JP2008217259A - シミュレータ及び記憶媒体及びプログラム及び制御装置及びシミュレータの制御方法 - Google Patents

シミュレータ及び記憶媒体及びプログラム及び制御装置及びシミュレータの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は制御装置を代えずに制御システムを高機能化及び高速処理化することを課題とする。
【解決手段】シミュレータ10には、速度指令が入力される理想フィードバック制御器40と、RMD減速器モデル70とがコンピュータ上の仮想機器として設けられている。理想フィードバック制御器40は、速度指令とRMD減速器モデル70よりフィードバックされたモータ角速度及び負荷角速度に基づいてモータトルクをRMD減速器モデル70に入力すると共に、メモリ15に格納する。RMD減速器モデル70では、理想フィードバック制御器40から入力されたモータトルクと、被駆動体からの負荷トルクに基づいてモータ角度及び負荷角速度を制御出力して生成すると共に、モータ角度をメモリ15に記憶させる。RMD減速器モデル70は、モータの回転駆動力を減速して被駆動体に伝達する伝達機構のモデルであり、分子動力学法を用いて精密にモデル化されている。
【選択図】図2

Description

本発明はシミュレーションにより得られたデータを実システムに反映させるよう構成されたシミュレータ及び記憶媒体及びプログラム及び制御装置及びシミュレータの制御方法に関する。
例えば、制御装置を製作する場合、当該制御装置が実システムの中でどの位の性能が得られるのかをシミュレータを用いて、コンピュータ上に生成された模擬的なモデルに対して動作指令パターンを入力し、各センサから得られる状態量を徐々に変化させながら制御特性をシミュレーションすることで実際の制御特性を推測することが行われている。
このような制御方式を検討する手段としてシミュレーションを用いる方法は、一般的に行われている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1では、メカ動作解析部において、実際のモータ駆動装置、モータ、モータ負荷機械の各々のシミュレーション用モデルをソフトウェアによって作成すると共に、モータ負荷機械の機構部のモデルを作成する。そして、駆動仕様入力部によって必要なモデルに駆動仕様を入力した後、運転パターン入力部によってモータ駆動装置モデルに運転パターン等の制御パラメータを入力して機構部力学モデルをシミュレーション動作させ、メカ動作解析部において、機構部力学モデルの先端の速度及び位置の変化を計算する。
また、フィードバック制御は、制御対象の目標値の誤差を減らすように制御入力値を調整する手法であるが、目標追従性能に限界があるので、より高精度が必要な装置においては、追従時間差が要求に応えられない場合がある。このようなフィードバック制御による動作の改善が難しいシステムでの動作改善のために逆モデルによるフィードフォワード制御を実施する方式もある(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段と、目標空燃比設定手段で設定された目標空燃比に応じて供給空燃比をフィードフォワード補正するフィードフォワード制御手段と、目標空燃比設定手段で設定された目標空燃比を規範モデルMで補正する目標空燃比補正手段と、空燃比センサの検出空燃比が目標空燃比補正手段で補正された目標空燃比と一致するように供給空燃比をフィードバック補正するフィードバック制御手段とから空燃比制御系を構成しており、フィードフォワード制御手段は、目標空燃比に対する所定の応答モデルと内燃機関モデルの逆モデルとからなる。
特開2006−33929号公報 特開2006−144721号公報
上記特許文献1に記載された制御方式では、シミュレータ上に構築された制御装置を実システムに実装しているため、シミュレーションにより得られた結果が実システムに反映させることができるといった優れた制御方式であるが、実施しようとする制御装置の性能が足りなかったり、あるいは高価な制御機器が必要になって実装できない場合があった。そのため、コスト的に実装可能な制御装置をシミュレータ上に構築し、制御方式、制御パラメータ等を検討して要求された性能に近づけるようにしていたので、実システムに実装するデータを得るのに多くの手間を要するという問題があった。
また、上記特許文献2に記載された逆モデルによるフィードフォワード制御を実施する制御方式では、制御対象によって逆モデルが存在しないか、あるいは逆モデルを求めることが非常に難しいことが有り、適用できない場合があるという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決したシミュレータ及び記憶媒体及びプログラム及び制御装置及びシミュレータの制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
本発明は、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルと、前記分子動力学モデルに対する理想的な制御を行う理想フィードバック手段と、前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成するシミュレータ用動作指令パターン生成手段と、前記理想フィードバック手段から出力された制御データを記憶する記憶手段と、を備え、前記理想フィードバック手段は、前記分子動力学モデルの状態量と前記シミュレータ用動作指令パターン生成手段による動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを前記記憶手段に出力することにより、上記課題を解決するものである。
本発明は、前記理想フィードバック手段の出力に前記制御対象の制御周期を反映したホルダを備えることにより、上記課題を解決するものである。
本発明は、前記制御対象の状態量は、前記制御対象に用いられるセンサから得られる以外の状態量を含むことが望ましい。
前記分子動力学モデルは、フィードバック制御器モデルと制御対象モデルとを含む実システムモデルで表され、前記フィードバック制御器モデルと前記制御対象モデルとの間で閉ループを策定することが望ましい。
前記制御対象モデルは、前記フィードバック制御器モデルからの出力に前記理想フィードバック手段からの理想制御入力を加算されたデータが入力されることが望ましい。
前記フィードバック制御器モデルは、前記理想フィードバック手段からの理想制御入力を入力されることが望ましい。
本発明は、前記請求項1乃至6の何れかに記載のシミュレータから転送された前記時系列データを格納し、前記実システムで理想制御入力を生成するパターン発生器に前記時系列データを出力することを特徴とする記憶媒体により、上記課題を解決するものである。
本発明は、コンピュータに、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、前記分子動力学モデルの状態量と前記動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、を実行させるためのプログラムにより、上記課題を解決するものである。
前記プログラムが格納されたメモリを有することを特徴とする制御装置により、上記課題を解決するものである。
本発明は、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、前記分子動力学モデルの状態量と前記動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、を有することを特徴とするシミュレータの制御方法により、上記課題を解決するものである。
本発明によれば、シミュレーション上で、理想フィードバック手段により、制御対象の状態量と動作指令パターンからRMD(繰り込み分子動力学)モデルへの入力を決定し、フィードバックループを策定すると共に、RMDモデルへの入力及び出力を時系列データとして記憶手段に出力し、実システムでは、時系列データまたは、それから求まる関数またはデータテーブルを実装するので、実システムの制御機器は、RMDモデルや理想フィードバック制御器を実装できなくてもシミュレーションの結果を実システムに反映させて制御応答を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<本発明の概要>
本発明では、シミュレータにおいて、実システムに近似とされた分子動力学モデルを構築し、分子動力学モデルに対する理想フィードバックデータ(時系列データ)を得ると共に、このデータをメモリに保存し、さらに、メモリのデータを実システムのパターン発生器のメモリにインストールすることにより実システムにおける制御の高精度化を実現するものである。
なお、分子動力学法(Molecular Dynamics method、MD法とも呼ばれる)とは、2体(あるいはそれ以上)の原子間ポテンシャルの下に、古典力学におけるニュートン方程式を解いて、系の静的、動的安定構造や、動的過程(ダイナミクス)を解析する手法である。分子動力学により、定温、定圧、定エネルギー、定積、定ケミカルポテンシャル等の様々なアンサンブル(統計集団)の計算が可能である。また、結合長や位置の固定等の様々な拘束条件を付加することも可能である。
以下に、本発明におけるシミュレータ及び記憶媒体及びプログラム及び制御装置及びシミュレータの制御方法を好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
<本実施例における装置構成>
まず、本実施例におけるシミュレータについて図を用いて説明する。図1は、実施例1におけるシミュレータのハードウェア構成の一例を示す図である。
図1に示されるように、シミュレータ10は、入力装置11と、出力装置12と、ドライブ装置13と、補助記憶装置14と、メモリ15と、各種制御を行うCPU(Central Processing Unit)16と、ネットワーク接続装置17とを有するよう構成されており、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
入力装置11は、ユーザが操作するキーボードやマウス等のポインティングデバイスを有しており、ユーザからのプログラムの実行等、各種操作信号を入力する。また、出力装置12は、本発明におけるシミュレーション処理を行うためのコンピュータ本体を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイを有し、CPU16が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
ここで、本発明において、シミュレーション処理を行うプログラムは、コンピュータに、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、分子動力学モデルの状態量と動作指令パターンとから分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、を実行させるためのプログラムである。
このプログラムは、例えばCD−ROM等の記憶媒体18等を介してコンピュータ本体にインストールされる。また、プログラムを記憶した記憶媒体18は、ドライブ装置13にセット可能であり、記憶媒体18に含まれる実行プログラムが、記憶媒体18からドライブ装置13を介して補助記憶装置14にインストールされる。
補助記憶装置14は、ハードディスク等のストレージ手段であり、本発明における実行プログラムや、コンピュータに設けられた制御プログラム、本発明におけるシミュレーションに必要な入力データや処理結果等を蓄積し、更に必要に応じて入出力を行うことができる。そのため、本実施例では、シミュレーション処理により得られたシミュレーション結果(理想制御入力データ)が補助記憶装置14に記憶される。そして、実システムに理想制御入力データをインストールする際には、例えば、ドライブ装置13にセットされた記憶媒体100に格納され、記憶媒体100を介して実システムの記憶装置などにインストールされる。
メモリ15は、CPU16により補助記憶装置14から読み出された実行プログラムや理想制御入力となる時系列データ等を格納する記憶手段であり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等からなる。
CPU16は、OS(Operating System)等の制御プログラム、メモリ15により読み出され格納されている実行プログラム等に基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現することができる。また、CPU16は、プログラムの実行中に必要な各種情報を補助記憶装置14から取得することができ、また処理結果等を補助記憶装置14に格納することができる。
ネットワーク接続装置17は、通信ネットワーク等と接続することにより、実行プログラムを通信ネットワークに接続されている他の端末等から取得したり、シミュレーション処理により得られたシミュレーション結果(理想制御入力データとなる時系列データ)を実システムの制御器等に提供することができる。
図2は本発明によるシミュレータ及び実システムの構成例を模式的に示す構成図である。図2に示されるように、シミュレータ10は、例えば、シミュレーションを行うプログラムをインストールされたコンピュータ装置であり、実システム110に対応したシステム構成となるように各機器のモデルがコンピュータ上に仮想的に構築されている。本実施例のシミュレータ10には、実システム110に対応するようにシーケンサ20と、軌道生成器30と、速度指令が入力される理想フィードバック制御器(理想フィードバック手段)40と、RMD減速器モデル(制御対象モデル)70とがコンピュータ上の仮想機器として形成される。また、シミュレータ10は、前述したプログラムに基づいて、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化されたRMD減速器モデル70を形成する手順と、RMD減速器モデル70における動作指令パターンを生成する手順と、RMD減速器モデル70の状態量と動作指令パターンとからRMD減速器モデル70への入力を決定する閉ループを策定すると共に、制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データをメモリ15に出力する手順と、を有するシミュレータの制御方法を実行するように設定されている。
ここで、実システム110を構成する各機器について説明する。実システム110は、シーケンサ120と、パターン発生器130と、軌道生成器150と、フィードバック制御器160と、加算器170と、制御対象180と、ローパスフィルタ190とを有する。実システム110の制御装置112は、デジタル計算器であり、シーケンサ120と、パターン発生器130と、軌道生成器150と、フィードバック制御器160と、加算器170と、ローパスフィルタ190とを有し、これらの各機器は、プログラムによって形成され、所定のサーボサイクルごとに演算が実行される。
パターン発生器130のメモリには、制御対象180を制御するための関数またはデータテーブルまたは時系列データがインストールされている。関数またはデータテーブルまたは時系列データは、後述するシミュレータ10によるシミュレーション処理の結果、メモリ15に記憶された理想制御入力データ(時系列データ)と動作条件から求めたものである。
シーケンサ120は、実システム110上において、予め設定された制御プログラムに基づいてシーケンス信号を順次出力する。
パターン発生器130は、実システム110上において、シーケンサ120からの指令に基づいて記憶媒体100を介して内蔵メモリに格納された理想制御入力のデータの中から当該指令に対応する理想制御入力(モータトルク指令)を抽出して出力する。
軌道生成器150は、実システム110上において、シーケンサ120からの指令信号に基づいて角速度指令パターン(動作指令パターン)を生成する。
フィードバック制御器160は、制御対象180からローパスフィルタ190を介して入力された計測値と、角速度指令パターンから補正制御入力を生成する。
加算器170は、理想制御入力と補正制御入力とを加算し、制御入力を生成する。
実システム110では、軌道生成器150からの速度指令がフィードバック制御器160に入力されると共に、軌道生成器150からの角速度指令、負荷トルク、モータ角度がパターン発生器130に入力される。そして、加算器170において、フィードバック制御器160で生成された補正制御入力(トルクパターン)にパターン発生器130で生成されたモータトルク指令が加算されて制御対象180のモータに入力される。また、制御対象180からのモータ速度がローパスフィルタ190を介してフィードバック制御器160にフィードバックされる。制御対象180は、負荷速度を制御出力として出力する。
次に上記実システム110に対応するようにシミュレータ10上に構築されたシステム構成について説明する。
シーケンサ20は、シミュレータ10上において、予め設定された制御プログラムに基づいてシーケンス信号を順次出力する。
軌道生成器30は、シミュレータ10上において、設定された角速度、角加速度に従って角速度指令パターン及び負荷トルクを生成する。
理想フィードバック制御器40は、シミュレータ10上において、RMD減速器モデル70の状態量と、角速度指令パターンからRMD減速器モデル70への入力を決定し、フィードバックループを策定すると共に、RMD減速器モデル70への入力(モータトルク)を時系列データとしてメモリ15に出力するアルゴリズムを有する理想フィードバック手段である。
メモリ15では、理想制御入力の時系列データが、設定された角速度、角加速度、及びRMD減速器モデル70より出力されたモータ角速度、負荷角速度と共に記憶される。
理想フィードバック制御器40は、実装を目的としていないので、実システム110に制御器を実装する時に存在するような物理的制約を受けることなく、制御性の改善を図ることができる。
例えば、RMD減速器モデル70の状態量のうち、負荷の角速度を理想フィードバック制御器40にフィードバックし、これが角速度指令パターンに近づけるように制御を実施することで制御性能を改善することができる。
また、理想フィードバック制御器40にフィードバックされるRMD減速器モデル70の状態量(モータ角速度、負荷角速度)は、実システム110で計測される計測量の他、実際は計測されない状態量でも利用することができるので、これらの状態量をフィードバックし、制御を実施することで制御性能を改善することができる。
また、理想フィードバック制御器40は、仮想的に高速な処理が実行可能とすることができる。このように、シミュレータ10においては、殆ど制約のない状態で理想フィードバック制御器40を調整することによりRMD減速器モデル70の負荷角速度は、角速度指令と殆ど一致する。このとき、理想フィードバック制御器40の出力をRMD減速器モデル70に入力すると、RMD減速器モデル70の出力と理想フィードバック制御器40の入力とが殆ど一致するので、RMD減速器モデル70と理想フィードバック制御器40とは逆システムの関係にある。
従って、メモリ15に記憶された理想制御入力の時系列データは、設定された角速度、角加速度、及びRMD減速器モデル70より出力されたモータ角度に対してデータテーブルまたは関数として対応付けることで、このデータテーブルまたは関数は制御対象180の減速器の逆モデルとなる。
また、上記データテーブルまたは関数は、例えば、前述したドライブ装置13を介してCD−RあるいはMOなどの記憶媒体100にコピーされ、さらに記憶媒体100を介してパターン発生器130のメモリにインストールされる。
実システム110において、理想制御入力の時系列データが、条件に応じてデータテーブルまたは関数により再現されることにより、制御対象180の負荷の角速度が理想的に制御される。つまり、パターン発生器130は、逆モデルによるフィードフォワード制御器の役割をする。
尚、実システム110において、データテーブルまたは関数の代わりに記憶された時系列データそのものを実装するようにしても良い。
さらに、ローパスフィルタ190を介してフィードバック制御を実施することで、RMD(繰り込み分子動力学)の実システム110とシミュレータ10との誤差によるドリフトを補償すると良い。
従来、逆システムを利用したフィードフォワード制御の有効性は知られているが、摩擦やガタ、ヒステリシスといった非線形のシステムでは、逆システムを求めることが困難であるという問題があった。しかしながら、本発明では、前述したようにシミュレータ10の理想フィードバック制御器40により逆システムを求めることが可能になる。
RMD(繰り込み分子動力学)のシミュレータ10は、多くの計算量を必要とするためにこれを実システム110の制御装置には実装することができないが、本発明によれば、対応関係を抽出して実装することで、RMDモデルを実装することなく、シミュレーションの効果を実システム110に反映させることができる。
従って、本発明では、シミュレーションによる演算処理をそのまま実システム110に実装することはできないが、複雑な現象が扱えるシミュレータ10を利用する場合に有効であり、MD(分子動力学)によるシミュレータにおいて、有効である。また、例えば、産業機械などの分野では、計算時間の観点からRMD(繰り込み分子動力学)のシミュレータが特に有効である。
図3は制御対象180の一例を示す図である。図3に示されるように、制御対象180としては、例えば、モータドライバ200に電流指令を制御入力として入力すると、モータ210が減速器215を回転駆動して負荷(被駆動体)225を回転させる。この負荷(被駆動体)225の回転量(負荷角度)は、モータ210のエンコーダ240により計測されており、計測量としてフィードバックされる。シミュレータ上に構築されたRMD減速器モデル70は、減速器215を分子動力学法により分子レベルでモデル化したものであるので、モータ角度に応じた負荷角度を精密にシミュレーションすることが可能になる。
エンコーダ240の計測量は、例えば、モータ210の駆動特性、負荷225の荷重や減速器215の磨耗や摩擦による伝達損失に応じて変動しており、これらの状態量がシミュレータ10において、再現されることにより、理想フィードバック制御器40により得られた理想制御入力データが修正されるので、制御対象180を誤差のない状態で駆動することが可能になる。
本実施例では、上記のような減速器215を有するモータ駆動システムを実システムの構成例として示したが、これに限らず、これ以外のシステム(例えば、射出成形機の樹脂圧制御、トグル送り制御、ロボットの位置決め制御、力制御、ギヤモータ制御、ボールネジ駆動ステージ、電磁石の吸着力制御等)にも適用できるのは、勿論である。
従って、実システム110では、RMD減速器モデル70を有するシミュレータ10により得られたより精密な理想制御入力データをパターン発生器130のメモリに格納することで、制御対象180を制御するのに最適な制御データである理想制御入力データのパターンが得られるので、高価で高性能な制御装置により高速演算処理をしなくても、高速且つ高精度なフィードバック制御が可能になる。
図4は実施例2のシミュレータ及び実システムの構成例を模式的に示す構成図である。尚、図4において、前述した実施例1と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。図4に示されるように、シミュレータ10Aの実システムモデル60は、実システム110Aに対応するフィードバック制御器モデル80とRMDボールネジモデル90とを有し、これらの間で閉ループを策定している。
また、シミュレータ10Aは、プログラムに基づいて、制御対象を有する実システム110Aをモデル化した実システムモデル(分子動力学モデル)60を形成する手順と、実システムモデル60における動作指令パターンを生成する手順と、制御対象の状態量と動作指令パターンとから実システムモデル60への入力を決定する閉ループを策定すると共に、実システムモデル60へ入力される時系列データをメモリ15に出力する手順と、を有するシミュレータの制御方法を実行するように設定されている。
実システム110Aは、シーケンサ120と、パターン発生器130と、ホルダ140と、サンプラ145と、軌道生成器150と、フィードバック制御器160と、加算器170と、制御対象180とを有する。実システム110Aの制御装置112Aは、デジタル計算器であり、上記シーケンサ120と、パターン発生器130と、ホルダ140と、サンプラ145と、軌道生成器150と、フィードバック制御器160と、加算器170とがプログラムによって形成され、所定のサーボサイクルごとに演算が実行される。
パターン発生器130のメモリには、制御対象180を制御するため制御データ及び制御データを生成するためのプログラムがインストールされている。パターン発生器130のメモリに格納される制御データは、シミュレータ10Aによるシミュレーション処理の結果、メモリ15に記憶された理想制御入力データ(時系列データ)であり、記憶媒体100を介して格納される。
フィードバック制御器160は、制御対象180からサンプラ145を介して入力された計測量と、軌道生成器150からの動作指令パターンとから補正制御入力を生成する。
サンプラ145は、制御装置112Aのサーボサイクル毎に制御対象180の計測手段により計測された計測量を取得する。制御装置112Aでは、サンプラ145を介して取得された値に基づいて演算を実施する。
加算器170は、パターン発生器130で生成された理想制御入力とフィードバック制御器160で生成された補正制御入力とを加算し、制御入力を生成する。
ホルダ140は、実システム110Aの制御装置112Aのサーボサイクル毎に演算結果によって値が更新され、次のサーボサイクルまで値を保持する。
一方、シミュレータ10A上には、上記のように構成された実システム110Aの構成に対応したモデル化された構成が構築されており、各機器において以下のような機能を有している。
ここで、シミュレータ10Aによる形成されたシステム構成について説明する。
シミュレータ10A上の理想フィードバック制御器40は、シミュレータ10A上において、RMDボールネジモデル90の状態量と、動作指令パターンから実システムモデル60への入力を決定し、フィードバックループを策定すると共に、実システムモデル60への入力を時系列データとしてメモリ15に出力するアルゴリズムを有する理想フィードバック手段である。また、理想フィードバック制御器40は、動作指令パターンを実現するために入力する信号を生成しているので、逆システムになっている。
メモリ15では、理想制御入力の時系列データがシーケンス信号と共に記憶される。
理想フィードバック制御器40は、実装を目的としていないので、実システム110Aに制御器を実装する時に存在するような物理的制約を受けることなく、制御性の改善を図ることができる。
例えば、RMDボールネジモデル90の状態量のうち、理想制御出力は、制御性能を評価する状態量であり、理想フィードバック制御器40にフィードバックされるRMDボールネジモデル90の状態量は、実システム110Aで計測される計測量の他、実際は計測されない状態量でも必要に応じて利用することができる。
また、理想フィードバック制御器40は、実装を目的としていないので、制御性改善のため、高度なプログラムや複雑な演算により構築することや、仮想的に高速な処理が実行可能とすることができる。
ホルダ50は、シミュレータ10A上において、実システム110A上の制御装置112Aのサーボサイクル毎に演算結果によって値が更新され、次のサーボサイクルまで値を保持する。そのため、理想フィードバック制御器40で高速なサーボサイクルを採用していても、ホルダ50で生成される理想制御入力の更新周期は、前述した実システム110Aの制御装置112Aと同じサーボサイクルになる。従って、実システム110Aの制御周期に沿った理想制御入力を実システム110Aの制御に用いることができる。
実システムモデル60は、フィードバック制御器モデル80、加算器85、ホルダモデル87を有している。サンプラモデル92は、実システム110Aの制御装置112Aと同じ構成である。ホルダモデル87は、前述したホルダ140と同様にサーボサイクル毎に演算結果によって値が更新され、次のサーボサイクルまで値を保持する。
RMDボールネジモデル90は、実システム110Aの制御対象180をモデル化したものであり、シミュレータ10A上で設計した制御器の実装を目的にしていないので、RMDボールネジモデル90は、モデル化次数の制約を受けることなく、実システム110Aの制御対象180を正確にモデル化することができる。
理想フィードバック制御器40からメモリ15に記憶されたシーケンスと理想制御入力データは、例えば、前述したドライブ装置13を介してCD−RあるいはMOなどの記憶媒体100にコピーされ、さらに記憶媒体100を介してパターン発生器130のメモリにインストールされる。
理想フィードバック制御器40からメモリ15に記憶された時系列データは、理想制御入力データであり、フィードバック制御器モデル80からの出力と加算すると、RMDボールネジモデル90が理想的に制御される。
実システム110Aにおいて、シーケンス信号に従ってパターン発生器130から生成される時系列データは、理想制御入力データを再現したものであるので、フィードバック制御器160からの出力を加算すると、制御対象180が理想的に制御される。
図5は制御対象180の一例を示す図である。図5に示されるように、制御入力は、モータドライバ200へのモータ電流指令である。計測量は、モータ210に取り付けられたエンコーダ240からの出力である。制御出力は、ステージ230の位置である。また、動作指令パターンは、ステージ230の目標位置の時系列データである。ステージ230は、動作指令パターンと計測量に基づいて制御される。
ここで、図3に示すステージ装置を制御対象として、本発明を適用する場合について説明する。図2において、説明したように、シミュレータ10A上でステージ装置を制御対象モデルとして構築する。
これにより、シミュレータ10A上で構築された制御対象モデルが出力するステージ230の位置を理想制御出力として制御に利用することができる。従って、シミュレータ10A上において、動作指令パターンと理想制御出力とに基づいて、理想制御入力を出力する理想フィードバック制御器40を構築する。これにより、RMDボールネジモデル90を理想的に制御することが可能になる。
ここで、理想フィードバック制御器40が出力した理想制御入力を、ホルダ50を介してメモリ15に保存し、実システム110Aの制御周期に合った理想制御入力を制御対象、すなわち、ステージ230の位置制御に用いる。このように、本発明をステージ制御位置に適用することにより、実際には測定が困難な状態量をフィードバックすることができ、高性能な制御装置を実装することなく実システム110Aでの制御応答性を向上させることができる。
また、本実施例において、ボールネジ220の摩擦をRMDボールネジモデル90が出力する状態量とすると好ましい。この場合、理想フィードバック制御器40によりその状態量(ボールネジ220の摩擦)をフィードバックすることにより、ボールネジ220の摩擦による外乱の影響を抑制することができる。
また、モータ210のトルク変動をRMDボールネジモデル90が出力する状態量とすると好ましい。この場合、理想フィードバック制御器40によりその状態量(モータ210のトルク)をフィードバックすることにより、モータ210のトルク変動を抑制することができる。
また、シミュレータ10A上の理想フィードバック制御器40のサーボサイクルを仮想的に高速であるとしてシミュレータを実施する。
この結果、シミュレータ10A上でステージ230の位置の目標に近い値で理想的に制御され、そのときのトルクパターン(理想制御入力)がメモリ15に保存される。
このトルクパターン(理想制御入力)がパターン発生器130から生成されることにより、実システム110Aでもステージ230の位置の目標とされた結果が近づき、ステージ230の位置を理想的に制御させることができる。
本実施例では、上記のようなモータ駆動力をボールネジ220に伝達してステージ230を移動させる駆動方式を実システムの構成例として示したが、非線形性が問題となる制御システム(例えば、ギヤモータの制御、ロボットアームの制御、のほか、電磁石の吸着力制御、エアシリンダの制御、温度制御など)にも適用できるのは、勿論である。
図6Aは動作指令パターンの一例を示す波形図である。図6Aに示されるように、動作指令パターンPaは、実システム110Aの軌道生成器150により生成される信号であり、実システム110Aのステージ230の目標位置の時系列データである。
図6Bは実システム110Aにおける従来の制御出力の一例を示す波形図である。図6Bに示されるように、パターンPbは、動作指令パターンPaに対して、遅れやオーバシュートが発生しており、指令に対して誤差を持って動作している状態である。
図6Cはシミュレータ10Aにおける制御出力の一例を示す波形図である。図6Cに示されるように、シミュレータ10Aのシーケンサ20からの動作指令パターンPaと、RMDボールネジモデル90からの制御出力Pbがほぼ一致している。実装を前提としない理想フィードバック制御器40で制御性能の向上を図ることで、指令に対して非常に小さい誤差で動作している状態を仮想的に実現している。
図6Dは理想制御入力データの一例を示す波形図である。図6Dに示す理想制御入力データPdは、シミュレータ10Aにおける理想フィードバック制御器40のホルダ50を介した出力であり、メモリ15に記憶される時系列データである。また、理想制御入力データは、実システム110Aのパターン発生器130からシーケンス信号に応じて生成されるデータである。
図6Eは実システム110Aにおける本発明による制御出力の一例を示す波形図である。図6Eに示されるように、制御出力Pbと動作指令パターンPaがほぼ一致している。システム10Aで生成された理想制御入力を実システム110Aのパターン発生器130で再現することにより、実システム110Aでも指令に対して非常に小さい誤差で動作している状態を実現している。
従って、実システム110Aでは、シミュレータ10Aにより得られた理想制御入力データをパターン発生器130のメモリに格納することで、制御対象180を制御するのに最適な制御データである理想制御入力データがパターン発生器130により再現されるので、高価で高性能な制御装置により高速演算処理をしなくても、高速且つ高精度なフィードバック制御が可能になる。
本発明により実システム110Aに追加されたのは、パターン発生器130であり、サーボサイクルが従来と同じであるので、実システム110Aの制御装置112Aは、従来と同等の性能で実現可能でありながら、制御性能を向上させることができる。
また、シミュレータ10Aで仮想的に設計した理想フィードバック制御器40の性能や制御アルゴリズムは、実システム110Aに実現する必要がない。
図7は実施例3のシステム構成を示す図である。尚、図7において、図4に示すシステムと同一部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示されるように、実施例3のシミュレータ310Aでは、理想フィードバック制御器40から出力された時系列データがホルダ50を介して直接フィードバック制御器モデル80に入力される。そして、フィードバック制御器モデル80で生成された時系列データは、そのままRMDボールネジモデル90に入力される。この実施例3では、前述した実施例2の加算器85が無くなり、加算処理が削除された分、システム構成が簡素化されている。
また、実システム410Aでは、パターン発生器130から生成される時系列データがホルダ135に保持され、ホルダ135を介してフィードバック制御器160に時系列データが入力される。さらに、実システム410Aは、前述した実施例の軌道生成器150及び加算器170が無くなり、加算処理が削除された分、システム構成が簡素化されている。
さらに、実システム410Aの制御装置412Aは、制御入力への加算機能が必要ないので、実装可能範囲が広くなり、適用されるシステムを増加させることができる。また、本発明は、実システムの構成に応じて変形して適用することが可能で、実システムが多重フィードバックループを持つシステムの場合や、フィードバックループが全くないシステムの場合でも適用できる。
一方、シミュレータ310A上には、上記実システム410Aを構成する各機器に対応してモデル化された実システムモデル(分子動力学モデル)360が形成される。実システムモデル360は、フィードバック制御器モデル80とRMDボールネジモデル90を含んでいる。
また、シミュレータ310Aでは、理想フィードバック制御器40から出力された時系列データがホルダ50を介して直接フィードバック制御器モデル80に入力される。そして、フィードバック制御器モデル80で生成された時系列データは、そのままRMDボールネジモデル90に入力される。
理想フィードバック制御器40により生成された時系列データからなる理想制御入力データ(図6D参照)Pdは、前述した実施例2と同様に、メモリ15に保存され、記憶媒体100を介してパターン発生器130のメモリにインストールされる。そして、実システム410Aでは、シミュレータ310Aにより得られた理想制御入力データをパターン発生器130のメモリに格納することで、制御対象180を制御するのに最適な制御データである理想制御入力データのパターンPdが得られるので、高価で高性能な制御装置により高速演算処理をしなくても、高速且つ高精度なフィードバック制御が可能になる。
さらに、分子動力学モデルは、フィードバック制御器モデル80とRMDボールネジモデル90とを含む実システムモデル60,360で表され、フィードバック制御器モデル80とRMDボールネジモデル90との間で閉ループを策定することが好ましい(請求項4に対応する)。これにより、実システム110A,410Aにおいて、フィードバックループを策定しているフィードバック制御器160と制御対象180とをシミュレータ10A,310A上でモデル化し、実システムモデル60,360に含ませることで、実装されているフィードバック制御器160の性能を考慮して実システムモデル60,360の理想フィードバック制御器40を設計することができる。
また、RMDボールネジモデル90は、フィードバック制御器モデル80からの出力に理想フィードバック制御器40からの理想制御入力を加算されたデータが入力されることが好ましい(請求項5に対応する)。これにより、シミュレータ10A,310A上のRMDボールネジモデル90の制御器に、理想フィードバック制御器40の出力とフィードバック制御器モデル80の出力とを加算したデータが入力されることにより、さらに高性能な制御を実現することを可能にする。
また、シミュレータ10A,310A上のフィードバック制御器モデル80は、理想フィードバック制御器40からの理想制御入力を入力されることが好ましい(請求項6に対応する)。これにより、RMDボールネジモデル90の制御器に、理想フィードバック制御器40の出力が入力されることにより、さらに高性能な制御を実現することを可能にする。
また、プログラムをコンピュータに読み込ませることにより、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、分子動力学モデルの状態量と動作指令パターンとから分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データをメモリ(記憶手段)15に出力する手順と、を実行させることが好ましい(請求項8に対応する)。これにより、分子動力学モデルへの入力及び出力を時系列データとして記憶手段に出力し、実システムでは、時系列データまたは、それから求まる関数またはデータテーブルを実装するので、実システムの制御機器は、RMDモデルや理想フィードバック制御器を実装できなくてもシミュレーションの結果を実システムに反映させて制御応答を改善することができる。
制御装置としてのパターン発生器130は、上記プログラムが格納されたメモリを有することが好ましい(請求項9に対応する)。これにより、パターン発生器130は、メモリに格納された上記プログラムを読み込んで各手順を実行することができるため、理想フィードバック制御器40を実システム110,110A,410Aに実装できなくてもシミュレーションの結果を実システム110,110A,410Aに反映させて制御応答を改善することができる。
また、シミュレータ10,10A,310Aは、分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、分子動力学モデルの状態量と動作指令パターンとから分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、
からなる制御方法を実行させることが好ましい(請求項10に対応する)。これにより、分子動力学モデルへの入力及び出力を時系列データとして記憶手段に出力し、実システムでは、時系列データまたは、それから求まる関数またはデータテーブルを実装するので、実システムの制御機器は、RMDモデルや理想フィードバック制御器を実装できなくてもシミュレーションの結果を実システムに反映させて制御応答を改善することができる。
上記実施例では、制御対象として図2及び図5に示すようなモータ駆動システムの構成例を例示したが、本発明はRMDボールネジモデル90をシミュレータ上に構築することができれば、どのような構成のものにもシミュレーション処理により理想制御入力データをメモリ15に記憶させ、この理想制御入力データを実システムのパターン発生器130のメモリにインストールすることで制御装置を変更せずに実システムを実質的に高機能化及び高性能化することが可能になる。
実施例1におけるシミュレータのハードウェア構成の一例を示す図である。 実施例1のシミュレータ及び実システムの構成例を模式的に示す構成図である。 実施例1の制御対象180を示す図である。 実施例2のシミュレータ及び実システムの構成例を模式的に示す構成図である。 実施例2の制御対象180を示す図である。 実施例2の動作指令パターンの一例を示す波形図である。 従来の制御出力の一例を示す波形図である。 高速で制御可能な制御装置でフィードバック制御した場合の一例を示す波形図である。 理想制御入力データの一例を示す波形図である。 パターン発生器130で生成された理想制御入力データのパターンPdの一例を示す波形図である。 実施例3のシステム構成を示す図である。
符号の説明
10,10A,310A シミュレータ
11 入力装置
12 出力装置
13 ドライブ装置
14 補助記憶装置
15 メモリ
16 CPU
17 ネットワーク接続装置
20,120 シーケンサ
30 軌道生成器
40 理想フィードバック制御器
50 ホルダモデル
60 実システムモデル
70 RMD減速器モデル
80 フィードバック制御器モデル
85,170 加算器
90 RMDボールネジモデル
100 記憶媒体
110,110A,410A 実システム
130 パターン発生器
140 ホルダ
150 軌道生成器
160 フィードバック制御器
180 制御対象
190 ローパスフィルタ
200 モータドライバ
210 モータ
215 減速器
220 ボールネジ
225 負荷
230 ステージ
240 エンコーダ

Claims (10)

  1. 分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルと、
    前記分子動力学モデルに対する理想的な制御を行う理想フィードバック手段と、
    前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成するシミュレータ用動作指令パターン生成手段と、
    前記理想フィードバック手段から出力された制御データを記憶する記憶手段と、
    を備え、
    前記理想フィードバック手段は、前記分子動力学モデルの状態量と前記シミュレータ用動作指令パターン生成手段による動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを前記記憶手段に出力することを特徴とするシミュレータ。
  2. 前記理想フィードバック手段の出力に前記制御対象の制御周期を反映したホルダを備えたことを特徴とする請求項1に記載のシミュレータ。
  3. 前記制御対象の状態量は、前記制御対象に用いられるセンサから得られる以外の状態量を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のシミュレータ。
  4. 前記分子動力学モデルは、フィードバック制御器モデルと制御対象モデルとを含む実システムモデルで表され、前記フィードバック制御器モデルと前記制御対象モデルとの間で閉ループを策定することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のシミュレータ。
  5. 前記制御対象モデルは、前記フィードバック制御器モデルからの出力に前記理想フィードバック手段からの理想制御入力を加算されたデータが入力されることを特徴とする請求項4に記載のシミュレータ。
  6. 前記フィードバック制御器モデルは、前記理想フィードバック手段からの理想制御入力を入力されることを特徴とする請求項4に記載のシミュレータ。
  7. 前記請求項1乃至6の何れかに記載のシミュレータから転送された前記時系列データを格納し、前記実システムで理想制御入力を生成するパターン発生器に前記時系列データを出力することを特徴とする記憶媒体。
  8. コンピュータに、
    分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、
    前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、
    前記分子動力学モデルの状態量と前記動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、
    を実行させるためのプログラム。
  9. 前記請求項8に記載のプログラムが格納されたメモリを有することを特徴とする制御装置。
  10. 分子動力学法の計算により制御対象の少なくとも一部がモデル化された分子動力学モデルを形成する手順と、
    前記分子動力学モデルにおける動作指令パターンを生成する手順と、
    前記分子動力学モデルの状態量と前記動作指令パターンとから前記分子動力学モデルへの入力を決定する閉ループを策定すると共に、前記制御対象の少なくとも一部の逆モデルを作成するための時系列データを記憶手段に出力する手順と、
    を有することを特徴とするシミュレータの制御方法。
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