って得られたWU−LM1株(A株)の15℃、30℃における各種油脂に対する油脂分解活性を測定した。対照としては、微生物製剤314を用いた。
(1)模擬廃水を用いた油脂分解活性の測定方法
前述した「模擬廃水」を用いて、前述の「模擬廃水を用いた油脂分解活性の測定方法」に従って実施した。
(2)リパーゼ活性の測定方法
前述の「リパーゼ活性の測定方法」に従って実施した。
(3)使用油脂
油脂は、表1に記載される各種油脂を用いた。
4−1.30℃における各種油脂に対する分解活性等の測定
グリストラップ運転時における最も標準的な温度であると思われる30℃におけるPseudomonas sp. WU−LM1株の各種油脂に対する分解活性およびWU−LM1株由来のリパーゼ活性を測定した。併せて、生育能についても測定した。なお、対照として微生物製剤314を用いた。結果を、表12〜14に示す。いずれも、30℃、3日後の測定結果である。
Figure 2008220225
Figure 2008220225
Figure 2008220225
結果
WU−LM1株は、微生物製剤314よりも大幅に高いリパーゼ活性を示し(表13参照)、また、動植物性油脂に対して高い分解活性を示した(表12参照)。特に、動物性油脂に対しては微生物製剤314よりも高い分解活性となった。生育性についても、WU−LM1株は微生物製剤314よりも約2倍近い生育性を示した。
4−2.15℃における各種油脂に対する分解活性等の測定
寒冷地乃至は冬季を想定して15℃におけるPseudomonas sp. WU−LM1株の各種油脂に対する分解活性およびリパーゼ活性を測定した。微生物製剤314についても同様の実験を行い、比較した。結果を、表15〜17に示す。いずれも、30℃、3日後の測定結果である。
Figure 2008220225
Figure 2008220225
Figure 2008220225
結果
WU−LM1株は、15℃という低温条件下においても生育・増殖が可能であり、各種油脂に対して微生物製剤314よりも高い分解活性およびリパーゼ活性を示した。このことから、WU−LM1株が、低温における油脂分解処理にも極めて適していることがわかる。
5.界面活性剤(Tween 80)の添加による影響
界面活性剤(Tween 80)の添加の有無による油脂分解活性への影響について、WU−LM1株の15℃、30℃におけるオリーブ油、ラードに対する分解活性を測定した。
その結果、界面活性剤(Tween 80)の添加により、油脂分解活性およびリパーゼ活性がやや高くなることが確認された。
6.WU−LM1株の希釈率の検討
WU−LM1株を用いた微生物製剤の希釈率と油脂分解能に関する検討を行った結果では、希釈率が10倍〜20,000倍の範囲で良好な結果が得られた。特に好ましい範囲は500倍〜10,000倍の範囲であった。
7.WU−LM1株の現場導入試験
実験室にて培養したPseudomonas sp. WU−LM1株の培養液に界面活性剤(Tween 80)を加えて微生物製剤とした。微生物製剤100mlに70l(70,000ml)の水を加えてポリタンクで希釈した後、中型日本料理店厨房グリストラップ内へ営業時間終了後に希釈液を投入した。その後、曝気装置を用いて曝気を行いながら、油脂分解処理を行った。
結果
WU−LM1株を用いた微生物製剤導入前はグリストラップ廃水中の油脂量は1,500〜2,500mg/lであり、油脂が多量に目視できる状態であったが、WU−LM1株を用いた微生物製剤導入後4日目には油脂量は150mg/lと大幅に減少し、グリストラップは著しく清澄となり、WU−LM1株が廃水の油脂分解処理に有効であることが実証された。
8.WU−LM1株から産出される酵素の油脂分解活性
模擬廃水200mlにWU−LM1株の培養上清1−5%を添加して、30℃、15℃および45℃におけるオリーブオイルおよびラードに対する分解活性を測定した。
8−1.30℃における分解活性の測定結果
WU−LM1株培養上清の添加量の増大にしたがってオリーブオイルおよびラードに対する分解活性が増加し、5%添加したものはオリーブオイルおよびラードに対する分解活性がWU−LM1株の分解活性とほぼ同等であることが認められた。
8−2.15℃における分解活性の測定結果
WU−LM1株培養上清の添加量の増大にしたがってオリーブオイルおよびラードに対する分解活性が増加し、5%添加したものはオリーブオイルおよびラードに対する分解活性がWU−LM1株の分解活性とほぼ同等であることが認められた。
8−3.45℃における分解活性の測定結果
45℃において、WU−LM1株の油脂分解活性はオリーブオイルおよびラードに対していずれも低い値であったが、WU−LM1株培養を添加したものは上清の添加量の増大にしたがってオリーブオイルおよびラードに対する分解活性が増加し、5%添加したものはオリーブオイルおよびラードに対して相当高い分解活性を示した。
45℃においてはWU−LM1株は生育できないために油脂分解活性が低い値を示すが、WU−LM1株の菌体外酵素は45℃でも高い油脂分解活性を有していると考えられる。
上記のとおり、本件発明の油脂分解性シュードモナス エスピー(Pseudomonas
sp.)WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)は、相同性は既存の菌のそれに近似するものの、菌体外に酵素を産生すること、また、5%NaClでは生育しないこと、ラードに対して従来品に比べて顕著な分解活性を有すること、低温でも優れた油脂分解活性を有することなどからして、明らかに新種の株であると言える。
本WU−LM1株は、これまで困難であったラードに対して特に優れた分解能を有志し、また、低温領域においても優れた油脂分解能を有する。該WU−LM1株が菌体外に産生する酵素もまた優れた油脂分解活性を有する。
本件発明の油脂分解性シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)及び該WU−LM1株と同等の油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有するその変異体は、通常の条件下で広範囲な動植物性油脂・油に対して優れた油脂分解効果を有するだけでなく、特にラードに対しても有効な分解能を有し、かつ、冬季・寒冷地の低温条件下でもその油脂分解効果を発揮する。したがって、ラードを多用するレストラン、寒冷地におけるレストラン等において効果的に利用することができる。

Claims (6)

  1. 油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有する、16SリボソームRNA遺伝子が配列表の配列番号1に記載の部分塩基配列を有する油脂分解性シュードモナス
    エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株(受領番号;NITE AP−324)及び該WU−LM1株と同等の油脂分解性酵素分泌能及びラード分解能を有するその変異体。
  2. 請求項1に記載のシュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株又はその変異体が細胞外に分泌する油脂分解性酵素。
  3. 請求項1に記載のシュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株若しくはその変異体及び/又は請求項2に記載の油脂分解性酵素を用いて油脂含有廃水を処理することを特徴とする油脂含有廃水の処理方法。
  4. 油脂含有廃水がラードを含む廃水である請求項3に記載の油脂含有廃水の処理方法。
  5. 更に界面活性剤を併用することを特徴とする請求項3又は4に記載の油脂含有廃水の処理方法。
  6. シュードモナス エスピー(Pseudomonas sp.) WU−LM1株又はその変異体を10乃至20,000倍に希釈して使用することを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の油脂含有廃水の処理方法。
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