JP2008216005A - アクティブソーナー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送信信号に周波数変調がなされた信号を用いるとともに、レプリカ相関を用いることなく受信信号に含まれるエコー信号の検出できるようにし、エコー信号の性能を向上させる。
【解決手段】周波数変調がなされる送信信号を生成して出力する送信信号生成部2と、送信信号を音波として送波する送波部4と、送波部からの音波が目標11で反射されてなるエコーを含む音波を受波し、これを受信信号として出力する受波部5と、受信信号に含まれるエコーに対応するエコー信号を送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換する信号処理部90とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音波を送受波可能なアクティブソーナー装置に関し、特に、周波数変調がなされる音波を送波するアクティブソーナー装置に関する。
一般に、アクティブソーナー装置とは、自ら音波を発生、送波し、受信した音波を電気信号にしてこれを処理し、目標からのエコー(反射波)を用いて方位、距離を特定するものである。送波する音波は、主に、線形に周波数変調されたLFM(Linear Frequency Modulation)信号、CW(Continues Wave)信号からなる。
このようなアクティブソーナー装置において、受信信号からエコーに対応するエコー信号の取り出しは、送波する音波にCW信号を生成した場合、フーリエ変換すれば、周波数を取り出すことができる。
一方、CW信号が残響などの雑音に弱いことから、送波する音波にLFM信号を用いることがある。
図13に、従来のアクティブソーナー装置を示す。
同図に示すように、従来、この種のアクティブソーナー装置1aは、送信信号を生成して出力する送信信号生成部2と、送信信号増幅部3で増幅された送信信号を音波にして送波する送波部4と、目標で反射したエコー及びその他の雑音を含む音波を受信信号として出力する受波部5と、受信信号増幅部6、帯域濾波部7、A/D変換部8により増幅、濾波及びA/D変換された受信信号を処理する信号処理部12とを備えている。
信号処理部12は、LFM信号を用いたときの受信信号は、単にフーリエ変換しても、CW信号に比較して各周波数のレベルが低く、取り出しにくいので、送信信号と同等のレプリカ信号を生成し、このレプリカ信号を用いていわゆるレプリカ相関処理を行ってエコー信号を取り出している。
レプリカ相関は、受信信号に対して時間をずらしながら受信信号と標本となる信号(レプリカ信号)との相関度を計算する信号処理方式であり、相互相関ともいわれる。信号処理部は、送信信号をレプリカ信号として、受信信号との相関度を計算している。
図14に、レプリカ相関によるエコー信号の検出の概念図を示す。
同図に示すように、受信信号Gに対して時間をずらしながらレプリカ信号Rとの相関を求めることにより、波形が最も類似した時刻で相関度のピークpを出現させる。そして、この最も相関の高いときに、エコーが到達した時刻te’としている。
以上のような信号処理を行う信号処理部12は、具体的には、図13に示すように、受信信号のフーリエ変換手段121と、信号生成手段から送られる送信信号データに基づいてレプリカ信号を生成するレプリカ信号生成手段122と、レプリカ信号のフーリエ変換手段123と、受信信号及びレプリカ信号のフーリエ変換後の片方の複素共役を乗算する乗算手段124と、乗算手段による積を逆フーリエ変換する逆フーリエ変換手段125と、受信信号からエコー信号を検出する検出手段126とを備えてなる。
信号処理部12は、受信信号とレプリカ信号とを、時刻をずらしながら乗算手段124で積を求めていき、これを逆フーリエ変換手段125で逆フーリエ変換することにより、図14に示したようなレプリカ相関を得ている。
また、従来、LFM信号を用いたアクティブソーナー装置としては、特許文献1〜5に記載の技術が知られている。
特許文献1には、パルス幅の中間で周波数が増加から減少へ、又は、減少から増加へ反転するLFM信号からなる送信信号を音波にして送波し、受信信号に含まれたエコー信号の周波数が増加する部分及び減少する部分の双方に対するレプリカ相関を求め、この結果からエコー信号のドップラーシフトを計測する技術が記載されている。
特許文献2には、入力信号の内、LFM受信帯域を複数に分割し、分割された各帯域の信号成分を検波し、検波信号のレベルを所定のレベルと比較して、1又は0ビット信号に変換し、そのパルス列の順序により、ドップラーシフトを検出する技術が記載されている。
特許文献3には、送信信号に対し、同一周波数だけ高い周波数及び低い周波数にシフトされた2つのレプリカ信号を利用して受信信号とレプリカ相関を行うことにより、一定時間における2つの相関結果の最大振幅幅の比からドップラーシフトを含むエコー信号を求める技術が記載されている。
特許文献4には、正のドップラーシフト、負のドップラーシフト、ドップラーシフトなしの3つのレプリカ信号と受信信号とを相関処理し、3つの相関結果を3値補間(ラグランジュ補間)することにより、目標のドップラーシフトを計測する技術が記載されている。
特許文献5には、周波数が上昇するLFM信号と、周波数が下降するLFM信号の2つのLFM信号を送波し、受波した2つの信号の時間をそろえて相関処理を行い、ドップラーシフトの影響を除去する技術が記載されている。
特開昭59−225375号公報 特開平03−115879号公報 特開平03−242586号公報 特開平07−120553号公報 特開平08−114672号公報
しかしながら、このようなアクティブソーナー装置においては、送信信号にLFM信号を用いると、レプリカ相関はドップラー効果の影響を受けやすいので、検出性能に劣るというという問題があった。
詳しくは、図14に示すように、レプリカ信号Rと受信信号Gの相互相関からエコー信号Eを検出しているので、エコー信号Eにドップラーシフトがないときには、比較的大きい相関度が得られる。
一方、図15に示すように、エコー信号Eにドップラーシフトがあるときには、エコー信号Eとレプリカ信号Rの間に差異が生じてしまうので、相関度が小さくなる。そのため、ドップラーシフトが大きいと、エコー信号Eの検出が難しい。また、相関度が小さくなるので、エコー信号Eの雑音に対する比(S/N比)が小さい場合の検出が特に難しくなる。
また、この問題を解決する技術として、レプリカ信号を複数用いる前記の特許文献3、複数の送信信号を送信して、送信信号のうちのひとつをレプリカ信号とする特許文献5があるが、これらの装置は、構成が複雑になったり、処理負荷が増大するなどしてしまうという新たな問題が発生した。
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、送信信号に周波数変調がなされた信号を用いるとともに、レプリカ相関を用いることなく受信信号に含まれるエコー信号の検出できるようにし、エコー信号の性能を向上させたアクティブソーナー装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載のアクティブソーナー装置は、音波を送受波可能なアクティブソーナー装置であって、周波数変調がなされる送信信号を生成して出力する送信信号生成部と、前記送信信号を音波として送波する送波部と、該送波部からの音波が目標で反射されてなるエコーを含む音波を受波し、これを受信信号として出力する受波部と、前記受信信号に含まれる前記エコーに対応するエコー信号を前記送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換する信号処理部とを備えてなる。
このような構成からなる本発明のアクティブソーナー装置は、信号処理部の処理により、エコー信号が送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換される。これにより、エコー信号をCW信号として扱うことができる。そのため、受信信号からエコー信号を容易に取り出せるようになり、検出性能を向上させることができる。
また、レプリカ相関を用いないので、この点でも、検出性能の向上が期待できる。
さらに、送信信号に周波数変調がなされた信号を送波部で音波にして送波しているので、残響などの雑音に対しても強い音波を送波できる。
また、前記信号処理部は、前記受信信号から所定時間幅分を切り出す信号切り出し手段と、切り出された受信信号を、前記送信信号の周波数変調の変化率に対応して変化するサンプリング周波数でサンプリングするとともに該サンプリングによるサンプルデータを出力するサンプリング手段と、前記サンプルデータを任意の周期で再配置して受信信号を再構成し、これを出力する再構成手段と、該再構成された受信信号の周波数スペクトルを算出しこれを出力するスペクトル算出手段とを備えてなることが好ましい。
このような構成のアクティブソーナー装置によれば、サンプリング手段で、送信信号の周波数変調の変化率に対応して変化するサンプリング周波数でサンプリングされているので、再構成手段でサンプルが再配置されると、エコー信号を送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号とすることができる。
また、切り出された受信信号に含まれるエコー信号を、帯域幅の小さい周波数変調信号にしたので、周波数スペクトルにエコー信号部分のピークが大きくあらわれる。これにより、受信信号にエコー信号以外の雑音が含まれる比率が比較的大きくても、確実にエコー信号を検出できる。
また、前記送信信号生成部は、送信信号の周波数ftを、時間tをパラメータとする関数g(t)で生成し、前記受波部と前記信号処理部との間に介装され、前記受信信号を、所定のサンプリング周波数fsでデジタル化するA/D変換部を設け、前記サンプリング手段は、切出し開始位置から時間ts後の受信信号をサンプリングする周波数fs’と、A/D変換部のサンプリング周波数fsとの関係が、g(0):fs=g(ts):fs’の関係を満たすようにサンプリングすることが好ましい。
このような構成とすると、切り出された受信信号のエコー信号は、送信信号の周波数変調の変化率に対応して変化するサンプリング周波数でサンプリングされる。そのため、エコー信号は、送信信号よりも小さな帯域幅の周波数変調波信号となる。
また、前記サンプリング手段は、n番目のサンプルとして、切出した受信信号の切出し開始位置から下記式(1)で求める時間tsの当該受信信号の振幅の値を取り出すことが好ましい。
Figure 2008216005
式(1)において、nは、1以上の正の整数、fsは、A/D変換部でのサンプリング周波数である。
このような構成からなるアクティブソーナー装置は、エコー信号を、受信信号に含まれるエコー信号が送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に、確実に変換することができる。
また、前記サンプリング手段は、前記A/D変換部でデジタル化された受信信号を補間する補間機能を備えることが好ましい。
これにより、サンプリング手段は補間機能が、A/D変換部でサンプリングされていても、n番目のサンプルを取り出すときに、時間tsの前後のA/D変換でのサンプルを適宜補間して、時間tsに対応するサンプルを求めることができる。
また、前記関数g(t)が、下記式(2)で定められることが好ましい。
g(t)=mt+c 式(2)
式(2)において、mは周波数掃引勾配、cは、m>0のとき送信信号の下限周波数fl、m<0のとき送信信号の上限周波数fhとなる値である。
この構成によれば、送信信号生成部は、線形周波数変調信号を生成する。
これにより、送信信号が周波数が上昇するだけの簡単な波形となるので、エコー信号の波形も簡単になる。そのため、信号処理部で、複雑な処理を簡単にできる。
また、前記再構成手段は、前記式(1)から求まる周期ts−ts間隔で前記サンプルを再配置することが好ましい。
この構成によれば、切出し開始位置と、エコー信号の最初が一致するとき、その切り出された受信信号に含まれるエコー信号は、その周波数がg(0)とほぼ同じ値に変換される。そのため、ドップラーシフト量を容易に算出できる。
また、前記信号処理部は、前記信号切り出し手段、サンプリング手段、再構成手段、及び、スペクトル算出手段を、切出し開始位置を所定時間ずつ遅らせてループ処理せしめることが好ましい。
これにより、アクティブソーナー装置は、受信信号に含まれるエコー信号が、受信信号のどの時刻部分にあるかわからなくても、切出し開始位置が所定時間遅らされて処理され、受信信号全部を総当り的に調べるので、切り出された受信信号のいずれかに確実にエコー信号を含ませることができる。
また、前記信号処理部から出力される複数の周波数スペクトルに基づいて、前記エコー信号を検出するとともに、該検出されたエコー信号から前記エコーの到達時間及び当該エコー信号の周波数を算出する検出処理部を備えることが好ましい。
この構成のアクティブソーナー装置は、切り出された受信信号の切出し開始位置と、検出されたエコー信号の最初とが異なっていても、複数の周波数スペクトルからエコーの到達時刻及びエコー信号の周波数を、補正して出力できる。
また、前記信号処理部から出力されるエコー信号を含む受信信号から前記エコー信号を検出する検出手段を備えることが好ましい。
この構成のアクティブソーナー装置は、信号処理部で、エコー信号を送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換しているので、検出手段でのエコー信号を検出するための閾値を低くでき、検出性能を向上できる。
以上のように、本発明のアクティブソーナー装置によれば、信号処理部を設けたので、エコー信号が送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換され、エコー信号をCW信号として扱うことができる。そのため、受信信号からエコー信号を容易に取り出せるようになり、検出性能を向上させることができる。
また、レプリカ相関を用いないので、この点でも、検出性能の向上が期待できる。
さらに、送信信号に周波数変調がなされた信号を送波部で音波にして送波しているので、残響などの雑音に強くできる。
以下、本発明に係るアクティブソーナー装置1の好ましい実施形態について説明する。
なお、従来のアクティブソーナー装置と同様のものには、同一の符号を付している。
図1に示すように、本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置1は、音波を送受波可能なアクティブソーナー装置1であって、周波数変調がなされる送信信号を生成して出力する送信信号生成部2と、送信信号を音波として送波する送波部4と、送波部4からの音波が目標で反射されてなるエコーを含む音波を受波し、これを受信信号として出力する受波部5と、受信信号に含まれるエコーに対応するエコー信号を送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換する信号処理部90とを備えてなる。
送信信号生成部2は、図2(a)に示すように、いわゆるFM信号である送信信号Fを、送信時間幅Ht[sec]分だけ生成する。本実施形態においては、送信信号生成部2は、送信信号Fの周波数ftを、信号生成開始時刻からの時間tをパラメータとする関数g(t)で生成する。
なお、関数g(t)は、少なくとも、0≦t<Htの範囲内において、g(t)>0の関係を満たす関数である。
関数g(t)は、例えば、下記の式(2)としている。
周波数ft=g(t)=m・t+c 式(2)
ここで、式(2)において、mは周波数掃引勾配、cは、m>0のとき送信信号Fの下限周波数fl、m<0のとき送信信号Fの上限周波数fhとなる値である。
なお、周波数掃引勾配mは、送信信号Fの帯域幅fbw[Hz](送信信号Fの上限周波数fhから送信信号Fの下限周波数flを減算した値)を送信信号Fの送信時間幅Ht[sec]で割った値(m=fbw/Ht)である。
本実施形態においては、m>0,c=flとしている。この関数g(t)で生成される信号は、FM信号の中でもLFM信号(線形周波数変調波信号)と言われるものとなる。
また、送信信号生成部2で生成される送信信号Fは、送信信号増幅部3で増幅されるとともに送波部4で音波に変換され、目標方向に送波される。
この送波部4には、既存の送波器を用いてもよい。
送波部4で送られた音波は、目標に当たって反射してエコー(反射波)となる。
受波部5は、エコー及び残響などからなる音波をほぼ常時受信している。そして、受波部5は、受波した音波を受信信号Gに変換して出力する。この受波部5には、既存の受波器を用いてもよい。また、本実施形態では、受波部5は、送波部4とほぼ同じ位置に設けられている。
受波部5からの受信信号Gは、受信信号増幅部6で増幅され、帯域濾波部7で受信信号の帯域幅を小さくされる。
帯域濾波部7は、受信信号Gからエコー信号Eが含まれうる必要な周波数帯域を取り出すために設けられている。
また、受信信号Gは、帯域濾波部7と信号処理部90の間に介装されたA/D変換部8により、信号処理部90による処理の前に、予め、所定のサンプリング周波数fsでデジタル化される。
サンプリング周波数fsは、いわゆるサンプリング定理により、少なくとも、送信信号Fの上限周波数fhの2倍よりも大きな値でなければならない(fs>2・fh)。
本実施形態では、なお、サンプリング周波数fsは、信号処理部90での処理の際に、スプリアスの発生を小さくするために、大きな値とすることが望ましい。本実施形態では、サンプリング周波数fsは、送信信号Fの中心周波数の20倍(fs=20・fc)に設定されている。
信号処理部90は、受信信号Gから所定時間幅分を切り出す信号切り出し手段91と、切り出された受信信号Gを、送信信号Fの周波数変調の変化率に対応して変化するサンプリング周波数でサンプリングするとともにサンプリングによるサンプルデータを出力するサンプリング手段92と、サンプルデータを任意の周期で再配置して受信信号Gを再構成し、これを出力する再構成手段93と、再構成された後の受信信号Gの周波数スペクトルを算出しこれを出力するスペクトル算出手段94とを備えてなる。
信号切り出し手段91は、予め、設定された時間幅Hs分をデジタル化された受信信号Gから切出し、受信信号セルC1〜C3として出力するものである。時間幅Hsは、少なくとも、送信時間幅Ht以上であり(Ht≦Hs)、かつ、0≦t≦Hsにおいて、g(t)>0となるような値が定められる。
本実施形態においては、時間幅Hsは、送信時間幅Htの2倍(Hs=2・Ht)に設定されている。
サンプリング手段92には、送信信号生成部2から、中心周波数fc、帯域幅fbw、送信時間幅Ht、信号の種類(LFM信号であれば、例えば、周波数上昇(UP)または降下(DOWN))などの送信信号のデータが送られている。サンプリング手段92は、送信信号生成部2から送られた送信信号のデータから、予め、関数g(t)を導き出している。
そして、このサンプリング手段92は、切出し開始位置から時間ts後の受信信号セルをサンプリングする周波数fs’と、A/D変換部のサンプリング周波数fsとの関係が、g(0):fs=g(ts):fs’の関係を満たすようにサンプリングし、このサンプリングにより求められたサンプルデータを出力している。
図3(a)に示すように、上記の関係から、サンプリング手段92の周波数fs’=fs・g(t)/g(0)となるように定められており、n番目とn−1番目の間の周期TsがTs=1/fs’となる。
すなわち、サンプリング手段92は、受信信号セルの切出し開始位置を、ts=0とし、n番目のサンプル(Sn)として、tsから式(1)で求める時間ts後の受信信号Gの振幅の値を取り出すものである。
Figure 2008216005
式(1)において、nは、1以上の正の整数、fsは、A/D変換部でのサンプリング周波数である。
この式(1)に、上記式(2)を代入すると、
Figure 2008216005
となる。
そして、サンプリング手段92は、tsがHsよりも大きくなり(ts>Hs)、サンプリングができなくなるまでサンプリングを行う。
また、サンプリング手段92は、デジタル化された受信信号Gを補間する補間機能を備えている。この補間機能は、受信信号Gが、A/D変換部ですでに一度、サンプリング及び量子化されており、A/D変換部のサンプリングのサンプルの間の値をサンプリング手段92でサンプリングするときに機能するものである。補間機能としては、例えば、線形補間、二次関数による補間、ラグランジュ補間、スプライン補間など種々の方法がある。
本実施形態では、図4に示すように、サンプリング手段92の補間機能は、線形補間によって行われるものであり、tsの値が、サンプルの間にあるときには、tsの前後にあるA/D変換によるサンプルSa,Saの双方を通る直線上においてtsに対応する点をサンプルSnとして取り出している。
図3(b)に示すように、再構成手段93は、ts−ts(=Ts)間隔でサンプリング手段92からのサンプルデータの各サンプル(S0,S1,S2・・・Sn−1,Sn,Sn+1・・・)を再配置して、受信信号セルを再構成している。本実施形態では、ts=0であり、ts=1/fsなので、サンプリング周波数の周期(1/fs)で再配置する。
スペクトル算出手段94は、再構成された受信信号セルをフーリエ変換し、受信信号セルの周波数成分の周波数スペクトルを算出している。
また、信号処理部90は、信号切り出し手段91、サンプリング手段92、再構成手段93、及び、スペクトル算出手段94を、切出し開始位置を所定時間ずつ遅らせてループ処理している。
切出し開始位置を遅延させる遅延時間Tcは、切出し幅Hsとの関係がTc≦Hsに設定される。本実施形態においては、Tc=Hs/2に設定される。
検出処理部95は、図1及び図2(c),(d)に示すように、フーリエ変換により得られた周波数スペクトルからエコー信号Eを検出する検出手段96と、得られたエコー信号Eの検出結果からエコーを受波した時刻の算出を行うエコー到達時刻算出手段97と、得られたエコー信号Eの検出結果の周波数からドップラーシフト量の算出をおこなうエコー信号周波数算出手段98と、を備えてなる。
図5に示すように、検出手段96は、スペクトル算出手段94から出力された周波数スペクトルごとに、設定した閾値kを越えるレベルの周波数成分を、エコー信号Eの周波数成分として検出し、閾値k以下の周波数成分を切り捨てる。
そして、検出結果(P1’〜P3’)を切出し開始位置が時刻順になるように列設してスペクトログラムとする。
図2(c)に示すように、このスペクトログラムは、例えば、時間、周波数及び各周波数のレベルからなる三次元のデータである。また、このスペクトログラムは、例えば、CRTなどのディスプレイモニタに出力表示される。このとき、スペクトログラムは、横軸に時間、縦軸に周波数、輝度又は色彩(実施形態では輝度)で周波数のレベルで表されるグラフにより表示される。
このスペクトログラムには、遅延時間Tcと時間幅Hsの関係が、Tc≦Hsなので、複数の受信信号セルにエコー信号Eが含まれる。そのため、スペクトログラムにおいて、複数の周波数スペクトルに含まれる。あらわれるエコー信号Eの検出結果の個数は、時間幅Hsと遅延時間Tcによって変化する。
本実施形態では、時間幅Hsを送信時間幅Htの2倍、遅延時間Tcを時間幅Hsの1/2としているので、エコー信号Eの検出結果が2〜3個(図は3個の場合を示している)あらわれる。
エコー到達時刻算出手段97は、スペクトログラムに基づいて、検出された複数のエコー信号Eを補間して実際にエコーが到達した時刻を算出する。
この補間についての概念を、エコー信号Eの検出結果P1’〜P3’が3個あらわれる場合で説明する。この場合、検出した周波数のレベルを切出し幅分の時間平均と考え、各周波数スペクトルの周波数成分のレベルの最大値M1〜M3を、遅延時間Tcの中央のレベルとする。
そして、これらの周波数成分のレベルの最大値が異なる(M2>M1,M3)ときは、閾値kを越えた複数のエコー信号Eのレベルを補間し、時刻−周波数レベルのエコー到達時刻補正グラフを作成し、これに補間曲線L1を描く、補間曲線L1の頂点Lmの時刻を、エコーが到達した時刻(te’)として算出する。
また、図6(c)に示すように、周波数成分のレベルの最大値のうち、中間(M2)とこれの前方(M1)の値がほぼ同値である(M1≒M2>M3)ときは、中間(M2)側の周波数スペクトルに対応する受信信号セルの切出し開始位置の時刻をエコーが到達した時刻(te’)として算出する。
エコー信号周波数算出手段98は、図2(c)及び図5(b)に示すように、スペクトログラムを用い、各受信信号セルC1〜C3の最大レベルの周波数成分であって、各受信信号セルC1〜C3の切出し開始位置を通る補間線L2上において、エコー信号Eが到達した時刻に対応する点の周波数fe’を、エコー信号Eの周波数として算出する。このエコー信号Eの周波数fe’と、送信信号Fの周波数の下限周波数flとの差がドップラーシフト量となり、これを出力する。
また、算出したエコーが到達した時刻、及び、ドップラーシフト量から、目標までの距離と、目標の移動速度とを算出する算出部(図示せず)が設けられている。
次に、以上のような構成からなる本実施形態のアクティブソーナー装置1の動作(作用)を説明する。
以下、アクティブソーナー装置1の作用を説明する。
図1,図2及び図6に示すように、送信信号生成部2は、上記の関数g(t)に従って、時間とともに周波数ftが高くなるいわゆるLFM信号を、送信信号Fとして生成する(図2(a),図6(a))。
この送信信号Fは、送波部4から音波として送波できるように、送信信号増幅部3で、電力増幅され、送波部4に入力される。
そして、送波部4は、増幅された送信信号Fが入力されると、送信信号Fを音波として水中に送波する。
水中に送波された音波は、目標で反射してその一部がエコーとなる。
次に、受波部5は、エコーを含む音波を常時受波し、電気信号である受信信号Gに変換し、これを出力する。
受波部5から出力された受信信号Gは、受信信号増幅部6に入力されて、微弱信号の増幅がなされ、帯域濾波部7に出力される。
帯域濾波部7では、エコー信号Eがドップラーシフトした場合を考慮し、この周波数が含まれるように、受信信号Gから所望の帯域部分を取り出され、これをA/D変換部に出力する(図6(b))。
次に、A/D変換部では、サンプリング周波数fsでサンプリングし、アナログ信号をデジタル信号に変換し、これを信号処理部90に出力する。
信号処理部90に入力された受信信号Gは、図7に示すフローチャートに従って処理される。
信号処理部90に入力された受信信号Gは、まず、信号切り出し手段91で、受信信号Gを切出して受信信号セル(図6ではC2の処理の場合を示している)、サンプリング手段92に出力する(Ch1−1,図6(d))。
図3(a)に示すように、サンプリング手段92で、まず、受信信号Gの切出し開始位置をts=0とし、サンプリングしてサンプルを取り出す(Ch1−2)。
次に、1番目のサンプリングは、上記式(1)のg(t)にt=0を代入し(Ch1−3)、ts=1/fsとなり、このときの振幅の値を、サンプリングしてサンプルを取り出す(Ch1−5)。
2番目のサンプリングは、式(1)のg(t)のtにts(=1/fs)を代入し(Ch1−3)、ts=1/fs+fl/((ts)×fs))となり、このときの振幅の値を、サンプリングしてサンプルを取り出す(Ch1−5)。
このようにして、3番目以降のサンプリングにおいても、順次tsを求めてサンプリングしてサンプルSnを取り出していく。そして、Hs<tsとなるまで、上記の処理を続ける(Ch1−4N)。
このようにして、取り出されたサンプル(S0,S1・・・Sn−1,Sn,Sn+1・・・)の集合は、サンプルデータとして、再構成手段93に出力される(Ch1−4Y,Ch1−6)。
この際、図4に示すように、A/D変換部で、予め、サンプリング周波数fsでサンプリングされてはいるが、サンプリング手段92は補間機能を備えているので、n番目のサンプルを取り出すときに、ts[sec]の前後のA/D変換でのサンプルSaから、線形補間して、ts[sec]に対応するサンプルSnを求めることができる(Ch1−5)。
図3(b)及び図6(f)に示すように、再構成手段93は、サンプリング手段92からのサンプルデータの入力があると、サンプルデータの各サンプルを、Ts周期で再配置して受信信号セルを再構成する(Ch1−7)。
次に、図6(g)に示すように、スペクトル算出手段94は、再構成された受信信号セルC2’が入力されると、この受信信号セルC2’の受信信号Gをフーリエ変換し、周波数スペクトルP1〜P3を算出する(Ch1−8)。
この際、サンプリング手段92で、g(0):fs=g(ts):fs’の関係を満たすようにサンプリングされていることから、サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されたあとのエコー信号Eは、送信信号Fよりも小さな帯域幅を持った送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号となる。
そのため、スペクトル算出手段94においては、帯域幅が小さくなったエコー信号Eがフーリエ変換されて、周波数スペクトルP1〜P3の算出がなされる。
そして、スペクトル算出手段94で算出された周波数スペクトルP1〜P3は、検出処理部95の検出手段96に出力される(Ch1−9)。
この信号処理部90での処理は、上記の切出し開始位置が、Tcだけ遅らせられて、次の処理が行なわれる(Ch1−10)。
これにより、受信信号Gに含まれるエコー信号Eが、受信信号Gのどの時刻部分にあるかわからなくても、切出し開始位置が遅らされて処理され、受信信号G全部を総当り的に調べるので、受信信号セルのいずれかに確実にエコー信号Eを含ませることができる。
次に、検出処理部95では、受信信号Gに対し、以下のような処理が行われる。
図2(c)及び図6(h)に示すように、検出手段96において、スペクトル算出手段からの周波数スペクトルP1〜P3の入力があると、周波数スペクトルP1〜P3から設定した閾値を越えるレベルの周波数成分を選別する。
この際、再構成された後の受信信号セルC1〜C3(C2’)のエコー信号Eは、送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号にされており、これをフーリエ変換すると、周波数スペクトルP1〜P3にエコー信号E部分のピークが顕著にあらわれる。これにより、受信信号Gにエコー信号E以外の雑音が含まれる比率が比較的大きくても、エコー信号Eを確実に検出できる。
そして、図6(i)に示すように、検出手段96は、周波数スペクトルP1〜P3において、選別した結果(P1’〜P3’)を、切出し開始位置順に並べ、スペクトログラムとする。
このスペクトログラムにおいて、所定レベル以上の周波数成分が含まれている周波数スペクトルP1’,P2’,P3’が連続するとき、以下の処理を行う。
図2(d)及び図6(j)に示すように、エコー到達時刻算出手段97において、遅延時間幅の中央に、周波数スペクトル中の最大の周波数レベルの値をプロットし(本実施形態ではM1〜M3の3個)、時刻−周波数レベルのグラフを作成する。次に、これらのプロットされた点M1〜M3から補間曲線L1を形成し、補間曲線L1の頂点Lmの時刻を、エコーが到達した時刻te’として算出する。
また、図5(c)に示すように、周波数成分のレベルの最大値のうちいずれか二つがほぼ同値である(M1≒M2>M3)ときは、後ろ側の周波数スペクトルに対応する受信信号セルの切出し開始位置の時刻を、エコーが到達した時刻te’として算出する。
次に、エコー信号周波数算出手段98において、検出された複数のエコー信号Eの検出結果の周波数から補間線L2を求め、エコー到達時刻算出手段97で求めたエコー到達時刻te’に対応する周波数fe’を補間線L2から算出する。
そして、送信信号Fを音波にして送波した時刻(t0)と、このエコーが到達した時刻(te’)と、音速とから目標までの距離を算出する。
また、このエコー信号Eの周波数fe’と、送信信号Fの周波数の下限周波数flとの差から、ドップラーシフト量を算出する。そして、このドップラーシフト量から目標の移動速度を算出する。
すなわち、上記のような構成のアクティブソーナー装置1によれば、LFM信号を用いているので、残響などの雑音に対し強くなる。
また、サンプリング手段92及び再構成手段93で処理された後のエコー信号Eは、帯域幅が小さくなっており、ほとんど周波数変調のない信号となり、擬似的なCW信号とすることができる。そのため、受信信号Gを、単にフーリエ変換するだけで、エコー信号の周波数成分を求めることができ、周波数のピークも容易に検出できる。これにより、検出性能を向上させることができる。
また、送信信号FとしてLFM信号を用いるので、波形が簡単であり、信号処理部90でサンプリング手段92及び再構成手段93で受信信号Gに処理することにより、エコー信号Eを、確実に、送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換することができる。また、サンプリング部でのサンプリングが簡単になり、この点でも、エコー信号Eを、確実に、送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換することができる。
本実施形態において、中心周波数fc=1000[Hz],帯域幅fbw=50[Hz],送信時間幅Ht=0.1[sec]、m=500[Hz/sec]、時間幅Hs=0.2[sec]、サンプリング周波数fs=20k[Hz]、遅延時間Tc=0.1[sec]としたときについての具体的な説明をする。
アクティブソーナー装置1の受波部5及び目標がどちらも停止している場合、ドップラーシフトが生じないので、送信信号Fの下限周波数flと、上限周波数fhの両方ともそのままで、かつ、エコー信号の最初から終わりまでの時間幅が送信時間幅Htとかわらない状態のエコーが受波部5で受波される。
この場合、エコー信号Eの含まれた受信信号セルC1〜C3は、信号処理部90において、以下のように処理される。
サンプリング周期tsは、上記式(3)に代入すると、
ts=0
ts=1/20000
ts=1/20000+975/(975.025×20000)
・・・
となる。そして、周期ts=1/20000[sec]で再配置する。
このようにサンプリングされたエコー信号Eは、再配置されると、次のような周波数のエコー信号Eに変換される。
図9には、この場合のスペクトログラム及びエコー時刻補正グラフを合わせたグラフ図の例を示している。
図9(a)には、受信信号セルのうち、C1,C2及びC3の3つの受信信号セルでエコー信号Eの検出があった場合であって、受信信号セルC1では、受信信号セルC1の切出し開始位置から0.14[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC2では、受信信号セルC2の切出し開始位置から0.04[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC3では、受信信号セルC3の切出し開始位置がエコー信号Eの途中にある場合を示している。
受信信号セルC1において、エコー信号Eの最初が、切出し開始位置(=ts=0)から0.14secだけ後ろ側に位置しているのだから、エコー信号Eの下限周波数fl1’は、切出し開始位置から時刻0.14secのときのサンプリング周波数で決められる。
また、受信信号セルC1の切出し終了位置は、エコー信号Eの途中に位置することから、この時のエコー信号Eの周波数fh1’は、送信信号の送信開始から0.06[sec]後の周波数ft=g(0.06)であって、切出し開始位置から時刻0.20secのときのサンプリング周波数で決められる。
したがって、エコー信号Eの最初でのサンプリング周波数fs’は、g(0):20kHz=g(0.14):fs’を満たすように決められており、fl1’=975×975/(975+0.14×500)≒909.7Hzとなる。また、切出し終了位置でのエコー信号Eのサンプリング周波数fs’は、g(0):20k=g(0.20):fs’を満たすので、fh’=1005×975/(975+0.20×500)≒911.5Hzとなる。サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されたあと受信信号セルC1において、エコー信号Eは、909.7Hz〜911.5Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
受信信号セルC2において、エコー信号Eの最初が、切出し開始位置(=ts=0)から0.04secだけ後ろ側に位置し、エコー信号Eの最後が、切出し開始位置から0.14secだけ後ろ側に位置している。
そのため、上記と同様に、エコー信号Eの下限周波数fl2’は、切出し開始位置から時刻0.04secのときのサンプリング周波数で決められる。また、エコー信号Eの上限周波数fh2’は、切出し開始位置から時刻0.20secのときのサンプリング周波数で決められる。
したがって、fl2’=975×975/(975+0.04×500)≒955.4Hz、fh2’=1025×975/(975+0.14×500)≒956.3Hzとなる。そのため、サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されると、受信信号セルC2において、エコー信号Eは、955.4Hz〜956.3Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
受信信号セルC3において、エコー信号Eの最初から0.06secが、切出し開始位置(=ts=0)に位置し、エコー信号Eの最後が、切出し開始位置から0.04secだけ後ろ側に位置している。そのため、上記と同様に、エコー信号Eの上限周波数fl3’は、送信信号の送信開始から0.06[sec]後の周波数ft=g(0.06)であって、切出し開始位置でのサンプリング周波数で決められる。また、エコー信号Eの終端の上限周波数fh3’は、切出し開始位置から時刻0.04secのときのサンプリング周波数で決められる。
したがって、fl3’=1005×975/(975+0×500)=1005.0Hz、fh3’=1025×975/(975+0.04×500)≒1004.4Hzとなる。そのため、サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されると、受信信号セルC3において、エコー信号Eは、1004.4Hz〜1005.0Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
この場合、エコー信号Eの最初と、受信信号Gの切出し開始位置が一致しない受信信号セルがあるときであり、エコー信号E全部を含む受信信号セルが三つのうち一つ(C2)しかないので、これらの周波数成分のレベルの最大値が異なるようになる。そのため、補間曲線L1の頂点Lmの時刻を、エコーが到達した時刻として算出する。また、この場合、C1には、エコー信号Eの6/10が含まれ、C2には、エコー信号Eの全部が含まれ、C3には、エコー信号Eの4/10が含まれているのだから、各受信信号セル(C1〜C3)の周波数成分のレベルの最大値を、仮に、C1:C2:C3=6:10:4とする。
また、C1の切出し開始位置の時刻を0[sec]とし、0.5[sec]のとき0.6に(M1)、1.5[sec]のとき1に(M2)、2.5[sec]のとき0.4に(M3)、それぞれ点をプロットし、これをスプライン曲線(L1)で補間すると、約0.145[sec](te’)に頂点(Lm)がくる。
そのため、上記したように、実際のエコー信号Eの到達時刻とほとんど同じ値を取り出すことができる。また、この時の周波数は、補間線L2により、約977.4Hzとなり、これについても、ほとんど同じ値を取り出すことができる。なお、補間線L2は、点q1(0[sec],910.6[Hz])、点q2(1.0[sec],955.9[Hz])、点q3(2.0[sec],1004.7[Hz])を通るスプライン曲線である。これらの点は、y値に、エコー信号Eの下限周波数と上限周波数の和を2で除算した値を用いている。
図9(b)には、信号切り出し手段91において、受信信号セルC1では、受信信号セルC1の切出し開始位置から0.1[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC2では、受信信号セルC2の切出し開始位置とエコー信号Eの最初が一致している場合を示している。
上記と同様にして、各受信信号セルC1〜C3のエコー信号Eの下限周波数及び上限周波数を計算すると、受信信号セルC1において、fl1’=975×975/(975+0.10×500)≒927.4Hz、fh1’=1025×975/(975+0.20×500)≒929.7Hzとなる。受信信号セルC2において、fl2’=975×975/(975+0.00×500)=975Hz、fh2’=1025×975/(975+0.10×500)=975Hzとなる。受信信号セルC3には、エコー信号Eが含まれない。
また、エコー信号E全部を含む受信信号セルが三つ(C1〜C3)のうち二つ(C1,C2)あるので、これらの周波数成分のレベルの最大値がほとんど同じ値になる。そのため、後ろ側の周波数スペクトルに対応する受信信号セルC2の切出し開始位置の時刻をエコーが到達した時刻(te’)として算出する。この位置は、上記の通り実際のエコー信号Eの到達時刻である。また、この時の周波数は、上記と同様にして求めた点q2(1.0[sec],988.3[Hz])により、975Hzとなる。そのため、実際のエコー信号Eの到達時刻と、周波数を取り出すことができる。
次に、上記と同様の条件であるが、アクティブソーナー装置1の観測点である送波部4及び受波部5が停止し、目標が20m/sで近づいている場合について説明する。
この場合、上記と異なり、受波部5で受波されたエコーは、アクティブソーナー装置1の受波部5と、目標とが相対的に移動し、近づいているので、ドップラーシフトが生じる。ここで、ドップラーシフトをうけたエコー信号Eの周波数f’は、下記式(4)により求まる。
f’=(Vs−Vp)・ft/(Vs−Vo) 式(4)
式(4)において、Vsは音速、Vpはアクティブソーナー装置1の移動速度、Voは目標の移動速度である。
そのため、エコーの各周波数成分が、f’=g(t)・(1520/1500)となる。このうちの一部としては、例えば、エコー(エコー信号E)の下限周波数fl’=988Hz,上限周波数fh’≒1038.7Hzとなる。また、送信時間幅Htも0.1secから0.1×(1500/1520)=0.0987secと短くなる。
このドップラーシフトしたエコー信号Eを含む受信信号Gについても上記と同様にして信号処理部90の処理が行われる。
図10には、この場合のスペクトログラム及びエコー時刻補正グラフを合わせたグラフ図の例を示している。
図10(a)には、例えば、上記と同様に、3つの受信信号セルC1〜C3でエコー信号Eの検出があった場合であって、受信信号セルC1では、受信信号セルC1の切出し開始位置から0.14[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC2では、受信信号セルC2の切出し開始位置から0.04[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC3では、受信信号セルC3の切出し開始位置がエコー信号Eの最初から0.06[sec]後にある場合を示している。
受信信号セルC1において、エコー信号Eの最初でのサンプリング周波数fs’は、g(0):20kHz=g(0.14):fs’を満たすように決められており、fl1’=988×975/(975+0.14×500)≒921.8Hzとなる。また、切出し終了位置でのエコー信号Eのサンプリング周波数fs’は、g(0):20k=g(0.20):fs’を満たすので、fh1’=1018.4×975/(975+0.20×500)≒923.7Hzとなる。サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されたあと受信信号セルC1において、エコー信号Eは、921.8Hz〜923.7Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
受信信号セルC2において、エコー信号Eの最初が、切出し開始位置(=ts=0)から0.04secだけ後ろ側に位置し、エコー信号Eの最後が、切出し開始位置から0.1398684secだけ後ろ側に位置している。そのため、上記と同様に、エコー信号Eの下限周波数fl2’は、切出し開始位置から時刻0.04secのときのサンプリング周波数で決められ、エコー信号Eの上限周波数fh2’は、切出し開始位置から時刻0.1398684secのときのサンプリング周波数で決められる。
したがって、fl2’=988×975/(975+0.04×500)≒968.14Hz、fh2’=1038.7×975/(975+0.1398684×500)≒969.2Hzとなる。サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されたあと、受信信号セルC2において、エコー信号Eは、955.4Hz〜969.2Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
受信信号セルC3において、エコー信号Eの最初から0.06secが、切出し開始位置に位置し、エコー信号Eの最後が、切出し開始位置から0.0398684secだけ後ろ側に位置している。そのため、上記と同様に、エコー信号Eの下限周波数fl3’は、切出し開始位置から時刻0.06secのときのサンプリング周波数で決められ、エコー信号Eの終端の上限周波数fh3’は、切出し開始位置から時刻0.0398684secのときのサンプリング周波数で決められる。
すなわち、fl3’=1018.4×975/(975+0×500)=1018.4Hz、fh3’=1038.7×975/(975+0.04×500)≒1018.5Hzとなる。サンプリング手段92及び再構成手段93で処理されたあと、受信信号セルC3において、エコー信号Eは、1018.4Hz〜1018.5Hzというわずかな帯域幅を持った、CW信号とほとんど同等の信号となる。
この場合、エコー信号Eの最初と、受信信号Gの切出し開始位置が一致しない受信信号セルがあるときであり、エコー信号E全部を含む受信信号セルが三つのうち一つ(C2)しかないので、これらの周波数成分のレベルの最大値が異なるようになる。そのため、補間曲線L1の頂点Lmの時刻を、エコーが到達した時刻として算出する。また、この場合、C1には、エコー信号Eの6/10が含まれ、C2には、エコー信号Eの全部が含まれ、C3には、エコー信号Eの4/10が含まれているのだから、各受信信号セル(C1〜C3)の周波数成分のレベルの最大値を、仮に、C1:C2:C3=6:10:4とする。
また、C1の切出し開始位置の時刻を0[sec]とし、0.5[sec]のとき0.6(M1),1.5[sec]のとき1(M2),2.5[sec]のとき0.4(M3)に点をプロットし、これをスプライン曲線(L1)で補間すると、約0.145[sec](te’)に頂点(Lm)がくる。そのため、上記したように、実際のエコー信号Eの受波時刻とほとんど同じ値を取り出すことができる。
また、この時の周波数は、補間線L2により、約986.7Hzとなり、これについても、ほとんど同じ値を取り出すことができる。なお、補間線L2は、点q1(0[sec],922.7[Hz])、点q2(1.0[sec],968.6[Hz])、点q3(2.0[sec],1018.4[Hz])を通る線である。これらの点は、y値に、各受信信号セルにおいて、エコー信号Eの下限周波数と上限周波数の和を2で割った値を用いている。
信号切り出し手段91において、受信信号セルC1では、受信信号セルC1の切出し開始位置から0.1[sec]後にエコー信号Eの最初があり、受信信号セルC2では、受信信号セルC2の切出し開始位置とエコー信号Eの最初が一致している場合を示している。
上記ドップラーシフトがない場合と同様にすると、受信信号セルC1において、fl1’=988×975/(975+0.10×500)≒939.8Hz、fh1’=1038.7×975/(975+0.198684×500)≒942.6Hzとなる。受信信号セルC2において、fl2’=988×975/(975+0.00×500)=988Hz、fh2’=1038.7×975/(975+0.098684×500)≒988.6Hzとなる。受信信号セルC3には、エコー信号Eが含まれない。
したがって、受信信号セルC1に含まれるエコー信号Eは、939.8Hz〜942.6Hzの帯域幅をもつ信号に変換される。また、受信信号セルC2に含まれるエコー信号Eは、988Hz〜988.6Hzの帯域幅をもつ信号に変換される。
また、エコー信号E全部を含む受信信号セルが三つのうち二つ(C1,C2)あるので、これらの周波数成分のレベルの最大値がほとんど同じ値になる。そのため、後ろ側の周波数スペクトルに対応する受信信号セルC2の切出し開始位置の時刻をエコーが到達した時刻(te’)として算出する。この位置は、上記の通り実際のエコー信号Eの到達時刻である。また、この時の周波数は、上記と同様にして求めた点q2(1.0[sec],988.3[Hz])により、988.3Hzとなる。そのため、実際のエコー信号Eの到達時刻と、周波数とほぼ同じ値を取り出すことができる。
上記したように、ドップラーシフトがない場合及びある場合の両方の場合において、特に、受信信号セルの切出し開始位置と、エコー信号Eの最初が異なっており、検出手段96で検出される周波数が、実際のエコー信号Eとは異なっているときでも、エコー到達時刻算出手段97及びエコー信号周波数算出手段98での処理で、補正されるので、エコー信号Eの実際の到達時刻及び周波数とほぼ同じ値を算出することができる。
エコー到達時刻算出手段97及びエコー信号周波数算出手段98で、エコー信号Eの到達時刻及び周波数を算出するためには、周波数スペクトルに、検出手段96に設定された閾値kを越える周波数成分のレベルがなければならない。
以下に、検出手段96に設定される閾値kについて説明する。
アクティブソーナー装置1における目標の検出には、エコー信号の有無を判定するための基準(閾値k)を設定しなければならない。
一般に、この時に必要なエコー信号のSN比を、検出閾値(DT:Detection Threshold)という。
すなわち、エコー信号のSN比がDTを越えた時に、エコー信号が入力したと判定する。また、DTが小さいほど、検出性能が良いといえる。
本発明の実施形態に係る検出手段96のDTの理論式を説明する。
一般的に、未知の受信信号に対するソーナー装置のDTは、下記式(5)で表される。
DT=5log(d/(w・Ht)) 式(5)
式(5)において、dは検出確率と誤警報確率から得られる検出指標、w[Hz]は残響及び/又は雑音の周波数帯域幅、Ht[sec]は、送信信号の送信時間幅である。
エネルギー検波による処理利得を考えると、エコー信号は、信号処理部90で送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換されるので、パルス幅が有限のCW信号として入力され、帯域幅wは送信信号の帯域幅である1/Ht[Hz]とした時が最小のDTとなる。つまり、wとHtの積が1となる条件が理想であり、ここで得られる処理利得は0である。次にフーリエ変換における処理利得を考える。
また、フーリエ変換によるフィルタ処理で得られる処理利得は、下記式(6)で表される。
処理利得=10log(W・Ht) 式(6)
式(6)中、W[Hz]は受信信号の周波数帯域幅、Ht[sec]は、送信信号の送信時間幅である。
また、信号処理部90での処理がなされると、周波数変調のために雑音の特性が変化し、エコー信号が存在する周波数帯域において雑音の増加が発生する。この増加量をα[dB]とすると、本発明の実施形態に係る検出手段96のDTの式は、下記式(7)で表される。
DT=5log(d)−10log(W・Ht)+α 式(7)
式(7)中、dは検出確率と誤警報確率から得られる検出指標、w[Hz]は残響及び/又は雑音の周波数帯域幅、Ht[sec]は、送信信号の送信時間幅、W[Hz]は受信信号の周波数帯域幅である。
一方、送信信号FにLFM信号を用いたときの従来のレプリカ相関処理におけるDTは、下記式(8)で表される。
DT=10log(d/(2W・Ht))[dB] 式(8)
式(8)中、W[Hz]は、受信信号の帯域幅、Ht[sec]は、送信信号の送信時間幅、dは検出確率と誤警報確率から得られる検出指標である。
図11及び図12には、本実施形態のアクティブソーナー装置1と、従来のレプリカ相関によるアクティブソーナー装置1の検出性能の理論値のグラフ図を示している。
上記の計算例での数値を用い、送信信号は、中心周波数fc=1kHz,周波数帯域幅fbw=50Hz,送信時間幅Ht=0.1secのLFM信号とした。受信信号の帯域幅Wは、帯域濾波部7で150Hzにして制限した。さらに、信号処理部90による雑音の増加分α=0.5dBとした。検出指標dの値は、検出確率p(D)=50%、誤検出確率p(FA)=0.01%、正規分布の白色雑音を仮定してd=13.8としている。
図11には、ドップラーシフト量を様々に変化させたときの本実施形態のアクティブソーナー装置1、及び、従来のレプリカ相関によるアクティブソーナー装置1aの双方のDTの理論値の変化を示している。縦軸はDT、横軸には送信信号の周波数帯域幅fbwに対するドップラーシフト量の割合としている。
本発明の実施形態にかかるアクティブソーナー装置1においては、信号処理部90での処理は、エコー信号がドップラーシフトしていたり、信号切出し位置がエコー信号の最初と一致していなかったりすると完全なCW信号にはならないが、エコー信号の周波数帯域幅の広がりによるレベルの低下は僅かであるため、完全なCW信号が入力されたものとしてDTの計算をしている。
本発明の実施形態のアクティブソーナー装置1は、ドップラーシフトがあってもDTの理論値が変化せず、検出性能がレプリカ相関より高くなる。一方、従来のレプリカ相関による処理によるアクティブソーナー装置1aは、ドップラーシフトが大きくなるにつれてDT理論地も大きくなる。そのため、本発明の実施形態のアクティブソーナー装置1は、レプリカ相関を用いたものに比較して、検出性能が良好である。また、ドップラーシフトがあるときに特に有効である。
また、検出指標d、送信信号の帯域幅fbw、受信信号の帯域幅Wの値によって、2つの方式の優位性が変わることもあるが、受信信号の帯域幅Wは、ドップラーシフトを考慮して送信信号の帯域幅fbwよりも大きくするので、実用上において優位性もほとんど変わることは少ない。
また、図12には、ドップラーシフトがない条件で、検出指標dを変化させたときのDTを比較したグラフ図を示している。検出指標dが小さな値になると本発明とレプリカ相関のDTの差が小さくなる傾向にあるが、検出指標dの値は9〜10が一般的であるので、実用上、本発明の処理方式がレプリカ相関と比較して優位である。
また、図11及び図12は、受信信号に含まれる雑音として、受信信号に含まれる残響を考えない場合の理論値の計算例であるが、例えば、受信信号中に送信信号の残響が存在する場合には、LFM信号である送信信号の残響の周波数帯域幅は、送信信号の帯域幅fbwと等しく50Hzとなる。この残響は、信号処理部90で受信信号が処理されると、残響の周波数帯域幅は、1/Htの10Hzとなる。これにより、DTを低減することができ、検出性能を向上できる。
すなわち、本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置1は、従来のレプリカ相関を用いたアクティブソーナー装置1に比較して、検出手段96の閾値であるDT値を大幅に低くすることができる。これにより、検出性能を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るアクティブソーナー装置1によれば、信号処理部90で、エコー信号Eを送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換しているので、エコー信号Eを検出するための閾値(DT)を低くでき、検出性能を向上できる。
以上、本発明のアクティブソーナー装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明に係るアクティブソーナー装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、関数g(t)は、式(2)に限定されるものでなく、例えば、g(t)=a(t+b)+cであらわされる二次関数など、どのような関数であってもよい。
さらに、サンプリング手段でのサンプリングは、切出し開始位置から時間ts後の受信信号をサンプリングする周波数fs’と、A/D変換部のサンプリング周波数fsとの関係が、g(0):fs=g(ts):fs’の関係を満たすようにすることとしたが、任意の定数iを定め、g(i):fs=g(ts):fs’のようにしてもよい。
また、再構成手段は、前記式(1)から求まる周期ts−ts間隔でサンプルを再配置することとしたが、この間隔に限定されず、例えば、ts−tsn−1間隔で再配置してもよい。
また、送波部と受波部が別の位置にあってよい。
また、送波部、受波部、及び、目標が水中にある場合としたが、これに限定されるものでなく、空気中であってもよい。
本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の処理の概念を示す図であって、(a)送信信号F、(b)信号切り出し手段による受信信号の切出し、(c)スペクトグラム、(d)エコー到達時刻補正グラフを示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の処理の概念を示す図であって、(a)サンプリング手段でのサンプリング,(b)再構成手段でのサンプルの再配置を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置のサンプリング手段の補間機能の概念を示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の検出手段の処理概念を示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の処理の概念を示す図であって、(a)信号切り出し手段による受信信号の切出し、(b)スペクトグラム、(c)エコー到達時刻補正グラフを示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の全体の処理の概念を示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置の信号処理部のフローチャートを示す図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置において、エコーがドップラーシフトしていない場合のエコー到達時刻及びエコー信号の周波数を求めるときの図である。 本発明の実施形態に係るアクティブソーナー装置において、エコーがドップラーシフトしている場合のエコー到達時刻及びエコー信号の周波数を求めるときの図である。 アクティブソーナー装置において、ドップラーシフト量を様々に変化させたときのDTの理論値の変化を示すグラフ図である。 アクティブソーナー装置において、ドップラーシフトがない条件で、検出指標dを変化させたときのDTの理論値の変化を示すグラフ図を示している。 従来のアクティブソーナー装置の一例を示す図である。 レプリカ相関の概念を示す図である。 ドップラーシフトがあったときのレプリカ相関を示す図である。
符号の説明
1 アクティブソーナー装置
2 送信信号生成部
3 送信信号増幅部
4 送波部
5 受波部
6 受信信号増幅部
7 帯域濾波部
8 A/D変換部
10 表示部
11 目標
90 信号処理部
91 信号切り出し手段
92 サンプリング手段
93 再構成手段
94 スペクトル算出手段
95 検出処理部
96 検出手段
97 エコー到達時刻算出手段
98 エコー信号周波数算出手段

Claims (10)

  1. 音波を送受波可能なアクティブソーナー装置であって、
    周波数変調がなされる送信信号を生成して出力する送信信号生成部と、前記送信信号を音波として送波する送波部と、該送波部からの音波が目標で反射されてなるエコーを含む音波を受波し、これを受信信号として出力する受波部と、前記受信信号に含まれる前記エコーに対応するエコー信号を前記送信信号よりも帯域幅の小さい周波数変調信号に変換する信号処理部とを備えることを特徴とするアクティブソーナー装置。
  2. 前記信号処理部は、前記受信信号から所定時間幅分を切り出す信号切り出し手段と、切り出された受信信号を、前記送信信号の周波数変調の変化率に対応して変化するサンプリング周波数でサンプリングするとともに該サンプリングによるサンプルデータを出力するサンプリング手段と、前記サンプルデータを任意の周期で再配置して受信信号を再構成し、これを出力する再構成手段と、該再構成された受信信号の周波数スペクトルを算出しこれを出力するスペクトル算出手段とを備えてなることを特徴とする請求項1記載のアクティブソーナー装置。
  3. 前記送信信号生成部は、送信信号の周波数ftを、送信生成開始時刻からの時間tをパラメータとする関数g(t)で生成し、
    前記受波部と前記信号処理部との間に介装され、前記受信信号を、所定のサンプリング周波数fsでデジタル化するA/D変換部を設け、
    前記サンプリング手段は、切出し開始位置から時間ts後の受信信号をサンプリングする周波数fs’と、A/D変換部のサンプリング周波数fsとの関係が、g(0):fs=g(ts):fs’の関係を満たすようにサンプリングすることを特徴とする請求項3記載のアクティブチューナー装置。
  4. 前記サンプリング手段は、n番目のサンプルとして、切出した受信信号の切出し開始位置から下記式(1)で求める時間tsの当該受信信号の振幅の値を取り出すことを特徴とする請求項3記載のアクティブソーナー装置。
    Figure 2008216005
    式(1)において、nは、1以上の正の整数、fsは、A/D変換部でのサンプリング周波数である。
  5. 前記サンプリング手段は、前記A/D変換部でデジタル化された受信信号を補間する補間機能を備えることを特徴とする請求項3又は4記載のアクティブソーナー装置。
  6. 前記関数g(t)が、下記式(2)で定められることを特徴とする請求項4記載のアクティブソーナー装置。
    g(t)=mt+c 式(2)
    式(2)において、mは周波数掃引勾配、cは、m>0のとき送信信号の下限周波数fl、m<0のとき送信信号の上限周波数fhとなる値である。
  7. 前記再構成手段は、前記式(1)から求まる周期ts−ts間隔で前記サンプルを再配置することを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載のアクティブソーナー装置。
  8. 前記信号処理部は、前記信号切り出し手段、サンプリング手段、再構成手段、及び、スペクトル算出手段を、切出し開始位置を所定時間ずつ遅らせてループ処理せしめることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一項に記載のアクティブソーナー装置。
  9. 前記信号処理部から出力される複数の周波数スペクトルに基づいて、前記エコー信号を検出するとともに、該検出されたエコー信号から前記エコーの到達時間及び当該エコー信号の周波数を算出する検出処理部を備えることを特徴とする請求項8記載のアクティブソーナー装置。
  10. 前記信号処理部から出力されるエコー信号を含む受信信号から前記エコー信号を検出する検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のアクティブソーナー装置。
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