JP2008214162A - 高炉水砕スラグの固結防止処理方法 - Google Patents

高炉水砕スラグの固結防止処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 薬剤を使用せずに、迅速に且つ確実に高炉水砕スラグの固結を防止することのできる、嫌気性微生物を用いた固結防止処理方法を提供する。
【解決手段】 高炉水砕スラグに、含水率が6〜20質量%となるように水を添加するとともに、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上となるように有機物を添加し、これらを20〜40℃の温度範囲で且つ嫌気状態に保持して、高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物を増殖させ、嫌気性微生物の生成する有機酸によって高炉水砕スラグを中和処理し、かくして高炉水砕スラグの固結を防止する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高炉水砕スラグの固結を防止するために高炉水砕スラグに施される、微生物を利用した固結防止処理方法に関するものである。
鉄鋼スラグは、製鉄工程で発生する副産物であり、高温の溶融した状態で形成され、炉内から排出された後に冷却され、固化して発生する。この鉄鋼スラグは、天然の岩石と類似の成分を有し、物理特性も類似していることから、天然の岩石の代替として利用されている、環境に対する負荷の低い材料である。
鉄鋼スラグは、その鉄鋼スラグが製造される工程に応じてそれぞれ成分組成が異なる。これらの鉄鋼スラグのなかで、高炉内で形成されて溶銑とともに排出され、溶銑と分離された後に、噴射する高圧水によって冷却されるなどして急冷されて生成される高炉水砕スラグは、ガラス状の微粒状であり、外観は天然の海砂と同等である。この高炉水砕スラグは、内部摩擦が大きい、軽量である、潜在水硬性を有するなどの特性を有することから、セメント材、コンクリートの細骨材、土木材など広く利用されている。
一方で、この潜在水硬性が高炉水砕スラグを資材として利用する前の保管時に発現すると、高炉水砕スラグは岩塊のように固結してしまい、高炉水砕スラグを資材として利用できないだけではなく、輸送中の船舶などから取り出せなくなるなどの問題を生じる。従って、現在、薬剤を用いた固結防止対策が行われている。
薬剤を用いた高炉水砕スラグの固結防止対策として、(1)酸の添加によりスラグを中和させて固結を防止する方法、(2)高分子やCaキレート剤でスラグ表面を被覆し、スラグ同士の接触を回避して固結を防止する方法、(3)保水剤でスラグ表面の水を除外し、アルカリイオンの溶出を回避して固結を防止する方法の3つの方法が行われている。
しかしながら、何れの方法も、特に気温が高いときには、その効果を発現するには、多量の固結防止剤を必要とし、コスト増大のみならず、エネルギー的にも高負荷となり、環境への負荷も増大する。
本発明は、これらの薬剤の代わりに嫌気性の微生物を利用して高炉水砕スラグを処理し、固結を防止するものであるが、近年、微生物を利用した鉄鋼スラグの処理方法が幾つか提案されている。
例えば、特許文献1には、合成有機酸や無機酸を使用することなく、アルカリ性スラグを耐アルカリ性微生物によって中和する方法が開示されている。特許文献1によれば、耐アルカリ性微生物によって有機物が分解され、この分解によって発生する炭酸ガスによってスラグ中のアルカリ成分が中和されるとしている。しかしながら、特許文献1で利用する微生物は、耐アルカリ性微生物であり、しかも、この微生物を培養する際に空気を溶液中に吹き込んでいることから微生物は好気性であり、本発明で利用する嫌気性の微生物とは明らかに異なっている。
また、特許文献2には、水質及び水底の土壌環境を改善するための、微生物を担持した多孔質スラグが開示されている。特許文献2によれば、微生物を担持させた鉄鋼スラグなどを水底に沈めることにより、スラグに担持されていた微生物により有機物が分解されて水底の環境が改善されるとしている。しかしながら、特許文献2には、微生物を増殖させる手段として、「微生物をスラグに担持させるに当たり、微生物を有する培養液に所定時間(例えば、5分以上2時間以下程度)浸漬して微生物を担持する」と記載しているのみで、具体的にどのように処理すれば所定量の微生物がスラグに担持するのか明確でない。
特開平5−25557号公報 特開2006−326526号公報
このように、微生物を用いて鉄鋼スラグを処理する方法は幾つか開示されているが、微生物を増殖させるための具体的な処理方法が明確でなく、また、嫌気性微生物を利用して潜在水硬性を有する高炉水砕スラグの固結を防止する方法は未だ提案されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、迅速に且つ確実に高炉水砕スラグの固結を防止することのできる、嫌気性微生物を用いた固結防止処理方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明に係る高炉水砕スラグの固結防止処理方法は、高炉水砕スラグに、含水率が6〜20質量%となるように水を添加するとともに、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上となるように有機物を添加し、これらを20〜40℃の温度範囲で且つ嫌気状態に保持して、高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物を増殖させ、嫌気性微生物の生成する有機酸によって高炉水砕スラグを処理することを特徴とするものである。
本発明では、高炉水砕スラグに存在している嫌気性微生物を育成・増殖させ、増殖させた嫌気性微生物が生成する酢酸、乳酸、蟻酸などの有機酸によって、高炉水砕スラグのアルカリ分を中和する。アルカリ分が中和されることで、固結の原因となるCa2+イオンが減少し、高炉水砕スラグの固結が抑制される。つまり、本発明によれば、含水率が6〜20質量%の条件下で、嫌気性微生物の養分である有機物を所定量添加するとともに、雰囲気温度を20〜40℃の範囲に保つことだけで、迅速且つ確実に、しかも特別な薬剤を使用しなくても、高炉水砕スラグの固結を防止することができる。また、有機酸を生成する際に同時に炭酸ガス(CO2 )ガスも生成され、この炭酸ガスによってアルカリ分が中和されて、低アルカリの炭酸カルシウムが形成されることによっても、高炉水砕スラグの固結が防止される。また更に、有機酸とCa2+イオンとの反応による化合物がスラグ粒子の表面に被膜を形成し、スラグからのCa2+イオンの溶出が抑制されることによっても、高炉水砕スラグの固結が防止される。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯について説明する。
高炉水砕スラグは、高炉から溶銑とともに排出された溶融状態の高炉スラグに大量の水を噴射・混合攪拌して急冷する、或いは溶融状態の高炉スラグを大量の水の中に流し込んで急冷して得た、粒径がおよそ6mm以下の粒状のガラス質のスラグである。冷却水によって急冷されるので、冷却水の中から回収した高炉水砕スラグには、冷却水の中で生存していた種々の微生物が付着して存在する。
本発明者等は、これらの微生物の中に、嫌気性条件下で有機酸を生成する微生物が存在することを確認した。従って、この微生物を育成・増殖し、増殖した微生物によって形成される酢酸、乳酸、蟻酸などの有機酸を、中和剤などの処理剤として利用することで、化学薬剤を使用しなくても高炉水砕スラグを十分に中和することができ、それによって高炉水砕スラグの固結を防止できるとの知見を得た。
但し、微生物によって形成される有機酸を高炉水砕スラグの処理剤として利用する場合、それなりの量の有機酸が必要であることから、有機酸を生成する微生物を育成・培養し、微生物の数を確保する必要があるとの知見も得た。
そこで、嫌気性条件下において有機酸を生成する微生物の育成・増殖について種々検討した結果、特に、雰囲気温度が重要であり、20〜40℃の範囲に保持する必要があることが分かった。20℃未満では、微生物の活動が鈍く増殖速度が遅く、一方、40℃を超えると、微生物が死滅する恐れがあるからである。即ち、嫌気性条件下で、20〜40℃の温度範囲に保持した雰囲気内に適量の水とともに高炉水砕スラグを存在せしめ、適量の養分を加えることで、高炉水砕スラグに付着・生存していた嫌気性微生物が増殖し、増殖した嫌気性微生物が生成する有機酸によって高炉水砕スラグのアルカリ分が中和されるなどして、高炉水砕スラグの固結が防止できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり、高炉水砕スラグに、含水率が6〜20質量%となるように水を添加するとともに、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上となるように有機物を添加し、これらを20〜40℃の温度範囲で且つ嫌気状態に保持して、高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物を増殖させ、増殖した嫌気性微生物の生成する有機酸によって高炉水砕スラグを処理することを特徴とする。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明では、高炉水砕スラグを、20〜40℃の雰囲気内で山積みする或いは容器に収容し、散水する或いは水を滞留させるなどして、含水率が6〜20質量%となるように水を加え、更に、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上となるように、微生物の養分である有機物を添加し、この状態で数日間、例えば3〜4日間程度保持する。尚、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g(以下、「C-g/t-slag」と記す)以上の意味は、添加する有機物中の炭素量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上であるという意味である。微生物にとっては炭素が養分となることから、所定量の炭素を確保する必要がある。
スラグ水砕処理設備から回収された高炉水砕スラグには、嫌気性微生物のみならず好気性微生物も存在する。雰囲気温度を20〜40℃に保持することにより、これらの微生物は養分である有機物を消費して増殖を開始する。増殖の初期の段階では、雰囲気中には酸素が存在することから、好気性微生物が増殖するが、好気性微生物が増殖することによって雰囲気中の酸素が消費されてなくなり、好気性微生物は成育できなくなって、死滅するなどして減少する。雰囲気中の酸素がなくなることによって、好気性微生物の代わりに嫌気性微生物が優先して増殖を開始する。
本発明においては、雰囲気温度を20〜40℃に保持する必要があり、冬場などでは温度調整のされた屋内で処理する必要があるが、外気温度が20〜40℃の範囲内である夏場などでは、屋外で処理しても構わない。
また、嫌気性微生物を増殖させるために、本発明では、雰囲気を嫌気性に保持する必要があるが、雰囲気を嫌気性に保持することは容易になすことができる。例えば、高炉水砕スラグを水に浸し、この水に空気などの酸素含有ガスを吹き込まずに放置するだけで、嫌気性雰囲気にすることができる。この場合、水中への酸素の供給界面は空気との接触面だけとなって、酸素の供給量が極めて少なくなるのに対し、水中の溶存酸素は好気性微生物により消費されてしまうので、容易に嫌気性雰囲気となる。
また、高炉水砕スラグを山積みし、空気などの酸素含有ガスを山積みの内部に供給せずに放置した状態でも、容易に嫌気性雰囲気を得ることができる。高炉水砕スラグを山積みにした初期の段階では、山の内部にも酸素が存在するが、この酸素は好気性微生物により直ちに消費されてしまう。山の表面は空気と接触していることから好気性雰囲気であるが、山の内部に空気が入ろうとしても、その空気は好気性微生物によって消費されてしまい、山の内部にまでは侵入できない。山が高ければ高いほど、その内部は嫌気性雰囲気に保持される。
このような嫌気性の雰囲気下で高炉水砕スラグを保持することで、高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物が、養分である有機物を消費して増殖する。これらの嫌気性微生物は、有機物を消費する際に、乳酸、酢酸などの有機酸を生成する。高炉水砕スラグはこれらの有機酸と接触し、この有機酸によって高炉水砕スラグの粒子表面から溶出するCa2+イオンが中和されて、固結の原因であるCa2+イオンが減少し、高炉水砕スラグの固結が防止される。また、有機酸を生成する際に同時に炭酸ガス(CO2 )ガスも生成され、この炭酸ガスによって高炉水砕スラグのアルカリ分が中和されて、低アルカリの炭酸カルシウムが形成されることによっても、高炉水砕スラグの固結が防止される。また更に、有機酸とCa2+イオンとの反応による化合物がスラグ粒子の表面に被膜を形成し、スラグからのCa2+イオンの溶出が抑制されることによっても、高炉水砕スラグの固結が防止される。
本発明において、雰囲気中の含水率を6〜20質量%に規定する理由は以下の通りである。微生物が成育する上で水の存在は必須であり、含水率が6質量%未満では、乾燥によって微生物が死滅するからである。一方、含水率が20質量%以上の場合には、生成する有機酸の濃度が低くなり、中和反応などの所望する反応が進まないからである。また、本発明において、微生物の養分である有機物の添加量を、100C-g/t-slag以上とした理由は以下の通りである。100C-g/t-slag以上となる有機物が存在すれば、微生物が代謝・生成する有機酸により、スラグの中和が可能となるからである。より好ましいのは113C-g/t-slag以上、更に好ましいのは148C-g/t-slag以上である。148C-g/t-slag以上とすると、処理する環境によって生成する有機酸の種類は異なるが、100%酢酸(CH3COOH)が生成したとして計算すれば、pHが11のスラグをpH9へ中和させることが可能となる。
高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物、つまり、本発明で利用できる嫌気性微生物は、以下のとおりである。有機物分解菌としては、乳酸菌が挙げられる。乳酸菌には、スプレプトコッカスボビス(Streptococcus bovis)、スプレプトコッカスサーモフィラス(Streptococcus thermophiius)、ラクトバチルス(Lactbacillus)、スポロラクトバチルス(Sporolactobacillus)、、エンテロコッカス(Enterococcus)、ラクトコッカス(Lactcoccus)、リュウコノストック(Leuconostoc)、ペディノコッカス(Pediococcus)などの属がある。また、乳酸菌以外にも有機物分解菌として、バチルスリヘニフォーミス(Bacillus licheniformis)、アノクシバチルスフラビサーマス(Anoxybacillus flavithermus)などを利用することができる。
これらの微生物を生育させるために添加する有機物としては、グルコース溶液(グルコース濃度:0.5〜10質量%)、たんぱく質加水分解物、肉や酵母のエキス、血液や卵、焼酎やビールの絞り粕、サトウキビの絞り粕、糖蜜、廃糖蜜、剪定材や海藻や植物系廃棄物やその醗酵物などを使用することができる。
本発明方法を用いて高炉水砕スラグを微生物利用して処理するには、例えば、夏場にスラグヤードに堆積させた高炉水砕スラグに上記の有機物を水とともに散布し、好ましくは掻き混ぜ、3〜4日間ないしは1週間程度を費やして微生物を育成・増殖させる。この場合、微生物は乾燥状態になると育成・生長しないので、高炉水砕スラグの周囲に土手を形成する、或いは、高炉水砕スラグをシートで覆うなどして、有機物の流出並びに乾燥を防止してもよい。乾燥した場合には、水分を添加することが好ましい。この場合、高炉水砕スラグをスラグヤードに堆積させる必要はなく、密閉した底を有する容器の中で育成・増殖させることもできる。また、乾燥した場合には水を添加することとする。
嫌気性微生物の生成する有機酸によって固結防止処理が施されたか否かを確認するには、例えば、高炉水砕スラグの間隙水のpHを測定することで確認することができる。このpHが9.5以下であれば、固結防止処理が施されたものと判断することができる。また、高炉水砕スラグを採取して、その表面の組成を、走査型電子顕微鏡などを用いて定性分析することによっても、確認することができる。
このようにして微生物の生成する有機酸により処理した高炉水砕スラグを、セメント材、コンクリートの細骨材、土木材などとして適用する。
以上説明したように、本発明によれば、含水率が6〜20質量%の条件下で、嫌気性微生物の養分である有機物を所定量添加するとともに、温度を20〜40℃の範囲に保つことだけで、迅速且つ確実に、しかも特別な薬剤を使用しなくても、高炉水砕スラグの固結を防止することができる。特に、夏場の気温の高い時期には、従来の薬剤による固結防止の効果は少なく、多量の薬剤を必要とするが、本発明の処理方法は特に夏場が有効であり、環境への負荷もなく、高炉水砕スラグの固結を防止することができる。
外気温が20〜40℃の範囲である夏場に、屋外のスラグヤードに堆積させた体積10m3 の高炉水砕スラグに対し、水を散布するとともに、廃糖蜜濃度が5質量%の廃糖蜜溶液を、炭素換算の有機物添加量が150C-g/t-slagとなるように散布し、その後、シャベルローダーで攪拌して2日間静置した。この場合、含水率はおよそ15質量%であった。廃糖蜜とスラグ粒子とが十分混合され、廃糖蜜によりスラグの間隙水のpHが10以下になったことを確認した後、更にそのまま4日間放置した。
4日間経過時点で、堆積させた高炉水砕スラグの表面及び内部の、それぞれ任意の6箇所の位置から100gの高炉水砕スラグをサンプリングし、スラグの間隙水の平均pHが9.5以下に低下したことを確認し、本発明に係る処理を終了した。また、各サンプルの間隙水には、高炉水砕スラグに由来する微生物の活動により、酢酸などの有機酸が10ppm以上存在していることも分析して確認した。また、この微生物には高炉水砕スラグを製造するときの冷却水に含まれている微生物も含まれていることも確認した。
この高炉水砕スラグを、別の場所の屋外に山積みし、3ヶ月間放置した。3ヶ月間放置した後に、シャベルローダーで掘り起こして固結の有無を調査した。その結果、固結は全く発生しておらず、セメント材、コンクリートの細骨材、土木材などとして適用可能であることが確認できた。

Claims (1)

  1. 高炉水砕スラグに、含水率が6〜20質量%となるように水を添加するとともに、炭素換算の有機物添加量が高炉水砕スラグ1トン当たり100g以上となるように有機物を添加し、これらを20〜40℃の温度範囲で且つ嫌気状態に保持して、高炉水砕スラグに存在する嫌気性微生物を増殖させ、嫌気性微生物の生成する有機酸によって高炉水砕スラグを処理することを特徴とする、高炉水砕スラグの固結防止処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010021160A1 (ja) 2008-08-22 2010-02-25 オリンパスメディカルシステムズ株式会社 撮像システム及び内視鏡システム
JP2014028746A (ja) * 2012-06-27 2014-02-13 Jfe Steel Corp 鉄鋼スラグの硫黄除去処理方法
JP2020121863A (ja) * 2019-01-31 2020-08-13 太平洋セメント株式会社 石炭灰の運搬方法

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