JP2008210950A - 有機elパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】有機ELパネルの各画素の輝度劣化を均一化し、表示品質を向上させることが可能な有機ELパネルを提供する。
【解決手段】一対の電極4,8間に少なくとも発光層を含む有機層7を形成してなる発光部を有する画素を複数配置してなる有機ELパネル1である。前記画素は、発熱分布に応じて異なる開口率で形成されてなる。また、前記画素は、高温領域において低温領域よりも開口率が高く形成されてなる。また、前記画素は、パネル中央部側においてパネル端部側よりも開口率が高く形成されてなる。
【選択図】 図1
【解決手段】一対の電極4,8間に少なくとも発光層を含む有機層7を形成してなる発光部を有する画素を複数配置してなる有機ELパネル1である。前記画素は、発熱分布に応じて異なる開口率で形成されてなる。また、前記画素は、高温領域において低温領域よりも開口率が高く形成されてなる。また、前記画素は、パネル中央部側においてパネル端部側よりも開口率が高く形成されてなる。
【選択図】 図1
Description
本発明は有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を用いた有機ELパネルに関し、特に各画素の輝度劣化の均一化に関するものである。
従来、発光素子として、ガラス材料からなる透光性の支持基板上に、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極と、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等からなる有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の背面電極と、を順次積層形成して構成される有機EL素子が知られている(例えば特許文献1参照)。
有機EL素子を用いた有機ELパネルは、自発光型平面表示装置として近年脚光を浴びており、液晶表示装置と比較して視野角依存性が少ない、コントラスト比が高い、薄膜化が可能であるなどの利点から各所で研究開発が行われている。
有機ELパネルを含む平面表示装置は、市場要求からその大画面化が進んでいる。そのため特にパッシブマトリクス型の有機ELパネルにおいては、高Duty化や発光面積の拡大が進み、自己発熱に伴い有機ELパネル内の温度が上昇している。また、有機ELパネルの発光輝度は温度上昇に伴って劣化する傾向があるため、有機ELパネルの温度上昇は輝度劣化を加速させる要因となっている。これに対し、例えば特許文献2に開示されるように放熱特性の向上など温度上昇を抑えることで輝度劣化を低減する技術が数多く考えられている。
特開2000−68057号公報
特開2002−343559号公報
しかしながら、有機ELパネルにおいてはパネル内において放熱特性が異なるため、発熱による温度分布はパネル内で不均一であり、各画素の輝度劣化に時間差が生じ、輝度のバラツキが大きくなることで表示品質が著しく低下するという点で改良の余地があった。
本発明は、このような問題に鑑み、有機ELパネルの各画素の輝度劣化を均一化し、表示品質を向上させることが可能な有機ELパネルを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を形成してなる発光部を有する画素を複数配置してなる有機ELパネルであって、前記画素は、発熱分布に応じて異なる開口率で形成されてなることを特徴とする。
また、前記画素は、高温領域において低温領域よりも開口率が高く形成されてなることを特徴とする。
また、前記画素は、パネル中央部側においてパネル端部側よりも開口率が高く形成されてなることを特徴とする。
本発明は有機ELパネルに関するものであって、有機ELパネルの各発光画素の輝度劣化を均一化し、表示品質を向上させることが可能となる。
図1は、本発明の実施形態であるパッシブマトリクス型の有機ELパネル1を示す図である。有機ELパネル1は、基板2上に有機EL素子3が形成されてなるものである。また、基板2上には有機EL素子3を気密的に覆う封止部材が設けられるが、図1においては封止部材を省略している。
基板2は、長方形形状の透明ガラス材からなり、電気絶縁性の基板である。
有機EL素子3は、図1及び図2に示すように、ライン状に複数形成される陽極4と、絶縁層5と、隔壁部6と、有機層7と、ライン状に複数形成される陰極8と、から主に構成される。有機ELパネル1は、各陽極4と各陰極8との交差個所である発光部を含む複数の画素をマトリクス状に配置し、所定表示を行う表示領域を形成している。
陽極4は、ITO等の透光性の導電材料からなり、スパッタリング法等の手段によって基板2上に前記導電材料を層状に形成した後、フォトリソグラフィー法等によって互いに略平行となるようにライン状に複数形成される。
絶縁層5は、例えばポリイミド系の電気絶縁性材料から構成され、陽極4と陰極8との間に位置するように陽極4上に形成され、陽極4を露出させる開口部5aを有するものである。絶縁層5は、両電極4,8の短絡を防止するとともに、各発光部の輪郭を明確にするものである。また、開口部5aによって前記各発光部の面積を調整でき、各画素の開口率を調整することができる。なお、各画素の開口率は画素全体の面積に対する発光部の面積の比によって求められる。
隔壁部6は、例えばフェノール系の電気絶縁性材料からなり、絶縁層5上に形成される。隔壁部6は、その断面が絶縁層5に対して逆テーパー形状等のオーバーハング形状となるようにフォトリソグラフィー法等の手段によって形成されるものである。また、隔壁部6は、陽極4と直交する方向に等間隔にて複数形成される。隔壁部6は、その上方から蒸着法やスパッタリング法等によって有機層7及び陰極8となる金属膜を形成する場合にオーバーハング形状によって有機層7及び前記金属膜が段切れを起こす構造を得るものである。
有機層7は、少なくとも発光層を有する複数層からなり陽極4上に形成される。本実施の形態においては、有機層7は、正孔注入層,正孔輸送層,第一発光層,第二発光層,第一電子輸送層,第二電子輸送層及び電子注入層を蒸着法等の手段によって順次積層形成してなる。なお、前記第一の発光層はアンバー色の発光を呈し、前記第二の発光層は青色の発光を呈するものであり、有機EL素子1は混色によって白色を得るものである。
陰極8は、アルミニウム(Al)やマグネシウム銀(Mg:Ag)等の陽極4よりも導電率が高い金属性導電材料を蒸着法等の手段により層状に形成して金属膜を形成し、隔壁部6によってこの金属膜に段切れを生じてライン状に複数形成してなるものである。陰極8の各ラインは陽極4の各ラインと略直角に交わる(交差する)ように形成される。また、陰極8は接続配線部9に電気的に接続されている。接続配線部9は、陽極4とともに形成されるものであり、同一材料のITOからなるものである。
また、有機ELパネル1は各画素が発熱分布に応じて異なる開口率で形成されてなることを特徴とするものである。
図3は、有機ELパネルの輝度劣化の一例を示したものである。図3においては例えば白色有機ELパネルの温度が40℃である場合の輝度劣化特性S1と温度が60℃である場合の輝度劣化特性S2とを示している。図3から有機ELパネルはその温度の上昇に伴って輝度劣化が進行する性質を有することがわかる。なお、図3において、輝度劣化特性S1及びS2における任意の時間T1での相対温度をそれぞれLa及びLbとする。
また、有機ELパネル内の発熱分布は熱電対やサーモグラフィー等の温度検出手段によって測定可能であり、一般的には有機ELパネルの中央部よりも端部の方が放熱特性に優れるため、中央部に近づくにつれて温度が高くなる傾向を有することがわかっている。
ところで、有機ELパネルは温度のみならず発光に寄与する電流密度にも依存して輝度劣化が進行する傾向を有する。有機ELパネルの電流密度と輝度劣化の関係を示すと、例えば図4のようになる。なお、図4は有機ELパネルを時間T1駆動させた場合の電流密度と輝度劣化の関係を示しており、有機ELパネルの温度が40℃である場合の輝度劣化特性S3と温度が60℃である場合の輝度劣化特性S4とを示している。また、輝度劣化特性S3における相対輝度La時及び輝度劣化特性S3における相対輝度Lb時の電流密度をそれぞれJa及びJbとする。
本願発明者は、有機ELパネルが電流密度にも依存して輝度劣化が進行する点に着目し、発熱分布に応じてバラツキが生じる輝度劣化特性を電流密度依存性を利用して調整し、有機ELパネル全体としての輝度劣化特性を均一化する方法を見いだした。すなわち、本発明は発熱分布に応じて各画素の電流密度を調整する方法として各画素の開口率を変更するものである。ここで、本実施形態である有機ELパネル1内の低温部の開口率をFa,高温部の開口率をFbとしたとき、開口率比Fが下記数1となるように各画素を形成することで、有機ELパネル1内の温度差に起因した輝度劣化特性を一致させることが可能となる。
本実施形態におけるJb/Ja比は最大約1.13であり、開口率比Fが同様の1.13となるように画素を形成した場合の有機ELパネル1の輝度劣化特性を図5に示す。なお、本実施形態においてはパネル端部側の画素の開口率が低温部の開口率Faとなり、パネル中央部側の画素の開口率が高温部の開口率Fbとなるようにしている。図5からも明らかなように、温度分布に応じて各画素の開口率を調整することによってパネル端部側の画素の輝度劣化特製S5とパネル中央部側の画素の輝度劣化特性S6とを近似させることができる。
ここで、図3と図5との関係から、時間T1における温度による輝度劣化と電流密度による輝度劣化が一致した曲線を得ることができ、その曲線を温度Tで微分することで温度差ΔTにおける電流密度変化ΔJ、すなわち輝度劣化特性を調整するための開口率比Fを得ることができる。本実施形態における開口率比Fは下記数2のとおりとなった。また、図6に本手法にて得られた開口率比Fと温度差ΔTの関係を示す。
また、図7に有機ELパネル1において異なる開口率で形成された画素の一例を示す。なお、図7においては説明を簡略化するために隔壁部6,有機層7及び陰極8を省略して図示している。図7(a)は有機ELパネル1におけるパネル端部側の画素を示しており、図7(b)は有機ELパネル1におけるパネル中央部側の画素を示している。有機ELパネル1は、開口率比Fを前述のようにするべく、パネル中央部側においては開口部5aから露出する陽極4の面積(すなわち発光部の面積)がパネル端部側において開口部5aから露出する陽極4の面積よりも大きくなるように形成されている。
以下、さらに実施例を上げ、本発明の具体的な効果を説明する。まず、従来例として、画素ピッチ400μm、画素サイズ380μm×380μm、画素数64×256であるパッシブマトリクス型の有機ELパネルを作成した。なお、画素ピッチ及び画素サイズをすべての画素で同一とし、開口率を90.25%で統一している他は前述の有機ELパネル1と同様の構成であるものとする。従来例の有機ELパネルをエリア輝度200cd/m2で全面点灯し20分経過した温度安定時の表示面内温度分布は、室温に対する上昇温度がパネル中央部が+19℃と最も高く、パネル端部側(表示領域端部)が+9℃と最も低かった。したがって、パネル全体における温度差は最大で10℃であった。
また、実施例として、各画素の開口率を従来例で最も温度が高かったパネル中央部で90.25%とし、従来例で最も温度の低かったパネル端部側で79.87%とするように温度分布に応じて3段階に分けて変調した他は、従来例と同様にパッシブマトリクス型の有機ELパネルを作製した。
さらに、従来例及び実施例の評価方法として、従来例及び実施例をエリア輝度200cd/m2で全面点灯試験を実施し、各々の有機ELパネルのパネル中央部の輝度劣化が70%に到達した時点でも輝度分布を計測した。これらの計測結果を図8に示す。本評価の結果から、温度分布に応じて異なる開口率で画素を形成した実施例は、輝度のバラツキが従来例の9.0%から2.2%にまで低減し、表示品質が著しく改善した。また、従来例では、パネル中央部の輝度劣化の進行が早く、中央が暗くなることが確認された。かかる評価結果によっても本発明が十分な効果を奏することは明らかである。
なお、本発明はパッシブマトリクス型有機ELパネルに限定されず、アクティブマトリクス型の有機ELパネルにも適用可能である。
1 有機ELパネル
2 基板
3 有機EL素子
4 陽極
5 絶縁層
6 隔壁部
7 有機層
8 陰極
9 接続配線部
2 基板
3 有機EL素子
4 陽極
5 絶縁層
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7 有機層
8 陰極
9 接続配線部
Claims (3)
- 一対の電極間に少なくとも発光層を含む有機層を形成してなる発光部を有する画素を複数配置してなる有機ELパネルであって、
前記画素は、発熱分布に応じて異なる開口率で形成されてなることを特徴とする有機ELパネル。 - 前記画素は、高温領域において低温領域よりも開口率が高く形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
- 前記画素は、パネル中央部側においてパネル端部側よりも開口率が高く形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の有機ELパネル。
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Publication Number | Publication Date |
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- 2007-02-26 JP JP2007045498A patent/JP2008210950A/ja active Pending
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