JP2008208733A - 冷凍サイクル装置の圧力容器体およびその製造装置およびパイプと容器の接合方法 - Google Patents

冷凍サイクル装置の圧力容器体およびその製造装置およびパイプと容器の接合方法 Download PDF

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博之 野田
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Abstract

【課題】 従来のロウ付を行わずに銅パイプを密閉容器に接合させる冷凍サイクル装置の圧力容器体は、接合面積が小さく冷媒の作動圧力に耐えられるだけの十分な接合強度が得られないという問題があった。
【解決手段】 冷凍サイクル装置の圧力容器体であって、冷媒の作動圧力が作用するとともに、冷媒もしくは冷凍機油を流入もしくは流出するパイプを接合する容器と、パイプの途中もしくは端部に、外側に突出するようにパイプの一部が塑性変形されて端面が平坦面に形成されたつば部と、容器に形成され、パイプを挿入するもしくは前記パイプと連通する穴が設けられた平面部と、を備え、つば部の平坦面と容器の平面部とを溶着させることで、パイプを容器に接合したことものである。
【選択図】図2

Description

この発明は、冷凍冷蔵空調用機器や給湯用機器等のヒートポンプを利用した冷凍サイクル装置の冷媒回路中に接続される圧縮機等の圧力容器体に関し、特に容器に流入管や流出管等のパイプを接合する容器構造に関するものであり、またその圧力容器体の製造装置およびパイプと容器の接合方法に関するものである。
従来の冷凍サイクル装置の冷媒回路に接続される圧力容器体の一つである圧縮機は、密閉容器内に電動機とこの電動機に連結された回転軸により駆動される圧縮機構部と収納し、密閉容器外部の冷媒回路の低圧(吸入圧)冷媒を密閉容器に固定された吸入管から圧縮機構部に吸入し、そこで高圧(吐出圧)まで圧縮し、吸入管とは異なる位置で密閉容器に固定された吐出管から密閉容器の外部の冷媒回路に高圧(吐出圧)冷媒を吐出するものであるが、一般的に密閉容器は鉄を材料としており、吐出管や吸入管等の密閉容器に取り付けられ固定されるパイプは銅を材料とする銅パイプが使用される。このように密閉容器と吐出管や吸入管等のパイプは材料が異なり互いの融点が違うため、密閉容器に銅パイプを接合させる際には、アーク溶接等では互いの材料を略同時に溶融させることができず、従来は、銀ロウ等のロウ材を用いてロウ付により銅パイプを密閉容器に接合させていた。
ロウ付を行う際には、接合物である銅パイプおよび被接合物である鉄製の密閉容器の母材と溶融ロウ材の表面酸化膜を除去し清浄とすることと、またこれらを加熱する際の酸化を防止する目的でフラックスが使用されるが、ロウ付後のフラックスが異物となって圧縮機構部に侵入し、摺動部の摺動面を傷つけたり、摺動部に噛み込まれて回転軸をロックさせたりする不都合があるため、ロウ付後に、付着したフラックスを除去する工程を設けている。しかし容器の内側や微小なすきま部はフラックス除去作業の実施が困難で、十分に除去できずにフラックスが残留してしまい、上記の不都合が発生するという課題があり、この課題を解決するために、密閉容器への銅パイプの接合をロウ付けにて行わずに、銅パイプの片端面を容器に所定の力で付勢し、4〜12ミリ秒/数万アンペアのパルス電流を銅パイプと容器に通電して互いの金属の接触面を瞬時に溶融させ両者を溶着により接合させる圧縮機がある。(例えば、特許文献1参照)。
またロウ付によらず、融点が異なる材料を接合する方法として摩擦圧接がある。鉄製の丸棒である接合材Aの端面と銅製の棒状接合材Bの端面を接合するもので、摩擦圧接に先立って、融点が高い方である鉄製の接合材Aを、融点の低い方である銅製の接合材Bの融点よりも僅かに低い1000℃程度まで予備加熱してから摩擦圧接を行うようにしたものがある。(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−239271号公報(請求項1、図1〜図5、0016欄〜0050欄) 特開平10−202373号公報(図1、0013欄〜0022欄)
従来のロウ付を行わずに銅パイプを密閉容器に接合させる冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機は、抵抗溶接により銅パイプの端面を密閉容器の表面に接合するものであるので、銅パイプが容器を貫通して、その一端側が容器内部に突出するように接合させることはできず、また溶着により接合される部分が銅パイプの横断面積に相当する面積であるので、接合面積が小さく冷媒の作動圧力に耐えられるだけの十分な接合強度が得られないという問題があった。
また摩擦圧接により融点の異なる接合材同士を接合する方法においても、互いの端面を接合するものであるので、冷凍サイクルの圧力容器体の銅パイプと鉄製の容器の接合に適用しようとしても、銅パイプが容器を貫通して、その一端側が容器内部に突出するように接合させることはできず、また溶着により接合される部分が銅パイプの横断面積に相当する面積であるので、接合面積が小さく冷媒の作動圧力に耐えられるだけの十分な接合強度が得られないという問題があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、ロウ付を行うことなく、パイプの一端側が容器内部に突出するようにパイプを容器に接合でき、またパイプと容器の接合面積をパイプの横断面積より大きくして、パイプと容器の接合強度を冷媒の作動圧力に十分に耐え得る強固なものとすることができる容器構造を備えた信頼性の高い冷凍サイクル装置の圧力容器体を提供するものであり、またその圧力容器体を製造する製造装置およびパイプと容器の接合方法を提供するものである。
この発明に係わる冷凍サイクル装置の圧力容器体は、冷媒の作動圧力が作用するとともに、冷媒もしくは冷凍機油を流入もしくは流出するパイプを接合する容器と、パイプの途中もしくは端部に、外側に突出するようにパイプの一部が塑性変形されて端面が平坦面に形成されたつば部と、容器に形成され、パイプを挿入するもしくはパイプと連通する穴が設けられた平面部とを備え、つば部の平坦面と容器の平面部とを溶着させることで、パイプを容器に接合したものである。
この発明によれば、パイプの途中に外側に突出するようにパイプの一部を塑性変形させて形成したつば部を、パイプが挿入される穴が形成された容器の平面部に溶着させてパイプを接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、容器の穴を貫通してパイプの一端側が容器内部に突出するように接合でき、またパイプと容器の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い冷凍サイクル装置の圧力容器体が得られる効果がある。
実施の形態1.
本発明の説明に先立って図1にて冷凍サイクル装置の圧力容器体について説明する。図1は冷凍サイクル装置の冷媒回路1を示す説明図である。冷媒回路1は、主として圧縮機2と高圧側熱交換器3と減圧装置4と低圧側熱交換器5が接続配管で接続されて構成される。冷凍サイクル装置の性能や信頼性を高めるために、上記以外にも消音器6や油分離器7や気液分離器8が適宜必要に応じて、冷媒回路1中に接続される。この冷媒回路1内を冷媒が循環する。冷媒は容器内部に圧縮機構部を収納した圧縮機2にて、低圧から高圧に圧縮され、圧縮された高圧冷媒が高圧側熱交換器4に流入し、この高圧側熱交換器4で空気または水と熱交換する。その際に高圧冷媒から得られた熱により空調用機器においては暖房を行い、また給湯用機器では水を加熱する。
高圧側熱交換器4で熱交換を終えた高圧冷媒は、膨張弁や毛細管である減圧装置4にて減圧されて低圧冷媒となり、今度は低圧側熱交換器5に流入し、ここで空気と熱交換し蒸発する。その際に空気の熱が奪われることで、冷凍冷蔵用装置であれば物を冷やし、空調用機器では冷房を行う。低圧側熱交換器5で熱交換を終えた低圧冷媒は、圧縮機2に吸入されて再び高圧に圧縮され、以降上記のサイクルを繰り返す。
消音器6は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒の圧力脈動を消音するものであり、容器の内部に高圧冷媒を膨張させることで消音する。そのため消音器6が設置される場合には、通常圧縮機2と高圧側熱交換3の間に接続される。油分離器7は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒に含まれる冷凍機油を冷媒から分離し圧縮機2に戻すもので、高圧冷媒を容器内部で旋回させ、その遠心力を利用して冷凍機油を冷媒から分離するものや、容器内部にフィルターや邪魔板等の分離材を設置し、そこに高圧冷媒を通過させて冷凍機油を分離材に付着させて分離するもの等がある。油分離器7も設置される場合には、通常圧縮機2と高圧側熱交換3の間に接続される。また油分離器7は容器内部に空間を保有しているため、消音器を兼ねるものもある。
気液分離器8は、気液二相状態の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離し、液冷媒を一時的に貯留するものである。気液分離器8が設置される場合、図1においては、低圧領域である低圧側熱交換器5と圧縮機2の間に接続されているが、高圧領域である高圧側熱交換器3と減圧装置4の間に接続されるものもあるし、また減圧装置4を二段階に分けて直列に配置して減圧させるようにし、中間圧領域となるそれら2つの減圧装置の間に接続させるものもある。また気液分離器8を低圧側領域と高圧側領域にそれぞれ複数設置する場合もある。
本発明における冷凍サイクル装置の圧力容器体とは、冷媒回路1に接続されるものの中で、容器とその容器に接合されるパイプを備えた機器であり、具体的には、冷媒回路1において圧縮機2、消音器6、油分離器7、気液分離器8を指すものである。これら冷凍サイクル装置の圧力容器体は、容器内部に冷媒の作動圧力が作用する。特に近年では冷媒としては二酸化炭素またはHFC32単体もしくはHFC32が含まれるHFC混合冷媒などの作動圧力が高い冷媒が使用されている。
このような作動圧力の高い冷媒では、容器内部が低圧であっても、冷凍サイクル装置の停止時のバランス圧力が作用するので、例えばHFC32が50%の重量割合であるHFC410Aでは2MPa、また二酸化炭素では8MPa程度の圧力まで容器に作用する。さらに容器内部が高圧となる場合では、冷凍サイクル装置の運転時にHFC410Aでは4MPa、また二酸化炭素では14MPa程度の圧力まで作用することになる。容器に接合されたパイプは、これらの作動圧力の作用により、容器の内側から外側に向けて引き剥がされるような力を受けている。このため冷凍サイクル装置の圧力容器体におけるパイプと容器の接合では、このような作動圧力の高い冷媒の作動圧力に耐えられるだけの十分な接合強度が必要となる。
図2は、この発明を実施するための実施の形態1におけ冷凍サイクル装置の圧力容器体である密閉型圧縮機100を示す縦断面図であり、図3は図2に示す密閉型圧縮機100の要部断面図であり、本発明の特徴である容器とパイプの接合構造を説明する図である。密閉型圧縮機100は図1の冷媒回路1における圧縮機2の一実施例である。
密閉型圧縮機100は、密閉容器10の内部に圧縮機構部80と、この圧縮機構部80を回転軸81を介して回転駆動させる電動機90を収納し、また密閉容器10の外面に保持される気液分離器15を備える。電動機90の下方に圧縮機構部80が配置される。圧縮する冷媒としては二酸化炭素またはHFC32単体もしくはHFC32が含まれるHFC混合冷媒が使用されている。
密閉容器10は上下を開口した鉄を材料とする円筒容器11に、同じく鉄を材料とする上蓋12および底蓋13が溶接等で接合されることで密閉がなされる。なお密閉容器10は絞り加工等で形成した有底の円筒容器に上蓋12を接合する2分割構成としてもよい。密閉容器10の底部には、圧縮機構部80に供給され、それらの摺動部の潤滑や圧縮室のシールなどに使われる冷凍機油が貯留される油溜め94が設けられている。ここで冷凍機油は冷媒が二酸化炭素の場合にはPAG(ポリアルキレングリコール)油を使用し、HFC冷媒の場合にはエーテル油もしくはエステル油またはアルキルベンゼン油を使用している。
電動機90は、固定子91と回転子92から構成される。回転子92の外周と固定子91内周には、エアギャップと呼ばれる径方向のすきまが全周に渡ってほぼ均一に設けられる。固定子91は、積層され互いにかしめ固定された略円環状の電磁鋼板の内側歯部にコイルが集中巻き方式で巻かれており、その積層された電磁鋼板の外周が密閉容器10の内周に焼嵌めにより固定される。固定子91の積層された電磁鋼板外周には部分的に切欠き91aが複数設けられているので、密閉容器10内周と固定子91の外周の間には、それら切欠きにより固定子91の上下を連通する流路が形成される。
回転子92も固定子91同様に、円環状の電磁鋼板が積層され互いにかしめ固定されたもので、電磁鋼板の内部に希土類磁石やフェライト磁石等の永久磁石が埋設され、また積層された電磁鋼板の上下を連通するように複数の風穴92aが流路として設けられている。回転子92は積層された電磁鋼板の内周が回転軸81と焼嵌められており、固定子91に電力が供給されると、回転軸81は回転子92と一体となって回転する。密閉容器10の上蓋12には、ガラスターミナル85が溶接固定されていて、このガラスターミナル85と固定子91がリード線で接続され、外部から供給される電力がガラスターミナル85を中継して電動機90に付与される。
圧縮機構部80は、回転軸81の偏心部81aに嵌められたローラー82がシリンダ83の内側空間83aに収納され、このローラー82外周に接触する図示されない板状のベーンがシリンダ内側空間83aを吸入室と圧縮室に仕切り、ローラー82の偏心回転により圧縮室の容積を減じて圧縮を行うロータリ圧縮機構を備えている。
気液分離器15は、圧縮機構部80の圧縮室に液冷媒が直接吸入されないように、液冷媒を一時的に貯留するともので、同時に、円筒状の容器15aの容積で低圧冷媒の脈動を消音することもできる。この気液分離器15は、密閉型圧縮機100の構成部品の一つであり、密閉容器10に一体的に保持される。図1の冷媒回路1における気液分離器7は、圧縮機2と別個に接続されるもので、この圧縮機100の気液分離器15とは異なるものである。図1の圧縮機2として、気液分離器15を備えた密閉型圧縮機100を冷媒回路1に接続する場合においても、気液分離器7を接続しても構わない。ただしこの気液分離器15も本発明に示す冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである。
気液分離器15は円筒状容器15aの上面に、この圧縮機100を使用する冷媒回路の低圧接続配管に接続される低圧接続管9が円筒状容器15aの内部と外部を連通するように接合される。この低圧接続管9が気液分離器15の流入管となる。また円筒状容器15aの底面には、円筒状容器15a内部のガス冷媒が流入し、そのガス冷媒を圧縮機構部80の吸入室に吸入させる吸入管14が接合される。低圧接続管9から円筒状容器15aに流入した低圧冷媒が液とガスの二相状態であった場合に、液冷媒は円筒状容器15a内部に一時的に貯留され、ガス冷媒のみが吸入管14から円筒状容器15aの外部に流出する。吸入管14が気液分離器15の流出管となる。一時的に貯留された液冷媒は、その後蒸発してガス冷媒となって、吸入管14から円筒状容器15aの外部に流出する。
低圧接続管9から流入した気液二相状態の低圧冷媒が直接的に吸入管14に流入しないように、円筒状容器15内部の低圧接続管9と吸入管14の間には、仕切り板15bが設置されている。一般的に円筒状容器15aは鉄を材料とし、流入管である低圧接続管9と流出管である吸入管14は銅を材料とする銅パイプから成る。また気液分離器15は密閉容器10の円筒容器11に、円筒容器11に固着された受け具に保持される。
なお吸入管14は直接に圧縮機構部80や密閉容器10に接合されない。円筒容器11に水平方向(回転軸81の軸線方向に直角な方向)に設けられた吸入管用の穴に、銅パイプから成る吸入外管18が接合される。そして鉄を材料とする吸入補助管19が吸入外管18を貫通して、シリンダ83にシリンダ83外周からシリンダ内側空間83aに連通するように設けられた穴に圧入され、シリンダ83の穴内周に密着させる。
そしてこの吸入補助管19に、吸入管14の一端側が挿入され、吸入外管18と吸入補助管19および吸入管14が接合されることで、吸入管14は圧縮機構部80の吸入室に連通する。ここで吸入補助管19は鉄製でなく、銅パイプで形成し、シリンダ83の穴に挿入後に、その銅パイプから成る吸入補助管19の内部に鉄管を圧入して、吸入補助管19をシリンダ83の穴の内周に密着させてもよい。圧力容器体である密閉型圧縮機100の密閉容器10に冷媒を流入する流入管は、接合された吸入外管18と吸入補助管19および吸入管14により構成されることになる。
密閉型圧縮機100は、ガラスターミナル85を介して電動機90に電力が供給され、回転軸81が電動機90により回転駆動すると、冷媒回路の低圧接続配管に接続した低圧接続管9から気液分離器15と吸入管14を経由して圧縮機構部80に低圧冷媒(吸入圧の冷媒)が吸入される。圧縮機構部80に吸入された低圧冷媒は、圧縮機構部80で上記のロータリ圧縮機構により高圧(吐出圧)まで圧縮され、密閉容器10内部に全量吐出される。それにより密閉容器10の内部が高圧雰囲気となる。密閉容器10内の高圧冷媒は、上記した固定子91外周の切欠き91aによる流路や、固定子91と回転子92のすきま(エアギャップ)や、回転子92の風穴92aによる流路などを通って、密閉容器10内部の電動機90上方の空間(電動機90と上蓋12の間の空間)93に至る。
密閉容器10の上蓋12には、上蓋12に形成された吐出管用穴17を貫通して、一端側が密閉容器10内部の空間93(上蓋12の内側)に入った状態で、吐出管20が接合されている。空間93に至った圧縮後の高圧冷媒は、この吐出管20を通って密閉容器10の内部から密閉容器10外部に吐出される。吐出管20は密閉容器10の外部で、冷媒回路の高圧接続配管に接続され、吐出管20から吐出された高圧冷媒は、冷媒回路の高圧接続配管に流れ、その後冷媒回路を循環する。吐出管20が密閉型圧縮機100の密閉容器10から高圧冷媒を流出する流出管となる。吐出管20は銅を材料とする銅パイプにて形成される。
ここで吐出管用穴17を貫通して吐出管20の一端側が密閉容器10内部に突出しているのは、圧縮機構部80から密閉容器10内部に吐出された高圧冷媒に含まれている冷凍機油を、高圧冷媒とともに密閉容器10外部に吐出してしまうのを防止する、いわゆる油上がり対策のためである。一端側を上蓋12の内側(密閉容器10内部側)に突出させるようにすることで、密閉容器10内部で高圧冷媒から分離して上蓋12の内側に付着している冷凍機油が、高圧冷媒の流れに巻き込まれて吐出管20に流入することを防止し、冷媒回路の冷凍機油の循環量を低減させるのである。ただし吐出管20接合後の上蓋12を運んだり動かしたりする時の取り扱いのし易さから、通常上蓋12の内側に突出した吐出管20が上蓋12の下端面より突出することはなく、上蓋12の内側に収められる。
図4は図2に示す圧縮機100の吐出管20の断面図である。ここで本発明の特徴である吐出管20を図4により説明する。吐出管20はパイプの途中にパイプの外側に突出したつば部21が全周に形成されている。このつば部21は、吐出管20の一部が塑性変形されて吐出管20に一体的に形成されるものである。つば部21は、バルジ加工によってパイプの一部が押しつぶされるように重なり合って形成されるもので、つば部21の形状をかたどった型に、吐出管20となる銅パイプをセットし、銅パイプを軸線方向に圧縮することで、銅パイプが型に合うように塑性変形して形成される。図4において、符号Aで示す線は、つば部21の押しつぶされて重なり合った部分の上下の境目を表している線である。
またつば部の形状をかたどった型に、吐出管となる銅パイプをセットし、銅パイプの内側に油や水などの液体を入れ、これに高圧を作用させて液圧により外側に張り出すように塑性変形させてつば部を形成してもよい。さらにその液圧で塑性変形させたつば部をさらに軸線方向に圧縮してもよい。
つば部21はバルジ加工以外の方法で形成されてもよい。また別体の環状のつば部を吐出管に固着させてもよいが、固着する手間がかかり、密閉型圧縮機100の長い運転期間の中で吐出管と分離してしまう恐れもあるので、銅パイプの一部を塑性変形させてつば部21を吐出管と一体的に形成する方が、信頼性上も、製作する際の作業性上やコスト上もよい。
つば部21の一端面は、密閉容器10の上蓋12の表面と接触する平らな状態の平坦面22とする。つば部21は、押しつぶして重なり合う部分を持たなくてもよく、一端面を平坦面で形成すれば、パイプの一部を外側に突出されるように塑性変形した上下の突出部分の間に空間が存在していてもよい。この平坦面22の反対側は、つば部21の厚さが外側から内側に向けて厚くなるようなテーパ面23となっている。これは、平坦面22の面積を大きくするためである。吐出管20の一部を塑性変形させて一体的につば部21を形成する場合、つば部21の外周は曲面状になる。このつば部21外周の曲面部24の起点までが平面である平坦面22となる。このため、つば部21の外径が同じであれば、曲面部24の半径が小さいほど平坦面22の面積を大きくできる。
しかしつば部21の軸線方向の厚さを一定として、曲面部24の半径を小さくすると、つば部21の厚さが減少する。つば部21を薄くし過ぎるとつば部21の剛性が弱くなる。そのため実施の形態1のつば部21は、つば部21の厚さが外側から内側に向けて厚くなるようにして、平均的な厚さが必要な剛性を確保するもの以上とし、かつ外周側の厚さを小さくして曲面部24の半径を小さくし、平坦面22の面積を大きくしているのである。
平坦面22の面積を大きくするには、つば部21の外径を大きくすればよいのだが、バルジ加工により吐出管20の一部を塑性変形させてつば部21を形成する場合には、外径に限界があるため、限られた外径の内で、つば部21の厚さが外側から内側に向けて厚くなるようにして平坦面22の面積を大きく確保するものである。平坦面22の面積が十分確保できるのであれば、つば部21の軸線方向の厚さを一定としても構わない。
図3により、本発明の特徴である、上蓋12へ吐出管20が接合された容器構造について説明する。図3においてガラスターミナル85は省略している。容器構造とは、接合物であるパイプ(ここでは吐出管20)を被接合物である容器(ここでは密閉容器10の上蓋12)に接合した状態のもの、または接合している過程のものを指す。上蓋12の外側表面には、つば部21の外径より大きい領域で平らな状態の平面部16を形成し、その平面部16を貫通するように、吐出管20が貫通する吐出管用穴17を形成する。穴17の直径は、吐出管20の外径より少し大きく、つば部21の外径より小さい径である。
平面部16はプレスにより形成するが、板厚の厚い上蓋12であれば、切削加工で形成してもよい。また吐出管用穴17もプレス(ピアス加工)により形成するが、ドリル等の刃物で切削加工して形成してもよい。吐出管用穴17はつば部21から全くはみださない大きさであれば、形状は円形でなく多角形状や楕円であっても構わない。言い換えれば、吐出管用穴17の周囲につば部21の平坦面22が接触する範囲より大きい平面部16が形成されているのである。
上蓋12の穴17に、つば部21の平坦面22側の吐出管20aを挿入し、平坦面22のを平面部16を接触させる。つば部21は密閉容器10の外側に位置することになる。つば部21の平坦面22側の吐出管20aは、穴17を貫通し上蓋12の内側(密閉容器10内部)に突出する。この状態で吐出管20もしくはつば部21を上蓋12に所定の力で押し付け(加圧し)、押し付けた(加圧した)状態のままで、つば部21のテーパ面23と穴17周辺の上蓋12の内側にそれぞれ電極を接触させ、つば部21と上蓋12との間に瞬間的に数万アンペア以上の強電流を流し、この強電流によって、つば部21の平坦面22と上蓋12の平面部16の接触面を瞬時に加熱して両方の接触面の金属を溶融させ、溶融した金属同士を溶着させる。
このように接合物と被接合物を接触させ加圧しながら両者間に強電流を瞬間的に流して溶着させる接合方法は抵抗溶接と呼ばれ、パイプ(吐出管20)に形成したつば部21と容器(上蓋12)を抵抗溶接することにより、つば部21の平坦面22が、平坦面22が接触していた穴17周辺の平面部16と溶着し、つば部21を一体形成している吐出管20が上蓋12に接合固定される。平坦面22が溶着されるので、吐出管20のパイプ端面を容器に溶着することに比べて接合面積を大きく確保することができ、接合強度を高くすることができる。上記にて接合面となる平坦面22の面積をなるべく大きく確保するようにしたが、これは溶着による接合面積をなるべく大きくし、接合強度をより高くするためである。
よって実施の形態1は、この接合面積であるつば部21の平坦面22と平面部16が接触する面積が、吐出管20のパイプ横断面積より大きい面積とするもので、つば部21の外径と曲面部24の半径とおよび吐出管用穴17の直径は、つば部21と平面部16の接合面積が、吐出管20のパイプ横断面積より大きい面積となるような寸法関係となっている。図2の圧縮機100の吐出管20はパイプの外径が10mmで、つば部21の外径は14mmである。なおパイプ横断面積とは、そのパイプの外径と内径に挟まれた環状の肉厚部分の面積を指すものである。
つば部21の平坦面22の反対側をテーパ面23として形成していれば、吐出管20の向きを逆にして接合してしまうことを防ぐこともできる。なおつば部21と上蓋12との間に瞬間的に強電流を流す際に、吐出管20もしくはつば部21を上蓋12に所定の力で押し付けたが、上蓋12をつば部21に押し付けるか、両方を互いに押し付けあってもよく、つば部21と上蓋12との間に所定の加圧力を作用させた状態であればよい。
ここで、所定の加圧力は、4〜8kNである。加圧力がこの範囲より小さいと、溶融が少なく十分な接合ができず接合強度が弱かったり、接合部から密閉容器10内部の冷媒がリークしたりする問題が生じる。また逆にこの範囲より大きいと、つば部21を含む吐出管20や上蓋12が変形してしまうという問題が生ずる。加圧力が上記の範囲であれば、リークの発生も変形もなく、良好な接合状態が得られる。
吐出管20の途中に形成したつば部21の端面である平坦面22を密閉容器10の上蓋12の平面部16に溶接するので、ロウ付を行わなくとも、吐出管20の一端側を上蓋12の内側に突出させることができ、図2の圧縮機100において、密閉容器10内部の空間93に吐出管20の一部が入った状態にすることができる。これにより上記した油上がり対策を施すことでき、圧縮機100を油上がりの少ない圧縮機とすることができる。吐出管20のつば部21は、つば部21の平坦面22とこの平坦面22側の吐出管20aの開口端までの距離が、上蓋12の平面部16の板厚と空間93に入れる吐出管20の長さの和となるような位置に形成する。
ここでつば部21の平坦面22と吐出管20(パイプ)の軸線の直角度が悪いと、上蓋12に対して吐出管20が傾斜してしまう。このため平坦面22の吐出管20の軸線に対する直角度は小さい方がよい。図2の圧縮機100の吐出管20においては、平坦面22の吐出管20の軸線に対する直角度の許容値を、上蓋12の平面部16との接触面積の範囲で0.25mm以下としている。同様に上蓋12の穴17と平面部16のつば部平坦面22と接触する範囲の直角度許容値も0.25mm以下としている。
また抵抗溶接するにあたって、加圧時に点接触状態など接触面積が局所的に著しく小さくなってしまうと、その小さい接触部に強電流が局所的に流れてしまい、その接触部が溶融し過ぎて変形したり、その部分しか溶着されずにリークが発生したりする不具合が生じる。そのためつば部21の平坦面22、および上蓋12の平面部16の平面度を高め、平坦面22を一様に平面部16と接触させるようにする。図2の圧縮機100の吐出管20においては、つば部21の平坦面22の平面度許容値を0.1mm以下とし、また上蓋12の平面部16では、つば部21と接触する範囲の平面度許容値を0.1mm以下としている。ここで平面度とは指定された範囲内での最も高い点と低い点の差である。
なお抵抗溶接するにあたって一方の電極をつば部21のテーパ面23に接触させたが、平坦面22以外であればどこでもよく、曲面部24に接触させてもよい。しかしあまり平坦面22に近いと電極自体が接合されてしまう危険があるので、テーパ面23が望ましい。またつば部21ではなく吐出管20に一方の電極を接触させてもよいが、つば部21から離れると、電極の接触位置からつば部21までの吐出管20の抵抗により無駄な電流が流れることになるので、エネルギーの有効活用の点から、吐出管20に一方の電極を接触させる場合には、なるべくつば部21に近い位置に接触させる方がよい。
また他方の電極を上蓋12の内側(つば部21が位置する側と反対側)表面の穴17周辺に接触させたが、上蓋12の外側表面のつば部21外径周辺であってもよい。いず
れにしてもエネルギーの有効活用の点から、接合する箇所に近い位置に他方の電極を接触させて、上蓋12の抵抗により無駄に流れる電流をできるだけ小さくする方がよい。ただしあまり接合箇所に近づけすぎると電極自体が接合されてしまう危険があるので注意が必要である。
さらに、吐出管20および上蓋12ともに、電極と接触する部位の平面度が悪いと、電極の接触が面で接触せずに点接触となって、その点接触している部位に強電流が局所的に流れ、電極自体がその点接触している部位で接合されてしまう危険があるので、電極が接触する部位は、電極と点接触とならない程度に平面度の確保が必要である。
上記の方法によってつば部21を一体形成した吐出管20を上蓋12に接合させるにあたって、通常は単体の状態の上蓋12に吐出管20を接合し、吐出管20接合後の上蓋12を内部に圧縮機構部80や電動機90を収納した密閉容器10の円筒容器11に溶接して密閉するが、円筒容器11に溶接された後の上蓋12に吐出管20を抵抗溶接により接合してもよい。その場合には、他方の電極を上蓋12の内側に接触させることはできないので、上蓋12の外側表面に接触させる。
また上蓋12には、ガラスターミナル85が溶接固定されるが、単体状態の上蓋12に、ガラスターミナル85を溶接固定し、その後で、吐出管20を上記の方法で接合してもよいし、単体状態の上蓋12に吐出管20を接合した後でガラスターミナル85を溶接固定し、その状態の上蓋12を円筒状容器11に溶接固定してもよい。
実施の形態1に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機100は以上のように、密閉容器10の上蓋12(容器)の平面部16に、吐出管20の途中に外側に突出するように吐出管20の一部を塑性変形させて形成したつば部21の平坦面22を、抵抗溶接により溶着させて吐出管20(パイプ)を接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通して吐出管20の一端側が密閉容器10内部に突出するように接合でき、またつば部21の平坦面22と上蓋12の平面部16が溶着する接合面積を吐出管20のパイプ横断面積より大きくして、吐出管20と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
実施の形態2.
図5は、この発明を実施するための実施の形態2における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図5において図3と同一の符号で示すものは、図3の圧縮機容器構造と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図5に示す圧縮機の容器構造が図3に示す圧縮機の容器構造と異なる点は、つば部の位置である。
図5の容器構造の吐出管30は、実施の形態1の吐出管20と同様に、銅パイプを材料とし、バルジ加工により吐出管30の途中に吐出管30の一部を外側に突出するように塑性変形させてつば部31を一体的に形成するが、この実施の形態2は、密閉容器10の上蓋12へつば部31を抵抗溶接により接合するにあたって、つば部31が上蓋12の内側に位置するように接合するのが特徴である。
上蓋12の平面部16を上蓋12の内側(密閉容器10内部側)に形成する。この平面部に設けられた上蓋12の穴17に、内側からつば部31の平坦面32側の吐出管30aを挿入し、平坦面32を上蓋12の平面部16に接触させ、つば部31と上蓋12との間に所定の加圧力を作用させる。その状態で、上蓋12の穴17近傍の外側表面とつば部31のテーパ面33または吐出管30に電極を接触させ、実施の形態1と同様の抵抗溶接により、つば部31の平坦面32が、平坦面32が接触していた上蓋12内側の穴17周辺の平面部16と溶着し、つば部31を一体形成している吐出管30が上蓋12に接合固定される。
ここでつば部31と上蓋12との間に作用させる押し付け力(加圧力)の大きさは実施の形態1と同様である。また吐出管30とつば部31の寸法や形状精度、そしてつば部31の形成方法、形状も実施の形態1の吐出管20とつば部21と同様である。そして両電極の接触位置についても実施の形態1で述べたことが適用でき、上蓋12に接触させる電極を上蓋12の内側に接触させてもよく、吐出管30に接触させる電極を上蓋12の外側(つば部31が位置する側と反対側)で接触させてもよい。
このようにつば部31を上蓋12の内側に位置させるように吐出管30を上蓋12に接合する場合では、円筒容器11に溶接された後の上蓋12に吐出管30を接合するのは困難であるので、単体の状態の上蓋12に吐出管30を接合し、吐出管30接合後の上蓋12を内部に圧縮機構部80や電動機90を収納した密閉容器10の円筒容器11に溶接して密閉する。これによりつば部31が空間93に配置されることになる。上蓋12への吐出管30の接合とガラスターミナル85の溶接固定の順序は実施の形態1と同様である。
実施の形態2に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の容器構造は以上のように、吐出管30の途中に外側に突出するように塑性変形させたつば部31を、つば部31が密閉容器10内部となる上蓋12の内側に位置するように抵抗溶接により上蓋12に溶着させて吐出管30を接合固定しているので、実施の形態1の圧縮機100の容器構造と同様な効果を得ることができるとともに、密閉容器10内部の高圧冷媒が、吐出管30を密閉容器10の外部に向けて上蓋12から引き剥がそうと作用しても、上蓋12の内側に配置されるつば部31がストッパーとして機能するので、吐出管30の接合強度をさらに高めることができる。作動圧力が極めて高い二酸化炭素を冷媒として使用する場合に特に有効である。
実施の形態3.
図6は、この発明を実施するための実施の形態3における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図6において図3と同一の符号で示すものは、図3の圧縮機の容器構造と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図6に示す圧縮機の容器構造が図3に示す圧縮機の容器構造と異なる点は、吐出管40の上蓋12への接合方法である。実施の形態1および2では抵抗溶接によってつば部21、31の平坦面22、32を上蓋12の平面部16に溶着させることで吐出管20、30を上蓋12に接合固定したが、実施の形態3では、つば部41の平坦面42を摩擦圧接により上蓋12に溶着させることを特徴とする。
図6の容器構造の吐出管40は、実施の形態1の吐出管20と同様に、銅パイプを材料とし、バルジ加工により吐出管40の途中に吐出管40の一部を外側に突出するように塑性変形させてつば部41を一体的に形成する。つば部41の形状や形成方法は、実施の形態1のつば部21と同様である。上蓋12を固定し、上蓋12の外側表面に形成した平面部16に設けられた穴17に、つば部41の平坦面42側の吐出管40aを挿入し、上蓋12の平面部16につば部41の平坦面42を接触させ、つば部41と上蓋12との間に所定の加圧力を作用させながら、吐出管40を所定の回転数で回転させる(回転摩擦させる)。そうすることで、平坦面42と平面部16の互いの接触面に摩擦熱が発生し、それぞれが自身の材料の融点まで達して溶融する。なお吐出管40を回転させながら上蓋12の穴に挿入して、そのまま上蓋12の平面部16につば部41の平坦面42を接触させ、回転摩擦させてもよい。
つば部41の平坦面42と平面部16の接触面がともに融点に達し溶融した状態となったら、吐出管40の回転を停止し(回転摩擦を止め)、互いの接触面が溶融している状態の時に、回転摩擦時よりさらに大きい所定の加圧力を作用させ、つば部41の平坦面42と上蓋12の平面部16の接触面の溶融した金属同士を溶着させ、吐出管40を上蓋12に接合する。このように摩擦熱を利用して接合物と被接合物の互いの接触面を溶融させ、その状態で加圧して接合する方法は摩擦圧接と呼ばれ、パイプ(吐出管40)に形成したつば部41の平坦面42と容器(上蓋12)の平面部16を摩擦圧接することにより、つば部41の平坦面42が、平坦面42が接触していた上蓋12の平面部16と溶着し、つば部41を一体形成している吐出管40が上蓋12に接合固定される。
吐出管40を回転させている時に所定の加圧力(これを摩擦圧力と呼ぶ)で加圧するのは、摩擦熱を発生させ金属を溶融させるためであり、回転を停止した後で作用させる回転摩擦時よりさらに大きい所定の加圧力(これをアップセット圧力と呼ぶ)が、溶融した金属同士を接合させるためのものである。ここでは吐出管40を回転させたが、吐出管40を固定して上蓋12を回転させてもよいし、両者を互いが逆方向となる向きに回転させてもよい。
吐出管40は実施の形態1同様に、パイプの外径は10mmで、つば部41の外径が14mmである。ここで、吐出管40もしくは上蓋12の回転数は1800rpm以上としている。吐出管40と上蓋12の両方を互いに逆方向に回転させる場合では、両者間の相対的な回転数を1800rpm以上となるようにする。回転数がこれ以下であると、特に融点の高い鉄製の上蓋が融点に達するまでの時間がかかってしまう。回転数は大きい方が回転摩擦に要する時間を短縮できるが、回転させる装置に回転数の限界(回転モータのトルク限界など)があり、それにより制限される。
回転時の所定の加圧力(摩擦圧力)は0.5〜2kNである。この範囲より小さいと特に融点の高い鉄製の上蓋が融点に達するまでの時間がかかり、大きいと吐出管40や上蓋12が変形したり、接合時に余盛といって接合部から盛り上がった溶着金属が発生したりしてしまう。また回転停止後に作用させる接合のための加圧力(アップセット圧力)は、4〜8kNであり、実施の形態1と2の抵抗溶接時の加圧力と同様である。この範囲より小さいと十分な接合ができず接合強度が弱かったり、接合部から密閉容器10内部の冷媒がリークしたりする問題が生じる。また逆にこの範囲より大きいと、つば部21を含む吐出管20や上蓋12が変形したり、余盛が発生したりしてしまうという問題が生ずる。回転摩擦停止後に4〜8kNで加圧する時間は1秒程度である。
つば部41の平坦面42と吐出管40(パイプ)の軸線の直角度については、実施の形態1の吐出管20と同様な許容値が適用されるが、平坦面42の平面度や上蓋12の平面部16の平面度は、両者を加圧しながら摺動させて摩擦熱を発生させるものであるので、実施の形態1の平面度許容値より大きくてもよい。
上記の摩擦圧接によってつば部41を一体形成した吐出管40を上蓋12に接合させるにあたって、通常は単体の状態の上蓋12に吐出管40を接合し、吐出管40接合後の上蓋12を内部に圧縮機構部80や電動機90を収納した密閉容器10の円筒容器11に溶接して密閉するが、円筒容器11に溶接された後の上蓋12に吐出管40を摩擦圧接により接合してもよい。その場合には、吐出管40を回転させた方がよい。
また上蓋12には、ガラスターミナル85が溶接固定されるが、単体状態の上蓋12に、ガラスターミナル85を溶接固定し、その後で、吐出管40を上記の方法で接合してもよいし、単体状態の上蓋12に吐出管40を接合した後でガラスターミナル85を溶接固定し、その状態の上蓋12を円筒状容器11に溶接固定してもよい。
実施の形態3に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機は、密閉容器10の上蓋12(容器)の平面部16に、吐出管20の途中に吐出管40の一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部41の平坦面42を、摩擦圧接により溶着させて吐出管40(パイプ)を接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通して吐出管40の一端側が密閉容器10内部に突出するように接合でき、またつば部41の平坦面42と上蓋12の平面部16が溶着する接合面積を吐出管40のパイプ横断面積より大きくして、吐出管40と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
上記ではつば部41の配置を上蓋12の外側としたが、実施の形態2同様に、上蓋12の内側に平面部16を形成し、つば部41が上蓋12の内側に配置されるように吐出管40を接合してもよく、その場合には、密閉容器10内部の高圧が、吐出管40を密閉容器10の外部に向けて上蓋12から引き剥がそうと作用しても、上蓋12の内側に配置されるつば部41がストッパーとして機能するので、吐出管40の接合強度をさらに高めることができる効果が追加される。
実施の形態4.
実施の形態4に示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の容器構造は、摩擦圧接により吐出管40を上蓋12に接合する点で、実施の形態3と同じであるが、摩擦圧接に先立って、つば部41の平坦面42と上蓋12の平坦面42と接触する平面部16近傍の両方をそれぞれ予め加熱する点が特徴である。圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。またこの実施の形態4に示す圧縮機の容器構造の断面図は、図6と同じあり図6を兼用することで図示を省略する。その図6において図3と同一の符号で示すものは、図3の圧縮機の容器構造と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。
銅パイプの吐出管40と鉄製の上蓋12をともに常温状態から回転摩擦させた場合には、特に融点の高い鉄が材料である上蓋12の接触部が融点に達するまでの時間がかかってしまう問題がある。実施の形態3では、吐出管40と上蓋12を常温から回転摩擦させて摩擦圧接したので、融点に達するまでの時間(回転摩擦の時間)が10秒程度必要である。
また当然互いが常温から回転摩擦を始めれば、鉄製で融点が高い上蓋12の平面部16の接触面が融点に達するまでの時間が、銅製のつば部41の平坦面42が融点に達するまでの時間よりも多くかかる。先に融点に達した平坦面42は、自身が融点に達してから上蓋12の平面部16の平坦面42との接触面が融点に達するまでの間に、溶融した平坦面42の一部が余盛となってしまう問題も生じる。
実施の形態4では、互いに融点の異なるつば部41の平坦面42と、上蓋12の平坦面42と接触する平面部16近傍の両方を、回転摩擦させる前にそれぞれ異なる温度で予め加熱することを特徴とする。その際、融点の高い材料の方(この場合は鉄製である上蓋12)を、融点の低い材料の方(この場合は銅パイプの吐出管40)より高い温度に加熱する。これにより回転摩擦の時間を短縮すると同時に、つば部41の平坦面42と、上蓋12の平坦面42と接触する平面部16がそれぞれ融点に達するタイミングを略同時に、もしくは近づけ、つば部41の余盛の発生を防ぐ、もしくは余盛の量を低減させるものである。
予め加熱する温度は、接合物のパイプであり、銅を材料とする吐出管40のつば部平坦面42が300〜500℃で、被接合物の容器であり、鉄を材料とする上蓋12のつば部平坦面42と接触する平面部16近傍が700〜900℃である。この温度範囲に予め両者を加熱しておいてから回転摩擦を始めると、実施の形態3と同寸法の吐出管40であれば、2秒程度で、かつほぼ同時につば部41の平坦面42と、上蓋12の平坦面42と接触する平面部16が融点に達することができ、かつつば部42の余盛の発生を防ぐことができる。
予め加熱する温度がこの温度範囲より低いと、回転摩擦にさらに時間がかかり、また
両者の融点に達するタイミングにずれが生じてくる。またこの温度範囲より高い場合には、鉄を材料とする上蓋12では、加熱した表面に酸化物が発生してしまい、接合時に接合強度が低下する問題が生じ、銅パイプを材料とする吐出管40では、回転摩擦時に吐出管40やつば部41が変形してしまう問題が生じる。
予め加熱するには、局所的に加熱でき、温度調整が容易な高周波誘導加熱がエネルギー利用の観点からも適しているが、これに限らず他の電気加熱であるアーク加熱や抵抗加熱、遠赤外線加熱等も利用可能である。また吐出管40、上蓋12それぞれ全体を炉で加熱してもよい。両者の接触面が融点に達した後は実施の形態3同様に、回転摩擦を停止し、両者間に4〜8kNの加圧力(アップセット圧力)を約1秒程度作用させて溶着させ、吐出管40を上蓋12に接合固定する。回転摩擦の時間が短縮できるので、摩擦圧接に要する時間が短縮できる。
特許文献2には、融点が低い方である銅製の接合材Bの余盛を減らす目的で、鉄製の接合材Aを予め銅の融点近く(1000℃程度)まで予備加熱することが開示されているが、上記したように、容器である上蓋12を1000℃近くまで加熱すると、加熱した表面に酸化物が生じてしまい、十分な接合強度が得られなくなる。また銅パイプと鉄製の容器の接合では、融点の高い鉄製の容器のみを加熱するよりも、上記の温度範囲で両方をそれぞれ異なる温度に予め加熱した方が、互いの接触面がそれぞれ融点に達するタイミングを合わせやすい。そのため本発明の実施の形態4では、回転摩擦に先立って銅パイプの接合材、鉄製の被接合材ともに、それぞれ異なる上記した温度範囲に予め加熱するものである。
吐出管40の上蓋12への接合と上蓋12の円筒容器11への溶接との順序や、吐出管40の上蓋12への接合とガラスターミナル85の上蓋12への溶接との順序については、実施の形態3と同様である。
実施の形態4に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機は、摩擦圧接の回転摩擦に先立って、吐出管40のつば部平坦面42と、上蓋12の平坦面42と接触する平面部16近傍の両方を、それぞれ異なる温度で予め加熱するので、実施の形態3の効果に加えて、摩擦圧接に要する時間を短縮でき作業効率を高めるとともに、余盛の発生を防ぎ、余盛の除去作業を省くことができる効果がある。
実施の形態5.
図7は、この発明を実施するための実施の形態5における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図7において図6と同一の符号で示すものは、図6の圧縮機の容器構造と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図7に示す圧縮機の容器構造が図6の圧縮機の容器構造と異なる点は、摩擦圧接により上蓋12に接合固定する吐出管50の接合箇所であり、つば部51の端面でなく、つば部51の外周面52と上蓋12の吐出管用穴17の内周面を摩擦圧接で溶着させることを特徴とする。
吐出管50を上蓋12の吐出管用穴17に貫通させ、その状態にて吐出管50の一部である穴17内周に臨む位置の吐出管50を、吐出管50内部に挿入した拡管治具でパイプの内側から外側へ、穴17の内周に向けて拡径するように塑性変形させてつば部51を形成する。つば部51が穴17内周に接触するまで塑性変形させる。上記した他の実施の形態のつば部21、31、41と異なり、つば部51は外側に突出された部分が上下に重なっておらず、上下の突出部分の間に、拡管治具の幅と略同等の幅の空間が存在する。そのためつば部51は、拡管治具に応じた所定の幅の外周面52を有する。そのつば部51の外周面52と穴17内周が接触するまで塑性変形させ、その後は、引き続き拡管治具または拡管治具に代る別の加圧治具により、つば部外周面52と穴17内周の間を所定の加圧力(摩擦圧力)で加圧し、その状態で吐出管50もしくは上蓋12の少なくとも一方を回転させる(回転摩擦させる)。そうすることで、つば部外周面52と穴17内周の互いの接触面に摩擦熱が発生し、それぞれが自身の材料の融点まで達して溶融する。
つば部51の外周面52と上蓋12の吐出管用穴17内周の接触面ともに溶融した状態となったら、回転摩擦を止め、吐出管50内部の拡管治具または拡管治具に代る別の加圧治具によりさらに強い所定の加圧力(アップセット圧力)を作用させ、溶融した金属同士を溶着させ、吐出管50を上蓋12に接合する。パイプ(吐出管50)に形成したつば部51と容器(上蓋12)を径方向に摩擦圧接することにより、つば部51の外周面52が、外周面52が接触していた上蓋12の吐出管用穴17内周と溶着し、つば部51を一体形成している吐出管50が上蓋12に接合固定される。
吐出管用穴17の軸線方向の距離は、上蓋12の板厚となるので、上蓋12の板厚が、接合するパイプである吐出管50の肉厚よりも大きくないと、吐出管50の端面を溶着させて接合するものよりも接合面積を大きくすることはできない。被接合物である容器(ここでは上蓋12)の板厚が接合物であるパイプ(ここでは吐出管50)の肉厚以下の場合、もしくは容器の板厚の方がパイプの肉厚より大きいが、接合面積をさらに大きくしたい場合には、上蓋12の吐出管用穴17をバーリング加工により縁を立て形成し、吐出管用穴17の軸線方向の距離を大きくすることで、接合面積を大きくすることができる。
実施の形態5に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機は、吐出管50の途中に吐出管50の一部を外側に拡径するように塑性変形させて形成したつば部51の外周面52を、摩擦圧接により、密閉容器10の上蓋12(容器)の吐出管用穴17内周に溶着させて吐出管50(パイプ)を接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通して吐出管50の一端側が密閉容器10内部に突出するように接合でき、またつば部外周面52と上蓋12の吐出管用穴17内周との接合面積を吐出管50のパイプ横断面積より大きくして、吐出管50と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
また実施の形態5においても、実施の形態4同様に、回転摩擦に先立ってつば部51と上蓋12の吐出管用穴17近傍の両方をそれぞれ異なる温度で予め加熱することで、摩擦圧接に要する時間を短縮でき作業効率を高めるとともに、余盛の発生を防ぎ、余盛の除去作業を省ける効果を併せて得ることができる。
実施の形態5における回転摩擦時の加圧力や回転数、接合のための加圧力、また予め加熱する温度範囲は実施の形態3および実施の形態4の範囲が適用できる。容器内部に一端側が突出するパイプの接合で、容器内部のパイプが一部に曲がりを含む場合には、穴を貫通させる前にパイプの途中につば部を一体的に形成すると、パイプが容器に形成した穴を貫通することができないので、そのような容器内部で一部に曲がりを含むパイプの容器への接合に実施の形態5は特に有効である。
ここで吐出管を従来のロウ付により上蓋12に接合固定しようとする場合には、ロウ材を溶融し接合部間にロウを浸透させるためにバーナー等で炎を使って接合部周りやロウ材を急激に加熱するので、ガラスターミナル85の上蓋12への接合位置が、吐出管の接合位置に近く、かつガラスターミナル85の方が吐出管より先に上蓋12に接合固定されていると、ロウ付時の炎によってガラスターミナル85のガラスが溶けてしまいリークが発生するという問題が生じるが、本発明では炎を使用しないためにガラスが溶けることはないので、上記の実施の形態1〜5において、吐出管とガラスターミナル85の上蓋12への接合の順序はどちらが先であっても構わず、ロウ付時の工程順序の制約が解除できて作業性が向上する。
実施の形態6.
図8は、この発明を実施するための実施の形態6における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、圧縮機の部品でありかつ冷凍サイクル装置の圧力容器体である気液分離器の低圧接続管が円筒状容器に接合した容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図8において図2と同一の符号で示すものは、図2の圧縮機100と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。
実施の形態1〜4においては、容器である上蓋12に平面部16を形成し、その平面部16に穴17を設け、吐出管のつば部平坦面22、32、42を穴17周辺の平面部16に溶着させていたが、実施の形態6では、被接合物である容器に先に穴を設けて平面部を形成するものであり、その点が実施の形態1〜4と異なる。
気液分離器60は上下2つの容器が溶接された円筒状容器61を有する。図8ではその上側の円筒状容器が図示されている。図8において、円筒状容器61の上面(低圧接続管65が接合される面)は略球面状である。この球面にプレスや切削加工を施して平面部を形成して、その平面部に低圧接続管用穴を設けて実施の形態1〜4と同様の方法で低圧接続管65を接合してもよいが、この実施の形態6では、異なる方法で球面状の容器に平面部を形成する。
図8に示すように、鉄製の円筒状容器61の球面状部位中央に低圧接続管用穴62をバーリング加工して形成する。その際円筒状容器61の外側に向かって円筒状容器61の軸線方向に(図8においては上方に)バーリング加工による穴の周縁を立てる。この周縁の端面は容器同様に全体的に球面状をしている。そこでこの周縁の端面に切削等の加工を施して、円環状の平面部63を形成するのである。このように穴をバーリング加工により形成し、バーリング加工で立たせた穴周縁の端面を加工して平面部に形成することで、球面状の容器にも容易に平面部を形成することができる。
銅パイプから成る低圧接続管65には、低圧接続管65の途中に低圧接続管65の一部を外側に突出するように塑性変形させてつば部66を形成する。つば部66の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。そして低圧接続管用穴62に低圧接続管65を挿入し、つば部66の下端面(円筒状容器61側の端面)である平坦面67を円環状の平面部63に接触させ、実施の形態1〜4に示した抵抗溶接、もしくは摩擦圧接により、つば部66の平坦面67と平面部63を溶着させて低圧接続管65を円筒状容器61に接合固定する。
図8では、流入管となる低圧接続管65と円筒状容器61の接合を示したが、流出管である吸入管と円筒状容器61の接合にも適用できる。また図8ではつば部66が円筒状容器61の外側に配置されているが、バーリング加工により円筒状容器61の内側に向かって縁を立たせて、円環状の平面部63を図8にて下方に向くように形成し、つば部66が円筒状容器61の内側に配置されるように低圧接続管65を接合してもよい。しかし接合する方の円筒状容器61の深さが深いと、バーリング加工でできた周縁の端面を切削加工して平坦面にするのは困難なので、容器の深さが深い場合には、容器の外側に周縁を立たせてその周縁の端面を平面部に加工した方がよい。
図8は略球面状容器への平面部形成の一実施例として円筒状容器61により説明した。本実施の形態6のバーリング加工を施して立たせた周縁の端面を平面部に加工する方法は、球面状だけでなく、曲面状の容器にも適用できる。例えば圧縮機100の円筒容器11の側面に水平方向の穴を設け、その穴にパイプを接合する場合でも、先に円筒容器11にプレスや切削加工により平面部を形成してから穴を設けてもよいが、本実施の形態6と同様に、曲面状の円筒容器11にバーリング加工を施した穴を設け、その穴の周縁の端面に切削等の加工を施すことで、平面部を形成することもできる。
実施の形態6においても、抵抗溶接や摩擦圧接の際の加圧力、回転数、加熱温度は、実施の形態1〜4に示した範囲が適用できる。実施の形態6に示す円環状の平面部63は、容器である円筒状容器61の板厚により面積が決定される。そのため実施の形態6では、円環状の平面部63の面積が、接合するパイプである低圧接続管65のパイプ横断面積より大きくなるような板厚とパイプの肉厚の組み合わせとし、かつパイプに一体形成するつば部66の平坦面67と容器の平面部63の接触面積(後の接合面積)を低圧接続管65のパイプ横断面積より大きくして、パイプの端面を溶着させる場合よりも接合面積を大きくしている。
実施の形態6に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機では、略球面状もしくは曲面状の容器に、バーリング加工を施した穴62を設け、その穴縁の端面に切削等の加工を施すことで、円環状の平面部63を形成し、パイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部66の平坦面67を、抵抗溶接もしくは摩擦圧接によりその円環状の平面部63に溶着させてパイプを接合固定した容器構造を備えているので、曲面状または球面状の容器に対しても、ロウ付を行うことなく、穴を貫通してパイプの一端側が容器内部に突出するように接合でき、またつば部66の平坦面67と容器の平面部63の接合面積をパイプの横断面積より大きくして、パイプと容器の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
実施の形態7.
図9は、この発明を実施するための実施の形態7における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、吸入外管が密閉容器の円筒容器に接合した容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図9において図2と同一の符号で示すものは、図2の圧縮機100と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。
実施の形態1〜6では、パイプと容器の接合面積をパイプの端面を容器に接合させる場合の接合面積よりも大きく、かつパイプの一端側が容器内部に突出するようなパイプと容器の接合を示したが、この実施の形態7では、パイプの一端側は容器内部に突出させずに、パイプと容器の接合面積をパイプの端面を容器に接合させる場合の接合面積よりも大きくする容器構造を提供する。
円筒容器70には実施の形態6で示したように、水平方向に吸入外管用の穴71をバーリング加工で穴周縁が円筒容器の外側に向けて水平方向に立つように形成し、その周縁の端面を切削して円環状の平面部72を形成する。
図10はこの円筒容器70を吸入外管用穴71の中央で水平方向に切断した要部横断面図である。図10において距離L1は、平面部72と吸入外管用穴71中央位置での円筒容器70内周面との間の距離を示す。
吸入外管75は銅パイプを材料としおり、吸入外管75の途中に吸入外管75の一部を外側に突出するように塑性変形させてつば部76が形成される。つば部76の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。図11はこの吸入外管75の断面図で、つば部76の平坦な端面は円筒容器70の平面部72と接触する平坦面77である。図11の距離L2は、この平坦面77から平坦面77側の吸入外管75aの開口端までの距離を示す。ここでこの吸入外管75のつば部76を、距離L2が図10の距離L1より小さくなるような位置に形成するものである。
円環状の平面部72の面積は、吸入外管75のパイプ横断面積よりも大きく、吸入外管75のつば部平坦面77と平面部72の接触面積は吸入外管75のパイプ横断面積よりも大きいものである。吸入外管用穴71に吸入外管75aを挿入して、つば部平坦面77を平面部72に接触させ、実施の形態1〜4に示した抵抗溶接、もしくは摩擦圧接により、つば部平坦面77と平面部72を溶着させて吸入外管75を円筒容器70に接合固定する。
図11に示す距離L2が図10に示す距離L1より小さくしているので、図9に示すように平坦面77側の吸入外管75aは円筒容器70の内周面から内側に突出することはない。そして吸入外管75と円筒容器70の接合面積を吸入外管75のパイプ横断面積よりも大きくでき、吸入外管の端面を溶着させて接合する場合よりも接合強度を高めることができる。
なお円筒容器70に平面部をプレスにより形成し、その平面部に吸入外管用の穴をピアス加工や切削により設けてもよく、その際には図11に示す吸入外管75の距離L2を、円筒容器70の平面部の板厚より小さくすることで、つば部平坦面側の吸入外管75aが円筒容器70の内周面から内側に突出することなく吸入外管75を円筒容器70に接合することができる。
実施の形態7においても、抵抗溶接や摩擦圧接の際の加圧力、回転数、予め加熱する温度は、実施の形態1〜4に示した範囲が適用できる。ただし容器の側面にパイプを接合するものであるので、摩擦圧接に際し、容器側を回転させるのは難しく、パイプだけを回転させる方がよい。
実施の形態7に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機では、つば部平坦面77からこの平坦面77側のパイプの開口端までの距離L2を小さくして、容器70内部に突出しないようにしたので、パイプの一端側を容器内部に突出させない場合でも、ロウ付を行うことなく、つば部76の平坦面77を容器の平面部72に溶着させることで、パイプと容器の接合面積をパイプの端面を容器に接合させる場合の接合面積よりも大きくして、パイプと容器の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
実施の形態8.
図12は、この発明を実施するための実施の形態8における冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図であり、吸入外管が密閉容器の円筒容器に接合した容器構造を説明する図である。この容器構造を除く圧縮機全体の構成については、実施の形態1に示した密閉型圧縮機100と同様であり、ここでの説明は省略する。また図12において図9と同一の符号で示すものは、図9の圧縮機の容器構造と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。
この実施の形態8は実施の形態7と同様に、パイプの一端側を容器内部に突出させずに、パイプと容器の接合面積をパイプの端面を容器に接合させる場合の接合面積よりも大きくする容器構造を提供するものである。
本実施の形態の特徴は、図12に示すように、吸入外管95の端部につば部96を形成するもので、このつば部96も吸入外管95の端部を外側に突出するように塑性変形させて吸入外管95と一体的に形成する。つば部96の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。そして吸入外管用穴71に吸入外管95の内径が連通するように吸入外管95を位置合わせして、吸入外管95の端部でもありかつつば部96の端面でもある平坦面97を、円筒容器70の平面部72に接触させ、実施の形態1〜4に示した抵抗溶接、もしくは摩擦圧接により、つば部平坦面97と平面部72を溶着させて吸入外管95を円筒容器70に接合固定する。平面部72の面積は、吸入外管95のパイプ横断面積よりも大きく、吸入外管95のつば部平坦面97と平面部72の接合面積は吸入外管95のパイプ横断面積よりも大きいものである。
つば部96が吸入外管95の円筒容器側の端部に形成されていて、つば部平坦面97が吸入外管95の円筒容器側の端面となっているので、図12に示すように吸入外管95は円筒容器70の内周面から内側に突出することはない。そして吸入外管95と円筒容器70の接合面積を吸入外管95のパイプ横断面積よりも大きくでき、つば部を形成しない吸入外管の端面を溶着させて接合する場合よりも接合強度を高めることができる。
なお円筒容器70に平面部をプレスにより形成し、その平面部に吸入外管用の穴をピアス加工や切削により設けてもよい。実施の形態8においても、抵抗溶接や摩擦圧接の際の加圧力、回転数、予め加熱する温度は、実施の形態1〜4に示した範囲が適用できる。ただし容器の側面にパイプを接合するものであるので、摩擦圧接に際し、容器側を回転させるのは難しく、パイプだけを回転させる方がよい。
実施の形態8に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機では、つば部96をパイプの端部に形成したので、パイプの一端側を容器内部に突出させない場合でも、パイプ端部でもありかつつば部96の端面でもある平坦面97を容器の平面部72に溶着させることで、パイプと容器の接合面積をパイプの端面を容器に接合させる場合の接合面積よりも大きくして、パイプと容器の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機とすることができる。
実施の形態1〜8においては、冷凍サイクル装置の圧力容器体の中で圧縮機を用いて、吐出管20、30、40、50の上蓋12への接合、気液分離器の低圧接続管65や吸入管の円筒状容器61への接合、吸入外管75、90の円筒容器70への接合について説明した。圧縮機については密閉容器に接合するパイプとして他にプロセス管が接合されるものもある。プロセス管は密閉容器内の真空引きや密閉容器内へ冷凍機油を注入する時等に使用されるサービス用パイプである。このプロセス管の接合に対しても実施の形態1〜8に示した接合方法が適用でき、同様な効果を得ることができる。
また密閉容器内部が低圧雰囲気の圧縮機であれば、吸入外管を用いずに吸入管を直接に圧縮機の密閉容器に接合するので、その際にも実施の形態1〜8における接合方法を適用できる。このように圧縮機の密閉容器に接合するあらゆるパイプに実施の形態1〜8における接合方法は適用できる。そしてその際、パイプの一端側を容器内部に突出させたい場合では実施の形態1〜6の接合方法を適用し、パイプの一端側を容器内部に突出させない場合には実施の形態7、8の接合方法を適用すればよい。それによりパイプと容器の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い圧縮機を得ることできる。
実施の形態9.
実施の形態1〜8においては、図1に示す冷凍サイクル装置の圧力容器体の中で圧縮機2を用いて、本発明のパイプが容器に接合する容器構造を説明した。しかし本発明は圧縮機2に適用できるだけではなく、他の冷凍サイクル装置の圧力容器体にも適用可能であり、圧縮機の場合と同様な効果が得られるものである。以下に他の冷凍サイクル装置の圧力容器体に適用した実施の形態を説明する。
この実施の形態9では、冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである気液分離器に本発明のパイプと容器の接合を適用した形態を説明する。図13は、この発明を実施するための実施の形態9における冷凍サイクル装置の圧力容器体である気液分離器の断面図である。図1における冷媒回路1に配置される気液分離器8は、気液二相状態の冷媒をガス冷媒と液冷媒に分離し、液冷媒を一時的に貯留するもので、この冷媒回路1を備える冷凍サイクル装置の運転負荷状態に応じて余剰冷媒を一時的に貯留したり、また図1のように低圧側熱交換器5と圧縮機2の間に接続される場合では、加えて圧縮機2へ液冷媒が直接吸入されないようにしたりする役割もある。
冷媒回路1内で気液分離器8が接続される位置は、高圧領域である高圧側熱交換器3と減圧装置4の間に接続されるものもあるし、また減圧装置4を二段階に分けて直列に配置して減圧させるようにし、中間圧領域となるそれら2つの減圧装置の間に接続させるものもある。
図13に示す気液分離器110は、図1の気液分離器8の一実施例である。気液分離器110は、内部に液冷媒を貯留できる容積を有する鉄を材料とする密閉状の容器111に、冷媒を容器111の外部から容器111内に流入させる流入管120と、容器111内部からガス冷媒を容器111外部に流出させる流出管130とが接合されて構成される。流入管120、流出管130はともに銅パイプを材料としていて、容器111の外部で、この気液分離器110を接続する冷媒回路の接続配管に接続される。容器111の内部に気液分離を促進するための分離材が収納される場合もある。
気液二相状態の冷媒が流入管120から容器111の内部に流入すると、容器111の内部で流出管130にガス冷媒のみが入り、流出管130からガス冷媒のみが流出する。ガス冷媒と分離した液冷媒は容器111の底部に貯留される。ここで流入管120、流出管130はともにその一端側が容器111内部に突出している。
そして流入管120、流出管130には、バルジ加工によりパイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて、それぞれつば部121、131を一体的に形成している。つば部121,131の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。つば部121、131の形成される位置は、流入管120、流出管130のそれぞれの一端側が容器111内部に突出する寸法に合わせて決定される。
容器111は上側容器111aと下側容器111bが溶接固定されて形成されるものであるが、その溶接固定は、上側容器111aに流入管120と流出管130が接合された後で行われる。上側容器111aの上面には、プレスにより平面部112を形成し、その平面部112に流入管120が貫通する流入管用穴と、流出管130が貫通する流出管用穴を設け、それぞれつば部121、131が容器111の外側に配置されるように、流入管用穴に流入管120を、また流出管用穴に流出管130を挿入し、それぞれつのば部121、131の下端の平坦面122、132と容器平面部112を接触させる。この際のそれぞれの接触面積が、流入管120、流出管130それぞれのパイプ横断面積よりも大きくなるようにつば部121、131を形成する。そして実施の形態1〜4と同様な抵抗溶接、もしくは摩擦圧接によりつば部121、131の平坦面122、132をそれぞれ平面部112に溶着させ、流入管120、流出管130を容器111に接合する。
摩擦圧接により接合する場合では、一体の容器に2本のパイプを回転摩擦させるのは困難であるので、流入管120と流出管130の容器111への接合は別個に行うものであるが、抵抗溶接により接合する場合では、それぞれのパイプに対応する1対の電極を用いることで、流入管120と流出管130を同時に容器111に接合することできる。抵抗溶接による場合でも、流入管120と流出管130の容器111への接合は別個に行ってもよい。抵抗溶接による接合では、必要な電極を備えることで、一体の容器に複数のパイプを同時に接合することが可能である。
流入管120と流出管130が接合された上側容器111aと下側容器111bを溶接固定して密閉状の容器111として気液分離器110の製作が完了する。なお流出管が容器内部で曲がりを含むものであれば、実施の形態5に示す方法で接合すればよい。上記では流入管120、流出管130ともににつば部121、131を形成して、つば部121、131と容器111を接合させたが、流入管、流出管のどちらか一方だけであってもよい。またつば部121、131の位置が容器111の内側に配置されるように接合してもよい。
また上側容器111aの上面に平面部112を形成し、その平面部112に流入管用穴と流出管用穴を設けたが、実施の形態6のように、流入管用穴と流出管用穴をそれぞれバーリング加工を施して形成し、バーリング加工により立たせた穴周縁の端面を切削して、接合面となる平面部を形成してもよい。また流入管120、流出管130の接合は、容器111の上面に限定されるものではなく、他の面であっても適用されるもので、またパイプの接合方向も容器111の軸線方向に限らず他の方向であっても適用されるものである。
実施の形態9に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である気液分離器110は、以上のように、流入管120、流出管130の途中にそれぞれ流入管120、流出管130の一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部121、131の平坦面122、132を、それぞれ抵抗溶接もしくは摩擦圧接により、容器111に溶着させて流入管120、流出管130を接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、流入管120、流出管130それぞれの一端側が容器111内部に突出するように接合でき、またつば部121、131の平坦面122、132と容器111の平面部112のそれぞれの接合面積を、流入管120、流出管130それぞれのパイプ横断面積より大きくして、流入管120、流出管130と容器111の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い気液分離器とすることができる。
実施の形態10.
この実施の形態10では、冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである油分離器に本発明のパイプと容器の接合を適用した形態を説明する。図14は、この発明を実施するための実施の形態10における冷凍サイクル装置の圧力容器体である油分離器の断面図である。図1における冷媒回路1に配置される油分離器7は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒に含まれる冷凍機油を冷媒から分離し圧縮機2に戻すもので、通常圧縮機2と高圧側熱交換3の間に接続され、この冷媒回路1の油循環量を抑制するとともに、圧縮機2の密閉容器内の冷凍機油を枯渇させないためのものである。
図1では油分離器7から圧縮機2に油を戻す油戻し管を省略している。通常、密閉容器内部が低圧または中間圧雰囲気の圧縮機に対しては圧縮機の密閉容器内部へ直接的に、密閉容器内部が高圧雰囲気の圧縮機に対しては、低圧または中間圧の圧縮機吸入側配管へ、圧力差で油戻し管を通して高圧冷媒から分離した油を戻す。
図14に示す油分離器140は、図1の油分離器7の一実施例である。油分離器140は、内部に高圧冷媒から冷凍機油を分離するフィルター等の分離材145と、高圧冷媒から分離した冷凍機油を貯留できる容積を備えた鉄を材料とする密閉状の容器141に、圧縮機から吐出された高圧冷媒を容器141内に流入させる流入管150と、容器141内部から冷凍機油が分離された後の高圧冷媒を容器141外部に流出させる流出管160と、容器141に貯留された高圧冷媒から分離した冷凍機油を流出し圧縮機側に戻す油戻し管170が接合されて構成される。流入管150、流出管160、油戻し管170はいずれも銅パイプを材料としている。
圧縮機から吐出された圧縮後の高圧冷媒が流入管150から容器141の内部に流入すると、容器141内部に突出させる流入管150の一端と、流出管160の容器側一端の間に分離材145が配置されていて、流入管150の容器141内部の一端が、分離材145に向いて開口しているので、流入管150から流入した高圧冷媒は、分離材145を通過して流出管160に向かう。分離材145を通過する際に、高圧冷媒に含まれる冷凍機油は分離材に付着し、高圧冷媒から分離される。
分離材145に付着した冷凍機油は油滴となって単独で、あるいは他の油滴と接触し結合して自重により分離材から離間し、容器141の底部に落下し、その底部で一時的に貯留される。分離材145を通過した後の高圧冷媒は、流出管160から容器141の外部に流出する。流出管160は、容器141外部で高圧側熱交換器へ続く冷媒回路の接続配管に接続されている。容器141底部に一時的に貯留された分離後の冷凍機油は、容器141の底面に面して開口した油戻し管170に流出し、圧縮機側に圧力差で戻される。
ここで図14において、流入管150、流出管160はともにその一端側が容器141内部に突出している。そして流入管150、流出管160には、バルジ加工によりパイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて、それぞれつば部151、161を一体的に形成している。つば部151、161の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。つば部151、161の形成される位置は、流入管150、流出管160のそれぞれの一端側が容器111内部に突出する寸法に合わせて決定される。
油戻し管170もバルジ加工によりパイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて、つば部171を一体的に形成しているが、容器141と接触するつば部171の上端面からその上端面側のパイプの端部までの距離が、容器141の平面部142bの板厚よりも小さい寸法となる位置につば部171を形成している。つば部171の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。
容器141は上側容器141aと下側容器141bが溶接固定されて形成されるものであるが、その溶接固定は、上側容器141aに流出管160が、下側容器141bに流入管150と油戻し管160がそれぞれ接合された後で行われる。上側容器141aの上面中央近辺には、プレスにより平面部142aを形成し、その平面部142aに流出管160が貫通する流出管用穴を設け、つば部161が容器141の外側に配置されるように、流出管用穴に流出管160を挿入し、つば部161の下端の平坦面162と容器平面部142aを接触させる。この際の接触面積が、流出管160のパイプ横断面積よりも大きくなるようにつば部161を形成する。そして実施の形態1〜4と同様な抵抗溶接、もしくは摩擦圧接によりつば部161の平坦面162を平面部142aに溶着させ、流出管160を容器141に接合する。
一方下側容器141bの底面には、プレスにより平面部142bを形成し、その平面部142bに流入管150が貫通する流入管用穴と、油戻し管170が面する油戻し管用穴を設け、それぞれつば部151、171が容器141の外側に配置されるように、流入管用穴に流入管150を、油戻し管用穴を油戻し管170に挿入し、つば部151、171の上端の平坦面152、172と容器平面部142bを接触させる。この際のそれぞれの接触面積が、流入管150、油戻し管170それぞれのパイプ横断面積よりも大きくなるようにつば部151、171を形成する。そして実施の形態1〜4と同様な抵抗溶接、もしくは摩擦圧接によりつば部151、171の平坦面152、172をそれぞれ平面部142bに溶着させ、流入管150、油戻し管170を容器141に接合する。
油戻し管170は、容器との接触面(接合面)であるつば部171の平坦面からその平坦面側のパイプの端部までの距離が、下側容器141bの平面部142bの板厚よりも小さいので、容器141の内部にパイプが突出しない。このため、容器141の底部に貯留された冷凍機油が容器142の底部で滞留することなく、全量を圧縮機側に戻すことができる。
油戻し管170は、実施の形態8に示すように容器141側のパイプ端部につば部を形成して、そのつば部を容器141に溶着させてもよい。また流出管150は、図14では容器142の内部に一端側を突出させているが、油戻し管170と同様にして、突出させなくしてもよい。また3本のパイプ150、160、170すべてにつば部151、161、171を形成して、つば部151、161、171と容器141を溶着させたが、少なくともいずれか1本のパイプだけであってもよい。またつば部151、161、171の位置が容器141の内側に配置されるように接合してもよい。
また上側容器141aの上面に平面部142aを、下側容器141bの底面に平面部142bを形成し、その平面部142a、142bにそれぞれ接合するパイプ用の穴を設けたが、実施の形態6のように、それぞれの穴をバーリング加工により形成し、バーリング加工により立たせた穴周縁の端面を切削して、接合面となるそれぞれの平面部を形成してもよい。また流出管160の接合は容器141の上面に、また流入管150の接合は容器141の底面に限定されるものではなく、他の面であっても適用されるもので、またパイプの接合方向も容器141の軸線方向に限らず他の方向であっても適用されるものである。また分離材を使用せずに、高圧冷媒を容器内部で旋回させ、その遠心力を利用して冷凍機油を冷媒から分離する遠心分離式の油分離器であっても本発明のパイプの接合方法は適用できる。
実施の形態10に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である油分離器140は、以上のように、流入管150、流出管160の途中にそれぞれ流入管150、流出管160の一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部151、161の平坦面152、162を、それぞれ抵抗溶接もしくは摩擦圧接により、容器141に溶着させて流入管150、流出管160を接合固定した容器構造を備えているので、ロウ付を行うことなく、流入管150、流出管160それぞれの一端側が容器141内部に突出するように接合でき、またつば部151、161の平坦面152、162と容器141の平面部142b、142aとのそれぞれの接合面積を、流入管150、流出管160それぞれのパイプ横断面積より大きくして、流入管150、流出管160と容器141の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い油分離器とすることができる。
また油戻し管170の途中に油戻し管170の一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部171の平坦面172からこの平坦面172側のパイプの開口端までの距離を小さくして、容器141内部に突出しないようにし、抵抗溶接もしくは摩擦圧接により、つば部171の平坦面172を容器141の平面部142bに溶着させて油戻し管170を接合固定したので、容器141底部に高圧冷媒から分離した冷凍機油が滞留することを回避でき、またパイプの一端側を容器内部に突出させない場合であっても、つば部171の平坦面172と容器141の平面部142bの接合面積を油戻し管170の端面を容器141に接合させる場合の接合面積よりも大きくして、油戻し管170と容器141の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い油分離器とすることができる。
実施の形態11.
この実施の形態11では、冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである消音器に本発明のパイプと容器の接合を適用した形態を説明する。図15は、この発明を実施するための実施の形態11における冷凍サイクル装置の圧力容器体である消音器の断面図である。図1における冷媒回路1に配置される消音器6は、圧縮機2から吐出された高圧冷媒を膨張させて、高圧冷媒が持つ圧力脈動を消音するもので、通常圧縮機2の高圧側熱交換3の間で、特に圧縮機2に近い位置に接続され、圧力脈動が冷媒回路1の接続配管へ伝播するのを抑制する。
図15に示す消音器180は、図1の消音器6の一実施例である。消音器180は、内部に高圧冷媒を膨張させる容積を有する備えた鉄を材料とする密閉状の容器181に、圧縮機から吐出された高圧冷媒を容器181内に流入させる流入管190と、容器181内部から膨張後の高圧冷媒を容器181外部に流出させる流出管200と、が接合されて構成される。流入管190、流出管200の内径よりも容器181の内径の方が大きい。流入管190、流出管200はともに銅パイプを材料としている。
圧縮機から吐出された直後の圧力脈動を持った高圧冷媒が流入管190から容器181の内部に流入すると、高圧冷媒は径の大きい容器181内部の空洞にて膨張し、冷媒の圧力脈動が消音される。圧力脈動が消音された膨張後の高圧冷媒は流出管200から容器181の外部に流出する。圧縮機から吐出されてすぐに高圧冷媒の圧力脈動を消音するので、冷凍回路の接続配管や熱交換器等他の回路構成要素への圧力脈動の伝播を抑制できる。
ここで図15において、流入管190、流出管200はともにバルジ加工によりパイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて、それぞれつば部191、201を一体的に形成しているが、容器181と接触するそれぞれのつば部191、201の平坦な端面からその端面側のパイプの端部までの距離が、容器181の平面部の板厚よりも小さい寸法となる位置につば部191、201を形成している。つば部191、201の形状や形成方法は、実施の形態1の吐出管20のつば部21と同様である。
容器181は上側容器181aと下側容器181bが溶接固定されて形成されるものであるが、その溶接固定は、上側容器181aに流出管200が、下側容器181bに流入管190が接合された後で行われる。上側容器181aの上面中央近辺には、プレスにより平面部182aを形成し、その平面部182aに流出管190が面する流出管用穴を設け、つば部201が容器181の外側に配置されるように、流出管用穴に流出管190を挿入し、つば部201の下端の平坦面202と容器平面部182aを接触させる。この際の接触面積が、流出管200のパイプ横断面積よりも大きくなるようにつば部201を形成する。そして実施の形態1〜4と同様な抵抗溶接、もしくは摩擦圧接によりつば部201の平坦面202を平面部182aに溶着させ、流出管200を容器181に接合する。
一方下側容器181bの底面には、プレスにより平面部182bを形成し、その平面部182bに流入管190が面する流入管用穴を設け、つば部191が容器181の外側に配置されるように、流入管用穴に流入管200を挿入し、つば部191の上端の平坦面192と容器平面部182bを接触させる。この際の接触面積が、流入管190のパイプ横断面積よりも大きくなるようにつば部191を形成する。そして実施の形態1〜4と同様な抵抗溶接、もしくは摩擦圧接によりつば部191の平坦面192を平面部182bに溶着させ、流入管190を容器181に接合する。
流入管190、流出管200はそれぞれ、容器との接触面(接合面)であるつば部191、201の平坦面192、202からその平坦面192、202側のパイプの端部までの距離が、それぞれの平坦面192、202が接触する容器の平面部182a、182bの板厚よりも小さいので、ともに容器181の内部にパイプが突出しない。このため容器181内部の空胴をすべて膨張させる空間として利用できるので消音効果が大きくなる。
なおつば部191、201を、実施の形態8に示すように容器181側のパイプ端部に形成して、そのつば部の端面である平坦面を容器181に溶着させてもよい。また流入管190、流出管200ともにつば部191、201を形成して、そのつば部191、201、と容器181を溶着させたが、どちらか一方だけであってもよい。またつば部191、201の位置が容器181の内側に配置されるように接合してもよい。
また上側容器181aの上面に平面部182aを、下側容器181bの底面に平面部182bを形成し、その平面部182a、182bにそれぞれ接合するパイプ用の穴を設けたが、実施の形態6のように、それぞれの穴をバーリング加工により形成し、バーリング加工により立たせた穴周縁の端面を切削して、それぞれの平面部を形成してもよい。
実施の形態11に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体である消音器180は、以上のように、流入管190、流出管120の途中にそれぞれ流入管190、流出管200の一部を外側に突出するように塑性変形させて形成したつば部191、201の平坦面192、202からその平坦面192、202側のパイプの開口端までの距離を小さくし、容器181内部に突出しないようにして、それぞれ抵抗溶接もしくは摩擦圧接により、つば部191、201の平坦面192、202を容器181の平面部182b、182aに溶着させて流入管190、流出管200を接合固定した容器構造を備えているので、容器181内部の空胴をすべて膨張させる空間として利用でき、またつば部191、201の平坦面192、202と容器181の平面部182b、182aのそれぞれの接合面積を、流入管190、流出管200それぞれの端面を容器181に接合させる場合の接合面積よりも大きくして、流入管190、流出管200と容器181の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐えることができる信頼性の高い消音器とすることができる。
冷凍サイクル装置の圧力容器体の容器にはそれぞれ冷媒による内圧が作用するが、近年冷凍サイクル装置の冷媒回路を循環させる冷媒の作動圧力が高圧化している。作動圧力が高い冷媒として、空調機用では、HFC32やHFC32の重量割合が半分以上のHFC混合冷媒があり、また最近では給湯機用に、それらHFC冷媒よりさらに作動圧力が高い二酸化炭素が使用されている。実施の形態1〜11に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体は、パイプと容器の接合された容器構造において、パイプのつば部平坦面と容器の平面部を面溶着させて接合し、その接合面積をパイプの横断面積より大きくしてパイプと容器の接合強度を高くすることができるので、これらの作動圧力が高い冷媒が循環する冷媒回路に接続される冷凍サイクル装置の圧力容器体の信頼性向上に特に有効である。ただし、冷媒として作動圧力が高い冷媒に拘るものではなく、上記以外のHFC冷媒やHC冷媒等の他の冷媒においても適用でき、同様な効果を奏することができる。
実施の形態1〜8に示した圧縮機はいずれも内部高圧の密閉型ロータリ圧縮機で説明したが、本発明は、圧縮機構がロータリ式に限るものではなく、レシプロ式やスクロール式等の他の圧縮機構を有する圧縮機のパイプと容器の接合に対しても適用でき、また密閉容器内部が高圧ではなく、低圧(吸入圧)や中間圧である圧縮機に対しても適用でき、同様な効果が得られる。また電動機も圧縮機構部も密閉容器内に収納されている完全密閉型でない圧縮機のパイプと容器の接合に対しても適用でき、同様な効果が得られる。
また実施の形態9〜11に示した圧縮機以外の冷凍サイクル装置の圧力容器体はそれぞれ説明した構造に限定されるものではなく、気液分離、油分離、消音といった機能が同じであればそれぞれ異なる構造の圧力容器体であってもよく、そのような圧力容器体のパイプと容器の接合に対しても本発明は適用でき、同様な効果が得られる。
さらに本発明のパイプと容器の接合方法は、冷凍サイクル装置の圧力容器体だけでなく、内圧が作用する容器にパイプを接合する、他の用途の圧力容器体に対しても適用できる。
またつば部はパイプの全周に環状に形成しなくても、部分的であったり、断続的な複数の突起で構成したりしてもよい。
またつば部と容器の接合面積がパイプの横断面積以下であるようなつば部をパイプの途中に形成して、そのつば部と容器を上記の実施の形態で示した抵抗溶接や摩擦圧接で接合しても、接合面積は大きくできないが、ロウ付を行うことなく、パイプが容器を貫通して、その一端側が容器内部に突出するように接合できる効果を得ることができる。
上記の実施の形態では、接合時の条件値である抵抗溶接時の加圧力、そして摩擦圧接時の回転数、加圧力、予め加熱する温度についての範囲を示したが、これらの範囲はいずれも、パイプ外径がφ6〜φ20でパイプ横断面積の150〜200%相当の接合面積が得られるようなつば部を形成した銅を材料とするパイプを、鉄を材料とする容器に接合する場合に適当な範囲である。これらの各種条件値は、つば部と容器の接合面積の大きさによって適切な条件値が決定されるものであって、接合面積に合わせて、それぞれ適切なポイントが選択される。
また接合時の各種条件値は接合面積(つば部と容器の接触面積)によって上記の実施の形態に示した範囲から逸脱してもよいものである。つば部と容器の接触面積が大きい場合で十分な接合を得るためには、抵抗溶接時では電流値、加圧力の少なくとも一方を大きくすればよいし、摩擦圧接時では、回転停止後の加圧力を大きくすればよい。接触面積が大きい場合の摩擦圧接時には、回転時の加圧力、回転数を大きくすれば、互いの接触面が融点に達するまでの時間の短縮が図れる。なお摩擦圧接の回転摩擦時に回転数が小さすぎると接触面が融点に達しないこともあるので、回転摩擦させる装置は、接触面が融点に到達できる回転数を確保できる装置でなければならない。なおつば部と容器の接触面が溶着して接合するものであるので、接触面積と接合面積は同じ面積である。ここでは、つば部の平坦面と容器の平面部が溶着する前を接触面、溶着後を接合面としている。
また実施の形態1〜11ではいずれも、接合物が銅を材料とするパイプで、被接合物が鉄を材料とする容器であったが、接合するパイプと容器の材料の組み合わせは、鉄と銅に限定されるものではなく、他の融点が異なる材料の組み合わせによる接合についても本発明は適用できるし、鉄製の容器に鉄パイプを接合する等、同じ材料同士の接合についても適用でき、同様な効果が得られる。ただし、抵抗溶接時の電流値、加圧力、もしくは摩擦圧接時の回転数、加圧力、予め加熱する温度については、その材料の組み合わせに適した条件値にて接合されるものである。同じ材料の組み合わせでの摩擦圧接による接合であれば、回転摩擦の前にそれぞれの接触面を予め加熱する温度は同じでよい。
つば部の外周面と容器の穴内周を接合する実施の形態5と8を除いた他の実施の形態を説明するために用いた図では、パイプと容器の穴との半径方向すきまを誇張して大きめに描いている。ロウ付ではパイプを接合する場合、ロウを十分に浸透させるために、パイプと容器の穴の半径方向すきまを小さい値で管理する必要があるが、上記の実施の形態(実施の形態5と8は除く)においては、パイプに形成したつば部端面が接合されるので、パイプと容器の穴との半径径方向すきまは、ロウ付の場合より大きくでき、寸法管理が容易である。
接合強度は接合面積に比例する。パイプを容器から引き剥がそうとする力が同一であれば、接合面積が大きい方が、接合面の単位面積あたりの引き剥がし力が小さくなるからである。例えばつば部による接合面積を、パイプ端面を接合させた時の接合面積(パイプの横断面積)の2倍にすれば、接合強度はパイプ端面を接合させた時の2倍とすることができる。
本発明のパイプと容器の接合方法は、パイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、容器の穴にパイプを挿入し、パイプのつば部平坦面と容器平面部を接触させ、つば部平坦面と容器平面部の間に加圧力を作用させるステップと、つば部平坦面と容器平面部の間に加圧力を作用させた状態で、パイプと容器との間に瞬間的に強電流を流し、つば部平坦面と容器平面部の接触面を溶着させるステップとを備えたものである。この接合方法によれば、ロウ付に依らずともパイプの一端側を容器内側に突出させて接合することができ、またパイプのつば部平坦面と容器の平面部の接触面積を、パイプの横断面積より大きくすることで、パイプの端面を容器に接合する場合に比べて接合強度を高くすることができ信頼性が向上する。
また本発明のパイプと容器の接合方法は、パイプの端部にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、容器の穴にパイプを位置合わせして、パイプのつば部平坦面と容器平面部を接触させ、つば部平坦面と容器平面部の間に加圧力を作用させるステップと、つば部平坦面と容器平面部の間に加圧力を作用させた状態で、パイプと容器との間に瞬間的に強電流を流し、つば部平坦面と容器平面部の接触面を溶着させるステップとを備えたものである。この接合方法によれば、パイプのつば部平坦面と容器の平面部の接触面積を、パイプの横断面積より大きくすることで、パイプの端面を容器に接合する場合に比べて接合強度を高くすることができ信頼性が向上する。
また本発明のパイプと容器の接合方法は、パイプの途中にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、容器の穴にパイプを挿入し、パイプのつば部平坦面と容器の平面部を接触させ、つば部平坦面と容器の平面部の間に加圧力を作用させた状態でパイプもしくは容器を回転させるステップと、つば部平坦面と容器の平面部の接触面が回転摩擦の摩擦熱によりそれぞれが融点に達し溶融したらパイプもしくは容器の回転を停止するステップと、回転停止後につば部平坦面と容器の平面部の接触面がそれぞれ溶融した状態で、つば部平坦面と容器の平面部の間にパイプもしくは容器回転時の加圧力より大きい加圧力を作用させ、つば部平坦面と容器の平面部の接触面を溶着させるステップとを備えたものである。この接合方法によれば、パイプのつば部平坦面と容器の平面部との接触面積を、パイプの横断面積より大きくすることで、パイプの端面を容器に接合する場合に比べて接合強度を高くすることができ信頼性が向上する。
また本発明のパイプと容器の接合方法は、パイプの端部にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、容器の穴にパイプを位置合わせし、パイプのつば部平坦面と容器の平面部を接触させ、つば部平坦面と容器の平面部の間に加圧力を作用させた状態でパイプもしくは容器を回転させるステップと、つば部平坦面と容器の平面部の接触面が回転摩擦の摩擦熱によりそれぞれが融点に達し溶融したらパイプもしくは容器の回転を停止するステップと、回転停止後につば部平坦面と容器の平面部の接触面がそれぞれ溶融した状態で、つば部平坦面と容器の平面部の間にパイプもしくは容器回転時の加圧力より大きい加圧力を作用させ、つば部平坦面と容器の平面部の接触面を溶着させるステップとを備えたものである。この接合方法によれば、ロウ付に依らずともパイプの一端側を容器内側に突出させて接合することができ、またパイプのつば部平坦面と容器の平面部の接触面積を、パイプの横断面積より大きくすることで、パイプの端面を容器に接合する場合に比べて接合強度を高くすることができ信頼性が向上する。
また本発明のパイプと容器の接合方法は、上記の接合方法において、つば部平坦面と容器の平面部の接触面を回転摩擦させるステップの前に、パイプのつば部平坦面と容器の平坦面の両方をそれぞれ予め加熱するステップを備えたものである。この接合方法によれば、上記の接合方法の効果に加えて、回転摩擦に要する時間を短縮することができる。
また本発明のパイプと容器の接合方法は、容器に形成した穴にパイプを挿入するステップと、パイプの内部に拡管治具を挿入するステップと、拡管治具により容器の穴内周に臨む位置のパイプを、容器の穴内周に向けて拡径するように塑性変形させてパイプにつば部を形成するステップと、パイプのつば部外周面と容器の穴内周を接触させ、つば部外周面と容器の穴内周の間に加圧力を作用させた状態でパイプもしくは容器を回転させるステップと、つば部外周面と容器の穴内周の接触面が回転摩擦の摩擦熱によりそれぞれが融点に達し溶融したらパイプもしくは容器の回転を停止するステップと、回転停止後につば部外周面と容器の穴内周の接触面がそれぞれ溶融した状態で、つば部外周面と容器の穴内周の間にパイプもしくは容器回転時の加圧力より大きい加圧力を作用させ、つば部外周面と容器の穴内周の接触面を溶着させるステップとを備えたものである。この接合方法によれば、ロウ付に依らずとも、そして容器の内側に突出するパイプの一部に曲がりを含む場合であっても、パイプの一端側を容器内側に突出させて接合することができ、またパイプのつば部外周面と容器の穴内周との接触面積を、パイプの横断面積より大きくすることで、パイプの端面を容器に接合する場合に比べて接合強度を高くすることができ信頼性が向上する。
実施の形態12.
この実施の形態12では、上記の実施の形態1で示した抵抗溶接による冷凍サイクル装置の圧力容器体のパイプと容器の接合を実現するための製造装置について説明する。図16はこの実施の形態12による製造装置300の全体構成を示す図であり、図17は図16の要部断面図であって、装置内部の内部機構301を示す。図18はこの製造装置300の全体的な動作フローを示す工程図である。図16、図17において、吐出管20と上蓋12は、上記した実施の形態に示したものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
図16に示すように、この製造装置300は、内部機構301を支える架台302を有し、架台302の底部には、製造装置300を自立させるとともに、架台302の高さを調整し、製造装置300を平行に安定させための複数のアジャスターボルト(高さ調整ボルト)303がねじ止め固定されている。図16においてアジャスターボルト303は2本だけ図示されているが、製造装置300は4本のアジャスターボルト303を備えている。製造装置300を自立するためには、少なくとも3本のアジャスターボルト303が必要である。なおこのアジャスターボルト303に製造装置300の防振機能を備えさせてもよい。
そして架台302の上面には、ベースプレート304が複数のボルト305で固定され、そのベースプレート304の上に複数の支柱306が、ベースプレート304にボルト307で固定されて立設している。複数の支柱306は、図16においては2本だけ図示されているが、製造装置300は4本の支柱306を備えている。さらに複数の支柱306の上面には上板308が載っており、複数のボルト309で支柱306に固定されている。上板308には加圧手段であるサーボプレス310が、複数のボルト311にて固定されていて、図16サーボプレス310に連結しているプレス軸312を上下方向に直線運動させる。サーボプレス310は、プレス軸312の移動距離や加圧力を数値制御することができる。サーボプレス310は制御手段である図示しない制御部により制御される。上板308の中央には、図示していないがプレス軸312が貫通する穴が設けられている。
プレス軸312を上下動させ、後述するパイプを容器に加圧する加圧手段は、サーボプレス310に限定されるものではなく、油圧式シリンダやエアーシリンダを使用することも可能である。上下動するプレス軸312の下端(サーボプレス310の反対側)には、プレス軸312の上下動により、上下動されるプレス軸312の被直動体(後述する連結軸315と可動電極316)の偏心(位置ずれ)や偏角(平行ずれ)を吸収するフローティングジョイント(浮動性継手)を備えた連結ブロック313が、複数のボルト314にてプレス軸312に固定されている。
連結ブロック313は、連結軸315をその上部を引っ掛けて保持し、その連結軸315の下側(連結ブロック313の反対側)には、連結軸315とは絶縁した状態で可動電極316がベースプレート304に向けて固定されている。連結ブロック313は、連結軸315と可動電極316を落下しないように下げて支えている。
ベースプレート304中央の上面には固定プレート318が載り、複数のボルト319で固定されている。固定プレート318には、連結軸315に絶縁固定された可動電極316と対を成す固定電極317が固定プレート318とは絶縁した状態で立設固定される。固定プレート318にはまた、固定電極317とは接触せずに固定電極317の外周を囲うように容器固定治具320が複数のボルト321で固定されている。
この実施の形態12による製造装置300の動作について、図16〜図18に照らして説明する。最初に工程ST1として、容器の固定手段である容器固定治具320に、被接合物の容器をセットする。ここでは容器として、上記の実施の形態に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の密閉容器の上蓋12を用いる。上蓋12の構成は実施の形態1で説明されているのでここでの説明は省略する。容器固定治具320は、上蓋12の外周面が嵌合する内周面320aを有する。工程ST1は上蓋12の外周面をこの容器固定治具320の内周面320aに嵌合することである。容器固定治具320との嵌合により上蓋12の水平方向(X−Y方向)への移動は規制される。固定電極317は容器である上蓋12を挟んでつば部21の反対側に位置する。
上蓋12外周面が容器固定治具320に嵌合されると、上蓋12の内側表面の中央(穴17の周辺)部が固定電極317の上端面と接触して、上蓋12は軸方向に支持される。固定電極317には、上蓋12に接合されるパイプで上蓋12の内側に突出するパイプの一部と接触しないように逃がした凹部が、上側(固定プレート318の反対側)中央に形成されており、固定電極317が上蓋12の内側と接触する上端面は環状になっている。その環状の上端面が上蓋12を貫通する吐出管用穴17を囲うように上蓋12内側と接触し、上蓋12を軸方向に支持する。
先に上蓋12を固定電極317で軸方向に支持させて、容器固定治具をチャックやシリンダーで構成して上蓋12の外周面をその中心方向に締め付けて、上蓋12の水平方向の規制と合わせて周方向(θ方向)の規制(回転規制)を行ってもよいが、後述するように上蓋12には中心から同心位置に軸方向の力しか作用しないので、容器固定治具320のように容器の回転規制を省いても問題はない。ただし、パイプの容器への固定位置が容器中心に対して偏心している場合には、容器固定治具をチャック式やシリンダー式にして容器の回転規制を行うともに、容器の軸方向の支持を援助する必要がある。
上蓋12の容器固定治具320への嵌合は、図示しないロボットにより自動化されて行われるが、手動で行ってもよい。容器固定治具320に嵌合されることで、上蓋12のX−Y方向の位置決めがなされ、また固定電極317による軸方向支持により、上蓋12の軸方向の位置決めがなされる。
次に工程ST2として、パイプの途中にパイプの一部を塑性変形させて一体形成したつば部を有するパイプを容器にセットする。ここではつば部を有するパイプとして、上記の実施の形態に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の吐出管20を用いる。吐出管20の構成は実施の形態1で説明されているのでここでの説明は省略する。つば部平坦面22側の吐出管20を固定された上蓋12の穴17に上蓋12の上側から挿入し、つば部平坦面22と上蓋12の外側表面の平面部16を接触させる。吐出管20の穴17への挿入は、図示しないロボットにより自動化されて行われるが、手動で行ってもよい。吐出管20は穴17との嵌合およびつば部平坦面22が上蓋平面部16に接触して軸方向に支持されることにより、吐出管20は自立する。工程ST2は吐出管20を上蓋12にセットすることで、吐出管20を穴17に挿入し、つば部平坦面22と上蓋平面部16を接触させるものである。
続いて工程ST3として、サーボプレス310を稼働してプレス軸312を下降させ、プレス軸312に連結ブロック313と連結軸315を介して固定されている可動電極316を下降させ、つば部21に可動電極316を接触させる。このときサーボプレス310の制御は、つば部21と可動電極316の接触荷重を制御してもよいし、プレス軸312のストローク(移動距離)で制御してもよい。いずれにしても制御手段である制御部がサーボプレス310を制御して行われる。可動電極316は上蓋12の外側に自立している吐出管20と接触しないように、可動電極316の下端側(ベースプレート304側から逃がした凹部が形成されている。また可動電極316の凹部の内周縁は、つば部上面のテーパ面23と略同等なテーパ状になっていて、つば部21への可動電極316の接触は、可動電極316のテーパ状の内周縁面がつば部のテーパ面23へ接触してなされる。可動電極の接触は、つば部21ではなく、吐出管20の上端面であってもよい。工程ST3はサーボプレス310を稼働し、可動電極316を吐出管20のつば部21に接触させるものである。
次に工程ST4として、工程ST3に連続してサーボプレス310を可動電極316が下降する方向に稼働して、可動電極316により吐出管つば部21を上蓋12に所定の加圧力で加圧する(押し付ける)。このときサーボプレス310による加圧力の制御は、加圧力となる荷重そのものを制御部が制御する。工程ST4はサーボプレス310を連続して稼働させて、可動電極316が吐出管20のつば部21と固定電極317が接触している上蓋12との間に所定の加圧力を作用させるものである。
続いて工程ST5として、工程ST4における加圧力を作用させた状態のままで、制御部の指令により、可動電極316と固定電極317の間に所定の瞬間的な強電流を通電する(流す)。電流の向きはどちらであってもよい。これによりつば部平坦面22と上蓋平面部16の接触面は瞬時に加熱され溶着して、吐出管20が吐出管の一端側を上蓋12の内側に突出させた状態で上蓋12に接合される。工程ST5はつば部平坦面22と上蓋平面部16の間に加圧力を作用させた状態で、可動電極316と固定電極317の間に所定の瞬間的な強電流を流してつば部平坦面22と上蓋平面部16の接触面を溶着させるものである。言い換えると、つば部平坦面22と上蓋平面部16の接触面を抵抗溶接するものである。
次に工程ST6として、サーボプレス310を稼働して、プレス軸312を上昇させ、可動電極316をつば部21から離間させる。制御部により可動電極316が下降前の位置になるまでプレス軸312を上昇させる。最後に工程ST7として、容器固定治具320からワークである吐出管20が接合された上蓋12を取り外して終了する。取り外しは図示しないロボットにより自動化されて行われるが、手動で行ってもよい。チャックやシリンダーで固定する容器固定治具であれば、この工程ST6の取り外しの中に、チャックもしくはシリンダーの解除が加えられる。
実施の形態12に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置300は以上のように構成されているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通してパイプである吐出管20の一端側が容器である上蓋12の内側に突出するように接合でき、またつば部21の平坦面22と上蓋12の平面部16の接合面積を吐出管20のパイプ横断面積より大きくして、吐出管20と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐え得る信頼性の高い冷凍サイクル装置の圧力容器体を効率的に製造することができる。また制御部の数値制御により加圧力が制御されるので、吐出管20と上蓋12の接合強度が安定する効果がある。
実施の形態13.
この実施の形態13では、上記の実施の形態3および4で示した摩擦圧接による冷凍サイクル装置の圧力容器体のパイプと容器の接合を実現するための製造装置について説明する。図19はこの実施の形態13による製造装置330の全体構成を示す正面図であり、図20は図19の側面図である。図21は図19の要部断面図であり、図22は図20の要部断面図であって、ともに装置内部の内部機構331を示す。図23はこの製造装置330の全体的な動作フローを示す工程図である。なお図19〜22において図16、17と同一の符号で示すものは、実施の形態12に示した製造装置300と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。図19〜図22において、吐出管40と上蓋12は、上記した実施の形態に示したものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
図19、20に示すように、この製造装置330は、上記の実施の形態12の製造装置300と同様に、ベースプレート304の上の内部機構331を架台302が支え、複数の支柱306が内部機構331を囲むように立設され、支柱306上の上板308に、図示しない制御部により制御されて稼働するサーボプレス310が固定される。サーボプレス310に連結したプレス軸312に連結ブロック313が固定され、連結軸315を引っ掛けて保持する。
製造装置330の内部機構331は図19、20にて上板308とベースプレート304の中間部に示されるヘッドプレート332を中心に構成される。ヘッドプレート332は内部機構331の一部を固定しながら、サーボプレス310により軸方向に上下動するので、その上下動をする際にヘッドプレート332が傾斜や位置ずれを起こさないように、少なくとも2個のガイド333が複数のボルト334にてヘッドプレート332に固定され、そのガイド333の内径にそれぞれガイドシャフト335が嵌合していて、ガイドシャフト335に沿ってガイド333ひいてはヘッドプレート332が上下動する。複数のガイド333とガイドシャフト335の嵌合により、ヘッドプレート332は、上下動の際に傾斜や位置ずれ(回転ずれを含む)が抑制される。なおヘッドプレート332の位置ずれ抑制機構については、円柱のガイドシャフトをレール状のガイドレールとして形成し、そのレールにブロック形のガイドをスライドさせるレール式で構成してもよい。
次に内部機構331について、図21、22に照らして説明する。連結軸315の下端には、回転伝達軸336が連結軸315と同軸に固定される。回転伝達軸336の下端中央には同軸状に、接合するパイプの上端面と接触してパイプに回転摩擦時の加重を伝えるパイプ押さえ軸337が固定される。そしてこのパイプ押さえ軸337の外周を囲うようにして、パイプに回転力を伝えるチャック338が、複数のボルト339にて回転伝達軸336の下端に固定されている。チャック338には、接合するパイプを直接つかむ爪340が固定されている。チャック338を締まると、爪340が動いて適度な力でパイプをつかむようになる。
回転伝達軸336は、ベアリング341にて半径方向に支持される。ベアリング341はボールベアリングで構成されており、緩み止めナット342で締め付けたカラー343下端面と回転伝達軸336の径大部336aの上端面で、ベアリング341の内輪を狭持して、ベアリング341内輪は回転伝達軸336と同期回転する。これにより後述するパイプを回転摩擦する時の軸方向に作用するスラスト加重(加圧力)もベアリング341が支持する。ベアリング341の外輪は、ヘッドプレート332の下面に複数のボルト344で固定されたベアリングカバー345に圧入固定され静止している。ヘッドプレート332のベアリングカバー345がある反対側には、回転伝達軸336の回転を瞬時に停止できるブレーキ347が、スペーサブロック346を挟んで複数のボルト379にて固定されている。ブレーキ347の作動および解除は、制御部により制御される。
回転伝達軸336を回転させる駆動力は、架台302上に回転伝達軸336と並んで配置されたモータ350によって付与される。モータ350は、ヘッドプレート332の下面側に複数の支柱348を挟んで複数のボルト349で固定されたモータプレート351に、複数のボルト352にて固定される。モータ350の回転駆動の開始と停止は、制御部により制御される。モータ350の回転駆動力はまずモータ350に直結するモータ軸378を回転させる。モータ軸378は、カップリング353を介して直列に配置された連結軸354に回転駆動力を伝達する。カップリング353は、モータ軸378と連結軸354の同心ずれや傾きを吸収するものである。
ヘッドプレート332のモータプレート351がある反対側には、クラッチ355が複数のボルト356にて固定される。連結軸354はクラッチ355を介してクラッチ軸357に直列状態で接続する。クラッチ355は、モータ350が回転駆動中に、回転伝達軸336のブレーキ347が作動し回転を急停止する場合に、モータ350の負荷を軽減するために用いられる。モータ350が回転駆動中は、クラッチ軸357はモータ350の回転に同期して回転する。
クラッチ軸357には、モータ350の回転駆動力を、モータ350に並んで位置している回転伝達軸336に伝達するために、第1プーリ358が固定されている。第1プーリ358の固定は、くさび型の金具359をボルト360で締めることによってなされる。回転伝達軸336には、第1プーリ358と略同じ高さに、第2プーリ361が固定されている。第1プーリ358と同様にくさび型の金具362をボルト363で締めることによって固定される。第1プーリ358と第2プーリ361はベルト364で連結され、モータ350の回転駆動力がベルト364により回転伝達軸336に伝達されることで、回転伝達軸336が回転する。モータ350はサーボプレス310の稼働に対応して、ヘッドプレート332とともに上下動する。
第2プーリ361の径を第1プーリ358の径と同じにすれば、回転伝達軸336はモータ350の回転数で回転するが、第2プーリ361の径を第1プーリ358の径より小さくすれば、回転伝達軸336はモータ350の回転数より大きい回転数で回転する。逆にすれば、モータ350の回転数より小さい回転数で回転する。モータ350の容量に合わせたプーリ径を選択し、回転伝達軸336の適度な回転数を得るようにする。なおモータ350から回転伝達軸336への回転駆動力の伝達は、プーリ358、361とベルト364によるものでなくても、ギアにより行ってもよい。またモータ350を回転伝達軸336に直結して伝達してもよい。
ベースプレート304上面に固定された固定プレート318には、容器固定治具365が複数のボルト321で固定されている。容器固定治具365は、被接合物である容器の外周面と嵌合する内周面365aと、容器の下端面と接触して容器を軸方向に支持するスラスト面365bを備える。また固定プレート318には、容器固定治具365に嵌合された容器の回転を防止するために、少なくとも一つのトグルクランプ366がボルト367にて固定されている。容器固定治具をチャックやシリンダーで構成して容器の外周面をその中心方向に締め付けて、容器の水平方向の規制と合わせて回転を防止してもよい
容器固定治具365の内側には、接合物であるパイプの内部が後述する摩擦圧接時に酸化するのを防止するために、パイプの内径に嵌ってパイプ内部に窒素等の不活性ガスを注入するためのガス供給ノズル368が設置されている。このガス供給ノズル368は、後述するパイプが回転摩擦する時に、パイプから回転力を受けるために、ベアリング369により半径方向に支持される。パイプ内径とガス供給ノズル368を非接触として、パイプから回転力を受けないようにしてもよいが、それによりベアリング369を省くことができるが、不活性ガスがパイプ内部から逃げやすくなる。ガス供給ノズル368への不活性ガスの供給は、配管390から継ぎ手376を経由して行われる。継ぎ手376がガス供給ノズル368の回転を吸収するので配管は回転しない。
ベアリング369はボールベアリングであり、その内輪は、緩み止めナット370で締め付けたカラー371の上端面とガス供給ノズル368の径大部下端面で狭持され、ガス供給ノズル368とともに回転する。ベアリング369の外輪は、ベアリングハウジング372に嵌め合い、そしてベアリングカバー373が複数のボルト374にてベアリングハウジング372に固定されることで、ベアリング369の外輪は固定される。ベアリングハウジング372は、複数のボルト375によって固定プレート318に固定される。
パイプと容器をそれぞれ予備加熱する加熱手段である高周波誘導加熱コイル377が出入り自由に、爪340の下部に配置できるようになっている。加熱コイル377は、高周波誘導加熱によるものでなく、アーク加熱や抵抗加熱、遠赤外線加熱を利用するものに置き換えてもよい。実施の形態3の予備加熱を行わない摩擦圧接により、圧力容器体のパイプと容器の接合を実現するための製造装置であれば、加熱コイル377は要らない。加熱コイル377への電流供給の開始と停止は制御部により制御される。
この実施の形態13による製造装置330の動作について、図21〜図23に照らして説明する。実施の形態4で示した回転摩擦に先立って予めパイプと容器の接触面を加熱する場合で説明する。最初に工程SP1として、容器固定手段である容器固定治具365に、被接合物の容器をセットする。ここでは容器として、実施の形態12同様に上記の実施の形態に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の密閉容器の上蓋12を用いる。上蓋12の構成は実施の形態1で説明されているのでここでの説明は省略する。工程SP1は上蓋12の外周面をこの容器固定治具365の内周面365aに嵌合し、かつ上蓋12下端面を容器固定治具365のスラスト面365bに接触させて、上蓋12を軸方向に支持させることである。容器固定治具365へのセットにより上蓋12の水平方向(X−Y方向)と軸方向(Z方向)への移動が規制される。
次に工程SP2として、トグルクランプ366を締めて、上蓋12を容器固定治具365に押し付ける。これにより上蓋12の回転方向(θ方向)の規制(回転規制)を行う。容器固定治具をチャック式やシリンダー式にして容器の回転規制を行わせる場合は、工程SP1とSP2が同時になされることになる。工程SP1、SP2は図示しないロボットにより自動化されて行われるが、少なくとも一方の工程を手動で行ってよい。
続いて工程SP3として、上蓋12の上側に、穴17と同心状に配置されるように加熱コイル377を所定の位置に移動させる。この際加熱コイル377の下端と後で吐出管40のつば部平坦面42と接触する上蓋12の平面部16との間に所定の距離S1が確保される。
次に工程SP4として、パイプの途中にパイプの一部を塑性変形させて一体形成したつば部を有するパイプを容器にセットする。ここではつば部を有するパイプとして、上記の実施の形態に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の吐出管40を用いる。吐出管40の構成は上記の実施の形態で説明されているのでここでの説明は省略する。この工程SP4は、実施の形態12に示した工程ST2と同様であるが、穴17に吐出管40を挿入する際には加熱コイル377内部を通過させることと、吐出管40の上蓋12の内側に突出する一端側をガス供給ノズル368の先端に嵌め合わせることが、工程ST2に対して加えられる点である。
続いて工程SP5として、サーボプレス310を稼働して、チャック338の爪340が、上蓋12の外側にある吐出管40の上部を保持できる位置までプレス軸312を下降させる。そして工程SP6として、チャック338を稼働させて吐出管40の上部を爪340でチャックして保持する。次に工程SP7として、今度はチャック338と爪340からなるパイプ保持手段により保持された吐出管40が上昇する方向に、サーボプレス310を稼働させ、吐出管40のつば部平坦面42と加熱コイル377の上端との間に所定の距離S2を確保するまで吐出管40を移動させる。
この距離S2は上記した距離S1より大きくする。これらの距離S1とS2をそれぞれ異なる距離で適度に設定することで、一つの加熱コイル377でかつ同一時間で、後で接触する上蓋12の平面部16と吐出管40のつば部平坦面42を、それぞれ異なる所定の温度まで予備加熱することができる。実施の形態4に示したように、融点の低い方の吐出管40のつば部平坦面42を予め加熱する温度の方が、上蓋12の平面部16を予め加熱する温度よりも低いので、距離S2が距離S1より大きくするのである。異なる2つの加熱する面16、42を、1つの加熱コイル377の両側に配置し、加熱コイル377との距離を異ならせることで、同一時間で、それぞれの加熱する面を異なる所定の温度まで加熱するのである。距離S1とS2は実験により適切な値を導き出しており、その距離に設定されている。なおそれぞれの面を別々の加熱コイルで予備加熱してもよい。
次に工程SP8として、加熱コイル377に決められた所定時間の電流を通電し、次工程で接触する吐出管40のつば部平坦面42と上蓋12の平面部16を、それぞれ異なる所定の温度まで加熱(予備加熱)する。続いて工程SP9として、吐出管40をチャックしたまま、再度サーボプレス310を稼働し、吐出管40を下降させ、予備加熱された吐出管40のつば部平坦面42と上蓋12の平面部16を接触させる。このときサーボプレス310の制御は、つば部平坦面42と上蓋平面部16の接触荷重を制御してもよいし、モータ押さえ軸337のストローク(移動距離)で制御してもよい。
次に工程SP10として、工程SP9に連続してサーボプレス310を稼働してパイプ押さえ軸337が吐出管40を押して、吐出管つば部平坦面42を上蓋12の平面部16に所定の加圧力で加圧する(押し付ける)。このときサーボプレス310による加圧力の制御は、加圧力となる荷重そのもので制御する。続いて工程SP11として、吐出管40内部にガス供給手段であるガス供給ノズル368から不活性ガスの供給を開始する。
そして工程SP12として、モータ350を駆動し、ベルト364を介して連結する回転伝達軸336を回転させ、つば部平坦面42と上蓋平面部16との間に所定の加圧力を作用させた状態のまま、これらの回転駆動手段により爪340に保持されている吐出管40を回転させる。これによりつば部平坦面42と上蓋平面部16の接触面が回転摩擦され、これらの接触面に摩擦熱が発生する。この時の加圧力を摩擦圧力と呼ぶ。回転は、互いの接触面が所定の温度(溶融する温度)になるまで継続する。ここでは実験により、予備加熱後に回転摩擦させてそれぞれの接触面が所定の温度になるまでに要する時間(ともに略同一時間で所定の温度になる)が決められており、その設定時間だけ回転させる。なお回転摩擦は、非接触のセンサーにより直接温度を検知して所定の温度になるまで継続させるようにしてもよいし、吐出管40や上蓋12の色の変化(赤化等)で判断して停止するようにしてもよい。
次に工程SP13として、つば部平坦面42と上蓋平面部16の互いの接触面が所定の温度に達したら、回転摩擦を終了させるために、クラッチ355を開放し、ブレーキ347を作動させ、回転伝達軸336の回転を停止し、吐出管40の回転を停止させる。クラッチ355を開放した後でモータ350も停止させる。クラッチ355の開放、ブレーキ347の作動、モータ350の起動停止は、すべて制御部により制御される。
続いて工程SP14として、工程SP13の回転摩擦終了後すぐに、サーボプレス310によるつば部平坦面42と上蓋12の平面部16との加圧力を所定の加圧力まで増加させ、互いの溶融した接触面を溶着させる(圧接する)。この時の加圧力をアップセット圧力と呼び、実験により、アップセット圧力の大きさと作用時間は決められており、制御部がそれに基づきサーボプレス310を稼働させる。アップセット圧力の方が摩擦圧力より大きい。この工程により、吐出管40と上蓋12の接合は完了する。
次に工程SP15として、チャック338を稼働して、爪340による吐出管40のチャックを解除する。そして工程SP15とほぼ同時に工程SP16として、ガス供給ノズル368からの不活性ガスの供給を停止する。チャック338の稼働、ガス供給ノズル368からの不活性ガス供給の開始と停止は、制御部の制御によって行われる。
続いて工程SP17として、サーボプレス310を稼働して、パイプ押さえ軸337を上昇させ、吐出管40から離間させる。そして工程SP18として、加熱コイル377を上蓋12の外方へ移動させる。その際まず吐出管40に沿って、吐出管40と加熱コイル377との間に軸方向のすきまができるまで上昇させてから、水平方向に移動させる。加熱コイル377の出入りの移動も制御部により行われる。
次に工程SP19として、ワークである吐出管40が接合された上蓋12を押さえているトグルクランプ366を解除する。最後に工程SP20として、容器固定治具365からワークである吐出管40が接合された上蓋12を取り外して終了する。トグルクランプ366の解除と取り外しは図示しないロボットにより自動化されて行われるが、少なくとも一方の工程を手動で行ってもよい。容器固定治具をチャック式やシリンダー式にして容器の回転規制を行わせる場合は、工程SP19とSP20が同時になされることになる。
上記の工程SP1〜SP20は、パイプと容器を予備加熱した後で摩擦圧接する実施の形態4を実現するための製造装置によるものであるが、予備加熱を行わない実施の形態3を実現するための製造装置では、加熱コイル377がないので、工程SP3、SP7〜SP9、SP18が省かれる。
実施の形態13に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置330は以上のように構成されているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通してパイプである吐出管40の一端側が容器である上蓋12の内側に突出するように接合でき、またつば部平坦面42と上蓋平面部16の接合面積を吐出管40のパイプ横断面積より大きくして、吐出管40と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐え得る信頼性の高い冷凍サイクル装置の圧力容器体を効率的に製造することができる。また制御部の数値制御により加圧力が制御されるので、吐出管40と上蓋12の接合強度が安定する効果がある。
実施の形態14.
この実施の形態14では、上記の実施の形態5で示した摩擦圧接による冷凍サイクル装置の圧力容器体のパイプと容器の接合を実現するための製造装置について説明する。図24はこの実施の形態14による製造装置380の要部断面図であり、装置内部の内部機構381を示す。図25はこの製造装置380の全体的な動作フローを示す工程図である。製造装置380の内部機構381を除く全体構成は、実施の形態13の製造装置330と同じであり、図および説明は省略する。また図24において図16、17、19〜22と同一の符号で示すものは、実施の形態12に示した製造装置300、実施の形態13に示した製造装置330と同一もしくは同様な部品であり、ここでの説明は省略する。また図24において、吐出管50と上蓋12は、上記した実施の形態に示したものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
実施の形態13の製造装置330と構成が異なる点は、接合するパイプの一部をパイプの内側から外側に拡径するように塑性変形させるための拡管治具を備える点である。拡管治具は、雄側拡管治具382と雌側拡管治具383から構成される。雄側拡管治具382は、回転伝達軸336の下端中央に同軸状に固定される。製造装置330ではここにパイプ押さえ軸337が固定されていたが、この製造装置380では、パイプ押さえ軸337は存在せず、パイプ押さえ軸に替わって雄側拡管治具382が設置される。雄側拡管治具382の下端部は球体状に形成されている。
雌側拡管治具383は、ガス供給ノズル368に固定されている。雌側拡管治具383の上部には、パイプの途中でパイプの一部を拡管変形させて形成するつば部の厚さに応じたフランジが形成され、フランジを含めた上部には、全周に渡って軸方向に所定深さのスリットが等間隔で複数設けられ、上部の半径方向の剛性を弱めている。雄側拡管治具382下端の球体の径は、雌側拡管治具383の内径より大きい。パイプの内部で、雌側拡管治具383のフランジ内径に、雄側拡管治具382の球体を挿入することで、フランジが外側に広がり、パイプを内側から外側に拡径するように塑性変形させることができる。
またガス供給ノズル368には、パイプの下端面と接触し、接合前のパイプを軸方向に支持する支持面368aが形成されている。
この実施の形態14による製造装置380の動作について、図24、図25に照らして説明する。最初に工程SQ1として、容器固定治具365に、被接合物の容器をセットする。ここでは容器として、実施の形態13同様に上記の実施の形態に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の密閉容器の上蓋12を用いる。工程SQ1は、実施の形態13に示した工程SP1と同様であり、説明は省略する。このとき、雌側拡管治具383の上部のフランジと上蓋12の穴17との軸方向位置(高さ)は略一致する。次に工程SQ2として、トグルクランプ366で上蓋12を容器固定手段である容器固定治具365に押し付ける。これも上記の工程SP2と同様である。そして工程SQ3として、上蓋12の上側に、穴17と同心状に配置されるように加熱手段である加熱コイル377を移動させる。
ここでこの製造装置380にて上蓋12に接合するパイプは、実施の形態5に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の一つである圧縮機の吐出管50を用いる。吐出管50の構成は実施の形態5で説明されているのでここでの説明は省略する。次に工程SQ4として、吐出管50を上蓋12の上側から上蓋12の穴17を貫通させ、ガス供給ノズル368の支持面368aに吐出管50の下端面を接触させてセットする。この時吐出管50の内部に雌側拡管治具383が収納されるとともに、吐出管50の上蓋12の内側に突出する一端側にガス供給ノズル368の先端が嵌め合わされるようにセットする。吐出管50のセットは、図示しないロボットにより自動化されて行われるが、手動で行ってもよい。
続いて工程SQ5として、サーボプレス310を稼働し、雄側拡管治具382を下降させ、吐出管50の上から吐出管50内部に挿入する。工程SQ5に連続して工程SQ6として、雄側拡管治具382を引き続き下降させ、雄側拡管治具382の下端の球体を雌側拡管治具383に挿入し、雌側拡管治具383の上端のフランジを外周方向に放射状に拡大させ、上蓋12の穴17に臨む位置の吐出管50を拡径させる。放射状に拡大する雌側拡管治具383のフランジが、吐出管50の内径を加圧し吐出管50を塑性変形させ、つば部51を形成する。拡径は、拡径されたつば部51の外周面52が上蓋12の穴17の内周に接触し、つば部外周面52と上蓋12の穴17内周の間に所定の加圧力が作用するまで行う。雄側拡管治具382の球体が先端から最大径の箇所に向かって雌側拡管治具383に挿入されていくと、挿入される球体の径が徐々に拡大していくので、接触後の所定の加圧力は、雄側拡管治具382の球体が雌側拡管治具383へ挿入される距離、すなわちサーボプレス310のストローク(移動距離)で管理される。この時点で、雄側拡管治具382の球体は最大径の箇所まで、雌側拡管治具383に挿入されていない。
そして工程SQ7として、パイプ保持手段であるチャック338を稼働させて吐出管50の上部を爪340で保持する。次に工程SQ8として、吐出管50内部にガス供給手段であるガス供給ノズル368から不活性ガスの供給を開始する。そして工程SQ9として、加熱コイル377に決められた所定時間の電流を通電し、吐出管50のつば部外周面52と上蓋12の穴17内周の接触面を、所定の温度まで加熱(予備加熱)する。工程SQ8とSQ9は順序が逆でもよい。続いて工程SQ10として、モータ350を駆動し、ベルト364を介して連結する回転伝達軸336を回転させ、拡管治具382、383によるつば部外周面52と上蓋12の穴17内周との間の加圧力(摩擦圧力)を作用させた状態のまま、爪340に保持されている吐出管50を実施の形態13と同様のパイプ回転駆動手段により回転させる。これによりつば部外周面52と上蓋12の穴17内周の接触面が回転摩擦され、これらの接触面に摩擦熱が発生する。回転は、互いの接触面が所定の温度(溶融する温度)になるまで継続する。接触面の溶融の判断は、実施の形態13に示した工程SP12と同じである。拡管治具382、383は吐出管50とともに回転する。
次に工程SQ11として、つば部外周面52と穴17内周の互いの接触面が所定の温度に達したら、実施の形態13に示した工程SP13と同様にして回転摩擦を停止させる。続いて工程SQ12として、工程SQ11の回転摩擦停止後すぐに、サーボプレス310により雄側拡管治具382の球体を雌側拡管治具383に更に深く挿入するよう動作させて、つば部外周面52と上蓋12の穴17内周との加圧力を所定の加圧力(アップセット圧力)まで増加させ、互いの溶融した接触面を溶着させる(圧接する)。この工程により、吐出管50と上蓋12の接合は完了する。アップセット圧力の方が摩擦圧力より大きい。
次に工程SQ13として、チャック338を稼働して、爪340による吐出管50のチャックを開放する。そして工程SQ13とほぼ同時に工程SQ14として、ガス供給ノズル368からの不活性ガスの供給を停止する。続いて工程SQ15として、サーボプレス310を稼働して、雄側拡管治具382を上昇させ、吐出管50から離間させる。そして工程SQ16として、工程SP18同様に加熱コイル377を上蓋12の外方へ移動させる。次に工程SQ17として、ワークである吐出管50が接合された上蓋12を押さえているトグルクランプ366を解除する。最後に工程SQ18として、容器固定治具365からワークである吐出管50が接合された上蓋12を取り外して終了する。トグルクランプ366の解除と取り外しは図示しないロボットにより自動化されて行われるが、少なくとも一方の工程を手動で行ってもよい。容器固定治具をチャック式やシリンダー式にして容器の回転規制を行わせる場合は、工程SQ17とSQ18が同時になされることになる。サーボプレス310の稼働による雄側拡管治具382の上下動やモータ350の起動停止、加熱コイル377への通電開始と停止は、すべて制御手段である制御部により制御される。
上記の工程SQ1〜SQ18は、実施の形態5においてパイプと容器を予備加熱した後で摩擦圧接するための製造装置によるものであるが、実施の形態5において予備加熱をしないで摩擦圧接するための製造装置では、装置に加熱コイル377が装備されず、工程SQ3、SQ9、SQ16が省かれる。
実施の形態14に示した冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置380は以上のように構成されているので、ロウ付を行うことなく、穴17を貫通してパイプである吐出管50の一端側が容器である上蓋12の内側に突出するように接合でき、またつば部外周面52と上蓋12の穴17内周の接合面積を吐出管50のパイプ横断面積より大きくして、吐出管50と上蓋12の接合強度が冷媒の作動圧力に十分に耐え得る信頼性の高い冷凍サイクル装置の圧力容器体を効率的に製造することができる。
冷凍サイクル装置の圧力容器体を説明するための冷媒回路を示す説明図である。 この発明の実施の形態1を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の縦断面図である。 図2に示す圧縮機の要部断面図である。 図2に示す圧縮機の吐出管の断面図である。 この発明の実施の形態2を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 この発明の実施の形態3を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 この発明の実施の形態5を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 この発明の実施の形態6を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 この発明の実施の形態7を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 図9に示す圧縮機の密閉容器の要部横断面図である。 図9に示す圧縮機の吸入外管の断面図である。 この発明の実施の形態8を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である圧縮機の要部断面図である。 この発明の実施の形態9を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である気液分離器の断面図である。 この発明の実施の形態10を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である油分離器の断面図である。 この発明の実施の形態11を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体である消音器の断面図である。 この発明の実施の形態12を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置の全体構成図である。 図16に示す製造装置の要部断面図である。 図16に示す製造装置の動作フローを示す工程図である。 この発明の実施の形態13を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置の全体構成正面図である。 図19に示す製造装置の全体構成側面図である。 図19の要部断面図である。 図20の要部断面図である。 図19に示す製造装置の動作フローを示す工程図である。 この発明の実施の形態14を示す冷凍サイクル装置の圧力容器体の製造装置の要部断面図である。 図24に示す製造装置の動作フローを示す工程図である。
符号の説明
1 冷媒回路、 2、100 圧縮機、3 高圧側熱交換器、4 減圧装置、5 低圧側熱交換器、6、180 消音器、7、140 油分離器、8、110 気液分離器、9、65 低圧接続管、10 密閉容器、11、70 円筒容器、12 上蓋、13 底蓋、14 吸入管、15 気液分離器、15a 円筒状容器、15b 仕切り板、16、63、72、112、142a、142b、182a、182b 平面部、 17 吐出管用穴、18、75、95 吸入外管、19 吸入補助管、20、30、40、50 吐出管、20a、30a、40a 平坦面側の吐出管、21、31、41、51、66、76、96、121、131、151、161、171、191、201 つば部、22、32、42、67、77、97、122、132、152、162、172、192、202 平坦面、23 テーパ面、24 曲面部、52 外周面、60 気液分離器、61 上側円筒状容器、62 低圧接続管用穴、71 吸入外管用穴、75a 平坦面側の吸入外管、80 圧縮機構部、81 回転軸、81a 偏心部、82 ローラー、83 シリンダ、83a 内側空間、85 ガラスターミナル、90 電動機、91 固定子、91a 切欠き、92 回転子、92a 風穴、93 空間、94 油溜め、111、141、181 容器、111a、141a、181a 上側容器、111b、141b、181b 下側容器、120、150、190 流入管、130、160、200 流出管、145 分離材、170 油戻し管、300、330、380 製造装置、301、331、381 内部機構、302 架台、303 アジャスターボルト、304 ベースプレート、305、307、309、311、314、319、321、334、339、344、349、352、356、360、363、367、374、375、379 ボルト、306、348 支柱、308 上板、310 サーボプレス、312 プレス軸、313 連結ブロック、315、354 連結軸、316 可動電極、317 固定電極、318 固定プレート、320、365 容器固定治具、320a、365a 内周面、332 ヘッドプレート、333 ガイド 335 ガイドシャフト、336 回転伝達軸、337 パイプ押さえ軸、338 チャック、340 爪、341、369 ベアリング、342、370 緩み止めナット、343、371 カラー、345、373 ベアリングカバー、346 スペーサブロック、347 ブレーキ、350 モータ、351 モータプレート、353 カップリング、355 クラッチ、357 クラッチ軸、358 第1プーリ、359、362 金具、361 第2プーリ、364 ベルト、365b スラスト面、366 トグルクランプ、368 ガス供給ノズル、368a 支持面、372 ベアリングハウジング、376 継ぎ手、377 加熱コイル、378 モータ軸、382 雄側拡管治具、383 雌側拡管治具、390 配管。

Claims (14)

  1. 冷媒の作動圧力が作用するとともに、前記冷媒もしくは冷凍機油を流入もしくは流出するパイプを接合する容器と、
    前記パイプの途中もしくは端部に、外側に突出するようにパイプの一部が塑性変形されて端面が平坦面に形成されたつば部と、
    前記容器に形成され、前記パイプを挿入するもしくは前記パイプと連通する穴が設けられた平面部と、を備え、
    前記つば部の平坦面と前記容器の平面部とを溶着させることで、前記パイプを前記容器に接合したことを特徴とする冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  2. 前記つば部の平坦面と前記容器の平面部とを接触させ、前記パイプと前記容器に瞬間的に電流を流すことで、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部を溶着させることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  3. 前記つば部の平坦面と前記容器の平面部とを接触させ、この接触面を回転摩擦させて溶融することで、前記つば部の端面と前記容器の平面部を溶着させることを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  4. 冷媒の作動圧力が作用するとともに、前記冷媒もしくは冷凍機油を流入または流出するパイプを接合する容器と、
    前記パイプの途中に、パイプの外側に拡径されるようにパイプの一部が塑性変形されて形成されたつば部と、
    前記容器に形成された前記パイプを挿入する穴と、を備え、
    前記つば部の外周面と前記容器の穴内周とを接触させ、この接触面を回転摩擦させて溶融することで、前記つば部の外周面と前記容器の穴内周とを溶着し、前記パイプを前記容器に接合したことを特徴とする冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  5. 前記つば部が前記容器の内側に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  6. 前記パイプが前記容器の内側に突出することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  7. 前記容器の穴をバーリング加工により形成し、バーリング加工で立たせた穴周縁の端面を前記平面部に加工したことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  8. 回転摩擦をさせる前に、前記つば部と前記容器との接触面をそれぞれ加熱することを特徴とする請求項3または請求項4記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  9. 前記つば部と前記容器とが溶着する接合面積が、前記パイプの横断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の冷凍サイクル装置の圧力容器体。
  10. パイプの途中もしくは端部にこのパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、前記容器の穴に前記パイプを挿入もしくは位置合わせし、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部を接触させ、前記つば部の平坦面と前記平面部の間に加圧力を作用させるステップと、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の間に加圧力を作用させた状態で、前記パイプと前記容器との間に瞬間的に電流を流し、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の接触面を溶着させるステップと、を備えたことを特徴とするパイプと容器の接合方法。
  11. パイプの途中もしくは端部にパイプの一部を外側に突出するように塑性変形させて端面が平坦面となるつば部を形成するステップと、容器に穴とその穴の周囲に平面部を形成するステップと、前記容器の穴に前記パイプを挿入もしく位置合わせし、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部を接触させ、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の間に加圧力を作用させた状態で前記パイプもしくは容器を回転させるステップと、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の接触面が摩擦熱により溶融したら前記パイプもしくは容器の回転を停止するステップと、回転停止後に前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の接触面が溶融した状態で前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の間に前記加圧力より大きい加圧力を作用させ、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の接触面を溶着させるステップと、を備えたことを特徴とするパイプと容器の接合方法。
  12. 冷媒の作動圧力が作用する容器に、前記冷媒もしくは冷凍機油を流入または流出するパイプを接合する冷凍サイクルの圧力容器体の製造装置であって、
    前記容器を固定する容器固定手段と、
    前記パイプを保持するパイプ保持手段と、
    前記パイプの途中に、外側に突出するようにパイプの一部が塑性変形されて形成されたつば部の端面である平坦面を、前記容器に形成され、前記パイプを挿入する穴が設けられた平面部に所定の加圧力で加圧する加圧手段と、
    前記加圧手段で加圧された状態で前記パイプを回転させる回転駆動手段と、
    前記つば部の平坦面と前記容器の平面部の接触面が、摩擦熱により溶融したら、前記回転駆動手段を停止し、前記加圧手段が前記所定の加圧力より大きい加圧力で前記つば部の平坦面を前記容器の平面部に加圧するよう制御して、前記つば部の平坦面と前記容器の平面部とを溶着させる制御手段と、を備えた冷凍サイクルの圧力容器体の製造装置。
  13. 少なくとも前記パイプが回転している間に、前記パイプの内部に不活性ガスを供給するガス供給手段を備えたことを特徴とする請求項12に記載の冷凍サイクルの圧力容器体の製造装置。
  14. 前記パイプを回転させる前に、前記つば部の平坦面および前記容器の平面部を加熱する加熱手段を備えたことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の冷凍サイクルの圧力容器体の製造装置。
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