JP2008208165A - エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2008208165A JP2008208165A JP2007043857A JP2007043857A JP2008208165A JP 2008208165 A JP2008208165 A JP 2008208165A JP 2007043857 A JP2007043857 A JP 2007043857A JP 2007043857 A JP2007043857 A JP 2007043857A JP 2008208165 A JP2008208165 A JP 2008208165A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- resin composition
- group
- compound
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- PAWBZTRCQCPCCW-UHFFFAOYSA-N CC(CC(C1)C2C(N3c4cccc(O)c4)=O)C1C2C3=O Chemical compound CC(CC(C1)C2C(N3c4cccc(O)c4)=O)C1C2C3=O PAWBZTRCQCPCCW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ZXLYYQUMYFHCLQ-UHFFFAOYSA-N CN(C(c1c2cccc1)=O)C2=O Chemical compound CN(C(c1c2cccc1)=O)C2=O ZXLYYQUMYFHCLQ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/44—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors prior to the connecting process
- H01L2224/45—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors prior to the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/45001—Core members of the connector
- H01L2224/45099—Material
- H01L2224/451—Material with a principal constituent of the material being a metal or a metalloid, e.g. boron (B), silicon (Si), germanium (Ge), arsenic (As), antimony (Sb), tellurium (Te) and polonium (Po), and alloys thereof
- H01L2224/45138—Material with a principal constituent of the material being a metal or a metalloid, e.g. boron (B), silicon (Si), germanium (Ge), arsenic (As), antimony (Sb), tellurium (Te) and polonium (Po), and alloys thereof the principal constituent melting at a temperature of greater than or equal to 950°C and less than 1550°C
- H01L2224/45144—Gold (Au) as principal constituent
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/4805—Shape
- H01L2224/4809—Loop shape
- H01L2224/48091—Arched
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2224/00—Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
- H01L2224/01—Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/42—Wire connectors; Manufacturing methods related thereto
- H01L2224/47—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process
- H01L2224/48—Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
- H01L2224/481—Disposition
- H01L2224/48151—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive
- H01L2224/48221—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked
- H01L2224/48225—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation
- H01L2224/48227—Connecting between a semiconductor or solid-state body and an item not being a semiconductor or solid-state body, e.g. chip-to-substrate, chip-to-passive the body and the item being stacked the item being non-metallic, e.g. insulating substrate with or without metallisation connecting the wire to a bond pad of the item
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L2924/00—Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
- H01L2924/15—Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
- H01L2924/151—Die mounting substrate
- H01L2924/153—Connection portion
- H01L2924/1531—Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface
- H01L2924/15311—Connection portion the connection portion being formed only on the surface of the substrate opposite to the die mounting surface being a ball array, e.g. BGA
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
Abstract
Description
本発明は、エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置に関するものである。
半導体パッケージ信頼性の向上を目的に、半導体封止用エポキシ樹脂組成物の弾性率を低下する試みが多数なされている。半導体封止用エポキシ樹脂は、基材となる金属フレームやその他の樹脂製基板との界面において、お互いの線膨張率の差が原因となる剥離が生じ、半導体の不良を引き起こすことが知られている。その対策として、樹脂の弾性率を低くすることで、界面や成形品内部に生じた応力を緩和する手法や、充填剤の比率を向上させて、線膨張率の差を少なくする手法などが知られている。
弾性率を低下させる手法としては、低応力剤の利用が一般的である。高分子量のシラン成分や、熱可塑性オリゴマーなどを低応力剤として添加する技術(例えば、特許文献1、2参照。)が知られているが、硬化物のガラス転移温度の低下の問題や、低応力化剤自身が樹脂から染み出し、金型汚れの原因になること、また、樹脂組成物の溶融粘度増加などによる成形性の問題などがあった。
また、特定の硬化促進剤により、樹脂の硬化度合いを低くすることで、低弾性率の硬化物を得る手法も知られている。そのような硬化促進剤としては、トリアリールホスフィンとキノン類との付加物が代表的であるが、これらの促進剤を利用した硬化物は、未反応官能基が多数残り、吸水率に悪い影響を与えることがある。また、硬化物の弾性率の制御は非常に難しく、目的通りの弾性率に得られないことがある。
さらに、液晶性のある硬化性樹脂成分を混合し、硬化後に系内で相分離させ、低弾性率の島を有する海島構造を形成する技術(例えば、特許文献3参照。)も開示されているが、樹脂の選択や組成物成分の混合比率の自由度が低く、所望の弾性率を得られるとは限らないうえ、コスト的にも高価な原料を使用しなければならない問題がある。
また、半導体構造として、近年ボールグリッドアレイ(BGA)構造のものが多く設計されるようになった。この構造では、ボール状の電極を下面に有する基板に、半導体素子をマウントし、基板と半導体素子を金属ワイヤーにて接続し、半導体素子とワイヤーボンドした部位をまとめて封止用樹脂で封止する。このような構造では、基板材料と封止樹脂の線膨張率の違いや、封止樹脂の硬化収縮により、基板が「反り」と呼ばれる変形をする場合があり、半導体素子の不良として大きな問題になっている。
反りの対策としては、樹脂の線膨張率の低減、弾性率の低減、およびガラス転移温度(Tg)の向上などが一般的である。
マレイミド化合物を樹脂中に導入することで、ガラス転移温度を向上させ、耐熱性を改善する技術は良く知られており、反応性を有するマレイミド基を樹脂中で3量化させる技術(例えば、特許文献4参照。)や、マレイミド化合物と樹脂中に存在するアリル基を反応させる技術(例えば、特許文献5参照。)などがある。これらは、マレイミド基にある二重結合と、さらにその他に1つの官能基、合計2官能のマレイミド化合物を利用するものであるが、耐熱性は優れるものの、架橋の増加から高弾性率な硬化物となるために、反りの改善効果は見られないものであった。
このように、ガラス転移温度の向上と、弾性率の低減を同時に成立しうる技術は見出されていなかった。
マレイミド化合物を樹脂中に導入することで、ガラス転移温度を向上させ、耐熱性を改善する技術は良く知られており、反応性を有するマレイミド基を樹脂中で3量化させる技術(例えば、特許文献4参照。)や、マレイミド化合物と樹脂中に存在するアリル基を反応させる技術(例えば、特許文献5参照。)などがある。これらは、マレイミド基にある二重結合と、さらにその他に1つの官能基、合計2官能のマレイミド化合物を利用するものであるが、耐熱性は優れるものの、架橋の増加から高弾性率な硬化物となるために、反りの改善効果は見られないものであった。
このように、ガラス転移温度の向上と、弾性率の低減を同時に成立しうる技術は見出されていなかった。
本発明は、硬化物の弾性率を低減し、ガラス転移温度を向上することができるエポキシ樹脂組成物、およびこれを用いた半導体封止用エポキシ樹脂組成物、更には、信頼性に優れる半導体装置および反りの低減された半導体装置を提供する。
即ち、本発明は、
(1) エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および下記一般式(1)で表される置換基を1つ以上有する単官能のフェノール化合物(C)を含むエポキシ樹脂組成物、
(1) エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および下記一般式(1)で表される置換基を1つ以上有する単官能のフェノール化合物(C)を含むエポキシ樹脂組成物、
(2) 前記単官能フェノール化合物(C)は、前記一般式(1)で表される置換基として、下記一般式(2)で表される置換基または(3)で表される置換基を1つ以上有するものである第(1)項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(3) 前記単官能フェノール化合物(C)は、下記一般式(4)で表される化合物または下記一般式(5)で表される化合物である、第(2)項に記載のエポキシ樹脂組成物、
(4) 第(1)項乃至第(3)項のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物に、さらに無機充填剤(D)を含む、半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(5) 前記無機充填材(D)を、前記エポキシ樹脂(A)、前記硬化剤(B)、前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)および前記無機充填材(D)の総量の50〜95重量%の比率で含むものである、第(4)項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(6) 前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ボールグリッドアレイ用封止材料である、第(4)項または第(5)項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(7) 第(4)項乃至第(6)項のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品が封止された半導体装置、
(8) 半導体装置がボールグリッドアレイ(BGA)構造を有するものである、第(7)項記載の半導体装置、
である。
(5) 前記無機充填材(D)を、前記エポキシ樹脂(A)、前記硬化剤(B)、前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)および前記無機充填材(D)の総量の50〜95重量%の比率で含むものである、第(4)項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(6) 前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ボールグリッドアレイ用封止材料である、第(4)項または第(5)項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物、
(7) 第(4)項乃至第(6)項のいずれか1項に記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品が封止された半導体装置、
(8) 半導体装置がボールグリッドアレイ(BGA)構造を有するものである、第(7)項記載の半導体装置、
である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化物の弾性率を低減できるものであり、さらに硬化物のガラス転移温度を向上することができ、これを含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物により得られる半導体装置は、耐半田クラック性に優れたものとなる。また、半導体装置がBGA型である場合、装置基盤の硬化後の反りが低減されたものとなる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置の好適実施形態について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と、硬化剤(B)と、一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)を含むものであり、これにより、前記エポキシ樹脂組成物の硬化物の弾性率を低減することができ、さらに硬化物のガラス転移温度を向上することができ、該エポキシ樹脂組成物を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品を封止して得られる半導体装置は、優れた信頼性を有するものである。加えて、封止される半導体装置がBGA構造である場合には、反り変形が少ないものとなる。
本発明に用いる、エポキシ樹脂(A)は、1分子内にエポキシ基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造は特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフトール類とフェノール類との共重合型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスナフトール型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂、サリチルアルデヒド型エポキシ樹脂、等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。これらの内では、半導体封止用エポキシ樹脂として使用した際、半導体パッケージの信頼性に優れるという観点から、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル型エポキシ樹脂等を用いることが好ましい。
本発明に用いる硬化剤(B)は、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有し、前記エポキシ樹脂(A)の硬化剤として機能するモノマー、オリゴマー、ポリマー全般であり、その分子量、分子構造を特に限定するものではないが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂、サリチルアルデヒド型フェノール樹脂、ベンズアルデヒド型フェノール樹脂とアラルキル型フェノール樹脂の共重合型樹脂、ビスフェノール化合物、ジヒドロキシナフタレン化合物等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても差し支えない。これらの内では、半導体封止用エポキシ樹脂として使用した際、半導体パッケージの信頼性に優れるという観点から、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂等を用いることが好ましい。
本発明に用いるエポキシ樹脂(A)は、反応性基としてエポキシ基を2個以上有しているものであり、硬化剤(B)は、反応性基として、フェノール性水酸基を2個以上を有するものであるが、好ましくは、それぞれの化合物が3個以上の反応性基を有するものを含むことが好ましく、エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の組み合わせとして、いずれか一方が、3個以上の反応性基を有するものを含んでいても良い。このような具体例としては、エポキシ樹脂(A)または硬化剤(B)の、少なくともどちらか一方が、3個以上の反応性基を有するものを30重量%以上含むことが好ましく、例えば、エポキシ樹脂(A)においては、1分子内にエポキシ基を2個有する化合物70重量%と、1分子内にエポキシ基を3個以上有するような化合物30重量%との混合物であるものなどが挙げられる。さらには、エポキシ樹脂(A)または硬化剤(B)の、少なくともどちらか一方が、3個以上の反応性基を有するものを40重量%以上含むことがより好ましい。これら3個以上の反応性基を含む化合物は、複数のものが混合されていても良い。すなわち、エポキシ樹脂(A)の場合、3個のエポキシ基を有する単一化合物でも良く、3個、4個、5個またはそれ以上の個数のエポキシ基を有する化合物の混合物でも良い。
本発明において、エポキシ樹脂(A)または硬化剤(B)が、3個以上の反応性基を有しなくとも使用できるが、3以上の反応性基を有するものが前記範囲外である場合、樹脂硬化物の架橋密度が低くなり、また、単官能フェノール化合物(C)により、更に架橋密度が低下し、硬化が不十分となる場合がある。
本発明に用いる、一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)は、実質的に1つのフェノール性水酸基以外の、反応性の基を有さず、かつ、一般式(1)で表される置換基を1つ以上有するフェノール化合物のことである。前記単官能フェノール化合物(C)における反応性の基とは、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化反応や製造過程の温度履歴において、エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)と化学的反応をすることができる置換基、または単官能フェノール化合物(C)が当該置換基を有していた場合に、この置換基同士で化学的反応をすることができる置換基のことであり、具体的には、エポキシ基およびオキセタン基などのオキシラン環を含む置換基、フェノール性水酸基、チオール基、カルボキシル基およびアミノ基などの活性水素原子を有する基などのエポキシ基またはフェノール性水酸基と反応する基、ビニル基、アリル基およびマレイミド基などの置換基同士で反応可能な基などが挙げられる。これらの置換基は、反応により樹脂の架橋密度を向上し、弾性率を低減できないため、本発明の目的に対し適切でない。
本発明に用いる前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)において、単官能フェノール化合物としては、フェノール性水酸基を1つするフェノール化合物であり、具体的には、フェノール、1−ナフトール、2−ナフトールおよびモノヒドロキシアントラセンなどの芳香族モノヒドロキシ化合物が挙げられ、前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)としては、置換基として、前記一般式(1)で表される置換基を1つ以上有し、それ以外の置換基を有さないもの、および前記一般式(1)で表される置換基を1つ以上有し、反応性の置換基でない置換基を有するものが挙げられる。
前記反応性の置換基以外の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコール性水酸基を有する有機基、ハロゲン基、オキシアルキル基、オキシアリール基、アラルキル基、ニトロ基およびエステル基などが挙げられ、前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基およびターシャリーブチル基などが挙げられ、前記ハロゲン基としては、クロロ基、ブロモ基およびヨード基などが挙げられ、前記オキシアルキル基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシなどが挙げられ、前記アラルキル基としては、フェニルメチル基およびフェニルイソプロピル基などが挙げられ、前記オキシアリール基としては、フェノキシ基、1−ナフトキシ基などが挙げられ、前記アルコール性水酸基を有する有機基としては、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられ、前記エステル基としては、下記一般式(6)で表される有機基および一般式(7)で表される有機基などが挙げられる。
式中、R5およびR6は、炭素数1〜10の炭化水素基を示す。炭化水素基とは、炭素原子と水素原子からなる有機基であり、直鎖状であっても、分岐状であっても、また環状であっても良く、炭素と炭素の結合は単結合である。具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルキレン基およびアリール基などが挙げられる。
本発明に用いる単官能フェノール化合物(C)は、一般式(1)で表される置換基を1つ以上有する必要があり、この置換基が、樹脂硬化物における、高分子網目の極性的結合を高め、網目分子の摂動性を抑えることで、ガラス転移温度の向上を図ることができる。
前記一般式(1)で表される置換基におけるXの有機基としては、炭素数2以上12以下で、直鎖状、分岐状、または環状の骨格を有し、該有機基において隣接する炭素からカルボニル基に伸びる2つの結合手をするものであれば、その種類に制限はない。具体的には、水素原子、炭素原子、ハロゲン原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、およびリン原子から選ばれる1種または複数の原子からなる置換基を有していても良い。具体的には、前記直鎖状もしくは分岐状の骨格を有する有機基としては、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、2,3−ブチレン基および3,4−オクチレン基などのアルキレン基などが挙げられ、環状の骨格を有する有機基としては、1,2−フェニレン基、1,2−ナフチレン基および2,3−ナフチレン基などの芳香族基、1,2−シクロブチレン基、1,2−シクロへキシレン基、1,2−シクロオクチレン基および2,3−ノルボルネン基などの脂環式脂肪族基などが挙げられる。これらのうち、Xが芳香族基および脂環式脂肪族基である場合、一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)が容易に得られ、化合物の取扱い性も良好なものとなるため好ましい。
前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)において、一般式(1)で表される置換基の数が多いほど、ガラス転移温度の向上効果は大きなものとなる。前記一般式(1)で表される置換基は、前記単官能フェノール化合物においてフェノール性水酸基を有する芳香族基の置換官能な位置の全てに置換可能であり、例えば、置換される単官能フェノールとして、フェノール(C6H5OH)を選択すると、これに一般式(1)で表される置換基を最大5つ有することができるが、多くなりすぎた場合、単官能フェノール化合物(C)のフェノール性水酸基の反応性の低下により、弾性率の低減効果が損なわれる場合がある。好適には、式(1)で表される置換基の数は、化合物(C)の1分子内に1もしくは2であるのが良い。
前記一般式(1)で表される置換基の好ましい具体例としては、一般式(2)で表される置換基および一般式(3)で表される置換基を挙げることができる。これらにより、硬化物のTgがより向上し、また、一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)が容易に得られ、化合物の取扱い性も良好なものとなる。
R1およびR2としては、炭素数1〜6の炭化水素基、およびハロゲン基から選ばれる基であり、具体的には、前記炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、ターシャリーブチル基、1−ペンチル基および1−ヘキシル基などの直鎖状および分岐状の脂肪族基、シクロヘキシル基およびフェニル基などの環状炭化水素基などが挙げられ、前記ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基およびヨード基などが挙げられる。
前記一般式(2)で表される置換基および前記一般式(3)で表される置換基としては、R1およびR2が、メチル基またはエチル基であり、R1およびR2の数であるnおよびmが、0または1であるものが、好ましい。これらの場合、単官能フェノール化合物(C)が、より化学的安定性に優れるものとなり、イミド環の加水分解による変質などが抑えることができるので好ましい。
このような置換基を有する単官能フェノール化合物(C)の具体例としては、一般式(4)および一般式(5)で表される構造を有する単官能フェノール化合物が挙げられる。このような化合物を選択することで、さらに硬化物における弾性率の低減およびTgの向上に効果を得ることができる。
R3およびR4としては、炭素数1〜6の炭化水素基、およびハロゲン基から選ばれる基であり、具体的には、前記炭素数1〜6の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、ターシャリーブチル基、1−ペンチル基および1−ヘキシル基などの直鎖状および分岐状の脂肪族基、シクロヘキシル基およびフェニル基などの環状炭化水素基などが挙げられ、前記ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基およびヨード基などが挙げられる。
前記一般式(4)および(5)で表される構造を有する単官能フェノール化合物としては、R3およびR4が、メチル基またはエチル基であり、R3およびR4の数であるp、q、rおよびsが、0または1であるものが、好ましい。これらの場合、構造の化学的安定性に、より優れるものとなり、吸湿時の変質などが抑えることができるので好ましい。
本発明に用いる単官能フェノール化合物(C)の好適な添加量は、エポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の比率や、官能基当量、平均官能基(エポキシ基ないしフェノール性水酸基)数により異なるが、一般に用いられるエポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の組み合わせの範囲において、具体的にはエポキシ樹脂(A)および硬化剤(B)の総和に対し、0.5〜15重量%の間で使用するのが好ましい。硬化物としての弾性率低下の度合いは、この添加量に比例する傾向であり、使用時に任意に調整することができる。添加量が前記範囲外でも使用できるが、この範囲を上回ると、ゲル化に必要十分な架橋密度が得られずに、樹脂の硬化不良が発生することがある。また、この範囲を下回ると、弾性率の低減効果が十分に得られない場合や、Tgが向上しない場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じ、無機充填材(D)を使用することができる。とりわけ無機充填材は、半導体封止用エポキシ樹脂組成物など、高い耐熱性を必要とされる分野への利用において有効である。無機充填材(D)の種類については、特に制限はなく、一般に樹脂添加剤として用いられているものを使用することができる。
この無機充填材(D)としては、一般に半導体封止用エポキシ樹脂組成物に使用されているものを用いることができる。例えば、溶融球状シリカ、溶融破砕シリカ、結晶シリカ、タルク、アルミナ、チタンホワイトおよび窒化珪素等が挙げられ、半導体封止用として、最も好適に使用されるものとしては、球状溶融シリカおよび破砕状溶融シリカである。これらの無機充填材は、単独でも混合して用いても差し支えない。また、これらがカップリング剤により表面処理されていてもかまわない。無機充填材の形状としては、流動性改善のために、できるだけ真球状であり、かつ粒度分布がブロードであることが好ましい。無機充填材の配合量は、特に限定されないが、全エポキシ樹脂組成物中50〜95重量%が好ましい。前記範囲外でも使用できるが、下限値を下回ると十分な耐半田性が得られない可能性があり、上限値を超えると十分な流動性が得られない可能性がある。
また、無機充填材(D)の含有量(配合量)は、前記エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)や無機充填材(D)の比重を、それぞれ考慮し、重量%を体積%に換算して取り扱うようにしてもよい。
前記エポキシ樹脂(A)と、前記硬化剤(B)との含有(配合)比率も、特に限定されないが、前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1モルに対し、硬化剤(B)のフェノール性水酸基が0.5〜2モル程度となるように用いるのが好ましく、0.7〜1.5モル程度となるように用いるのが、より好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の諸特性のバランスを好適なものに維持しつつ、諸特性が、より向上する。
本発明においては、任意に硬化促進剤を用いることができ、エポキシ樹脂(A)の硬化反応を促進する機能を有するものであれば、制限はない。具体的には、トリフェニルホスフィンおよびトリターシャリーブチルホスフィンなどの有機ホスフィン化合物、トリブチルアミンおよびベンジルジメチルアミン等のアミン系化合物、2−メチルイミダゾールおよび2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムとビスフェノールAの分子化合物、およびテトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイックアシッドボレートなどのホスホニウム塩類、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート、トリフェニルホスフィンとベンゾキノンの付加物などのホスホニウム分子内塩化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンなどのジアザビシクロアルケン化合物、公知の硬化促進剤が利用できる。また、これらの硬化促進剤に、微粉化、マイクロカプセル(コアシェル)化、メカノフュージョン処理などを施して使用することもできる。
これらのうち、ホスホニウム分子化合物、およびホスホニウム分子内塩類を用いた場合、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および単官能フェノール化合物(C)の反応を良く促進し、十分な架橋の形成がなされるために好ましい。そのような硬化促進剤としては、テトラフェニルホスホニウムと2,3−ジヒドロキシナフタレンの分子化合物、テトラフェニルホスホニウムとビスフェノールFの分子化合物、2−(トリフェニルホスホニオ)フェノラート、トリフェニルホスフィンとベンゾキノンの付加物などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、硬化促進剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および単官能フェノール化合物(C)からなる樹脂成分に対して、0.01〜10重量%程度であるのが好ましく、0.1〜5重量%程度であるのが、より好ましい。これにより、エポキシ樹脂組成物の硬化性、流動性、および硬化物特性がバランスよく発現する。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および単官能フェノール化合物(C)の他に、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシランおよびビニルシラン等のシランカップリング剤や、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、アルミニウム/ジルコニウムカップリング剤等のカップリング剤;、カーボンブラックおよびベンガラ等の着色剤;、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸およびその金属塩類若しくはパラフィン等の離型剤;、シリコーンオイルおよびシリコーンゴム等の低応力化成分;、臭素化エポキシ樹脂や三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛およびフォスファゼン等の難燃剤;、酸化ビスマス水和物等の無機イオン交換体;等、種々の添加剤を適宜配合しても差し支えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)および一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)、必要に応じて、その他の添加剤等を、混合機を用いて充分に均一に混合した後、更に混練機で溶融混練し、冷却後粉砕して得られる。なお混合機としては特に限定しないが、例えばボールミル、ヘンシェルミキサー、Vブレンダーやダブルコーンブレンダー、コンクリートミキサーやリボンブレンダー等のブレンダー類がある。また混練機も特に限定しないが、熱ロール、加熱ニーダー、一軸もしくは二軸のスクリュー型混練機等が好適に使用される。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)および無機充填材(D)、必要に応じて、その他の添加剤を用いて、上記エポキシ樹脂組成物と同様の方法により得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて、その硬化物により、半導体素子等の各種の電子部品を封止した半導体装置を得ることができるが、そのような半導体装置を製造するには、トランスファーモールド、コンプレッションモールド、インジェクションモールド等の従来からの成形方法で硬化成形すればよい。
本発明の半導体装置の形態としては、特に限定されないが、例えば、SIP(Single Inline Package)、HSIP(SIP with Heatsink)、ZIP(Zig-zag Inline Package)、DIP(Dual Inline Package)、SDIP(Shrink Dual Inline Package)、SOP(Small Outline Package)、SSOP(Shrink Small Outline Package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-leaded Package)、QFP(Quad Flat Package)、QFP(FP)(QFP Fine Pitch)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、QFJ(PLCC)(Quad Flat J-leaded Package)、BGA(Ball Grid Array)等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、吸湿時の耐半田性に優れる。
このようにして得られた本発明の半導体装置は、吸湿時の耐半田性に優れる。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ボールグリッドアレイ用封止材料として、ボールグリッドアレイ(BGA)構造を有する半導体装置に使用した場合、特に反りの低減に効果的であり、好ましい。
ボールグリッドアレイ構造の半導体装置の代表例について、図面を用いて説明する(図1)。
上記で得た半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いてボールグリッドアレイ構造を有する半導体装置を封止する例としては、スルーホールを有する半導体素子搭載用基板(b)に、半導体素子(a)を所定の場所に搭載するとともに、スルーホールに半田ボール(c)を配置した半導体素子搭載基板において、半田ボール(c)が配置された面とは反対の面のスルーホール上に形成された端子と、半導体素子(a)に形成された電極とをワイヤーボンド(d)により電気的接続を行った半導体素子搭載基板を用意し、前記半導体素子搭載基板の半導体素子が搭載された面の、半導体素子(a)、半田ボール(c)の端子、およびワイヤーボンド(d)を覆うように、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、タランスファーモールドなどの成形方法により、硬化物(e)により封止して、ボールグリッドアレイ構造の半導体装置を得ることができる。
ボールグリッドアレイ構造の半導体装置は、基板(b)と半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物(e)との線膨張率の差が原因となり、基板(b)が上向きに、もしくは下向きに反る場合がある。本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いた場合、封止樹脂硬化物が低い弾性率を有し、かつ高いガラス転移温度を有することから、基板との線膨張率の差を緩和し、反りの不良が起こりにくい。
ボールグリッドアレイ構造の半導体装置の代表例について、図面を用いて説明する(図1)。
上記で得た半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いてボールグリッドアレイ構造を有する半導体装置を封止する例としては、スルーホールを有する半導体素子搭載用基板(b)に、半導体素子(a)を所定の場所に搭載するとともに、スルーホールに半田ボール(c)を配置した半導体素子搭載基板において、半田ボール(c)が配置された面とは反対の面のスルーホール上に形成された端子と、半導体素子(a)に形成された電極とをワイヤーボンド(d)により電気的接続を行った半導体素子搭載基板を用意し、前記半導体素子搭載基板の半導体素子が搭載された面の、半導体素子(a)、半田ボール(c)の端子、およびワイヤーボンド(d)を覆うように、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、タランスファーモールドなどの成形方法により、硬化物(e)により封止して、ボールグリッドアレイ構造の半導体装置を得ることができる。
ボールグリッドアレイ構造の半導体装置は、基板(b)と半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物(e)との線膨張率の差が原因となり、基板(b)が上向きに、もしくは下向きに反る場合がある。本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物を用いた場合、封止樹脂硬化物が低い弾性率を有し、かつ高いガラス転移温度を有することから、基板との線膨張率の差を緩和し、反りの不良が起こりにくい。
また、本実施形態では、本発明のエポキシ樹脂組成物を、半導体装置の封止材料として用いる場合について説明したが、本発明のエポキシ樹脂組成物の用途としては、これに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれによりなんら限定されない。
本発明の実施にあたり、比較例に利用した単官能フェノール化合物は、市販の試薬をそのまま用いた。本発明の単官能フェノール化合物C1〜C10、比較用のフェノール化合物C8、および硬化促進剤E1〜E3は以下に記載した方法にて準備した。
(フェノール化合物C1の合成)
容量100mLのビーカーに、3−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末10.2gを得た。
この化合物をC1とした。化合物C1を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(8)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた硬化促進剤C1の収率は、86%であった。
容量100mLのビーカーに、3−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末10.2gを得た。
この化合物をC1とした。化合物C1を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(8)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた硬化促進剤C1の収率は、86%であった。
(フェノール化合物C2の合成)
容量100mLのビーカーに、3−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物7.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡紫色の粉末10.0gを得た。
この化合物をC2とした。化合物C2を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(9)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C2の収率は、82%であった。
容量100mLのビーカーに、3−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物7.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡紫色の粉末10.0gを得た。
この化合物をC2とした。化合物C2を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(9)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C2の収率は、82%であった。
(フェノール化合物C3の合成)
容量100mLのビーカーに、5−アミノ−1−ナフトール8.0g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末12.0gを得た。
この化合物をC3とした。化合物C3を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(10)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C3の収率は、83%であった。
容量100mLのビーカーに、5−アミノ−1−ナフトール8.0g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末12.0gを得た。
この化合物をC3とした。化合物C3を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(10)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C3の収率は、83%であった。
(フェノール化合物C4の合成)
容量100mLのビーカーに、4−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、脂環式酸無水物HNA−100(新日本理化製)9.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末10.9gを得た。
この化合物をC4とした。化合物C4を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(11)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C4の収率は、81%であった。
容量100mLのビーカーに、4−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、脂環式酸無水物HNA−100(新日本理化製)9.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド15mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末10.9gを得た。
この化合物をC4とした。化合物C4を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(11)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C4の収率は、81%であった。
(フェノール化合物C5の合成)
容量100mLのビーカーに、2,3−ジアミノフェノール6.2g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸15.4g(0.100mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末15.9gを得た。
この化合物をC5とした。化合物C5を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(12)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C5の収率は、83%であった。
容量100mLのビーカーに、2,3−ジアミノフェノール6.2g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸15.4g(0.100mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末15.9gを得た。
この化合物をC5とした。化合物C5を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(12)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C5の収率は、83%であった。
(フェノール化合物C6の合成)
容量100mLのビーカーに、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール8.9g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物7.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.1gを得た。
この化合物をC6とした。化合物C6を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(13)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C6の収率は、71%であった。
容量100mLのビーカーに、4−アミノ−2,6−ジクロロフェノール8.9g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、cis−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物7.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.1gを得た。
この化合物をC6とした。化合物C6を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(13)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C6の収率は、71%であった。
(フェノール化合物C7の合成)
容量100mLのビーカーに、4−アミノ−3−クレゾール6.2g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつテトラフルオロ無水フタル酸11.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.3gを得た。
この化合物をC7とした。化合物C7を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(14)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C7の収率は、70%であった。
容量100mLのビーカーに、4−アミノ−3−クレゾール6.2g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつテトラフルオロ無水フタル酸11.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.3gを得た。
この化合物をC7とした。化合物C7を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(14)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C7の収率は、70%であった。
(フェノール化合物C8の合成)
容量100mLのビーカーに、2−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、メチル無水コハク酸5.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末9.8gを得た。
この化合物をC8とした。化合物C8を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(15)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C8の収率は、96%であった。
容量100mLのビーカーに、2−アミノフェノール5.5g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、メチル無水コハク酸5.7g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末9.8gを得た。
この化合物をC8とした。化合物C8を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(15)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C8の収率は、96%であった。
(フェノール化合物C9の合成)
容量200mLのビーカーに、2,3,5,6−テトラクロロ−4−アミノフェノール12.3g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド40mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、デカクロロシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物25.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.3gを得た。
この化合物をC9とした。化合物C9を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(16)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C9の収率は、89%であった。
容量200mLのビーカーに、2,3,5,6−テトラクロロ−4−アミノフェノール12.3g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド40mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、デカクロロシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物25.0g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡褐色の粉末11.3gを得た。
この化合物をC9とした。化合物C9を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(16)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C9の収率は、89%であった。
(フェノール化合物C10の合成)
容量100mLのビーカーに、2−アミノ−4−フェニルフェノール9.3g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末13.0gを得た。
この化合物をC10とした。化合物C10を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(17)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C10の収率は、82%であった。
容量100mLのビーカーに、2−アミノ−4−フェニルフェノール9.3g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水フタル酸7.4g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、白色の粉末13.0gを得た。
この化合物をC10とした。化合物C10を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(17)で表される単官能フェノールであることが確認された。得られた化合物C10の収率は、82%であった。
(フェノール化合物C11の合成)
容量100mLのビーカーに、4−アミノフェノール5.4g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水マレイン酸4.9g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡黄色の粉末8.5gを得た。
この化合物をC11とした。化合物C11を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(18)で表されるフェノール化合物であることが確認された。得られた化合物C11の収率は、90%であった。
容量100mLのビーカーに、4−アミノフェノール5.4g(0.050mol)、ジメチルホルムアミド20mLを仕込み、これを攪拌し、ビーカーを氷冷しつつ、無水マレイン酸4.9g(0.050mol)を、ジメチルホルムアミド30mLに溶解した溶液を15分かけて滴下した。滴下後、2時間常温で攪拌を続け、反応後の溶液を200mLの水に滴下し、沈殿した粉末を吸引濾過で回収した。この粉末を160℃の真空乾燥機で2時間真空乾燥し、淡黄色の粉末8.5gを得た。
この化合物をC11とした。化合物C11を、1H−NMR、マススペクトルで分析した結果、下記式(18)で表されるフェノール化合物であることが確認された。得られた化合物C11の収率は、90%であった。
(硬化促進剤E1の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した粉末をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
次に、得られた粉末をメタノール100mlに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60mlと、純水500mlを順次投入した。得られた結晶をろ過、洗浄し、淡黄色結晶12.7gを得た。
この化合物をE1とした。化合物C1を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のトリフェニル(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムであることが確認された。得られた硬化促進剤E1の収率は、83%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、2−ブロモフェノール10.4g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)、塩化ニッケル0.65g(5mmol)およびエチレングリコール40mL仕込み、攪拌下160℃で加熱反応した。反応液を冷却後、純水40mLを滴下し、析出した粉末をトルエンで洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
次に、得られた粉末をメタノール100mlに溶解し、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60mlと、純水500mlを順次投入した。得られた結晶をろ過、洗浄し、淡黄色結晶12.7gを得た。
この化合物をE1とした。化合物C1を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のトリフェニル(2−ヒドロキシフェニル)ホスホニウムであることが確認された。得られた硬化促進剤E1の収率は、83%であった。
(硬化促進剤E2の合成)
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、ベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mLを仕込み、攪拌下室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、濾過・乾燥し、褐色結晶20.0gを得た。
この化合物をE2とした。化合物E2を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のトリフェニル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホベタインであることが確認された。得られた硬化促進剤E2の収率は、84%であった。
冷却管および撹拌装置付きのセパラブルフラスコ(容量:200mL)に、ベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mLを仕込み、攪拌下室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、濾過・乾燥し、褐色結晶20.0gを得た。
この化合物をE2とした。化合物E2を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のトリフェニル(2,5−ジヒドロキシフェニル)ホスホベタインであることが確認された。得られた硬化促進剤E2の収率は、84%であった。
(硬化促進剤E3の合成)
撹拌装置付きのビーカー(容量:1000mL)に、テトラフェニルホスホニウムブロマイド25.2g(0.060mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン 17.28g(0.120mol)、およびメタノール200mLを仕込み、攪拌しながらよく溶解させた後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60ml、および純水600mLを順次添加した。析出した粉末を純水で洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
この化合物をE3とした。化合物E3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のテトラフェニルホスホニウムと2,3−ジヒドロキシナフタレンの分子化合物であることが確認された。得られた化合物E3の収率は、83%であった。
撹拌装置付きのビーカー(容量:1000mL)に、テトラフェニルホスホニウムブロマイド25.2g(0.060mol)、2,3−ジヒドロキシナフタレン 17.28g(0.120mol)、およびメタノール200mLを仕込み、攪拌しながらよく溶解させた後、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液60ml、および純水600mLを順次添加した。析出した粉末を純水で洗浄後、濾過・乾燥し、白色の粉末を得た。
この化合物をE3とした。化合物E3を、1H−NMR、マススペクトル、元素分析で分析した結果、目的のテトラフェニルホスホニウムと2,3−ジヒドロキシナフタレンの分子化合物であることが確認された。得られた化合物E3の収率は、83%であった。
[エポキシ樹脂組成物の調製および半導体装置の製造]
以下のようにして、前記化合物C1〜C10、比較用のフェノール化合物C8、硬化促進剤E〜E3、およびその他のフェノール化合物を含むエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
以下のようにして、前記化合物C1〜C10、比較用のフェノール化合物C8、硬化促進剤E〜E3、およびその他のフェノール化合物を含むエポキシ樹脂組成物を調製し、半導体装置を製造した。
(実施例1)
まず、エポキシ樹脂(A)(成分(A))としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK、融点:105℃、エポキシ当量:193、150℃のICI溶融粘度:0.15poise)、硬化剤(B)(成分(B))としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XLC−LL、軟化点:77℃、水酸基当量:172、150℃のICI溶融粘度:3.6poise)、単官能フェノール化合物(C)(成分(C))として化合物C1、硬化促進剤として硬化促進剤E1、無機充填材(D)(成分(D))として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
まず、エポキシ樹脂(A)(成分(A))としてビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製YX−4000HK、融点:105℃、エポキシ当量:193、150℃のICI溶融粘度:0.15poise)、硬化剤(B)(成分(B))としてフェノールアラルキル樹脂(三井化学(株)製XLC−LL、軟化点:77℃、水酸基当量:172、150℃のICI溶融粘度:3.6poise)、単官能フェノール化合物(C)(成分(C))として化合物C1、硬化促進剤として硬化促進剤E1、無機充填材(D)(成分(D))として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
次に、前記ビフェニル型エポキシ樹脂:52重量部、前記フェノールアラルキル樹脂:44重量部、硬化促進剤E1:1.8重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部、溶融球状シリカ:700重量部、カーボンブラック:2重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂:2重量部、カルナバワックス:2重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて95℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、上記で得たエポキシ樹脂組成物を半導体封止用エポキシ樹脂組成物として用い、100ピンTQFPのパッケージ(半導体装置)を8個、および、16ピンDIPのパッケージ(半導体装置)を15個、それぞれ製造した。
100ピンTQFPは、金型温度175℃、注入圧力7.4MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この100ピンTQFPのパッケージサイズは、14×14mm、厚み1.4mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、8.0×8.0mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
また、16ピンDIPは、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分でトランスファーモールド成形し、175℃、8時間で後硬化させることにより製造した。
なお、この16ピンDIPのパッケージサイズは、6.4×19.8mm、厚み3.5mm、シリコンチップ(半導体素子)サイズは、3.5×3.5mm、リードフレームは、42アロイ製とした。
(実施例2)
硬化促進剤E1に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC2:4.0重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC2:4.0重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例3)
硬化促進剤E1に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC3:5.5重量部、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC3:5.5重量部、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例4)
硬化促進剤E1に代わり、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン(サンアプロ(株)製、商品名:DBU):1.0重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC4:10.7重量部、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1に代わり、1,8−ジアザビシクロ−(5,4,0)−7−ウンデセン(サンアプロ(株)製、商品名:DBU):1.0重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、単官能フェノールC4:10.7重量部、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例5)
まず、成分(A)としてビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC−3000、軟化点:60℃、エポキシ当量:272、150℃のICI溶融粘度:1.3poise)、成分(B)としてビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS、軟化点:68℃、水酸基当量:199、150℃のICI溶融粘度:0.9poise)、成分(C)として単官能フェノールC5、硬化促進剤として硬化促進剤E1、成分(D)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
まず、成分(A)としてビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製NC−3000、軟化点:60℃、エポキシ当量:272、150℃のICI溶融粘度:1.3poise)、成分(B)としてビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成(株)製MEH−7851SS、軟化点:68℃、水酸基当量:199、150℃のICI溶融粘度:0.9poise)、成分(C)として単官能フェノールC5、硬化促進剤として硬化促進剤E1、成分(D)として溶融球状シリカ(平均粒径15μm)、その他の添加剤としてカーボンブラック、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびカルナバワックスを、それぞれ用意した。
次に、前記ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂:58重量部、前記ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂:38重量部、硬化促進剤E1:1.8重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部、溶融球状シリカ:700重量部、カーボンブラック:2重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂:2重量部、カルナバワックス:2重量部を、まず室温で混合し、次いで熱ロールを用いて105℃で8分間混練した後、冷却粉砕して、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
次に、上記で得たエポキシ樹脂組成物を半導体封止用エポキシ樹脂組成物として用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例6)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC6:7.0重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC6:7.0重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例7)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC7:5.5重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:34重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC7:5.5重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:34重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例8)
単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC8:4.3重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC8:4.3重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例9)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC9:9.0重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:40重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC9:9.0重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:40重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(実施例10)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC10:7.0重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:34重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、単官能フェノールC10:7.0重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わり、MEH−7851SS:34重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(比較例1)
単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、1−ナフトール:4.0重量部、XLC−LL:44重量部に代わり、XLC−LL:42重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、1−ナフトール:4.0重量部、XLC−LL:44重量部に代わり、XLC−LL:42重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(比較例2)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、フェノール化合物C11:7.5重量部、XLC−LL:44重量部に代わり、XLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E2:1.9重量部、単官能フェノールC1:3.9重量部に代わり、フェノール化合物C11:7.5重量部、XLC−LL:44重量部に代わり、XLC−LL:40重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(比較例3)
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、ピロガロール0.5重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わりMEH−7851SS:36重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3.4重量部、単官能フェノールC5:8.6重量部に代わり、ピロガロール0.5重量部、MEH−7851SS:38重量部に代わりMEH−7851SS:36重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(比較例4)
成分(C)に相当する成分を使用せず、硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3・4重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
成分(C)に相当する成分を使用せず、硬化促進剤E1:1.8重量部に代わり、硬化促進剤E3:3・4重量部を用いた以外は、前記実施例5と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
(比較例5)
成分(C)に相当する成分を使用せず、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:48重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
成分(C)に相当する成分を使用せず、XLC−LL:44重量部に代わりXLC−LL:48重量部を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を得、このエポキシ樹脂組成物を用いて、前記実施例1と同様にしてパッケージ(半導体装置)を製造した。
[特性評価]
各実施例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の特性評価(1)〜(3)、および、各実施例および各比較例で得られた半導体装置の特性評価(4)および(5)を、それぞれ、以下のようにして行った。
各実施例および各比較例で得られたエポキシ樹脂組成物の特性評価(1)〜(3)、および、各実施例および各比較例で得られた半導体装置の特性評価(4)および(5)を、それぞれ、以下のようにして行った。
(1)スパイラルフロー
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
EMMI−I−66に準じたスパイラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間2分で測定した。
このスパイラルフローは、流動性のパラメータであり、数値が大きい程、流動性が良好であることを示す。
(2)硬化トルク
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、300秒後のトルクを測定し、硬化トルクとして評価した。また、硬化トルクを100%として、90秒後のトルクの硬化トルクに対する比率(%)を、90秒トルク飽和度とした。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
キュラストメーター(オリエンテック(株)製、JSRキュラストメーターIV PS型)を用い、175℃、300秒後のトルクを測定し、硬化トルクとして評価した。また、硬化トルクを100%として、90秒後のトルクの硬化トルクに対する比率(%)を、90秒トルク飽和度とした。
この硬化トルクは、数値が大きい程、硬化性が良好であることを示す。
(3)熱時弾性率
500×10×3mmの成形品が得られる金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間5分で成型し作成した試験片を、175℃の温風乾燥機で4時間保管した後に、ジャスコインターナショナル(株)製、レオメーターRheopolymerを用いて、オシレーション歪制御測定モード、周波数1Hz、歪み0.03にて、260℃の貯蔵弾性率を測定した。高温での弾性率は、樹脂で半導体を封止した際の耐半田クラック性に影響し、値が低いほど耐半田クラック性が向上する。
500×10×3mmの成形品が得られる金型を用い、金型温度175℃、注入圧力6.8MPa、硬化時間5分で成型し作成した試験片を、175℃の温風乾燥機で4時間保管した後に、ジャスコインターナショナル(株)製、レオメーターRheopolymerを用いて、オシレーション歪制御測定モード、周波数1Hz、歪み0.03にて、260℃の貯蔵弾性率を測定した。高温での弾性率は、樹脂で半導体を封止した際の耐半田クラック性に影響し、値が低いほど耐半田クラック性が向上する。
(4)耐半田性
100ピンTQFPを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。
100ピンTQFPを85℃、相対湿度85%の環境下で168時間放置し、その後、260℃の半田槽に10秒間浸漬した。
その後、顕微鏡下に、外部クラックの発生の有無を観察し、クラック発生率=(クラックが発生したパッケージ数)/(全パッケージ数)×100として、百分率(%)で表示した。
また、シリコンチップとエポキシ樹脂組成物の硬化物との剥離面積の割合を、超音波探傷装置を用いて測定し、剥離率=(剥離面積)/(シリコンチップの面積)×100として、8個のパッケージの平均値を求め、百分率(%)で表示した。
これらのクラック発生率および剥離率は、それぞれ、数値が小さい程、吸湿時の耐半田性が良好であり、得られたパッケージが信頼性に優れることを示す。
(5)パッケージ反り量
225ピンBGAパッケージ(基板は0.36mm厚のBT樹脂基板、パッケージサイズは24×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップはサイズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンディングしている。)を、金型温度180℃、注入圧力7.8MPa、2分間でトランスファー成形し、更に175℃、4時間で後硬化した。室温に冷却後、パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を半田処理前の反り量とした。更に、JEDEC条件のピーク温度260℃でIRリフロー処理を行ったのち、パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を半田処理前の反り量とした。試験数n=10とし、測定単位はμmで測定し、そり量が全て80μm以下を合格(良好)とした。
225ピンBGAパッケージ(基板は0.36mm厚のBT樹脂基板、パッケージサイズは24×24mm、厚み1.17mm、シリコンチップはサイズ9×9mm、厚み0.35mm、チップと回路基板のボンディングパッドとを25μm径の金線でボンディングしている。)を、金型温度180℃、注入圧力7.8MPa、2分間でトランスファー成形し、更に175℃、4時間で後硬化した。室温に冷却後、パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を半田処理前の反り量とした。更に、JEDEC条件のピーク温度260℃でIRリフロー処理を行ったのち、パッケージのゲートから対角線方向に、表面粗さ計を用いて高さ方向の変位を測定し、変異差の最も大きい値を半田処理前の反り量とした。試験数n=10とし、測定単位はμmで測定し、そり量が全て80μm以下を合格(良好)とした。
表1に示すように、実施例1〜10で得られたエポキシ樹脂組成物(本発明のエポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物)は、いずれも、硬化性および流動性を損なうことなく、弾性率を低下させ、さらに、この硬化物で封止された各実施例のパッケージ(本発明の半導体装置)は、いずれも、吸湿時の耐半田性が良好で、信頼性に優れるものであった。また、本発明のエポキシ樹脂組成物をBGAパッケージに用いた場合、良好な反り特性を示した。
これに対し、比較例1で得られたエポキシ樹脂組成物は、本発明の単官能フェノールで必要とされる置換基を有さない為に、反り特性で劣るものであり、比較例2で得られたエポキシ樹脂組成物は、フェノール水酸基以外に反応基として二重結合を有する化合物を用いた為、弾性率が向上し、信頼性と反り特性に劣るものであり、比較例3で得られたエポキシ樹脂組成物は、多官能フェノールを用いたため、弾性率も高く、信頼性、反り特性に劣るものであった。また、比較例4および比較例5で得られたエポキシ樹脂組成物は、いずれも、フェノール成分に相当するものが含まれず、弾性率が高いために、これらの比較例で得られたパッケージは、いずれも、耐半田性および反り特性に劣るものであった。
a 半導体素子
b 基板
c 半田ボール
d ワイヤーボンド
e 硬化物
b 基板
c 半田ボール
d ワイヤーボンド
e 硬化物
Claims (8)
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物に、さらに無機充填材(D)を含む、半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 前記無機充填材(D)を、前記エポキシ樹脂(A)、前記硬化剤(B)、前記一般式(1)で表される置換基を有する単官能フェノール化合物(C)および前記無機充填材(D)の総量の50〜95重量%の比率で含む、請求項4記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 前記半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、ボールグリッドアレイ用封止材料である、請求項4または5記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項4ないし6のいずれか1項で記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により電子部品が封止された半導体装置。
- 前記半導体装置が、ボールグリッドアレイ構造を有するものである請求項7記載の半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007043857A JP2008208165A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007043857A JP2008208165A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008208165A true JP2008208165A (ja) | 2008-09-11 |
Family
ID=39784767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007043857A Pending JP2008208165A (ja) | 2007-02-23 | 2007-02-23 | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008208165A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019172637A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | ヒドロキシ化合物、その製造方法、樹脂組成物及びその硬化物 |
-
2007
- 2007-02-23 JP JP2007043857A patent/JP2008208165A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019172637A (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-10 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | ヒドロキシ化合物、その製造方法、樹脂組成物及びその硬化物 |
JP7477261B2 (ja) | 2018-03-29 | 2024-05-01 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | ヒドロキシ化合物、その製造方法、樹脂組成物及びその硬化物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4569076B2 (ja) | 硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP4163162B2 (ja) | エポキシ樹脂用潜伏性触媒、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
TWI647275B (zh) | 密封用環氧樹脂成形材料及電子零件裝置 | |
JP4665616B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
WO2019240079A1 (ja) | 硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2010070622A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4367046B2 (ja) | 硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2022101587A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物、及び電子部品装置 | |
WO2021075207A1 (ja) | エポキシ樹脂組成物、電子部品装置、及び電子部品装置の製造方法 | |
JP2009227742A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP7484081B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5167587B2 (ja) | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
WO2020080369A1 (ja) | 硬化性樹脂組成物用添加剤、硬化性樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP5672947B2 (ja) | 封止用樹脂組成物及び電子部品装置 | |
JP2006348283A (ja) | エポキシ樹脂用硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2008208165A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP4496778B2 (ja) | 硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP5261880B2 (ja) | エポキシ樹脂用硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP2009155417A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP4496739B2 (ja) | 硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2008081683A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2009084360A (ja) | エポキシ樹脂組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 | |
JP4341247B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物用硬化促進剤、エポキシ樹脂組成物および半導体装置 | |
JP2000204139A (ja) | 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 | |
JP5573344B2 (ja) | 封止用樹脂組成物及び電子部品装置 |