JP2008211349A - 無線通信装置、及び、無線通信方法 - Google Patents

無線通信装置、及び、無線通信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マルチユーザMIMO通信を実施する際に、同時刻、同一周波数帯に信号を送信する際の通信相手の最適な選択方法を提供すること。
【解決手段】通信を行う前に、チャネル情報取得回路105は、送信を行う通信相手に対するチャネル応答行列及びシングルユーザ通信時の伝送品質を取得する。信号劣化量推定回路107は、通信相手の組み合わせによる固有値の減衰量の積の推定を行う。通信相手選択回路108は、BD法を用いた際の周波数利用効率を推定し、シングルユーザ通信時より改善が大きい通信相手の組み合わせを決定する。送信ウェイト演算回路109及びデータ分割回路100−2は、推定された周波数利用効率、もしくは選択された通信相手で新たに詳細に推定した伝送品質を元に送信データを生成する。選択された通信相手以外の通信相手についても同様に伝送速度を増大する組み合わせがあるのを評価し、順次送信を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、同一の周波数チャンネルを用い、異なる複数の送信アンテナより、独立な信号系列を空間多重し、複数の通信相手に送信し、複数の通信相手への情報伝達を実現する無線通信装置、及び、無線通信方法に関する。
近年、2.4GHz帯又は5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などの普及が目覚しい。近年では、Multiple Input Multiple Output(MIMO)技術により周波数利用効率の増大を可能にするIEEE802.11n規格も商用に動いており、無線通信の更なる高速化及び大容量化が進むと考えられる。
そのための技術として、Multiuser(MU:マルチユーザ)−MIMO技術が知られている。MU−MIMO技術では、複数の通信相手に同時に送信を行い、通信相手全体の受信アンテナを仮想的なアレーのように見ることで、空間のリソースを有効に活用し、周波数利用効率を増大させることができる。
MU−MIMO技術のうちの多くは未だ理論検討が必要であるが、現実的な演算量で実現可能なBlock Diagonalization指向性制御法(以下、BD法ともいう)が注目されている。BD指向性制御法とは、送信局側において複数の送信アンテナから同一チャンネル上で異なる独立な信号を複数の通信相手に送信し、お互いの通信相手の受信ウェイトにより形成される受信ビームに対し、ヌルを形成し、受信曲側において、他の通信相手からの干渉を生ずることなく信号を受信し、それぞれの通信相手に独立に受信信号を推定し、データを再生するものである。
以下、送信装置のアンテナ素子数をM、通信相手の数をMu、i番目の通信相手の受信アンテナ素子数をM(i)、i番目の通信相手に、同時刻、同一周波数帯において送信する通信系列数(データストリーム数)をL(i)、Mt≧M(i)として、通信相手を決定する方法の一例を示す。
図9は、従来のBD指向性制御法による通信装置の送信部のブロック構成図である。図9に示す通信装置801は、伝搬環境に最適となるように送信指向性を制御し、空間多重により伝送速度を向上させる。
通信装置801(送信部)は、データ出力回路900−1、データ分割回路900−2、変調回路901−1、…、901−L、送信信号変換回路902、無線部903−1、無線部903−2、…、903−M、アンテナ904−1、904−2、…、904−M、チャネル応答取得回路905、通信品質評価通信相手選択回路906、送信ウェイト決定回路907等から構成される。
無線部903−2、…、903−M、アンテナ904−1、904−2、…、904−Mは、無線信号の送受信を行うことが可能であり、チャネル応答取得回路905は、送信部の各アンテナ904−1、904−2、…、904−Mと通信相手の各アンテナ間のチャネル応答行列を推定する。このチャネル応答行列の推定方法は、ここでは詳細に説明しないが、アンテナ904−1、904−2、…、904−Mにおいて、既知信号の受信を行った際に得られる情報を基に推定するか、もしくは受信信号に含まれるフィードバック情報に含まれる情報によって推定することが可能である。チャネル応答行列の推定情報は、通信品質評価通信相手選択回路906に入力され、通信品質評価通信相手選択回路906は、通信相手を組み合わせた際の伝送品質を推定し、基準を満たす通信相手の組み合わせを送信ウェイト決定回路907に出力する。送信ウェイト決定回路907は、各信号系列のそれぞれのアンテナ904−1、904−2、…、904−Mに対する送信ウェイトを出力する。
次に、送信対象となる送信データが入力されると、データ分割回路900-2は1系統の信号をL系統の信号系列に分割し、変調回路901−1、…、901−Lに入力する。変調回路901−1、…、901−Lは、入力された信号にMIMOチャネル推定用のプリアンブル信号等を付与して変調した後、これらの信号を、送信信号変換回路902に入力する。ここで、送信データには送信ウェイトが乗算され、無線部903−2、…、903−Mに入力され、アンテナ904−1、904−2、…、904−Mを介して無線信号として送信される。
チャネル応答行列取得回路905において得られたi番目の通信相手に対するチャネル情報を表すチャネル応答行列Hi(Mr(i)×M行列)は(1)式のように特異値分解により、右特異行列Vi(M×M行列)、左特異行列Ui(Mr(i)×Mr(i)行列)、及び固有値の二乗根√λを対角要素とし、非体格行列を「0」とする行列D(M×M行列)に分けることができる。
Figure 2008211349
ここで、Hi,jkは送信装置のk番目のアンテナ904−kからi番目の通信相手におけるj番目のアンテナまでの伝達係数を表す。右特異行列Viのうち、V'iは固有値に対応する列ベクトル群を、V"iは「0」に対する列ベクトル群である。シングルユーザに対する通信において、V'iの列ベクトルを送信ウェイトとすることで、対応する固有値λi,jで表せる信号電力を得ることができる。(λi,1≧λi,2≧…≧λi,Mr(i))数式(1)において、行列の上付き添え字「H」は共役複素行列であることを示す。
シングルユーザにおける達成可能な周波数利用効率は、右特異行列V'iのL(i)個の列ベクトルであるV'i,L(i)を送信ウェイトとして選択することで、次式のように表すことができる。
Figure 2008211349
ここで、L(i)はi番目の通信相手への送信に用いる通信系列数(データストリーム数)、σは熱雑音の分散値である。
次に、マルチユーザに対するBD法による通信相手の選択方法の手段を説明する。ここで、通信を行いたいマルチユーザMuの通信相手のうち、Mu'(t)の通信相手ごとにブロック化し、t番目のタイミングでそれらの複数の通信相手に同時に送信を行う場合を考える。t番目のタイミングで送信する通信相手の番号をlt(1)〜lt(Mu'(t))、i∈U(l)とする。
以下、Mu'(l)個の通信相手にBD法による送信を行う際の伝送品質を評価する方法について説明する。
まず、Mu'(t)の通信相手のうち、i番目の通信相手に達成可能な伝送容量の評価方法について説明する。
lt(i)をlt(i)番目の通信相手以外のt番目のタイミングで同時に同一周波数帯に送信する通信相手のチャネル応答行列の集合行列として、次式で表す。
Figure 2008211349
ここで、lt(i)はt番目のタイミングで同時に送信する通信相手の中でi番目の通信相手の番号である。Rlt(j)はlt(j)番目の通信相手に仮定した受信ウェイトであり、対角行列とすれば、受信ウェイトの仮定ナシの条件となる。このH lt(i)(t)に対して特異分解値を行うと、
Figure 2008211349
と表すことができ、V lt(i)(t)は固有値D lt(i)(t)に対応するベクトルであり、V lt(i)(t)は固有値がない、もしくは、固有値0に対応するヌル空間ベクトルである。
ここで、V lt(i)(t)の送信空間に対し、送信を行うと、t番目のタイミングにおけるlt(i)以外の通信相手の受信ウェイトに対し、干渉を生じない。そこで、この送信空間において得られる通信品質を評価するには、lt(i)番目の通信相手のチャネル応答行列に対し、ヌル空間ウェイトV lt(i)(t)を乗算して得られる特異値を計算すればよい。
Figure 2008211349
ここで、V lt(i)は固有値に対応する固有ベクトル、V†† lt(i)は「0」に対応する固有ベクトルである。D lt(i)(t)の対角成分の二乗値であるヌル空間固有値λ lt(i),1、…、λ lt(i),Mr(lt(i))に対応する品質が得られることになる。
マルチユーザにおける達成可能な周波数利用効率は、送信ウェイトとして、右特異行列V lt(i) lt(i)のうちのL(i)個の列ベクトルWlt(i)L(i)を送信ウェイトとして選択することで、次式のように示される。
Figure 2008211349
ここで、R'lt(i)はlt(i)番目の通信相手で復号に用いる受信ウェイトである。
Q. H. Spencer, A. L. Swindlehurst, and M. Haardt, "Zero-Forcing Methods for Downlink Spatial Multiplexing in Multiuser MIMO Channels," IEEE Trans. Sig. Proceeding, vol.52, issue 2, Feb.2004, pp.461-71.
以上述べたように、複数の通信相手に対して、同一時刻、同一周波数帯において空間多重により高い伝送容量を得ることが可能であるが、上記に述べた方法ででは、通信相手の組み合わせは、全通信相手Muに対して「MuMu’(l)」通り存在し、各組み合わせに対して上記の方法で各通信相手に対するヌル空間固有値λを計算し、最適な通信相手の組み合わせを決定することは膨大な計算処理を必要とする。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、通信相手が複数存在し、それらの中から一つ以上の通信相手に対し、同一時刻、同一周波数帯において、異なる信号系列を送信する場合に、一つ以上の通信相手の組み合わせにより通信を行う場合の伝送特性を簡易に決定する無線通信装置、及び、無線通信方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために本発明は、複数のアンテナ素子を備え、複数の通信相手に対し、同時刻、同一周波数帯に信号を送信する際の通信相手を選択し、通信を行う無線通信方法であって、通信を行う各通信相手に対する、送信空間基底ベクトルを演算するステップと、送信空間ベクトルから、同時刻、同一周波数帯で送信する通信相手を選択した際のBlock Diagonarization(BD)アルゴリズムを用いる場合に生じる信号電力の劣化量を推定するステップと、推定された劣化量から、予め定めた条件に最もよく一致する通信相手同士を選択するステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、複数のアンテナ素子を備え、複数の通信相手に対し、同時刻、同一周波数帯に信号を送信する際の通信相手の選択し、通信を行う無線通信方法であって、通信を行う各通信相手に対する、送信空間基底ベクトルを演算するステップと、送信空間ベクトルから、同時刻、同一周波数帯で送信する通信相手を選択した際のBlock Diagonarization(BD)アルゴリズムを用いる場合に生じる信号電力の劣化量を推定するステップと、推定された劣化量から、変調方式や符号化率からなる伝送モードを選択するステップと、を具備することを特徴とする。
また、本発明は、複数のアンテナ素子を備える送信装置から、複数の通信相手局に対し、一つ又は複数の信号系列を同一周波数チャネル及び同一時刻に空間多重して送信を行うことが可能な無線通信システムにおける無線通信装置であって、2以上の複数本のアンテナを具備し、前記各アンテナ素子に接続され、受信時には受信信号からベースバンド信号に変換し、チャネル情報取得回路へ出力し、送信時には送信信号を無線信号としてアンテナ素子から送信を行う無線部と、前記無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル情報を推定し、送信空間ベクトル演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、前記チャネル情報回路から入力された前記チャネル情報を元に、送信空間ベクトル群を演算する送信空間ベクトル演算回路と、前記送信空間ベクトル演算回路から入力される送信空間ベクトル群から、通信相手を組み合わせた際に生じる信号電力の劣化量を推定し、通信相手選択回路に出力する信号劣化量推定回路と、前記信号劣化量推定回路から入力された劣化量を元に、通信相手を選択し、選択した通信相手を送信ウェイト演算回路に出力する通信相手選択回路と、前記選択された通信相手のチャネル情報を、前記チャネル情報取得回路から取得し、送信ウェイトと、変調方式や符号化率、インターリーブの方法からなる伝送モードを決定し、データ分割回路と送信信号変換回路に出力する送信ウェイト演算回路と、送信データを、変調方式に応じて通信系列数に分割するデータ分割回路と、前記各信号系列に分割された送信データを変調する変調回路と、前記変調された送信データに前記送信ウェイト演算回路で決定された送信ウェイトを乗算し、対応するアンテナ素子に接続された前記無線部に出力を行う送信信号変換回路と、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、複数の通信相手(局)宛てに、1つ又は複数の信号系列を同周波数チャネル上で同時刻に、空間体重を用いてMIMO通信を実施する際に、最適な送信ウェイトの組み合わせを選択することで、良好な通信特性を実現することが可能となる。
以下に、添付図面を参照しながら、本発明に係る無線通信装置の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することにする。
図1は、本発明の本実施の形態に係る無線通信装置1の送信部のブロック構成図である。図1に示す無線通信装置1(通信部)は、データ出力回路100−1、データ分割回路100−2、変調回路101−1、…、101−L、送信信号変換回路102、無線部103−1、103−2、…、103−M、アンテナ104−1、104−2、…、104−M、チャネル応答取得回路105、送信空間ベクトル演算回路106、信号劣化量推定回路107、通信相手選択回路908、送信ウェイト演算回路109等から構成される。チャネル応答取得回路105、送信空間ベクトル演算回路106、信号劣化量推定回路107、通信相手選択回路908、送信ウェイト演算回路109は、通信相手決定ブロック110を構成する。
無線部103−1、103−2、…、103−M、アンテナ104−1、104−2、…、104−Mは、無線信号の送受信を行うことが可能であり、無線部103−1、103−2、…、103−Mにおいて変換された受信信号を基に、チャネル応答取得回路105は、送信部の各アンテナ104−1、104−2、…、104−Mと通信相手の各アンテナ間、もしくは、受信ビームとの間のチャネル応答行列を推定する。このチャネル応答行列の推定方法は、ここでは詳細に説明しないが、アンテナ104−1、104−2、…、104−Mにおいて、既知信号の受信を行った際に得られる情報を基に推定するか、もしくは受信信号に含まれるフィードバック情報に含まれる情報によって推定することが可能である。
通信相手を選択する場合には、対応する通信相手のチャネル応答行列が、送信空間ベクトル演算回路106に入力される。送信空間ベクトル演算回路106は、各通信相手に対して送信空間ベクトル群を演算し、信号劣化量推定回路107に出力する。信号劣化量推定回路107は、送信空間ベクトルを用いた演算により、BD法を用いた場合の信号電力の減衰量を推定し、その結果を通信相手選択回路108に出力する。
通信相手選択回路108は、推定された通信信号の劣化量から、予め決定され記憶された基準値と照らし合わせて最も条件に合う通信相手を選択し、送信ウェイト演算回路109に出力する。送信ウェイト回路109は、選択された通信相手に対する送信ウェイトをBDアルゴリズムによって求め、各通信ストリームにおける品質、変調方式、符号化率、インターリーブ方法などからなる伝送モードを決定し、データ出力回路100−1、データ分割回路100−2、変調回路101−1、…、101−L、送信信号変換回路102へ出力する。
データ分割回路100−2は、データ出力回路100−1から送信された送信データを、L系統の信号系列に分割し、変調回路101−1、…、101−Lへ入力する。ここで、変調回路101−1、…、101−Lは、入力された信号にMIMOチャネル推定用のプリアンブル信号等を付与して変調した後、これらの信号を、送信信号変換回路102に入力する。ここで、送信データには送信ウェイトが乗算され、無線部103−1、103−2、…、103−Mに入力され、アンテナ104−1、104−2、…、104−Mを介して無線信号として送信される。
以下に、無線通信装置1における通信相手選択の原理について詳細に説明する。数式(5)で示される伝搬路における達成可能な周波数利用効率において、λ lt(i),1、…、λ lt(i),Mr(lt(i))>>σとなるような高いSNR(SN比、Signal to Noise ratio)における通信を考えると、数式(2)及び数式(6)は以下のようになる。
Figure 2008211349
Figure 2008211349
数式(8)ではユーザ選択の説明のため、lt(i)番目の通信相手として表記したが、i番目として表記しても一般性は崩れない。従って、マルチユーザMIMOについても同様にi番目として表記すると数式(8)は次式のようになる。
Figure 2008211349
更に、λ i,jをλi,jを用いて表し、
Figure 2008211349
と減衰量ai,jを定義する(0≦ai,j≦1)。減衰量ai,jを用いて、マルチユーザMIMOの達成可能な周波数利用効率の、シングルユーザMIMOの達成可能な周波数利用率からの増大度は次式で表される。
Figure 2008211349
ここでAは減衰係数の積である。シングルユーザMIMO通信では、同じ時間領域で複数の通信相手に送信できないため、通信相手が多いほどマルチユーザMIMOの周波数利用効率の増大の効果が大きくなる。トータルで達成可能な周波数利用効率は、シングルユーザMIMOの場合は数式(12)に、マルチユーザの場合は数式(13)に表される。
Figure 2008211349
Figure 2008211349
こうして、同時に通信を行う通信相手数に対する通信特性が得られる。
次に、通信相手数に対する通信特性の算出について説明する。
(i)L(1)=Mr(1),L(2)=Mr(2),M'u(t)=2
ここでは、ユーザ数が「2」であり、データストリーム数が対応する端末の受信アンテナ素子数と等しい場合を考える。1番目の通信相手と2番目の通信相手のチャネル応答行列をH,Hとし、1番目の通信相手に対応する固有値の減衰量の総積値Aを求める。1番目の通信相手に対応する送信ウェイトW1、L(1)は次式で表される。
Figure 2008211349
数式(10)において、減衰量の積Aは数式(9)より
Figure 2008211349
と表すことができる。数式(15)の3行目から4行目でR’U、6行目から7行目でV †Hがそれぞれ除けるのは、受信素子数とデータストリームが同数であるためである。V のランクが受信素子数であり、かつH"の固有ベクトルであるため、H"に乗算しても固有値の分布に何ら影響しない。
また、数式(13)と
det(I−AA)= det(I−AA
の関係から、
Figure 2008211349
が成り立つ。数式(16)によれば、信号劣化量推定回路107は、新たに固有値に対応しない信号空間V"やV"を求めることなく、数式(14)を求めるだけで2つの通信相手における信号劣化量を得ることができる。複素数の乗算回数でこの演算負荷を比較すると、直行化法などを用いてV"やV"を求める場合は3乗のオーダーの計算であるのに対し、数式(14)の計算は送信素子数に対しては1乗のオーダーであり、演算量は大変削減されることとなる。この場合の各通信相手に対する達成可能な周波数利用効率は次式で表される。
Figure 2008211349
(ii)L(i)=Mr(i),i=1,2,…,M'u(t)
次に、ユーザ数がM'u(t)、データストリーム数が対応する端末の受信アンテナ素子数と等しい場合を考える。1番目〜M'u(t)番目の通信相手のチャネル応答行列をH,…,HM'u(t)とし、1番目の通信相手に対応する固有値の減衰量の総積値Aを求める。ここで、各通信相手に対するシングルユーザMIMOの1番目の通信相手に対応する、同一タイミングで同一周波数帯に送信する、1番目以外の通信相手のチャネル応答行列の集合行列H+ に対して、特異値分解を行う。
Figure 2008211349
よって、1番目の通信相手に対応する送信ウェイトW1,L(t)はV と表すことができる。V はHV の送信側固有ベクトルである。減衰量の総積値Aは数式(15)から
Figure 2008211349
と表すことができる。数式(19)の3行目から4行目でV †Hが除けるのは、受信素子数とデータストリームが同数であるため、V のランクが受信素子数であり、かつH の固有ベクトルであるため、H に乗算しても固有値の分布に何ら影響しないためである。
数式(19)によれば、V が求まれば、数式(13)から達成可能な周波数利用効率が推定できる。V は2番目〜M'u(t)番目の通信相手の信号空間であるから、QR分解を用いて以下のように表せる。
Figure 2008211349
ここで、(V )はQR分解におけるQに対応する(M×M)のユニタリ行列、Γは(M×L(1))の上三角行列である。L(1)は1番目の通信相手に形成するデータストリーム数の和である。上三角行列Γの「0」でない要素を含む、上側の(L(1)×L(1))行列をΓ と定義すると、V は次式のように表せる。
Figure 2008211349
よって、数式(19)は次式のようになる。
Figure 2008211349
数式(22)によれば、信号劣化量推定回路107は新たに固有値に対応しない信号空間V"やV"を求めることなく、数式(22)を求めるだけで2つのある組み合わせにおける通信相手に対する信号劣化量を得ることができる。
例えば、通信相手が「3」の場合、数式(22)は次式となる。
Figure 2008211349
ここで、
Figure 2008211349
よって、数式(23)の一行目のf2部において、(L(1)×L(1))行列のΞの演算を行えば、減衰量Aは数式(23)を用いることによって、BD法により直接演算するよりも簡易に求めることができる。
通信相手が「3」より多い場合においても、数式(22)の5行目f1部は特殊な要素で構成されたエルミート行列であるため、実際の行列サイズより簡易に逆行列を算出することが可能である。
(iii)L(i)≦Mr(i),i=1,2,…,M'u(t)
次に、ユーザ数がM'u(t)、データストリーム数が対応する端末の受信アンテナ素子数以下となる場合を考える。この場合、1番目の通信相手に対する減衰量の積Aは、数式(19)から次式のように近似される。
Figure 2008211349
ここで、V '''はVのベクトル空間からL(1)次元の基底ベクトルを抽出したものである。
Figure 2008211349
と定義した場合、V ’+は(M×L(1))行列、V ’−は(M×(M−L(1)))行列となる。
’†は、H ’−を特異値分解した際に得られる固有値に対応する固有ベクトルであり、次式となる。
Figure 2008211349
数式(25)は数式(19)の場合とは異なり、V †Hを省くことができない。よって、近似により減衰量の積Aを推定する。数式(25)は次式のように表すことができる。
Figure 2008211349
ここで、αは1以下の係数であり、データストリーム数が受信素子数に近いほど、また、送信素子数が多いほど「1」に漸近する。この値は、実環境やシミュレーション等により経験的に設定される値である。
各通信相手へのデータストリーム数が受信素子数以下となる場合には、BD法では、数式(3)の受信ウェイトを更新することにより、通信空間をお互い影響せぬようにずらし、全体としての通信品質を向上する。このような場合、数式(27)において、V '''はV'の高い固有値に対応するL(1)個の固有ベクトルを選択したものより、低い固有値に対応する固有ベクトルを選んだ方が減衰量が小さくなることがありうる。そこで、V '''として、V'から異なる組み合わせを選び、数式(28)によりAを求めた推定値の平均を求める、もしくは、ある重みで足し合わせた値を減衰量として用いることができる。
として、例えば、V '''として固有値の高いものからL(1)の固有ベクトルを選択したものを用い、数式(27)から求めた減衰量の積をA'、最も固有値の高いL(1)個の固有ベクトルのうち、L(1)番目もしくは(L(1)−1)番目の固有ベクトルを(L(1)+1)番目の固有ベクトルと入れ替えた固有ベクトル群をV '''用いて得られた減衰量の積を、それぞれA"、A '''とする。ここで、高い固有ベクトルに対応する、固有ベクトルから推定されたA'が、A"、A '''と比較して最も大きい値をとる場合は、繰り返し演算後もこの高い固有ベクトルに関連する送信ウェイトで収束すると考えられ、A'をAとして用い、周波数利用効率を推定できる。A"、A '''がA'よりも大きい値をとるとすると、Aとして
β'A'+β"A"+β''' '''、β'+β"+β'''=1、
と、演算することで減衰量の積Aの推定精度を高めることが可能となる。
次に、以上の方法で推定した減衰量の積Aが正しいものとしたときの通信相手の選択方法について説明する。例えば、通信相手が「20」であり、M'u(t)ユーザずつ多重し、10回の送信時間区間において全通信相手に送信する場合を考える。1番目〜M'u(t)番目の通信相手を組み合わせた場合、BD法による達成可能な周波数利用効率は次式のように表される。
Figure 2008211349
ここで、Cm、tはBD法によってt番目の送信時間区間で得られる達成可能な周波数利用効率であり、At、jはt番目の送信時間区間におけるi番目の通信相手において生じる固有値の減衰量の積である。シングルユーザにおける達成可能な周波数利用効率との比をとると、
Figure 2008211349
と、表せる。
数式(30)において、各タイミングで選択される通信相手M'u(t)が定数Mu、データストリーム数L(i)も組み合わせにより変更しないと仮定すると、数式(30)の2行目の第1項の積分値は常に一定になるため、第2項でBD法による通信の効果が決定される。即ち、通信相手の組み合わせを決定する際には、減衰量Aを計算するか、Aを計算する途中で得られる、Aと大きさが比例もしくは反比例する値を判定値として用いることができる。
また、各送信タイミングにより、M'u(t)を変更する場合、数式(30)のf3部の値が大きくなるような通信相手に対し、Mu(t)を大きくすることが望ましい。これは、シングルユーザにおける達成可能な周波数利用効率
s、tが高い通信相手であるほど、BD法による通信相手多重度M'u(t)を増大させる効果が大きいということを示す。このことから、予めCs、tでグループ分けを行い、それぞれの通信相手に許容できるM'u(t)を決定することで、通信相手選択のための演算量を減らすことが可能である。
また、通信相手を決定する際、2通信相手の組み合わせを求める演算は、それ以上(3以上)の通信相手を組み合わせる場合に比べて圧倒的に小さい。そこで、まず2通信相手同士で減衰量の積を評価し、減衰量が小さくなる通信相手同士でグループ化し、考慮する通信相手数を減らしてから、3以上の通信相手の多重を考慮することにより、演算量を削減することができる。
また、上述の演算方法は、直交周波数分割多重や、符号分割多重において、付加的にBD法を用いる際や、BD法以外のマルチユーザMIMO送信技術を用いる場合にも適用可能である。周波数分割多重通信では、全ての周波数帯のチャネル応答行列に対し、本発明の方法による固有値の減衰量を推定し、それらの総和や、平均を用いて通信相手を選択する。このとき、全ての周波数帯の情報を用いるだけでなく、一つ、もしくは、複数の周波数帯のチャネル応答行列を選択し、それらの結果から通信相手の選択を行うこともできる。選択する周波数帯としては、予め定めておくか、またはSNRの高い周波数帯を選択することができる。直交周波数分割多元接続において、周波数ブロックに対し多重する通信相手を、全ての周波数帯のチャネル応答行列、もしくは一つ、もしくは複数の周波数帯のチャネル応答行列を用いて、本発明の方法を適用した結果から対応する周波数ブロックに選択する通信相手を決定していくこともできる。
前述のようにして、選択された通信相手に対し、特異値分解を数式(5)のように行い、固有値λを求め、この固有値が通信路のSNR(Signal to noise ratio)に対応することから、買う通信相手の各データストリームに対し、適切な伝送モードを決定することができる。または、減衰量Aからこの伝送モードを決定することができる。i番目の通信相手にマルチユーザMIMO送信における周波数利用効率は数式11で表すことができる。ここで、数式11の右辺第一項は数式7で近似できることに注目し、数式11を書き直すと、
Figure 2008211349
と表すことができる。数式31の3行目の括弧内の値はマルチユーザMIMO送信時にi番目の通信相手のj番目のデータストリームに対応するSNRの期待値になっており、このように推定されたSNRを元に、伝送モードを決定できる。
図2は、本発明第1の実施形態である無線通信装置1における送信処理のフローチャートである。通信を行う前に、無線通信装置1は、送信を行う通信相手に対するチャネル応答行列及びシングルユーザ通信時の伝送品質を取得する(ステップS200)。通信相手の組み合わせによる固有値の減衰量の積の推定を行う(ステップS201)。数式(11)を用いて、BD法を用いた際の周波数利用効率を推定し、シングルユーザ通信時より改善が大きい通信相手の組み合わせを決定する(ステップS202)。推定された周波数利用効率、もしくは選択された通信相手で新たに詳細に推定した伝送品質を元に送信データを生成する(ステップS203)。選択された通信相手以外の通信相手についても同様に伝送速度を増大する組み合わせがあるのを評価し、順次送信を行う。
図3は、本発明第2の実施形態である無線通信装置1における送信処理のフローチャートである。通信を行う前に、無線通信装置1は、送信を行う通信相手に対するチャネル応答行列及びシングルユーザ通信時の伝送品質を取得する(ステップS300)。シングルユーザ時の伝送品質を用いて各通信相手に許容できる最大多重数を決定する(ステップS301)。最大多重数以下の組み合わせで固有値の減衰量の積を推定する(ステップ302)。数式(11)を用いて、BD法を用いた際の周波数利用効率を推定し、シングルユーザ通信時より改善が大きい通信相手の組み合わせを決定する(ステップS303)。推定された周波数利用効率、もしくは選択された通信相手で新たに詳細に推定した伝送品質を元に送信データを生成する(ステップS304)。選択された通信相手以外の通信相手についても同様に伝送速度を増大する組み合わせがあるのを評価し、順次送信を行う。
図4は、本発明第3の実施形態である無線通信装置における送信処理のフローチャートである。通信を行う前に、無線通信装置1は、送信を行う通信相手に対するチャネル応答行列及びシングルユーザ通信時の伝送品質を取得する(ステップS400)。2通信相手ずつで組にした際の固有値の減衰量の積を推定する(ステップS401)。2通信相手での組み合わせで、減衰量の積が小さくなる通信相手同士でグループ化する(ステップS402)。グループ内で新たに2通信相手以上の組み合わせで固有値の減衰量の積を推定する(ステップS403)。
数式(11)を用いて、BD法を用いた際の周波数利用効率を推定し、シングルユーザ通信時より改善が大きい通信相手の組み合わせを決定する(ステップS404)。推定された周波数利用効率、もしくは選択された通信相手で新たに詳細に推定した伝送品質を元に送信データを生成する(ステップS405)。選択された通信相手以外の通信相手についても同様に伝送速度を増大する組み合わせがあるのを評価し、順次送信を行う。
図5は、本発明第4の実施形態である無線通信装置における送信処理のフローチャートである。通信を行う前に、無線通信装置は、送信を行う通信相手に対するチャネル応答行列及びシングルユーザ通信時の伝送品質を取得する(ステップS500)。シングルユーザ時の伝送品質を用いて各通信相手に許容できる最大多重数を決定する(ステップS501)。最大多重数以下の組み合わせで固有値の減衰量の積を推定する(ステップ502)。減衰量の積が通信相手多重数とシングルユーザ時の伝送品質に対して規定値以上であるかどうかを判定する(ステップS503)。ステップS503において規定値より小さい場合は、通信相手の多重数を下げ(ステップS504)、通信相手の組み合わせによる固有値の減衰量数を再び推定し(ステップS505)、判定する(ステップ503)。
ステップS503で規定値以上となった場合は、数式(11)を用いて、規定値以上となった組み合わせでBD法を用いた際の周波数利用効率を推定し、シングルユーザ通信時より改善が大きい通信相手の組み合わせを決定する(ステップS506)。推定された周波数利用効率、もしくは選択された通信相手で新たに詳細に推定した伝送品質を元に送信データを生成する(ステップS507)。選択された通信相手以外の通信相手についても同様に伝送速度を増大する組み合わせがあるのを評価し、順次送信を行う。
以上述べたような無線通信方法に関して、受信アンテナ素子数と各通信相手へのデータストリーム数が同数である場合における効果を以下に検討する。
通信相手として3ユーザを考え、各通信相手が受信アンテナを2素子有し、送信8素子の基地局から、下り通信を行うことを考える。各通信相手と基地局との間のチャネル応答行列はそれぞれ8×2の行列で与えられ、各要素は完全無相関、複素ガウス分布で定義し、計算機シミュレーションを行った。各通信相手間で送受1素子の通信を行った際の平均SNRを35[dB]となるように設定した。図6は、BD法により直接達成可能な周波数利用効率を数式(6)から求めた結果をy軸に、本発明による方法により推定した数式(11)より得られる周波数利用効率をx軸にとった結果である。図6より、対角線上に点が分布していることが示され、高い精度で周波数利用効率が推定されていることがわかる。
次に、各通信相手へのデータストリーム数が受信アンテナ素子数以下の場合について本発明の方法の効果を検証する。
通信相手として2ユーザを考え、各通信相手が受信アンテナを3素子有し、送信8素子の基地局から、下り通信を行うことを考える。各通信相手と基地局との間のチャネル応答行列はそれぞれ8×3の行列で与えられ、各要素は完全無相関、複素ガウス分布で定義し、計算機シミュレーションを行った。各通信相手間で送受1素子の通信を行った際の平均SNRを35[dB]となるように設定した。
数式(27)と数式(11)より得られる周波数利用効率を推定し、数式(27)において、V '''として、高い第1固有値、第2固有値に対応する固有ベクトルを用いることとした。図7は、BD法により直接達成可能な周波数利用効率を数式(6)から求めた結果をy軸に、本発明による方法により推定した数式(11)より得られる周波数利用効率をx軸にとった結果を示す図である。BD法による直接推定法は、数式(3)で定義する受信ウェイトを、送信ウェイトが決定されるたびに更新し、5回繰り返して演算を行った結果である。図7より、データストリーム数が受信素子数より低い場合には推定精度が劣化するが、実際の周波数利用効率と高い相関を持つ値が推定できることがわかる。
同様に、通信相手として2ユーザを考え、各通信相手が受信アンテナを3素子有し、送信8素子の基地局から、下り通信を行うことを考える。各通信相手と基地局との間のチャネル応答行列はそれぞれ8×3の行列で与えられ、各要素は完全無相関、複素ガウス分布で定義し、計算機シミュレーションを行った。各通信相手間で送受1素子ずつの通信を行った際の平均SNRを35[dB]となるように設定した。
数式(27)と数式(11)より得られる周波数利用効率を推定し、数式(27)において、V '''として、高い第1固有値、第2固有値に対応する固有ベクトルを用い、更に数式(19)におけるV'+ としても、当該通信相手以外のもう一つの通信相手の、高い値を持つ第1固有値、第2固有値に対応する固有ベクトル、及び第1固有値、第3固有値に対応する固有ベクトルを用い、それぞれ高い固有値に対応する同士から得られる減衰量の積A 、V '''として高い固有値に対応する固有ベクトルを選択し、V'+ として第1、第3固有ベクトルを用いて計算した減衰量の積A'' 、V '''として高い固有値に対応する固有ベクトルを選択し、V'+ として第1、第2固有ベクトルを用いて計算した減衰量の積A''' をそれぞれ演算し、減衰量Aとして
β'A'+β"A"+β''' '''、β'+β"+β'''=1、
で定義できる値を用いた。
ここで、
>A'' 、A >A''' の際には、β'=1、β"=β'''=0、
<A'' 、A >A''' の際には、β'=0.75、β"=0.25、β'''=0、
>A'' 、A <A''' の際には、β'=0.75、β"=0、β'''=0.25、
<A'' 、A <A''' の際には、β'=0.5、β"=0.25、β'''=0.25、
とした。
図8は、BD法により直接達成可能な周波数利用効率を数式(6)から求めた結果をy軸に、本発明の方法により推定した周波数利用効率をx軸にとった結果を示す図である。BD法による直接推定法は、数式(3)で定義する受信ウェイトを、送信ウェイトが決定されるたびに更新し、5回繰り返し演算を行った後の結果である。このように制御することによって、図7より、推定精度を高めることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、複数の通信相手(局)宛てに、1つ又は複数の信号系列を同周波数チャネル上で同時刻に、空間体重を用いてMIMO通信を実施する際に、最適な送信ウェイトの組み合わせを選択することで、良好な通信特性を実現することが可能となる。
また、図1における無線通信装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより無線通信を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る無線通信装置の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本実施の形態に係る無線通信装置1(送信部)のブロック構成を示す図 本発明の第1の実施の形態における送信処理の流れを示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態における送信処理の流れを示すフローチャート 本発明の第3の実施の形態における送信処理の流れを示すフローチャート 本発明の第4の実施の形態における送信処理の流れを示すフローチャート ユーザ数3、送信素子数8、受信素子数2の場合の、BD法及び本発明の方法による周波数利用効率の推定結果を示す図 ユーザ数2、送信素子数8、受信素子数3、データストリーム数2の場合の、BD法及び本発明の方法による周波数利用効率の推定結果を示す図 ユーザ数2、送信素子数8、受信素子数3、データストリーム数2の場合の、BD法及び本発明の方法による周波数利用効率の推定結果を示す図 従来の無線通信装置801(送信部)のブロック構成を示す図
符号の説明
1………無線通信装置
100−1………データ出力回路
100−2………データ分割回路
101−1、…、101−L………変調回路
102………送信信号変換回路
103−1、103−2、…、103−M………無線部
104−1、104−2、…、104−M………アンテナ
105………チャネル情報取得回路
106………送信空間ベクトル演算回路
107………信号劣化量推定回路
108………通信相手選択回路
109………送信ウェイト演算回路

Claims (4)

  1. 複数のアンテナ素子を備え、複数の通信相手に対し、同時刻、同一周波数帯に信号を送信する際の通信相手の選択し、通信を行う無線通信方法であって、
    通信を行う各通信相手に対する、送信空間基底ベクトルを演算するステップと、
    送信空間ベクトルから、同時刻、同一周波数帯で送信する通信相手を選択した際のBlock Diagonarization(BD)アルゴリズムを用いる場合に生じる信号電力の劣化量を推定するステップと、
    推定された劣化量から、予め定めた条件に最もよく一致する通信相手同士を選択するステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  2. 複数のアンテナ素子を備え、複数の通信相手に対し、同時刻、同一周波数帯に信号を送信する際の通信相手の選択し、通信を行う無線通信方法であって、
    通信を行う各通信相手に対する、送信空間基底ベクトルを演算するステップと、
    送信空間ベクトルから、同時刻、同一周波数帯で送信する通信相手を選択した際のBlock Diagonarization(BD)アルゴリズムを用いる場合に生じる信号電力の劣化量を推定するステップと、
    推定された劣化量から、変調方式や符号化率からなる伝送モードを選択するステップと、
    を具備することを特徴とする無線通信方法。
  3. 複数のアンテナ素子を備える送信装置から、複数の通信相手局に対し、一つ又は複数の信号系列を同一周波数チャネル及び同一時刻に空間多重して送信を行うことが可能な無線通信システムにおける無線通信装置であって、
    2以上の複数本のアンテナを具備し、
    前記各アンテナ素子に接続され、受信時には受信信号からベースバンド信号に変換し、チャネル情報取得回路へ出力し、送信時には送信信号を無線信号としてアンテナ素子から送信を行う無線部と、
    前記無線部から入力された信号から、通信相手に対するチャネル情報を推定し、送信空間ベクトル演算回路へ出力するチャネル情報取得回路と、
    前記チャネル情報回路から入力された前記チャネル情報を元に、送信空間ベクトル群を演算する送信空間ベクトル演算回路と、
    前記送信空間ベクトル演算回路から入力される送信空間ベクトル群から、通信相手を組み合わせた際に生じる信号電力の劣化量を推定し、通信相手選択回路に出力する信号劣化量推定回路と、
    前記信号劣化量推定回路から入力された劣化量を元に、通信相手を選択し、選択した通信相手を送信ウェイト演算回路に出力する通信相手選択回路と、
    前記選択された通信相手のチャネル情報を、前記チャネル情報取得回路から取得し、送信ウェイトと、変調方式や符号化率、インターリーブの方法からなる伝送モードを決定し、データ分割回路と送信信号変換回路に出力する送信ウェイト演算回路と、
    送信データを、変調方式に応じて通信系列数に分割するデータ分割回路と、
    前記各信号系列に分割された送信データを変調する変調回路と、
    前記変調された送信データに前記送信ウェイト演算回路で決定された送信ウェイトを乗算し、対応するアンテナ素子に接続された前記無線部に出力を行う送信信号変換回路と、
    を具備することを特徴とする無線通信装置。
  4. 前記通信相手選択回路は、
    前記信号劣化推定回路から入力された劣化量を元に、通信相手を決定し、選択した通信相手を前記送信ウェイト演算回路に出力し、
    前記前記送信ウェイト演算回路は、
    形成される信号路の伝送品質を推定し、変調方式、符号化率、インターリーブ方法からなる伝送モードを推定し、データ分割回路、変調回路と送信信号変換回路に出力することを特徴とする請求項3記載の無線通信装置。
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