[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、遊技盤面全体が画像で表示されてパチンコ玉を打ち込む操作に従って画像のパチンコ玉が画像遊技盤面上に表示されて画像遊技盤面上を落下する状態が画像表示される画像式の遊技機、コインを投入して所定数のパチンコ玉を遊技領域内に打ち込んで遊技を行なうコイン遊技機(例えば雀球遊技機)等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。この打球供給皿3の上面には操作スイッチ99が設けられており、後述する修行演出時(図72参照)の修行内容の選択操作や、パスワードの入力操作(図86参照)等を遊技者が行なうことができるようになっている。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行なう演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、打球が第1始動入賞口13、第2始動入賞口14または第3始動入賞口12に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く)。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行なう第1飾り図柄表示器(第1可変表示部)9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行なう第2飾り図柄表示器(第2可変表示部)9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。
また、この実施の形態では、可変入賞球装置15が閉状態である場合には、第2始動入賞口14はパチンコ玉が入賞不可能となっている。この状態では、第3始動入賞口12の入賞率の方が、第1始動入賞口13の入賞率よりも小さくなるように構成されている。一方、可変入賞球装置15が開状態となると、第1始動入賞口13におけるパチンコ玉が入賞可能となる入賞可能領域よりも第2始動入賞口14における入賞可能領域の方が大きくなるため、第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすくなる。第3始動入賞口12に遊技球が入賞すれば、必ず演出表示装置9によりリーチ状態が発生するように構成されている。
また、演出表示装置9の下端部には、第3始動入賞口12(第3始動口)を有する入賞ステージ120が設けられている。第3始動入賞口12に入賞した遊技球は、演出表示装置9の内部に設けられた第3始動口スイッチ12aによって検出される。入賞ステージ120は、流下してくる遊技球を受けるステージ状(舞台状)の部材よりなる。遊技球は、入賞ステージ120上に流下したときに、入賞ステージ120上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、または、第3始動入賞口12に入賞せずに下方へ落下する。
この実施の形態では、演出図柄4が演出表示装置9により表示されて大当り遊技が発生してその大当り遊技を終了すると、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示装置8bや可変表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。そして、高ベース状態である場合には、高ベース状態でない場合(以下、低ベース状態ともいう)と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。したがって、この実施の形態では、低ベース状態では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率の方が、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12の両方に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。また、高ベース状態では、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12の両方に遊技球が入賞する確率の方が、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。
また、高ベース状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮される時短状態に移行される。時短状態に制御することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。
なお、高ベース状態に制御する場合に、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりするだけで、時短状態に移行しないようにしてもよい。また、高ベース状態に制御する場合に、時短状態に移行するだけで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりしないようにしてもよい。
第1始動入賞口13と第2始動入賞口14と第3始動入賞口12とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。また、高ベース状態では第2始動入賞口14の入賞率は高くなる。その場合には、第2始動入賞口14の入賞率は、第1始動入賞口13の入賞率よりも高い。よって、遊技領域6に打ち込まれた所定数の遊技球数に対する景品遊技球の払出数の割合(ベース)は高い。つまり、高ベース状態である。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。したがって、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12のいずれかに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29、30、33、39も設けられている。入賞口29、30、33、39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行なわれ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されるか、または、遊技球が第3始動入賞口12に入り第3始動口スイッチ12aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、入賞ステージ120を拡大して示す斜視図である。図2においては、(a)に入賞ステージ120の構成が示され、(b)に入賞ステージ120で遊技球Pが転動する経路の代表例が示されている。
図2の(a)を参照して、入賞ステージ120は、正面から見て円弧状の形状であり、中央部に第3始動入賞口12が開口形成されている。第3始動入賞口12の下部には、第3始動口スイッチ12aが内蔵されている。入賞ステージ120は、(b)に示すように、正面から見て左右上部から中央部に向けて遊技球Pが転動可能な程度の幅の通路121が設けられている。入賞ステージ120において、第3始動入賞口12の周辺は、通路121が上方に盛上がった形状となっている。このように構成された入賞ステージ120において、遊技球は、入賞ステージ120上に流下したときに、入賞ステージ120上を転動し、第3始動入賞口12に入賞するか、または、第3始動入賞口12に入賞せずに下方へ落下する。たとえば、(b)に示すように、通路121上を転動する遊技球Pは、経路r1に示すように通路121を経て第3始動入賞口12に進入して第3始動口スイッチ12aに検出される場合があり、また、経路r2に示すように通路121上からはずれて下方に落下する場合もある。このように、第3始動入賞口12について遊技球が転動可能な入賞ステージ120を設けて遊技球が第3始動入賞口12に入るか否かの挙動を遊技者に見せることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
図3は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。電源基板910には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板910には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、第3始動口スイッチ12a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行なう。また、演出制御基板80には、前述の操作スイッチ99の操作信号が入力される。
図4は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行なうとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行なうVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図3に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、電源基板910の構成を図5のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を許可したり遮断したりするための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図5では2つのレギュレータIC924A、924Bを示す。)を有し、VSLに基づいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A、924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A、923Bが接続されている。したがって、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図5に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A、922B、922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。したがって、コネクタ922Aには、VBBも供給されている。例えば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A、922B、922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。また、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、リセット信号をハイレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号がハイレベルになるタイミングを最も遅くする。)。
電源監視回路920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号は、主基板31に搭載されている入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図6は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下「S」という)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なった後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S8)。S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S91〜S93の処理)を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信するために、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをセットする(S93)。そして、S15に移行する。なお、この実施の形態では、停電復旧指定コマンドは、遊技制御処理が開始されてから、演出制御コマンド制御処理(S28)において送信されるが、S93の処理で、直接送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(S13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なうためのコマンド等がある。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(S13a)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(S13b)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図7に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32、S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において、特別可変入賞球装置(大入賞口)20、可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行なわせるための処理を行なう(S22a:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理、表示用乱数更新処理:S24、S25)。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)に基づく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)に基づく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図7に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムに基づいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図8に示された乱数(特に、ランダム2、3、4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(S26A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行なう(S26B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。CPU56は、例えば、第1特別図柄プロセス処理または第2特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図9(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態にするときには、後述するS144により高ベース状態フラグがセットされ、S27の普通図柄プロセス処理によりその高ベース状態フラグがセットされていると判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い状態に制御される。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。一方、後述するS146により高ベース状態フラグがリセットされた場合には、S27の普通図柄プロセス処理により高ベース状態フラグがセットされていないと判定されることにより、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数を、通常状態に復帰する制御が行なわれ、高ベース状態が終了する。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図9(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図10は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図10に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図10では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図10には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行なわれると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図10に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。例えば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(例えば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行なわれる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図11は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図10に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図11には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図10に示す各割合と整合するように判定値数が定められている。
図12は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図12において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図12に示すように、低ベース状態時すなわち短縮変動が行なわれないときには変動パターン#1〜#4が用いられ、高ベース状態時すなわち短縮変動が行なわれるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。この実施の形態では、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄のときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行なわれるときにも第2特別図柄の可変表示が行なわれるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#8のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行なわれるときと第2特別図柄の可変表示が行なわれるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、例えば、変動パターン#9〜#16を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#8のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#9〜#16のいずれかを使用する。
また、図12の「使用時」の欄に示すように、はずれの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#1、#5)と、通常大当りの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#2、#6)と、確変大当りの場合にのみ選択される変動パターン(変動パターン#4、#8)と、通常大当りのときにも確変大当りのときにも選択されうる変動パターン(変動パターン#3、#7)とがある。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行ない演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行なうとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行なう。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行なう。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図13は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図13に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図14に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図14に示された極性と逆極性であってもよい。
図15は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示す例において、コマンド8001(H)〜8008(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)であり、詳細は図12に基づいて既に説明した。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜8008(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。なお、第1始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1始動入賞指定コマンドおよび第2始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この合算保留記憶数指定コマンド中には、第1保留記憶または第2保留記憶のいずれを減算するのかを指定する減算対象指定データが含まれている。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図15に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1可変表示部(第1飾り図柄表示器9a)での識別情報の可変表示と第2可変表示部(第2飾り図柄表示器9b)での識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1可変表示部と第2可変表示部とを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行なう演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図16〜図18は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図16(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモコマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理(図7参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図16(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図16(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図17(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理から、図16(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込に基づく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)に基づく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図17(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込に基づく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込に基づく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図17(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。RAM55に形成されている演出図柄種類格納領域は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄種類格納領域に保存されていたデータに基づいて演出図柄指定コマンドを送信する。また、RAM55に形成されている合算保留記憶数カウンタの値は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保存されていた合算保留記憶数カウンタの値に基づいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図18(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図19および図20は、S28の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(S351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(S352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、背景指定コマンドを送信し(S354)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S355)。
S356では、CPU56は、停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS361に移行する。停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(S359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S360)。なお、CPU56は、S359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、S360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
S361では、CPU56は、S116の処理(図23参照)でセットされる第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。この第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグは、後述するS57aでセットされる。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S364)。なお、S364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(S368)。なお、S368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
S371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S373)。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
S374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(S375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S376)。次いで、変動パターン指定コマンドを送信する(S377)。なお、CPU56は、S376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、S377において、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
S381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S383)。なお、CPU56は、S383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
S384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS387に移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S386)。この合算保留記憶数減算指定コマンド中には、前述の減算対象データが含まれている。後述のS109でセットされる合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグは、第1保留記憶または第2保留記憶のいずれを減算するかも指定するフラグであり(S109の場合には第1保留記憶を減算対象と指定)、これに従ってS386の処理では、減算対象データを含めた合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。
S387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(S388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S389)。
S391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(S391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことに基づいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図6参照)や以下に説明する第1特別図柄プロセス処理(図21、図23、図25〜図27、図29、図31、図32参照)および第2特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことに基づいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。例えば、図6に示されたS13の処理に代えて、S353〜S355の処理を実行すればよい。また、図23に示すS116の処理に代えて、図19に示すS363、S364の処理を実行すればよい。また、図26に示すS80の処理に代えて、図20に示すS376、S377の処理を実行すればよい。
図21および図22は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(S26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、第2特別図柄プロセス処理(S26B)のプログラムで、後述の、第2始動口スイッチ通過処理(図34(A))、第3始動口スイッチ通過処理(図34(B))、第2特別図柄通常処理(図35参照)、および、第2特別図柄プロセス処理の一部(図33のSB311、SB311a、SB311b参照)以外のものは、第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(S41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。したがって、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(S42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(S43)。そして、S314に移行する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中(例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し(S44A)、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。また、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否か確認し(S44B)、0であれば、S45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(S46)、S311に移行する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
S45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(S46)。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしていない場合には、S311に移行する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S48)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットして(S49)、S314に移行する。なお、S48において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、第2特別図柄プロセス処理でも、第2保留記憶数が0でない場合には監視タイマの値を0にクリアし、第2保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。例えば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0であればS45の処理で監視タイマの値は+1されるが、第2特別図柄プロセス処理で監視タイマの値が0にクリアされるので、S47の処理での判定値(所定値)を2以上の値にしておけば、S47の処理で「Y」と判定されることはない。つまり、第1保留記憶数が0であっても、第2保留記憶数が0でなければ、監視タイマがタイムアウトすることはない。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、S43、S49の処理が実行される場合にはS311、S312の処理は実行されず、遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aがオンしたことのチェックはなされないが、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。一般に、第1始動口スイッチ13aとして近接スイッチや接点押下型のスイッチが用いられるが、いずれのスイッチを用いても遊技球が第1始動入賞口13に入賞したときには、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続する。この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理は2ms毎に実行されるが、S43、S49の処理が実行される場合には数ms(例えば4ms)間S311、S312の処理が実行されない期間が継続するだけであって、そのような期間が存在しても、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続していることから、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。
S311では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S312)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する(S313)。合算保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、S311で第1始動口スイッチ13aがオンしていないことを検出した場合には、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に(S314)、S300〜S309のうちのいずれかの処理を行なう。なお、第2特別図柄が変動中でないことは、例えば、第2変動中フラグがセットされているか否かによって判定される。大当り遊技中でないことは、例えば、大当りフラグがセットされているか否かによって判定される。また、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定してもよい。
第1始動口スイッチ通過処理を実行したときに合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはS300〜S309の処理を実行しないのは、合算保留記憶数カウンタの値が0から1になったときに、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信した後、次のタイマ割込処理で背景指定コマンドを送信したいためである(図17(A)参照)。合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に続けてS300の処理を実行すると、同じタイマ割込処理で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドと背景指定コマンドとが送信されてしまうからである。なお、図16(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。また、図17(A)に示された演出制御コマンドの送信タイミングの変形例として、タイマ割込に基づく遊技制御処理(すなわち、2ms以内に)で第1始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信する場合には、S313の判断を行なわない。
S300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(S300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、合算保留記憶のうちで次に変動を開始すべき記憶が第1保留記憶に対応したものか否か確認し、第1保留記憶に対応したものであれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行なうとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
第1変動パターン設定処理(S301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、第1特別図柄の可変表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、第1特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1遊技状態決定処理(S302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(S303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(S304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS305(この例では5)に応じた値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(S305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS306に応じた値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(S306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行なう。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行なう。
第1大入賞口開放前処理(S307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(S308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(S309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図23は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(S111)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S112)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S113)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(S114)。
図24は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図24には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図24に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。保留特定領域は、RAM55に形成されている。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(S115)。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、S115では、ランダム1〜4、8(図8参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする(S116)。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合で、さらに、第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値(第1特別図柄通常処理の値)となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。なお、例えば、第1保留記憶バッファにおける保存領域に乱数等のデータが格納されているか否かを確認する等、第1保留記憶数の有無が確認できれば、他の方法を用いてもよい。
第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(S51a)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、S53に移行する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。そして、高ベースフラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。
S51aで第2保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、S53以降の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
S51aで第2保留記憶数が0である場合、CPU56は、S53以降の処理を行なう。
S53では、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。そして、保留特定領域中の最も古い第1保留記憶特定情報を削除して、それよりも新しい保留記憶特定情報を1つずつ古い記憶エリアにシフトする。図22に示された例では、合算保留記憶数カウンタ「1」に記憶されている第1保留記憶特定情報を削除して合算保留記憶数カウンタ「2」以降に記憶されている保留記憶特定情報を1つずつ左にシフトする(S54)。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S55)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S56)、第1変動中フラグをセットする(S57)。さらに、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをセットする(S57a)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(S58)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S59)。なお、S58において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
図26は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(S61)、大当り判定モジュールを実行する(S62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(S63)、S71に移行する。なお、S63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(S64)、はずれ図柄決定用乱数に基づいてはずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する(S65)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S66)。そして、S75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(S72)、大当り図柄決定用乱数に基づいて大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(S73)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(S74)。そして、S75に移行する。
S75では、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(例えば、3以上)であれば(S76)、短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する(S77)。短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている(図12参照)。なお、大当りフラグがセットされている場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択しない。
なお、S76の判断において、例えば3以上か否か判断するのは、S56の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される可変表示について短縮変動パターンテーブルを使用したいからである。合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、例えば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(S76)、非短縮変動パターンテーブルから変動パターンを選択する。非短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている(図12参照)。なお、大当りフラグがセットされている場合には、非短縮変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択しない。CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55における変動パターン記憶領域に記憶する(S79)。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(S80)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時非短縮変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時非短縮変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(S81)。例えば、S32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(S82)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態決定処理(S302)に対応した値に更新する(S83)。
図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1遊技状態決定処理(S302)を示すフローチャートである。第1遊技状態決定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S101)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(図15に示す演出図柄1指定コマンド:8C00(H))を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S106)、S107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読み出し(S102)、ランダム8の値に基づいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する(S103)。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンド(図15に示す演出図柄2指定コマンド:8C01(H)〜演出図柄8指定コマンド:8C07(H)のいずれか)を決定する(S104)。すなわち、突然確変にする場合には、演出図柄8指定コマンド:8C07(H)、大当り遊技後の遊技状態として、低ベース継続で確変にする場合は演出図柄2指定コマンド:8C01(H)、低ベース継続で低確(通常の確率状態)にする場合は演出図柄3指定コマンド:8C02(H)、高ベース突入で確変にする場合は演出図柄4指定コマンド:8C03(H)、高ベース継続で確変にする場合は演出図柄5指定コマンド:8C04(H)、高ベース継続で低確にする場合は演出図柄6指定コマンド:8C05(H)、高ベース終了で確変にする場合は演出図柄7指定コマンド:8C06(H)に決定する。そして、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(S105)、S107に移行する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値に基づいて停止図柄とする大当り図柄を決定し(図26のS72、S73参照)、その後、S103で遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値に基づいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
図28は、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を示す説明図である。CPU56は、そのときの遊技状態(図28の最左欄に対応)に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、図28に示されているような決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、図28において、「大当り遊技終了後の背景」として記載されていることは、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御する背景モードを示す。また。(*)が付されている背景モードについては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における背景をそのように制御するが、実は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御では、遊技状態は、高確率・高ベースモードであることを示す。つまり、実際の遊技状態と、遊技者に把握させたい遊技状態が異なっている。このような制御は、遊技のバリエーションを増やすために行なわれている。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が演出表示装置9に表示される。例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行なってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行なってもよい。例えば、図28において(*)が付されている背景モードにおいて、高確率状態であることを示唆する所定の予告キャラクタを演出表示装置9に表示する。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(例えば、演出表示装置9における背景画面)を同じにしてもよい。例えば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(例えば、可変表示毎に演出上の転落抽選(例えば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行なう場合で転落することに決定したしたときや、所定の変動パターンコマンドを受信したとき等)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、大当り遊技となるときに受信した演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
S107では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1保留記憶数送信処理(S303)に対応した値に更新する(S108)。
図29は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(S303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(S109)。この合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグは、合算保留記憶数減算指定コマンド中に含める減算対象データとして、第1保留記憶を指定するものである。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(S304)に対応した値に更新する(S110)。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(S304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(S121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(S122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(S305)に対応した値に更新する(S123)。
図31は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(S305)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、例えばS32の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行なう(S131)。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(S132)。そして、第1変動中フラグをリセットする(S133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(S134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(S135)。S135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(S136)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(S306)に対応した値に更新する(S137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(S307)に対応した値に更新する。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(例えば、S137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、S143、S144の処理(図32参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には(S134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S138)。
図32は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(S309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(S141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(S142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(S143、S144、図15、図28参照)。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする(S145、S146)。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする(S147、S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする(S149、S150)。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる可変表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(例えば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい(図94、図95参照)。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図15では図示せず)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、次の可変表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示回数をカウントして独自に背景モードを切り替えてもよい。
図33は、第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。なお、第2特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄プロセス処理(図21)と類似の制御を行なう。相違点は、先ず、「第1」と「第2」とが入れ替わっている。さらに、SB311でNと判断されて場合に、第3始動口スイッチがオンしたか否かの判断を行ない(SB311a)、オンしていない場合にはSB314へ移行するが、オンしている場合には、第3始動口スイッチ通過処理を実行した後、SB314へ移行する。
図34(A)は、図33のSB312に示した第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートであり、図34(B)は、図33のSB311bに示した第3始動口スイッチ通過処理とを示すフローチャートである。(A)の第2始動口スイッチ通過処理は、図23の第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」に読み替えたものである。また、(B)の第3始動口スイッチ通過処理も、図23の第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」に読み替えたものである。つまり、第3始動口12にパチンコ玉が入賞した場合も第2保留記憶数として取り扱い、第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
図35は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第1大当り遊技中でもない場合で、さらに、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理(図20のS300に相当する第2特別図柄プロセス処理側の処理ステップ部分)を示す値となっている場合である。なお、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄通常処理を示す値となっている場合とは、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示がなされていない状態であって、かつ、第2大当り遊技中でもない場合である。
第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(SB51)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(SB51a)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば、SB53に移行する。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。そして、高ベース状態フラグがセットされていなければ、CPU56は、そのまま処理を終了する。
SB51aで第1保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態でない場合には、SB53以降の処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が低ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
SB51aで第1保留記憶数が0である場合、CPU56は、SB53以降の処理を実行する。このSB52以降の処理は、図23の第1特別図柄通常処理と同様に構成される。すなわち、図23の第1特別図柄通常処理において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えた内容となっている。例えば、SB54の処理では、保留特定領域中の最も古い第2保留記憶を削除して、それよりも新しい保留記憶特定情報を1つずつ古い記憶エリアにシフトする。図22に示された例では、合算保留記憶数カウンタ「3」に記憶されている第2保留記憶特定情報を削除して、合算保留記憶数カウンタ「4」以降の記憶エリアの保留記憶特定情報を1つずつ左にシフトする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が実行する普通図柄プロセス処理(S28)について説明する。図36は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(S211)、ゲートスイッチ通過処理(S212)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてS200〜S203に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(S212):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行なう。
普通図柄通常処理(S200):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がS200を示す値(具体的には「0」)となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことに基づく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(S201):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(S202):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する。普通図柄プロセスフラグがこの普通電動役物作動処理(S203)を示す値に更新されたことにより、後述するS560によりYESの判断がなされるようになる。
普通電動役物作動処理(S203):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行なう(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図37は、普通図柄通常処理(S200)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(S221)。ゲート通過記憶数が0であれば(S221のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(S221のN)、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S222)。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S223)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1、2、3、4の順番と一致するようになっている。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(S224)、読み出した乱数値に基づいて当りとするかはずれとするかを決定する(S225)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。すなわち、S144により高ベース状態フラグがセットされることによって高ベース状態となっているときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、S146により高ベース状態フラグがリセットされることによって低ベース状態となっているときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(S226)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(S227)。なお、この実施の形態では、図40に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(S201)を示す値(具体的には「1」)に更新する(S228)。
図38は、普通図柄変動処理(S201)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S231)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S231のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S235)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(S231のY)、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(S232)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(S233)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(S202)を示す値(具体的には「2」)に更新する(S234)。
図39は、普通図柄停止処理(S202)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S241)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S241のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S242)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(S241のY)、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(S225にて当りと判定されたかどうか)を確認する(S243)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、S225にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(S243のY)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている(図40参照)。
次いで、CPU56は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(S245)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、高ベース状態フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。この高ベース状態フラグは、S144によりセットされ、S146によりリセットされる。高ベース状態フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、高ベース状態フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。
高ベース状態であるときは(S245のY)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図40に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S246)。一方、低ベース状態であるときは(S245のN)、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図40に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(S247)。図40に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。また、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。
そして、CPU56は、S246またはS247で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(S248)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行なわれる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(S203)を示す値(具体的には「3」)に更新する(S249)。
S243において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(S243のN)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S250)。
図41は、普通電動役物作動処理(S203)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
そして、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S263)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(S264)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S264のN)、S268の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S264のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(S265)。そして、CPU56は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(S266)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(S266のN)、つまり8以上である場合は、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(S267)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(S261のY、S272参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S268)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S269)。タイムアウトしていなければ(S269のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S269のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S270)。そして、CPU56は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(S271)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のS268〜S271の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
図42は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図42に示すように、入力ポート0のビット0〜8には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a、39a、29a、30a、第2始動口スイッチ14a、第1始動口スイッチ13aおよび第3始動口スイッチ12aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図43は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図44は、図43に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図44に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図3に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図3では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図45は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図45に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a、39a、29a、30a、第3始動口スイッチ12a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13a)が遊技球の入賞を検出したことに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第3始動口スイッチ12a、第2始動口スイッチ14aおよび第1始動口スイッチ13aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、入賞口スイッチ33a、39a、29a、30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行ない、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行なう場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(S21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図46は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図42に示すビット0〜8に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図47は、遊技制御処理におけるS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、CPU56は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(S331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(S332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(S333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(S334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(S335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(S336)。S334、S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(S337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、8つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、S337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(S338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図48は、S30の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(S341)と賞球制御処理(S342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図49に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「8」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図42参照)。
図50は、S341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、CPU56は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(SP351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(SP352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(SP353)。
そして、ポインタの値を1増やし(SP354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(SP355)。また、ポインタの値を1増やす(SP356)。
SP355における演算結果が0でなければ(SP361のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、SP362Aに移行する。SP355における演算結果が0であれば(SP361のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(SP359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければSP354に戻る(SP360)。
SP362Aでは、CPU56は、SP355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、SP361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には(SP362AのY)、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否かと、第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否かとを確認する(SP362B)。第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、第1特別図柄プロセス処理において、S307の第1大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中(15R大当り遊技中または2R大当り遊技中)であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。また、第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、第2特別図柄プロセス処理において、第1特別図柄プロセス処理におけるS307の第1大入賞口開放前処理に相当する処理(第2大入賞口開放前処理)以後の処理が実行されていることを意味する。つまり、第2特別図柄プロセス処理において、大当り遊技中(15R大当り遊技中または2R大当り遊技中)であることを意味する。よって、第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということも、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか、又は第2特別図柄プロセスフラグが7以上である場合には(SP362BのY)、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(SP364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(SP365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(SP357、SP358)。そして、SP359の処理に移行する。
第1特別図柄プロセスフラグの値が7未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、第1特別図柄プロセスフラグの値が7未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には(SP362BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(SP364、SP365の処理をスキップする)。そして、SP359の処理に移行する。
スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合は(SP362AのN)、CPU56は、SP355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する(SP363A)。すなわち、SP361で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチが第2始動口スイッチ14aであったか否か)確認する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値であった場合には(SP363AのY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(SP363B)。普通図柄プロセスフラグの値が3であるということは、普通図柄プロセス処理において、S203の普通電動役物作動処理が実行されていることを意味する。すなわち、普通電動役物(可変入賞球装置15)の開閉動作中であることを意味する。
スイッチ入力ビット判定値が第2始動口スイッチ入力ビット判定値でなかった場合(SP363AのN)、および普通図柄プロセスフラグの値が3である場合(SP363BのY)には、CPU56は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(SP364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(SP365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(SP357、SP358)。そして、SP359の処理に移行する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、可変入賞球装置15が動作しておらず、可変入賞球装置15を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態において第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出されたということは、第2始動入賞口14に異常入賞が生じたこと、または第2始動口スイッチ14aからの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態で第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合には(SP363BのN)、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにする(SP364、SP365の処理をスキップする)。そして、SP359の処理に移行する。
なお、上記の処理では、CPU56が、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグ)の値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行なってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
また、CPU56が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが(SP363B参照)、実際に可変入賞球装置15を開放していないとき(すなわち、図41に示す普通電動役物作動処理において遊技状態に応じた開放パターンに基づいて可変入賞球装置15が開閉動作を繰り返すときの可変入賞球装置15が閉鎖状態のとき)に第2始動口スイッチ14aがオンしたことが検出された場合に、第2始動口スイッチ14aがオンしたことに基づく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。例えば、高ベース状態のときのように可変入賞球装置15が複数回(実施の形態では2回)に亘って開放されたり閉鎖されたりする場合には、実際に可変入賞球装置15を開放する制御を行なっているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化するが、普通図柄プロセスフラグにより判定することで処理を簡素化することができる。
また、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間にはある程度の距離があるので、可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なってから、閉鎖直前に第2始動入賞口14に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、第2始動入賞口14の入口から第2始動口スイッチ14aの設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。そこで、この実施の形態では、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせている。
具体的には、可変入賞球装置15が最後に閉鎖してから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまで(つまりS271で可変入賞球装置15が閉鎖してからS261のYとなるまで)の時間を、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定している。すなわち、S270で普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間(例えば5秒)をセットし、S271で普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間を閉鎖時間(例えば5秒)よりも短い時間(例えば3秒)になるように普通電動役物作動時間をセットする(S244)。普通電動役物を最後に閉鎖させてから普通図柄プロセスタイマがタイムアウトするまでの時間(例えば3秒)は、第2始動入賞口14に入賞した遊技球が第2始動口スイッ14aの設置位置に到達するまでの時間よりも十分長い時間である。このようにしておけば、可変入賞球装置15の閉鎖直前に遊技球が入賞したことによって、異常入賞が発生したと誤検出してしまうのを防止することができる。
異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、上記の例では、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしていたが、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。具体的には、普通図柄プロセスフラグの値が3から0になった時点(例えば、図41のS272の直前あるいは直後)でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において普通図柄プロセスフラグの値が3でないと判定されたときに(SP363BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにSP364、SP365の処理をスキップしてSP359の処理に移行するようにする。このような構成によっても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。
なお、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせることができる。具体的には、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7から0に又は10から0になった時点でカウントタイマに所定時間をセットし、そして、タイマ割込み毎(2ms毎)にカウントタイマをカウントダウンしていく。そして、賞球個数加算処理において特別図柄プロセスフラグの値が7以上でないと判定されたときに(SP362BのN)、カウントタイマが0かどうかを判定し、カウントタイマが0のときにSP364、SP365の処理をスキップしてSP359の処理に移行するようにする。
なお、SP362Bにおいて特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7未満である場合(SP362BのN)やSP363Bにおいて普通図柄プロセスフラグの値が3でない場合(SP363BのN)に、賞球払い出しを禁止する制御を行なわないようにしてもよい。後述するように、異常入賞が発生したと判定された場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常入賞の発生を報知するように構成されているので、異常入賞に基づく賞球払い出しは最小限に食い止めることができると考えられるからである。
図51は、S342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(SP371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(SP372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(SP373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(SP374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(SP375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(SP376)。
SP376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、SP375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図45参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。したがって、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(SP377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(SP378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(SP379、SP380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(SP381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(SP382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図52は、S22aの異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(S551)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図6におけるS13a参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、S555に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、S13bで設定された禁止期間タイマの値を−1する(S552)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(S553、S554)。
次いで、第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否かと、第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるか否かとを確認する(S555)。第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上である状態は、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行なわない。すなわち、第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上であれば、S560に移行する。
第1特別図柄プロセスフラグの値が7未満であり、かつ、第2特別図柄プロセスフラグの値が7未満であれば(大当り遊技が行なわれていない状態)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S556)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(001(H)、図49参照)との論理積をとる(S557)。スイッチオンバッファの内容が001(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は001(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(000(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S558、S559)。
次に、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(S560)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態である。そのような状態であれば(S560のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なわずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作していない状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。したがって、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行なう。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(S560のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(S561)。そして、CPU56は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(040(H)、図49参照)との論理積をとる(S562)。スイッチオンバッファの内容が040(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は040(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(000(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(S563のN)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なう(S564)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(S563のY)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行なわずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技が行なわれていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知指定コマンドが送信される。
また、S251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行なっているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、S555の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグ、第2特別図柄プロセスフラグ)の値に基づいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、S362Bの処理と同様に、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにも関わらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、S560の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)が、普通図柄プロセスフラグの値に基づいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしているので、S363Bの処理と同様に、1つのデータに基づいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行なうようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにも関わらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、上述したように、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行なうようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図53は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ14)のカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(S709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行なう報知制御処理を実行する(S709a)。その後、パスワード処理を実行して(S709b)、S702に移行する。
図54は、演出制御用マイクロコンピュータ100により用いられる各種乱数を示す説明図である。乱数の種類としては、ランダム9カウンタ〜ランダム14カウンタの各ランダムカウンタで更新される6種類である。
ランダム9カウンタは、用途として、リーチを実行するか否かを判定するリーチ実行判定用のランダムカウンタであり、0〜9の範囲で、演出制御メインプログラムが1回実行される毎すなわち0.033秒毎に「1」ずつ加算更新される。
ランダム10カウンタは、後述する修行演出(図72参照)を実行するか否かを判定する修行演出実行判定用のランダムカウンタであり、0〜1の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム11カウンタは、後述するプロセステーブル(図67参照)を選択するためのプロセステーブル選択用のランダムカウンタであり、0〜2の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム12カウンタは後述する対決演出(図73参照)を実行するか否かを判定するための対決演出実行判定用のランダムカウンタであり、0〜1の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム13カウンタは、対決演出に登場する敵キャラクタの種類を選択するための敵キャラクタの選択用のランダムカウンタであり、0〜99の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
ランダム14カウンタは、予告を実行するか否かを判定するための予告実行判定用のランダムカウンタであり、0〜99の範囲で、0.033秒毎に1ずつ加算される。
図55は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。したがって、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図15参照)であるのか解析する。
図56〜図58は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(S617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(S621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S622、S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(S626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(S627、S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、S628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(S629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理において、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行なう。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、可変表示が行なわれていないことを条件として新たな可変表示が開始される。したがって、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示は行なわれていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の可変表示について、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために可変表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、S622、S623およびS627、S628の処理によって、確実に可変表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御手段に正しく伝達されなかったときには図柄の可変表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶に基づいて新たな可変表示を開始すべきであるにも関わらず可変表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(S631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(S632)。次に、演出用図柄指定コマンド受信フラグをセットして、S611に戻る。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(S635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(S636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(S637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(S638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(S639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(S640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(S641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(S642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行ない、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行なう(S656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、例えば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(例えば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行なう」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(S660)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行なう(S661)。この初期画面では、あらかじめ決められているメッセージ(例えば、初期化されました)の表示が行なわれる。次に、初期報知フラグをセットし(S661a)、期間タイマに初期報知期間値をセットする(S661b)。初期報知期間は、電源投入指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行なっている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がS13bの処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行なわれているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(S662)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行なう(S663)。また、停電復旧フラグをセットする(S664)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S666)。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(S671)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(S671a)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(S671b)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S675)。
図59は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図59に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図59(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図59(B)参照)。
図60は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図60(A)、(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図60(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図60(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図60(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図60(C)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図60(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図60(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。したがって、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
図61は、停電復旧指定コマンドを受信した場合の演出表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。図61に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドを受信すると、演出表示装置9の演出図柄表示領域91に、遊技状態が復旧して、停電前の遊技状態から遊技を続行できることを報知するための表示を行なう。この実施の形態では、停電復旧時に合算保留記憶表示部18cにおける表示態様が所定の態様(この例では、星印)に変更されるが、遊技状態が復帰されることの報知(停電前の遊技状態から遊技を続行できることの報知)が同時になされることによって、合算保留記憶表示部18cの表示態様の変更に対して不審感を抱く遊技者が現れることを防止できる。
図62は、図53に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(S801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S806):大当り遊技中の制御を行なう。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図63は、図62に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(S813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行なう(S815)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(S801)に対応した値に更新する(S816)。
図64は、図62に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(S801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータに基づいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8(大当りが発生する変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(S821)。変動パターン#2、#3、#4、#6、#7、#8のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出し(S822)、抽出した予告選択用乱数に基づいて予告演出を行なうか否か決定する(S823)。なお、変動パターン#1、#5のはずれ変動パターンの場合にも、予告選択用乱数を抽出し、抽出した予告選択用乱数に基づいて予告演出を行なうか否か決定するようにしてもよい。
予告演出を行なうことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S824、S825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(S826)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(S827)。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行なう可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行なわれるときと第2特別図柄の可変表示が行なわれるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S802)に対応した値に更新する(S828)。
図65は、図62に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(S833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(S834)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(S835)。その後、S841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(S837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(S838)。そして、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(S839)。
次いで、演出図柄指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S839a)。演出図柄指定コマンド受信フラグがセットされていなければ、S839bに移行する。
S839bでは、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したか否か確認する。この実施の形態では、図12に示すように、変動パターン#3、変動パターン#7の変動パターンコマンド(8003(H)、8007(H)))が、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドである。よって、演出制御用CPU101は、それらの変動パターンコマンドを示すデータが変動パターンコマンド格納領域に格納されていた場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定する。演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、演出図柄の停止図柄を通常大当り図柄に決定する(S839d)。また、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定する(S839c)。なお、この実施の形態では、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドは、はずれ時に使用されるか、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)に応じて使用される(図12参照)。よって、演出制御用CPU101は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合には、受信した変動パターンコマンドに基づいて、はずれに決定されているのか大当り(2R大当りを含む)に決定されているのか特定でき、かつ、大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類(通常大当り、確変大当り)を特定できる。
このように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信した場合に、演出図柄指定コマンドを受信できなかったときには、演出図柄の表示結果(停止図柄)を通常大当り図柄に決定するように構成されているので、演出図柄指定コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、変動パターンコマンドに演出図柄の表示結果を特定可能な情報を含めることによって、変動パターンコマンドおよび演出図柄指定コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄指定コマンドを受信できなくても演出図柄の表示結果を決定できるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担は増大しない。
S841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図15参照)であれば、演出制御用CPU101は、表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び、図1参照)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図15参照)であれば、表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいて3つの図柄が揃った状態である。演出図柄が0〜9の数字であるとすると、演出制御用CPU101は、0〜9のいずれで揃った状態にするのかを、例えば、乱数を用いた抽選によって決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース継続指定や高確指定を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。演出図柄指定コマンドが高ベース突入指定を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。
S841の処理の後、演出制御用CPU101は、演出図柄指定コマンド受信フラグをセットする(S841a)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ選択処理を実行する(S842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(S843)。
そして、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行なっていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S843a、S844)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行なわれるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(S8343a、S8343b)。つまり、
異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。なお、可変表示に応じた音演出の効果音と異常入賞の報知に応じた警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらの音を同時に音出力することが可能であれば、S844とS843bの処理を分ける必要はない。
また、S843bの処理を行なうときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1に基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次に、S845では、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S803)に対応した値にする(S846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドに基づいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の可変表示を開始させる。また、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の可変表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握しやすくなる。
図66は、図65のS842で示したプロセステーブル選択処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か判断する(S400)。打球が第1始動入賞口13に入賞したときには第1飾り図柄変動要求フラグがセットされた状態となっているために、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされていると判断して、今回の変動パターンが♯1であるか否か判定する(S401)。今回の変動がはずれ変動パターンである♯1以外の変動パターンの場合には、その変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S402)。一方、はずれ変動パターン♯1の場合には、ランダム9カウンタ(図54参照)の値を抽出してその抽出値が「3」であるか否かの判定を行なう(S403)。抽出値が「3」の場合にはリーチが発生し、「3」でない場合にはリーチが発生しないように定められている。「3」でない場合には、はずれ変動パターン(リーチなし)に応じたプロセステーブル(図67参照)を選択する(S404)。
ランダム9の抽出値が「3」の場合には、次に、ランダム10カウンタ(図54参照)の値を抽出してその抽出値が「1」であるか否かの判断を行なう(S405)。ランダム10カウンタの抽出値が「1」の場合にはリーチ発生後修行演出を実行し、「1」以外の場合にはリーチが発生したとしても修行演出を実行しないように定められている。よって、はずれとなることが事前決定されかつリーチが発生した後において、修行演出が実行される確率は、1/2となる。ランダム10カウンタの抽出値が「1」のときには、修行演出用のプロセステーブルを選択する処理が行なわれる(S408)。
一方、S405に基づいて、ランダム10カウンタの抽出値が「1」でないと判定した場合には、はずれ変動パターン(リーチあり)に応じたプロセステーブルを選択する(S407)。
次に、遊技球が第2始動入賞口14または第3始動入賞口12に入賞した場合には、必ずリーチが発生するとともに第2飾り図柄変動要求フラグがセットされており、演出制御用CPU101は、S400において、NOの判断を行ない、低ベース状態背景が指定されているか否かの判断を行なう(S408a)。この判断は、低ベース状態のときに遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてくる低ベース状態背景指定コマンドを受信しているか否かで判断する。高ベース状態のときにはS402へ移行して対決演出が実行されない。つまり、高ベース状態時においては開放した第2始動入賞口14へ遊技球が入賞しても、対決演出は実行されないため、対決演出の実行は、常に、修行演出実効用の始動入賞部に比べて入賞率の低い始動入賞部への入賞が条件となる。
一方、低ベース状態のときにはランダム12カウンタ(図54参照)の抽出値が「1」であるか否かの判定を行なう(S409)。「1」のときには対決演出(図73参照)を実行し、「1」でないときには対決演出を実行しないように定められている。よって、遊技球が第2始動入賞口14または第3始動入賞口12に入賞した場合に、必ずリーチが発生し、その後1/2の確率で対決演出が実行されることとなる。なお、ランダム12カウンタによる抽選を行なうことなく必ず対決演出が実行されるようにしてもよい。ランダム12カウンタの抽出値が「1」のときには、演出制御用CPU101は、はずれ変動パターンであるか否かの判定を行なう(S411)。このはずれ変動パターンであるか否かの判定は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されてきた変動パターンで判断し、変動パターン♯1または変動パターン♯5の場合にははずれ変動パターンと判断し、それ以外の変動パターンの場合には当り変動パターンと判断する(図12参照)。
当り変動パターンの場合には、演出制御用CPU101は、各パラメータのランクの状態(ランクA〜Dのいずれか)とランダム13カウンタ(図54参照)の抽出値とにより、大当り時敵キャラクタ選択テーブル(図68参照)を参照して、敵キャラクタを選択する処理を行なう(S412)。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、現状のパラメータのランクが記憶されており、このRAMに記憶されたランクに基づいて、S412の処理がなされる。この敵キャラクタの選択方法については、後に詳述する。次に、その決定した敵キャラクタと変動パターンの大当り,はずれと主人公キャラクタの修行結果のパラメータ状態とに基づいて、対決演出用のプロセステーブルを選択する処理を行なう(S413)。つまり、対決演出用のプロセステーブルは、演出表示される敵キャラクタの種類に応じて用意されており、かつ、大当り変動パターンの場合には主人公キャラクタが勝つ演出結果となりはずれ変動パターンの場合には敵キャラクタが勝つ演出結果となるものが用意されている。さらに、対決演出では、主人公キャラクタは心技体のうち修行結果現時点で一番高いパラメータを用いて対決するのであり、心のキャラクタが一番高い主人公キャラクタが魔法を用いて対決するプロセステーブル、技のパラメータが一番高い主人公キャラクタが技を生かして対決するプロセステーブル、体のパラメータが一番高い主人公キャラクタが体力を生かして対決するプロセステーブルが用意されている。
よって、演出制御用CPU101は、対決演出用のプロセステーブルの選択に際して、決定された敵キャラクタの種類と、変動パターンが大当りまたははずれのいずれであるかと、主人公キャラクタの現時点における最高ランクのパラメータの種類とに基づいて、選択決定する。
一方、S411の判断の結果、はずれ変動パターンであると判断した場合には、各パラメータのランクの状態とランダム13カウンタの抽出値によりはずれ時敵キャラクタ選択テーブル(図69参照)とを参照して、敵キャラクタを決定する処理を行ない(S414)、S413へ移行する。このS414の処理も、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶されたランクに基づいて行なわれる。
図67は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行なう。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データに基づく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データに基づいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図67に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。このプロセステーブルは、後述する修行演出用のプロセステーブルと、後述する対決演出用のプロセステーブルと、それ以外の通常演出用のプロセステーブルとの複数種類のプロセステーブルが用意されている。
修行演出用のプロセステーブルの場合には、図72に基づいて後述するように、遊技者が操作スイッチ99を操作して修行内容(鍛えるパラメータの種類)を選択入力する画面が表示されるのであり、その選択入力画面を表示する所定番目のプロセスデータ(たとえばプロセスデータj)を有している。このプロセスデータjに従った選択入力画面が表示されて遊技者が選択入力した後(またはタイムオーバーした後)、その選択入力された修行内容に応じた修行演出画面を表示する(図72参照)。したがって、このプロセスデータjの後に続くプロセスデータj+1、j+2、…nは、修行内容の処理(図72の場合には3種類)だけ用意されており、プロセスデータjの表示後確定した修行内容に対応するプロセスデータj+1、j+2、…nが選択されてそのプロセスデータに従った表示演出が行なわれるように制御される。この点に関する表示制御は、後に詳しく説明する。
対決演出用のプロセステーブルは、図68で後述する敵キャラクタの種類に応じて異なる種類のプロセステーブルが用意されている。さらに、各敵キャラクタに応じた種類のプロセステーブル中においても、最終的に主人公キャラクタが勝って大当りとなるものと主人公キャラクタが負けてはずれとなるものとの2種類に分かれている。
また、通常演出用プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されているとともに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択された通常演出用プロセステーブルに設定されているプロセスデータに基づいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じた通常演出用プロセステーブルの内容に従って演出制御を行なう。
図68は、大当り時敵キャラクタ選択テーブルを示す説明図である。この大当り時敵キャラクタ選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられているROM(図示せず)に記憶されている。この大当り時敵キャラクタ選択テーブルは、大当りにすることが事前決定されている場合に、前述の図66のS412により敵キャラクタの種類を選択決定するために検索されるテーブルである。敵キャラクタの選択に際しては、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが心技体のうちいずれであるか、または心技体が同一レベルであるかと、ランダム13カウンタの抽出値がどの振分け領域に属するかと、最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクとの、3つの要素で選択される。また、本実施の形態において、敵キャラクタの具体例として、魔法使い風のA0〜A3、戦士風のB0〜B3、格闘家風のC0〜C3、特殊キャラクタSの、大きく分けて4種類のものを示している。また、主人公キャラクタの最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクが向上するに応じて、繰り出す技や魔法の種類が豊富になる。それに応じて、敵キャラクタの繰り出す技や魔法の種類も豊富になるように構成されている。そのため、敵キャラクタは、同じ魔法使いでも、たとえば、魔法0のみを使う者A0、魔法0と1を使う者A1、魔法0〜2を使う者A2、魔法0〜3を使う者A3が用意されている。戦士、格闘家の敵キャラクタの場合も同様である。そして、主人公キャラクタの最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクに応じて、敵キャラクタA0〜A3、B0〜B3、C0〜C3が選択される。
まず、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータ状態を判断し、最も高いパラメータが存在する場合には、そのパラメータに基づいて、(a)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの心技体のいずれの領域であるかを判断する。一方、主人公キャラクタのパラメータが心技体同一レベルでランクB以下である場合には、(b)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「心技体同一レベル」の領域を選択する。主人公キャラクタのパラメータが心技体同一レベルでランクAである場合には、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「心技体同一レベル」の領域を選択する。
次に、ランダム13カウンタの抽出値が、大当り時敵キャラクタ選択テーブルの「ランダム13」の領域におけるどの領域に属するかを判断する。そしてその属する領域に対応して格納されている敵キャラクタを選択する。
たとえば、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが「体」であり、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合には、(a)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルにおける「体」の領域の「50〜99」の領域が選択され、その領域に対応して格納されているC1〜3(格闘家)の敵キャラクタが選択されることとなる。そして、最も高いパラメータのランクがC、B、Aのいずれであるかにより、それぞれC1(格闘家)、C2(格闘家)、C3(格闘家)が選択決定される。
また、たとえば、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータが同一レベルでBランク以下の場合には、(b)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルが参照され、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合にはB0〜B2(戦士)の敵キャラクタが選択され、主人公キャラクタのパラメータのランクがD、C、Bのいずれであるかにより、それぞれB0(戦士)、B1(戦士)、B2(戦士)が選択決定される。
一方、たとえば、主人公キャラクタの現時点におけるパラメータが同一レベルでAランクの場合には、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルが参照され、ランダム13カウンタの抽出値がたとえば「55」であった場合にはB3(戦士)の敵キャラクタが選択決定される。なお、(c)の大当り時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されているが後述のはずれ時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されていない敵キャラクタとして、S(特殊キャラクタ)がある。その結果、このS(特殊キャラクタ)は、主人公キャラクタのパラメータが全てAでかつ大当りが決定されているときにのみ登場することとなり、このS(特殊キャラクタ)が登場すれば大当りの期待度が100%となる。
図69は、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルを説明するための説明図である。このはずれ時敵キャラクタ選択テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられているROM(図示せず)に記憶されており、はずれが事前決定されている場合に前述の図66のS414により敵キャラクタの選択決定のために検索されるテーブルである。
このはずれ時敵キャラクタ選択テーブルも、前述の大当り時敵キャラクタ選択テーブルと同様に、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが心技体のうちいずれであるか、または心技体が同一レベルであるかと、ランダム13カウンタの抽出値がどの振分け領域に属するかと、最も高いパラメータ(または同一レベルのパラメータ)のランクとの、3つの要素で選択される。
はずれ時敵キャラクタ選択テーブルと前述の大当り時敵キャラクタ選択テーブルとの相違は、ランダム13カウンタの値がどの領域に属するかを判定して敵キャラクタを振分ける振分け領域(ランダム13の列における数字で示された範囲)が相違する。前述したように、主人公キャラクタは、対決演出においては、現時点で最も高いパラメータを生かした対決を行なう。たとえば、「心」が最も高ければ、魔法を用いた対決を行ない、「技」が最も高ければ技を活用した対決を行ない、「体」が最も高ければ体力を活用した対決を行なう。一方、敵キャラクタは、たとえばA0〜A3(魔法使い)の場合には、魔法を使った対決を行ない、B0〜B3(戦士)の場合には体力を生かした対決を行ない、C1〜C3(格闘家)の場合には技を生かした対決を行なう。そして、たとえば技対技等のような同じ対決方法の場合には、敵キャラクタが勝ちやすく主人公キャラクタが勝ちにくい対決演出となっている。このような関係上、大当り時敵キャラクタ選択テーブルにおいては、主人公キャラクタと同じ対決方法を用いる敵キャラクタが選択する確率が低くなるように構成され、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルにおいては、主人公キャラクタと同じ対決方法を用いる敵キャラクタの選択される割合が高くなるように構成されている。たとえば、大当り時敵キャラクタ選択テーブルを参照して、主人公の現時点における最も高いパラメータが「心」であり魔法を使った対決を行なう場合においては、敵キャラクタとして、A1〜A3(魔法使い)の選択される割合が10%と低く、B1〜B3(戦士)の選択される割合が50%であり、C1〜C3(格闘家)の選択される割合が40%となっている。
一方、はずれ時敵キャラクタ選択テーブルの場合には、その逆であり、主人公の用いる対決方法と同じ対決方法を用いる敵キャラクタが選択される割合が高くなるように構成されている。たとえば、主人公キャラクタの現時点における最も高いパラメータが「心」であり魔法を使った対決を行なう場合においては、敵キャラクタとして、A1〜A3(魔法使い)が選択される割合が50%、B1〜B3(戦士)が選択される割合が10%、C1〜C3(格闘家)が選択される割合が40%となっている。
以上より、たとえば、現時点における主人公キャラクタの最も高いランクのパラメータがたとえば「心」であった場合に、敵キャラクタとしてB1〜B3(戦士)が登場した場合には、大当りの期待度が一番高く、二番目の期待度としては、C1〜C3(格闘家)が登場した場合であり、一番期待度が低いのがA1〜A3(魔法使い)の敵キャラクタが登場した場合である。
なお、前述したように、S(特殊キャラクタ)ははずれ時敵キャラクタ選択テーブルには記憶されていないために、(c)大当り的キャラクタテーブルの「S(特殊キャラクタ)」に相当する記憶領域は不要であり、(b)はずれ時敵キャラクタ選択テーブルに「オールAランクの敵キャラクタ」をまとめて記憶させている。
図70は、図62に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S803)を示すフローチャートである。この演出図柄変動中処理は、前述した修行演出用のプロセステーブル、対決演出用のプロセステーブル、およびそれら以外の通常のプロセステーブルのどのプロセステーブルが選択された場合においても、実行される処理である。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S851)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、S857に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図56のS622、S623、S627、S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(例えば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、S857に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(S852)、変動時間タイマの値を1減算する(S853)。
プロセスタイマがタイムアウトしたら(S854)、プロセスデータの切替を行なう。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S854a)。
次に、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S854b、S855)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(S854b、S855a)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、S855aの処理が行なわれるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiに基づく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行なうための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた表示演出または対決演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。このように、入賞異常の報知がなされているときも遊技を継続することが可能であるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被ることはない。
次に、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S804)に応じた値に更新する(S857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S858)、S857に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図71は、前述のS408により選択された修行演出用のプロセステーブルに従ったS855またはS855aによる演出制御のうち、特に、図72の2段目に示された修行内容の選択入力画面を表示するプロセスデータ(例えば、プロセスデータj)における演出制御内容を具体的に示したフローチャートである。演出制御用CPU101は、ユーザによる修行内容(修行する対象のパラメータ)の選択操作があったか否かの判断を行ない(S425)、未だない場合にはタイムアップしたか否かを判断し(S426)、未だタイムアップしていない場合にはS425に移行する。S426によるタイマは、遊技者が修行内容の選択入力画面を見て操作スイッチ99により選択操作するのに適した時間(たとえば5秒程度)が経過したことによりタイムアップする。
このタイマのタイムアップ以前の段階で、遊技者が操作スイッチ99を操作して修行内容を選択操作した場合には、選択された修行内容に応じた修行演出用のプロセステーブルを選択する処理が行なわれる(S427)。これは、前述したように、修行演出用のプロセステーブルが、修行内容に応じた種類だけ用意されており、遊技者が選択入力した修行内容に対応するプロセステーブルがS427により選択されるのである。次に演出制御用CPU101は、RAMに記憶されているパラメータのうち、修行が行なわれた対象となるパラメータを1ランクアップする制御を行なう(S428)。演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMには、現状のパラメータのランクが記憶されており、このRAMのランクの記憶がS428により更新される。たとえば、図72を参照して、修行内容の対象となるパラメータとして心P1が選択入力されて心を鍛える演出(滝に打たれる演出)が実行された後においては、修行前におけるパラメータ心P1のランク「D」が、ランク「C」にランクアップされる。
一方、修行内容の選択入力画面が表示されている最中において、タイマがタイムアップした場合には(S426によるYES)、演出制御用CPU101は、現時点で修行内容の選択入力画面に選択表示されている修行内容(心技体のうち点灯表示しているパラメータ)に応じた修行演出用のプロセステーブルを選択する(S429)。この現時点で選択表示される修行内容は、前述のランダム11カウンタの抽出値に基づいて決定され、パラメータ心P1が選択表示される場合と、パラメータ技P2が選択表示される場合と、パラメータ体P3が選択表示される場合とがある。すなわち、遊技者がパラメータの選択操作を行なうことなくタイムオーバした場合には、ランダム11カウンタの抽出値に基づいてランダムに修行内容が決定される。このS429の制御の後、S428へ移行する。
この図71のS427またはS429で選択された修行演出用のプロセステーブルに従って、図70のS855またはS855aによりそのプロセスデータの内容に従った演出制御が実行されることとなる。その結果、たとえば、図72の場合において、選択入力画面でパラメータ心P1が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである滝に打たれる画面表示用のプロセステーブルが選択されて、滝に打たれる演出画面が表示される。また、パラメータ技P2が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである蜂をパンチで打ち落とす演出画面表示用のプロセステーブルが選択されて、蜂をパンチで落とす演出画面が表示される。さらには、パラメータ体P3が選択されれば、それに応じたプロセステーブルである岩を持ち上げて体を鍛える演出画面表示用のプロセステーブルが選択されて、岩を持ち上げて体を鍛える演出画面が表示される。
一方、対決演出用の画面は、たとえば図73に示すように、リーチが成立した後「対決!」の画面表示がなされてから、対決する敵キャラクタの種類に応じて、かつ、大当りなのかはずれになるのかに応じて、複数種類に表示され、それに応じた種類の対決演出用プロセステーブルが用意されている。そして、図66のS413により、それら複数種類のプロセステーブルのうち事前に表示するプロセステーブルが選択され、対決演出の当初からその選択されたプロセステーブルが最後まで通してS855により用いられて演出制御が実行される。したがって、通常のプロセステーブルによる演出表示と同様の制御で事足りる。
次に、図72を参照し、リーチ成立後における修行演出画像の一例を説明する。まず、演出表示装置9において、リーチが成立してそのリーチ成立状態の識別情報(図柄)の表示とともに「リーチ」のメッセージ表示が演出表示装置9により表示される。その表示画像に重畳して、心技体の各パラメータの現時点におけるランクRが重畳表示される。図72では、心技体がそれぞれD、B、Cのランクとなっている。この各パラメータのランクRは、プロセステーブルのプロセスデータ(図67参照)の一部として表示されるが、プロセスデータとは別に、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶されている現時点のパラメータのランクRをプロセスデータの画像に重合わせて表示させてもよい。図73のランクRの表示も同様である。
次に、修行内容のパラメータを選択するための選択画像が表示される。この選択画像では、「修行内容を選択して下さい」のメッセージ表示とともに、心技体の選択ボタン画像P1、P2、P3が表示され、その心技体の各選択ボタン画像P1、P2、P3が順次一定の周期で点灯する。遊技者は、この点灯状態を見て、修行したいパラメータの選択操作ボタンが点灯しているタイミングに合せて操作スイッチ99を押圧操作することにより、修行内容を選択入力することができる。
遊技者が、たとえば「心」の修行内容を選択した場合には、修行中の演出画像として、主人公キャラクタが滝に打たれて心を鍛える画像が演出表示装置9により表示される。修行内容として「技」を選択した場合には、修行中の画像として、飛んでくる蜂を主人公がパンチで打ち落として技を鍛える画像が表示される。修行内容として「体」を選択した場合には、修行中の画像として、主人公キャラクタが岩を持上げて体を鍛える画像が表示される。
そして、各修行中の画像が終了する時点で、各修行対象のパラメータがレベルアップしたメッセージ表示である、たとえば、「心がレベルアップしました!」、「技がレベルアップしました!」、「体がレベルアップしました!」のメッセージが表示される。そのメッセージ表示の画面に重畳して、修行後における心技体の各パラメータの状況(ランク)Rが表示される。心を鍛える修行を行なった後においては、心のパラメータが1ランクアップしてその心のパラメータ部分が点灯表示され、技を鍛える修行を行なった後においては、その技のランクが1ランクアップしてその技のランク部分が点灯表示され、体を鍛える修行を行なった後においては、体のパラメータが1ランクアップしてその体のランク部分が点灯表示される。
そして、修行演出画像の表示が終了した後、識別情報の変動表示が終了してはずれの確定表示がなされ、「はずれ!」のメッセージが、演出表示装置9により表示される。
図73は、対決演出の一例を示す図である。図73を参照して、まず、リーチが成立した後「対決!」のメッセージ表示画像が演出表示装置9により表示される。その画像に重畳して、現時点における心技体のパラメータのランクRが表示される。次に、選択された敵キャラクタと主人公キャラクタとが対峙する画面が表示され、その画面に重畳して、現時点における主人公キャラクタの心技体の各パラメータのランクRが表示される。
前述したように、敵キャラクタは、本実施の形態では、A0〜3(魔法使い)、B0〜3(戦士)、C0〜3(格闘家)の3種類である。図73の向かって左側では、A1(魔法使い)の敵キャラクタが表示されており、主人公キャラクタの各パラメータのうち最高ランクのものが「技」であるために、主人公キャラクタは技を活用した対決を行なう。そして、主人公キャラクタが魔法使いの敵キャラクタをパンチで倒した画像が表示され、その後、識別情報(図柄)の表示結果が大当りとなり、「大当り!」のメッセージ表示が行なわれる。
一方、図73の中央の画面では、C3(格闘家)の敵キャラクタが表示されており、主人公キャラクタの心技体の各パラメータのうち最高ランクのものが「技」であるため、主人公と敵キャラクタとがともに、技を活用した対決を行なうこととなる。そして、主人公キャラクタが敵キャラクタにパンチで倒された画像が表示され、識別情報(図柄)がはずれの確定表示となり、「はずれ!」のメッセージ表示が行なわれる。
図73の向かって右側の画面では、B1(戦士)の敵キャラクタが表示されており、このときの主人公キャラクタの心技体の各パラメータのうち最高ランクのものが「心」であるために、主人公キャラクタは、魔法を使った対決を行ない、敵キャラクタは体力を生かした対決を行なおうとする。その結果、主人公キャラクタが魔法で敵キャラクタを破った画面が表示され、識別情報(図柄)が大当りとなる確定表示がなされた後、「大当り!」のメッセージ表示が行なわれる。
なお、図73中の「HP」に示すブロック表示は、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決中におけるパワーの増減状態を示している。
図74は、図62に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(S860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(S861)、S864に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(S863)、S864に移行する。
なお、S862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示の繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
S864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行なう。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(S865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S805)に応じた値に更新し(S866、867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S868)。
以上の制御よって、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の可変表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の可変表示(変動)は強制的に終了される。
図75は、図62に示された演出制御プロセス処理における大当り表示処理(S805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(S870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(S871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行なう(S872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S806)に応じた値に更新する(S873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行なう。
図76は、図62に示された演出制御プロセス処理における大当り終了処理(S807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(S876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行なう(S877)。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータに従って、演出表示装置9の背景画面を切り替える制御を行なう(S878)。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である(図28参照)。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータに基づいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。例えば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンド(図15参照)が格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)に従って、演出表示装置9の背景画面の制御が行なわれる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする)ように制御してもよい。
また、図76に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図77は、図62に示された演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(S881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、S885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(S882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(S883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(S884)。
S885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、S865(図74参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(S886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(S891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(S892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(S887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(S888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(S889)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(S890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(S707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図78〜図80は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(S901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、S941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、S701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(S902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(S903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(S904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図60(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(S905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(S906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(S907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(S910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(S911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(S912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(S913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(S914)。「4」になっていなければ、S907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(S915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、S907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞に基づく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞に基づく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞に基づく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(S916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(S917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(S918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(S919)。S919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、S907に移行する。
このような制御を行なうことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(S921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、S931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(S922)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(S923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(S924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(S925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(S926)。「4」になっていなければ、S935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(S927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、S935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(S928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(S929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(S930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(S934)。S934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、S935に移行する。
S935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
S931では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(S932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(S933)。そして、S935に移行する。
S941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(S942)、記憶表示部18cに表示されている赤丸印(第1保留記憶)または緑丸印(第2保留記憶)のうち、合算保留記憶数減算指定コマンドに含まれている減算対象データで指定される保留記憶(削除対象)の方で、かつ合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された丸印または星印を消去し、それ以降の各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフトして表示するように制御する(S943)。そして、減算対象データで指定されたデータが「第1」を示すデータであるか否か確認し(S944)、「第1」を示すデータであれば、第1始動入賞カウンタの値を−1する(S945)。さらに、減算対象データで指定されたデータを消去するために、消去データ以降のデータをシフトする(S951)。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(S952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(S953)。
減算対象データで指定されたデータが「第1」を示すデータでない場合には、「第2」を示すデータであるか否か確認する(S946)。「第2」を示すデータであれば、第2始動入賞カウンタの値を−1する(S947)。そして、S951に移行する。減算対象データで指定されたデータが「第2」を示すデータでない場合には、不明始動入賞カウンタの値を−1する(S948)。そして、S951に移行する。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、変動表示に用いられた保留記憶に相当する丸印(合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印または星印)が1つ減る。
図81〜図83は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
図81(A)は、S913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づく保留記憶が増えた場合の例を示す。図81(B)は、S933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づくのか第2始動入賞記憶に基づくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図81(C)は、S913、S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶に基づく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図82(D)は、S951の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したことに基づいて、減算対象データで指定されたデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。具体的には、減算対象データで第1保留記憶が指定されたため、合算保留記憶テーブルに記憶されている第1保留記憶データのうち、最も古いデータを消去し、それ以降のデータを1つずつ繰り上げてシフトしている。図82(E)は、S904、S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことに基づいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。
図82(F)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図82(F)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してS923、S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図82(F)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図82(F)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図83(G)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図83(G)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してS911、S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図83(G)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図83(G)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図83(H)は、図83(H)の左側に示す状態(図83(G)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、図83(H)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行なうことができる。
図84は、S709aの報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(SP901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図57におけるS661a参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、SP906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、S632Cで設定された期間タイマの値を−1する(SP902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(SP903、SP904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(SP905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
SP906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(SP907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面(例えば、「入賞エラーが起きました」のメッセージ)を重畳表示する指令をVDP109に出力する(SP908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(SP909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行なわれる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行なっていることを示す異常報知中フラグをセットする(SP910)。
図85は、図53のS709bにより示されたパスワード処理の具体的制御内容を示すフローチャートである。まず、演出制御用CPU101は、保留記憶がある場合、図柄の変動表示中である場合、大当り制御中である場合にセットされているフラグがセットされているか否かを判断する(S450)。具体的には、第1始動入賞フラグ、第2始動入賞フラグ、第1飾り図柄変動中フラグ、第2飾り図柄変動中フラグのうちの、いずれかのフラグがセットされている場合、および、演出制御プロセスフラグが大当り表示処理、大当り遊技中処理、大当り終了処理に対応する値(図62参照)になっている場合には、S450によりYESの判断を行ない、このパスワード処理をなんら実行することなく終了する。
一方、S450によりNOの判断を行なった場合には、パスワード画面の表示操作があったか否かの判断を行なう(S451)。このパスワード画面とは、図86において後述する表示画面であり、現時点のパスワードPを遊技者に表示するためと、遊技者がパスワードを入力して当該遊技機におけるパラメータのランクをその入力パスワードに対応するランクに更新するための画面である。
パスワード画面では、図86を参照して、演出表示装置9の表示領域中の下の方に、「現在のパスワード」として、「03758201」という現時点のパスワードPが表示されている。また、「パスワード入力」のメッセージ表示と、「選択入力して下さい」のメッセージ表示がなされ、かつ、1、2、3、4、5、6、7、8、9、0の、各数字が順次一定の周期で点灯する表示が行なわれる。遊技者は、入力したい数字が点灯しているタイミングに合せて操作スイッチ99を押圧操作することにより、その点灯している数字がパスワードとして入力される。パスワードの桁数は、8桁であるために、遊技者は、点灯タイミングに合せて操作スイッチ99を8回押圧操作することにより、1つのパスワードを入力することができる。そして入力した後、「決定」の操作ボタン画像が点灯し、その点灯に合せて操作スイッチ99を押圧操作することにより、入力したパスワードが決定されて確定する。
遊技者が操作スイッチ99を所定時間(たとえば2秒間)押圧操作した場合には、パスワード画面表示操作があったと判断する。パスワード画面表示操作があった場合には、演出制御用CPU101は、現時点のパラメータに応じたパスワードを抽出する処理を行なう(S452)。これは、RAMに記憶されている現時点のパラメータのランクに応じたパスワードを、パスワードテーブルを参照して抽出する処理である。このパスワードテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100に設けられているRAMに記憶されたテーブルであり、パスワードとそれに対応する心技体の各パラメータのランクの組合せとを記憶しているテーブルである。心技体の各ランクの順列組合せの数に比べて、パスワードの数が圧倒的に多くなるように設定されており、たとえば遊技者がでたらめなパスワードを入力した場合には、その入力されたパスワードに対応する心技体の各パラメータのランクが存在しない状態が発生する。そのような場合には、入力されたパスワードに相当する心技体のパラメータの各ランクが存在しない旨のメッセージ表示が行なわれる。
このパラメータのランクを特定するパスワードは、同一機種の遊技機で共通に使用できるものであり、同一機種であれば異なる遊技機に入力しても、その入力パスワードに対応するパラメータのランクを引き継いで、修行演出や対決演出を実行可能となる。
次に演出制御用CPU101は、パスワード入力操作画像と抽出した現在のパスワード画像とを含むパスワード画面(図86参照)を表示する処理を行なう(S453)。次に、パスワード入力・決定操作があったか否かの判断を行ない(S454)、未だない場合にはタイムアップしたか否かの判断を行ない(S455)、未だタイムアップしていない場合にはS454へ移行する。このS455によるタイマは、遊技者がパスワードの入力・決定操作を行なうのに必要な時間(たとえば30秒程度)を経時した時点でタイムアップしてS455によりYESの判断が行なわれる。このタイマがタイムアップした場合には、このパスワード処理が終了する。一方、タイマがタイムアップする以前の段階で遊技者が操作スイッチ99を操作して、パスワードを入力するとともにその入力されたパスワードに決定するための操作が行なわれれば、S454によりYESの判断がなされ、その入力パスワードに対応するパラメータのランクを前述したパスワードテーブルから抽出する処理を行なう(S456)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100のRAMに記憶されているパラメータのランクを、その抽出したパラメータのランクに更新する処理を行ない(S457)、このパスワード処理が終了する。
図87は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図87(A)には、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が行なわれているときの例が示されている。図87(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行なわれている場合の例が示されている。
図87(C)には、演出表示装置9において異常報知が行なわれ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行なうとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行なう。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行なうように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行なわず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では5)未満のときや普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)のときには常時異常入賞の検出を行なうようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行なわないようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態では、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行なわれる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数に基づいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(SP901〜SP905参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に演出図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、演出図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
また、この実施の形態では、演出制御手段は、変動パターンコマンドを受信したが表示結果特定コマンドを受信できなかった場合に、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、停止図柄を通常大当り図柄に決定し、通常大当りのときにも確変大当りのときにも使用されうる変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信したと判定したときには、停止図柄を、受信した変動パターンに応じた演出図柄の組合せに決定するので、ノイズ等によって表示結果特定コマンドを受信できなくても、大当りが発生することを演出表示装置9によって報知できる。さらに、変動パターンコマンドを受信した直後に、表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信したと判定したときに、受信した変動パターンコマンドに基づく上記の制御を行なうようにしてもよい。つまり、演出制御手段は、正規コマンドを受信できなかったと判定したり(例えば、表示結果特定コマンドを受信できない。)、非正規コマンドを受信したと判定した(例えば、変動パターンコマンドに続いて表示結果特定コマンド以外の演出制御コマンドを受信した。)場合に、受信された正規コマンドに基づいて演出制御(例えば、演出図柄の停止図柄を決定する。)を実行することが好ましい。そのように構成すれば、正規コマンドの非受信や非正規コマンドの受信によって遊技者に不利益が与えられることが防止される。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行なうようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能な大当り開始指定コマンドを受信した場合に、既に受信している表示結果特定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す表示結果2指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているときに、確変大当りを示す大当り開始3指定コマンドを受信したような場合)に、大当り開始指定コマンドに基づく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能な大当り終了指定コマンドを受信した場合に、既に受信している大当り開始指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す大当り開始1指定コマンドを受信した後、確変大当りを示す大当り終了指定2コマンドを受信した場合)に、大当り終了指定コマンドに基づく演出制御(例えば、演出表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(第1特別図柄プロセスフラグの値が7以上、第2特別図柄プロセスフラグの値が7以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに1個の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに所定個数の遊技球が大入賞口または第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。例えば、大当り遊技中以外のときに累積して5個の遊技球が大入賞口に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。また、可変入賞球装置15の開閉動作中以外のときに累積して2個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞したと判定された場合に異常入賞が発生したと判定する。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行なっていたが、異なる異常入賞報知を行なうようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(S559でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとS564でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行なう。
図88および図89は、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14または第3始動入賞口12への遊技球の入賞に基づいて、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示が実行されるタイミングを示すタイミング図である。図88は、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。また、図89は、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。
まず、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図88に示すように、第3始動入賞口12に遊技球が入賞すると(図88に示す始動入賞A)、上限値に達していないことを条件に(SC111)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(SC112)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(SC114と、S363、S637、S638、S902、S904の各ステップに対応する第2始動側の処理のステップ)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ緑色に点灯する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(SB51a)。この場合、CPU56は、第2変動中フラグをセットして(SB57)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行なう。さらに、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをセットする(SB57a)。なお、第2特別図柄の変動表示を行なう際に、第2変動パターン設定処理において、第2保留記憶数カウンタの値は1減算され、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2特別図柄の変動表示を行なう際に、第2保留記憶数カウンタの値が0に戻り、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDの緑色の点灯が全て消灯する。
次に、第2特別図柄の変動中に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図88に示す始動入賞B)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第2特別図柄の変動が終わらないうちに第2始動入賞口14に再び遊技球が入賞すると(図88に示す始動入賞C)、上限値に達していないことを条件に(SB111)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(SB112)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
第2特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(S51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。図88では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(S51bのY)、そのまま処理を終了する。すなわち、第1特別図柄の変動表示を開始することなく、第2特別図柄プロセス処理(S26B)に移行する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(SB51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。図75では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(SB51bのY)、第2変動中フラグをセットして(SB57)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行なう。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態に制御されていれば、第2始動入賞口14、第3始動入賞口12よりも先に第1始動入賞口13に遊技球が入賞している場合であっても、第1始動入賞口13への始動入賞に優先して、第2始動入賞口14への始動入賞に基づく第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図89に示すように、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図89に示す始動入賞D)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(S51a)。この場合、CPU56は、第1変動中フラグをセットして(S57)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行なう。なお、第1特別図柄の変動表示を行なう際に、第1変動パターン設定処理において、第1保留記憶数カウンタの値は1減算され(S55)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1特別図柄の変動表示を行なう際に、第1保留記憶数カウンタの値が0に戻り、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDの赤色の点灯が全て消灯する。
次に、第1特別図柄の変動中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図89に示す始動入賞E)、上限値に達していないことを条件に(SB111)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(SB112)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(SB114と、S363、S637、S638、S902、S904の各ステップに対応する第2始動側の処理のステップ)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ緑色に点灯する。
続いて第1特別図柄の変動が終わらないうちに第3始動入賞口12に遊技球が入賞すると(図89に示す始動入賞F)、上限値に達していないことを条件に(SC111)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(SC112)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される(SC114と、S363、S637、S638、S902、S904の各ステップに対応する第2始動側の処理のステップ)。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が2となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが2つ緑色に点灯する。
続いて第1特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に再び遊技球が入賞すると(図89に示す始動入賞G)、上限値に達していないことを条件に(S111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(S112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される(S114、S363、S637、S638、S902、S904)。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、合算保留記憶表示部18cを構成するLEDが1つ赤色に点灯する。
第1特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が2である)と判定するとともに(SB51)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(SB51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(SB51b)。図89では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(SB51bのN)、そのまま処理を終了する。すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始することなく、次のタイマ割込がかかったことに基づいて、第1特別図柄プロセス処理(S26A)に移行する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(S51)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が2である)と判定する(S51a)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b)。図89では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(S51bのN)、第1変動中フラグをセットして(S57)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行なう。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態に制御されていれば、第1始動入賞口13よりも先に第2始動入賞口14、第3始動入賞口12に遊技球が入賞している場合であっても、第2始動入賞口14への始動入賞、第3始動入賞口12への始動入賞に優先して、第1始動入賞口13への始動入賞に基づく第1特別図柄の変動表示が実行される。
[実施の形態2]
第1の実施の形態では、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおいて、不明である保留記憶に応じた部分のみが、不明であることを示す青色で表示されたが(図60(D)参照)、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を、不明であることを示す青色で表示するようにしてもよい。
図90は、不明始動入賞が発生した場合に合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を不明であることを示すようにする場合の保留記憶表示制御処理の一部を示すフローチャートである。なお、図90に示すS931Aの処理以外の処理は、図78〜図80に示された第1の実施の形態における保留記憶表示制御処理と同じである。
この実施の形態では、図90に示すように、第2始動入賞フラグがセットされていない場合には(S921)、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、全ての表示を青色で表示するように制御する(S931A)。
図91は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。S931Aの処理によって、図91の右側に示すように、増えた保留記憶の分も含めて全ての表示が青色で表示される。すなわち、全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされる。
この実施の形態では、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされるので、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じたことをさらに容易に把握できるようになる。
図92は、演出制御用マイクロコンピュータ100が複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択するように構成されている場合の制御例を示すフローチャートである。図92に示す処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理において、第1図柄変動要求フラグがセットされているか第2図柄変動要求フラグがセットされているかによって(第1図柄変動指定コマンドを受信したか第2図柄変動指定コマンドを受信したかによって)、変動態様を別にする。第1特別図柄の可変表示が行なわれているときと第2特別図柄の可変表示が行なわれているときとで演出図柄の変動態様(可変表示態様)が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行なわれているのか等)をより把握しやすくなる。
図93には、一例として、変動パターン#2の変動態様が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには図93(A)に例示するような変動態様に変動パターンを使用し、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには図93(B)に例示するような変動態様に変動パターンを使用する。なお、図93には、変動パターン#2の変動態様が例示されているが、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動態様を別にする。
図92に示すように、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、図93(A)に例示するような第1特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S833A)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている)には、図93(B)に例示するような第2特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(S837A)。その他の制御は、上記の実施の形態の場合と同様である。
なお、図93に示す例では、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときと第2図柄変動指定コマンドを受信しているときとで、同じ変動パターンを受信しても変動態様を変えたが、変動時間は同じである。しかし、変動時間を変えるようにしてもよい。例えば、変動パターン#2の変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を10秒にし、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を15秒にする。このような制御を行なってもよいことは、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合でも同様である。
[実施の形態3]
次に、高ベース状態(時短状態)が、所定回数の変動により終了する実施の形態を、図94、図95に基づいて説明する。
図94は、図31を一部変更したものであり、図95は、図32を一部変更したものである。共通ステップ部分については、ステップ番号を同じにしている。主に変更点について説明する。
先ず、図95を参照して、CPU56は、S144の次に、変動回数カウンタの値を100にセットする制御を行なう(S144a)。この変動回数カウンタとは、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとの両者に兼用されるカウンタであり、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bが変動表示される毎に「1」減算されて第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの変動回数の合計を計数するものである。
そして、図94を参照して、S133の次に、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判断する(S133a)。セットされていなければS134へ移行するが、セットされている場合には、変動回数カウンタを「1」減算する(S133b)。次に、変動回数カウンタが「0」になったか否かの判断を行なう(S133c)。「0」でない場合にはS134へ移行するが、「0」の場合には、高ベースフラグをリセットし(S133d)、高ベース状態(時短状態)を終了させる。
これにより、高ベース状態(時短状態)となった後、100回変動した場合に、その高ベース状態(時短状態)が終了する。
また、第1および第2の実施の形態では、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
[実施の形態4]
上記の実施の形態1では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動や第2飾り図柄表示器9bにおける飾り図柄の変動、演出表示装置9における演出図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。したがって、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この実施の形態4では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図96は、実施の形態4における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。図33の第2特別図柄プロセス処理との相違点を主に説明する。図33の第2特別図柄プロセス処理が開始されてからSB46までは同じ処理であり、SB46の処理の後、CPU56は、まず、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことを示す異常入賞検出フラグがセットされたかどうか確認する(SB46a)。ここで、異常入賞検出フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたとき、つまり、図52のS563のNのときにセットされる。
異常入賞検出フラグがセットされているときは(SB46aのY)、CPU56は、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理(第1特別図柄変動中処理(S304)に相当する処理)を示す値(「4」)であるかどうかを判定する(SB46b)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)であるときは(SB46bのY)、SB311以降の処理を実行する。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値(「4」)でないときは(S1316のN)、第2特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点で、第2特別図柄の変動中でないときは、直ちに第2特別図柄の変動が禁止され、第2特別図柄の変動中であったときは、第2特別図柄の変動を継続させ、次の第2特別図柄の変動が禁止されることになる。
なお、図96では、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第2特別図柄の変動を禁止する制御について説明していたが、第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたことに基づいて、第1特別図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。この場合は、図96に示すSB46a、SB46bと同様の処理を、図21に示した第1特別図柄プロセス処理におけるS311の処理の前に実行するようにすればよい。
[実施の形態5]
図97は、実施の形態5における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU101は、まず、異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたかどうか確認する(S809A)。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているときは(S809AのY)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において演出図柄の変動が行なわれているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理(S803)を示す値(「3」)であるかどうかを判定する(S809B)。演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「3」)であるときは(S809BのY)、演出図柄変動中処理(S803)を実行する。すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値(「3」)でないときは(S809BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、演出表示装置9において演出図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知指定コマンドを受信した時点で、演出図柄の変動中でないときは、直ちに演出図柄の変動が禁止され、演出図柄の変動中であったときは、演出図柄の変動を継続させ、次の演出図柄の変動が禁止されることになる。
上記のように、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図65のS838参照)、第2飾り図柄の変動が開始されないので(図77のS882参照)、第2飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、演出制御プロセス処理において演出図柄の変動が禁止されると、第2飾り図柄変動と同様に、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされず(図65のS838)、第1飾り図柄の変動が開始されないので(図77のS882)、第1飾り図柄の変動も禁止されることになる。なお、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中においても、異常入賞報知指定コマンドを受信したことに基づいて、演出図柄、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
以上のように、この実施の形態5によれば、第2始動入賞口14への異常入賞の検出に基づいて第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動(および第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動)、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動(および第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動)、および演出表示装置9における演出図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞に基づいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態2では、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が演出図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、異常入賞検出フラグがセットされたとき、および異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行なうようにしてもよい。具体的には、異常入賞検出フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞に基づく変動については継続させ、異常入賞に基づく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞に基づく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
[実施の形態6]
上記の実施の形態1では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図52のS560〜S563参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図98は、実施の形態6における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S261)。普通図柄プロセスタイマがタイムアップしていなければ(S261のN)、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(S262)。
次に、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(S281)。そして、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアップしたかどうかを確認する(S282)。タイムアウトしていなければ(S282のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(S282のY)、CPU56は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(S283)。次いで、CPU56は、例えば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(S284)。
可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(S284のY)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開放する制御を行なう(S285)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なう。すなわち、CPU56は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(S287)。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(S288)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(S288のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(S288のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、CPU56は、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行なう(S289)。
S284において可変入賞球装置15が開放中であるときは(S284のN)、CPU56は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行なう(S286)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行なわない。
S261において、普通図柄プロセスタイマがタイムアップしたときは(S261のY)、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(S200)を示す値(具体的には「0」)に更新する(S272)。
なお、図98に示す普通電動役物作動処理において、図41に示す普通電動役物作動処理のS264〜S267の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図98に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図98に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図52に示す異常入賞報知処理のS560〜S564を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の実施の形態1で説明したのと同様に、この実施の形態6においても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。例えば、可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちS284のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにS287〜S290の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにも関わらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
[実施の形態7]
上記の実施の形態1では、図50に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり(SP363AのY)、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞に基づいて賞球の払い出しが行なわれないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図99は、実施の形態7におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、S331〜S338は、図47で説明した処理と同様である。S338の処理の実行後、CPU56は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(S339)。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、例えば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは(S339のY)、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(S339のN)、CPU56は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(S340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、S339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態3で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
[実施の形態8]
上記の実施の形態7では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この実施の形態5では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、第2特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図100は、実施の形態8における第2特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。図33の第2特別図柄プロセス処理との相違点について主に説明する。図33の第2特別図柄プロセス処理が開始されてからSB46の処理までは同じ処理が行なわれる。そして、CPU56は、第2始動口スイッチ14aのオンの確認処理(SB311)を行なう前に、無効フラグがセットされているかどうか確認する(SB46f)。ここで、無効フラグは、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された場合にセットされる。具体的には、実施の形態1の場合は、普通図柄プロセスフラグの値が「3」であるときに第2始動口スイッチ14aがオンしたとき、実施の形態3の場合は、可変入賞球装置15の閉鎖中に第2始動口スイッチ14aがオンしたときである。なお、SB46fにおいて、無効フラグの代わりに、実施の形態5で説明した異常入賞検出フラグがセットされているかどうかを確認するようにしてもよい。
CPU56は、無効フラグがセットされているときは(SB46fのY)、第2始動口スイッチ14aのオンの確認処理(SB311)や第2始動口スイッチ通過処理(SB312)を実行せず、無効フラグがセットされていないときに(SB46fのN)、第2始動口スイッチ14aのオンの確認処理(SB311)や第2始動口スイッチ通過処理(SB312)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞に基づく乱数の抽出などを行なわないようにすることができ、異常入賞に基づく変動が禁止され、異常入賞に基づく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この実施の形態8の場合は、異常入賞に基づく賞球払い出しを禁止することはできないので、実施の形態1(図50の賞球個数加算処理)および実施の形態7(図99のスイッチ処理)で説明したような異常入賞に基づく賞球払い出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
次に、以上説明した実施の形態における変形例や効果を記載する。
前述の実施の形態では、各パラメータが修行演出によってランクアップ(増加)するものを示したが、状況に応じてランクがアップしたりダウンしたりする(増減する)ものであってもよい。たとえば、敵キャラクタと対決して負けた場合には、主人公のパラメータのランクが1つダウンするように制御してもよい。
本実施の形態では、図86で説明したように、現在のパラメータのランクを特定するためのデータがパスワードとして画面表示され、遊技者がそのパスワードを控え、次の遊技においてその控えているパスワードを入力することにより、その入力したパスワードに相当するパラメータのランクから、修行演出や対決演出を開始することができるものを説明した。しかし、それに代えて、パスワードという形で画面表示するのではなく、遊技者が所持するカード等の記録媒体に対してパラメータのランクを特定するデータを出力し、記録媒体に記録しておき、次回遊技する際にその記録媒体に記録されているデータを遊技機において読取って入力してその入力データによって特定されるパラメータのランクに基づいて、修行演出や対決演出を開始できるようにしてもよい。その際には、パラメータのランクを特定する情報として、パスワードに限らず、パラメータのランク情報自体であってもよい。
前述の実施の形態では、入賞率の高い始動入賞部13への入賞を条件として修行演出が実行され、入賞率の低い始動入賞部12、14への入賞を条件として対決演出が実行されるようにし、比較的頻繁に修行を行なってパラメータのランクを十分アップさせるとともに、対決演出の実行頻度を下げることにより、遊技者の対決演出に対する期待感を向上させることができる。しかし、それに代えて、修行演出用の始動入賞部と対決演出用の始動入賞部とを、遊技球の発射強さに応じて打分けられる配置(例えば、遊技領域の左右)にし、遊技者が、表示させたい演出の始動入賞部を狙うという新たな遊技性を提供できるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、パラメータのランクの変更が、リーチの発生により修行演出が実行されたときに行なわれるものを示したが、それに限らず、遊技状況に応じて変更するものであればどのようなものであってもよく、たとえば、演出表示装置9による識別情報の変動表示が所定回数に達する毎に変更したり、大当り発生時に変更したり、遊技玉の発射数が所定数に達する毎に変更する等であってもよい。
パスワードの入力方法として、図86に基づいて説明した方法に限らず、パチンコ遊技機1のたとえば打球供給皿(上皿)3等に、テンキーを設け、遊技者が入力したいパスワードに相当する数字をそのテンキーから直接入力するようにしてもよい。さらには、パスワード入力操作スイッチを左右および上下にスライド移動できるもので構成し、左右にスライドさせることにより入力パスワード表示領域の8桁(図86参照)をカーソルが移動するにようにし、移動して指定されたパスワードの桁の数字を操作スイッチを上下スライドさせることにより数字が変更できるようにし、この操作をすべての桁(8桁)について実行して希望する8桁のパスワードを入力できるようにしてもよい。
また、図86に基づいて説明したパスワードの入力方法、では、遊技者が或る桁のパスワードの入力を間違えた場合に、そのパスワードの入力後改めて初めからパスワードを入力さ直さなければならない。その不都合を防止するべく、図86の「1〜0」のパスワード入力数値選択用の数字の、例えば「0」の数字の横に、「一字戻る」の選択ボタンを表示させ、その「一字戻る」の選択ボタンを操作することにより、間違た桁を修正できるようにしてもよい。
前述の実施の形態では、図66のS401、S402に示したように、はずれが事前に決定されていることを条件として修行演出が実行されるものを示したが、それに限らず、大当りのときにも修行演出を行なうようにしてもよい。その際に、たとえば、めったに出現することのないリーチ(プレミアリーチ)等の成立後大当りとなったときに、全パラメータ(心技体のすべてのパラメータ)を1ランクまたは数ランクアップするようにしてもよい。
低ベース状態である場合、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率が、第2始動入賞口14と第3始動入賞口12とに遊技球が入賞する確率よりも高くなる。この場合、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行する。また、高ベース状態である場合、第2始動入賞口14と第3始動入賞口12とに遊技球が入賞する確率が、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。この場合、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行する。そのため、第1始動入賞口13と、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12とのうち、入賞確率が高い方の始動入賞口に対応する特別図柄表示器8a、8bにおける特別図柄の変動表示を優先して実行することができる。したがって、入賞確率が高い方の始動入賞口への入賞に基づく変動を優先的に開始できるので、遊技球の入賞確率が高い側の始動入賞口への無効始動入賞の発生を低減することができる。
また、大当り遊技を終了すると、特別図柄の変動表示を所定回数実行するまで、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなるように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態を高ベース状態に移行しているときに、第1保留記憶数が0でないと判定するとともに第2保留記憶数が0でないと判定すると、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行する。そのため、高ベース状態において入賞確率が高くなる第2始動入賞口14への入賞に基づく変動を優先的に開始することができ、遊技状態を高ベース状態に移行している間の無効始動入賞の発生を低減することができる。また、遊技状態を高ベース状態に移行することによって、保留記憶数が上限値に達した状態となる可能性を高めることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態とを切り替える(優先/非優先の切り替え)ようにしてもよい。この実施の形態では、例えば、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化すると、所定の条件が成立し、特別図柄の優先変動を行なう制御状態が切り替えられる。また、例えば、遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に変化すると、所定の条件が成立し、特別図柄の優先変動を行なう制御状態が切り替えられる。そのため、所定の条件が成立したことを条件に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のうちいずれの保留記憶数に対応する特別図柄表示器8a、8bの変動表示を優先して実行するかを切り替えることができる。したがって、保留記憶数に基づいて変動表示が開始される場合に、変動表示が優先して開始される特別図柄表示器8a、8bが変化するので、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
上述の優先/非優先の切り替えの実施の形態では、遊技状態が高ベース状態から低ベース状態に変化した場合、または遊技状態が低ベース状態から高ベース状態に変化した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替える例を説明したが、所定の条件の成立条件は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、高ベース状態および低ベース状態以外の遊技状態の変化を検出したときに、所定の条件が成立したとして制御状態を切り替えてもよい。この場合、例えば、遊技状態が通常状態から確変状態に変化した場合、または遊技状態が確変状態から通常状態に変化した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当り終了後の特別図柄および飾り図柄の変動回数に基づいて、所定の条件の成立の有無を判断するようにしてもよい。例えば、大当り終了後に再び大当りとなることなく、特別図柄および飾り図柄の変動表示が1000回実行された場合、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示するまで時短状態に制御される場合に、最初の50回の変動表示が終了するまで第1始動入賞口13への始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を優先するように制御し、残りの50回の変動表示が終了するまで第2始動入賞口14への始動入賞に基づく特別図柄の変動表示を優先するように制御してもよい。
また、大当り終了後所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、特別図柄および飾り図柄の所定回数の変動表示を終了したとき、または所定回数の変動表示を開始したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、優先する制御状態を切り替えた後に、特別図柄および飾り図柄が100回変動表示を実行するごとに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を優先して制御するか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を優先して制御するかを切り替えてもよい。
また、優先する制御状態を切り替えた後、所定時間が経過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、前述の突然確変大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、突然時短大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が時短状態に移行したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)や、突然通常大当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、通常大当りが発生したように遊技者に見せる特別な演出を行なう大当り)、短期間(例えば7ラウンド)の大当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、いわゆる小当り(各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、大入賞口が短時間だけ開放する特別な演出を行なう当り)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄となったことに基づく当りが終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、大当りが所定回数連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、確変大当りが2回連続して発生したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、時短状態に制御されているときに確変大当りまたは通常大当りが発生した場合に、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、第1特別図柄または第2特別図柄のうちのいずれか一方の停止図柄が大当り図柄となったことに基づく大当り(確変大当りや突然確変大当りなどの特定の大当りを含む)が終了したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、保留記憶数が所定数以上になったときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。この場合、例えば、合算保留記憶数を記憶する合算保留記憶数カウンタのカウント値が7個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、第1保留記憶数を記憶する第1保留記憶数カウンタのカウント値が3個以上になると、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、特定の遊技演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。例えば、特別図柄表示器8a、8bや可変表示装置9において特定の変動パターン(例えば、リーチ態様の変動パターン)に基づく変動表示が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。また、例えば、確変大当りや通常大当りが発生することを予告する予告演出が実行されるときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技機には、所定のタイミングで可変表示装置9の画面に表示される背景や音などを変更することができるものがある。例えば、桜の花びらが舞っている春モードと、太陽が照っている夏モードと、紅葉(もみじ)が舞っている秋モードと、雪が降っている冬モードとが所定のタイミングで切り替わるような遊技機である。このような春モード、夏モード、秋モードおよび冬モードを演出モードという。このような遊技機において、演出モードが変化したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技機が遊技者によって操作可能な操作ボタンを備える場合に、遊技者が操作ボタンを操作したときに(具体的には、操作ボタンからのオン信号を検出したときに)、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、遊技球が遊技盤6の遊技領域7に設けられた特定のゲート(例えば、ゲート32)を通過したときに、所定の条件が成立して、特別図柄の優先変動を行なう制御状態を切り替えるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示とのいずれを優先して実行するかを切り替える例を説明したが、優先制御される制御状態は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、所定の条件が成立したときに、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示に優先して第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態とを切り替えてもよい。なお、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態に切り替えた場合、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に遊技球が入賞した順に従って、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されることになる。また、例えば、所定の条件が成立したときに、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示に優先して第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示を実行するように制御する制御状態と、第1特別図柄および第2特別図柄のいずれの変動表示も優先実行しないように制御する制御状態とを切り替えてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数が所定数(例えば3)以上である場合、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動時間および第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動時間を短縮する。そのため、特別図柄の変動時間を短縮することによって、特別図柄表示器8a、8bにおける特別図柄の変動表示が開始されやすくすることができ、遊技球の始動入賞口13、14への無効始動入賞の発生を低減することができる。また、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高い側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合だけでなく、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8b(入賞確率が高くない側の始動入賞口13、14に対応する特別図柄表示器)に対する保留記憶数が増加した場合であっても、優先して変動表示を実行する側の特別図柄表示器8a、8bにおける変動時間を短縮することができる。したがって、優先して変動表示を実行しない側の特別図柄表示器8a、8bに対する保留記憶数に基づく変動表示も早期に開始されやすくすることができる。
なお、この実施の形態では、図7に示すタイマ割込処理において、第1特別図柄プロセス処理(S26A参照)と第2特別図柄プロセス処理(S26B参照)とを別々の処理として実行する場合を説明したが、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bを1つの特別図柄プロセス処理として実行するようにしてもよい。この場合、CPU56は、大当りフラグを、第1特別図柄表示器8aの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第1大当りフラグと、第2特別図柄表示器8bの大当り表示結果後に発生する大当りを特定する第2大当りフラグとに、区別して記憶するようにし、たとえば、特別図柄プロセス処理において、まず、第1大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第1変動中フラグがセットされているか否かを確認する。第1大当りフラグまたは第1変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて、図21に示す第1特別図柄プロセス処理のS300〜S309のいずれかの処理(ただし、S51〜S51bを除く)を実行する。第1大当りフラグおよび第1変動中フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第2大当りフラグがセットされている否かを確認するとともに、第2変動中フラグがセットされているか否かを確認する。第2大当りフラグまたは第2変動中フラグがセットされていれば、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて、第2特別図柄プロセス処理のS300〜S309に相当する処理のいずれかの処理(ただし、SB51〜SB51bを除く)を実行する。
第1大当りフラグ、第2大当りフラグ、第1変動中フラグおよび第2変動中フラグのいずれもセットされていなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値が0であるか否かを確認するとともに(S51参照)、第2保留記憶数の値が0であるか否かを確認する(S51a参照)。第1保留記憶数の値のみが0でない場合には、CPU56は、第1特別図柄通常処理(S300参照)に移行する。また、第2保留記憶数の値のみが0でない場合には、CPU56は、第2特別図柄通常処理に移行する。さらに、第1保留記憶数および第2保留記憶数の値がともに0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(S51b参照)。そして、高ベース状態フラグがセットされていなければ、CPU56は、第1特別図柄通常処理(S300参照)に移行する。また、高ベース状態フラグがセットされていれば、CPU56は、第2特別図柄通常処理に移行する。
前述した実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで特別図柄の可変表示を開始するのかを特定可能な情報(第1情報とする)が第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドで送信され、可変表示時間を特定する情報(第2情報とする)が変動パターンコマンドで送信され、表示結果を特定可能な情報(第3情報とする)が演出図柄指定コマンドで送信されたが、第1〜第3の情報を1つのコマンドで送信するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄表示器8aで特別図柄の可変表示を開始するときと、第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときとで、別々のコマンド群から、送信するコマンドを選択するようにする。それぞれのコマンド群に、変動パターンに応じたコマンドを設定する。さらに、コマンド群において、変動パターンが同じでも、表示結果の別に応じて、異なるコマンドを設定する。
また、前述の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、前述の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドに基づいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した変動態様による可変表示演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行なわれているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
また、前述の実施の形態では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bの変動表示の開始時(正確には開始時よりも2msec前)に、第1保留記憶数、第2保留記憶数の有無を判定(S51、S51a、SB51、SB51a)するとともに、高ベース状態であるか否かを判定(S51b、SB51b)している。換言すれば、第1可変表示手段に表示結果を導出表示したときまたは第2可変表示手段に表示結果を導出表示したときに、判定を行なっている。しかし、それに限らず、これらの判定は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bの変動表示の開始時よりもかなり以前(例えば、前回の変動表示の終了前の段階)から行ない、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとの変動順番を事前に決めておいてもよい。
さらに、第1入賞部と第2入賞部との入賞率の高い方が構造上一律に定まる構成であれば、S51a、SB51aの判定(第1入賞部および第2入賞部のうち遊技球が入賞する確率が高い入賞部への入賞に基づく可変表示の開始条件が成立したとの判断)は必ずしも必要ではない。例えば、閉鎖時入賞不可能な第2始動入賞口14を高ベース状態時のみ開成可能にするとともに、第1始動入賞口(第1始動口)13よりも入賞率の低い第3始動入賞口(可変入賞球装置でない固定型入賞口)を第2始動口用として設けて、第2保留記憶としての第2始動入賞口14への入賞記憶(第2保留記憶a)と第3始動入賞口への入賞記憶(第2保留記憶b)とを区別して記憶する。また、高ベース状態時には障害物を突出させて第3始動入賞口を入賞不可能な状態にする。このような構成の場合は、第2保留記憶aが「1」以上ということは、とりもなおさず高ベース状態のため、第2保留記憶aが「1」以上という判断を行なったときには、高ベース状態か否かの判断を行なうことなく、第2保留記憶に基づく可変表示の方を優先する制御に移行するようにしてもよい。
なお、前述の実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。例えば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。
また、合計保留記憶表示部18cの表示態様として、前述の実施の形態(図60参照)では、8個の表示部により第1保留記憶と第2保留記憶とを入賞の順番に表示するが、それに代えて、8個の表示部の例えば下半分(4個)を第1保留記憶表示用とし、上半分(4個)を第2保留記憶表示用とし、2分割されたそれぞれの表示部分で保留記憶表示を行なってもよい。例えば、第1始動口13に2つ入賞すれば下半分の4個の表示部のうち1番下と2番目を点灯させ、その状態でさらに第2始動口14または第3始動口12に1つ入賞すれば上半分の4個の表示部のうちの1番下の表示部(下半分も含めて数えれば1番下から数えて5番目の表示部)をさらに点灯させるようにしてもよい。この状態で第1保留記憶を用いた第1特別図柄の変動表示が行なわれれば、下半分の4個の表示部のみの表示が1つ消去され、上半分の4個の表示部の表示状態は変化しない。
上記実施の形態には以下の発明が開示されている。
(1) 遊技領域に設けられた始動入賞部(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、第3始動入賞口12)と、該始動入賞部に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示の開始条件が成立したときに可変表示演出を開始し、表示結果を導出表示する可変表示手段(例えば、演出表示装置9)と、遊技球が入賞しない状態から入賞しやすい状態に変化可能な可変入賞球装置(例えば、特別可変入賞球装置20)とを備え、前記可変表示手段に特定表示結果が導出表示されたときに、前記可変入賞球装置を遊技球が入賞しない状態から入賞しやすい状態に変化させて遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる遊技機であって、
前記可変入賞球装置に入賞した遊技球を検出する入賞検出手段(例えば、カウントスイッチ23)と、
前記可変入賞球装置の開閉状態を判定する開閉判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるS555を実行する部分)と、
該開閉判定手段によって前記可変入賞球装置が閉状態であると判定されているときに(例えばS555のN)、前記入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて(例えばS558のN)、異常報知を実行する異常報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるS559を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS671a、S671b、SP906〜SP909を実行する部分)とを含み、
前記異常報知手段は、前記可変表示手段において可変表示演出を実行しているときにも前記異常報知を実行可能であり(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において、演出制御プロセス処理(S705)中の演出図柄変動開始処理(S802)〜演出図柄変動停止処理(S804)の実行中であっても、報知制御処理(S709a)が実行されて報知制御処理中のSP906〜SP909と、S854b、S855aの処理を実行可能である)、
前記可変表示手段における可変表示演出を制御し、該可変表示演出としてキャラクタ(例えば、主人公キャラクタと敵キャラクタ)による演出であって、該キャラクタに対して設定されているパラメータ(例えば心技体の各パラメータ)に応じた演出を行なう演出制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS411〜S414、S851〜S858を実行する部分)と、
前記キャラクタに対して設定されているパラメータを遊技状況に応じて変化させるパラメータ変更手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS425〜S429を実行する部分)と、
現時点のパラメータを特定可能なパラメータ特定情報を出力するパラメータ特定情報出力手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS452、S453を実行する部分)と、
前記パラメータ特定情報を受付けるパラメータ特定情報受付手段(例えば、操作スイッチ99、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS454を実行する部分)と、
該パラメータ特定情報受付手段によりパラメータ特定情報を受付けたことに基づいて、該パラメータ特定情報から特定されるパラメータを前記キャラクタのパラメータとして設定するパラメータ設定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS456、S457を実行する部分)と、をさらに含むことを特徴とする。
このような構成によれば、キャラクタに対して設定されているパラメータが遊技状況に応じて変化し、そのパラメータに応じたキャラクタによる可変表示演出が行なわれるために、変化に富んだ面白みの有る遊技を提供できる。しかも、出力された現時点のパラメータを特定可能なパラメータ特定情報を、次回の遊技の開始時においてパラメータ特定情報受付手段に受付けてもらうことにより、遊技者が、その受付けられたパラメータ特定情報により特定されたパラメータに応じたキャラクタによる可変表示演出から可変表示演出を開始させることができ、以前の遊技でキャラクタに設定されたパラメータを今回の遊技での可変表示演出に引継ぐことができ、遊技の興趣が向上される。さらに、可変入賞球装置が閉状態であると判定されているときに遊技球の入賞が検出されたことに基づいて、異常報知が行なわれ、異常報知は、可変表示制御手段が演出用可変表示手段において識別情報の可変表示を実行しているときにも実行可能であるために、可変入賞球装置に対する不正行為を確実に防止することができる。また、入賞異常の報知がなされているときも演出用可変表示手段による識別情報の可変表示が継続されるので、誤動作で報知がなされた場合でも遊技者が不利益を被る不都合を極力防止できる。
(2) 前記異常報知手段は、遊技機に対する電力供給が停止するまで異常報知を継続する(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100が異常報知画面を消去する制御を実行しない)。
このような構成によれば、異常入賞が生じたことをより確実に報知することができる。
(3) 前記始動入賞部は、第1入賞部(例えば第1始動入賞口13)と第2入賞部(例えば第2始動入賞口14)とを含み、
前記パラメータ変更手段は、前記第1入賞部への遊技球の入賞を条件として、前記設定されているパラメータを変化させ(例えば、第1始動入賞口13への遊技球の入賞により第1飾り図柄変動要求フラグがセットされ(S834)、S400でYとなりS401、S403、S405、S408、S855、S855a、S425〜S429が実行される)、
前記演出制御手段は、前記第2入賞部への遊技球の入賞を条件として、前記設定されているパラメータに応じたキャラクタによる演出を実行する(例えば、第2始動入賞口14への遊技球の入賞により第2飾り図柄変動要求フラグがセットされ(S838)、S400でNとなりS411〜S414、S851〜S858が実行される)ことを特徴とする。
このような構成によれば、例えば、第1入賞部と第2入賞部とが遊技球の発射強さにより打分けられる配置にある場合には、パラメータの変更とキャラクタ演出のうち実行させたい可変表示演出に対応する入賞部を遊技者が狙うといった新たな遊技性を提供でき、また、例えば、第2入賞部の方が入賞率の低い位置にある場合には、パラメータに応じた演出の期待感を向上させるという新たな遊技性を提供できるのであり、入賞部の配置に応じた新たな遊技性を提供できる。
(4) 前記始動入賞部は、第1入賞部(例えば第1始動入賞口13)と第2入賞部(例えば第2始動入賞口14)とを含み、
遊技機は、さらに、
前記第1入賞部に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示の第1の開始条件が成立(例えば、第1特別図柄および飾り図柄の最終停止後であって、第1保留記憶数が0でないとともに第2保留記憶数が0であること、または第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0でないとともに高ベース状態でないこと)したときに第1識別情報(例えば、第1特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第1可変表示手段(例えば、第1特別図柄表示器8a)と、
前記第2入賞部に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示の第2の開始条件(例えば、第2特別図柄および飾り図柄の最終停止後であって、第2保留記憶数が0でないとともに第1保留記憶数が0であること、または第1保留記憶数および第2保留記憶数がともに0でないとともに高ベース状態であること)が成立したときに第2識別情報(例えば、第2特別図柄)の可変表示を開始し、表示結果を導出表示する第2可変表示手段(例えば、第2特別図柄表示器8b)と、
所定の上限値(例えば4)までの前記第1の開始条件が成立していない前記第1入賞部への遊技球の入賞数を特定可能な第1保留記憶データ(例えば、第1保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第1保留記憶手段(例えば、第1保留記憶数カウンタ)と、
所定の上限値(例えば4)までの前記第2の開始条件が成立していない前記第2入賞部への遊技球の入賞数を特定可能な第2保留記憶データ(例えば、第2保留記憶数カウンタのカウント値)を記憶する第2保留記憶手段(例えば、第2保留記憶数カウンタ)と、
前記第2可変表示手段で第2識別情報の可変表示が実行されていないことを条件に前記第1可変表示手段で第1識別情報の可変表示を実行し(例えば、SB59で第2特別図柄プロセスフラグが第2変動パターン設定処理に更新されて第2変動パターン設定処理〜第2特別図柄停止処理が実行されている期間中は、S26Aの第1特別図柄プロセス処理が実行されない)、前記第1可変表示手段で第1識別情報の可変表示が実行されていないことを条件に前記第2可変表示手段で第2識別情報の可変表示を実行する(例えば、S59で第1特別図柄プロセスフラグが第1変動パターン設定処理に更新されて第1変動パターン設定処理〜第1特別図柄停止処理が実行されている期間中は、S26Bの第2特別図柄プロセス処理が実行されない)可変表示実行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S26A、S26B、図25の第1特別図柄通常処理、図35の第21特別図柄通常処理を実行する部分)と、を備え、
前記可変表示実行手段は、前記第1保留記憶手段が前記第1保留記憶データを記憶しているとともに前記第2保留記憶手段が前記第2保留記憶データを記憶しているときには(例えば、S51のN、S51aのN、または、SB51のN、SB51aのN)、前記第1入賞部および前記第2入賞部のうち遊技球が入賞する確率が高い入賞部への入賞に基づく可変表示を、他方の入賞部への入賞に基づく可変表示に優先して実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、S51bでNと判断されてS53以降の処理を実行し、SB51bでYと判断されてSB53以降の処理を実行する)ことを特徴とする。
このような構成によれば、第1保留記憶データを記憶しているとともに第2保留記憶データを記憶しているときに、第1入賞部と第2入賞部のうち入賞確率が高い方の入賞部に対応する可変表示手段における識別情報の可変表示を優先して実行することができるので、遊技球の入賞確率が高い側の入賞部への無効始動入賞の発生を低減することができる。
(5) 前記始動入賞部は、第3入賞部(例えば、第3始動入賞口12)をさらに備え、
前記第2可変表示手段は、前記第3入賞部に遊技球が入賞したことに基づいて可変表示の第2の開始条件が成立したときにも第2識別情報の可変表示を開始し(例えば、第3始動入賞口12に入賞したパチンコ玉が第3始動口スイッチ12aで検出されて第2特別図柄表示器8bが変動開始し)、
前記第2入賞部は、遊技球の入賞しやすい状態と遊技球の入賞しにくい若しくは入賞しない状態とに変化可能であり(例えば、第2始動入賞口14は開閉する可変入賞球装置15で構成されている)、
遊技機は、さらに、
特定遊技状態が終了した後に、遊技状態を前記第2入賞部が遊技球の入賞しやすい状態となる割合を高めた状態である高ベース状態に移行する高ベース移行手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56においてS144、S224、S225、S243〜S248を実行する部分)と、
前記特定遊技状態を終了し前記高ベース状態に移行した後に、前記第1可変表示手段における第1識別情報の可変表示および前記第2可変表示手段における第2識別情報の可変表示を所定回数実行すると、前記高ベース状態を終了する高ベース終了手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56においてS146、S224、S225、S243〜S248を実行する部分)とを備え、
前記可変表示実行手段は、前記高ベース状態において、前記第1保留記憶手段が第1保留記憶データを記憶しているとともに前記第2保留記憶手段が第2保留記憶データを記憶しているときには(例えば、S51のN、S51aのN、または、SB51のN、SB51aのN)、少なくとも前記第2入賞部への入賞に基づく可変表示を、他方の入賞部への入賞に基づく可変表示に優先して実行し、前記高ベース状態でないときにおいては、前記第1入賞部への入賞に基づく可変表示を、他の入賞部への入賞に基づく可変表示に優先して実行する(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S51bでNと判断されてS53以降の処理を実行する部分、SB51bでYと判断されてSB53以降の処理を実行する部分)。
このような構成によれば、高ベース状態において入賞確率が高くなる第2入賞部への入賞に基づく変動を優先的に開始することができ、遊技状態を高ベース状態に移行している間の無効始動入賞の発生を低減することができる。また、遊技状態を高ベース状態に移行することによって、保留記憶数が上限値に達した状態となる可能性を高めることができ、遊技者に遊技に対する興趣を向上させることができる。
(6) 入賞領域に遊技球が入賞したことに応じて遊技球を払い出す制御を実行する払出制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SP362A〜SP365、SP371〜SP382の処理を実行する部分)をさらに備え、
前記払出制御手段は、前記開閉判定手段によって可変入賞球装置が閉状態であると判定されているときに、前記入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出された場合には、遊技球を払い出す制御の実行を禁止する払出制御禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、SP363BでNと判断しSP359へ移行する部分)を含む。
このような構成によれば、不正行為によって可変入賞球装置に入賞した可能性がある場合に、入賞に基づく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
(7) 遊技進行状態を示すデータ(例えば第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグ)に基づいて前記可変表示手段および前記可変入賞球装置の状態を制御する状態制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560における第1特別図柄プロセス処理(S26A)および第2特別図柄プロセス処理(S26B)を実行する部分)をさらに備え、
前記異常報知手段は、前記遊技進行状態を示すデータが所定範囲の数値(例えば「7」未満)を示しているときに(例えばS555のN)、前記入賞検出手段によって遊技球の入賞が検出されたことに基づいて(例えばS558のN)、異常報知を実行する(例えば、S559を実行し、S671a、S671b、SP906〜SP910、S854b、S855aを実行する)。
このような構成によれば、特定遊技状態以外の遊技状態を容易に判定することができ、確実に可変入賞球装置に対する不正行為による入賞異常を報知することができる。
(8) 遊技の進行を制御し、前記可変表示手段を制御するためのコマンド(例えば、演出制御コマンド)を送信する遊技制御手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)と、該遊技制御手段に設けられ前記可変表示手段に前記特定表示結果を導出表示させるか否かを決定する事前決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるS102〜S105、S107、S147、S148、第2特別図柄プロセス処理におけるS102〜S105、S107、S147、S148に相当する処理、および、S381、S383の処理を実行を実行する部分)と、前記遊技制御手段に設けられ、前記可変表示手段における可変表示演出の開始と可変表示時間とを特定可能な可変表示コマンドを送信する可変表示コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S80、S374、S377を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるS80の処理に相当する処理を実行する部分とS374、S377を実行する部分)とを備え、前記特定表示結果のうちの特別表示結果が前記可変表示手段に導出表示されたときに特定遊技状態が終了した後に通常状態であるときに比べて可変表示演出が特定表示結果になりやすい特別遊技状態(例えば確変状態)に移行させる遊技機であって、
前記事前決定手段は、前記特別遊技状態に移行させるか否かを表示結果の導出表示以前に決定し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が第1特別図柄プロセス処理におけるS102〜S105、S107、S147、S148、第2特別図柄プロセス処理におけるS102〜S105、S107、S147、S148に相当する処理、および、S381、S383の処理を実行し)、
前記遊技制御手段は、
前記事前決定手段の決定に基づいて、可変表示コマンドを選択する可変表示コマンド選択手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理おけるS75〜S78を実行する部分。第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるS75〜S78の処理に相当する処理を実行する部分)と、
前記事前決定手段による決定結果を特定可能な表示結果コマンド(例えば演出図柄指定コマンド)を送信する表示結果コマンド送信手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、第1特別図柄プロセス処理におけるS104、S106の処理、第2特別図柄プロセス処理で、第1特別図柄プロセス処理におけるS104、S106に相当する処理、および、S381、S383の処理を実行する部分)とを含み、
前記可変表示コマンド選択手段は、可変表示コマンドとして、特定遊技状態に制御しないことを示す非特定表示結果(例えば、はずれ図柄)を特定可能な非特定可変表示コマンド(例えば、はずれ専用の変動パターンコマンド:図12の8001Hまたは8005H)と、前記特別表示結果を特定可能な特別可変表示コマンド(例えば確変大当り専用の変動パターンコマンド:図12の8004Hまたは8008H)と、特定表示結果であるが前記特別表示結果ではない非特別表示結果(例えば非確変図柄)を特定可能な非特別可変表示コマンド(例えば通常大当り専用の変動パターンコマンド:図12の8002Hまたは8006H)と、前記特別表示結果または前記非特別表示結果を特定可能な特定可変表示コマンド(例えば通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド:図12の8003Hまたは8007H)とのいずれかを選択し、
前記可変表示コマンド送信手段は、前記可変表示コマンド選択手段により選択された可変表示コマンドを送信し(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560がS376を実行し)、
前記演出制御手段は、可変表示コマンドまたは表示結果コマンドに基づいて、前記可変表示手段に導出表示する表示結果を複数種類の中から決定する表示結果決定手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるS841、S831、S832を実行する部分)を含み、
前記表示結果決定手段は、特定可変表示コマンドを受信したときに(例えば、S839aのN、S839bのY)、表示結果コマンドを受信できなかったときには、表示結果を非特別表示結果に決定する(例えば演出制御用マイクロコンピュータ100がS839dを実行する)。
このような構成によれば、表示結果決定手段が、特定可変表示コマンドを受信したときに、表示結果コマンドを受信できなかったときには、表示結果を非特別表示結果に決定するように構成されているので、演出制御手段が表示結果コマンドを受信できなくても特定遊技状態が発生するか否かを遊技者に認識させることができる。また、可変表示コマンドに表示結果を特定可能な情報を含めることによって、可変表示コマンドおよび表示結果コマンド以外のコマンドを用いることなく、演出制御手段は、表示結果コマンドを受信できなくても表示結果を決定できるので、遊技制御手段が送信するコマンドの種類は増えず、その結果、遊技制御手段の制御負担は増大しない。
(9) 所定の数値を更新する数値更新手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S23の処理を実行する部分)と、
所定の時期(例えば、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14および第3始動入賞口12に遊技球が入賞したとき)に前記数値更新手段から数値を抽出する数値抽出手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S61、S64、S82を実行する部分)と、
該数値抽出手段が抽出した数値に基づいて可変表示演出の表示結果を特定可能な情報を決定する表示結果決定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S64、S65、S72、S73を実行する部分)と、
遊技機に対する電力供給が開始されたときに、前記数値を初期値に設定する初期化処理を実行する初期化手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S12の処理を実行する部分)と、
該初期化手段による初期化処理が実行されたときに、所定の終了条件が成立するまで初期化処理が実行されたことを示す初期化報知を行なう初期化報知手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S13、S353の処理を実行する部分、演出制御用マイクロコンピュータ100において、S660〜S661b、SP901〜SP905)を含み、
前記初期化報知手段が初期化報知を行なっているときに、前記異常報知手段による異常報知の開始を禁止する異常報知禁止手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、S13a、S13b、S551〜S553の処理を実行する部分)を備えた。
このような構成によれば、初期化報知が入賞異常報知よりも優先して実行され、識別情報の可変表示の表示結果を特定可能な情報を決定する数値に初期値が設定されたことを遊技機の外部で確実に認識することができる。
(10) 前記第1保留記憶手段が記憶する第1保留記憶データにより特定される入賞数と前記第2保留記憶手段が記憶する第2保留記憶データにより特定される入賞数との合計(例えば、合算保留記憶数)が所定数以上であるか否かを判定する保留記憶合計数判定手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU56においてS76の処理を実行する部分)と、
該保留記憶合計数判定手段の判定結果に基づいて、前記第1可変表示手段における第1識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間、および前記第2可変表示手段における第2識別情報の可変表示を開始してから表示結果を導出表示するまでの可変表示時間を短縮する可変表示時間短縮手段(例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU56においてS77の処理を実行する部分)とを備えた。
このような構成によれば、識別情報の可変表示時間を短縮することによって、可変表示手段における識別情報の可変表示が開始されやすくすることができ、遊技球の入賞部への無効始動入賞の発生を低減することができる。また、優先して可変表示を実行する側の可変表示手段(入賞確率が高い側の入賞部に対応する可変表示部)に対する保留記憶数が増加した場合だけでなく、優先して可変表示を実行しない側の可変表示手段(入賞確率が高くない側の入賞部に対応する可変表示部)に対する保留記憶数が増加した場合であっても、優先して可変表示を実行する側の可変表示手段における可変表示時間を短縮することができる。そのため、優先して可変表示を実行しない側の可変表示手段に対する保留記憶数に基づく可変表示も早期に開始されやすくすることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。