JP2008207193A - 鋳型及び鋳型内観察方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線を照射して、鋳造時、溶湯内の微小な欠陥の挙動を観察することのできる鋳型及び鋳型内観察方法を提供する。
【解決手段】本鋳型5aは、X線が照射される部位9の、鋳型5aの対向する壁部6、6のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材7a、7aを配設しているので、X線を鋳型5aのX線透過材7a、7aが配置された部位9に照射すると、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を観察することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、鋳造時、X線を照射して、溶湯の挙動を観察すべく構成された鋳型及び鋳型内観察方法に関するもので、特に、X線の照射により、鋳造時、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を可視化できる鋳型及び鋳型内観察方法に関するものである。
一般に、対象物の内部状況を非破壊で観察する方法として、X線を対象物に照射し、対象物を透過したX線の強度差により画像を作成して、その画像により対象物の内部状況を観察する方法が多くの分野で採用されている。
そこで、鋳造時、鋳型内の溶湯の挙動を観察する際にも、X線を鋳型に照射して観察する方法が採用されており、その際には、図7に示すように、X線が照射される鋳型50の各壁部6に薄壁部6aを形成することでX線透過性を向上させて、鋳型50内の溶湯の挙動を観察していた。
しかしながら、従来の鋳型50では、鋳型50の各壁部6を構成する材料が鉄鋼材料のSKD材が採用されておりX線透過性が良好ではないため、溶湯の充填完了後に鋳造圧を付加した際、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動まで観察することができなかった。
そのために、図7に示す鋳型50の各壁部6を極力薄肉化して、鋳造圧を付加した際、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動まで観察しようとすると、該鋳型50が、付加される鋳造圧に耐えることができず、鋳型50の変形や溶湯の飛散等が発生する虞があり、従来の鋳型50では、溶湯内の微小な欠陥の挙動まで観察するための可視能力に限界があった。
そこで、X線を照射して、対象物の内部欠陥を検出する従来技術として特許文献1には、X線を鋳造製品に照射し、該鋳造製品を透過した透過X線を検出し、該検出された透過X線に基いて前記鋳造製品が、無欠陥である場合の透過X線を算出し、前記検出された透過X線と算出されたX線とを比較して鋳造製品の内部欠陥を検出するX線検査方法が開示されている。
特開2006−105794号公報
しかしながら、上述した特許文献1のX線検査方法は、単に、鋳造製品にX線を照射し、その内部欠陥を検知するものであり、鋳造時、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を経時的に観察するべく鋳型の構造を工夫しているものではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、X線を照射して、鋳造時、溶湯内の微小な欠陥の挙動を観察することのできる鋳型及び鋳型内観察方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1に、本発明の鋳型は、X線が照射される、鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して構成されることを特徴としている。
また、第2に、本発明の鋳型内観察方法は、X線が照射される、鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して、X線を前記鋳型内に透過させて溶湯の挙動を観察することを特徴としている。
これにより、鋳型のX線透過材が配設された部位では、X線による鋳型内部の可視化能力が向上して、鋳造時、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を観察することができる。
なお、本発明の鋳型及び鋳型内観察方法の各種態様およびそれらの作用については、以下の(発明の態様)の項において詳しく説明する。
(発明の態様)
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。なお、各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付して、必要に応じて他の項を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載、実施の形態等に参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要件を付加した態様も、また、各項の態様から構成要件を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項乃至(3)項の各々が、請求項1乃至3の各々に相当し、(5)項乃至(8)項の各々が、請求項4乃至7の各々に相当する。
(1)鋳造時、X線を照射して溶湯の挙動を観察すべく構成した鋳型であって、該鋳型は、X線が照射される、該鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して構成されることを特徴とする鋳型。
従って、(1)項の鋳型では、X線透過材が配設された部位において、X線による鋳型内部の可視化能力が向上して、鋳造時、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を観察することができる。
なお、X線透過材は、耐圧性及び耐熱性を考慮しながらX線透過性に優れた、例えば、C/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材),CFRP(炭素繊維/樹脂複合材),FMC(炭素繊維/アルミ複合材),エンジニアリングプラスチック(高機能樹脂)等が適宜採用される。
(2)前記X線透過材は、板状で前記壁部よりも薄肉に形成され、前記鋳型の各壁部の内壁面には、前記X線透過材が固着される凹部が設けられると共に、前記各壁部には、その外壁面から前記凹部の底面に向かって該底面と直交するように貫通された観察孔がそれぞれ形成されることを特徴とする(1)項に記載の鋳型。
従って、(2)項の鋳型では、X線透過材が配設された部位において、X線による鋳型内部の可視化能力が向上して、且つ十分な耐圧性を有するようになる。
(3)前記観察孔は、各壁部に複数形成されることを特徴とする(2)項に記載の鋳型。
従って、(3)項の鋳型では、各壁部に観察孔が複数形成されることから、鋳造圧が鋳型に付加された際、X線透過材の各観察孔部分に作用する応力を低減させることができる。
(4)前記各X線透過材は、前記各壁部の凹部に接着固定されることを特徴とする(2)項または(3)項に記載の鋳型。
従って、(4)項の鋳型では、X線透過材を壁部の凹部にボルト固定される形態に比べて、鋳型に鋳造圧が付加された際、応力が集中せず、応力を接着面全体に分散させることができる。
(5)前記X線透過材は、有底筒部と、該有底筒部の端部に設けた取付部とから形成され、一方、前記鋳型の対向する壁部にはそれぞれ開口部が形成されて、各開口部に前記各X線透過材の有底筒部がそれぞれ各底壁部が対向するように挿入されて、前記各X線透過材の取付部が前記鋳型の各壁部に取り付けられることを特徴とする(1)項に記載の鋳型。
従って、(5)項の鋳型では、鋳型の可視化能力が向上される部位を最大限広げることができる。
(6)前記X線透過材は、炭素繊維強化炭素複合材料で形成されることを特徴とする(1)項〜(5)項のいずれかに記載の鋳型。
(7)前記炭素繊維強化炭素複合材料からなるX線透過材は、X線が照射される前記鋳型の各壁部に配置された際、その板厚の合計が10mm〜20mmの所定値に設定されることを特徴とする(6)項に記載の鋳型。
従って、(6)項及び(7)項の鋳型では、X線による鋳型内部の可視化能力が向上して、且つ十分な耐圧性を有するようになる。
(8)鋳造時、X線を照射して鋳型内の溶湯の挙動を観察する鋳型内観察方法であって、X線が照射される、前記鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して、X線を前記鋳型内に透過させて溶湯の挙動を観察することを特徴とする鋳型内観察方法。
従って、(8)項の鋳型内観察方法では、X線による鋳型内部の可視化能力が向上して、鋳造時、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を観察することができる。
本発明によれば、X線を照射して、鋳造時、溶湯内の微小な欠陥の挙動を観察することのできる鋳型及び鋳型内観察方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図6に基いて詳細に説明する。
鋳造時、X線を照射して鋳型内の溶湯の挙動を観察する鋳型内観察装置1は、図1に示すように、X線をパルス状に鋳型5、5aに向かって照射するX線照射装置2と、鋳型5、5aを透過したX線の強度を可視光の強度に変換して透過画像を結像する撮像管3と、該撮像管3が結像した透過画像を撮像する高速度カメラ4と、を備えている。
そして、図2及び図5に示すように、本発明の第1及び第2の実施の形態に係る鋳型5、5aは、X線照射装置2からX線が照射される部位9の、鋳型5、5aの対向する壁部6、6のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材7、7aを配設して構成されている。
なお、鋳型5、5aを構成する各壁部6は、X線透過材7、7aが配置される部位9を除いて鉄鋼材料のSKD材で形成されている。また、鋳型5、5aでX線透過材7、7aが配置される部位9は、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥ができ易い特定の箇所に限られている。
X線照射装置2は、タングステン等からなるターゲットを具備するX線管に、パルス状の直流電流を供給して、X線をパルス状に照射するものである。
撮像管3は、X線の強度を可視光の強度に変換して透過画像を結像するものであり、詳細な図示は省略するが、入口側(図1で右側)から出口側(図1で左側)に拡径された筒状の胴体と、該胴体の入口側に設けられ、イメージインテンシファイアと呼ばれる蛍光体が表面に塗布されたレンズと、胴体の入口側に設けられた二次蛍光面と、を具備している。そして、鋳型5、5aを透過したX線が撮像管3のレンズに塗布された蛍光体に照射されると、該蛍光体はX線の強度に応じて電子を放出し、当該電子が二次蛍光面に衝突して二次蛍光面が可視光を発することにより透過画像が結像される。
高速度カメラ4は、撮像管3が結像した透過画像を撮像するもので、X線照射装置2から照射されるパルス状のX線に同期して開閉するシャッター(図示略)、すなわち、X線照射装置がX線を照射しているときに開き、X線を照射していないときに閉じるシャッターを具備しており、撮像管3が結像した透過画像を撮像できるものである。
X線透過材7、7aは、本実施の形態では、X線透過に優れ、耐圧性及び耐熱性の観点からC/Cコンポジット(炭素繊維強化炭素複合材)が採用されており、該X線透過材7、7aは、X線が照射される、鋳型5、5aの各壁部6にそれぞれ配置された際、板厚の合計が10mm〜20mmの所定値に設定される。
なお、X線透過材7、7aは、C/Cコンポジットの他,X線透過に優れている、CFRP(炭素繊維/樹脂複合材),FMC(炭素繊維/アルミ複合材),エンジニアリングプラスチック(高機能樹脂)等が採用可能となり、耐圧性及び耐熱性等を考慮しその使用環境に基いて適宜採用される。
次に、本発明の第1の実施の形態に係る鋳型5を図2に基いて説明する。
X線透過材7は、有底筒部11と、該有底筒部11の端部に周設した環状取付部12とから構成されており、有底筒部11の底壁部13の板厚は5mmに設定されている。
一方、X線が照射される部位9の、鋳型5の対向する壁部6には、X線透過材7が固着される開口部15がそれぞれ貫通されており、各開口部15の外側端部には、段差部16を形成するように拡径された取付開口部17が形成されている。
そして、各X線透過材7のそれぞれを、有底筒部11側から各壁部6の開口部15に挿入すると共に、各X線透過材7の環状取付部12を、各壁部6の開口部15に設けた取付開口部17に合致させて、各X線透過材7の環状取付部12と、各開口部15の段差部16とを各取付ボルト20で固着している。
そこで、上述した第1の実施の形態に係る鋳型5(図2参照)と、従来の、薄壁部6aを有する鋳型50(図7参照)とにおいて、X線透過性、すなわち、X線の照射による鋳型5、50内の可視能力を比較検証した結果を以下に示す。
テストピース21は、図3に示すように、板状でその厚みが8mmに設定され、片面に穴径及び穴深さの相違した穴22、22が、縦横5列×5列で形成されている。
テストピース21の穴径及び穴深さを詳述すると、図3の図視方向で左から順に第1縦列が穴径φ1mm,第2縦列が穴径φ1.5mm,第3縦列が穴径φ2mm,第4縦列が穴径φ2.5mm,第5縦列が穴径φ3mmに形成され、また、上から順に第1横列が穴深さ1mm,第2横列が穴深さ2mm,第3横列が穴深さ3mm,第4横列が穴深さ4mm,第5横列が穴深さ5mmに形成されている。
次に、従来の鋳型50(図7参照)の各薄壁部6a間に、上述したテストピース21を、各穴22、22の形成されている面がX線照射装置2側になるように挿入する。なお、鋳型50の各薄壁部6a間の距離は8mmに設定されており、テストピース21の両側面と、各薄壁部6aの内壁面との間に隙間は生じない。
同様に、第1の実施の形態に係る鋳型5の各X線透過材7の有底筒部11の底壁部13間に、テストピース21を、各穴22、22の形成されている面がX線照射装置2側になるように挿入する。なお、各X線透過材7の有底筒部11の各底壁部13間の距離は8mmに設定されており、テストピース21の両側面と、各有底筒部11の底壁部13と間に隙間は生じない。
なお、従来の鋳型50では、各薄壁部6aの板厚の合計は4mmに設定され、第1の実施の形態に係る鋳型5では、各X線透過材7の有底筒部11の底壁部13の板厚の合計が10mmに設定されており、これらの設定値は、付加される鋳造圧に耐え得る板厚に設定されている。
そして、X線照射装置2から所定強度のX線をパルス状に照射して、第1の実施の形態に係る鋳型5及び従来の鋳型50それぞれの可視化能力を比較検証した。
その結果、図4(B)に示すように、従来の鋳型50では、点線で囲まれる範囲、すなわち、穴径φ2mm及びφ2.5mmでは穴深さ4mm〜5mmが可視化でき、また、穴径φ3mmでは穴深さ3mm〜5mmが可視化することができ、点線で囲まれる範囲以外は、可視化することができなかった。
一方、図4(A)に示すように、第1の実施の形態に係る鋳型5では、実線で囲まれる範囲、すなわち、穴径φ1mm、φ1.5mm及びφ2mmでは穴深さ3mm〜5mmが可視化でき,穴径φ2.5mm以上になると穴深さ1mm〜5mmが可視化することができ、実線で囲まれる範囲以外は、可視化することができなかった。
この結果の通り、従来の鋳型50よりも第1の実施の形態に係る鋳型5の方がはるかに鋳型内部の微小な形状を可視化できることが解る。
そこで、この試験品では、各有底筒部11の底壁部13の板厚の合計が10mmに設定されているが、実機では、各有底筒部11の底壁部13の板厚の合計が10mm〜20mmの範囲で適宜設定される。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る鋳型5aを図5に基いて説明する。
X線透過材7aは、一辺の長さが50mmの正方形状で厚みが5mmの板状に形成されている。
一方、X線が照射される部位9の、鋳型5aの各壁部6の内壁面には、このX線透過材7aに対応した一辺が50mmで深さが5mmの凹部8が形成されている。また、各壁部6には、その外壁面から凹部8の底面に向かって該底面と直交するように貫通された観察孔10がそれぞれ複数形成される。各壁部6に形成される観察孔10の大きさ及び数量は、鋳造圧の付加によりX線透過材7aに作用するせん断応力の大きさにより適宜決定される。
そして、図5に示すように、X線透過材7aを、鋳型5aの各壁部6に設けた凹部8にそれぞれ挿入して接着剤により固着して、鋳型5a内の各X線透過材7a、7a間の空間がキャビティとして形成される。その結果、各X線透過材7aは、その内壁面全域が鋳型5aのキャビティ側に露出されると共に、その外壁面が各観察孔10を介して鋳型5aの外部に露出される。
なお、第2の実施の形態に係る鋳型5aのように、各X線透過材7aは、鋳型5aの各壁部6の凹部8に接着剤で固着される方が好ましい。なぜなら、各X線透過材7aをボルト固定にすると、鋳造圧が鋳型5aに付加された際に、X線透過材7aのボルト固定部分に応力が集中しその部位から破損し易くなるため、X線透過材7aを接着固定することによりその応力を接着面全体で分散させることができる。
また、図6は、観察孔10の大きさ及び数量が相違された鋳型5aの各形態において、鋳型5aに鋳造圧20MPaが付加された際のX線透過材7aへ作用するせん断応力を比較した図である。
なお、図5に示すように、観察孔10は略正方形状で開口され、該観察孔10が複数形成される場合には、隣接する観察孔10、10は、互いに隙間を開けて格子状に配列される。
そして、図6から解るように、観察孔10が、□40mmの穴1個に設定された場合は、せん断応力115MPaであり、また、□20mmの穴1個に設定された場合は、せん断応力48MPaであり、いずれも限界値11MPaを超えており採用することはできない。また、観察孔10が、□15mmで穴4個,□10mmで穴4個,□10mmで穴9個,□8mmで穴9個のそれぞれで設定された場合は、せん断応力が限界値11MPaより低い値を示しており採用することが可能となる。
この結果の通り、第2の実施の形態に係る鋳型5aの各壁部6に設ける観察孔10は、仮に、観察部位(X線の照射部位)が略□50mm(X線透過材7aの形状)の範囲である場合には、観察孔10の一辺の長さを15mm以下として、観察孔10の数量を4個以上に設定することが好ましい。
なお、本発明の第1及び第2の実施の形態に係る鋳型5、5aは、鋳造圧がそれほど影響しないという前提で、可視化できる範囲を最大限大きくしたい場合には第1の実施の形態に係る鋳型5(図2参照)が採用され、鋳造圧の影響が大の場合には、可視化できる範囲が第1の実施の形態に係る鋳型5よりも若干縮小されるものの第2の実施の形態に係る鋳型5a(図5参照)が採用される。なお、溶湯の鋳型5a内への充填完了後、鋳造圧が付加されるダイカスト鋳造等では、第2の実施の形態に係る鋳型5aが採用される。
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、鋳型5、5aのX線が照射される部位9の各壁部6にX線透過材7、7aを配設したので、X線の照射により、従来の鋳型50では可視化することができなかった、溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動を可視化することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る鋳型5a(図5参照)は、X線透過材7aが板状に形成されており、該X線透過材7aは、鋳型5aの各壁部6の内壁面に設けた凹部8に接着され、各壁部6には、外壁面から凹部8の底面に向かって該底面と直交するように貫通された観察孔10がそれぞれ複数形成される。
これにより、鋳造時、鋳型5aに鋳造圧が付加されても、鋳型5aの変形や破損等の不具合が発生せずに鋳型5aとしての機能を果すと共に、各観察孔10から鋳型5a内で溶湯内の引け巣等の微小な欠陥の挙動まで可視化することができる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る鋳型5aでは、各観察孔10は略正方形状で開口されているが、円形状や楕円形状で開口されても良い。
図1は、X線を照射して鋳型内の溶湯の挙動を観察する鋳型内観察装置の模式図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る鋳型を示した断面図である。 図3は、テストピースの平面図である。 図4は、第1の実施の形態に係る鋳型と従来の鋳型とにおいて、テストピースに設けた各穴の可視能力を比較した図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る鋳型を示した断面図である。 図6は、観察孔の大きさ及び数量が相違された鋳型の各形態に対して、鋳造圧が鋳型に付与された際のX線透過材へ作用するせん断応力を比較した図である。 図7は、従来の鋳型を示す図である。
符号の説明
1 鋳型内観察装置,2 X線照射装置,3 撮像管,4 高速度カメラ,5、5a 鋳型,7、7a X線透過材,6 壁部,8 凹部,10 観察孔,11 有底筒部,12 環状取付部,13 底壁部,15 開口部

Claims (7)

  1. 鋳造時、X線を照射して溶湯の挙動を観察すべく構成した鋳型であって、
    該鋳型は、X線が照射される、該鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して構成されることを特徴とする鋳型。
  2. 前記X線透過材は、板状で前記壁部よりも薄肉に形成され、前記鋳型の各壁部の内壁面には、前記X線透過材が固着される凹部が設けられると共に、前記各壁部には、その外壁面から前記凹部の底面に向かって該底面と直交するように貫通された観察孔がそれぞれ形成されることを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
  3. 前記観察孔は、各壁部に複数形成されることを特徴とする請求項2に記載の鋳型。
  4. 前記X線透過材は、有底筒部と、該有底筒部の端部に設けた取付部とから形成され、一方、前記鋳型の対向する壁部にはそれぞれ開口部が形成されて、各開口部に前記各X線透過材の有底筒部がそれぞれ各底壁部が対向するように挿入されて、前記各X線透過材の取付部が前記鋳型の各壁部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の鋳型。
  5. 前記X線透過材は、炭素繊維強化炭素複合材料で形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鋳型。
  6. 前記炭素繊維強化炭素複合材料からなるX線透過材は、X線が照射される前記鋳型の各壁部に配置された際、その板厚の合計が10mm〜20mmの所定値に設定されることを特徴とする請求項5に記載の鋳型。
  7. 鋳造時、X線を照射して鋳型内の溶湯の挙動を観察する鋳型内観察方法であって、
    X線が照射される、前記鋳型の対向する壁部のそれぞれに、X線透過に優れたX線透過材を配設して、X線を前記鋳型内に透過させて溶湯の挙動を観察することを特徴とする鋳型内観察方法。
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