JP2008218253A - 電気光学装置の製造方法、乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロセスマージンが広く、制御性が向上した電気光学装置の製造方法、および乾燥装置を提供する。
【解決手段】基板100上に、機能性材料と溶媒等とからなる液材のパターンを複数個形成する液材供給工程と、液材のパターンを基板100に垂直な仕切り部材110で区画する区画工程と、基板100を減圧雰囲気に晒すことにより溶媒等を乾燥除去して機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥工程と、を含む電気光学装置の製造方法。
【選択図】図7
【解決手段】基板100上に、機能性材料と溶媒等とからなる液材のパターンを複数個形成する液材供給工程と、液材のパターンを基板100に垂直な仕切り部材110で区画する区画工程と、基板100を減圧雰囲気に晒すことにより溶媒等を乾燥除去して機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥工程と、を含む電気光学装置の製造方法。
【選択図】図7
Description
本発明は、電気光学装置の製造方法、乾燥装置に関する。
電気光学装置の製造における薄膜パターンの形成方法として、薄膜形成材料と溶媒または分散媒とからなる液材を滴下し、上記溶媒または分散媒を乾燥除去するインクジェット法がある。有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と称する。)の機能層の形成等に多用されている。
インクジェット法の課題のひとつとして乾燥ばらつきがある。基板上に形成された液材パターン間の乾燥速度が異なると、形成後の薄膜パターンの膜質にも影響が及び、表示特性等のばらつきの原因となり得る。
かかる乾燥ばらつきを抑制する手段として、滴下された液材を急速に乾燥させる手法が提案されている(特許文献1)。
インクジェット法の課題のひとつとして乾燥ばらつきがある。基板上に形成された液材パターン間の乾燥速度が異なると、形成後の薄膜パターンの膜質にも影響が及び、表示特性等のばらつきの原因となり得る。
かかる乾燥ばらつきを抑制する手段として、滴下された液材を急速に乾燥させる手法が提案されている(特許文献1)。
しかし、急速に乾燥を生じさせる手法は制御が困難でプロセスマージンが狭いため、却ってばらつきを増大させかねないという課題がある。実施形態は、かかる課題を解決するためになされたものであり、プロセスマージンが広く、制御性が向上した電気光学装置の製造方法、および乾燥装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかる電気光学装置の製造方法は、基板上に、機能性材料と溶媒または分散媒とからなる液材のパターンを複数個形成する液材供給工程と、上記液材のパターンを上記基板に垂直な仕切り部材で区画する区画工程と、上記基板を減圧雰囲気に晒すことにより上記溶媒または上記分散媒を乾燥除去して上記機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥工程と、を含む。
かかる製造方法によれば、各パターン間の気流の流れを抑制して、上記溶媒または分散媒の蒸気密度のばらつきを抑制できる。したがって、各液材のパターンの乾燥速度を均一化でき、電気光学装置の表示特性等のばらつきを抑制できる。
好ましくは、上記仕切り部材の延長方向には負圧供給源に連通する排気口が配置されており、上記減圧雰囲気は、仕切り部材内の気体を当該仕切り部材内に沿って吸引することにより形成されることを特徴とする。
かかる製造方法によれば、仕切り部材の内部の蒸気を垂直方向に吸引するため、横方向の流動をより一層抑制できる。したがって、各パターン間の蒸気密度のばらつきをより一層抑制でき、各液材のパターンの乾燥速度をより一層均一化できる。
また、好ましくは、上記乾燥工程は、上記基板が上記負圧供給源と連通するチャンバー内に保持された状態で行われ、上記乾燥工程の後に、減圧雰囲気を維持しつつ、上記仕切り部材を上記チャンバー内において移動させる工程をさらに含むことを特徴とする。
かかる製造方法によれば、仕切り部材を用いて形成された機能性材料からなる薄膜パターン上に、当該薄膜の表面を大気に晒すことなく、連続的に他の薄膜を形成できる。したがって、乾燥ばらつきの抑制と、薄膜の連続的な形成による膜質の向上を両立でき、より一層品質の向上した電気光学装置を得ることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明にかかる乾燥装置は、基板上に配置された機能性材料と溶媒または分散媒とからなる液材のパターンを、減圧雰囲気に晒すことにより乾燥させて上記機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥装置であって、上記液材のパターンを区画する仕切り部材を備えることを特徴とする。
かかる乾燥装置によれば、パターン間の気流の流れを抑制して、上記溶媒または分散媒の蒸気密度のばらつきを抑制できる。したがって、液材のパターン間の乾燥速度を均一化でき、パターン間の膜質のばらつきを抑制できる。
好ましくは、上記乾燥装置は上記仕切り部材の延長方向に負圧供給源、または負圧供給源に連通する排気口を備えており、仕切り部材内の気体を、当該仕切り部材に沿った方向に吸引して上記減圧雰囲気を形成することを特徴とする。
かかる乾燥装置によれば、上記仕切り部材内の気体を一定方向に吸引できるため、パターン間の気流の流れをより一層抑制できる。したがって、液材のパターン間の乾燥速度をより一層均一化でき、パターン間の膜質のばらつきをより一層抑制できる。
また、好ましくは、上記乾燥装置は上記仕切り部材で区画された基板を収容し、内部を減圧雰囲気に保ちつつ、上記仕切り部材を移動させることが可能なチャンバーをさらに備えることを特徴とする。
かかる乾燥装置によれば、仕切り部材を用いて形成された機能性材料からなる薄膜パターン上に、当該薄膜の表面を大気に晒すことなく、連続的に他の薄膜を形成できる。したがって、仕切り部材を使用する機能と連続的に薄膜を形成する機能とを両立でき、仕切り部材を使用できる工程の範囲を広げることができる。
また、好ましくは、上記乾燥装置は、上記基板を加熱する加熱手段をさらに備えることを特徴とする。
かかる乾燥装置によれば、減圧による乾燥と加熱による乾燥を併用でき、パターン間の乾燥速度の均一性を損なわずに、生産性を向上できる。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、以下の説明で用いる図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、これらの縮尺を実際のものとは異なるように表わしている。
上述したように本発明は電気光学装置、特に有機EL素子を構成要素とする電気光学装置の製造における薄膜形成工程にかかるものである。そこで最初に有機EL素子、および当該素子を用いる電気光学装置の概要を述べ、その後に本発明の原理、及び実施形態を述べる。
上述したように本発明は電気光学装置、特に有機EL素子を構成要素とする電気光学装置の製造における薄膜形成工程にかかるものである。そこで最初に有機EL素子、および当該素子を用いる電気光学装置の概要を述べ、その後に本発明の原理、及び実施形態を述べる。
(有機EL素子)
図1は、有機EL素子を、当該素子を駆動する駆動用TFTと共に示す模式断面図である。基板20上には駆動用TFT22が形成され、その上層には中継電極25を介して有機EL素子30が形成されている。
図1は、有機EL素子を、当該素子を駆動する駆動用TFTと共に示す模式断面図である。基板20上には駆動用TFT22が形成され、その上層には中継電極25を介して有機EL素子30が形成されている。
駆動用TFT22は、島状に形成された多結晶シリコン膜からなる半導体層23と、当該半導体層上にゲート絶縁膜26を介して形成されたゲート電極24とからなる。そして、ゲート電極24への電圧の供給によってオン/オフが切り替わり、オン状態となった場合には、図示しない制御回路から供給される駆動電流を画素電極40に供給する。
画素電極40上には、当該画素電極を底部とし隔壁60で周囲を囲まれた凹部が形成されている。そして当該凹部内に、下層から順に、正孔注入層31、正孔輸送層32、有機発光層33、電子輸送層34、および電子注入層35の、各機能性材料からなる薄膜(以下、「機能層」と称する。)が形成されている。
有機発光層33は、エレクトロルミネッセンス現象を発現する有機発光物質の層である。画素電極40と陰極層50との間に電圧を印加することによって、有機発光層33には、画素電極40側から正孔が、また、陰極層50側から電子が注入される。有機発光層33は、これらが結合したときに発光する。有機発光層33を形成する材料の選択により赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光させることができる。
正孔輸送層および電子輸送層は、それぞれ有機発光層への正孔輸送性、電子輸送性を高めて発光効率を向上させる層である。また、正孔注入層および電子注入層は、それぞれ画素電極40、陰極層50からの正孔注入効率、電子注入効率を高めて発光効率を向上させる層である。
画素電極40上に隔壁60で囲まれた凹部を形成するのは、上記各層をインクジェット法で形成するためである。機能性材料と溶媒または分散媒(以下、「溶媒等」と称する。)とからなる液材を上記凹部内に滴下し、上記溶媒または分散媒を乾燥除去する工程を繰り返すことで、上記機能性材料からなる薄膜パターンを積層できる。
機能層を形成後、その上層には陰極層50が全面に形成される。陰極層50は電気光学装置を構成する複数の有機EL素子の陰極側を共通電位とするもので、蒸着法やスパッタ法等により形成されるAl等の薄膜が用いられる。後述するように、機能層形成後、酸素を含む大気雰囲気に晒さず陰極成膜工程へ移行することで、品質の向上した陰極層を得ることができる。
図2は、上記の有機EL素子を用いる電気光学装置の一例である。図2(a)は、有機EL素子82をマトリクス状に配置した表示装置80である。赤、緑、青の3原色をそれぞれ発光させる有機EL素子を規則的に配置して表示領域とし、その周囲に形成した外部回路84で制御することでカラー画像を表示するものである。図2(b)は、有機EL素子を一列に配置したレーザープリンタ用のラインヘッド90である。一列に並ぶ有機EL素子92を制御回路94で点滅させて、対向配置され相対的に移動する感光体ドラム等の像担持体上に画像を形成できる。
上述するように、上記の電気光学装置はマトリクス状または一列に配置された一群の有機EL素子を有している。かかる有機EL素子の機能層をインクジェット法で形成する際において、上記凹部内に滴下された液材から溶媒等が乾燥除去される前の段階が、請求項に記載するところの液材のパターンである。つまり、液材のパターンとは、1つの電気光学装置を構成するマトリクス状または一列に配置された一群のドット状の液材である。上記のどちらの電気光学装置も、1枚の基板に複数個形成して後工程で切り分けて個々の装置とする手法が一般的である。したがって、機能層の形成過程では、液材のパターンが基板上に複数個配置される。
上述する電気光学装置の形成過程における課題として、乾燥速度のばらつきに起因する機能層の膜質(層質)ばらつきがある。滴下した液材から溶媒等を乾燥除去して機能層とする際、上記溶媒等の蒸気の一部が、基板表面に沿ってランダムに移動する。その結果、基板表面において蒸気密度の差が生じ、乾燥速度にもばらつきが生じる。
乾燥速度のばらつきは、形成後の機能層の性質に影響を及ぼすことが経験的に明らかとなっている。そして、その影響は1つの電気光学装置内の有機EL素子間、すなわちパターン内ではなく、電気光学装置間、すなわちパターン間に強く現れる。つまり、インクジェット法を用いて1枚の基板上に複数の電気光学装置を形成した後、切り分けて個々の装置とする場合、装置間の特性にばらつきが生じ得る。本発明は、溶媒等の蒸気の基板表面に沿った流動を制限して基板内の乾燥速度のばらつきを抑制することにより、インクジェット法を用いて1枚の基板から複数個製造する場合において装置間の特性を均一化するものである。
(本発明の原理)
図3および図4は、本発明における仕切り部材と液材パターンとの関係を模式的に示す斜視図である。図3では、基板100上に、表示装置80において将来的にはマトリクス状の有機EL素子82(図2(a)参照)となる液材パターンが配置されている。また、図4では、基板100上に、ラインヘッド90において将来的には一列に並ぶ有機EL素子92(図2(b)参照)となる液材パターンが配置されている。そして仕切り部材110は、各々の液材のパターンを個別に囲む板状部材が集合した網目状または格子状の部材であり、基板100上に上方から降下して押し当てられる。
図3および図4は、本発明における仕切り部材と液材パターンとの関係を模式的に示す斜視図である。図3では、基板100上に、表示装置80において将来的にはマトリクス状の有機EL素子82(図2(a)参照)となる液材パターンが配置されている。また、図4では、基板100上に、ラインヘッド90において将来的には一列に並ぶ有機EL素子92(図2(b)参照)となる液材パターンが配置されている。そして仕切り部材110は、各々の液材のパターンを個別に囲む板状部材が集合した網目状または格子状の部材であり、基板100上に上方から降下して押し当てられる。
液材パターンが形成された基板100上の、当該基板を切り分けるライン上に仕切り部材を押し当てると、隣接する液材パターン間の気体の流れを、基板100から所定以下の高さまでは遮断できる。したがって、仕切り部材110を押し当てた状態で基板周囲を真空引きして液材パターンから溶媒等を乾燥除去すると、当該溶媒等の蒸気は上方向(基板に垂直な方向)にのみ移動する。各々の液材パターンに含まれる溶媒等の量は略同一なので、仕切り部材110で囲まれた領域の蒸気密度は略同一となる。すなわち液材パターンから溶媒等を乾燥除去する際の蒸気密度が液材パターン間では殆んど差がなくなるため、乾燥速度の差も殆んどなくなり、乾燥速度の差に起因する膜質のばらつきが抑制される。
上記図3、図4では、仕切り部材110は基板100に垂直な部分のみ有しているが、その上方に別の部材を接続して、仕切り部材110自体を真空チャンバーとして機能させることもできる。また、仕切り部材110を真空チャンバー内に収める場合においても、真空引きの方向を工夫して、各々の液材パターン間の蒸気密度のばらつきを一層抑制できる。以下、かかる態様の実施形態を述べる。
(第1実施形態)
図5に、本発明の第1実施形態にかかる仕切り部材を備えた乾燥装置を示す。本実施形態にかかる乾燥装置101の仕切り部材110は、液材パターンを区画する下部部材111と、下部部材111の最外周の部分と一体化して基板表面を包み込む上部部材112と、で形成されている。下部部材111は、図3および図4に示すように基板上の液材パターンを所定の高さまで区切り、上部部材112は、排気口120を除いて基板上を覆っている。
図5に、本発明の第1実施形態にかかる仕切り部材を備えた乾燥装置を示す。本実施形態にかかる乾燥装置101の仕切り部材110は、液材パターンを区画する下部部材111と、下部部材111の最外周の部分と一体化して基板表面を包み込む上部部材112と、で形成されている。下部部材111は、図3および図4に示すように基板上の液材パターンを所定の高さまで区切り、上部部材112は、排気口120を除いて基板上を覆っている。
基板テーブル130は上面が弾力性を有し、また下部部材111の基板と接する部分も同じく弾力性を有している。そのため、仕切り部材110で基板を基板テーブル130に押し付けると、基板100の表面と仕切り部材110で形成される空間は、排気口120を除いて気密状態となる。また、排気口120は図示しない負圧供給源と連通し、仕切り部材110内を真空引きできる。つまり仕切り部材110は、基板上面を覆う真空チャンバーとして機能する。したがって、基板に仕切り部材110を被せ、内部を真空にして、液材パターンから溶媒等を乾燥除去できる。
上記乾燥除去により発生する蒸気は、下部部材111で区切られる高さまでは上方向のみに移動するため、各液材パターン間の蒸気密度の差は抑制される。上部部材112で囲まれる領域では、蒸気は基板100に水平な方向に移動可能である。しかし、排気口120が基板100と対向する位置にあるため、殆どの蒸気は上方向にのみ移動し、隣接する区画(液材パターンと下部部材111で形成される領域)に流入することは抑制される。したがって、個々の区画が直接排気口120に連通していなくても、各液材パターン間の蒸気密度の差を充分抑制でき、乾燥速度を略一定に保てる。その結果、各液材パターン間において乾燥速度の差に起因する膜質のばらつきを抑制でき、1枚の基板上に、品質ばらつきの抑制された複数個の電気光学装置を形成できる。
本実施形態にかかる乾燥装置101は、液材パターンを区画する下部部材111とその上部を覆う上部部材112を一体化させ、また負圧供給源と連通させることにより、仕切り部材110を真空チャンバーとして機能させていることが特徴である。仕切り部材110を基板100に被せ、内部を真空引きすることのみで各液材パターンの乾燥速度を均一化できるため、工程数を増加させることなく基板100上に膜質ばらつきの少ない薄膜のパターンを形成できる。
(第2実施形態)
図6に、本発明の第2実施形態にかかる仕切り部材を備えた乾燥装置を示す。本実施形態にかかる乾燥装置102は、仕切り部材110が複数の排気口を備えていること、そして基板テーブル130が基板100を加熱可能な加熱手段140を備えていることが特徴である。
図6に、本発明の第2実施形態にかかる仕切り部材を備えた乾燥装置を示す。本実施形態にかかる乾燥装置102は、仕切り部材110が複数の排気口を備えていること、そして基板テーブル130が基板100を加熱可能な加熱手段140を備えていることが特徴である。
仕切り部材110の上部部材112は、排気口を3行3列で計9個備えており、共通の負圧供給源に連通している。各々の排気口120の径は第1実施形態にかかる乾燥装置101と同様なので、基板100と対向する面内における排気口120が占める面積が大きい。また、上記9個の排気口120は等間隔で配置されているため、上部部材で形成される空間内の大気を均一に吸引できる。したがって、上部部材112で形成される空間内においても大気の流れを基板100に垂直な方向に揃えることができ、下部部材111で区画される空間内の流れをより一層上方向のみに揃えられる。その結果、下部部材111で区切られる各々の区画間における溶媒等の蒸気の流動をより一層抑制し、乾燥速度の差に起因する膜質のばらつきをより一層抑制できる。
また、基板100を加熱手段140により加熱できるので、溶媒等をより一層短時間で乾燥除去できる。したがって、本実施形態にかかる乾燥装置102は、乾燥速度の差に起因する膜質のばらつきをより一層抑制でき、品質ばらつきの抑制された複数個の電気光学装置を、より高い生産性をもって形成できる。
(第3実施形態)
図7、および図8を用いて、本発明の第3実施形態にかかる乾燥装置および電気光学装置の製造方法について説明する。図7は、本実施形態にかかる乾燥装置と当該乾燥装置を収めた真空チャンバーである。そして、図8は、本実施形態にかかる電気光学装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。
図7、および図8を用いて、本発明の第3実施形態にかかる乾燥装置および電気光学装置の製造方法について説明する。図7は、本実施形態にかかる乾燥装置と当該乾燥装置を収めた真空チャンバーである。そして、図8は、本実施形態にかかる電気光学装置の製造方法の工程を示すフローチャートである。
本実施形態の製造方法は、電気光学装置を構成する有機EL素子の5層からなる機能層の内の最上層である電子注入層35の溶媒等を乾燥除去する工程と、その上層のAl等からなる陰極層50を形成する工程にかかるものである。そして、本実施形態にかかる乾燥装置103は、真空チャンバー(以下、「チャンバー」と称する。)200内に乾燥装置103と、基板100上に薄膜を形成するスパッタ装置260および、上記装置間で基板100を移動できる基板搬送装置250を備えていることが特徴である。なお、スパッタ室は蒸着室であっても構わない。
図7に示すように、乾燥装置103は基板テーブル130と、仕切り部材110とからなる。仕切り部材110は図示しない駆動機構により上下動可能であり、上面には複数の排気口120が形成されている。チャンバー200は、真空ポンプ210と当該ポンプに連通する排気管220を有しており、排気管220の先端は複数に分岐して、仕切り部材110の複数の排気口120にそれぞれ対向する位置に接続されている。
またスパッタ装置260は、陰極層50の形成材料であるAlターゲット290を有し、陽極280上に載置された基板100の表面にAlの薄膜を形成できる。そして、基板搬送装置250は乾燥装置103とスパッタ装置260との間で基板100を移動させることができる。
次に、図8のフローチャートに従い、本実施形態にかかる電気光学装置の製造方法の一例を述べる。材料構成によっては、フローチャートはこの限りではない。
最初の工程S1では、基板テーブル130上に基板100を載置した後、仕切り部材110を基板100上に降下させて、基板100を基板テーブル130上に押し付ける。上述したように、本実施形態は電子注入層35とその上層のAlからなる陰極層50を形成する工程にかかるものであり、基板100上には、電子注入層35の形成材料と溶媒等からなる液材のパターンが形成されている。
次の工程S2では、チャンバー200内の大気を、排出すなわち真空引きする。真空ポンプ210を起動して、排気管220を介してチャンバー内の大気をチャンバー200の外部ヘと放出する。仕切り部材110はチャンバー200内で開放状態にあるので、当該仕切り部材内も真空状態となり、基板100上の液材パターンから溶媒等が乾燥除去される。
ここで、排気管220の先端は、上述するように仕切り部材110の複数の排気口120にそれぞれ対向する位置に接続されている。したがって、蒸気は排気管220へ向かって吸引され、隣接する液材パターン間の蒸気の移動は抑制される。その結果、基板100の面内での乾燥速度のばらつきが抑制されて、膜質均一性の高い薄膜パターンが形成される。
次の工程S3では、チャンバー200内を窒素ガス等の不活性雰囲気に調整する。バルブ230を開き窒素ガス供給源240からチャンバー200内に所定の気圧に達するまで、窒素ガス等を導入する。
次の工程S4では、仕切り部材110を上昇させて基板100を移動可能とする。仕切り部材内(乾燥装置内)とチャンバー200内は同一の気圧のため、圧力の調整等は不要である。
次の工程S5では、基板100を乾燥装置103からスパッタ装置260に移載する。基板搬送装置250により、乾燥装置103の基板テーブル130上から基板100を排出する。そしてスパッタ装置260の搬入口270を開き、陽極280上に基板100を載置する。
次の工程S6では、基板100上全面に、スパッタ法により陰極層50としてのAlの薄膜を形成する。搬入口270を閉じ、陽極280と陰極であるAlターゲット290との間に電圧を印加して、Alターゲット290から放出されるAlの微粒子を基板100上に堆積させてAl薄膜を得る。この工程は蒸着等他の成膜方法でも構わない。
本実施形態にかかる乾燥装置103および電気光学装置の製造方法では、チャンバー200内に乾燥装置とスパッタ装置もしくは蒸着装置とを併設していることが特徴である。機能層の最上層である電子注入層35を形成後の基板100を大気に晒さずにスパッタ装置260内に搬入し、Alからなる陰極層50を形成でき、品質の向上した電気光学装置を形成できる。
また、基板100上の液材パターンを単に仕切り部材110で仕切るだけでなく、液材パターンと対向する位置から排気(真空引き)するため、隣接する液材パターン間の溶媒等の乾燥速度をより一層均一化できる。その結果より一層均一な膜質の機能層を形成でき、品質の向上した電気光学装置を形成できる。
20…基板、22…駆動用TFT、23…半導体層、24…ゲート電極、25…中継電極、26…ゲート絶縁膜、30…有機EL素子、31…正孔注入層、32…正孔輸送層、33…有機発光層、34…電子輸送層、35…電子注入層、40…画素電極、50…陰極層、60…隔壁、80…表示装置、82…有機EL素子、84…外部回路、90…ラインヘッド、92…有機EL素子、94…制御回路、100…基板、101…乾燥装置、102…乾燥装置、103…乾燥装置、110…仕切り部材、111…下部部材、112…上部部材、120…排気口、140…加熱手段、200…真空チャンバー、210…真空ポンプ、220…排気管、230…バルブ、240…窒素ガス供給源、250…基板搬送装置、260…スパッタ装置、270…搬入口、280…陽極、290…Alターゲット。
Claims (7)
- 基板上に、機能性材料と溶媒または分散媒とからなる液材のパターンを複数個形成する液材供給工程と、
前記液材のパターンを前記基板に垂直な仕切り部材で区画する区画工程と、
前記基板を減圧雰囲気に晒すことにより前記溶媒または前記分散媒を乾燥除去して前記機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥工程と、
を含む電気光学装置の製造方法。 - 前記仕切り部材の延長方向には負圧供給源に連通する排気口が配置されており、
前記減圧雰囲気は、仕切り部材内の気体を当該仕切り部材内に沿って吸引することにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。 - 前記乾燥工程は、前記基板が、前記負圧供給源と連通するチャンバー内に保持された状態で行われ、
前記乾燥工程の後に、減圧雰囲気を維持しつつ、前記仕切り部材を前記チャンバー内において移動させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電気光学装置の製造方法。 - 基板上に配置された機能性材料と溶媒または分散媒とからなる液材のパターンを、減圧雰囲気に晒すことにより乾燥させて前記機能性材料からなる薄膜のパターンを形成する乾燥装置であって、
前記液材のパターンを区画する仕切り部材を備えることを特徴とする乾燥装置。 - 前記仕切り部材の延長方向に負圧供給源、または負圧供給源に連通する排気口を備えており、仕切り部材内の気体を、当該仕切り部材に沿った方向に吸引して前記減圧雰囲気を形成することを特徴とする請求項4に記載の乾燥装置。
- 請求項4または5に記載の乾燥装置であって、前記仕切り部材で区画された基板を収容し、内部を減圧雰囲気に保ちつつ、前記仕切り部材を移動させることが可能なチャンバーをさらに備えることを特徴とする乾燥装置。
- 請求項4ないし6のいずれか1項に記載の乾燥装置であって、前記基板を加熱する加熱手段をさらに備えることを特徴とする乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007055179A JP2008218253A (ja) | 2007-03-06 | 2007-03-06 | 電気光学装置の製造方法、乾燥装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9312519B2 (en) | 2012-06-01 | 2016-04-12 | Joled Inc. | Organic light emitting element, organic el display panel, organic el display device, coated device, and method for manufacturing these |
JP2018049806A (ja) * | 2016-09-23 | 2018-03-29 | 東京エレクトロン株式会社 | 減圧乾燥装置、および減圧乾燥方法 |
-
2007
- 2007-03-06 JP JP2007055179A patent/JP2008218253A/ja not_active Withdrawn
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