JP2008208539A - 管材緊結金具 - Google Patents

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Abstract

【課題】建築現場におけるより安全な仮設足場の構築等に使用されるものであって、連結する管材間の自在な角度調節と固定が、工具を使わず、迅速かつ容易に行える管材緊結金具の提供。
【解決手段】緊結具本体(21、22)が、回動支持部材26を介して回動自在に連結された管材緊結金具20において、緊結具本体21に一体化し、回動支持部材26の中心軸L周りの円周上に所定の間隔で複数の角度調節孔23a〜23gを形成した角度調節板23と、緊結具本体22における角度調節板23と対向する位置に一体化し、前記円周と略同一の円周上に角度固定孔24cを形成した角度固定板24と、角度調節孔23a〜23gより選択したいずれかの孔及び角度固定孔24cに対して一体として挿脱自在に構成し、角度調節板23と角度固定板24との固定及び解除を行う角度固定具(25,27,28)を備えた。
【選択図】 図1

Description

本願発明は、建設工事現場等で使用される仮設足場構築等に用いられる複数の管材を工具を使用することなく、素早く一定の角度に容易に調節して固定することができる管材緊結金具に関する技術である。
建設工事現場において、建造物の外周に形成される仮設足場は、多数の管材が複数の管材緊結金具(以降はクランプという)により建造物の外形に合わせて連結固定された骨組みの上に踏み板を細かく敷設して固定することにより構成される。一対の管材を連結するクランプには、一般に一対の管材を互いに回動自在に保持する自在クランプ(図示せず)、一対の管材を90度の角度で連結固定する直交クランプ(図示せず)、図9各図に示す一対の管材間に自在な角度をつけて連結固定する下記特許文献1(特開平6―10504号公報)のクランプがある。
図9に示す下記特許文献1のクランプは、鋼管(管材)Pを固定支持する一対の支持金具2が、連結部材10を挟み、その中心軸周りに互いに回動可能に連結されることによって構成される。鋼管Pは、連結部材10のツバ部11に面接触する鋼管受け12と、支持金具12に枢着部6を介して軸支持された締め金具3との間に支持され、枢着部7を介して軸支持された、締付ボルト5及びナット5aによって固着される。ツバ部11と鋼管受け12との接触面には、互いに係合する放射線状面(溝)(11b,12e)がそれぞれ形成されている。前記両接触面の溝が係合した状態において鋼管受け12は、ツバ部11に対して連結部材10の中心軸周りに回動することが規制される。従って、一対の鋼管Pは、鋼管受け12上に固着された状態、即ち前記溝が係合した状態では、互いに回動出来ない状態で固定される。
一対の鋼管Pに角度をつけて固定する場合は、図9(b)に示すように、まず、少なくとも一方の鋼管Pを外した状態でツバ部11と鋼管受け12を引き離して接触面間の溝の係合を解除し、解除側の支持金具2を他方に対して回動させ、一方の鋼管Pを取り付けた時に他方の鋼管Pに対して所定の角度に固定されるよう支持金具2の角度を調節する。その状態で鋼管受け12をツバ部11に係合させ、鋼管Pを締め金具3と鋼管受け12の間に挟み、締付ボルト5とナットで固着させることにより、一対の鋼管Pは、所定の角度を持った状態で固定される。
一対の鋼管P間における角度の変更は、図9(b)に示すように、一方の鋼管Pを一旦取り外し、鋼管受け12を倒してツバ部11の係合を解除した状態で支持金具2の角度を所定の角度に調整し、鋼管受け12をツバ部11に係合させ、その上に鋼管Pを再度取り付けることによって行う。
特開平6―10504号公報
建設工事現場における仮設足場は、作業員の転落を防止して安全性を確保する観点から、足を乗せる踏み板と建造物外壁との間に形成される開口部(隙間)が出来るだけ小さくなるように構築することが望ましい。しかし、建造物の外壁には、図10(a)に示すように、建造物の種類や工事の進捗状況によって凹凸部分や曲面部分等が形成されることがあるため、建物の外壁形状は、個々の建造物によって異なる。従って、仮設足場の骨組みは、図10(b)に示すように建造物の凹凸形状等に沿って、現場で多数の管材を自在な角度で連結固定することが出来なければ、建造物の外壁形状に沿った骨組み上に、踏み板を細かく敷き詰めることにより、建造物外壁との間の開口部を小さくすることが出来ない。
従って、前記仮設足場の骨組み構築に使用されるクランプは、まず、多数の管材を建造物の凹凸に沿って出来る限り自在な角度で連結固定できるものが必要となる。
一方、仮設足場の骨組みは、図10(b)に示すように多数の管材が、連結されることで構築されている。従って、前記骨組みの構築は、多数の連結箇所において行われる管材間の角度調節作業を出来る限り素早く行うことにより、作業効率良く行うことが要求される。従って、仮設足場の骨組み構築において管材間の連結及び角度保持に使用されるクランプは、作業員が手袋を着用した状態であっても、管材間の角度を素早くかつ容易に調整して固定できるような、作業効率性の高いものが求められている。
一方、個人向け住宅の屋根等における作業では、仮設足場の骨組みの縦方向の管材に対して、複数の管材を適当な角度をつけた状態で連結固定し、前記複数の管材間に転落防止用のネットを張ることにより、作業員の転落の原因となる地上への開口部を出来るだけ無くすことにより、作業中の安全性を向上させることが望まれる。その反面、地上から屋根上へ資材を搬入する必要が生じた場合には、搬入が容易に出来るよう、可能な限り大きな開口部を確保する必要がある。従って、前記屋根上の作業では、作業安全性の確保及び、資材搬入の容易性の面から前記地上への開口部の形成に関して、相反する要求がなされている。
従って、このような環境で使用されるクランプについても、転落防止用ネットを張った管材と、縦方向の管材との間の角度調節及び固定をすばやくかつ容易に出来るものがあれば便利である。即ち、屋根上での作業中には、図11(a)に示すようにクランプにより、縦方向の管材に対してネットを張った管材の角度を調節して固定し、地上への開口部を封鎖しておくことが出来る。一方、図11(b)に示すように屋根上に資材を搬入する必要が生じた時には、クランプを操作してネットを張った管材間の角度を素早く変更して固定し、資材搬入に必要な開口部を形成して、資材を容易に搬入できる一方で、搬入後は、素早く開口部を閉鎖することが出来るためである。
しかし、上述した現場作業に従来のクランプを使用することを考えた場合、自在クランプは、一対の管材に自在に角度をつけることが可能であるものの角度をつけたまま固定する機構が無いため上記要求を満たさない。また、自在クランプは、後述する直交クランプや特許文献1のクランプと明確な区別がつきにくいため、間違って使用した場合、解体時に管材が急回転してバランスを崩した作業員が転落する可能性がある。一方、直交クランプは、自在クランプとは逆に一対の管材を90度の角度で固定できるものの角度を調節する機構がない。従って、建造物外壁の凹凸形状等に沿った管材の連結が出来ず、踏み板を配置できない箇所に開口部を生じる欠点があり、作業員が転落する危険性を回避できない。また、管材の角度調節が出来ないため転落防止用ネットを張った管材の連結にも適さない。
一方、図9に示す特許文献1のクランプを使用すれば、連結した鋼管P(管材)の角度調節と固定が出来るため、建造物の外形に沿った仮設足場の骨組み構築と個人向け住宅の屋根等における転落防止用ネットを張ることに使用すること自体は一見可能とも考えられる。
しかし、図9に示す特許文献1のクランプは、鋼管Pの角度調節作業における作業効率性が低い構造となっている。即ち、鋼管Pの角度調節は、ナット5aを緩める必要があり、レンチなどの工具を使用しなければならない。更に、少なくとも一方の鋼管Pをいちいち取り外さなければ角度を調節することが出来ないため、管材間の角度調節が容易かつ素早くできるものとは言えない。そのため、工事の進捗に応じて、随時多数のクランプの角度調節を実施するとすれば、角度調節作業の効率の悪さから工事が大幅に長引く可能性がある。従って、作業員の安全性を確保した仮設足場や転落防止ネットの構築用途に特許文献1のクランプを使用することは、経済的な面から見て、事実上期待できないものと考えられる。
また、本来、クランプによる管材の角度調節作業は、地上への開口部の少ない仮設足場や開口部を封鎖する転落防止用ネットを「構築した後」における、高所作業員の作業の安全性を確保するために行われるものであるが、特許文献1のクランプをこれらの構築に使用することは、高所作業員に対して仮設足場等を「構築する際」、つまり管材の角度調節作業時に危険極まりない作業を強いることになると言える。即ち、特許文献1のクランプは、角度調節作業において鋼管Pをいちいち取り外す作業が必要があり、作業員は、若干の角度調節を行う場合であっても、ネットが張られること等により自重の重い鋼管Pをその都度クランプから取り外して不安定な姿勢で保持しなければならない。従って、作業員は、「角度調節作業時」に誤ってバランスを崩して転落する危険性を保持しつつ作業しなければならない。
従って、特許文献1のクランプは、仮設足場の骨組みの構築時や個人向け住宅の屋根等における転落防止ネット構築後の資材搬入時等、管材間の角度調節作業時に高所作業員の安全性が確保できないと考えられる点から、作業員の安全性の向上を図る目的に対して逆効果が生じるおそれがあるものと言えるため、上記用途に使用するには、危険性の高いクランプであると言える。
本願発明の目的は、上述した問題解決の観点から、管材間の自在な角度調節と固定を工具を使わず、迅速、容易かつ安全に行うことの出来る作業効率性及び作業安全性の高いクランプを提供することにある。即ち、作業員の落下の原因となる地上への開口部の少ない仮設足場を迅速、容易かつ安全に構築可能とし、更に、個人向け住宅の屋根等における作業では、通常作業時において地上への開口部を封鎖し、資材搬入時において地上への開口部を迅速、容易かつ安全に形成し、作業員の安全性を確保しつつ、屋根上への資材搬入を迅速かつ容易にするような転落防止用ネットの設置を可能にするクランプ、即ち管材緊結金具を提供することを目的としている。
請求項1の管材緊結金具は、管材支持金具と、管材支持金具に対して回動自在に軸支持された管材締付金具と、前記両金具を固着するボルト機構とを備えることにより、管材の外周を固定支持する緊結具本体の一対が、回動支持部材を介して回動自在に連結された管材緊結金具において、前記一対の緊結具本体の片方に一体化し、前記回動支持部材の中心軸周りの円周上に所定の間隔で複数の角度調節孔を形成した角度調節板と、前記一対の緊結具本体のもう片方における前記角度調節板と対向する位置に一体化し、前記複数の角度調節孔を形成した円周と略同一の円周上に角度固定孔を形成した角度固定板と、前記複数の中から選択したいずれか一つの角度調節孔及び前記角度固定孔に対して一体として挿脱自在に構成し、前記角度調節板と角度固定板との固定及び解除を行う角度固定具と、を備える構成とした。
(作用)管材の角度調節と固定は、管材を取り付けた緊結具本体の一方を他方に対して回動させて角度をつけ、角度固定具を一方の緊結具本体の角度固定板に形成された角度固定孔と、他方の緊結具本体の角度調節板に形成された複数の角度調節孔の一つに対して一体に挿入することで角度固定板と角度調節板を固定し、所定の角度を保持することで行われる。角度の変更は、前記両孔から角度固定具を一旦取り外して管材間の角度を変更し、角度固定具を角度固定孔と別の角度調節孔に挿入して固定することにより行われる。
即ち、緊結具本体に取り付けた一対の管材は、角度固定具を角度固定孔と複数の角度調節孔から取り外した状態で緊結具本体の回動が自在になるため、角度を容易に調節でき、角度の固定は、角度固定板の角度固定孔と角度調節板に複数形成された角度調節孔の一つに角度固定具を一体挿入することのみで行えるため、請求項1の管材緊結金具は、緊結具本体から管材を外さずに取り付けた状態のまま工具を使用せず、速やかに管材間の角度を調節して固定することが出来るものとなっている。
また、請求項2は、請求項1に記載の管材緊結金具であって、前記角度固定具は、前記角度固定孔に取り付けられ、中心軸方向に往復動作可能な挿脱棒を備えたインデックスプランジャーであって、前記角度調節孔は、それぞれの内形を前記挿脱棒の外形と略同一に形成し、前記挿脱棒が、前記角度調節孔へ向かって挿脱する構成とした。
(作用)インデックスプランジャーは、ノブを引けば、挿脱棒が角度調節孔から引き抜かれ、管材間の角度調節が可能な状態となり、角度調節後に前記ノブを元に戻し前記挿脱棒を角度調節孔に再度挿入することにより角度が固定される。インデックスプランジャーのノブの操作は、工具を使わず片手で行うことが出来るため、管材間の角度変更作業が更に迅速かつ容易になる。

また、請求項3は、請求項1に記載の管材緊結金具であって、前記角度固定具は、前記角度調節孔側又は角度固定孔側のうち、選択したいずれか一方から挿入可能に構成した。
(作用)管材間の角度調節作用、即ち、角度調節孔及び角度固定孔への管材固定具の挿入作業が、角度調節板の裏表どちら側からでも行うことが出来る。
以上の説明から明らかなように、請求項1に係る管材緊結金具は、連結した管材間の角度調節が迅速かつ容易にすることにより、作業員の落下の原因となる地上への開口部が少ない仮設足場を工具を使用せず容易かつ迅速に構築出来るという点で、安全性の高い仮設足場を作業効率よく構築できるという効果を奏する。更に、個人向け住宅の屋根等における作業では、転落防止用ネットを張って地上への開口部を小さくする場合と、資材の搬入時に必要な搬入口を確保するため開口部を大きくする場合の切り替えを迅速かつ容易に出来る点で、当該作業においても安全性の高い作業を効率よくできるという効果を奏する。
請求項2に係る管材緊結金具によれば、管材固定具であるインデックスプランジャーは、工具不要でかつ片手で操作出来るため、安全性の高い仮設足場を更に迅速に構築出来、屋根上への資材搬入作業も更に迅速に行うことが出来る。
請求項3に係る管材緊結金具によれば、角度調節孔及び角度固定孔への管材固定具の挿入方向に一定の自在性が生じ、角度調節板に阻害されることなく角度固定具を前記孔に挿入できるため、角度調節作業の作業性が向上する。
次に、本発明の公的な実施形態を、以下の実施例1から4に基づいて説明する。
図1〜図8は、本発明の実施例を示すもので、図1は、本発明の実施例1に係る管材緊結金具の斜視図、図2は、実施例1の管材緊結金具の正面図(一部断面含む)、図3は、実施例1の管材緊結金具の右側面図、図4は、実施例1の管材緊結金具の左側面図、図5は、緊結具本体間の角度調整を説明する斜視図、図6は、実施例2の管材緊結金具の正面図(一部断面含む)、図7(a)は、実施例3の管材緊結金具である南京錠を表す図、図7(b)は、実施例3の管材緊結金具の正面図、図8、実施例4の管材緊結金具の右側面図である。
図1から図5により実施例1の管材緊結金具の構成を説明する。実施例1の管材緊結金具20は、一対の緊結具本体(21,22)と、緊結具本体21に一体形成された角度調節板23と、緊結具本体22に一体形成された角度固定板24と、角度固定具であるインデックスプランジャー25と、一対の緊結具本体(21,22)を回動自在に支持する回動支持部材26によって構成される。
緊結具本体(21,22)は、管材の外周を支持する管材支持金具(21a,22a)の両端に管材締付金具(21b,22b)と締付ボルト(21c,22c)が、それぞれ回動自在に軸支持されることによって構成され、管材Pは、前記締付ボルトに取り付けた締付ナット(21d,22d)を前記管材締付金具の一端に形成されたボルト受け(21e,22e)に締付けることで、前記管材支持金具及び管材締付金具間に固定される。
緊結具本体21には、締付金具の側面21fに対し、側面から見て扇形形状の角度調整板23を上方に突出した状態で固着し、緊結具本体22には、締付金具の上面22fに対して角度固定板24を固着する。角度固定板24は、正面から見てL字形状に形成され、支持金具22aに固着する固着部24aと、その一端から上方へ向かって屈曲する固定部24bから形成される。前記固着は、溶接又はネジ止め等によって行うことが考えられる。尚、締付金具21aと角度調整板23並びに締付金具22aと角度固定板24は、固着によって一体化せず、一部品として一体成形してもよい。
緊結具本体22は、回動支持部材26を介し、角度調整板23を間に挟みつつ、緊結具本体21に対して回動自在に連結される。前記連結時において、角度固定板24の固定部24bは、角度調整板23と平行を保ちつつ、緊結具本体22と共に回動支持部材26の中心軸L周りに回動する。
角度調節板23は、側面に複数の角度調節孔23a〜23gを形成する。角度調節孔23a〜23gの大きさ及び形状は、後述するインデックスプランジャーのノーズ25aの外形と略同大かつ同形状に形成し、ノーズ25aが挿脱自在となるようにする。複数の角度調節孔23a〜23gを形成する位置は、回動支持部材26の中心軸Lから一定半径Rとした円周上に一定間隔のピッチで形成する。本願各実施例では、前記円周上における、回動支持部材26の中心軸の鉛直上方位置から、水平位置に至るまで15°ピッチで7カ所の角度調節孔(23a〜23g)を設けている。
角度固定板24は、固定部24bの側面に角度固定孔24cを形成する。角度固定孔24cは、回動支持部材26の中心軸Lから一定距離R離れた位置に形成し、内側に後述するインデックスプランジャー25の雄ねじ部25dをねじ込み固定可能とするため内側に雌ねじ部を形成する。
インデックスプランジャー25は、後端にノブ25bが一体化されたノーズ25aが、雄ねじ部25dと後端ナット部25eを備えた本体部25cに内蔵されている。雄ねじ部にはロックナット25fが取り付けられ、ノーズ25aと本体部25eとの間には、ノブ25bを引いた際に元の位置に戻る方向に付勢力を発生する圧縮コイルバネ(図示せず)が設けられている。
雌ねじ部24dには、角度固定具であるインデックスプランジャー25の後端ナット部25eに工具を当てて先端の雄ねじ部25dをねじ込み、ロックナット25fで固定部24bに固定する。管材間の角度の変更は、まず、管材P’を緊結具本体(21,22)に取り付けた状態でノブ25bを引き、ノーズ25aが、角度調節孔23aのいずれにも挿入されていない状態にすると、管材Pを取り付けた緊結具本体22が、緊結具本体21に対して回動自在な状態となる。その状態で、緊結具本体22を回動させ、7つの角度調節孔23aのいずれかに重なる位置でノブ25bを離すと、ノーズ25aが、コイルバネの付勢力により、当該重なる位置の角度調節孔23aに挿入されることにより、一対の管材P’は、一定の角度を保持して固定される。
実施例1で言えば、一対の管材P’は、図4に示すようにノーズ25aを角度調節孔23aに挿入すると平行な状態で固定され、そこから23b、23c・・・・23gと孔位置を変えてノーズ25aを挿入することにより、一対の管材Pは、15°、30°・・・・90°と傾いた状態で固定される。図5は、管材P’を取り付けたインデックスプランジャーのノブ25bを引き、管材固定板24と一体化した緊結具本体22を回動させ、ノブ25bを離してノーズ25aを角度調節孔23dに挿入し、一対の管材P’が、45°の角度で傾いた状態で固定した図である。
尚、複数の角度調節孔23aは、緊結具本体(21,22)に管材を固定した際における角度調節板23の強度に問題の無い範囲で、更にピッチを狭くして孔数を増やすことにより、より細かい管材P間の角度調節を可能にすることも出来る。
次に図6より実施例2の管材緊結金具の構成を説明する。実施例2の管材緊結金具は、実施例1の角度固定具であるインデックスプランジャー25に代えて、ボールロックピン27を採用したものである。ボールロックピン27は、ノーズ27aとノブ27bから構成され、ノーズ27aの外周には、ボール27cが、ノーズ27aの中心軸から外側に向かって突出した状態で維持されるようにバネ(図示せず)による付勢力を受けている。ボールロックピン27は、鎖27d等により、角度固定板24’に繋いでおくことで紛失を防止できる。
実施例2では、角度固定孔24’cの内側に雌ねじ部は形成しない。また、角度固定板の角度固定孔24’dの大きさ及び形状は、角度調整板23の角度調節孔23a〜23gと共にボールロックピンのノーズ27aの外形と略同大かつ同形状に形成する。ノーズ27aは、角度調節板23側又は角度固定板24’側のいずれからでも挿脱自在となるため、管材緊結金具20の設置方向によっては、ボールロックピン27を挿入しづらいということがなく、角度調節作業の自在性が向上する。
管材P’間の角度の変更は、管材P’を取り付けた緊結具本体22を緊結具本体に対して回動させて角度を調節し、管材P間の角度に応じた角度調節孔23aの一つ及び角度固定孔24’dに対し、角度調節板23側又は角度固定板24’側のいずれかの方向からノーズ27aを挿入することで行う。挿入後に突出したボール27cによって、角度調節板23と角度固定板24’が固定され、管材P間には一定の角度が保持される。
次に図7より実施例3の管材緊結金具の構成を説明する。実施例3の管材緊結金具は、実施例2の角度固定具であるボールロックピン27に代えて、南京錠28を採用したものである。角度調節孔23と角度固定孔24’dの大きさ及び形状は、南京錠のアーム28aの外形と略同大かつ同形状に形成する。管材P間の角度の変更は、管材Pを取り付けた緊結具本体22を回動させ、複数の角度調節孔23aの一つと角度固定孔24’dにアーム28aを通して固定することにより行い、管材P間に所定の角度が保持される。南京錠28は、鎖28b等により、角度固定板24’に繋いでおくことが望ましい。
尚、図8より実施例4は、実施例2及び3における角度調節孔及び角度固定孔を複数(今回は2段)の段に形成したものであり、角度調節板23’の角度調節孔を、回動支持部材26の中心軸Lを中心とした半径Rの円周上に7カ所(23’a〜23’g)、そしてRより小さな半径R’上に6カ所(23’h〜23’m)、2段千鳥状に形成すると共に、管材固定板24’’において角度固定孔(24’’c,24’’d)を上下2段、前記中心軸Lから距離R及びR’の位置にそれぞれ形成したものである。角度調節孔23a〜23gは、中心軸Lの鉛直上方から水平位置まで15°ピッチで7カ所、角度調節孔23’a〜23’fは、中心軸Lの鉛直上方より、水平方向へ7.5°傾いた位置から15°ピッチで6カ所形成することで、15°の半分7.5°ピッチでの角度調節が可能になる。
前記角度調節孔と角度固定孔を2段以上の複数の段に形成することにより、角度調節板23’は、1列に形成される角度調節孔間のピッチを狭くし過ぎることにより、角度調節板23’の強度を必要以上に落とさなくてもも細かい角度調整が可能となる。この場合の角度固定具は、ボールロックピン27、南京錠28の使用も考えられるが、角度固定孔(24’’c,24’’d)の内側に雌ねじ部を形成してインデックスプランジャー25を取り付けてもよい。
本発明の実施例1に係る管材緊結金具の斜視図である。 実施例1の管材緊結金具の正面図(一部断面含む)である。 実施例1の管材緊結金具の右側面図である。 実施例1の管材緊結金具の左側面図である。 緊結具本体間の角度調整を説明する斜視図である。 実施例2の管材緊結金具の正面図(一部断面含む)である。 (a)実施例3の管材緊結金具である南京錠を表す図である。 (b)実施例3の管材緊結金具の正面図である。 実施例4の管材緊結金具の右側面図である。 (a)従来技術である特許文献1の自在緊結金具の断面図である。 (b)特許文献1の自在緊結金具の角度調節を説明する断面図である。 建設工事現場等における仮設足場の構築を説明する参考図である。 (a)建造物の外壁形状を表す参考図である。 (b)開口部の少ない仮設足場の構築状況を表す参考図である。 個人向け住宅の屋根上等における転落防止用ネットの設置状況を説明する参考図である。 (a)開口部を封鎖し、安全性を確保した状況を表す参考図である。 (b)資材搬入時の状況を表す参考図である。
符号の説明
20 管材緊結金具
21,22 緊結具本体
21a,22a 管材支持金具
21b,22b 管材締付金具
21c,22c 締付ボルト
21d,22d 締付ナット
21e,22e ボルト受け
23,23’ 角度調節板
23a〜23g 角度調節孔
23a’〜23’m 角度調節孔
24,24’,24’’ 角度固定板
24c,24’’c,24’’d 角度固定孔
25 インデックスプランジャー
25a ノーズ(挿脱棒)
26 回動支持部材
27 ボールロックピン
27a ノーズ
28 南京錠
28a アーム

Claims (3)

  1. 管材支持金具と、管材支持金具に対して回動自在に軸支持された管材締付金具と、前記両金具を固着するボルト機構とを備えることにより、管材の外周を固定支持する緊結具本体の一対が、回動支持部材を介して回動自在に連結された管材緊結金具において、
    前記一対の緊結具本体の片方に一体化し、前記回動支持部材の中心軸周りの円周上に所定の間隔で複数の角度調節孔を形成した角度調節板と、
    前記一対の緊結具本体のもう片方における前記角度調節板と対向する位置に一体化し、前記複数の角度調節孔を形成した円周と略同一の円周上に角度固定孔を形成した角度固定板と、
    前記複数の中から選択したいずれか一つの角度調節孔及び前記角度固定孔に対して一体として挿脱自在に構成し、前記角度調節板と角度固定板との固定及び解除を行う角度固定具と、を備えたことを特徴とする管材緊結金具。
  2. 前記角度固定具は、前記角度固定孔に取り付けられ、中心軸方向に往復動作可能な挿脱棒を備えたインデックスプランジャーであって、前記角度調節孔は、それぞれの内形を前記挿脱棒の外形と略同一に形成し、前記挿脱棒が、前記角度調節孔へ向かって挿脱することを特徴とする請求項1に記載の管材緊結金具。
  3. 前記角度固定具は、前記角度調節孔側又は角度固定孔側のうち、選択したいずれか一方から挿入可能であることを特徴とする請求項1に記載の管材緊結金具。
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