JP2008217753A - 情報入力方法、情報入力プログラム及び情報入力装置 - Google Patents

情報入力方法、情報入力プログラム及び情報入力装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高齢者や子供等でも容易に情報検索等の入力操作を行うことができ、誰にでも容易に操作をすることができる情報入力技術を提供する。
【解決手段】指定できる検索条件を来店客に連想させるメタファとなる物にRFIDタグを貼付したサンプル1からスタイルサンプル13、色サンプル12、材質サンプル11及びサイズサンプル10が1つずつ以上RFIDリーダ3上に置かれると、それらのサンプル1によって指定される検索条件に該当する靴が検索され、検索結果画面がモニタ6に表示される。来店客がRFIDリーダ3上に操作プレート2を置くと、検索条件に該当した靴の3D映像等をモニタ6に表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、情報の検索条件や表示指示等のユーザが指定する事項を各種情報処理に供する入力情報として受け付けるための情報入力技術に関する。
インターネット上のWebページによる情報提供サービスでは、階層構造の画面中でユーザが行う所定のメニュー選択や検索条件入力等の入力操作により、画面階層間を遷移して所望の情報にアクセスする情報検索を行うことが一般的に実施されている。このような形態の情報検索は、Webページによる情報提供サービスのみならず、ユーザが端末機等を操作して所望の情報にアクセスする情報提供システム一般において広く実施されており、店舗等の施設で当該施設に関連した情報提供を所定の情報表示端末等で行うような場合にも採用されている。
例えば、婦人靴を販売する店舗においては、来店客がタッチパネルのボタン操作等によって指定した靴の在庫の有無を表示する婦人靴システムが導入されているところもある。
その既存の婦人靴システムでは、商品陳列棚の展示靴に各靴識別用のRFID(Radio Frequency Identification)タグを貼付しておき、タッチパネルに併設したRFIDリーダ上に来店客が展示靴を置くと、タッチパネルの画面表示が当該展示靴のスタイル及び色とサイズの選択ボタンとを示した在庫検索画面に遷移する。そして、来店客が自身のサイズの選択ボタンを操作すると、当該展示靴のスタイル及び色で選択したサイズに該当する靴の在庫が検索され、その在庫の有無が表示される。また、在庫検索画面における他のボタン操作では、置いた展示靴の色とは異なる色を選択して在庫を検索したり、他の商品を探すメニューを選択したりすることもでき、来店客が他の商品を探すメニューを選択した場合には、スタイル、色及びサイズのそれぞれについていくつかの選択ボタンが用意された検索条件設定画面に遷移する。検索条件設定画面では、来店客が所望のスタイル、色及びサイズを選択して検索を実行させると、その選択したスタイル、色及びサイズを検索条件として店舗内にある商品の靴が検索され、検索条件に合致する靴が示された検索結果画面に遷移する。来店客は、検索結果画面で所望の靴の有無を見ることができるが、色・サイズの変更ボタンを操作して再び検索条件設定画面に戻り、検索条件を変更してさらに他の靴を探すこともできる。
このような靴等の商品に関する情報やWebページの情報等を検索するに当たっては、ユーザに対し、所望の情報が表示される画面にたどり着く適切な入力操作を行うことが求められ、所望の検索結果が得られない場合には前の画面に戻って再検索をする入力操作等も要求される。しかし、それらの入力操作は、情報機器に疎い高齢者等にとっては容易でなく、ユーザが探したい商品等の情報を見つけることが困難になっている場合もある。かかる実情と現代社会における高齢化の進行を背景として、Webページによる情報提供システムに関しては、高齢者を対象にアクセシビリティの向上を試みた次のような技術が提案されている。
非特許文献1及び非特許文献2には、高齢者のメンタルモデルからWebページを作成する技術が開示されている。これらの文献によれば、高齢者は、画面をスクロールしたり画面中のリンクが張られた部分をクリックしたりする選択行動を避ける傾向にあって、画面階層間を繰り返し遷移することがないので、十分情報検索を行うことができない。そこで、非特許文献1の技術は、リンクをしなくても済むようにできるだけリンクを張らずに一画面に情報を詰め込んで表示することとし、非特許文献2の技術は、スクロールをしなくても済むように買い物システムの全商品を一画面内に表示することとしている。
非特許文献3及び非特許文献4では、高齢者にとってはマウスカーソルをリンクに合わせてクリックする操作が難しいことから、その困難性を軽減するための技術が開示されている。非特許文献3の技術は、クリック時にマウスの位置がずれても所定の範囲を許容誤差としてリンク部分を拡大することとし、非特許文献4の技術は、リンクからのマウスカーソルのずれを判別してずれる前の位置へ戻す補正を行うこととしている。
山内 英明、"高齢者の特性を考慮したWebページの作成方針の提案"、[online]、東京理科大学 工学部 経営工学科 山本研究室、[平成19年2月2日検索]、インターネット<URL:http://hci.ms.kagu.tus.ac.jp/theme/2002/pdf/yamauchi.pdf> 成田 有希、"高齢者の買い物システムの使用性に関する人間工学的研究"、[online]、東京理科大学 山本 栄 研究室、[平成19年2月2日検索]、インターネット<URL:http://hci.ms.kagu.tus.ac.jp/theme/2000/Narita_Yuuki.pdf> 横内 一弥、"Webページを閲覧する際に見られる高齢者の特性を考慮したブラウザの作成"、[online]、東京理科大学 工学部 経営工学科 山本研究室、[平成19年2月2日検索]、インターネット<URL:http://hci.ms.kagu.tus.ac.jp/theme/2003/pdf/yokouti.pdf> 高橋 祐一、外1名、"高齢者のためのウェブブラウザ操作支援ツールの開発"、[online]、東京理科大学工学部 経営工学科 山本研究室、[平成19年2月2日検索]、インターネット<URL:http://hci.ms.kagu.tus.ac.jp/theme/2004/pdf/takahashi-nagatsuma.pdf>
上記非特許文献1や非特許文献2の技術によれば、メニュー選択、検索条件入力及び検索結果のアイテム表示等をコンパクトに一画面にまとめて階層構造を減らし、スクロールやリンクが張られたボタンのクリック等の入力操作を減らすように画面レイアウトを工夫することができる。しかし、一画面にまとめ切れない量の情報がある場合には、結局スクロールやリンクのクリック等の入力操作をしなければならなくなるので、依然として高齢者には十分情報検索ができないという上記同様の問題は残る。そのような場合に無理にすべての情報を一画面にまとめようとすると、表示される文字等が小さくなり、視認性が悪くなる。
一方、上記非特許文献3や非特許文献4の技術では、一画面に多くのリンクを詰め込もうとする場合等でリンクが近接しているときには、許容誤差や補正対象のずれと判断すべき距離を小さくしなければならないため、補正等の効果が上がらなくなる。
情報提供システムのアクセシビリティ向上を図る技術において、このように何らかの問題が生じる要因の一つは、情報提供システム一般で採用されている階層構造での基本操作の仕組みを改善していないところにある。情報提供端末のパーソナル・コンピュータ等は、モニタに映し出される画面上への情報の出力、その出力情報の画面におけるボタン押下等による入力、及びその入力を契機とした画面の遷移を基本動作とし、それらの出力、入力及び遷移を基本とした階層構造による情報の提供を行う入出力システムとなっている。
これに対し、情報検索におけるユーザの基本操作では、画面トップでメニュー選択し、検索条件入力画面で検索条件を選択して検索ボタンをクリックすると、検索結果画面で検索結果のアイテムが表示され、アイテム数が多いときにはスクロール等により次ページのアイテムを参照し、探しているアイテムがなければ画面トップや検索条件入力画面へ戻って先の操作を繰り返す。すなわち、階層構造による情報提供は、出力画面に対する入力操作に応じた画面遷移を繰り返して情報を探すのが基本となっているため、これに合わせた基本操作としてメニュー選択、検索条件の選択、検索の実行、スクロール及び戻る等の入力操作を逐一繰り返して行うという仕組みになっている。したがって、この基本操作の仕組みを改善していない技術は、上記非特許文献の各技術のように入力操作の回数を減らしたり困難性を軽減したりしたとしても、従前同様の基本操作が要求される事態をすべて回避できるわけではないので、結局のところ高齢者には十分情報検索ができない等の従前同様の問題が残存してしまい、それを解消しようとすると上述した視認性の悪化等の新たな問題が発生してしまう。
階層構造による情報提供においては、如何に入力操作の便を図ったとしても、このように従前同様の基本操作が要求される限り、所望の情報表示画面にたどり着く適切な入力操作や前の画面に戻って再検索をする入力操作等がユーザに要求されることは変わらない。
このため、高齢者のみならず子供等の情報機器に疎い者は情報検索の操作を十分に行うことができず、情報提供システムのユーザが所望の情報にアクセスできない場合があるという従来からの実情に大きな変化はない。上記婦人靴システムのような商品検索システム等にあっては、高齢者や子供も含めて誰にでも利用することができるように広く開放すべきであるにも拘わらず、かかる実情から店舗にある情報表示端末等があまり積極的に利用されていない場合がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、情報の検索条件等のユーザが指定する事項を情報提供システムにおける入力情報として受け付けるに当たり、ユーザに求められる基本操作の仕組みを改善してアクセシビリティを向上させ、階層構造による情報提供を十分に利用できなかった高齢者や子供等でも容易に情報検索等の入力操作を行うことができ、さらには、高齢者や子供等に対象を特定せず、誰にでも容易に操作をすることができるユニバーサルデザインを指向する入力インターフェースとしても利用することが可能な情報入力技術を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶されている記録媒体から識別情報を読み取る読取過程と、前記読取過程により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理過程とを有する。
また、本発明は、指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶されている記録媒体から識別情報を読み取る読取機能と、前記読取機能により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理機能とをコンピュータに実現させるための情報入力プログラムである。
また、本発明は、指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶され当該検索条件見本に付されている記録媒体から識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理手段とを有する。
また、本発明は、上述の情報入力装置において、前記読取手段は、指定可能な操作を隠喩により具現した有体物である操作プレートが前記読取領域に置かれたときに当該操作プレートを識別する識別情報が記憶され当該操作プレートに付されている記録媒体から識別情報を読み取り、前記処理手段は、前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた前記操作プレートを識別し、識別した前記操作プレートによって指定される操作を入力として受け付けることを特徴とする。
また、本発明は、上述の情報入力装置において、前記検索条件見本を識別する識別情報が記憶されているRFIDタグが当該有体物に付されていることを特徴とする。
また、本発明は、上述の情報入力装置において、前記操作プレートを識別する識別情報が記憶されているRFIDタグが当該有体物に付されていることを特徴とする。
また、本発明は、入力内容を隠喩により具現した有体物が読み取り領域に置かれたときに、当該有体物に対応する操作内容を識別する識別情報が記憶され当該有体物に付されている記録媒体から識別情報を読み取る読み取り手段と、前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該有体物を識別し、識別した当該有体物によって指定される入力内容を入力として受け付ける処理手段とを有することを特徴とする。
また、本発明は、入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が配置されたシートと、前記識別情報を非読み取り状態にする操作プレートと、前記シートに配置された記録媒体から、当該記録媒体に記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、前記読み出し手段が読み出した識別情報に基づいて、前記シートに配置された記録媒体に記憶された識別情報のうち、前記操作プレートによって非読み取り状態となった識別情報を、前記操作プレートによって指定される入力内容を入力として受け付ける処理手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が配置されたシートと、前記識別情報を非読み取り状態にすると共に、動かされた操作を検出する操作手段と、前記シートに配置された記録媒体から、当該記録媒体に記憶された識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記シートに配置された記録媒体に記憶された識別情報のうち、前記操作手段によって非読み取り状態となった識別情報を、前記操作手段によって指定される入力内容とし、前記検出手段が検出した操作を、当該入力内容における操作を示す情報として受け付ける処理手段とを有する。
また、本発明は、 入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が付され、動かされた操作を検出する操作手段と、前記操作手段が読取領域に置かれたときに、前記記録媒体から識別情報を読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた前記操作手段の入力内容を識別し、前記検出手段が検出した操作を、当該入力内容における操作を示す情報として受け付ける処理手段とを有する。
また、本発明は、上述の情報入力装置において、前記操作手段は、前記動かされた操作として回転操作を検出する加速度検出器を有し、当該加速度検出器が傾けられて回転操作されることを特徴とする。
本発明によれば、指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶されている記録媒体から識別情報を読み取り、読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付けることとしたので、検索条件を入力するに当たっては、指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本を読取領域に置けばよい。
したがって、階層構造による情報提供で求められていた基本操作を要せずに検索条件を指定することができる。これにより、アクセシビリティが向上して階層構造による情報提供を十分に利用できなかった高齢者や子供等でも容易に情報検索の入力操作を行うことができ、さらには、高齢者や子供等に対象を特定せず、誰にでも容易に操作をすることができるユニバーサルデザインを指向する入力インターフェースとしても利用することができる。
<構成>
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態による情報入力装置を適用した婦人靴検索システムの構成を示した図であり、図1が外観構成を示し、図2が機能ブロック図で表したシステム構成を示している。
本婦人靴検索システムは、図示のようにサンプル1、操作プレート2、RFIDリーダ3、レイアウト表示シート4、コンピュータ5、モニタ6及び商品検索台7を有し、婦人靴を販売する店舗において来店客に商品の靴に関する情報提供を行うものとなっており、本情報入力装置は、その情報提供における情報検索等で来店客が指定する事項を入力情報として受け付ける部分の構成に係る。サンプル1と操作プレート2は、それぞれ図1の外観中にあるように複数の物(有体物)が用意されており、同店舗内の所定箇所に設けられた商品検索台7上にRFIDリーダ3と共に置かれている。図2中のコンピュータ5は、商品検索台7の内部ないし背面側等にあり、図1の外観中には現れていない。
サンプル1は、本婦人靴検索システムでの情報検索において指定できる各検索条件を来店客に連想させるメタファ(隠喩)となる物に、RFIDタグ(ないしIC(integrated circuit)タグ)を付したものである。すなわち、サンプル1は、かかる各検索条件のメタファとなる物によって構成された検索条件指定用の見本であり、それぞれの検索条件を連想させる各物毎に予め当該各物を識別する識別情報のタグIDが割り当てられ、そのタグIDを記憶したRFIDタグが付されたもの(RFIDタグが貼付、添付ないし内蔵等されたもの)となっている。本婦人靴検索システムは、このサンプル1の具体例として、図1中に示したようなサイズサンプル10、材質サンプル11、色サンプル12及びスタイルサンプル13を有している。商品検索台7には、図示のように“サイズサンプル”、“材質サンプル”、“色サンプル”、“スタイルサンプル”の文字が示された標示板が設けられており、それぞれの標示板がある所に置かれているサンプル1がサイズサンプル10、材質サンプル11、色サンプル12、スタイルサンプル13であることを示している。
サイズサンプル10は、靴のサイズを表示したプレートであり、“21.5”、“23.0”、“23.5”、“24.0”、“24.5”、“25.0”、“22.5”及び“22.0”の8つ(21.5cm〜25.0cmの8サイズ)のサイズ表示プレートがサイズサンプル10として用意されている。材質サンプル11は、靴に用いられている実際の材質(材料)を張り付けたプレートであり、図1中上段からそれぞれエナメル、革、布が張り付けられた3つのプレートが材質サンプル11として用意されている。色サンプル12は、靴に施されている彩色の実際の色が着けられたプレートであり、それぞれ、黒(図1中の黒色塗り潰し)、ブラウン(密な右上がり斜線ハッチング)、ベージュ(疎らな右上がり斜線ハッチング)、ネイビーないし青(横線ハッチング)、白ないしアイボリー(白抜き)、紫(縦破線ハッチング)、赤(密な縦線ハッチング)、ピンク(疎らな縦線ハッチング)、黄ないしオレンジ(破線クロスハッチング)、緑(右下がり斜線ハッチング)、グレー(密な横破線ハッチング)、ゴールドないしメタリック(疎らな横破線ハッチング)の着色がなされた12のプレートが色サンプル12として用意されている。スタイルサンプル13は、靴に採用されているスタイル(形)の模型であり、図1中上段からそれぞれショートブーツの形をした模型、ロングブーツの形をした模型、パンプスの形をした模型の3つの模型がスタイルサンプル13として用意されている。これらのサイズサンプル10のサイズ表示プレート、材質サンプル11の材質を張り付けたプレート、色サンプル12の色が着けられたプレート、スタイルサンプル13の模型は、実際に触れることができる有体物であって、それぞれ靴のサイズ、材質、色、スタイルのメタファとなる物になっており、個々のプレート及び模型を識別するためのRFIDタグがそれぞれのプレートの裏面や模型の底面等の所定箇所に貼付されている。
操作プレート2は、本婦人靴検索システムに対して行うことができる各操作を来店客に連想させるメタファとなる物に、RFIDタグ(ないしICタグ)を付したものである。
すなわち、操作プレート2は、かかる各操作のメタファとなる物であって、それぞれの操作を連想させる各物毎に予め当該各物を識別する識別情報のタグIDが割り当てられ、そのタグIDを記憶したRFIDタグが付されたもの(RFIDタグが貼付、添付ないし内蔵等されたもの)となっている。本婦人靴検索システムは、各操作のメタファとなる物として各操作の指示内容を示す所定の表示がなされたプレートを採用して操作プレート2を構成しており、その操作プレート2の具体例として、図1中に示したような3D映像操作プレート20及び移動操作プレート21を有している。商品検索台7には、図示のように“3D映像”、“移動”の文字が示された標示板が設けられており、それぞれの標示板がある所に置かれている操作プレート2が3D映像操作プレート20、移動操作プレート21であることを示している。
3D映像操作プレート20としては、“表示”の文字が示された“表示”プレートと“回転停止”の文字及び図示の回転矢印が示された“回転停止”プレートが用意されている。移動操作プレート21としては、“次へ”の文字及び三角形の右方向指示マークが示された“次へ”プレートと“前へ”の文字及び三角形の左方向指示マークが示された“前へ”プレートが用意されている。これらの“表示”プレート、“回転停止”プレート、“次へ”プレート、“前へ”プレートは、実際に触れることができる有体物であって、それぞれ表示、回転停止、次へ、前へといった操作のメタファとなる物になっており、個々のプレートを識別するためのRFIDタグがそれぞれの裏面等の所定箇所に貼付されている。
RFIDリーダ3は、その上の読取領域に置かれたRFIDタグに記憶されている情報を読み取るRFIDの読取手段であり、コンピュータ5と接続されている。レイアウト表示シート4は、RFIDリーダ3上に置かれた紙製等のシートであり、RFIDリーダ3上に置く物の案内をする所定のレイアウト表示がなされている。
図3は、かかるレイアウト表示の一例として本婦人靴検索システムが採用する形態を表したレイアウト表示シート4を示した図である。レイアウト表示シート4はRFIDリーダ3上に置かれているので、来店客が商品検索台7の前に立ったときには、図3のレイアウト表示シート4をRFIDリーダ3の上面として見ることになる。そのレイアウト表示シート4には、図示のように“探したい靴のサンプル”と示された四角形状の枠が表示され、その枠内にそれぞれ“色”、“スタイルまたは靴”、“サイズ”、“材質”と示された四角形状の4つの枠が表示されている。これにより、上述した色サンプル12、スタイルサンプル13、サイズサンプル10、材質サンプル11をそれぞれ図中の破線矢印で示したように“色”、“スタイルまたは靴”、“サイズ”、“材質”の枠内に置くよう案内している。
ここで、スタイルサンプル13を置く枠が“スタイル”ではなく“スタイルまたは靴”となっているのは、店舗内の商品陳列棚にある展示靴もRFIDリーダ3上に置く物として取り扱うことを示している。すなわち、本婦人靴検索システムにおいては、店舗内の各展示靴に対し、予め当該各展示靴を識別する識別情報のタグIDを割り当て、そのタグIDを記憶したRFIDタグ(ないしICタグ)を貼付しておくことにより、展示靴もRFIDタグが貼付された検索条件指定用の見本として利用する。このようなことから、レイアウト表示シート4は、“スタイルまたは靴”との表示によってRFIDリーダ3上には商品陳列棚にある展示靴を置いてもよいことを案内している。
また、レイアウト表示シート4には、“探したい靴のサンプル”の枠の下に“操作”と示された四角形状の枠が表示され、その枠内にそれぞれ“3D映像”、“移動”と示された四角形状の2つの枠が表示されている。これにより、上述した3D映像操作プレート20、移動操作プレート21をそれぞれ図中の破線矢印で示したように“3D映像”、“移動”の枠内に置くよう案内している。
このような案内をするレイアウト表示シート4は、さらに、図中の点線で示したように“サイズ”、“3D映像”、“移動”の枠の表示がそれぞれサイズサンプル10、3D映像操作プレート20、移動操作プレート21と同色になっている。例えば、“サイズ”の枠内エリアの色とサイズサンプル10のプレートの色を共に黄色とし、“3D映像”の枠内エリアの色と3D映像操作プレート20のプレートの色を共に青色とし、“移動”の枠内エリアの色と移動操作プレート21のプレートの色を共に緑色としてある(この配色は一例に過ぎず、ハッチング表示等は煩雑にもなるので図示はしていない。以下の図面におけるレイアウト表示シート4にも特に図示はしないが、“サイズ”、“3D映像”、“移動”の枠内はそれぞれサイズサンプル10、3D映像操作プレート20、移動操作プレート21と同色である。)。このようにして枠の表示色をそこに置く物の色と対応させることにより、レイアウト表示シート4は、RFIDリーダ3上に置く物がより容易に分かるように案内をするものとなっている。
RFIDリーダ3上には、レイアウト表示シート4の上記案内により、図2中左側に示したように色サンプル12等のサンプル1、3D映像操作プレート20等の操作プレート2及び展示靴(図2中に示した縦線ハッチングの靴は、展示靴を例示した赤色のパンプスであり、白抜きの四角形がRFIDタグを表している。)等が置かれることになり、それらの置かれた物に貼付されたRFIDタグの情報であるタグIDがRFIDリーダ3によって読み取られる。図2においては、その読取動作等に関する信号の流れが併せて示してあり、RFIDリーダ3は、コンピュータ5と所定の信号授受を行いつつRFIDタグのタグIDを読み取るものとなっている。
コンピュータ5は、本婦人靴検索システムによる情報提供を実施するためのプログラムがインストールされているパーソナル・コンピュータ等の電子計算機であり、タグID読取部5a、アプリ部5b及び記憶部5cを有し、モニタ6と接続されている。ここにいうプログラムは、本婦人靴検索システムによる情報提供に係る処理動作の全般を規定したものであるが、そのプログラム中の入力情報の受付に係る処理動作を規定した部分は、本情報入力装置で実施する情報入力方法を実現するための情報入力プログラムに相当する。
タグID読取部5aは、RFIDリーダ3の読取動作を制御してコンピュータ5での処理に供し得るタグIDを取得するタグIDの読取機能ブロックであり、RFIDリーダ3との接続インターフェースやCPU、ROM及びRAM等の前記プログラムによる動作機能等によって構成される。具体的には、タグID読取部5aは、RFIDリーダ3に対してRFIDタグのタグIDを読み取らせるタグ読取コマンドを送信し(図2中の“(1)タグ読取コマンド”)、RFIDリーダ3から読み取ったタグID群を受信し(“(2)読み取ったタグID群”)、アプリ部5bに対してタグID群を供給する(“(3)タグID群”)。すなわち、タグID読取部5aがタグ読取コマンドを発すると、RFIDリーダ3は、その時に置かれている物のそれぞれのタグIDを読み取り、それらのタグIDを読み取ったタグID群としてタグID読取部5aに送信し、タグID読取部5aからアプリ部5bにタグID群を供給する。タグID読取部5aは、これらの動作(“(1)タグ読取コマンド”、“(2)読み取ったタグID群”及び“(3)タグID群”の授受動作)を定期的に(例えば1秒間隔等で)繰り返し実行するものとなっており、その所定の実行時間間隔でRFIDリーダ3上にある物のタグIDが随時読み取られてアプリ部5bに供給される。
ここで、アプリ部5bに供給するタグID群(“(3)タグID群”)の形式は、‘タグID,タグID,…,ダミータグID’とし、1回に読み取られたタグID群の区切りを示す所定のダミータグIDを付加したものとする。このため、タグID読取部5aは、順次発するそれぞれのタグ読取コマンドに対するRFIDリーダ3からのタグID群につき、それぞれの最後にダミータグIDを付与してアプリ部5bに供給するものとなっており、タグ読取コマンドに対するRFIDリーダ3からのタグID群がない場合(RFIDリーダ3で読み取ったタグIDがない場合)には、ダミータグIDのみをアプリ部5bに供給する。ダミータグIDにどのような値を利用するかは、予めタグID読取部5aに係る設定ファイル等により設定しておくものとし、サンプル1、操作プレート2及び展示靴に割り当てるような通常のタグIDとは重複しない値(例えばオールFの文字列等)を設定する。
アプリ部5bは、読み取られたタグIDと記憶部5c中の情報に基づいてモニタ6の表示制御等を行うアプリケーション・プログラムの実行処理部であり、モニタ6との接続インターフェースやCPU、ROM及びRAM等の前記プログラムによる動作機能等によって構成される(前記プログラムは当該アプリケーション・プログラムも含む。)。アプリ部5bでは、上述のようなダミータグIDが付加されたタグID群がタグID読取部5aから供給されるので、順次供給されてくるタグID中のダミータグIDにより、RFIDリーダ3が1回の読取動作毎に読み取ったタグID群の終了を判断することができ、各回の読取動作で読み取られた各タグID群を把握することができる。これにより、アプリ部5bは、タグID読取部5aから受信されるタグID群毎に、そのタグID群を読み取られたタグIDとして当該アプリケーション・プログラムによる処理を実行し、モニタ6の表示を制御する(図2中の“(3)タグID群”を基に表示の変更等を指示する“(4)モニタ表示”の信号をモニタ6に送る。)。当該アプリケーション・プログラムによってアプリ部5bが行う処理の具体的内容については後述の動作説明で明らかにするが、前記プログラムによる処理は、本婦人靴検索システムによる情報提供に係る処理の全般なので、この<構成>の説明中と後述の動作説明においてしてあるコンピュータ5での処理に関する全説明の通りである。
記憶部5cは、コンピュータ5にインストールされたプログラムのファイルやそのプログラムによって取り扱われる種々の情報のデータ・ファイル等が格納されている記憶手段であり、ハードディスク等の記憶装置によって構成される。前記プログラムのプログラム・ファイルも記憶部5cに格納されているが、そのうちの当該アプリケーション・プログラムによって取り扱われるデータ・ファイルとして、記憶部5cには、各タグIDと当該各タグIDが割り当てられた物に関する情報との対応関係を表したタグIDテーブルや商品の靴に関する情報のデータベース等のファイルが予め記憶されている。
図4は、そのタグIDテーブル等のレコード構造を示した図である。図4中、上段のタグIDテーブルと中段の属性毎のテーブルは、サンプル1、操作プレート2及び展示靴に関する情報管理用のテーブルであり、下段の商品DB及び商品コードDBは、商品(在庫にある靴等)に関する情報管理用のデータベースである。
タグIDテーブルは、それぞれのタグID毎に対応する種別、属性及び属性内IDが記憶されたものとなっており、下線を付したタグIDをキーとして参照される。ここで、種別は、そのタグIDが割り当てられた物がサンプル1、操作プレート2及び展示靴のうちのいずれであるかを示す情報であり、サンプル1であれば‘サンプル’、操作プレート2であれば‘操作’、展示靴であれば‘展示靴’として表すものとなっている。属性は、そのタグIDが割り当てられた物がサンプル1のうちのいずれであるか等を示す情報、すなわち、スタイルサンプル13、色サンプル12、材質サンプル11及びサイズサンプル10のうちのいずれであるか、3D映像操作プレート20及び移動操作プレート21のうちのいずれであるか、あるいは、展示靴であるか、を示す情報であり、スタイルサンプル13であれば‘スタイル’、色サンプル12であれば‘色’、材質サンプル11であれば‘材質’、サイズサンプル10であれば‘サイズ’、3D映像操作プレート20であれば‘3D映像’、移動操作プレート21であれば‘移動’、展示靴であれば‘商品コード’として表すものとなっている(展示靴の属性を‘商品コード’とするのは、個々の展示靴に特有な情報の項目が商品コードだからである。したがって、属性としての‘商品コード’は、具体的なコード情報ではなく、「商品コード」という項目名自体を示す。)。属性内IDは、そのタグIDが割り当てられた物が該当する属性の中でユニークな任意のIDである。各属性に含まれる個々の物に対しては、当該各属性内において他の物と識別するIDが属性内IDとして予め割り当てられており、その属性内IDが個々の物のタグIDに対応する属性内IDとして予め記憶されている。
属性毎のテーブルは、かかる属性内ID毎に、対応する個々の物に係る情報が記憶されたものである(属性毎のテーブルは、右下に示した共通のレコード構造になっており、属性内IDをキーとして各情報を示す値を参照する。)。サンプルの各属性については、スタイルのそれぞれの属性内IDに対応する“パンプス”等を示す値が記憶されたスタイルテーブル、色のそれぞれの属性内IDに対応する“赤”等を示す値が記憶された色テーブル、材質のそれぞれの属性内IDに対応する“革”等を示す値が記憶された材質テーブル、及びサイズのそれぞれの属性内IDに対応する“23.5”等を示す値が記憶されたサイズテーブルがある。すなわち、サンプルの各属性においては、それぞれの属性内IDが対応する個々の物に係る情報として、その物がメタファとなっていて指定する具体的な個々の検索条件が記憶されている。
操作の各属性については、3D映像のそれぞれの属性内IDに対応する“表示”等を示す値が記憶された3D映像テーブル、及び移動のそれぞれの属性内IDに対応する“次へ”等を示す値が記憶された移動テーブルがある。すなわち、操作の各属性においては、それぞれの属性内IDが対応する個々の物に係る情報として、その物がメタファとなっていて指定する具体的な個々の操作が記憶されている。
展示靴の属性である商品コードについては、それぞれの属性内IDに対応する“商品コード”を示す値が記憶された商品コードテーブルがある。この商品コードテーブル中の各“商品コード”は、各商品を特定する具体的なコード情報である。
商品DBは、在庫の商品を管理するデータベースであって、在庫棚にある商品用の各靴に対し、それぞれを識別するタグIDを割り当ててRFIDタグ(ないしICタグ)を貼付等により付け、それぞれのタグIDと商品コードを対応させて記憶したものとなっており、下線を付したタグIDをキーとして参照される。したがって、タグIDは、サンプル1、操作プレート2及び展示靴のそれぞれを識別するのみならず、それらに在庫の靴も含めてそれぞれを識別する情報として使用することになる。このため、それぞれのタグIDとしては、サンプル1、操作プレート2及び展示靴並びに商品用の在庫靴の全体の中でユニークとなるIDを予め割り当てるようにする。
商品コードDBは、靴の商品コードと、商品名、スタイル、色、材質、サイズ、価格、静止画像ファイル名及び3D映像ファイル名とを対応させて記憶したデータベースであって、本婦人靴検索システムにおいて検索対象とする靴の各商品コード(店舗で取り扱っているすべての靴の商品コード等)について、それらの対応する各情報を保持しており、下線を付した商品コードをキーとして参照される。ここで、商品名については、デザインが同じである靴には同じ商品名が付与されるものとなっている。また、商品名が同じである靴は、スタイルと材質も同じである。ただし、商品名が同じであっても、色、サイズは異なる靴がある。
図2中の記憶部5cには、以上のようなタグIDテーブル、属性毎のテーブル、商品DB及び商品コードDBが記憶されており、商品コードDB中の各商品コードに対応する静止画像ファイル名及び3D映像ファイル名の静止画像ファイル及び3D映像ファイルも記憶されている。これらの情報が当該アプリケーション・プログラムを実行するアプリ部5bの処理で利用され、モニタ6の表示が制御される。
モニタ6は、そのアプリ部5bによる制御の下で画面上に所定の情報表示をする液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示手段である。図1においては、このモニタ6の情報表示における初期画面が示してあり、以下の動作説明で述べるアプリ部5bの処理によって画面の遷移ないし更新等がなされ、本婦人靴検索システムによる情報提供のための所定の情報表示が行われる。
<動作>
次に、上記構成による動作について説明する。図5〜図10は、読み取られたタグIDと記憶部5c中の情報(上記タグIDテーブル、属性毎のテーブル、商品DB、商品コードDB、静止画像ファイル及び3D映像ファイル等)に基づき、アプリ部5bがモニタ6の表示制御等を行う処理の手順を示したフローチャートである。本婦人靴検索システムは、このアプリ部5bの処理動作を主体として以下のように商品の靴に関する情報提供を実施する。
処理を開始した当初のアプリ部5bは、まず、モニタ6に初期画面を表示させる(図5中のステップS1)。初期画面は、図1におけるモニタ6の画面中にあるように“靴もしくはお探しの靴のサンプルを台の上に置いてください。”との案内表示がなされている画面である。本婦人靴検索システムを利用しようとするユーザの来店客に対しては、この案内表示と上述したレイアウト表示シート4の案内によってサンプル1等の物をRFIDリーダ3上に置くよう促されるが、まだ何もRFIDリーダ3上に置かれていない当初の初期画面では、図1中にあるように“・スタイルは何にしますか?”、“・色は何にしますか?”、“・材質は何にしますか?”及び“・サイズは何cmでしょうか?”との表示も行い、これによってサンプル1のスタイルサンプル13等を置くよう促している。
アプリ部5bは、続いてタグID読取部5aからタグID群を受信し(ステップS2)、そのタグID群がダミータグIDのみであるか否かを判断する(ステップS3)。RFIDタグが貼付された物がRFIDリーダ3上に何も置かれていないときは、読み取られるタグIDがないので、上述したようにタグID読取部5aからはダミータグIDのみが供給される。したがって、アプリ部5bは、受信したタグID群がダミータグIDのみであるか否かを判断することにより、RFIDリーダ3が何も置かれていない状態であるか否か(換言すれば、サンプル1等の何らかの物が置かれているか否か)を監視している。
これにより、タグID群がダミータグIDのみである場合には、モニタ6の表示は当初の初期画面とし(既に当初の初期画面が表示されているのであれば、その画面表示を維持し)、再びタグID読取部5aからタグID群を受信して同様の判断を繰り返す(ステップS3での判断結果が“YES”の場合にはステップS4に進み、再びステップS2に戻ってステップS3へと進む。)。処理の開始当初で未だ何もRFIDリーダ3上に置かれていないうちは、アプリ部5bが順次受信するタグID群をダミータグIDのみと判断し続け、モニタ6では当初の初期画面の表示が維持される(ステップS3での判断結果が“YES”のままでステップS2、S3及びS4の処理が繰り返される。)。
今、来店客Xがサンプル1等の何らかの物をRFIDリーダ3上に置いたとすると、そのタグIDが読み取られてタグID読取部5aからダミータグIDのみでないタグID群がアプリ部5bに供給される。これにより、アプリ部5bは、受信したタグID群がダミータグIDのみでないと判断し(ステップS3での判断結果が“NO”となり)、そのタグID群が前回受信したタグID群と同一であるか否かを判断する(ステップS5)。
受信したタグID群が前回受信したタグID群と同一であるということは、RFIDリーダ3上に置かれている物が前回のタグID群受信時と変わっていないということであり、同一でないということは、何らかの物が新たに置かれたり取り去られたりしたということである。したがって、アプリ部5bは、受信したタグID群が前回のタグID群と同一であるか否か、すなわち、タグID群に差分が発生したか否かを判断することにより、RFIDリーダ3上の物の変動を監視している。これにより、アプリ部5bは、受信したタグID群が前回のタグID群と同一でない場合(ステップS5での判断結果が“NO”である場合)には、その差分のタグID群等を基に現在の画面(システム)の状態毎の処理を実施し(ステップS6)、同一である場合(ステップS5での判断結果が“YES”である場合)には、タグID群を受信する上記ステップS2の処理へと戻り、前回と同一のタグID群についての処理を重ねて行うことはしない。現時点では、前回までのタグID群がダミータグIDのみだったので、今回のタグID群は前回のタグID群と同一でないと判断され、アプリ部5bは、現在の画面(システム)の状態毎の処理を実施する(ステップS5での判断結果が“NO”となってステップS6に進む。)。
現在の画面(システム)の状態毎の処理とは、本婦人靴検索システムの動作状態を表象するモニタ6の画面表示の各状態に応じた処理であり、上述のようにタグID群に差分が生じたときに図5中のステップS6で実施される(以下、このステップS6で実施する処理を「現画面状態毎の処理」という。)。図6〜図10のフローチャートは、その現画面状態毎の処理の手順を示したものとなっている。アプリ部5bは、これら図6〜図10の手順により、図5中のステップS6に至った時点でのモニタ6の画面表示状態に応じた処理を実行する。
現画面状態毎の処理では、まず、モニタ6が初期画面の表示状態であるか否かを判断する(図6中のステップS10。モニタ6の表示はアプリ部5bが制御しているので、モニタ6で如何なる画面が表示されているかはアプリ部5bで判断することができる。)。現時点では、モニタ6の表示は当初の初期画面のままなので、アプリ部5bは、モニタ6が初期画面の表示状態であると判断し(ステップS10での判断結果が“YES”となり)、次いで種別が展示靴のタグIDがあるか否かを判断する(ステップS11)。
初期画面においては、“靴もしくはお探しの靴のサンプルを台の上に置いてください。”との案内表示にあるように、RFIDリーダ3上に展示靴かサンプル1のいずれかが置かれることが予定されている。そこで、上記来店客Xが置いた物がサンプル1中のいずれかであったとすると、アプリ部5bは、そのタグIDが対応するタグIDテーブル中の種別を参照し、それがサンプルであることから展示靴のタグIDはないものと判断し(ステップS11での判断結果は“NO”となり)、次いで種別がサンプルのタグIDがあるか否かを判断する(ステップS12)。サンプルのタグIDがある場合(ステップS12での判断結果が“YES”の場合)には、そのタグIDが対応するタグIDテーブル中の属性及び属性内IDに基づいて属性毎のテーブルから値を読み出す(ステップS13)。したがって、来店客Xが置いたサンプル1中の物により、アプリ部5bは、サンプルのタグIDがあると判断して対応属性のテーブルから値を読み出す。なお、種別がサンプルのタグIDがない場合(ステップS12での判断結果が“NO”である場合)には、初期画面の表示状態とは無関係な展示靴やサンプル1でない物が置かれたことになるので、アプリ部5bは特に処理を行わずにそのまま現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
属性毎のテーブルから値を読み出したアプリ部5bは、スタイル、色、材質及びサイズの全属性が揃っているか否か、すなわち、これらの全属性についてそれぞれ1つ以上の値が読み出されているか否かを判断する(ステップS14)。RFIDリーダ3上に置かれたサンプル1中の物については、上記ステップS13の処理によって属性毎のテーブルから値が読み出されているので、このアプリ部5bの判断により、スタイルサンプル13、色サンプル12、材質サンプル11及びサイズサンプル10のそれぞれのうちから少なくとも1つ以上の物が現時点でRFIDリーダ3上に置かれているか否かが判断される。来店客Xがサンプル1中の全属性に係る物を未だ置いていないとすると、アプリ部5bは、全属性が揃っていないと判断し(ステップS14での判断結果が“NO”となり)、既に読み出されている値から属性値が指定された初期画面をモニタ6に表示させる(ステップS15)。
ここにいう属性値が指定された初期画面とは、例えば色が赤である等、既に読み出されている値が含まれる属性(スタイル、色、材質ないしサイズ)について、その値が示す個々の物に係る情報(パンプス、赤、革ないし23.5等)が表示された画面である。図11は、パンプスのスタイルサンプル13、赤の色サンプル12、エナメルの材質サンプル11及び23.0cmのサイズサンプル10がRFIDリーダ3上に置かれ、それぞれについて値が読み出されてモニタ6に属性値が指定された初期画面が表示されている様子を示した図である。それぞれの置かれた物に対応して“・スタイル パンプス”、“・色 赤”と赤の色サンプル12の画像、“・材質 エナメル”及び“・サイズ 23.0”の表示がなされており、来店客がRFIDリーダ3上に置いたサンプル1が画面に反映されることになる。
ただし、属性値が指定された初期画面は、全属性が揃っていないとき(ステップS14での判断結果が“NO”のとき)になされるので、図示のように全属性について属性値が指定された初期画面は通常は表示されない(説明の便宜上の例示である。全属性が揃うと後述の処理によってモニタ6の表示は変更される。しかし、その変更の直前まで図示のような表示をすることは可能である。)。サンプル1中の物が何も置かれていない属性については、上記当初の初期画面中にあるような表示を行うこととし、例えば、パンプスのスタイルサンプル13と23.0cmのサイズサンプル10だけがRFIDリーダ3上に置かれている場合では、“・スタイル パンプス”、“・色は何にしますか?”、“・材質は何にしますか?”及び“・サイズ 23.0”のような表示を属性値が指定された初期画面としてモニタ6に表示させる。
アプリ部5bは、このような初期画面をモニタ6に表示させると現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻り、RFIDリーダ3上に全属性のサンプル1が置かれるまで上記ステップS1〜S6及びS10〜S15の処理を繰り返す(ステップS10〜S15の処理は、来店客Xがサンプル1のいずれかを新たに置いたり取り去ったりした時に行われ、すべての物を取り去った時には、ステップS4の処理によって当初の初期画面に戻る。)。そして、来店客XがRFIDリーダ3上に全属性のサンプル1を置いた時に、アプリ部5bは、全属性についての値を読み出して全属性が揃っているものと判断し(ステップS14での判断結果が“YES”となり)、読み出した値に基づいて商品コードDBの検索を行う(ステップS16)。
商品コードDBの検索では、読み出した値を検索条件とする。すなわち、RFIDリーダ3上に置かれたサンプル1について、属性毎のテーブルから読み出される値は、上述したようにその物がメタファとなっていて指定するスタイル、色、材質及びサイズといった検索条件であって、商品コードDBが各商品コードに対応する情報として同じくスタイル、色、材質及びサイズを保持し、それらの検索条件が現に商品コードDBの検索において指定できる検索条件になっている。これにより、アプリ部5bは、全属性についての読み出した値につき、異なる属性間の値はandで連結し、同一属性内の値はorで連結して、商品コードDBを検索する検索条件とする。本婦人靴検索システムでは、RFIDリーダ3上に置くサンプル1の数を特に制限しないので、同一属性について複数の物が置かれる場合も想定し、同一属性内の値はorで連結することとしている。例えば、パンプスのスタイルサンプル13、赤と黒の色サンプル12、革の材質サンプル11及び23.5cmのサイズサンプル10がRFIDリーダ3上に置かれた場合には、検索条件は“パンプスand(赤or黒)and革and23.5”となり、サンプル1における各属性間はand条件で検索し、各属性内に複数のサンプルがあればそれらはor条件で検索する。アプリ部5bは、このような検索条件により商品コードDBを検索し、検索条件に該当する商品コードを特定する(ステップS16)。
続いてアプリ部5bは、特定した商品コードで商品DBを検索し、該当するタグIDが1つ以上存在する商品コードについては、商品コードDBを参照し、検索結果画面に該当する情報を表示する(ステップS17)。検索結果画面は、RFIDリーダ3上に置かれた物を上述のように検索条件として特定した商品コードの靴のうち、店舗内に商品として在庫がある靴に関する情報を表示する画面である。すなわち、特定した商品コードのうち、該当するタグIDが商品DBに1つ以上存在する商品コードについては、その商品コードの靴が在庫棚にあるということなので、アプリ部5bは、その商品コードに対応する商品コードDB中の各情報を検索結果画面における情報として、モニタ6の表示を初期画面から検索結果画面に変更する。
例えば、図12中の左側に示したように、来店客Xがパンプスのスタイルサンプル13、赤の色サンプル12、エナメルの材質サンプル11及び23.0cmのサイズサンプル10を置いたとすると、上記ステップS16及びS17の処理により、スタイルがパンプス、かつ、色が赤、かつ、材質がエナメル、かつ、サイズが23.0cmの検索条件に該当する商品コードの検索等が行われ、同図中右側に示した検索結果画面がモニタ6に表示される。この検索結果画面に示してあるように、検索条件に合致する在庫の各靴に関する情報としては、当該各靴の静止画像(静止画像ファイルの写真等)、商品名、商品コード、カラー、サイズ及び税込価格等が商品コードDB中の情報に基づいて表示される。このようにして4つの属性のサンプル1が揃った時点で条件に合った靴が検索されて結果が表示され、来店客Xは、自身が置いたスタイル、色、材質及びサイズの条件に合致する靴の情報を見ることができる。
また、検索結果画面では、図示のように“下記の商品が店舗にございます。”の案内表示、太線で示した選択枠、及び“1アイテム目/全8アイテム”の文字表示等もなされる。選択枠は、より詳細な3D映像を(後述の処理により)表示させる靴として選択されているアイテムを示す選択指示用の枠であり、アイテム枠とは異なる色(例えばアイテム枠を黒、選択枠を赤)等にして選択されている靴を明示する。“1アイテム目/全8アイテム”の文字表示は、前段の“1アイテム目”が選択枠で選択されているアイテム、後段の“全8アイテム”が検索条件に該当したアイテムの総数を示している(したがって、図示の文字表示は、検索条件に合致した靴が全部で8足あり、そのうちで表示されている3足中の左端の靴が選択されていることを表している。)。
アプリ部5bは、このような検索結果画面をモニタ6に表示させると現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。そして、ステップS2、S3及びS5の処理を上記同様に行い、タグID群に差分が生じるまでは現画面状態毎の処理を行わず、検索結果画面の表示を維持する。
ここで、上述の例のようにサンプル1を置いた来店客Xが図13中の左側に示したように移動操作プレート21の“次へ”プレートを置いたとする。すると、そのタグIDによりタグID群に差分が生じてアプリ部5bが現画面状態毎の処理を開始する。この時、モニタ6には検索結果画面が表示されているので、アプリ部5bは、モニタ6が初期画面の表示状態でないと判断し(ステップS10での判断結果が“NO”となり)、次いで検索結果画面の表示状態か否かを判断し(ステップS18)、その表示状態であると判断する(ステップS18での判断結果が“YES”となる。)。
検索結果画面の表示状態であると判断したアプリ部5bは、種別がサンプルの差分タグIDがあるか否か、すなわち、受信したタグID群と前回のタグID群との差分のタグIDについて、種別がサンプルのタグIDがあるか否かを判断する(ステップS19)。サンプルの差分タグIDがない場合(ステップS19での判断結果が“NO”の場合)、アプリ部5bは、差分のタグIDについて、種別が操作のタグIDがあるか否かを判断する(ステップS20)。したがって、来店客Xが置いた移動操作プレート21の“次へ”プレートにより、アプリ部5bは、そのタグIDテーブル中の種別が操作であることからサンプルの差分タグIDはないと判断し、操作の差分タグIDがあると判断する。なお、操作の差分タグIDもない場合(ステップS20での判断結果が“NO”の場合)には、検索結果画面の表示状態とは無関係な物が置かれたことになるので、アプリ部5bは特に処理を行わずにそのまま現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
アプリ部5bは、このように操作の差分タグIDの有無を判断することにより、検索結果画面の表示中に操作プレート2が置かれたり取り去られたりしたことを把握する(前回のタグID群に対し、置かれた操作プレート2は増加の差分タグID、取り去られた操作プレート2は減少の差分タグIDとなる。)。そして、その差分のタグIDが対応するタグIDテーブル中の属性及び属性内IDに基づいて属性毎のテーブルから値を読み出し(ステップS21)、その時点で置かれている操作プレート2(前回から既に置かれていたものも含む。)のタグIDの属性と読み出した値に基づいて図7のフローチャートに示した“A”以下の処理を行う。したがって、“A”以下の処理は、検索結果画面の表示状態で操作プレート2が置かれたり取り去られたりした時に実行される処理である(ただし、“A”の符号は、図6中と図7中の“A”が連続していることを示す単なる符号であり、そこに何らかの処理ステップがあるというわけではない。図6及び図8〜図10における“B”、“C”及び“D”も同様である。)。
来店客Xが“次へ”プレートを置いたことにより値を読み出したアプリ部5bは、そのタグIDの属性と読み出した値から属性が3D映像で値が“表示”のタグIDがあるか否かを判断する(ステップSA1)。“次へ”プレートのタグIDは属性が移動で値が“次へ”なので、アプリ部5bは、属性が3D映像で値が“表示”のタグIDがないと判断する。このように3D映像で“表示”のタグIDがないと判断した場合(ステップSA1での判断結果が“NO”の場合)、アプリ部5bは、種別が操作である他属性の移動のタグIDによって指定される操作に応じた処理を行う(ステップSA2)。
具体的には、値が“次へ”のタグIDが1つだけある場合は、検索結果画面における選択枠を右へ1つ移動(1つ右隣に表示されているアイテムに移動)させる。ただし、選択枠が右端にあるときには、その時点では表示されていなかった次の3つの検索結果(検索条件に該当したアイテムの靴)を表示させ、左端のアイテムに選択枠を表示させる。値が“前へ”のタグIDが1つだけある場合は、選択枠を左へ1つ移動(1つ左隣に表示されているアイテムに移動)させる。ただし、選択枠が左端にあるときには、その時点では表示されていなかった前の3つの検索結果を表示させ、右端のアイテムに選択枠を表示させる。値が“次へ”のタグIDと“前へ”のタグIDの両方がある場合は、何もせず、選択枠の位置や表示アイテムはそのままにする。
これにより、来店客Xが置いた“次へ”プレートに対しては、1アイテム目にあった選択枠が図13中の右側に示したように1つ右の2アイテム目に移動する。また、これに合わせて上段の文字表示も“2アイテム目/全8アイテム”に変更される。なお、検索結果画面の下段には、このような左右の選択枠移動と“前へ”及び“次へ”の対応を示す表示もなされている。
アプリ部5bは、このようにして検索結果画面における選択枠を移動させると現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。そして、上記同様にタグID群に差分が生じるまでは現画面状態毎の処理を行わず、選択枠を移動させた検索結果画面の表示を維持する。これに対し、来店客Xが再び“次へ”プレートを置いた時には、上記同様に“A”以下の処理を行い、選択枠を右へ1つ移動させる。来店客Xが“前へ”プレートを置いた時にも、上記同様に“A”以下の処理を行うが、その時のステップSA2では選択枠を左へ1つ移動させる。これにより、来店客Xは、より詳細な3D映像を(次に説明する処理により)表示させる靴を選択することができる。
一方、モニタ6が検索結果画面の表示状態であるときに3D映像操作プレート20の“表示”プレートが置かれると、上述した“次へ”プレートが置かれた時と同様に種別が操作の差分タグIDがあることになるので、アプリ部5bは、そのタグIDが対応するタグIDテーブル中の属性及び属性内IDに基づいて属性毎のテーブルから値を読み出し(ステップS21)、“A”以下の処理を開始する。この場合、アプリ部5bは、属性が3D映像で値が“表示”のタグIDがあると判断し(ステップSA1での判断結果が“YES”となり)、次いで属性が3D映像で値が“回転停止”のタグIDがあるか否かを判断する(ステップSA3)が、そのタグIDはないと判断し(ステップSA3での判断結果は“NO”となり)、モニタ6に選択枠の靴に該当する3D映像画面を表示させ、その3D映像を回転させる(ステップSA4)。
したがって、来店客Xが上記図13に示したように選択枠を検索結果画面中央の靴に合わせ、その靴の形等を3D映像でよく見てみたいと思ったときには、図14中の左側に示したように3D映像操作プレート20の“表示”プレートを置くと、同図中右側に示したように当該靴の3D映像がポップアップし、破線白抜矢印で示したように回転して表示される。これにより、来店客Xは、その靴についてのより詳細な映像を見ることができる。
アプリ部5bは、このようにしてモニタ6の画面表示を検索結果画面から3D映像が表示された画面(以下「3D画面」という。)に変更すると現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
ここで、来店客Xが“表示”プレートと同時に“回転停止”プレートを置いた場合にあっては、上記同様に“A”以下の処理が開始されてステップSA3に至るが、アプリ部5bは、属性が3D映像で値が“回転停止”のタグIDがあると判断する(ステップSA3での判断結果が“YES”となる。)。この場合、アプリ部5bは、モニタ6に選択枠の靴に該当する3D映像画面を表示させて画面表示を3D画面にするが、その3D映像の回転はさせない(ステップSA5)。その後、アプリ部5bは現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
3D画面の表示状態において、タグID群に差分が生じて現画面状態毎の処理が開始されると、アプリ部5bは、モニタ6が初期画面の表示状態でなく、検索結果画面の表示状態でもないと判断し(ステップS10及びS18での判断結果が共に“NO”となり)、図8のフローチャートに示した“B”以下の処理を行う。“B”以下の処理では、まず、モニタ6が3D画面の表示状態であるか否かを判断し(ステップSB1)、3D画面の表示状態でない場合(ステップSB1での判断結果が““NO”の場合)には、後述の“D”以下の処理を行うが、3D画面の表示状態である場合(ステップSB1での判断結果が“YES”の場合)には、属性が3D映像であるタグIDの差分に応じた処理(3D映像のタグIDが増えたり減ったりしたことに伴う処理)を行う。
具体的には、アプリ部5bは、差分のタグIDについて属性毎のテーブルから読み出した値に基づき、“表示”のタグIDが減ったか否かを判断し(ステップSB2)、減った場合(ステップSB2での判断結果が“YES”の場合)には、モニタ6の画面表示を3D画面の前の検索結果画面に戻し(ステップSB3)、減っていない場合(ステップSB2での判断結果が“NO”の場合)には、“回転停止”のタグIDが増えたか否かを判断する(ステップSB4)。“回転停止”のタグIDが増えた場合(ステップSB4での判断結果が“YES”の場合)には、3D映像の回転を停止させ(ステップSB5)、増えていない場合(ステップSB4での判断結果が“NO”の場合)には、“回転停止”のタグIDが減ったか否かを判断する(ステップSB6)。“回転停止”のタグIDが減った場合(ステップSB6での判断結果が“YES”の場合)には、3D映像を回転させ(ステップSB7)、減っていない場合(ステップSB6での判断結果が“NO”の場合)には、3D画面の表示状態とは無関係な物が置かれたことになるので、そのまま現画面状態毎の処理を終了する。なお、モニタ6の画面表示を検索結果画面に戻したとき(ステップSB3)、3D映像の回転を停止させたとき(ステップSB5)、及び3D映像を回転させたとき(ステップSB7)も現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
例えば、上記図14に示したように“表示”プレートを置いて回転する3D映像が表示されている3D画面の表示状態に対し、来店客Xが3D映像の回転を止めてみたいと思ったとする。このとき、来店客Xが図15中の左側に示したように3D映像操作プレート20の“回転停止”プレートを置くと、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理において“B”以下の処理が開始され、アプリ部5bは、3D画面の表示状態であり、“表示”のタグIDが減っておらず、“回転停止”のタグIDが増えたと判断し(ステップSB1での判断結果が“YES”、ステップSB2での判断結果が“NO”、ステップSB4での判断結果が“YES”となり)、3D映像の回転を停止させる(ステップSB5)。これにより、同図中右側に示したように3D映像の回転が停止し、来店客Xが所望の映像を見ることができる(3D映像は“表示”プレートによって表示させたときにデフォルトで回転しており、“回転停止”プレートを置くことによって回転が停止する。)。
その後、来店客Xが図16中の左側に示したように“回転停止”プレートを取り去ると、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理において“B”以下の処理が開始され、アプリ部5bは、3D画面の表示状態であり、“表示”のタグIDが減っておらず、“回転停止”のタグIDが増えておらず、“回転停止”のタグIDが減ったと判断し(ステップSB1での判断結果が“YES”、ステップSB2での判断結果が“NO”、ステップSB4での判断結果が“NO”、ステップSB6での判断結果が“YES”となり)、3D映像を回転させる(ステップSB7)。これにより、同図中右側に示したように3D映像が回転し、一旦停止していた3D映像が再度回転して表示されることになる。
そして、来店客Xが図17中の左側に示したように“表示”プレートを取り去ると、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理において“B”以下の処理が開始され、アプリ部5bは、3D画面の表示状態であり、“表示”のタグIDが減ったと判断し(ステップSB1での判断結果が“YES”、ステップSB2での判断結果が“YES”となり)、モニタ6の画面表示を検索結果画面に戻す(ステップSB3)。これにより、3D映像を表示させる前と同様の同図中右側に示した検索結果画面(1つ前の画面)が再び表示される。
検索結果画面の表示状態では、以上のようにして3D映像の表示をさせることができるが、サンプル1を変更して異なる検索条件による検索結果画面を表示させることもできる。例えば、来店客Xが図18中左側に破線で示したように色サンプル12を赤から黒に変更し、材質サンプル11をエナメルから革に変更したとする。すると、それらの変更から生じた種別がサンプルの差分タグIDによって現画面状態毎の処理が開始されるので、アプリ部5bは、初期画面の表示状態でなく、検索結果画面の表示状態であり、種別がサンプルの差分タグIDがあると判断する(ステップS10での判断結果が“NO”、ステップS18での判断結果が“YES”、ステップS19での判断結果が“YES”となる。)。
このように検索結果画面の表示状態でサンプルの差分タグIDがあると判断したアプリ部5bは、上記ステップS13の処理へと進み、属性毎のテーブルから値を読み出して後続のステップS14以下の処理を上記同様に行う。今、来店客Xが置いたサンプル1は変更後も全属性のものが揃っているので、ステップS14での判断結果は“YES”となり(もし揃っていなければ上記同様にステップS15の処理で属性値が指定された初期画面が表示されることになる。)、読み出した値に基づいて商品コードDBの検索を行う(ステップS16)。これにより、変更後の“パンプスand黒and革and23.0”を検索条件として商品コードDBが検索され、検索条件に該当する商品コードが特定される。そして、特定された商品コードで商品DBが検索され、該当するタグIDが1つ以上存在する商品コードについて商品コードDBが参照され、図18中の右側に示したような検索結果画面(スタイルがパンプス、かつ、色が黒、かつ、材質が革、かつ、サイズが23.0cmの条件に合致する靴の情報が示された検索結果画面)が表示される(ステップS17)。
検索結果画面の表示状態では、このようにサンプル1を適宜変更して自由に商品の靴に関する情報検索を行うことができ、その変更後の検索結果画面においても上記同様に選択枠の移動や3D映像の表示を行うことができる。そして、図19中の左側に示したように来店客XがRFIDリーダ3上からすべてのサンプル1を取り去ると、アプリ部5bが受信するタグID群が当初と同様にダミータグIDのみとなるので(ステップS3での判断結果が“YES”となり)、同図中右側に示したようにモニタ6の画面表示は当初の初期画面に戻る(ステップS4)。
次に、初期画面の表示状態で展示靴が置かれた場合、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理では、アプリ部5bは、初期画面の表示状態であると判断した後に種別が展示靴のタグIDがあると判断し(ステップS10、S11での判断結果が共に“YES”となり)、図9のフローチャートに示した“C”以下の処理を行う。
“C”以下の処理では、アプリ部5bは、まず、種別がサンプルのタグIDがあるか否かを判断する(ステップSC1)が、展示靴(のみ)が置かれた場合では種別が展示靴のタグIDしかないので、サンプルのタグIDはないと判断し(ステップSC1での判断結果は“NO”となり)、その種別が展示靴のタグIDに対応した商品コードを商品コードテーブルから読み出す(ステップSC2)。そして、読み出した商品コードをキーとして商品コードDBを参照し、置かれた展示靴のタグIDが対応する商品コードの靴に関する情報を参照する(ステップSC3)。
続いてアプリ部5bは、その読み出した商品コードで商品DBを検索し、該当するタグIDが1つ以上存在するか否かを判断する(ステップSC4)。該当するタグIDが商品DBに1つ以上存在するということは、その読み出した商品コードの展示靴の在庫があるということであり、逆に、該当するタグIDがなければ在庫はないということである。したがって、アプリ部5bは、該当するタグIDが1つ以上存在する場合(ステップSC4での判断結果が“YES”の場合)には、商品がある旨のメッセージと共に在庫確認画面をモニタ6に表示させ(ステップSC5)、該当するタグIDが1つもない場合(ステップSC4での判断結果が“NO”の場合)には、商品がない旨のメッセージと共に在庫確認画面をモニタ6に表示させる(ステップSC6)。アプリ部5bは、これによって現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
ここで、在庫確認画面とは、在庫(商品DB)を検索した展示靴についての情報を在庫の有無と共に示した画面である。例えば、サンプル1をすべて取り去った上記来店客Xが図20中の左側に示したように赤いパンプスの展示靴(白抜きの四角形が貼付されたRFIDタグであり、サイズが22.0cmで在庫がある靴とする。)を置いたとすると、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理で“C”以下の処理が上述のように行われ、同図中の右側に示したような在庫確認画面がモニタ6に表示される。この在庫確認画面中にあるように、展示靴についての情報としては、商品名、商品コード、色及びサイズ等が商品コードDB中の情報に基づいて表示され、在庫の有無が“ご希望の商品がございます。 販売員へお申しつけください。”との商品がある旨のメッセージによって表示されており、来店客Xは、置いた展示靴の在庫の有無を確認することができる。
展示靴については、具体的な商品名が特定されている。そして、商品コードDB中の情報については、上述したようにデザインが同じ靴には同じ商品名が付与され、商品名が同じ靴は、スタイルと材質も同じだが、色、サイズは異なる靴がある。したがって、展示靴が特定する商品名の靴のうちには、色違いやサイズ違いの靴がある。そこで、本婦人靴検索システムは、RFIDリーダ3上に展示靴を置いて在庫確認画面が表示されたときに、その色違いやサイズ違いを検索するための検索条件を色サンプル12やサイズサンプル10で指定することを受け付け、展示靴の色やサイズを変更して在庫確認をすることができるようになっている。
すなわち、在庫確認画面の表示状態で色サンプル12若しくはサイズサンプル10又はこれらの双方がさらに置かれると、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理において、アプリ部5bは、初期画面の表示状態でなく、検索結果画面の表示状態でなく、3D画面の表示状態でないと判断し(ステップS10、S18及びSB1の判断結果が共に“NO”となり)、“D”以下の処理を開始して在庫確認画面の表示状態であるか否かを判断する(ステップSD1)。アプリ部5bは、ここで在庫確認画面の表示状態であると判断し(ステップSD1での判断結果は“YES”となる。今は在庫確認画面の表示状態であることを想定しているが、初期画面、検索結果画面及び3D画面の表示状態のいずれでもない場合には、結果として在庫確認画面の表示状態となっていることになる。)、次いで種別が展示靴のタグIDがあるか否かを判断する(ステップSD2)。展示靴は既に置かれているので、アプリ部5bは、展示靴のタグIDがあると判断し(ステップSD2での判断結果は“YES”となり)、これによって“C”以下の処理を開始する。
この時の“C”以下の処理では、アプリ部5bは、さらに置かれた色サンプル12等のタグIDの種別により、種別がサンプルのタグIDがあると判断する(ステップSC1での判断結果が“YES”となる。)。すると、次いで属性が色又はサイズのタグIDがあるか否かを判断し(ステップSC7)、その色サンプル12等のタグIDの属性により、色又はサイズのタグIDがあると判断する(ステップSC7での判断結果が“YES”となる。なお、色やサイズでない材質やスタイルのタグIDがあり、判断結果が“NO”となる場合には、そのタグIDは無視して上記同様にステップSC2以下の処理を行う。)。
色又はサイズのタグIDがあると判断したアプリ部5bは、種別が展示靴のタグID(既に置かれている展示靴のタグID)に対応した商品コードを商品コードテーブルから読み出す(ステップSC8)。そして、その商品コードに対応する商品コードDB中の商品名、色のタグIDの属性内IDが対応する色テーブル中の色、及びサイズのタグIDの属性内IDが対応するサイズテーブル中のサイズにより、それらをandで連結した“商品名and色andサイズ”を検索条件として商品コードDBを検索し、該当する商品コードを特定する(ステップSC9)。これにより、検索条件の色、サイズについては、既に置かれていた展示靴の色、サイズを種別がサンプルのタグIDで指定された色、サイズに置き換えて商品コードDBを検索する。ただし、そのタグIDがない場合(色又はサイズのタグIDがない場合)には、先の商品コードDBで参照した元の値(展示靴が置かれて最初に“C”以下の処理を行ったときにステップSC3で参照した値)を利用する。
このようにして商品コードを特定したアプリ部5bは、特定した商品コードをキーとして商品コードDBを参照し、検索条件を置き換えて該当した商品コードの靴に関する情報を参照する(ステップSC10)。続いてアプリ部5bは、上記ステップSC4の処理へと進み、上記同様の処理を行うが、ここでは検索条件を置き換えて該当した商品コードで商品DBを検索し、該当するタグIDが1つ以上存在するか否かを判断する(ステップSC4)。これにより、該当するタグIDが1つ以上存在する場合には、商品がある旨のメッセージと共に在庫確認画面をモニタ6に表示させ、該当するタグIDが1つもない場合には、商品がない旨のメッセージと共に在庫確認画面をモニタ6に表示させ(ステップSC5及びSC6)、現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
例えば、上記図20に示したように展示靴を置き、在庫確認画面が表示された後に、来店客Xが「色は黒でサイズは23.0cmがいい」と思い、図21中の左側に示したようにさらに黒の色サンプル12と23.0cmのサイズサンプル10を置いたとすると、その差分タグIDによって開始された現画面状態毎の処理で上記ステップSC7〜SC10を経由する“C”以下の処理が行われ、同図中の右側に示したような在庫確認画面が表示される。この在庫確認画面においては、来店客Xが置いた展示靴の色とサイズをさらに置いた色サンプル12とサイズサンプル10によって変更したこと(赤から黒、22.0cmから23.0cmに変更したこと)が“色”枠内の“ブラック”側方の横三角形マークの表示と“サイズ”枠内の“23.0”の表示によって示され、その変更後の検索条件に合致する靴の在庫がある旨が上記同様のメッセージ表示によって示されている。
アプリ部5bは、展示靴が置かれたときには以上のような処理を行うが、置かれていた展示靴が取り去られた時には、その差分タグIDによって開始される現画面状態毎の処理において、初期画面の表示状態でなく、検索結果画面の表示状態でなく、3D画面の表示状態でないと判断し(ステップS10、S18及びSB1の判断結果が共に“NO”となり)、“D”以下の処理を開始して在庫確認画面の表示状態であると判断し(ステップSD1での判断結果が“YES”となり)、種別が展示靴のタグIDがないと判断する(ステップSD2での判断結果が“NO”となる。)。すると、次いで種別がサンプルのタグIDがあるか否かを判断し(ステップSD3)、サンプルのタグIDがない場合(ステップSD3での判断結果が“NO”の場合)には、モニタ6の表示を当初の初期画面とする(ステップSD4)。
すなわち、在庫確認画面の表示状態のときに、置かれていた展示靴が取り去られ、その後にサンプル1中のいずれもが置かれていなければ、在庫確認画面を当初の初期画面に戻す。例えば、上記図20に示したように在庫確認画面が表示されているときに、来店客Xが一度置いた展示靴を取り去ったとすると、RFIDリーダ3上には何もなくなるので、アプリ部5bが受信するタグID群がダミータグIDのみとなってモニタ6の表示は当初の初期画面に戻る(ステップS2〜S4)。しかし、展示靴が取り去られた時に、サンプル1以外の操作プレート2等の物が置かれていると、そのまま現画面状態毎の処理を終了したのでは在庫確認画面の表示状態が維持されてしまう。このため、展示靴が取り去られた時には、サンプルのタグIDがなければ在庫確認画面を当初の初期画面に戻してから現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻ることとしている。
これに対し、展示靴が取り去られた時にサンプル1中のいずれかの物が置かれている場合には、アプリ部5bは、サンプルのタグIDがあると判断する(ステップSD3での判断結果が“YES”となる。)。この場合には、そのタグIDが対応するタグIDテーブル中の属性及び属性内IDに基づいて属性毎のテーブルから値を読み出し(ステップSD5)、スタイル、色、材質及びサイズの全属性が揃っているか否かを判断する(ステップSD6)。そして、全属性が揃っていない場合(ステップSD6での判断結果が“NO”の場合)には、属性値が指定された(例えば色が赤である等の)初期画面をモニタ6に表示させて(ステップSD7)現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。
ここにいう属性値が指定された初期画面とは、上記ステップS15の処理で表示させる初期画面と同様のものである。例えば、上記図21に示したように在庫確認画面が表示されているときに、来店客Xが展示靴を取り去ったとすると、その後に黒の色サンプル12と23.0cmのサイズサンプル10が残るので、上記案内表示に加えて“スタイルは何にしますか?”、“色 黒”と黒の色サンプル12の画像、“材質は何にしますか?”及び“サイズ 23.0”のような表示がなされる。
すなわち、展示靴が取り去られた後にサンプル1が置かれている状態は、当初の初期画面の表示状態からサンプル1が置かれた状態と共通するので、アプリ部5bは、上記ステップS13〜S17に対応する処理(ステップSD5〜SD9の処理)を“D”以下で行うものとなっている。したがって、アプリ部5bは、全属性についての値を読み出して全属性が揃っていると判断した場合(ステップSD6での判断結果が“YES”の場合。例えば、展示靴を取り去る前に全属性のサンプル1を置いた場合等)には、読み出した値を検索条件として商品コードDBを検索する(ステップSD8)。この場合においても、アプリ部5bは、全属性についての読み出した値につき、異なる属性間の値はandで連結し、同一属性内の値はorで連結して、商品コードDBを検索する検索条件とする(例えば、パンプスのスタイルサンプル13、赤と黒の色サンプル12、革の材質サンプル11及び23.5cmのサイズサンプル10が置かれている場合には、検索条件は“パンプスand(赤or黒)and革and23.5”とする。)。これにより、アプリ部5bは、展示靴が取り去られた後に置かれているサンプル1によって指定される検索条件に該当する商品コードを特定する(ステップSD8)。
続いてアプリ部5bは、特定した商品コードで商品DBを検索し、該当するタグIDが1つ以上存在する商品コードについては、商品コードDBを参照し、検索結果画面に該当する情報を表示する(ステップSD9)。これにより、アプリ部5bは、特定した商品コードのうち、在庫がある靴の商品コードに対応する商品コードDB中の各情報を検索結果画面における情報として、モニタ6の表示を在庫確認画面から検索結果画面に変更し、展示靴が取り去られた後に置かれているサンプル1の条件に合致する靴の情報を表示する。
アプリ部5bは、このような検索結果画面をモニタ6に表示させると現画面状態毎の処理を終了し、図5中でのステップS6からステップS2の処理へと戻る。そして以後においても、図5のフローチャートの手順による処理を上記同様に行い、RFIDリーダ3上に物が置かれ、あるいは、取り去られた時には、図6〜図10のフローチャートの手順による処理を上記同様に行う。
<主要な構成及び動作の解説と変形ないし応用等の例>
(1)基本操作
上述した婦人靴検索システムは、本情報入力装置を適用した一例である。本情報入力装置は、上述したように検索条件や表示指示等のメタファとなる物をRFIDによって識別することとし、ユーザがRFIDリーダに置いた物を、隠喩により当該物に具現された検索条件ないし指示操作等の入力情報としてそのまま受け付ける。したがって、本情報入力装置は、他の商品検索システム等を始めとして、ユーザに対して所定の検索条件や表示指示等の入力が求められる情報提供システムないし情報機器一般に適用することができる。
そして、本情報入力装置によれば、ユーザが実施したいことないし実施できることを連想させるメタファ(隠喩)となる物(RFIDタグを貼付した有体物)をRFIDリーダ上に置くことにより、システムを直感的かつダイレクトに(画面階層間で遷移する「検索」、「戻る」のボタン操作等を要せずして)操作することができる。
例えば、上記婦人靴検索システムについては、次のような特徴を挙げることができる。
(i)検索条件を指定したい場合
・材質を指定する場合については、実際の材質を張ったプレート(材質サンプル11)を用意し、探したい材質のプレートをRFIDリーダ3へ置く。したがって、ユーザ(来店客)は、自身が探したい靴の材質を実際に触って確かめながらそれをそのまま検索条件として入力することができる。
・スタイル(形)を選ぶ場合については、代表的な実際の形を模した形の模型(スタイルサンプル13)を用意し、探したい形の模型をRFIDリーダ3へ置く。したがって、ユーザは、実際に見たり手に取ったりして確かめた形をそのまま検索条件として入力することができる。
・色を選ぶ場合については、実際の色の付いたプレート(色サンプル12)を用意し、探したい色のプレートをRFIDリーダ3へ置く。したがって、ユーザは、実際に見て確かめた色をそのまま検索条件として入力することができる。
上記婦人靴検索システムは、検索条件の入力操作をこのような形態で行うことを可能としたことにより、システム操作に関する知識がなくても、見たり触ったりした物から受けたイメージがそのままシステムの条件入力になるので、それを検索したいと思ったときに、そのときのイメージによって直感的に操作をすることができる。
(ii)画面の遷移ないし更新
物をRFIDリーダ3上に置くと、画面が遷移し、あるいは、更新され、取り除くと元の画面に戻るので、直感的に操作することができる。また、例えば、色を選ぶ場合については、選択可能な色を示す色選択ボタンが色毎に複数配列されており、その中からいずれか1つのボタンを押して色を指定し、そののち、“探す”ボタンを押したりする操作や、色・サイズ変更ボタンを押して元の画面に戻る等の選択操作(既存の婦人靴システム等で要求されている操作)が不要であり、ダイレクトに操作することができる。例えば、
・RFIDリーダ3上に何も物を置かないと初期画面へ戻る。
・RFIDリーダ3上に置いてあるサンプル1を別のサンプル1に変えると、再検索を行って結果を表示する。
・表示されている靴の3D映像を見たい場合には、“表示”プレートを置くと3D映像が表示され、取り除くと元の画面へ戻る。
・“次へ”プレートを置くと選択枠が右へ移動し、“前へ”プレートを置くと選択枠が左へ移動する。
したがって、物を置けば操作ができ、所望の結果が得られなければ置いた物を取り去ったり別の物に変えたりすればよいので、パーソナル・コンピュータ等の操作に慣れていない者や画面階層の知識がない者等でも直感的に操作することができる。
図22は、上記(i)及び(ii)にいうような上記婦人靴検索システムでの直感的な操作形態の概略を表した図である。この図に示すように、材料見本、色見本及びスタイル見本等のRFIDタグ付きの見本を適宜用意しておき、ユーザが自分の探している靴の材質、色、スタイル(ジャンル)等の見本を選択してRFIDリーダに置くと、条件に合う靴を表示して紹介する。これにより、ユーザは、例えば図中左側下段にあるように実物の材質を触って確かめ、「こんな材質の靴が欲しい」と思えば、それをそのままシステムの入力にすることができ、「色は服に合わせて赤で」等と思えば、見た色見本をそのままシステムの入力にすることもできる。なお、図22中の操作パックは、他の形態による操作手段であり、その詳細については後述する。
さらに、このような操作形態によれば、ユーザ等の言語に依存することなく操作をすることが可能である。例えば、画面中の文字表示がユーザにとって他国の言語であったとしても、メタファとなる物があり、それを置いたり取り除いたりすればよいので、その物を見れば容易に操作が分かる。したがって、本情報入力を適用した上記婦人靴検索システム等においては、表示文字等の言語が特定されず、任意の言語表示でユーザの操作が可能である。
本情報入力装置は、このように、ユーザが操作したいことないし操作できることを連想させるメタファとなる物を、RFIDリーダに置いたり取り除いたりすることで、直感的にダイレクトに操作をすることができる手段となっており、RFIDによるTangibleな入力インターフェース(実際に触ることのできる有形の入力インターフェース)を実現することができる。これにより、ウィンドウ・システム特有の階層構造による情報提供等での基本操作のために情報検索等が十分にできない子供や高齢者等でも容易に情報検索等の操作を行うことができ、各種情報提供システムのアクセシビリティを向上させ、ユニバーサルデザインを指向する入力インターフェースを提供することもできる。また、上記婦人靴検索システムのような商品に関する情報の検索システムにあっては、例えば、レディメイド商品のレコメンドやオーダメイド商品のコーディネイト支援等に資するものとして利用することもできる。また、住宅の内装サンプル(例えば、床材、壁紙、ドア材質、窓枠材質、ガラス材質、カーテン材質など)を組み合わせてRFIDリーダ上に置くと、それらを組み合わせた室内の3D映像をモニタに表示し、ユーザの内装コーディネイト支援に資するものとして利用することもできる。
(2)レイアウト表示シート
上述したレイアウト表示シート4のようなレイアウトの表示シートをRFIDリーダ上に付けることにより、その表示が何を置けばよいかのガイドになるので、何をRFIDリーダの上に置けばよいかが見ればすぐに分かる。これにより、本情報入力装置は、パズルのように物とレイアウトを合わせるという誰でも連想できることを操作に取り入れているので、子供から高齢者まで誰でも簡単に操作をすることができる。
上記レイアウト表示シート4については、特異な構成及び効果並びに変形例として、次のようなものが挙げられる。
(i)サンプルという枠(“探したい靴のサンプル”)があるので、「サンプルを置けばよいのだな」と容易に連想でき、ユーザをサンプルを置く行為に至らせることができる。
(ii)サンプルに色々な属性(形態の種別)がある場合には、それぞれの属性毎に枠を表示することにより、どのような検索条件を指定できるかをユーザに容易に連想させることができ、多くのサンプルがある場合等でも何を置くべきかが容易に分かる。例えば、
・属性としては、スタイル(形)、色、材質及びサイズのグループを表示しておき、例えば、ユーザがスタイルにパンプス模型を、色に赤プレートを、材質に革プレートを、サイズに23.5cmのプレートを置くと、「スタイルがパンプス」かつ「色が赤」かつ「材質が革」かつ「サイズが23.5cm」の検索条件に合致した靴が画面に表示される。
・同一属性のサンプルを複数置くと、それらはor条件で検索される。例えば、ユーザが色に赤と黒のプレートを置くと、色が赤又は黒の靴を探しているとみなす。
(iii)レイアウト上の“サイズ”、“移動”等の枠内エリアの色とサンプルのプレートの色を同一にすることにより、どのサンプルをどこに置けばよいのかが色合わせのように直感的に連想できる。レイアウト表示シート4においては、上述したように“サイズ”、“3D映像”、“移動”の枠内エリアの表示をそれぞれサイズサンプル10、3D映像操作プレート20、移動操作プレート21と同一の色としたが、これら以外の“材質”、“色”、“スタイルまたは靴”の枠内エリアの表示についても、それぞれ材質サンプル11、色サンプル12、スタイルサンプル13と色による対応表示をすることは可能である(例えば、材質サンプル11、色サンプル12、スタイルサンプル13の端の方の一部にそれぞれのサンプルで同じ色を付けておき、その色をそれぞれ“材質”、“色”、“スタイルまたは靴”の枠の表示色としてもよい。)。さらに、このようなレイアウト上の枠内エリアとサンプルのプレートとの対応表示は、色のみに限らず、形状を同一にする等、対応関係を視覚ないし触覚等に訴える他の形態によって行うものとしてもよい。例えば、エリアの枠の形状とそこに置くプレートの形状を共に三角形等の所定の形状にしたりしてもよい。
(iv)レイアウト表示の“3D映像”は「何を(名詞、目的語)」を表示しており、3D映像操作プレート20の“表示”プレート及び“回転停止”プレートは「どうする(動詞)」に当たる表示及び回転停止を表示している。「何を」、「どうする」のような操作をユーザがシステムへ入力したいという場合に対して、このように「何を」に当たる部分をレイアウト表示し、「どうする」の部分を3D映像操作プレート20で表示してあるので、ユーザにとっては、「何を」をキーとして実施したいことが整理され、どうできるのかが理解し易くなっている。「何をどうする」と一連に表示された操作プレートにすると、そのプレートを今置いてよいのかどうかユーザは迷うが、「何を」がレイアウト表示されていると、「今「どうする」を指定できるのだな」と連想できる。
また、「どうする(動詞)」と「どのように(副詞)」のペアも同様にユーザにとっては実施したいことが整理され、どのようにできるのかが理解し易い。レイアウト表示の“移動”は「どうする」を表示しており、移動操作プレート21の“次へ”プレート及び“前へ”プレートは「どのように」に当たる次へ及び前へを表示している。なお、移動操作プレート21についても「何を」、「どうする」という表示形態にするのであれば、例えば、レイアウト表示の“移動”を“選択枠”等とし、移動操作プレート21の“次へ”プレート及び“前へ”プレートを“次へ移動”プレート及び“前へ移動”プレート等とすればよい。
(v)RFIDリーダ3は、その上の任意の位置に置かれたRFIDタグのタグIDを読み取り、RFIDタグの位置認識まではしない1枚のアンテナで構成された通常のものでよい。サンプル1等をレイアウト表示シート4に従って置かなくてもRFIDリーダ3はタグIDを読み取り、その読み取ったタグIDによってアプリ部5bが上述した処理動作を行うことができる。したがって、レイアウト表示シート4は、RFIDタグを貼付した物を置く場所の表示はしているが、必ずその通りに置かなければならないという表示ではなく、ユーザに対して何を置けばよいのかを上述のように案内して分かり易くするガイダンス的なものである。
ただし、通常のRFIDリーダは、その上にRFIDタグが重ねて置かれると、そのタグIDが読めない場合がある。これに対し、レイアウト表示シート4は、それぞれのサンプル1等をおく場所を重ならないように分散させてあるので、貼付されたRFIDタグが重ねて置かれる確率を減らすことができ、タグIDが読み取れない状態にサンプル1等が置かれるのを防止するようになっている。なお、RFIDタグが重ねて置かれないようにするためには、サンプル1等の物を重ねて置くことができない形状(例えば、上面側がピラミッド型の形状等)にすることにしてもよい。
(vi)レイアウト表示シート4は、RFIDリーダ3上の全体面に置かれ、その表示が上記婦人靴検索システムのトップメニューに相当するということもできる。したがって、用途別にトップメニューに相当するレイアウト表示シート(例えば、上述のような婦人靴用シートやアパレル用シート等)を用意しておき、シーンに応じて差し替えることにより、1つのシステムを色々な用途に利用することができる。かかる用途別のレイアウト表示シートは、システムの運用者(店舗等の者)が予め用意してRFIDリーダ上に置くことにより、それぞれの用途においてどのような物(サンプル等のRFIDタグが付された物)を利用できるかがレイアウトを見ればすぐに分かるようにしておくことができる。
この場合、それぞれの用途別のレイアウト表示シートには、それぞれの用途に係るレイアウト表示シートであることを識別するためのRFIDタグを裏面等に貼付しておき、そのタグIDを読み取ることによってシステムがいずれの用途に係るレイアウト表示シートであるかを識別するようにしてもよい。これにより、システムの運用者等がレイアウト表示シートをRFIDリーダ上に置くと、システムが当該レイアウト表示シートを識別して対応する用途に応じた画面表示等を行うようにすることもできる。例えば、上記婦人靴検索システムにおけるRFIDリーダ3やコンピュータ5等を必要に応じて別の場所(同一店舗内の他の商品を取り扱う場所等)に移動させ、その移動先の場所でレイアウト表示シートを置くだけでサンプルによる情報検索等を開始するようにすることもできる。
(3)他の形態によるレイアウト表示シート
レイアウト表示シート4は、サンプル1等のRFIDタグが貼付された物を置く場所を表示するものであるが、本情報入力装置では、シートのレイアウト表示に対応した部分にRFIDタグを予め貼り付け、ユーザが指定したいレイアウト表示上にRFIDの読取を遮断する物を置くことにより、ユーザが直感的に操作をすることを可能にする他の形態によるレイアウト表示シートを利用することもできる。
図23は、かかる他の形態によるレイアウト表示シートの一例であるレイアウト表示シート4′を示した図である。レイアウト表示シート4′は、レイアウト表示シート4と同様に“探したい靴のサンプル”及び“操作”の枠があるが、“操作”の枠内右側にある“前へ”の文字及び左方向指示マークの表示と“次へ”の文字及び右方向指示マークの表示の部分が特異なものとなっている。左右の方向指示マークをそれぞれ囲んでいる図中の破線枠内の裏面(シートの裏面)には、それぞれの位置ないし表示を識別するためのRFIDタグが貼付されている。したがって、レイアウト表示シート4′がRFIDリーダ上に置かれると、それらのタグIDが読み取られることになる。
図24は、レイアウト表示シート4′をRFIDリーダ上に置いて使用するときの例を示した図である。図中“前へ”の文字下に置かれている“移動”と表示されたプレートは、レイアウト表示シート4′において使用する移動操作プレート2′である。移動操作プレート2′は、電磁波を遮蔽する導体を有するプレートであり、その置かれた箇所で占める領域内でのRFIDの読取を遮断する。具体的には、移動操作プレート2′は、表面に“移動”の文字を表示して裏面にアルミ箔、鉄又は銅等の金属を貼付したプレート等によって構成され、裏面に銀紙を貼り付けたプレート等の簡易なものであってもよい。なお、移動操作プレート2′と“前へ”の文字等の表示枠は同色になっている。
ユーザは、この移動操作プレート2′を裏面にRFIDタグが貼付された“前へ”又は“次へ”の文字下の破線枠内に置くことにより、置いた方の破線枠内裏面に貼付されたRFIDタグのRFIDリーダによる読取を遮断し、前への移動と次への移動を指定することができる。例えば、“前へ”、“次へ”の破線枠内裏面に貼付されたRFIDタグのタグIDをそれぞれ“1”、“2”とすると、
(a)ユーザが移動操作プレート2′を“前へ”及び“次へ”のいずれにも置かなければ、RFIDリーダでは“1”及び“2”のタグIDが双方共読み取られる。
(b)ユーザが移動操作プレート2′を図24に示したように“前へ”の位置に置くと、“前へ”の方に貼付されているRFIDタグのタグID“1”がRFIDリーダでは読み取れなくなり、“2”のタグIDのみが読み取られる。
(c)ユーザが移動操作プレート2′を“次へ”の位置に置くと、“次へ”の方に貼付されているRFIDタグのタグID“2”がRFIDリーダでは読み取れなくなり、“1”のタグIDのみが読み取られる。
これらの(a)〜(c)の読取データの違いにより、ユーザがどの位置を移動操作プレート2′で指定したかを上記コンピュータ5等のシステム側で認識することができる。すなわち、レイアウト表示シート4′中のRFIDタグが貼付された箇所に移動操作プレート2′が置かれると、その箇所のRFIDタグのみが読み取られなくなるので、読み取られなくなったRFIDタグがいずれかを判断することにより、ユーザが移動操作プレート2′を置いて“前へ”ないし“次へ”のいずれの場所を指定したかを認識することができる。例えば、図24に示した場合にあっては、タグID“1”が読み取れなくなるので、ユーザが“前へ”を指定したものとすることができる。
このような形態によるレイアウト表示シートによれば、RFIDリーダでは通常はRFIDタグの位置認識はできないが、あたかも位置認識ができ、ユーザ側からすれば位置の指定ができたかのような操作を行うことが可能となる。また、移動操作プレート2′によって上記選択枠を移動させることとすれば、画面上での選択枠の左右の動きをレイアウト表示シート上での移動操作プレート2′の同じ左右の動きで操作できるので、その点でも直感的な操作ができることになる。さらに、操作用のプレートが前への移動と次への移動の2操作に対して1つで足りるという利点もある。
そして、このような形態によれば、他にもレイアウト表示シートの複数の箇所にRFIDを貼付し、いくつかの操作や検索条件の指定等を1つのプレートによって行うことも可能である。例えば、“前へ”や“次へ”に加えて“上へ”や“下へ”の操作についても上記同様にレイアウト表示シートに貼付したRFIDタグによって指定することができる。
また、検索条件については、例えば、サイズの選択用に“big”や“small”等の表示をしてそれらの裏面にRFIDタグを貼付し、その表示位置を上記同様にRFIDの読取を遮断するプレート等によって指定することにより、サイズの選択等をすることができる。
また、その他の形態として、例えば、サンプルの『色』を例として以下に説明する。すなわち、レイアウトシートの『色』のエリアに“赤”、“青”、“白”、“黒”、“ピンク”等の見出しを付けておいて、それぞれの色ごとに、その色の見出しの下に、色のサンプルを置いてもらうための枠内エリア(図23の右下の破線のように)を設け、その裏側にはそれぞれ色を識別するためのRFIDを貼り付けておく。そして、RFIDの読み取りを遮断する複数のプレートを用意しておき、ユーザにレイアウトシートの該当する色(希望する色)の位置にそのプレートをおいてもらうようにしてもよい。これにより、遮断された箇所の色によって、色の選択等をすることもできる。
このように、色別のサンプルをそれぞれ個別に用意しなくても、まったく同一形状のプレート(例えばすべて黒の円錐型やカード型など)を用意することによっても、検索条件としてサイズ等の選択をすることができるようになる。
このような形態では、色別のサンプルをそれぞれ用意する必要が無いこと、色別のサンプルにRFIDを貼り付ける必要も無いので、サンプルを簡単に大量に用意できる。このため店頭でのサンプルの紛失、補充等にも柔軟に対応可能である。
(4)選択枠
上記婦人靴検索システムにおける選択枠は、移動操作プレート21の“次へ”プレートを置くと右に1つ移動し、“前へ”プレートを置くと左に1つ移動する。選択枠の移動形態については、これに限らず、移動操作プレート21が置かれている間はタグIDの読取を行う度に1つずつ移動するようにしてもよい。例えば、検索結果画面の表示状態で“次へ”プレートが置かれていれば、RFIDリーダ3がタグIDを読み取る1秒間隔等の時間間隔で1つずつ右へ順次移動し、“次へ”プレートが取り去られた時に停止する(来店客が3D映像を見たいと思う靴の所で“次へ”プレートを取り去った時に停止する)ようにしてもよい。このようにするには、例えば、上記図5のステップS5で差分タグIDがなかったときに検索結果画面の表示状態か否かを判断し、その表示状態であって移動操作プレート21が置かれている場合には、上記図7のステップSA2の処理を行うようにしてもよい。
(5)タグID群等
上記ダミータグIDは、1回の読取動作で読み取られたタグID群の区切りを示すものであるが、例えば、“A,B,C”に次いで“A,B”のタグIDが読み取られたときに、これらがそのまま“A,B,C,,,A,B,…”等の形式でアプリ部5bに受信されると、それぞれの時点で置かれた物に対応したアプリ部5bの処理が適切に行えなくなる場合がある。このようなことから、上記婦人靴検索システムではダミータグを導入し、例えばダミータグをXとして“A,B,C,X,,A,B,X,…”等の形式によりタグID群をアプリ部5bに供給している。
したがって、1回の読取動作で読み取ったタグID群(1回の読取コマンドに対する読取タグID群)を識別することができればよく、通信形態によってはダミータグIDが不要とする構成を採用してもよい。
なお、上記タグID読取部5aは、1秒間隔等の時間間隔でタグ読取コマンドを送信し、その時間間隔でタグID群を取得するものであったが、その実際の時間間隔は、置かれるサンプル1等の数(読取対象となるRFIDタグの数)、ハードウェアの性能、通信プロトコル等によって変動するので適宜設定するものとしてよい。
(6)その他
上記婦人靴検索システムにおいては、来店客が選択した靴の3D映像を表示することとしたが、これに限らず、他の商品詳細情報等を表示することにしてもよい。サンプル1や操作プレート2等のプレートは、板状のプレートに限られるわけではなく、パック等の他の形態のものでもよい。上記記憶部5cは、アプリ部5bの処理で必要なタグIDテーブルや商品DB等の情報をすべて記憶しているものとしたが、この形態に限らず、店舗内の他の商品管理システム等で上記タグIDテーブルや商品DB等の一部又は全部を保持し、コンピュータ5がそのシステムに接続して必要な情報を利用することにしてもよい。
また、上述の実施形態において、記録媒体としてRFIDタグを利用した場合について説明したが、RFIDタグ以外の記録媒体を適用するようにしてもよい。例えば、バーコードを裏面に付けた検索条件見本等物をガラス台の上に置くと、台の下に設置されたカメラによってバーコードを読み取って、検索条件見本等の物を識別するようにしてもよい。
ここでは、レイアウト表示シートには、透明なビニールシート又は透明な薄いアクリル板を用いればよい。
また、検索条件見本等に一意に特定される番号がシール等により付されている、あるいは、番号が書き込まれていて、その番号をカメラ等により読み取り、読み取った番号をもとにして、対応する識別情報が記憶されているRFIDタグから識別情報を取得するようにしてもよい。ここでは、番号とRFIDタグとを対応付けする記憶テーブルが予め設けておけばよい。
また、上述した実施形態において、レイアウト表示シート4(あるいは4′)については、例えば、紙等の印刷媒体にレイアウト表示内容が印刷されたものが利用可能であるが、このレイアウト表示シート4(あるいは4′)を液晶表示をする液晶パネルに換え、この液晶パネルにレイアウト表示の内容を表示させるようにしてもよい。ここでは、液晶表示装置のうち液晶パネルをRFIDリーダの上面側(メタファ等を置く面)に配置し、液晶パネルに情報を表示させる駆動回路等については、RFIDリーダの上面側以外(下面側、側面側)に配置し、液晶パネルと駆動回路とに配線して駆動させるようにしてもよい。ここでは、通常の液晶表示装置においては、駆動回路の一部に金属の薄膜やプリント基板等があり、RFIDリーダとRFIDタグの間に液晶表示装置が位置すると、この駆動回路に用いられた部品によってはRFIDリーダとRFIDタグとが通信できない可能性があるが、液晶パネルをRFIDリーダ上に配置させ、駆動回路をRFIDリーダとRFIDタグとが通信する範囲外に配置させるようにしたので、RFIDリーダとRFIDタグとが正常に通信を行うことができる。
また、レイアウト表示シート4(あるいは4′)に印刷媒体を利用した場合は、レイアウト表示の内容を変更する必要がある場合であっても、表示内容を変える毎に、レイアウト表示シートを取り替える必要がなく、コンピュータ5によって液晶パネルに表示させる情報を変えることにより、印刷媒体を利用する場合に比べて、柔軟にレイアウト表示の内容を変更することが可能となる。また、必要に応じて、メタファを置き場所を目立たせるようにその置き場所の図柄を点滅表示させたり、異なる色に変えるようにしてもよい。また、RFIDリーダに読み取らせるRFIDタグの組み合わせに応じて、液晶パネルに表示させる内容を変更するように、連動させるようにしてもよい。
また、上述した実施形態において、裏面にアルミ箔等が貼付された移動操作プレート2′を用いる場合について説明したが、このアルミ箔のサイズよりも大きい面積のRFIDタグを移動操作プレート2′の表面に貼付するようにしてもよい。これにより、移動操作プレート2′が置かれた位置に配置されていたレイアウト表示シート4′のRFIDタグを読み取り不可とし、移動操作プレート2′の表面に貼付されたRFIDタグを読み取らせることができる。これにより、移動操作プレート2′が置かれたことによって読み取りができなくなったRFIDタグを検出し、そのRFIDタグに応じた操作を行う以外に、新たに読み取れるようになったRFIDタグ(移動操作プレート2′の表面に貼付されたRFIDタグ)を検出し、その検出したRFIDタグに応じた処理を行うことが可能となる。
例えば、図5のステップS3において、タグID群がダミータグIDのみであるか否かを判断する際に、初期配置のRFIDタグのみであるか否か(移動操作プレート2′の表面に貼付されたRFIDタグがあるか否か)を判定し、初期配置のRFIDタグのみである場合には、ステップ4に移行し、初期配置のRFIDタグ以外のRFIDタグも検出された場合(移動操作プレート2′の表面に貼付されたRFIDタグも検出された場合)に、ステップS5に移行するようにしてもよい。これにより、操作がなされたか否かを確実に判定することが可能となる。
<他の形態による操作手段>
次に、上記婦人靴検索システムにおいて採用し得る他の形態による操作手段について説明する。図25は、その他の形態による操作手段である操作パック2Pを採用した場合におけるRFIDリーダ3上のレイアウト表示の一例を表したレイアウト表示シート40を示した図である。以下に説明する操作パック2Pやレイアウト表示シート40等によってユーザである来店客がする操作を受け付ける形態は、本情報入力装置の他の形態である。
レイアウト表示シート40は、レイアウト表示シート4ないし4′と同様にRFIDリーダ3上に置く物の案内をする所定のレイアウト表示がなされたシートであり、紙等の印刷媒体や液晶パネル等によって構成される。レイアウト表示シート40には、図示のように“探したい靴のサンプル”の枠内にスタイルサンプル13又は展示靴を置く“スタイルまたは靴”、色サンプル12を置く“色”、及び材質サンプル11を置く“材質”の3つの枠が表示されており、それらの枠の下に“サイズ”と“操作”の枠が表示されている。“サイズ”と“操作”の枠は、それぞれの位置ないし表示を識別するための初期配置のRFIDタグがシート裏面に予め貼付されており、その初期配置RFIDタグの読取を遮断することによってサイズや操作を指定する形態の枠(上述した移動操作プレート2′を用いる場合の形態による枠)となっている。
“サイズ”の枠内には、それぞれ“21.5”、“22.0”、“22.5”、“23.0”、“23.5”のサイズを示した四角形状のサイズ表示枠があり、それぞれのサイズ表示枠内の点線丸印で示した位置の裏面に初期配置RFIDタグが貼付されている(点線丸印は、各初期配置RFIDタグの位置を示す単なる印であり、その表示がレイアウト表示シート40上にあるわけではない。以下、他の点線丸印も同様である。)。図25では、それらのサイズ表示枠中の“23.0”の枠にサイズプレート10Pが置かれている状態を示してある。サイズプレート10Pは、表面に“size”の文字が表示され、裏面にアルミ箔等の金属が貼付されたプレートであり、その置かれた位置にある初期配置RFIDタグの読取を遮断する。ユーザは、このサイズプレート10Pを自身が選択したサイズのサイズ表示枠に置くことにより、そのサイズ表示枠の初期配置RFIDタグをRFIDリーダ3が読み取れないようにしてサイズを指定する。
“操作”の枠内には、それぞれ“3D映像”、“選択 select”の操作項目を示した四角形状の操作表示枠があり、それぞれの操作表示枠内の点線丸印で示した位置の裏面に初期配置RFIDタグが貼付されている。レイアウト表示シート40では、これらの“3D映像”及び“選択 select”の2つの操作表示枠が操作パック2Pを置く場所として用意されており、図25においては、そのうちの“選択 select”の枠の方に操作パック2Pが置かれている状態を示してある。操作パック2Pは、ユーザが操作表示枠内に置いた状態で回転させる操作(図中の矢印で示したような双方向の回転操作)をすることによって選択操作用又は3D映像の表示操作用のダイヤルないしコントローラとして利用する操作手段となっており、初期配置RFIDタグの読取を遮断するシールド機能を備え、かつ、回転操作の検出と出力の機能を担う加速度センサ及び無線通信装置を内蔵した円柱状ないし円盤状のパックで構成されている。
図26は、かかる操作パック2Pの具体的な構成をレイアウト表示シート40等の関連する他の構成の概略と共に示した図である。レイアウト表示シート40は、操作パック2Pの操作シートとしてRFIDリーダ3のRFIDリーダアンテナ3a上にあり、操作パック2Pは、その操作表示枠内(初期配置RFIDタグ上)に図26中の破線矢印で示したように置かれて使用される。なお、図26中のコンピュータ50は、操作パック2Pを利用する場合に必要な無線通信機能等を上記コンピュータ5に備えたものであるが、その詳細は後述する。
操作パック2Pは、図示のようにマーキング2Pa、操作検出機器2Pb及びシールド部2Pcを有している。マーキング2Paは、操作パック2P上面の所定箇所に表示された赤丸印であり、操作パック2Pの向きや回転量等をユーザが視認できるように示すものとなっている(上記図25中の矢印のようなものであってもよい。ただし、マーキング2Paは、必要に応じて適宜設ければよく、必要のない場合はなくてもよい。)。操作検出機器2Pbは、加速度センサと無線通信装置を有する機器であり、操作パック2Pの回転操作をしたときに生じる加速度を検出する機能と、検出した加速度を無線通信によってコンピュータ50に伝える無線通信機能とを備えている。シールド部2Pcは、電磁波を遮蔽する導体等で構成された上記シールド機能の実現手段であり、操作パック2Pが操作表示枠に置かれたときに当該操作表示枠の初期配置RFIDタグの読取を遮断する。具体的には、シールド部2Pcは、操作パック2Pの底面ないし底面側内部に設けられたアルミ箔、鉄又は銅等の金属のRFID読取遮断物によって構成することができ、操作パック2Pの底面ないし底面板内部側面に銀紙を貼り付けたもののような簡易なものであってもよい。
このような構成の操作パック2Pは、例えば、操作検出機器2Pbを3軸加速度センサと短距離無線通信装置等で構成し、その操作検出機器2Pbを内蔵したパックに上述のようなマーキング2Paとシールド部2Pcを設けることによって実現することができる(例えば、3軸加速度センサとBluetooth(登録商標)の無線通信装置を装備した機器が市販されているので、そのような機器を操作検出機器2Pbとして利用することもできる。)。ただし、3軸加速度センサの場合、水平面で回転させたときには、その回転の状況を認識できる有意な加速度データを取得することができない。このため、3軸加速度センサを利用する場合には、操作パック2Pの回転操作をしたときに加速度センサが水平面から一定の方向に傾いた状態で回転するような構成を採用する。
図27は、かかる加速度センサの回転を実現する具体的な構成の例を示した図である。図示の構成例は、水平面から0°より大きく、90°未満である傾斜角度を付けてRFIDリーダアンテナ3aを支持し(例えば、その傾斜角度の斜面を商品検索台7の上面に設け、当該斜面上でRFIDリーダアンテナ3aないしRFIDリーダ3を支持し)、その上にレイアウト表示シート40を置くものとなっている。これにより、RFIDリーダアンテナ3a及びレイアウト表示シート40を傾けて設置し、操作パック2Pを置いて回転操作する場所となるレイアウト表示シート40上の面を水平面から所定の角度だけ傾ける。
x軸、y軸及びz軸の3軸加速度センサを利用した操作パック2Pは、このような水平面から傾いた場所に置いて回転させると、図27中の操作パック2P内に示したx軸方向とy軸方向の重力加速度による加速度成分が変動する。図28は、その変動による加速度変異の例を表した図である。図28中のグラフは、縦軸を検出された加速度データ(数値自体は適宜量子化された値である。)、横軸を回転量(各破線の位置が当該各破線を指す矢印元に表記した角度分の回転量に相当する。)として、傾けて設置してある場所に操作パック2Pを置いて回転操作した場合の加速度変異例を示している。
このグラフに現れているように、z軸方向の加速度データ(点線)はほぼ一定であるが、x軸方向の加速度データ(破線)とy軸方向の加速度データ(実線)は、操作パック2Pの回転操作に伴って変動しており、回転量に応じて特定の変異を示す。また、操作パック2Pの回転操作速度は、この回転量に応じた特定の変異の進行速度として現れる。したがって、操作パック2Pに3軸加速度センサを利用する場合には、重力加速度によるx軸方向とy軸方向の加速度データの変異により、操作パック2Pの向き、回転操作速度及び回転操作量を認識することができる。
なお、操作パック2Pの回転操作場所を傾ける角度(RFIDリーダアンテナ3a等の設置傾斜角度)は、操作パック2P等が滑り落ちることなく加速度変異を適切に検出できる角度とし、例としては15°程度にすることが挙げられる。ただし、かかる角度は、操作パック2P底面の粘性や摩擦、利用する加速度センサの精度等によって変わるので、適宜選定するものとしてよい。例えば、操作パック2P底面の粘性や摩擦を増強すると、加速度変異が検出し易いように角度を大きくすることができるが、加速度センサの精度が高ければ、角度を小さくして回転操作場所を水平面に近くすることもできる。
また、3軸加速度センサを利用する場合には、加速度センサが水平面から一定の方向に傾いた状態で回転するようにすればよいので、上述したように回転操作場所を傾けるのではなく、水平に置かれた操作パック2Pにおいて加速度センサが傾いた状態で回転するようにしてもよい。そのための構成としては、例えば、z軸を中心として加速度センサを回転自在に支持する回転軸を操作パック2Pに鉛直方向から傾けて設け、操作パック2Pの回転操作で加速度センサの部分をz軸中心に回転させるようにすれば、上記同様の加速度変異を示す加速度データが得られる。
上記婦人靴検索システムにおいて以上のような操作パック2Pを利用する場合のシステム構成を図29に示す。操作パック2Pを利用する場合においても、サンプル1中の材質サンプル11、色サンプル12及びスタイルサンプル13、展示靴、RFIDリーダ3並びにモニタ6については、ハードウェアとしての物自体は上述したものを利用してよいが、サイズプレート10P、操作パック2P、レイアウト表示シート40及びコンピュータ50と協働するという点で上述したものとは異なる動作ないし機能を実現するものとなる。例えば、RFIDリーダ3については、その上にレイアウト表示シート40が置かれるので、サンプル1等のRFIDタグに加えて読取が遮断されていない初期配置RFIDタグのタグIDも読み取るものとなり、モニタ6については、コンピュータ50による制御の下で所定の情報表示をするものとなる。
コンピュータ50は、操作パック2Pを利用する場合に必要な機能を上記コンピュータ5に備えたものであり、タグID読取部50a、アプリ部50b、記憶部50c、無線通信処理部50d及び加速度センサ情報判定部50eを有している。タグID読取部50aは、上記タグID読取部5aと同様のタグIDの読取機能ブロックであるが、タグ読取コマンドを送信して(図29中の“(1)タグ読取コマンド”)読取が遮断されていない初期配置RFIDタグのタグIDが含まれたタグID群をRFIDリーダ3から受信し(“(2)読み取ったタグID群”)、そのタグID群をアプリ部50bに供給する(“(3)タグID群”。なお、アプリ部50bに供給するタグID群の形式は、上記同様にダミータグIDを付加したもの等の所定の形式とする。)。アプリ部50bは、読み取られたタグID、記憶部50c中の情報、及び後述する加速度センサ情報判定部50eからの操作パック2Pの操作情報に基づき、モニタ6の表示制御(“(4)モニタ表示”)等を行うアプリケーション・プログラムの実行処理部であり、上記アプリ部5bに初期配置RFIDタグのタグIDと操作パック2Pの操作情報に基づく情報処理機能を備えたものとなっている。記憶部50cは、コンピュータ50にインストールされたプログラムのファイルやそのプログラムによって取り扱われる種々の情報のデータ・ファイル等が格納されている記憶手段である。記憶部50cに格納されているプログラム・ファイルは、上記記憶部5cに格納されているプログラム・ファイルにおいて、初期配置RFIDタグのタグIDと操作パック2Pの操作情報に基づく情報処理を実行するためのプログラムを取り入れたものとなっている。記憶部50cに格納されているデータ・ファイルは、上記記憶部5cに格納されているデータ・ファイルにおいて、タグIDテーブルと属性毎のテーブルにあったサイズと操作の属性の各タグIDをレイアウト表示シート40にある各初期配置RFIDタグのタグIDとし、操作の各属性については“3D映像”の初期配置RFIDタグのタグIDが対応する属性内IDと3D映像の表示を示す値とを対応させて記憶したものを3D映像テーブルとし、“選択 select”の初期配置RFIDタグのタグIDが対応する属性内IDと選択(上記移動の属性の“次へ”と“前へ”の双方を含む。)を示す値とを対応させて記憶したものを移動テーブルとしたものとなっている。
無線通信処理部50dは、コンピュータ50において操作パック2Pの操作検出機器2Pbと無線通信を行うための通信機能ブロックであり、操作検出機器2Pbの無線通信装置との無線通信インターフェース等によって構成される(例えば、市販されている無線通信ユニットとして、3軸加速度センサとBluetoothの無線通信装置を装備した機器、及び当該無線通信装置との無線通信用アダプタがあるので、その機器を操作検出機器2Pbに利用して操作パック2Pを構成すると共に、その無線通信用アダプタを利用して無線通信処理部50dを構成してもよい。)。無線通信処理部50dは、操作パック2Pの加速度センサで検出された加速度データを受信し、コンピュータ50での処理に供し得る加速度データとして加速度センサ情報判定部50eに供給する。
加速度センサ情報判定部50eは、無線通信処理部50dからの加速度データに基づいて操作パック2Pの向き、回転操作速度及び回転操作量を判定する処理を行い、判定した向き、回転速度及び回転量を操作パック2Pの操作情報としてアプリ部50bに供給する。例えば、上述したように操作パック2Pに3軸加速度センサを利用する場合には、操作パック2Pの回転操作に伴って図28中のグラフに示したように変動するx軸方向、y軸方向及びz軸方向の加速度データが無線通信処理部50dから供給されるので、加速度センサ情報判定部50eは、それらの加速度データから重力加速度によるx軸方向とy軸方向の加速度データの変異を把握し、把握した変異によって操作パック2Pの向き、回転操作速度及び回転操作量を認識して判定し、判定した向き、回転速度及び回転量を操作パック2Pの操作情報としてアプリ部50bに供給する。
ユーザが操作パック2Pをレイアウト表示シート40の“3D映像”又は“選択 select”の操作表示枠に置いて回転操作したときには、コンピュータ50において、操作パック2Pが置かれた場所が判断されると共に、上記無線通信処理部50d及び加速度センサ情報判定部50eによって操作パック2Pの操作情報がアプリ部50bに供給され、アプリ部50bが操作パック2Pの回転操作に応じてモニタ6の表示を制御する。すなわち、ユーザが操作パック2Pを操作表示枠の初期配置RFIDタグ上に置くことにより、当該初期配置RFIDタグがシールド部2PcでシールドされてRFIDリーダアンテナ3aでは読めなくなるので、コンピュータ50においては、RFIDリーダ3からのタグID群中になくなった当該初期配置RFIDタグのタグID、並びに上記記憶部50cのタグIDテーブル、3D映像テーブル及び移動テーブルにより、その場所(当該初期配置RFIDタグがある操作表示枠)に操作パック2Pが置かれたということをアプリ部50bで判断することができる。そして、その場所でユーザが操作パック2Pの回転操作をすると、操作パック2Pの向き、回転操作速度及び回転操作量がアプリ部50bに供給されるので、アプリ部50bは、操作パック2Pが“選択 select”の操作表示枠に置かれていれば回転操作に応じて選択枠を移動させたり、操作パック2Pが“3D映像”の操作表示枠に置かれていれば3D映像を回転操作に応じて回転させたりするモニタ6の画面表示の変更をすることができる。
このようなモニタ6の画面表示の変更は、アプリ部50bが上記アプリ部5bに準じて図5〜図10のフローチャートの手順による処理を実行することによって行うこともできる。すなわち、属性がサイズのタグIDについては、RFIDリーダ3からのタグID群中になくなった初期配置RFIDタグのタグIDに対応するサイズを検索条件とする。また、属性が3D映像及び移動のタグIDについては、RFIDリーダ3からのタグID群中になくなった初期配置RFIDタグのタグIDがあったときに、そのタグIDがあると判断して行うこととしていた処理を実行する。そして、他の処理については上記アプリ部5bと同様に実行し、加えて操作パック2Pの回転操作に応じたモニタ6の表示制御を取り入れる。
これにより、例えば、ユーザがレイアウト表示シート40上に材質サンプル11、色サンプル12及びスタイルサンプル13をそれぞれ少なくとも1つ以上置き、かつ、サイズ表示プレート10Pをいずれかのサイズ表示枠に置くと、それらの検索条件に合致する靴の情報が示された検索結果画面が表示される。そして、その検索結果画面の表示状態でユーザが操作パック2Pを“選択 select”の枠に置くと、現画面状態毎の処理において検索結果画面の表示状態で種別が操作の差分タグIDがあると判断され(上記ステップS6でステップS10、S18〜S21へと進み)、属性毎のテーブルから値を読み出して“A”以下の処理が実行される。
図30は、この場合に実行される上記“A”以下の処理に操作パック2Pの回転操作に応じた表示制御を取り入れた手順の例を示したフローチャートである。今、ユーザは操作パック2Pを“選択 select”の枠に置いたので、RFIDリーダ3からのタグID群中でなくなった初期配置RFIDタグのタグIDには3D映像属性で値が表示のタグIDはなく(ステップSA1での判断結果は“NO”となり)、ステップSA2′の処理へと進む。ステップSA2′の処理では、操作属性のタグIDが読み取れない場合、すなわち、RFIDリーダ3からのタグID群中でなくなった初期配置RFIDタグのタグIDが操作属性(ここではステップSA1での判断結果から3D映像属性のものが除かれるため、移動属性のもの)である場合に、アプリ部50bは操作パック2Pが置かれたと判断する。そして、その状態で操作パック2Pが回転操作されることにより、操作パック2Pの操作に応じて選択枠を移動させる。
したがって、アプリ部50bは、ユーザが操作パック2Pを“選択 select”の枠に置いたことを判断し、かつ、その状態でユーザが操作パック2Pの回転操作をすると、それに応じて選択枠を移動させることになる。このときのユーザによる操作パック2Pの操作とアプリ部50bによる選択枠の移動の形態としては、例えば次のようなものが挙げられる。
・形態(a):ユーザがマーキング2Paを目安として操作パック2Pを右又は左にねじり、ねじった方向にアプリ部50bが選択枠を移動させ、ユーザがねじる前の元の位置にマーキング2Paを戻した時にアプリ部50bが選択枠を停止させる。この形態(a)における選択速度(選択枠の移動速度)は、ねじり量(基準点からどの位動かしたかの角度や動かしている時間等)に応じて可変にするものとしてもよい。
・形態(b):ユーザが操作パック2Pを自由に右回転、左回転させて操作し、回転させた方向にアプリ部50bが選択枠を移動させる。この形態(b)における選択速度は、操作パック2Pの回転速度や回転量に応じて可変にするものとしてもよい。
操作パック2Pを採用した場合においては、上記婦人靴検索システムによって実施される情報提供サービスに加え、上述したように操作パック2Pの回転操作による選択(3D映像等の詳細を表示させる靴の選択)の指示入力をすることができ、3D映像の表示操作等の指示入力を行うことも可能である。すなわち、上述した形態の本情報入力装置は、選択指示方法として、プレートの代わりにRFIDの読取を遮断するアルミ箔等のシールド部と加速度センサと無線通信装置を内蔵した操作機器(パック)を使用し、当該操作機器をレイアウト表示のシートの特定の位置周辺に置くことにより、その位置に関連付けられた情報を当該操作機器の動かし方(回転させるダイヤル操作等)によって選択、操作ないし指定することができるものとなっている。
また、操作パック2Pは、加速度センサを内蔵してユーザの操作を検出するものであるため、上述したような回転操作に限らず、操作パック2Pを移動させる他の操作も検出することができ、かかる他の移動操作に応じて他の指示入力をする手段としても利用することが可能である。さらに、操作パック2Pは、上述したように初期配置RFIDタグの読取を遮断して置かれた場所を特定する形態に限らず、操作パック2P自体(の底面等)に当該操作パックを識別するRFIDタグを付しておき、そのRFIDタグをRFIDリーダ3で読み取ることによって当該操作パックが置かれたことを判断する形態を採用することもできる。なお、当該操作パックを識別するRFIDタグには、当該操作パックによって行われる操作項目(操作の内容)等の情報を記録するものとしてもよく、例えば、複数の操作パックを用意してそれぞれの操作パックの操作項目をRFIDタグに予め記録し、置かれた操作パックによる操作項目に対応した操作の指示入力をそれぞれ受け付けるようにしてもよい。
以上のような操作パックを利用した本情報入力装置ないし婦人靴検索システムも、ユーザが操作したいことないし操作できることを連想させるメタファとなる物を、RFIDリーダに置いたり、移動させたり、回転させたり、取り除いたりすることで、直感的にダイレクトに操作をすることができる手段を提供するものとなっており、RFIDによるTangibleな入力インターフェース(実際に触ることのできる有形の入力インターフェース)を実現することができる。これにより、ウィンドウ・システム特有の階層構造による情報提供等での基本操作のために情報検索等が十分にできない子供や高齢者等でも容易に情報検索等の操作を行うことができ、各種情報提供システムのアクセシビリティを向上させ、ユニバーサルデザインを指向する入力インターフェースを提供することもできる。
本発明の一実施形態による情報入力装置を適用した婦人靴検索システムの外観構成を示した図である。 同婦人靴検索システムの構成を機能ブロック図で表したシステム構成を示した図である。 同婦人靴検索システムにおけるレイアウト表示シート4を示した図である。 同婦人靴検索システムにおける記憶部5cに記憶されたタグIDテーブル、属性毎のテーブル、商品DB及び商品コードDBのレコード構造を示した図である。 同婦人靴検索システムにおけるアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 図5中のステップS6でアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 図6中の“A”以下でアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 図6中の“B”以下でアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 図6中及び図10中の“C”以下でアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 図8中の“D”以下でアプリ部5bが行う処理の手順を示したフローチャートである。 同処理中でRFIDリーダ3上に置かれた物に対してモニタ6に属性値が指定された初期画面を表示した様子を示した図である。 同処理中でRFIDリーダ3上に置かれた物に対してモニタ6に検索結果画面を表示した様子を示した図である。 同検索結果画面の表示中に移動操作プレート21をRFIDリーダ3上に置いた時の様子を示した図である。 同検索結果画面の表示中に“表示”の3D映像操作プレート20をRFIDリーダ3上に置いた時の様子を示した図である。 3D画面の表示中に“回転停止”の3D映像操作プレート20をRFIDリーダ3上に置いた時の様子を示した図である。 図15の状態から“回転停止”の3D映像操作プレート20を取り去った時の様子を示した図である。 図16の状態から“表示”の3D映像操作プレート20を取り去った時の様子を示した図である。 図17の状態からサンプル1を変更して検索結果画面が表示された様子を示した図である。 図17の状態からすべてのサンプル1を取り去って当初の初期画面が表示された状態を示した図である。 同処理中でRFIDリーダ3上に置かれた展示靴に対してモニタ6に在庫確認画面を表示した様子を示した図である。 図20の状態で色サンプル12とサイズサンプル19をRFIDリーダ3上に置いた時に在庫確認画面が表示される様子を示した図である。 同記婦人靴検索システムでの直感的な操作形態の概略を表した図である。 他の形態によるレイアウト表示シートの例を示した図である。 図23のレイアウト表示シートを使用するときの例を示した図である。 他の形態による操作手段である操作パック2Pを採用した場合におけるRFIDリーダ3上のレイアウト表示の一例を表したレイアウト表示シート40を示した図である。 操作パック2Pの具体的な構成をレイアウト表示シート40等の関連する他の構成の概略と共に示した図である。 操作パック2Pの加速度センサの傾いた回転を実現する具体的な構成の例を示した図である。 傾けて設置してある場所に操作パック2Pを置いて回転操作した場合の加速度変異例を表した図である。 同婦人靴検索システムにおいて操作パック2Pを利用する場合のシステム構成を示した図である。 図6中の“A”以下の処理に操作パック2Pの回転操作に応じた表示制御を取り入れた手順の例を示したフローチャートである。
符号の説明
1 サンプル
2 操作プレート
2P 操作パック
2′ 移動操作プレート
3 RFIDリーダ
4、4′、40 レイアウト表示シート
5、50 コンピュータ
5b、50b アプリ部
6 モニタ

Claims (11)

  1. 指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶されている記録媒体から識別情報を読み取る読取過程と、
    前記読取過程により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理過程と
    を有する情報入力方法。
  2. 指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶されている記録媒体から識別情報を読み取る読取機能と、
    前記読取機能により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理機能と
    をコンピュータに実現させるための情報入力プログラム。
  3. 指定可能な検索条件を隠喩により具現した有体物である検索条件見本が読取領域に置かれたときに、当該検索条件見本を識別する識別情報が記憶され当該検索条件見本に付されている記録媒体から識別情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該検索条件見本を識別し、識別した当該検索条件見本によって指定される検索条件を入力として受け付ける処理手段と
    を有する情報入力装置。
  4. 前記読取手段は、
    指定可能な操作を隠喩により具現した有体物である操作プレートが前記読取領域に置かれたときに当該操作プレートを識別する識別情報が記憶され当該操作プレートに付されている記録媒体から識別情報を読み取り、
    前記処理手段は、前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた前記操作プレートを識別し、識別した前記操作プレートによって指定される操作を入力として受け付ける、請求項3記載の情報入力装置。
  5. 前記検索条件見本を識別する識別情報が記憶されているRFIDタグが当該有体物に付されている、請求項3又は4記載の情報入力装置。
  6. 前記操作プレートを識別する識別情報が記憶されているRFIDタグが当該有体物に付されている、請求項4又は5記載の情報入力装置。
  7. 入力内容を隠喩により具現した有体物が読み取り領域に置かれたときに、当該有体物に対応する操作内容を識別する識別情報が記憶され当該有体物に付されている記録媒体から識別情報を読み取る読み取り手段と、
    前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた当該有体物を識別し、識別した当該有体物によって指定される入力内容を入力として受け付ける処理手段と
    を有することを特徴とする情報入力装置。
  8. 入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が配置されたシートと、
    前記識別情報を非読み取り状態にする操作プレートと、
    前記シートに配置された記録媒体から、当該記録媒体に記憶された識別情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段が読み出した識別情報に基づいて、前記シートに配置された記録媒体に記憶された識別情報のうち、前記操作プレートによって非読み取り状態となった識別情報を、前記操作プレートによって指定される入力内容を入力として受け付ける処理手段と、
    を有することを特徴とする情報入力装置。
  9. 入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が配置されたシートと、
    前記識別情報を非読み取り状態にすると共に、動かされた操作を検出する操作手段と、
    前記シートに配置された記録媒体から、当該記録媒体に記憶された識別情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段が読み取った識別情報に基づいて、前記シートに配置された記録媒体に記憶された識別情報のうち、前記操作手段によって非読み取り状態となった識別情報を、前記操作手段によって指定される入力内容とし、前記検出手段が検出した操作を、当該入力内容における操作を示す情報として受け付ける処理手段と
    を有する情報入力装置。
  10. 入力内容を特定する識別情報を記憶した記録媒体が付され、動かされた操作を検出する操作手段と、
    前記操作手段が読取領域に置かれたときに、前記記録媒体から識別情報を読み取る読取手段と、
    前記読取手段により読み取られた識別情報に基づき、前記読取領域に置かれた前記操作手段の入力内容を識別し、前記検出手段が検出した操作を、当該入力内容における操作を示す情報として受け付ける処理手段と
    を有する情報入力装置。
  11. 前記操作手段は、前記動かされた操作として回転操作を検出する加速度検出器を有し、当該加速度検出器が傾けられて回転操作される、請求項9又は10記載の情報入力装置。
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