以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技球を用いて所定の遊技を行なうことが可能であり、遊技領域に設けられた第1の始動領域と、遊技領域に設けられた第2の始動領域と、第1の始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて変動表示の第1の開始条件が成立したときに第1識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第1変動表示手段と、第2の始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて変動表示の第2の開始条件が成立したときに第2識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第2変動表示手段とを備え、第1変動表示手段と第2変動表示手段のいずれかに特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
〔第1実施形態〕
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示(可変表示、更新表示ともいう)に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、その変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(たとえば、打球が第1始動入賞口13に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始される。このような第1特別図柄の変動表示においては、変動表示が行なわれるごとに定められる変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)が導出表示される。なお、入賞とは、入賞口等の入賞領域として予め定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、変動表示されている図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
また、第2特別図柄の変動表示は、その変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(たとえば、打球が第2始動入賞口14または第3始動入賞口12に入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、特別図柄の変動表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。このような第2特別図柄の変動表示においては、変動表示が行なわれるごとに定められる変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)が導出表示される。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての装飾用(演出用)の図柄である第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器(第1変動表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(図4参照)によって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての装飾用(演出用)の図柄である第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器(第2変動表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、後述する演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1の始動領域としての第1始動入賞口13(第1始動口)を有する入賞装置130が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、入賞装置130の下方には、遊技球が入賞可能な第2の始動領域としての第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15には、開閉動作をすることが可能な態様で左右一対の可動片が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって可動片が開状態に駆動されて所定期間開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞しやすくなる構成でもよい)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない(始動入賞しにくくなる構成でもよい)。
また、入賞装置130の上方であって、演出表示装置9の下端部には、第3の始動領域としての第3始動入賞口12(第3始動口)を有する入賞ステージ120が設けられている。第3始動入賞口12に入賞した遊技球は、演出表示装置9の内部に設けられた第3始動口スイッチ12aによって検出される。入賞ステージ120は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部材よりなる。遊技球は、入賞ステージ120上に流下したときに、入賞ステージ120上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、または、第3始動入賞口12に入賞せずに下方へ落下する。
第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、および、第3始動入賞口12を総称して始動入賞口または始動口ということがある。以下の説明においては、第1始動入賞口13への入賞を第1始動入賞と呼び、第2始動入賞口14または第3始動入賞口12への入賞を第2始動入賞と呼ぶ場合がある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13において有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12のいずれかに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12のうちのどちらかにおいて有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての装飾用(演出用)の図柄である演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、および、第3始動入賞口12のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、開閉板を備え大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄または小当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄または小当り図柄)が導出表示されたときとのそれぞれの場合に生起する遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる。
特別可変入賞球装置20は、遊技球を受入れやすい遊技者にとって有利な第1の状態である開状態と、該第1の状態に比べて遊技球を受入れない遊技者にとって不利な第2の状態である閉状態とに変化可能であり、特定遊技状態以外のときには閉状態とされており、特定遊技状態に制御されたときに閉状態から開状態に制御される可変入賞球装置である。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。なお、特別可変入賞球装置20としては、遊技者にとって有利な第2の状態が遊技球を受入れない状態である例を示したが、これに限らず、当該第2の状態が、第1の状態に比べて遊技球を受入れにくい状態(受入れることも可能な状態)であってもよい。
具体的に、特定遊技状態においては、大入賞口の開成条件(開放条件)が成立し、たとえば、大入賞口が所定回数開放して打球が入賞しやすい状態に制御される。そして、特定遊技状態において大入賞口が開放される各開放回の開放期間において、所定個数(例えば10個)の大入賞口への入賞がカウントスイッチ23で検出されると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。また、入賞個数数が所定個数に達しなくても各開放回について設定された開放時間(たとえば、29.5秒)が経過すると、大入賞口の閉成条件が成立して大入賞口が閉成する。このように各開放回で大入賞口が開放されてから閉塞されるまでがラウンドと呼ばれる。大入賞口の開放回数であるラウンド数は、特定遊技状態の種類に応じて、上限値が所定回数(たとえば、2ラウンド、3ラウンド、5ラウンド、7ラウンド、9ラウンド、11ラウンド、または、15ラウンド)に設定される。
また、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間は、特定遊技状態の種類に応じて、所定時間に設定される。たとえば、ラウンド数の上限値が3ラウンド〜15ラウンドに設定された大当りの大当り遊技状態のときは開放時間が29.5秒に設定され、ラウンド数の上限値が2ラウンドに設定された大当りの大当り遊技状態のときは0.5秒に設定される。また、小当り遊技状態においては、ラウンド数の上限値が2ラウンドの大当りのときと同じ態様で大入賞口が開閉される。すなわち、小当り遊技状態においては、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が0.5秒でラウンド数が2ラウンドである。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。
普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)においては、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。なお、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態において、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが高められるようにしてもよい。
なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が向上し、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数が高められた状態を高ベース状態といい、高ベース状態以外の通常の状態を低ベース状態という。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されるか、または、遊技球が第3始動入賞口12に入り第3始動口スイッチ12aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、演出表示装置9のような変動表示装置において、図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、演出表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。また、リーチ表示態様となっている図柄がリーチ図柄と呼ばれる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像(飾り図柄の背景となる画像)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別な演出を行なう特定のリーチを特別リーチ(スーパーリーチまたはプレミアムリーチ)という。この実施の形態の場合、特別リーチは、大当りとなるときとはずれとなるときとの両方のとき選択可能であるが大当りとなるときの方がはずれとなるときと比べて極めて選択されやすいように設定されている。なお、特別リーチは、必ず大当りとなるときに選択されて表示されるように設定されたものであってもよい。
図2は、入賞ステージ120を拡大して示す斜視図である。図2においては、(a)に入賞ステージ120の構成が示され、(b)に入賞ステージ120で遊技球Pが転動する経路の代表例が示されている。
図2の(a)を参照して、入賞ステージ120は、正面から見て円弧状の形状であり、中央部に第3始動入賞口12が開口形成されている。第3始動入賞口12の下部には、第3始動口スイッチ12aが内蔵されている。入賞ステージ120は、(b)に示すように、正面から見て左右上部から中央部に向けて遊技球Pが転動可能な程度の幅の通路121が設けられている。入賞ステージ120において、第3始動入賞口12の周辺は、通路121が上方に盛上がった形状となっている。このように構成された入賞ステージ120において、遊技球は、入賞ステージ120上に流下したときに、入賞ステージ120上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、または、第3始動入賞口12に入賞せずに下方へ落下する。たとえば、(b)に示すように、通路121上を転動する遊技球Pは、経路r1に示すように通路121を経て第3始動入賞口12に進入して第3始動口スイッチ12aに検出される場合があり、また、経路r2に示すように通路121上からはずれて下方に落下する場合もある。このように、第3始動入賞口12について遊技球が転動可能な入賞ステージ120を設けて遊技球が第3始動入賞口12に入るか否かの挙動を遊技者に見せることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560の遊技制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存される。遊技制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、パチンコ遊技機1において使用される所定電圧(たとえば、DC30VやDC5V等)の電圧値を監視して、電圧値が予め定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、主基板31には、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も搭載されている。また、主基板31には、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令にしたがって駆動する出力回路59も搭載されている。さらに、主基板31には、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も搭載されている。
この実施の形態では、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータが、演出制御基板80に搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータは、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行なうとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)を予め格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c等の枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、パチンコ遊技機1の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS(以下、単にSという)1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15,S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグ等)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分等である。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。そして、S14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値または予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、パチンコ遊技機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(S44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(S45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路503について、大当り判定用の乱数値となるランダムRの値(たとえば、1から65535までの範囲で更新される)を更新させるための設定を行なう。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するために用いる乱数をいう。また、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理をいう。また、この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の所定のカウンタのカウント値の初期値を決定するために用いる乱数をいう。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理をいう。
後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、パチンコ遊技機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(S23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム4:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5:ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。
なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、この実施の形態において、大当り判定用乱数であるランダムRは、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアとしての乱数回路503が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図7に示された乱数(特に、ランダム1,2,3)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S27A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S27B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S29)。
さらに、CPU56は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S34)。CPU56は、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S34(S30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、大当りとするか否かの判定、および、大当りとするときの当りの種類を決定するためにランダムRと比較される当り判定値が設定されているデータテーブルである。大当り判定テーブルのデータは、ROM54に記憶されている。当り判定値には、通常大当り判定値、確変大当り判定値、突然確変大当り判定値、および、小当り判定値が含まれる。この実施の形態の場合、大当り判定テーブルは、大当りとするかどうか、および、当りの種類(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り)を決定するために用いられる。大当り判定テーブルには、図8の(a)に示す第1通常時大当り判定テーブル、図8の(b)に示す第1確変時大当り判定テーブル、図8の(c)に示す第2通常時大当り判定テーブル、および、図8の(d)に示す第2確変時大当り判定テーブルが含まれる。
図8の(a)〜(d)のそれぞれにおいては、通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、および、小当りという当りの種類と、はずれとを含む当りはずれ種類と、これら表示結果の種類を選択するランダムRの判定値の数値範囲および判定値の個数との対応関係が示されている。
次に、当りの種類を説明する。本実施の形態では、遊技者にとって有利な特定遊技状態として、大当り遊技状態と小当り遊技状態とが含まれる。小当りは、大当りの一種であるが、本実施の形態の場合は、小当りにより大入賞口を開放する特定遊技状態(以下、小当り遊技状態という)において、3ラウンド以上大入賞口が開放される大当りとは特定遊技状態における大入賞口の開放動作が異なるため、小当りとして区別される。ただし、2ラウンドを上限値として大入賞口が開放される大当りは、特定遊技状態における大入賞口の開放動作が小当り遊技状態と同様であるが、特定遊技状態の終了後に確変状態に制御されるので、特定遊技状態の終了後に確変状態に制御されない小当りと区別して、大当りという名称を用いる。
確変大当りとは、大当り遊技後の遊技状態を、通常状態(確変状態以外の状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態に移行させるような大当りである確率変動大当りの略称である。確率変動大当りには、単に「確変大当り」と呼ぶ3ラウンド以上継続する大当り遊技状態が実行されるものと、「突然確変大当り」と呼ぶ2ラウンドで終了する大当り遊技状態が実行されるものとを含む。本実施の形態では、単に「確変大当り」と呼ぶ場合は、3ラウンド以上継続する大当り遊技状態が実行される確変大当りを意味し、「突然確変大当り」と呼ぶ場合は、2ラウンドで終了する大当りを意味する。なお、これら「確変大当り」と「突然確変大当り」との両方を含む確率変動大当りを示す場合には、前述の「確変大当り」と区別する意味で、「確率変動大当り」と呼ぶ。このような確変大当りおよび通常大当りのそれぞれについては、ラウンド数が、小当りおよび突然確変大当りの場合よりも多く、たとえば3ラウンド〜15ラウンドのうちで予め定められた複数種類のラウンドから選択されたラウンドとなる。
小当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容される小当り遊技状態に制御される当りである。なお、小当り遊技状態が終了した場合は、遊技状態が確変状態に移行することはない。突然確変大当りとは、前述したように、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が2回まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、開放回数が同じである。さらに、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)が同じである。
なお、突然確変大当りと小当りとは、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数(ラウンド数)と、大入賞口の開放時間とのそれぞれが完全に同一でなくてもよく、大入賞口の開放回数と、大入賞口の開放時間とのそれぞれが略同一であればよい。たとえば、大入賞口の開放回数については、たとえば1回程度の差、大入賞口の開放時間については最大5秒程度の差であれば略同一であると言える。また、略同一としては、突然確変大当りと小当りとで、大入賞口の開放回数と、大入賞口の開放時間とのそれぞれの差を遊技者が明らかに感じない程度の差であればよく、前述の数値に限定されるものではない。また、小当りとしては、一定時間(たとえば、1.8秒のような短時間)を大入賞口の開放時間の上限として大入賞口を所定回数開放する特定遊技状態となるものであってもよい。その場合には、一定時間内であれば大入賞口を何度開閉(1回開閉、複数回開閉のどちらでもよい)するものであってもよい。
なお、本実施の形態において、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、ラウンド数が、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少なく、かつ、各ラウンドの大入賞口開放許容時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合の29秒に対して、0.5秒)が通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短いものを示した。しかし、これに限らず、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りの場合と比べて、ラウンド数のみを少なくしたり、大入賞口開放許容時間のみを短くするようにしてもよい。つまり、突然確変大当りの大当り遊技状態としては、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも少ないラウンド数、および、通常大当りおよび確変大当りの場合よりも短い各ラウンドの大入賞口開放許容時間の少なくともいずれかの遊技状態であればよい。
図8の(a)に示す第1通常時大当り判定テーブルは、通常状態(確変状態でない遊技状態)のときに、第1特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図8の(b)に示す第1確変時大当り判定テーブルは、確変状態のときに、第1特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図8の(c)に示す第2通常時大当り判定テーブルは、通常状態のときに、第2特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。図8の(d)に示す第2確変時大当り判定テーブルは、確変状態のときに、第2特別図柄の変動表示について用いられるテーブルである。
図8の(a)〜(d)のそれぞれにおいて、左欄には大当り判定および特別図柄の表示結果の決定を行なうために設定されたランダムRの判定値および判定値の個数が示され、右欄には左欄のランダムRの値に対応して選択される当りはずれ種類(通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当り、および、はずれという表示結果の種類)が示されている。つまり、所定のタイミングでランダムRの値を抽出し、そのランダムRの数値に応じて、表示結果を、通常大当り、小当り、確変大当り、突然確変大当り、および、はずれという当りはずれ種類のうちどの当りはずれ種類にするかを選択することにより、大当りとするか否かの判定と、当りの種類の選択決定とが同時に行なえることとなる。なお、このように、大当りとするか否かの判定と、当りの種類の選択決定とを同時に行なうようにする代わりに、まず、大当りとするか否かの判定をし、大当りとする旨の判定がされたときにのみ、当りの種類の選択決定をするようにしてもよい。
図8の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、第1特別図柄について用いられる(a),(b)のテーブルと、第2特別図柄について用いられる(c),(d)のテーブルとで、確変大当りと突然確変大当りとを合せた高確率状態となる確率変動大当りが選択される確率が同じ確率となるようにデータが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。
また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。
図8の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は10個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は20個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は4個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は10個である。
なお、図8の(a),(b)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。しかし、これに限らず、高確率状態としての確変状態と低確率状態としての通常状態とで、突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が同じとなるようにしてもよい。
また、図8(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として小当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は10個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は20個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は2個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は10個である。
したがって、高確率状態中であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2の始動領域への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞球装置20が、ラウンド数が多いものとなりやすいので、より遊技者にとって有利な遊技球の入賞がしやすい状態となる。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を行なうときに、そのときの遊技状態に応じて図8(a)〜(d)のいずれかの大当り判定テーブルを選択する。たとえば、通常状態において第1特別図柄の変動表示を行なうときには、第1通常時大当り判定テーブルを選択する。また、確変状態において第1特別図柄の変動表示を行なうときには、第1確変時大当り判定テーブルを選択する。また、通常状態において第2特別図柄の変動表示を行なうときには、第2通常時大当り判定テーブルを選択する。また、確変状態において第2特別図柄の変動表示を行なうときには、第2確変時大当り判定テーブルを選択する。
そして、CPU56は、選択した大当り判定テーブルを用いて、所定タイミングで乱数回路503から抽出したカウント値であるランダムRの値を各判定値と比較する。ランダムRの値が通常大当り、小当り、確変大当り、および、突然確変大当りのいずれかの判定値と一致するときに、特定遊技状態(大当りまたは小当り)とすることに決定する。そして、CPU56は、ランダムRの値が通常大当り、小当り、確変大当り、または、突然確変大当りの判定値と一致するときには、一致した判定値に対応して当りの種類を選択決定する。
図9は、第1特別図柄の種類と第1特別図柄の当りはずれ種類との関係を示す図である。この実施の形態においては、ランダムRを用いた大当り判定により決定された当りはずれの種類に応じて、第1特別図柄の変動表示結果として停止表示する図柄と、第2特別図柄の変動表示結果として停止表示する図柄とが決定される。第1特別図柄の変動表示結果となる停止図柄は、第1特別図柄テーブルを用いて決定される。第2特別図柄の変動表示結果となる停止図柄は、第2特別図柄テーブルを用いて決定される。第1特別図柄テーブルおよび第2特別図柄テーブルのそれぞれのデータは、ROM54に記憶されている。
図9においては、(a)に第1特別図柄テーブルが示され、(b)に第2特別図柄テーブルが示されている。
第1特別図柄テーブルにおいては、第1特別図柄と当りはずれ種類との関係が次のように定められている。はずれのときには、第1特別図柄の表示結果が「0」,「4」〜「6」,「9」の5つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、後述する図10(c)に示す第1はずれ図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常大当りおよび確率大当りのそれぞれのときには、第1特別図柄の表示結果が「1」〜「3」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、後述する図10(a)に示す第1大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。突然確変大当りのときには、第1特別図柄の表示結果が「7」の図柄に決定される。小当りのときには、第1特別図柄の表示結果が「8」の図柄に決定される。
第2特別図柄テーブルにおいては、第2特別図柄と当りはずれ種類との関係が次のように定められている。はずれのときには、第2特別図柄の表示結果が「0」〜「3」,「9」の5つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、後述する図10(d)に示す第2はずれ図柄テーブルを用いて図柄が決定される。通常大当りおよび確率大当りのそれぞれのときには、第2特別図柄の表示結果が「4」〜「6」の3つの図柄のうちいずれかの図柄にランダムに決定される。具体的には、後述する図10(b)に示す第2大当り図柄テーブルを用いて図柄が決定される。突然確変大当りのときには、第2特別図柄の表示結果が「7」の図柄に決定される。小当りのときには、第2特別図柄の表示結果が「8」の図柄に決定される。
図10は、第1,第2の大当り図柄テーブルと第1,第2のはずれ図柄テーブルを示す図である。図10においては、(a)に第1大当り図柄テーブル、(b)に第2大当り図柄テーブル、(c)に第1はずれ図柄テーブル、(d)に第2はずれ図柄テーブルが示されている。これらのテーブルのデータは、ROM54に記憶されている。
(a)および(b)に示すように、第1大当り図柄テーブルおよび第2大当り図柄テーブルのそれぞれにおいては、ランダム2の値と、特別図柄の表示結果となる停止図柄(大当り図柄)と、大当りのラウンド数との対応関係が示されている。CPU56は、抽出したランダムRの値に基づいて通常大当りまたは確変大当りとすることが決定されたときに、所定のタイミングでランダム2の値を抽出し、そのランダム2の値に応じて、停止表示する大当り図柄の種類、および、大当り遊技状態でのラウンド数の上限値を選択決定する。
(a)の第1大当り図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第1特別図柄を「1」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を3ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第1特別図柄を「2」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を5ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第1特別図柄を「3」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を7ラウンドに決定する。
(b)の第2大当り図柄テーブルでは、次のように第2特別図柄およびラウンド数を選択決定する。ランダム2の値が0〜2のいずれかのときには、第2特別図柄を「4」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を9ラウンドに決定する。ランダム2の値が3〜5のいずれかのときには、第2特別図柄を「5」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を11ラウンドに決定する。ランダム2の値が6〜9のいずれかのときには、第2特別図柄を「6」の図柄に決定し、大当りのラウンド数の上限値を15ラウンドに決定する。本実施の形態の場合は、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、個別に通常大当りおよび確変大当りの表示結果とラウンド数とを決定する。そして、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、異なる図柄が通常大当り図柄および確変大当り図柄となる。これにより、表示態様がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、通常大当り図柄および確変大当り図柄となったときに選択されるラウンド数が異なるので、遊技内容が多様化し、遊技の興趣が向上する。
(c)および(d)に示すように、第1はずれ図柄テーブルおよび第2はずれ図柄テーブルのそれぞれにおいては、ランダム1の値と、特別図柄の表示結果となる停止図柄(はずれ図柄)との対応関係が示されている。CPU56は、抽出したランダムRの値に基づいてはずれとすることが決定されたときに、所定のタイミングでランダム1の値を抽出し、そのランダム1の値に応じて、停止表示する大当り図柄の種類、および、大当り遊技状態でのラウンド数の上限値を選択決定する。
(a)の第1はずれ図柄テーブルでは、次のように第1特別図柄を選択決定する。ランダム1の値が0,1のいずれかのときには、第1特別図柄を「0」の図柄に決定する。ランダム1の値が2,3のいずれかのときには、第1特別図柄を「4」の図柄に決定する。ランダム1の値が4,5のいずれかのときには、第1特別図柄を「5」の図柄に決定する。ランダム1の値が6,7のいずれかのときには、第1特別図柄を「6」の図柄に決定する。ランダム1の値が8,9のいずれかのときには、第1特別図柄を「9」の図柄に決定する。
(b)の第2はずれ図柄テーブルでは、次のように第2特別図柄を選択決定する。ランダム1の値が0,1のいずれかのときには、第2特別図柄を「0」の図柄に決定する。ランダム1の値が2,3のいずれかのときには、第2特別図柄を「1」の図柄に決定する。ランダム1の値が4,5のいずれかのときには、第2特別図柄を「2」の図柄に決定する。ランダム1の値が6,7のいずれかのときには、第2特別図柄を「3」の図柄に決定する。ランダム1の値が8,9のいずれかのときには、第2特別図柄を「9」の図柄に決定する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄とでは、個別にはずれ図柄を決定する。これにより、表示態様がバラエティに富み、遊技の興趣が向上する。
図11は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間の情報を含む。)の一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
「通常変動」は、リーチ態様を伴わない変動パターンである。「通常変動・短縮」は、リーチ態様を伴わない変動パターンであり、かつ、変動時間が「通常変動」よりも短い変動パターンである。「ノーマルリーチ」は、リーチ態様を伴うが表示結果(停止図柄)が大当り図柄にならない変動パターンである。「リーチA」は、「ノーマルリーチ」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。リーチ態様が異なるとは、リーチ変動時間(リーチ演出が行なわれる期間)で演出表示装置9において異なった態様の変動態様(速度や回転方向等)やキャラクタ画像等が現れたり、演出表示装置9における背景図柄が異なることをいう。
たとえば、「ノーマルリーチ」では単に1種類の変動態様によってリーチ態様が実現されるのに対して、「リーチA」では、変動速度や変動方向が異なる複数の変動態様を含むリーチ態様が実現される。また、「リーチA・短縮」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて短い。「リーチA・延長」は、「リーチA」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチA」に比べて長い。
「リーチB」は、「ノーマルリーチ」および「リーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。また、「リーチB・短縮」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて短い。「リーチB・延長」は、「リーチB」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチB」に比べて長い。「リーチC」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」および「リーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチC・短縮」は、「リーチC」に類似したリーチ態様を持つ変動パターンであるが、リーチ変動時間は、「リーチC」に比べて短い。
また、「スーパーリーチA」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」および「リーチC」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「スーパーリーチB」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」および「スーパーリーチA」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンであり、たとえば動画像によるリーチ態様を持つ変動パターンである。「リーチA・突確」は、「ノーマルリーチ」、「リーチA」、「リーチB」、「リーチC」、「スーパーリーチA」および「スーパーリーチB」とは異なるリーチ態様を持つ変動パターンである。なお、「リーチA・突確」のリーチ態様は、「リーチA」に類似するリーチ態様である。
この実施の形態では、通常大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・短縮」、「リーチA」、「リーチB・短縮」、「リーチB」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。また、確変大当りの場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「リーチA・延長」、「リーチB・延長」、「リーチC・短縮」、「リーチC」、「スーパーリーチA」または「スーパーリーチB」を選択する。突然確変大当りの場合には、「リーチA・突確」を選択する。
また、図11に示すように、変動パターンとしては、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターンと、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターンとがある。
また、時短状態では、「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」の変動パターンが選択される。非時短状態では、それ以外の変動パターンが選択される。ただし、「リーチA・突確」の変動パターンは、時短状態でも非時短状態でも使用される。このような時短状態で選択されるような、変動表示時間が通常の変動パターン(通常変動、リーチA、リーチB、および、リーチCの変動パターン)よりも短縮された変動パターンは、短縮変動パターンと呼ばれる。
なお、この実施の形態では、大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまで、遊技状態は時短状態になる。また、変動表示が終了すると大当り遊技が開始されるときの特別図柄の変動表示を開始するときに、確変状態にすることに決定された場合には、大当り遊技が終了すると遊技状態が確変状態に移行される。なお、そのときの遊技状態が確変状態であれば、確変状態が継続することになる。
確変状態に移行されたら、その後、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了するまでは、確変状態かつ時短状態である。また、大当り遊技が終了した後の非確変状態において、100回の特別図柄の変動(変動表示)の実行が完了すると遊技状態は通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない遊技状態)に移行する。
また、この実施の形態では、確変状態でなく、かつ、時短状態でない通常状態において、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値(後述する合算保留記憶数)が所定個数(たとえば3個)以上となったときには、前述した「通常変動・短縮」、「リーチA・短縮」、「リーチB・短縮」、および「リーチC・短縮」のような時短状態で選択される変動パターンと同様の変動表示時間が短い短縮変動の変動パターンが選択される。このように第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値が所定個数以上となったときに短縮変動の変動パターンを選択する制御は、保留記憶変動短縮制御と呼ばれる。
次に、図11に示した変動パターンを選択するために用いられる変動パターンテーブルを説明する。変動パターンテーブルは、特別図柄の変動パターンを決定するためにランダム3の値と変動パターンとの対応関係が示されているデータテーブルである。変動パターンテーブルのデータは、ROM54に記憶されている。変動パターンテーブルには、はずれ変動パターンテーブル、通常大当り変動パターンテーブル、確変大当り変動パターンテーブル、および、突然確変大当り変動パターンテーブルというような複数種類のテーブルが含まれている。そして、これらの変動パターンテーブルには、さらに複数種類のテーブルが含まれている。
CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、所定のタイミングでランダム3の値を抽出し、実行する変動表示について、ランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて(後述するように必要なときには変動表示が第1〜第2始動入賞のうちのどの始動入賞に基づくかという情報も加えて判断する)、変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、ランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図12は、はずれ変動パターンテーブルを示す説明図である。はずれ変動パターンテーブルとは、変動表示の結果がはずれ表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。はずれ変動パターンテーブルには、(a)に示すはずれ変動パターンテーブルA、(b)に示すはずれ変動パターンテーブルB、(c)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルA、および、(d)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルBが含まれる。
図12の(a)〜(d)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、所定のタイミングでランダム3の値を抽出し、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報と、変動表示が第1〜第2始動入賞のうちのどの始動入賞に基づくかという情報とに基づいて、図12の(a)〜(d)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、ランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図12の(a)に示すはずれ変動パターンテーブルAは、前述の第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。
図12の(c)に示すはずれ短縮変動パターンテーブルAは、前述の第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果がはずれとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)のはずれ変動パターンテーブルAでは、ランダム3の値が0〜119のいずれかのときに「通常変動」を選択し、ランダム3の値が120〜149のいずれかのときに「ノーマルリーチ」を選択する。(b)のはずれ変動パターンテーブルBでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「ノーマルリーチ」を選択する。(c)のはずれ短縮変動パターンテーブルAでは、ランダム3の値が0〜119のいずれかのときに「通常変動・短縮」を選択し、ランダム3の値が120〜149のいずれかのときに「ノーマルリーチ」を選択する。(d)のはずれ短縮変動パターンテーブルBでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「ノーマルリーチ」を選択する。
このように、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンが選択されるときと、リーチとならない変動パターンが選択されるときとがある。
図13は、通常大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。通常大当り変動パターンテーブルとは、変動表示の結果が通常大当りの表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。通常大当り変動パターンテーブルには、(a)に示す通常大当り変動パターンテーブルと、(b)に示す通常大当り短縮変動パターンテーブルとが含まれる。
図13の(a),(b)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて、図13の(a),(b)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図13の(a)に示す通常大当り変動パターンテーブルは、前述の第1始動入賞〜第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が通常大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。図13の(b)に示す通常大当り時短変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が通常大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)の通常大当り変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜59のいずれかのときに「リーチA」を選択する。ランダム3の値が60〜69のいずれかのときに「リーチA・延長」を選択する。ランダム3の値が70〜109のいずれかのときに「リーチB」を選択する。ランダム3の値が110〜139のいずれかのときに「リーチC」を選択する。ランダム3の値が140〜149のいずれかのときに「スーパーリーチA」を選択する。
(b)の通常大当り短縮変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜59のいずれかのときに「リーチA・短縮」を選択する。ランダム3の値が60〜109のいずれかのときに「リーチB・短縮」を選択する。ランダム3の値が110〜149のいずれかのときに「リーチC・短縮」を選択する。
図14は、確変大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。確変大当り変動パターンテーブルとは、変動表示の結果が確変大当りの表示結果となるときの変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。確変大当り変動パターンテーブルには、(a)に示す確変大当り変動パターンテーブルと、(b)に示す確変大当り短縮変動パターンテーブルとが含まれる。
図14の(a),(b)のそれぞれにおいては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、実行する変動表示についてランダムRに基づいて決定された表示結果の情報と、時短状態の制御または保留記憶変動短縮制御によって変動表示時間を短縮する状態であるか否かの情報とに基づいて、図14の(a),(b)のいずれかの変動パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
図14の(a)に示す確変大当り変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が確変大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態ではないときに用いられるテーブルである。図14の(b)に示す確変大当り時短変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、表示結果が確変大当りとなり、変動表示時間を短縮する状態であるときに用いられるテーブルである。
(a)の確変大当り変動パターンテーブルでは、次のように変動パターンを選択する。ランダム3の値が0〜39のいずれかのときに「リーチC」を選択する。ランダム3の値が40〜89のいずれかのときに「スーパーリーチA」を選択する。ランダム3の値が90〜149のいずれかのときに「スーパーリーチB」を選択する。(b)の確変大当り短縮変動パターンテーブルでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「リーチC・短縮」を選択する。
図15は、突然確変大当り変動パターンテーブルを示す説明図である。突然確変大当り変動パターンテーブルは、第1始動入賞〜第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示について、変動表示の結果が突然確変大当りの表示結果となるときに変動パターンを選択するときに用いられるデータテーブルである。また、突然確変大当り変動パターンテーブルは、変動表示の結果が小当りの表示結果となるときに変動パターンを選択するときにも用いられるデータテーブルである。
図15においては、選択対象の変動パターンと、各変動パターンを選択するランダム3の判定値の数値範囲との対応関係が示されている。CPU56は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示について、変動表示を実行するときに、この突然確変大当り変動パターンテーブルを用いて、前述のように抽出されたランダム3の値に対応する変動パターンを選択決定する。
突然確変大当り変動パターンテーブルでは、ランダム3の値が0〜149のいずれかのとき、すなわち、ランダム3の値がどの値となっても「リーチA・突確」を選択する。
前述したように、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞のそれぞれに基づいて行なわれる変動表示については、リーチとなる変動パターンが選択されるときと、リーチとならない変動パターンが選択されるときとがある。また、大当りとなるときには、第1〜第2のどの始動入賞による変動表示であっても、リーチとなる変動パターンのみが選択される。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りと、小当りとで、変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルとして、同じテーブルを用いる例を示した。しかし、これに限らず、突然確変大当りと、小当りとで、変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルを個別に設けてもよい。その場合には、選択可能な変動パターンを複数設け、それぞれの変動パターンを選択する割合が、突然確変大当りの変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルと、小当りの変動パターンを選択するときに用いる変動パターンテーブルとで、微妙に異なるようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図16は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図16に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図17に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機になる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図17に示された極性と逆極性であってもよい。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図18に示す例において、コマンド8001(H)〜800E(H)は、特別図柄の変動表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において変動表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800E(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、および大当り遊技の種類を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の変動表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A004(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定〜大当り開始指定4指定コマンドがある。コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、非確変大当り(通常大当り)であったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC3XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC3XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC400(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、これに限らず、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図18に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図18に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1変動表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の変動表示と第2変動表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、第1変動表示部と第2変動表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に伴って演出を行なう演出表示装置9等の演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図19は、演出制御コマンドの送信タイミングの一例を示す説明図である。
図19(a)には、始動入賞(第1始動入賞、第2始動入賞)が生じたときの演出制御コマンドの送信タイミング例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。
図19(b)には、変動表示が行なわれるときの演出制御コマンドの送信タイミング例が示されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示を開始するときに、変動パターンコマンド、特別図柄特定コマンド、表示結果特定コマンド、および、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、変動表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
なお、変動パターンコマンドを送信する前に、遊技状態(たとえば、通常状態/時短状態/確変状態)に応じた演出表示装置9における背景画像を指定する背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(S27A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
第1特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S321,S322)。そして、第2特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、および小当り遊技中でないことを条件に(S323)、S300〜S311のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第2特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、および小当り遊技中でないことは、たとえば、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定される。
S300〜S311の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数(第1始動入賞記憶数)を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。第1保留記憶数が0でない場合には、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に対応した値(この例では1)に更新する。
第1変動パターン設定処理(S301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。第1特別図柄の変動表示後の停止図柄を決定する。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(変動表示時間:変動表示を開始してから表示結果が導出表示(停止表示)するまでの時間)を第1特別図柄の変動表示の変動時間とすることに決定する。また、第1特別図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果特定コマンド送信処理(S302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(S303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(S304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、第1特別図柄表示器8aにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。また、第1特別図柄の停止図柄を停止表示させる時間(図柄停止時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットする。
そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(S305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄変動中処理でセットされた図柄停止時間が経過すると、フラグのセット状況の確認処理を実行する。大当りフラグがセットされ、かつ、小当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1大入賞口開放前処理(S306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(S307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。
第1大当り終了処理(S308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
第1小当り開放前処理(S309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。第1小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)等を初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。なお、第1小当り開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第1小当り開放中処理(S310):第1特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS311に対応した値(この例では11(10進数))に更新する。
第1小当り終了処理(S311):第1特別図柄プロセスフラグの値が11であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する第2特別図柄プロセス処理(S27B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器9aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンして第2始動入賞が発生しているか、または、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したことを検出するための第3始動口スイッチ12aがオンしていたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S521,S522)。そして、第1特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、および小当り遊技中でないことを条件に(S523)、S500〜S511のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第1特別図柄が変動中でないこと、大当り遊技中でないこと、および小当り遊技中でないことは、たとえば、第1特別図柄プロセスフラグの値によって判定される。
第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(S500)〜第2小当り終了処理(S511)の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S500)〜第1小当り終了処理(S511)の処理内容と同様である。すなわち、前述した第1特別図柄通常処理(S500)〜第1小当り終了処理(S511)の処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
図22は、S322の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S411)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S412)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S413)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(S414)。
図24は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図24には、合算保留記憶数カウンタの値が3であるときから、第1始動入賞、第2始動入賞の順に始動入賞が発生して合算保留記憶数カウンタの値が4,5と増加したときの保留特定領域の状態が例示されている。
図24において、(a)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。このような保留特定領域においては、前述のS414により、図24の(b)に示すように、「第1始動入賞」であることを示すデータ(図中「第1」)が、始動入賞が生じた順番(図中1〜8の順番)にしたがって、その順番を特定可能に、記憶されている。また、保留特定領域においては、後述するS425により、図24の(c)に示すように、「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)が、始動入賞が生じた順番にしたがって、その順番を特定可能に記憶される。以下においては、保留特定領域のデータ状態を示すテーブルを合算保留記憶テーブルともいう。
保留特定領域のデータは、最も過去に発生した始動入賞のデータを記憶する領域から古い順にデータが読出されて第1始動入賞および第2始動入賞のどれであるかが確認される(後述する図25のS52参照)。そして、確認された最も古いデータは削除され、残りのデータは、1つずつ領域がシフトされる(図24に示された例では、左にシフトされる)。S52,S54の処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞との中では、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始される。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S415)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。なお、S415では、ランダム1〜3(図7参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。
そして、第1始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S416)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S417)、処理を終了する。
図23は、S522の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S421)。第2保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第2保留記憶数が4になっていない場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S422)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S423)。そして、第2始動口スイッチ14aがオンしているか否かを判断する(S424)。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていないと判断したときは、消去法的に、第3始動口スイッチ14aがオンしていると判断されるので、後述するS445に進む。一方、第2始動口スイッチ14aがオンしていると判断したときは、保留特定領域において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第2始動入賞」であることを示すデータをセットする(S425)。たとえば、図24の(c)に示すように、「第2始動入賞」であることを示すデータ(図中「第2」)が、始動入賞が生じた順番にしたがって、その順番を特定可能に記憶される。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第2保留記憶数カウンタの値に対応する第2保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S426)。第2保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第2保留記憶数の上限値と同数確保されている。S426では、ランダム1〜3(図7参照)の値を抽出し、乱数回路503のカウント値を読出すことによってランダムRを抽出する。
そして、第2始動入賞指定コマンドを送信する制御を行なう(S434)。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行ない(S435)、処理を終了する。
前述したS424により第2始動口スイッチ14aがオンしていないと判断してS445に進んだときは、第3始動口スイッチ14aがオンした場合である。
S445では、前述したS425の処理と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。そして、S446に進む。
S446では、前述したS426の処理と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。そして、前述したS434の処理が行なわれる。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13への第1始動入賞と、第2始動入賞口14への第2始動入賞との間では、第2始動入賞のデータの方を第1始動入賞のデータよりも優先的に変動表示に用いるようにしてもよい。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)の一部と第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理(S500)の一部とを示すフローチャートである。図26は、図25に示す第1特別図柄通常処理に続いて実行される第1特別図柄通常処理の部分を示すフローチャートである。
図25においては、(a)に第1特別図柄通常処理の一部を示し、(b)に(a)の部分に対応する第2特別図柄通常処理の一部を示す。また、図25の(a)に示す第1特別図柄通常処理の続きを図26に示すが、図25の(b)に示す第2特別図柄通常処理の続きは、処理内容が図26に示す第1特別図柄通常処理と類似するので、図示を省略し、図25の処理に続く処理の代表例として、図26に第1特別図柄通常処理に続く処理を示す。
図25の(a)の第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば処理を終了する。一方、第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図24参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1始動入賞」であるか否か確認する(S52)。「第1始動入賞」であれば、S53以降の処理を行なう。
S53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図24に示された例では、左にシフトする(S54)。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56)、後述する図26のS61に進む。
このように、第1特別図柄の変動表示は、保留特定領域における1番目のデータが「第1始動入賞」のデータとなるごとに実行される。
図25の(b)の第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(S51a)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば処理を終了する。一方、第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図24参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第2始動入賞」に該当するか否か確認する(S52a)。「第2始動入賞」でなければ処理を終了する。「第2始動入賞」であれば、変動表示が第2始動入賞の保留記憶に基づいて行なわれる旨を示す第2始動フラグをセットし(S52c)し、S53aに進む。
S53aでは、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図24に示された例では、左にシフトする(S54a)。
次いで、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55a)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56a)、第2特別図柄通常処理において後述する図26のS61に対応するステップに進む。
このように、第2特別図柄の変動表示は、保留特定領域における1番目のデータが「第2始動入賞」のデータとなるごとに実行される。
(a)のS52,S54、および、(b)のS52a,S54aの処理によって、第1始動入賞と第2始動入賞とについては、これらの中で、最も過去に発生した始動入賞について特別図柄の変動が開始されることになる。つまり、始動入賞順に特別図柄の変動が開始される。
なお、この実施の形態では、S52,S52aの判断処理を行なうことによって、第1始動入賞および第2始動入賞については、始動入賞が生じた順に特別図柄の変動表示が開始されるが、第1始動入賞および第2始動入賞のうち一方の始動入賞を優先して変動表示を開始するようにしてもよい。たとえば、S52,S52aの判断処理をなくすと、第2特別図柄通常処理を含む第2特別図柄プロセス処理よりも先に第1特別図柄通常処理を含む第1特別図柄プロセス処理が実行されるので(図6参照)、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない場合に、第1保留記憶数が0になるまで、第1保留記憶数に基づく第1特別図柄の変動表示が優先して実行される。
S61では、CPU56が、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読出す(S61)。そして、CPU56は、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、予め決められている判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当り(通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当り)または小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。具体的に、S62では、通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、および、はずれのうちどの当りはずれの種類にするかを決定する。
なお、CPU56は、遊技状態が確変状態であるときには、図8(b)に示すような判定値が設定されている第1確変時大当り判定テーブルにおける判定値を使用し、遊技状態が通常状態(非確変状態)であるときには、図8(a)に示すような判定値が設定されている第1通常時大当り判定テーブルにおける判定値を使用する。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S81に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数(ランダム1)を読出す(S64)。そして、図10の(c)の第1はずれ図柄テーブルを用い、はずれ図柄決定用乱数に基づいて停止図柄を決定する(S65)。
さらに、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には(S66)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(S67)。そして、時短回数カウンタの値が0になった場合には、変動表示が終了したときに遊技状態を非時短状態に移行させるために時短終了フラグをセットする(S68,S69)。そして、S90に移行する。
S81では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数(ランダム2)を読出す(S82)。そして、大当り図柄決定用乱数等に基づいて、停止図柄としての大当り図柄を決定する(S83)。具体的に、S83において、S62において通常大当りまたは確変大当りとすることが判定されたときには、図10の(a)の第1大当り図柄テーブルを用い、S82により抽出された大当り図柄決定用乱数に基づいて第1特別図柄の大当り図柄をランダムに選択決定する。なお、ここでは、確変大当りと通常大当りとを区別せずに停止図柄を決定する。また、S83において、S62において突然確変大当りまたは小当りとすることが判定されたときには、図9の(a)の第1特別図柄テーブルを用いて、当りの種類に対応する第1特別図柄の停止図柄を決定する。
次いで、CPU56は、確変大当りとすることに決定されている場合には、確変大当りフラグをセットする(S84,S85)。また、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、突然確変大当りフラグをセットする(S86,S87)。また、小当りとすることに決定されている場合には、小当りフラグをセットする(S88,S89)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S90)。なお、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされた場合には、大当り遊技が終了したときに遊技状態が確変状態に移行される。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数に基づいて、大当りとするか否かと大当りの種類とを決定するようにしているが(図8参照)、大当り判定用乱数に基づいて大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定された場合に大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するようにしてもよい。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数であるランダム3の値を読出す(S450)。そして、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを判断する(S451)。
時短フラグがセットされていると判断したときは、短縮変動パターンを選択するために、後述するS460に進む。一方、時短フラグがセットされていないと判断したときは、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(たとえば、3以上)であるか否かを判断する(S452)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、短縮変動パターンを選択するために、後述するS460に進む。一方、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上ではないと判断したときは、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S453)。
S453により確変大当りフラグがセットされていると判断したときは、図14の(a)の確変大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンをランダムに選択決定し(S454)、S467に進む。一方、S453により確変大当りフラグがセットされていないと判断したときは、突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S455)。
S455により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていると判断したときは、図15の突然確変大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定(本実施の形態の場合は選択可能な変動パターンは1つであり、変動パターンが固定的に選択決定されるが、これに限らず、選択可能な変動パターンを複数とし、ランダムに選択されるようにしてもよい)し(S456)、S467に進む。前述したように、突然確変大当りと小当りとでは、同じ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。一方、S455により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていないと判断したときは、大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S457)。
S457により大当りフラグがセットされていると判断したときは、消去法的に、通常大当りとすることが決定されていると判断される場合である。S457により大当りフラグがセットされていると判断したときは、図13(a)の通常大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S458)、S467に進む。一方、S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、消去法的に、はずれとすることが決定されていると判断される場合である。S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、図12(a)のはずれ変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S459)、S467に進む。
また、前述のS451により時短フラグがセットされていると判断したとき、および、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、短縮変動パターンを選択するときであり、確変大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S460)。
S460により確変大当りフラグがセットされていると判断したときは、図14の(b)の確変大当り短縮変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンをランダムに選択決定し(S461)、S467に進む。一方、S460により確変大当りフラグがセットされていないと判断したときは、突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされているか否かを判断する(S462)。
S462により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていると判断したときは、図15の突然確変大当り変動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定(本実施の形態の場合は選択可能な変動パターンは1つであり、変動パターンが固定的に選択決定されるが、これに限らず、選択可能な変動パターンを複数とし、ランダムに選択されるようにしてもよい)し(S463)、S467に進む。前述したように、突然確変大当りと小当りとでは、同じ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを決定する。一方、S462により突然確変大当りフラグまたは小当りフラグがセットされていないと判断したときは、大当りフラグがセットされているか否かを判断する(S464)。
S464により大当りフラグがセットされていると判断したときは、消去法的に、通常大当りとすることが決定されていると判断される場合である。S464により大当りフラグがセットされていると判断したときは、図13(b)の通常大当り変短縮動パターンテーブルを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S465)、S467に進む。一方、S464により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、消去法的に、はずれとすることが決定されていると判断される場合である。S464により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、図12(b)のはずれ短縮変動パターンテーブルAを用い、S450により読出されたランダム3の値に基づいて、変動パターンを選択決定し(S466)、S467に進む。
S467では、CPU56は、S454,S456,S458,S459,S461,S463,S465,またはS466で選択した変動パターンに応じた変動パターンコマンド(図18参照)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S467)。具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、図6の演出制御コマンド制御処理(S29)において演出制御コマンドを送信する。
また、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう(S468)。そして、第1特別図柄の変動を開始する(S469)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図11参照)に応じた値を設定する(S470)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1表示結果特定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新し(S471)、処理を終了する。
図28は、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理(S501)を示すフローチャートである。第2変動パターン設定処理の処理内容は、一部を除き、前述の第1変動パターン設定処理と同様である。したがって、ここでは、重複した説明を避け、第2変動パターン設定処理が第1変動パターン設定処理と異なる点を説明する。
第2変動パターン設定処理の処理内容が第1変動パターン設定処理と異なるのは、S466dが設けられていること、および、S468〜S471の代わりに、S468a〜S471aが行なわれることである。第2変動パターン設定処理の処理内容が第1変動パターン設定処理と同様であるステップには、第1変動パターン設定処理と共通のステップ番号を付し、重複した説明を避ける。
第2変動パターン設定処理において、CPU56は、S450〜S458により、第1変動パターン設定処理のS450〜S458と同様の処理を行なう。ただし、第2変動パターン設定処理におけるS450〜S458の処理は、第2特別図柄の変動表示を対象として実行する。
第2変動パターン設定処理において、S454により変動パターンを選択した後は、後述するS466dに進む。また、第2変動パターン設定処理において、S457により大当りフラグがセットされていないと判断したときは、S459に進む。S459では、図27のS459と同様な処理が行なわれるので詳細な説明は繰り返さない。
S466dでは、その時点でセットされている第2始動フラグをリセットし、S467に進む。
この実施の形態の場合、大当りおよび小当りとなるときには、S454,S456,S458,S461,S463,S465により、第1始動入賞〜第2始動入賞のすべてについて、必ずリーチとなる変動パターンが選択される。また、はずれとなるときには、第1始動入賞および第2始動入賞については、S459,S466により、リーチとなる変動パターンとリーチとならない変動パターンとのどちらかが選択される。
S467で変動パターンコマンドを送信した後、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行なう(S468a)。そして、第2特別図柄の変動を開始する(S469a)。たとえば、S33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第2変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間(図11参照)に応じた値を設定する(S470a)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第2表示結果特定コマンド送信処理(S502)に対応した値に更新し(S471a)、処理を終了する。
図29は、第1表示結果特定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。第1表示結果特定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類(小当りを含む。)に応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図18参照)を送信する制御を行なう。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグ(小当りに決定されている場合にもセットされている。)がセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行なう(S111)。大当りフラグがセットされている場合、確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行なう(S112,S113)。
突然確変大当りフラグがセットされているときには、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行なう(S114,S115)。小当りフラグがセットされているときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行なう(S116,S117)。確変大当りフラグ、突然確変大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていないときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行なう(S118)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S119)。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(S303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう(S101)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S102)。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(S304)を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(S121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたかどうか確認する(S122)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていなければ(S122のN)、そのまま処理を終了する。第1変動時間タイマがタイムアウトしたときは(S122のY)、CPU56は、S33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄を導出表示する制御を行なう(S123)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう(S124)。そして、CPU56は、第1特別図柄プロセスタイマに図柄停止時間を設定し(S125)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S305)に対応した値に更新する(S126)。
図32は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄プロセスタイマの値を1減算し(S131)、第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうか確認する(S132)。第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(S132のN)、そのまま処理を終了する。第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると(S132のY)、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S133)。そして、大当りフラグがセットされていない場合には(S133のN)、S146に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には(S133のY)、CPU56は、大当り開始指定コマンドを送信する制御を行なう(S135)。具体的には、確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始3指定コマンドを送信し、突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り開始4指定コマンドを送信し、小当りフラグがセットされている場合には大当り開始2指定コマンドを送信し、そうでない場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことをたとえば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S136)。そして、小当りフラグがセットされている場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(S309)に対応した値に更新する(S137,S138)。小当りフラグがセットされていない場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する(S139)。なお、小当りフラグがセットされていない場合とは、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りに決定されている場合である。
S146では、CPU56は、時短終了フラグがセットされているか否か確認する。時短終了フラグがセットされていない場合には、S149に移行する。時短終了フラグがセットされている場合には、時短終了フラグをリセットし(S147)、遊技状態が時短状態であることを示す時短フラグをリセットする(S148)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S149)。
なお、時短終了フラグは、第1特別図柄通常処理におけるS69でセットされている。また、時短フラグがリセットされることによって、遊技状態は非時短状態に移行する。この段階で遊技状態が確変状態であれば、遊技状態は、非時短状態の確変状態になる。また、非確変状態であれば、通常状態(確変状態でなく、かつ、時短状態でない状態)に移行する。
図20のS306の第1大入賞口開放前処理では、CPU56は、大当り表示時間タイマが設定されている場合には、大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(S307)に対応した値に更新する。なお、大当り表示時間タイマが設定されている場合とは、第1ラウンドの開始前の場合である。インターバルタイマ(ラウンド間のインターバル時間を決めるためのタイマ)が設定されている場合には、インターバルタイマがタイムアウトしたら、大入賞口を開放する制御を行なうとともに、大入賞口開放時間タイマに開放時間(たとえば、通常大当りおよび確変大当りの場合には29秒。突然確変大当りの場合には0.5秒)に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放中処理(S307)に対応した値に更新する。
図20のS307の第1大入賞口開放中処理では、CPU56は、大入賞口開放時間タイマがタイムアウトするか、または大入賞口への入賞球数が所定数(たとえば10個)に達したら、最終ラウンドが終了していない場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なうとともに、インターバルタイマにインターバル時間に相当する値を設定し、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S306)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了した場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り終了処理(S308)に対応した値に更新する。
図33は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S308)を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S150)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S154に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S151)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行なう(S152)。ここで、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、確変大当りフラグおよび突然確変大当りフラグがセットされていない場合には大当り終了1指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行なわれている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S153)、処理を終了する。
S154では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S155)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させ(S156)、時短回数カウンタに100を設定する(S157)。
そして、確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされているか否か確認する(S158)。確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグがセットされている場合は、セットされているフラグ(確変大当りフラグまたは突然確変大当りフラグ)をリセットし(S159)。確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S161)。なお、そのときの遊技状態が確変状態である場合には、既に確変フラグはセットされている。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S162)。
図20のS309の第1小当り開放前処理では、第1大入賞口開放前処理(S306)と同様の処理を行なう。ただし、第1特別図柄プロセスフラグの値を、第1大入賞口開放中処理に対応した値に更新することに代えて、第1小当り開放中処理に対応した値に更新する。また、S310の第1小当り開放中処理では、第1大入賞口開放中処理(S307)と同様の処理を行なう。ただし、最終ラウンドでない場合には、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り開放前処理(S309)に対応した値に更新し、最終ラウンド(第2ラウンド)であれば、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1小当り終了処理(S311)に対応した値に更新する。
図34は、第1特別図柄プロセス処理における第1小当り終了処理(S311)を示すフローチャートである。第1小当り終了処理において、CPU56は、小当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S170)、小当り終了表示タイマが設定されている場合には、S174に移行する。小当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグおよび小当りフラグをリセットし(S171A,S171B)、大当り終了1指定コマンドを送信する制御を行なう(S172)。そして、小当り終了表示タイマに、演出表示装置9において小当り終了表示が行なわれている時間(小当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を小当り終了表示タイマが設定し(S173)、処理を終了する。
S174では、小当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、小当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち小当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S175)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S176)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S28)について説明する。図35は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S211)、ゲートスイッチ通過処理(S212)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS200〜S203に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S212):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S200):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(たとえば普通図柄プロセスフラグの値がS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S201):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S202):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(S203):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図36は、普通図柄通常処理(S200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S221)。ゲート通過記憶数が0であれば(S221のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S222)。
そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S223)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読出し(S224)、読出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S225)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。たとえば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S226)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S227)。なお、この実施の形態では、図39に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S228)。
図37は、普通図柄変動処理(S201)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S231)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S231のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S235)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S231のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S232)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S233)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S234)。
図38は、普通図柄停止処理(S202)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S241)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S241のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S242)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S241のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S225にて当りと判定されたかどうか)を確認する(S243)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、たとえば、S225にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S243のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S245)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(S245のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図39に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S246)。一方、低ベース状態であるときは(S245のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図39に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S247)。図39に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、S246またはS247で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S248)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S249)。
S243において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S243のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S250)。
図40は、普通電動役物作動処理(S203)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S263)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(S264)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S264のN)、S268の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S264のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S265)。
そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S266)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S266のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S267)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S261のY、S272参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S268)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S269)。タイムアウトしていなければ(S269のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S269のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S270)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S271)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS268〜S271の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、たとえば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
図41は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図41に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第3始動口スイッチ12a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aの検出信号が入力される。このような入力ポート0は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、図示を省略するが、ゲートスイッチ32a、の検出信号は、その他の入力ポートのビットに割り当てられている。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図42は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図43は、図42に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図43に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図3に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図3では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図44は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図44に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12a)が遊技球の入賞を検出したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。
なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球がパチンコ遊技機1に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、予め決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行ない、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行なう場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、たとえば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(S21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図45は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。
前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図41に示すビット0〜7等に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図46は、遊技制御処理におけるS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(S331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(S332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(S333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファのビットと前回ポートバッファのビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(S334)。
そして、各スイッチの検出信号が入力される入力ポートのデータを入力し(S335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(S336)。S334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、各スイッチの検出信号が入力される入力ポートから入力したデータと前回データの論理積をとる(S337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの各ビットと前回ポートバッファの各ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、各スイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、S337で前回データと入力ポートから入力したデータとの論理積をとると、入力ポートから入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。
すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(S338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図47は、S31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(S341)と賞球制御処理(S342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図48に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「8」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図41参照)。
図49は、図47のS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(S352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S353)。
そして、ポインタの値を1増やし(S354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(S355)。また、ポインタの値を1増やす(S356)。
S355における演算結果が0でなければ(S361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、S362Aに移行する。S355における演算結果が0であれば(S361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(S359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければS354に戻る(S360)。
S362Aでは、CPU56は、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、S361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(S362AのY)、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かと、第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かとを確認する(S362B)。第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、第1特別図柄プロセス処理において、S306の第1大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。また、小当り遊技中は、小当り表示が開始されてから小当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということは、第2特別図柄プロセス処理において、第1特別図柄プロセス処理におけるS306の第1大入賞口開放前処理に相当する処理(第2大入賞口開放前処理)以後の処理が実行されていることを意味する。つまり、第2特別図柄プロセス処理において、大当り遊技中または小当り遊技中であることを意味する。よって、第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるということも、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか、又は第2特別図柄プロセスフラグが5以上である場合には(S362BのY)、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(S364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(S365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(S357,S358)。そして、S359の処理に移行する。
第1特別図柄プロセスフラグの値が5未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態は、大当り遊技および小当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、第1特別図柄プロセスフラグの値が5未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が5未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(S362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(S364,S365の処理をスキップする)。そして、S359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(S362AのN)、CPU56は、S355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(S363A)。すなわち、S361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(S363AのY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(S363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、図35のS203の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(S363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(S363BのY)には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(S364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(S365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(S357,S358)。そして、S359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(S363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(S364,S365の処理をスキップする)。そして、S359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグ)の値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行なってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理または小当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理または小当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示または小当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(S363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図40に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンに基づいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。
しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。たとえば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまり、図40のS271で可変入賞球装置15が閉鎖してからS261のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、S270で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(たとえば5秒)をセットし、S271で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(たとえば5秒)よりも短い時間(たとえば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(S244)。
普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(たとえば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。
具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(たとえば、図40のS272の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(S363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにS364,S365の処理をスキップしてS359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が5以上でないと判定されたときに(S362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにS364,S365の処理をスキップしてS359の処理に移行するようにする。
なお、S362Bにおいて特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が5未満である場合(S362BのN)やS363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(S363BのN)に、賞球払出しを禁止する制御を行なわないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞に基づく賞球払出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図50は、図47のS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(S371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(S372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(S373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(S374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(S375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(S376)。
S376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、S375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図44参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。したがって、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(S377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(S378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(S379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(S381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(S382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払出されるように払出装置97を駆動する。
図51は、図6のS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(S551)。異常報知禁止フラグは、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図5におけるS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、S555に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、S45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(S552)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(S553,S554)。
次いで、第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かと、第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かとを確認する(S555)。第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上である状態は、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行なわない。すなわち、第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば、S560に移行する。
第1特別図柄プロセスフラグの値が5未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば(大当り遊技も小当り遊技も行なわれていない状態)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S556)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図48参照)との論理積をとる(S557)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0である場合には(S558のY)、処理を終了する。一方、論理積の演算結果が0でない場合には(S558のN)、大入賞口が開状態以外の状態であるにも関わらず、大入賞口に遊技球が入賞した異常な状態である。この場合には、大入賞口が閉状態で生じた異常な入賞個数を計数するためのカウンタとしての大入賞口異常カウンタの値を1加算し(S559A)、その大入賞口異常カウンタの値が所定値(たとえば、5)以上であるか否かを判断する(S559B)。大入賞口異常カウンタの値が所定値以上ではないと判断したときは、まだ大入賞口への異常入賞が生じたとは判定せず、後述するS560に進む。一方、大入賞口異常カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行ない(S559C)、S560に進む。
次に、S560では、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(S560)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(S560のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なわずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なう。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(S560のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S561)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(40(H)、図48参照)との論理積をとる(S562)。スイッチオンバッファの内容が40(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は40(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0である場合には(S563のY)、処理を終了する。一方、論理積の演算結果が0でない場合には(S563のN)、大入賞口が開状態以外の状態であるにも関わらす、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した異常な状態である。この場合には、第2始動入賞口14が閉状態で生じた異常な入賞個数を計数するためのカウンタとしての始動口異常カウンタの値を1加算し(S564A)、その始動口異常カウンタの値が所定値(たとえば、5)以上であるか否かを判断する(S564B)。始動口異常カウンタの値が所定値以上ではないと判断したときは、まだ第2始動入賞口14への異常入賞が生じたとは判定せず、処理を終了する。一方、始動口異常カウンタの値が所定値以上であると判断したときは、始動口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S564C)。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行なわれていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行なっているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、S555の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、S362Bの処理と同様に、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。
また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、S560の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、S363Bの処理と同様に、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図52は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。
そして、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする(タイマ割込フラグのデータは「1」のときにセットされた状態を示し、「0」のときにクリア(リセット)された状態を示す)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされたことを確認したら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を実行する(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。また、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。
また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、所定の乱数(たとえば、停止図柄を決定するための乱数)を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御処理を実行する(S710)。その後、S702に移行する。
図53は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図18参照)であるのか解析する。
図54〜図56は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読出す(S612)。なお、読出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(S618)。そして、表示結果特定コマンド受信フラグをセットする(S619)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S622)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかであれば(S623)、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S629A)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S629B)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S630A)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S630B)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S630C)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S630D)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S630G)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S630H)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(S631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S632A)。初期画面には、予め決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(S632B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(S632C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行なわれているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S633)、予め決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S634)。そして、停電復旧フラグをセットする(S635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(S643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(S644)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(S645)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(S646)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S647)。そして、S611に移行する。
図57は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の変動表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図57に示すように、所定時間(たとえば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図57(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図57(B)参照)。
図58は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図58(A)、(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数カウンタの値に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図58(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図58(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数カウンタの値に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図58(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図58(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図58(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。
なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図58(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。したがって、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
図59は、停電復旧指定コマンドを受信した場合の演出表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。図59に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドを受信すると、演出表示装置9の演出図柄表示領域91に、遊技状態が復旧して、停電前の遊技状態から遊技を続行できることを報知するための表示を行なう。この実施の形態では、停電復旧時に合算保留記憶表示部18cにおける表示態様が所定の態様(この例では、星印)に変更されるが、遊技状態が復帰されることの報知(停電前の遊技状態から遊技を続行できることの報知)が同時になされることによって、合算保留記憶表示部18cの表示態様の変更に対して不審感を抱く遊技者が現れることを防止できる。
図60は、図52の演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄)および演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S806):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図61は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。
図62および図63は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読出す(S820)。次いで、第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S821)。第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(S822)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S823)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S824)。その後、S816に移行する。
第1図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされているはずである。そこで、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットし(S825)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S826)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を設定する(S827)。その後、S816に移行する。
S816では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを示すデータを読出す。次いで、表示結果特定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S817)。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされていなければ、S830に移行する。表示結果特定コマンド受信フラグがセットされている場合には、表示結果特定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果特定コマンド)に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S818)。なお、演出制御用CPU101は、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
図64は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図64に示す例では、受信した表示結果特定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果特定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果4指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として左中右図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
受信した表示結果特定コマンドが小当りまたは突然確変大当りを示している場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果3指定コマンドまたは表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄としての左中右の演出図柄として「135」(小当りまたは突然確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果特定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組合せを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右が揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、演出表示装置9に導出表示される左中右の演出図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、たとえば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。突然確変大当りを想起させるような停止図柄を突然確変大当り図柄といい、小当りを想起させるような停止図柄を小当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、変動終了時に、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
また、演出制御用CPU101は、表示結果特定コマンド受信フラグをリセットする(S819)。次いで、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S833)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S834)。
図65は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータにしたがって演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。
図65に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行なっていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S835A,S835B)。
たとえば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容にしたがって演出装置の制御を実行する(S835A,S835C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな変動表示が開始される場合に、その変動表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、変動表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、S835BとS835Cの処理を分ける必要はない。
また、S835Cの処理を行なうときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1に基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の変動表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな変動表示が開始される場合に、その変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S836)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S837)。
S830では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図11に示すように、「リーチC・短縮」、「リーチC」および「スーパーリーチA」の変動パターンコマンドが、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。
演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、演出図柄の停止図柄を通常大当り図柄に決定する(S832)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定する(S831)。
なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類に応じて使用される(図11参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれに決定されているのか大当り(小当りを含む。)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、表示結果特定コマンドを受信できなかったときには、演出図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、表示結果特定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。
また、変動パターンコマンドに演出図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示結果特定コマンドを受信できなくても演出図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
図66は、図60の演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S841)、変動時間タイマの値を1減算する(S842)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S843)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S844)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S845A,S845B)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)にしたがって演出装置の制御を実行する(S845A,S845C)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の変動表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、S845Cの処理が行なわれるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の変動表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S846)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S848)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S847)、S848に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、たとえば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
図67は、図60の演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S851)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S852)、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)にしたがって停止図柄を導出表示する制御を行なう(S853A)。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S853B)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされると、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bのうちで変動(変動表示)している飾り図柄表示器における変動が停止され、大当り/はずれに応じた側のLEDの点灯が維持される。そして、演出制御用CPU101は、大当りとすることに決定されているか否か確認する(S854)。大当りとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドによって確認される。なお、この実施の形態では、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
大当りとすることに決定されている場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S855)。
大当りとしないことに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、時短状態フラグがセットされているか否か確認する(S856)。時短状態フラグは、遊技状態が時短状態である場合にセットされている(後述するS886参照)。時短状態フラグがセットされている場合には、時短変動回数カウンタの値を+1する(S857)。
そして、演出制御用CPU101は、時短変動回数カウンタの値が100になっているか否か確認する(S858)。時短変動回数カウンタの値が100になっている場合には、時短状態フラグをリセットする(S859)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S860)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信したことを条件に、飾り図柄および演出図柄の変動(変動表示)を終了させる(S851参照)。しかし、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間タイマがタイムアウトしたら、図柄確定指定コマンドを受信しなくても、飾り図柄および演出図柄の変動を終了させるように制御してもよい。その場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動表示の終了を指定する図柄確定指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
図68は、図60の演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1〜4指定コマンドのいずれかを受信したことを示す大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S871)。大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれかがセットされていた場合には、セットされているフラグに応じた遊技開始画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう(S872)。また、セットされているフラグ(大当り開始1〜4指定コマンド受信フラグのいずれか)をリセットする(S873)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S805)に応じた値に更新する(S874)。
S872では、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信している場合には、小当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。また、大当り開始4指定コマンドを受信している場合には、突然確変大当り遊技の開始を報知する画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。そして、大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始3指定コマンドを受信している場合には、大当り遊技の開始を報知する画面(小当り遊技の開始を報知する画面および突然確変大当り遊技の開始を報知する画面とは異なる。)を演出表示装置9に表示する制御を行なう。
図69は、図60の演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S806)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマが設定されているか否か確認する(S880)。大当り終了演出タイマが設定されている場合には、S885に移行する。大当り終了演出タイマが設定されていない場合には、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグ(大当り終了1指定コマンド受信フラグまたは大当り終了2指定コマンド受信フラグ)がセットされているか否か確認する(S881)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S882)、大当り終了演出タイマに大当り終了表示時間に相当する値を設定して(S883)、演出表示装置9に、大当り終了画面(大当り遊技の終了を報知する画面)を表示する制御を行なう(S884)。具体的には、VDP109に、大当り終了画面を表示させるための指示を与える。
なお、この実施の形態では、大当りの種類が異なっても、同じ大当り終了画面が演出表示装置9に表示される。たとえば、大当り終了表示と小当り終了表示とは同じである。しかし、小当り終了表示(小当り終了表示を含む。)を、大当りの種類に応じて分けるようにしてもよい。
S885では、大当り終了演出タイマの値を1減算する。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了演出タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S886)。経過していなければ処理を終了する。経過していれば、時短状態フラグをセットし(S887)、時短回数カウンタに0を設定する(S888)。また、大当り終了1指定コマンドを受信している場合には、確変状態フラグをリセットする(S889,S891)。大当り終了1指定コマンドを受信していない場合(大当り終了2指定コマンドを受信している場合)には、確変状態フラグをセットする(S889,S890)。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S892)。
確変状態フラグおよび時短状態フラグは、たとえば、演出制御用CPU101が、確変状態および時短状態を、演出表示装置9における背景や装飾発光体(ランプ・LED)によって報知する場合に使用される。
図70は、図52の演出制御メイン処理におけるS706の第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S781)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S785に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S782)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S783)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S784)。
S785では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S853B(図67参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S786)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータにしたがって第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S791)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S792)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S787)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S788)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切替え(S789)、飾り図柄切替タイマにたとえば0.5秒に相当する値を再設定する(S790)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDがたとえば0.5秒ごとに切替えられ、第1飾り図柄の変動表示が実現される。
なお、図52の第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図71は、演出表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図71(A)には、演出制御用CPU101が、初期化指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。初期画面では、「初期化されました」というメッセージを演出図柄の上に重ねて示す態様で表示する。図71(B)には、演出制御用CPU101が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。
図71(C)には、演出制御用CPU101が、異常入賞報知指定コマンドの受信に応じて演出表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、演出図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図71(C)の右側参照)。異常報知画面では、「入賞エラーが起きましたという」メッセージを演出図柄の上に重ねて示す態様で表示する。なお、異常報知画面では、「入賞エラーが起きましたという」メッセージを演出図柄が表示されている位置とは異なる位置に表示するようにしてもよい。
図72〜図74は、図52の演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、S701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(S902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(S904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図58(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(S905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(S906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(S910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(S911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(S912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(S913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(S914)。「4」になっていなければ、S907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(S915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、S907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞に基づく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞に基づく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞に基づく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(S916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(S917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(S918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(S919)。S919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、S907に移行する。
このような制御を行なうことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、S931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(S922)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(S923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(S924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(S925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(S926)。「4」になっていなければ、S935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(S927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、S935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(S928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(S929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(S930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(S934)。S934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、S935に移行する。
S935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
S931では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(S932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(S933)。そして、S935に移行する。
S941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S942)、合算保留記憶表示部18cに表示されている赤丸印(第1保留記憶)または緑丸印(第2保留記憶)のうち、合算保留記憶数減算指定コマンドに含まれている減算対象データで指定される保留記憶(削除対象)の方で、かつ合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印または星印を消去し、それ以降の各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(S943)。
そして、減算対象データで指定されたデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(S944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1する(S945)。さらに、減算対象データで指定されたデータを消去するために、消去データ以降のデータをシフトする(S951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(S953)。
減算対象データで指定されたデータが「第1」を示すデータでない場合には、「第2」を示すデータであるか否か確認する(S946)。「第2」を示すデータであれば、第2始動入賞カウンタの値を−1する(S947)。そして、S951に移行する。減算対象データで指定されたデータが「第2」を示すデータでない場合には、不明始動入賞カウンタの値を−1する(S948)。そして、S951に移行する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、変動表示に用いられた保留記憶に相当する丸印(合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印または星印)が1つ減る。
図75〜図77は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
図75(A)は、S913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づく保留記憶が増えた場合の例を示す。図75(B)は、S933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づくのか第2始動入賞記憶に基づくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図75(C)は、S913、S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図76(D)は、S951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに基づいて、減算対象データで指定されたデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。具体的には、減算対象データで第1保留記憶が指定されたため、合算保留記憶テーブルに記憶されている第1保留記憶データのうち、最も古いデータを消去し、それ以降のデータを1つづつ繰り上げてシフトしている。
図76(E)は、S904、S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことに基づいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。
図76(F)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図76(F)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してS923、S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図76(F)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図76(F)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図77(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図77(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してS911、S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図77(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図77(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図77(H)は、図77(H)の左側に示す状態(図77(G)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、図77(H)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行なうことができる。
図78は、図52のS710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(S991)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図56におけるS632B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、S996に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、図56のS632Cで設定された期間タイマの値を−1する(S992)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(S993,S994)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(S995)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
S996では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(S997)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(S998)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図71(C)参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(S999)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読出し、読出したデータにしたがって音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行なっていることを示す異常報知中フラグをセットする(S999A)。
図79は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図79(A)には、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が行なわれているときの例が示されている。図79(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。
図79(C)には、演出表示装置9において異常報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の変動表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。
また、演出図柄の変動表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の変動表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときや普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)のときには常時異常入賞の検出を行なうようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行なわないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(たとえば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。
ユーザリセットが発生する原因として、たとえば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(予め決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことをパチンコ遊技機1の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(S991〜S995参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。たとえば、初期化報知が開始されてから最初に演出図柄の変動表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、演出図柄の変動表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを演出表示装置9によって報知できる。
さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドに基づく上記の制御を行なうようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(たとえば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(たとえば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドに基づいて演出制御(たとえば、演出図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行なうようにしてもよい。たとえば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(たとえば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドに基づく演出制御(たとえば、演出表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(第1特別図柄プロセスフラグの値が5以上、第2特別図柄プロセスフラグの値が5以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに1個の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
たとえば、大当り遊技中および小当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行なっていたが、異なる異常入賞報知を行なうようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(S559でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとS564でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。たとえば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行なう。
〔第2実施形態〕
上記の第1実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動や第2飾り図柄表示器9bにおける飾り図柄の変動、演出表示装置9における演出図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。したがって、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(たとえば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この第2実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図80は、第2実施形態における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する(S1315)。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定したとき、つまり、図51のS559BのNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは(S1315のY)、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理(S504)を示す値(「4」)であるかどうかを判定する(S1316)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)であるときは(S1316のY)、前述したS521以降の処理を実行する。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動を継続して実行させる。
一方、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)でないときは(S1316のN)、第2特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定した時点で、第2特別図柄の変動中でないときは、直ちに第2特別図柄の変動が禁止され、第2特別図柄の変動中であったときは、第2特別図柄の変動を継続させ、次の第2特別図柄の変動が禁止されることになる。
なお、図80では、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第2特別図柄の変動を禁止する制御について説明していたが、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第1特別図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。この場合は、図80に示すS1315,S1316と同様の処理を、図20に示した第1特別図柄プロセス処理におけるS21の処理の前に実行するようにすればよい。
図81は、第2実施形態における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する(S809A)。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは(S809AのY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において演出図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理(S802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(S809B)。演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(S809BのY)、演出図柄変動中処理(S802)を実行する。
すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(S809BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、演出図柄の変動中でないときは、直ちに演出図柄の変動が禁止され、演出図柄の変動中であったときは、演出図柄の変動を継続させ、次の演出図柄の変動が禁止されることになる。
上記のように、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図62のS826参照)、第2飾り図柄の変動が開始されないので(図70のS782参照)、第2飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動と同様に、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図62のS826)、第1飾り図柄の変動が開始されないので(図70のS782)、第1飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中においても、異常入賞報知指定コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
以上のように、この第2実施形態によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出に基づいて第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動(および第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動)、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動(および第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動)、および演出表示装置9における演出図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(たとえば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞に基づいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の第2実施形態では、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、たとえば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。
また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動については継続させ、異常入賞に基づく変動について禁止することができる。
なお、上記の構成において、正確に異常入賞に基づく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
〔第3実施形態〕
上記の第1実施形態では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図51のS560〜S563参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図82は、第3実施形態における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S281)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S282)。タイムアウトしていなければ(S282のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S282のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S283)。次いで、CPU56は、たとえば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(S284)。
可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(S284のY)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開放する制御を行なう(S285)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なう。すなわち、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S287)。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(S288)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S288のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S288のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S289)。
S284において可変入賞球装置15が開放中であるときは(S284のN)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なう(S286)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なわない。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
なお、図82に示す普通電動役物作動処理において、図40に示す普通電動役物作動処理のS264〜S267の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図82に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図82に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図51に示す異常入賞報知処理のS560〜S564を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の第1実施形態で説明したのと同様に、この第3実施形態においても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。たとえば、可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちS284のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにS287〜S290の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにもかかわらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
〔第4実施形態〕
上記の第1実施形態では、図49に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(S363AのY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞に基づいて賞球の払出しが行なわれないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図83は、第4実施形態におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、S331〜S338は、図46で説明した処理と同様である。S338の処理の実行後、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(S339)。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、たとえば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは(S339のY)、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(S339のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(S340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、S339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の第3実施形態で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
〔第5実施形態〕
上記の第4実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この第5実施形態では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、第2特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図84は、第5実施形態における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。第2特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)を行なう前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する(S1317)。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定された場合にセットされる。
具体的には、第1実施形態の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」であるときに第2始動口スイッチ14aが所定回数以上オンしたことにより始動口異常カウンタが所定値以上となったときであり、第3実施形態の場合は、可変入賞球装置15の閉鎖中に第2始動口スイッチ14aが所定回数以上オンしたことにより始動口異常カウンタが所定値以上となったときである。なお、S1317において、無効フラグの代わりに、第2実施形態で説明した異常入賞検出フラグがセットされているかどうかを確認するようにしてもよい。
CPU56は、無効フラグがセットされているときは(S1317のY)、第2始動口スイッチ14aおよび第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)や第2始動口スイッチ通過処理(S522)を実行せず、無効フラグがセットされていないときに(S1317のN)、第2始動口スイッチ14および第3始動口スイッチ12aのオンの確認処理(S521)や第2始動口スイッチ通過処理(S522)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞に基づく乱数の抽出等を行なわないようにすることができ、異常入賞に基づく変動が禁止され、異常入賞に基づく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この第5実施形態の場合は、異常入賞に基づく賞球払出しを禁止することはできないので、第1実施形態(図49の賞球個数加算処理)および第4実施形態(図83のスイッチ処理)で説明したような異常入賞に基づく賞球払出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
〔第6実施形態〕
上記の第1実施形態では、図8(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルにおいて、高確率状態としての確変状態であるときに、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示について大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。
この第6実施形態では、大当り判定テーブルにおいて、高確率状態としての確変状態であるときに、第2特別図柄表示器8bで実行される変動表示について大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている例を説明する。
図85は、第6実施形態における大当り判定テーブルを示す説明図である。図85の大当り判定テーブルは、第1実施形態による図8の大当り判定テーブルの代わりに用いられる。図85を参照して、大当り判定テーブルには、第1実施形態の場合と同様に、(a)に示す第1通常時大当り判定テーブル、(b)に示す第1確変時大当り判定テーブル、(c)に示す第2通常時大当り判定テーブル、および、(d)に示す第2確変時大当り判定テーブルが含まれる。
図85の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、第1特別図柄について用いられる(a),(b)のテーブルと、第2特別図柄について用いられる(c),(d)のテーブルとで、確変大当りと突然確変大当りとを合せた高確率状態となる確率変動大当りが選択される確率が同じ確率となるようにデータが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、通常状態であるときに用いられる(c)の第1通常時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が50個である。
また、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。これに対し、第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第1確変時大当り判定テーブルで確変大当りおよび突然確変大当りを選択する判定値の合計個数が100個である。
図85の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は60個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は20個である。
第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は80個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで突然確変大当りを選択する判定値の個数は30個である。
したがって、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が高くなる。これにより、特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞球装置20が、ラウンド数が少ないものとなりやすいので、過度過度に遊技球の入賞がしやすい状態とならない。
また、図85の(a)〜(d)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として小当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて高くなるように、データが設定されている。たとえば、第1特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(b)の第1確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は30個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(a)の第1通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は20個である。第2特別図柄について用いられる大当り判定テーブルでは、確変状態であるときに用いられる(d)の第2確変時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は40個であるのに対し、通常状態であるときに用いられる(c)の第2通常時大当り判定テーブルで小当りを選択する判定値の個数は30個である。
なお、図85の(a),(b)に示した大当り判定テーブルでは、高確率状態としての確変状態であるときに、大当り遊技状態として突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が、低確率状態としての通常状態での当該確率と比べて低くなるように、データが設定されている例を示した。しかし、これに限らず、高確率状態としての確変状態と低確率状態としての通常状態とで、突然確変大当りの大当り遊技状態に制御することを決定する確率が同じとなるようにしてもよい。
〔第7実施形態〕
次に、パチンコ遊技機1に設けられた入賞ステージ120の変形例を第7実施形態として説明する。図86は、第7実施形態による入賞ステージ1200を拡大して示す斜視図である。図86においては、(a)に入賞ステージ1200の構成が示され、(b)に入賞ステージ1200で遊技球P1,P2が転動する経路の代表例が示されている。図86に示す入賞ステージ1200は、前述した入賞ステージ120の代わりに設けられるものである。
図86の(a)を参照して、入賞ステージ1200は、前述した入賞ステージ120と同様に、正面から見て円弧状の形状であり、中央部に第3始動入賞口12と、落下球入口17aとが開口形成されている。落下球入口17aの下部には、落下球出口17bが設けられている。落下球入口17aと落下球出口17bとの間には遊技球を誘導する誘導路が形成されており、落下球入口17aから進入した遊技球は、落下球出口17bから前方へ放出されて落下する。第3始動入賞口12の下部には、第3始動口スイッチ12aが内蔵されている。
入賞ステージ1200は、(b)に示すように、正面から見て左右上部から中央部に向けて遊技球が転動可能な程度の幅の2つの通路である第1通路121aと第2通路121bとが並列して設けられている。第1通路121aは、第3始動入賞口12の前を通る態様で形成されている。第2通路121bは、落下球入口17aの前を通る態様で形成されている。入賞ステージ1200において、第3始動入賞口12の入口の周辺は、第1通路121aおよび第2通路121bが上方に盛上がった形状となっている。
このように構成された入賞ステージ1200において、遊技球は、入賞ステージ1200上に流下したときに、入賞ステージ1200上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、落下球入口17aに進入するか、または、これらに進入せずに下方へ落下する。たとえば、(b)に示すように、第1通路121a上を転動する遊技球P1は、経路r3に示すように第1通路121aを経て第3始動入賞口12に進入して第3始動口スイッチ12aに検出される場合があり、また、第1通路121a上からはずれて下方に落下する場合もある。また、(b)に示すように、第2通路121b上を転動する遊技球P2は、経路r4に示すように第2通路121bを経て落下球入口17aに進入して落下球出口17bから落下する場合、第2通路121b上からはずれて下方に落下する場合、第2通路121b上からはずれて第1通路121a上へ転動する場合がある。
このように、第3始動入賞口12について遊技球が転動可能な入賞ステージ1200を設けて遊技球が第3始動入賞口12に入るか否かの挙動を遊技者に見せることにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、入賞ステージ1200の場合は、遊技球の通路および進入口がそれぞれ複数(第1通路121a、第2通路121、第3始動入賞口12、落下球入口17a)設けられているので、遊技球の挙動が変化に富み、遊技の興趣をより一層向上させることができる。
〔第8実施形態〕
第1実施形態では、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおいて、不明である保留記憶に応じた部分のみが、不明であることを示す青色で表示されたが(図58(D)参照)、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を、不明であることを示す青色で表示するようにしてもよい。
図87は、不明始動入賞が発生した場合に合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を不明であることを示すようにする場合の保留記憶表示制御処理の一部を示すフローチャートである。なお、図87に示すS931Aの処理以外の処理は、図72〜図74に示された第1実施形態における保留記憶表示制御処理と同じである。
この実施の形態では、図87に示すように、第2始動入賞フラグがセットされていない場合には(S921)、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、全ての表示を青色で表示するように制御する(S931A)。
図88は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。S931Aの処理によって、図88の右側に示すように、増えた保留記憶の分も含めて全ての表示が青色で表示される。すなわち、全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされる。
この実施の形態では、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされるので、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じたことをさらに容易に把握できるようになる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 大当り遊技状態において特別可変入賞装置20を開状態に変化させる期間および回数の少なくともいずれかが異なる確変大当りおよび通常大当りと突然確変大当りとについて、図8に示すような、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御するときに決定される割合を異ならせた決定確率に基づいて、大当り遊技状態として、確変大当り、通常大当り、および、突然確変大当りを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかが、第1特別図柄プロセス処理における図26のS62、または、第2特別図柄プロセス処理における同様の処理により、決定されるので、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを用いた遊技を多様化することができる。
さらに、図8に示すように、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御することを決定する確率が同一であるので、いずれか一方の特別図柄表示器に遊技の内容が偏らないので、遊技の面白みが損なわれないように遊技を多様化することができる。
ここで、いずれか一方の特別図柄表示器に遊技の内容が偏ることの具体例としては、一方の特別図柄表示器で大当りの連続的な発生が頻繁に生じること、一方の特別図柄表示器で大当りの連続的な発生がまったく生じないこと等、一方の特別図柄表示器の側で所定の遊技状態が偏って発生することをいう。
(2) 図8で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が低いことを説明したように、高確率状態であるときに、第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、大当り遊技状態として突然確変大当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて低い。これにより、高確率状態において、特別可変入賞球装置20を2Rだけ極めて短い時間で開放し、大当り遊技状態終了後、高確率状態に制御される突然確変大当りとなる確率が通常状態よりも低いので、高確率状態において、突然確変大当りに制御されて、遊技者が興醒めすることを低減することができる。
さらに、高確率状態中であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞球装置20が、ラウンド数が多いものとなりやすいので、より遊技者にとって有利な遊技球の入賞がしやすい状態となるため、遊技者の興趣をより一層向上させることができるとともに、特別可変入賞球装置20に入賞する遊技球を増加させることができる。これにより、出玉数を増加させることができる。
(3) 図85で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が高いことを説明したように、高確率状態であるときに、第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、特定遊技状態として第2遊技状態に制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて高い。これにより、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技球が入賞しやすくなる第2始動入賞口14への入賞に基づいて実行される第2特別図柄表示器8bでの変動表示について、突然確変大当りに制御することを決定する確率が低くなるので、第2特別図柄表示器8bでの変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞球装置20が、ラウンド数が少ないものとなりやすいので、過度に遊技球の入賞がしやすい状態とならないため、特別可変入賞球装置20に入賞する遊技球を、増加し過ぎないように抑制することができる。したがって、出玉数を増加させ過ぎないようにすることができる。
(4) 図10の第1大当り図柄テーブルおよび第2大当り図柄テーブルに示すように、第1特別図柄表示器8aでの表示結果に基づく大当り遊技状態と、第2特別図柄表示器8bでの表示結果に基づく大当り遊技状態とで、個別に、ラウンド数が図柄の変動表示の表示結果とともに選択決定されるので、遊技のバリエーションを豊富化することができる。
(5) 保留記憶数が所定数以上となったときに短縮変動パターンを選択する場合において、第1特別図柄表示器8a側の保留記憶数と第2特別図柄表示器側の保留記憶数とで個別に、短縮変動パターンを選択する数になったか否かを判断すると、一方の特別図柄表示器では短縮変動パターンが選択されるが、他方の特別図柄表示器は短縮変動パターンが選択されないというような一方に偏った制御が行なわれる状況となることにより遊技者が違和感を受けるおそれがある。
しかし、第1特別図柄表示器8a側の保留記憶数と第2特別図柄表示器8b側の保留記憶数とを合計した合算保留記憶数が所定数以上のときに、短縮変動パターンを選択することにより、合算保留記憶数が所定数以上のときには、どちらの特別図柄表示装置で変動表示が行なわれるときでも、短縮変動パターンが選択されるので、遊技者に、前述のような違和感を受けさせない制御を行なうことができる。
(6) 図8で、第1確変時大当り判定テーブルの方が第1通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が低いこと、および、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が低いことを説明したように、高確率状態であるときに、大当り遊技状態として小当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて低い。
また、図85で、第1確変時大当り判定テーブルの方が第1通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が高いこと、および、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも小当りとなる割合が高いことを説明したように、高確率状態であるときに、大当り遊技状態として小当りに制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて高い。これにより、小当りとする割合を突然確変大当りとする割合に合せることができる。
(7) 第2実施形態では図80のS1315,S1316、第4実施形態では図83のS339,S340、第5実施形態では図84のS1317に示したように、可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに、遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示の開始が禁止されるので、不正行為によって可変入賞球装置15に遊技球が入賞した可能性がある場合に、大当り遊技状態に移行されるのを確実に防止することができる。
(8) 図49のS363A,S363Bに示すように、可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに、遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技球を払出す制御の実行が禁止されるので、不正行為によって可変入賞球装置15に遊技球が入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技場に不利益が与えられることを防止できる。
(9) 可変入賞球装置15が閉状態であると判定されたときに第2始動入賞口への遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、第2始動入賞口に入賞した遊技球の入賞累積数が始動口異常カウンタに記憶され、図51のS564B,S564Cに示すように、始動口異常カウンタの値が所定値以上となったときに、異常入賞状態であるかと判定されるので、ノイズ等により一時的に生じた軽微な異常により異常入賞状態であると判定されるのを防ぐことができ、異常入賞状態を確実に判定することができる。
(10) 図22、図23等で説明したように、第1保留記憶数カウンタによって特定される入賞数または第2保留記憶数カウンタによって特定される入賞数が増加したことに基づいて、いずれの入賞数が増加したのかを示す入賞数識別コマンド(たとえば、第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞指定コマンド)を送信してから、第1保留記憶データによって特定される入賞数と第2保留記憶データによって特定される入賞数との合計に対応する合計数を特定可能な合算保留記憶数指定コマンドを送信するために、他のコマンドに関して、第1変動表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の変動表示と第2変動表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、遊技制御手段から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
また、図58、図72〜図77等で説明したように、合算保留記憶表示部18cは、入賞数識別コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cに、第1の態様(たとえば、赤色丸印)および第2の態様(たとえば、緑色丸印)とは異なる特別態様(たとえば、青色丸印)で入賞数を特定可能な表示を行なわせるので、コマンドの送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
(11) 図49の図49のS362A,362Bに示すように、大当り遊技状態以外の遊技状態において特別可変入賞球装置20への遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技球を払出す制御の実行が禁止されるので、不正行為によって特別可変入賞球装置20に遊技球が入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技場に不利益が与えられることを防止できる。
(12) 図51のS560のNまたは図82のS284のY、図51のS563のNまたは図82のS288のY、図51のS564Cまたは図82のS289に示すように、可変入賞球装置15が閉状態であると判定されているときに遊技球の入賞が検出されたことに基づいて異常入賞報知が行なわれるので、可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、図78のS996〜S999、図66のS845A,S845Cに示すように、このような異常入賞報知が実行されているときにも演出表示装置9の変動表示を実行することが可能であるので、誤動作で異常入賞報知が行なわれたときでも変動表示が停止されず、遊技者が不利益を受けないようにすることができる。
さらに、大当り遊技状態以外の遊技状態において特別可変入賞装置20への遊技球の入賞が検出されたことに基づいて異常報知が行なわれるので、特別可変入賞装置20に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、特別可変入賞装置20に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、図78のS996〜S999、図66のS845A,S845Cに示すように、このような異常報知が実行されているときにも演出表示装置9の変動表示を実行することが可能であるので、誤動作で異常入賞報知が行なわれたときでも変動表示が停止されず、遊技者が不利益を受けないようにすることができる。
(発明の展開)
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27等)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(たとえば、図4に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35等、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。
その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて変動表示部に変動表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行なうスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行なう遊技機等にも本発明を適用できる。
(4) 遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときに、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときとは異なり、必ずリーチとなる変動表示を実行する制御が行なわれてもよい。また、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときとは異なり、たとえば、大当りとなることを予告する大当り予告を行なう大当り予告表示等の所定の予告表示(リーチとなることの予告であってもよい)を演出表示装置9において必ず行なうようにしてもよい。
また、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには表示されないような特別なリーチ演出を必ず表示するようにしてもよい。また、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには表示されないような特別なキャラクタを必ず表示するようにしてもよい。このように、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときには行なわれないような特別な演出を行なうようにすればよい。
(5) 前述した実施の形態では、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときと同様に、入賞した順番にしたがって変動表示を実行させる制御を行なう例を示した。しかし、これに限らず、遊技球が第3始動入賞口12に入賞したときには、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したときよりも優先的に変動表示を実行させる制御を行なうようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、第1始動入賞口13〜第3始動入賞口12への遊技球の入賞の順番に基づいて決定される変動表示の順番にしたがい、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのどちらか一方で特別図柄の変動表示を行なう例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとしては、特別図柄の変動表示を行なう際に、どちらか一方で特別図柄の変動表示を行なうものであれば、どのような保留記憶の順序で保留記憶に基づく変動表示を行なうものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、図10の(a),(b)に示す第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルとを用いて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に、大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定する例を示した。このような第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に行なう大当り図柄および大当りのラウンド数の選択決定は、確変状態(高確率状態)においてのみ行なうようにしてもよく、通常状態(低確率状態)においてのみ行なうようにしてもよく、確変状態(高確率状態)および通常状態(低確率状態)の両方に行なうようにしてもよい。
また、このような第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に行なう大当り図柄および大当りのラウンド数の選択決定は、突然確変以外の確変大当りとなるときときにのみ行なうようにしてもよく、通常大当りとなるときにおいてのみ行なうようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、図10の(a),(b)に示す第1大当り図柄テーブルと第2大当り図柄テーブルとを用いて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に、大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定する例を示した。しかし、これに限らず、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについては、大当り遊技状態におけるラウンド数を、たとえば、15ラウンド等の3ラウンド以上(突然確変大当りのラウンド数よりも回数が多いラウンド数であればよい)の予め定められたラウンドに設定するようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、第1特別図柄と第2特別図柄とで個別に大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第1特別図柄と第2特別図柄とで、異なる複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択する例を示した。しかし、これに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同じ複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択するようにしてもよい。その場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで、複数種類のラウンド数のそれぞれを選択する確率が異なるようにしてもよく、複数種類のラウンド数のそれぞれを選択する確率が同じとなるようにしてもよい。
(10) 前述した実施の形態では、突然確変以外の確変大当りとなるときと、通常大当りとなるときとについて、第2特別図柄の大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときと、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したときとで、同じ割合で複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択する例を示した。しかし、これに限らず、第2特別図柄の大当り図柄および大当りのラウンド数を選択決定するときに、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときと、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したときとで、異なる割合で複数種類のラウンド数のうちから実行するラウンド数を選択するようにしてもよい。
(11) 前述したように、可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、特別可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とは、報知態様が同じであってもよく、異なってもよい。また、可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、特別可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とは、前述したように、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされる他に、演出表示装置9のみを用いた報知、演出表示装置9とランプ・LED等の発光装置とを用いた報知、演出表示装置9とスピーカ27とランプ・LED等の発光装置とを用いた報知等のその他の報知態様によって行なうようにしてもよい。
(12) 可変入賞球装置15への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知と、特別可変入賞球装置20への異常入賞があったことが判定されたときに行なわれる異常入賞の報知とで、報知態様を異ならせる場合には、これらの異常入賞の報知で報知をするために用いるランプ等の報知手段が異なるように報知手段を選択するようにしてもよい。また、このように報知態様を異ならせる場合において、同じ報知手段を用いる場合には、ランプの発光の輝度の強弱により報知態様を異ならせる等、報知のアピール度に強弱を付けることにより、報知態様を異ならせるようにしてもよい。
(13) 遊技機としては、特定表示結果(大当り図柄)のうちの特別表示結果(たとえば確変図柄)が変動表示装置に導出表示されたときに特定遊技状態が終了した後に通常状態であるときに比べて識別情報の変動表示が特定表示結果になりやすい特別遊技状態(たとえば確変状態)に移行させる遊技機であって、事前決定手段は、特別遊技状態に移行させるか否かを表示結果の導出表示以前に決定し(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理におけるステップS82,S83と、第2特別図柄プロセス処理で第1特別図柄プロセス処理におけるステップS82,S83に相当する処理とを実行し)、遊技制御手段は、事前決定手段の決定に基づいて、変動表示コマンド(変動パターンコマンド)を選択する変動表示コマンド選択手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理おけるステップS300,S301を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS300,S301の処理に相当する処理を実行する部分)と、事前決定手段による決定結果を特定可能な表示結果コマンド(たとえば表示結果特定コマンド)を送信する表示結果コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS110〜S118を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS110〜S118に相当する処理を実行する部分)とを含み、変動表示コマンド選択手段は、変動表示コマンドとして、特定遊技状態に制御しないことを示す非特定表示結果(たとえば、はずれ図柄)を特定可能な非特定変動表示コマンド(たとえばはずれ専用の変動パターンコマンド)と、特別表示結果(たとえば確変図柄)を特定可能な特別変動表示コマンド(たとえば確変大当り専用の変動パターンコマンド)と、特定表示結果であるが特別表示結果ではない非特別表示結果(たとえば非確変図柄)を特定可能な非特別変動表示コマンド(たとえば通常大当り専用の変動パターンコマンド)と、特別表示結果または非特別表示結果を特定可能な特定変動表示コマンド(たとえば通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド)とのいずれかを選択し、変動表示コマンド送信手段は、変動表示コマンド選択手段により選択された変動表示コマンドを送信し(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理におけるステップS302と第2特別図柄プロセス処理におけるステップS302に相当する処理とを実行し)、演出制御手段は、変動表示コマンドまたは表示結果コマンドに基づいて、変動表示装置に表示結果として導出表示する識別情報を複数種類の中から決定する識別情報決定手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS818,S830を実行する部分)を含み、識別情報決定手段は、特定変動表示コマンドを受信したときに(たとえばステップS830のY)、表示結果コマンドを受信できなかったときには(たとえばステップS817のN)、識別情報の表示結果を非特別表示結果に決定する(たとえば演出制御用マイクロコンピュータ100がステップS832を実行する)ように構成されていてもよい。
このような構成によれば、変動表示コマンド選択手段が、変動表示コマンドとして、特定遊技状態に制御しないことを示す非特定表示結果を特定可能な非特定変動表示コマンドと、特別表示結果を特定可能な特別変動表示コマンドと、特定表示結果であるが特別表示結果ではない非特別表示結果を特定可能な非特別変動表示コマンドと、特別表示結果または非特別表示結果を特定可能な特定変動表示コマンドとのいずれかを選択し、識別情報決定手段が、特定変動表示コマンドを受信したときに、表示結果コマンドを受信できなかったときには、識別情報の表示結果を非特別表示結果に決定するように構成されているので、演出制御手段が表示結果コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。
また、変動表示コマンドに表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動表示コマンドおよび表示結果コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御手段は、表示結果コマンドを受信できなくても識別情報の表示結果を決定できるので、遊技制御手段が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御手段の制御負担は増大しない。
(14) 遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、所定の数値を更新する数値更新手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS24の処理を実行する部分)と、所定の時期(たとえば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、および、第3始動入賞口12に遊技球が入賞したとき)に数値更新手段から数値を抽出する数値抽出手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS113と第2特別図柄プロセス処理におけるステップS113に相当する処理を実行する部分)と、数値抽出手段が抽出した数値に基づいて識別情報の変動表示の表示結果を特定可能な情報を決定する表示結果決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS64,S65,S82,S83を実行する部分)と、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、数値を初期値に設定する初期化処理を実行する初期化手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS12の処理を実行する部分)と、初期化手段が初期化処理を実行したときに、初期化処理の実行を示す初期化コマンド(たとえば、初期化指定コマンド)を送信する初期化コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS13の処理を実行する部分)とを含み、演出制御手段は、初期化コマンド送信手段が送信した初期化コマンドに基づいて、演出装置により、所定の終了条件(たとえば、所定期間の経過)が成立するまで初期化処理が実行されたことを示す初期化報知を行なう初期化報知手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、ステップS631〜S632Cの処理を実行する部分)を含み、初期化報知手段が初期化報知を行なっているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、ステップS44,S45、S551〜S553の処理を実行する部分)を備えていてもよい。
このような構成によれば、初期化報知手段が初期化報知を行なっているときに、異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段を備えているので、初期化報知が入賞異常報知よりも優先して実行され、識別情報の変動表示の表示結果を特定可能な情報を決定する数値に初期値が設定されたことを遊技機の外部で確実に認識することができる。
(15) また、遊技機としては、演出装置として演出表示を行なう演出表示装置(たとえば、演出表示装置9)を備え、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)は、第1変動表示手段および第2変動表示手段で識別情報の変動表示が実行されていないことを条件として(たとえば、第1特別図柄プロセスフラグ後が0であって、ステップS323の処理で「N」になったこと)、第1変動表示手段または第2変動表示手段での識別情報の変動表示の開始条件の成立に応じて第1変動表示手段または第2変動表示手段で識別情報の変動表示を開始するときに、第1変動表示手段と第2変動表示手段とのうちいずれで識別情報の変動表示を開始するのかを特定可能な変動表示手段特定コマンド(たとえば、特別図柄特定コマンド(第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンド))と、変動表示時間を特定するための変動表示コマンド(たとえば変動パターンコマンド)と、表示結果を特定可能な表示結果コマンド(たとえば表示結果特定コマンド)とを送信する開始コマンド送信手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるステップS467,S110〜S118の処理を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、ステップS467,S110〜S118の処理に相当する処理を実行する部分)を含み、演出制御手段は、開始コマンド送信手段が送信したコマンドに基づいて、演出表示装置で、変動表示手段特定コマンドで特定される変動表示手段に対応した演出を開始する(たとえば、ステップS821,S823,S825,S826の処理を実行する)ように構成されていてもよい。
遊技制御手段が、第1変動表示手段と第2変動表示手段とのうちいずれで識別情報の変動表示を開始するのかを特定可能な変動表示手段特定コマンドと、変動表示時間を特定するための変動表示コマンドと、表示結果を特定可能な表示結果コマンドとを演出制御手段に送信する開始コマンド送信手段を含むので、変動表示パターンコマンドおよび表示結果を特定可能な表示結果特定コマンドを、第1変動表示手段での識別情報の変動表示と第2変動表示手段での識別情報の変動表示とで共通に使用でき、演出制御手段が、演出表示装置で、変動表示手段特定コマンドで特定される変動表示手段に対応した演出を開始する場合に、遊技制御手段から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
(16) また、所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態とを切り替える(優先/非優先の切り替え)ようにしてもよい。
ここで、所定の条件は、たとえば、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化するという条件であるとする。この場合、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に変化すると、所定の条件が成立し、特別図柄の優先変動を行なう制御状態が切り替えられる。そのため、所定の条件が成立したことを条件に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうちいずれの保留記憶数に対応する特別図柄表示器8a、8bの変動表示を優先して実行するかを切り替えることができる。
したがって、保留記憶数に基づいて変動表示が開始される場合に、変動表示が優先して開始される特別図柄表示器8a、8bが変化するので、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、所定の条件は、たとえば、高ベース状態および低ベース状態以外の遊技状態の変化が検出されるという条件であってもよい。この場合、例えば、遊技状態が通常状態から確変状態に変化した場合、または遊技状態が確変状態から通常状態に変化した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当り終了後の特別図柄および飾り図柄の変動回数に基づいて、所定の条件の成立の有無を判断するようにしてもよい。例えば、大当り終了後に再び大当りとなることなく、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1000回実行された場合、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示するまで時短状態に制御される場合に、最初の50回の変動表示が終了するまで第1始動入賞口13への始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を優先するように制御し、残りの50回の変動表示が終了するまで第2始動入賞口14への始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を優先するように制御してもよい。
また、大当り終了後所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、特別図柄および飾り図柄の所定回数の変動表示を終了したとき、または所定回数の変動表示を開始したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、優先する制御状態を切り替えた後に、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示を実行するごとに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を優先して制御するか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を優先して制御するかを切り替えてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、前述の突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、突然時短大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が時短状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)や、突然通常大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、通常大当りが発生したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)、短期間(例えば7ラウンド)の大当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、いわゆる小当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、大入賞口が短時間だけ開放する特別な演出を行なう当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄となったことに基づく当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当りが所定回数連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、確変大当りが2回連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、時短状態に制御されているときに確変大当りまたは通常大当りが発生した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、第1特別図柄または第2特別図柄のうちのいずれか一方の停止図柄が大当り図柄となったことに基づく大当り(確変大当りや突然確変大当りなどの特定の大当りを含む)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、保留記憶数が所定数以上になったときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数を記憶する合算保留記憶数カウンタのカウント値が7個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数カウンタのカウント値が3個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、特定の遊技演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。例えば、特別図柄表示器8a、8bや可変表示装置9において特定の変動パターン(例えば、リーチ態様の変動パターン)に基づく変動表示が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、確変大当りや通常大当りが発生することを予告する予告演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技機が遊技者によって操作可能な操作ボタンを備える場合に、遊技者が操作ボタンを操作したときに(具体的には、操作ボタンからのオン信号を検出したときに)、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技球が遊技盤6の遊技領域7に設けられた特定のゲート(例えば、ゲート32)を通過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数が所定数(例えば3)以上である場合、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動時間および第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動時間を短縮する。そのため、特別図柄の変動時間を短縮することによって、特別図柄表示器8a、8bにおける特別図柄の変動表示が開始されやすくすることができ、遊技球の始動入賞口13、14への無効始動入賞の発生を低減することができる。
また、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高い側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合だけでなく、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高くない側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合であっても、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8bにおける変動時間を短縮することができる。したがって、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8bに対する保留記憶数に基づく変動表示も早期に開始されやすくすることができる。
(17) この実施の形態では、図6に示すタイマ割込処理において、第1特別図柄プロセス処理(S27A参照)と第2特別図柄プロセス処理(S27B参照)とを別々の処理として実行する場合を説明したが、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを1つの特別図柄プロセス処理として実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、大当りフラグを、第1特別図柄表示器8aの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第1大当りフラグと、第2特別図柄表示器8bの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第2大当りフラグとに、区別して記憶するようにし、たとえば、特別図柄プロセス処理において、まず、第1大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第1変動中フラグがセットされているか否かを確認する。
第1大当りフラグまたは第1変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図20に示す第1特別図柄プロセス処理のS300〜S311のいずれかの処理を実行する。第1大当りフラグおよび第1変動中フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第2大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第2変動中フラグがセットされているか否かを確認する。第2大当りフラグまたは第2変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて、第2特別図柄プロセス処理のS500〜S511に相当する処理のいずれかの処理を実行する。
(18) 前述した実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで特別図柄の可変表示を開始するのかを特定可能な情報(第1情報とする)が第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドで送信され、可変表示時間を特定する情報(第2情報とする)が変動パターンコマンドで送信され、表示結果を特定可能な情報(第3情報とする)が演出図柄指定コマンドで送信されたが、第1〜第3の情報を1つのコマンドで送信するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄表示器8aで特別図柄の可変表示を開始するときと、第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときとで、別々のコマンド群から、送信するコマンドを選択するようにする。それぞれのコマンド群に、変動パターンに応じたコマンドを設定する。さらに、コマンド群において、変動パターンが同じでも、表示結果の別に応じて、異なるコマンドを設定する。
(19) 前述の実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。例えば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
(20) また、合計保留記憶表示部18cの表示態様として、前述の実施の形態(図58参照)では、8個の表示部により第1保留記憶と第2保留記憶とを入賞の順番に表示するが、それに代えて、8個の表示部の例えば下半分(4個)を第1保留記憶表示用とし、上半分(4個)を第2保留記憶表示用とし、2分割されたそれぞれの表示部分で保留記憶表示を行なってもよい。
例えば、第1始動口13に2つ入賞すれば下半分の4個の表示部のうち1番下と2番目を点灯させ、その状態でさらに第2始動口14または第3始動口12に1つ入賞すれば上半分の4個の表示部のうちの1番下の表示部(下半分も含めて数えれば1番下から数えて5番目の表示部)をさらに点灯させるようにしてもよい。この状態で第1保留記憶を用いた第1特別図柄の変動表示が行なわれれば、下半分の4個の表示部のみの表示が1つ消去され、上半分の4個の表示部の表示状態は変化しない。
(21) 遊技領域に設けられた第1の始動領域(たとえば、第1始動入賞口13)と、前記遊技領域に設けられた第2の始動領域(たとえば、第2始動入賞口14)と、前記第1の始動領域に遊技媒体(たとえば、遊技球)が入賞したことに基づいて変動表示の第1の開始条件が成立したときに第1識別情報(たとえば、第1特別図柄や第1飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第1変動表示手段(たとえば、第1特別図柄表示器8aや第1飾り図柄表示器9a)と、前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞したことに基づいて変動表示の第2の開始条件が成立したときに第2識別情報(たとえば、第2特別図柄や第2飾り図柄)の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する第2変動表示手段(たとえば、第2特別図柄表示器8bや第2飾り図柄表示器9b)とを備え、前記第1変動表示手段と前記第2変動表示手段のいずれかに特定表示結果(大当り表示結果)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技領域に設けられ、遊技媒体が入賞可能な第1の状態(開状態)と該第1の状態に比べて遊技媒体が入賞しにくいまたは入賞しない第2の状態(閉状態)とに変化可能であり、前記特定遊技状態に制御されたときに当該第1の状態に制御される特別可変入賞装置(特別可変入賞球装置20、大入賞口)と、
遊技の進行を制御し、前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段の変動表示を制御し、当該変動表示の状態を特定可能なコマンド(たとえば、演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(たとえば、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、
該遊技制御手段が送信したコマンドにもとづいて遊技機に設けられている演出用部品(たとえば、演出表示装置9、スピーカ、ランプ/LED等)の制御を行なう演出制御手段(たとえば、演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100)とを備え、
前記遊技制御手段は、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、前記特定遊技状態に制御するか否かと、前記特定遊技状態終了後に前記特定遊技状態と異なる通常状態に制御するか、前記特定遊技状態終了後に前記変動表示の表示結果が前記特定表示結果となる確率が前記通常状態よりも向上した高確率状態に制御するかとを前記変動表示の表示結果を導出表示する前に決定する事前決定手段(第1特別図柄プロセス処理における図26のS62,S83、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)と、
前記特定遊技状態として、前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させることを所定回数(3R,5R,7R,9R,11Rまたは15R)行なうことにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記通常状態または前記高確率状態に制御される第1遊技状態(確変大当りによる高確率状態)に制御する第1遊技状態制御手段(第1特別図柄プロセス処理における図20のS306〜S308、図26のS62,S85、図32のS139、図33のS161を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、図21のS506〜S508および第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)と、
前記特定遊技状態として、前記特別可変入賞装置を前記所定期間よりも短い期間(たとえば、5秒)および前記所定回数よりも少ない回数(たとえば、2R)の少なくともいずれかで前記第1の状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後、前記高確率状態に制御される第2遊技状態(突然確変大当りによる高確率状態)に制御する第2遊技状態制御手段(第1特別図柄プロセス処理における図20のS306〜S308、図26のS62,S87、図32のS139、図33のS161、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)と、
所定の上限値(たとえば、4)までの前記第1の開始条件が成立していない前記第1の始動領域への遊技媒体の入賞数を特定可能な第1保留記憶データ(たとえば、第1保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第1保留記憶手段(たとえば、第1保留記憶数カウンタ)と、
所定の上限値(たとえば、4)までの前記第2の開始条件が成立していない前記第2の始動領域への遊技媒体の入賞数を特定可能な第2保留記憶データ(たとえば、第2保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第2保留記憶手段(たとえば、第2保留記憶数カウンタ)と、
前記第1保留記憶データによって特定される入賞数または前記第2保留記憶データによって特定される入賞数が増加したことに基づいて、いずれの入賞数が増加したのかを示す入賞数識別コマンド(たとえば、第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞指定コマンド)を送信してから、前記第1保留記憶データによって特定される入賞数と前記第2保留記憶データによって特定される入賞数との合計に対応する合計数を特定可能な合計数特定コマンド(たとえば、合算保留記憶数指定コマンド)を送信する合計数特定コマンド送信手段(図22のS417、図23のS435)とを含み、
遊技機は、前記第1保留記憶データによって特定される入賞数と前記第2保留記憶データによって特定される入賞数とを特定可能な表示を行なう入賞数表示手段(たとえば、合算保留記憶表示部18c)を備え、
前記演出制御手段は、
前記合計数特定コマンド送信手段が送信した合計数特定コマンドに基づいて、前記入賞数表示手段に、前記第1保留記憶データによって特定される入賞数を特定可能な第1の態様(たとえば、赤色丸印)で表示を行なわせ、前記第2保留記憶データによって特定される入賞数を特定可能な第2の態様(たとえば、緑色丸印)で表示を行なわせる入賞数表示制御手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図72のS901、S909、S911、図73のS921、S923の処理を実行する部分)と、
前記合計数特定コマンド送信手段から前記入賞数識別コマンドを受信せずに前記合計数特定コマンドを受信したときに、前記入賞数表示手段に、前記第1の態様および前記第2の態様とは異なる特別態様(たとえば、図58(D)、図88で示す青色丸印)で入賞数を特定可能な表示を行なわせる入賞数表示態様制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図72のS909、図73のS921、S931または図87のS931Aの処理を実行する部分)とを含み、
前記事前決定手段は、前記第1変動表示手段と前記第2変動表示手段とでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、前記高確率状態に制御することを決定する確率を同一とし(図8で、第1通常時大当り判定テーブルと第2通常時大当り判定テーブルとで確変大当りおよび突然確変大当りの合計割合が同一、第1確変時大当り判定テーブルと第2確変時大当り判定テーブルとで確変大当りおよび突然確変大当りの合計割合が同一)、かつ、前記高確率状態に制御するときに決定される前記第1遊技状態と前記第2遊技状態との割合を異ならせた決定確率(図8で、第1通常時大当り判定テーブルと第2通常時大当り判定テーブルとで確変大当りと突然確変大当りとの割合が異なる、第1確変時大当り判定テーブルと第2確変時大当り判定テーブルとで確変大当りと突然確変大当りとの割合が異なる)に基づいて、前記変動表示の表示結果を導出表示する前に、前記特定遊技状態として、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかをさらに決定する(第1特別図柄プロセス処理における図26のS83、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)。
このような構成によれば、特定遊技状態において特別可変入賞装置を第1状態に変化させる期間および回数の少なくともいずれかが異なる第1遊技状態と第2遊技状態とについて、第1変動表示手段と第2変動表示手段とでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御するときに決定される割合を異ならせた決定確率に基づいて、特定遊技状態として第1遊技状態と第2遊技状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかが決定されるので、第1変動表示手段と第2変動表示手段とを用いた遊技を多様化することができる。
さらに、第1変動表示手段と第2変動表示手段とでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御することを決定する確率が同一であるので、いずれか一方の変動表示手段に遊技の内容が偏らないので、遊技の面白みが損なわれないように遊技を多様化することができる。
さらに、第1保留記憶手段によって記憶された入賞数または第2保留記憶手段によって記憶された入賞数が増加したことに基づいて、いずれの入賞数が増加したのかを示す入賞数識別コマンドを送信してから、第1保留記憶手段によって記憶された入賞数と第2保留記憶手段によって記憶された入賞数との合計に対応する合計数を特定可能な合計数特定コマンドを送信するために、他のコマンドに関して、第1可変表示手段での識別情報の可変表示と第2可変表示手段での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、遊技制御手段から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
また、入賞数表示態様制御手段は、合計数特定コマンド送信手段から入賞数識別コマンドを受信せずに合計数特定コマンドを受信したときに、入賞数表示手段に、第1の態様および第2の態様とは異なる特別態様で入賞数を特定可能な表示を行なわせるので、コマンドの送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
(22) 前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞しない閉状態(閉鎖状態)と前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞可能な開状態(開放状態)とに変化可能であり、前記遊技領域に設けられた第3の始動領域(たとえば、ゲート32)を遊技媒体が通過したことに基づいて当該開状態となる可変始動入賞装置(たとえば、可変入賞球装置15、普通電動役物)をさらに備え、
前記可変始動入賞装置は、前記高確率状態であるときに、前記通常状態と比べて前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞しやすい状態(高ベース状態)に制御され(図36のS225、図38のS245,S246)、
前記事前決定手段は、前記高確率状態であるときに、前記第2変動表示手段で実行される変動表示について前記特定遊技状態として前記第2遊技状態に制御することを決定する確率が前記通常状態での当該確率と比べて低い(図8で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が低い)。
このような構成によれば、高確率状態であるときに、第2変動表示手段で実行される変動表示について特定遊技状態として第2遊技状態に制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて低い。これにより、高確率状態において、特別可変入賞装置を第1の遊技状態よりも短い期間および少ない回数の少なくともいずれかで第1状態に変化し、特定遊技状態終了後、高確率状態に制御される第2遊技状態となる確率が通常状態よりも低いので、高確率状態において、第2遊技状態に制御されて、遊技者が興醒めすることを低減することができる。
さらに、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技媒体が入賞しやすくなる第2の始動領域への入賞に基づいて実行される第2変動表示手段での変動表示について、第2遊技状態に制御することを決定する確率が低くなるので、第2変動表示手段での変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞装置が、より遊技者にとって有利な遊技媒体の入賞がしやすい状態となるため、遊技者の興趣をより一層向上させることができるとともに、特別可変入賞装置に入賞する遊技媒体を増加させることができる。
(23) 前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞しない閉状態(閉鎖状態)と前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞可能な開状態(開放状態)とに変化可能であり、前記遊技領域に設けられた第3の始動領域(たとえば、ゲート32)を遊技媒体が通過したことに基づいて当該開状態となる可変始動入賞装置(たとえば、可変入賞球装置15、普通電動役物)をさらに備え、
前記可変始動入賞装置は、前記高確率状態であるときに、前記通常状態と比べて前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞しやすい状態(高ベース状態)に制御され(図36のS225、図38のS245,S246)、
前記事前決定手段は、前記高確率状態であるときに、前記第2変動表示手段で実行される変動表示について前記特定遊技状態として前記第2遊技状態に制御することを決定する確率が前記通常状態での当該確率と比べて高い(図85で、第2確変時大当り判定テーブルの方が第2通常時大当り判定テーブルよりも突然確変大当りとなる割合が高い)。
このような構成によれば、高確率状態であるときに、第2変動表示手段で実行される変動表示について特定遊技状態として第2遊技状態に制御することを決定する確率が通常状態での当該確率と比べて高い。これにより、高確率状態であるときには、通常状態であるときよりも、遊技媒体が入賞しやすくなる第2の始動領域への入賞に基づいて実行される第2変動表示手段での変動表示について、第2遊技状態に制御することを決定する確率が高くなるので、第2変動表示手段での変動表示に基づいて生じる特定遊技状態において、特別可変入賞装置が、過度に遊技媒体の入賞がしやすい状態とならないため、特別可変入賞装置に入賞する遊技媒体を、増加し過ぎないように抑制することができる。
(24) 前記遊技制御手段は、
前記第1遊技状態により前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させる所定回数として予め定められた第1の複数種類の回数(ラウンド数)と前記第1変動表示手段での複数種類の第1の特定表示結果(第1特別図柄の大当り図柄)との関係を示す第1のデータ(図10の第1大当り図柄テーブル)を記憶する第1データ記憶手段(ROM54における第1大当り図柄テーブルの記憶領域)と、
前記第1遊技状態により前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させる所定回数として予め定められた第2の複数種類の回数(ラウンド数)と前記第2変動表示手段での複数種類の第2の特定表示結果との関係を示す第2のデータ(図10の第2大当り図柄テーブル)を記憶する第2データ記憶手段(ROM54における第2大当り図柄テーブルの記憶領域)とをさらに含み、
前記事前決定手段は、さらに、前記第1変動表示手段での表示結果に基づく前記特定遊技状態について、前記第1データ記憶手段に記憶された第1のデータに基づいて、前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させる回数と、導出表示する前記第1の特定表示結果とを選択決定し(第1特別図柄プロセス処理における図26のS83)、前記第2変動表示手段での表示結果に基づく前記特定遊技状態について、前記第2データ記憶手段に記憶された第2のデータに基づいて、前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させる回数と、導出表示する前記第2の特定表示結果とを選択決定し(第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理における図26のS83の処理に相当する処理を実行する部分)、
前記第1遊技状態制御手段は、前記特定遊技状態として、前記事前決定手段により選択決定された回数に応じて、前記特別可変入賞装置を所定期間前記第1の状態に変化させる制御を行なう(第1特別図柄プロセス処理における図20のS307、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこの処理に相当する処理を実行する部分)。
このような構成によれば、第1変動表示手段での表示結果に基づく特定遊技状態と、第2変動表示手段での表示結果に基づく特定遊技状態とで、個別に、特別可変入賞装置を所定期間第1状態に変化させる回数が変動表示の表示結果とともに選択決定されるので、遊技のバリエーションを豊富化することができる。
(25) 前記第1変動表示手段は、前記第1の始動領域に遊技媒体が入賞したことに応じて第1の実行条件(有効な第1始動入賞があったこと)が成立した後、第1の開始条件(第1保留記憶に応じた変動表示を実行する条件)が成立したときに変動表示が開始され(第1特別図柄プロセス処理における図20のS323でN)、
前記第2変動表示手段は、前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞したことに応じて第2の実行条件(有効な第2始動入賞があったこと)が成立した後、第2の開始条件(第2保留記憶に応じた変動表示を実行する条件)が成立したときに変動表示が開始され(第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理における図20のS323でNに相当する処理を実行する部分)、
前記遊技制御手段は、
前記第1保留記憶手段に記憶されている第1保留記憶データに基づき、前記第1の始動領域への遊技媒体の入賞数を計数する第1計数手段(第1保留記憶数カウンタの値により入賞数を計数するCPU56)と、
前記第2保留記憶手段に記憶されている第2保留記憶データに基づき、前記第2の始動領域への遊技媒体の入賞数を計数する第2計数手段(第2保留記憶数カウンタの値により入賞数を計数するCPU56)と、
前記第1変動表示手段および前記第2変動表示手段のそれぞれで実行される変動表示について、変動表示時間を含む変動パターンを複数の変動パターンから選択する変動パターン選択手段(図27の第1変動パターン設定処理、図28の第2変動パターン設定処理)とを含み、
該変動パターン選択手段は、前記第1計数手段によって計数された前記第1の始動領域への遊技媒体の入賞数と、前記第2計数手段によって計数された前記第2の始動領域への遊技媒体の入賞数との合計数が所定数以上のときに(図27のS452でY、図28のS452でY)、当該合計数が所定数未満であるときに比べて変動表示時間が短い変動パターン(短縮変動パターン)を選択する(第1特別図柄プロセス処理における図27のS460〜S466、第2特別図柄プロセス処理における図28のS460〜S466)。
このような構成によれば、保留記憶数が所定数以上となったときに変動表示時間が短い変動パターンを選択する場合において、第1変動表示手段の第1の保留記憶数と第2変動表示手段の第2の保留記憶数とで個別に、変動表示時間が短い変動パターンを選択する数になったか否かを判断すると、一方の変動表示手段では変動表示時間が短い変動パターンが選択されるが、他方の変動表示手段では変動表示時間が短い変動パターンが選択されないというような一方に偏った制御が行なわれる状況となることにより遊技者が違和感を受けるおそれがある。しかし、第1の保留記憶数と第2の保留記憶数とで合計数が所定数以上のときに、変動表示時間が短い変動パターンを選択することにより、遊技者に違和感を受けさせない制御を行なうことができる。
(26) 前記遊技制御手段は、
前記特定遊技状態として、前記特別可変入賞装置を前記第2遊技状態と略同一期間かつ前記第2遊技状態と略同一の回数で前記第1の状態に変化させることにより終了し、前記特定遊技状態終了後の遊技状態として前記特定遊技状態開始直前の遊技状態が継続される第3遊技状態(小当り遊技状態)に制御する第3遊技状態制御手段(第1特別図柄プロセス処理における図20のS309〜S311、図26のS62,S89、図32のS138、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)をさらに含み、
前記事前決定手段は、前記第1変動表示手段と前記第2変動表示手段とでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、前記高確率状態に制御することを決定する確率を同一とし(図8で、第1通常時大当り判定テーブルと第2通常時大当り判定テーブルとで確変大当りおよび突然確変大当りの合計割合が同一、第1確変時大当り判定テーブルと第2確変時大当り判定テーブルとで確変大当りおよび突然確変大当りの合計割合が同一)、かつ、前記高確率状態に制御するときに決定される前記第1遊技状態と前記第2遊技状態と前記第3遊技状態との割合を異ならせた決定確率(図8で、第1通常時大当り判定テーブルと第2通常時大当り判定テーブルとで確変大当りと突然確変大当りと小当りとの割合が異なる、第1確変時大当り判定テーブルと第2確変時大当り判定テーブルとで確変大当りと突然確変大当りと小当りとの割合が異なる)に基づいて、前記変動表示の表示結果を導出表示する前に、前記特定遊技状態として、前記第1遊技状態と前記第2遊技状態と第3遊技状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかをさらに決定する(第1特別図柄プロセス処理における図26のS83、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるこれらの処理に相当する処理を実行する部分)。
このような構成によれば、第1変動表示手段と第2変動表示手段とでそれぞれ実行される変動表示についての決定において、高確率状態に制御することを決定する確率を同一とし、かつ、高確率状態に制御するときに決定される第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態との割合を異ならせた決定確率に基づいて、特定遊技状態として、第1遊技状態と第2遊技状態と第3遊技状態とを含む複数の遊技状態のうちいずれの遊技状態に制御するかがさらに決定されるので、第3遊技状態とする割合を第2遊技状態とする割合に合せることができる。
(27) 前記第2の始動領域に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する検出手段(第2始動口スイッチ14a)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変始動入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(図51のS560または図82のS284)と、
該開閉判定手段によって前記可変始動入賞装置が閉状態であると判定されているときに、前記検出手段によって遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による第2変動表示手段における第2識別情報の変動表示の開始を禁止する変動表示禁止手段(第2実施形態では図80のS1315,S1316、第4実施形態では図83のS339,S340、第5実施形態では図84のS1317)とをさらに含む。
このような構成によれば、可変始動入賞装置が閉状態であると判定されているときに、遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による第2変動表示手段における第2識別情報の変動表示の開始が禁止されるので、不正行為によって可変始動入賞装置に遊技媒体が入賞した可能性がある場合に、特定遊技状態に移行されるのを確実に防止することができる。
(28) 前記第2の始動領域に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する検出手段(第2始動口スイッチ14a)と、
前記第2の始動領域に遊技媒体が入賞したことに応じて遊技媒体を払出す制御を実行する払出制御手段(図49のS362A〜S365、図50のS371〜S382)とをさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変始動入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(図51のS560または図82のS284)と、
該開閉判定手段によって前記可変始動入賞装置が閉状態であると判定されているときに、前記検出手段によって遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技媒体を払出す制御の実行を禁止する払出制御禁止手段(図49のS363A,S363B)とをさらに含む。
このような構成によれば、可変始動入賞装置が閉状態であると判定されているときに、遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、当該入賞による遊技媒体を払出す制御の実行が禁止されるので、不正行為によって可変始動入賞装置に遊技媒体が入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技場に不利益が与えられることを防止できる。
(29) 前記第2の始動領域に入賞した遊技媒体を検出して検出信号を出力する検出手段(第2始動口スイッチ14a)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記可変始動入賞装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(図51のS560または図82のS284)と、
該開閉判定手段によって前記可変始動入賞装置が閉状態であると判定されたときに、前記検出手段によって遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、前記第2の始動領域に入賞した遊技媒体の入賞累積数を記憶する入賞累積数記憶手段(RAM55における始動口異常カウンタの記憶領域)と、
前記入賞累積数記憶手段が記憶する前記入賞累積数と、異常入賞数であるか否かを判定するための所定の異常入賞数基準値(たとえば、5個)との関係に基づいて、異常入賞状態であるか否かを判定する異常入賞判定手段(図51のS564B)と、
前記開閉判定手段によって前記可変始動入賞装置が閉状態であると判定されているときに(図51のS560のNまたは図82のS284のY)、前記検出手段によって遊技媒体の入賞が検出されたこと(図51のS563のNまたは図82のS288のY)に基づいて、異常報知の実行を指示するための異常報知コマンド(たとえば、異常入賞報知コマンドまたは異常入賞報知指定コマンド)を送信する異常報知コマンド送信手段(図51のS564Cまたは図82のS289)とをさらに含み、
前記演出制御手段は、
前記異常報知コマンド送信手段が送信した異常報知コマンドに基づいて、前記演出装置により異常報知を実行する異常報知手段(図66のS845A,S845C、図52のS710、図78のS996〜S999、908〜S909)をさらに含み、
前記異常報知コマンド送信手段は、前記異常入賞判定手段によって前記異常入賞状態であると判定されたときに(図51のS564BでY)、前記異常報知コマンドを送信する(図51のS564C)。
このような構成によれば、可変始動入賞装置が閉状態であると判定されたときに第2の始動領域への遊技媒体の入賞が検出されたことに基づいて、第2の始動領域に入賞した遊技媒体の入賞累積数が記憶され、記憶された入賞累積数と、所定の異常入賞数基準値との関係に基づいて、異常入賞状態であるか否かが判定されるので、ノイズ等により一時的に生じた軽微な異常により異常入賞状態であると判定されるのを防ぐことができ、異常入賞状態を確実に判定することができる。
(30) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。