JP2008211393A - 共振装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電体薄膜の結晶性および圧電特性を良くすることが可能な共振装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】共振装置は、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電体薄膜32と、圧電体薄膜32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とを備える。支持基板1と圧電体薄膜32とが同一の圧電材料であるPZTにより形成され、下部電極31がPZTとの格子整合性の良い材料であるPtにより形成されている。共振装置の製造にあたっては、PZT基板からなる支持基板1の上記一表面上に下部電極31を形成した後、PZT薄膜からなる圧電体薄膜32を形成し、その後、圧電体薄膜32上に上部電極33を形成してから、支持基板1に開孔部1aを形成する。
【選択図】図1
【解決手段】共振装置は、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電体薄膜32と、圧電体薄膜32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とを備える。支持基板1と圧電体薄膜32とが同一の圧電材料であるPZTにより形成され、下部電極31がPZTとの格子整合性の良い材料であるPtにより形成されている。共振装置の製造にあたっては、PZT基板からなる支持基板1の上記一表面上に下部電極31を形成した後、PZT薄膜からなる圧電体薄膜32を形成し、その後、圧電体薄膜32上に上部電極33を形成してから、支持基板1に開孔部1aを形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、支持基板の一表面側に下部電極と圧電体薄膜と上部電極とからなる共振子を備えた共振装置およびその製造方法に関するものである。
従来から、携帯電話機などの移動体通信機器の分野において、3GHz以上の高周波帯で利用する高周波フィルタに適用可能な共振装置として、シリコン基板からなる支持基板の一表面側に下部電極と圧電体薄膜と上部電極とからなる共振子を備え、圧電体薄膜の材料としてAlNを採用したBAW共振器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記特許文献1には、BAW共振器としてFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)が記載されているが、BAW共振器としては、近年、FBARの他にSMR(Solidly Mounted Resonator)が注目されている。なお、BAW共振器では、共振周波数が圧電体薄膜の膜厚に反比例し、圧電体薄膜の膜厚を薄くするほど共振周波数を高くすることができる。
ところで、上述の共振装置をUWB(Ultra Wide Band)用フィルタに応用する場合、圧電体薄膜の材料として、帯域幅が中心周波数に対して4〜5%しか広帯域化できないAlNに比べて中心周波数に対して10%程度の帯域幅を得ることが可能なPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を採用することが考えられる。
ここにおいて、圧電材料としてPZTを採用した共振装置としては、例えば、図8に示すように、シリコン基板からなる支持基板1’の一表面上にシリコン酸化膜4を介して下部電極31が形成され、下部電極31上にPZTからなる圧電体薄膜32が形成され、圧電体薄膜32上に上部電極33が形成されてなる共振装置が提案されている(例えば、特許文献2)。また、この種の共振装置としては、図9に示すように、MgO基板からなる支持基板1”の一表面上に下部電極31が形成され、下部電極31上にPZTからなる圧電体薄膜32が形成され、圧電体薄膜32上に上部電極33が形成されてなる共振装置も提案されている。ここで、図8や図9の共振装置では、下部電極31と圧電体薄膜32と上部電極33とで共振子3を構成している。なお、圧電材料からなる圧電体薄膜の形成方法としては、スパッタ法、CVD法、ゾルゲル法などが知られている。
特開2002−140075号公報
特開平10−126204号公報
上述の図8や図9の共振装置では、下部電極31の材料として圧電体薄膜32の圧電材料と格子定数の近い材料を採用しても、下部電極31と圧電体薄膜32との格子定数差や結晶構造の違いなどに起因して、圧電体薄膜32の結晶性を十分に向上させることができず、圧電特性(電気機械結合係数など)の向上が望まれている。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、圧電体薄膜の結晶性および圧電特性を良くすることが可能な共振装置およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電体薄膜と、圧電体薄膜における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、支持基板と圧電体薄膜とが同一の圧電材料により形成されてなることを特徴とする。ここにおいて、同一の圧電材料とは、構成元素が同じであればよく、格子整合性が良ければ組成比が異なっていてもよい。
この発明によれば、支持基板と圧電体薄膜とが同一の圧電材料により形成されているので、圧電体薄膜の結晶性および圧電特性を良くすることが可能になる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧電体薄膜は、前記支持基板の格子定数を受け継いで結晶成長されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電体薄膜として結晶性が良く圧電特性の良い結晶を成長させることが可能となる。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記下部電極は、前記支持基板と前記圧電体薄膜との両方と格子整合性のよい材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電体薄膜の結晶成長時に前記圧電体薄膜が前記支持基板の格子定数を受け継ぐことができ、前記圧電体薄膜として結晶性が良く圧電特性の良い結晶を成長させることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記圧電材料がPZTであることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電材料がAlNである場合に比べて、電気機械結合定数を大きくすることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、支持基板の前記一表面側の下部電極上に圧電体薄膜を結晶成長させて形成する圧電体薄膜形成工程と、圧電体薄膜上に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、支持基板として圧電体薄膜と同一の圧電材料により形成された基板を用いることを特徴とする。
この発明によれば、支持基板として圧電体薄膜と同一の圧電材料により形成された基板を用いるので、支持基板として圧電体薄膜の圧電材料とは異なる材料により形成された基板を用いる場合に比べて、圧電体薄膜形成工程において結晶成長させる圧電体薄膜の結晶性および圧電性を良くすることが可能になる。
請求項1の発明では、支持基板と圧電体薄膜とが同一の圧電材料により形成されているので、圧電体薄膜の結晶性および圧電特性を良くすることが可能になるという効果がある。
請求項5の発明では、圧電体薄膜形成工程において結晶成長させる圧電体薄膜の結晶性および圧電性を良くすることが可能になるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された共振子3とを備えたBAW共振器であり、共振子3が、支持基板1の上記一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電体薄膜32と、圧電体薄膜32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とで構成されている。
本実施形態の共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された共振子3とを備えたBAW共振器であり、共振子3が、支持基板1の上記一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電体薄膜32と、圧電体薄膜32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とで構成されている。
本実施形態の共振装置は、支持基板1に、下部電極31における圧電体薄膜32側とは反対側の表面を露出させる開孔部1aが形成されている。要するに、本実施形態の共振装置は、下部電極31と下部電極31直下の媒質との音響インピーダンス比を大きくすることにより支持基板1側への弾性波エネルギの伝搬を抑制するようにしたFBARを構成している。
なお、本実施形態の共振装置では、共振子3の共振周波数を4GHzに設定してあり、圧電体薄膜32の厚みを300nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。例えば、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電体薄膜32の厚みは200nm〜600nmの範囲で適宜設定すればよい。
上述の共振子3は、圧電体薄膜32の材料としてPZTを採用しており、下部電極31の材料として、PZTと格子定数が近くて格子整合性の良いPtを採用し、上部電極33の材料として、Alを採用している。また、本実施形態では、上述のように圧電体薄膜32の圧電材料として、PZTを採用しているので、圧電材料がAlNである場合に比べて、電気機械結合定数を大きくすることができる。なお、上部電極33の材料は、Alに限らず、例えば、Mo、Ptなどを採用してもよい。
ところで、支持基板1としては、圧電体薄膜32と同一の圧電材料であるPZTにより形成されたPZT基板を用いている(なお、バルクPZTは薄膜PZTよりも結晶性が良く電気機械結合係数が高い)。ここにおいて、同一の圧電材料とは、構成元素が同じであればよく、格子整合性が良ければ組成比が異なっていてもよい。例えば、支持基板1のPZTのZrとTiとの組成比がZr:Ti=30:70であり、圧電体薄膜32のPZTのZrとTiとの組成比がZr:Ti=47:53であってもよい。なお、支持基板1の材料および圧電体薄膜32の材料として採用する同一の圧電材料は、PZTに限らず、例えば、Bi3Ti4O12などのBi−Ti−O系の圧電材料や、BaBi−Ti−O系の圧電材料などを採用してもよい。
しかして、本実施形態の共振装置は、支持基板1と圧電体薄膜32とが同一の圧電材料により形成されているので、圧電体薄膜32の結晶性および圧電特性を良くすることが可能になる。
ここにおいて、圧電体薄膜32は、支持基板1の格子定数を受け継いで結晶成長されており、圧電体薄膜32として結晶性が良く圧電特性の良い結晶を成長させることが可能となる。具体的には、本実施形態では、下部電極31の材料として、支持基板1と圧電体薄膜32との両方と格子整合性のよい材料であるPtを採用しているので、圧電体薄膜32の結晶成長時に圧電体薄膜32が支持基板1の格子定数を受け継ぐことができ、圧電体薄膜32として結晶性が良く圧電特性の良い結晶を成長させることが可能となる。ここで、支持基板1の格子定数を圧電体薄膜32に正確に受け継がせるには、下部電極31の厚みを50nm以下、望ましくは30nm以下、より望ましくは臨界膜厚以下に設定すればよい。なお、上部電極33の厚みは100nmに設定してあるが、この値に限定するものではない。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図2を参照しながら説明する。
まず、PZT基板からなる支持基板1の一表面側(図2(a)における上面側)の全面に、下部電極31を例えばスパッタ法や蒸着法などにより形成する下部電極形成工程を行うことによって、図2(a)に示す構造を得る。
次に、支持基板1の上記一表面側の下部電極31上にPZT薄膜からなる圧電体薄膜32を結晶成長させて形成する圧電体薄膜形成工程を行うことによって、図2(b)に示す構造を得る。ここで、圧電体薄膜32の形成方法としては、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などを採用すればよい。なお、圧電体薄膜32をゾルゲル法により形成する場合には、例えば、PZTの成分元素を含む金属アルコキシドを溶媒に溶かした溶液を支持基板1の上記一表面側の全面に例えばスピンコート法により塗布し、続いて、例えば大気中で所定の焼成温度(例えば、300℃〜350℃程度)、所定の焼成時間(例えば、30秒〜10分程度)において上記溶媒を蒸発させて除去することにより前駆体膜を形成し、その後、前駆体膜を酸素雰囲気中でアニールして結晶化すればよい。
上述の圧電体薄膜32を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電体薄膜32を所望の平面形状にパターニングする圧電体薄膜パターニング工程を行うことによって、図2(c)に示す構造を得る。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して下部電極31を所望の平面形状にパターニングする下部電極パターニング工程を行うことによって、図2(d)に示す構造を得る。
その後、圧電体薄膜32上に上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図2(e)に示す構造を得る。なお、上部電極形成工程では、支持基板1の上記一表面側の全面に、上部電極40をスパッタ法や蒸着法などによって形成してから、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して平面形状にパターニングすればよい。
上述の上部電極形成工程の後、支持基板1の他表面側に上述の開孔部1a形成用にパターニングされたマスク層を形成するマスク層形成工程を行ってから、当該マスク層をマスクとして、支持基板1をドライエッチングあるいはウェットエッチングすることにより開孔部1aを形成する開孔部形成工程を行い、続いて、上記マスク層を除去するマスク層除去工程を行うことによって、図2(f)に示す構造の共振装置を得る。
上述の共振装置の製造にあたっては、上述の支持基板1としてウェハを用いてウェハレベルで多数の共振装置を形成した後、ダイシング工程で個々の共振装置に分割すればよい。
以上説明した本実施形態の共振装置の製造方法によれば、支持基板1として圧電体薄膜32と同一の圧電材料(例えば、PZT)により形成された基板を用いるので、支持基板1として圧電体薄膜32の圧電材料とは異なる材料(例えば、Si、MgOなど)により形成された基板を用いる場合に比べて、圧電体薄膜形成工程において結晶成長させる圧電体薄膜32の結晶性および圧電性を良くすることが可能になる。
なお、図1に示した共振装置では、支持基板1に開孔部1aを形成してあるが、開孔部1aは必ずしも形成する必要はない。
(実施形態2)
図2に示す本実施形態の共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1のように支持基板1に開孔部1aを設ける代わりに、支持基板1の上記一表面上に、圧電体薄膜32で発生したバルク弾性波を反射させる音響ミラー(音響多層膜)2が形成され、音響ミラー2上に共振子3が形成されている点が相違する。要するに、実施形態1の共振装置は、FBARを構成していたのに対して、本実施形態の共振装置は、SMRを構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図2に示す本実施形態の共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1のように支持基板1に開孔部1aを設ける代わりに、支持基板1の上記一表面上に、圧電体薄膜32で発生したバルク弾性波を反射させる音響ミラー(音響多層膜)2が形成され、音響ミラー2上に共振子3が形成されている点が相違する。要するに、実施形態1の共振装置は、FBARを構成していたのに対して、本実施形態の共振装置は、SMRを構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
音響ミラー2は、相対的に音響インピーダンスの高い材料からなる高音響インピーダンス層2aと相対的に音響インピーダンスの低い材料からなる低音響インピーダンス層2bとが交互に積層されており、共振子3の下部電極31は、最上層の高音響インピーダンス層2b上に形成されている。なお、高音響インピーダンス層2aおよび低音響インピーダンス層2bの膜厚は、圧電体薄膜32の共振周波数の弾性波(バルク弾性波)の波長の4分の1の値に設定すればよい。
本実施形態では、高音響インピーダンス層2aの材料として、Wを採用し、低音響インピーダンス層2bの材料として、圧電体薄膜32と同一の圧電材料(例えば、PZT)を採用している。
なお、本実施形態の共振装置では、共振子3の共振周波数を4GHzに設定してあり、圧電体薄膜32の厚みを300nm、W層からなる高音響インピーダンス層2aの厚みを327nm、PZT層からなる低音響インピーダンス層2bの厚みを290nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電体薄膜32の厚みは200nm〜600nmの範囲で、PZT層からなる低音響インピーダンス層2bの厚みは200nm〜550nmの範囲で、W層からなる高音響インピーダンス層2aの厚みは200nm〜450nmの範囲で、それぞれ適宜設定すればよい。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図4を参照しながら説明するが、実施形態1と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、PZT基板からなる支持基板1の一表面側の全面に、W膜からなる高音響インピーダンス層2aとPZT膜からなる低音響インピーダンス層2bとを例えばスパッタ法やCVD法などにより交互に成膜することで音響ミラー2を形成する音響ミラー形成工程を行うことによって、図4(a)に示す構造を得る。
その後、支持基板1の上記一表面側の全面に、下部電極31を例えばスパッタ法や蒸着法などにより形成する下部電極形成工程を行うことによって、図4(b)に示す構造を得る。
次に、支持基板1の上記一表面側の下部電極31上にPZT薄膜からなる圧電体薄膜32を結晶成長させて形成する圧電体薄膜形成工程を行うことによって、図4(c)に示す構造を得る。ここで、圧電体薄膜32の形成方法としては、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などを採用すればよい。
上述の圧電体薄膜32を形成した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電体薄膜32を所望の平面形状にパターニングする圧電体薄膜パターニング工程を行うことによって、図4(d)に示す構造を得る。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して下部電極31を所望の平面形状にパターニングする下部電極パターニング工程を行うことによって、図4(e)に示す構造を得る。
その後、圧電体薄膜32上に上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図4(f)に示す構造の共振装置を得る。
上述の共振装置の製造にあたっては、上述の支持基板1としてウェハを用いてウェハレベルで多数の共振装置を形成した後、ダイシング工程で個々の共振装置に分割すればよい。
ところで、上述の共振装置を、3GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広い高周波フィルタ、例えば、UWB用フィルタとして応用する場合には、図5に示すように、下部電極31と圧電体薄膜32と上部電極33とで構成される共振子3を同一の支持基板1の上記一表面側に複数個形成するようにし(図5には2個しか記載されていないが、例えば、8個形成するようにし)、これらの共振子3を図示しない配線によって図6に示すようなラダー型フィルタを構成するように接続すれば、UWB用フィルタの低コスト化および小型化を図れる。なお、実施形態1の共振装置1においても、支持基板1の上記一表面側に複数個の共振子3を形成して配線により適宜接続されるようにし、各共振子3ごとに開孔部1aを設けてUWB用フィルタを構成するようにしてもよい。
なお、実施形態1,2で説明した共振装置では、下部電極31の材料としてPtを採用しているが、下部電極31は単層構造に限らず、例えば、図7(a)に示すように、Ti層とPt層とが積層された多層構造としてもよいし、図7(b)に示すように、Ti層とIr層とTi層とPt層とが積層された多層構造としてもよい。ここにおいて、図7(a),(b)における各Ti層は密着層として設ける層であり、各Ti層の厚みはPt層やIr層の厚み比べて薄くすることが望ましく、5nm程度の厚みに設定することが好ましい。なお、図7(b)の多層構造を有する下部電極31では、図7(a)の多層構造を有する下部電極31に比べて下部電極31の電気抵抗を小さくすることができ、共振子3の特性の向上を図ることが可能となる。また、上部電極33についても、単層構造に限らず多層構造でもよい。
1 支持基板
1a 開孔部
3 共振子
31 下部電極
32 圧電体薄膜
33 上部電極
1a 開孔部
3 共振子
31 下部電極
32 圧電体薄膜
33 上部電極
Claims (5)
- 支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電体薄膜と、圧電体薄膜における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、支持基板と圧電体薄膜とが同一の圧電材料により形成されてなることを特徴とする共振装置。
- 前記圧電体薄膜は、前記支持基板の格子定数を受け継いで結晶成長されてなることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
- 前記下部電極は、前記支持基板と前記圧電体薄膜との両方と格子整合性のよい材料により形成されてなることを特徴とする請求項2記載の共振装置。
- 前記圧電材料がPZTであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の共振装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、支持基板の前記一表面側の下部電極上に圧電体薄膜を結晶成長させて形成する圧電体薄膜形成工程と、圧電体薄膜上に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、支持基板として圧電体薄膜と同一の圧電材料により形成された基板を用いることを特徴とする共振装置の製造方法。
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KR101806578B1 (ko) * | 2009-10-09 | 2017-12-07 | 꼼미사리아 아 레네르지 아토미끄 에뜨 옥스 에너지스 앨터네이티브즈 | 표면파 필터 및 벌크파 필터를 포함하는 음향파 디바이스, 및 그 제조 방법 |
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EP2486655B1 (fr) * | 2009-10-09 | 2019-08-07 | Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives | Dispositif à ondes acoustiques comprenant un à de surface et un filtre à ondes de volume et procédé de fabrication |
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