JP2008215250A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ケーシング内に回転可能に軸支されたインペラ15と、該インペラ15の周囲にディフューザ22を有し、ディフューザ22に複数のベーン30を備えた遠心圧縮機10において、インペラ15の回転中心Oと、ディフューザ22の中心Pとを偏心して配置し、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bと、流路幅rの広い側に配設されたベーン30aとをそれぞれ逆方向に回動可能とされ、各ベーン30a、30bの逆方向への回動に伴いディフューザ22の流路の開閉が行われる駆動手段としての、アーム33と可動ディスク34とアクチュエータ38を設け、流量に応じて駆動手段の作動制御を行うことにより、ディフューザ22の流路の切り換えを行う。
【選択図】 図1
Description
請求項1記載の発明によれば、インペラの回転中心と、円形のディフューザの中心とが偏心して配置されているので、ディフューザの流路幅は円周方向で異なっている。即ち、インペラの回転中心とディフューザの中心とを結ぶ中心線を考えた時に、この中心線の延長線上のインペラの回転中心側にあるディフューザの流路幅が最も狭くなり、この中心線の延長線上のディフューザの中心側にあるディフューザの流路幅が最も広くなる。
また、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンとディフューザの流路幅の広い側のベーンとをそれぞれ逆方向に回動する駆動手段が設けられているので、例えば、駆動手段を駆動させ、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンを時計方向に回転させた場合には、ディフューザの流路幅の広い側のベーンはこれとは逆の反時計方向に回転されることになる。
そして、一方のベーンの時計方向の回転が流路が閉じる方向であれば、他方のベーンの反時計方向の回転はディフューザの流路を開く方向となる。即ち、例えば、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンをディフューザの流路が閉じる方向に回転した場合には、ディフューザの流路幅の広い側のベーンはディフューザの流路が開く方向に回転することになる。
また、ベーンをこれとは逆方向にそれぞれ回転駆動させることにより、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンはディフューザの流路が開く方向に回転し、ディフューザの流路幅の広い側のベーンはディフューザの流路が閉じる方向に回転させることが可能となる。
従って、流量に応じて駆動手段の作動制御を行うことにより、ディフューザの流路の切り換えが行われるので、例えば、大流量時においては、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンはディフューザの流路が閉じる方向に回転させ、ディフューザの流路幅の広い側のベーンはディフューザの流路が開く方向に回転させれば良い。このことにより、作動流体は、ディフューザの流路幅の広い側を通って流出され、大きな静圧上昇を図ることができる。一方、小流量時においては、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンはディフューザの流路が開く方向に回転させ、ディフューザの流路幅の広い側のベーンはディフューザの流路が閉じる方向に回転させれば良い。このことにより、作動流体はディフューザの流路幅の狭い側を通って流出されると共に、閉じられたディフューザの流路幅の広い側のベーンとインペラとの間の空間を流体が旋回運動を行うことにより運動量が増加し、静圧上昇が抑えられ、ストールの発生を防止することができる。
請求項2記載の発明によれば、ディフューザの周囲に形成されているボリュートに大流量用及び小流量用吐出管を備えているので、大流量運転時においては、大流量用吐出管から外部に排出させることができ、小流量運転時においては、小流量用吐出管から外部に排出させることができ、吐出管を流量に応じた形状に選定することにより、作動流体をより効率よく取り出すことができる。
請求項3記載の発明によれば、駆動手段をベーンと一体形成されたベーンアームと、ベーンアームを係止する円板状のディスクと、該ディスクを回転駆動するアクチュエータとで構成されているので、アクチュエータを一方向に駆動させることにより、ディスクを一方に回転させ、ディスクに係止されているベーンをそれぞれ所定の方向に回動させることができる。また、アクチュエータを他方向に駆動させることにより、上記とは逆方向にベーンを回動可能である。構造が簡単であり、装置の簡略化と小型化を図ることができる。
以下、第1の実施形態に係る遠心圧縮機について、図1〜図4に基づいて説明する。
図1に示されるように、この実施形態の遠心圧縮機10(以下、略して圧縮機と称する)は、第1ケーシング11と第2ケーシング12とを接合することによってケーシングが形成され、ケーシング11、12内にはハブ14を介して回転軸線mを中心として回転する回転軸16に取り付けられたインペラ15(羽根車)が収容されている。回転軸16は第1ケーシング11のケーシング壁13に形成されている貫通孔17に、シール機能付軸受18を介して回転可能に支持されている。回転軸16は図示しないタービン羽根車およびプーリ等と連結され、タービン羽根車およびプーリ等の作動に伴い回転駆動される。
尚、アクチュエータアーム37は図示しない付勢手段などで常時左方向に付勢されており、アクチュエータ38の駆動がONになった時にのみ、右方向に移動するように予め設定されているものとする。
大流量運転時においては、駆動手段の作動制御が行われ、アクチュエータ38の駆動がOFFにされ、ディフューザ22の流路幅rの広い側に配設されたベーン30aは、流路を開く方向に回動され、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bは流路を閉じる方向に回動される。
また、小流量運転時においては、アクチュエータ38の駆動がONにされ、ディフューザ22の流路幅rの広い側に配設されたベーン30aは、流路を閉じる方向に回動され、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bは流路を開く方向に回動される。
図4(a)に示されるように、大流量運転時においては、アクチュエータ38の駆動がOFFにされ、ディフューザ22の流路幅rの広い側に配設されたベーン30aは、流路を開く方向に回動され、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bは流路を閉じる方向に回動される。
このことにより、作動流体はディフューザ22の流路幅rの広い側のベーン30a間の開口を通ってボリュート24に流出し、ボリュート24に備えられた大流量用の吐出管25より外部に排出される。ディフューザ22の流路幅rが広いので、作動流体は充分に減速され、静圧上昇を図ることが可能となる。
このことにより、作動流体はディフューザ22の流路幅rの狭い側のベーン30b間の開口を通ってボリュート24に流出し、ボリュート24に備えられた小流量用の吐出管26より外部に排出される。ディフューザ22の流路幅rが狭いので、作動流体は充分には減速されず、静圧上昇は比較的少なくなる。また、閉じられたディフューザ22の流路幅rの広い側のベーン30aとインペラ15との間の空間を流体が旋回運動を行ってから、ボリュート24に流出するので、作動流体の運動量を増加させることができる。従って、流体の運動量を増加させ、且つ静圧上昇を抑えることができるので、ストールの発生を防止することが可能となる。
(1)インペラ15の回転中心Oと、ディフューザ22の中心Pとが偏心して配置されているので、ディフューザ22の流路幅rは円周方向で異なっており、流路幅rの狭い側と広い側の両方が形成されている。このディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bと、広い側に配設されたベーン30aとをそれぞれ逆方向に回動可能とする駆動手段が設けられ、流量に応じてこの駆動手段を作動制御することにより、流量に応じたディフューザ22の流路の切り換えを行うことができる。即ち、大流量運転時においては、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bを流路を閉じる方向に回動され、流路幅rの広い側に配設されたベーン30aを流路を開く方向に回動されており、一方、小流量運転時においては、ディフューザ22の流路幅rの狭い側に配設されたベーン30bを流路を開く方向に回動され、流路幅rの広い側に配設されたベーン30aを流路を閉じる方向に回動されている。従って、大流量運転時においては流量に合った充分な静圧上昇を図ることができ、また小流量運転時においては静圧上昇を抑え、流体の運動量を増加させることによりストールの発生を防止できる。
(2)ディフューザ22に設けられたベーン30a、30bにより流路の開閉が行われ、ベーン30a又は30bが開く方向に回動された時には、インペラ15からの流体を案内し、ボリュート24へと排出させる案内羽根としての機能を有し、ベーン30a又は30bが閉じる方向に回動された時には流路を塞ぐ遮蔽板としての機能を有しているので、流路を開閉するために別手段を新たに設ける必要がなく、装置の簡略化と部品点数の削減を図ることができる。
(3)ボリュート24に大流量用及び小流量用の吐出管25、26が備えられているので、大流量運転時においては、大流量用の吐出管25から外部に排出させることができ、小流量運転時においては、小流量用の吐出管26から外部に排出させることができる。吐出管を一つしか持たない場合と比較して、吐出管25、26をそれぞれ流量に応じた形状とすることにより、作動流体をより効率よく取り出すことができる。
(4)ベーン30を回転駆動するための駆動手段が、アーム33と、可動ディスク34と、アクチュエータアーム37及びアクチュエータ38とで構成されているので、アクチュエータ38を作動させ、可動ディスク34を回転させることにより、ディフューザ22の流路幅rの狭い側のベーン30bと広い側のベーン30aをそれぞれ逆方向に回動可能である。構造が簡単であり、装置の簡略化と小型化を図ることができる。
○ 第1の実施形態では、ベーンを回動する為の駆動手段をアームと可動ディスクとアクチュエータアーム及びアクチュエータとで構成されるとして説明したが、アクチュエータとして電磁ソレノイド、油圧ソレノイド及び電動モータなどを用いることができる。また、アクチュエータアーム及びアクチュエータに代えて、可動ディスクに装着された内歯歯車を電動モータなどで正逆回転させても良い。また、ディフューザの流路幅の狭い側のベーンと広い側のベーンとをそれぞれ別々に駆動させても良い。
○ 第1の実施形態では、ベーンを回動する為の駆動手段を第1ケーシング側に設けるとして説明したが、第2ケーシング側に設けても構わない。
〇 第1の実施形態では、ディフューザに配設されるベーンの個数を流路幅の狭い側が3個、広い側が6個として説明したが、これに限定されるものではなく、任意の個数に設定可能である。
11 第1ケーシング
12 第2ケーシング
15 インペラ
16 回転軸
22 ディフューザ
30 ベーン
30a 流路幅の広い側のベーン
30b 流路幅の狭い側のベーン
31 支持ピン
33 アーム
34 可動ディスク
38 アクチュエータ
O インペラの中心
P ディフューザの中心
r ディフューザの流路幅
Claims (3)
- ケーシング内に回転可能に軸支されたインペラと、該インペラの周囲に円形のディフューザを有し、前記ディフューザに複数のベーンを備えた遠心圧縮機において、
前記インペラの回転中心と、前記ディフューザの中心とを偏心して配置し、
前記ディフューザの流路幅の狭い側に配設された前記ベーンと、前記ディフューザの流路幅の広い側に配設された前記ベーンとをそれぞれ逆方向に回動する駆動手段を設け、
流量に応じて、前記駆動手段の作動制御を行うことにより、前記ディフューザの流路の切り換えを行わせることを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記ディフューザの周囲に形成されているボリュートに大流量用及び小流量用吐出管を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
- 前記駆動手段を前記ベーンと一体形成されたベーンアームと、前記ベーンアームを係止する円板状のディスクと、該ディスクを回転駆動するアクチュエータとで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遠心圧縮機。
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