JP2008208175A - 摩擦材 - Google Patents

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Abstract

【課題】玄武岩繊維のチョップドストランドと同等の効きの安定性、高速効力及びフェード特性を確保し、摩耗特性を維持しながら、しかも製造原価を低コストに維持できるブレーキ用摩擦材を提供する。
【解決手段】繊維基材、摩擦調整材、結合材及び無機充填材よりなる摩擦材において、無機充填材の成分の一つとして玄武岩の粉末を配合したことを特徴とする摩擦材。玄武岩の粉末が、摩擦材組成物全体の1〜20質量%配合されていること及び玄武岩の粉末の平均粒径が1〜150μmであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、無機充填材の成分の一つとして玄武岩の粉末を使用する摩擦材に関するものであり、特に産業機械、鉄道車両、荷物車両、乗用車などに用いられる効きの安定性、高速効力、フェード特性及び耐摩耗性が向上した摩擦材に関するものであり、より具体的には前記の用途に使用されるブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシング等に関する。
ディスクブレーキやドラムブレーキなどのブレーキ、或いはクラッチなどに使用される摩擦材は、摩擦作用を与え、かつその摩擦性能を調整する摩擦調整材、補強作用をする繊維基材、これらの成分を一体化する結合材などの材料からなっている。そのうちの繊維基材には、金属繊維、無機繊維、有機繊維などの種類があり、それぞれの特徴があり、1種類ではすべての要求を満足することができないので、通常2種類以上のものが組み合わされて使用されている。
一方、摩擦材の摩擦特性を調整する材料としては摩擦調整材及び固体潤滑材があるが、これらにも無機系と有機系とがあり、それぞれの特徴があり、1種類ではすべての要求を満足することができないので、通常2種類以上のものが組み含わせて使用されている。そして、摩擦調整材としては、例えばアルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム、石英等の無機摩擦調整材、合成ゴムやカシュー樹脂等の有機摩擦調整材を、固体潤滑材としては、例えば黒鉛や二硫化モリブデン等を挙げることができる。
また、充填材として、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、金属粉、バーミキュライト、マイカなどが用いられている。
そして、これらの成分を配含してなる摩擦材の相手攻撃性を抑え、耐フェード性、耐摩耗性を改善したノンアスベスト系摩擦材として種々の配合の摩擦材が提案されている。
しかしながら、最近の車の性能の向上により、上記の従来の技術において使用されてきた摩擦材の原材料用配合材料の組合せだけでは、効きの安定性、高速効力及びフェード特性を確保し、摩耗特性を維持することが非常に困難になってきている。
このような困難な課題を解決する技術手段の1種としての摩擦材として、特許文献1は、摩擦材全体の強度、耐熱性、耐磨耗性を高め、効き安定性を向上させつつ、鳴き特性にも優れたバランスのとれた摩擦材を提供することを目的として、石綿を除く繊維基材、結合材、充填材を主成分とする摩擦材組成物を成形、硬化してなる摩擦材において、玄武岩繊維のチョップドストランドを摩擦材組成物全体に対して1〜20体積%含有することを特徴とする摩擦材を開示している。
特開2004−331861号公報
上記玄武岩繊維のチョップドストランドが、最近の自動車の高出力化、高速化等による制動条件の過酷化の下、効きの安定性及び鳴き特性が良好な摩擦材を得るためには、従来使用されていたものより繊維長が少し長めの玄武岩繊維のチョップドストランドを使用することによって、対面をある一定の面粗度に保持することができることが肝要で、摩擦材から対面への無機繊維等の摩擦材原料の移着が関係していると考えられる、すなわち、適度に移着がなされることにより摩擦材と対面(ロータ)の界面が安定すると、上記公報(特許文献1)の「課題を解決するための手段」の項に記述している。
上記したように、玄武岩繊維のチョップドストランドは、最近の車の制動性能の向上に充分対応できる摩擦性能を有するブレーキの摩擦材を提供できる材料である。
しかしながら、上記公報の「従来の技術」の項の段落番号[0005]に記載されているように、玄武岩は耐熱性が高いという特徴を有する。この耐熱性が高いということは、玄武岩から溶融紡糸法により玄武岩繊維を製造する際の紡糸温度が高くなり、多量の熱量を消費するために、必然的に高コストになるという問題点を有することを意味する。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、玄武岩繊維のチョップドストランドと同等の効きの安定性、高速効力及びフェード特性を確保し、摩耗特性を維持しながら、しかも製造原価を低コストに維持できるブレーキ用摩擦材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を続け、地球上に最も広く分布する火山岩であるため、安価に入手できる玄武岩を粉砕し、適当な粒度に調整した粉末を、摩擦材の原材料に無機充填材の成分の一つとして適量配合することにより、高温にて大量の熱量を消費して繊維化しなくても、玄武岩繊維のチョップドストランドの代替品として同等の効きの安定性、高速効力及びフェード特性を確保し、摩耗特性を維持できるブレーキ用摩擦材を低コストで製造できることに着目して、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記の手段により、上記の目的を達成した。
(1)繊維基材、摩擦調整材、結合材及び無機充填材よりなる摩擦材において、無機充填材の成分の一つとして玄武岩の粉末を配合したことを特徴とする摩擦材。
(2)前記玄武岩の粉末が、摩擦材組成物全体の1〜20質量%配合されていることを特徴とする前記(1)記載の摩擦材。
(3)前記玄武岩の粉末の平均粒径が1〜150μmであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の摩擦材。
本発明の摩擦材は、繊維基材、摩擦調整材、結合材及び無機充填材よりなる摩擦材において、無機充填材の成分の一つ、特に研削材として、対面をある一定の面粗度に保持することができ、すなわち摩擦材から対面への無機充填材や無機繊維等の摩擦材原料の移着を可能にする玄武岩の粒子を配合したものであり、その結果、従来の摩擦材の原材料用配合材料だけでは、最近の自動車の高出力下、高速化等による制動条件の過酷化の下では不可能であった、効きの安定性、高速効力、フェード特性及び摩耗特性が向上したブレーキ用摩擦材を、低コストで提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のノンアスベスト系摩擦材において、摩擦材の原材料中の無機充填材の成分の一つとして、玄武岩の粉末を配合することにより、前記特開2004−331861号公報の記載内容から明らかな制動条件の過酷化の下に、優れた摩擦材性能を発揮する玄武岩繊維のチョップドストランドを使用した摩擦材と同等の摩擦材を低コストで製造することを特徴とするものである。
玄武岩の粉末の比重は約2.7であって、摩擦材の比重が2.3前後であるので大差なく、玄武岩繊維のようにその繊維長に起因する摩擦材組成物の他の原料との混合時に分離し易い傾向を生じることもない。
また、玄武岩の粉末の平均粒径が1〜150μmであることが好ましい。この範囲内であれば、効力が低くなったり、或いはロータ攻撃性が大きくなることがないので、摩耗特性を維持した良好な摩擦材を得ることができる。
更に、玄武岩の粉末は、摩擦材組成物全体の1〜20質量%配合されていることが好ましい。この範囲内であれば、摩擦材の高速効力、フェード特性及び効きの安定性が良好に維持される。
本発明の摩擦材を製造するには、繊維基材、摩擦調整材、潤滑剤、充填材、結合材からなる摩擦材用諸原料を配合し、その配合物を通常の製法に従って予備成形し、熱成形することにより製造することができる。上記において、繊維基材としては、例えば芳香族ポリアミド繊維、耐炎化アクリル繊維等の有機繊維や銅繊維、スチール繊維等の金属繊維、チタン酸カリウム繊維やAl−SiO系セラミック繊維等の無機繊維が挙げられる。無機充填材としては、玄武岩の粉末に加えて例えば銅やアルミニウム、亜鉛等の金属粒子、バーミキュライトやマイカ、水酸化カルシウム、酸化鉄、硫化スズ、硫化アンチモン、硫酸バリウムや炭酸カルシウム等が挙げられる。
結合材としては、例えばフェノール樹脂(ストレートフェノール樹脂、ゴム等による各種変性フェノール樹脂を含む)、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。また、摩擦調整材としては、例えばアルミナやシリカ、マグネシア、ジルコニア、酸化クロム等の金属酸化物、合成ゴムやカシュー樹脂等の有機摩擦調整材を、固体潤滑材としては、例えば黒鉛や二酸化モリブデン等を挙げることができる。摩擦材の組成としては、種々の組成割合を採ることができる。すなわち、これらは、製品に要求される摩擦特性、例えば、摩擦係数、耐摩耗性、振動特性、鳴き特性等に応じて、単独でまたは2種以上を組み合わせて配合すればよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜4及び比較例(ベース)(粒径選定実験)
これらの実施例及び比較例は、適正な粒径範囲の選定を説明するものである。
第1表に示す組成(質量%)の摩擦材の原材料用配合材料をミキサーにて3〜10分混合し、このよく撹拌混合された配合材料を金型に投入し、予備成形及び熱成形して摩擦材(ブレーキパッド)を作製した。予備成形は圧力10MPaにて10秒間加圧することによって行った。この予備成形物を成形温度150℃、成形面圧力52.9MPaにて5分間成形した後、250℃で20〜100分間熱処理(後硬化)を行い、更に塗装、焼き付け、研磨を行って、実施例及びベースの摩擦材を作製した。これらの摩擦材について、1/10スケールテスタを用いテストピースによる選定を行った。得られた性能評価結果(粒径選定検討結果)を第2表に示す。
なお、第1表及び後記する第3表の比較例(ベース)は、研削材(無機充填材の一部)として酸化ジルコニウムを使用した従来の標準的な摩擦材の原料の配合割合を示すものであり、実施例1〜4はこれを粒径範囲の異なる玄武岩の粉末で置き換えたものである。
Figure 2008208175
(試験条件)
速度V=60km/h、減速度α=2.94m/s、制動回数N=1000回、パッド面積4cm、ブレーキ開始ロータ温度100℃以下、「効力」は、N=1000回の平均
測定結果を第2表に示す。第2表に示す粒径範囲検討結果から明らかなように、平均粒径が1μm以下では効力が低く、150μm以上ではローター攻撃性が大きいため、平均粒径は1〜150μmの範囲が好ましいことがわかった。
Figure 2008208175
実施例5〜8及び比較例(ベース)(添加量選定実験)
上記第2表に示した性能評価結果から適正であることが判明した実施例2の平均粒径1〜50μm未満の玄武岩の粉末を使用し、配合量(添加量)を0.5〜20質量%に変化させて、実施例1〜4に示したのと同様の手順により摩擦材を作製した。第3表に摩擦材の原材料の配合組成(質量%)を示す。玄武岩の粉末の重量の増減に対応させて硫酸バリウムの重量を増減させてバランスをとった。また、適正添加量範囲選定のための、JASO C 406準拠によるフルサイズ摩擦性能確認結果も第4表に示す。
Figure 2008208175
(試験条件)
基本的にはJASO C 406を準拠している。
車両区分がP1で、第2効力試験の常温効力試験に200km/hを追加した。
「効力」及び「高速効力」は、e)第2効力試験の2)常温効力試験で、減速度5.88m/sにおける摩擦係数。
「フェードMin−μ」は、i)第1フェードリカバリ試験の2)フェード試験での最低摩擦係数を示した。
「効きの安定性」は、V=100km/hの効力をV=50km/hの効力で除した比率で表し、100に近い程、効きの安定性が良好である。
Figure 2008208175
測定結果を第4表に示す。第4表に示すJASOによる摩擦特性評価結果から明らかなように、添加量1質量%以上で、効力、高速効力フェード及び効き安定性が良好になった。また、添加量20質量%以上添加しても、それ以上の効果の向上が見込まれないため玄武岩の添加量を1〜20質量%とすることが好ましいことがわかった。
本発明のノンアスベスト系摩擦材は、特定の粒径範囲を有する玄武岩の粉末を、摩擦材の原材料に無機充填材の一部として適量配合することにより、高温での溶融紡糸により高コストになる玄武岩繊維のチョップドストランドを使用しなくても、効きの安定性、高速効力及びフェード特性を保持しつつ、相手材攻撃性を低く抑えることができるので、特に産業機械、鉄道車両、荷物車両、乗用車などの摩擦材、より具体的には前記の用途に使用されるブレーキパッド、ブレーキライニング、クラッチフェーシングに特に有用なものである。

Claims (3)

  1. 繊維基材、摩擦調整材、結合材及び無機充填材よりなる摩擦材において、無機充填材の成分の一つとして玄武岩の粉末を配合したことを特徴とする摩擦材。
  2. 前記玄武岩の粉末が、摩擦材組成物全体の1〜20質量%配合されていることを特徴とする請求項1記載の摩擦材。
  3. 前記玄武岩の粉末の平均粒径が1〜150μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の摩擦材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018524189A (ja) * 2015-06-29 2018-08-30 サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド 研磨材製品

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