実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域91がある。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
なお、小型の表示器は、方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
また、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、特別図柄の可変表示が実行されていない状態であって、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがあり、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(可変表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
この実施の形態では、遊技球が第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる(すなわち、第2特別図柄表示装置8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態、または第2始動入賞口14に始動入賞しにくくなる(すなわち、第2特別図柄表示装置8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しにくくなる)ように制御された遊技状態である低ベース状態に制御される。そして、高ベース状態である場合には、低ベース状態と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなる。従って、この実施の形態では、低ベース状態では、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率の方が、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。また、高ベース状態では、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する確率の方が、第1始動入賞口13に遊技球が入賞する確率よりも高くなる。
また、高ベース状態では、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮される時短状態に移行される。時短状態に制御することによって、特別図柄や飾り図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や飾り図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。
なお、高ベース状態に制御する場合に、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりするだけで、時短状態に移行しないようにしてもよい。また、高ベース状態に制御する場合に、時短状態に移行するだけで、可変入賞球装置15が開状態となる頻度を高めたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長したりしないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14の下部にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれの下部にも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方下部には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや合算保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。電源基板910には、遊技制御用マイクロコンピュータ560等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板910には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。さらに、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bと、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、出力ポート106を介して第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御を行うとともに、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、電源基板910の構成を図4のブロック図を参照して説明する。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を許可したり遮断したりするための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、遊技機内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源になる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のスイッチングレギュレータ(図4では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す。)を有し、VSLにもとづいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図4に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。従って、コネクタ922Aには、VBBも供給されている。例えば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプドライバ基板35に接続される。なお、演出制御基板80には、ランプドライバ基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aを介して主基板31に出力される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータに対するリセット信号は、ランプドライバ基板35を経由して演出制御基板80に伝達される。また、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板に搭載した場合に、リセット信号をハイレベルにすることになる電圧値を異ならせるようにしてもよい(例えば、主基板31における場合を最も高くして、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対するリセット信号がハイレベルになるタイミングを最も遅くする。)。
電源監視回路920からの電源断信号すなわち電源監視手段からの検出信号は、主基板31に搭載されている入力ポートを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポートの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
次に、遊技機の動作について説明する。図5は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS91〜S93の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(第1特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信するために、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS93)。そして、ステップS15に移行する。なお、この実施の形態では、停電復旧指定コマンドは、遊技制御処理が開始されてから、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において送信されるが、ステップS93の処理で、直接送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信するために、初期化コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS13)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、禁止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、禁止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、演出表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図6に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合に異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:第1始動入賞口への遊技球の入賞(第1始動入賞)にもとづく第1特別図柄の可変表示に対応して(または、第2始動入賞口への遊技球の入賞(第2始動入賞)にもとづく第2特別図柄の可変表示に対応して)、大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2: 第1特別図柄および第2特別図柄のはずれ図柄(停止図柄)を決定する(はずれ図柄決定用)
(3)ランダム3:大当りを発生させるときの第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:第1特別図柄および第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:遊技状態(高ベース状態/低ベース状態、高確率状態/低確率状態)および大当りの種類(突然確変大当り、15R大当り)を決定する(遊技状態決定用)
図6に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、および(8)の遊技状態決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(8)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数であるが、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアまたは遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェアが生成する乱数を用いてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄の変動に関しても第2特別図柄の変動に関しても図7に示された乱数(特に、ランダム2,3,4)を用いるが、第1特別図柄の変動に関する乱数と第2特別図柄の変動に関する乱数とを別にしてもよい。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27A)。第1特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。また、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27B)。第2特別図柄プロセス処理では、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグおよび第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄および第2特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、第1特別図柄プロセス処理または第2特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄や第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図8(A)は、この実施の形態における高確率状態(確変状態)および高ベース状態に関わる遊技状態を説明するための説明図である。そのような遊技状態として、高確率・高ベース状態(高確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、低確率・高ベース状態(低確率状態であり、かつ、高ベース状態である遊技状態)、高確率・低ベース状態(高確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)、および低確率・低ベース状態(低確率状態であり、かつ、低ベース状態である遊技状態)がある。
高確率状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りの決定される確率が高くなっている。例えば、10倍になっている。具体的には、高確率状態では、大当り判定用乱数の値と一致すると大当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、高ベース状態では、低ベース状態に比べて普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、第2始動入賞口14が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、高ベース状態では、普通図柄当り判定用乱数の値と一致すると当りとすることに決定される判定値の数が、通常状態に比べて多い。普通図柄について当りに決定されると、上述したように、普通図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)が当り図柄とされ、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間(開放時間)だけ開状態になり、ベースが上がる。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに代えて、または、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。
図8(B)は、この実施の形態における背景モードを説明するための説明図である。背景モードとは、演出表示装置9の表示画面における背景(図柄およびキャラクタ画像以外の地の画面)のモード(具体的には種類)を表している。背景モードとして、通常モード、通常時高確可能性モード、高確高ベースモード、および低確高ベースモードがある。
通常モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態である可能性が低いこと、または高確率状態の可能性がないことを遊技者に認識させることができるようなモードである。通常時高確可能性モードは、遊技状態が低ベース状態であるときに使用されるモードであり、高確率状態の可能性が高いことを遊技者に認識させることができるようなモードである。高確高ベースモードは、高確率・高ベース状態で使用されるモードである。低確高ベースモードは、低確率・高ベース状態で使用されるモードである。
図9は、遊技状態の遷移の仕方の一例を示す状態遷移図である。図9に示すように、この実施の形態では、高確率・高ベース状態へは、他の3つの遊技状態から遷移しうる。低確率・高ベース状態へは、高確率・高ベース状態のみから遷移しうる。高確率・低ベース状態へは、高確率・高ベース状態以外の2つの遊技状態から遷移しうる。低確率・低ベース状態へは、高確率・低ベース状態から遷移しうる。なお、図9では、低確率・高ベース状態から低確率・低ベース状態への矢印が記載されているが、遷移する割合は0%である。以下、「遷移」を「移行」ということがある。
遊技状態の遷移は、大当りが発生した場合に遷移しうる。なお、大当りが発生しても、遊技状態が遷移しないこともある。また、図9には明示されていないが、低確率・高ベース状態において表示結果を大当り図柄としない特別図柄の可変表示が所定回連続して行われると、遊技状態が、低確率・低ベース状態に遷移するように制御してもよい。
図9に示す「%」の数値は、どのような種類の大当りに伴って遊技状態が遷移するのか、または同じ遊技状態を維持するのかの割合を示している。例えば、低確率・低ベース状態において、大当りが発生すると、10(3+7)%の割合で遊技状態が高確率・高ベース状態に遷移するが、そのうちで3%の割合で、2R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移し、7%の割合で、15R大当りの大当りが発生したときに高確率・高ベース状態に遷移する。2R大当りとは、大入賞口が2回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りであり、15R大当りとは、大入賞口が最大で15回開放状態になるような大当り遊技が実行される大当りである。
なお、2Rの大当りを突然確変大当りともいう。2Rの大当り遊技では、大入賞口は2回開放状態になるが、開放時間は極めて短い(例えば、0.5秒)。また、大当り遊技後の遊技状態は高確率状態に制御される。よって、遊技者は、あたかも、突然に遊技状態が高確率状態(確変状態)になったかのように感ずる。
大当りにすることに決定されると、遊技状態をどのように遷移させるのかを決定するために乱数(遊技状態決定用乱数)を用いた抽選が行われる。遊技状態決定用乱数は0〜599のいずれかの値になるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選において、遊技状態決定用乱数の値が、遊技状態(その状態に遷移させる遊技状態、すなわち遷移後の遊技状態)および大当りの種類に対応して決められている判定値に一致すると、その遊技状態に遷移させることに決定する。判定値は、4つの遊技状態(そのときの遊技状態)のそれぞれに応じて決められている。また、4つの遊技状態のそれぞれについて、判定値は、大当りの種類毎に決められている。
図10は、一例として、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの遊技状態(遷移後の遊技状態)および大当りの種類と、判定値数との関係を示す説明図である。それぞれの判定値数は、図9に示す各割合と整合するように定められている。具体的には、判定値数分の判定値がテーブルとしてROM54に設定されている。なお、図10には、遊技状態が高確率・高ベース状態であるときの判定値数が例示されているが、他の遊技状態についても、図9に示す各割合と整合するように判定値数が定められている。
図11は、この実施の形態で用いられる特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。図11において、「EXT」とは、2バイト構成の飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「変動時間」は特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間(識別情報の可変表示期間)を示す。なお、変動パターンは、特別図柄、飾り図柄および演出図柄の変動時間等を示すものであるが、飾り図柄および演出図柄の変動は特別図柄の変動と同期しているので、以下、単に、特別図柄の変動パターン、飾り図柄の変動パターン、演出図柄の変動パターンのように表現することがある。
図11に示すように、通常変動が行われるときには変動パターン#1〜#4が用いられ、短縮変動が行われるときには変動パターン#5〜#8が用いられる。また、停止図柄をはずれとすることに決定された場合であって変動表示中にリーチ演出を実行することが決定された場合には、変動パターン#9〜#12が用いられる。この実施の形態では、停止図柄を大当りとすることに決定された場合、およびはずれとすることに決定された場合であってリーチ演出を実行しないことに決定された場合には、合算保留記憶数の値が所定値(例えば4)以上になっているときに短縮変動の変動パターン#5〜#8が用いられる。
なお、変動パターン#2〜#4および変動パターン#6〜#8は、停止図柄が大当り図柄になる場合に用いられる場合に用いられる変動パターンである。変動パターン#1および変動パターン#5は、停止図柄がはずれ図柄であって演出表示装置9においてリーチ演出が実行されないときに用いられる変動パターンである。また、この実施の形態では、第1特別図柄の可変表示が行われるときにも第2特別図柄の可変表示が行われるときにも同じ変動パターン(変動パターン#1〜#12のいずれか)が用いられるが、第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで異なる変動パターンを用いるようにしてもよい。その場合、例えば、変動パターン#13〜#24を定義し、第1特別図柄については変動パターン#1〜#12のいずれかを使用し、第2特別図柄については変動パターン#13〜#24のいずれかを使用する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンを示す演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた時間、飾り図柄表示器で飾り図柄の可変表示を行い演出表示装置9で演出図柄の可変表示を行うとともに、演出表示装置9で、受信した演出制御コマンドが示す変動パターンに応じた種類の表示演出を行う。同時に、ランプやLEDおよびスピーカ27などの演出用部品を用いた演出を行う。すなわち、変動パターンとは、変動時間を示すとともに、演出の態様を示すものである。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図12は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図12に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
図13に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図14は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14に示す例において、コマンド8001(H)〜800C(H)は、特別図柄の可変表示に対応して飾り図柄表示器および演出表示装置9において可変表示される飾り図柄および演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8001(H)〜800C(H)のいずれかを受信すると、飾り図柄表示器および演出表示装置9において飾り図柄および演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C00(H)〜8C07(H)は、大当りとするか否か、大当りの種類(2R大当り、15R大当り)、および遊技状態を示す演出制御コマンド(演出図柄指定コマンド)である。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C00(H)〜8C07(H)の受信に応じて飾り図柄および演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C00(H)〜8C07(H)を表示結果特定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを図柄変動指定コマンドと総称することがある。
コマンド8F00(H)は、特別図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、飾り図柄および演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、電源投入指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)は、遊技状態を低ベース状態にすることまたは低ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(低ベース状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、遊技状態を高ベース状態にすることまたは高ベース状態が継続されることを示す演出制御コマンド(高ベース状態背景指定コマンド)である。低ベース状態背景指定コマンドと高ベース状態背景指定コマンドとを、背景指定コマンドまたは遊技状態指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技状態指定コマンド(背景指定コマンド)の受信に応じて、演出表示装置9の表示画面における背景を、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態に対応する背景にする。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始1指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。A001(H)は、突然確変用画面を表示することを指定する演出制御コマンド(大当り開始2指定コマンド:突然確変指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を合算保留記憶数指定コマンドで指定するようにしてもよい。
コマンドD001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図14に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果特定コマンドを、第1飾り図柄表示器9aでの識別情報の可変表示と第2飾り図柄表示器9bでの識別情報の可変表示とで共通に使用でき、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを演出制御用マイクロコンピュータ100が制御するように構成されている場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図15〜図17は、演出制御コマンドの送信タイミングの例を示す説明図である。図15(A)は、客待ちデモコマンドが送信される場合の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、客待ちデモコマンドを送信する場合には、その前に、背景指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(図6参照)で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図15(B)は、始動入賞(第1始動入賞または第2始動入賞)が生じたときの例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信した後、合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図15(C)は、特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動開始時に、背景指定コマンド、図柄変動指定コマンド、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信する。さらに次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する。そして、可変表示時間が経過すると、図柄確定指定コマンドを送信する。
図16(A)は、合算保留記憶数が0から1になったときに開始される特別図柄の変動開始時の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)を送信し、次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する。そして、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理から、図15(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。なお、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で第1始動入賞指定コマンド(または第2始動入賞指定コマンド)、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信し、次のタイマ割込(2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で図柄変動指定コマンドおよび変動パターンコマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で演出図柄指定コマンドを送信し、さらに次のタイマ割込(さらに2ms後のタイマ割込)にもとづく遊技制御処理で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するようにしてもよい。
図16(B)は、電力供給が開始されたとき(電源投入時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信した後、客待ちデモ指定コマンドを送信する。具体的には、タイマ割込にもとづく遊技制御処理で電源投入指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信すると、次のタイマ割込にもとづく遊技制御処理で客待ちデモコマンドを送信する。
図16(C)は、電力供給が再開されたとき(停電復旧時)の例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、電源投入指定コマンド、演出図柄指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを続けて送信する。RAM55に形成されている演出図柄種類格納領域は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出図柄種類格納領域に保存されていたデータにもとづいて演出図柄指定コマンドを送信する。また、RAM55に形成されている合算保留記憶数カウンタの値は、遊技機に対する電力供給が停止しても所定期間は保存されているので、電力供給が再開されたときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保存されていた合算保留記憶数カウンタの値にもとづいて合算保留記憶数指定コマンドを送信する。
図17(A)は、15R大当り遊技における例を示す。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の開始時に、大当り開始1指定コマンドを送信し、各ラウンドの開始時に大入賞口開放中指定コマンドを送信し、各ラウンドの終了時に大入賞口開放後指定コマンドを送信し、大当り遊技の終了時に、大当り終了指定コマンドを送信する。
図18および図19は、ステップS29の演出制御コマンド制御処理を示すフローチャートである。演出制御コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、初期化コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS351)。初期化コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS356に移行する。初期化コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、初期化コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS352)、電源投入指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS353)。
具体的には、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの1バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力し、さらに、コマンドデータを出力するための出力ポートに電源投入指定コマンドの2バイト目のデータを出力し、演出制御INT信号を出力するための出力ポートに所定期間だけ1を出力する。コマンドデータを出力するための出力ポートおよび演出制御INT信号を出力するための出力ポートの出力は、演出制御基板80に接続されている。なお、このような演出制御コマンドの送信の仕方は、電源投入指定コマンド以外の他の演出制御コマンドについても同じである。
次いで、CPU56は、背景指定コマンドを送信し(ステップS354)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS355)。
ステップS356では、CPU56は、停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS361に移行する。停電復旧指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、停電復旧指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS357)、停電復旧指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS358)。次いで、演出図柄指定コマンドを送信する(ステップS359)。さらに、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS360)。なお、CPU56は、ステップS359において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。また、ステップS360において、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。なお、合算保留記憶数カウンタは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
ステップS361では、CPU56は、ステップS116の処理(図22参照)でセットされる第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS365に移行する。第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS362)、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS363)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS364)。なお、ステップS364において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
ステップS365では、CPU56は、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS371に移行する。第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、第2始動入賞指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS366)、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS367)。次いで、合算保留記憶数指定コマンドを送信する(ステップS368)。なお、ステップS368において、合算保留記憶数カウンタの値を2バイト目のコマンドデータに設定する。
ステップS371では、CPU56は、背景指定コマンド送信要求フラグ(低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグまたは高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグ)がセットされているか否か確認する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS374に移行する。背景指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS372)、背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS373)。なお、背景指定コマンド送信要求フラグとして低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、低ベース状態背景指定コマンドを送信し、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグがセットされていた場合には、高ベース状態背景指定コマンドを送信する。
ステップS374では、CPU56は、変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS381に移行する。変動パターンコマンド送信要求フラグがセットされている場合には、変動パターンコマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS375)、図柄変動指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS376)。次いで、変動パターンコマンドを送信する(ステップS377)。なお、CPU56は、ステップS376において、第1変動中フラグがセットされていたら第1図柄変動指定コマンドを送信し、そうでなければ、または第2変動中フラグがセットされていたら第2図柄変動指定コマンドを送信する。また、ステップS377において、変動パターン記憶領域に記憶されているデータに対応する変動パターンコマンドを送信する。
ステップS381では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS384に移行する。演出図柄指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS382)、演出図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS383)。なお、CPU56は、ステップS383において、演出図柄種類格納領域に記憶されているデータに応じた演出図柄指定コマンドを送信する。
ステップS384では、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS387に移行する。合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS385)、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS386)。
ステップS387では、CPU56は、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされているか否か確認する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされていない場合にはステップS391に移行する。客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグがセットされている場合には、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをリセットし(ステップS388)、客待ちデモ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS389)。
ステップS391では、CPU56は、他の演出制御コマンドの送信要求を示すフラグがセットされているか否か確認し、セットされていれば、そのフラグをリセットし、フラグで要求された演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS391)。なお、他の演出制御コマンドの代表例として、図柄確定指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される図柄確定指定コマンドや大当り開始指定コマンド送信要求フラグがセットされたことにもとづいて送信される大当り開始1指定コマンドや大当り開始2指定コマンドがある。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは、全て、既に説明したメイン処理(図5参照)や以下に説明する第1特別図柄プロセス処理(図20、図22、図25〜図30、図32、図34、図35参照)および第2特別図柄プロセス処理等においてコマンドの送信を要求するフラグ(初期化コマンド送信要求フラグ、変動パターンコマンド送信要求フラグ、第1始動入賞指定コマンド送信要求フラグ等)がセットされたことにもとづいて、演出制御コマンド制御処理で送信される。しかし、第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理において、コマンドの送信を要求するフラグをセットすることに代えて、各演出制御コマンドを直接送信するようにしてもよい。そのように構成する場合には、1回の遊技制御処理において複数の演出制御コマンドを送信する場合には、続けて送信すればよい。例えば、図5に示されたステップS13の処理に代えて、ステップS353〜S355の処理を実行すればよい。また、図22に示すステップS116の処理に代えて、図18に示すステップS363,S364の処理を実行すればよい。また、図26に示すステップS80の処理に代えて、図19に示すステップS376,S377の処理を実行すればよい。
図20および図21は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS27A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。
なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS27B)のプログラムも、第2特別図柄通常処理を除いて第1特別図柄プロセス処理と同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
第1特別図柄プロセス処理を行う際に、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS41)。デモコマンド送信フラグは、客待ちデモ指定コマンドが送信される直前に送信される背景指定コマンドが送信された(具体的には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットした。)ことを示すフラグである。従って、CPU56は、デモコマンド送信フラグがセットされている場合には、デモコマンド送信フラグをリセットして(ステップS42)、客待ちデモ指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS43)。そして、ステップS314に移行する。
デモコマンド送信フラグがセットされていない場合には、CPU56は、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中(例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値により判定される)であるか否か確認し(ステップS44A)、第1特別図柄の変動中または大当り遊技中であれば監視タイマの値を0にクリアして(ステップS46)、ステップS311に移行する。また、CPU56は、第1保留記憶数が0であるか否か確認し(ステップS44B)、0であれば、ステップS45に移行する。0でない場合には、監視タイマの値を0にクリアして(ステップS46)、ステップS311に移行する。監視タイマとは、RAM55に形成されているソフトウェアタイマであり、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態の継続時間を計測するためのタイマである。
ステップS45では、監視タイマの値を+1する。そして、監視タイマの値が所定値になっているか否か確認する(ステップS46)。すなわち、監視タイマがタイムアウトしているか否か確認する。監視タイマがタイムアウトしていない場合には、ステップS311に移行する。監視タイマがタイムアウトしている場合には、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(ステップS48)、さらに、デモコマンド送信フラグをセットして(ステップS49)、ステップS314に移行する。なお、ステップS48において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
なお、第2特別図柄プロセス処理でも、第2保留記憶数が0でない場合には監視タイマの値を0にクリアし、第2保留記憶数が0である場合には、監視タイマの値を+1する。例えば、第2保留記憶数が0でない場合でも、第1保留記憶数が0であればステップS45の処理で監視タイマの値は+1されるが、第2特別図柄プロセス処理で監視タイマの値が0にクリアされるので、ステップS47の処理での判定値(所定値)を2以上の値にしておけば、ステップS47の処理で「Y」と判定されることはない。つまり、第1保留記憶数が0であっても、第2保留記憶数が0でなければ、監視タイマがタイムアウトすることはない。
以上のような制御によって、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態(第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との双方が0である状態)が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。なお、客待ちデモ指定コマンドが送信されるのは、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続したことが検出されたときだけであって、その状態がそれ以上継続しても、以後、客待ちデモ指定コマンドは送信されない。そして、再び、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモ指定コマンドが送信される。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値とを用いて客待ちデモコマンドを送信するように制御したが、合算保留記憶数カウンタの値が0である状態が所定期間継続すると、客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0である状態が所定期間継続すると客待ちデモ指定コマンドを送信するようにしたが、特別図柄の変動が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態であることを条件として、第1保留記憶数と第2保留記憶数との双方が0になったときに、直ちに客待ちデモコマンドを送信するように制御してもよい。
また、ステップS43,S49の処理が実行される場合にはステップS311,S312の処理は実行されず、遊技球が第1始動入賞口13に入賞して第1始動口スイッチ13aがオンしたことのチェックはなされないが、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。一般に、第1始動口スイッチ13aとして近接スイッチや接点押下型のスイッチが用いられるが、いずれのスイッチを用いても遊技球が第1始動入賞口13に入賞したときには、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続する。この実施の形態では、第1特別図柄プロセス処理は2ms毎に実行されるが、ステップS43,S49の処理が実行される場合には数ms(例えば4ms)間ステップS311,S312の処理が実行されない期間が継続するだけであって、そのような期間が存在しても、スイッチの出力のオン状態が数10ms継続していることから、第1始動入賞口13への遊技球の入賞が見逃されることはない。
ステップS311では、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が1である場合には処理を終了する(ステップS313)。合算保留記憶数カウンタの値が1でない場合に、および、ステップS311で第1始動口スイッチ13aがオンしていないことを検出した場合には、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを条件に(ステップS314)、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、第2特別図柄が変動中でないことは、例えば、第2変動中フラグがセットされているか否かによって判定される。大当り遊技中でないことは、例えば、大当りフラグがセットされているか否かによって判定される。また、第2特別図柄が変動中でないこと、および大当り遊技中でないことを、第2特別図柄プロセスフラグの値によって判定してもよい。
第1始動口スイッチ通過処理を実行したときに合算保留記憶数カウンタの値が1である場合にはステップS300〜S309の処理を実行しないのは、合算保留記憶数カウンタの値が0から1になったときに、始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドとを送信した後、次のタイマ割込処理で背景指定コマンドを送信したいためである(図16(A)参照)。合算保留記憶数カウンタの値が1である場合に続けてステップS300の処理を実行すると、同じタイマ割込処理で始動入賞指定コマンドと合算保留記憶数指定コマンドと背景指定コマンドとが送信されてしまうからである。なお、図15(C)に示されたように各演出制御コマンドを送信する。また、図16(A)に示された演出制御コマンドの送信タイミングの変形例として、タイマ割込にもとづく遊技制御処理(すなわち、2ms以内に)で第1始動入賞指定コマンド、合算保留記憶数指定コマンドおよび背景指定コマンドを送信する場合には、ステップS313の判断を行わない。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶数を確認する。第1保留記憶数は第1保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2保留記憶数を確認する。第2保留記憶数は第2保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。第2保留記憶数カウンタのカウント値が0であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行う。また、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0であっても、高ベース状態でなければ(すなわち、低ベース状態であれば)、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、遊技状態指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、コマンド送信する制御を行うとは、具体的には、演出制御コマンド制御処理で実際にコマンドが送信されるように、コマンドの送信を要求するためのフラグ(この場合には、背景指定コマンド送信要求フラグ)をセットすることである。
第1変動パターン設定処理(ステップS301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。大当りとするか否か決定する。また、第1特別図柄の可変表示の変動パターン(変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、第1特別図柄の変動を開始し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンド等)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
第1遊技状態決定処理(ステップS302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。大当りとすることに決定されている場合には、大当りの種類と、大当り遊技後の遊技状態を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、表示結果特定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では3)に更新する。
第1保留記憶数送信処理(ステップS303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では4)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS302でセットされる第1変動時間タイマがタイムアウトすなわち第1変動時間タイマの値が0になる)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305(この例では5)に応じた値(この例では5)に更新する。
第1特別図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う。そして、大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するとともに、演出表示装置9において演出図柄が停止されるように制御する。
第1大当り表示処理(ステップS306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間タイマによって所定期間を計測し、所定期間が経過すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間において、演出表示装置9に、15R大当りの発生を報知するための表示を行う。なお、突然確変大当りの場合には、突然確変大当りの発生を報知するための演出を行う。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値(この例では8)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):第1特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値(この例では9)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):第1特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグをセットする処理を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図22は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第1保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS111)。第1保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
第1保留記憶数が4になっていない場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS112)。また、合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS113)。また、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする(ステップS114)。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、「第1始動入賞」を示すデータとして01(H)をセットする。なお、この場合、CPU56は、第2始動口スイッチ通過処理においてステップS114に相当する処理を実行するときには、「第2始動入賞」を示すデータとして02(H)をセットする。また、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図23(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図23(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合が例示されている。図23(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1始動入賞」または「第2始動入賞」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図23(B)は、保留記憶に対応する乱数などを保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図23(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されており、第1始動入賞口13への入賞にもとづき入賞順に乱数などを保存する。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されており、第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に乱数などを保存する。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
さらに、CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する第1保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS115)。第1保留記憶バッファにおいて、保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや第1保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。なお、ステップ115では、ランダム1〜4,8(図7参照)の値が抽出され、保存領域に保存される。さらに、第1始動入賞記憶指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS116)。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図24は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図24に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS112で第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS113で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS114の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、「第1始動入賞」であることを示すデータをセットする処理を実行する。また、CPU56は、ステップS115の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。
図25は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS501)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS502)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第2保留記憶数が0であれば、ステップS504以降の処理を行う。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503)。そして、高ベース状態フラグがセットされていれば、CPU56は、そのまま処理を終了する。
ステップS502で第2保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が高ベース状態である場合には、ステップS504以降の処理を実行しないようにし、第1特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。また、遊技状態が低ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかに応じて、第1特別図柄と第2特別図柄のいずれか一方を優先して実行する場合を示すが、常に第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよく、または常に第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれの保留記憶数が多いかを判断し、保留記憶数が多い方に対応する特別図柄を優先して実行するようにしてもよい。例えば、ステップS501で第1保留記憶数が0でない場合に、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多いか否かを確認し、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多ければ、ステップS504以降の処理に移行して、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにし、第1保留記憶数が第2保留記憶数より多くなければ、そのまま処理を終了して、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。なお、この場合、第1保留記憶数と第2保留記憶数とが同数であった場合には、第1特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよいし、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
ステップS502で第2保留記憶数が0である場合、またはステップS503で高ベース状態フラグがセットされていない場合には、CPU56は、RAM55の第1保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS504)。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図23(A)に示された例では、左にシフトする(ステップS505)。
次いで、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS506)。すなわち、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS507)、第1変動中フラグをセットする(ステップS508)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(ステップS509)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS510)。なお、ステップS509において、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
図26および図27は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から大当り判定用乱数(ランダム1)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS71に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値が大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aにおける停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいてはずれ図柄(例えば、偶数図柄のいずれか)を決定する(ステップS65)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(ステップS66)。
次いで、CPU56は、大当りとしないことに決定した場合(すなわち、はずれと決定した場合)に変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ決定用乱数を乱数バッファ領域から読み出す(ステップS67A)とともに、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS67B)。高ベース状態フラグがセットされていない場合(すなわち、低ベース状態である場合)には、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が6以上であるか否かを確認する(ステップS67C)。合算保留記憶数カウンタの値が6以上であれば、CPU56は、リーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ判定用テーブルとして、第1低ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67D)。
図28は、大当りとしないことに決定した場合(すなわち、はずれと決定した場合)に変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定するためリーチ判定用テーブルの例を示す説明図である。この実施の形態では、後述するように、高確率高ベース状態、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態または低確率低ベース状態の4つの遊技状態のいずれかに制御される。図28に示すように、遊技状態が高確率高ベース状態である場合には、第1高確率高ベース時リーチ判定用テーブルまたは第2高確率高ベース時リーチ判定用テーブルが用いられる。また、遊技状態が低確率高ベース状態である場合には、第1低確率高ベース時リーチ判定用テーブルまたは第2低確率高ベース時リーチ判定用テーブルが用いられる。また、遊技状態が低ベース状態(高確率低ベース状態または低確率低ベース状態)である場合には、第1低ベース時リーチ判定用テーブル、第2低ベース時リーチ判定用テーブルまたは第3低ベース時リーチ判定用テーブルが用いられる。
なお、ステップS67Cにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の6つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS67Dに移行し、セットされていなければステップS67Eに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS67Cにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との合計値を算出し、算出した合計値が6以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS67Cで合算保留記憶数カウンタの値が6以上でなければ、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が2以上であるか否かを確認する(ステップS67E)。合算保留記憶数カウンタの値が2以上であれば、CPU56は、第2低ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67F)。合算保留記憶数カウンタの値が2以上でなければ、CPU56は、第3低ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS64G)。
なお、ステップS67Eにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の2つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS67Fに移行し、セットされていなければステップS67Gに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS67Eにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との合計値を算出し、算出した合計値が2以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS67Bで高ベース状態フラグがセットされている場合には、CPU56は、確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS67H)。確変フラグがセットされていれば(すなわち、高確率高ベース状態であれば)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS67I)。合算保留記憶数カウンタの値が1以上であれば、CPU56は、第1高確率高ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67J)。合算保留記憶数カウンタの値が1以上でなければ、CPU56は、第2高確率高ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67K)。
なお、ステップS67Iにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の1つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS67Jに移行し、セットされていなければステップS67Kに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS67Iにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との合計値を算出し、算出した合計値が1以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
ステップS67Hで確変フラグがセットされていなければ(すなわち、低確率高ベース状態であれば)、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が3以上であるか否かを確認する(ステップS67L)。合算保留記憶数カウンタの値が3以上であれば、CPU56は、第1低確率高ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67M)。合算保留記憶数カウンタの値が3以上でなければ、CPU56は、第2低確率高ベース時リーチ判定用テーブルを選択する(ステップS67N)。
なお、ステップS67Lにおいて、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の3つ目の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS67Jに移行し、セットされていなければステップS67Kに移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS67Lにおいて、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との合計値を算出し、算出した合計値が3以上であるか否かを確認するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、リーチ決定用乱数および選択したリーチ判定用テーブルにもとづいて、変動表示中にリーチ演出を実行するか否かを決定する(ステップS67O)。
図29は、大当りとしないことに決定した場合のリーチ発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図28に示すリーチ判定用テーブルを用いて、図29に示す確率でリーチ演出を実行するか否かが決定される。図29に示すように、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態(低確率低ベース状態または高確率低ベース状態)である場合には、合算保留記憶数が6個以上であれば6パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、2個以上6個未満であれば10パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、2個未満であれば22パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。また、遊技状態が低確率高ベース状態である場合には、合算保留記憶数が3個以上であれば8パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、3個未満であれば7パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。また、遊技状態が高確率高ベース状態である場合には、合算保留記憶数が1個以上であれば4パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定され、1個未満(すなわち保留なし)であれば22パーセントの確率でリーチ演出を実行すると決定される。
この実施の形態では、図29に示すように、遊技状態が低ベース状態や高確率高ベース状態である場合に、合算保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減している。そのため、変動表示の稼働率を向上させることができるとともに、遊技制御手段(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560)の処理負担を軽減している。なお、遊技状態が低確率高ベース状態である場合にも、合算保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を低減するようにしてもよい。また、遊技状態に応じて、合算保留記憶数が多いときにリーチ演出を実行する頻度を増加させるようにしてもよい。そのようにすれば、変動表示による演出を長引かせることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、遊技状態に応じて、合算保留記憶数にかかわらず、リーチ演出を実行する確率が一定の確率となるようにしてもよい。
CPU56は、リーチ演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS67QのN)、ステップS75に移行する。リーチ演出を実行することに決定した場合には(ステップS67QのY)、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出し(ステップS67R)、変動パターン決定用乱数にもとづいてリーチ変動パターンテーブル(図11参照)から変動パターンを選択する(ステップS67S)。リーチ変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#9〜#12を示すデータが判定値に対応して設定されている。そして、ステップS79に移行する。
ステップS63で大当りとすることに決定した場合には、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS71)。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS72)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて大当り図柄(例えば、奇数図柄のいずれか)を決定する(ステップS73)。CPU56は、決定した停止図柄をRAM55における停止図柄記憶領域に記憶する(ステップS74)。そして、ステップS75に移行する。
ステップS75では、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す。そして、変動パターンを決定する。そのときに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上(例えば、3以上)であれば(ステップS76)、短縮変動パターンテーブル(図11参照)から変動パターンを選択する(ステップS77)。短縮変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#5〜#8を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#6〜#8のいずれかを選択する。また、大当りフラグがセットされていない場合には、短縮変動パターンテーブルから変動パターン#5を選択する。
なお、ステップS76の判断において、例えば3以上か否か判断するのは、ステップS56の処理で既に合算保留記憶数カウンタの値が−1されているからである。つまり、合算保留記憶数カウンタの値が4(第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限数はそれぞれ4である場合。つまり合算保留記憶数カウンタの上限値が8である場合。)以上であるときに開始される可変表示について短縮変動パターンテーブルを使用したいからである。合算保留記憶数カウンタの値が4(上限値は8である場合)以上であるときに短縮変動パターンテーブルを使用したい理由は以下のようである。つまり、第1保留記憶数が4(上限数)である場合に第1特別図柄の変動時間を短縮し、かつ、第2保留記憶数が4(上限数)である場合に第2特別図柄の変動時間を短縮するようにした場合に、例えば、第1保留記憶数が2であり、第2保留記憶数が3であるときには、変動時間は短縮されない。しかし、合算保留記憶表示部18cに表示される合算保留記憶数は5になっている。そのときに、変動時間は短縮されないので、不審感を抱く遊技者が出る可能性がある。そこで、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるときに開始される特別図柄の変動については、変動時間を短縮する。
合算保留記憶数カウンタの値が所定値未満であれば(ステップS76)、通常変動パターンテーブル(図11参照)から変動パターンを選択する(ステップS78)。通常変動パターンテーブルとは、ROM54に記憶されているテーブルであり、変動パターン#1〜#4を示すデータが判定値に対応して設定されている。なお、大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、通常変動パターンテーブルから変動パターン#2〜#4のいずれかを選択する。また、大当りフラグがセットされていない場合には、通常変動パターンテーブルから変動パターン#1を選択する。
なお、ステップS76において、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を確認するのではなく、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の所定番目(例えば3つ目)の領域に「第1」または「第2」を示すデータ(例えば、01(H)または02(H))がセットされているか否かを確認するようにしてもよい。そして、セットされていればステップS77に移行し、セットされていなければステップS78に移行するようにしてもよい。また、例えば、合算保留記憶数カウンタを用いた合算保留記憶数の管理を行わない場合には、CPU56は、ステップS76において、第1保留記憶数カウンタの値と第2保留記憶数カウンタの値との合計値を算出し、算出した合計値が所定値以上(例えば、3以上)であるか否かを確認するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、決定した変動パターンを示すデータをRAM55における変動パターン記憶領域に記憶する(ステップS79)。そして、変動パターンコマンド送信要求フラグをセットする(ステップS80)。
なお、大当りとすることに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(大当り時短縮変動パターンテーブルおよび大当り時通常変動パターンテーブル)と、大当りとしないことに決定されている場合に使用する変動パターンテーブル(はずれ時短縮変動パターンテーブルおよびはずれ時通常変動パターンテーブル)とを別にして、CPU56は、大当りとすることに決定しているか否かによって、異なるテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、大当りとしないことに決定するとともにリーチ演出を実行すると決定した場合に使用する変動パターンテーブルについても、通常用のリーチ変動パターンテーブルと短縮変動用のリーチ変動パターンテーブルとを用意してもよい。この場合、例えば、ステップS67O,S67Qでリーチ演出を実行すると決定した場合には、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であるか否かを確認してもよい。そして、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上あれば、短縮変動用のリーチ変動パターンテーブルから変動パターンを選択するようにし、合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、通常用のリーチ変動パターンテーブルから変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する(ステップS81)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値を設定する(ステップS82)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態決定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS83)。
なお、この実施の形態では、合算保留記憶数が所定値以上であるか否かのみにもとづいて短縮変動の変動パターンを選択する場合を示すが、合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)とゲート通過記憶数(ゲート32を通過した入賞球数)とにもとづいて、特別図柄の変動時間(飾り図柄および演出図柄の変動時間も同じ)を選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数とゲート通過記憶数とにもとづいて特別図柄の変動時間を決定する場合、例えば、普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)が0個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜4個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」とし、特別図柄の合算保留記憶数が5〜8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が1個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜4個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」とし、特別図柄の合算保留記憶数が5,6個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」とし、特別図柄の合算保留記憶数が7,8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が2個の場合に、特別図柄の合算保留記憶数が0〜3個のときは特別図柄の変動時間の種類を「中」とし、特別図柄の合算保留記憶数が4〜8個のときは特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。また、普通図柄の保留記憶数が3,4個の場合には、特別図柄の合算保留記憶数が0〜8個のいずれのときでも特別図柄の変動時間の種類を「短」としてもよい。
ここで、例えば、変動時間「長」を、各変動パターン1〜12の基本の変動時間とし、変動時間「中」を、各変動パターン1〜12の基本の変動時間から一律2000ms短縮された変動時間とし、変動時間「短」を、各変動パターン1〜12の基本の変動時間から一律4000ms短縮された変動時間としてもよい。
上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)と普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が5個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個から4個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から4個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)よりも、特別図柄の変動時間を短くすることができる。逆に言えば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から4個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が5個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個から4個のとき)よりも、特別図柄の変動時間を長くすることができる。
すなわち、上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が多くなればなるほど特別図柄の変動時間が短くなり、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が少なくなればなるほど特別図柄の変動時間が長くなるように、特別図柄の変動時間の種類を設定することができる。
また、合算保留記憶数(または第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)とゲート通過記憶数とにもとづいて、普通図柄の変動時間も選択するようにしてもよい。
合算保留記憶数とゲート通過記憶数とにもとづいて普通図柄の変動時間を決定する場合、例えば、特別図柄の合算保留記憶数が0個から2個の場合に、普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)が0,1個のときは普通図柄の変動時間の種類を「短」とし、普通図柄の保留記憶数が2個のときは普通図柄の変動時間の種類を「中」とし、普通図柄の保留記憶数が3個のときは普通図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。また、特別図柄の合算保留記憶数が3個から5個の場合に、普通図柄の保留記憶数が0,1個のときは普通図柄の変動時間の種類を「中」とし、普通図柄の保留記憶数が2,3個のときは特別図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。また、特別図柄の合算保留記憶数が6個から8個の場合には、普通図柄の保留記憶数が0〜3個のいずれのときでも普通図柄の変動時間の種類を「長」としてもよい。この場合、例えば、変動時間「長」を20秒とし、変動時間「中」を10秒とし、変動時間「短」を1秒としてもよい。
上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数(ゲート通過記憶数)のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が4個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個または3個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から3個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)よりも、普通図柄の変動時間を長くすることができる。逆に言えば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれも少ないとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が0個から3個で、普通図柄の保留記憶数が0個または1個のとき)は、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数のいずれかが多いとき(例えば特別図柄の合算保留記憶数が4個から8個のとき、普通図柄の保留記憶数が2個または3個のとき)よりも、普通図柄の変動時間を短くすることができる。
すなわち、上記のように構成すれば、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が多くなればなるほど普通図柄の変動時間が長くなり、特別図柄の合算保留記憶数と普通図柄の保留記憶数が少なくなればなるほど普通図柄の変動時間が短くなるように、普通図柄の変動時間の種類を設定することができる。
図30は、第1特別図柄プロセス処理における第1遊技状態決定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1遊技状態決定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS101)。大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ指定の演出図柄指定コマンド(図14に示す演出図柄1指定コマンド)を示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(ステップS106)、ステップS107に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、乱数バッファ領域から遊技状態決定用乱数(ランダム8)を読み出し(ステップS102)、ランダム8の値にもとづいて、大当りの種類(突然確変またはそうではない大当り)と大当り遊技後の遊技状態とを決定する(ステップS103)。そして、突然確変にするか否かと大当り遊技後の遊技状態とに応じた演出図柄指定コマンドを決定し(ステップS104)、決定した演出図柄指定コマンドを示すデータを演出図柄種類格納領域に格納し(ステップS105)、ステップS107に移行する。
なお、この実施の形態では、大当り図柄決定用乱数(ランダム3)の値にもとづいて停止図柄とする大当り図柄を決定し(図26のステップS72,S73参照)、その後、ステップS103で遊技状態決定用乱数(ランダム8)に値にもとづいて大当りの種類や遊技状態を決定するが、1つの乱数を用いて、大当りの種類や遊技状態と大当り図柄とを決定するようにしてもよい。
図31は、突然確変にするか否かおよび大当り遊技後の遊技状態と、演出図柄指定コマンドとの対応を示す説明図である。CPU56は、そのときの遊技状態(図31の最左欄に対応)に応じて、また、ランダム8の値に応じて、「ランダム8に基づく判定結果」として記載されているように、大当りの種類と大当り遊技後の遊技状態とを決定し、図31に示されているような決定結果に対応する演出図柄指定コマンドを決定する。
なお、図31において、「大当り遊技終了後の背景」として記載されていることは、演出図柄指定コマンドを受信した演出制御用マイクロコンピュータ100が、制御する背景モードを示す。また。(*)が付されている背景モードについては、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9における背景をそのように制御するが、実は、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御では、遊技状態は、高確率・高ベースモードであることを示す。つまり、実際の遊技状態と、遊技者に把握させたい遊技状態が異なっている。このような制御は、遊技のバリエーションを増やすために行われている。
また、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)である。遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である。それぞれの背景モードでは、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景が演出表示装置9に表示される。例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。なお、このような区分けは一例であり、遊技者に遊技状態を予測可能であるような背景演出であれば、どのような背景演出を行ってもよい。さらに、各背景モードにおいて、異なるキャラクタを演出表示装置9に表示するようにしてもよい。また、復活モードであるときに、高確率状態であることを示唆するような演出を行ってもよい。例えば、図31において(*)が付されている背景モードにおいて、高確率状態であることを示唆する所定の予告キャラクタを演出表示装置9に表示する。
遊技状態が高確率高ベース状態であるときに、ランダム8に基づく判定結果が、15R大当り(大当り遊技後、高確率・高ベース状態)であったときと、15R大当り(大当り遊技後、低確率・高ベース状態)であったときとで、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出図柄指定コマンドを別にしてもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高確率低ベース状態であるときと低確率低ベース状態であるときとで、演出(例えば、演出表示装置9における背景画面)を同じにしてもよい。例えば、大当り遊技後に潜伏モードに移行し、所定条件(例えば、可変表示毎に演出上の転落抽選(例えば、乱数を用いた抽選により背景モードを遊技者にとってより有利でないモードに移行させるか否かの抽選)を行う場合で転落することに決定したしたときや、所定の変動パターンコマンドを受信したとき等)が成立したときに、所定の確率で通常モードに移行する。演出制御用マイクロコンピュータ100は受信した演出図柄指定コマンドを記憶しているが、大当り遊技となるときに受信した演出図柄指定コマンドが低確率状態を示しているときには、高確率状態を示している場合に比べて、高い割合で通常モードに移行する。
ステップS107では、CPU56は、演出図柄指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1保留記憶数送信処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS108)。
図32は、第1特別図柄プロセス処理における第1保留記憶数送信処理(ステップS303)を示すフローチャートである。第1保留記憶数送信処理において、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS109)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS110)。
図33は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS123)。
図34は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄停止処理において、CPU56は、例えばステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして第1特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器8aに停止図柄(表示結果)を導出表示する制御を行う(ステップS131)。また、図柄確定指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS132)。そして、第1変動中フラグをリセットする(ステップS133)。
さらに、大当りフラグがセットされていたら(ステップS134)、大当り開始指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS135)。ステップS135では、突然確変大当りとすることに決定されている場合には、大当り開始2指定コマンド送信要求フラグをセットし、突然確変大当りとすることに決定されていない場合には、大当り開始1指定コマンド送信要求フラグをセットする。そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(15R大当りが発生したことを例えば演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定し(ステップS136)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS306)に対応した値に更新する(ステップS137)。なお、第1大当り表示処理では、CPU56は、第1大当り表示時間タイマがタイムアウトしたら、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する。
ここで、大当り遊技中の遊技状態を低確率低ベース状態に制御する場合には、大当り遊技が開始される前(例えば、ステップS137の処理を実行する前)に、高ベース状態フラグをリセットしたり、確変フラグをリセットするように制御してもよい。そのように制御すれば、高ベース状態および高確率状態において可変入賞球装置15の開放回数が増やされたり開放時間が延長される場合に、大当り遊技中に出玉率が極端に高くなってしまうことが防止される。なお、そのように制御する場合には、ステップS143,S144の処理(図35参照)で、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄6指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをセットする。また、大当り遊技が開始される前に、常に、高ベース状態フラグや確変フラグをリセットするように制御してもよい。
大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS138)。
図35は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り終了処理(ステップS309)の処理を示すフローチャートである。第1大当り終了処理において、CPU56は、大当りフラグをリセットし(ステップS141)、大当り終了指定コマンド送信要求フラグをセットする(ステップS142)。そして、変動開始時に、演出図柄4指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットする(ステップS143,S144、図14,図31参照)。なお、高ベース状態フラグがセットされていないときには、遊技状態は低ベース状態である。また、どの演出図柄指定コマンドを送信したのかは、演出図柄種類格納領域に格納されているデータで判別される。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄7指定コマンドを送信していたら、高ベース状態フラグをリセットする(ステップS145,S146)。
さらに、CPU56は、変動開始時に、演出図柄2指定コマンド、演出図柄4指定コマンド、演出図柄5指定コマンド、演出図柄7指定コマンドまたは演出図柄8指定コマンドを送信していたら、遊技状態が高確率状態であることを示す確変フラグをセットする(ステップS147,S148)。また、CPU56は、変動開始時に、演出図柄3指定コマンドまたは演出図柄6指定コマンドを送信していたら、確変フラグをリセットする(ステップS149,S150)。なお、確変フラグがセットされていないときには、遊技状態は低確率状態である。
その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS151)。
なお、CPU56は、遊技状態が低確率・高ベース状態であるときには、表示結果がはずれとなる可変表示の開始時に所定のカウンタの値を+1し、そのカウンタのカウント値が所定値(例えば、100)になったら、高ベース状態フラグをリセットして、遊技状態を低確率・低ベース状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、高ベース終了・低確指定の演出図柄コマンド(図14では図示せず)が演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。また、次の可変表示開始時に、低ベース状態背景指定コマンドを送信してもよい。また、演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示回数をカウントして独自に背景モードを切り替えてもよい。
図36は、第2特別図柄プロセス処理における第2特別図柄通常処理を示すフローチャートである。第2特別図柄通常処理において、CPU56は、第2保留記憶数の値を確認する(ステップS501B)。具体的には、第2保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。
第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS502B)。具体的には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。第1保留記憶数が0であれば、ステップS504B以降の処理を行う。第1保留記憶数が0でなければ、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503B)。そして、高ベース状態フラグがセットされていなければ、CPU56は、そのまま処理を終了する。
ステップS502Bで第1保留記憶数が0でない(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数とがともに0でない)ということは、第1始動条件と第2始動条件とがともに同時に成立していることを意味する。この場合、CPU56は、遊技状態が低ベース状態である場合には、ステップS504以降の処理を実行しないようにし、第2特別図柄の変動表示を開始しないようにする。そのようにすることによって、遊技状態が低ベース状態である場合には、第2特別図柄の変動表示に優先して、第1特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。また、遊技状態が高ベース状態である場合には、第1特別図柄の変動表示に優先して、第2特別図柄の変動表示が実行されるように制御される。
ステップS502Bで第1保留記憶数が0である場合、またはステップS503Bで高ベース状態フラグがセットされている場合には、CPU56は、RAM55の第2保留記憶数バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS504B)。そして、保留特定領域の内容を1つシフトする。図23(A)に示された例では、左にシフトする(ステップS505B)。
次いで、第2保留記憶数の値を1減らし(第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS506B)。すなわち、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第2保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第2保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS507B)、第2変動中フラグをセットする(ステップS508B)。
さらに、背景指定コマンド送信要求フラグをセットし(ステップS509B)、第2特別図柄プロセスフラグの値を第2変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS510B)。なお、ステップS509Bにおいて、遊技状態が低ベース状態であれば、低ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットし、遊技状態が高ベース状態であれば、高ベース状態背景指定コマンド送信要求フラグをセットする。遊技状態は、内部フラグ(高ベース状態フラグ)によって確認される。
図37は、遊技制御用マイクロコンピュータにおける遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図37に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ14aおよび第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図38は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図39は、図38に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図39に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図2に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図2では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図40は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図40に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図41は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図37に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図42は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、CPU56は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、8つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
CPU56は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、CPU56は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図43は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図44に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図37参照)。
図45は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS1351)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS1352)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS1353)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS1354)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS1355)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS1356)。
ステップS1355における演算結果が0でなければ、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS1362に移行する(ステップS1361)。ステップS1355における演算結果が0であれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS1359)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS1354に戻る(ステップS1360)。また、ステップS1361において、ステップS1355における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS1359に移行する。
ステップS1362では、CPU56は、ステップS1355の処理で使用されたスイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であったか否か確認する。すなわち、ステップS1361でカウントスイッチ23がオンしたことが確認されたか否か(検査対象のスイッチがカウントスイッチ23であったか否か)確認する。スイッチ入力ビット判定値がカウントスイッチ入力ビット判定値であった場合には、ステップS1363に移行する。スイッチ入力ビットがカウントスイッチ入力ビット判定値でない場合には、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS1364)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS1365)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS357,S358)。
ステップS1363では、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7以上であるか否か確認する。特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、第1特別図柄プロセス処理または第2特別図柄プロセス処理において、ステップS307の第1大入賞口開放前処理または第2大入賞口開放前処理以後の処理が実行されていることを意味する。すなわち、大当り遊技中であることを意味する。なお、ここでは、大当り遊技中は、大当り表示が開始されてから大当り終了処理が終了するまでの期間とする。つまり、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であるということは、遊技制御が正常に実行されている場合において、大入賞口が開放される制御がなされる可能性がある状態であることを示す。
CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であれば、ステップS1364に移行する。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづいて総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行する。しかし、特別図柄プロセスフラグの値が7未満であれば、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行せずに、ステップS1359に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態は、大当り遊技は実行されず、大入賞口を開放する制御は実行されない状態である。そのような状態においてカウントスイッチ23がオンしたことが検出されたということは、大入賞口に異常入賞が生じたこと、またはカウントスイッチ23からの検出信号に長期間(4msを越える)に亘るノイズが乗ったことを意味する。そこで、特別図柄プロセスフラグの値が7未満である状態でカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合には、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする。
なお、ここでは、CPU56が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するようにしたが、実際に大入賞口を開放していないときにカウントスイッチ23がオンしたことが検出された場合に、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにしてもよい。しかし、この実施の形態のように、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて異常入賞が生じたか否か判定するように構成する場合には、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理が簡素化される。大入賞口は複数ラウンドに亘って開放されたり閉鎖されたりされるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定すると、処理が複雑化する。
また、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間にはある程度の距離があるので、実際に大入賞口を開放する制御を行っているのかいないのか判断して異常入賞が生じたか否か判定する場合には、大入賞口を閉鎖する制御を行ってから、閉鎖直前に大入賞口に入賞した可能性がある遊技球を考慮する必要がある。すなわち、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮しなければならない。つまり、実際に大入賞口を閉鎖する制御を行ってからある程度の期間をおいてから、異常入賞が生じたか否かの判定を開始する必要がある。そのことからも、処理が複雑化する。
しかし、この実施の形態のように、大当り終了処理が終了してから、大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するように構成されている場合には、大入賞口の入口からカウントスイッチ23の設置位置までの間を遊技球が流れる時間を考慮する必要はない。大入賞口が閉鎖されてから、大当り終了処理の処理期間中に、閉鎖直前に大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23の設置位置まで到達しているからである。なお、この実施の形態では、大当り終了処理の処理期間、すなわち演出表示装置9において大当り終了表示がなされている期間は、大入賞口に入賞した遊技球がカウントスイッチ23の設置位置に到達するまでの時間よりも長く設定されている。
図46は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、CPU56は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS1371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS1372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS1373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS1374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS1375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS1376)。
ステップS1376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる。また、ステップS1375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図40参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS1377)。
次いで、CPU56は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS1378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS1379,S1380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS1381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS1382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように払出装置97を駆動する。
図47は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、CPU56は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS581)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図5におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS585に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS582)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS583,S584)。
次いで、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグ)の値が7以上であるか否か確認する(ステップS585)。特別図柄プロセスフラグの値が7以上である状態は、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞が生じたことの確認を行わない。すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が7以上であれば、異常入賞報知処理を終了する。
特別図柄プロセスフラグの値が7未満(大当り遊技が行われていない状態)であれば、CPU56は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS586)。そして、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図44参照)との論理積をとる(ステップS587)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞報知指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS588,S589)。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知指定コマンドが送信される。また、ステップS581〜S583の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図48は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行う(ステップS707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS708)。また、予告決定用乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する予告用乱数更新処理を実行する(ステップS709)。さらに、演出表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS710)。その後、ステップS702に移行する。
図49は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14参照)であるのか解析する。
図50〜図52は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが背景指定コマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その背景指定コマンドを、RAMに形成されている背景指定コマンド格納領域に格納する(ステップS617)。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU101は、その変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS619)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)がセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS622,S623)。また、第1図柄変動要求フラグをセットする(ステップS624)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、ステップS623の処理を実行せず、第1図柄変動要求フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、飾り図柄変動中フラグがセットされていたら、飾り図柄停止要求フラグをセットする(ステップS627,S628)。また、第2図柄変動要求フラグをセットする(ステップS629)。飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、ステップS628の処理を実行せず、第2図柄変動要求フラグをセットする(ステップS629)。
飾り図柄変動中フラグ(第1飾り図柄変動中フラグまたは第2飾り図柄変動中フラグ)は、第1飾り図柄の変動中および第2飾り図柄の変動中にセットされている。また、飾り図柄停止要求フラグは演出図柄および飾り図柄の変動停止を要求するためのフラグであり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、後述する演出制御プロセス処理において、飾り図柄停止要求フラグがセットされていたら演出図柄および飾り図柄の変動を停止させる制御を行う。
第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドは、特別図柄および飾り図柄の可変表示(変動)を開始するときに送信される演出制御コマンドである。また、この実施の形態では、可変表示が行われていないことを条件として新たな可変表示が開始される。従って、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときには、飾り図柄の可変表示は行われていないはずであり、飾り図柄変動中フラグはセットされていないはずである。第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したときに飾り図柄変動中フラグがセットされているということは、前回の可変表示について、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100において図柄確定指定コマンドが正常に受信されなかったために可変表示を終了させる制御が実行されていないことが考えられる。なお、他の要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていないことも考えられる。何らかの要因によって可変表示を終了させる制御が実行されていない場合でも、ステップS622,S623およびステップS627,S628の処理によって、確実に可変表示を終了させることができる。また、基板間でのノイズ等に起因して図柄確定指定コマンドが演出制御手段に正しく伝達されなかったときには図柄の可変表示を終了させることができないため、そのときに保留記憶数が0でない場合には、保留記憶にもとづいて新たな可変表示を開始すべきであるにも関わらず可変表示が開始されないことになり、遊技者に不利益がもたらされる可能性があるが、この実施の形態では、そのような可能性を低減することができる。
受信した演出制御コマンドが演出図柄指定コマンドであれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、その演出図柄指定コマンドを、RAMに形成されている演出図柄指定コマンド格納領域に格納する(ステップS632)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS635)、演出制御用CPU101は、その合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)を合算保留記憶数保存領域に格納する(ステップS636)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS637)、演出制御用CPU101は、第1始動入賞フラグをセットする(ステップS638)。受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS639)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞フラグをセットする(ステップS640)。受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(ステップS654)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(ステップS655)。低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している)には、演出表示装置9における背景色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行い、また、演出表示装置9において客待ちデモンストレーション演出を開始させる制御を行う(ステップS656)。なお、高ベース状態モードの背景色は、例えば、低ベース状態モードの背景色に比べて目立つ色調(例えば、明るいとか原色が多い)である。また、客待ちデモンストレーション演出が実行されていないときには、上記のように、遊技状態が低ベース状態であるときには、背景モードは、通常モードまたは高確低ベースモード(潜伏モード)であり、遊技状態が高ベース状態であるときには、背景モードは、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)であるが、例えば、活躍モードでは、演出表示装置9における背景は最も明るい色調の背景であり、復活モードでは、活躍モードよりは暗いが潜伏モードよりは明るい色調の背景である。通常モードでは、最も暗い色調の背景である。
また、演出表示装置9の表示状態はVDP109によって制御されるので、演出制御用CPU101が演出表示装置9の表示に関して「制御を行う」とは、具体的には、演出制御用CPU101が、VDP109に対して、演出表示装置9の表示状態をそのようにすることの指令を出力することである。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に初期画面を表示する制御を行う(ステップS661A)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS661B)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS661C)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用CPU101は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常報知指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS662)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS663)。また、停電復旧フラグをセットする(ステップS664)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS665)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS666)。受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドであれば(ステップS671)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをセットする(ステップS672)。受信した演出制御コマンドが異常入賞報知指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS674)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS675)。
図53は、飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。そして、図53に示すように、所定時間(例えば、0.5秒)毎に交互に点灯する。特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、大当りを想起させる飾り図柄の表示結果として、上側のLEDが点灯している状態にする(図53(A)参照)。また、特別図柄の表示結果をはずれ図柄にする場合には、はずれを想起させる飾り図柄の表示結果として、下側のLEDが点灯している状態にする(図53(B)参照)。
図54は、演出図柄の可変表示の態様の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御装置9の演出図柄表示領域91は、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に対応して、演出図柄を可変表示可能な複数の可変表示部を含む。図54(A)に示すように、この実施の形態において、演出表示装置9の演出図柄表示領域91は、略正方形に構成されており、演出図柄を可変表示可能な略正方形の9つの可変表示領域(可変表示部)91A〜91Iを含む。また、演出図柄表示領域91は、略正方形の一方の対角線の方向が上下方向となり、他の一方の対角線の方向が左右方向となる向きに配置されている。また、図54(A)に示すように、各可変表示91A〜91Iにおいて、それぞれ個別に演出図柄の変動表示が行われる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、右上から左下方向の上段、中段もしくは下段、または左上から右下方向の上段、中段もしくは下段のいずれかのラインにおいて、左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、リーチ態様となる。例えば、図54(B)に示すように、右上から左下方向の中段のラインにおいて、左右の可変表示領域91D,91Fの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。また、例えば、図54(C)に示すように、左上から右下方向の上段のラインにおいて、左右の可変表示領域91I,91Cの演出図柄が同じ図柄(例えば7)で揃った状態で停止表示した場合、リーチ態様となる。
また、この実施の形態では、演出図柄表示領域91において、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて左右の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて上下の可変表示領域の演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合(中の可変表示領域は継続変動している状態)にも、リーチ態様となる。例えば、図54(D)に示すように、略正方形の左右の対角線方向のラインにおいて、左右の可変表示領域91G,91Cの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。また、同様に、略正方形の上下の対角線方向のラインにおいて、上下の可変表示領域91I,91Aの演出図柄が同じ図柄で揃った状態で停止した場合、リーチ態様となる。
図55は、合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。図55(A),(B)に示すように、合算保留記憶表示部18cには、合算保留記憶数に応じた数の丸印(最大8個)が表示される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、VDP109に、第1保留記憶と第2保留記憶とを区別可能に丸印を表示させる。例えば、第1保留記憶に対応する丸印を赤色で表示させ、第2保留記憶に対応する丸印を緑色で表示させる。
図55(C)には、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図55(C)に示すように、停電復旧時には、合算保留記憶数に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示される。図55(D)には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例が示されている。図55(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、青色の丸印が合算保留記憶表示部18cに表示される。
図55(C)に示すように、停電復旧時には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶(第1始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶(第2始動入賞記憶)に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、合算保留記憶数指定コマンドで指定された数の表示(この例では、星印)を、合算保留記憶表示部18cに表示させる。よって、合算保留記憶表示部18cの表示を利用して、遊技状態が復帰したことを容易に把握させることができるようになる。なお、停電復旧時の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の形状を変えることに限られない。例えば、形状を変えずに色を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、図55(D)に示すように、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、本来の第1保留記憶に対応する表示(この例では、赤色の丸印の表示)および第2保留記憶に対応する表示(この例では、緑色の丸印の表示)とは異なる態様で、増加した保留記憶に対応する画像を表示させる。従って、演出制御コマンド(この例では、始動入賞指定コマンド)の送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
なお、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示態様は、本来の第1保留記憶に対応する表示の態様および第2保留記憶に対応する表示の態様と異なるのであれば、この実施の形態のように表示される画像の色を変えることに限られない。例えば、色を変えずに形状(例えば、星印)を変えるようにしたり、大きさを変えるようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のうち、あらかじめ定めたいずれか一方の色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、合算保留記憶表示部18cに常に赤色の丸印を表示してもよいし、常に緑色の丸印を表示してもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかをランダムに決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、乱数を用いた抽選処理により赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定して、合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に、第1保留記憶数が上限値(4)である場合には、第2始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。逆に、例えば、第2保留記憶数が上限値(4)である場合には、第1始動入賞指定コマンドを受信するはずであるから、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、第1保留記憶数や第2保留記憶数が上限値でなくても、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、少ない方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数(例えば2)が第2保留記憶数(例えば3)より少なければ、赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。また、逆に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とのいずれが多いかを判定し、多い方の保留記憶に対応する色の丸印を表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、合算保留記憶数にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、合算保留記憶数が多いということは、可変入賞球装置15が開状態となり第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、合算保留記憶数が所定値(例えば4)以上であるか否かを判断し、所定値以上であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、所定値未満であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
また、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合、遊技状態にもとづいて赤色または緑色の丸印のいずれを表示するかを決定してもよい。例えば、遊技状態が高ベース状態になっているということは、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められ第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態(トータルで第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞がしやすい状態)になっていることが多い。この場合、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断し、高ベース状態であれば緑色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにし、低ベース状態であれば赤色の丸印を合算保留記憶表示部18cに表示するようにしてもよい。
図56は、停電復旧指定コマンドを受信した場合の演出表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。図56に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、停電復旧指定コマンドを受信すると、演出表示装置9の演出図柄表示領域91に、遊技状態が復旧して、停電前の遊技状態から遊技を続行できることを報知するための表示を行う。この実施の形態では、停電復旧時に合算保留記憶表示部18cにおける表示態様が所定の態様(この例では、星印)に変更されるが、遊技状態が復帰されることの報知(停電前の遊技状態から遊技を続行できることの報知)が同時になされることによって、合算保留記憶表示部18cの表示態様の変更に対して不審感を抱く遊技者が現れることを防止できる。
図57は、異常入賞報知指定コマンドを受信した場合の演出表示装置9の表示状態の例を示す説明図である。図57に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9の演出図柄表示領域91に、大入賞口への異常入賞が発生したことを報知するための表示を行う。
図58は、図48に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
予告選択処理(ステップS801):演出表示装置9において、大当りの発生を遊技者に予告報知するための予告演出処理を実行するか否か決定し、予告演出処理を実行することに決定した場合には、予告種類を決定する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS802):演出図柄および飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS803):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS804):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したら、特別図柄および飾り図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS806):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
大当り終了処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図59は、図58に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否を確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。
また、低ベース状態背景指定コマンドを受信している場合には(ステップS813)、演出表示装置9における背景の色を低ベース状態モードの背景色にする制御を行う(ステップS814)。また、低ベース状態背景指定コマンドを受信していない場合(高ベース状態背景指定コマンドを受信している場合)には、演出表示装置9における背景の色を高ベース状態モードの背景色にする制御を行う(ステップS815)。
そして、演出制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS816)。
図60は、図58に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS801)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータにもとづいて、受信した変動パターンコマンドが、変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8,#9〜#12(リーチ演出を伴う変動パターン)のいずれかであるか否か確認する(ステップS821)。変動パターン#2,#3,#4,#6,#7,#8,#9〜#12のいずれかであれば、予告選択用乱数を抽出する(ステップS822A)とともに、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(例えば5以上)であるか否かを確認する(ステップS822B)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上であれば、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するか否かを決定するための予告決定用テーブルとして、第1予告決定用テーブル(図61(A)参照)を選択する(ステップS822C)。合算保留記憶数カウンタの値が所定値以上でなければ、演出制御用CPU101は、第2予告決定用テーブル(図61(B)参照)を選択する(ステップS822D)。
次いで、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数および選択した予告決定用テーブルにもとづいて、予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS823)。
図62は、予告演出の発生確率を示す説明図である。この実施の形態では、図61に示す予告決定用テーブルを用いて、図62に示す確率で予告演出を実行するか否かが決定される。図62に示すように、この実施の形態では、合算保留記憶数が所定値(例えば5)以上であれば5パーセントの確率で予告演出を実行すると決定され、所定値以上でなければ22パーセントの確率で予告演出を実行すると決定される。したがって、この実施の形態では、図62に示すように、合算保留記憶数(すなわち、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数)が多いときには、予告演出を実行する頻度を低減している。
予告演出を行うことに決定した場合には、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS824,S825)。第1図柄変動要求フラグは、第1図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされるフラグである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の変動を開始するときに第1図柄変動指定コマンドを送信する。また、第2特別図柄の変動を開始するときに第2図柄変動指定コマンドを送信する。
演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、予告演出Aまたは予告演出Bを実行することに決定する(ステップS826)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(すなわち、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合)には、予告演出Cまたは予告演出Dを実行することに決定する(ステップS827)。
予告演出A、予告演出B、予告演出Cおよび予告演出Dの演出態様はそれぞれ異なる。例えば、予告演出を開始する時期が異なっていたり、予告演出において演出表示装置9に表示されるキャラクタが異なっていたりする。演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合と、第2図柄変動要求フラグがセットされている場合とで、予告演出の態様を異ならせる。つまり、演出制御用CPU101は、演出用部品としての演出表示装置9において、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄の可変表示を行う可変表示手段(第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することになる。第1特別図柄の可変表示が行われるときと第2特別図柄の可変表示が行われるときとで予告演出態様が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS828)。
図63は、図58に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS831)。次いで、第1図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS832)。第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS833)、第1飾り図柄の変動を開始させることを示す第1飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS834A)とともに、第1保留記憶数を1減算することを示す第1保留記憶数減算フラグをセットする(ステップS834B)。そして、点灯LEDの切替タイミングを決めるための飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS835)。その後、ステップS841に移行する。
第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている場合に相当)には、第2図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS837)、第2飾り図柄の変動を開始させることを示す第2飾り図柄変動要求フラグをセットする(ステップS838)。そして、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を設定する(ステップS839)。その後、ステップS841に移行する。
ステップS841では、演出図柄指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した演出図柄指定コマンド)に応じて演出図柄および飾り図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS841)。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納し、決定した飾り図柄の表示結果を示すデータを飾り図柄表示結果格納領域に格納する。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド(図14参照)であれば、演出制御用CPU101は、表示結果をはずれを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、はずれを想起させるような表示結果とは、いずれの方向のライン(3図柄の並び、図1参照)においても3つの図柄が揃った状態にならないような表示結果である。
受信した演出図柄指定コマンドが演出図柄1指定コマンド以外の演出図柄指定コマンド(図14参照)であれば、表示結果を大当りを想起させるような表示結果に決定する。演出図柄の場合、大当りを想起させるような表示結果とは、いずれかの方向の1つ以上のラインにおいて3つの図柄が揃った状態である。演出図柄が0〜9の数字であるとすると、演出制御用CPU101は、0〜9のいずれで揃った状態にするのかを、例えば、乱数を用いた抽選によって決定する。ここで、演出図柄指定コマンドが高ベース継続指定や高確指定を示している場合には、表示結果を、複数ラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。演出図柄指定コマンドが高ベース突入指定を示している場合には、表示結果を、さらに多くのラインにおいて3つの図柄が揃った状態にすることが好ましい。
なお、この実施の形態では、変動パターンコマンドは変動パターンのみを指定する演出制御コマンドであるが、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドと、変動パターンとともに表示結果を大当りを想起させるような表示結果としないことを指定する変動パターンコマンドとを別にしてもよい。その場合、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できず、かつ、表示結果を大当りを想起させるような表示結果とすることを指定する変動パターンコマンドを受信した場合には、演出図柄の表示結果を、大当りを想起させるような表示結果のうち低ベース状態を想起させるような表示結果(例えば、1ラインにおいてのみ3つの図柄が揃った状態)にするように制御してもよい。
そして、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS842)。そして、選択したプロセスデータにおける演出実行データ1に対応したプロセスタイマをスタートさせる(ステップS843)。
次いで、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS844A,S844B)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
異常報知中フラグがセットされている場合には、音番号データ1を除くプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS844A,S844C)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、ステップS844Cの処理を行うときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、演出表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、演出図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に演出表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
そして、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(ステップS845)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS803)に対応した値にする(ステップS846)。
以上のようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのコマンドにもとづいて、演出用部品(演出表示装置9、第1飾り図柄表示器9a、第2飾り図柄表示器9b等)で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段(第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8b)に対応した演出を開始することができる。つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第1飾り図柄表示器9aで第1飾り図柄の可変表示を開始させる。また、第2特別図柄の可変表示が開始されるときには、演出表示装置9で演出図柄の可変表示を開始させるとともに、第2飾り図柄表示器9bで第2飾り図柄の可変表示を開始させる。よって、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握しやすくなる。
図64は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく演出表示装置9の制御に同期して、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。すなわち、各種ランプおよびスピーカ27は、演出表示装置9の制御に同期して制御される。
図64に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。さらに、予告演出を実行する場合に予告演出態様(予告種類)の違いに応じて異なるプロセステーブルが用意されている。すなわち、この実施の形態では、予告演出の演出態様は、選択されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータにもとづいて実現される。つまり、演出制御用CPU101は、予告演出を実行するときに、予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルの内容に従って演出制御を行う。
図65は、図58に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS851)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、ステップS857に移行する。
この実施の形態では、飾り図柄停止要求フラグは、飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したときにセットされる(図50のステップS622,S623,S627,S628参照)。飾り図柄の変動中に第1図柄変動指定コマンドまたは第2図柄変動指定コマンドを受信したということは、本来演出図柄および飾り図柄の変動を終了して表示結果を導出表示すべきであったのに何らかの要因(例えば、主基板31と演出制御基板80との間の信号線にノイズが乗って演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄確定コマンドを受信できなかった。)で演出図柄および飾り図柄の変動が継続してしまっていることを意味する。
そこで、飾り図柄停止要求フラグがセットされた場合には、直ちに演出図柄および飾り図柄の変動を停止させるために、ステップS857に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS852)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS853)。プロセスタイマがタイムアップしたら(ステップS854)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS855A)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS855B,S855C)。
異常報知中フラグがセットされている場合には、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)の内容(ただし、音番号データiを除く。)に従って演出装置の制御を実行する(ステップS855B,S855D)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、演出図柄の可変表示に応じた音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた音出力が継続される。
また、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS856)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS857)。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(ステップS858)、ステップS857に移行する。変動時間タイマがタイムアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターンコマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄および飾り図柄の変動を終了させることができる。
図66は、図58に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS804)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、飾り図柄停止要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS860)。飾り図柄停止要求フラグがセットされている場合には、飾り図柄停止要求フラグをリセットして(ステップS861)、ステップS864に移行する。
飾り図柄停止要求フラグがセットされていない場合には、確定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS862)、確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、確定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS863)、ステップS864に移行する。
なお、ステップS862の判定処理で確定コマンド受信フラグがセットされていないと確認される場合は、演出制御用CPU101が計時した変動時間が経過したが図柄確定指定コマンドを受信していない場合であって図柄確定指定コマンドを受信するまで演出図柄の変動は継続するが、そのような場合に、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動態様を、揺れ変動(各演出図柄を上下や左右に細かく変動するような態様)にしたり、演出図柄を拡大表示と縮小表示の繰り返しにしたりすることによって、変動時間は経過したがまだ確定していないことを認識可能に表示することが好ましい。
ステップS864では、演出図柄表示結果格納領域に格納されているデータ(停止図柄を示すデータ)に従って停止図柄を導出表示する制御を行う。また、飾り図柄変動終了フラグをセットする(ステップS865)。そして、大当りとする場合には、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS805)に応じた値に更新し(ステップS866,867)。そうでない場合には、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS868)。
以上の制御よって、演出制御用CPU101は、図柄確定コマンドが受信されていないと認識している状態で、飾り図柄停止要求フラグがセットされたら、図柄確定コマンドの受信/非受信に関わらず、演出図柄の可変表示(変動)を終了させ、飾り図柄変動終了フラグをセットする。後述するように、飾り図柄変動終了フラグがセットされた場合には、飾り図柄の可変表示(変動)は強制的に終了される。
図67は、図58に示された演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS805)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンドを受信したことを示すファンファーレフラグがセットされているか否か確認する(ステップS870)。ファンファーレフラグがセットされていた場合には、ファンファーレフラグをリセットし(ステップS871)、演出表示装置9に大当り遊技開始画面を表示する制御を行う(ステップS872)。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(ステップS806)に応じた値に更新する(ステップS873)。
なお、突然確変大当りにすることに決定されている場合には遊技制御用マイクロコンピュータ560は大当り開始2指定コマンドを送信するが、演出制御用CPU101は、大当り開始2指定コマンドを受信した場合には、突然確変大当りであることを報知する突然確変用画面を演出表示装置9に表示する制御を行う。
図68は、図58に示された演出制御プロセス処理における大当り終了処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンドを受信したことを示す大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS875)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS876)、演出表示装置9に大当り終了画面を表示する制御を行う(ステップS877)。
そして、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータに従って、演出表示装置9の背景画面を切り替える制御を行う(ステップS878)。背景モードは、通常モード、高確低ベースモード(潜伏モード)、高確高ベースモード(活躍モード)または低確高ベースモード(復活モード)である(図31参照)。演出制御用CPU101は、受信している演出図柄指定コマンド格納領域に保存されているデータにもとづいて、いずれの背景モードにするのかを決定する。例えば、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄4指定コマンド(図14参照)が格納されている場合には、高確高ベースモード(活躍モード)にする。なお、演出図柄指定コマンド格納領域に演出図柄指定コマンドが格納されていないとき(演出図柄指定コマンドが1回も送信されていないとき)には、背景モードは通常モードにされている。また、切替前の背景モードと切替後の背景モードとが同じである場合には、切替前の背景モードが維持されることになる。
なお、この実施の形態では、基板間でのノイズ等に起因して演出図柄指定コマンドを受信できなかった場合には、演出表示指定コマンド格納領域に格納されているデータ(前回の変動開始時に受信した演出表示指定コマンド)に従って、演出表示装置9の背景画面の制御が行われる。しかし、変動パターンコマンドを受信したときに、演出表示指定コマンド格納領域の内容を初期化する(演出図柄指定コマンドが格納されていない状態にする。)ように制御してもよい。
また、図68に例示する制御では、大当り終了画面は短時間しか表示されないことになるが、実際には、所定期間、大当り終了処理を実行する状態に維持される。その間、大当り終了画面の表示は継続される。
図69は、図58に示された演出制御メイン処理における第1飾り図柄表示制御処理を示すフローチャートである。第1飾り図柄表示制御処理において、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄変動中フラグがセットされているか否か確認する(ステップS881)。第1飾り図柄変動中フラグがセットされている場合には、ステップS885に移行する。第1飾り図柄変動中フラグがセットされていない場合には、第1飾り図柄変動要求フラグがセットされているか否か確認する(ステップS882)。第1飾り図柄変動要求フラグがセットされている場合には、第1飾り図柄変動要求フラグをリセットし(ステップS883)、第1飾り図柄変動中フラグをセットする(ステップS884)。
ステップS885では、飾り図柄変動終了フラグがセットされているか否か確認する。飾り図柄変動終了フラグは、ステップS865(図66参照)でセットされている。飾り図柄変動終了フラグがセットされている場合には、飾り図柄変動終了フラグをリセットし(ステップS886)、飾り図柄表示結果格納領域に格納されているデータに従って第1飾り図柄表示器9aに表示結果を導出表示し(ステップS891)、第1飾り図柄変動中フラグをリセットする(ステップS892)。
飾り図柄変動終了フラグがセットされていない場合には、飾り図柄切替タイマの値を−1する(ステップS887)。飾り図柄切替タイマの値が0になっていれば(ステップS888)、すなわち点灯LEDの切替タイミングになっていれば、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDを切り替え(ステップS889)、飾り図柄切替タイマに例えば0.5秒に相当する値を再設定する(ステップS890)。
以上のような制御によって、第1飾り図柄表示器9aにおいて点灯するLEDが例えば0.5秒ごとに切り替えられ、第1飾り図柄の可変表示が実現される。
なお、第2飾り図柄表示制御処理(ステップS707)のプログラムも第1飾り図柄表示制御処理と同様に構成される。すなわち、上記の第1飾り図柄表示制御処理の説明において、「第1」を「第2」と読み替えれば、第2飾り図柄表示制御処理が説明されることになる。
図70〜図72は、演出制御メイン処理における保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)が保存されている合算保留記憶数保存領域のデータが、合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているか否か確認する(ステップS901)。合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっていない場合には、ステップS941に移行する。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっているということは、新たな合算保留記憶数指定コマンドを受信したことを意味する。なお、電源投入時には、ステップS701の初期化処理によって、合算保留記憶数カウンタの値は0になっている。
合算保留記憶数保存領域のデータが合算保留記憶数カウンタの値よりも大きくなっている場合、演出制御用CPU101は、停電復旧指定コマンドを受信したことを示す停電復旧フラグがセットされているか否か確認する(ステップS902)。停電復旧フラグがセットされている場合には、停電復旧フラグをリセットし(ステップS903)、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印を、合算保留記憶表示部18cに表示させる(ステップS904)。すなわち、合算保留記憶数保存領域に保存されている個数の星印の画像を表示させる(図55(C)参照)。
また、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数保存領域のデータを、不明始動入賞記憶数カウンタに設定する(ステップS905)。不明始動入賞記憶数カウンタは、RAMに形成されたカウンタであり、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶の数を計数するためのカウンタである。以下、第1始動入賞に応じた保留記憶か第2始動入賞に応じた保留記憶か不明である保留記憶を不明保留記憶という。
さらに、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータを「不明」を示すデータにする(ステップS906)。合算保留記憶テーブルは、RAMに形成されたテーブルであり、各保留記憶が、第1始動入賞に応じた保留記憶であるのか、第2始動入賞に応じた保留記憶であるのか、不明であるのかを示すデータが設定されるテーブルである。
そして、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする(ステップS907)。
停電復旧フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第1始動入賞指定コマンドを受信したことを示す第1始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS909)。第1始動入賞フラグがセットされていれば、第1始動入賞フラグをリセットし(ステップS910)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を赤色表示するように制御する(ステップS911)。また、第1始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS912)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第1」を示すデータにする(ステップS913)。例えば、合算保留記憶数保存領域のデータが「5」であれば、合算保留記憶テーブルにおける5番目のデータを「第1」を示すデータにする。つまり、増えた保留記憶に対応したデータを「第1」を示すデータにする。
そして、第1始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS914)。「4」になっていなければ、ステップS907に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS915)。不明始動入賞カウンタの値が0であれば、ステップS907に移行する。この段階で不明始動入賞カウンタの値が0でないということは、不明始動入賞カウンタの値が示す数の不明保留記憶が、実は、第2始動入賞にもとづく保留記憶であったことを意味する。なぜなら、第1保留記憶数の上限数は4であり、第1始動入賞カウンタの値が4であるということは、他の保留記憶(4を越える数の保留記憶)は、第1始動入賞にもとづく保留記憶ではないからである。つまり、他の保留記憶は、第2始動入賞にもとづく保留記憶である。
そこで、不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第2始動入賞に応じた緑色の丸印に変更させる(ステップS916)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第2」を示すデータに変更する(ステップS917)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS918)、第2始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS919)。ステップS919では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第2始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS907に移行する。
このような制御を行うことによって、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じて不明保留記憶が生じ、合算保留記憶表示部18cに不明保留記憶に応じた表示がなされている場合に、その表示を正常な表示に戻すことができる。
第1始動入賞フラグがセットされていない場合には、第2始動入賞フラグがセットされているか否か確認する(ステップS921)。第2始動入賞フラグがセットされていない場合には、ステップS931に移行する。第2始動入賞フラグがセットされている場合には、第2始動入賞フラグをリセットし(ステップS922)、合算保留記憶表示部18cにおける丸印の表示個数を1増やし、かつ、増やした丸印を緑色表示するように制御する(ステップS923)。また、第2始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS924)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「第2」を示すデータにする(ステップS925)。
そして、第2始動入賞カウンタの値が上限値である「4」になったか否か確認する(ステップS926)。「4」になっていなければ、ステップS935に移行する。「4」になっている場合には、不明始動入賞カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS927)。不明始動入賞カウンタの値が0である場合には、ステップS935に移行する。不明始動入賞カウンタの値が0でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cに表示されている星印を、第1始動入賞に応じた赤色の丸印に変更させる(ステップS928)。また、合算保留記憶テーブルにおける「不明」を示すデータを「第1」を示すデータに変更する(ステップS929)。さらに、不明始動入賞カウンタの値を0にし(ステップS930)、第1始動入賞カウンタの値を更新する(ステップS934)。ステップS934では、0にされる前の不明始動入賞カウンタの値を、第1始動入賞カウンタの値に加算する。そして、ステップS935に移行する。
ステップS935では、合算保留記憶数保存領域のデータを、合算保留記憶数カウンタにセットする。
ステップS931では、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、増やした表示を青色で表示するように制御する。また、不明始動入賞カウンタの値を+1し(ステップS932)、合算保留記憶テーブルにおいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じたデータを「不明」を示すデータにする(ステップS933)。そして、ステップS935に移行する。
ステップS941では、演出制御用CPU101は、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、合算保留記憶数減算指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS942)、第1保留記憶数減算フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS943A)。セットされていれば、第1保留記憶数減算フラグをリセットする(ステップS943B)とともに、第1始動入賞カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS943C)。第1始動入賞カウンタの値が0でなければ、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された赤色の丸印(第1保留記憶数に対応する表示)を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフとして表示するように制御する(ステップS943D)。また、第1始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS943E)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第1保留記憶数に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS943F)。
第1保留記憶数減算フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、第2始動入賞カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS943G)。第2始動入賞カウンタの値が0でなければ、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された緑色の丸印(第2保留記憶数に対応する表示)を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフとして表示するように制御する(ステップS943H)。また、第2始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS943I)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS943J)。
ステップS943Cで第1始動入賞カウンタの値が0である場合またはステップS943Gで第2始動入賞カウンタの値が0である場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける最も前に表示された青色の丸印(不明に対応する表示)または星印を消去し、各丸印または星印を、消去された丸印または星印の側にシフとして表示するように制御する(ステップS943K)。また、不明始動入賞カウンタの値を−1する(ステップS943L)。さらに、合算保留記憶テーブルにおける最も古い不明に対応したデータを消去し、合算保留記憶テーブルのデータをシフトする(ステップS943M)。
また、合算保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS952)、合算保留記憶数カウンタの値を合算保留記憶数保存領域にセットする(ステップS953)。
以上のような制御によって、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに赤色の丸印を1増加させ、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに緑色の丸印を1増加させる制御が実現される。また、合算保留記憶数指定コマンドを受信したが第1始動入賞指定コマンドも第2始動入賞指定コマンドも受信しなかった場合には、青色の丸印を1増加させる制御が実現される。そして、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて表示されている丸印または星印が1つ減る。
図73〜図76は、合算保留記憶テーブルに設定されるデータの例および合算保留記憶表示部18cの表示例を示す説明図である。
図73(A)は、ステップS913の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増えた場合の例を示す。図73(B)は、ステップS933の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづくのか第2始動入賞記憶にもとづくのか不明であるが保留記憶が増えた場合の例を示す。図73(C)は、ステップS913,S916の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、第1始動入賞記憶にもとづく保留記憶が増え、かつ、第1始動入賞カウンタの値が「4」になった場合の例を示す。
図74(D)は、ステップS943Fの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第1図柄変動指定コマンドを受信して第1保留記憶数減算フラグをセットしたことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第1保留記憶数に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。図74(E)は、ステップS943Jの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第2図柄変動指定コマンドを受信した(すなわち、第1保留記憶数減算フラグはセットされていない)ことにもとづいて、合算保留記憶テーブルにおける最も古い第2保留記憶数に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。
図74(F)は、ステップS943Mの処理が実行される場合の例を示す。すなわち、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信したとともに、第1図柄変動指定コマンドを受信するとともに、第2図柄変動指定コマンドを受信した(すなわち、第1保留記憶数減算フラグはセットされていない)が、第2始動入賞カウンタの値が0である(第2保留記憶数が0である)ため、合算保留記憶テーブルにおける最も古い不明に対応したデータを消去するために合算保留記憶テーブルのデータがシフトされる場合の例を示す。
図75(G)は、ステップS904,S906の処理が実行される場合の例を示す。すなわち、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したことにもとづいて、合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた数の星印が合算保留記憶表示部18cに表示され、合算保留記憶テーブルにおいて合算保留記憶数保存領域のデータ(値)に応じた個数分のデータが「不明」を示すデータに設定される場合の例を示す。
図75(H)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図75(H)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS923,S925の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図75(H)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図75(H)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第2始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図76(I)は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。図76(I)に示す例は、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信してステップS911,S913の処理が実行された場合の例である。
停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶テーブルには、図76(I)の左側に示すようなデータが設定され、合算保留記憶表示部18cには、図76(I)の左側に示すような表示がなされるが、その後、第1始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cにおいて、正規の第1始動入賞についての表示(NO5の表示)がなされる。
図76(J)は、図76(J)の左側に示す状態(図76(I)の右側に示す状態と同じ。)において、第2始動入賞指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合の例を示す。その場合、 図76(J)の右側に示すように、正規の第2始動入賞についての表示(NO6の表示)がなされる。
以上のように、停電復旧指定コマンドとともに合算保留記憶数指定コマンドが送信された後では、第1保留記憶数および第2保留記憶数を特定可能な表示を正常に行うことができる。
図77は、ステップS710の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用CPU101は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1901)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図51におけるステップS661B参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1906に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS661Cで設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1902)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら、初期報知フラグをリセットする(ステップS1903,S1904)。
さらに、演出制御用CPU101は、演出表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1905)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。
ステップS1906では、演出制御用CPU101は、異常入賞報知指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。セットされていなければ、処理を終了する。異常入賞報知指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、異常入賞報知指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1907)、演出表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1908)。VDP109は、指令に応じて、演出表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図57参照)。
さらに、演出制御用CPU101は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1909)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用CPU101は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1910)。
図78は、演出表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図78(A)には、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図78(B)には、演出表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図78(C)には、演出表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドを受信すると、演出表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。また、演出図柄の可変表示が終了しても、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とを継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、演出表示装置9における異常報知画面の表示とスピーカ27からの異常報知音の出力とは、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とが開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
また、この実施の形態では、異常報知は、演出表示装置9とスピーカ27とによってなされるが、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成してもよい。その場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、ランプ・LEDを、通常状態(異常入賞が発生していないとき)における態様とは異なる態様で点滅させるように制御する。また、ランプ・LEDも用いて異常報知を行うように構成する場合にも、変動パターンコマンドの受信に応じて演出図柄の可変表示が開始されても、ランプ・LEDを用いた異常報知を継続する。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグ(第1特別図柄プロセスフラグまたは第2特別図柄プロセスフラグ)の値が所定値(この実施の形態では7)未満のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態でないときに1個の遊技球が大入賞口に入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信したが、大当り遊技状態でないときに大入賞口に所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。さらに、大当り遊技状態でないときに、所定の時間内に、所定個(複数)の遊技球が入賞したことを検出すると、異常入賞報知指定コマンドを送信するように制御してもよい。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知指定コマンドを受信すると、上述したように、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを行う。
次に、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示が実行されるタイミングについて説明する。図79および図80は、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいて、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の変動表示が実行されるタイミングを示すタイミング図である。図79は、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。また、図80は、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を示す。
まず、遊技状態が高ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図79に示すように、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図79に示す始動入賞A)、上限値に達していないことを条件に(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS111と同様の処理)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS112と同様の処理)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501B)、第1保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(ステップS502B)。この場合、CPU56は、第2変動中フラグをセットして(ステップS508B)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行う。なお、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタの値は1減算され(第2特別図柄通常処理におけるステップS506と同様の処理)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2特別図柄の変動表示を行う際に、第2保留記憶数カウンタの値が0に戻り、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが全て消灯する。
次に、第2特別図柄の変動中に、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図79に示す始動入賞B)、上限値に達していないことを条件に(ステップS111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第2特別図柄の変動が終わらないうちに第2始動入賞口14に再び遊技球が入賞すると(図79に示す始動入賞C)、上限値に達していないことを条件に(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS111と同様の処理)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS112と同様の処理)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
第2特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(ステップS502)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503)。図79では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(ステップS503のY)、そのまま処理を終了する。すなわち、第1特別図柄の変動表示を開始することなく、第2特別図柄プロセス処理(ステップS27B)に移行する。
また、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501B)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(ステップS502B)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503B)。図79では、遊技状態が高ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていると判定し(ステップS503BのY)、第2変動中フラグをセットして(ステップS508B)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示を行う。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態に制御されていれば、第2始動入賞口14よりも先に第1始動入賞口13に遊技球が入賞している場合であっても、第1始動入賞口13への始動入賞に優先して、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、遊技状態が低ベース状態である場合に特別図柄の変動表示が実行される場合を説明する。前提として、まだ、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも遊技球が入賞しておらず、第1保留記憶数カウンタおよび第2記憶数カウンタのカウント値はいずれも0であるとする。
図80に示すように、第1始動入賞口13に遊技球が入賞すると(図80に示す始動入賞D)、上限値に達していないことを条件に(ステップS111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501)、第2保留記憶数カウンタの値が0であると判定する(ステップS502)。この場合、CPU56は、第1変動中フラグをセットして(S508)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行う。なお、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタの値は1減算され(ステップS506)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される。この場合、第1特別図柄の変動表示を行う際に、第1保留記憶数カウンタの値が0に戻り、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが全て消灯する。
次に、第1特別図柄の変動中に、第2始動入賞口14に遊技球が入賞すると(図80に示す始動入賞E)、上限値に達していないことを条件に(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS111と同様の処理)、第2保留記憶数カウンタの値が1加算され(第2始動口スイッチ通過処理におけるステップS112と同様の処理)、第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示が更新される。この場合、第2保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第2特別図柄保留記憶表示器18bを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。続いて第1特別図柄の変動が終わらないうちに第1始動入賞口13に再び遊技球が入賞すると(図80に示す始動入賞F)、上限値に達していないことを条件に(ステップS111)、第1保留記憶数カウンタの値が1加算され(ステップS112)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの表示が更新される。この場合、第1保留記憶数カウンタの値が1となり、例えば、第1特別図柄保留記憶表示器18aを構成する小型のランプまたはLEDが1つ点灯する。
第1特別図柄の変動表示が終了すると、CPU56は、第2特別図柄通常処理において、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501B)、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(ステップS502B)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503B)。図80では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(ステップS503BのN)、そのまま処理を終了する。すなわち、第2特別図柄の変動表示を開始することなく、次のタイマ割込がかかったことにもとづいて、第1特別図柄プロセス処理(ステップS27A)に移行する。
また、CPU56は、第1特別図柄通常処理において、第1保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定するとともに(ステップS501)、第2保留記憶数カウンタのカウント値が0でない(カウント値が1である)と判定する(ステップS502)。また、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS503)。図80では、遊技状態が低ベース状態に制御されている場合であるので、CPU56は、高ベース状態フラグがセットされていないと判定し(ステップS503のN)、第1変動中フラグをセットして(ステップS508)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示を行う。
以上のように、この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態に制御されていれば、第1始動入賞口13よりも先に第2始動入賞口14に遊技球が入賞している場合であっても、第2始動入賞口14への始動入賞に優先して、第1始動入賞口13への始動入賞にもとづく第1特別図柄の変動表示が実行される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれと決定した場合に演出表示装置9における演出図柄の変動表示においてリーチ演出を実行するか否かを決定する。また、合算保留記憶数が多いときには、合算保留記憶数が少ないときと比較して、少ない割合でリーチ演出を実行すると決定する。そのため、合算保留記憶数が多いときには、変動表示中にリーチ演出を実行する頻度を低減することができる。したがって、複数の可変表示手段を備えた遊技機において、可変表示の稼働率を向上させることができるとともに、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで特別図柄の変動表示を開始するのかを特定可能な図柄変動指定コマンド、変動時間を特定する変動パターンコマンド、および表示結果を特定可能な表示結果コマンドを送信する。また、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことにもとづいて、いずれの保留記憶数が増加したのかを示す始動入賞指定コマンドを送信してから、合算保留記憶数を特定可能な合算保留記憶数指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄に対応した演出を演出用部品で実行し、合算保留記憶数指定コマンドにもとづいて、合算保留記憶表示部18cに、第1保留記憶数を特定可能な赤色の丸印で表示を行わせ、第2保留記憶数を特定可能な緑色の丸印で表示を行わせる。そのため、変動時間を特定する変動パターンコマンドおよび表示結果を特定可能な表示結果コマンドを、第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に使用でき、演出制御用マイクロコンピュータ100が、図柄変動指定コマンドで特定される特別図柄表示器に対応した演出を演出用部品で開始する場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されるコマンドの種類を増やすことなく、いずれの特別図柄表示器での特別図柄の変動表示に対する保留記憶数が増加したのかを演出制御用マイクロコンピュータ100が把握できるようになる。
例えば、複数の特別図柄を用いる場合に、変動パターンを示すコマンドや表示結果を特定可能なコマンドを始めとする全てのコマンドについて、それぞれいずれの特別図柄の変動表示かが示されているようにすると、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類が多くなってしまう。
また、保留記憶数について、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、合算保留記憶数指定コマンドのみを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100が、合算保留記憶数指定コマンドの受信に応じて、合算保留記憶数を表す表示を演出表示装置9において表示するようにすると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数指定コマンドを受信した場合に、いずれの特別図柄の変動表示に対する保留記憶数が増加したのかを把握することはできない。よって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、いずれの保留記憶数が増加したのかに応じて演出内容を別にするということはできない。いずれの特別図柄の変動表示に対する保留記憶数が増加したのかを演出制御用マイクロコンピュータ100が把握できるようにするには、一方の特別図柄の変動表示の実行条件が成立したことにもとづいて送信される合算保留記憶数指定コマンドと、他方の特別図柄の変動表示の実行条件が成立したことにもとづいて送信される合算保留記憶数指定コマンドとを別にすることが考えられる。
しかし、そのように構成したのでは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される合算保留記憶数指定コマンドの種類が多くなってしまうおそれがある。一般に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のコマンド送信制御を円滑に実行するために、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるそれぞれのコマンドを示すデータがコマンドテーブルとしてROMに格納されているように構成されている。そのように構成されている場合には、例えば、合算保留記憶数の上限が8であるときには、合算保留記憶数1〜8のそれぞれに応じた種類のコマンドが定められ、双方の特別図柄表示器のそれぞれに応じた合算保留記憶数指定コマンドを送信しようとすると、16種類のコマンドが定められる。このように、合算保留記憶数指定コマンドの種類が多くなる。その結果、ROMにおけるコマンドテーブルの容量が増え、制御のためのプログラム容量が減ってしまう。
この実施の形態によれば、変動パターンコマンドおよび表示結果コマンドを第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とで共通に使用できるとともに、始動入賞指定コマンドを送信してから合算保留記憶数指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類が多くならないようにしている。
また、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを受信せずに合算保留記憶数指定コマンドを受信したときに、合算保留記憶表示部18cに、第1保留記憶数および第2保留記憶数の表示とは異なる青色の丸印で合算保留記憶数を特定可能な表示を行わせる。そのため、コマンドの送受信に関して異常が生じたことを容易に把握できるようになる。
さらに、この実施の形態によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞指定コマンドを受信できなかったとしても、合算保留記憶数指定コマンドさえ受信すれば、合算保留記憶表示部18cに、合算保留記憶数を特定可能に表示する。そのため、第1保留記憶数に対応する表示であるか第2保留記憶数に対応する表示であるかまでは特定できなくても、遊技者が少なくとも合計の保留記憶数を特定することができる。従って、保留記憶数について最低限の表示をすることができ、円滑な遊技を継続して行うことができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおいて、不明である保留記憶に応じた部分のみが、不明であることを示す青色で表示されたが(図55(D)参照)、不明始動入賞が発生した場合に、合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を、不明であることを示す青色で表示するようにしてもよい。
図81は、不明始動入賞が発生した場合に合算保留記憶表示部18cにおける全ての表示を不明であることを示すようにする場合の保留記憶表示制御処理の一部を示すフローチャートである。なお、図81に示すステップS931Aの処理以外の処理は、図70〜図72に示された第1の実施の形態における保留記憶表示制御処理と同じである。
この実施の形態では、図81に示すように、第2始動入賞フラグがセットされていない場合には(ステップS921)、合算保留記憶表示部18cにおける表示の個数を1増やし、かつ、全ての表示を青色で表示するように制御する(ステップS931A)。
図82は、この実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から合算保留記憶数指定コマンドを受信したが始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合の合算保留記憶表示部18cの表示状態の例を示す説明図である。ステップS931Aの処理によって、図82の右側に示すように、増えた保留記憶の分も含めて全ての表示が青色で表示される。すなわち、全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされる。
この実施の形態では、始動入賞指定コマンドを受信できなかった場合に全ての保留記憶に対応した表示が同じ表示態様にされるので、演出制御コマンドの送受信に関して異常が生じたことをさらに容易に把握できるようになる。
図83は、演出制御用マイクロコンピュータ100が複数種類の変動パターンから使用する変動パターンを選択するように構成されている場合の制御例を示すフローチャートである。図83に示す処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄変動開始処理において、第1図柄変動要求フラグがセットされているか第2図柄変動要求フラグがセットされているかによって(第1図柄変動指定コマンドを受信したか第2図柄変動指定コマンドを受信したかによって)、変動態様を別にする。第1特別図柄の可変表示が行われているときと第2特別図柄の可変表示が行われているときとで演出図柄の変動態様(可変表示態様)が異なることになるので、遊技者は、遊技の進行状況(いずれの特別図柄表示器における可変表示に対応する演出が行われているのか等)をより把握しやすくなる。
図84には、一例として、変動パターン#2の変動態様が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン#2を示す変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには図84(A)に例示するような変動態様に変動パターンを使用し、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには図84(B)に例示するような変動態様に変動パターンを使用する。なお、図84には、変動パターン#2の変動態様が例示されているが、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合にも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動態様を別にする。
図83に示すように、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第1図柄変動要求フラグがセットされている場合には、図84(A)に例示するような第1特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(ステップS833A)。また、第1図柄変動要求フラグがセットされていない場合(第2図柄変動要求フラグがセットされている)には、図84(B)に例示するような第2特別図柄対応変動パターンを使用することに決定する(ステップS837A)。その他の制御は、上記の実施の形態の場合と同様である。
なお、図84に示す例では、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときと第2図柄変動指定コマンドを受信しているときとで、同じ変動パターンを受信しても変動態様を変えたが、変動時間は同じである。しかし、変動時間を変えるようにしてもよい。例えば、変動パターン#2の変動パターンコマンドを受信した場合に、第1図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を10秒にし、第2図柄変動指定コマンドを受信しているときには変動時間を15秒にする。このような制御を行ってもよいことは、他の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信した場合でも同様である。
また、第1および第2の実施の形態では、受信した図柄変動指定コマンドに応じて変動パターンを選択するようにしたが、受信した図柄変動指定コマンドに関係なく、変動パターンコマンドを受信した場合に、常に、複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときに、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとのうちいずれで特別図柄の可変表示を開始するのかを特定可能な情報(第1情報とする。)が第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドで送信され、可変表示時間を特定する情報(第2情報とする。)が変動パターンコマンドで送信され、表示結果を特定可能な情報(第3情報とする。)が演出図柄指定コマンドで送信されたが、第1〜第3の情報を1つのコマンドで送信するようにしてもよい。例えば、第1特別図柄表示器8aで特別図柄の可変表示を開始するときと、第2特別図柄表示器8bで特別図柄の可変表示を開始するときとで、別々のコマンド群から、送信するコマンドを選択するようにする。それぞれのコマンド群に、変動パターンに応じたコマンドを設定する。さらに、コマンド群において、変動パターンが同じでも、表示結果の別に応じて、異なるコマンドを設定する。
また、第1および第2の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、第1および第2の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した予告演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における開始コマンド送信手段からのコマンドにもとづいて、演出用部品としての演出表示装置9で、可変表示手段特定コマンド(図柄変動指定コマンド)で特定される可変表示手段に対応した変動態様による可変表示演出を実行するように構成されているので、2つの可変表示手段が設けられていても、遊技者に、遊技の進行状況(いずれの可変表示手段における可変表示に対応する演出が行われているのか等)を把握させやすくすることができるとともに、遊技のバリエーションを豊富にすることができる。
なお、第1および第2の実施の形態では、飾り図柄表示器として2つのLEDからなる表示器が用いられていたが、飾り図柄表示器は、そのような構成のものに限られない。例えば、1つ以上の7セグメントLEDで構成してもよい。また、例えば、演出表示装置9の表示画面上に飾り図柄を変動表示するための飾り図柄表示領域を設けるようにしてもよい。また、飾り図柄表示器が設けられていない遊技機も、本発明を適用可能である。