JP2008207814A - 端部保護部材 - Google Patents

端部保護部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2008207814A
JP2008207814A JP2007043585A JP2007043585A JP2008207814A JP 2008207814 A JP2008207814 A JP 2008207814A JP 2007043585 A JP2007043585 A JP 2007043585A JP 2007043585 A JP2007043585 A JP 2007043585A JP 2008207814 A JP2008207814 A JP 2008207814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
protection member
barrier
film
end protection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007043585A
Other languages
English (en)
Inventor
Eriko Nagata
絵理子 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP2007043585A priority Critical patent/JP2008207814A/ja
Publication of JP2008207814A publication Critical patent/JP2008207814A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cartons (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、飲料、アルコール類などの内容物を長期間保存してもバリア性が維持できる高バリア性を有する筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材を提供するものである。
【解決手段】少なくとも、紙層を基材として、バリア層を有する積層材料を成形してなる筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材であって、前記端部保護部材(P)が少なくとも、バリア層(16)と高分子バリア層(18)とからなるバリア材(20)を配置し、該バリア材(20)の表裏にヒートシール性樹脂層(10、15)を設けたことを特徴とする端部保護部材である。
【選択図】図1

Description

本発明は、飲料、アルコール類などの内容物を収納する紙層を主体とした筒状紙容器の胴部端面を保護する端部保護部材に関するもので、さらに詳しくは、バリア材を含む胴部、蓋体および底体からなり、特に内容物を長期間保存してもバリア性が維持できる高バリア性を有する筒状紙容器を形成した際に生じる、内面側に露出した胴部積層材料端面を保護する端部保護部材に関するものである。
近年、飲み口部が開封用のタブ材で覆われた、矩形形状や円筒形状等の、いわゆる筒状紙容器が、従来の缶容器の代替品として、使い易さと、使用後の廃棄処理のし易さなどから、果汁飲料、コーヒー、液体スープ、アルコール類等の液体食品分野で広く使用されている。
それを用いた筒状紙容器は、内容物の保存性を高めるため、容器を形成した際に生じる、内面側に露出した胴部積層材料端面を保護する端部保護部材を用いて端部保護加工(エッジプロテクト加工)を施して筒状に成形した胴部と、蓋体および底体から構成されている。
前記端部保護部材は、フィルム基材層を主体とし、最内層、および最外層にヒートシール性樹脂層を設け、内容物の保存性を高めるため、積層構成中にバリア材を配置した構成になっている。また、同様に胴部と、蓋体および底体は、紙層を主体とし、最内層、および最外層にヒートシール性樹脂層を設け、内容物の保存性を高めるため、積層構成中にバリア材を配置した構成になっている。
従来、前記バリア材には、代表的な例としては、アルミニウム箔が用いられていたが、この積層構成中にアルミニウム箔が含まれると、使用後の分別処理が困難になり、またそのまま焼却処理もできないので、現在では、このアルミニウム箔に代わる、バリア材として、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物蒸着層を設けた蒸着フィルムが用いられるようになっている。
しかし、上記のような酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物蒸着層を設けた蒸着フィルムからなるバリア材を配置した構成の紙容器は、内容物保存のための一定のバリア性を有するものであるが、内容物を長期間保存する用途の紙容器としてはバリア性が不十分であった。
そこで内容物を長期間保存してもバリア性が維持できる高バリア性を有し、容器として剛性、落下強度等の強度の点でも優れ、使用後の廃棄処理が容易な筒状紙容器(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。
すなわち、前記提案の筒状紙容器を形成する胴部、該胴部の内面側に露出した積層材料の端面を保護する端部保護部材、蓋体および底体の積層材料、特に積層構成中のバリア材は、まず、胴部においては、酸化アルミニウム等の無機化合物蒸着層を設けた蒸着フィルムを使用し、端部保護部材、蓋体および底体においては、少なくとも、バリア性高分子フィルム[エチレン−ビニル共重合体(EVOH)フィルム]と無機化合物蒸着フィルムとを使用している。特に、バリア性高分子フィルムにエチレン−ビニル共重合体(EVOH)フィルムを使用することで高バリア性を維持し、長期保存を可能としている。
既存技術は、前述のように、端部保護部材、蓋体および底体においては、少なくとも、ヒートシール性樹脂層/無機化合物蒸着フィルム層/バリア性高分子フィルム層/ヒートシール性樹脂層からなる積層材料を用いている。
しかし、特に、端部保護部材においては、バリア性高分子フィルムにエチレン−ビニル共重合体(EVOH)フィルムを使用すると、該フィルムの延伸程度により、熱収縮によるエッジプロテクトの先端部や蒸着フィルムとのラミネート部分に剥がれが生じる場合があり、バリア性を低下させることがある。
また、前記ヒートシール性樹脂の密度によっては、胴部の内面側に露出した積層材料の端面をエッジプロテクト加工する際、ヒートシール時の冷却不足により、該端部保護部材の先端部に樹脂埋まり不良が生じる場合があり、バリア性を低下させることがある。
さらに、前記ヒートシール性樹脂層/無機化合物蒸着フィルム層/バリア性高分子フィルム層/ヒートシール性樹脂層からなる積層材料の各層間は、2液硬化型接着剤などを用いてラミネートを行なっているが、該端部保護部材の先端部には接着剤がコーティングされないため、成形条件により密着不良が生じる場合があり、バリア性を低下させることがある。
以下に先行技術文献を示す。
特開2005−263274号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、飲料、アルコール類などの内容物を長期間保存してもバリア性が維持できる高バリア性を有する筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材を提供するものである。
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、少なくとも、紙層を基材として、バリア層を有する積層材料を成形してなる筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材であって、前記端部保護部材(P)が少なくとも、バリア層(16)と高分子バリア層(18)とからなるバリア材(20)を配置し、該バリア材(20)の表裏にヒートシール性樹脂層(10、15)を設けたことを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の端部保護部材において、前記バリア材(20)のバリア層(16)が無機化合物蒸着フィルムからなり、高分子バリア層(18)がバリア性高分子フィルムからなることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項2記載の端部保護部材において、前記バリア性高分子フィルムが無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムであることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項4に係る発明は、請求項3記載の端部保護部材において、前記無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムのエチレン含有量が40モル%以上であることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項2乃至4のいずれか1項記載の端部保護部材において、前記無機化合物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あ
るいはそれらの混合物であることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項2乃至5のいずれか1項記載の端部保護部材において、前記バリア層(16)の無機化合物蒸着フィルムの蒸着層(14)面に水性被覆層(17)を形成したことを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項6記載の端部保護部材において、前記水性被覆層(17)が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の端部保護部材において、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)の密度が0.93〜0.95の範囲内であることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか1項記載の端部保護部材において、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)のMFRが1〜10の範囲内であることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれか1項記載の端部保護部材において、前記端部保護部材(7)を構成するバリア層(16)と高分子バリア層(18)および該表裏に存在するヒートシール性樹脂層(10、15)の貼り合わせに接着性樹脂を用いることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項11に係る発明は、請求項10記載の端部保護部材において、前記接着性樹脂が酸変性ポリエチレンであることを特徴とする端部保護部材である。
本発明の請求項12に係る発明は、請求項10又は11記載の端部保護部材において、前記接着性樹脂の膜厚が3〜30μmの範囲内であることを特徴とする端部保護部材である。
請求項1乃至12のいずれか1項記載の端部保護部材を用いて、表面にヒートシール性樹脂層(10)を設けた紙層(11)を基材とし、この基材の内側に、少なくともバリア材として無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)を配置し、該バリア層(16)の内側にヒートシール性樹脂層(15)を設けた積層材料を、端部保護加工(エッジプロテクト加工)を施して筒状に成形した胴部(1)と、表面にヒートシール性樹脂層(10)を設けた紙層(11)を基材とし、この基材の内側に、少なくともバリア材(20)としてバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層(18)と無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)とを配置し、該バリア材(20)の内側にヒートシール性樹脂層(15)を設けた積層材料からなる蓋体(2)および底体(3)とで構成されていることを特徴とする筒状紙容器を提供できる。
本発明に係る端部保護部材は、少なくとも、紙層を基材として、バリア層を有する積層材料を成形してなる筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材であって、前記端部保護部材が少なくとも、バリア層と高分子バリア層とからなるバリア材を配置し、該バリア材の表裏にヒートシール性樹脂層を設けたことにより、飲料、アルコール類などの内容物を長期間保存しても高バリア性を維持できるようになった。
特に、高分子バリア層にバリア性高分子フィルムである無延伸エチレン−ビニル共重合体(EVOH)フィルムを使用することにより、該フィルムの熱収縮によるエッジプロテクトの先端部や蒸着フィルムとのラミネート部分における剥がれがなくなり、高バリア性を維持できるようになった。尚、無延伸にすることにより、単独フィルムでは吸水率が上がり加工性に若干支障を生じるので、前記無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのエチレン含有量を40モル%以上にすることが加工性を向上させるのには好ましい。
また、前記ヒートシール性樹脂の密度を0.93〜0.95の範囲内にすることにより、胴部の内面側に露出した積層材料の端面をエッジプロテクト加工する際にヒートシール時の冷却不足により、該端部保護部材の先端部に発生する樹脂埋まり不良も生じることなく、高バリア性を維持できるようになった。さらに、MFRを1〜10の範囲内にすることが好ましい。
さらに、前記ヒートシール性樹脂層/無機化合物蒸着フィルム層/バリア性高分子フィルム層/ヒートシール性樹脂層からなる積層材料の各層間を接着性樹脂で、ラミネートすることにより、該端部保護部材の先端部にも接着性樹脂がコーティングされ、容器加工時の熱で接着性樹脂を再溶融でき、成形条件に左右されることなく密着が良好になり、高バリア性を維持できるようになった。特に、酸変性ポリエチレンを用いることが最適である。さらに前記接着性樹脂の膜厚を3〜30μmの範囲内にすることが好ましい。
次に、もう一方のバリア層として、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物等からなる無機化合物蒸着フィルムを使用し、その蒸着層面に水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる水性被覆層を形成したことにより、より一層の高バリア性を維持できるようになった。
本発明に係る端部保護部材、およびその端部保護部材を用いた筒状紙容器の実施の形態を図1〜図9に基づいて詳細に説明するが、それに限定されるものではない。尚、前記筒状紙容器の形状は、四角柱(方形)で四隅が角丸状に限定されるものではなく、円筒状等各種の形状が考えられる。
図1は本発明に係る端部保護部材の積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図2は本発明に係る端部保護部材の積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図3は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の1実施例を示す斜視図であり、図4は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の内面側に露出した胴部積層材料端面を保護した構造の1実施例を示す側断面図であり、図5は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の1実施例を示す側断面図であり、図6は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の胴部に用いる積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図7は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の胴部に用いる積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図であり、図8は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の蓋体および底体に用いる積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図であり、図9は本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の蓋体および底体に用いる積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。
本発明に係る1実施例の端部保護部材(P)は、少なくとも、紙層を基材として、バリア層を有する積層材料を成形してなる筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材であって、図1に示すように、第1のフィルム基材層(12)の片面にヒートシール
性樹脂層(10)を設け、該第1のフィルム基材層(12)のもう一方の面にバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層(18)、蒸着フィルム基材層(13)上に無機化合物蒸着層(14)を設けた無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)、ヒートシール性樹脂層(15)を順次積層した積層材料から構成されている。そして、前記バリア層(16)を形成する無機化合物蒸着フィルムの無機化合物蒸着層(14)面とバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層(18)が向き合うように配置し、且つ、無機化合物蒸着フィルム側が内容物に接する側に配置されている。すなわち、図の下側が容器の内容物と接する側に配置されている。また、前記第1のフィルム基材層(12)は、必要に応じて積層されるもので、除くこともできる。
このように前記端部保護部材(P)は、少なくとも、バリア層(16)と高分子バリア層(18)とからなるバリア材(20)を配置し、該バリア材(20)の表裏にヒートシール性樹脂層(10、15)を設けたことを特徴とする端部保護部材である。
前記バリア性高分子フィルムが無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムを用いることが重要である。このように無延伸エチレン−ビニル共重合体(EVOH)フィルムを使用することにより、従来の延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムの場合に発生する、すなわち該フィルムの延伸程度により、熱収縮によるエッジプロテクトの先端部や蒸着フィルムとのラミネート部分に剥がれが生じる場合がある問題が完全になくなり、バリア性を低下させることなく、高バリア性を維持できるようになる。
尚、無延伸にすることにより単独フィルムでは吸水率が上がり加工性に若干支障を生じるので、前記無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルムのエチレン含有量を40モル%以上にすることが加工性を向上させるのには好ましい。
次に、前記バリア材(20)のバリア層(16)が無機化合物蒸着フィルムであることが好ましく、特に、該蒸着フィルム基材層(13)上に無機化合物蒸着層(14)を形成する無機化合物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物であることが好ましい。
このように無機化合物蒸着フィルムを用いることにより、内容物保存のための一定のバリア性を有することができるが、さらに、本発明に係るその他の実施例の端部保護部材(P)は、図2に示すように、前記バリア層(16)の無機化合物蒸着フィルムの蒸着層(14)面に水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなる水性被覆層(17)を形成することにより、高バリア性を維持できるバリア材(21)が形成され、内容物を長期間保存することが可能になる。
次に、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)の密度が0.93〜0.95の範囲内であることが好ましい。この範囲内の密度を有するヒートシール性樹脂を用いることにより、容器胴部の内面側に露出した積層材料の端面をエッジプロテクト加工する際にヒートシール時の冷却不足により、該端部保護部材の先端部に発生する樹脂埋まり不良も生じることなく、高バリア性を維持できるようになる。尚、該密度が0.93未満であると、該端部保護部材の先端部に樹脂埋まり不良を生じ、バリア性を低下させる。逆に0.95を超えると、ヒートシール時の冷却不足により、エッジプロテクト加工する際のヒートシール強度が弱くなる。
さらに、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)のMFRが1〜10の範囲内である
ことが好ましい。尚、該MFRが1未満であると、エッジプロテクト加工する際のヒートシール強度が弱くなり、逆に10を超えるとヒートシール時の冷却不足により、エッジプロテクト加工する際のヒートシール強度が弱くなる。
次に、前記端部保護部材(P)を構成するバリア層(16)と高分子バリア層(18)および該表裏に存在するヒートシール性樹脂層(10、15)の貼り合わせに接着性樹脂を用いることが好ましい。特に、前記接着性樹脂に酸変性ポリエチレンを用いることが最適である。さらに膜厚が3〜30μmの範囲内であることが好ましい。
このように従来、用いられていた2液硬化型接着剤の代わりに接着性樹脂をラミネート用接着剤として用いることで該端部保護部材の先端部にも接着性樹脂がコーティングされ、容器加工時の熱で接着性樹脂を再溶融でき、成形条件に左右されることなく密着が良好になり、高バリア性を維持できるようになる。特に、接着性樹脂として、酸変性ポリエチレンを用いることが好ましい。
次に、前記端部保護部材(P)を用いて作製される筒状紙容器(C)について、詳細に説明する。
前記筒状紙容器(C)の胴部(1)は、図3に示すように、容器内面となる胴部積層材料の端面部分(6)に端部保護加工(エッジプロテクト加工)を施して筒状に成形されている。すなわち、前記端部保護部材(P)を用いて、図4に示すように、容器の胴部(1)に用いる積層材料(1a)の内容物に接する胴部積層材料端面(1b)を覆うようにして該端部保護部材(P)を設ける。
このようにして該筒状紙容器(C)は、図3に示すように、容器内面となる胴部積層材料の端面部分(エッジプロテクト加工部)(6)に端部保護加工(エッジプロテクト加工)を施して筒状に成形した胴部(1)、この胴部(1)の上下に蓋体(2)、および底体(3)を配置し、図5に示すように、該蓋体(2)、および底体(3)の端縁を折り返した折り返し部を、胴部(1)の両端をそれぞれ折り曲げて、重ね合わせ、ヒートシールにより一体化した容器である。ここで、蓋体(2)には飲み口(4)を設け、この飲み口(4)を封止材料(5)で被覆密封している。
次に、該筒状紙容器(C)を形成する胴部(1)、蓋体(2)および底体(3)に用いる積層材料の層構成について、詳細に説明する。
該筒状紙容器(C)の胴部(1)に用いる積層材料の1実施例の層構成は、図6において、(10)、(15)はヒートシール性樹脂層であり、(11)は紙層、(12)は第1のフィルム基材層、(13)は蒸着フィルム基材層、(16)は蒸着フィルム基材層(13)上に無機化合物蒸着層(14)を形成してなる無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層である。そして、図の上側が容器としたときの容器外側、図の下側が容器としたときの容器内側となるように配置される。
図7は、該筒状紙容器(C)の胴部(1)に用いる積層材料のその他の実施例の層構成であり、図6において、無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)の無機化合物蒸着層(14)面に水性被覆層(17)を設けた構成を示している。
図8において、該筒状紙容器(C)の蓋体(2)および底体(3)に用いる積層材料の1実施例の層構成は、(10)、(15)はヒートシール性樹脂層であり、(11)は紙層、(12)は第1のフィルム基材層、(19)は第2のフィルム基材層、(18)はバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層、(13)は蒸着フィルム基材層、(16
)は蒸着フィルム基材層(13)上に無機化合物蒸着層(14)を形成してなる無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層である。(20)はバリア層(16)と高分子バリア層(18)とを配置してなるバリア材である。そして、前記バリア層(16)を形成する無機化合物蒸着フィルムの無機化合物蒸着層(14)面とバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層(18)が向き合うように配置し、且つ、容器としたとき前記バリア層(16)側が容器内側に、前記高分子バリア層(18)側が容器外側に配置される。すなわち、図の上側が容器としたときの容器外側、図の下側が容器としたときの容器内側となるように配置される。
さらに、図9において、該筒状紙容器(C)の蓋体(2)および底体(3)に用いる積層材料のその他の実施例の層構成は、図8に示した積層材料を構成する無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)の無機化合物蒸着層(14)面に水性被覆層(17)を設けた構成を示している。(21)は高分子バリア層(18)と水性被覆層(17)とバリア層(16)とを順次配置してなるバリア材である。そして、前記水性被覆層(17)と高分子バリア層(18)が向き合うように配置し、且つ、容器としたとき前記バリア層(16)側が容器内側に、前記高分子バリア層(18)側が容器外側に配置される。すなわち、図の上側が容器としたときの容器外側、図の下側が容器としたときの容器内側となるように配置される。
このように該筒状紙容器(C)は、表面にヒートシール性樹脂層(10)を設けた紙層(11)を基材とし、この基材の内側に、少なくともバリア材として無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)を配置し、該バリア層(16)の内側にヒートシール性樹脂層(15)を設けた積層材料を、端部保護加工(エッジプロテクト加工)を施して筒状に成形した胴部(1)と、表面にヒートシール性樹脂層(10)を設けた紙層(11)を基材とし、この基材の内側に、少なくともバリア材(20)としてバリア性高分子フィルムからなる高分子バリア層(18)と無機化合物蒸着フィルムからなるバリア層(16)とを配置し、該バリア材(20)の内側にヒートシール性樹脂層(15)を設けた積層材料からなる蓋体(2)および底体(3)とで構成されていることを特徴とする筒状紙容器である。
次に、本発明に係る端部保護部材、およびその端部保護部材を用いた筒状紙容器に用いられる積層材料を構成している各種材料等について詳細に説明する。
前記第1、第2のフィルム基材層(12、19)および蒸着フィルム基材層(13)を構成する、第1、第2のフィルム基材および蒸着フィルム基材は、フィルム状のものであって、通常包装材料として用いられるプラスチックフィルムが使用できる。特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの延伸又は無延伸フィルムを使用することができる。その中でも耐熱性、強度、蒸着適性等の点からポリエステルフィルム、ポリアミドフィルムが好ましい。また、これらのフィルムの厚さは、特に限定されないが、6〜300μm程度が好ましく、可撓性からして、より好ましくは、6〜25μmである。これらのプラスチックフィルムは、単独で使用してもよく、積層して用いてもよい。酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物を蒸着形成する場合は、光線透過率は、好ましくは全光線透過率で50%以上、より好ましくは80%以上のものである。また、このフィルムとしてプラスチック以外に、紙または紙を含む積層材を使用することも可能である。
前記第1、第2のフィルム基材および蒸着フィルム基材には、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等の公知の添加剤を、必要に応じて適宜添加してもよい。
さらに、前記蒸着フィルム基材の蒸着を施す表面を必要に応じて、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガスもしくは窒素ガス等を用いて低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品等を用いて処理する酸化処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
前記の表面処理は、蒸着層を形成する前に別工程で実施してもよく、また、例えば、低温プラズマ処理やグロー放電処理等による表面処理の場合は、蒸着層を形成する前処理としてインライン処理により前処理を行うことができ、このような場合は、その製造コストを低減することができるという利点がある。
前記の密着性を改善する方法として、その他、例えば、フィルム基材表面に、予め、プライマーコート剤層、アンダーコート剤層、あるいは、蒸着アンカーコート剤層等を任意に形成することもできる。前記の前処理のコート剤層としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、その他等をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を用いることができる。
また、前記コート剤層の形成方法としては、例えば、溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のコート剤法を使用し、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法を用いてコートすることができる。また、コロナ処理、アンカーコート処理等の表面改質を行い、蒸着層の密着性を向上させることも可能である。
前記無機化合物蒸着層(14)は、珪素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、錫、マグネシウム等の酸化物、窒化物、弗化物の単体、あるいはそれらの複合物からなり、その中では、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物が好ましいが、特に、酸化アルミニウム、酸化珪素がより好ましい。
また、無機化合物蒸着層(14)の厚さは、5〜300nmの範囲内が好ましい。薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類、構成等により最適条件が異なるが、その値は適宜選択される。膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや、膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は、薄膜に柔軟性を保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがあるので、10〜150nmの範囲内であることがより好ましい。
前記の無機化合物蒸着層(14)を形成する方法としては、種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD法)等を用いることもできる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も好ましい。
また、前記筒状紙容器の胴部積層材料端面(1b)を保護する端部保護部材(P)に用いる積層材料として、図2に示す無機化合物蒸着層(14)上に水性被覆層(17)を設けた構成、胴部(1)に用いる積層材料として、図7に示す無機化合物蒸着層(14)上に水性被覆層(17)を設けた構成、蓋体(2)および底体(3)に用いる積層材料として、図9に示す無機化合物蒸着層(14)上に水性被覆層(17)を設けた構成とするこ
とで、さらにバリア性を向上させることができる。
前記水性被覆層(17)は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤からなる。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなどの処理を行なったものを混合した溶液を、蒸着フィルムの無機化合物蒸着層(14)上に塗布(コーティング)、加熱乾燥し、形成したものである。
前記水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン、澱粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、及びアルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
特に、ポリビニルアルコール(PVA)は、ガスバリア性が優れているので好ましく、ここでいうポリビニルアルコール(PVA)は、一般にポリ酢酸ビニルを鹸化して得られるもので、例えば酢酸基が数十%残存している、所謂部分鹸化ポリビニルアルコール(PVA)から酢酸基が数%しか残存していない完全鹸化ポリビニルアルコール(PVA)などを含み、特に限定されるものではない。
前記塩化錫は、塩化第一錫、塩化第二錫、或いはそれらの混合物であり、またこれら塩化錫の無水物及び水和物なども使用できる。
次に、前記金属アルコキシドおよびその加水分解物とは、テトラエトキシシラン[Si(O−C254]、トリプロポキシアルミニウム[Al(OC373]など、一般式、M(OR)n(式中、M:Si、Zr、Ti、Alなどの金属元素、R:CH3、C25などのアルキル基、n:金属元素の酸化数)で表される化合物、あるいはその加水分解物である。中でもテトラエトキシシラン、トリプロポキシアルミニウムあるいはその両者の化合物が、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
前述した各成分を単独またはいくつかを組み合わせてコーティング剤に加えることができ、さらに、該コーティング剤には、そのガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、或いは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を、必要に応じて加えることができる。
例えば、該コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するものが好ましい。このようなイソシアネート化合物として、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート(TTI)、テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)等のモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
前記水性被覆層(17)を蒸着フィルムの無機化合物蒸着層(14)上に塗布(コーティング)する方法は、グラビアロールコーティング方式、リバースロールコーティング方式などの公知の方法で塗布した後、加熱、乾燥して形成される。
その際の該水性被覆層(17)の厚さは、コーティング剤の種類によって異なるが、乾燥後の厚さが、0.01〜50μmの範囲内にあることが好ましい。該乾燥後の厚さが、0.01μm未満では、十分なガスバリア性が得られず、50μmを超える場合は、塗膜にクラックが入り易く、ガスバリアに悪影響を及ぼすので好ましくない。
次に、前記高分子バリア層(18)を構成するバリア性高分子フィルムとしては、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、もしくはそのエチレン成分および/またはテレフタレート成分の一部を多価アルコール成分またはジカルボン酸成分で共重合ないし変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、MXDナイロン(三菱瓦斯化学工業株式会社製、商品名)等のポリアミド系樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール系樹脂、その他等の樹脂を使用することができる。
前記の樹脂の中でも、保香性を有すると共に酸素ガスあるいは水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂を使用することが好ましく、具体的には、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に富む樹脂を使用することができる。
前記において、特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)としては、エチレンの含有量は、20〜65モル%程度、ケン化度は、90%以上のものが好ましい。また、本発明においては、前記のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)に、他の樹脂、例えば、プロピレン、イソブテン、4−メチル−ペンテン、ヘキセン等のα−オレフィン、イタコン酸、メタクリル酸等のカルボン酸あるいはその塩類、エステル、無水物、また、ビニルトリメトキシシラン等のシラン化合物等の重合体を含有させてもよく、この場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体のガスバリア性に影響を与えない程度の添加量であることが好ましい。
前記に列挙したバリア性高分子フィルムの中でも、該筒状紙容器の胴部積層材料端面(1b)を保護する本発明の端部保護部材(P)に用いる積層材料としては、特に、無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムが好ましく、エチレンの含有量が、40モル%以上がより好ましい。
次に、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)を構成するヒートシール樹脂としては、押し出し成形が可能な熱可塑性樹脂であり、且つ、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、例えば、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などの樹脂、またはこれらの樹脂を成膜化したフィルムを使用することができる。
尚、前記のような樹脂を使用して熱可塑性樹脂層の2層を形成する際には、同種の樹脂、あるいは、異種の樹脂を組み合わせて形成することができ、具体的には、例えば、同種のポリエチレン系樹脂を使用して形成してもよく、また、異種のポリエチレン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体、または、ポリエチレン系樹脂とエチレン−メタクリル酸共重合体とを使用して形成することもできる。
前記のような樹脂の中でも、該筒状紙容器の胴部積層材料端面(1b)を保護する端部保護部材(P)に用いる積層材料としては、特に、密度が0.93〜0.95の範囲内の低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)を使用することが最適である。さらにMFRが1〜10の範囲内のものが好ましい。
また、前記ヒートシール性樹脂層(10、15)の厚さは、端部保護部材、筒状紙容器の胴部、蓋体、底体に用いる積層材料、およびその表裏によって異なるが、ヒートシール強度、加工性などを考慮すると、15〜200μmの範囲内であることが好ましく、20〜60μmの範囲内がより好ましい。
次に、前記端部保護部材(7)を構成するバリア層(16)と高分子バリア層(18)および該表裏に存在するヒートシール性樹脂層(10、15)の積層方法、および、筒状紙容器の胴部(1)、蓋体(2)および底体(3)の積層材料の積層方法としては、例えば、ラミネート用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ション法、あるいは、溶融押出し接着性樹脂による溶融押出し樹脂層を介して積層する押し出しラミネーション法等で行なうことができる。
前記において、ラミネート用接着剤としては、例えば、1液、あるいは2液型の硬化ないし非硬化タイプのビニル系、(メタ)アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系、その他等の溶剤型、水性型、あるいは、エマルジョン型等のラミネート用接着剤を使用することができる。
前記のラミネート用接着剤のコーティング法としては、例えば、グラビアロールコーティング方式、リバースロールコーティング方式などの公知の方法で塗布することができる。そのコーティング量としては、0.1〜10g/m2(乾燥状態)程度、より好ましくは、1〜5g/m2(乾燥状態)程度が望ましい。
尚、前記のラミネート用接着剤には、例えば、シランカップリング剤等の接着促進剤を任意に添加することができる。
次に、前記において、溶融押出し接着性樹脂としては、前述の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂を同様に使用することができる。該溶融押出し接着性樹脂としては、特に、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂、酸変性ポリエチレンを使用することが好ましい。前記溶融押出し接着性樹脂による溶融押出し樹脂層の膜厚としては、5〜100μm程度が好ましい。
ところで、本発明の端部保護部材(7)を構成するバリア層(16)と高分子バリア層(18)および該表裏に存在するヒートシール性樹脂層(10、15)の積層方法においては、特に、ラミネート用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ション法ではなく、溶融押出し接着性樹脂による溶融押出し樹脂層を介して積層する押し出しラミネーション法を使用することが最適である。該接着性樹脂として、特に酸変性ポリエチレンを使用することが好ましい。さらに該接着性樹脂の膜厚が3〜30μmの範囲内が好ましい。
次に、該筒状紙容器を構成する容器外側となる紙層表面に、通常、印刷層(図示せず)を設ける。この印刷層は、例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料および可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、公知のグラビア印刷方式、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式等を用いることができる。
以下に、本発明に係る端部保護部材、およびその端部保護部材を用いた筒状紙容器について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明するが、それに限定されるものではない。
<実施例1>
本発明の端部保護部材およびその端部保護部材を用いた筒状紙容器を構成する胴部、蓋体、底体について各々の積層材料を作製した。尚、各層の数値は厚さ(μm)を示す。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/高分子バリア層(無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15、エチレン含有量32モル%)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<胴部積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE20)/紙層(320g/m2)/第1のフィルム基材層(PET12)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE60)からなる構成の胴部積層材料を作製した。
<蓋体積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/紙層(250g/m2)/第2のフィルム基材層(PE55)/第1のフィルム基材層(PET12)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE60)からなる構成の蓋体積層材料を作製した。
<底体積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE20)/紙層(200g/m2)/第2のフィルム基材層(PE35)/第1のフィルム基材層(PET12)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE60)からなる構成の底体積層材料を作製した。
前記積層材料を、エッジプロテクト加工を施して筒状に成形した胴部、この胴部の上下に方形の蓋体、および底体を配置し、蓋体、および底体の端縁を折り返した折り返し部を、胴部の両端をそれぞれ折り曲げて、重ね合わせ、ヒートシールにより一体化した200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<実施例2>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/高分子バリア層(無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15、エチレン含有量44モル%)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例3>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/高分子バリア層(2軸延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15、エチレン含有量32モル%)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例4>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(密度0.94、低密度ポリエチレン40)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(密度0.94、低密度ポリエチレン40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例5>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(密度0.92、低密度ポリエチレン40)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(密度0.92、低密度ポリエチレン40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例6>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(密度0.96、低密度ポリエチレン40)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/ヒートシール性樹脂層(密度0.96、低密度ポリエチレン40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例7>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/接着性樹脂層(酸変性ポリエチレン5)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/接着性樹脂層(酸変性ポリエチレン5)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/接着性樹脂層(酸変性ポリエチレン5)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例8>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/接着剤層(2液硬化型ポリウレタン接着剤5)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/接着性樹脂層(酸変性ポリエチレン5)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/接着剤層(2液硬化型ポリウレタン接着剤5)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<実施例9>
実施例1において、端部保護部材積層材料を下記の構成に変更した以外は実施例1と同様にして200ml容量の筒状紙容器を作製した。
<端部保護部材積層材料>
ヒートシール性樹脂層(PE40)/接着剤層(2液硬化型ポリウレタン接着剤5)/高分子バリア層(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム15)/接着剤層(2液硬化型ポリウレタン接着剤5)/バリア層(酸化アルミニウム/PET12)/接着剤層(2液硬化型ポリウレタン接着剤5)/ヒートシール性樹脂層(PE40)からなる構成の端部保護部材積層材料を作製した。
<評価>
前記で得られた筒状紙容器の酸素透過度を下記の測定方法に基づいて酸素バリア性を評価した。その結果を表1に示す。
<酸素透過度測定方法>
酸素透過率測定装置(モダンコントロール社、OX−TRAN(登録商標)−2/20)を用いて、30℃−70%RH中の雰囲気下で測定した。
Figure 2008207814
表1には、各々の実施例で得られた筒状紙容器の酸素透過度を記した。
<評価結果>
表1より、実施例1、4、7の端部保護部材を用いた筒状紙容器の酸素透過度が、0.001〜0.004(ml/pkg/day/0.02MPa)であり、酸素バリア性に優れていた。このように本発明の端部保護部材を用いることで、例えば、内容物として100%濃度のジュースなどの容器や、内容物を長期間保存してもバリア性が維持できる高バリア性を有し、容器としての剛性、落下強度に優れ、使用後の廃棄処理が容易な、高機能性液体紙容器としての実用性の高い筒状紙容器を提供することができる。
本発明に係る端部保護部材の積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材の積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の1実施例を示す斜視図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の内面側に露出した胴部積層材料端面を保護した構造の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の胴部に用いる積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の胴部に用いる積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の蓋体および底体に用いる積層材料の層構成の1実施例を示す側断面図である。 本発明に係る端部保護部材を用いた筒状紙容器の蓋体および底体に用いる積層材料の層構成のその他の実施例を示す側断面図である。
符号の説明
C・・・筒状紙容器
P・・・端部保護部材
1・・・胴部
1a・・・胴部積層材料
1b・・・胴部積層材料端面
2・・・蓋体
3・・・底体
4・・・飲み口
5・・・封止材料
6・・・胴部積層材料の端面部分(エッジプロテクト加工部)
10、15・・・ヒートシール性樹脂層
11・・・紙層
12・・・第1のフィルム基材層
13・・・蒸着フィルム基材層
14・・・無機化合物蒸着層
16・・・バリア層
17・・・水性被覆層
18・・・高分子バリア層
19・・・第2のフィルム基材層
20、21・・・バリア材

Claims (12)

  1. 少なくとも、紙層を基材として、バリア層を有する積層材料を成形してなる筒状紙容器の胴部積層材料端面を保護する端部保護部材であって、前記端部保護部材(P)が少なくとも、バリア層(16)と高分子バリア層(18)とからなるバリア材(20)を配置し、該バリア材(20)の表裏にヒートシール性樹脂層(10、15)を設けたことを特徴とする端部保護部材。
  2. 前記バリア材(20)のバリア層(16)が無機化合物蒸着フィルムからなり、高分子バリア層(18)がバリア性高分子フィルムからなることを特徴とする請求項1記載の端部保護部材。
  3. 前記バリア性高分子フィルムが無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムであることを特徴とする請求項2記載の端部保護部材。
  4. 前記無延伸エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルムのエチレン含有量が40モル%以上であることを特徴とする請求項3記載の端部保護部材。
  5. 前記無機化合物が酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項記載の端部保護部材。
  6. 前記バリア層(16)の無機化合物蒸着フィルムの蒸着層(14)面に水性被覆層(17)を形成したことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項記載の端部保護部材。
  7. 前記水性被覆層(17)が、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよびその加水分解物、または(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなることを特徴とする請求項6記載の端部保護部材。
  8. 前記ヒートシール性樹脂層(10、15)の密度が0.93〜0.95の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の端部保護部材。
  9. 前記ヒートシール性樹脂層(10、15)のMFRが1〜10の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の端部保護部材。
  10. 前記端部保護部材(7)を構成するバリア層(16)と高分子バリア層(18)および該表裏に存在するヒートシール性樹脂層(10、15)の貼り合わせに接着性樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の端部保護部材。
  11. 前記接着性樹脂が酸変性ポリエチレンであることを特徴とする請求項10記載の端部保護部材。
  12. 前記接着性樹脂の膜厚が3〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項10又は11記載の端部保護部材。
JP2007043585A 2007-02-23 2007-02-23 端部保護部材 Pending JP2008207814A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007043585A JP2008207814A (ja) 2007-02-23 2007-02-23 端部保護部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007043585A JP2008207814A (ja) 2007-02-23 2007-02-23 端部保護部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008207814A true JP2008207814A (ja) 2008-09-11

Family

ID=39784472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007043585A Pending JP2008207814A (ja) 2007-02-23 2007-02-23 端部保護部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008207814A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9023445B2 (en) 2011-10-14 2015-05-05 Kellogg North America Company Composite containers for storing perishable products

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9023445B2 (en) 2011-10-14 2015-05-05 Kellogg North America Company Composite containers for storing perishable products

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5685883B2 (ja) 液体用紙容器
JP4763005B2 (ja) 積層体
JP2008194483A (ja) 積層体
JP2019059511A (ja) 包装袋
JP2022007902A (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP6984718B1 (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP2012111521A (ja) 包装袋
JP2007210640A (ja) プルタブ、該プルタブを有する紙容器および紙容器入り飲料
JP2009096155A (ja) 多層積層フィルム
JP5682223B2 (ja) 液体用紙容器
JP2000263727A (ja) 積層材およびそれを使用した包装用容器
JP2004050605A (ja) 積層体
JP2008265096A (ja) ガスバリア性透明フィルム、およびそれを用いたガスバリア性透明包装体
JP2003154614A (ja) 深絞り包装用共押出複合フィルム及び深絞り包装体
JP2008207814A (ja) 端部保護部材
WO2021100770A1 (ja) 蒸着樹脂フィルム、該蒸着樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
JP2003145699A (ja) 深絞り包装用共押出複合フィルム及び深絞り包装体
JP2022007899A (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
WO2009050899A1 (en) Heat sealable, retortable laminated foil
JP2010076342A (ja) 易開封性、透明性、およびガスバリア性を有する多層積層フィルム
JP2001081216A (ja) バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP4806906B2 (ja) 筒状紙容器
JP2005263274A (ja) 筒状紙容器
JP6984717B1 (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器
WO2021100771A1 (ja) 印刷樹脂フィルム、該印刷樹脂フィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器、並びにポリエステルフィルムを備える積層体及び該積層体を備える包装容器