JP2008215122A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温時における位相制御の応答性を向上するバルブタイミング調整装置を提供する。
【解決手段】それぞれ4室の遅角室および進角室のうち一部の遅角室および進角室への作動油の供給、ならびに一部の遅角室および進角室からの作動油の排出を第1切替弁60で切替え、他の遅角室および進角室への作動油の供給、ならびに他の遅角室および進角室からの作動油の排出を第2切替弁70で切り替える。作動油の粘度が高くなる低温時に第2切替弁70への作動流体の供給を供給切替弁80が遮断するので、第2切替弁70に接続する他の遅角室および進角室に作動油は供給されない。低温時に作動油を供給する遅角室および進角室の数が減少するので、遅角室および進角室に速やかに作動油を充填し、位相制御の応答性を向上できる。
【選択図】図1
【解決手段】それぞれ4室の遅角室および進角室のうち一部の遅角室および進角室への作動油の供給、ならびに一部の遅角室および進角室からの作動油の排出を第1切替弁60で切替え、他の遅角室および進角室への作動油の供給、ならびに他の遅角室および進角室からの作動油の排出を第2切替弁70で切り替える。作動油の粘度が高くなる低温時に第2切替弁70への作動流体の供給を供給切替弁80が遮断するので、第2切替弁70に接続する他の遅角室および進角室に作動油は供給されない。低温時に作動油を供給する遅角室および進角室の数が減少するので、遅角室および進角室に速やかに作動油を充填し、位相制御の応答性を向上できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、内燃機関の吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミング(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングという)を調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、内燃機関のクランクシャフトから駆動力を受けるハウジング内にカムシャフトとともに回転するベーンロータを相対回動自在に収容し、ハウジングに対するベーンロータの位相、つまりクランクシャフトとカムシャフトとの相対回動による位相差を油圧制御することにより、吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方のバルブタイミングを調整するベーン式のバルブタイミング調整装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に開示されるようなベーン式のバルブタイミング調整装置では、ベーンロータのベーンの回転方向両側にそれぞれ遅角室および進角室が形成されており、遅角室および進角室に供給される作動油の油圧により、ハウジングに対するベーンロータの位相が制御される。
ところで、作動油等の作動液体は低温になると粘度が高くなるので、位相制御をするときに遅角室および進角室に作動油が充填されるまでの時間が長くなる。その結果、遅角室または進角室に作動油を充填して遅角制御または進角制御を開始するまでの時間が長くなるので、位相制御の応答性が低下する。
特許文献1では、エンジン回転数の高低に応じて容量の異なる油室の間で作動油を切り替えて供給する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の構成では、温度が低下し作動油の粘度が高くなると、遅角室および進角室に作動油が充填されるまでの時間が長くなり位相制御の応答性が低下するという問題は解決されない。
特許文献1では、エンジン回転数の高低に応じて容量の異なる油室の間で作動油を切り替えて供給する技術が開示されている。しかしながら、特許文献1の構成では、温度が低下し作動油の粘度が高くなると、遅角室および進角室に作動油が充填されるまでの時間が長くなり位相制御の応答性が低下するという問題は解決されない。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、低温時における位相制御の応答性を向上するバルブタイミング調整装置を提供することを目的とする。
請求項1から6に記載の発明によると、複数の遅角室および進角室のうち一部の遅角室および進角室への作動流体の供給、ならびに一部の遅角室および進角室からの作動流体の排出を第1切替弁で切替え、これら一部の遅角室および進角室以外の他の遅角室および進角室への作動流体の供給、ならびに他の遅角室および進角室からの作動流体の排出を第2切替弁で切り替えている。そして、所定温度以下のときに第2切替弁への作動流体の供給を供給切替弁が遮断する。つまり、作動流体の温度が低く粘度が高い場合には、第2切替弁に接続する遅角室および進角室には作動流体が供給されず、第1切替弁に接続する遅角室および進角室だけに作動流体が供給される。このように、作動流体の温度が低く粘度が高い場合に、作動流体を供給する遅角室および進角室の数を減らして作動流体を供給する遅角室および進角室の容積が減少することにより、低温時において速やかに遅角室および進角室に作動流体を充填できる。
ところで、低温時に作動流体の粘度が高くなるとバルブタイミング調整装置の各部からの作動流体の漏れ量が減少するので、高温時に作動流体の粘度が低くなりバルブタイミング調整装置の各部からの作動流体の漏れ量が増加する場合よりも、作動流体の圧力は高くなる。これにより、低温時に作動流体を供給する遅角室および進角室の容積が減少しても、作動流体の圧力から受ける力によりハウジングに対してベーンロータを相対回動駆動して位相制御を行うことができる。
ところで、ハウジングまたはベーンロータの一方が例えばチェーンやベルトを介して駆動軸の駆動力を受けると、一方の軸方向端部側でハウジングまたはベーンロータと結合する従動軸は、ハウジングまたはベーンロータと結合している一方の軸方向端部側で径方向に向けて大きな力を受け、軸受けとの間に大きな摩擦力が働く恐れがある。
そこで、請求項2に記載の発明によると、複数の遅角室および進角室に作動流体を供給する流体通路は従動軸と従動軸の軸受けとの摺動箇所に形成されており、第1切替弁により作動流体の供給および排出を切り替えられる一部の遅角室および進角室に作動流体を供給する流体通路は、第2切替弁により作動流体の供給および排出を切り替えられる他の遅角室および進角室に作動流体を供給する流体通路よりも、ハウジングまたはベーンロータと結合している従動軸の一方の軸方向端部側に形成されている。第1切替弁からは温度に関わらず作動流体が供給されるので、駆動軸から大きな駆動力を従動軸と軸受けとの間に受ける従動軸の一方の軸方向端部側では、従動軸と軸受けとの摺動箇所に温度に関わらず作動流体が供給され潤滑される。これにより、駆動軸から大きな駆動力を受ける従動軸と軸受けとの摺動箇所の焼き付きを防止できる。
請求項3に記載の発明によると、供給切替弁の電磁駆動部が断線等により作動しなくなると、ばね部材の荷重により弁部材は第2切替弁への作動流体の供給を許可する方向に移動する。これにより、供給切替弁の電磁駆動部の作動不良時には、第1切替弁および第2切替弁の両方から作動流体が供給される。
請求項4に記載の発明によると、嵌合穴に嵌合することによりハウジングに対するベーンロータの相対回動を拘束する嵌合部材は、第1切替弁から供給される作動流体の流体圧力により往復移動する。第1切替弁からは温度に関わらず作動流体が供給されるので、嵌合穴への嵌合部材の出入りを温度に関わらず制御できる。
請求項4に記載の発明によると、嵌合穴に嵌合することによりハウジングに対するベーンロータの相対回動を拘束する嵌合部材は、第1切替弁から供給される作動流体の流体圧力により往復移動する。第1切替弁からは温度に関わらず作動流体が供給されるので、嵌合穴への嵌合部材の出入りを温度に関わらず制御できる。
ところで、低温時には、内燃機関に噴射される燃料噴霧の微粒化が妨げられ、燃料の燃焼が不完全になるので、排ガス中に排出される炭化水素(HC)、煤等の未燃成分が増加するという問題がある。このような場合、内燃機関が始動した直後に、吸気弁と排気弁との開弁時期をオーバーラップさせて高温の排気ガスが吸気側に環流したり燃焼室内に留まることにより、吸気管内壁等に付着している燃料の噴霧化、あるいはインジェクタから噴射される燃料噴霧の微粒化を促進し、燃料の燃焼を促進することが考えられる。
そこで、請求項5に記載の吸気弁用のバルブタイミング調整装置では、低温時に第2切替弁が遅角室から作動流体を排出する切替状態になることにより、低温時において、エンジンが始動した直後に第1切替弁から進角室に作動流体を供給し第2切替弁が遅角室から作動流体を排出することにより、吸気弁の位相を素早く進角側に制御できる。これにより、吸気弁と排気弁との開弁期間がオーバーラップするので、燃料の噴霧化が促進され、燃料の燃焼を促進できる。
また、請求項6に記載の排気弁用のバルブタイミング調整装置では、低温時に第2切替弁が進角室から作動流体を排出する切替状態になることにより、低温時において、エンジンが始動した直後に第1切替弁から遅角室に作動流体を供給し第2切替弁が進角室から作動流体を排出することにより、排気弁の位相を素早く遅角側に制御できる。これにより、吸気弁と排気弁との開弁期間がオーバーラップするので、燃料の噴霧化が促進され、燃料の燃焼を促進できる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1および図2に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置2は作動流体の液圧として作動油の油圧を使用する油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを調整するものである。バルブタイミング調整装置2の調整装置本体4は、図示しない駆動軸としてのクランクシャフトの駆動力を従動軸としてのカムシャフト6に伝達する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1および図2に示す。本実施形態のバルブタイミング調整装置2は作動流体の液圧として作動油の油圧を使用する油圧制御式であり、吸気弁のバルブタイミングを調整するものである。バルブタイミング調整装置2の調整装置本体4は、図示しない駆動軸としてのクランクシャフトの駆動力を従動軸としてのカムシャフト6に伝達する。
(調整装置本体4)
まず、調整装置本体4について図3および図4に基づいて説明する。
図3は、図4の(A)に示す横断面図をストッパピストン32、進角油路232、ボルト20、遅角油路230、シール部材26、ボルト22を通って切断した縦断面図である。上記断面位置に現れない箇所も、調整装置本体4の構造の理解を容易にするために図3に示されている。
まず、調整装置本体4について図3および図4に基づいて説明する。
図3は、図4の(A)に示す横断面図をストッパピストン32、進角油路232、ボルト20、遅角油路230、シール部材26、ボルト22を通って切断した縦断面図である。上記断面位置に現れない箇所も、調整装置本体4の構造の理解を容易にするために図3に示されている。
図3に示すように、駆動側回転体としてのハウジング10は、一方の側壁であるチェーンスプロケット12、周壁15および他方の側壁であるフロントプレート16を有している。周壁15およびフロントプレート16は一体に形成されており、シューハウジング14を構成している。チェーンスプロケット12およびシューハウジング14はボルト22により同軸上に固定されている。チェーンスプロケット12は、図示しないチェーンにより図示しないクランクシャフトと結合して駆動力を伝達され、クランクシャフトとともに回転する。
従動軸としてのカムシャフト6は、調整装置本体4を介しクランクシャフトの駆動力を伝達され、図示しない吸気弁を開閉駆動する。カムシャフト6は、軸受8により軸受けされ、チェーンスプロケット12に対し所定の位相差をおいて回動自在である。カムシャフト6の外径は、ベーンロータ18との結合部から軸受け8に軸受けされる部分にかけて同一外径である。ハウジング10およびカムシャフト6は図3に示す矢印X方向からみて時計方向に回転する。以下この回転方向を進角方向とする。
図4に示すように、シューハウジング14は、回転方向にほぼ等間隔に配置され、台形状に形成された仕切部としてのシュー14a、14b、14c、14dを有している。シュー14a、14b、14c、14dの内周面は断面円弧状に形成されている。シュー14a、14b、14c、14dにより回転方向に四箇所形成される間隙にはそれぞれベーン18a、18b、18c、18dを収容する扇状の収容室50が形成されている。
ベーンロータ18は、ボス部18eと、ボス部18eの外周側に回転方向にほぼ等間隔に配置されたベーン18a、18b、18c、18dとを有している。ベーン18a、18b、18c、18dは各収容室50内に回動可能に収容されている。各ベーンは、各収容室50を仕切り遅角室と進角室とに二分している。図4に示す遅角方向、進角方向を表す矢印は、ハウジング10に対するベーンロータ18の遅角方向、進角方向を表している。従動側回転体としてのベーンロータ18は、カムシャフト6の一方の軸方向端面6aと当接し、ボルト20によりブッシュ24とともにカムシャフト6に一体に結合されている。図示しない位置決めピンがカムシャフト6およびボス部18eの両方に形成されている嵌合穴25に嵌合することにより、カムシャフト6に対するベーンロータ18の回転方向の位置が規定される。
ベーンロータ18はハウジング10内に相対回動自在に収容されており、ハウジング10の回転軸方向両側の内側壁とベーンロータ18の回転軸方向両側の外側壁、ならびに周壁15の内周壁とベーンロータ18の外周壁とは互いに向かい合い摺動している。
シール部材26は半径方向に向き合う周壁15とベーンロータ18との間に形成されている摺動隙間に配設されている。シール部材26は、ベーン18a、18b、18c、18dおよびボス部18eに形成されている凹部に嵌合し、板ばね28により4個のシューを含む周壁15の内周面に押し付けられている。ベーンロータ18の外周壁と周壁15の内周壁との間には微小な摺動隙間が設けられており、この摺動隙間を介して油圧室間に作動油が漏れることをシール部材26により防止している。
シール部材26は半径方向に向き合う周壁15とベーンロータ18との間に形成されている摺動隙間に配設されている。シール部材26は、ベーン18a、18b、18c、18dおよびボス部18eに形成されている凹部に嵌合し、板ばね28により4個のシューを含む周壁15の内周面に押し付けられている。ベーンロータ18の外周壁と周壁15の内周壁との間には微小な摺動隙間が設けられており、この摺動隙間を介して油圧室間に作動油が漏れることをシール部材26により防止している。
図3に示すように、円筒状のガイドリング30はベーン18a内に圧入されている。円筒状に形成された嵌合部材としてのストッパピストン32はガイドリング30に回転軸方向に往復移動自在に収容されている。嵌合穴35を形成する嵌合リング34はフロントプレート16に形成された凹部に圧入保持されている。ストッパピストン32および嵌合リング34の互いの嵌合側はテーパ状に形成されているので、ストッパピストン32は嵌合リング34に滑らかに嵌合する。スプリング36は嵌合リング34側に向けてストッパピストン32に荷重を加えている。
油圧室40および油圧室42に供給される作動油の圧力は、嵌合リング34からストッパピストン32が抜け出す方向に働く。油圧室40は進角室55(図4参照)と連通し、油圧室42は遅角室51(図4参照)と連通している。ストッパピストン32は、ハウジング10に対し最遅角位置にベーンロータ18が位置するとき嵌合リング34に嵌合可能である。ストッパピストン32が嵌合リング34に嵌合した状態においてハウジング10に対するベーンロータ18の相対回動は拘束されている。
ハウジング10に対しベーンロータ18が最遅角位置から進角側に回転するとストッパピストン32と嵌合リング34との回転方向位置がずれることにより、ストッパピストン32は嵌合リング34に嵌合不能になる。
チェーンスプロケット12に形成された連通路12aと、ストッパピストン32が収容されているベーン18aの収容孔とは、ハウジング10に対しベーンロータ18が最遅角位置にあるとき互いに連通する。連通路12aは大気開放されているので、最遅角位置におけるストッパピストン32の往復移動は妨げられない。
チェーンスプロケット12に形成された連通路12aと、ストッパピストン32が収容されているベーン18aの収容孔とは、ハウジング10に対しベーンロータ18が最遅角位置にあるとき互いに連通する。連通路12aは大気開放されているので、最遅角位置におけるストッパピストン32の往復移動は妨げられない。
図4示すように、シュー14aとベーン18aとの間に遅角室51が形成され、シュー14bとベーン18bとの間に遅角室52が形成され、シュー14cとベーン18cとの間に遅角室53が形成され、シュー14dとベーン18dとの間に遅角室54が形成されている。また、シュー14dとベーン18aとの間に進角室55が形成され、シュー14aとベーン18bとの間に進角室56が形成され、シュー14bとベーン18cの間に進角室57が形成され、シュー14cとベーン18dの間に進角室58が形成されている。
図3に示すように、カムシャフト6の外周壁に環状の遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226が形成されている。後述する第1切替弁60に接続する遅角溝油路220および進角溝油路222は、後述する第2切替弁70に接続する遅角溝油路224および進角溝油路226よりも、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所においてベーンロータ18のボス部18eと結合するカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に形成されている。また、カムシャフト6には、遅角溝油路220と連通する遅角油路230、進角溝油路222と連通する進角油路232がベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて形成されている。さらにカムシャフト6には、遅角溝油路224と連通する遅角油路234、238(図4参照)、進角溝油路226と連通する進角油路236、240(図4参照)がベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて形成されている。ベーンロータ18のボス部18eと結合するカムシャフト6の軸方向端面6a側に向けて延びている遅角油路230、234、238、進角油路232、236、240は、さらにベーンロータ18のボス部18eの内部にまで軸方向に延びている。
図4に示すように、遅角油路230は連通路250により遅角室51と連通し、進角油路232は連通路252により進角室55と連通している。また、遅角油路234は連通路254、256によりそれぞれ遅角室53、54に連通し、進角油路236は連通路258、260によりそれぞれ進角室57、56に連通している。また、遅角油路238は連通路262により遅角室52に連通し、進角油路240は連通路264により進角室58に連通している。
ここで、ボス部18eの内部に形成されている遅角油路234と進角油路240とのボス部18eにおける軸方向の深さは遅角油路234の方が深くボス部18eの内部に形成されている遅角油路238と進角油路236とのボス部18eにおける軸方向の深さは進角油路236の方が深い。これにより、連通路256と進角油路240とは緩衝せず、連通路260と遅角油路238とは緩衝しない。
(バルブタイミング調整装置2の油路構成)
図1に示すように、遅角溝油路220は遅角油路210を介し、進角溝油路222は進角油路212を介して第1切替弁60と接続している。また、遅角溝油路224は遅角油路214を介し、進角溝油路226は進角油路216を介して第2切替弁70と接続している。第1切替弁60および第2切替弁70は、ECU110により電磁駆動部62、72への通電をデューティ比制御され油路を切り替える電磁弁である。
図1に示すように、遅角溝油路220は遅角油路210を介し、進角溝油路222は進角油路212を介して第1切替弁60と接続している。また、遅角溝油路224は遅角油路214を介し、進角溝油路226は進角油路216を介して第2切替弁70と接続している。第1切替弁60および第2切替弁70は、ECU110により電磁駆動部62、72への通電をデューティ比制御され油路を切り替える電磁弁である。
第1切替弁60は、電磁駆動部62の駆動力によりスプール64が往復移動することにより、供給油路202および排出油路206と遅角油路210および進角油路212との連通を切り替える。また、第2切替弁70は、電磁駆動部72の駆動力によりスプール74が往復移動することにより、供給油路204および排出油路208と遅角油路214および進角油路216との連通を切り替える。供給油路202は第1切替弁60と供給切替弁80とを接続し、供給油路204は第2切替弁70と供給切替弁80とを接続している。電磁駆動部62への通電をオフしている状態では、図示しないスプリングからスプール64に加わる荷重により、第1切替弁60は、供給油路202と遅角油路210とを連通し、進角油路212と排出油路206とを連通する切替位置になる。同様に、電磁駆動部72への通電をオフしている状態では、図示しないスプリングからスプール74に加わる荷重により、第2切替弁70は、供給油路204と遅角油路214とを連通し、進角油路216と排出油路208とを連通する切替位置になる。
供給切替弁80は、電磁駆動部82の駆動力により弁部材としてのスプール84が往復移動することにより、供給油路200と供給油路202および供給油路204の両方との連通、あるいは供給油路200と供給油路202だけとの連通を切り替える。供給油路200には、油圧ポンプ100がドレイン102から吸入した作動油が吐出される。
供給切替弁80のスプール84はハウジング86内に往復移動自在に収容されている。ばね部材としてのスプリング88は、スプール84に対して図1の右方向に荷重を加えている。電磁駆動部82への通電がオンされると、スプリング88の荷重に抗してスプール84は図1の左方向に移動する。ハウジング86には、入口ポート90、第1出口ポート92、第2出口ポート94、空気抜きポート96、98が形成されている。入口ポート90は供給油路200と接続し、第1出口ポート92は供給油路202と接続し、第2出口ポート94は供給油路204と接続している。空気抜きポート96、98は大気開放されている。
電磁駆動部82への通電がオフのとき、スプリング88の荷重によりスプール84は図2に示す位置にある。このとき、入口ポート90と第1出口ポート92および第2出口ポート94の両方とが連通する。これにより、供給油路200から供給切替弁80を介して供給油路202、204の両方に作動油が供給される。一方、電磁駆動部82への通電がオンのとき、電磁駆動部82の駆動力によりスプリング88の荷重に抗してスプール84は図1に示す位置にある。このとき、入口ポート90と第1出口ポート92とが連通し、入口ポート90と第2出口ポート94との連通は遮断される。これにより、供給油路200から供給切替弁80を介して供給油路202に作動油が供給され、供給油路200から供給油路202への作動油の供給は供給切替弁80により遮断される。
電子制御装置(Electronic Control Unit;ECU)110は、油温センサ112等の各種センサから検出信号を入力し、エンジン運転状態に応じて第1切替弁60、第2切替弁70、供給切替弁80を切替制御する。
以上の油路構成により、油圧ポンプ100から遅角室51、52、53、54、進角室55、56、57、58ならびに油圧室40、42に作動油を供給可能になるとともに、各油圧室からドレイン102へ作動油を排出可能になる。
以上の油路構成により、油圧ポンプ100から遅角室51、52、53、54、進角室55、56、57、58ならびに油圧室40、42に作動油を供給可能になるとともに、各油圧室からドレイン102へ作動油を排出可能になる。
(バルブタイミング調整装置2の作動)
内燃機関停止状態ではストッパピストン32は嵌合リング34に嵌合している。内燃機関を始動直後の状態では、遅角室51、52、53、54、進角室55、56、57、58、油圧室40および油圧室42に油圧ポンプ100から作動油が供給されないので、ストッパピストン32は嵌合リング34に嵌合したままであり、クランクシャフトに対しカムシャフト6は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフトが受けるトルク変動によりハウジング10とベーンロータ18とが揺動振動して衝突し、打音が発生することを防止する。
内燃機関始動後、油圧ポンプ100から作動油が十分に供給されると、油圧室40または油圧室42に供給される作動油の油圧によりストッパピストン32は嵌合リング34から抜け出すので、ハウジング10に対しベーンロータ18は相対回動自在である。
内燃機関停止状態ではストッパピストン32は嵌合リング34に嵌合している。内燃機関を始動直後の状態では、遅角室51、52、53、54、進角室55、56、57、58、油圧室40および油圧室42に油圧ポンプ100から作動油が供給されないので、ストッパピストン32は嵌合リング34に嵌合したままであり、クランクシャフトに対しカムシャフト6は最遅角位置に保持されている。これにより、作動油が各油圧室に供給されるまでの間、カムシャフトが受けるトルク変動によりハウジング10とベーンロータ18とが揺動振動して衝突し、打音が発生することを防止する。
内燃機関始動後、油圧ポンプ100から作動油が十分に供給されると、油圧室40または油圧室42に供給される作動油の油圧によりストッパピストン32は嵌合リング34から抜け出すので、ハウジング10に対しベーンロータ18は相対回動自在である。
<常温時>
油温センサ112の検出信号から油温が所定温度より高い常温時であると判断すると、ECU110は、供給切替弁80の電磁駆動部82への通電をオフする。これにより、供給切替弁80は図2に示す切替状態になるので、供給切替弁80を介して供給油路200から供給油路202、204の両方に油圧ポンプ100から作動油が供給される。そして、ECU110は、第1切替弁60、第2切替弁70の電磁駆動部62、72への通電を制御して各遅角室および各進角室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト6の位相差を調整する。
油温センサ112の検出信号から油温が所定温度より高い常温時であると判断すると、ECU110は、供給切替弁80の電磁駆動部82への通電をオフする。これにより、供給切替弁80は図2に示す切替状態になるので、供給切替弁80を介して供給油路200から供給油路202、204の両方に油圧ポンプ100から作動油が供給される。そして、ECU110は、第1切替弁60、第2切替弁70の電磁駆動部62、72への通電を制御して各遅角室および各進角室に加わる油圧を制御することにより、クランクシャフトに対するカムシャフト6の位相差を調整する。
<低温時>
油温センサ112の検出信号から油温が所定温度以下の低温時であると判断すると、ECU110は、供給切替弁80の電磁駆動部82への通電をオンする。これにより、供給切替弁80は図1に示す切替状態になるので、供給切替弁80を介して供給油路200から供給油路202だけに油圧ポンプ100から作動油が供給され、供給油路200から供給油路204への作動油の供給は遮断される。これにより、遅角油路210、遅角溝油路220、遅角油路230、進角油路212、進角溝油路222、進角油路232だけに作動油が供給される。その結果、4室の遅角室51、52、53、54、4室の進角室55、56、57、58のうち遅角室51および進角室55だけに作動油を供給可能になる。このように、作動油を供給する油圧室の数が遅角室、進角室についてそれぞれ1室になり作動油を供給する容積が減少することにより、低温時において作動油の粘度が高くなっているときに遅角室51、進角室55に速やかに作動油を充填できる。これにより、低温時における位相制御の応答性が向上する。嵌合リング34から抜け出す方向にストッパピストン32に油圧を加える油圧室40、42はそれぞれ進角室55、遅角室51と連通しているので、供給切替弁80が図1に示す切替状態になり供給油路202だけに作動油が供給される油路構成になっても、ストッパピストン32は嵌合リング34から抜け出すことができる。
油温センサ112の検出信号から油温が所定温度以下の低温時であると判断すると、ECU110は、供給切替弁80の電磁駆動部82への通電をオンする。これにより、供給切替弁80は図1に示す切替状態になるので、供給切替弁80を介して供給油路200から供給油路202だけに油圧ポンプ100から作動油が供給され、供給油路200から供給油路204への作動油の供給は遮断される。これにより、遅角油路210、遅角溝油路220、遅角油路230、進角油路212、進角溝油路222、進角油路232だけに作動油が供給される。その結果、4室の遅角室51、52、53、54、4室の進角室55、56、57、58のうち遅角室51および進角室55だけに作動油を供給可能になる。このように、作動油を供給する油圧室の数が遅角室、進角室についてそれぞれ1室になり作動油を供給する容積が減少することにより、低温時において作動油の粘度が高くなっているときに遅角室51、進角室55に速やかに作動油を充填できる。これにより、低温時における位相制御の応答性が向上する。嵌合リング34から抜け出す方向にストッパピストン32に油圧を加える油圧室40、42はそれぞれ進角室55、遅角室51と連通しているので、供給切替弁80が図1に示す切替状態になり供給油路202だけに作動油が供給される油路構成になっても、ストッパピストン32は嵌合リング34から抜け出すことができる。
ここで、低温時の内燃機関始動直後においては、燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧が吸気管内壁または吸気弁に付着し、燃料の燃焼が不十分になることがある。筒内噴射の場合にも、低温のために燃料噴射弁から噴射される燃料噴霧の燃焼が不十分になることがある。燃料の燃焼が不十分であると、排ガス中のHCおよび煤等の未燃成分が増加するという問題がある。
そこで、吸気弁用のバルブタイミング調整装置2においては、最遅角位置で始動しストッパピストン32が嵌合リング34から抜け出した内燃機関の始動直後に進角制御することが考えられる。吸気弁用のバルブタイミング調整装置2で進角制御を行うと、吸気弁と排気弁とが開弁するオーバーラップ期間が長くなり、排ガスが吸気管側に逆流または燃焼室に滞留する。これにより、吸気管内壁または吸気弁に付着している燃料の噴霧化、あるいは燃焼室内に噴射される燃料噴霧の微粒化が促進されるので、燃料の燃焼が促進される。その結果、排ガス中に排出される未燃成分が減少する。
本実施形態では、前述したように、油温センサ112の検出信号から油温が所定温度以下の低温時であると判断すると、ECU110は、供給切替弁80の電磁駆動部82への通電をオンし、供給切替弁80を介して供給油路200から供給油路202だけに作動油を供給し、供給油路200から供給油路204への作動油の供給は遮断される。そして、ECU110は、油温が所定温度以下の低温時の場合、第2切替弁70の電磁駆動部72への通電を制御し第2切替弁70を図1に示す切替状態にする。これにより、遅角室51以外の遅角室52、53、54は常にドレイン102に開放された状態になる。
このように、低温時において作動油を供給する油圧室の数を遅角室、進角室についてそれぞれ1室にし作動油を供給する容積が減少するので、低温時の内燃機関始動直後に進角制御をすると、進角室55に速やかに作動油が供給され遅角室51、52、53、54から作動油が排出される。これにより、低温時の内燃機関始動直後に進角制御が速やかに行われ、吸気弁と排気弁とが開弁するオーバーラップ期間が長くなる。その結果、燃料の燃焼が促進され、排ガス中に排出される未燃成分が減少する。
油温が上昇し所定温度よりも高くなれば、ECU110は、供給切替弁80への通電をオフし、供給油路200から供給油路202、204の両方に作動油を供給する切替状態にする。
また、本実施形態では、第1切替弁60に接続する遅角溝油路220および進角溝油路222は、第2切替弁70に接続する遅角溝油路224および進角溝油路226よりも、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所においてベーンロータ18のボス部18eと結合するカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に形成されている。これにより、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所において、カムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に油温の高低に関わらず第1切替弁60から作動油が供給される。その結果、チェーンスプロケット12を介してクランクシャフトから大きな駆動力を受けるカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側のカムシャフト6と軸受け8との摺動箇所が作動油で常に潤滑されるので、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所の焼き付きを防止できる。
また、本実施形態では、第1切替弁60に接続する遅角溝油路220および進角溝油路222は、第2切替弁70に接続する遅角溝油路224および進角溝油路226よりも、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所においてベーンロータ18のボス部18eと結合するカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に形成されている。これにより、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所において、カムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に油温の高低に関わらず第1切替弁60から作動油が供給される。その結果、チェーンスプロケット12を介してクランクシャフトから大きな駆動力を受けるカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側のカムシャフト6と軸受け8との摺動箇所が作動油で常に潤滑されるので、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所の焼き付きを防止できる。
(第2〜第6実施形態)
本発明の第2〜第6実施形態を図5〜図9に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部部分には同一符号を付す。
(第2実施形態)
図5に示す第2実施形態では、カムシャフト6の外径は、ベーンロータ18との結合部よりも軸受け8に軸受けされる部分の方が大きくなっている。これ以外の油路構成を含むバルブタイミング調整装置の構成は第1実施形態と実質的に同一である。
本発明の第2〜第6実施形態を図5〜図9に示す。尚、既述の実施形態と実質的に同一構成部部分には同一符号を付す。
(第2実施形態)
図5に示す第2実施形態では、カムシャフト6の外径は、ベーンロータ18との結合部よりも軸受け8に軸受けされる部分の方が大きくなっている。これ以外の油路構成を含むバルブタイミング調整装置の構成は第1実施形態と実質的に同一である。
(第3実施形態)
図6に示す第3実施形態では、環状の遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226は軸受け8の内周壁に形成されている。
(第4実施形態)
図7に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、238、270、進角油路232、236、240、272の合計7本の油路が形成されている。遅角油路270は連通路280により遅角室54と連通し、進角油路272は連通路282により進角室56と連通している。また、遅角油路238は連通路284により遅角室53に連通している。ボス部18eの内部に形成されている進角油路236と遅角油路238とのボス部18eにおける軸方向の深さは遅角油路238の方が深いので、連通路284と進角油路236とは緩衝しない。
図6に示す第3実施形態では、環状の遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226は軸受け8の内周壁に形成されている。
(第4実施形態)
図7に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、238、270、進角油路232、236、240、272の合計7本の油路が形成されている。遅角油路270は連通路280により遅角室54と連通し、進角油路272は連通路282により進角室56と連通している。また、遅角油路238は連通路284により遅角室53に連通している。ボス部18eの内部に形成されている進角油路236と遅角油路238とのボス部18eにおける軸方向の深さは遅角油路238の方が深いので、連通路284と進角油路236とは緩衝しない。
第4実施形態では、第1実施形態と同様に、遅角溝油路220と連通する遅角油路230、進角溝油路222と連通する進角油路232には、油温の高低に関わらず第1切替弁60から作動油が供給される。その他の遅角油路238、270、進角油路236、240、272については、遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226との連通の組み合わせにより、各ベーンの回転方向両側の遅角室および進角室に作動油を供給する少なくとも1組の組み合わせに第2切替弁70から作動油が供給される油路構成であればよい。
(第5実施形態)
図8に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、234、238、270、進角油路232、240、272の合計7本の油路が形成されている。進角油路240は連通路290により進角室57と連通している。ボス部18eの内部に形成されている進角油路240と遅角油路234とのボス部18eにおける軸方向の深さは進角油路240の方が深いので、連通路290と遅角油路234とは緩衝しない。
図8に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、234、238、270、進角油路232、240、272の合計7本の油路が形成されている。進角油路240は連通路290により進角室57と連通している。ボス部18eの内部に形成されている進角油路240と遅角油路234とのボス部18eにおける軸方向の深さは進角油路240の方が深いので、連通路290と遅角油路234とは緩衝しない。
第5実施形態では、第1、第4実施形態と同様に、遅角溝油路220と連通する遅角油路230、進角溝油路222と連通する進角油路232には、油温の高低に関わらず第1切替弁60から作動油が供給される。その他の遅角油路234、238、270、進角油路240、272については、遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226との連通の組み合わせにより、各ベーンの回転方向両側の遅角室および進角室に作動油を供給する少なくとも1組の組み合わせに第2切替弁70から作動油が供給される油路構成であればよい。
(第6実施形態)
図9に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、234、238、270、進角油路232、236、240、272の合計8本の油路が形成されている。つまり、各遅角室、各進角室にはそれぞれカムシャフト6およびベーンロータ18のボス部18eに形成された1対1に対応する遅角油路、進角油路から作動油が供給される。
図9に示すように、カムシャフト6には、ベーンロータ18のボス部18eに向けてカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に延びて、遅角油路230、234、238、270、進角油路232、236、240、272の合計8本の油路が形成されている。つまり、各遅角室、各進角室にはそれぞれカムシャフト6およびベーンロータ18のボス部18eに形成された1対1に対応する遅角油路、進角油路から作動油が供給される。
第6実施形態では、第1、第4、第5実施形態と同様に、遅角溝油路220と連通する遅角油路230、進角溝油路222と連通する進角油路232には、油温の高低に関わらず第1切替弁60から作動油が供給される。その他の遅角油路234、238、270、進角油路236、240、272については、遅角溝油路220、224、進角溝油路222、226との連通の組み合わせにより、各ベーンの回転方向両側の遅角室および進角室に作動油を供給する少なくとも1組の組み合わせに第2切替弁70から作動油が供給される油路構成であればよい。
(他の実施形態)
上記実施形態では、吸気弁用のバルブタイミング調整装置に本発明を適用した。これに対し、排気弁、あるいは吸気弁および排気弁の両方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。排気弁用のバルブタイミング調整装置に本発明を適用する場合、低温時の内燃機関始動直後においては、バルブタイミング調整装置を遅角側に位相制御し、吸気弁と排気弁との開弁がオーバーラップする期間を長くする。これにより、燃料噴霧の微粒化を促進し、燃料の燃焼を促進する。
上記実施形態では、吸気弁用のバルブタイミング調整装置に本発明を適用した。これに対し、排気弁、あるいは吸気弁および排気弁の両方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に本発明を適用してもよい。排気弁用のバルブタイミング調整装置に本発明を適用する場合、低温時の内燃機関始動直後においては、バルブタイミング調整装置を遅角側に位相制御し、吸気弁と排気弁との開弁がオーバーラップする期間を長くする。これにより、燃料噴霧の微粒化を促進し、燃料の燃焼を促進する。
また、排気弁用のバルブタイミング調整装置に本発明を適用する場合、第1切替弁60、第2切替弁70から各油圧室に作動油を供給する油路構成を適宜設定し、低温時において、複数の遅角室および進角室のうち一部の遅角室および進角室に作動流体を供給し、それ以外の他の遅角室および進角室への作動油の供給を遮断すればよい。
また、上記実施形態では、供給切替弁80の切替制御により、所定温度以下の低温時に第1切替弁60だけに作動油を供給し、所定温度よりも高い常温時に第1切替弁60および第2切替弁70の両方に作動油を供給している。これに対し、供給切替弁80を使用せず、油圧ポンプ100から作動油が吐出される供給油路200と第1切替弁60とを直接接続し、供給油路200と第2切替弁70との間に供給切替弁として電磁開閉弁を設置してもよい。
また、上記実施形態では、第1切替弁60に接続する遅角溝油路220および進角溝油路222は、第2切替弁70に接続する遅角溝油路224および進角溝油路226よりも、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所においてベーンロータ18のボス部18eと結合するカムシャフト6の一方の軸方向端面6a側に形成した。これに限らず、カムシャフト6と軸受け8との摺動箇所において遅角溝油路220、進角溝油路222、遅角溝油路224、進角溝油路226を形成する軸方向位置はどのような順番にしてもよい。
また、本発明では、油温センサ112に代えて、水温センサ等から作動油の油温を推定してもよい。
また、本発明では、油温センサ112に代えて、水温センサ等から作動油の油温を推定してもよい。
このように、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能であり、例えば、上記実施形態の特徴的構造をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
2:バルブタイミング調整装置、4:調整装置本体、6:カムシャフト(従動軸)、8:軸受け、10:ハウジング、12:チェーンスプロケット、14:シューハウジング、14a、14b、14c、14:シュー、18:ベーンロータ、18a、18b、18c、18d:ベーン、50:収容室、51、52、53、54:遅角室、55、56、57、58:進角室、60:第1切替弁、70:第2切替弁、80:供給切替弁、84:スプール(弁部材)、88:スプリング(ばね部材)、220、224:遅角溝油路、222、226:進角溝油路、230、234、238、270:遅角油路、232、236、240、272:進角油路
Claims (6)
- 内燃機関の駆動軸から吸気弁および排気弁の少なくともいずれか一方を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記吸気弁および前記排気弁の少なくともいずれか一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
前記駆動軸または前記従動軸の一方とともに回転し、所定角度範囲で回転方向に形成された収容室を回転方向に複数有するハウジングと、
前記駆動軸または前記従動軸の他方とともに回転するベーンロータであって、前記収容室に収容されるベーンを有し、前記ベーンにより各収容室を仕切って形成された複数の遅角室および進角室の作動流体圧力により前記ハウジングに対し遅角側および進角側に相対回動駆動されるベーンロータと、
複数の前記遅角室および前記進角室のうち一部の前記遅角室および前記進角室への作動流体の供給、ならびに一部の前記遅角室および前記進角室からの作動流体の排出を切り替える第1切替弁と、
一部の前記遅角室および前記進角室以外の他の前記遅角室および前記進角室への作動流体の供給、ならびに他の前記遅角室および前記進角室からの作動流体の排出を切り替える第2切替弁と、
所定温度以下のときに前記第2切替弁への作動流体の供給を遮断する供給切替弁と、
を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 一方の軸方向端部側で前記ハウジングまたは前記ベーンロータと結合する前記従動軸と、前記従動軸の外周面を軸受けする軸受とをさらに備え、
複数の前記遅角室および前記進角室に作動流体を供給する流体通路は、前記従動軸と前記従動軸の軸受けとの摺動箇所に形成されており、一部の前記遅角室および前記進角室に作動流体を供給する流体通路は、他の前記遅角室および前記進角室に作動流体を供給する流体通路よりも前記従動軸の一方の軸方向端部側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記供給切替弁は、弁部材と、前記第2切替弁への作動流体の供給を許可する方向に前記弁部材に荷重を加えるばね部材と、通電オン時に前記ばね部材の荷重に抗して前記第2切替弁への作動流体の供給を遮断する方向に前記弁部材を移動させる電磁駆動部と、を有することを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記ハウジングまたは前記ベーンロータの一方に設けられている嵌合穴と、前記ハウジングまたは前記ベーンロータの他方に往復移動自在に収容され、前記嵌合穴に嵌合することにより前記ハウジングに対する前記ベーンロータの相対回動を拘束する嵌合部材とをさらに備え、
前記嵌合部材は、前記第1切替弁から供給される作動流体の流体圧力により往復移動することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 吸気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記供給切替弁が前記第2切替弁への作動流体の供給を遮断するとき、前記第2切替弁は前記遅角室から作動流体を排出する切替状態になることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 排気弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
前記供給切替弁が前記第2切替弁への作動流体の供給を遮断するとき、前記第2切替弁は前記進角室から作動流体を排出する切替状態になることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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Cited By (1)
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JP2010169009A (ja) * | 2009-01-23 | 2010-08-05 | Aisin Seiki Co Ltd | 弁開閉時期制御装置 |
-
2007
- 2007-03-01 JP JP2007051324A patent/JP2008215122A/ja active Pending
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