(1) 遊技領域に設けられた第1の始動領域(第1始動入賞口13)と、前記遊技領域に設けられた第2の始動領域(たとえば、第2始動入賞口14)と、前記第1の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第1の開始条件が成立したときに第1識別情報(たとえば、第1特別図柄や第1飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第1変動表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)と、前記第2の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第2の開始条件が成立したときに第2識別情報(たとえば、第2特別図柄や第2飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第2変動表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)と、遊技球が入賞可能な第1の状態(たとえば、開状態)と遊技機が入賞不可能な第2状態(たとえば、閉状態)のいずれかの状態に制御可能であり、前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に所定の表示結果が導出表示されたときに第1状態となる始動動作状態に制御される可変入賞球装置(たとえば、可変入賞球装置20)とを備え、前記可変入賞球装置には入賞領域が設けられ、前記始動動作状態に制御されている前記可変入賞球装置の前記入賞領域のうち特別領域(たとえば、特定入賞口30)に遊技球が入賞したときに、前記可変入賞球装置を第1状態に制御する特定遊技状態に移行させる遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、前記所定の表示結果を導出表示するか否かと、前記特定遊技状態が発生したときの前記可変入賞装置を前記第1状態に変化させる変化回数とを、前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62,S63a,S83、図33のS83a,S83d、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)と、
前記特定遊技状態において、前記可変入賞装置を前記第1状態に変化させる制御を前記事前決定手段により決定された変化回数実行する遊技状態制御手段(たとえば、図33のS83g、図47のSA511〜SA517)と、を備え、
前記事前決定手段は、前記第2変動表示手段で実行される変動表示の後発生する前記特定遊技状態で実行する前記変化回数を、前記第1変動表示手段で実行される変動表示の後発生する前記特定遊技状態で実行する前記変化回数に比べて、相対的に多い回数に決定する(たとえば、図15(a)〜(d),図95,図96の第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルと第1準大当り図柄テーブルと第2準大当り図柄テーブル)ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2変動表示手段で実行される変動表示について決定された特定遊技状態で実行される特別可変入賞装置の第1状態への変化回数が、第1変動表示手段で実行される変動表示について決定された特定遊技状態で実行される特別可変入賞装置の第1状態への変化回数に比べて、相対的に多い回数となるために、第1変動表示手段と第2変動表示手段とを用いた遊技を多様化することができる。
(2) 前記事前決定手段は、前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、予め定められた特定表示結果を導出表示するか否かも決定し(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62,S63、図33のS83bの処理を実行する部分、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)、
前記可変入賞球装置は、前記第1の変動表示手段と前記第2の変動表示手段のいずれかに前記特定表示結果が導出表示されたときにも、第1状態に制御される(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS81、図40のS133,S139の処理を実行する部分、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)ことを特徴とする。
このような構成によれば、始動動作状態中の可変入賞球装置内の特別領域への遊技球の入賞を要することなく、第1の変動表示手段と第2の変動表示手段のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときにも、可変入賞球装置が第1状態になるために、遊技の変化性を向上でき、興趣が向上する。
(3) 遊技領域に設けられた第1の始動領域(たとえば、第1始動入賞口13)と、前記遊技領域に設けられた第2の始動領域(たとえば、第2始動入賞口14)と、前記第1の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第1の開始条件が成立したときに第1識別情報(たとえば、第1特別図柄や第1飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第1変動表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)と、前記第2の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第2の開始条件が成立したときに第2識別情報(たとえば、第2特別図柄や第2飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第2変動表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)と、遊技球が入賞可能な第1状態(たとえば、開状態)と遊技機が入賞不可能な第2状態(たとえば、閉状態)のいずれかの状態に制御可能であり、前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に所定の表示結果が導出表示されたときに第1状態となる始動動作状態に制御される可変入賞球装置(たとえば、可変入賞球装置20)と、遊技球が入賞可能な第1状態(たとえば、開状態)と遊技機が入賞不可能な第2状態(たとえば、閉状態)のいずれかの状態に制御可能である特定可変入賞球装置(たとえば、開閉板16による大入賞口)とを備え、前記可変入賞球装置には入賞領域が設けられ、前記始動動作状態に制御されている前記可変入賞球装置の前記入賞領域のうち特別領域(たとえば、特定入賞口30)に遊技球が入賞したときに、前記特定可変入賞球装置を第1状態に制御する特定遊技状態に移行させる遊技機であって、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、前記所定の表示結果を導出表示するか否かと、前記特定遊技状態が発生したときの前記特定可変入賞装置を前記第1状態に変化させる変化回数とを、前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62,S63a,S83、図33のS83a,S83b、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)と、
前記特定遊技状態において、前記特定可変入賞装置を前記第1状態に変化させる制御を前記事前決定手段により決定された変化回数実行する遊技状態制御手段(たとえば、図33のS83g、図47のSA511〜SA517)と、を備え、
前記事前決定手段は、前記第2変動表示手段で実行される変動表示の後発生する前記特定遊技状態で実行する前記変化回数を、前記第1変動表示手段で実行される変動表示の後発生する前記特定遊技状態で実行する前記変化回数に比べて、相対的に多い回数に決定する(たとえば、図15(a)〜(d),図95,図96の第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルと第1準大当り図柄テーブルと第2準大当り図柄テーブル)ことを特徴とする。
このような構成によれば、第2変動表示手段で実行される変動表示について決定された特定遊技状態で実行される特別可変入賞装置の第1状態への変化回数が、第1変動表示手段で実行される変動表示について決定された特定遊技状態で実行される特別可変入賞装置の第1状態への変化回数に比べて、相対的に多い回数となるために、第1変動表示手段と第2変動表示手段とを用いた遊技を多様化することができる。
(4) 前記事前決定手段は、前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、予め定められた特定表示結果を導出表示するか否かも決定し(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62,S63、図33のS83bの処理を実行する部分、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)、
前記特定可変入賞球装置は、前記第1の変動表示手段と前記第2の変動表示手段のいずれかに前記特定表示結果が導出表示されたときにも、第1状態に制御される(たとえば、第9の実施の形態において、第1特別図柄プロセス処理における図32のS81の処理に相当する処理を実行する部分、図102のS133,S139の処理を実行する部分、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)ことを特徴とする。
このような構成によれば、始動動作状態中の可変入賞球装置内の特別領域への遊技球の入賞を要することなく、第1の変動表示手段と第2の変動表示手段のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときにも、特定可変入賞球装置が第1状態になるために、遊技の変化性を向上でき、興趣が向上する。
(5) 前記可変入賞球装置の入賞領域に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(たとえば、役物入賞スイッチ34a,34b、特定領域スイッチ30a)と、
前記可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたことを特定可能な検出信号を出力する排出検出手段(たとえば、役物排出スイッチ29a)と、
前記入賞検出手段からの前記検出信号を入力したか否かを判定する入賞判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、役物入賞スイッチ34aおよび役物入賞スイッチ34bについてS331〜S338の処理を実行する部分)とをさらに備え、
前記可変入賞球装置が前記始動動作状態または前記特定遊技状態に制御されていないとき(たとえば、エラー検出禁止フラグがセットされていないとき(SA569)、または第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグが7、8、10、11、14のいずれでもないとき(SA569a))に前記入賞判定手段が前記検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定し、かつ、前記可変入賞球装置が第1状態に変化したときに、前記可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたことが前記排出判定手段により判定されたことを条件に、前記入賞判定手段が前記検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定する異常判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA451,SA516,SA569〜SA574の処理を実行する部分。なお、「エラー検出禁止フラグ」は、始動動作または大当り遊技が終了するときに、役物内遊技球個数カウンタが0になった場合にリセットされる(SA449,SA451,SA506,SA516参照))をさらに備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、可変入賞球装置が始動動作状態または特定遊技状態に制御されていないときに入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定し、かつ、可変入賞球装置が第1状態に変化したときに、可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたと判定されたことを条件に、入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定するので、正規の遊技が実行されているにも関わらず異常入賞と判定されてしまうことを回避でき、異常入賞が生じていることを確実に検出して報知できる効果がある。
(6) 前記可変入賞球装置の入賞領域に入賞した遊技球を検出して検出信号を出力する入賞検出手段(たとえば、役物入賞スイッチ34a,34b、特定領域スイッチ30a)と、
前記可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたことを特定可能な検出信号を出力する排出検出手段(たとえば、役物排出スイッチ29a)と、
前記入賞検出手段からの前記検出信号を入力したか否かを判定する入賞判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、役物入賞スイッチ34aおよび役物入賞スイッチ34bについてS331〜S338の処理を実行する部分)とをさらに備え、
前記可変入賞球装置が前記始動動作状態に制御されていないとき(たとえば、第9の実施の形態において第2エラー検出禁止フラグがセットされていないとき(SA569A)、または第10の実施の形態において第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグが7、8、10、11、14のいずれでもないとき(SA569B))に前記入賞判定手段が前記検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定し、かつ、前記可変入賞球装置が第1状態に変化したときに、前記可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたことが前記排出判定手段により判定されたことを条件に、前記入賞判定手段が前記検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定する異常判定手段(たとえば、第9の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA451A,SA569A,SA570〜SA574の処理を実行する部分。またまたは第10の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA451A,SA569B,SA570〜SA574の処理を実行する部分。なお、「第2エラー検出禁止フラグ」は、始動動作が終了するときに、役物内遊技球個数カウンタが0になった場合にリセットされる(SA449A,SA451A参照))をさらに備えたことを特徴とする。
このような構成によれば、可変入賞球装置が始動動作状態に制御されていないときに入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定し、かつ、可変入賞球装置が第1状態に変化したときに、可変入賞球装置に進入した遊技球が該可変入賞球装置から排出されたと判定されたことを条件に、入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定するので、正規の遊技が実行されているにも関わらず異常入賞と判定されてしまうことを回避でき、異常入賞が生じていることを確実に検出して報知できる効果がある。
このような構成によれば、特定可変入賞球装置が開放状態に制御される特定遊技状態以外の遊技状態において特定入賞判定手段が検出信号を入力したと判定すると、特定可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定するので、特定可変入賞球装置についても、正規の遊技が実行されているにも関わらず異常入賞と判定されてしまうことを回避でき、異常入賞が生じていることを確実に検出して報知できる。
(8) 遊技の進行を制御する遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて、遊技機に設けられている演出装置(たとえば、演出表示装置9、スピーカ27、ランプ・LED)により異常報知を行なう異常報知手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、S906〜S909、S906A〜S909A、S916〜S919の処理を実行する部分)を備え、
前記遊技制御手段は、
前記異常判定手段が前記可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定したときに、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンドを送信する異常報知コマンド送信手段(たとえば、第9の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA580Aの処理を実行する部分)と、
前記異常判定手段が前記特定可変入賞球装置への異常入賞が生じたと判定したときに、異常報知の実行を指示するための特定異常報知コマンドを送信する特定異常報知コマンド送信手段(たとえば、第9の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA600の処理を実行する部分)とを含み、
前記異常報知手段は、前記可変入賞球装置への異常入賞(たとえば、第2異常入賞)と、前記特定可変入賞球装置への異常入賞(たとえば、第1異常入賞)とを区別可能に異常報知を行なう(図116参照)。
このような構成によれば、異常報知手段が、可変入賞球装置への異常入賞と、特定可変入賞球装置への異常入賞とを区別可能に異常報知を行なうように構成されているので、可変入賞球装置に関する異常入賞と特定可変入賞球装置に関する異常入賞とを容易に区別することができる。
(9) 前記事前決定手段は、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記始動動作状態に制御されている前記可変入賞球装置の前記特別領域に遊技球が入賞する確率が前記通常状態よりも向上した高確率状態に制御するかも決定し(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62,S84,S85,S86,S87、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)、
遊技機は、さらに、
前記事前決定手段により前記高確率状態に制御することが決定されているときに、前記始動動作状態に制御されている前記可変入賞球装置の前記特別領域に遊技球が入賞する確率を向上した高確率状態に制御する高確率制御手段(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図48のS158〜S161、図32のS61,S62、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分、図13の第1通常時大当り判定テーブル,第2通常時大当り判定テーブル,第1確変時大当り判定テーブル,第2確変時大当り判定テーブル)と、
前記第2の始動領域に遊技球が入賞しやすい状態(たとえば、開放状態)と該入賞しやすい状態に比べて前記第2の始動領域に遊技球が入賞しにくいまたは入賞しない状態たとえば、閉鎖状態)とに変化可能であり、前記遊技領域に設けられた第3の始動領域(たとえば、ゲート32)を遊技球が通過したことに基づいて前記入賞しやすい状態になる可変始動入賞装置(たとえば、普通可変入賞球装置15、普通電動役物)とを備え、
前記可変始動入賞装置は、前記高確率状態であるときに、前記通常状態に比べて前記第2の始動領域に遊技球が入賞しやすい状態(たとえば、高ベース状態)に制御される(たとえば、図51のS225、図53のS245,S246)ことを特徴とする。
このような構成によれば、高確率状態であるときに、第2の始動領域に遊技球が入賞しやすく第2変動表示手段が変動表示しやすい状態となり、その変動表示により特定表示結果が導出表示された場合に、第1変動表示手段の変動表示により特定表示結果が導出表示された場合に比べて、特別可変入賞装置の第1状態への変化回数が相対的に多い回数となる。その結果、高確率状態であるときに特別可変入賞装置の第1状態への変化回数が少ない回数の特定遊技状態が発生することによる遊技者の落胆を極力防止できる。
(10) 前記特定遊技状態による前記変化回数として予め定められた第1の複数種類の回数(たとえば、ラウンド数)と前記第1変動表示手段での複数種類の第1の表示結果との関係を示す第1のデータ(たとえば、図15,図95,図96の第1大当り図柄テーブル,第1準大当り図柄テーブル)を記憶する第1データ記憶手段(たとえば、ROM54における第1大当り図柄テーブル,第1準大当り図柄テーブルの記憶領域)と、
前記特定遊技状態による前記変化回数として予め定められた第2の複数種類の回数(たとえば、ラウンド数)と前記第2変動表示手段での複数種類の第2の表示結果との関係を示す第2のデータ(たとえば、図15,図95,図96の第2大当り図柄テーブル,第2準大当り図柄テーブル)を記憶する第2データ記憶手段(たとえば、ROM54における第2大当り図柄テーブル,第2準大当り図柄テーブルの記憶領域)とをさらに備え、
前記事前決定手段は、さらに、前記第1変動表示手段での表示結果の導出表示後に発生する前記特定遊技状態について、前記第1データ記憶手段に記憶された第1のデータに基づいて、前記変化回数と、導出表示する前記第1の特定表示結果とを選択決定し(たとえば、第1特別図柄プロセス処理における図32のS83、図33のS83a〜S83e)、前記第2変動表示手段での表示結果の導出表示後に発生する前記特定遊技状態について、前記第2データ記憶手段に記憶された第2のデータに基づいて、前記変化回数と、導出表示する前記第2の特定表示結果とを選択決定する(たとえば、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理における図32のS83、図33のS83a〜S83eの処理に相当する処理を実行する部分)ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1変動表示手段での表示結果に基づく特定遊技状態と、第2変動表示手段での表示結果に基づく特定遊技状態とで、個別に、特別可変入賞装置を所定期間第1状態に変化させる回数が変動表示の表示結果とともに選択決定されるので、遊技のバリエーションを豊富化することができる。
(11) 前記入賞領域に遊技球が入賞したことに応じて遊技球を払い出す制御を実行する入賞時払出制御手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S362A〜S365,S371〜S382の処理を実行する部分)を備え、
前記入賞時技球払出制御手段は、前記異常判定手段が異常入賞が生じたと判定したときには当該入賞に基づく遊技球を払い出す制御の実行を禁止する異常入賞時払出制御禁止手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、図64のS362A,S362B,S363A,S363Bの処理を実行する部分、または、図111のS362A,S362C,S363B,S363Cの処理を実行する部分)を含む。
このような構成によれば、不正行為によって入賞判定手段が検出信号を入力した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
(12) 前記異常判定手段は、遊技進行状態を示すデータ(たとえば、役物制御プロセスフラグ)が所定範囲の数値を示しているときに、入賞判定手段が前記検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定し(たとえば、SA569Bの処理において、第1特別図柄プロセスフラグの値が0〜6,9,11,12,15のいずれか)、
前記遊技状態制御手段は、前記遊技進行状態を示すデータ(たとえば、第1特別図柄プロセスフラグや特別図柄プロセスフラグ)が前記所定範囲の数値以外の数値を示しているときに前記可変入賞球装置を第1状態に制御する(たとえば、図15に示すS305b,S305c,S307,S310,S311の処理を実行する)。
このような構成によれば、遊技進行状態を示すデータが所定範囲の数値を示しているときに、入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定するために、遊技状態に応じて異常入賞であるか否かを適切に判断できる。
(13) 遊技の進行を制御する遊技制御手段が送信するコマンドに基づいて、遊技機に設けられている演出装置(たとえば、演出表示装置9、スピーカ27、ランプ・LED)により異常報知を行なう異常報知手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、S906〜S909、S921〜S924の処理を実行する部分)を備え、
前記入賞検出手段は、遊技球が前記可変入賞球装置に進入したときに検出信号を出力する進入検出手段(役物入賞スイッチ34a,34b)を含み、
前記遊技制御手段は、前記可変入賞球装置が第2状態に変化してから所定時間(たとえば、排出監視タイマに設定される値に相当する時間)が経過しても、前記進入検出手段からの検出信号の数と前記排出検出手段からの検出信号の数とが同じにならないときに排出異常が生じたと判定し、排出異常報知コマンドを送信する排出異常報知コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SA450、SA507の処理を実行する部分)を含み、
前記異常報知手段は、排出異常報知コマンド送信手段が前記排出異常報知コマンドを送信したことに基づいて排出異常の報知を行なう(たとえば、S921〜S924の処理を実行する)。
このような構成によれば、遊技制御手段が、可変入賞球装置が第2状態に変化してから所定時間が経過しても、進入検出手段からの検出信号の数と排出検出手段からの検出信号の数とが同じにならないときに排出異常が生じたと判定し、排出異常報知コマンドを送信する排出異常報知コマンド送信手段を含み、排出異常報知コマンド送信手段が送信した排出異常報知コマンドに基づいて排出異常報知が行なわれるので、可変入賞球装置において遊技球が滞留していることを報知することができる。
このような構成によれば、可変入賞球装置が第2状態に変化してから所定時間が経過しても、進入検出手段からの検出信号の数と排出検出手段からの検出信号の数とが同じにならないときに排出異常が生じたと判定されて、遊技を停止させる制御が行なわれるので、可変入賞球装置において遊技球が滞留している状態で遊技が続行されることが防止される。
(15) 前記始動動作状態に制御された前記可変入賞球装置内に進入した遊技球が前記特別領域に入賞したときに発生する特定遊技状態について前記事前決定手段が決定した前記変化回数を、特定遊技状態発生前に報知する変化回数予告報知手段(たとえば、演出制御用CPUにおいて、S818a〜S818c,S845D,S845Eを実行する部分)をさらに備えた。
このような構成によれば、始動動作状態に制御された可変入賞球装置内に進入した遊技球が特別領域に入賞したときに発生する特定遊技状態について事前決定手段が決定した前記変化回数が、特定遊技状態発生前に遊技者に予告報知されるために、面白味のある遊技を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技領域に設けられた第1の始動領域と、前記遊技領域に設けられた第2の始動領域と、前記第1の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第1の開始条件が成立したときに第1識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第1変動表示手段と、前記第2の始動領域に遊技球が入賞したことに基づいて変動表示の第2の開始条件が成立したときに第2識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第2変動表示手段と、遊技球が入賞可能な第1状態と遊技機が入賞不可能な第2状態のいずれかの状態に制御可能であり、前記第1変動表示手段または前記第2変動表示手段に所定の表示結果が導出表示されたときに第1状態となる始動動作状態に制御される可変入賞球装置とを備え、前記可変入賞球装置には入賞領域が設けられ、前記始動動作状態に制御されている前記可変入賞球装置の前記入賞領域のうち特別領域に遊技球が入賞したときに、前記可変入賞球装置を第1状態に制御する特定遊技状態に移行させる遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図2は、遊技盤6を正面からみた正面図である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と、打球発射装置が遊技球を発射する速さ(すなわち、遊技球を弾くバネの強さ)を調整する打球操作ハンドル(操作ノブ)5とが設けられている。
遊技者は、操作ノブ5を回転させることにより、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することが可能となる。具体的には、操作ノブ5を右に回転させていくことにより、打球発射装置から発射される遊技球の速さが徐々に増していき、所定の速さを超えると、発射された遊技球は打球レールを通って上方より遊技領域7の左側領域に入る。さらに操作ノブ5を右に回転させていくと、発射された遊技球は上方より遊技領域7の右側領域に入る。よって、操作ノブ5を右に回転させた状態で回転量を変化させることで、打球発射装置から発射される遊技球の勢いを調整することができ、遊技球を打ち込む領域を調整することができる。
ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には誘導レールで区画された遊技領域7が形成されている。
遊技領域7のほぼ中央には、可変入賞球装置20が配置されている。始動入賞口13を形成する普通可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口13に入った入賞球は、始動口スイッチ13aによって検出され、遊技盤6の背面に導かれる。普通可変入賞球装置15は、ソレノイド15aによって開状態とされる。遊技球が始動入賞口13に入賞し始動口スイッチ13aによって検出された場合には、可変入賞球装置20が2回開放される。また、このように始動入賞口スイッチ13aの入賞検出に応じて可変入賞球装置20が開放動作を行なう状態を始動動作状態という。以下、可変入賞球装置20を、大入賞口または役物ということがある。また、遊技盤6には種々の役物が設けられているが、以下、役物という場合には、可変入賞球装置20を意味する。
また、可変入賞球装置20は、大当り遊技の開始条件が成立すると、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。
可変入賞球装置20の右下には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8が設けられている。特別図柄表示器8は、たとえば、2つの7セグメント表示器によって構成される。
特別図柄表示器8の下方には、始動入賞口13に遊技球が入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDから成る特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18は、始動記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄始動記憶表示器18は、始動入賞口13に有効始動入賞がある毎に、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。この例では、特別図柄始動記憶表示器18は、特別図柄表示器8で可変表示が開始される毎に、点灯状態をシフトする。
可変入賞球装置20の上方には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
ゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では「○」と「×」)の表示の可変表示(この例では「○」と「×」が交互に点灯する表示)が開始される。この実施の形態では、可変表示の終了時に「○」が点灯していれば当りであり、「×」が点灯していればはずれである。当りの場合には、普通可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、たとえば12/13である。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
可変入賞球装置20の下方には、複数の入賞口(普通入賞口)38,39が設けられ、遊技球の入賞口38,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ38a,39aによって検出される。各入賞口38,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口13も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成し、大入賞口の内部にも入賞領域が設けられている。入賞領域に遊技球が入賞すると、所定個の遊技球が景品(賞球)として遊技者に払い出される。
遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(可変入賞球装置20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置される(図示せず)。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を落下する。打球が始動入賞口13に入り始動口スイッチ13aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示を始めるとともに、演出表示装置9において飾り図柄が可変表示を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄表示器8での特別図柄の可変表示の保留記憶である始動入賞記憶数が上限数でない場合には、始動入賞記憶数を1増やす。すなわち、特別図柄始動記憶表示器18における点灯するLEDを1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄(「00」〜「99」)の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄が大当り図柄(特定表示結果:具体的には、たとえば「33」、「77」などの左右図柄が同一の図柄)であると、始動動作状態または大当り遊技状態に移行する。
次に、可変入賞球装置20について、図3を参照して説明する。可変入賞装置20は、図3に示すように、可変入賞球装置20を遊技盤1の表面に取り付けるための取付基板21を有し、取付基板21には、上部入賞空間22aが形成されている。上部入賞空間22aには、左右一対の開閉片23a,23bが回転可能に設けられている。開閉片23a,23bは、それぞれリンク機構を介してソレノイド24a,24bに連結され、ソレノイド24a,24bがオンしたときに、上部入賞空間22aを開放する方向に回転する。また、ソレノイド24a,24bがオフしたときには、上部入賞空間22aを閉鎖する方向に回転する。なお、図3には、上部入賞空間22aが開放された状態の可変入賞球装置20が表されている。上部入賞空間22aが開放されると遊技球が可変入賞球装置20の内部に進入可能な状態になり、上部入賞空間22aが閉鎖されると遊技球が可変入賞球装置20の内部に進入不能な状態になる。
上部入賞空間22aに進入した遊技球は、左右に設けられている球通路33a,33bのいずれかを通り、球通路33a,33bに設けられている役物入賞スイッチ34aと役物入賞スイッチ34bのいずれかで検出された後、上部入賞空間22aの中央方向に導かれる。
上部入賞空間22aの底壁部分には、上部入賞空間22aに入賞した遊技球を下部入賞空間22bに導く誘導穴が開閉可能に設けられている。誘導穴の開閉は、たとえばソレノイドのオン/オフによって行なわれる。誘導穴から落下した遊技球は、可変入賞球装置20の内部に設けられた球通路(図示せず)を通って下部進入口27a,27bから下部入賞空間22bに送り込まれる。
下部進入口27a,27bから下部入賞空間22bに送り込まれた遊技球は、遊技機1の前方に向かって転動する。転動していく下流端の下部には、特定入賞口(特定領域)30と、非特定口29A,29Bとが設けられている。特定入賞口30に入賞した遊技球は、特定領域スイッチ(V入賞スイッチ)30aで検出された後、役物排出スイッチ29aでも検出される。特定入賞口30に入賞しなかった遊技球は、非特定口29A,29Bの何れかに流入し、役物排出スイッチ29aで検出される。つまり、特定入賞口30または非特定口29A,29Bに流入した遊技球すなわち可変入賞球装置20に入賞した遊技球は、ともに排出通路に導かれ、排出通路に設けられている役物排出スイッチ29aで検出される。なお、遊技球が特定入賞口30に入賞し特定領域スイッチ30aで検出されたことをV入賞ともいう。
V入賞が生ずると、大入賞口となる可変入賞球装置20(役物)が、所定回数すなわち所定ラウンド数、開閉制御される。その状態を大当り遊技状態(特定遊技状態)という。大当り遊技状態では、高い割合で入賞が生じ、多数の遊技球が遊技者に払い出される。
また、この実施の形態では、遊技球が役物入賞スイッチ34a,34bで検出された場合に入賞が生じたとする。すなわち、役物入賞スイッチ34a,34bが設けられている領域が入賞領域に相当する。しかし、可変入賞球装置20の内部において役物入賞スイッチ34a,34bとは別に遊技球を検出するスイッチを設け、遊技球がそのスイッチで検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。たとえば、非特定口29A,29Bに流入した遊技球を検出するスイッチを設け、それらのスイッチまたは特定領域スイッチ30aで遊技球が検出された場合に入賞が生じたとしてもよい。
図4は、入賞ステージ120を拡大して示す斜視図である。図4においては、(a)に入賞ステージ120の構成が示され、(b)に入賞ステージ120で遊技球Pが転動する経路の代表例が示されている。
図4の(a)を参照して、入賞ステージ120は、正面から見て円弧状の形状であり、中央部に第3始動入賞口12が開口形成されている。第3始動入賞口12の下部には、第3始動口スイッチ12aが内蔵されている。入賞ステージ120は、(b)に示すように、正面から見て左右上部から中央部に向けて遊技球Pが転動可能な程度の幅の通路121が設けられている。入賞ステージ120において、第3始動入賞口12の周辺は、通路121が上方に盛上がった形状となっている。このように構成された入賞ステージ120において、遊技球は、入賞ステージ120上に流下したときに、入賞ステージ120上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、または、第3始動入賞口12に入賞せずに下方へ落下する。たとえば、(b)に示すように、通路121上を転動する遊技球Pは、経路r1に示すように通路121を経て第3始動入賞口12に進入して第3始動口スイッチ12aに検出される場合があり、また、経路r2に示すように通路121上からはずれて下方に落下する場合もある。このように、第3始動入賞口12について遊技球が転動可能な入賞ステージ120を設けて遊技球が第3始動入賞口12に入るか否かの挙動を遊技者に見せることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図5は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図6は、遊技機の遊技の進み方の一例を示すタイミング図である。図5および図6に示すように、始動入賞口13に遊技球が入賞して始動口スイッチ13aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。抽選の結果、大当りまたははずれに決定されると、特別図柄および飾り図柄が変動(可変表示)する。変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。大当り遊技状態では、大入賞口が2〜15回(2〜15ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。はずれに決定されている場合には、大当り遊技は実行されない。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数を抽選等によって決定するようにしている。
準大当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において遊技球が役物に入賞し、遊技球が特定入賞口30に入賞して特定領域スイッチ30aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。
この準大当り状態後V入賞により発生する大当り状態と、特別図柄および飾り図柄が変動が終了してすぐに発生する大当り状態には、通常大当り(3〜15ラウンド)、小当り(2ラウンド)、確変大当り(3〜15ラウンド)、突然確変大当り(2ラウンド)の4種類がある。これらについては、後に詳述する。
役物は、始動動作状態および大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行なうとともに、その入賞に基づく賞球払出を行なわないようにする。しかし、当然ながら正規の入賞については、報知を行なわず、かつ、賞球払出を行なう。そこで、遊技制御手段は、正規の入賞が生ずる可能性があるときにはエラー禁止フラグをオン状態にして、異常入賞の報知等を行なわないようにする。エラー禁止フラグに基づく制御については後述する。
図7は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、特定領域スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、役物入賞スイッチ34a,34b、役物排出スイッチ29a、および入賞口スイッチ38a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置15は、ソレノイド15を開閉するためのソレノイド15aおよび開閉片23a,23bを開閉するためのソレノイド24a,24bを遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御、ランプの点灯制御およびスピーカ27の制御を行なう。
図8は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図8に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路77Aが搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図8には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図7に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ(図示せず)に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、背景図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図9は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS(以下、単にSという)1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(S44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(S45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503について、大当り判定用の乱数値となるランダムRの値(たとえば、1から65535までの範囲で更新される)を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するために用いる乱数をいう。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理をいう。また、この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の所定のカウンダのカウント値の初期値を決定するために用いる乱数をいう。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理をいう。
後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図10に示すS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、特定領域スイッチ30a、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ34a,34b、役物排出スイッチ29aおよび入賞口スイッチ38a,38bの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(S23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S25,S26)。
図11は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図10に示された遊技制御処理におけるS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態において、大当り判定用乱数であるランダムRは、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアとしての乱数回路503が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図11に示された乱数(特に、ランダム1,2,3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S27A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S27B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S29)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ34a,34b、および入賞口スイッチ38a,38bの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、役物入賞スイッチ34a,34bおよび入賞口スイッチ38a,38bのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S34)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S34(S30を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図12は、この実施の形態での始動入賞に基づいて特別図柄の変動が行なわれた場合の遊技状態の変化の仕方を説明するための説明図である。始動入賞が生ずると、CPU56は大当りまたは準大当りとするか否かの抽選処理を行なうのであるが、抽選結果が「大当り」を発生させることである場合には、大当り遊技において、大入賞口が2〜15回(Rはラウンドを示す)開閉する。また、抽選結果が「準大当り」を発生させることである場合には、大入賞口が2回開閉される始動動作が実行される。
図13は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、大当りとするか否かの判定、準大当りとするか否かの判定、および、大当りとするときの当りの種類を決定するためにランダムRと比較される当り判定値が設定されているデータテーブルである。大当り判定テーブルのデータは、ROM54に記憶されている。当り判定値には、通常大当り判定値、確変大当り判定値、突然確変大当り判定値、小当り判定値、通常準大当り判定値、確変準大当り判定値、突然確変準大当り判定値、準小当り判定値、および、はずれ判定値が含まれる。この実施の形態の場合、大当り判定テーブルは、大当りとするかどうか、準大当りとするか否か、および、当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り)を決定するために用いられる。大当り判定テーブルには、図13の(a)に示す第1通常時大当り判定テーブル、図13の(b)に示す第1確変時大当り判定テーブル、図13の(c)に示す第2通常時大当り判定テーブル、および、図13の(d)に示す第2確変時大当り判定テーブルが含まれる。
図13の(a)〜(d)のそれぞれにおいては、通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、準通常大当り、確変準大当り、突然確変準大当り、および、準小当りという当りの種類と、はずれとを含む当りはずれ種類と、これら表示結果の種類を選択するランダムRの判定値の数値範囲および判定値の個数との対応関係が示されている。
次に、当りの種類を説明する。本実施の形態では、遊技者にとって有利な特定遊技状態として、大当り遊技状態と小当り遊技状態とが含まれる。小当りは、大当りの一種であるが、本実施の形態の場合は、小当りにより大入賞口を開放する特定遊技状態(以下、小当り遊技状態という)において、3ラウンド以上大入賞口が開放される大当りとは特定遊技状態における大入賞口の開放動作が異なるため、小当りとして区別される。ただし、2ラウンドを上限値として大入賞口が開放される大当りは、特定遊技状態における大入賞口の開放動作が小当り遊技状態と同様であるが、特定遊技状態の終了後に確変状態に制御されるので、特定遊技状態の終了後に確変状態に制御されない小当りと区別して、大当りという名称を用いる。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態(確変状態以外の状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである確率変動大当りの略称である。確率変動大当りには、単に「確変大当り」と呼ぶ3ラウンド以上継続する大当り遊技状態が実行されるものと、「突然確変大当り」と呼ぶ2ラウンドで終了する大当り遊技状態が実行されるものとを含む。本実施の形態では、単に「確変大当り」と呼ぶ場合は、3ラウンド以上継続する大当り遊技状態が実行される確変大当りを意味し、「突然確変大当り」と呼ぶ場合は、2ラウンドで終了する大当りを意味する。なお、これら「確変大当り」と「突然確変大当り」との両方を含む確率変動大当りを示す場合には、前述の「確変大当り」と区別する意味で、「確率変動大当り」と呼ぶ。このような確変大当りおよび通常大当りのそれぞれについては、ラウンド数が、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、たとえば3ラウンド〜15ラウンドのうちで予め定められた複数種類のラウンドから選択されたラウンドとなる。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される小当り遊技状態に制御される当りである。なお、小当り遊技状態が終了した場合は、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、前述したように、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、開放回数が同じである。さらに、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)が同じである。
なお、突然確変大当りと小当りとは、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数(ラウンド数)と、大入賞口の開放時間とのそれぞれが完全に同一でなくてもよく、大入賞口の開放回数と、大入賞口の開放時間とのそれぞれが略同一であればよい。たとえば、大入賞口の開放回数については、たとえば1回程度の差、大入賞口の開放時間については最大5秒程度の差であれば略同一であると言える。また、略同一としては、突然確変大当りと小当りとで、大入賞口の開放回数と、大入賞口の開放時間とのそれぞれの差を遊技者が明らかに感じない程度の差であればよく、前述の数値に限定されるものではない。また、小当りとしては、一定時間(たとえば、1.8秒のような短時間)を大入賞口の開放時間の上限として大入賞口を所定回数開放する特定遊技状態となるものであってもよい。その場合には、一定時間内であれば大入賞口を何度開閉(1回開閉、複数回開閉のどちらでもよい)するものであってもよい。
なお、本実施の形態において、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、ラウンド数が、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)が通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いものを示した。しかし、これに限らず、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りの場合と比べて、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。つまり、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少ないラウンド数、および、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短い各ラウンドの大入賞口開放許容時間の少なくともいずれかの遊技状態であればよい。
次に、準大当り遊技状態とは、前述したように、特別図柄の表示結果のみでは特定遊技状態(大当り状態)にはならず、特別図柄が所定の表示結果になって可変入賞球装置20が始動動作(2回開放)し、その間に可変入賞球装置20に進入した遊技球が特定入賞口30に入賞して初めて特定遊技状態(大当り状態)になる遊技状態のことである。この準大当り遊技状態の後、遊技球の特定入賞口30への入賞で発生する特定遊技状態(大当り状態)も、前述と同様に、通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当りの4種類がある。準大当り遊技状態後特定遊技状態(大当り状態)が発生した場合にどの種類の大当りになるかは、CPU56が事前に決定しており、その内部決定状態を、通常準大当り、準小当り、確変準大当り、突然確変準大当りと呼ぶ。
図13の(a)に示す第1通常時大当り判定テーブルは、通常状態(確変状態でない遊技状態)のときに、第1特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図13の(b)に示す第1確変時大当り判定テーブルは、確変状態のときに、第1特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図13の(c)に示す第2通常時大当り判定テーブルは、通常状態のときに、第2特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図13の(d)に示す第2確変時大当り判定テーブルは、確変状態のときに、第2特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。
図13の(a)〜(d)のそれぞれにおいて、左欄には大当り判定および特別図柄の表示結果の決定を行なうために設定されたランダムRの判定値および判定値の個数が示され、右欄には左欄のランダムRの値に対応して選択される当りはずれ種類(通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当り、通常準大当り、準小当り、確変準大当り、突然確変準大当り、および、はずれという表示結果の種類)が示されている。つまり、所定のタイミングでランダムRの値を抽出し、そのランダムRの数値に応じて、表示結果を、通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当り、および、はずれという当りはずれ種類のうちどの当りはずれ種類にするかを選択することにより、大当りとするか否かの判定と、当りの種類の選択決定とが同時に行なえることとなる。なお、このように、大当りとするか否かの判定と、当りの種類の選択決定とを同時に行なうようにする代わりに、まず、大当りとするか否かの判定をし、大当りとする旨の判定がされたときにのみ、当りの種類の選択決定をするようにしてもよい。
図13の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、第1特別図柄について用いられる(a),(b)のテーブルと、第2特別図柄について用いられる(c),(d)のテーブルとで、確変大当りと突然確変大当りとを合せた高確率状態となる確率変動大当りが選択される確率が同じ確率となるようにデータが設定されている。また、確変準大当りと突然確変準大当りとを合せた高確率状態となる確率変動準大当りが選択される確率が同じ確率となるようにデータが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が60個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が60個である。また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が3100個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が310個である。
また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで確変準大当りおよび突然確変準大当りを選択する判定値の合計個数が17914個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで確変準大当りおよび突然確変準大当りを選択する判定値の合計個数が17914個である。また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで確変準大当りおよび突然確変準大当りを選択する判定値の合計個数が19372個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで確変準大当りおよび突然確変準大当りを選択する判定値の合計個数が19372個である。
図13の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。また、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変準大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。
たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は20個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は30個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は10個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は20個である。
また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで突然確変準大当りを選択する判定値の個数は11577個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで突然確変準大当りを選択する判定値の個数は12017個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで突然確変準大当りを選択する判定値の個数は5577個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで突然確変準大当りを選択する判定値の個数は6119個である。
なお、図13の(a),(b)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りおよび突然確変準大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。しかし、これに限らず、高確率状態としての確変状態と低確率状態としての通常状態とで、突然確変大当りおよび突然確変準大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が同じとなるようにしてもよい。
また、図13(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として小当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。また、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として準小当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。
たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は30個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は40個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は10個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は20個である。また、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで準小当りを選択する判定値の個数は12396個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで準小当りを選択する判定値の個数は14744個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで準小当りを選択する判定値の個数は3560個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで準小当りを選択する判定値の個数は5898個である。
したがって、高確率状態中であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2の始動領域への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、可変入賞球装置20が、ラウンド数が多いものとなりやすいので、より遊技者にとって有利な遊技球の入賞がしやすい状態となる。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を行なうときに、そのときの遊技状態に応じて図13(a)〜(d)のいずれかの大当り判定テーブルを選択する。たとえば、通常状態において第1特別図柄の変動表示を行なうときには、第1通常時大当り判定テーブルを選択する。また、確変状態において第1特別図柄の変動表示を行なうときには、第1確変時大当り判定テーブルを選択する。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示を行なうときには、第2通常時大当り判定テーブルを選択する。また、確変状態において第2特別図柄の変動表示を行なうときには、第2確変時大当り判定テーブルを選択する。そして、CPU56は、選択した大当り判定テーブルを用いて、所定タイミングで乱数回路503から抽出したカウント値であるランダムRの値を各判定値と比較する。ランダムRの値が通常大当り、小当り、確変大当り、および、突然確変大当りのいずれかの判定値と一致するときに、特定遊技状態(大当りまたは小当り)とすることに決定する。また、ランダムRの値が通常準大当り、準小当り、確変準大当り、および、突然確変準大当りのいずれかの判定値と一致するときに、準大当り状態とすることに決定する。そして、CPU56は、ランダムRの値が通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当り、通常準大当り、準小当り、確変準大当り、または、突然確変準大当りの判定値と一致するときには、一致した判定値に対応して当りの種類を選択決定する。
図14は、第1特別図柄の種類と第1特別図柄の当りはずれ種類との関係を示す図である。この実施の形態においては、ランダムRを用いた大当り判定により決定された当りはずれの種類に応じて、第1特別図柄の変動表示結果として停止表示する図柄と、第2特別図柄の変動表示結果として停止表示する図柄とが決定される。第1特別図柄の変動表示結果となる停止図柄は、第1特別図柄テーブルを用いて決定される。第2特別図柄の変動表示結果となる停止図柄は、第2特別図柄テーブルを用いて決定される。第1特別図柄テーブルおよび第2特別図柄テーブルのそれぞれのデータは、ROM54に記憶されている。
図14においては、(a)に第1特別図柄テーブルが示され、(b)に第2特別図柄テーブルが示されている。
第1特別図柄テーブルにおいては、第1特別図柄と当りはずれ種類との関係が次のように定められている。はずれのときには、第1特別図柄の表示結果が「H」,「E」,「F」,「C」,「コ」の5つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(e)に示す第1はずれ図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常大当りおよび確率大当りのそれぞれのときには、第1特別図柄の表示結果が「1」〜「3」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(a)に示す第1大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常準大当りおよび確率準大当りのそれぞれのときには、第1特別図柄の表示結果が「4」〜「6」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(c)に示す第1準大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。突然確変大当りのときには、第1特別図柄の表示結果が「7」の図柄に決定される。小当りのときには、第1特別図柄の表示結果が「8」の図柄に決定される。
第2特別図柄テーブルにおいては、第2特別図柄と当りはずれ種類との関係が次のように定められている。はずれのときには、第2特別図柄の表示結果が「H」,「E」,「F」,「C」,「コ」の5つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(f)に示す第2はずれ図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常大当りおよび確率大当りのそれぞれのときには、第2特別図柄の表示結果が「4」〜「6」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(b)に示す第2大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常準大当りおよび確率準大当りのそれぞれのときには、第2特別図柄の表示結果が「1」〜「3」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、図15(d)に示す第2準大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。突然確変大当りのときには、第2特別図柄の表示結果が「7」の図柄に決定される。小当りのときには、第2特別図柄の表示結果が「8」の図柄に決定される。
図15は、第1,第2の大当り図柄テーブルと第1,第2の準大当り図柄テーブルと第1,第2のはずれ図柄テーブルを示す図である。図15においては、(a)に第1大当り図柄テーブル、(b)に第2大当り図柄テーブル、(c)に第1準大当り図柄テーブル、(d)に第2準大当り図柄テーブル、(e)に第1はずれ図柄テーブル、(f)に第2はずれ図柄テーブルが示されている。これらのテーブルのデータは、ROM54に記憶されている。
(a)および(b)に示すように、第1大当り図柄テーブル、第1準大当り図柄テーブル、および第2大当り図柄テーブル、第2準大当り図柄テーブルのそれぞれにおいては、ランダム2の値と、特別図柄の表示結果となる停止図柄(大当り図柄)と、大当りのラウンド数との対応関係が示されている。CPU56は、抽出したランダムRの値に基づいて通常大当りまたは確変大当り、通常準大当りまたは確変準大当りとすることが決定されたときに、所定のタイミングでランダム2の値を抽出し、そのランダム2の値に応じて、停止表示する大当り図柄の種類、および、大当り遊技状態でのラウンド数の上限値を選択決定する。
(a)の第1大当り図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第1特別図柄を「1」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を3ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第1特別図柄を「2」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を5ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第1特別図柄を「3」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を7ラウンドに決定する。
(b)の第2大当り図柄テーブルでは、次のように第2特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第2特別図柄を「4」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を9ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第2特別図柄を「5」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を11ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第1特別図柄を「6」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を15ラウンドに決定する。本実施の形態の場合は、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
(c)の第1準大当り図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第2特別図柄を「4」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を3ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第2特別図柄を「5」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を5ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第1特別図柄を「6」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を7ラウンドに決定する。本実施の形態の場合は、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
(d)の第2準大当り図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第1特別図柄を「1」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を9ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第1特別図柄を「2」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を11ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第1特別図柄を「3」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を15ラウンドに決定する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、個別に通常大当り、確変大当りおよび通常準大当り、確変準大当りの表示結果とラウンド数とを決定する。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、異なる図柄が通常大当り図柄、確変大当り図柄および通常準大当り図柄、確変準大当り図柄となる。これにより、表示態様がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、通常大当り図柄および確変大当り図柄、通常準大当り図柄および確変準大当り図柄となったときに選択されるラウンド数が異なるので、遊技内容が多様化し、遊技の興趣が向上する。
(e)および(f)に示すように、第1はずれ図柄テーブルおよび第2はずれ図柄テーブルのそれぞれにおいては、ランダム1の値と、特別図柄の表示結果となる停止図柄(はずれ図柄)との対応関係が示されている。CPU56は、抽出したランダムRの値に基づいてはずれとすることが決定されたときに、所定のタイミングでランダム2の値を抽出し、そのランダム2の値に応じて、停止表示する大当り図柄の種類、および、大当り遊技状態でのラウンド数の上限値を選択決定する。
(e)の第1はずれ図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄を選択決定する。ランダム1の値が0,1のいずれかのときには、第1特別図柄を「H」の図柄に決定する。ランダム1の値が2,3のいずれかのときには、第1特別図柄を「E」の図柄に決定する。ランダム1の値が4,5のいずれかのときには、第1特別図柄を「F」の図柄に決定する。ランダム1の値が6,7のいずれかのときには、第1特別図柄を「C」の図柄に決定する。ランダム1の値が8,9のいずれかのときには、第1特別図柄を「コ」の図柄に決定する。
(d)の第2はずれ図柄テーブルでは、次のように第2特別図柄を選択決定する。ランダム1の値が0,1のいずれかのときには、第2特別図柄を「H」の図柄に決定する。ランダム1の値が2,3のいずれかのときには、第2特別図柄を「E」の図柄に決定する。ランダム1の値が4,5のいずれかのときには、第2特別図柄を「F」の図柄に決定する。ランダム1の値が6,7のいずれかのときには、第2特別図柄を「C」の図柄に決定する。ランダム1の値が8,9のいずれかのときには、第2特別図柄を「コ」の図柄に決定する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、個別にはずれ図柄を決定する。これにより、表示態様がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
図16は、準大当りに基づいて可変入賞球装置20(役物)が開放状態に制御された場合の状態変化を示す説明図である。準大当りが発生すると役物が開放するのであるが、役物内に設けられている特定入賞口30に遊技球が入賞すると、さらに役物が2〜15回開放する大当り遊技が実行される。つまり、始動動作においてV入賞が生ずると、大入賞口が2〜15回(Rはラウンドを示す)開閉する大当り遊技に移行する。
図17は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間の情報を含む)の一例を示す説明図である。図17において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行なわれる期間)で演出表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、演出表示装置9における背景図柄が異なることをいう。たとえば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図17に示すように、変動パターンとしては、通常大当りまたは通常準大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りまたは確変準大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにもまた通常準大当りのときにも確変準大当りのときにも選択されうる変動パターンとがある。また、突然確変大当りまたは突然確変準大当りまたは小当りまたは準小当りの場合に選択される「リーチA・突確」の変動パターンがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。このような時短状態で選択されるような、変動表示時間が通常の変動パターン(通常変動、リーチA、リーチB、および、リーチCの変動パターン)よりも短縮された変動パターンは、短縮変動パターンと呼ばれる。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、10回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、変動表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の変動表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、10回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、10回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
また、この実施の形態では、確変状態でなく、かつ、時短状態でない通常状態において、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値(後述する合算保留記憶数)が所定個数(たとえば3個)以上となったときには、前述した「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」のような時短状態で選択される変動パターンと同様の変動表示時間が短い短縮変動の変動パターンが選択される。このように第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値が所定個数以上となったときに短縮変動の変動パターンを選択する制御は、保留記憶変動短縮制御と呼ばれる。
次に、図17に示した変動パターンを選択するために用いられる変動パターンテーブルを説明する。変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターンを決定するためにランダム3の値と変動パターンとの対応関係が示されているデータテーブルである。変動パターンテーブルのデータは、ROM54に記憶されている。変動パターンテーブルには、はずれ変動パターンテーブル、通常大当り変動パターンテーブル、確変大当り変動パターンテーブル、および、突然確変大当り変動パターンテーブルというような複数種類のテーブルが含まれている。そして、これらの変動パターンテーブルには、さらに複数種類のテーブルが含まれている。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、所定のタイミングでランダム3の値を抽出し、実行する変動表示について、ランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて(後述するように必要なときには変動表示が第1〜第3始動入賞のうちのどの始動入賞に基づくかという情報も加えて判断する)、変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、ランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図18は、はずれ変動パターンテーブルを示す説明図である。はずれ変動パターンテーブルとは、変動表示の結果がはずれ表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。はずれ変動パターンテーブルには、(a)に示すはずれ変動パターンテーブルA、(b)に示すはずれ変動パターンテーブルB、(c)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルA、および、(d)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルBが含まれる。
図18の(a)〜(d)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、所定のタイミングでランダム3の値を抽出し、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報と、変動表示が第1〜第3始動入賞のうちのどの始動入賞に基づくかという情報とに基づいて、図18の(a)〜(d)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、ランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図18の(a)に示すはずれ変動パターンテーブルAは、前述の第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。図18の(b)に示すはずれ変動パターンテーブルBは、前述の第3始動入賞に基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。
図18の(c)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルAは、前述の第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。図18の(d)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルBは、前述の第3始動入賞に基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)のはずれ変動パターンテーブルAでは、ランダム3の値が0〜119のいずれかのときに「通常変動」を選択し、ランダム3の値が120〜149のいずれかのときに「ノーマルリーチ」を選択する。(b)のはずれ変動パターンテーブルBでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「ノーマルリーチ」を選択する。(c)のはずれ短縮変動パターンテーブルAでは、ランダム3の値が0〜119のいずれかのときに「通常変動・短縮」を選択し、ランダム3の値が120〜149のいずれかのときに「ノーマルリーチ」を選択する。(d)のはずれ短縮変動パターンテーブルBでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「ノーマルリーチ」を選択する。
このように、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンが選択されるときと、リーチとならない変動パターンが選択されるときとがあるが、第3始動入賞に基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンのみが選択される。
図19は、通常大当り/準大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。通常大当り/準大当り変動パターンテーブルとは、変動表示の結果が通常大当りまたは通常準大当りの表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。通常大当り/準大当り変動パターンテーブルには、(a)に示す通常大当り/準大当り変動パターンテーブルと、(b)に示す通常大当り/準大当り短縮変動パターンテーブルとが含まれる。
図19の(a),(b)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて、図19の(a)〜(d)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図19の(a)に示す通常大当り/準大当り変動パターンテーブルは、前述の第1始動入賞〜第3始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が通常大当りまたは通常準大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。図19の(b)に示す通常大当り/準大当り時短変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第3始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が通常大当りまたは通常準大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)の通常大当り/準大当り変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜59のいずれかのときに「リーチA」を選択する。ランダム3の値が60〜69のいずれかのときに「リーチA・延長」を選択する。ランダム3の値が70〜109のいずれかのときに「リーチB」を選択する。ランダム3の値が110〜139のいずれかのときに「リーチC」を選択する。ランダム3の値が140〜149のいずれかのときに「スーパーリーチA」を選択する。(b)の通常大当り短縮変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜59のいずれかのときに「リーチA・短縮」を選択する。ランダム3の値が60〜109のいずれかのときに「リーチB・短縮」を選択する。ランダム3の値が110〜149のいずれかのときに「リーチC・短縮」を選択する。
図20は、確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。確変大当り/準大当り変動パターンテーブルとは、変動表示の結果が確変大当りまたは確変準大当りの表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。確変大当り/準大当り変動パターンテーブルには、(a)に示す確変大当り/準大当り変動パターンテーブルと、(b)に示す確変大当り/準大当り短縮変動パターンテーブルとが含まれる。
図20の(a),(b)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて、図20の(a)〜(d)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図20の(a)に示す確変大当り/準大当り変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第3始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が確変大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。図20の(b)に示す確変大当り/準大当り時短変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第3始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が確変大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)の確変大当り/準大当り変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜39のいずれかのときに「リーチC」を選択する。ランダム3の値が40〜89のいずれかのときに「スーパーリーチA」を選択する。ランダム3の値が90〜149のいずれかのときに「スーパーリーチB」を選択する。(b)の確変大当り/準大当り短縮変動パターンテーブルでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「リーチC・短縮」を選択する。
図21は、突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第3始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、変動表示の結果が突然確変大当りまたは突然確変準大当りの表示結果となるときに変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。また、突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルは、変動表示の結果が小当りまたは準小当りの表示結果となるときに変動パターンを選択するときにも用いられるデータテーブルである。
図21においては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、この突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「リーチA・突確」を選択する。
前述したように、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンが選択されるときと、リーチとならない変動パターンが選択されるときとがあるが、第3始動入賞に基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンのみが選択される。また、大当りとなるときには、第1〜第3のどの始動入賞による変動表示であっても、リーチとなる変動パターンのみが選択される。したがって、第3始動入賞に基づいて行なわれる変動表示については、必ず、すべての場合においてリーチとなる変動パターンで変動表示が行なわれるので、第3始動入賞に基づいて変動表示が行なわれるときには、大当りに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りと、小当りとで、変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルとして、同じテーブルを用いる例を示した。しかし、これに限らず、突然確変大当りと、小当りとで、変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルを個別に設けてもよい。その場合には、選択可能な変動パターンを複数設け、それぞれの変動パターンを選択する割合が、突然確変大当りの変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルと、小当りの変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルとで、微妙に異なるようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図22は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図23に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図23に示された極性と逆極性であってもよい。
図24は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図24に示す例において、コマンド8001(H)〜800E(H)は、特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において変動表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800E(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C09(H)は、大当りまたは準大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C09(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C09(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。コマンドC20(H)は、第3動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第3動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド、および、第3始動入賞指定コマンドを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC3XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC3XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC400(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、これに限らず、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、可変入賞球装置20に入賞した遊技球が所定時間内に排出されない排出異常の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図24に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図24に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1変動表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の変動表示と第2変動表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、第1変動表示部と第2変動表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図25は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。
図25(a)には、始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞、または第3始動入賞)が生じたときの演出制御コマンドの送信タイミング例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド、第3始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。
図25(b)には、変動表示が行なわれるときの演出制御コマンドの送信タイミング例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の開始直前(2msec前)に大当りラウンド数指定コマンドを送信する。この大当りラウンド数指定コマンドは、大当りが発生したときの可変入賞球装置20のラウンド継続の上限回数を指定するものである。この大当りラウンド数指定コマンドに従って、後述する大当りラウンド数の予告報知が行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示を開始するときに、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンド、および、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(たとえば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(S27A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
第1特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S321,S322)。そして、第2特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、小当り遊技中でないこと、および役物開放中でないことを条件に(S323)、S300〜S312のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第2特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、小当り遊技中でないことおよび役物開放中でないことは、たとえば、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定される。
S300〜S312の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数(第1始動入賞記憶数)を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。第1保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に対応した値(この例では1)に更新する。
第1変動パターン設定処理(S301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果特定コマンド送信処理(S302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(S303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(S304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、第1特別図柄表示器8aにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。また、第1特別図柄の停止図柄を停止表示させる時間(図柄停止時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(S305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄変動中処理でセットされた図柄停止時間が経過すると、フラグのセット状況の確認処理を実行する。大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305aに対応した値(この例では6)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では12)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
役物開放前処理(S305a):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動動作を行なわせるための処理を実行して、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を、役物開放中処理(S305b)に応じた値(この例では7)に更新する。
役物開放中処理(S305b):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。特定領域スイッチ30aがオンしたか否か確認するとともに、役物開放時間が経過したか否か確認する。特定領域スイッチ30aがオンした場合には、V入賞フラグをセットする。役物開放時間が経過した場合には、役物を閉鎖状態にし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物閉鎖後処理(S305c)に対応した値(この例では7)に更新する。
役物閉鎖後処理(S305c):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。役物開放回数カウンタの値を−1し、役物開放回数カウンタの値が0でなければ、再び始動動作を行なわせるために役物を開放状態にし、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を役物開放中処理(S305b)に対応した値(この例では7)に更新する。役物開放回数カウンタの値が0であれば、V入賞フラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第1大入賞口開放前処理(SA306)に対応した値(この例では9)に更新する。V入賞フラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)を第1特別図柄通常処理(SA300)に対応した値(この例では0)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(S306):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では10)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(S307):第1特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では9)に更新する。また、すべてのラウンド(突然確変大当りおよび小当りの場合には2R、通常大当りおよび確変大当りの場合には後述の図33のS83bで決定されたラウンド数)を終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では11)に更新する。その結果、すべてのラウンドが終了した場合には、大当りが終了する。
第1大入賞口閉鎖後処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。大入賞口から全ての遊技球が排出されたことを確認する処理等を行なう。全ての遊技球が排出され、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)を第1大入賞口開放前処理(S306)に対応した値(この例では9)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態を第1大当り終了処理(S309)に対応した値(この例では12)に更新する。
第1大当り終了処理(S309):第1特別図柄プロセスフラグの値が12であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1小当り開放前処理(S310):第1特別図柄プロセスフラグの値が12であるときに実行される。第1小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS311に対応した値(この例では14)に更新する。なお、第1小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第1小当り開放中処理(S311):第1特別図柄プロセスフラグの値が14であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では13)に更新する。また、すべてのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS312に対応した値(この例では15(10進数))に更新する。
第1小当り終了処理(S312):第1特別図柄プロセスフラグの値が15であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する第2特別図柄プロセス処理(S27B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器9aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞が発生しているか、または、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したことを検出するための第3始動口スイッチ12aがオンして第3始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S521,S522)。そして、第1特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、小当り遊技中でないこと、および役物開放中でないことを条件に(S523)、S500〜S512のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第1特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、および小当り遊技中でないことは、たとえば、第1特別図柄プロセスフラグの値によって判定される。
第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(S500)〜第2小当り終了処理(S512)の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)〜第1小当り終了処理(S312)の処理内容と同様である。すなわち、前述した第1特別図柄通常処理(S500)〜第1小当り終了処理(S512)の処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
図28は、S322の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S411)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S412)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S413)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(S414)。
図30は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図30には、合算保留記憶数カウンタの値が3であるときから、第1始動入賞、第2始動入賞および第3始動入賞の順に始動入賞が発生して合算保留記憶数カウンタの値が4,5,6と増加したときの保留特定領域の状態が例示されている。
図30において、(a)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。このような保留特定領域においては、前述のS414により、図30の(b)に示すように、「第1始動入賞」であることを示すデータ(図中「第1」)が、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)にしたがって、その順番を特定可能に、記憶されている。また、保留特定領域においては、後述するS425により、図30の(c)に示すように、「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)が、始動入賞が生じた順番にしたがって、その順番を特定可能に記憶される。
また、保留特定領域においては、後述するS428,S429,S432により、図30の(d)に示すように、「第3始動入賞」であることを示すデータ(図中「第3」)が、始動入賞が生じた順番とは関係なく優先されて割込む態様で、次に変動表示に用いられる始動入賞のデータを記憶する領域(第1始動入賞および第2始動入賞の観点からは、最も過去に発生した始動入賞のデータを記憶する領域に該当する)に記憶される。ただし、第3始動入賞が生じた時点で第3始動入賞であることを示すデータがすでに保留特定領域に記憶されているときには、複数の第3始動入賞間で始動入賞が生じた順番にしたがって、記憶される。つまり、第3始動入賞が生じたときには、第3始動入賞のデータは、第1始動入賞のデータおよび第2始動入賞のデータに対して優先的に変動表示に用いられるが、同じ第3始動入賞のデータ間では、始動入賞が生じた順番にしたがってデータが変動表示に用いられる。
保留特定領域のデータは、最も過去に発生した始動入賞のデータを記憶する領域から古い順にデータが読出されて第1始動入賞、第2始動入賞、第3始動入賞のどれであるかが確認される(後述する図31のS52参照)。そして、確認された最も古いデータは削除され、残りのデータは、1つずつ領域がシフトされる(図30に示された例では、左にシフトされる)。S52,S54の処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞との中では、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始され、第1始動入賞〜第3始動入賞との中では、第3始動入賞を優先して特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、原則的には始動入賞順に特別図柄の変動が開始され、例外的に、第3始動入賞を優先して特別図柄の変動が開始されることになる。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S415)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、S415では、ランダム1〜3(図11参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。
そして、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S416)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S417)、処理を終了する。
図29は、S522の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S421)。第2保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第2保留記憶数が4になっていない場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S422)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S423)。そして、第2始動口スイッチ14aがオンしているか否かを判断する(S424)。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていないと判断したときは、消去法的に、第3始動口スイッチ14aがオンしていると判断されるので、後述するS427に進む。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断したときは、保留特定領域において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第2始動入賞」であることを示すデータをセットする(S425)。たとえば、図30の(c)に示すように、「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)が、始動入賞が生じた順番にしたがって、その順番を特定可能に記憶される。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第2保留記憶数カウンタの値に対応する第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S426)。第2保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第2保留記憶数の上限値と同数確保されている。S426では、ランダム1〜3(図11参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。
そして、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S434)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S435)、処理を終了する。
前述したS424により第2始動口スイッチ14aがオンしていないと判断してS427に進んだときは、第3始動入賞が生じた場合であり、以下に示すように、「第3始動入賞」を示すデータを保留特定領域にセットするための処理を行なう。S427では、保留特定領域において、「第1始動入賞」を示すデータまたは「第2始動入賞」を示すデータがあるか否かを判断する(S427)。このようなデータがないと判断したときは、後述するS432に進む。一方、このようなデータがあると判断したときは、保留特定領域において、「第1始動入賞」を示すデータと、「第2始動入賞」を示すデータとを対象として、各データを、始動入賞が生じた順番の新しい方の領域へ1つずつシフトさせる(S428、図30に示された例では、右にシフトさせる)。
このようなデータのシフトが行なわれることにより、保留特定領域において、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータがセットされていた領域における最も古いデータがセットされていた領域が空領域となる。また、このようなデータのシフト後のデータを用いて説明すると、その空領域は、保留特定領域において、シフト後の「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータがセットされている領域における最も古いデータがセットされている領域の1つ前の順番の領域が空領域となる。たとえば、保留特定領域において、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータのみが記憶されているときには、保留特定領域において、最も古いデータがセットされる領域が空き領域となる。一方、保留特定領域において、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」を示すデータに加えて「第3始動入賞」を示すデータが記憶されているときには、保留特定領域において、先に「第3始動入賞」を示すデータがセットされている領域の次に古いデータがセットされる領域が空き領域となる。このようにデータのシフトにより生じた空領域に、今回生じた「第3始動入賞」を示すデータをセットする(S429)。つまり、「第1始動入賞」および「第2始動入賞」と「第3始動入賞」とでは、「第3始動入賞」が優先される態様で保留特定領域に「第3始動入賞」を示すデータがセットされ、「第3始動入賞」同士では、先に生じた方の「第3始動入賞」が優先されて保留特定領域に「第3始動入賞」を示すデータがセットされることとなる。
そして、このような保留特定領域でのデータにシフトに対応して、第2保留記憶数のそれぞれに応じた第2保留記憶バッファにおける各保存領域に格納されていたデータ(ソフトウェア乱数およびランダムRのデータ)を、第2保留記憶数のそれぞれに応じた各保存領域にシフトして保存させる(S430)。このようなデータのシフトが行なわれることにより、保存領域において、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」に対応するデータがセットされていた領域における最も古いデータがセットされていた領域が空領域となる。また、このようなデータのシフト後のデータを用いて説明すると、その空領域は、保存領域において、シフト後の「第1始動入賞」または「第2始動入賞」に対応するデータがセットされている領域における最も古いデータがセットされている領域の1つ前の順番の領域が空領域となる。そして、新たな「第3始動入賞」に応じて、ソフトウェア乱数およびランダムRを抽出し、それらを、このようにデータのシフトにより生じた空領域に保存する処理を実行する(S431)。
このような保留特定領域でのデータのシフトおよび保存領域でのデータのシフトを行なうことにより、「第1始動入賞」または「第2始動入賞」の保留記憶のデータが存在する場合において、「第3始動入賞」が発生したときには、図30の(d)に示すように、「第3始動入賞」であることを示すデータ(図中「第3」)が、始動入賞が生じた順番とは関係なく「第1始動入賞」または「第2始動入賞」よりも優先されて割込む態様で、最も過去に発生した始動入賞のデータを記憶していた保留特定領域に記憶され、それに対応して、ソフトウェア乱数およびランダムRの抽出されたデータが、保存領域においても同様に、始動入賞が生じた順番とは関係なく優先されて割込む態様で、最も過去に発生した始動入賞のデータを記憶していた保存領域に記憶される。また、「第3始動入賞」同士の優先順位としては、始動入賞が生じた順番で、データが保留特定領域に記憶されることとなる。
そして、第3始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S433A)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S435)、処理を終了する。
また、前述のS427により保留特定領域において、「第1始動入賞」を示すデータまたは「第2始動入賞」を示すデータがないと判断してS432に進んだときは、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第3始動入賞」であることを示すデータをセットする(S432)。そして、ソフトウェア乱数およびランダムRを抽出し、それらを、抽出した乱数値として第2保留記憶数カウンタの値に対応する第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S433)。これにより、保留特定領域において、「第1始動入賞」を示すデータまたは「第2始動入賞」を示すデータがない場合には、始動入賞が生じた順番で「第3始動入賞」であることを示すデータが記憶される。
そして、第3始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S433A)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S435)、処理を終了する。
なお、この実施の形態では、「第3始動入賞」同士の優先順位としては、始動入賞が生じた順番で優先して、変動表示が行なわれる例(先に始動入賞が生じた保留記憶の方を先に変動表示に用いるファーストインファーストアウト方式)を示した。しかし、これに限らず、「第3始動入賞」同士の優先順位としては、始動入賞が生じた順番と逆の順番で優先して変動表示が行なわれる(後に始動入賞が生じた保留記憶の方を先に変動表示に用いるラストインファーストアウト方式)ようにしてもよい。
また、第1始動入賞口13への第1始動入賞と、第2始動入賞口14への第2始動入賞との間では、第2始動入賞のデータの方を第1始動入賞のデータよりも優先的に変動表示に用いるようにしてもよい。具体的には、S427〜s431に示したような第3始動入賞を第1始動入賞および第2始動入賞よも優先する処理と同様の処理手順で、第2始動入賞を第1始動入賞よも優先する処理を設ければよい。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)の一部と第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(S500)の一部とを示すフローチャートである。図32は、図31に示す第1特別図柄通常処理に続いて実行される第1特別図柄通常処理の部分を示すフローチャートである。
図31においては、(a)に第1特別図柄通常処理の一部を示し、(b)に(a)の部分に対応する第2特別図柄通常処理の一部を示す。また、図31の(a)に示す第1特別図柄通常処理の続きを図32に示すが、図31の(b)に示す第2特別図柄通常処理の続きは、処理内容が図32に示す第1特別図柄通常処理と類似するので、図示を省略し、図31の処理に続く処理の代表例として、図32に第1特別図柄通常処理に続く処理を示す。
図31の(a)の第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば処理を終了する。一方、第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図30参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1始動入賞」であるか否か確認する(S52)。「第1始動入賞」であれば、S53以降の処理を行なう。
S53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図30に示された例では、左にシフトする(S54)。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56)、後述する図32のS61に進む。
このように、第1特別図柄の変動表示は、保留特定領域における1番目のデータが「第1始動入賞」のデータとなるごとに実行される。
図31の(b)の第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(S51a)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば処理を終了する。一方、第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図30参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2始動入賞」または「第3始動入賞」に該当するか否か確認する(S52a)。「第2始動入賞」または「第3始動入賞」でなければ処理を終了する。「第2始動入賞」または「第3始動入賞」であれば、保留特定領域(図30参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2始動入賞」に該当するか否か確認する(S52b)。「第2始動入賞」に該当するときには、変動表示が第2始動入賞の保留記憶に基づいて行なわれる旨を示す第2始動フラグをセットし(S52c)し、S53aに進む。一方、「第2始動入賞」に該当しないときには、変動表示が第3始動入賞の保留記憶に基づいて行なわれる旨を示す第3始動フラグをセットし(S52d)し、S53aに進む。
S53aでは、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図30に示された例では、左にシフトする(S54a)。
次いで、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55a)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56a)、第2特別図柄通常処理において後述する図32のS61に対応するステップに進む。
このように、第2特別図柄の変動表示は、保留特定領域における1番目のデータが「第2始動入賞」または「第3始動入賞」のデータとなるごとに実行される。
(a)のS52,S54、および、(b)のS52a,S54aの処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞とについては、これらの中で、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動が開始される。また、第3始動入賞については、始動入賞が発生すると、第1始動入賞および第2始動入賞よりも変動表示を実行する優先順位が高いので、始動入賞順に関係なく第1始動入賞および第2始動入賞よりも優先的に特別図柄変動の変動が開始されることになる。
なお、この実施の形態では、S52,S52aの判断処理を行なうことによって、第1始動入賞および第2始動入賞については、始動入賞が生じた順に特別図柄の変動表示が開始されるが、第1始動入賞および第2始動入賞のうち一方の始動入賞を優先して変動表示を開始するようにしてもよい。たとえば、S52,S52aの判断処理をなくすと、第2特別図柄通常処理を含む第2特別図柄プロセス処理よりも先に第1特別図柄通常処理を含む第1特別図柄プロセス処理が実行されるので(図10参照)、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない場合に、第1保留記憶数が0になるまで、第1保留記憶数に基づく第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。
S61では、CPU56が、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出す(S61)。そして、CPU56は、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている判定値(図13参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。具体的に、S62では、通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、通常準大当り、確変準大当り、突然確変準大当り、準小当り、および、はずれのうちどの当りはずれの種類にするかを決定する。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図13(b)に示すような判定値が設定されている第1確変時当りテーブルにおける判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図13(a)に示すような判定値が設定されている第1通常時当り判定テーブルにおける判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、準大当りであるか否かを判定する(S63a)。準大当りであると判定した場合には、準大当りフラグをセットし(S63b)、S82へ移行する。準大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数(ランダム1)を読出す(S64)。そして、図15の(c)の第1はずれ図柄テーブルを用い、はずれ図柄決定用乱数に基づいて停止図柄を決定する(S65)。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(S66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、変動表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(S68,S69)。
また、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを判定する(S69a)。確変フラグは、確変大当りが発生してその大当り状態が終了した段階でS161でセットされるフラグであり、大当り状態および準大当り状態の発生確率が向上した確変状態になっていることを示すためのフラグである。この確変フラグがセットされていない場合にはS89aに移行するが、確変フラグがセットされている場合にはCPU56は、確変回数カウンタを「1」減算更新する(S69b)。この確変回数カウンタとは、確変状態中において特別図柄が何回変動したかをダウンカウントするものであり、確変フラグがセットされた段階で後述するS161aにより「10」にセットされるものである。
次にCPU56は、確変回数カウントが「0」になったか否かを判定する(S69c)。未だ「0」になっていない場合にはS89aへ移行するが、確変状態中において特別図柄が10回変動してS69bの処理を10回実行した段階で、確変回数カウンタが「0」になるために、その段階で、CPU56は、確変終了フラグをセットする(S69d)。この確変終了フラグは、確変状態を終了させることを示すフラグであり、可変入賞球装置20が始動動作を終了した段階でこの確変終了フラグがセットされていれば確変フラグをリセットする処理が行なわれる(図43のSA453a〜SA453c参照)。その後、制御がS89aへ移行する。
S81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数(ランダム2)を読出す(S82)。そして、大当り図柄決定用乱数等に基づいて、停止図柄としての大当り図柄およびラウンド数を決定する停止図柄・ラウンド数決定処理が実行される(S83)。具体的には、図33で後述する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(S84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(S86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(S88,S89)。
次に、CPU56は、準大当りフラグがセットされているか否か判定する(S89a)。準大当りフラグがセットされている場合には、S66へ移行する。準大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、準大当り状態を発生させる場合にも(S63aでYESの場合にも)、S82以降に移行し、必要に応じて確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグ、小当りフラグがセットされるが、始動動作後実際には大当りが発生しなかった場合に、その段階でこれらフラグはリセットされる(図43のSA461参照)。
また、この実施の形態では、大当り判定用乱数に基づいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図13参照)、大当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図33は、図32のS83に示した停止図柄・ラウンド数決定処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。まず、CPU56は、図32のS62、S63で判定された大当りが、通常大当りであるかまたは確変大当りであるかの判別を行なう(S83a)。図32のS62では、大当りにする場合には、通常大当りにするか、確変大当りにするか、突然確変大当りにするか、あるいは小当りにするかが判定される。その判定結果が、通常大当りあるいは確変大当りであった場合には、S83aによりYESの判断がなされ、CPU56は、S83bで、大当り図柄決定用乱数(ランダム2カウンタの値)に基づいて第1大当り図柄テーブル(図15(a)参照)を参照し、第1特別図柄と大当りラウント数とを決定する。
たとえば、大当り図柄決定用乱数が「4」であった場合には、第1特別図柄として「2」、大当りラウンド数として「5R」が決定される。また、大当り図柄決定用乱数がたとえば「6」であった場合には、第1大当り図柄として「3」、大当りラウンド数として「7R」が決定される。
その後、CPU56は、決定した大当りラウンド数をラウンド数カウンタにセットし(S83g)、かつ、大当りラウンド数を指定する大当りラウンド数指定コマンドを演出制御基板80へ送信する(S83h)。
一方、通常大当りでなくかつ確変大当りでもなかった場合には、S83aによりNOの判断がなされ、CPU56は、図32のS62、S63で判定された大当りが、通常準大当りであるかまたは確変準大当りであるかの判別を行なう(S83c)。通常準大当りでなくかつ確変準大当りでもない場合(はずれの場合)には、CPU56は、S83eで、第1特別図柄テーブル(図14(a)参照)により、第1特別図柄を決定する。具体的には、突然確変大当りの場合には「7」が第1特別図柄として決定され、小当りの場合には「8」が第1特別図柄として決定される。なお、突然確変大当りと小当りとの場合には、大当りラウンド数は一律「2R」と定められているために、乱数を用いたランダムな決定を行なう必要がない。その後CPU56は、そのラウンド数「2」をラウンド数カウンタにセットする(S83f)。このラウンド数カウンタは、大当り時の可変入賞球装置20の開放回数を制御するためのカウンタである(図47のSA512参照)。
通常準大当りまたは確変準大当りである場合には、S83cでYESの判断がなされ、CPU56は、大当り図柄決定用乱数(ランダム2カウンタの値)に基づいて第1準大当り図柄テーブル(図15(c)参照)を参照し、第1特別図柄と大当りラウント数とを決定する。
図34は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数であるランダム3の値を読出す(S450)。そして、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判断する(S451)。
時短フラグがセットされていると判断したときは、短縮変動パターンを選択するために、後述するS460に進む。一方、時短フラグがセットされていないと判断したときは、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S452)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、短縮変動パターンを選択するために、後述するS460に進む。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上ではないと判断したときは、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S453)。
S453により確変大当りフラグがセットされていると判断したときは、図20の(a)の確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンをランダムに選択決定し(S454)、S467に進む。一方、S453により確変大当りフラグがセットされていないと判断したときは、突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S455)。
S455により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていると判断したときは、図21の突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定(本実施の形態の場合は選択可能な変動パターンは1つであり、変動パターンが固定的に選択決定されるが、これに限らず、選択可能な変動パターンを複数とし、ランダムに選択されるようにしてもよい)し(S456)、S467に進む。前述したように、突然確変大当りと小当りとでは、同じ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。一方、S455により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていないと判断したときは、大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S457)。
S457により大当りフラグがセットされていると判断したときは、消去法的に、通常大当りとすることが決定されていると判断される場合である。S457により大当りフラグがセットされていると判断したときは、図19(a)の通常大当り/準大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S458)、S467に進む。一方、S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、消去法的に、はずれとすることが決定されていると判断される場合である。S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、図18(a)のはずれ変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S459)、S467に進む。
また、前述のS451により時短フラグがセットされていると判断したとき、および、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、短縮変動パターンを選択するときであり、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S460)。
S460により確変大当りフラグがセットされていると判断したときは、図20の(b)の確変大当り/準大当り短縮変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンをランダムに選択決定し(S461)、S467に進む。一方、S460により確変大当りフラグがセットされていないと判断したときは、突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S462)。
S462により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていると判断したときは、図21の突然確変大当り/準大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定(本実施の形態の場合は選択可能な変動パターンは1つであり、変動パターンが固定的に選択決定されるが、これに限らず、選択可能な変動パターンを複数とし、ランダムに選択されるようにしてもよい)し(S463)、S467に進む。前述したように、突然確変大当りと小当りとでは、同じ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。一方、S462により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていないと判断したときは、大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S464)。
S464により大当りフラグがセットされていると判断したときは、消去法的に、通常大当りとすることが決定されていると判断される場合である。S464により大当りフラグがセットされていると判断したときは、図19(b)の通常大当り/準大当り変短縮動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S465)、S467に進む。一方、S464により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、消去法的に、はずれとすることが決定されていると判断される場合である。S464により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、図18(b)のはずれ短縮変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S466)、S467に進む。
S467では、CPU56は、S454,S456,S458,S459,S461,S463,S465,またはS466で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図24参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S467)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
また、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう(S468)。そして、第1特別図柄の変動を開始する(S469)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図17参照)に応じた値を設定する(S470)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果特定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新し(S471)、処理を終了する。
図35は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理(S501)を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理の処理内容は、一部を除き、前述の第1変動パターン設定処理と同様である。したがって、ここでは、重複した説明を避け、第2変動パターン設定処理が第1変動パターン設定処理と異なる点を説明する。
第2変動パターン設定処理の処理内容が第1変動パターン設定処理と異なるのは、S456a〜S456cが設けられていること、S466a〜S466cが設けられていること、S466dが設けられていること、および、S468〜S471の代わりに、S468a〜S471aが行なわれることである。第2変動パターン設定処理の処理内容が第1変動パターン設定処理と同様であるステップには、第1変動パターン設定処理と共通のステップ番号を付し、重複した説明を避ける。
第2変動パターン設定処理において、CPU56は、S450〜S458により、第1変動パターン設定処理のS450〜S458と同様の処理を行なう。ただし、第2変動パターン設定処理におけるS450〜S458の処理は、第2特別図柄の変動表示を対象として実行する。
第2変動パターン設定処理において、S454により変動パターンを選択した後は、後述するS466dに進む。また、第2変動パターン設定処理において、S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、前述した第2始動フラグと第3始動フラグとのどちらがセットされているかに基づいて、変動パターンを設定する変動表示が、第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であるか否かを判断する(S459a)。
第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であると判断したときには、リーチ(ノーマルリーチ)となるときとリーチとならないときとがある図18(a)のはずれ変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S459b)、S466dに進む。一方、第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示ではないと判断したとき、すなわち、第3始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であると判断したときには、必ずリーチ(ノーマルリーチ)となる図18(b)のはずれ変動パターンテーブルBを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S459c)、S466dに進む。
また、第2変動パターン設定処理において、S464により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、前述した第2始動フラグと第3始動フラグとのどちらがセットされているかに基づいて、変動パターンを設定する変動表示が、第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であるか否かを判断する(S466a)。
第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であると判断したときには、リーチ(ノーマルリーチ)となるときとリーチとならないときとがある図18(c)のはずれ短縮変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S466b)、S466dに進む。一方、第2始動入賞の保留記憶に基づく変動表示ではないと判断したとき、すなわち、第3始動入賞の保留記憶に基づく変動表示であると判断したときには、必ずリーチ(ノーマルリーチ)となる図18(d)のはずれ短縮変動パターンテーブルBを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S466c)、S466dに進む。
S466dでは、その時点でセットされている第2始動フラグまたは第3始動フラグをリセットし、S467に進む。
この実施の形態の場合、大当りおよび小当りとなるときには、S454,S456,S458,S461,S463,S465により、第1始動入賞〜第3始動入賞のすべてについて、必ずリーチとなる変動パターンが選択される。また、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞については、S459,S466,S459b,S466bにより、リーチとなる変動パターンとリーチとならない変動パターンとのどちらかが選択され、第3始動入賞については、S459c,S466cにより、必ずリーチとなる変動パターンが選択される。したがって、第3始動入賞については、第1始動入賞および第2始動入賞に基づく変動表示と異なり、変動表示が行なわれるときに、必ずリーチとなる変動パターンで変動表示が行なわれることとなる。これにより、第3始動入賞が生じたときの遊技者の大当りへの期待感を高めるようにすることができる。
S467で変動パターンコマンドを送信した後、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう(S468a)。そして、第2特別図柄の変動を開始する(S469a)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第2変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図17参照)に応じた値を設定する(S470a)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果特定コマンド送信処理(S502)に対応した値に更新し(S471a)、処理を終了する。
図36は、第1表示結果特定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。第1表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図24参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている)がセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、準大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S110a)、セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S412,S113)。突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S119)。
CPU56は、S110aにより準大当りフラグがセットされていると判定した場合には、図37のS112aに移行する。まずCPU56は、S112aにより、確変大当たりフラグがセットされているか否かの判断を行なう。確変大当りフラグがセットされている場合には、表示結果8指定コマンドを送信する制御を行ない(S113a)、S119aに移行する。
一方、大当たり確変フラグがセットされていない場合には、CPU56は、突然確変大当りフラグがセットされているか否かの判断を行ない(S114a)、セットされている場合には、表示結果9指定コマンドを送信する制御を行ない(S115a)、S119aへ移行する。また、突然確変大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを判定し(S116a)、セットされている場合には、表示結果7指定コマンドを送信する制御を行ない(S117a)、S119aへ移行する。小当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行ない(S118a)、S119aへ移行する。
そして、CPU56は、S119aにより、第1特別図柄プロセスフラグを、第1保留記憶数送信処理(S303)に対応する値(具体的には「3」)に更新する処理を行なう。
図38は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(S303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグを送信する制御を行なう(S101)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S102)。
図39は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(S304)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(S121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたかどうか確認する(S122)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(S122のN)、そのまま処理を終了する。第1変動時間タイマがタイムアウトしたときは(S122のY)、CPU56は、S33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S123)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S124)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスタイマに図柄停止時間を設定し(S125)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S305)に対応した値に更新する(S126)。
図40は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄プロセスタイマの値を1減算し(S131)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうか確認する(S132)。第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S132のN)、そのまま処理を終了する。第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると(S132のY)、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S133)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には(S133のN)、S133aに移行する。
大当りフラグがセットされている場合には(S133のY)、CPU56は、エラー回数カウンタの値を「0」に初期化する(S134)。このエラー回数カウンタは、異常入賞の検出回数を計数するためのカウンタであり、詳しくは後述する。次にCPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(S309)に対応した値に更新する(S137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する(S139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
CPU56は、S133により大当りフラグがセットされていないと判断した場合に、準大当りフラグがセットされているか否かの判断を行なう(S133a)。準大当りフラグがセットされていない場合にはS146へ移行するが、セットされている場合には、CPU56は、準大当り表示時間タイマを設定し(S133b)、第1特別図柄プロセスフラグの値を役物開放前処理(S305a)に対応する値(具体的には「6」)にセットする処理を行ない(S133c)、S146へ移行する。このS133bによりセットされる準大当り表示時間タイマは、前述のS136によりセットされる大当り表示時間タイマよりも短い時間に設定されている。
S146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、S149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(S147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(S148)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
なお、時短終了フラグは、第1特別図柄通常処理におけるS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
第1大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(S307)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(S307)に対応した値に更新する。
第1大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(たとえば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なうとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(S308)に対応した値に更新する。
図41は、役物開放前処理(SA305a)を示すフローチャートである。
役物開放前処理において、CPU56は、まず準大当り表示時間タイマが終了したか否かを判定する(SA411a)。この準大当り表示時間タイマは、前述したS133bによりセットされた時間タイマである。この準大当り表示時間タイマが終了していない段階では役物開放前処理がすぐにリターンして何ら制御が行なわれない。準大当り表示時間タイマが終了した段階でSA411bへ移行し、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かの判断を行なう。確変フラグがセットされていない場合にはSA411へ移行するが、セットされている場合には、役物開放回数カウンタに8を設定する処理を行ない(SA411c)、SA412へ移行する。確変フラグがセットされていない場合には、役物開放回数カウンタが「2」に設定され(SA411)、可変入賞球装置2の始動動作として2回開放されるのであるが、確変フラグのセット中すなわち確変状態中の場合には、役物開放回数カウンタに「8」が設定されて可変入賞球装置20の始動動作として8回開放されることとなる。その結果、始動動作中の可変入賞球装置20へ遊技玉が多数進入しやすくなり、その分特定領域30へ遊技玉が入賞する確率が高まり、大当りの発生確率が向上する。
確変フラグがセットされていない場合、CPU56は、始動動作における可変入賞球装置20(役物)の開放回数を示す役物開放回数カウンタに2を設定し(SA411)、役物の開放時間を示す役物開放時間タイマに開放時間(たとえば1秒)に相当する値を設定する(SA412)。そして、役物を開放状態にする(SA413)。具体的には、開閉片23a,23bに連結されたソレノイド24a,24bを駆動して、上部入賞空間22aを開放する方向に開閉片23a,23bを回転させる。そして、異常入賞の検出を禁止するためにエラー検出禁止フラグをセットする(SA414)。また、役物の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(SA415)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(SA306)に応じた値に更新する(SA416)。
図42は、役物開放中処理(SA305b)を示すフローチャートである。役物開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマの値を−1する(SA421)。
そして、CPU56は、役物開放時間タイマがタイムアウトしたか否か確認する(SA422)。タイムアウトしていれば、役物(可変入賞球装置20)を閉鎖状態に制御する(SA429)。具体的には、上部入賞空間22aを閉鎖する方向に開閉片23a,23bを回転させる。そして、役物に進入した遊技球が役物から排出されたことを監視する時間である検出監視時間(遊技球が役物に入賞してから役物排出スイッチ29aの位置にまで到達する時間に余裕を持たせた時間)に相当する値を排出監視タイマに設定し(SA430)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物閉鎖後処理(SA307)に応じた値に更新する(SA431)。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bがオンしたら、すなわち役物に進入した遊技球を検出したら(SA423)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1する(SA424)。また、役物排出スイッチ29aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(SA425)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(SA426)。なお、非特定口29A,29Bに流入した遊技球を検出する流入スイッチを設け、特定領域スイッチ30aおよび流入スイッチで検出された遊技球の合計で排出球数を計測してもよい。
遊技球が特定口30に進入したことを示す特定領域スイッチ30aがオンしたら(SA427)、V入賞フラグをセットする(SA428)。
図43および図44は、役物閉鎖後処理(SA305c)を示すフローチャートである。役物閉鎖後処理において、CPU56は、排出監視タイマの値を−1する(SA441)。そして、排出監視タイマの値が0になったかどうか、すなわち排出監視タイマがタイムアウトしたか否か確認する(SA442)。排出監視タイマがタイムアウトした場合には、SA449に移行する。
SA449では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。SA442で排出監視タイマがタイムアウトしたことを確認し、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていないことを確認したら、すなわち可変入賞球装置20(役物)から全ての遊技球が排出される前に排出監視タイマがタイムアウトした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に、排出異常指定コマンドを送信する制御を行なう(SA450)。その後、ループ処理を実行する。
よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理を実行しない状態に移行する。すなわち、遊技の進行が停止される。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技を停止させる制御を行なう。
排出監視タイマがタイムアウトしていない場合には、役物排出スイッチ29aがオンしたら、すなわち役物から排出された遊技球を検出したら(SA444)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(SA445)。また、遊技球が特定入賞口30に流入したことを示す特定領域スイッチ30aがオンしたら(SA446)、V入賞フラグをセットする(SA447)。
SA449で役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていることを確認したら、CPU56は、エラー検出禁止フラグをリセットする(SA451)。また、役物開放カウンタの値を−1する(SA452)。役物開放カウンタの値が0になっていない場合には、SA466に移行する(SA453)。役物開放カウンタの値が0になっている場合、すなわち、始動動作における2回の開放が終了している場合には、確変終了フラグがセットされているか否か確認する(SA453a)。この確変終了フラグは前述のS69dによりセットされるものであり、セットされていない場合にはSA454へ移行するが、セットされている場合には、SA453bへ移行し、確変終了フラグをリセットし、SA453cにより確変フラグをリセットした後、SA454へ移行する。
これにより、確変大当りとなりその大当り状態が終了した後、特別図柄が10回変動してそれに伴い可変入賞球装置20が始動操作を終了した段階で、確変フラグがリセットされて確変状態が終了する。
次に、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認する(SA454)。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットする(SA455)。また、エラー回数カウンタの値を0に初期化する(SA457)。エラー回数カウンタについては後述する。なお、この実施の形態では、始動動作中において特定領域スイッチ30aがオンしてV入賞フラグがセットされたことを確認したらエラー回数カウンタの値を初期化するが、図柄変動中処理に移行するときにエラー回数カウンタの値を初期化したり、大入賞開放前処理においてエラー回数カウンタの値を初期化したりしてもよい。
そして、CPU56は、大当り開始1指定コマンド〜大当り開始4指定コマンドのうち、S62で判定された大当りの種類に相当するコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(SA458)。この制御は、具体的には、前述のS112〜S118aと同様のものである。
次にCPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを判定し(SA457a)、セットされていない場合にはSA459へ移行するが、セットされている場合には、小当り表示時間タイマを設定する(SA457b)。この小当り表示時間タイマは、後述のSA459でセットされる大当たり表示時間タイマよりも短いタイマに設定される。次に、特別図柄プロセスフラグを第1小当り開放前処理(S311)に対応する値(具体的には「14」)に更新する処理を行なう。
次に、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(SA459)、特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(SA308)に対応した値に更新する(SA460)。V入賞フラグがセットされていない場合には、準大当りフラグ、確変大当りフラグ、突然確変フラグ、小当フラグのうち、セットされているものをリセットし(SA461)、特別図柄プロセスフラグの値を、第1特別図柄通常処理(SA300)に応じた値に更新する(SA462)。
SA466では、CPU56は、役物を再度開放するための制御を行なう。すなわち、役物開放時間タイマにたとえば1秒に相当する値を設定する。さらに、役物を開放状態に制御する(SA467)。また、役物の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(SA468)、特別図柄プロセスフラグの値を、役物開放中処理(SA306)に応じた値に更新する(SA470)。
図45は、第1大入賞口開放前処理(SA306)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、入賞個数カウンタを初期化する(SA475)。すなわち、入賞個数カウンタの値を0にする。そして、役物開放時間タイマに29秒に相当する値を設定する(SA476)。さらに、大入賞口(役物)を開放状態に制御する(SA477)。具体的には、開閉片23a,23bに連結されたソレノイド24a,24bを駆動して、上部入賞空間22aを開放する方向に開閉片23a,23bを回転させる。また、エラー検出禁止フラグをセットし(SA478)、大入賞口(役物)の内部に進入した遊技球を計数する役物内遊技球個数カウンタをクリア(0に初期化)し(SA479)、特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口開放中処理(SA307)に応じた値に更新する(SA480)。
図46は、第1大入賞口開放中処理(SA307)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、CPU56は、役物開放時間タイマの値を−1する(SA481)。役物開放時間タイマの値が0になっていたら(SA482)、すなわち、役物開放時間タイマがタイムアウトしたら、SA491に移行する。
役物開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(SA483)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、SA491に移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bがオンしたら、すなわち大入賞口に進入した遊技球を検出したら(SA484)、役物内遊技球個数カウンタの値を+1し(SA485)、入賞個数カウンタの値を+1する(SA486)。また、役物排出スイッチ29aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(SA487)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(SA488)。また、遊技球が特定入賞口30に流入したことを示す特定領域スイッチ30aがオンしたら(SA489)、V入賞フラグをセットする(SA490)。
SA491では、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行なう。具体的には、大入賞口(役物)を閉鎖状態に制御する。また、大入賞口(役物)に進入した遊技球が大入賞口(役物)から排出されたことを監視する時間である検出監視時間に相当する値を排出監視タイマに設定する(SA492)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口閉鎖後処理(SA308)に応じた値に更新する(SA493)。
図47は、第1大入賞口閉鎖後処理(SA308)を示すフローチャートである。第1大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、排出監視タイマの値を−1する(SA501)。そして、排出監視タイマの値が0になったかどうか、すなわち排出監視タイマがタイムアウトしたか否か確認する(SA502)。排出監視タイマがタイムアウトした場合には、SA506に移行する。
SA506では、CPU56は、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっているか否か確認する。SA502で排出監視タイマがタイムアウトしたことを確認し、役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていないことを確認したら、すなわち可変入賞球装置20(大入賞口)から全ての遊技球が排出される前に排出監視タイマがタイムアウトした場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に、排出異常指定コマンドを送信する制御を行なう(SA507)。その後、ループ処理を実行する。
よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技制御処理を実行しない状態に移行する。すなわち、遊技の進行が停止される。換言すれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技を停止させる制御を行なう。
排出監視タイマがタイムアウトしていない場合には、役物排出スイッチ29aがオンしたら、すなわち大入賞口から排出された遊技球を検出したら(SA503)、役物内遊技球個数カウンタの値を−1する(SA504)。
SA506で役物内遊技球個数カウンタの値が0になっていることを確認した場合には、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を−1する(SA511)。ラウンド数カウンタの値が0になっていない場合には、SA513に移行する(SA512)。ラウンド数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、エラー検出禁止フラグをリセットし(SA516)、特別図柄プロセスフラグの値を、第1大当り終了処理(SA309)に応じた値に更新する(SA517)。
SA513では、CPU56は、V入賞フラグがセットされているか否か確認し、V入賞フラグがセットされていない場合には、大当り遊技を終了させるためにSA516に移行する。V入賞フラグがセットされている場合には、V入賞フラグをリセットし(SA514)、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(SA308)に応じた値に更新する(SA515)。
なお、この実施の形態では、V入賞フラグがセットされていることを条件に、すなわち特定入賞口30(入賞領域の一つ)に遊技球が入賞した(V入賞した)ことを条件に、次ラウンドに移行することになるが、V入賞したことを条件にしなくてもよい。その場合、常に最終ラウンド(この例では2〜15ラウンド)まで進むようにしてもよいし、あらかじめ決められたラウンド(たとえば7ラウンド)まではV入賞したか否かにかかわらず進むようにしてもよい。
図48は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S309)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させ(S156)、時短回数カウンタに10を設定する(S157)。
そして、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(S158)。確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグ)をリセットし(S159)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S161)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。次に、CPU56は、確変回数カウンタに10を設定する(S161a)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S162)。
S311の第1小当り開放前処理では、第1大入賞口開放前処理(S306)と同様の処理を行なう。ただし、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、第1小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、S310の第1小当り開放中処理では、第1大入賞口開放中処理(S307)と同様の処理を行なう。ただし、最終ラウンドでない場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(S310)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り終了処理(S312)に対応した値に更新する。
図49は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り終了処理(S312)を示すフローチャートである。第1小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、S174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(S171A,S171B)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行なう(S172)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行なわれている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(S173)、処理を終了する。
S174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S176)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S28)について説明する。図50は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S211)、ゲートスイッチ通過処理(S212)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS200〜S203に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S212):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S200):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値がS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく普通可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S201):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S202):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(普通可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S203):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(普通可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(普通可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図51は、普通図柄通常処理(S200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S221)。ゲート通過記憶数が0であれば(S221のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S222)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S223)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読出し(S224)、読出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S225)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。たとえば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S226)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S227)。なお、この実施の形態では、図54に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S228)。
図52は、普通図柄変動処理(S201)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S231)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S231のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S235)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S231のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S232)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S233)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S234)。
図53は、普通図柄停止処理(S202)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S241)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S241のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S242)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S241のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S225にて当りと判定されたかどうか)を確認する(S243)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、S225にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S243のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(普通可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S245)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(S245のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図54に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S246)。一方、低ベース状態であるときは(S245のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図54に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S247)。図54に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、S246またはS247で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S248)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは普通可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S249)。
S243において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S243のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S250)。
図55は、普通電動役物作動処理(S203)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S263)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(S264)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S264のN)、S268の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S264のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(普通可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S265)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S266)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S266のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S267)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S261のY、S272参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が普通可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S268)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S269)。タイムアウトしていなければ(S269のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S269のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S270)。そして、CPU56は、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(普通可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S271)。
具体的には、普通可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置15を開放する。普通可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて普通可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS268〜S271の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、普通可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに普通可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、普通可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに普通可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、普通可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに普通可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
図56は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図56に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、第3始動口スイッチ12a、第2始動口スイッチ14a、入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、役物入賞スイッチ34b、役物入賞スイッチ34a、第1始動口スイッチ13a、ゲートスイッチ32aの検出信号が入力される。入力ポート1のビット6には、役物排出スイッチ29aの検出信号が入力される。入力ポート1のビット7には、特定領域スイッチ30aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0,1は、図7に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図58は、図57に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図58に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図3に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図3では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図59は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図59に示すように、入賞検出スイッチ(役物入賞スイッチ34a,34b、入賞口スイッチ38a,39a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12a)が遊技球の入賞を検出したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球がパチンコ遊技機1に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、予め決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、入賞口スイッチ38a,39a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aのいずれかで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、役物入賞スイッチ34a,34b、のいずれかで遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう(図63参照)。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行なう場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、たとえば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(S21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図60は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図56に示すビット0〜7等に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図61は、遊技制御処理におけるS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(S331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(S332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(S333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファのビットと前回ポートバッファのビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(S334)。
そして、各スイッチの検出信号が入力される入力ポートのデータを入力し(S335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(S336)。S334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、各スイッチの検出信号が入力される入力ポートから入力したデータと前回データの論理積をとる(S337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの各ビットと前回ポートバッファの各ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、各スイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、S337で前回データと入力ポートから入力したデータとの論理積をとると、入力ポートから入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(S338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図62は、S31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(S341)と賞球制御処理(S342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図63に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図56参照)。
図64は、S341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(S352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S353)。
そして、ポインタの値を1増やし(S354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(S355)。また、ポインタの値を1増やす(S356)。
S355における演算結果が0でなければ(S361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、S362Aに移行する。S355における演算結果が0であれば(S361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(S359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS354に戻る(S360)。
S362Aでは、CPU56は、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が役物入賞スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、S361で役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが役物入賞スイッチ34a,34bであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が役物入賞スイッチ入力ビット判定値であった場合には(S362AのY)、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が7,8,10,11または14であるか否かを確認する(S362B)。第1特別図柄プロセスフラグの値が7,8,10,11または14のいずれかであるということは、第1特別図柄プロセス処理において、S305bの役物開放中処理、S305cの役物閉鎖後処理、S307の第1大入賞口開放中処理、S308の第1大入賞口閉鎖後処理、S310の第1小当り開放前処理、S311の第1小当り開放中処理のいずれかが実行されていることを意味する。つまり、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御が行なわれている状態である。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が7,8,10,11または14のいずれかであるということは、第2特別図柄プロセス処理において、S505bの役物開放中処理、S505cの役物閉鎖後処理、S507の第2大入賞口開放中処理、S508の第2大入賞口閉鎖後処理、S511の第2小当り開放中処理のいずれかが実行されていることを意味する。すなわち、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされている状態である。
第1特別図柄プロセスフラグの値が7,8,10,11または14であるか、又は第2特別図柄プロセスフラグが7,8,10,11または14である場合には(S362BのY)、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(S364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(S365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(S357,S358)。そして、S359の処理に移行する。
第1特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもなく、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもない状態は、大当り遊技、準大当り遊技および小当り遊技は実行されず、可変入賞球装置20を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことが検出されたということは、可変入賞球装置20に異常入賞が生じたこと、または役物入賞スイッチ34a,34bからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、第1特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもなく、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもない状態で役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことが検出された場合には(S362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(S364,S365の処理をスキップする)。そして、S359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値が役物入賞スイッチ入力ビット判定値でない場合は(S362AのN)、CPU56は、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(S363A)。すなわち、S361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(S363AのY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(S363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、S103の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(普通可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(S363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(S363BのY)には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(S364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(S365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(S357,S358)。そして、S359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、普通可変入賞球装置15が動作しておらず、普通可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(S363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(S364,S365の処理をスキップする)。そして、S359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグ)の値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときに役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことが検出された場合に、役物入賞スイッチ34a,34bがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口から役物入賞スイッチ34a,34bの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口から役物入賞スイッチ34a,34bの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行なってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口から役物入賞スイッチ34a,34bの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球は役物入賞スイッチ34a,34bの設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球が役物入賞スイッチ34a,34bの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(S363B参照)、実際に普通可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図55に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンに基づいて普通可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの普通可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。たとえば、高ベース状態のときのように普通可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に普通可変入賞球装置15を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、普通可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、普通可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりS271で普通可変入賞球装置15が閉鎖してからS261のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、S270で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(たとえば5秒)をセットし、S271で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(たとえば5秒)よりも短い時間(たとえば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(たとえば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、普通可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わる所定時間前に普通可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしていたが、普通可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(たとえば、図55のS272の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(S363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにS364,S365の処理をスキップしてS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもないと判定されたときに(S362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにS364,S365の処理をスキップしてS359の処理に移行するようにする。
なお、S362Bにおいて特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7、8、10、11、14のいずれでもない場合(S362BのN)やS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(S363BのN)に、賞球払出しを禁止する制御を行なわないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞に基づく賞球払出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図65は、S342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(S371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(S372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(S373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(S374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(S375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(S376)。
S376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、S375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図59参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。したがって、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(S377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(S378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(S379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(S381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(S382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払出されるように払出装置97を駆動する。
図66は、SA23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(SA561)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図8におけるSA44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、SA565に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、SA45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(SA562)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(SA563,S564)。
次いで、エラー個数有効期間タイマの値が0でなければ、エラー個数有効期間タイマの値を−1する(SA565)。この実施の形態では、所定期間(たとえば、3分)内に連続して異常入賞が検出され、かつ、異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、異常入賞の報知を行なう。エラー個数有効期間タイマとは、所定期間を計測するためのタイマである。
CPU56は、エラー個数有効期間タイマの値が0であるときには(SA566)、エラー回数カウンタ(異常入賞の検出回数を計数するためのカウンタ)の値を0にし(SA567)、報知済みフラグをリセットする(SA568)。
また、CPU56は、エラー検出禁止フラグがセットされていない場合には(SA569)、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(SA570)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容と役物入賞スイッチ(34b)入力ビット判定値(10(H)、図63参照)との論理積をとる(SA571)。スイッチオンバッファの内容が10(H)であったとき、すなわち役物入賞スイッチ34bがオンしているときには、論理積の演算結果は10(H)になる。役物入賞スイッチ34bがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、SA575に移行する(SA572)。
論理積の演算結果が0である場合には、役物入賞スイッチ34aについて異常入賞の判定を行なう。すなわち、CPU56は、スイッチオンバッファの内容と役物入賞スイッチ(34a)入力ビット判定値(20(H)、図63参照)との論理積をとる(SA573)。スイッチオンバッファの内容が20(H)であったとき、すなわち役物入賞スイッチ34aがオンしているときには、論理積の演算結果は20(H)になる。役物入賞スイッチ34aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、SA575に移行する(SA574)。
SA575では、CPU56は、報知済みフラグがセットされているか否か確認する。報知済みフラグがセットされている場合には、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(SA580)。そして、エラー回数カウンタを0に初期化する(SA581)。
報知済みフラグがセットされていない場合には、エラー回数カウンタの値を+1し(SA576)、エラー個数有効期間タイマをスタートさせる(SA577)。すなわち、所定期間(たとえば、3分)に相当する値を設定する。そして、エラー回数カウンタの値が所定値(たとえば5)になった場合には、報知済みフラグをセットし(SA579)、SA580,S581の処理を実行する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、可変入賞球装置20(役物)に遊技球が進入したことを示す検出信号が役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bから出力されることはない。そこで、CPU56は、エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bから検出信号が出力されたと判定すると可変入賞球装置20について異常入賞が発生したと見なす。
そして、エラー個数有効期間タイマがタイムアウトする前に再び異常入賞が検出され、異常入賞の累積検出回数が5回になったら、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドが送信される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から異常入賞報知指定コマンドが送信されると、演出装置を用いて異常入賞の報知演出を行なう。なお、SA561〜S563の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
また、この実施の形態では、エラー個数有効期間タイマで計測される所定期間(たとえば、3分)内に連続して異常入賞が検出され、かつ、異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、異常入賞の報知を行なうように構成されているが、エラー個数有効期間タイマを使用せず、単に、異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら異常入賞の報知を行なうようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、エラー検出禁止フラグがセットされていないときに異常入賞の判定(SA571,S572,S573,S574)を行なうようにしたが、賞球個数加算処理(図64参照)の場合と同様に、特別図柄プロセスフラグの値が、正常な制御の元で可変入賞球装置20が開放状態になりうる状態に相当する値(たとえば、7、8、10、11または14)以外の値を示しているときに、異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。すなわち、SA569の処理において、役物制御プロセスフラグの値が所定値(たとえば、0〜6、9、12、15でもよい)を示しているか否か判定するようにしてもよい。
さらに、エラー回数カウンタの値は、電源投入時の初期化処理において0に初期化され(図9におけるS10参照)、大当りが発生するときに0に初期化されるが(図40におけるS134および図43におけるSA457参照)、他のタイミングでも初期化するようにしてもよい。たとえば、電源断検出処理(図10におけるS20)における電源断信号が出力されたことを検出したら実行する処理において、バックアップRAMに形成されているエラー回数カウンタの値を初期化するようにしてもよい。さらに、特別図柄の可変表示回数が所定回数になったとき、大当りの発生回数が所定回数になったとき、可変入賞球装置20の開放回数が所定回数になったとき、可変入賞球装置20への正規の入賞数が所定数になったとき、可変入賞球装置20からの排出数が所定数になったときなどに、エラー回数カウンタの値を初期化するようにしてもよい。
エラー回数カウンタの値が所定のタイミングで初期化されることによって、異常入賞が多発してエラー回数カウンタ(たとえば8ビットカウンタ)の値がFF(H)を越えてしまうような状況が発生しても、所定のタイミングが到来すると0に初期化されるので、再び異常入賞の検出に基づくエラー回数カウンタのカウントアップを行なうことができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、エラー検出禁止フラグがセットされていないとき、または、正常な制御の元で可変入賞球装置20が開放状態になりうる状態に相当する値(たとえば、7、8、10、11または14)以外の値を示しているときに、特定領域スイッチ30aの検出信号に基づいて特定領域スイッチ30aがオンしたか否か判定し、オンしたことを確認したときに、異常入賞が生じたと判定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の累積検出回数が所定回数に達した後、異常入賞が生じたと判定したとき毎に、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンドを送信する(SA579,SA575,SA580)。よって、異常入賞の累積検出回数が所定回数に達して異常報知コマンドが送信された後には、一度でも異常入賞が生じたと判定されると、異常報知コマンドが送信される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図67は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする(タイマ割込フラグのデータは「1」のときにセットされた状態を示し、「0」のときにクリア(リセット)された状態を示す)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされたことを確認したら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、所定の乱数(たとえば、停止図柄を決定するための乱数、大当りラウンド数の予告を行なうか否かを決定する大当りラウンド数予告決定用乱数等)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御処理を実行する(S710)。その後、S702に移行する。
図68は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図24参照)であるのか解析する。
図69〜図71は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(S618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(S619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S629A)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S629B)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S630A)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S630B)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S630C)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S630D)。受信した演出制御コマンドが第3始動入賞指定コマンドであれば(S630E)、演出制御用CPU101は、第3始動入賞フラグをセットする(S630F)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S630G)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S630H)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632A)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(S632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(S632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行なわれているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドでなければ、演出制御用CPU101は、大当りラウンド数指定コマンドであるか否か判断し(S465a)、大当りラウンド数指定コマンドである場合には、大当りラウンド数指定コマンドを大当りラウンド数保存領域に格納する(S465b)。一方、S465aにより、大当りラウンド数指定コマンドでないと判断した場合には、排出異常報知指定コマンドであるか否かを判断する(S465c)。排出異常報知指定コマンドであると判断した場合には、排出異常報知指定コマンド受信フラグをセットする(S465d)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S647)。そして、S611に移行する。
図72は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図72に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図72(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図72(B)参照)。
図73は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図73(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタのカウント値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶と第3保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。たとえば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させ、第3保留記憶に対応する丸印を青色で表示させる。合算保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶に対応する赤色の表示、第2保留記憶に対応する緑色の表示、および、第3保留記憶に対応する青色の表示は、図30に示す保留特定領域でのデータの順番と同じ順番に並んで表示される。
図中では、最も左下の丸印が保留特定領域における1番目の始動入賞を示すデータ(第1始動入賞および第2始動入賞に関しては、最も古い始動入賞を示すデータ)に対応する表示であって次回の変動表示に用いられる保留記憶を示しており、最も右上の丸印が最も新しい始動入賞に対応する表示((A)の場合には保留特定領域における5番目の始動入賞を示すデータ、(B)の場合には保留特定領域における6番目の始動入賞を示すデータ)である。保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、その変動表示に用いられる保留記憶を示す最も左下の丸印が消去されることにより、第1保留記憶、第2保留記憶、および、第3保留記憶のどれが変動表示に用いられたかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶、第2保留記憶、および、第3保留記憶のどれが変動表示に用いられたかを識別することができる。変動表示に用いられた保留記憶を示す丸印(最も左下の丸印)が消去されたときには、残りの保留記憶についての丸印は、表示される領域が1つずつ左下方へシフトされる。これにより、次回の変動表示に用いられる保留記憶が第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらであるかが順次示される。また、前述したように、第3始動入賞は、第1始動入賞および第2始動入賞よりも優先的に変動表示に用いられるので、たとえば、(A)のように第3保留記憶がなく第1保留記憶および第2保留記憶がある状態で、第3始動入賞が生じると、その第3始動入賞を示す第3保留記憶の表示は、前述したような保留特定領域における始動入賞を示すデータの順番の変更に合せて、(B)のように保留特定領域における1番目の始動入賞を示す表示となるように制御される。
図74は、メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図75は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、準大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S807)、セットされていない場合にはS811へ移行する。本実施の形態においては、特別図柄の変動停止後準大当り状態になった場合においても一旦この変動パターンコマンド受信待ち処理に戻る(図83参照)。ところが、準大当り状態が発生した場合には、可変入賞球装置20(役物)が2回開閉動作して始動動作が行なわれ、その間に進入した遊技玉が特定領域30に入賞して初めて大当り状態が発生する。そして、大当り状態が発生した段階で前述したように、大当り開始1〜4指定コマンドがCPU56から送信されてくる(図43のSA458参照)。ゆえに、この変動パターンコマンド受信待ち処理において、まず、可変入賞球装置20(役物)が始動動作中であるか否かすなわち準大当りフラグがセットされているか否かをS807により判別し、準大当りフラグがセットされている場合には、演出制御用CPU100は大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされているか否かを判定する(S808)。未だにセットされていない場合には、S811へ移行する。S811では、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていなければこの変動パターンコマンド受信待ち処理がリターンする。
前述の可変入賞球装置20(役物)の始動動作中においては、この変動パターンコマンド受信待ち処理のS807→S808→S811の制御が、2msec毎に繰返し実行されることとのなる。そして、始動動作状態の終了後、大当りが発生しなかった場合には、制御が特別図柄通常処理に移行し(SA462参照)、その後始動入賞に伴って変動パターンコマンドが送信されて変動パターンコマンド受信フラグがセットされることとなり、S811によりYESの判断がなされてS812へ移行することとなる。一方、始動動作の終了後大当りが発生した場合には、前述のSA458により大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかが送信されてきて、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされることとなるために、制御がS809へ移行し、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグを大当り表示処理に対応する値に更新し、以降大当り表示処理の制御に移行する。
一方、始動動作の終了後大当りが発生しなかった場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図76および図77は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S820)。次いで、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S821)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(S822)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S823)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S824)。その後、S816に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(S825)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S826)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S827)。その後、S816に移行する。
S816では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読出す。次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、S830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S818)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図78は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図78に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「2」または「4」の図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「3」または「7」の図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外で両端の図柄が不一致の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、両端が揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果特定コマンドが通常準大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「6」または「8」の図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変準大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果8指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「1」または「5」の図柄(準確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが準小当りまたは突然確変準大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果7指定コマンドまたは表示結果9指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「531」(準小当りまたは突然確変準大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
また、演出制御用CPU101は、大当りラウンド数予告決定用乱数に基づいて大当りラウンド数予告をするか否かを決定する(S818a)。そして、大当りラウンド数予告を行なうと決定した場合には(S818bでY)、大当りラウンド数予告フラグをセットした後S819へ移行するが、大当りラウンド数予告を行なわないと決定した場合には(S818bでN)、大当りラウンド数予告フラグをセットすることなくS819へ移行する。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(S819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S834)。
図79は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図79に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行なっていることを示す異常報知中フラグおよび排出異常の報知を行なっていることを示す排出異常報知中フラグのいずれもがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S835A,S835B)。たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容にしたがって演出装置の制御を実行する(S835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグまはた排出異常報知中フラグのいずれかがセットされている場合には、演出図柄の新たな変動表示が開始される場合に、その変動表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、変動表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、S835BとS835Cの処理を分ける必要はない。
また、S835Cの処理を行なうときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1に基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている)と、演出図柄の変動表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな変動表示が開始される場合に、その変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S837)。
S830では、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図17に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、演出図柄の停止図柄を通常準大当り図柄に決定する(S832)。また、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定する(S831)。なお、この実施の形態では、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図17参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれに決定されているのか、または大当り(小当りを含む)と準大当り(準小当りを含む)とのいずれかに決定されているのかを、特定でき、かつ、大当りまたは準大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類または準大当りの種類(通常大当り/準大当り、確変大当り/準大当り、突然確変大当り/突然確変準大当り/小当り/準小当り)を特定できる(図17参照)。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのとき、確変大当りのとき、通常準大当りのとき、確変準大当りのときのいずれにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、演出図柄の表示結果(停止図柄)を通常準大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくてもはずれかはずれ以外かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに演出図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても演出図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図80は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S844)。また、異常報知中フラグおよび排出異常報知中フラグのいずれもがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S845A,S845B)。
異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグのいずれかがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(S845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の変動表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、S845Cの処理が行なわれるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次に、大当りラウンド数予告フラグがセットされているか否か確認し(S845D)、セットされていない場合にはS846へ移行するが、セットされている場合には、大当りラウンド数保存領域に格納されている大当りラウンド数の予告メッセージを演出表示装置9により重畳表示させる制御を行なう(S845E)。この予告メッセージは、たとえば、「今回大当りが発生すれば15ラウンド継続です!」等である。この大当りラウンド数の予告を行なうか否かは、前述した図77のS818aにより決定されるのであるが、この決定の際に、事前決定されている大当りラウンド数が大きな数であるほど、高い確率で予告する旨の決定を行なうようにしてもよい。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S847)、S848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図81は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)にしたがって停止図柄を導出表示する制御を行なう(S853A)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S853B)。飾り図柄変動終了フラグがセットされると、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bのうちで変動(変動表示)している飾り図柄表示器における変動が停止され、大当り/はずれに応じた側のLEDの点灯が維持される。
次に、演出制御用CPU101は、大当りラウンド数予告フラグがセットされているか否か確認し(S853C)、セットされていない場合にはS854へ移行するが、セットされている場合には、大当りラウンド数予告フラグをリセットした後(S853D)、S854へ移行する。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S854)。大当りとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、準大当りにすることに決定されているか否かを確認する(S854a)。準大当たりとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、準大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
次に、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(S856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(S857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が10になっているか否か確認する(S858)。時短変動回数カウンタの値が10になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(S859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および演出図柄の変動(変動表示)を終了させる(S851,S853A参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図82は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(S873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に応じた値に更新する(S874)。
S872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。また、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面および突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは異なる)を演出表示装置9に表示する制御を行なう。
図83は、演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が演出表示装置9に表示される。たとえば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、小当り終了表示(小当り終了表示を含む)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(S887)、時短回数カウンタに0を設定する(S888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(S889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(S889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、たとえば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、演出表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
図84は、演出制御メイン処理におけるS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S784)。
S785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S853B(図81参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータにしたがって第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切替え(S789)、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を再設定する(S790)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDがたとえば0.5秒ごとに切替えられ、第1飾り図柄の変動表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図85は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図85(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。初期画面では、「初期化されました」というメッセージを演出図柄の上に重ねて示す態様で表示する。図85(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図85(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図85(C)の右側参照)。異常報知画面では、「入賞エラーが起きました」というメッセージを演出図柄の上に重ねて示す態様で表示する。なお、異常報知画面では、「入賞エラーが起きました」というメッセージを演出図柄が表示されている位置とは異なる位置に表示するようにしてもよい。
図85(D)には、演出制御用CPU101が、排出異常指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図85(D)の右側参照)。異常報知画面では、「玉詰りが起きました」というメッセージを演出図柄の上に重ねて示す態様で表示する。なお、異常報知画面では、「玉詰りが起きました」というメッセージを演出図柄が表示されている位置とは異なる位置に表示するようにしてもよい。
図86は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S921)。
S921により合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S935に移行する。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。そこで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S922)。S922で第1始動入賞フラグがセットされていると判断したときには、第1始動入賞フラグをリセットし(S923)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(S924)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S925)、処理を終了する。
また、S922で第2始動入賞フラグがセットされていないと判断したときには、演出制御用CPU101は、第2始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S926)。S926で第2始動入賞フラグがセットされていると判断したときには、第2始動入賞フラグをリセットし(S927)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(S928)。また、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S929)、処理を終了する。
また、S926で第2始動入賞フラグがセットされていないと判断したときには、消去法的に第3始動入賞指定コマンドを受信したと判断されるときであり、第3始動入賞フラグをリセットする(S930)。そして、第1保留記憶および第2保留記憶のそれぞれがあるか否かを判断するために、合算保留記憶表示部18cでの画像表示において、赤色の丸印を表示するための表示データおよび緑色の丸印を表示するための表示データの少なくともどちらかが用いられているかどうかを判断する(S931)。
S931で赤色の丸印を表示するための表示データおよび緑色の丸印を表示するための表示データの少なくともどちらかが用いられていないと判断したときは、保留記憶がまったくないときか、第3保留記憶の表示(青色)のみが行なわれているときである。このようなときは、第3保留記憶を優先する必要がないので、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を青色表示するように制御する(S931A)。そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S934)、処理を終了する。
一方、S931で赤色の丸印を表示するための表示データおよび緑色の丸印を表示するための表示データの少なくともどちらかが用いられていると判断したときは、第3保留記憶を優先する必要があるので、合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶の表示で、赤色および緑色の丸印を示す各表示箇所を増加方向に1つずつシフトする態様で保留記憶の表示を変更する(S932)。そして、このような合算保留記憶表示部18cにおける保留記憶の表示のシフトにより生じる保留記憶の表示の空領域で第3保留記憶を示す青色の丸印を表示するように制御することにより、丸印の表示個数を1増やす(S933)。これにより、図73の(B)のような保留記憶の表示を行なうことができる。そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットし(S934)、処理を終了する。
また、前述のS921により合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていないと判断して、S935に進んだときに、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S936)、図54に示すような合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印を消去し、各丸印を、消去された丸印の側にシフトして表示するように制御する(S937)。このように、保留記憶に基づく変動表示が実行されるときには、変動表示に用いられる保留記憶を示す丸印を消去する制御が行なわれることにより、次回の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄とのどちらに基づく変動表示であるかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶と第2保留記憶とのどちらが次回の変動表示に用いられるかを識別することができる。そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S938)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(S939)。
なお、S935により合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされていると判断したときに、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された(最も左下に表示された)丸印を点滅表示させ、点滅表示された保留記憶に対応する変動表示の終了後に、その点滅させていた丸印を消去する表示制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、現在の変動表示が第1特別図柄と第2特別図柄と第3特別図柄とのうちどの図柄に基づく変動表示であるかが示される。これにより、遊技者は第1保留記憶と第2保留記憶と第3保留記憶とのうちどの保留記憶が現在の変動表示に用いられているかを識別することができる。
また、S937では、図8に示すような合算保留記憶表示部18cにおける最も左下に表示された保留記憶の丸印を消去する際において、その丸印を点滅表示させた後に消去する制御を行なうようにしてもよい。そのようにすれば、遊技者が第1保留記憶と第2保留記憶と第3保留記憶とのうちどの保留記憶が変動表示に用いられたかをより明確に識別することができる。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させ、第3始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに青色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印が1減る。また、第3始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときには、第1始動入賞に応じた保留記憶および第2始動入賞に応じた保留記憶よりも優先して変動表示を行なうことを保留記憶の表示により示すことができる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電力供給復旧時にも、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は合算保留記憶数を認識できるが、内訳(合算保留記憶数のうち第1保留記憶数が幾つであるのか)を認識できない。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを受信した場合には、合算保留記憶数指定コマンドで指定される数の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するがその色を赤色および緑色以外の色にしたり、丸印でない態様で表示したりする。
図72は、S710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(S901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図71におけるS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、S906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、S632Cで設定された期間タイマの値を−1する(S902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(S903,S904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(S905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
S906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(S907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図85(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行なっていることを示す異常報知中フラグをセットする(S910)。
図88は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図88(A)には、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が行なわれているときの例が示されている。図88(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。
図88(C)には、演出表示装置9において異常報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の変動表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の変動表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の変動表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときや普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)のときには常時異常入賞の検出を行なうようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行なわないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(たとえば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、たとえば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことをパチンコ遊技機1の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(S901〜S905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。たとえば、初期化報知が開始されてから最初に演出図柄の変動表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、演出図柄の変動表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを演出表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドに基づく上記の制御を行なうようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(たとえば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(たとえば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドに基づいて演出制御(たとえば、演出図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行なうようにしてもよい。たとえば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、演出表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(第1特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもなく、第2特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもなく、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに1個の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。たとえば、大当り遊技中および小当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、普通可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行なっていたが、異なる異常入賞報知を行なうようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(S559でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとS564でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。たとえば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行なう。
〔第2実施形態〕
上記の第1実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動や第2飾り図柄表示器9bにおける飾り図柄の変動、演出表示装置9における演出図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。したがって、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(たとえば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に普通可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この第2実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図89は、第2実施形態における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する(S1315)。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定したとき、つまり、図52のS559BのNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは(S1315のY)、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理(S504)を示す値(「4」)であるかどうかを判定する(S1316)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)であるときは(S1316のY)、前述したS521以降の処理を実行する。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)でないときは(S1316のN)、第2特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定した時点で、第2特別図柄の変動中でないときは、直ちに第2特別図柄の変動が禁止され、第2特別図柄の変動中であったときは、第2特別図柄の変動を継続させ、次の第2特別図柄の変動が禁止されることになる。
なお、図89では、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第2特別図柄の変動を禁止する制御について説明していたが、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第1特別図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。この場合は、図89に示すS1315,S1316と同様の処理を、図26に示した第1特別図柄プロセス処理におけるS21の処理の前に実行するようにすればよい。
図90は、第2実施形態における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する(S809A)。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは(S809AのY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において演出図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理(S802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(S809B)。演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(S809BのY)、演出図柄変動中処理(S802)を実行する。すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(S809BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、演出図柄の変動中でないときは、直ちに演出図柄の変動が禁止され、演出図柄の変動中であったときは、演出図柄の変動を継続させ、次の演出図柄の変動が禁止されることになる。
上記のように、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図76のS826参照)、第2飾り図柄の変動が開始されないので(図84のS782参照)、第2飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動と同様に、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図76のS826)、第1飾り図柄の変動が開始されないので(図84のS782)、第1飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中においても、異常入賞報知指定コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
以上のように、この第2実施形態によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出に基づいて第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動(および第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動)、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動(および第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動)、および演出表示装置9における演出図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(たとえば、普通図柄が当り図柄になっていないのに普通可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞に基づいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の第2実施形態では、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、たとえば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動については継続させ、異常入賞に基づく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞に基づく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
上記の第1実施形態では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図52のS560〜S563参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、普通可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図91は、第3実施形態における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S281)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S282)。タイムアウトしていなければ(S282のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S282のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S283)。次いで、CPU56は、たとえば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、普通可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(S284)。
普通可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(S284のY)、CPU56は、ソレノイド15aを駆動して普通可変入賞球装置15を開放する制御を行なう(S285)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なう。すなわち、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S287)。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(S288)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S288のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S288のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S289)。
S284において普通可変入賞球装置15が開放中であるときは(S284のN)、CPU56は、ソレノイド15aを駆動して普通可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なう(S286)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なわない。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
なお、図91に示す普通電動役物作動処理において、図55に示す普通電動役物作動処理のS264〜S267の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図91に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図91に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図52に示す異常入賞報知処理のS560〜S564を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、普通可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の第1実施形態で説明したのと同様に、この第3実施形態においても、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。たとえば、普通可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちS284のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにS287〜S290の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにも関わらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
〔第4実施形態〕
上記の第1実施形態では、図64に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(S363AのY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞に基づいて賞球の払出しが行なわれないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図92は、第4実施形態におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、S331〜S338は、図61で説明した処理と同様である。S338の処理の実行後、CPU56は、普通電動役物(普通可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(S339)。ここで、普通可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、たとえば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
普通可変入賞球装置15が開放中であるときは(S339のY)、そのまま処理を終了する。普通可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(S339のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(S340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、S339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の第3実施形態で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを普通可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
〔第5実施形態〕
上記の第4実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この第5実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、第2特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図93は、第5実施形態における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)を行なう前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する(S1317)。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定された場合にセットされる。具体的には、第1実施形態の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」であるときに第2始動口スイッチ14aが所定回数以上オンしたことにより始動口異常カウンタが所定値以上となったときであり、第3実施形態の場合は、普通可変入賞球装置15の閉鎖中に第2始動口スイッチ14aが所定回数以上オンしたことにより始動口異常カウンタが所定値以上となったときである。なお、S1317において、無効フラグの代わりに、第2実施形態で説明した異常入賞検出フラグがセットされているかどうかを確認するようにしてもよい。
CPU56は、無効フラグがセットされているときは(S1317のY)、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)や第2始動口スイッチ通過処理(S522)を実行せず、無効フラグがセットされていないときに(S1317のN)、第2始動口スイッチ14および第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)や第2始動口スイッチ通過処理(S522)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞に基づく乱数の抽出等を行なわないようにすることができ、異常入賞に基づく変動が禁止され、異常入賞に基づく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この第5実施形態の場合は、異常入賞に基づく賞球払出しを禁止することはできないので、第1実施形態(図64の賞球個数加算処理)および第4実施形態(図92のスイッチ処理)で説明したような異常入賞に基づく賞球払出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
〔第6実施形態〕
次に、パチンコ遊技機1に設けられた入賞ステージ120の変形例を第6実施形態として説明する。図94は、第6実施形態による入賞ステージ1200を拡大して示す斜視図である。図94においては、(a)に入賞ステージ1200の構成が示され、(b)に入賞ステージ1200で遊技球P1,P2が転動する経路の代表例が示されている。図94に示す入賞ステージ1200は、前述した入賞ステージ120の代わりに設けられるものである。
図94の(a)を参照して、入賞ステージ1200は、前述した入賞ステージ120と同様に、正面から見て円弧状の形状であり、中央部に第3始動入賞口12と、落下球入口17aとが開口形成されている。落下球入口17aの下部には、落下球出口17bが設けられている。落下球入口17aと落下球出口17bとの間には遊技球を誘導する誘導路が形成されており、落下球入口17aから進入した遊技球は、落下球出口17bから前方へ放出されて落下する。第3始動入賞口12の下部には、第3始動口スイッチ12aが内蔵されている。
入賞ステージ1200は、(b)に示すように、正面から見て左右上部から中央部に向けて遊技球が転動可能な程度の幅の2つの通路である第1通路121aと第2通路121bとが並列して設けられている。第1通路121aは、第3始動入賞口12の前を通る態様で形成されている。第2通路121bは、落下球入口17aの前を通る態様で形成されている。入賞ステージ1200において、第3始動入賞口12の入口の周辺は、第1通路121aおよび第2通路121bが上方に盛上がった形状となっている。
このように構成された入賞ステージ1200において、遊技球は、入賞ステージ1200上に流下したときに、入賞ステージ1200上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、落下球入口17aに進入するか、または、これらに進入せずに下方へ落下する。たとえば、(b)に示すように、第1通路121a上を転動する遊技球P1は、経路r3に示すように第1通路121aを経て第3始動入賞口12に進入して第3始動口スイッチ12aに検出される場合があり、また、第1通路121a上からはずれて下方に落下する場合もある。また、(b)に示すように、第2通路121b上を転動する遊技球P2は、経路r4に示すように第2通路121bを経て落下球入口17aに進入して落下球出口17bから落下する場合、第2通路121b上からはずれて下方に落下する場合、第2通路121b上からはずれて第1通路121a上へ転動する場合がある。
このように、第3始動入賞口12について遊技球が転動可能な入賞ステージ1200を設けて遊技球が第3始動入賞口12に入るか否かの挙動を遊技者に見せることにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、入賞ステージ1200の場合は、遊技球の通路および進入口がそれぞれ複数(第1通路121a、第2通路121、第3始動入賞口12、落下球入口17a)設けられているので、遊技球の挙動が変化に富み、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
〔第7実施形態〕
図15(a)の第1大当り図柄テーブルと図15(b)の第2大当り図柄テーブルと図15(c)の第1準大当り図柄テーブルと図15(d)の第2準大当り図柄テーブルとの変形例を第8実施の形態として説明する。第1実施の形態では、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)により決定される大当りラウンド数の最大(7R)よりも、第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)により決定される大当りラウンド数の最小(9R)の方が、多いラウンド数のものが示されていた。しかし、これに限らず、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数の最大と第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数の最小とが、同じ値であってもよい。また、上記最大のラウンド数が上記最小のラウンド数よりも大きな値となっていてもよい。たとえば、図95に示すように、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数は、3R、6R、9Rであり、第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数は、7R、10R、15Rの3種類である。
このように、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数の最大(9R)が第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数の最小(7R)よりも大きい値となっているものの、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)における大当りラウンド数の最大以外のラウンド数(3Rと6R)は、第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)で決定される大当りラウンド数の最小以外のラウンド数(10Rと15R)よりも小さな値となっており、全体として第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)よりも第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)の方が大きな大当りラウンド数が選択決定される確率が高い。
〔第8実施形態〕
図15(a)の第1大当り図柄テーブルと図15(b)の第2大当り図柄テーブルと図15(c)の第1準大当り図柄テーブルと図15(d)の第2準大当り図柄テーブルとのさらなる変形例を、第8実施形態として説明する。この第8実施形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム2カウンタの値)に基づいて選択決定される大当りラウンド数の値が、第1大当り図柄テーブルまたは第1準大当り図柄テーブル)を参照して選択決定される場合よりも第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)を参照して選択決定された場合の方が、大きな大当りラウンド数となる確率が高くなるように構成したものである。
図96を参照し、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)で選択決定される大当りラウンド数が3R、9R、15Rであり、第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)で選択決定される大当りラウンド数も、同様に、3R、9R、15Rである。しかし、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)では、ランダム2カウンタの値が0〜5の範囲内の場合に、大当りラウンド数3Rが選択決定され、6〜8の場合に大当りラウンド数9Rが選択決定され、9の場合に大当りラウンド数15Rが選択決定される。ゆえに、大当りラウンド数3Rが選択決定される確率は6/10=3/5となり、大当りラウンド数9Rが選択決定される確率は3/10であり、大当りラウンド数15Rが選択決定される確率は1/10となる。
一方、第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)の場合には、ランダムカウンタ2の値が0の場合に大当り乱数3Rが選択決定され、1〜3の場合に大当りラウンド数9Rが選択決定され、4〜9の場合に大当りラウンド数15Rが選択決定される。したがって、大当りラウンド数3Rが選択決定される確率は、1/10であり、大当りラウンド数9Rが選択決定される確率は3/10であり、大当りラウンド数15Rが選択決定される確率は6/10=3/5となる。
このように、大当りラウンド数の選択確率を、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)と第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)とで異ならせるようにし、第1大当り図柄テーブル(または第1準大当り図柄テーブル)よりも第2大当り図柄テーブル(または第2準大当り図柄テーブル)の方が大きな大当りラウンド数が選択される確率が高くなるように構成してもよい。
以上説明したように、第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルと第1準大当り図柄テーブルと第2準大当り図柄テーブルに関する、第1実施形態、第7実施形態、第8実施形態の3種類のものを総称して、第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)で実行される変動表示について決定する特定遊技状態(大当り状態)で実行する変化回数(大当りラウンド数)を、第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)で実行される変動表示について決定する特定遊技状態(大当り状態)で実行する変化回数(大当りラウンド数)に比べて、「相対的に多い回数に決定する」ように構成している。
〔第9実施形態〕
図97は、第9の実施の形態のパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。図98は、遊技盤6を正面からみた正面図である。この実施の形態では、図97および図98に示すように、普通可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド16aによって開閉板16が開状態にされる大入賞口が設けられている。開閉板16は、大入賞口を開閉する手段である。大入賞口に入った入賞球はカウントスイッチ19で検出される。その他の構成は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、この実施の形態では、開閉板16が開放することによって形成される入賞口(以下、アタッカーまたは下アタッカーともいう。)が大入賞口であり、可変入賞球装置20(役物。以下、始動役物ともいう)は、始動動作でのみ開放し、大当り遊技状態では開放状態にならない。
図99は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図100は、遊技機の遊技の進み方の一例を示すタイミング図である。図99および図100に示すように、始動入賞口13に遊技球が入賞すると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって抽選が実行される。抽選の結果、大当りまたははずれに決定されると、特別図柄および飾り図柄が変動(可変表示)する。変動が終了すると、大当りに決定されている場合には、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。大当り遊技状態では、大入賞口(下アタッカー)が2〜15回(2〜15ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。はずれに決定されている場合には、大当り遊技は実行されない。
準大当りに決定されている場合には、遊技制御手段は、役物を開放状態に制御して始動動作を開始させる。始動動作状態において遊技球が役物に入賞し、遊技球が特定入賞口30に入賞して特定領域スイッチ30aで検出されるとV入賞が発生する。V入賞が発生すると、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。
始動役物(可変入賞球装置20)は、始動動作状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は始動役物に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で始動役物の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行なうとともに、その入賞に基づく賞球払出を行なわないようにする。しかし、当然ながら正規の入賞については、報知を行なわず、かつ、賞球払出を行なう。そこで、遊技制御手段は、正規の入賞が生ずる可能性があるときには第2エラー禁止フラグをオン状態にして、異常入賞の報知等を行なわないようにする。第2エラー禁止フラグに基づく制御については後述する。
また、大入賞口(下アタッカー)は、大当り遊技状態においてのみ開放状態に制御される。従って、それらの状態以外の遊技状態では、遊技球は大入賞口に入賞しない。よって、それらの状態以外の遊技状態で大入賞口の内部において入賞が検出されたということは、その入賞は正規の入賞でない(異常入賞である)ことになる。そこで、この実施の形態では、異常入賞が生じた場合には、その旨の報知を行なうとともに、その入賞に基づく賞球払出を行なわないようにする。しかし、当然ながら正規の入賞については、報知を行なわず、かつ、賞球払出を行なう。そこで、遊技制御手段は、正規の入賞が生ずる可能性があるときには第1エラー禁止フラグをオン状態にして、異常入賞の報知等を行なわないようにする。第1エラー禁止フラグに基づく制御については後述する。なお、始動役物への異常入賞を第2異常入賞とし、下アタッカーへの異常入賞を第1異常入賞とする。
図101は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。図101に示すように、入力ドライバ回路58には、カウントスイッチ19の検出信号も入力される。また、出力回路59は、ソレノイド16aも遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する。その他の構成は、図7に示された構成と同じである。
以下、第1〜第8実施の形態における制御と異なる制御について説明する。
図102は、この実施の形態における特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)を示すフローチャートである。CPU56は、S134Aで、第1エラー回数カウンタの値を0に初期化する。第1エラー回数カウンタについては後述する。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図103は、この実施の形態における役物開放前処理(S305a)を示すフローチャートである。CPU56は、SA414Aで、始動役物の異常入賞の検出を禁止するために第2エラー検出禁止フラグをセットする。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図104、図105は、この実施の形態における役物閉鎖後処理(S305c)を示すフローチャートである。CPU56は、SA451Aで、第2エラー検出禁止フラグをリセットする。また、SA457Aで、第2エラー回数カウンタの値を0に初期化する。第2エラー回数カウンタについては後述する。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図106は、この実施の形態における第1大入賞口開放前処理(S306)を示すフローチャートである。CPU56は、SA476Aで、大入賞口(下アタッカー)の開放時間を示す大入賞口開放時間タイマに29秒に相当する値を設定する。また、SA477Aで、下アタッカーを開放状態に制御する)。具体的には、ソレノイド16aを駆動して下アタッカーを開放させる。また、SA478Aで、下アタッカーの異常入賞の検出を禁止するために第1エラー検出禁止フラグをセットする。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
図107は、この実施の形態における第1大入賞口開放中処理(SA307)を示すフローチャートである。第1大入賞口開放中処理において、CPU56は、大入賞口開放時間タイマの値を−1する(SA481A)。大入賞口開放時間タイマの値が0になっていたら(SA482A)、すなわち、役物開放時間タイマがタイムアウトしたら、SA491Aに移行する。
大入賞口開放時間タイマがタイムアウトしていない場合には、入賞個数カウンタの値が10になったか否か確認する(SA483)。入賞個数カウンタの値が10になった場合には、SA491Aに移行する。入賞個数カウンタの値が10になっていない場合には、カウントスイッチ19がオンしたら、すなわち大入賞口に進入した遊技球を検出したら(SA484A)、入賞個数カウンタの値を+1する(SA486)。
SA491Aでは、CPU56は、ラウンドを終了させるための処理を行なう。具体的には、下アタッカーを閉鎖状態に制御する。また、開閉板16に進入した遊技球がカウントスイッチ19に到達したことを監視する時間である到達監視時間(開閉板に進入した遊技球がカウントスイッチ19で検出されるまでの時間に余裕を持たせた時間)に相当する値を到達監視タイマに設定する(SA492A)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口閉鎖後処理(SA310)に応じた値に更新する(SA493)。
図108は、この実施の形態における第1大入賞口閉鎖後処理(S308)を示すフローチャートである。第1大入賞口閉鎖後処理において、CPU56は、到達監視タイマの値を−1する(SA501A)。そして、到達監視タイマの値が0になったかどうか、すなわち到達監視タイマがタイムアウトしたか否か確認する(SA502A)。到達監視タイマがタイムアウトした場合には、SA511に移行する。到達監視タイマがタイムアウトしていない場合には処理を終了する。
SA511では、CPU56は、ラウンド数カウンタの値を−1する。ラウンド数カウンタの値が0になっていない場合には、特別図柄プロセスフラグの値を、大入賞口開放前処理(SA308)に応じた値に更新する(SA515)。ラウンド数カウンタの値が0になっている場合、すなわち、大当り遊技における全てのラウンドが終了している場合には、第1エラー検出禁止フラグをリセットし(SA516A)、特別図柄プロセスフラグの値を、第1大当り終了処理(SA311)に応じた値に更新する(SA517)。
図109は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図109に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、第3始動口スイッチ12a、カウントスイッチ19、入賞口スイッチ40a、入賞口スイッチ39a、入賞口スイッチ38a、役物入賞スイッチ34b、役物入賞スイッチ34a、第1始動口スイッチ13a、ゲートスイッチ32aの検出信号が入力される。入力ポート1のビット5〜7には、それぞれ、第2始動口スイッチ14a、役物排出スイッチ29a、特定領域スイッチ30aの検出信号が入力される。
図110は、この実施の形態における賞球個数テーブルを示す説明図である。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「8」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図109参照)。
図111は、この実施の形態におけるS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(S352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S353)。
そして、ポインタの値を1増やし(S354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(S355)。また、ポインタの値を1増やす(S356)。
S355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、S362Aに移行する(S361)。S355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(S359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS354に戻る(S360)。また、S361において、S355における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、S359に移行する。
S362Aでは、CPU56は、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、S361でカウントスイッチ19がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ19であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、S363Bに移行する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が10、11または14であるか否か確認する(S362C)。特別図柄プロセスフラグの値が10、11、13または14であるということは、S307の第1大入賞口開放中処理またはS308の第1大入賞口閉鎖後処理が実行されており、正常に制御されておれば、大入賞口が開放している状態である。そのような開放状態である、特別図柄プロセスフラグの値が10、11、13または14である場合には、S364に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が10、11、13または14でない場合には、S364,S365の処理を実行せず、S359に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が10、11、13または14でないときにカウントスイッチ19がオンしたということは、下アタッカーへの異常入賞が生じたか、またはカウントスイッチ19からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。つまり、下アタッカーへの正規の入賞が生じたわけではない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が10、11、13または14でないときに下アタッカーに入賞したことが検出された場合には、その入賞に基づく賞球払出を行なわないようにする。
なお、CPU56が、S362Aで特別図柄プロセスフラグの値を判定し、特別図柄プロセスフラグの値が所定値でないときに下アタッカーについての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、S362Aで第1エラー検出禁止フラグがセットされているか否か判定するようにしてもよい。その場合には、第1エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、下アタッカーについての異常入賞が生じたか否か判定する。しかし、この実施の形態のように、第1特別図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。すなわち、第1エラー検出禁止フラグを制御しなくてよい。
また、開閉板16の入口からカウントスイッチ19の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口(下アタッカー)を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、開閉板16を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に下アタッカーに入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、下アタッカーの入口からカウントスイッチ19の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に下アタッカーを閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。しかし、この実施の形態では、第1大入賞口閉鎖後処理(S308)において、下アタッカーの入口からカウントスイッチ19の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮している。すなわち、その時間が経過してから、第1エラー検出禁止フラグをセットして、第1大入賞口閉鎖後処理(SA308)を終了する。
スイッチ入力ビットがカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が役物入賞スイッチ(34a)入力ビット判定値または役物入賞スイッチ(34b)入力ビット判定値(図110参照)であったか否か確認する(S363B)。役物入賞スイッチ(34a)入力ビット判定値または役物入賞スイッチ(34b)入力ビット判定値(図110参照)であった場合には、特別図柄プロセスフラグの値が7または8であるか否か確認する(S363C)。特別図柄プロセスフラグの値が7または8であるということは、遊技状態が、役物開放中処理(S305b)または役物閉鎖後処理(S305c)のいずれかであることを意味する。すなわち、遊技制御が正常に実行されているときに、始動役物(可変入賞球装置20)が開放する可能性があることを意味する。
特別図柄プロセスフラグの値が7または8でない場合には、S359に移行する。特別図柄プロセスフラグの値が7または8でないときに役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bがオンしたということは、可変入賞球装置20(始動役物)への異常入賞が生じたか、または役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。つまり、可変入賞球装置20への正規の入賞が生じたわけではない。そこで、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が7または8でないときに可変入賞球装置20に入賞したことが検出された場合には、その入賞に基づく賞球払出を行なわないようにする。
なお、CPU56が、S363Cで特別図柄プロセスフラグの値を判定し、特別図柄プロセスフラグの値が所定値でないときに可変入賞球装置20についての異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、S363Cで第2エラー検出禁止フラグがセットされているか否か判定するようにしてもよい。その場合には、第2エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、可変入賞球装置20についての異常入賞が生じたか否か判定する。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。すなわち、第2エラー検出禁止フラグを制御しなくてよい。
S364では、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定する。そして、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(S365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(S357,S358)。そして、SA359に移行する。
図112は、この実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。コマンドD001(H)は、大入賞口(下アタッカー)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第1異常入賞指定コマンド)である。コマンドD002(H)は、始動役物(可変入賞球装置20)への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(第2異常入賞指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、可変入賞球装置20(始動役物)の遊技球排出異常を報知するコマンド(排出異常報知指定コマンド)である。その他の演出制御コマンドは、第1の実施の形態における演出制御コマンドと同じである。なお、第1の実施の形態でも、コマンドD002(H)は、可変入賞球装置20への異常入賞の報知を指示する演出制御コマンドであった。
図113および図114は、この実施の形態におけるS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。SA561〜S564,SA570〜SA574の処理は第1の実施の形態の場合と同じであるが、SA563でNの場合はリターンする。また、CPU56は、SA565Aで、第2エラー個数有効期間タイマの値を−1する。この実施の形態では、所定期間(たとえば、3分)内に連続して始動役物についての異常入賞(第2異常入賞)が検出され、かつ、異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、異常入賞の報知を行なう。第2エラー個数有効期間タイマとは、所定期間を計測するためのタイマである。SA566A,S567A,S568Aで、第2エラー個数有効期間タイマの値が0であるときには、第2エラー回数カウンタ(第2異常入賞の検出回数を計数するためのカウンタ)の値を0にし、第2報知済みフラグをリセットするSA569Aで、エラー検出禁止フラグがセットされている場合には、SA585に移行する。
SA575Aでは、CPU56は、第2報知済みフラグがセットされているか否か確認する。第2報知済みフラグがセットされている場合には、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(SA580A)。そして、第2エラー回数カウンタを0に初期化する(SA581A)。
第2報知済みフラグがセットされていない場合には、第2エラー回数カウンタの値を+1し(SA576A)、第2エラー個数有効期間タイマをスタートさせる(SA577A)。すなわち、所定期間(たとえば、3分)に相当する値を設定する。そして、第2エラー回数カウンタの値が所定値(たとえば5)になった場合には、第2報知済みフラグをセットし(SA579A)、SA580A,S581Aの処理を実行する。
第1の実施の形態の場合と同様に、第2エラー個数有効期間タイマ(第1の実施の形態ではエラー個数有効期間タイマ)がタイムアウトする前に再び第2異常入賞が検出され、第2異常入賞の累積検出回数が5回になったら、演出制御基板80に、第2異常入賞報知指定コマンドが送信される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から第2異常入賞報知指定コマンドが送信されると、演出装置を用いて第2異常入賞の報知演出を行なう。
また、第2エラー個数有効期間タイマで計測される所定期間(たとえば、3分)内に連続して第2異常入賞が検出され、かつ、第2異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、第2異常入賞の報知を行なうように構成されているが、第2エラー個数有効期間タイマを使用せず、単に、第2異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら第2異常入賞の報知を行なうようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2エラー検出禁止フラグがセットされていないときに異常入賞の判定(SA571,SA572,SA573,SA574)を行なうようにしたが、賞球個数加算処理(図111参照)の場合と同様に、特別図柄プロセスフラグの値が、正常な制御の元で可変入賞球装置20が開放状態になりうる状態に相当する値(たとえば、7または8)以外の値を示しているときに、第2異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。
SA585では、第1エラー個数有効期間タイマの値が0でなければ、第1エラー個数有効期間タイマの値を−1する。この実施の形態では、所定期間(たとえば、3分)内に連続して大入賞口(下アタッカー)の異常入賞(第1異常入賞)が検出され、かつ、第1異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、第1異常入賞の報知を行なう。第1エラー個数有効期間タイマとは、所定期間を計測するためのタイマである。
CPU56は、第1エラー個数有効期間タイマの値が0であるときには(SA586)、第1エラー回数カウンタ(第1異常入賞の検出回数を計数するためのカウンタ)の値を0にし(SA587)、第1報知済みフラグをリセットする(SA588)。
また、CPU56は、第1エラー検出禁止フラグがセットされていない場合には(SA589)、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(SA590)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(02(H)、図110参照)との論理積をとる(SA591)。スイッチオンバッファの内容が02(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ19がオンしているときには、論理積の演算結果は02(H)になる。カウントスイッチ19がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0である場合には、大入賞口(下アタッカー)への異常入賞が生じたと判定する。そして、CPU56は、第1報知済みフラグがセットされているか否か確認する(SA595)。報知済みフラグがセットされている場合には、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(SA600)。そして、第1エラー回数カウンタを0に初期化する(SA601)。
第1報知済みフラグがセットされていない場合には、第1エラー回数カウンタの値を+1し(SA596)、第1エラー個数有効期間タイマをスタートさせる(SA597)。すなわち、所定期間(たとえば、3分)に相当する値を設定する。そして、第1エラー回数カウンタの値が所定値(たとえば5)になった場合には、第1報知済みフラグをセットし(SA599)、SA600,S601の処理を実行する。
不正行為を受けたりスイッチからの検出信号にノイズが乗ったりしない限り、第1エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、大入賞口(下アタッカー)に遊技球が進入したことを示す検出信号がカウントスイッチ19から出力されることはない。そこで、CPU56は、第1エラー検出禁止フラグがセットされていないときに、カウントスイッチ19から検出信号が出力されたと判定すると大入賞口について異常入賞が発生したと見なす。
そして、第1エラー個数有効期間タイマがタイムアウトする前に再び第1異常入賞が検出され、第1異常入賞の累積検出回数が5回になったら、演出制御基板80に、第1異常入賞報知指定コマンドが送信される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から第1異常入賞報知指定コマンドが送信されると、演出装置を用いて第1異常入賞の報知演出を行なう。
また、この実施の形態では、第1エラー個数有効期間タイマで計測される所定期間(たとえば、3分)内に連続して第1異常入賞が検出され、かつ、第1異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら、第1異常入賞の報知を行なうように構成されているが、第1エラー個数有効期間タイマを使用せず、単に、第1異常入賞の累積検出回数が所定回数(たとえば5回)になったら第1異常入賞の報知を行なうようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1エラー検出禁止フラグがセットされていないときに異常入賞の判定(SA589,SA591,SA592,SA593)を行なうようにしたが、賞球個数加算処理(図111参照)の場合と同様に、特別図柄プロセスフラグの値が、正常な制御の元で大入賞口(下アタッカ)が開放状態になりうる状態に相当する値(たとえば、10、11、13または14)以外の値を示しているときに、第1異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。
図115は、この実施の形態における演出制御用CPU101が実行するコマンド解析処理(SA704)の一部を示すフローチャートである。SA645A,S646Aにおいて、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが第2異常入賞報知指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする。また、SA645,S646において、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドが第1異常入賞報知指定コマンドであれば、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
飾り図柄プロセス処理は、第1の実施の形態における飾り図柄プロセス処理と同様であるが、この実施の形態では、演出制御用CPU101による異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグがセットされているか否か判定する処理(図77におけるS835Aおよび図80におけるS845Aの処理)に代えて、第1異常報知中フラグ、第2異常報知中フラグまたは排出異常報知中フラグがセットされているか否か判定する。
図116は、この実施の形態における演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図116(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図116(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図116(C)には、演出制御用CPU101が、第1異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第1異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第1異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図116(C)の右側参照)。図116(D)には、演出制御用CPU101が、第2異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する第2異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、第2異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図116(D)の右側参照)。図116(E)には、演出制御用CPU101が、排出異常報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する排出異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、排出異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図116(E)の右側参照)。
図117、図118は、この実施の形態におけるS710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、第1異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S906A)。セットされていなければ、S916に移行する。第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(S907A)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第1異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S908A)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第1異常報知画面を重畳表示する(図116(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、第1異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S909A)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、第1異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、第1異常報知を行っていることを示す第1異常報知中フラグをセットする(S910A)。
また、演出制御用CPU101は、第2異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S916)。セットされていなければ、S921に移行する。第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第2異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(S917)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、第2異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S918)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に第2異常報知画面を重畳表示する(図116(D)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、第2異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S919)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、第2異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す第2異常報知中フラグをセットする(S920)。その他の処理は、第1の実施の形態の場合と同じである。
なお、演出制御用CPU101は、始動への異常入賞が発生したときの異常報知(S908A,S909Aの処理による第2異常報知)と、第2大入賞口に関する異常入賞が発生したときの異常報知(S918,S919の処理による第2異常報知)とを区別可能に異常報知を行なう(図116参照)。
図119は、この実施の形態における演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図119(A)には、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が行なわれているときの例が示されている。図119(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。
図119(C)には、演出表示装置9において第1異常入賞または第2異常入賞の報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から第1異常入賞報知指定コマンドまたは第2異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に第1異常報知画面または第2異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における第1異常報知画面または第2異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
また、飾り図柄の可変表示(変動)が終了すると、演出表示装置9に停止図柄が継続表示される。よって、演出表示装置9に異常報知画面が表示された後、図柄の可変表示が開始されると、第1異常報知画面または第2異常報知画面は消去される。しかし、スピーカ27からの異常報知音の出力は継続する。なお、第1異常入賞報知指定コマンドまたは第2異常入賞報知指定コマンドを再度受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再び、演出表示装置9に第1異常報知画面または第2異常報知画面の表示を行なわせる。この実施の形態では、第1異常入賞または第2異常入賞の累積検出回数が所定回数に達して異常報知コマンドが送信された後には、一度でも第1異常入賞または第2異常入賞が生じたと判定されると、第1異常入賞報知指定コマンドまたは第2異常入賞報知指定コマンドが送信される(図113におけるSA579A,S575A,S580A、図114におけるSA599,SA595,SA600参照)。よって、図柄の可変表示が開始されて異常報知画面は消去されても、繰り返し異常入賞が発生すると、その度に演出表示装置9において第1異常報知画面または第2異常報知画面が表示される。従って、繰り返し第1異常入賞または第2異常入賞が発生するような状況では、飾り図柄の可変表示が行なわれても、繰り返し演出表示装置9において異常報知画面が表示され、繰り返し異常入賞が発生していることが容易に認識される。
〔第10実施形態〕
図120は、第3の実施の形態におけるSA23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、CPU56は、SA569Bにおいて、特別図柄プロセスフラグの値が6未満であるか否か確認し、6未満である場合に、異常入賞が生じているか否かの判定の処理を実行する。その他の処理は第1の実施の形態における処理(図66参照)と同じである。
第1の実施の形態において、特別図柄プロセスフラグの値が7、8、10、11、14のいずれでもない状態は、可変入賞球装置20(役物)を開放する制御は実行されない状態である(図27参照)。そのような状態において遊技球が役物入賞スイッチ34aと役物入賞スイッチ34bのいずれかで検出されたということは、役物に異常入賞が生じたこと、または役物入賞スイッチ34aもしくは役物入賞スイッチ34bからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が6未満である状態で役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bがオンしたことが検出された場合に、異常入賞が生じているか否かの判定の処理を実行するようにする。この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値を1つの数値と比較して異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、異常入賞が生じたか否かの判定に要する制御負担がより簡素化される。
なお、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、複数個の遊技球が役物に異常入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、1個の遊技球が異常入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞および排出異常の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドおよび排出異常報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、役物制御プロセスフラグまたは特別図柄プロセスフラグの値が、正常な制御の元で可変入賞球装置20が開放状態になりうるときでないとき、またはエラー検出禁止フラグがセットされていないときには常時異常入賞および排出異常の検出を行ない、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドまたは排出異常報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞または排出異常の報知を行なわないようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、初期化報知が異常報知(異常入賞の報知および排出異常の報知)に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(たとえば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、たとえば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り判定用乱数に基づいて大当り遊技状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り判定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、図柄表示器9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図8に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。
図121は、他の基板としての音/ランプ制御基板80bと、図柄制御基板80aとが設けられた構成を示すブロック図である。音/ランプ制御基板80bには、ランプやスピーカ27の制御を行なう音/ランプ制御用CPU101bを含む音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが搭載され、図柄制御基板80aには、演出表示装置9を制御する図柄制御用CPU101aを含む図柄制御用マイクロコンピュータ100aが搭載されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドを音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが受信し、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bが図柄制御用マイクロコンピュータ100aにコマンドを送信する。
その場合、他の基板(音/ランプ制御基板80b)において遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100bがコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、図柄制御用マイクロコンピュータ100aに送信するようにしてもよい。その場合でも、図柄制御用マイクロコンピュータ100aは、上記の実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ100が遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音/ランプ制御基板80bから受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図15、図95、図96に基づいて説明したように、第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)で実行される変動表示について決定された特定遊技状態(大当り状態)で実行される特別可変入賞装置20の第1の状態への変化回数が、第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)で実行される変動表示について決定された特定遊技状態(大当り状態)で実行される特別可変入賞装置20(または第9実施の形態の開閉板16による大入賞口)の第1の状態への変化回数に比べて、相対的に多い回数となるために、第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)と第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)とを用いた遊技を多様化することができ、興趣が向上する。
(2) 可変入賞球装置20が始動動作状態または特定遊技状態に制御されていないときに役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bにより遊技球が検出されたことに基づいて、異常入賞が生じたと判定し、かつ、可変入賞球装置20が開放状態に変化したときに、可変入賞球装置20に進入した遊技球が可変入賞球装置20から排出されたと判定されたことを条件に、役物入賞スイッチ34aまたは役物入賞スイッチ34bにより遊技球が検出されたことに基づいて異常入賞が生じたと判定するので、正規の遊技が実行されているにも関わらず異常入賞と判定されてしまうことを回避でき、異常入賞が生じていることを確実に検出して報知できる効果がある。
(3) 開閉板16による大入賞口(アタッカー)が開放状態に制御される大当り状態以外の遊技状態においてカウントスイッチ19により遊技球が検出されると、大入賞口(アタッカー)への異常入賞が生じたと判定されるので、大入賞口についても、正規の遊技が実行されているにも関わらず異常入賞と判定されてしまうことを回避でき、異常入賞が生じていることを確実に検出して報知できる。
(4) 図116に示したように、可変入賞球装置20への異常入賞と、開閉板16による大入賞口(アタッカー)への異常入賞とを区別可能に異常報知を行なうように構成されているので、可変入賞球装置20に関する異常入賞と大入賞口(アタッカー)に関する異常入賞とを容易に区別することができる。
(5) 始動動作状態中の可変入賞球装置20内の特別領域30への遊技球の入賞を要することなく、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bのいずれかに特定表示結果が導出表示されたときにも、可変入賞球装置20が開放状態になるために、遊技の変化性を向上でき、興趣が向上する。
(6) 高確率状態(確変状態)であるときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすく第2変動表示手段(第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)が変動表示しやすい状態となり、その変動表示により特定表示結果(大当り表示結果)が導出表示された場合に、第1変動表示手段(第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)の変動表示により特定表示結果(大当り表示結果)が導出表示された場合に比べて、特別可変入賞装置20の第1の状態への変化回数が相対的に多い回数となる。その結果、高確率状態(確変状態)であるときに特別可変入賞装置20の第1の状態への変化回数が少ない回数の特定遊技状態(大当り状態)が発生することによる遊技者の落胆を極力防止できる。すなわち、確変状態において突然確変大当りや小当り等の2ラウンド大当りが発生した場合には、大当り中にそれほど多くのパチンコ玉が入賞しないために、遊技者が多くの賞球を得ることができず、折角確変状態になっているにも拘らず比較的少ない賞球しか得ることにより、遊技者が落胆してしまう。しかし、確変状態において、大当りが発生するときには突然確変大当りや小当りに比べて15ラウンド大当り(通常大当りあるいは確変大当り)が発生しやすいために、前述の遊技者の落胆を防止できる。
(7) 図15の第1大当り図柄テーブルおよび第2大当り図柄テーブルに示すように、第1特別図柄表示器8aでの表示結果に基づく大当り遊技状態と、第2特別図柄表示器8bでの表示結果に基づく大当り遊技状態とで、個別に、ラウンド数が図柄の変動表示の表示結果とともに選択決定されるので、遊技のバリエーションを豊富化することができる。
(8) 可変入賞球装置20への異常入賞と、開閉板16による大入賞口(アタッカー)への異常入賞とが生じたと判定したときには当該異常入賞に基づく遊技球を払い出す制御の実行を禁止するために、不正行為によって入賞判定手段が検出信号を入力した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
(9) 遊技進行状態を示すデータ(第1,第2特別図柄プロセスフラグ)が所定範囲の数値(0〜6、9、12、13、15)を示しているときに、入賞判定手段が検出信号を入力したことに基づいて異常入賞が生じたと判定するために、遊技状態に応じて異常入賞であるか否かを適切に判断できる。
(10) 遊技制御用のCPU56が、可変入賞球装置20が閉鎖状態に変化してから所定時間が経過しても、役物入賞スイッチ34a、34bからの検出信号の数と役物排出スイッチ29aからの検出信号の数とが同じにならないときに排出異常が生じたと判定し、排出異常報知コマンドが送信されてその排出異常報知コマンドに基づいて排出異常報知が行なわれるので、可変入賞球装置20において遊技球が滞留していることを報知することができる。
(11) 可変入賞球装置20が閉鎖状態に変化してから所定時間が経過しても、役物入賞スイッチ34a、34bからの検出信号の数と役物排出スイッチ29aからの検出信号の数とが同じにならないときに排出異常が生じたと判定されて、遊技を停止させる制御が行なわれるので、可変入賞球装置20において遊技球が滞留している状態で遊技が続行されることが防止される。
(12) 始動動作状態に制御された可変入賞球装置20内に進入した遊技球が特別領域30に入賞したときに発生する大当り状態について決定された大当りウンドの回数が、大当り状態発生前に遊技者に予告報知されるために、面白味のある遊技を提供できる。
(13) 大当り遊技状態において特別可変入賞装置20を開状態に変化させる期間および回数の少なくともいずれかが異なる確変大当りおよび通常大当りと突然確変大当りとについて、図8に示すような、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御するときに決定される割合を異ならせた決定確率に基づいて、大当り遊技状態として、確変大当り、通常大当り、および、突然確変大当りを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかが、第1特別図柄プロセス処理における図32のS62、または、第2特別図柄プロセス処理における同様の処理により、決定されるので、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを用いた遊技を多様化することができる。さらに、図8に示すように、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御することを決定する確率が同一であるので、いずれか一方の特別図柄表示器に遊技の内容が偏らないので、遊技の面白みが損なわれないように遊技を多様化することができる。ここで、いずれか一方の特別図柄表示器に遊技の内容が偏ることの具体例としては、一方の特別図柄表示器で大当りの連続的な発生が頻繁に生じること、一方の特別図柄表示器で大当りの連続的な発生がまったく生じないこと等、一方の特別図柄表示器の側で所定の遊技状態が偏って発生することをいう。さらに、図52のS560のNまたは図91のS284のY、図52のS563のNまたは図91のS288のY、図52のS564Cまたは図91のS289に示すように、普通可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに遊技球の入賞が検出されたことに基づいて異常入賞報知が行なわれるので、普通可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、普通可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。また、図72のS906〜S909、図80のS845A,S845Cに示すように、このような異常入賞報知が実行されているときにも演出表示装置9の変動表示を実行することが可能であるので、誤動作で異常入賞報知が行なわれたときでも変動表示が停止されず、遊技者が不利益を受けないようにすることができる。さらに、大当り遊技状態以外の遊技状態において特別可変入賞装置20への遊技球の入賞が検出されたことに基づいて異常報知が行なわれるので、特別可変入賞装置20に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞装置20に対する不正行為を確実に防止することができる。また、図72のS906〜S909、図80のS845A,S845Cに示すように、このような異常報知が実行されているときにも演出表示装置9の変動表示を実行することが可能であるので、誤動作で異常入賞報知が行なわれたときでも変動表示が停止されず、遊技者が不利益を受けないようにすることができる。
(14) 図8で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が低いことを説明したように、高確率状態であるときに、第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、大当り遊技状態として突然確変大当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて低い。これにより、高確率状態において、可変入賞球装置20を2Rだけ極めて短い時間で開放し、大当り遊技状態終了後、高確率状態に制御される突然確変大当りとなる確率が通常状態よりも低いので、高確率状態において、突然確変大当りに制御されて、遊技者が興醒めすることを低減することができる。さらに、高確率状態中であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、可変入賞球装置20が、ラウンド数が多いものとなりやすいので、より遊技者にとって有利な遊技球の入賞がしやすい状態となるため、遊技者の興趣をより一層向上させることができるとともに、可変入賞球装置20に入賞する遊技球を増加させることができる。これにより、出玉数を増加させることができる。
(15) 図79で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が高いことを説明したように、高確率状態であるときに、第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、特定遊技状態として高確率移行特定遊技状態に制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて高い。これにより、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、可変入賞球装置20が、ラウンド数が少ないものとなりやすいので、過度に遊技球の入賞がしやすい状態とならないため、可変入賞球装置20に入賞する遊技球を、増加し過ぎないように抑制することができる。したがって、出玉数を増加させ過ぎないようにすることができる。
(16) 保留記憶数が所定数以上となったときに短縮変動パターンを選択する場合において、第1特別図柄表示器8a側の保留記憶数と第2特別図柄表示器側の保留記憶数とで個別に、短縮変動パターンを選択する数になったか否かを判断すると、一方の特別図柄表示器では短縮変動パターンが選択されるが、他方の特別図柄表示器は短縮変動パターンが選択されないというような一方に偏った制御が行なわれる状況となることにより遊技者が違和感を受けるおそれがある。しかし、第1特別図柄表示器8a側の保留記憶数と第2特別図柄表示器8b側の保留記憶数とを合計した合算保留記憶数が所定数以上のときに、短縮変動パターンを選択することにより、合算保留記憶数が所定数以上のときには、どちらの特別図柄表示装置で変動表示が行なわれるときでも、短縮変動パターンが選択されるので、遊技者に、前述のような違和感を受けさせない制御を行なうことができる。
(17) 図8で、第1確変時大当り判定テーブルの方が第1通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が低いこと、および、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が低いことを説明したように、高確率状態であるときに、大当り遊技状態として小当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて低い。また、図79で、第1確変時大当り判定テーブルの方が第1通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が高いこと、および、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が高いことを説明したように、高確率状態であるときに、大当り遊技状態として小当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて高い。これにより、小当りとする割合を突然確変大当りとする割合に合せることができる。
(18) 第2実施形態では図89のS1315,S1316、第4実施形態では図92のS339,S340、第5実施形態では図93のS1317に示したように、普通可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに、遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示の開始が禁止されるので、不正行為によって普通可変入賞球装置15に遊技球が入賞した可能性がある場合に、大当り遊技状態に移行されるのを確実に防止することができる。
(19) 図64のS363A,363Bに示すように、普通可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに、遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技球を払出す制御の実行が禁止されるので、不正行為によって普通可変入賞球装置15に遊技球が入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技場に不利益が与えられることを防止できる。
(20) 普通可変入賞球装置15が閉状態であると判定されたときに第2始動入賞口への
遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、第2始動入賞口に入賞した遊技球の入賞累積数が始動口異常カウンタに記憶され、図52のS564B,S564Cに示すように、始動口異常カウンタの値が所定値以上となったときに、異常入賞状態であるかと判定されるので、ノイズ等により一時的に生じた軽微な異常により異常入賞状態であると判定されるのを防ぐことができ、異常入賞状態を確実に判定することができる。
(21) 図64のS362A,362Bに示すように、大当り遊技状態以外の遊技状態において可変入賞球装置20への遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技球を払出す制御の実行が禁止されるので、不正行為によって可変入賞球装置20に遊技球が入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技場に不利益が与えられることを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて変動表示部に変動表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行なうスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行なう遊技機等にも本発明を適用できる。
(4) 前述した実施の形態では、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときに、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときとは異なり、必ずリーチとなる変動表示を実行する制御を行なう例を示した(図18〜図21の変動パターンの説明参照)。しかし、これに限らず、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときとは異なり、たとえば、大当りとなることを予告する大当り予告を行なう大当り予告表示等の所定の予告表示(リーチとなることの予告であってもよい)を演出表示装置9において必ず行なうようにしてもよい。また、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには表示されないような特別なリーチ演出を必ず表示するようにしてもよい。また、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには表示されないような特別なキャラクタを必ず表示するようにしてもよい。このように、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには行なわれないような特別な演出を行なうようにすればよい。
(5) 前述した実施の形態では、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときよりも優先的に変動表示を実行させる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときと同様に、入賞した順番にしたがって変動表示を実行させる制御を行なうようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13〜第3始動入賞口12への遊技球の入賞の順番と、始動入賞口についての変動表示の優先度とに基づいて決定される変動表示の順番にしたがい、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのどちらか一方で特別図柄の変動表示を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとしては、特別図柄の変動表示を行なう際に、どちらか一方で特別図柄の変動表示を行なうものであれば、どのような保留記憶の順序で保留記憶に基づく変動表示を行なうものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、図15の(a),(b)に示す第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルとを用いて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に、大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定する例を示した。このような第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に行なう大当り図柄および大当りのラウンド数の選択決定は、確変状態(高確率状態)においてのみ行なうようにしてもよく、通常状態(低確率状態)においてのみ行なうようにしてもよく、確変状態(高確率状態)および通常状態(低確率状態)の両方に行なうようにしてもよい。また、このような第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に行なう大当り図柄および大当りのラウンド数の選択決定は、突然確変以外の確変大当りとなるときときにのみ行なうようにしてもよく、通常大当りとなるときにおいてのみ行なうようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、図15の(a),(b)に示す第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルとを用いて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に、大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定する例を示した。しかし、これに限らず、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについては、大当り遊技状態におけるラウンド数を、たとえば、15ラウンド等の3ラウンド以上(突然確変大当りのラウンド数よりも回数が多いラウンド数であればよい)の予め定められたラウンドに設定するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第1特別図柄と第2特別図柄とで、異なる複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択するようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで、複数種類のラウンド数のそれぞれを選択する確率が異なるようにしてもよく、複数種類のラウンド数のそれぞれを選択する確率が同じとなるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、第2特別図柄の大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときと、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したときとで、同じ割合で複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択する例を示した。しかし、これに限らず、第2特別図柄の大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときと、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したときとで、異なる割合で複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択するようにしてもよい。
(11) 前述したように、普通可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とは、報知態様が同じであってもよく、異なってもよい。また、普通可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とは、前述したように、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされる他に、演出表示装置9のみを用いた報知、演出表示装置9とランプ・LED等の発光装置とを用いた報知、演出表示装置9とスピーカ27とランプ・LED等の発光装置とを用いた報知等のその他の報知態様によって行なうようにしてもよい。
(12) 普通可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とで、報知態様を異ならせる場合には、これらの異常入賞の報知で報知をするために用いるランプ等の報知手段が異なるように報知手段を選択するようにしてもよい。また、このように報知態様を異ならせる場合において、同じ報知手段を用いる場合には、ランプの発光の輝度の強弱により報知態様を異ならせる等、報知のアピール度に強弱を付けることにより、報知態様を異ならせるようにしてもよい。
(13) 遊技機としては、特定表示結果(大当り図柄)のうちの特別表示結果(たとえば確変図柄)が変動表示装置に導出表示されたときに特定遊技状態が終了した後に通常状態であるときに比べて識別情報の変動表示が特定表示結果になりやすい特別遊技状態(たとえば確変状態)に移行させる遊技機であって、事前決定手段は、特別遊技状態に移行させるか否かを表示結果の導出表示以前に決定し(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理におけるステップS82,S83と、第2特別図柄プロセス処理で第1特別図柄プロセス処理におけるステップS82,S83に相当する処理とを実行し)、遊技制御手段は、事前決定手段の決定に基づいて、変動表示コマンド(変動パターンコマンド)を選択する変動表示コマンド選択手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理おけるステップS300,S301を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS300,S301の処理に相当する処理を実行する部分)と、事前決定手段による決定結果を特定可能な表示結果コマンド(たとえば表示結果特定コマンド)を送信する表示結果コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS110〜S118を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS110〜S118に相当する処理を実行する部分)とを含み、変動表示コマンド選択手段は、変動表示コマンドとして、特定遊技状態に制御しないことを示す非特定表示結果(たとえば、はずれ図柄)を特定可能な非特定変動表示コマンド(たとえばはずれ専用の変動パターンコマンド)と、特別表示結果(たとえば確変図柄)を特定可能な特別変動表示コマンド(たとえば確変大当り専用の変動パターンコマンド)と、特定表示結果であるが特別表示結果ではない非特別表示結果(たとえば非確変図柄)を特定可能な非特別変動表示コマンド(たとえば通常大当り専用の変動パターンコマンド)と、特別表示結果または非特別表示結果を特定可能な特定変動表示コマンド(たとえば通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド)とのいずれかを選択し、変動表示コマンド送信手段は、変動表示コマンド選択手段により選択された変動表示コマンドを送信し(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理におけるステップS302と第2特別図柄プロセス処理におけるステップS302に相当する処理とを実行し)、演出制御手段は、変動表示コマンドまたは表示結果コマンドに基づいて、変動表示装置に表示結果として導出表示する識別情報を複数種類の中から決定する識別情報決定手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS818,S830を実行する部分)を含み、識別情報決定手段は、特定変動表示コマンドを受信したときに(たとえばステップS830のY)、表示結果コマンドを受信できなかったときには(たとえばステップS817のN)、識別情報の表示結果を非特別表示結果に決定する(たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS832を実行する)ように構成されていてもよい。このような構成によれば、変動表示コマンド選択手段が、変動表示コマンドとして、特定遊技状態に制御しないことを示す非特定表示結果を特定可能な非特定変動表示コマンドと、特別表示結果を特定可能な特別変動表示コマンドと、特定表示結果であるが特別表示結果ではない非特別表示結果を特定可能な非特別変動表示コマンドと、特別表示結果または非特別表示結果を特定可能な特定変動表示コマンドとのいずれかを選択し、識別情報決定手段が、特定変動表示コマンドを受信したときに、表示結果コマンドを受信できなかったときには、識別情報の表示結果を非特別表示結果に決定するように構成されているので、演出制御手段が表示結果コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動表示コマンドに表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動表示コマンドおよび表示結果コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御手段は、表示結果コマンドを受信できなくても識別情報の表示結果を決定できるので、遊技制御手段が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御手段の制御負担は増大しない。
(14) 遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、所定の数値を更新する数値更新手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS24の処理を実行する部分)と、所定の時期(たとえば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、および、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したとき)に数値更新手段から数値を抽出する数値抽出手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS113と第2特別図柄プロセス処理におけるステップS113に相当する処理を実行する部分)と、数値抽出手段が抽出した数値に基づいて識別情報の変動表示の表示結果を特定可能な情報を決定する表示結果決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS64,S65,S82,S83を実行する部分)と、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、数値を初期値に設定する初期化処理を実行する初期化手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS12の処理を実行する部分)と、初期化手段が初期化処理を実行したときに、初期化処理の実行を示す初期化コマンド(たとえば、初期化指定コマンド)を送信する初期化コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS13の処理を実行する部分)とを含み、演出制御手段は、初期化コマンド送信手段が送信した初期化コマンドに基づいて、演出装置により、所定の終了条件(たとえば、所定期間の経過)が成立するまで初期化処理が実行されたことを示す初期化報知を行なう初期化報知手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS631〜S632Cの処理を実行する部分)を含み、初期化報知手段が初期化報知を行なっているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS44,S45、S551〜S553の処理を実行する部分)を備えていてもよい。このような構成によれば、初期化報知手段が初期化報知を行なっているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段を備えているので、初期化報知が入賞異常報知よりも優先して実行され、識別情報の変動表示の表示結果を特定可能な情報を決定する数値に初期値が設定されたことを遊技機の外部で確実に認識することができる。
(15) また、遊技機としては、演出装置として演出表示を行なう演出表示装置(たとえば、演出表示装置9)を備え、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、第1変動表示手段および第2変動表示手段で識別情報の変動表示が実行されていないことを条件として(たとえば、第1特別図柄プロセスフラグ後が0であって、ステップS323の処理で「N」になったこと)、第1変動表示手段または第2変動表示手段での識別情報の変動表示の開始条件の成立に応じて第1変動表示手段または第2変動表示手段で識別情報の変動表示を開始するときに、第1変動表示手段と第2変動表示手段とのうちいずれで識別情報の変動表示を開始するのかを特定可能な変動表示手段特定コマンド(たとえば、特別図柄特定コマンド(第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンド))と、変動表示時間を特定するための変動表示コマンド(たとえば変動パターンコマンド)と、表示結果を特定可能な表示結果コマンド(たとえば表示結果特定コマンド)とを送信する開始コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS467,S110〜S118の処理を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、ステップS467,S110〜S118の処理に相当する処理を実行する部分)を含み、演出制御手段は、開始コマンド送信手段が送信したコマンドに基づいて、演出表示装置で、変動表示手段特定コマンドで特定される変動表示手段に対応した演出を開始する(たとえば、ステップS821,S823,S825,S826の処理を実行する)ように構成されていてもよい。遊技制御手段が、第1変動表示手段と第2変動表示手段とのうちいずれで識別情報の変動表示を開始するのかを特定可能な変動表示手段特定コマンドと、変動表示時間を特定するための変動表示コマンドと、表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを演出制御手段に送信する開始コマンド送信手段を含むので、変動表示パターンコマンドおよび表示結果を特定可能な表示結果特定コマンドを、第1変動表示手段での識別情報の変動表示と第2変動表示手段での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、演出制御手段が、演出表示装置で、変動表示手段特定コマンドで特定される変動表示手段に対応した演出を開始する場合に、遊技制御手段から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
(16) 上記の第1実施形態では、図13(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルにおいて、高確率状態としての確変状態であるときに、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示について大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。しかし、この変形例では、大当り判定テーブルにおいて、高確率状態としての確変状態であるときに、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示について大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている。
この変形例の大当り判定テーブルでは、第1特別図柄について用いられる図13の(a),(b)に相当するテーブルと、第2特別図柄について用いられる図13の(c),(d)に相当するテーブルとで、確変大当りと突然確変大当りとを合せた高確率状態となる確率変動大当りが選択される確率が同じ確率となるようにデータが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる図13の(a)に相当する第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる図13の(c)に相当する第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(b)に相当する第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(d)に相当する第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。
この変形例に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(b)に相当する第1確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は60個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる図13の(a)に相当する第1通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は20個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(d)に相当する第2確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は80個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる図13の(c)に相当する第2通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は30個である。したがって、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が高くなる。これにより、特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、可変入賞球装置20が、ラウンド数が少ないものとなりやすいので、過度に遊技球の入賞がしやすい状態とならない。
また、この変形例の大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として小当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(b)に相当する第1確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は30個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる図13の(a)に相当する第1通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は20個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる図13の(d)の第2確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は40個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる図13の(c)の第2通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は30個である。
なお、この変形例の大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。しかし、これに限らず、高確率状態としての確変状態と低確率状態としての通常状態とで、突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が同じとなるようにしてもよい。
(17) 前述の実施の形態では大当りラウンド数を予告報知するものを示したが、それに加えて、大当りが発生することを予告報知してもよい。さらには、発生する大当りが確変大当りか通常大当りか等の大当りの種類も予告報知するようにしてもよい。
また、前述の実施の形態では、大当りと準大当りとで、発生する大当りの種類が同じものを示したが、大当りの種類を異ならせてもよい。たとえば、準大当りの後発生する大当りとして、通常大当りのみ、あるいは通常大当りと確変大当りのみ等のようにしてもよい。
(18) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
13 第1始動入賞口、14 第2始動入賞口、8a 第1特別図柄表示器、8b 第1特別図柄表示器、1 パチンコ遊技機、32 ゲート、15 可変入賞球装置、20 特別可変入賞球装置、14a 第2始動口スイッチ、56 CPU、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、9 演出表示装置、101 演出制御用CPU、100 演出制御用マイクロコンピュータ、54 ROM、29a 役物排出スイッチ、30a 特定領域スイッチ、34a,34b 役物入賞スイッチ。