JP2008212860A - 廃棄物処理設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】 紙類を受け入れてメタン発酵でき、多少のプラスチック類などの異物の混入も許容できる乾式メタン発酵槽を採用し、水分含有量の多い生ごみに紙類を混合した有機性廃棄物をメタン発酵させることで、排水を減少させ、基本的に排水処理装置を不要とし、排水処理に要するコストを削減できる廃棄物処理設備を提供する。
【解決手段】 廃棄物をメタン発酵に適した発酵適性物とメタン発酵に不適な発酵不適物とに分離し、焼却炉、ガス化溶融炉などの発酵不適物の処理炉7に乾式メタン発酵槽4を併設し、この乾式メタン発酵槽4の下流側に脱水機5を設けて乾式メタン発酵槽4から生じる残渣物を脱水し、脱水した残渣物である脱水汚泥を発酵不適物の処理炉7で焼却するとともに、乾式メタン発酵槽4の上流側に混合機3を設け、脱水後のろ液の一部を発酵好適物に混合して乾式メタン発酵槽4に投入し、ろ液の残部は発酵不適物の処理炉7の二次燃焼部内に噴霧して燃焼させる。
【選択図】 図1
【解決手段】 廃棄物をメタン発酵に適した発酵適性物とメタン発酵に不適な発酵不適物とに分離し、焼却炉、ガス化溶融炉などの発酵不適物の処理炉7に乾式メタン発酵槽4を併設し、この乾式メタン発酵槽4の下流側に脱水機5を設けて乾式メタン発酵槽4から生じる残渣物を脱水し、脱水した残渣物である脱水汚泥を発酵不適物の処理炉7で焼却するとともに、乾式メタン発酵槽4の上流側に混合機3を設け、脱水後のろ液の一部を発酵好適物に混合して乾式メタン発酵槽4に投入し、ろ液の残部は発酵不適物の処理炉7の二次燃焼部内に噴霧して燃焼させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、主に一般廃棄物(産業廃棄物を含む)を対象とする廃棄物処理設備に関するもので、詳しくは、廃棄物のうち、メタン発酵に適した廃棄物(以下、発酵適性物という)をメタン発酵させてメタンガス(バイオガスともいう)を回収するメタン発酵槽を、焼却炉、ガス化溶融炉、直溶融炉、炭化炉、RDF(廃棄物固形化燃料)製造装置などの廃棄物処理炉に併設した廃棄物処理設備に関する。
近年、上記のメタン発酵槽を廃棄物処理炉に併設し、生ごみなどの発酵適性物をメタン発酵させて回収したメタンガスを用いてガスエンジン発電機により発電することが遂行されている。これは、ガスエンジン発電機の発電効率が、ごみ焼却時の廃熱を利用して熱回収される蒸気を利用した、蒸気タービンの発電効率よりも高いため、ごみの性状によって、総合的に発電量が向上する傾向にあるのが理由である。
しかし、従来のように生ごみを単独で使用してメタン発酵させる場合、窒素濃度が高くなり過ぎて発酵を阻害するおそれがあるので、窒素濃度を通常、5000〜6000mg/L以下に下げるために水を加える必要がある上に、生ごみ自体の含水率が80%程度と高いことから、メタン発酵させた後に残る残渣の汚泥を脱水処理したときに排水が多量に生じる。したがって、排水の処理(BODや窒素の除去)に要するコストが課題となっている。すなわち、
排水処理に関し、イニシャルコストとして、嫌気槽、好気槽、固液分離装置、曝気ブロワ、各種ポンプなどの排水処理装置がメタン発酵設備のうちの約2〜3割を占める。
排水処理に関し、イニシャルコストとして、嫌気槽、好気槽、固液分離装置、曝気ブロワ、各種ポンプなどの排水処理装置がメタン発酵設備のうちの約2〜3割を占める。
また、ランイングコストとして、好気槽における曝気ブロワなどの機器で使用する電力および嫌気槽におけるメタノールやアルカリ剤のほか固液分離槽において使用する凝集剤などの薬剤が必要になる。
ところで、図6はメタン発酵槽を併設した従来の一般的な廃棄物処理設備31の構成を示す概略図である。同図に示すように、一般廃棄物の分別ごみのうち、主に生ごみが前処理装置2で、破砕されるとともに生ごみ中に混合されている異物(金属類など)が除去される。一方、プラスチック類などのメタン発酵不適物は、ごみ焼却炉やガス化溶融炉などの発酵不適物処理炉7の手前のピット(貯留槽)6へ搬送される。前処理済みの生ごみは、湿式メタン発酵槽34の手前の混合機3で処理済みの排水または別系統の水が混合され、次の湿式メタン発酵槽34に適した含水率になるよう、水分量が調整される。そして、湿式メタン発酵槽34に投入され、メタン発酵されてバイオガスが回収される。メタン発酵後の残渣は、次の脱水機5によって脱水され、脱水残渣である脱水汚泥はピット6へ搬送される。一方、脱水時に生じるろ液は、下流側の排水処理装置38へ送られ、有機性物質の分解除去や窒素除去が行われ、下水道や河川に放流可能な水質を満たすように処理される。処理後の排水の一部は混合機3へ戻されるが、残りの排水は下水道や河川に放流される。
生ごみなどの一般廃棄物を焼却処理するメタン発酵槽併設の廃棄物処理設備に関する先行技術として、有機性廃水および焼却炉排ガスの処理方法と同処理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。その処理装置は、有機性廃水を処理するメタン発酵槽と、該メタン発酵槽で処理されたメタン発酵水中のアンモニアを、焼却炉の廃熱を利用して得られる水蒸気または加熱蒸気を用いてストリッピングするストリッピング塔と、該ストリッピング塔で分離回収されたアンモニアを、前記焼却炉の廃ガスの窒素酸化物を処理する脱硝塔に供するアンモニア供給手段とを備えている。
特開2006−281171号公報
しかしながら、上記の先行技術に係る廃棄物処理設備では、し尿、家畜糞尿などの有機性廃水あるいは生ごみなどの多量に水分が含まれるものをメタン発酵槽に導入してメタンガス(バイオガス)を発酵させて回収するので、排水処理装置が不可欠である。また、湿式メタン発酵槽を用いるので、紙類を受け入れるのが難しく、また異物の混入に弱い。先行技術の廃棄物処理設備では、排水中の窒素をアンモニアストリッピングしてアンモニアを炉で再利用しようとしているが、アンモニアガス中に臭気ガスが同伴するので、実施するのは困難である。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、紙類を受け入れてメタン発酵でき、多少のプラスチック類などの異物の混入も許容できる乾式メタン発酵槽を採用し、含水率の高い生ごみに紙類を混合した比較的含水率の低い有機性廃棄物をメタン発酵させることで、排水を減少させ、基本的に排水処理装置を不要とし、排水処理に要するコストを削減できる廃棄物処理設備を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る廃棄物処理設備は、廃棄物をメタン発酵に適した発酵適性物とメタン発酵に不適な発酵不適物とに分離し、分離した発酵不適物を処理する焼却炉、ガス化溶融炉、直溶融炉、炭化炉などの発酵不適物処理炉に乾式メタン発酵槽を併設し、この乾式メタン発酵槽の下流側に脱水機を設けて前記乾式メタン発酵槽から生じる残渣物を脱水し、脱水した残渣物である脱水汚泥を前記発酵不適物処理炉で処理するとともに、前記乾式メタン発酵槽の上流側に混合機を設け、脱水後のろ液の一部を前記発酵適性物に混合して前記乾式メタン発酵槽に投入し、ろ液の残部は前記発酵不適物処理炉の二次燃焼部内に噴霧して燃焼させることを特徴とする。
上記の構成を有する本発明の廃棄物処理設備によれば、乾式メタン発酵槽でメタンガスを発酵させて回収するためのメタン発酵適性物は、固形物濃度が15〜60%の有機性廃棄物とし、プラスチック類などの発酵不適物は焼却炉やガス化溶融炉などの処理炉に投入して主に燃焼させて処理するので、メタン発酵後に発生する排水が少ない。したがって、排水処理装置を設けないで済むので、排水処理に要するイニシャルコストおよびランイングコストが不要になる。また、メタン発酵後に生じる残渣物は脱水して脱水残渣物である脱水汚泥とろ液とに分離されるが、脱水汚泥は発酵不適物とともに処理炉で焼却される。一方、ろ液は一部を有機性廃棄物に混合して乾式メタン発酵槽に戻すので、処理を要するろ液(排水)はさらに減少することから、処理炉に噴霧しなくてもよい場合がある。ろ液を処理炉の二次燃焼部に吹き込むのは、ろ液が余る場合とろ液のアンモニア濃度が高い場合で、ろ液を処理炉に吹き込む必要がある場合は、二次燃焼部は通常、800℃以上であるから、高温でろ液が分解されるために臭気が残らない。
請求項2に記載のように、前記発酵適性物が生ごみに紙類を混合した混合物からなることが好ましい。
このように、生ごみだけでなく紙類が混合されると、ごみ全体の含水率が低下し、またメタン発酵を阻害するアンモニア濃度が下がる(3000mg/L以下)ので、希釈水がほとんど不要で、排水が減少する。
請求項3に記載のように、前記発酵適性物は、生ごみに対し重量比で略1/2の紙類を混合した混合物からなることが好ましい。
このようにすれば、生ごみの水分の一部が紙類に吸収されごみ全体の水分割合がより減少する。一方、紙類だけによる総窒素濃度は6000mg/L(アンモニア濃度では3000mg/L)であるから、わずかな量の水分を加水すればメタン発酵を阻害するアンモニア濃度は2500mg/L以下に下がるので、全体として排水は減少し、バイオガスの回収量が増加する。
請求項4に記載のように、前記脱水機の下流側に濃縮機または乾燥機を設け、脱水後の前記ろ液の一部(乾式メタン発酵槽に戻すろ液以外)を濃縮して前記発酵不適物処理炉内に噴霧し燃焼させることが好ましい。
このようにすれば、処理炉へ吹き込んで処理するろ液の量を大幅に減少させられる。
請求項5に記載のように、前記脱水機の下流側に、脱水後のろ液を希釈するための混合槽を設け、下水道へ放流可能にすることができる。
このようにすれば、点検等で発酵不適物処理炉の操業を停止している間(通常、年間80日位)でも、乾式メタン発酵槽を含むメタン発酵ラインは停止せず一年中、常に操業するので、処理炉に吹き込んで処理すべきろ液は、下水道への放流が可能な、アンモニア濃度120mg/L以下まで混合槽で加水して希釈することにより、下水道に放流できる。
請求項6に記載のように、脱水後のろ液の一部を前記混合機に戻すための戻し管路に、アンモニアを除去するためのアンモニアストリッピング装置を介設することができる。
このようにすれば、脱水後のろ液のアンモニア濃度が非常に高いとき、発酵不適物処理炉内へは一切吹き込まず、アンモニアストリッピング装置によってアンモニアを除去する。そして、ろ液のアンモニア濃度を(3000mg/L以下、好ましくは2500mg/L以下に)下げて混合機に戻すことができる。
請求項7に記載のように、脱水後のろ液の一部を前記混合機に戻すための戻し管路に、硝化脱窒槽を介設することができる。なお、硝化脱窒槽は微生物でアンモニアを処理する嫌気性菌貯留槽と好気性菌貯留槽とを組み合わせて構成することができる。
このようにすれば、脱水後のろ液のアンモニア濃度が非常に高いとき、発酵不適物処理炉内へは一切吹き込まず、ろ液を硝化し、つまりアンモニア中の窒素を酸化し脱窒する。そして、ろ液のアンモニア濃度を(3000mg/L以下、好ましくは2500mg/L以下に)下げて混合機に戻すことができる。
本発明に係る廃棄物処理設備は、下記のような優れた効果がある。すなわち、紙類を受け入れてメタン発酵でき、多少のプラスチック類などの異物の混入も許容できる乾式メタン発酵槽を採用するとともに、水分含有量の多い生ごみに紙類を混合した有機性廃棄物をメタン発酵させるようにしたので、排水処理の簡略化もしくは排水処理装置を省くことができ、排水処理に要するイニシャルコストおよびランイングコストが大幅に削減されるか不要になるかする。また、従来の廃棄物処理設備に比べて総発電量がアップし、ごみ焼却量が減少する。詳しくは、廃棄物をメタン発酵に適した発酵適性物とメタン発酵に不適な発酵不適物とに分離し、発酵適性物は紙類の混合量を増やして含水率を下げ、メタン発酵させてバイオガスを発生させて回収する一方、発酵不適物は焼却処理するか炭化物にして燃料として再利用可能にし、メタン発酵後の残渣物は脱水し、脱水した残渣物である脱水汚泥は前記発酵不適物と同様の処理をするとともに、前記メタン発酵後の残渣物を脱水した後のろ液の一部は、前記発酵好適物に混合してメタン発酵に使用し、ろ液の残部は前記発酵不適物処理炉の二次燃焼部内に噴霧して燃焼させることにより、基本的に排水処理装置を不要とし、排水処理に要するコストを削減できる。
以下、本発明の廃棄物処理設備について実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る廃棄物処理設備1の構成を示す概要図で、フロー図を兼ねている。
第1実施例の廃棄物処理設備1は、図1に示すように、廃棄物を焼却したり炭化したり廃棄物固形化燃料(RDF)を製造したりするための廃棄物処理炉7を備えている。この廃棄物処理炉7は、焼却炉や炭化炉やRDF製造装置のほか、ガス化溶融炉や直溶炉などからなるが、本例では焼却炉7を用いるものとする。また、収集した廃棄物のうち、メタン発酵に適した発酵適性物(主に有機性廃棄物)とメタン発酵に適さない廃棄物(発酵不適物)とに分別したのち、特に固形物濃度が15〜60%の有機性廃棄物を発酵させてメタンガスを回収可能な乾式メタン発酵槽4を併設している。一方、従来の廃棄物処理設備31(図6参照)では必須の排水処理装置38(図6参照)を省いている。なお、乾式メタン発酵槽4には発酵が速いがアンモニア阻害を受けやすい、高温のメタン発酵槽を用いている。
本例の廃棄物処理設備1が対象とする廃棄物は、生ごみ、紙類、プラスチック類や金属類などにあらかじめ分別して収集される分別ごみと、分別されていないごみ(非分別ごみ)とがある。分別ごみの場合には、プラスチック類や金属類などの発酵不適物は焼却炉7の手前に設けられるピット6へ送られ、一時貯留される。そして、生ごみや紙類などの有機性廃棄物だけが前処理装置2へ送られる。また、非分別ごみの場合は、分別せずにそのまま前処理装置2へ送られる。そこで、前処理装置2は本例の場合、機械的に生ごみや紙類などの発酵適性物とプラスチック類や金属類などの発酵不適物とに分別する分別機で構成している。
前処理装置2で前処理した発酵適性物は、乾式メタン発酵槽4の手前(上流側)に設けた混合機3に送り、処理済みの排水(ろ液)を混合する。また、排水が混合に不適な場合や排水だけでは水量が不足する場合は別系統の水を混合し、次の乾式メタン発酵槽4に適した含水率になるように水分量が調整される。そして、主に生ごみに紙類を混合し、紙類に水を含ませた状態で、乾式メタン発酵槽4に投入し、メタン発酵させてバイオガスを回収する。
メタン発酵後に生じる残渣は、下流側に設けた脱水機5によって脱水し、脱水残渣である脱水汚泥はピット6へ搬送する。また、脱水後に生じるろ液は混合機3へ供給し、有機性廃棄物に混合して水分調整に使用するが、ろ液が残るときあるいはろ液のアンモニア濃度が高くて有機性廃棄物の水分調整に使用できないときには、焼却炉7の二次燃焼部内に噴霧する。このとき臭気ガスが発生すれば、同時に焼却炉7の二次燃焼部内に噴霧する。
この結果、従来の排水処理装置38による排水処理は不要になる。なお、ピット6へ搬送されたプラスチック類などの発酵不適物および脱水汚泥は、適宜、焼却炉7へ投入されて焼却される。また、ろ液や臭気ガスは焼却炉7の二次燃焼室へ吹き込むので、800℃以上の高温で分解され、臭気も残らない。
ところで、上記第1実施例の廃棄物処理設備1について乾式メタン発酵槽4を併設したことによる効果を試算したところ、次のような結果が得られた。すなわち、
1.基本設定
人口;20万人、ごみ処理量;1.1kg/人・1日より、220t/日
ここで、乾式メタン発酵槽4に投入する割合をごみ全体の0.5 メタン発酵後の脱水汚泥の割合を0.2とすると、ごみ焼却量は0.7となる。また、図1における乾式メタン発酵槽4での処理量は110t/日、焼却炉7での処理量は154t/日となる。
1.基本設定
人口;20万人、ごみ処理量;1.1kg/人・1日より、220t/日
ここで、乾式メタン発酵槽4に投入する割合をごみ全体の0.5 メタン発酵後の脱水汚泥の割合を0.2とすると、ごみ焼却量は0.7となる。また、図1における乾式メタン発酵槽4での処理量は110t/日、焼却炉7での処理量は154t/日となる。
2.メタン発酵槽併設の場合
a)バイオガス発電量
ごみ処理量220t/日×0.5(メタン発酵の割合)×170Nm3/t=18700Nm3/日 18700Nm3/日×5000kcal/Nm3(低位発熱量)÷24時間÷860kcal/Wh=4530Wh/h
これを発電効率35%のガスエンジン発電機に適用すると、
発電量は4530Wh/h×35%=1585Wh/hになる。
a)バイオガス発電量
ごみ処理量220t/日×0.5(メタン発酵の割合)×170Nm3/t=18700Nm3/日 18700Nm3/日×5000kcal/Nm3(低位発熱量)÷24時間÷860kcal/Wh=4530Wh/h
これを発電効率35%のガスエンジン発電機に適用すると、
発電量は4530Wh/h×35%=1585Wh/hになる。
b)タービン発電量
焼却炉7でのごみ処理量154t/日 発電効率を15%とすると、
154t/日×(220×2200×1000−18700×5000)÷154000)×15%÷24時間÷860kcal/Wh=2838Wh/hになる。
焼却炉7でのごみ処理量154t/日 発電効率を15%とすると、
154t/日×(220×2200×1000−18700×5000)÷154000)×15%÷24時間÷860kcal/Wh=2838Wh/hになる。
c)総発電量
1585Wh/h+2838Wh/h=4423Wh/h
3.メタン発酵槽を併設しない場合
220t/日×2200kcal/kg×15%÷24時間÷860kcal/Wh=3517Wh/hになる。
1585Wh/h+2838Wh/h=4423Wh/h
3.メタン発酵槽を併設しない場合
220t/日×2200kcal/kg×15%÷24時間÷860kcal/Wh=3517Wh/hになる。
4.比較結果
発電量は、4423Wh/h÷3517Wh/h=1.26となり、
メタン発酵槽併設の方が26%増加する。
発電量は、4423Wh/h÷3517Wh/h=1.26となり、
メタン発酵槽併設の方が26%増加する。
図2は本発明の第2実施例に係る廃棄物処理設備1−2の構成を示す概要図で、フロー図を兼ねている。
第2実施例の廃棄物処理設備1−2は、図2に示すように、上記第1実施例の廃棄物処理設備1において、脱水機5からろ液を焼却炉7へ供給する経路に濃縮機11または乾燥機を設けている。これらの濃縮機または乾燥機11へは、焼却炉7において廃棄物を焼却した際の熱で蒸気化した蒸気を導入し、ろ液を濃縮または乾燥させるようにし、ろ液が余るときあるいはアンモニア濃度が高いときに、濃縮ろ液を臭気ガスとともに焼却炉7の二次燃焼部(室)内へ噴霧して処理するようにしている。なお、脱水機5で脱水した汚泥を乾燥機に投入し、いったん乾燥汚泥として焼却炉7で焼却することもできる。その他の構成および使用態様については上記第1実施例と共通するので、説明を省略する。
図3は本発明の第3実施例に係る廃棄物処理設備1−3の構成を示す概要図で、フロー図を兼ねている。
第3実施例の廃棄物処理設備1−3は、図3に示すように、上記第1実施例の廃棄物処理設備1において、脱水機5からろ液を焼却炉7へ供給する経路とは別に、脱水機5の下流側に第2の混合機12を設けている。焼却炉7は、主に定期点検などで発酵不適物の焼却炉7の操業を停止している期間が通常、年間60〜80日間前後(いいかえれば操業期間は280〜300日前後)であるのに対し、廃棄物は毎日供給される上に、メタン発酵用微生物にも有機性廃棄物を毎日付与する必要があるので、前処理装置2・混合機3・乾式メタン発酵槽4および脱水機5を含むメタン発酵ラインは停止せず一年中、常に操業する必要がある。したがって、混合槽12は、焼却炉7に吹き込んで処理すべき脱水後のろ液を、下水道への放流が可能なアンモニア濃度120mg/L以下まで加水して希釈するために使用される。これにより下水道に放流できる。なお、焼却炉7の操業時は脱水後のろ液を焼却炉7に噴霧して処理するので、第2の混合機12は使用しない。また、図示は省略するが、混合槽12を 脱水機5で脱水した汚泥やろ液を乾燥機または濃縮機11に投入し、いったん乾燥汚泥あるいは濃縮液として焼却炉7で焼却する、第2実施例の廃棄物処理設備1−2にも適用できる。その他の構成および使用態様については上記第1実施例と共通するので、説明を省略する。
図4は本発明の第4実施例に係る廃棄物処理設備1−4の構成を示す概要図で、フロー図を兼ねている。
第4実施例の廃棄物処理設備1−4は、図4に示すように、上記第1実施例の廃棄物処理設備1において、脱水機5で脱水後のろ液の一部を混合機3に戻すための戻し管路(循環路)13aに、アンモニアを除去するためのアンモニアストリッピング装置13を介設している。アンモニアストリッピング装置13には焼却炉7で発生させた蒸気を導入して加熱し、アンモニアガスを蒸発させて除去し燃焼させる。また、蒸気により加熱する際にろ液にアルカリ剤(またはアルカリ溶液)を入れてアンモニアを除去することもできる。なお、アンモニアを燃焼すれば、燃焼した時に、NOxになるので、触媒で脱硝することもできる。本例は、廃棄物の含水率が低く、排水(余剰水)は生じないが、ろ液のアンモニア濃度が高い場合に、バイオガスの発酵が阻害されないように、アンモニアストリッピング装置13でろ液中のアンモニアを除去し、循環水のアンモニア濃度を下げる手段を設けている。このようにして、ろ液のアンモニア濃度を下げて(3000mg/L以下、好ましくは2500mg/L以下)混合機3に戻している。本例においても、脱水機5から焼却炉7へ供給して噴霧させるライン(点線で表示)を残すことによって、脱水後のろ液のアンモニア濃度が高いときに、ろ液を臭気ガスとともに焼却炉7の二次燃焼部(室)内へ噴霧して処理することもできるが、特に本例では、紙類を生ごみに重量比で1/2ほど混合する場合にごみの含水率が低くなり過ぎる傾向があるので、乾式メタン発酵槽4でも、含水率をある程度高くする必要があることから、ろ液を混合機3を介して乾式メタン発酵槽4へ循環し加水している。その他の構成および使用態様については上記第1実施例と共通するので、説明を省略する。
図5は本発明の第5実施例に係る廃棄物処理設備1−5の構成を示す概要図で、フロー図を兼ねている。
第5実施例の廃棄物処理設備1−5は、図5に示すように、上記第4実施例の廃棄物処理設備1−4において、アンモニアストリッピング装置13に代えて、脱水機5で脱水後のろ液の一部を混合機3に戻すための戻し管路(循環路)14aに、硝化脱窒槽14を設けている。この硝化脱窒槽14は、例えば嫌気槽(嫌気性菌貯留槽)と好気槽(好気性菌貯留槽)とを備えた微生物処理槽からなり、嫌気槽と好気槽との間でろ液を循環させることにより、アンモニアを硝酸体にかえて硝酸体の窒素を窒素ガスにして脱窒する。発生した窒素ガスは大気中に放出することができる。本例の他の構成および使用態様については上記第1実施例と共通するので、説明を省略する。
1 廃棄物処理設備
2 前処理装置
3 混合機
4 乾式メタン発酵槽
5 脱水機
6 ピット
7 焼却炉(廃棄物処理炉)
11 濃縮機(または乾燥機)
12 混合槽
13 アンモニアストリッピング装置
14 硝化脱窒槽
2 前処理装置
3 混合機
4 乾式メタン発酵槽
5 脱水機
6 ピット
7 焼却炉(廃棄物処理炉)
11 濃縮機(または乾燥機)
12 混合槽
13 アンモニアストリッピング装置
14 硝化脱窒槽
Claims (7)
- 廃棄物をメタン発酵に適した発酵適性物とメタン発酵に不適な発酵不適物とに分離し、分離した発酵不適物を処理する焼却炉、ガス化溶融炉、直溶融炉、炭化炉などの発酵不適物処理炉に乾式メタン発酵槽を併設し、この乾式メタン発酵槽の下流側に脱水機を設けて前記乾式メタン発酵槽から生じる残渣物を脱水し、脱水した残渣物である脱水汚泥を前記発酵不適物処理炉で処理するとともに、
前記乾式メタン発酵槽の上流側に混合機を設け、脱水後のろ液の一部を前記発酵適性物に混合して前記乾式メタン発酵槽に投入し、ろ液の残部は前記発酵不適物処理炉の二次燃焼部内に噴霧して燃焼させることを特徴とする廃棄物処理設備。 - 前記発酵適性物が生ごみに紙類を混合した混合物からなることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理設備。
- 前記発酵適性物は、生ごみに対し重量比で略1/2の紙類を混合した混合物からなることを特徴とする請求項1記載の廃棄物処理設備。
- 前記脱水機の下流側に濃縮機または乾燥機を設け、脱水後の前記ろ液の一部を濃縮して前記発酵不適物処理炉内に噴霧し燃焼させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の廃棄物処理設備。
- 前記脱水機の下流側に、脱水後のろ液を希釈するための混合槽を設け、下水道へ放流可能にしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の廃棄物処理設備。
- 脱水後のろ液の一部を前記混合機に戻すための戻し管路に、アンモニアを除去するためのアンモニアストリッピング装置を介設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の廃棄物処理設備。
- 脱水後のろ液の一部を前記混合機に戻すための戻し管路に、硝化脱窒槽を介設したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の廃棄物処理設備。
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