JP2008214797A - 流体噴射式織機における緯糸送り装置 - Google Patents

流体噴射式織機における緯糸送り装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 流体噴射式織機に用いられる緯糸送り装置であって、メインノズルよりも緯糸経路の上流側に設けられ、少なくとも一方が回転駆動される一対のローラを主構成とし、両ローラが900m/min以上の周速度で回転駆動される緯糸送り装置に関し、長期間に亘って安定した作動状態を保つ緯糸送り装置を提供する。
【解決手段】 上記緯糸送り装置において、上記一対のローラの少なくとも一方が金属製のローラホイールと軟質材料で形成されてローラホイールの外周面に固着された被覆部材とからなり、更に、上記ローラホイールが鉄よりも熱伝導率が高い機械部品材料を素材として形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、流体噴射式織機における緯糸送り装置、特に、メインノズルよりも緯糸経路の上流側に設けられて少なくとも一方が回転駆動される一対のローラ間で緯糸を挟持して送り出す緯糸送り装置であって上記ローラが900m/min以上の周速度で回転駆動される緯糸送り装置に関する。
上記した緯糸送り装置として、例えば、特許文献1及び2に記載されたものがある。特許文献1に記載の緯糸送り装置は、緯糸測長貯留装置の一部を構成するものであって、緯糸測長貯留装置における回転ヤーンガイドの糸経路上流側に設けられた一対のローラからなっている。また、特許文献2に記載の緯糸送り装置は、メインノズルによる緯入れを補助するためのものであって、メインノズルの緯糸経路上流側に配置されている。
上記した特許文献1及び2に記載の緯糸送り装置は、いずれも一対のローラを主構成としており、その一対のローラのうちの一方のローラ(駆動ローラ)が回転駆動され、他方のローラ(従動ローラ)が駆動ローラに圧接状態とされて従動回転するものとなっている。そして、上記一対のローラは、緯糸を両ローラ間で挟持して送り出すものであり、織機の1回転毎に1回の緯入れ長さの緯糸を送り出すべく、それに応じた周速度で連続的に回転駆動されている。
一般に上記のような緯糸送り装置では、両ローラ間での緯糸の滑りを防止するために、少なくとも一方のローラの外周面がゴム系の軟質材料(特許文献2では、ウレタンゴム(軟質ゴム)を例示)で被覆されている。すなわち、軟質材料からなる環状の被覆部材をローラ(ホイール)の周面に固着する構成となっている。また、織機における緯糸送り装置の上記ローラは、コスト面等を考慮し、上記軟質材料による被覆部分を除く部分(ローラホイール)が鉄系材料(鉄合金、鋳鉄等)を素材として形成されているものが一般的である。
また、上記のような緯糸送り装置におけるローラは、外周径が70mm前後のものが一般的である。そして、上記ローラは、例えば、織り幅(通し幅)が190cm(緯入れ長さ200cm)の織機を800rpmで運転する場合、周速度がほぼ1600m/minの高速度で回転駆動される。これは、上記ローラの外周径を70mmとして換算すると回転数7000rpmを超える高速回転である。なお、織機は、回転数が低いものでも600rpmで運転されるものであり、織り幅は狭いものでも150cm(緯入れ長さ≒160cm)である。従って、上記ローラは、少なくとも900m/minの周速度で回転駆動される。
ところで、従来における上記緯糸送り装置においては、織機の運転中にローラが壊れるという問題が頻繁に発生している。具体的には、上記軟質材料からなる被覆部材がローラホイールから外れる現象(脱離現象)が発生するものであり、このような脱離現象は、短い場合には数時間で発生し、長い場合でも数日で発生していた。そのため、上記被覆部材を取り付けたローラを頻繁に交換しなければならず、織機の稼働率が低下すると共に、ローラの補修やゴムの交換等によってコスト面でも大きな負担となっていた。
従来では、上記問題の発生原因を、上記被覆部材をローラホイールへ固着するための固着剤(接着剤等)もしくは両者の固着面と考え、それらについて種々の変更を試みたが、上記問題は一向に改善されなかった。これに対し、本発明者らは、上記問題の発生について鋭意研究を重ねた結果、その原因が上記被覆部材において発生する熱であるということを突き止めた。詳しくは、次の通りである。
まず、上記のような熱が発生する原因としては、一対のローラを圧接させた状態で上記のように極めて高速で回転駆動しているため、その圧接部において両ローラ間の相対的な滑りやローラと緯糸との間の滑りが生じ、その滑りによる摩擦によって熱が生じるものである。また、ローラの回転に伴い、被覆部材が圧接部において変形しその後に復帰するという状態を繰り返すため、それによってもローラ(被覆部材)の圧接部で高熱が発生する。そして、この圧接部で発生した熱が被覆部材の内部へ伝わってその内部に熱が溜った状態となり、被覆部材全体が高熱を持った状態となる。その結果、ローラホイールと被覆部材とを固着している固着剤が融けてしまって接着機能が失われ、前述の高速回転に伴って被覆部材がローラホイールから脱離する現象が発生してしまうというものである。
特に、緯糸送り装置におけるローラの被覆部材の素材として一般的に用いられるゴム系材料(ウレタンゴム等)は、緯糸との相対的な滑りを防止するという点や耐摩耗性において非常に優れているが、一方で、蓄熱性が高く、耐熱性能に劣るため、上記問題が発生し易い。
特開昭63−21955号公報 特開平6−248539号公報
従って、本発明の課題は、流体噴射式織機に用いられる緯糸送り装置に関し、長期間に亘って安定した作動状態を保つ緯糸送り装置を提供することにある。
本発明は、流体噴射式織機に用いられる緯糸送り装置であって、メインノズルよりも緯糸経路の上流側に設けられ、少なくとも一方が回転駆動される一対のローラを主構成とし、前記ローラが900m/min以上の周速度で回転駆動され、緯糸を両ローラ間で挟持して送り出す緯糸送り装置を前提とする。
そして、上記課題を解決するため、本発明による緯糸送り装置は、一対のローラの少なくとも一方が金属製のローラホイールと軟質材料で形成されてローラホイールの外周面に固着された被覆部材とからなり、更に、ローラホイールが鉄よりも熱伝導率が高い機械部品材料を素材として形成されていることを特徴とする。
ここで、上記でいう「鉄」とは所謂純鉄あり、その熱伝導率は、測定方法によって若干の誤差はあるが、概ね80W/mkである。なお、一般的に機械部品材料の素材として用いられる鉄は、そのほとんどが鉄合金(鋼材)あるいは鋳鉄である。この鉄合金及び鋳鉄については、その含有物や組成等によって異なるが、その熱伝導率は、純鉄と同等程度か、あるいは純鉄よりも低いものである。そこで、本発明では、これら鉄系材料(純鉄、鉄合金(鋼材)、鋳鉄を含む)の代表として熱伝導率が既知である純鉄(鉄)を挙げ、緯糸送り装置におけるローラホイールの特徴を「鉄よりも熱伝導率が高い機械部品材料を素材として形成」と表している。従って、この特徴については、鉄系材料よりも熱伝導率が高い機械部品材料を素材として形成、と言い換えてもよい。
また、上記でいう「機械部品材料」とは、機械装置の部品を形成するために一般的に用いられる素材であって比較的安価に入手可能なものであり、例えば、上記鉄系材料の他、アルミ系材料、銅系材料、セラミック系材料等である。金属材料としては銀やチタン(チタン合金)等も存在するが、銀やチタンは高額であって一般的な機械部品材料としては相応しくない。すなわち、本発明でいう機械部品材料は、このような高価な金属材料を除外したものである。因みに、純銀の熱伝導率は鉄系材料やアルミ系材料よりも高いが、チタンの熱伝導率は鉄系材料と比べて非常に低い。
上記のように、一般的な機械部品材料のうち、鉄系材料よりも熱伝導率の高い機械部品材料として代表的なものはアルミ系材料(特に、アルミニウム合金)である。従って、本発明では、上記ローラホイールを、アルミ系材料と同等以上の熱伝導率を有する機械部品材料を素材として形成するものとしてもよいし、アルミ系材料で形成するものとしてもよい。
また、本発明では、ローラの被覆部材は、その糸挟持面の幅をローラホイールとの接合面の幅よりも小さく形成するのが好ましく、より具体的には、糸挟持面の幅をローラホイールとの接合面の幅の90%以下とするのが好ましい。また、上記被覆部材は、その肉厚tが、ローラの外周径Dとの関係においてD/t≧16となるように形成するのが好ましく、また、2mm≦t≦4mmの範囲で形成するのが好ましい。
さらに、本発明では、ローラホイールが放熱用フィンを有するものとしてもよく、また、ローラホイールがその外周面に2以上の異なる径に設定された複数の外周面部を有すると共に、被覆部材が上記複数の外周面部の少なくとも1つ及び前記外周面部とは別の面で前記ローラホイールと接触するものとしてもよい。
本発明の緯糸送り装置によれば、緯糸を挟持して送り出すための一対のローラのうちの被覆部材が取り付けられた一方又は両方のローラについて、そのホイール部(ローラホイール)が、従来用いられている鉄系材料よりも熱伝導率の高い機械部品材料を素材として形成されているため、ローラの圧接部で発生して被覆部材の内部へ伝わった熱は、その内部に溜ることなくローラホイール側へ速やかに伝達される。これにより、内部に熱が溜って被覆部材が高温状態となることが防止され、被覆部材のローラホイールからの脱離現象の発生が可及的に防止されて、緯糸送り装置におけるローラの耐久性の向上(長寿命化)を図ることができる。なお、ローラホイールは被覆部材と比べて放熱効果が高いため、被覆部材との接着状態に影響を及ぼすほど高温状態となることはない。
また、被覆部材からローラホイールへの熱の伝達は、その接触面積が大きいほど効率よく行われるため、被覆部材とローラホイールとの接合面の幅が大きい方が好ましい。一方で、ローラの圧接部(糸挟持面)で発生する熱量は、両者の接触面積が大きい方が大きくなる。そこで、被覆部材を、ローラホイールとの接合面の幅と糸挟持面の幅とがほぼ等しく形成するのではなく、糸挟持面の幅を上記接合面よりも小さいものとする、より好ましくは、糸挟持面の幅を上記接合面の幅の90%以下とすることにより、ローラをさらに長寿命化させることができる。
また、被覆部材の肉厚tを、ローラの外周径Dとの関係においてD/t≧16を満たすか、あるいは2mm≦t≦4mmの範囲に収まるような薄いものとすることにより、被覆部材の内部に溜る熱量をより小さくすることができ、肉厚が厚いものに比べてより長寿命化を図ることができる。
さらに、ローラホイールに放熱用のフィンを形成することにより、ローラホイールの放熱効果が高まるため、それに伴って被覆部材からローラホイールへの伝熱効率が高まり、被覆部材の内部に溜る熱量を更に小さくして長寿命化を図ることができる。
また、ローラホイールがその外周面に2以上の径に設定された径の異なる複数の外周面部を有すると共に、被覆部材が上記複数の外周面部の少なくとも1つ及び前記外周面部とは別の面で前記ローラホイールと接触するものとすることにより、被覆部材とローラホイールとの接触面積が大きくなり、被覆部材からローラホイールへの放熱効率が更に高まると共に、両者間の接着強度を増すことができ、前記脱離現象の防止のために更に効果的なものとなる。また、この構成によれば、被覆部材自信の機械的強度の不足を補うこともできる。
更に、本発明によれば、被覆部材をゴム系材料で形成した場合において、その内部が高温状態となり、被覆部材自体が損傷することも防止される。すなわち、前述のようにゴム系材料は蓄熱性が高いため、熱が放出され難い場合、内部が極めて高温の状態となり、場合によってはゴムの融点に達する。その場合、内部が融解すると共に融解した部分が表面にまで達して表面が部分的に破裂した状態となり、被覆部材が使用不能の状態となる。これに対し、本発明によれば、被覆部材の内部が高温状態となることが防止され、上記のような高温化に伴う損傷も防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜3に示すのは本発明の一実施形態であって、以下では、本発明による緯糸送り装置を、水噴射式織機の緯糸測長貯留装置に適用した場合について述べる。但し、本発明の緯糸送り装置は、このような緯糸測長貯留装置に適用されるものに限定されず、例えば、前述の特許文献2に記載の緯糸送り装置等、流体噴射式織機における他の緯糸送り装置として適用することも可能である。
緯糸測長貯留装置2は、織機1の主軸3によって回転駆動される一対のローラ4、5を含む緯糸送り装置としての測長部7と、回転ヤーンガイド21の回転運動によって緯糸Yが巻き付けられて緯入れされるまでの間に亘って緯糸Yを貯留する静止型の貯留ドラム23を含む貯留部20とによって構成されている。
緯糸Yは、給糸体10から供給され、ガイド11を経て測長部7に供給される。測長部7では、一対のローラ4、5によって緯糸Yを挟持し、そのローラ4、5の回転によって緯糸Yを回転ヤーンガイド21へ向けて送り出す。
測長部7における一対のローラ4、5のうち、一方のローラ5は測長用である。この測長ローラ5は、その軸部に設けられたプーリ16(図2)が、タイミングベルト等のベルト14によってプーリ13に連結されている。また、このプーリ13は、主軸3によって回転駆動されるものである。従って、測長ローラ5は、プーリ13によって主軸3と同期して回転駆動される。また、他方のローラ4は、その支持機構(図示せず)によって測長ローラ5に対し接離自在に設けられている。そして、このローラ4は、製織中においては、測長ローラ5に対し圧接状態とされ、測長ローラ5の回転に伴って従動回転している(以下では、ローラ4を「従動ローラ」という)。さらに、ベルト14は、回転ヤーンガイド21の軸22に取り付けられたプーリ25にも巻き掛けられており、回転ヤーンガイド21も主軸3と同期して回転駆動される。
このように、図示の緯糸測長貯留装置2では、製織中において、緯糸Yは、測長ローラ5の回転速度に応じて測長部7から連続的に送り出される。なお、この測長ローラ5の回転速度は、織機1の1製織サイクル間で1回の緯入れ長さの緯糸Yが送り出されるように設定されている。また、図示の例では、一対のローラ4、5のうちの測長ローラ5が回転駆動され、従動ローラ4は測長ローラ5に対する圧接によって従動回転する構成となっているが、一対のローラ4、5を共に同期して回転駆動するものとしてもよい。
貯留部20は、係止ピン24を含む。この係止ピン24は、ソレノイド等の駆動手段26により、貯留ドラム23に形成された孔(図示せず)に対し進退駆動される。そして、係止ピン24が貯留ドラム23の上記孔に向けて進出することにより、緯糸Yは係止ピン24によって係止されて貯留ドラム23上に巻き付けられる。また、緯入れ開始タイミングにおいて係止ピン24が貯留ドラム23の上記孔から退出することにより、緯糸Yの係止状態が解除され、貯留ドラム23上に巻き付けられて貯留状態にある緯糸Yが解舒可能な状態となる。そして、貯留部20からガイド35及びクランパ33を経てメインノズル31へ挿通されている緯糸Yは、メインノズル31からの流体(水)の噴射によって緯入れされる。
因みに、図示の緯糸測長貯留装置2では、貯留ドラム23に貯留される緯糸Yは、1回の緯入れに使用される緯糸長さよりも短いものとなっている。すなわち、上記のように、測長部7からは1製織サイクル間で1回の緯入れ長さの緯糸7が送り出されるようになっているのに対し、貯留ドラム23上への緯糸Yの貯留は、緯入れが終了した時点から次回の緯入れ開始までの間である。従って、緯入れ期間中においては、緯糸Yは、先ず、貯留ドラム23上の緯糸Yが解舒されて緯入れされ(自由飛走)、次いで、測長部7から送り出される緯糸Yが回転ヤーンガイド21を介して直接メインノズル31に連なった状態となって緯入れされる状態(拘束飛走)となる。
以上のような緯糸測長貯留装置2の測長部7における一対のローラ4、5において、図示の例では、従動ローラ4は、その外周面が軟質の弾性材で形成されている。すなわち、従動ローラ4は、機械部品材料で形成された金属製のローラホイール4aと、そのローラホイール4aの外周面に固着された軟質材料からなる環状の被覆部材4bとで構成されている。このように、緯糸送り装置におけるローラの外周部をこのような軟質材料とする目的は、緯糸Yに対する摩擦抵抗を増すためであり、緯糸Yとローラとの相対的な滑りを可及的に防止し、緯糸Yの測長量をより正確にしようとするものである。
この緯糸送り装置のローラに用いられる被覆部材の材料としては、例えば、ゴム系材料、特に、ウレタンゴムがその代表的なものとしてあげられる。このウレタンゴムは、緯糸Yの滑りを防止することや、耐摩耗性、あるいは緯糸Yの表面に付着する糊剤等の薬品による影響等を考慮した場合、織機の緯糸送りのためのローラに採用するものとして最適である。但し、本発明における被覆部材を形成するための軟質材料は、このウレタンゴムに限定されるものではなく、他のゴム系材料であってもよいし、また、ゴム系材料以外の他の軟質材料であってもよい。また、図示の例では、一対のローラ4、5のうちの従動ローラ4のみをその外周部が軟質材料で形成されたものとしたが、測長ローラ5も従動ローラ4と同じ構成であってもよい。
そして、本発明では、緯糸送り装置(測長部7)における一対のローラ(4、5)のうちの被覆部材(4b)が取り付けられた側のローラ(従動ローラ4)を構成するローラホイール(4a)を、従来の緯糸送り装置におけるローラで一般的に用いられている鉄系材料(鉄)よりも熱伝導率の高い機械部品材料で形成したことを特徴とするものである。
ここでは、機械部品材料として一般的に用いられる鉄系材料(鉄:熱伝導率≒80W/mK)、アルミ系材料(アルミニウム:熱伝導率≒237W/mk)、銅系材料(銅:熱伝導率≒398W/mk)のそれぞれでローラホイールを形成し、そのローラホイールを前述の緯糸測長貯留装置2における測長部7の従動ローラ4に用いた場合において、その耐久性の試験を行った結果に基づいて説明36する。
なお、この試験では、上記従動ローラ4として、外周径が65mm、ウレタンゴムで形成された被覆部材4bの肉厚が3.5mm(ローラホイール4aの外周径:58mm)のものを採用して行った。そして、通し幅が170cmの水噴射式織機において、試験時間を短縮するため、織機の回転数を実用レベルよりも遙かに高速の2000rpm(ローラの周速度:3400m/min)に設定し、240時間連続的に織機を稼働させる試験を行った。
この試験の結果、ローラホイール4aを鉄系材料で形成した従動ローラ4は、僅か8時間程度でローラホイール4aからの被覆部材4bの脱離現象が発生した。これに対し、ローラホイール4aをアルミ系材料で形成した従動ローラ4では、200時間程度まで被覆部材4bの脱離現象は発生が発生しなかった。また、ローラホイール4aを銅系材料で形成した従動ローラ4は、今回の試験では、170時間程度でローラホイール4aの脱離現象が発生した。
上記試験から、ローラホイール4aの素材をアルミ系材料とした場合では、鉄系材料で形成した場合と比べ、25倍程度耐久性が増したことが分かる。また、銅系材料の場合でも、鉄系材料と比べて20倍以上耐久性が増したことが分かる。このように、一対のローラが高速で回転駆動される緯糸送り装置において、緯糸との相対的な滑りを防止するために軟質の被覆部材を取り付けたローラのホイール部分(ローラホイール)を、従来一般的に採用されている鉄系材料に代え、鉄系材料よりも熱伝導率の高い機械部品材料を素材として形成することにより、その耐久性を格段に向上させることができた。すなわち、本発明による流体噴射式織機の緯糸送り装置によれば、従来の同装置に比べ、その耐久性を格段に向上させることができ、織機の稼働率低下やローラの補修等に伴うコスト増を防止できるという効果が得られる。
なお、上記試験では、アルミ系材料よりも熱伝導率の高い銅系材料でローラホイール4aを形成した従動ローラ4の方が耐久性が劣ることが分かる。これは、その素材の比重が関係していると考えられる(アルミニウム:比重≒2.7g/cm/銅:比重≒10.5g/cm)。詳しくは、次の理由による。
織機の主軸3は、常に一定の回転数で回転を行っておらず、開口運動に伴う負荷等により、1回転中において平均回転数に対し±10%程度の回転ムラを生じている。そして、それに伴い、主軸3と同期して回転する測長部7の測長ローラ5にも回転ムラが生じ、1製織サイクル中において若干の加減速が生じている。そして、その加減速に伴い、一対のローラ4、5の圧接部における周面間で相対的な滑りが生じ、その滑りに伴う摩擦によって熱が発生する。上記した両ローラ4、5の周面間の滑りは慣性の影響によるものであるため、ローラの重量によってその量は異なり、発熱量も異なるものとなる。従って、比重の大きい素材でローラホイール4aを形成した場合、ローラホイール4aの重量が増すため、それに伴って両ローラ4、5の圧接部における発熱量は大きくなる。従って、ローラホイール4aを銅系材料で形成した場合には、アルミ系材料と比べて熱伝導率が高いものの、ローラホイール4aの重量によって発熱量がアルミ系材料で形成したものよりも大きくなり、その結果として耐久性が若干劣るものとなる。
但し、素材の比重のみで比較した場合、鉄系材料(鉄:比重≒7.87g/cm)の方が銅系材料よりも小さいが、上記のように、耐久性に関しては、銅系材料の方が圧倒的に高いものとなる。これらのことから考察するに、ローラホイール4aを形成する機械部品材料の熱伝導率が鉄系材料よりも十分に高い場合(アルミ系材料と同等以上の場合)、その熱伝導率の差ほど耐久性に差は生じず、その場合は比重による影響が大きく出るものと考えられる。一方で、一般的な機械部品材料の範囲では、鉄系材料とそれよりも十分に熱伝導率の高い上記機械部品材料とでは、比重の大小に関係なく、熱伝導率の高い機械部品材料でローラホイール4aを形成した方が長寿命化を図れるものとなる。
参考までに、前述の試験結果に関連し、製織工場において実用レベルの運転条件(例えば、緯入れ率(緯入れ長さ×織機回転数)≒1700m/min)で運転を行っている織機の上記緯糸送り装置に対し、上記試験で使用した鉄系材料をローラホイール4aの素材とした従動ローラ4とアルミ系材料をローラホイール4aの素材とした従動ローラ4とを取り付けた場合、鉄系材料によるものは、数日から2週間程度で被覆部材4bの脱離現象が発生したのに対し、アルミ系材料によるものでは、1年近く迄は被覆部材4bの脱離現象は発生しなかった。
この実施例では、前述の実施例1によるローラホイール4aを素材の違いだけでなく、従動ローラ4の糸挟持面4b1の幅に着目し、その幅を変更した場合の耐久性の違いについて述べる。なお、以下の説明は、従動ローラ4の一例として、ローラホイール4aがアルミ系材料で形成されたものを使用し、その従動ローラ4における糸挟持面4b1の幅を異ならせた複数のものについて耐久性の試験を行った結果について述べるものである。
上記の試験について、より具体的には、外周部4a1の幅L0が16.5mmのローラホイール4aと、ウレタンゴム製の被覆部材4bであってそのローラホイール4a側端面(=ローラホイール4aとの接合面4b2)の幅が上記ローラホイール4aの外周部4a1の幅L0と等しく形成された被覆部材4bとからなる従動ローラ4a(図3)を使用し、被覆部材4bの糸挟持面4b1の幅L1を、図3(a)に示すように上記L0と等しく形成したものと、図3(b)に示すように、被覆部材4bの外周側両側部に面取りを施して、上記L0よりも小さく形成されたものとのそれぞれについて、その耐久性の試験を行ったものである。なお、図3(a)に示すものは、前述の実施例1においてローラホイール4aをアルミ系材料で形成したものとして説明したものと同じ従動ローラ4である。また、図3(b)に示すものについて、L1=16mm、15mm、14mmの3種類についてそれぞれ試験を行った。そして、試験に使用する織機及びその運転条件は、前述の実施例1と同じものとした。
上記試験の結果、図3(a)に示す従動ローラ4a(糸挟持面4b1の幅L1=接合面4b2の幅L0)については、前述の実施例1で説明したように、200時間程度で被覆部材4bの脱離現象が発生した。また、図3(b)に示す糸挟持面4b1の幅L1<接合面4b2の幅L0の従動ローラ4aのうち、L1=16mmのものについては、図3(a)に示すものと同程度の時間で被覆部材4bの離脱現象が発生した。
これに対し、L1=15mmのものでは230時間程度まで被覆部材4bの離脱現象は発生せず、L1=14mmのものについては、その試験の間(240時間)において被覆部材4bの離脱現象は発生しなかった。因みに、L1=15mmの糸挟持面4b1は、L0=16.5mmの接合面4b2に対し約90%の幅である。
そして、この試験結果について、接合面4b2の幅(L0)が上記と異なるローラホイール4bについても、糸挟持面4b1の幅L1とローラホイール4aとの接合面4b2の幅L2との比率において同じ傾向が得られた。従って、被覆部材4bにおける糸挟持面4b1の幅については、ローラホイール4aとの接合面4b2の幅の90%以下とすることにより、耐久性に関し更に高い効果が得られるものとなる。
なお、両ローラ4、5の圧接部における発熱量は糸挟持面4b1の幅に比例する。また、被覆部材4bのローラホイール4aとの接合面4b2の幅、すなわちローラホイール4aの外周部4a1の幅についても、その幅の大きさに応じてローラホイール4a(特に、外周部4a1)の重量が変わって慣性による影響が変わるため、上記発熱量は外周部4a1の幅にも比例する。従って、上記接合面4b2の幅に対する比率で糸挟持面4b1の幅を設定する場合において、同じ比率のまま上記接合面4b2の幅を大きくすると、被覆部材4bの内部に溜る熱量が増加するように思われる。しかし、上記接合面4b2の幅が大きくなると、被覆部材4bからローラホイール4aへの伝熱量が大きくなるため、必ずしも被覆部材4bの内部に溜る熱量が増すとはいえない。そして、本実施例における試験によれば、上記接合面4b2の幅が異なるローラホイール4aにおいて、その接合面4b2の幅に対する同じ比率で糸挟持面4b1の幅を設定した場合でも、発生する熱量と被覆部材4bからローラホイール4aへの伝熱量との関係により、同様の効果が得られるものとなった。
因みに、上記糸挟持面4b1の幅について、本発明の緯糸送り装置のような一対のローラ間で緯糸を挟持して送り出すものにおいては、そのローラ間における緯糸の挟持位置(ローラの幅方向における緯糸の通過位置)が常に一定であると、偏摩耗によってローラを早期に交換しなければならないものとなる。そこで、一般的には、緯糸をローラの幅方向にトラバースさせて上記のような偏摩耗を防止している。また、そのトラバースの量(幅)について、(当然ながらローラの糸挟持面4b1の範囲内で行われるものであるが、)摩耗だけを考慮した場合では、大きい方が好ましく、小さければそれだけ摩耗の度合いが進んでしまう。そこで、ローラの糸挟持面4b1の幅は、許容できる摩耗の進行度合いを考え、13mm以上とするのが好ましい。
また、以上では、試験に使用する従動ローラ4について、ローラホイール4aがアルミ系材料で形成された従動ローラ4による試験についてのみ述べたが、他の機械部品材料としての銅系材料でローラホイール4aを形成した従動ローラ4による試験でも、耐久性に関し同様の傾向が得られた。
この実施例では、更に従動ローラ4における被覆部材4bの肉厚に着目し、その肉厚を変更した場合における耐久性の違いについて述べる。なお、以下の説明でも、ローラホイール4aがアルミ系材料で形成された従動ローラ4を一例とし、その従動ローラ4における被覆部材4bの肉厚を異ならせた複数のものについて耐久性の試験を行った結果について述べるものである。
上記試験について、より具体的には、前述の実施例2で使用した従動ローラ4のうちの糸挟持面4b1の幅が15mmのものを使用し、被覆部材4bの肉厚t(図3)が5mm、4.5mm、4mm、3mm(実施例1、2の従動ローラ4ではt=3.5mm)で形成されたそれぞれの従動ローラ4について、その耐久性の試験を行ったものである。なお、各従動ローラ4の外周径は、前述の実施例1で述べたように65mmとする。また、試験に使用する織機及びその運転条件は、前述の実施例1、2と同じものとした。
その試験結果として、前述の実施例2で述べたように、被覆部材4bの肉厚をt=3.5mmとしたものについては、230時間程度まで被覆部材4bの離脱現象は発生しなかった。また、t=4mmとしたものについても、t=3.5mmと同程度の時間まで被覆部材4bの離脱現象は発生しなかった。更に、t=3mm以下としたものについては、その試験の間(240時間)において被覆部材4bの離脱現象は発生しなかった。
一方で、被覆部材4bの肉厚をt=4.5mmとしたものでは、160時間程度で被覆部材4bの離脱現象が発生し、t=5mmとしたものでは、70時間程度で被覆部材4bの離脱現象が発生した。いずれもローラホイール4aを鉄系材料で形成したものに比べれば十分に高い耐久性を持つといえるが、t=4mm以下としたものと比べると、耐久性が劣るものとなっている。そして、実用レベルでの運転を考慮して考えた場合、被覆部材4bの肉厚t≦4mmがより好ましい範囲といえる。
なお、被覆部材4bの肉厚について、一対のローラ4、5で緯糸Yを挟持して送り出す緯糸送り装置においては、前述のように、ローラと緯糸Yとの相対的な滑りを無くすため、従動ローラ4を測長ローラ5に圧接させ、その圧接部において被覆部材4bを変形させて被覆部材4bによる糸の把持力を大きくすることが望まれる。従って、被覆部材4bは、その肉厚を薄くし過ぎると変形し難いものとなり、緯糸Yの滑りが生じ易いものとなる。そこで、被覆部材4bの肉厚tについては、t≧1.5mmとする必要があり、より好ましくはt≧2mmとする方がよい。よって、被覆部材4bの肉厚tについては、2mm≦t≦4mmの範囲で設定することにより、緯糸Yの滑りが過大となること無く、耐久性に関してより高い効果が得られるものとなる。
ところで、上記では、糸挟持面4b1の幅が15mmの従動ローラ4を使用した試験についてのみ述べたが、糸挟持面4b1の幅が異なるものについての試験においても、その結果について同様の傾向が見られた。このことから、被覆部材4bの肉厚以外の条件(外周径D、ローラホイール4aの幅L0、糸挟持面4b1の幅L1、等)が固定されている場合には、被覆部材4bの肉厚を4mm以下とすることによってより高い効果が得られるものになるといえる。
そして、前述の実施例2における試験の結果と合せて考えると、被覆部材4の肉厚を4mm以下(2mm以上)とすれば、糸挟持面4b1の幅に拘わらず、実用レベルにおいて満足できる耐久性が得られるものとなる。更に、糸挟持面4b1の幅を接合面4b2の幅との比率で90%以下とすることにより、更に高い耐久性が得られるものとなる。
また、上記試験では、従動ローラの外周径を全て同じものに設定して試験を行っている。一対のローラ4、5の周速は緯糸Yの送り速度に応じて決定されているため、従動ローラ4の回転数はその径に応じたものとなる。すなわち、外周径が大きければ回転数は低くなり、外周径が小さければ回転数は高くなる。また、同じ構成のローラであれば、回転数が低いほど被覆部材4bの各部においてその内部に溜る熱量は小さくなり耐久性が増すことも明らかである。従って、従動ローラ4のローラホイール4aとして上記実施例3のものよりも大きい径のものを採用した場合、回転数が低くなり、肉厚を更に厚くしても高い耐久性を得られるようにも思われる。しかし、ローラホイール4aを大径化した場合、回転数は低くなる一方でローラホイール4aや被覆部材4bの重量が増すため、慣性による影響が大きくなって圧接部における発熱量が大きくなる。従って、必ずしも従動ローラ4の大径化によって耐久性が向上するという訳ではなく、やはり肉厚tについてはt≦4mmが好ましい範囲といえる。
但し、織機の回転数が低い等によって上記した慣性による影響が小さい場合、従動ローラ4aの外周径の変化によって耐久性が変化することも考えられる。すなわち、従動ローラ4aを大径化することによって回転数が低くなった場合、被覆部材4bの肉厚が同じであっても耐久性が増す場合がある。その場合は、被覆部材4bの肉厚を、前述の実施例3で述べた肉厚t=4mmより厚くしても十分な耐久性が得られるものとなる。そこで、このような慣性による影響が小さいと思われるものについては、上記実施例3の試験結果に基づき、従動ローラ4の外周径D(=65mm)と被覆部材4bの肉厚tの好適値(t≦4)との比(D/t)から、D/t>16を満たすように被覆部材4aの肉厚を設定するようにすればよい。その場合でも、実用レベルにおいて満足し得る耐久性が得られる。
以上で説明した実施例に加え、本発明では、以下のような実施形態を採用することも可能である。
(1)前述の実施例2において、被覆部材4bの糸挟持面4b1の幅(L1)を接合面4b2の幅(L0)よりも小さくすべく、図3(b)に示すように、被覆部材4bの外周側両側部に面取りを施したものとしたが、これに代えて、図4(a)に示すようにR(アール)取りを施すものとしてもよい。また、面取りやR取りのように側部が途中で変化するものに代えて、図4(b)に示すように、被覆部材4bの側部が、接合面4b2と糸挟持面4b1とを直線的に結ぶように形成されるものとしてもよい。
但し、図3(a)に示すものや図4(b)に示すもののように、測長ローラ5との接触面(糸挟持面4b1)側に略直角の角部を有する形状の場合、その角部が、測長ローラ5に対する圧接に伴って変形を繰り返し破損するといった問題が生じる。詳しくは、両ローラ4、5間の糸挟持部(圧接部)においては、被覆部材4bは測長ローラ5に圧接されて変形しており、その変形した部分は、従動ローラ4の回転によって圧接部から脱出して変形状態から復帰する。これを従動ローラ4の1回転毎に繰り返すものであるが、上記圧接に伴う変形時において、上記角部に対し最も応力が集中した状態となり、上記角部が最も大きく変形する。そのため、被覆部材4bの各部分では、従動ローラ4の1回転毎に上記角部が大きく変形し、その後復帰するという状態を繰り返しため、それによって上記角部が破損してしまう。
これに対し、上記角部を面取りもしくはR取りしたものでは、応力集中が防止され、上記のような部分的な破損が発生し難いものとなる。なお、面取りしたものも角部を有するといえるが、面取りをしないものと比べて角部の角度が大きいため、応力集中が分散されて角部での変形量が小さいものとなり、角部の破損の可能性が低いものとなる。また、R取りしたものでは、上記のような部分的な変形が僅かなものとなり、更に破損の可能性が低いものとなる。
(2)ローラホイール4aに放熱用のフィンを形成する。この構成によれば、ローラホイール4aの放熱効率が高まり、それに伴って被覆部材4aからローラホイール4aへの伝熱効率が高まる。その結果、被覆部材4aの内部に溜る熱量がより小さいものとなり、従動ローラ4の耐久性を更に向上させることができる。なお、ここでいう放熱用のフィンとは、被覆部材4bの幅に対応する外周部4a1、回転部を含む軸部4a2及び外周部4a1と軸部4a2とを繋ぐ支持部4a3からなるローラホイール4aに対し、その一部(例えば、支持部4a3の側面、外周部4a1の内周面あるいは軸部の外周面)から突出するように形成された板状の部分(部材)をいう。
この放熱用のフィンとしては、図5(a)(図6)において符号4f1、4f1で示すように、ローラホイール4aの軸部4a2と外周部4a1との間の支持部4a3の中間部に設けたものや、図5(b)に符号4f2、4f2で示すように、ローラホイール4aの外周部4a1の端部からローラホイール4aの中心側へ向けて延在するもの等が考えられる。また、上記フィン4f1及び4f2は、図示のようにローラホイール4aと一体で形成されるものであってもよいし、別体に形成されてローラホイール4aに固着されるものであってもよい。
更に、放熱用のフィンは、図5(c)に示すように、ローラホイール4aの外周部4a1を被覆部材4bよりも幅広に形成し、幅方向に関し被覆部材4bよりも突出する部分4f3、4f3が放熱フィンとして機能するものであってもよい。なお、これらのフィン4f1、4f2及び4f3は、ローラホイール4aの周方向に亘って連続する環状のものであってもよいし、周方向に断続的に設けられた複数の突片によって形成されるものであってもよい。
なお、図5(a)に示す放熱フィンの構成によれば、回転部側で発生する熱の影響を軽減するという効果も得られる。すなわち、従動ローラ4は、高速で回転駆動されるものであるため、その回転部においても熱が発生する。そして、その回転部で発生した熱が、ローラホイール4aの軸部4a2を介して支持部4a3に伝わる。この支持部4a3には外周部4a1側から被覆部材4bで発生した熱も伝わるため、支持部4a3は比較的に高温状態となりやすい。そして、支持部4a3が高温状態になると、その熱の影響により、被覆部材4bの支持部4a3に対応する位置(内周部側の中間部付近)が変形したり破損したりしてしまう。そこで、支持部4a3の中間部に放熱用のフィン4f1を設けることにより、上記回転部で発生した熱を被覆部材4b側へ伝えにくくすると共に、被覆部材4b側からの熱も放熱し、被覆部材4bの脱離現象を防止することに加え、上記のような被覆部材4bの内周部の破損等も防止できる。
(3)ローラホイール4aの外周面を、2以上の異なる径に設定された複数の外周面部を有するものとし、被覆部材4bが、上記複数の外周面の少なくとも1つと接触し、且つ、上記外周面部とは別の面でローラホイール4aに接触する構成とする。なお、ここでいう外周面部とは、ローラホイール4aの外周面を形成する部分である。また、この外周部は、必ずしも周方向に連続するものに限らず、ある径の仮想円の円周上に断続的に存在する複数の円弧面であってローラホイール4aの中心からの半径が等しい複数の円弧面の集合を含む。更に、外周部は、ローラホイール4aの幅方向に連続しないものであっても、同じ径のものは1つの外周面部の一部として規定する。
図6に示す例では、ローラホイール4aは、その外周面が、径の異なる2つの仮想円A、B(径:A<B)の各々の円周上に位置する複数の円弧面の集合としての2つの外周面部4aA、4aBを有するように形成されている。外周面部4aA、4aBは、ローラホイール4aの幅方向に同じ径で形成されている。また、被覆部材4bは、その接合面4b2が、ローラホイール4aの外周面と一致する形状に形成されている。そして、図示のように、被覆部材4bの接合面4b2は、ローラホイール4aの上記2つの外周面部4aA、4aBだけでなく、外周面部4aAと4aBとを繋ぐ面(外周面部4aA、4aBと交差する方向の面)にも接触している。従って、図示の例では、被覆部材4bとローラホイール4aとは、側面から見て凹凸状の面を一致させて嵌め合わされている。
図7(a)に示す例では、ローラホイール4aは、外周面部4aCと、この外周面部4aCとは径の異なる2つの外周面部4aD、4aDからなる外周面部とを有している。また、図7(b)に示す例では、同じ径に形成された複数(図示の例では6つ)の外周面部4aEからなる外周面部と、外周面部4aDよりも大きい径で形成された複数(図示の例では7つ)の外周面部4aFからなる外周面部を有している。なお、図7(a)における2つの外周面部4aD、4aD及び図7(b)における各外周面部4aE、4aFは、ローラホイール4aの幅方向に連続しないものであるが、径は同じであるため、これら複数の外周面部によって1つの外周面部を形成するものと規定する。そして、いずれの例においても、被覆部材4bの接合面4b2は、ローラホイール4aの外周面に一致する形状に形成されており、各外周面部4aC、4aD、4aE、4aFに加え、小径の外周面部4aC、4aEと大径の外周面部4aD、4aFとを繋ぐ側面(外周面と交差する方向の面)にも接触し、ローラホイール4aと接合されている。
これらの構成によれば、ローラホイール4aと被覆部材4bとの接触面積が大きくなるため、被覆部材4aからローラホイール4bへの放熱効率が更に高まると共に、両者間の接着強度を高めることができる。また、外周面と交差する方向の面により被覆部材4bを保持するため、被覆部材4bの機械的強度の不足を補うことができる。
なお、図6、7の例では、ローラホイール4aが、その外周面に径の異なる2つの外周面部を有するものとしたが、ローラホイール4aに形成される外周面部は、3以上の径の異なるものであってもよい。例えば、図7(b)の例で、外周面部4aE(又は4aF)を全て同径としたが、中心側と側面側とで径が異なるように形成してもよい。
また、図6、7の例では、被覆部材4bは、その接合面4b2において全ての外周面部に接触するものとしたが、これに限らず、図8に示すように、複数の外周面部に関してはその1つのみと接触し、それと共に外周面部以外の面と接触するように構成してもよい。
具体的には、図8(a)に示す例では、ローラホイール4aは、その外周面に外周面部4aGと外周面部4aGよりも大径の外周面部4aHを有している。しかし、被覆部材4bは、外周面部に関しては、外周面部4aGとしか接触しておらず、外周面部4aHとは接触していない。但し、この図示の構成では、被覆部材4bは、外周面部4aGに加え、ローラホイール4aに形成された内向きの内側面4aJ及び外周面部4aGと対向する面4aKと接触するものとなっている。また、図8(b)に示す例では、ローラホイール4aは、外周面部4aMと外周面部4aMよりも大径の外周面部4aNを有している。しかし、被覆部材4bは、外周面部に関しては、外周面部4aMとしか接触しておらず、外周面部4aNとは接触していない。但し、この図示の構成では、被覆部材4bは、外周面部4aMに加え、ローラホイール4aに形成された内向きの内側面4aPと接触するものとなっている。しかも、内側面4aPは、その面積が外周面部4aNの面積よりも大きくなるように形成されている。
この図8の例でも、ローラホイール4aと被覆部材4bとの接触面積が大きくなると共に、外周面と交差する方向の面で被覆部材4bを保持するため、図6、図7に示す構成と同様の効果が得られる。
(4)ローラホイール4aの支持部4a3を、図7に示すように羽根形状とする。この構成によれば、従動ローラ4の回転に伴い、ローラホイール4aの内部を空気が積極的に通過するものとなり、ローラホイール4aの放熱効果を高めることができる。
なお、本発明は、以上で説明したいずれの実施形態にも限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々に変更することが可能である。
本発明の一実施形態を示す斜視図。 本発明の一実施形態の要部を示す斜視図。 本発明の一実施形態の要部を示す正面断面図。 本発明の一実施形態の要部を示す正面断面図。 本発明の他の実施形態の要部を示す正面断面図。 本発明の他の実施形態を示す一部を省略した側面図。 本発明の他の実施形態の要部を示す正面断面図。 本発明の他の実施形態の要部を示す正面断面図。 本発明の他の実施形態を示す斜視図。
符号の説明
1 織機
2 緯糸測長貯留装置
3 主軸
4 ローラ(従動ローラ)
4a ローラホイール
4a1 外周部
4a2 軸部
4a3 支持部
4b 被覆部材
4b1 糸挟持面
4b2 接合面
5 ローラ(測長ローラ)
7 測長部
10 給糸体
16 プーリ
20 貯留部
21 回転ヤーンガイド
23 貯留ドラム
31 メインノズル

Claims (9)

  1. メインノズルよりも緯糸経路の上流側に設けられて少なくとも一方が回転駆動される一対のローラ間で緯糸を挟持して送り出す緯糸送り装置であって前記ローラが900m/min以上の周速度で回転駆動される緯糸送り装置において、
    前記一対のローラの少なくとも一方は、金属製のローラホイールと軟質材料で形成されて前記ローラホイールの外周面に固着された被覆部材とからなり、
    前記ローラホイールは、鉄よりも熱伝導率が高い機械部品材料を素材として形成されている、
    ことを特徴とする流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  2. 前記ローラホイールは、アルミ系材料と同等以上の熱伝導率を有する機械部品材料を素材として形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  3. 前記ローラホイールは、アルミ系材料を素材として形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  4. 前記被覆部材は、その糸挟持面の幅が、ローラホイールとの接合面の幅よりも小さく形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  5. 前記被覆部材の糸挟持面の幅を、ローラホイールとの接合面の幅の90%以下とする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  6. 前記被覆部材は、その肉厚tが2mm≦t≦4mmの範囲となるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  7. 前記被覆部材を有するローラは、その外周径をD、被覆部材の肉厚をtとしたときに、D/t>16を満たすように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  8. 前記ローラホイールが、放熱用のフィンを有する、
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
  9. 前記ローラホイールが、その外周面に2以上の異なる径に設定された複数の外周面部を有し、
    前記被覆部材は、前記複数の外周面部の少なくとも1つ及び前記外周面部とは別の面で前記ローラホイールと接触する、
    ことを特徴とする請求項1〜3に記載の流体噴射式織機における緯糸送り装置。
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