JP2008204415A - 被スキャン用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】一枚のシートに、一般ユーザ向けの情報を2次元コードとして記録するだけでなく、特定の者向けの情報を、より高い秘密性を保った状態で記録できるような仕組みを提供すること。
【解決手段】第1の情報を示す不可視マークと通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークとが記されたことを特徴とする被スキャン用シート10。被スキャン用シート10をこのような構成とすることにより、同じ一枚の被スキャン用シート10を救助者用端末にスキャンさせた場合と、一般市民用端末40にスキャンさせた場合とで、異なるサイトへアクセスさせることができる。
【選択図】図1
【解決手段】第1の情報を示す不可視マークと通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークとが記されたことを特徴とする被スキャン用シート10。被スキャン用シート10をこのような構成とすることにより、同じ一枚の被スキャン用シート10を救助者用端末にスキャンさせた場合と、一般市民用端末40にスキャンさせた場合とで、異なるサイトへアクセスさせることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、被スキャン用シートに関する。
2次元コードパターンの一種にQR(Quick Response)コード(登録商標)がある。このQRコードは、雑誌、地図などの紙を媒体とする情報メディアに記されている。QRコードのデコード機能を有するカメラ付き携帯電話端末のユーザは、それらの情報メディアに記されているQRコードを自らのカメラ付き携帯電話端末により読み取ることで、そのQRコードにコード化されているデータを手軽に利用することができる(QRコードの読取デバイスについては、特許文献1を参照のこと)。
近年、このQRコードを、災害発生時の避難支援システムの一要素として活用する試みが見られる。このシステムでは、例えば、災害時における避難支援サイトのURL(Uniform Resource Locator)のQRコード、および「災害発生時はこのQRコードを携帯電話でスキャンしてください。」といった文字列が記されたシートを、市中の複数の場所に貼付しておく。そして、火災などの災害発生に遭遇した市民が自らの携帯電話端末にQRコードを読み込ませると、そのQRコードのURLが指し示す避難支援サイトへのアクセスが行われるようになっている。
特開2001−334697号公報
災害発生時には、消防員や警察官などの災害支援を行う人員間の有機的な連携が必要不可欠である。よって、消防局や警察の指令部へのホットライン用の専用チャネルを設けておけば、支援活動に従事する消防員や警察官はその専用チャネルから指令部のサイトに直ちにアクセスすることができる。そして、指令部からの指令の下、各人による統制の保たれた有機的な支援活動を実現できる。
一方で、このような専用チャネルの存在が一般市民に知られ、一般市民からその専用チャネルへのアクセスまでも可能にしてしまうと、指令部による統制の確保が極めて難しくなり、消防員や警察官による災害時の支援活動が損なわれてしまうことになりかねない。
また、施設や設備の管理者は、人の目に届かないように管理情報をコード化してそれらの内部の各所に貼付しておきたい場合がある。さらに、オリエンテーリングなどのゲームの主催者は、自身のみが必要とする情報を参加者には分からないようにコード化し、各所に貼付しておきたい場合がある。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、特定の者向けの情報を、より高い秘密性を保った状態で記録できるような被スキャン用シートを提供することを目的とする。
本発明の好適な態様である被スキャン用シートは、第1の情報を示す不可視マークと通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークとが記されたことを特徴とする。
この態様において、前記不可視マークを不可視ウォーターマークとし、前記目視化マークを2次元コードパターンとしてもよい。
この態様において、前記第2の情報を示す目視化マークは、前記第1の情報を示す不可視マークと重なるように記されていてもよい。
本発明の別の好適な態様である被スキャン用シートは、マットポリプロピレンフィルムを加工して得たマット樹脂層と、第1の情報を示す不可視マークを埋め込んだ下地を上記マット樹脂層の上面にプリントした下地層と、第2の情報を示す目視化マークを上記下地層の上面の一部にプリントしたコードパターンプリント層とを備えたことを特徴とする。
この態様において、前記第1の情報を示す不可視マークは前記下地層の全面に渡って埋め込まれていてもよい。
本発明によると、一枚のシートに、通常の人の注意を引くように意味不明な目視化マークを記録し、それに加え、特定の者向けの情報を、通常の人が視認し得ないような不可視マークとして記録している。よって、複数の情報を一枚のシート上にマークとして記録できると共に、そのうちの一部の情報の機密性をより向上させることができる。
(発明の実施の形態)
本発明の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態について、以下、図面を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる被スキャン用シートは、携帯電話端末のカメラにスキャンされるべく、市中の掲示板や電柱などに貼付されるものである。そして、この被スキャン用シートは、災害発生時に消防員や警察官の救助活動を支援するサイトのURL(以下、適宜「第1URL」と呼ぶ)、および一般市民へ避難支援情報を提供するサイトのURL(以下、適宜「第2URL」と呼ぶ)を、各々に個別の記録方式に従って一枚のシートの表面に記録したものである。
図1は、本実施形態にかかる被スキャン用シート10の層構造を示す部分断面図であり、図2は、その平面図である。図2に示すように、この被スキャン用シート10は、上面から見ると、縦長の矩形状をなしている。そして、横方向から見ると、下地層11、文字・絵柄・コード層12(請求項の「コードパターンプリント層」に相当)、それら両層を上下から挟み込むマット樹脂層13,14、および粘着層15を重ね合わせた層構造をなしている。
図1に示す各層について詳述する。下地層11は、塩化ビニル樹脂を約0.05〜0.4ミリメール程度の厚さの薄板状に形成したものである。この下地層11の上面には、第1URL(請求項の「第1の情報」に相当)を不可視ウォーターマークとして埋め込んだ下地がプリントされている。
下地のプリントの手順を示すと以下のようになる。まず、単色により塗りつぶされた、下地層11と同じ広さの背景画像を準備する。そして、第1URLをその単色の背景画像の全面に渡って重ね合わせる。さらに、その第1URLが重ね合わされた背景画像をステノグラフィック符号化アルゴリズムに従って変換する。この変換により、第1URLは、ウォーターマーク抽出アルゴリズムに従った解析を行うことなしに抽出し得なくなり、肉眼によっては認識し得ないものとなる。
なお、背景画像を塗りつぶす単色は、白色、黄色、赤色など、どのような色であっても可能である。また、第1URLは、被スキャン用シート10の全面に複数個記載され、被スキャン用シート10のどの部分をスキャンしても読み取れるようになっている。
下地層11の上には、第2URLをエンコードして得たQRコード16(請求項の「第2の情報」に相当)、その他の文字および絵柄を油性インクによりプリントすることにより、文字・絵柄・コード層12が形成される。QRコード16は、ISO(International Organization For Standardization)/IEC(International Electrotechnical Commission)18004として規格化されているコードであり、携帯電話端末に搭載されるデコードアルゴリズムに従った処理を施すことにより、元の情報へと変換される。
図2に示すように、QRコード16は、被スキャン用シート10上面の上方の位置にプリントされている。また、そのQRコード16の周りには、文字や絵柄のプリントされていないマージン領域17が設けられている。そして、マージン領域17を囲むように円枠18がプリントされている。
QRコード16および円枠18の上には、「この場所の防災情報はこちら」という文字列がプリントされている。また、QRコード16および円枠18の下には、「山手線」、「目白駅」、「使い方」という文字列がプリントされている。
その下には、「上にプリントされたコードを携帯電話で撮影すると、この場所の防災情報がわかります。」という文字列と女の子をモチーフとした絵柄19aがプリントされ、さらにその下には、「東京都防災情報管理協会」という文字列と動物をモチーフにした絵柄19bがプリントされている。
これらのQRコード16、文字、および絵柄19a,bは、溶剤タイプの油性インクを用いてプリントされる。油性インクを用いるのは、染料系インクや顔料系インクなどと比べて、発色が紫外線などによって劣化し難く(つまり、退色し難く)、屋外での使用に適しているためである。QRコード16、文字、および絵柄19a,bの油性インクを用いたプリントは、株式会社セイコーアイ・インフォテック製のインクジェットプロッタ(型番IP−3010など)や、武藤工業株式会社製のインクジェットプリンタ(型番PJ−2216NXなど)などを用いて行うとよい。なお、QRコード16、文字、および絵柄19a,bを単一色の油性インクでプリントする必要はないが、少なくともQRコードのプリントに用いる油性インクの色は、下地層11とは異なるものにすることが望ましい。
図1の説明に戻る。透明のマット樹脂層13,14は、マットポリプロピレンをマットポリプロピレン加工法に従って加工することにより形成される。マットポリプロピレン加工法では、まず、接着剤を塗布したマットプロポリプロピレンフィルムを、文字・絵柄・コード層12の上から下地層11に向かって貼着させる。そして、その後に全体を熱風で乾燥し、下地層11の下側から別のマットプロポリプロピレンフィルムを熱接着して張り合わせる。マット樹脂層13の下には、被スキャン用シート10を掲示板や電柱などの被貼付体へ剥離自在に貼付しておくための粘着材により、粘着層15が形成されている。このマット樹脂層13,14は無色透明であるため、被スキャン用シート10の表面側からは、下地層11とその上の文字・絵柄・コード層12が透けて見えることになる。
以上説明した被スキャン用シート10は、災害発生時に救助活動を行う消防員や警察官に携帯させる携帯電話端末(以下、「救助者用端末20」と呼ぶ)および一般市民に携帯させる携帯電話端末(以下、「一般市民用端末40」と呼ぶ)によってスキャンされる。これらの両端末は、実装するアプリケーションプログラムの一部が異なる。
図3(A)は、救助者用端末20のハードウェア概略構成を示す図である。図3(B)は、一般市民用端末40のハードウェア概略構成を示す図である。
救助者用端末20は、液晶ディスプレイ21、入力キー22、無線通信ユニット23、カメラ24、I/Oポート25、CPU26、RAM27、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)28を有する。液晶ディスプレイ21は、TFT(Thin Film Transistor)型の液晶デバイスを含む。入力キー22は、テンキーやカーソルキーなどの各種キーを有する。無線通信ユニット23は、切換スイッチ、PLL(Phase Locked Loop)、変復調回路、チャネルリンク制御回路などを有し、CDMA(Code Division Multiple Access)の通信プロトコルに従い、基地局との間で無線信号を遣り取りする。
カメラ24は、レンズとイメージセンサを有する。イメージセンサは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いた光電変換センサである。このイメージセンサは、レンズに集光された光の受光光量を光電変換することより、被写体の画像データを取得する。CPU26は、RAM27をワークエリアとして利用しつつ、EEPROM28の各プログラムを実行する。EEPROM28は、通信制御プログラム29、カメラ制御プログラム30、ウォーターマーク抽出プログラム31、ブラウジング制御プログラム32を記憶する。
通信制御プログラム29は、移動パケット通信網またはインターネット上のノードに宛てたパケットを無線通信ユニット23から無線信号として発信させるとともに、無線通信ユニット23が受信した無線信号から自端末宛てのパケットを復元するためのプログラムである。カメラ制御プログラム30は、カメラ24による被写体の撮像、およびその撮像により得た画像データのRAM27への書き込みを制御するためのプログラムである。
ウォーターマーク抽出プログラム31は、RAM27に書き込まれた画像データを解析して不可視ウォーターマークを抽出し、その不可視ウォーターマークが示す第1URL、つまり、消防員や警察官の救助活動を支援するサイトのURLを特定するプログラムである。ブラウジング制御プログラム32は、入力キー22より入力され、または、画像データの解析により特定されたURL宛てにリクエストを送信し、そのレスポンスとして移動体パケット通信網から送信されてくるCHTMLデータ(Compact Hyper Text Markup Language)を基にレイアウトした画面を液晶ディスプレイ21に表示させるプログラムである。
救助者用端末20のCPU26は、カメラ24が被スキャン用シート10を撮像して得た画像データがRAM27に記憶されると、記憶された画像データを解析して不可視ウォーターマークを抽出する。そして、不可視ウォーターマークを基に特定した第1URL宛てにリクエストを送信する。さらに、そのレスポンスとして受信したCHTMLデータを基にレイアウトした救助支援情報画面を、液晶ディスプレイ21に表示させる。この救助支援情報画面には、被スキャン用シート10の貼付場所の近くにいる市民の人数やその救助状況などの情報を入力する欄が含まれる。
一般市民用端末40は、EEPROM48に記憶されたプログラムを除き、救助者用端末20と同様のハードウェア構成となっている。一般市民用端末40のEEPROM48には、ウォーターマーク抽出プログラム31の代わりに、QRコード復号化プログラム51が記憶される。QRコード復号化プログラム51は、RAM27に書き込まれた画像データに含まれるQRコード16を特定し、特定したQRコード16をデコードすることにより、第2URL、つまり、避難支援情報を提供するサイトのURLを特定するプログラムである。
一般市民用端末40のCPU46は、カメラ44が被スキャン用シート10を撮像して得た画像データがRAM47に記憶されると、記憶された画像データに含まれるQRコード16を特定し、そのQRコード16をデコードして得た第2URL宛てにリクエストを送信する。そして、そのレスポンスとして受信したCHTMLデータを基にレイアウトした避難支援情報画面を、液晶ディスプレイ41に表示させる。この避難支援情報画面には、被スキャン用シート10の貼付場所の最寄の避難場所やその避難場所までの経路の情報が含まれる。
以上説明した本実施形態では、消防員や警察官の救助活動を支援するサイトのURL(第1URL)を示す不可視ウォーターマークと一般市民への避難支援情報を提供するサイトのURL(第2URL)を示すQRコード16とを記した被スキャン用シート10を市中の掲示板や電柱に貼付する。そして、消防員や警察官に携帯させる救助者用端末20にはウォーターマーク抽出プログラム31を、一般市民に携帯させる一般市民用端末40にはQRコード復号化プログラム51をそれぞれ実装させる。これにより、同じ一枚の被スキャン用シート10を救助者用端末20にスキャンさせた場合と一般市民用端末40にスキャンさせた場合とで、異なるサイトへアクセスさせることができる。
また、消防員や警察官の救助活動を支援するサイトのURL(第1URL)を示す不可視ウォーターマークは、人間の肉眼によっては視認し得ないようにプリントされている。よって、消防員や警察官の救助活動を支援するサイトの存在を一般市民に秘密にしておくことができる。また、被スキャン用シート10の下地層11には、その全面に渡って不可視ウォーターマークが連なって埋め込まれている。よって、被スキャン用シート10の表面の任意の場所に救助者用端末20のカメラ24の焦点を合わせて撮像を行うだけで、アクセス先となるURLを特定することができる。
また、QRコード16は、誰でも視認できるもののその意味するところまでは理解できないマークであるため、一般ユーザから見ると、不可視ウォーターマークまでもが被スキャン用シート10の中に存在するとは夢にも思わない。このため、不可視ウォーターマークとして埋め込まれた情報は、秘密性の面で優れたものとなる。
上記実施形態にかかる被スキャン用シート10の下地層11は、可撓性のある塩化ビニル樹脂により形成されている。よって、被スキャン用シート10が風雨にさらされたとしても、その湿気によってよれてしまうことはない。また、下地層11の表面には、QRコード16が油性インクによってプリントされている。油性インクは、その発色が日光などによって劣化し難く、また、かすれ難いという性質を有している。よって、被スキャン用シート10を屋外の掲示板や電柱などに長期間にわたって設置しても、携帯電話端末によるスキャンの感度が損なわれることがない。さらに、下地層11、文字・絵柄・コード層12は、マット樹脂層13,14により上下から被覆されている。したがって、被スキャン用シート10の表面を鋭利なもので引っかいたりしても、文字・絵柄・コード層12が下地層11から剥離され難くなる。
(他の実施形態)
本発明は、種々の変形実施が可能である。
本発明は、種々の変形実施が可能である。
上記実施形態にかかる被スキャン用シート10は、災害発生時に消防員や警察官の救助活動を支援するサイトのURL(第1URL)を不可視ウォーターマークとして、一般市民へ避難支援情報を提供するサイトのURL(第2URL)をQRコード16として、一枚のシートに記している。これに対し、他の組み合わせの情報を不可視ウォーターマークおよびQRコード16としてそれぞれ記してもよい。例えば、見本市、博覧会、博物館などの会場内における移動支援情報を携帯電話端末を通じて提供する場合、一般入場者向けサイトのURLをQRコードとして、また、その誘導を行う管理者向けサイトのURLを不可視ウォーターマークとして、被スキャン用シート10に記しておくようにしてもよい。
QRコード16および不可視ウォーターマークとして記される情報は、特定のサイトのURLである必要はなく、動画像データや音声データなどであってもよい。また、QRコード16に代えて、一次元コードであるバーコード、STコード、CPコード(Communication PlatForm Code)、Maxiコード、ジップコードなどの他の目視可能なマークにより第2URLを表してもよい。なお、これらの第2URLを表すマークは、通常の人は、その意味することを理解できないようなものにすることが望ましい。これにより、通常の人は、マークの意味する情報が何を意味しているのかというところにその意識を向けるようになるため、さらに、別の情報が不可視ウォーターマークにより埋め込まれているとは夢にも思わない。よって、この別の情報の秘密性がより高まる。
上記実施形態では、第1URLを不可視ウォーターマークとして記している。これに対し、目に見えないインクで印刷されたバーコードなどの視認できないマーク、または、ジップコードや可視ウォーターマークなどのように可視化されているがコートとしては視認され得ないようなマークにより第1URLを記してもよい。
上記実施形態にかかる被スキャン用シート10は、上面から見ると縦長の矩形状をなしているが、これ以外の形状により被スキャン用シート10を形成してもよい。例えば、図4に示すように、横長の矩形状を成していてもよい。図4に示す被スキャン用シート10Aは、上面から見ると、横長の矩形状をなしている。そして、その下地層11の右側には、第2URLをエンコードして得たQRコード16aがプリントされている。中央には、「右にプリントされたコードを携帯電話で撮影すると、この場所の情報が分かります」という文字列がプリントされている。さらに、その左側には、「Yamanote Line」、「Mejiro」という文字列と、女の子をモチーフにした絵柄19cがプリントされている。
また、図5に示すように、内部にプリントされた絵柄の一部の輪郭に沿って外延を切り取ったような形状にしてもよい。図5に示す被スキャン用シート10Bは、上面から見ると、矩形の右辺を弧状に凸ませ、また、その左辺を絵柄19dの輪郭に合わせて凸ませたような形状を成している。そして、下地層11の右側には、第2URLをエンコードして得たQRコード16bがプリントされている。中央には、「この場所の情報はこちらから」、「Yamanote Line Mejiro」という文字列がプリントされている。さらに、その左側には、女の子をモチーフにした絵柄19dがプリントされている。
上記実施形態では、塩化ビニル樹脂により下地層11を形成している。この他にも、たとえば、ポリエチレン樹脂、α−オレフィンなどのオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル樹脂、クロス材などを代わりに用いてもよい。
上記実施形態では、マットポリプロピレンフィルムを用いたマットポリプロピレン加工により、マット樹脂層13,14を形成している。この他にも、たとえば、透明な液状のポリプロピレン樹脂を下地層11に塗布するラミネート加工や、抽出コーティング、蒸着、スパッタリングなどのコーティング加工などによりマット樹脂層13,14を形成するようにしてもよい。
上記実施形態では、下地層11の裏面に、再剥離可能な粘着層15を形成している。この他にも、たとえば、下地層11の裏面に、接着剤からなる接着層、磁力で金属に貼り付くマグネット層などを形成してもよい。
また、被スキャン用シート10,10A,10Bの全面に不可視ウォーターマークを施すのではなく、その一部に施すようにしてもよい。たとえば、図2に示す被スキャン用シート10の最下欄の「東京都防災情報管理協会」の文字列のある欄にのみ不可視ウォーターマークを施すようにしてもよい。
被スキャン用シート10,10A,10Bは、商品のパッケージやダンボールなどに貼付してもよい。また、オリエンテーリングなどのゲームやスポーツを行う際の目標や看板などに貼付してもよい。さらに、タイルやセメントや壁紙自体に、不可視ウォーターマークのような不可視マークとQRコード16,16a,16bのような目視化マークとを付与するようにしてもよい。
上記実施形態において、救助者用端末20は、ウォーターマーク抽出プログラム31を実装する一方でQRコード復号化プログラム51を実装しておらず、被スキャン用シート10,10A,10Bに記された不可視ウォーターマークのみを読み取り得るようになっている。これに対し、救助者用端末20にQRコード復号化プログラム51を実装させ、不可視ウォーターマークのような不可視マークとQRコード16,16a,16bのような目視化マークの両者を読み取り得るようにしてもよい。また、一般市民用端末40についても、所定の認証機関による認証を受けることにより、ウォーターマーク抽出プログラム31を実装できるようにしてもよい。さらに、被スキャン用シート10,10A,10Bに2種類の不可視マークを埋め込み、管理者読み取りレベルを2段階としてもよい。また、一枚の被スキャン用シート10,10A,10Bに不可視マークを3種類以上記したり、目視化マークとして同じものを2つ以上記したり、2種類以上を記してもよい。
上記実施形態にかかる被スキャン用シート10,10A,10Bの下地層11は、塩化ビニル樹脂により形成され、第1URLがその下地層11の表面に不可視ウォーターマークとして埋め込まれている。これに対し、樹脂ではなく、鉄やアルミニウムなど金属の表面に第1URLの不可視ウォーターマークと第2URLのQRコードとを記すようにしてもよい。この変形例の構成を概念的に示すと、「第1の情報を示す不可視ウォーターマークと通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークとが金属の表面に記されたことを特徴とする被スキャン用物品」となる。この変形例において、金属の表面への不可視ウォーターマークの記録は、UV(ultra violet ray)印刷やレーザーマーキングによることが想定される。UV印刷は、紫外線を照射すると硬化乾燥する性質を持つUVインクを用いる記録手法である。レーザーマーキングは、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザやCO2レーザを金属に照射してその表面を削る記録手法である。発明者らによると、UV印刷により金属に記録された不可視ウォーターマークよりも、レーザーマーキングにより金属に記録された不可視ウォーターマークのほうが、携帯電話のカメラによる読み取りの感度が良好であることが確認されている。また、QRコードなどのチェックディジットがあるマークは汚れ等に極めて弱いが(汚れると読み取れない)、不可視ウォーターマークは汚れ等に極めて強いことが確認されている。また、不可視ウォーターマークを記録する金属は、その表面に照射された光を反射するものであってもよい。表面を鏡面仕上げにした金属は、光を反射してしまうため、その表面に記したQRコード等は読み取れないことが多いが、そのような鏡面仕上げの金属の表面に不可視ウォーターマークを記録した場合、携帯電話のカメラによる読み取りの感度は依然として良好であることが発明者らによって確認されている。
また、不可視ウォーターマークの刻み込まれた型をプレス加工機に搭載して金属をプレス加工などすることにより、金属の成形とその表面への不可視ウォーターマークの記録とを同時に行うようにしてもよい。また、記録の対象が金属ではなく樹脂材である場合、不可視ウォーターマークが形成された金型内に樹脂材を注入することにより、商品の成形と不可視ウォーターマークの記録とを同時に行うことができる。金属材を対象としてプレス加工を行う場合、プレス加工機は、2つの型の間に金属板を挟みこみ、両方の型を近づける方向に圧力を加えることによって、金属の外縁を所望の形状に加工する。よって、それらの型の一方又は両方の面に不可視ウォーターマークを刻み込んでおけば、圧力を加えられる際にその不可視ウォーターマークが金属板の表面の凹凸として転写されることになる。この変形例にかかる被スキャン用物品の製造方法を概念的に示すと、「第1の情報を示す不可視ウォーターマークの刻み込まれた型内に金属材または樹脂材を入れ、圧力を加えまたは冷却固化させることにより、その型の内部形状に応じた形状を有し且つ表面に上記第1の情報を示す不可視ウォーターマークが記された物品を取得する第1の工程と、通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークを上記取得された物品の表面に記録する第2の工程と、を有することを特徴とする被スキャン用物品製造方法。」となる。発明者らによると、金型成形に用いる金型にその金型に関する管理情報を示す不可視ウォーターマークを記した場合も、携帯電話のカメラによる読み取りの感度は依然として良好であることが確認されている。発明者らは、金型に関する管理情報の不可視ウォーターマークを金型そのものの表面に写真印刷したものと、その不可視ウォーターマークを記録した透明フィルムを金型の表面に貼付したものの両者について、携帯電話のカメラによる読み取りを試みた。そして、いずれの場合も読み取りの感度は極めて良好であることを確認した。
10,10A,10B…被スキャン用シート、11…下地層、12…文字・絵柄・コード層、13,14…マット樹脂層、15…粘着層、16,16a,16b…QRコード(2次元コードパターンに相当)、17…マージン領域、18…円枠、19…絵柄、20…救助者用端末、21,41…液晶ディスプレイ、22,42…入力キー、23,43…無線通信ユニット、24,44…カメラ、25,45…I/Oポート、26,46…CPU、27,47…RAM、28,48…EEPROM、29,49…通信制御プログラム、30,50…カメラ制御プログラム、31…ウォーターマーク抽出プログラム、32,52…ブラウジング制御プログラム、40…一般市民用端末、51…QRコード復号化プログラム
Claims (5)
- 第1の情報を示す不可視マークと通常の人間ではその内容が理解できない第2の情報を示す目視化マークとが記された、
ことを特徴とする被スキャン用シート。 - 前記不可視マークを不可視ウォーターマークとし、
前記目視化マークを2次元コードパターンとした、
ことを特徴とする請求項1に記載の被スキャン用シート。 - 前記第2の情報を示す目視化マークは、前記第1の情報を示す不可視マークと重なるように記されている、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の被スキャン用シート。 - マットポリプロピレンフィルムを加工して得たマット樹脂層と、
第1の情報を示す不可視マークを埋め込んだ下地を上記マット樹脂層の上面にプリントした下地層と、
第2の情報を示す目視化マークを上記下地層の上面の一部にプリントしたコードパターンプリント層と、
を備えたことを特徴とする被スキャン用シート。 - 前記第1の情報を示す不可視マークは前記下地層の全面に渡って埋め込まれている、
ことを特徴とする請求項4に記載の被スキャン用シート。
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