JP2008210479A - 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置 - Google Patents

再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008210479A
JP2008210479A JP2007048034A JP2007048034A JP2008210479A JP 2008210479 A JP2008210479 A JP 2008210479A JP 2007048034 A JP2007048034 A JP 2007048034A JP 2007048034 A JP2007048034 A JP 2007048034A JP 2008210479 A JP2008210479 A JP 2008210479A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
magnetic
magnetic field
magnetic head
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007048034A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Nagasaka
恵一 長坂
Yutaka Shimizu
豊 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2007048034A priority Critical patent/JP2008210479A/ja
Publication of JP2008210479A publication Critical patent/JP2008210479A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

【課題】 再生磁気ヘッド、複合型薄膜磁気ヘッド、及び、ハードディスク磁気記録装置に関し、磁気抵抗効果膜の磁界バイアス設計を制御性良く行う。
【解決手段】 外部磁場に対しその磁化方向が容易に変化するフリー層2、非磁性中間層3、及び、外部磁場に対しその磁化方向が変化しにくいピンド層4からなる磁気抵抗効果膜1の膜厚方向の上下に磁気シールド層5,6を設け、磁気抵抗効果膜1の膜厚方向にセンス電流8を流す磁気抵抗効果素子を備えるとともに、磁気抵抗効果膜1の近傍に磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構7を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置に関するものであり、特に、いわゆるスピンバルブ膜を用い、センス電流を膜厚方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)構造を有する磁気抵抗効果素子におけるバイアス磁界の制御を容易にするための構成に特徴のある再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置に関するものである。
近年、各種の情報処理機器における記憶手段として、HDD(ハードディスクドライブ)装置が用いられているが、このようなHDD装置における磁気ヘッドを構成する再生磁気ヘッドとしてスピンバルブ(SV)膜を用いた磁気抵抗効果素子が用いられている。
このスピンバルブ膜を用いた磁気抵抗効果素子は、二層の磁性層を有し、そのうち一方の磁性層は反強磁性層との間の一方向異方性磁界Hua等により磁化方向を固定したピンド層であり、他方の磁性層は外部磁界に対して容易に磁化方向が変化するフリー層である。
そして、これら磁性層間の磁化方向の相対角度によって素子抵抗が変化するという性質を利用し、素子抵抗の変化に基づいて当該外部磁界の方向、及び大きさを検出する。
スピンバルブ膜を用いた磁気抵抗効果素子としては、スピンバルブ膜の膜面内方向にセンス電流を流して膜面内方向の抵抗変化を検出する、CIP(Current In Plane)構造の磁気抵抗効果素子が広く採用されている。
しかし、近年のより高密度化・高感度化の要請に応える磁気抵抗効果素子として、スピンバルブ膜の膜厚方向にセンス電流を流して膜厚方向の抵抗変化を検出する、CPP構造の磁気抵抗効果素子が注目されている(例えば、特許文献1乃至特許文献4、或いは、非特許文献1参照)。
このCPP構造の磁気抵抗効果素子は、寸法が小さくなるにつれて素子出力が増大する特徴を有しており、高密度磁気記録装置における高感度な再生ヘッドとして有望である。
CPP構造のCPP−SV膜やTMR(tunnel magnetoresistance)膜等の磁気抵抗効果膜を用いた再生磁気ヘッドにおいては、磁気抵抗効果膜の両端にハードバイアス膜を配置し、磁気抵抗効果膜のフリー層磁化を磁気ヘッドのコア幅方向に向け、磁気ヘッドとしての線形応答性を高めている。
図11参照
図11は、従来のCPP型再生磁気ヘッドの概念的正面図であり、下部磁気シールド層71と上部磁気シールド層77の間に反強磁性層73/ピンド層74/非磁性中間層75/フリー層76からなる磁気抵抗効果素子72を設けるとともに、その両側に硬磁性体からなるハードバイアス膜78を設け、このハードバイアス膜78の磁化によりフリー層76の磁化方向を再生磁気ヘッドのコア幅方向に向けている。
また、二層の強磁性層、即ち、フリー層とピンド層との間の非磁性中間膜の膜厚を制御して、フリー層の磁化方向が磁気ヘッドの素子高さ方向に向くのを抑制し、上述した線形応答が得られる設計を行っているので、この事情を図12を参照して説明する。
図12参照
図12は、従来のCPP型再生磁気ヘッドの概念的側面図であり、フリー層76の磁化方向は、非磁性中間層75を介したピンド層74による交換結合磁界Hinの影響で磁気ヘッドの素子高さ方向(図における右方向の奥行き方向)に作用するが、ピンド層74の両端に磁化が発生してこの磁化による磁界Hd が逆方向に作用する。
このため、非磁性中間層75の膜厚を制御して、非磁性中間層75を介したピンド層74による交換結合磁界Hinの影響を制御することにより、フリー層76の磁化方向が磁気ヘッドの素子高さ方向に向くのを抑制している。
なお、図における符号79は平坦化絶縁膜である。
このように従来では磁気抵抗効果膜内の層間結合力やハードバイアス膜からの静磁界により、フリー層へのバイアス磁界印加を行っている。
特開2001−325704号公報 特開平07−287819号公報 特開2000−216020号公報 特開2003−317213号公報 Atsushi Tanaka et al.,"Spin−Valve Heads in the Current−Perpendicular−to−Plane Mode for Ultrahigh−Density Recording",IEEE Trans.Magn.,Vol.38,pp.84−88,January 2002
しかしながら、上述したハードバイアス膜によるコア幅方向のバイアス印加法においては、その強度がハードバイアス膜の形状の影響を強く受け、その制御が困難であるという問題がある。
また、コア幅方向の読取り感度を高めるため、磁気抵抗効果素子の両端にシールドを配置する構造、例えば、上部磁気シールド層を磁気抵抗効果素子の両端を覆うように設けることも提案されているが、通常のハードバイアス膜は図11に示した通り磁気抵抗効果素子の両端に設けているので、ハードバイアス膜との両立が不可能であるという問題もある。
一方、素子高さ方向のバイアス印加に関しては、例えば、TMR膜においてはその抵抗値の低減が要求されるため、非磁性中間層を構成する非磁性絶縁層を薄層化する必要があるが、その場合フリー層とピンド層との間の交換結合力が大幅に増大してしまい、適正なバイアス設計を行うことが困難になるという問題がある。
さらに、磁気抵抗効果膜に流れるセンス電流そのものも回転電流磁界を発生させるが、この場合、素子の上下(素子高さ方向)でコア幅方向の磁界は逆方向となってしまう。
即ち、図11の場合、電流がフリー層側からピンド層側に流れた場合、素子の下端(ABS面)においては、磁化方向は左向きとなり、素子の上端(奥行き側)では右向きとなる。
それにより、フリー層磁化が所望の一方向に揃うことが妨げられるため、磁気抵抗効果素子の両端に配置されたハードバイアス膜によるバイアス磁界を増強させる必要が生じていた。
しかし、ハードバイアス膜による磁界は素子両端部が最も強いため、センス電流による回転電流磁界に打ち勝つバイアス磁界を印加させた場合、素子両端部のフリー層磁化が強大なハード膜バイアス磁界により殆ど回転しない、即ち、素子感度が低下するという新たな問題が発生する。
したがって、本発明は、磁気抵抗効果膜の磁界バイアス設計を制御性良く行うことを目的とする。
図1は本発明の原理的構成図であり、ここで図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記の課題を解決するために、本発明は、再生磁気ヘッドにおいて、外部磁場に対しその磁化方向が容易に変化するフリー層2、非磁性中間層3、及び、外部磁場に対しその磁化方向が変化しにくいピンド層4からなる磁気抵抗効果膜1の膜厚方向の上下に磁気シールド層5,6を設け、磁気抵抗効果膜1の膜厚方向にセンス電流8を流す磁気抵抗効果素子を備えるとともに、磁気抵抗効果膜1の近傍に磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構7を有することを特徴とする。
このように、磁気抵抗効果膜1の近傍に磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構7を設けることによって、その通電電流によるバイアス磁界を利用し、磁気抵抗効果膜1のバイアス設計を容易にすることができ、それによって、従来のハードバイアス膜を省いてサイド磁気シールドを設けることや、TMR膜等の非磁性絶縁層の薄膜化が可能となる。
この通電による磁場印加機構7は一箇所設ければ良く、その場合には、通電による磁場印加機構7を磁気抵抗効果素子の素子高さ方向の上端部に配置して、通電による磁場印加機構に流れるバイアス用電流9の方向と、磁気抵抗効果素子を流れるセンス電流8の方向が同一方向になるように電流を流せば良く、それによって、素子高さの上端部においてセンス電流8による回転電流磁界を相殺することができる。
この場合、通電による磁場印加機構7の端部と磁気抵抗効果素子の素子高さ方向の上端部との間の距離が15nm以下であることが望ましく、それによって、素子高さの上端部においてセンス電流8による回転電流磁界を確実に相殺することができる。
或いは、通電による磁場印加機構7を二箇所に設けても良く、その場合には、二箇所の通電による磁場印加機構7を磁気抵抗効果素子のコア幅方向に平行に配置し、二箇所の通電による磁場印加機構に流れるバイアス用電流9の方向を互いに逆向きにすれば良く、それによって、フリー層2とピンド層4との間の交換結合力による影響を相殺することができる。
また、上述の再生磁気ヘッドと、誘導型の記録磁気ヘッドとを積層して一体化することにより、高感度の複合型薄膜磁気ヘッドを実現することができ、また、この様な複合型薄膜磁気ヘッドを搭載することによって、高密度記録が可能で高感度のハードディスク磁気記録装置を実現することができる。
本発明によれば、CPP構造磁気抵抗効果素子を用いた再生磁気ヘッドのバイアス磁界の制御を容易に行うことが可能となり、それにより、再生磁気ヘッドの設計マージンの増加、及び性能の向上を図ることができ、延いては、この再生磁気ヘッドを磁気記録装置に搭載することによって、磁気記録装置の性能の向上及び記録密度の向上が可能になる。
本発明は、外部磁場に対しその磁化方向が容易に変化するフリー層、非磁性中間層、及び、外部磁場に対しその磁化方向が変化しにくいピンド層からなる磁気抵抗効果膜の膜厚方向の上下に磁気シールド層を設け、磁気抵抗効果膜の膜厚方向にセンス電流を流す磁気抵抗効果素子を備えるとともに、磁気抵抗効果膜の近傍に磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構を少なくとも一箇所に配置するものである。
通電による磁場印加機構を一箇所だけ設ける場合には、通電による磁場印加機構を磁気抵抗効果素子の素子高さ方向の上端部に配置して、通電による磁場印加機構を流れる電流の方向と、磁気抵抗効果素子を流れるセンス電流の方向が同一方向になるように電流を流すように構成する。
また、通電による磁場印加機構を二箇所に設ける場合には、二箇所の通電による磁場印加機構を磁気抵抗効果素子のコア幅方向に平行に配置し、二箇所の通電による磁場印加機構に流れる電流の方向を互いに逆向きにする。
ここで、図2乃至図7を参照して本発明の実施例1の再生磁気ヘッドを説明するが、まず、図2乃至図5を参照して本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの製造工程を説明する。
図2参照
まず、スライダーの母体となる、Al2 3 −TiC基板上にAl2 3 膜(いずれも図示を省略)を介してNiFeからなる下部磁気シールド層11を設け、その上に、スパッタリング法を用いてTMR膜12を形成する。
このTMR膜12は、例えば、5nmのTa下地層13、2nmのNiFeフリー層14、1.5nmのCoFeBフリー層15、0.8nmのAl−Oからなるトンネル絶縁膜16、2nmのCoFeBピンド層17、8nmのIrMn反強磁性層18、及び、6nmのTaキャップ層19からなる。
次いで、レジストパターン20をマスクとしてイオンミリングを施すことによって、所定の形状に加工することによってTMR膜12の露出部をエッチングして素子高さ方向の上端部を決定する。
次いで、例えば、ステップカバレッジの良好なCVD法を用いて厚さが、例えば、5nmのAl2 3 膜21を形成したのち、例えば、直進性に優れたロングスロースパッタリング法を用いて厚さが、例えば、25nmのCu膜22を堆積する。
図3参照
次いで、レジストパターン20を除去したのち、新たなレジストパターン23を形成してCu膜22の露出部をイオンミリング法により途中までエッチング除去する。
この時、Cu膜22の残存する厚さは、例えば、10nmであり、また、TMR膜12に対向する部分の幅は、例えば、5nmである。
次いで、再び、直進性に優れたロングスロースパッタリング法を用いて厚さが、例えば、5nmのAl2 3 膜24及び厚さが、例えば、10nmのCu膜25を順次堆積する。
次いで、レジストパターン23を除去したのち、新たなレジストパターン26をTMR膜12の素子高さの上端部に整合するように設けたのち、再び、直進性に優れたロングスロースパッタリング法を用いて厚さが、例えば、5nmのAl2 3 膜27を堆積させる。
図4参照
次いで、レジストパターンを除去したのち、コア幅を規定する幅が例えば、0.1μmのストライプ状のレジストパターン28を設けたのち、イオンミリング法を用いることによって、露出部を下部磁気シールド層11に達するまでエッチング除去する。
この時、ストライプ状にエッチングされたCu膜22及びCu膜25によってバイアス磁界を発生させる通電機構29が形成されるとともに、TMR膜12の残部がTMR素子30となる。
図5参照
次いで、再び、直進性に優れたロングスロースパッタリング法を用いて厚さが、例えば、5nmのAl2 3 膜31を堆積させたのち、レジストパターン28を除去することによって、ストライプ状領域の両側がAl2 3 膜31で埋め込まれて全体が平坦化される。
最後に、スパッタリング法を用いて上部磁気シールド層32を設けることによって、本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの基本構成が完成する。
図6参照
図6は、本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの概念的構成図であり、上図は平面図であり、下図は断面図である。
図に示すように、通電機構はTMR素子30が記録媒体に対向する面(Air Baring Surface:ABS面)と反対側(素子高さ方向)に配置されている。
このTMR素子30に流すセンス電流33と同じ方向になるようにCu膜22及びCu膜25からなる通電機構29にバイアス電流34を流すことによって、TMR素子30の素子高さ方向の上端部側においては、センス電流33により形成される回転電流磁界35はバイアス電流34による回転電流磁界36により相殺されるので、従来のハードバイアス膜によるバイアス磁界と同様の効果が得られる。
図7参照
図7は、センス電流とバイアス電流による回転電流磁界の説明図であり、右図は図6の上図におけるTMR素子の位置におけるセンス電流による回転電流磁界の強度分布の説明図であり、左図はセンス電流による回転電流磁界の強度分布の説明図であり、中図は、両者を重ね合わせた磁界強度分布の説明図である。
右上図は、センス電流が3mAの場合の回転電流磁界の絶対値の分布図であり、ほぼ同心円状の強度分布を示し、また、右下図は回転電流磁界のx方向成分、即ち、コア幅方向の磁界強度であり、y方向、即ち、素子高さ方向に沿って、y=50nmの中央部を境にして磁界方向が反転して分布しており、素子の上下端部が最も大きく、この場合約95Oeである。
一方、左上図は、TMR素子の位置におけるバイアス電流が10mAの場合の回転電流磁界の絶対値の分布図であり、ほぼ同心円状の強度分布を示し、また、左下図は回転電流磁界のx方向成分、即ち、コア幅方向の磁界強度であり、y方向、即ち、素子高さが0nmの上端部において約110Oeであり、また、約10nmの位置において約95Oeである。
また、中図は通電機構による発生磁界と素子部のセンス電流による発生磁界の合成磁界のx成分の分布図であり、素子の上端部側で磁界強度が0近傍になっており、通電機構による発生磁界により、センス電流による回転電流磁界のうち素子上端部の逆向き磁界を打ち消すとともに、素子下端部においては同一方向の磁界を印加することが可能であることがわかる。
なお、ここでは素子端部と通電機構との距離を5nmとして計算したが、左下図から明らかなように、素子高さが約10nmの位置における磁界強度は約95Oeであるので、素子端部と通電機構との距離を15nm以下の厚さに設定すれば、ハードバイアス膜と同様の効果が得られることが分かる。
このように、本発明の実施例1においては、TMR素子の素子高さ方向に一つの通電機構を設け、センス電流と同方向にバイアス電流を流しているので、設計によってはハードバイアス膜が無い場合でもセンス電流による回転電流磁界を打消す以上の磁界を発生し、独立通電気後部のみでもコア幅方向のバイアス磁界を印加することが可能になる。
このようにハードバイアス膜を不要にする効果も得られるため、TMR素子両端部に磁気シールド機構を設けることが可能になり、それによって、磁気ヘッドを更に高性能化させる構造を実現することも可能となる。
次に、図8を参照して、本発明の実施例2の再生磁気ヘッドを説明するが、基本的な製造工程は上記の実施例1と同様であるので、最終的な構成のみを説明する。
図8参照
図8は、本発明の実施例2の再生磁気ヘッドの概念的構成図であり、上図は平面図であり、下図は平面図におけるA−A′を結ぶ線に沿った断面図である。
図に示すように、通電機構37,38はTMR素子30が記録媒体に対向する面(ABS面)と反対側(素子高さ方向)にコア幅方向に2箇所配置されている。
この場合は、通電機構37と通電機構38に流す電流を互いに逆方向にすることによって、TMR素子30の素子高さ方向の合成磁界39を印加するものであり、この合成磁界39によって、上述のピンド層による交換結合磁界Hinと、ピンド層の両端に発生した磁化による磁界Hd との合成磁界Hin+Hd を相殺するものである。
したがって、TMR素子30を構成するトンネル絶縁膜16を極力薄膜化した場合にも、ピンド層との交換結合磁界を打ち消すことが可能となるので、ハードバイアス膜との併用により、フリー層磁化のバイアス設計が容易になる。
次に、図9を参照して、本発明の実施例3の垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドを説明する。
図9参照
まず、上記の実施例1の製造工程の全く同様に、スライダーの母体となる、Al2 3 −TiC基板上にAl2 3 膜(いずれも図示を省略)を介して下部磁気シールド層11、TMR素子30及び通電機構29、及び、上部磁気シールド層32を設ける。
次いで、上部磁気シールド層32上にAl2 3 膜41を全面に設けたのち、選択電解メッキ法を用いてAl2 3 膜41上に厚さが1〜3μm、例えば、1.0μmのNiFeからなる主磁極補助層42を設ける。
なお、電解メッキ工程におけるメッキベース層については説明を省略する。
次いで、スパッタリング法を用いて全面にAl2 3 膜を堆積させたのち、CMP(化学機械研磨)法を用いて平坦化することによって、ヘッド媒体対向面側の凹部をAl2 3 埋込層43で埋め込み、次いで、選択電解メッキ法を用いて全面に厚さが0.15〜0.30μm、例えば、0.25μmのCoNiFe層44を形成する。
次いで、スパッタリング法を用いて全面に厚さが30〜100nm、例えば、60nmで、非磁性体、例えば、Ruからなるギャップ層45を設ける。
この場合のギャップ層45の膜厚は、最終的な磁気ヘッド構造において、ヘッド媒体対向面から垂直記録媒体の裏打ち層表面までの距離の1〜2倍程度となるように設定する。
次いで、選択電解メッキ法を用いてヘッド媒体対向面側に厚さが0.3〜0.5μm、例えば、0.5μmのCoNiFe層を堆積させたのち、レジストパターン(図示を省略)をマスクとして傾斜方向からArイオンを用いたイオンミリングを施すことによってCoNiFe層乃至Al2 3 埋込層43の先端部を選択的に除去して主磁極46及び突出部47を形成する。
次いで、再び、スパッタリング法を用いて全面にAl2 3 膜を堆積させたのち、CMP法を用いて平坦化することによって、Al2 3 埋込層48を形成したのち、再び、選択電解メッキ法を用いてAl2 3 埋込層48上にCuを選択的に成膜して平面スパイラル状のライトコイル49を形成する。
次いで、ライトコイル49を覆うようにフォトレジストを設け、このフォトレジストを被覆絶縁膜50としたのち、再び、選択電解メッキ法を用いてNiFe層を堆積させ、被覆絶縁膜50上に堆積したNiFe層をリターンヨーク51とし、被覆絶縁膜50のヘッド媒体対向面側の側面に堆積したNiFe層をシールド層52とする。
なお、ライトコイル49は主磁極46とリターンヨーク51とを磁気的に接続するリターンヨーク51と一体に形成された接続部53を中心として巻回した構造となっている。 最後に、ヘッド媒体対向面側を切断し、素子高さを調整するようにABS面を研磨することによって、垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドの基本構成が完成する。
次に、図10を参照して、本発明の実施例4の磁気ディスク装置を説明するが、この磁気ディスク装置は上述の実施例3の垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドを搭載したものである。
図10参照
図10は、本発明の実施例4の磁気ディスク装置の平面図であり、磁気ディスク装置60は、スピンドルモータ63の回転軸に取り付けられるとともに、ディスククランプリング62によって固定された磁気ディスク61、磁気ディスク61に書き込まれた磁気情報を読み取るとともに、磁気ディスク61に磁気情報を書き込む実施例3に記載した垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドを備えたスライダー64、スライダー64の先端部に取り付けた微動アーム65、微動アーム65を駆動する一対の圧電アクチュエータ(図示を省略)、微動アーム65を軸66により揺動支持するとともに磁気ディスク装置60のシャーシ67に回動可能に支持されたベースアーム68、ベースアーム68を駆動する電磁アクチュエータ69によって構成される。
以上、本発明の各実施例を説明したが、本発明は各実施例に示した構成、条件、数値に限られるものではなく、各種の変更が可能であり、例えば、上記の各実施例においては、再生磁気ヘッドをTMR素子で構成しているが、TMR素子に限られるものではなく、TMR素子におけるトンネル絶縁膜をCu等の非磁性中間層に置き換えたGMR素子により構成しても良いものである。
また、上記の実施例2においては、2つの通電機構をTMR素子の素子高さ方向の上端部の近傍に設けているが、TMR素子の両脇に設けても良いものである。
また、上記の実施例3及び実施例4においては、複合型薄膜磁気ヘッドを構成する書込磁気ヘッドを垂直記録型磁気ヘッドにより構成しているが、垂直記録型磁気ヘッドに限られるものではなく、面内記録型磁気ヘッドにより書込磁気ヘッドを構成しても良いものである。
ここで、再び図1を参照して、改めて、本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1) 外部磁場に対しその磁化方向が容易に変化するフリー層2、非磁性中間層3、及び、外部磁場に対しその磁化方向が変化しにくいピンド層4からなる磁気抵抗効果膜1の膜厚方向の上下に磁気シールド層5,6を設け、上記磁気抵抗効果膜1の膜厚方向にセンス電流を流す磁気抵抗効果素子を備えるとともに、前記磁気抵抗効果膜1の近傍に前記磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構7を有することを特徴とする再生磁気ヘッド。
(付記2) 上記通電による磁場印加機構7が一箇所であることを特徴とする付記1記載の再生磁気ヘッド。
(付記3) 上記通電による磁場印加機構7が、上記磁気抵抗効果素子の素子高さ方向の上端部に配置されていることを特徴とする付記2記載の再生磁気ヘッド。
(付記4) 上記通電による磁場印加機構を流れるバイアス用電流9の方向と、上記磁気抵抗効果素子を流れるセンス電流8の方向が同一方向であることを特徴とする付記3記載の再生磁気ヘッド。
(付記5) 上記通電による磁場印加機構7の端部と上記磁気抵抗効果素子の素子高さ方向の上端部との間の距離が15nm以下であることを特徴とする付記3または4に記載の再生磁気ヘッド。
(付記6) 上記通電による磁場印加機構7が二箇所であることを特徴とする付記1記載の再生磁気ヘッド。
(付記7) 上記二箇所の通電による磁場印加機構7が、上記磁気抵抗効果素子のコア幅方向に平行に配置されていることを特徴とする付記6記載の再生磁気ヘッド。
(付記8) 上記二箇所の通電による磁場印加機構に流れるバイアス用電流9の方向が、互いに逆向きであることを特徴とする付記6または7に記載の再生磁気ヘッド。
(付記9) 付記1乃至8のいずれか1に記載の再生磁気ヘッドと誘導型の記録磁気ヘッドとを一体化した複合型薄膜磁気ヘッドを搭載したことを特徴とするハードディスク磁気記録装置。
本発明の活用例としては、磁気ディスク装置を構成する複合型薄膜磁気ヘッドが典型的なものであるが、再生ヘッド単独の場合にも適用されるものであり、さらには、磁気ヘッドに限られるものではなく、磁気センサの場合にも適用されるものである。
本発明の原理的構成の説明図である。 本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの図2以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの図3以降の途中までの製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの図4以降の製造工程の説明図である。 本発明の実施例1の再生磁気ヘッドの概念的構成図である。 センス電流とバイアス電流による回転電流磁界の説明図である。 本発明の実施例2の再生磁気ヘッドの概念的構成図である。 本発明の実施例3の垂直記録用複合型薄膜磁気ヘッドの構成説明図である。 本発明の実施例4の磁気ディスク装置の平面図である。 従来のCPP型再生磁気ヘッドの概念的正面図である。 従来のCPP型再生磁気ヘッドの概念的側面図である。
符号の説明
1 磁気抵抗効果膜
2 フリー層
3 非磁性中間層
4 ピンド層
5 磁気シールド層
6 磁気シールド層
7 通電による磁場印加機構
8 センス電流
9 バイアス用電流
11 下部磁気シールド層
12 TMR膜
13 Ta下地層
14 NiFeフリー層
15 CoFeBフリー層
16 トンネル絶縁膜
17 CoFeBピンド層
18 IrMn反強磁性層
19 Taキャップ層
20 レジストパターン
21 Al2 3
22 Cu膜
23 レジストパターン
24 Al2 3
25 Cu膜
26 レジストパターン
27 Al2 3
28 レジストパターン
29 通電機構
30 TMR素子
31 Al2 3
32 上部磁気シールド層
33 センス電流
34 バイアス電流
35,36 回転電流磁界
37,38 通電機構
39 合成磁界
41 Al2 3
42 主磁極補助層
43 Al2 3 埋込層
44 CoNiFe層
45 ギャップ層
46 主磁極
47 突出部
48 Al2 3 埋込層
49 ライトコイル
50 被覆絶縁膜
51 リターンヨーク
52 シールド層
53 接続部
60 磁気ディスク装置
63 スピンドルモータ
62 ディスククランプリング
61 磁気ディスク
64 スライダー
65 微動アーム
66 軸
67 シャーシ
68 ベースアーム
69 電磁アクチュエータ
71 下部磁気シールド層
72 磁気抵抗効果素子
73 反強磁性層
74 ピンド層
75 非磁性中間層
76 フリー層
77 上部磁気シールド層
78 ハードバイアス膜
79 平坦化絶縁膜

Claims (4)

  1. 外部磁場に対しその磁化方向が容易に変化するフリー層、非磁性中間層、及び、外部磁場に対しその磁化方向が変化しにくいピンド層からなる磁気抵抗効果膜の膜厚方向の上下に磁気シールド層を設け、上記磁気抵抗効果膜の膜厚方向にセンス電流を流す磁気抵抗効果素子を備えるとともに、前記磁気抵抗効果膜の近傍に前記磁気抵抗効果素子部とは独立の通電による磁場印加機構を有することを特徴とする再生磁気ヘッド。
  2. 上記通電による磁場印加機構が一箇所であることを特徴とする請求項1記載の再生磁気ヘッド。
  3. 上記通電による磁場印加機構が二箇所であることを特徴とする請求項1記載の再生磁気ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の再生磁気ヘッドと誘導型の記録磁気ヘッドとを積層して一体化した複合型薄膜磁気ヘッドを搭載したことを特徴とするハードディスク磁気記録装置。
JP2007048034A 2007-02-27 2007-02-27 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置 Withdrawn JP2008210479A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007048034A JP2008210479A (ja) 2007-02-27 2007-02-27 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007048034A JP2008210479A (ja) 2007-02-27 2007-02-27 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008210479A true JP2008210479A (ja) 2008-09-11

Family

ID=39786652

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007048034A Withdrawn JP2008210479A (ja) 2007-02-27 2007-02-27 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008210479A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8617408B2 (en) Method for manufacturing a magnetic read sensor with narrow track width using amorphous carbon as a hard mask and localized CMP
US8066892B2 (en) Method for manufacturing a perpendicular magnetic write head with a wrap around shield
US8323727B2 (en) Method for manufacturing a perpendicular magnetic write head having a tapered write pole and a stepped wrap around side shield gap
US7712206B2 (en) Method for manufacturing a magnetic write head having a trailing shield with an accurately controlled trailing shield gap thickness
US7587811B2 (en) Method for manufacturing a magnetic write head for perpendicular magnetic data recording
US7793406B2 (en) Method for manufacturing a magnetic write head
US7324310B2 (en) Self-pinned dual CPP sensor exchange pinned at stripe back-end to avoid amplitude flipping
JP2009032382A (ja) Cpp型磁界検出素子及びその製造方法
JP2004103769A (ja) Cpp構造磁気抵抗効果素子
JP2005235371A (ja) リード線機構の安定を強化した自動ピン止め型読取りセンサ
JP5852541B2 (ja) 磁気抵抗センサーのための磁気バイアス構造
JP2010277621A (ja) 磁気抵抗効果ヘッド及び磁気記録再生装置
US20150062751A1 (en) Magnetic sensor having an extended pinned layer with stitched antiferromagnetic pinning layer
JP2013004166A (ja) ハードバイアスのシード構造を有する磁気センサ
JP2008021360A (ja) 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気ディスクドライブ装置及び薄膜磁気ヘッドの製造方法
US8953284B1 (en) Multi-read sensor having a narrow read gap structure
JP2004030899A (ja) テープドライブ読取ヘッド内の磁気抵抗センサ、および薄膜読取ヘッドの製造方法
US7194797B2 (en) Method for use in forming a read sensor for a magnetic head
JP6559965B2 (ja) トラック幅が狭く且つ読み取りギャップが小さい磁気センサ
US8797694B2 (en) Magnetic sensor having hard bias structure for optimized hard bias field and hard bias coercivity
KR100822593B1 (ko) 자기 헤드의 제조 방법
JP2008027476A (ja) 薄膜磁気ヘッド、磁気ヘッドアセンブリ、磁気ディスクドライブ装置及び薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP2006041120A (ja) 磁気抵抗効果装置およびその製造方法、薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、ヘッドアームアセンブリおよび磁気ディスク装置
JP2008210479A (ja) 再生磁気ヘッド及びハードディスク磁気記録装置
JP4005957B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド、ヘッドジンバルアセンブリ、及びハードディスク装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20100511