JP2008217477A - 質問器、無線認証システム - Google Patents

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Abstract

【課題】応答信号が衝突したり応答器によるレスポンスが遅くなったりするのを防止又は抑制することのできる質問器及び無線認証システムを提供する。
【解決手段】起動信号は、前記休止期間に設ける通信スロット数(以下、最大スロット数という)を示す最大スロット数情報を有している。この最大スロット数は、質問器ごとに割り当てられており、質問器31は、最大スロット数を設定し、最大スロット数情報を含む起動信号を応答器32に送信する。応答器32は、この起動信号を受信すると該質問情報から最大スロット数を解読し、ランダムに選択した通信スロットにて自身の識別情報(ID)を含む応答信号を返信する。このように最大スロット数を決定する構成を質問器31に採用することで、前記休止期間に設ける通信スロット数を変えるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、無線通信を用いて入退室の管理や物品管理を行うための質問器及び無線認証システムである。
従来、壁面やゲート等に固定された質問器と、ユーザに携行されたり物品に装着されたりする応答器(ICタグ)とを有し、応答器が前記質問器に搭載される起動装置から非接触で起動されて情報を受け、前記質問器に搭載される認証装置へ情報を無線送信する非接触ICタグシステム又はICカードシステムなどの無線認証システムが広く知られている。図13は、無線認証システムの典型的な従来技術を示すブロック図であり、図14は、無線認証システムが部屋の入退室管理に使用される例の説明図である。
図13に示す無線認証システムが例えば図14に示すように部屋3の入退室管理に使用される場合、質問器1は、制御部11で生成した起動信号を、LF帯送信部12において、誘導磁界の信号成分に重畳し、増幅してLFアンテナ13から第1の無線通信方式(LF)にて予め定められた周期で応答器2に向けて間欠的に送信する。これにより、応答器2の周囲には認証エリア5が形成され、その認証エリア5内に入ったユーザMが所持する応答器2では、質問器1からの起動信号をLFアンテナ21で受信した後に、LF帯受信部22が制御部23を起動し、該制御部23は自身に予め設定されている固有の識別情報(ID)を含む応答信号を生成し、RF送受信部24からRFアンテナ25を介して、第2の無線通信方式(UHF)にて、応答器2に対して返信する。
前記応答信号は、質問器1のRFアンテナ14からRF送受信部15で受信され、前記制御部11に入力されて、応答した応答器を識別する。識別した応答器が予め登録された識別情報を有するものであれば、制御部11は、前記RF送受信部15からRFアンテナ14を介して、前記第2の無線通信方式(UHF)にて、認証完了した応答器2の識別情報をACK信号として送信する。そのACK信号をRFアンテナ25からRF送受信部24で受信すると、制御部23は応答信号の送信を終了する。制御部11は、また、認証を完了した際には、表示部16やブザー18によりその旨を示す表示や音出力を行うとともに、ドアDの解錠動作を行う。
このようにLF帯(長波帯:30〜300kHz)の起電力で応答器2を起動させて、制御部23が、RF送受信部24に、内蔵電池26を電源として、UHF帯(極超短波帯:300MHz〜3GHz)の応答信号を返信させる従来技術として、例えば下記特許文献1がある。このような構成で、前記認証エリア5を、1.5〜2mの比較的狭い範囲に正確に規定することができるようになっている。また、UHF帯のRF送受信部24の消費電力が10〜20mAと大きいのに対して、LF帯のLF帯受信部22が数μAの微弱な電力で起動するので、待機状態でRF送受信部24を使用しないことで、前記内蔵電池2の電力消費を抑え、応答器2の長寿命化が図られている。
特開2006−72706号公報
ところで、質問器1が応答器2から送信される応答信号を受信する頻度は、当該質問器1から応答器2に送信する起動信号の送信周期に依存する。従来では、前記起動信号の送信周期は固定されており、その送信周期が相対的に小さい値に設定されている場合、起動エリア内に存在する応答器の数が多いと、応答信号の衝突が生じる可能性が高くなり、応答器2の認証がなかなか進まないという問題がある。一方、前記起動信号の送信周期が相対的に大きい値に設定されている場合には、応答器2によるレスポンス(応答信号の返信)が遅くなり、入退室管理や物品管理に際してユーザを待たせる等の問題が生じる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、応答信号が衝突したり応答器によるレスポンスが遅くなったりするのを防止又は抑制することのできる質問器及び無線認証システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、第1の無線通信方式により誘導磁界を起動信号として起動可能エリア内に存在する応答器に間欠的に送信して該応答器を起動させ、予め個別に設定された識別情報を含む応答信号を第2の無線通信方式により前記応答器から受信して、前記応答信号に基づき前記応答器の認証を行う質問器であって、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するものである。
この発明によれば、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するようにしたので、例えば次のような制御を行うことができる。すなわち、例えば応答器の起動可能エリアが相対的に大きい場合には、その起動可能エリア内に複数の応答器が存在する可能性が高く応答信号が衝突する虞が高いことから、前記送信周期を長くすることで、応答器から送信される応答信号の受信頻度を小さくして応答信号の衝突を可及的に回避するようにしたり、或いは、前記起動可能エリアが相対的に小さい場合には、応答信号を速やかに質問器へ返信する能力が要求されることが多いとともに、前記起動可能エリア内に多数の応答器が存在する可能性が低く応答信号が衝突する虞が低いことから、前記送信周期を短くすることで、応答器によるレスポンスを向上させたりすることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の質問器において、前記第2の無線通信方式は、前記起動信号の送信期間とその次に送信される起動信号の送信期間との間の休止期間に複数の通信スロットが設定され、それぞれ異なる通信スロットで応答信号を通信するものであり、前記応答器の起動可能エリアの大きさに応じて、前記休止期間に設定する通信スロットの数を決定し、その通信スロット数を示す通信スロット数情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するものである。
この発明によれば、応答器の起動可能エリアの大きさに応じて、前記休止期間に設定する通信スロットの数を決定し、その通信スロット数を示す通信スロット数情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するようにしたので、各通信スロットの時間長を一定とすると、設定する通信スロットの数に応じて前記休止期間の時間長を変化させることができる。その結果、質問器による起動信号の送信周期、ひいてはこの起動信号を受信する応答器による応答信号の送信周期を変化させることができる。
その場合に、請求項3に記載の発明のように、前記制御部は、前記起動可能エリアが大きいときは小さいときに比して、前記通信スロットの数を多くした通信スロット数情報を生成するようにすると、起動可能エリアが相対的に大きい場合には、前記通信スロットの数を多くして応答器による応答信号の送信周期を長くすることで、応答器から送信される応答信号の受信頻度を小さくして応答信号の衝突を可及的に回避することができ、前記起動可能エリアが相対的に小さい場合には、起動可能エリアが相対的に大きい場合に比して前記通信スロットの数を少なくして応答器による応答信号の送信周期を短くすることで、応答器による応答信号のレスポンスを向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の質問器において、前記応答器を認証すると入退室管理対象の部屋に設置された扉の解錠動作を行う場合、前記扉が施錠状態下で1つ目の応答器を認証したときには、前記扉が施錠状態のときの通信スロット数より多い通信スロット数を示す通信スロット数情報を生成するものである。
この発明によれば、前記扉が施錠状態のときには、該扉の近傍を通過する応答器が誤って起動する可能性があることから、相対的に少ない通信スロット数を示す通信スロット数情報を生成することで、応答信号を送信する応答器の数が相対的に少なくなり、該応答器の誤作動を防止又は抑制することができるとともに、前記扉が施錠状態下で1つ目の応答器を認証すると、前記扉が施錠状態のときのスロット数より多いスロット数を示すスロット数情報を生成することで、扉を通過する応答器の通過履歴をより確実に取得することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の質問器において、前記応答器を、該応答器による応答信号の送信後の予め定められたタイミングから、当該質問器から送信する起動信号に対して応答信号を送信しない非応答状態にさせる時間を指定する非応答時間情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するものである。
この発明によれば、前記応答器の認証後、前記応答器を、該応答器による応答信号の送信後の予め定められたタイミングから、当該質問器から送信する起動信号に対して応答信号を送信しない非応答状態にさせる時間を指定する非応答時間情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信するようにしたので、応答器による応答信号の送信周期を変化させることができる。
その場合に、請求項6に記載の発明のように、前記制御部は、前記起動可能エリアが大きいときは小さいときに比して、前記非応答時間を長く設定した非応答時間情報を生成するようにすると、起動可能エリアが相対的に大きい場合には、前記非応答時間を長くして応答器による応答信号の送信周期を長くすることで、応答信号の衝突を可及的に回避することができ、一方、前記起動可能エリアが相対的に小さい場合には、起動可能エリアが相対的に大きい場合に比して前記非応答時間を短くして応答器による応答信号の送信周期を短くすることで、応答器のレスポンスを向上させることができる。
請求項7に記載の発明は、第1の無線通信方式により誘導磁界を起動信号として起動可能エリア内に存在する応答器に間欠的に送信する起動装置と、前記起動信号に応答して起動し、予め個別に設定された識別情報を含む応答信号を第2の無線通信方式により送信する応答器と、前記応答信号に基づいて前記応答器の認証を行う認証装置とを備えて成る無線認証システムであって、前記起動装置及び認証装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の質問器を構成し、前記応答器は、前記起動信号に含まれる、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報に基づいて応答信号の送信を行うものである。
この発明によれば、無線認証システムにおいて、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明による作用が得られる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の無線認証システムにおいて、前記応答器は、前記起動信号を受信する受信部と、前記受信部の受信感度を制御する受信感度制御部とを備えるものである。
この発明によれば、前記質問器が前記応答器から送信される応答信号の受信状態に応じて、前記受信部の受信感度を変更することが可能となる。したがって、受信部の受信感度を制御する技術を、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信する技術とを組み合わせて利用することで、応答信号が衝突したり応答器によるレスポンスが遅くなったりするのをより確実に防止又は抑制することができる。
すなわち、前記起動可能エリアが相対的に大きいときは、その起動可能エリア内に複数の応答器が存在する可能性が高く応答信号が衝突する虞が高いことから、前記送信周期を相対的に長くするとともに前記受信感度を相対的に小さくすることで、応答信号が衝突するのをより一層確実に防止又は抑制することができる。また、前記起動可能エリアが相対的に小さいときは、速やかに応答信号を質問器に返信する能力が要求されることが多いとともに、前記起動可能エリア内に複数の応答器が存在する可能性が低く応答信号が衝突する虞が低いことから、前記送信周期を相対的に短くするとともに前記受信感度を相対的に大きくすることで、応答器によるレスポンスが遅くなるのをより確実に防止又は抑制することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の無線認証システムにおいて、前記質問器は、前記起動信号を送信する送信部と、前記送信部の送信出力を制御する送信出力制御部とを備えるものである。
この発明によれば、前記質問器が前記応答器から送信される応答信号の受信状態に応じて、前記送信部の送信出力を変更することが可能となる。したがって、送信部の送信出力を制御する技術を、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信する技術とを組み合わせて利用することで、応答信号が衝突したり応答器によるレスポンスが遅くなったりするのをより確実に防止又は抑制することができる。
すなわち、前記起動可能エリアが相対的に大きいときは、その起動可能エリア内に複数の応答器が存在する可能性が高く応答信号が衝突する虞が高いことから、前記送信周期を相対的に長くするとともに前記送信出力を相対的に小さくすることで、応答信号が衝突するのをより一層確実に防止又は抑制することができる。また、前記起動可能エリアが相対的に小さいときは、速やかに応答信号を質問器に返信する能力が要求されることが多いとともに、前記起動可能エリア内に複数の応答器が存在する可能性が低く応答信号が衝突する虞が低いことから、前記送信周期を相対的に短くするとともに前記送信出力を相対的に大きくすることで、応答器によるレスポンスが遅くなるのをより確実に防止又は抑制することができる。
本発明によれば、応答信号が衝突したり応答器によるレスポンスが遅くなったりするのを防止又は抑制することのできる無線認証システムを提供することができる。
本発明に係る無線認証システムの実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る無線認証システムの第1の実施形態の電気的な構成を示す図である。図1に示すように、無線認証システム100は、質問器31と応答器32とを備えて構成されている。
質問器31は、制御部4で生成した起動信号を、無線送信部(LF帯送信回路)42において誘導磁界の信号成分に重畳し、増幅してLFアンテナ43から第1の無線通信方式(LF)により応答器32に向けて一定の周期t(図2参照)で同報送信する。これにより、質問器31に周囲には、認証エリア(前記起動可能エリアに相当)5が形成される。
応答器32は、例えばユーザ等により携行される。前記認証エリア5内に進入したユーザにより携行される応答器32は、質問器31からの起動信号をLFアンテナ51で受信した後に、無線受信部(LF帯受信回路)52が制御部53を起動し、該制御部53は内蔵電池56を電源として、自身に予め設定されている固有の識別情報(ID)を含む応答信号を生成し、該応答信号を、無線送信部(RF送信回路)54からRFアンテナ55を介して、第2の無線通信方式(UHF)により質問器31に対して返信する。
前記応答信号は、質問器31のRFアンテナ44から無線受信部(RF受信回路)45で受信され、前記制御部4に入力される。制御部4は、この応答信号に含まれる識別情報に基づき応答した応答器を識別する。識別した応答器がユーザIDやグループIDなどで予め登録された識別情報を有するものであれば、制御部4は、表示部46とブザー48とで認証完了を示す音の出力や表示を行うとともに、ドアDの解錠を行う一方、識別した応答器が予め登録された識別情報を有さないものであるときには、施錠状態を維持するとともに、表示部46とブザー48とで警告表示や警告音出力を行う。
このようにLF帯(長波帯:30〜300kHz)の起電力で応答器32を起動させて、制御部53が、無線送信部54に、内蔵電池56を電源として、UHF帯(極超短波帯:300MHz〜3GHz)の応答信号を返信させることで、前記認証エリア8を、1.5〜2mの比較的狭い範囲に正確に規定することができるとともに、UHF帯の無線送信部54の消費電力が10〜20mAと大きくても、LF帯の無線受信部52が数μAの微弱な電力で起動するので、待機状態で無線送信部54を使用しないことで、前記内蔵電池56の電力消費を抑え、応答器32の長寿命化が図られている。
本実施形態では、前記UHF帯に対して、応答器32側では無線送信部54が用いられ、質問器31側では無線受信部45が用いられ、逆方向の通信が行われない単方向通信である。代わりに、質問器31の制御部4は、ACK信号となる認証を完了した応答器32の識別情報(ID)を、前記起動信号の次回送信フレームに含め、前記無線送信部42において誘導磁界の信号成分に重畳させ、第1の無線通信方式(LF)にて応答器32に向けて送信させる。前記ACK信号をLFアンテナ51から無線受信部52で受信すると、制御部53は、表示部57に表示を行うとともに、応答信号の送信を終了する。
ユーザは、前記認証エリア5内に入ったかどうかわからず、早期に認証させたい場合には、操作スイッチ58を操作することで、制御部53は前記無線受信部52を起動し、前記起動信号を強制受信させる。
以上の構成に加えて、本実施形態では、質問器31の制御部4は、以下に説明する起動信号を生成する起動信号生成部401を備えている。図2は、前記起動信号の構成及び質問器31と応答器32との通信動作を説明するための図である。
図2に示すように、質問器31は、誘導磁界とともに、前記LF帯の起動信号S1,S2のフレームを1または複数送信し、所定期間休止する周期的な送信を繰り返し行っている。そして、その休止期間にはRF返信用スロットとして複数の通信スロットが設定されており、各応答器32の制御部53は、図2に示すように、ランダムに選択した通信スロットにて自身の識別情報(ID)を含む応答信号を返信する。図2に示す例では、第1のサイクルSL1で、通信スロット1にてID1の応答器が返信し、通信スロット6にてID2の応答器が返信している。そして、次の第2のサイクルSL2では、通信スロット4にてID3の応答器が返信している。
一方、前記起動信号S1,S2は、図2に示すように、プリアンブル部分に続いて、ユニークワード(UW)、ヘッダ及びデータが続き、そのデータに、前記通信スロットのID(図2に示す例では7つ分)が格納されている。前記通信スロットのIDは、前記複数の通信スロットのいずれを利用するかを特定し、識別するためのIDである。各応答器32は、プリアンブル部分でタイミング合わせを行い、そのスロットIDに従って、目的とする通信スロットのタイミングで、前記応答信号を返信する。その応答信号が認証されると、質問器31の制御部4は、次のサイクルの起動信号にて、前記データ部分に続き、認証された応答器の識別情報をACK信号として送信する。前記起動信号S1,S2の最後には、該起動信号S1,S2の誤り訂正符号(CRC)が付加されている。
さらに、本実施形態における起動信号は、前記データに、前記休止期間に設ける通信スロット数(以下、最大スロット数という)を示す情報(以下、最大スロット数情報という:図2の「SLOT−MAX」)を有している。この最大スロット数は、質問器ごとに割り当てられており、質問器31は、最大スロット数を設定し、最大スロット数情報を含む起動信号を応答器32に送信する。応答器32は、この起動信号を受信すると該質問情報から最大スロット数を解読し、ランダムに選択した通信スロットにて自身の識別情報(ID)を含む応答信号を返信する。このように最大スロット数を決定する構成を質問器31に採用することで、前記休止期間に設ける通信スロット数を変えることができる。
図3(a)は、前記休止期間に通信スロットを6つ設けた場合のタイムチャートを示し、図3(b)は、前記休止期間に通信スロットを3つ設けた場合のタイムチャートを示す。通信スロット1つ当たりの時間長は一定であるから、図3(a),(b)から判るように、前記通信スロットの数を変えることで、前記休止期間の長さ、ひいては起動信号の送信周期が変わる(周期t1>周期t2)。
本実施形態は、これを利用して、認証エリア5の大きさに応じて、前記応答器32が当該質問器31に応答信号を送信する送信周期tを制御する点に特徴を有している。すなわち、図3(c)に示すように、認証エリア5が相対的に大きく設定されている(質問器31からの起動信号の到達距離d1)ときには、多数の応答器32が認証エリア5内に存在している可能性が高く、応答信号が衝突する可能性が高い。したがって、この場合には、図3(a)に示すように、前記休止期間に設ける通信スロット数を多くすることで、前記起動信号の送信周期tを大きくする(送信周期t=t1:図3(a)参照)。これにより、応答器32による応答信号の送信周期が相対的に大きくなり、質問器31による応答信号の受信頻度を低下させることができる。
一方、図3(d)に示すように、認証エリア5が小さく設定されているとき(質問器31からの起動信号の到達距離d2(<d1))には、認証エリア5内に存在する応答器32の数は比較的少なく応答信号が衝突する可能性が低い。また、この場合、応答器32からの速やかなレスポンスが要求されることが多い。したがって、この場合には、図3(b)に示すように、前記休止期間に設ける通信スロット数を少なくすることで、前記起動信号の送信周期tを小さくする(送信周期t=t2:図3(b)参照)。これにより、応答器32による応答信号の送信周期が相対的に小さくなる。
以上のように、本実施形態によれば、認証エリア5の大きさに応じて起動信号の送信周期tを変更するようにしたので、応答信号が衝突したり応答器32によるレスポンスが遅くなったりするのを防止又は抑制することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態の無線認証システムは、前記第1の実施形態の無線認証システムを部屋の入退室管理に適用したものであり、図4は、本発明に係る無線認証システムの第2の実施形態の電気的な構成を示す図である。なお、以下では、第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、略同様の構成については前記第1の実施形態と同一の番号を付して、その説明を省略する。
本実施形態は、例えば、図4に示すように、入退室管理対象の部屋の扉を電気信号により施錠及び解錠する電気錠6が設置されるとともに、該扉の近傍に質問器31が設置され、ユーザが所持する応答器32と前記質問器31とで認証動作を行って、該認証結果に基づいて電気錠6の施解錠を制御して前記部屋の入退室管理を行う無線認証システムを構築した場合を想定したものである。
本実施形態では、図4に示すように、質問器31の制御部4は、前記起動信号生成部401の他に、電気錠6の施解錠動作を制御する電気錠制御部402を備えており、電気錠制御部402は、図5(a)に示すように、扉が施錠及び閉鎖されている状態では、扉の近傍を歩行している人物が所持する応答器32が誤って起動するのを可及的に防止するため、前記休止期間に設ける前記通信スロット数を相対的に少なくする(図5(a)では通信スロット数は3つ)。
一方、電気錠制御部402は、扉から入退室管理対象の部屋に進入する意思のある人物が所持する応答器により扉が解錠及び開放された後は、扉を通行する各人物の通行履歴を確実に取得するため、前記休止期間に設ける通信スロット数を相対的に多くする(図5(b)では通信スロット数は6つ)。
これにより、扉の近傍を通行する人物が所持する応答器により扉の施解錠に係る誤動作を可及的に防止することができるとともに、扉の通過履歴をできるだけ取得することができる。
(第3の実施形態)
図6は、本発明に係る無線認証システムの第3の実施形態における前記起動信号の構成を説明するための図である。本実施形態は、起動信号の構成が前記第1の実施形態と異なり、その他の点については、前述の図1で示す無線認証システムの構成を用いることができる。したがって、第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、略同様の構成については前記第1の実施形態と同一の番号を付して、その説明を省略する。
図6に示すように、本実施形態における起動信号は、第1の実施形態における起動信号の構成に加えて、前記データに非応答時間を示す情報が格納されている。非応答時間は、応答器32が質問器31により認証を受けた後、該応答器32を当該質問器31から送信する起動信号に対して応答しない非応答状態にさせる時間である。
図7に示すように、質問器31は、誘導磁界とともに、前記LF帯の起動信号S,Sのフレームを1または複数送信し、所定期間休止する周期的な送信を繰り返し行い、各応答器32の制御部53は、ランダムに選択した通信スロットにて自身の識別情報(ID)を含む応答信号を返信する。図7に示す例では、第1のサイクルSLで、スロット1にてID1の応答器が返信し、スロット6にてID2の応答器が返信している。そして、次の第2のサイクルSLでは、スロット4にてID3の応答器が返信している。各応答器32は、前記起動信号に含まれる通信スロットIDに従って、目的とする通信スロットのタイミングで、前記応答信号を返信する。
また、応答器32は、前記応答信号を受信した質問器31から送信されるACK信号を受信したタイミング(このタイミングは、前記応答器による応答信号の送信後の予め定められたタイミングの一例)から、受信した起動信号に含まれる非応答時間情報が示す非応答時間が経過するまでの間、質問器31からの起動信号に対する応答信号の返信を行わず、前記非応答時間の経過後に受信した起動信号に対して応答信号の返信を行う。
図7に示す例では、起動信号Sには、非応答時間Ts1を示す非応答時間情報が含まれており、ID1及びID2の応答器32は、前記応答信号を受信した質問器31から送信されるACK信号を受信したタイミングtm1から非応答時間Ts1が経過するまでの間、質問器31からの起動信号に対する応答信号の返信を行わない非応答状態となり、前記非応答時間Ts1の経過後に受信した起動信号Sに対し、ID1の応答器32はその直後の休止期間における通信スロット2にて、また、ID2の応答器は前記休止期間における通信スロット4にてそれぞれ応答信号の返信を行っている。
また、図7に示す例では、起動信号Sには、非応答時間Ts2を示す非応答時間情報が含まれており、ID3の応答器32は、前記応答信号を受信した質問器31から送信されるACK信号を受信したタイミングtm2から非応答時間Ts2が経過するまでの間、質問器31からの起動信号に対する応答信号の返信を行わない非応答状態となり、前記非応答時間Ts2の経過後に受信した起動信号S(n+1)に対し、その直後の休止期間における通信スロット3にて応答信号の返信を行っている。なお、前記各タイミングtm1,tm2から前記非応答時間Ts1,Ts2が経過したタイミングが、図7では、応答器32が応答信号の返信を行う休止期間の開始タイミングと略同じタイミングに設定されているが、その休止期間より1つ手前の休止期間の終了タイミングに設定されるように、前記非応答時間Ts1,Ts2を設定してもよい。
このような構成を採用することによって、認証エリア5の大小に応じて応答器32から質問器31に送信される応答信号の送信頻度を制御することができる。
例えば図8に示すように、認証エリア5が相対的に小さく設定されているときには、応答信号が衝突する可能性が低く、応答器32からの速やかなレスポンスが要求されることから、前記非応答時間を相対的に短い時間T1とする。これにより、各応答器32から相対的に短い周期で応答信号が質問器31に返信される。
一方、図9に示すように、認証エリア5が大きく設定されているときには、多数の応答器32が認証エリア5内に存在している可能性が高く、応答信号が衝突する可能性が高いことから、前記非応答時間を前記非応答時間T1より長い時間T2とする。これにより、各応答器32から相対的に長い周期で応答信号が質問器31に返信され、応答器32から質問器31に送信される応答信号の送信頻度を相対的に小さくすることができる。
このように、本実施形態によれば、前記起動信号に前記非応答時間情報を含めることで、認証エリア5の大きさに応じて、応答器32が質問器31に応答信号を送信する送信周期を制御するようにしたので、応答信号が衝突したり応答器32によるレスポンスが遅くなったりするのを防止又は抑制することができる。
(第4の実施形態)
図10は、本発明に係る無線認証システムの第4の実施形態の構成を示す図である。図10に示すように、本実施形態の無線認証システムは、前記第1の実施形態の構成に加えて、応答器32の無線受信部52が受信感度制御部521を備えている。なお、それ以外の点については前記第1の実施形態と同様であるから、第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、略同様の構成については前記第1の実施形態と同一の番号を付して、その説明を省略する。
受信感度制御部521は、質問器31から送信される起動信号の受信感度を制御するものであり、この受信感度を制御することにより、認証エリア5の大きさが変化する。すなわち、受信感度を上げると認証エリア5の大きさが相対的に大きくなる一方、受信感度を下げると認証エリア5の大きさが相対的に小さくなる。
そして、本実施形態では、起動信号の送信周期tとともに前記受信感度も制御するようにしている。すなわち、現状の認証エリアでは多数の応答器32が当該認証エリア5内に存在する可能性が高く、応答信号が衝突する可能性が高いと考えられる場合には、通信スロット数を多くして前記起動信号の送信周期tを大きくするとともに、前記受信感度を相対的に低下させて認証エリア5を相対的に小さくする。
これにより、応答器32による応答信号の送信頻度を相対的に小さくすることができ、応答信号が衝突するのをより確実に防止又は抑制することができる。
(第5の実施形態)
本実施形態は、前記第3の実施形態における非応答時間の設定技術と、前記第4の実施形態における受信感度の制御技術とを組み合わせたものであり、非応答時間の長さとともに前記受信感度も制御するようにしている。
すなわち、現状の認証エリアでは多数の応答器32が当該認証エリア5内に存在する可能性が高く、応答信号が衝突する可能性が高いと考えられる場合には、前記非応答時間を相対的に長くするとともに前記受信感度を低下させて認証エリア5を相対的に小さくする。これにより、応答器32による応答信号の送信頻度を相対的に小さくすることができ、応答信号が衝突するのをより確実に防止又は抑制することができる。
(第6の実施形態)
本実施形態は、前記第2の実施形態における扉の施解錠に応じた通信スロット数の設定技術と、前記第4の実施形態における受信感度の制御技術とを組み合わせたものであり、前記通信スロット数の数とともに前記受信感度も制御するようにしている。
本実施形態では、電気錠制御部402は、図11(a)に示すように、扉が施錠及び閉鎖されている状態では、扉の近傍を歩行している人物が所持する応答器が誤って起動する可能性があることから、図11(b)に示すように、前記休止期間に設ける前記通信スロット数を相対的に少なくして(図11(a)では通信スロット数は3つ)起動信号の送信周期tを小さくする(送信周期t3)とともに、受信感度を相対的に低下させて認証エリア5を相対的に小さくする(起動信号の到達距離d2)。
一方、電気錠制御部402は、図11(c)に示すように、扉から入退室管理対象の部屋に進入する意思のある人物が所持する応答器により扉が解錠及び開放された後は、扉を通行する各人物の通行履歴を残すため、前記休止期間に設ける通信スロット数を相対的に多くして(図11(d)では通信スロット数は6つ)起動信号の送信周期tを大きくする(送信周期t4>t3)とともに、受信感度を相対的に増加させて認証エリア5を相対的に大きくする(起動信号の到達距離d2(<d1))。
これにより、扉の近傍を通行する人物が所持する応答器により扉の施解錠に係る誤動作をより一層確実に防止することができるとともに、扉の通過履歴をより一層確実に取得することができる。
(第7の実施形態)
図12は、本発明に係る無線認証システムの第7の実施形態の構成を示す図である。図12に示すように、本実施形態の無線認証システムは、前記第1の実施形態の構成に加えて、質問器31の制御部4が送信出力制御部403を備えている。なお、それ以外の点については前記第1の実施形態と同様であるから、第1の実施形態との相違点についてのみ説明し、略同様の構成については前記第1の実施形態と同一の番号を付して、その説明を省略する。
送信出力制御部403は、質問器31から送信される起動信号の送信出力を制御するものであり、この送信出力を制御することにより、認証エリア5の大きさが変化する。すなわち、送信出力を上げると認証エリア5の大きさが相対的に大きくなる一方、送信出力を下げると認証エリア5の大きさが相対的に小さくなる。
そして、本実施形態では、起動信号の送信周期tとともに前記送信出力も制御するようにしている。すなわち、現状の認証エリアでは多数の応答器32が当該認証エリア5内に存在する可能性が高く、応答信号が衝突する可能性が高いと考えられる場合には、通信スロット数を多くして前記起動信号の送信周期tを大きくするとともに、前記送信出力を相対的に低下させて認証エリア5を相対的に小さくする。
これにより、応答器32による応答信号の送信頻度を相対的に小さくすることができ、応答信号が衝突するのをより確実に防止又は抑制することができる。
なお、前記第3の実施形態における非応答時間の設定技術と、前記第2の実施形態における扉の施解錠に応じた通信スロット数の設定技術と、前記第4の実施形態における受信感度の制御技術とのうちいずれか1または複数と、本実施形態における技術とを組み合わせてもよい。
本発明に係る無線認証システムの第1の実施形態の電気的な構成を示す図である。 起動信号の構成及び質問器31と応答器32との通信動作を説明するための図である。 (a)は、休止期間に通信スロットを6つ設けた場合のタイムチャート、(b)は、休止期間に通信スロットを3つ設けた場合のタイムチャート、(c)は、認証エリアが相対的に大きく設定されている状態を示す図、(d)は、認証エリアが相対的に小さく設定されている状態を示す図である。 本発明に係る無線認証システムの第2の実施形態の電気的な構成を示す図である。 (a)は、扉の施錠状態を示すとともに、このとき生成される起動信号の構成を示す図、(b)は、扉の解錠状態を示すとともに、このとき生成される起動信号の構成を示す図である。 本発明に係る無線認証システムの第3の実施形態における起動信号の構成を説明するための図である。 第3の実施形態における質問器と応答器との通信動作を説明するための図である。 認証エリアが相対的に小さい状態を示すとともに、このときに質問器と応答器との通信動作を説明するための図である。 認証エリアが相対的に大きい状態を示すとともに、このときに質問器と応答器との通信動作を説明するための図である。 本発明に係る無線認証システムの第4の実施形態の構成を示す図である。 (a)は、扉の施錠状態を示す図、(b)は、扉が施錠状態にあるときの質問器による起動信号の送信動作を示すタイムチャート、(a)は、扉の解錠状態を示す図、(b)は、扉が解錠状態にあるときの質問器による起動信号の送信動作を示すタイムチャートである。 本発明に係る無線認証システムの第7の実施形態の構成を示す図である。 無線認証システムの典型的な従来技術を示すブロック図である。 図13に示す無線認証システムが部屋の入退室管理に使用される例の説明図である。
符号の説明
1,31 質問器
2,32 応答器
4,53 制御部
5 認証エリア
6 電気錠
42 制御部
43,51 LFアンテナ
44,55 RFアンテナ
45,52 無線受信部
46,57 表示部
54 無線送信部
100 無線認証システム
401 起動信号生成部
402 電気錠制御部
403 送信出力制御部
521 受信感度制御部

Claims (9)

  1. 第1の無線通信方式により誘導磁界を起動信号として起動可能エリア内に存在する応答器に間欠的に送信して該応答器を起動させ、予め個別に設定された識別情報を含む応答信号を第2の無線通信方式により前記応答器から受信して、前記応答信号に基づき前記応答器の認証を行う質問器であって、
    前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信する質問器。
  2. 前記第2の無線通信方式は、前記起動信号の送信期間とその次に送信される起動信号の送信期間との間の休止期間に複数の通信スロットが設定され、それぞれ異なる通信スロットで応答信号を通信するものであり、
    前記応答器の起動可能エリアの大きさに応じて、前記休止期間に設定する通信スロットの数を決定し、その通信スロット数を示す通信スロット数情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信する請求項1に記載の質問器。
  3. 前記起動可能エリアが大きいときは小さいときに比して前記通信スロットの数を多くした通信スロット数情報を生成する請求項2に記載の質問器。
  4. 前記応答器を認証すると入退室管理対象の部屋に設置された扉の解錠動作を行う場合、
    前記扉が施錠状態下で1つ目の応答器を認証したときには、前記扉が施錠状態のときの通信スロット数より多い通信スロット数を示す通信スロット数情報を生成する請求項2に記載の質問器。
  5. 前記応答器を、該応答器による応答信号の送信後の予め定められたタイミングから、当該質問器から送信する起動信号に対して応答信号を送信しない非応答状態にさせる時間を指定する非応答時間情報を前記起動信号に含めて前記応答器に送信する請求項1ないし4のいずれかに記載の質問器。
  6. 前記起動可能エリアが大きいときは小さいときに比して前記非応答時間を長く設定した非応答時間情報を生成する請求項5に記載の質問器。
  7. 第1の無線通信方式により誘導磁界を起動信号として起動可能エリア内に存在する応答器に間欠的に送信する起動装置と、前記起動信号に応答して起動し、予め個別に設定された識別情報を含む応答信号を第2の無線通信方式により送信する応答器と、前記応答信号に基づいて前記応答器の認証を行う認証装置とを備えて成る無線認証システムであって、
    前記起動装置及び認証装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の質問器を構成し、
    前記応答器は、前記起動信号に含まれる、前記応答器が当該質問器に応答信号を送信する送信周期を制御するための情報に基づいて応答信号の送信を行う無線認証システム。
  8. 前記応答器は、前記起動信号を受信する受信部と、前記受信部の受信感度を制御する受信感度制御部とを備える請求項7に記載の無線認証システム。
  9. 前記質問器は、前記起動信号を送信する送信部と、前記送信部の送信出力を制御する送信出力制御部とを備える請求項7または8に記載の無線認証システム。
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