JP2008210585A - 接続部材の製造方法、及び、接続部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】印刷により基板表面にNH基又はNH2基を有するシランカップリング剤、光硬化性化合物及び/又は熱硬化性化合物、並びに、光硬化剤及び/又は熱硬化剤を含有する光硬化性樹脂組成物及び/又は熱硬化性樹脂組成物からなるパターンを形成するパターン形成工程と、前記パターン上にNH基又はNH2基を有するシランカップリング剤により表面処理された樹脂粒子を付着させる樹脂粒子付着工程と、前記パターンに光照射及び/又は前記パターンを加熱することにより前記樹脂粒子を前記パターン上に固着させる樹脂粒子固着工程と、前記パターン表面及び前記樹脂粒子表面に下地メッキ金属塩溶液を付着させて下地メッキ層を形成する下地メッキ工程とからなる接続部材の製造方法。
【選択図】なし
Description
また、近年、電極(接続端子)は多ピン化、微細ピッチ化が進んでおり、このような電極(接続端子)を有する液晶表示パネル等と電気部材とを接続する方法としては、OLB法に代わり、二枚の回路の電極(接続端子)同士を導電性微粒子が分散された異方性導電接着シートにより直接接続するCOG(Chip on Glass)法が主に採用されている。
また、特許文献2には、基板の上に弱粘着部と強粘着部とを形成し、強粘着部にのみ選択的に導電性微粒子を付着させ、導電性微粒子を介して基板面の端子部と電気部材の端子とを電気的に接続する方法が開示されている。
また、特許文献3には、基板面の端子部と電気部材の端子とを導電性微粒子を介して圧着により電気的に接続し絶縁性樹脂で接着固定する端子接続方法において、基板面の端子部上に熱可塑性樹脂を塗布し軟化させた状態で、この熱可塑性樹脂上に導電性微粒子を付着させ、この熱可塑性樹脂を硬化させ、更に熱硬化性樹脂により圧着状態を長時間保持させる方法が開示されている。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、原理等は不明であるものの、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤をパターンと樹脂粒子表面とにのみ付着又は含有させることにより、電子を放出する還元性の性質が発現すると考え、下地メッキ金属塩溶液に浸漬するだけで容易に下地メッキ処理が可能であることを見出した。
本発明の接続部材の製造方法を説明する模式図を図1に示した。以下、図1を用いて本発明の接続部材の製造方法を説明する。
上記熱硬化性化合物とは、加熱することにより重合反応を開始する化合物を意味する。特に、上記熱硬化性化合物としてエポキシ基を持つ化合物、及び、上記熱硬化剤としてエポキシ基を持つ化合物を加熱することにより硬化させる熱硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物が好適である。
上記熱硬化剤としては特に限定されないが、例えば、アミン化合物、アミン化合物から合成される例えばポリアミノアミド化合物等の化合物、3級アミン化合物、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、メラミン化合物、酸無水物、フェノール化合物、熱潜在性カチオン重合触媒、光潜在性カチオン重合触媒、ジシアンジアミド及びその誘導体等が挙げられる。上記熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記イミダゾール化合物としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール及びこれらの誘導体等が挙げられる。
なお、上記パターン上に樹脂粒子を付着させると、上記パターンは未硬化の光硬化性樹脂組成物及び/又は熱硬化性樹脂組成物からなることから、樹脂粒子は図1(c)に示すように重力によりパターン中に沈み込んで半ば埋め込まれた状態となる。
また、本発明の接続部材の製造方法においては、上記パターンと上記樹脂粒子表面とにNH基又はNH2基を有するシランカップリング剤を含有又は付着させることにより、触媒を用いなくても下地メッキ金属塩溶液を接触させるだけで上記パターン表面と上記樹脂粒子表面とにのみ直接下地メッキを施すことが可能となる。これにより、リークやショート等の問題に加え、触媒の使用によるコストの問題を解決することができる。
また、上記樹脂粒子の表面を上記シランカップリング剤で表面処理する方法としては特に限定されず、例えば、シランカップリング剤水溶液を上記樹脂粒子に付着、又は、浸漬させ、乾燥させる方法等が挙げられる。
具体的には、例えば、50℃に加熱した上記シランカップリング剤水溶液に上記樹脂粒子を10分間浸漬し、自然乾燥を10分間行い、上記シランカップリング剤水溶液を乾燥させる方法が挙げられる。
本発明の接続部材の製造方法においては、上記パターン上に樹脂粒子を付着させることにより、後述する下地メッキ工程を行うことで樹脂粒子とパターンとのみをまとめてメッキすることができるため、細線回路パターンであってもリークやショートの発生を防止することができる。
上述したように、上記樹脂粒子付着工程を行った後、樹脂粒子は図1(c)に示すように重力によりパターン中に半ば埋め込まれた状態となる。この状況で樹脂粒子固着工程を行うことにより、パターンと樹脂粒子とは強固に固着して一体化された状態となり、得られる接続部材から樹脂粒子が剥がれることがないため、本発明の接続部材の製造方法により得られる接続部材は、接続不良等を起こすことがない。
上記光照射の強度としては特に限定されないが、光照射により上記シランカップリング剤が失活しないように注意する必要がある。
また、上記電解メッキ法、無電解メッキ法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。
すなわち、印刷により基板表面に、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤、光硬化性化合物及び/又は熱硬化性化合物、光硬化剤及び/又は熱硬化剤、並びに、樹脂粒子を含有する光硬化性樹脂組成物及び/又は熱硬化性樹脂組成物からなるパターンを形成するパターン形成工程と、上記パターンに光照射及び/又は上記パターンを加熱することにより、上記樹脂粒子を上記パターン上に固着させる樹脂粒子固着工程と、上記パターン表面及び上記樹脂粒子表面に下地メッキ金属塩溶液を付着させて下地メッキ層を形成する下地メッキ工程とからなる接続部材の製造方法もまた、本発明の1つである。
この場合、上記樹脂粒子は、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤により表面処理されていることが好ましい。
また、上記パターンに光照射及び/又は上記パターンを加熱することにより硬化した上記パターンの基板からの高さよりも、上記樹脂粒子の直径が大きくなることが好ましい。上記樹脂粒子の直径が上記パターンの基板からの高さよりも大きいことで、上記樹脂粒子による凹凸を効果的に形成することができる。この場合、上記パターンを形成する印刷の方法としては特に限定されないが、インクジェット印刷が好ましい。
また、更に、下地メッキ層の表面に電解メッキ法又は無電解メッキ法によりメッキ層を形成するメッキ工程を有することが好ましい。
本発明の接続部材の製造方法により製造されてなる接続部材もまた、本発明の1つである。
光硬化性化合物として、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学社製「PTMG250」)100重量部、及び、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、光硬化剤として、ベンゾインエチルエーテル5重量部、有機溶剤として、アセトン5重量部、シランカップリング剤として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン10重量部を混合し、まず、30分撹拌して脱泡した後、更にビーズミルで撹拌した。その後、三本ロールミルで混練し、光硬化性樹脂組成物を調製した。
また、50℃に加熱した30重量%3−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液に樹脂粒子(平均粒子径3μm:積水化学工業社製「ミクロパール」)を10分間浸漬し、自然乾燥を10分間行い、上記シランカップリング剤水溶液を乾燥させ、3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面を処理した樹脂粒子を得た。
この光硬化性樹脂組成物をスクリーン印刷により、透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ100μm)上に印刷し、所定のパターン(線幅25μm、線間隔25μm、厚さ0.5μm)の光硬化性樹脂組成物のパターンを形成した。
この光硬化性樹脂組成物のパターン上に、3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面を処理した樹脂粒子を乾式散布装置(日清エンジニアリング社製「DISPA−μR」)を用いて散布することにより、樹脂粒子を光硬化性樹脂組成物のパターン上に付着させた。次いで、光硬化性樹脂組成物のパターン上に付着していない樹脂粒子を除去した後、大気雰囲気中で、紫外線を照射強度250mW、積算光量1000mJで照射して硬化させた。
このようにして所定のパターンを形成したPETフィルムをpH2.0に調整した4重量%塩化銅水溶液に浸漬した後、ジメチルアミンボラン水溶液に50℃で1時間浸漬することにより、下地メッキ層が形成された接続部材を作製した。
実施例1と同様にして下地メッキ層を形成した後、硫酸銅10重量部、エチレンジアミン4酢酸(EDTA)20重量部、ホルムアルデヒド15重量部を含むpH12.0に調整した無電解銅メッキ浴に60℃で1時間浸漬することにより、下地メッキ層の表面にメッキ層が形成された接続部材を作製した。
光硬化性化合物として、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート(共栄社化学社製「PTMG250」)4重量部、及び、メチルアクリレート1重量部、光硬化剤として、ベンゾインエチルエーテル0.2重量部、有機溶剤として、トルエン100重量部、シランカップリング剤として、3−アミノプロピルトリメトキシシラン1重量部、及び、実施例1と同様に3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面を処理した樹脂粒子(平均粒子径3μm:積水化学工業社製「ミクロパール」)5重量部を混合し、まず、30分撹拌して脱泡し、光硬化性樹脂組成物を調製した。
この光硬化性樹脂組成物をインクジェット印刷により、透明ポリイミド(PI)フィルム(厚さ25μm)上に印刷し、大気雰囲気中で、紫外線を照射強度250mW、積算光量1000mJで照射して硬化させることにより、所定のパターン(線幅25μm、線間隔25μm、厚さ0.5μm)を形成した。
このようにして所定のパターンを形成したPIフィルムをpH2.0に調整した4重量%塩化銅水溶液に浸漬した後、ジメチルアミンボラン水溶液に50℃で1時間浸漬することにより、下地メッキ層が形成された接続部材を作製した。
実施例3と同様にして下地メッキ層を形成した後、硫酸銅10重量部、EDTA20重量部、ホルムアルデヒド15重量部を含むpH12.0に調整した無電解銅メッキ浴に60℃で1時間浸漬することにより、下地メッキ層の表面にメッキ層が形成された接続部材を作製した。
3−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、3−アミノプロピルトリエトキシシランオリゴマー(チッソ社製「MS3301」)を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接続部材を作製した。
塩化銅水溶液の代わりに、塩化パラジウム水溶液を用いたこと以外は、実施例4と同様にして接続部材を作製した。
光硬化性化合物として、フェノキシ樹脂(ユニオンカーバイド社製「PKHA」)50重量部、及び、光硬化樹脂(ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート及びメチルアクリレートを3:1の重量比)50重量部、光硬化剤として、ベンゾフェノン5重量部、増感剤として、ミヒラーケトン1重量部、及び、シランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラン5重量部の混合物を作製し、更にトルエン/酢酸エチル(1:1の重量比)を添加することで、上記混合物の70重量%溶液を調製した。
この溶液を透明PETフィルム(厚み40μm)にロールコータで塗布し、70℃で20分乾燥することにより、厚さ20μmの光硬化性樹脂組成物層を得た。
所定のパターン(線幅25μm、線間隔25μm)の貫通孔を有するステンレス製メタルマスク(厚さ0.5μm、サイズ100mm角)の表面を剥離剤で処理し、光硬化性樹脂組成物層に密着させた。メタルマスクの上から、紫外線を照射(1.0J/cm2)することで、マスク開孔部の光硬化性樹脂組成物層の粘着性を低下させた。その後でマスクを除去し、導電性粒子の散布を行った。導電性粒子は粒子径4μmのポリスチレン系粒子にNi/Auの厚さ0.1/0.02μmの金属被覆を形成した導電性粒子で、乾式散布装置(日清エンジニアリング社製「DISPA−μR」)を用いて散布した。これにより、所定の導電性パターンを形成した接続部材を作製した。
実施例1〜6、及び、比較例1で得られた接続部材について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例1〜6、及び、比較例1で作製した接続部材の下地メッキ層又はメッキ層に熱硬化性樹脂シートを130℃、10秒で仮圧着させた後、対向する接続部材の下地メッキ層又はメッキ層と同様の導電パターンを有する透明導電ガラスの電極面を重ねることにより、対向する接続部材の下地メッキ層又はメッキ層と、透明導電ガラスの電極面との位置合わせを行い、これを180℃、100MPaで30秒間加熱加圧して熱硬化性樹脂シートを硬化させた。こうして接続部材の下地メッキ層又はメッキ層と透明導電ガラスの電極とが電気的に導通するように接続された回路の接続構造体を得た。
得られた回路の接続構造体について、180℃、85%の恒温恒湿内に1000時間放置し、信頼性試験を行った。この信頼性試験前後での対向する接続部材の下地メッキ層又はメッキ層と、透明導電ガラスの電極との接続抵抗値及び接続部材の隣接する下地メッキ層間又はメッキ層間の絶縁抵抗値を測定した。接続抵抗値及び絶縁抵抗値の測定には、抵抗率計(三菱化学社製「ロレスターEP」(4端子4探針法)測定条件23℃)を用いた。結果を表1に示した。
2 基板
3 樹脂粒子
4 光照射及び/又は加熱により硬化したパターン
5 下地メッキ層
Claims (5)
- 印刷により基板表面に、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤、光硬化性化合物及び/又は熱硬化性化合物、並びに、光硬化剤及び/又は熱硬化剤を含有する光硬化性樹脂組成物及び/又は熱硬化性樹脂組成物からなるパターンを形成するパターン形成工程と、
前記パターン上に、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤により表面処理された樹脂粒子を付着させる樹脂粒子付着工程と、
前記パターンに光照射及び/又は前記パターンを加熱することにより、前記樹脂粒子を前記パターン上に固着させる樹脂粒子固着工程と、
前記パターン表面及び前記樹脂粒子表面に下地メッキ金属塩溶液を付着させて下地メッキ層を形成する下地メッキ工程とからなる
ことを特徴とする接続部材の製造方法。 - 印刷により基板表面に、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤、光硬化性化合物及び/又は熱硬化性化合物、光硬化剤及び/又は熱硬化剤、並びに、樹脂粒子を含有する光硬化性樹脂組成物及び/又は熱硬化性樹脂組成物からなるパターンを形成するパターン形成工程と、
前記パターンに光照射及び/又は前記パターンを加熱することにより、前記樹脂粒子を前記パターン上に固着させる樹脂粒子固着工程と、
前記パターン表面及び前記樹脂粒子表面に下地メッキ金属塩溶液を付着させて下地メッキ層を形成する下地メッキ工程とからなる
ことを特徴とする接続部材の製造方法。 - 樹脂粒子は、NH基又はNH2基を有するシランカップリング剤により表面処理されていることを特徴とする請求項2記載の接続部材の製造方法。
- 更に、下地メッキ層の表面に電解メッキ法又は無電解メッキ法によりメッキ層を形成するメッキ工程を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の接続部材の製造方法。
- 請求項1、2、3又は4記載の接続部材の製造方法により製造されてなることを特徴とする接続部材。
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