JP2008204636A - シール一体型膜電極接合体を製造するための射出成形金型および製造方法 - Google Patents

シール一体型膜電極接合体を製造するための射出成形金型および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、MEAにシールガスケットを射出成形してシール一体型MEAを製造する際に、MEAの露出部へのシールガスケット材料の含浸を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】シール一体型MEA350を製造するための射出成形金型は、MEA320の周囲に外形キャビティ732を形成する外形キャビティ形成部712と、外形キャビティ732にシールガスケットの材料が射出される際にMEA320の中央面に当接する当接面722を有する当接部720とを備え、当接部720を弾性樹脂で形成したことを特徴とする。
【選択図】図11

Description

本発明は、燃料電池に用いられ膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly、以下、「MEA」という)にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体(以下、「シール一体型MEA」という)を製造するための技術に関する。
燃料電池の構造として、シール一体型MEAとセパレータとを交互に積層したものがある。この燃料電池では、シール一体型MEAにセパレータを介して燃料ガスおよび酸化ガス(本明細書では、これらのガスを「反応ガス」と総称する)が供給されることによって、反応ガスを用いた電気化学的に発電が行われる。シール一体型MEAのシールガスケットは、燃料電池の外部へ反応ガスが漏洩するのを防止する機能や、セパレータ同士を電気的に絶縁する機能を有する。
従来、燃料電池のシール一体型MEAは、金型内の金属面にMEAを載置した後、金型内にシールガスケット材料を射出することによって製造されていた。次の特許文献1には、シール一体型MEAの製造技術が開示されている。
特開2002−42836号公報
従来の製造技術では、シールガスケットから露出させるMEAの露出部に金型金属面を当接させていたが、MEAは多孔体から成る構造を有すると共に厚さにバラツキを有することから、多孔体の連続気孔や、MEAと金型金属面との間を介して、シールガスケット材料がMEAの露出部に含浸してしまう場合があった。MEAの露出部のうちシールガスケット材料が含浸してしまった部分では、反応ガスの電気化学反応が阻害されてしまうため、燃料電池の発電性能が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記した課題を踏まえ、MEAにシールガスケットを射出成形してシール一体型MEAを製造する際に、MEAの露出部へのシールガスケット材料の含浸を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明の一形態である射出成形金型は、燃料電池に用いられ膜電極接合体にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体を製造する射出成形金型であって、前記膜電極接合体の周囲にキャビティを形成するキャビティ形成部と、前記キャビティ形成部によって形成されるキャビティに前記シールガスケットの材料が射出される際に前記膜電極接合体の中央面に当接する当接面を有する当接部とを備え、前記当接部を弾性部材で形成したことを特徴とする。この射出成形金型によれば、MEAに当接する当接部が弾性部材で形成されているため、MEAを金型金属に直接的に当接させるよりも、MEAと当接面との間の密封性を高めることができる。その結果、MEAの露出部にシールガスケット材料が含浸するのを抑制することができる。
上述の射出成形金型は、次の形態を採ることもできる。例えば、前記キャビティ形成部によって形成されるキャビティは、前記シールガスケットの外形を確定する外形キャビティと、前記当接部に隣接する隣接キャビティとを含み、前記隣接キャビティは、前記膜電極接合体の中央面に交差する方向で、前記外形キャビティよりも薄くても良い。これによって、外形キャビティから隣接キャビティに流れるシールガスケット材料の流動抵抗を高めることができるため、シールガスケット材料がMEAの露出部に到達するのを抑制することができる。
また、前記隣接キャビティは、前記膜電極接合体の中央面に交差する方向で、前記外形キャビティよりも狭いと共に、前記当接部に近付くに連れて前記膜電極接合体の中央面に交差する方向に拡張しても良い。これによって、隣接キャビティに進入したシールガスケット材料の圧力は、当接部に近付くに連れて低下するため、シールガスケット材料がMEAの露出部に到達するのを一層抑制することができる。
また、更に、前記膜電極接合体に当接することによって前記隣接キャビティを前記外形キャビティから分断するバッファ分断部を備えても良い。これによって、バッファ分断部によって隣接キャビティが外形キャビティから分断されるため、シールガスケット材料がMEAの露出部に到達するのを一層抑制することができる。また、前記バッファ分断部を弾性部材で形成しても良い。これによって、MEAとバッファ分断部との間の密封性を高めることができる。その結果、MEAの露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。なお、バッファ分断部の弾性部材は、外形キャビティから隣接キャビティへのシールガスケット材料の進入を抑制可能な弾力性を有する樹脂であれば良く、当接部と同じ材質の弾性部材で形成しても良いし、当接部と異なる材質の弾性部材で形成しても良い。
また、前記当接面の外縁部を前記膜電極接合体に向けて凸状に形成しても良い。これによって、当接面の外縁部に当接するMEAの連続気孔が潰れるため、MEAの露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
また、前記膜電極接合体に向けて前記当接部よりも突出した突出部を、該当接部の外周に沿って形成しても良い。これによって、突出部に当接するMEAの連続気孔が潰れるため、MEAの露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
また、前記キャビティ形成部によって形成されるキャビティは、前記シールガスケットの外形を確定する外形キャビティと、前記突出部に隣接する隣接キャビティとを含み、更に、前記隣接キャビティを前記外形キャビティよりも前記シールガスケットの厚さ方向に狭めるバッファ形成部を備えても良い。これによって、突出部による連続気孔の閉塞に加え、外形キャビティから隣接キャビティに流れるシールガスケット材料の流動抵抗を高めることができるため、シールガスケット材料がMEAの露出部に到達するのを一層抑制することができる。
また、本発明の一形態である製造方法は、燃料電池に用いられ膜電極接合体にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体を製造する製造方法であって、弾性部材で形成した当接面を前記膜電極接合体の中央面に当接した状態で、該膜電極接合体の周囲にキャビティを形成する工程と、前記膜電極接合体の周囲に形成されたキャビティに、前記シールガスケットの材料を射出する工程とを備えることを特徴とする。この製造方法によれば、シールガスケット材料がキャビティ内に射出される際に、MEAは、弾性部材で形成された当接部と当接するため、MEAが金型金属と直接的に当接するよりも、MEAと当接部との間の密封性を高めることができる。その結果、MEAの露出部にシールガスケット材料が含浸するのを抑制することができる。
また、本発明の形態は、射出成形金型や製造方法に限るものではなく、例えば、射出成形装置、燃料電池、シール一体型MEAなどの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した燃料電池について説明する。
A.実施例:
A−1.燃料電池の全体構成:
図1は、燃料電池10の全体構成を示す説明図である。燃料電池10は、燃料電池10の外部から供給を受けた反応ガスの電気化学反応によって発電する。本実施例では、燃料電池10は、固体高分子型の燃料電池を含む。本実施例では、燃料電池10で用いられる反応ガスは、水素を含有する燃料ガスと、酸素を含有する酸化ガスとを含む。燃料電池10で用いられる燃料ガスは、水素タンクや水素吸蔵合金に貯蔵した水素ガスであっても良いし、炭化水素系燃料を改質して得られる水素ガスであっても良い。燃料電池10で用いられる酸化ガスは、例えば、外気から取り込んだ空気を用いることができる。
本実施例では、燃料電池10は、燃料ガスを循環して再利用する循環方式の燃料電池である。燃料電池10に供給された燃料ガスは、電気化学反応の進行に伴って、水素濃度が低下し、アノードオフガスとして燃料電池10の外部に排出される。本実施例では、アノードオフガスは、燃料ガスとして再利用される。燃料電池10に供給された酸化ガスは、電気化学反応の進行に伴って、酸素濃度が低下し、カソードオフガスとして燃料電池10の外部に排出される。
図1に示すように、燃料電池10は、膜電極接合体(MEA)320を有するMEAプレート300と、MEAプレート300に反応ガスを供給するセパレータ200とを交互に複数積層することによって、MEAプレート300を二つのセパレータ200で挟み込んだスタック構造を有する。燃料電池10は、交互に複数積層されたセパレータ200およびMEAプレート300を両側から挟持するエンドプレート100,400を備える。本実施例では、エンドプレート100,400、セパレータ200、MEAプレート300は、略同一の長方形に成形された板状部材であり、燃料電池10は、その長方形を断面とする直方体となる。
燃料電池10を構成するエンドプレート100、セパレータ200、MEAプレート300の各部材は、隣接する部材間で相互に連通する複数の貫通孔を有し、これら複数の貫通孔が連通し合うことによって複数の流路が燃料電池10の内部に形成される。本実施例では、燃料電池10の内部に形成される流路は、燃料電池10に供給された燃料ガスを流す流路(図1では、その流れ方向を矢印H_INで示す)と、燃料電池10から排出されるアノードオフガスを流す流路(図1では、その流れ方向を矢印H_OUTで示す)と、燃料電池10に供給された酸化ガスを流す流路(図1では、その流れ方向を矢印A_INで示す)と、燃料電池10から排出されるカソードオフガスを流す流路(図1では、その流れ方向を矢印A_OUTで示す)と、燃料電池10に供給された冷却水を流す流路(図1では、その流れ方向を矢印W_INで示す)と、燃料電池10から排出される冷却水を流す流路(図1では、その流れ方向を矢印W_OUTで示す)とを含む。本実施例では、エンドプレート100に設けられた複数の貫通孔を介して、燃料ガスの供給、アノードオフガスの排出、酸化ガスの供給、カソードオフガスの排出、冷却水の供給、冷却水の排出が、燃料電池10の内部に対して行われる。
燃料電池10のセパレータ200は、反応ガスをMEAプレート300に供給する機能、MEAプレート300で生じた電気を集電する機能、MEAプレート300での反応熱を除去する冷却水を流す機能を備える。セパレータ200は、発電された電気を集電するのに十分な導電性を有すると共に、反応ガスおよび冷却水を流す上で十分な耐久性,耐熱性,ガス不透過性を有する材料から成る。本実施例では、セパレータ200の材料として、ステンレスが用いられるが、チタン,チタン合金などの金属の他、カーボン樹脂,導電性セラミックスであっても良い。本実施例では、セパレータ200は、三枚の平坦な薄板を積層して構成される三層積層型のセパレータであり、セパレータ200は、三枚の薄板として、カソードプレート210と、アノードプレート230と、中間プレート220とを備える。
セパレータ200のカソードプレート210は、セパレータ200の一部としてMEAプレート300のカソード側に接するカソード積層面を構成すると共に、そのカソード積層面にカソード供給口217およびカソード排出口218を形成する。カソードプレート210のカソード供給口217は、MEAプレート300のカソード側に対して酸化ガスを供給する。カソードプレート210のカソード排出口218は、MEAプレート300のカソード側からカソードオフガスを排出する。カソードプレート210は、カソード供給口217およびカソード排出口218に加え、燃料電池10の内部流路の一部を構成する複数の流路を形成し、本実施例では、これら複数の流路は、カソードプレート210に複数の貫通孔を成形することによって構成される。
セパレータ200のアノードプレート230は、セパレータ200の一部としてMEAプレート300のアノード側に接するアノード積層面を構成すると共に、そのアノード積層面にアノード供給口237およびアノード排出口238を形成する。アノードプレート230のアノード供給口237は、MEAプレート300のアノード側に対して燃料ガスを供給する。アノードプレート230のアノード排出口238は、MEAプレート300のアノード側からアノードオフガスを排出する。アノードプレート230は、アノード供給口237およびアノード排出口238に加え、燃料電池10の内部流路の一部を構成する複数の流路を形成し、本実施例では、これら複数の流路は、アノードプレート230に複数の貫通孔を成形することによって構成される。
セパレータ200の中間プレート220は、カソードプレート210とアノードプレート230との間に挟持されセパレータ200の内部に流路221,222,223,224,225を形成する。中間プレート220の流路221は、矢印H_INで示す方向に流れる燃料ガスの一部を、アノードプレート230のアノード供給口237へと分流させる。中間プレート220の流路222は、アノードプレート230のアノード排出口238から排出されるアノードオフガスを、矢印H_OUTで示す方向に流れるアノードオフガスへと合流させる。中間プレート220の流路223は、矢印A_INで示す方向に流れる酸化ガスの一部を、カソードプレート210のカソード供給口217へと分流させる。中間プレート220の流路224は、カソードプレート210のカソード排出口218から排出されるカソードオフガスを、矢印A_OUTで示す方向に流れるカソードオフガスへと合流させる。中間プレート220の流路225は、矢印W_INで示す方向に流れる冷却水の一部を、セパレータ200の内部へと分流させると共に、その分流した冷却水を、矢印W_OUTで示す方向に流れる冷却水へと合流させる。本実施例では、流路221,222,223,224,225は、中間プレート220に複数の貫通孔を成形することによって構成される。
燃料電池10のMEAプレート300は、MEA320にシールガスケット340を射出成形したシール一体型膜電極接合体(以下、「シール一体型MEA」という)350と、MEA320のアノード側の面に燃料ガスを拡散させるアノードガス拡散プレート310と、MEA320のカソード側の面に酸化ガスを拡散させるカソードガス拡散プレート330とを備える。本実施例では、MEAプレート300は、アノードガス拡散プレート310およびカソードガス拡散プレート330をシール一体型MEA350に嵌め込むことによって構成される。
MEAプレート300のアノードガス拡散プレート310は、本実施例では、MEA320と略同一の長方形に成形された板状部材である。アノードガス拡散プレート310は、MEA320とセパレータ200との間を導電するのに十分な導電性を有すると共に、燃料ガスを透過するのに十分な連続した複数の気孔を形成する多孔体から成る。本実施例では、アノードガス拡散プレート310は、発泡金属から成るが、他の実施形態として、金属メッシュであっても良い。アノードガス拡散プレート310は、MEA320のアノード側に接して積層されると共に、MEAプレート300がセパレータ200に挟持された状態で、セパレータ200のアノードプレート230に当接して、アノードプレート230のアノード供給口237から供給された燃料ガスを、MEA320のアノード側に拡散させる。アノードガス拡散プレート310によって拡散された燃料ガスは、アノードオフガスとして、アノードプレート230のアノード排出口238を介してアノードガス拡散プレート310から排出される。
MEAプレート300のカソードガス拡散プレート330は、本実施例では、MEA320と略同一の長方形に成形された板状部材である。カソードガス拡散プレート330は、MEA320とセパレータ200との間を導電するのに十分な導電性を有すると共に、酸化ガスを透過するのに十分な連続した複数の気孔を形成する多孔体から成る。本実施例では、カソードガス拡散プレート330は、発泡金属から成るが、他の実施形態として、金属メッシュであっても良い。カソードガス拡散プレート330は、MEA320のカソード側に接して積層されると共に、MEAプレート300がセパレータ200に挟持された状態で、セパレータ200のカソードプレート210に当接して、カソードプレート210のカソード供給口217から供給された酸化ガスを、MEA320のカソード側に拡散させる。カソードガス拡散プレート330によって拡散された酸化ガスは、カソードオフガスとして、カソードプレート210のカソード排出口218を介してカソードガス拡散プレート330から排出される。
図2は、MEAプレート300のシール一体型MEA350を示す正面図である。図3は、図2に示すシール一体型MEA350のA−A断面を示す断面図である。シール一体型MEA350のシールガスケット340は、MEA320を中央部に取り囲む状態でセパレータ200と略同一の長方形に成形される。本実施例では、シールガスケット340は、シリコンゴム,ブチルゴム,フッ素ゴムなど、弾性を有するゴム製の絶縁性樹脂材料から成る。シールガスケット340は、アノードガス拡散プレート310がMEA320に当接した状態で嵌め込まれる囲繞部354と、カソードガス拡散プレート330がMEA320に当接した状態で嵌め込まれる囲繞部355と、燃料電池10の内部流路の一部を構成する貫通孔352a〜fと、囲繞部354および貫通孔352a〜fの周囲をアノード側で取り囲むシール凸部356と、囲繞部355および貫通孔352a〜fの周囲をカソード側で取り囲むシール凸部357とを備える。MEAプレート300がセパレータ200に挟持された状態で、シールガスケット340は、MEAプレート300を挟む二つのセパレータ200の間にMEA320,アノードガス拡散プレート310,カソードガス拡散プレート330を密封し、反応ガスや冷却水が燃料電池10の外部に漏れるのを防止する。
シール一体型MEA350のMEA320は、アノード電極層322とカソード電極層323との間に電解質膜321を挟持することによって構成される。本実施例では、電解質膜321は、シール一体型MEA350と略同じ大きさの長方形に成形され、アノード電極層322は、電解質膜321の一方の面の中央部に接合されていると共に、カソード電極層323は、電解質膜321の他方の面の中央部に接合されている。シール一体型MEA350の電解質膜321は、プロトン伝導性を有するプロトン伝導体から成り、例えば、パーフルオロスルホン酸イオン交換膜であっても良い。本実施例では、シール一体型MEA350のアノード電極層322およびカソード電極層323は、電解質膜321に接して積層され反応ガスの電気化学反応を促進させる触媒層と、その触媒層に接して積層され触媒層に反応ガスを拡散させるガス拡散層とを含む。アノード電極層322およびカソード電極層323の触媒層は、ガス透過性および導電性を有する材料から成り、例えば、白金や白金合金を担持したカーボンブラック担体であっても良い。アノード電極層322およびカソード電極層323のガス拡散層は、ガス透過性および導電性を有する材料から成り、例えば、カーボン製の多孔体であるカーボンクロスやカーボンペーパであっても良い。
本実施例では、電解質膜321の強度を補強するために、補強フィルム328が、アノード電極層322を取り囲むように電解質膜321に接合されていると共に、補強フィルム329が、カソード電極層323を取り囲むように電解質膜321に接合されている。シール一体型MEA350の補強フィルム328,329は、十分な強度,耐蝕性,耐熱性を有する材料から成り、例えば、ポリイミド,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンテレフタレート(PET),フッ素樹脂,シリコンゴム,フッ素ゴムなどであっても良い。
A−2.シール一体型MEAの製造工程:
図4は、シール一体型MEA350の製造工程を示すフローチャートである。シール一体型MEA350を製造する際には、まず、電解質膜321,アノード電極層322,カソード電極層323,補強フィルム328,補強フィルム329などのMEA材料を用意する(ステップS110)。その後、電解質膜321を補強フィルム328と補強フィルム329との間に挟持した状態で接合することによって、中間品350aを製造する(ステップS112)。
図5は、電解質膜321を補強フィルム328と補強フィルム329との間に接合した中間品350aを製造する様子を示す説明図である。なお、図5に示す中間品350aは、表裏で同じ形状を有し、図5に示す符号に付された括弧内の符号は、その裏面で対応する関係にある符号を示す。本実施例では、電解質膜321、補強フィルム328、補強フィルム329の各々は、シール一体型MEA350の完成品よりも一回り大きな長方形に予め成形されている。本実施例では、補強フィルム328および補強フィルム329の中央部には、シール一体型MEA350の囲繞部354,355よりも一回り大きな長方形状に開口した開口部628,629が形成されている。本実施例では、補強フィルム328と補強フィルム329との間に電解質膜321を接合した中間品350aは、開口部628,629から電解質膜321が露出した板状部材となる。
図4の説明に戻り、中間品350aを製造した後(ステップS112)、シール一体型MEA350の貫通孔352a〜fよりも一回り大きな開口部652a〜fを中間品350aに形成することによって、中間品350bを製造する(ステップS114)。図6は、中間品350aに開口部652a〜fを形成した中間品350bを製造する様子を示す説明図である。なお、図6に示す中間品350a,350bは、表裏で同じ形状を有し、図6に示す符号に付された括弧内の符号は、その裏面で対応する関係にある符号を示す。本実施例では、中間品350bの開口部652a〜fは、電解質膜321が露出した開口部628,629の外側であって、貫通孔352a〜fに対応する位置にそれぞれ形成される。
図4の説明に戻り、中間品350bを製造した後(ステップS114)、開口部628,629から露出した電解質膜321の上に、アノード電極層322およびカソード電極層323を接合することによって、中間品350cを製造する(ステップS116)。図7は、中間品350bにアノード電極層322およびカソード電極層323を接合した中間品350cを製造する様子を示す説明図である。なお、図7に示す中間品350b,350cは、表裏で同じ形状を有し、図7に示す符号に付された括弧内の符号は、その裏面で対応する関係にある符号を示す。本実施例では、アノード電極層322およびカソード電極層323は、開口部628,629よりも一回り小さな長方形状である。これによって、中間品350cの中央部には、MEA320が構成される。
図4の説明に戻り、中間品350cを製造した後(ステップS116)、中間品350cにシールガスケット340を射出成形するための射出成形金型700,800を用意する(ステップS130)。その後、中間品350cを射出成形金型700,800の間に配置した後(ステップS131)、射出成形金型700,800を型締めする(ステップS132)。
図8は、射出成形金型700,800に中間品350cを配置する様子を示す説明図である。図9は、射出成形金型700,800を型締めした様子を示す説明図である。本実施例では、シールガスケット340を射出成形するための金型は、二つの射出成形金型700,800で構成される。図9に示すように、中間品350cを配置した状態で射出成形金型700,800を型締めすることによって、中間品350cの周囲にキャビティ730が形成される。
射出成形金型700は、金属製の金型本体部710と、弾性樹脂で形成され中間品350cのMEA320に当接する当接面722を有する当接部720と、シールガスケット材料の漏れを防止するシール790とを備える。射出成形金型800は、金属製の金型本体部810と、弾性樹脂で形成され中間品350cのMEA320に当接する当接面822を有する当接部820と、シールガスケット材料の漏れを防止するシール890とを備える。本実施例では、当接部720,820は、MEA320よりも一回り小さな長方形状であり、金型本体部710,810にそれぞれ接着されている。当接部720,820は、十分な強度,耐蝕性,耐熱性を有する材料から成り、例えば、ポリイミド,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンテレフタレート,フッ素樹脂,シリコンゴム,フッ素ゴムなどであっても良い。
射出成形金型700の金型本体部710は、シールガスケット材料を金型外部から金型内部に導入するスプル部716と、シールガスケット材料をスプル部716から外形キャビティ732に導くランナ部737の一部を構成するランナ構成部717と、シールガスケット材料をランナ部737からキャビティ730に導入するゲート部738の一部を構成するゲート構成部718とを備える。射出成形金型800の金型本体部810は、ランナ部737の一部を構成するランナ構成部717と、ゲート部738の一部を構成するゲート構成部718とを備える。
図10は、図9に示す型締めされた射出成形金型700および中間品350cにおける当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。射出成形金型700は、キャビティ730のうちシールガスケット340の外形を確定する外形キャビティ732を形成する外形キャビティ形成部712と、キャビティ730のうち当接部720に隣接する隣接キャビティ734を形成する隣接キャビティ形成部714とを備える。本実施例では、隣接キャビティ734は、外形キャビティ732に連通する隙間として形成され、隣接キャビティ734の高さは、MEA320の面に交差する方向、すなわち、MEA320の厚さ方向で、外形キャビティ732の高さよりも狭い略一定の高さを有する。本実施例では、射出成形金型800についても、射出成形金型700と同様であり、外形キャビティ732を形成する外形キャビティ形成部812と、隣接キャビティ734を形成する隣接キャビティ形成部814とを備える。
図4の説明に戻り、射出成形金型700,800を型締めした後(ステップS132)、射出成形金型700,800によって形成されたキャビティ730にシールガスケット材料を射出する(ステップS134)。図11は、シールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。シールガスケット材料のキャビティ730への射出は、キャビティ730のうち外形キャビティ732の隅々にシールガスケット材料が充填される程度に行われ、図11に示すように、外形キャビティ732からシールガスケット材料の一部が隣接キャビティ734に漏れても良い。
図4の説明に戻り、シールガスケット材料を射出した後(ステップS134)、キャビティ730に射出されたシールガスケット材料を保圧しながら冷却する(ステップS135)。その後、離型工程(ステップS138)を経て、シールガスケット340の外縁から食み出た中間品350cの一部や、ランナ部やバリを除去する(ステップS140)、シール一体型MEA350が完成する。
A−3.作用効果:
以上説明した射出成形金型700,800によれば、MEA320に当接する当接部720,820が弾性樹脂で形成されているため、MEA320を金型金属に直接的に当接させるよりも、MEA320と当接部720,820との間の密封性を高めることができる。その結果、MEA320の露出部にシールガスケット材料が含浸するのを抑制することができる。また、隣接キャビティ734は、外形キャビティ732よりも薄いことから、外形キャビティ732から隣接キャビティ734に流れるシールガスケット材料の流動抵抗を高めることができるため、図11に示すように、シールガスケット材料がMEA320の露出部に到達するのを抑制することができる。
B.他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論であり、例えば、次のような変形も可能である。
B−1.第1変形例:
図12は、第1変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第1変形例では、上述の実施例と比較して、射出成形金型700が、隣接キャビティ形成部714に代えて隣接キャビティ形成部714aを備える点で相違し、その他の構成は同様である。隣接キャビティ形成部714が、略一定の高さを有する隣接キャビティ734を形成するのに対して、第1変形例の隣接キャビティ形成部714aは、当接部720に近付くに連れてMEA320の面に交差する方向に拡張する隣接キャビティ734aを形成する。なお、射出成形金型800についても、第1変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。
図12に示すように、隣接キャビティ734aは、外形キャビティ732に連通する隙間として形成され、隣接キャビティ734aの高さは、MEA320の面に交差する方向、すなわち、MEA320の厚さ方向で、外形キャビティ732の高さよりも狭いと共に、当接部720に近付くに連れて拡張する。シールガスケット材料のキャビティ730への射出は、キャビティ730のうち外形キャビティ732の隅々にシールガスケット材料が充填される程度に行われ、図12に示すように、外形キャビティ732からシールガスケット材料の一部が隣接キャビティ734aに漏れても良い。
以上説明した第1変形例の射出成形金型700によれば、隣接キャビティ734aの高さは、当接部720に近付くに連れて拡張するため、隣接キャビティ734aに進入したシールガスケット材料の圧力は、当接部720に近付くに連れて低下するため、シールガスケット材料がMEA320の露出部に到達するのを一層抑制することができる。
B−2.第2変形例:
図13は、第2変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第2変形例では、前述の実施例と比較して、射出成形金型700が、隣接キャビティ形成部714に代えて隣接キャビティ形成部714bおよびバッファ分断部716bを備える点で相違し、その他の構成は同様である。隣接キャビティ形成部714が、外形キャビティ732に連通する隣接キャビティ734を形成するのに対して、第2変形例の隣接キャビティ形成部714bは、MEA320に当接するバッファ分断部716bによって外形キャビティ732から分離された隣接キャビティ734bを形成する。なお、射出成形金型800についても、第2変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。
図13に示すように、隣接キャビティ734bは、外形キャビティ732から分離された隙間として形成され、隣接キャビティ734bの高さは、MEA320の面に交差する方向、すなわち、MEA320の厚さ方向で、外形キャビティ732よりも狭い略一定の高さを有する。本実施例では、射出成形金型700のバッファ分断部716bは、金属製の金型本体部710の一部として形成されている。
以上説明した第2変形例の射出成形金型700によれば、バッファ分断部716bによって隣接キャビティ734bが外形キャビティ732から分断されるため、シールガスケット材料がMEA320の露出部に到達するのを一層抑制することができる。
B−3.第3変形例:
図14は、第3変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第3変形例では、前述の実施例と比較して、射出成形金型700が、隣接キャビティ形成部714に代えて隣接キャビティ形成部714cおよびバッファ分断部746cを備える点で相違し、その他の構成は同様である。隣接キャビティ形成部714が、外形キャビティ732に連通する隣接キャビティ734を形成するのに対して、第3変形例の隣接キャビティ形成部714cは、MEA320に当接するバッファ分断部746cによって外形キャビティ732から分離された隣接キャビティ734cを形成する。なお、射出成形金型800についても、第3変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。
図14に示すように、隣接キャビティ734cは、外形キャビティ732から分離された隙間として形成され、隣接キャビティ734cの高さは、MEA320の面に交差する方向、すなわち、MEA320の厚さ方向で、外形キャビティ732よりも狭い略一定の高さを有する。本実施例では、射出成形金型700のバッファ分断部746cは、弾性樹脂から成る当接部740cによって形成され、当接部740cは、金属製の金型本体部710に接着されている。当接部740cは、十分な強度,耐蝕性,耐熱性を有する材料から成り、例えば、ポリイミド,ポリエチレンナフタレート,ポリエチレンテレフタレート,フッ素樹脂,シリコンゴム,フッ素ゴムなどであっても良い。
以上説明した第3変形例の射出成形金型700によれば、バッファ分断部746cによって隣接キャビティ734cが外形キャビティ732から分断されるため、シールガスケット材料がMEA320の露出部に到達するのを一層抑制することができる。また、バッファ分断部746cが弾性樹脂から成る当接部740cによって形成されているため、MEA320とバッファ分断部746cとの間の密封性を高めることができる。その結果、MEA320の露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
B−4.第4変形例:
図15は、第4変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第4変形例では、前述の実施例と比較して、当接面722の外縁部724dをMEA320に向けて凸状に形成した点で相違し、その他の構成は同様である。なお、射出成形金型800についても、第4変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。第4変形例の射出成形金型700によれば、当接面722の外縁部724dに当接するMEA320の連続気孔が潰れるため、MEA320の露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
B−5.第5変形例:
図16は、第5変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第5変形例では、前述の実施例と比較して、隣接キャビティ734aの高さが当接部720に近付くに連れて拡張する第1変形例の変形点に加え、当接面722の外縁部724eをMEA320に向けて凸状に形成した点で相違し、その他の構成は同様である。なお、射出成形金型800についても、第5変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。第5変形例の射出成形金型700によれば、当接面722の外縁部724eに当接するMEA320の連続気孔が潰れるため、MEA320の露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
B−6.第6変形例:
図17は、第6変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。第6変形例では、前述の実施例と比較して、MEA320に向けて当接部720よりも突出した突出部716fを、当接部720の外周に沿って形成した点で相違し、その他の構成は同様である。本実施例では、射出成形金型700の突出部716fは、金属製の金型本体部710の一部として形成されている。なお、射出成形金型800についても、第6変形例の射出成形金型700と同様に変形を加えても良い。第6変形例の射出成形金型700によれば、突出部716fに当接するMEA320の連続気孔が潰れるため、MEA320の露出部にシールガスケット材料が含浸するのを一層抑制することができる。
C.その他の実施形態:
前述の実施例では、いわゆる循環方式の燃料電池について説明したが、他の実施形態として、燃料電池に一旦供給された燃料ガスを使い切るいわゆるデッドエンド方式の燃料電池に本発明を適用しても良い。また、本実施例では、アノードガス拡散プレオート310およびカソードガス拡散プレート330は、シール一体型MEA350とは別体としたが、他の実施形態として、アノードガス拡散プレオート310およびカソードガス拡散プレート330を、アノード電極層322およびカソード電極層323の一部として、中間品350cと共に型締めして、シールガスケット材料を射出成形しても良い。この場合、当接部720,820は、アノードガス拡散プレオート310およびカソードガス拡散プレート330に当接することになる。
燃料電池10の全体構成を示す説明図である。 MEAプレート300のシール一体型MEA350を示す正面図である。 図2に示すシール一体型MEA350のA−A断面を示す断面図である。 シール一体型MEA350の製造工程を示すフローチャートである。 電解質膜321を補強フィルム328と補強フィルム329との間に接合した中間品350aを製造する様子を示す説明図である。 中間品350aに開口部652a〜fを形成した中間品350bを製造する様子を示す説明図である。 中間品350bにアノード電極層322およびカソード電極層323を接合した中間品350cを製造する様子を示す説明図である。 射出成形金型700,800に中間品350cを配置する様子を示す説明図である。 射出成形金型700,800を型締めした様子を示す説明図である。 図9に示す型締めされた射出成形金型700および中間品350cにおける当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 シールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第1変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第2変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第3変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第4変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第5変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。 第6変形例におけるシールガスケット材料が射出された当接部720の外縁周辺部P1を示す詳細断面図である。
符号の説明
10...燃料電池
100,400...エンドプレート
200...セパレータ
210...カソードプレート
217...カソード供給口
218...カソード排出口
220...中間プレート
221,222,223,224,225...流路
230...アノードプレート
237...アノード供給口
238...アノード排出口
300...MEAプレート
310...アノードガス拡散プレート
320...膜電極接合体(MEA)
321...電解質膜
322...アノード電極層
323...カソード電極層
328,329...補強フィルム
330...カソードガス拡散プレート
340...シールガスケット
350...シール一体型膜電極接合体(シール一体型MEA)
350a〜c...中間品
352a〜f...貫通孔
354,355...囲繞部
356,357...シール凸部
628,629...開口部
652a〜f...開口部
700,800...射出成形金型
710,810...金型本体部
712,812...外形キャビティ形成部
714,814...隣接キャビティ形成部
714a〜c...隣接キャビティ形成部
716...スプル部
716b...バッファ分断部
716f...突出部
717...ランナ構成部
718...ゲート構成部
720,820...当接部
722,822...当接面
724d,e...外縁部
730...キャビティ
732...外形キャビティ
734...隣接キャビティ
734a〜c...隣接キャビティ
737...ランナ部
738...ゲート部
740c...当接部
746c...バッファ分断部
790,890...シール

Claims (9)

  1. 燃料電池に用いられ膜電極接合体にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体を製造する射出成形金型であって、
    前記膜電極接合体の周囲にキャビティを形成するキャビティ形成部と、
    前記キャビティ形成部によって形成されたキャビティに前記シールガスケットの材料が射出される際に前記膜電極接合体に当接する当接面を有する当接部と
    を備え、
    前記当接部を弾性部材で形成した射出成形金型。
  2. 燃料電池に用いられ膜電極接合体にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体を製造する射出成形金型であって、
    前記膜電極接合体の周囲にキャビティを形成するキャビティ形成部と、
    前記キャビティ形成部によって形成されたキャビティに前記シールガスケットの材料が射出される際に前記膜電極接合体に当接する当接面を有する当接部と
    を備え、
    前記当接部は、弾性部材で形成され、
    前記キャビティ形成部によって形成されるキャビティは、
    前記シールガスケットの外形を確定する外形キャビティと、
    前記当接部に隣接する隣接キャビティと
    を含み、
    前記隣接キャビティは、前記膜電極接合体の中央面に交差する方向で、前記外形キャビティよりも狭い射出成形金型。
  3. 前記隣接キャビティは、前記膜電極接合体の中央面に交差する方向で、前記外形キャビティよりも狭いと共に、前記当接部に近付くに連れて前記膜電極接合体の中央面に交差する方向に拡張する請求項2記載の射出成形金型。
  4. 更に、前記膜電極接合体に当接することによって前記隣接キャビティを前記外形キャビティから分断するバッファ分断部を備える請求項2または3記載の射出成形金型。
  5. 前記バッファ分断部を弾性部材で形成した請求項4記載の射出成形金型。
  6. 前記当接面の外縁部を前記膜電極接合体に向けて凸状に形成した請求項2ないし5のいずれか記載の射出成形金型。
  7. 前記膜電極接合体に向けて前記当接部よりも突出した突出部を、該当接部の外周に沿って形成した請求項1記載の射出成形金型。
  8. 請求項7記載の射出成形金であって、
    前記キャビティ形成部によって形成されるキャビティは、
    前記シールガスケットの外形を確定する外形キャビティと、
    前記突出部に隣接する隣接キャビティと
    を含み、
    前記隣接キャビティは、前記膜電極接合体の中央面に交差する方向で、前記外形キャビティよりも狭い射出成形金型。
  9. 燃料電池に用いられ膜電極接合体にシールガスケットを射出成形したシール一体型膜電極接合体を製造する製造方法であって、
    弾性樹脂で形成した当接面を前記膜電極接合体に当接した状態で、該膜電極接合体の周囲にキャビティを形成する工程と、
    前記膜電極接合体の周囲に形成されたキャビティに、前記シールガスケットの材料を射出する工程と
    を備える製造方法。
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