JP2008204328A - 読取り装置、筆記情報処理システムおよびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】媒体に対して光を照射する複数の赤外LED63(63a,63b,63c)の中から、ユーザによる媒体への筆記操作の際に点灯させる1または複数の赤外LED63を選択し、選択された赤外LED63にて照明された媒体から、媒体上に記録されたコードパターン画像に含まれる位置情報や識別情報を読み取る。
【選択図】図4
Description
かかる技術では、表面にそれぞれ異なるパターンで形成された微細なドットが印刷された特殊な用紙と、例えば撮像素子が内蔵されたデバイスとが用いられる。そして、デバイスによりこの特殊用紙上に筆記が行われると、筆記された文字や図形等の位置のドットパターンが撮像素子に読み込まれ、文字や図形等の位置(描画トレース)の座標が特定される。それにより、筆記された文字や図形等からなる電子文書の生成や、所定の電子文書への文字や図形等の付加等が可能となる(例えば、特許文献1参照)。
また、本発明の請求項2によれば、筆記操作の際の様々な状況の変化やユーザ各々の癖によるペンの傾きに対応させて、筆記情報を確実に生成することが可能となる。
また、本発明の請求項3によれば、媒体上に存在する情報の読み取り精度を高めることができる。
また、本発明の請求項4によれば、読取り装置に備えられた各種機能の動作精度を高めることが可能となる。
また、本発明の請求項5によれば、筆記情報の生成に際して、常に最適な照明手段を設定することが可能となる。
また、本発明の請求項7によれば、筆記操作の際の様々な状況の変化に対応して、筆記情報を確実に生成することが可能となる。
また、本発明の請求項8によれば、筆記情報の生成に際して、常に最適な照明手段を設定することができる。
また、本発明の請求項9によれば、ユーザ各々の癖によるペンの傾きに対応させて、筆記情報を確実に生成することが可能となる。
また、本発明の請求項11によれば、媒体上に記憶された情報の読み取り精度を高めることができる。
本発明の請求項12によれば、媒体上に存在する情報の正確な読み取りが可能となる。
[実施の形態1]
本実施の形態の筆記情報処理システムでは、紙等の媒体に対し、電子文書の文書画像に加え、コードパターン画像を印刷する。コードパターン画像とは、識別情報および位置情報を符号化して得られる識別符号および位置符号を画像化したものである。
ここで、識別情報としては、媒体を一意に識別する識別情報、または、媒体に印刷された電子文書を一意に識別する識別情報のいずれかが採用される。前者の識別情報を採用した場合、同じ電子文書を複数部数印刷すると、異なる媒体には異なる識別情報が付与される。一方、後者の識別情報を採用した場合、同じ電子文書を印刷すると、異なる媒体であっても同じ識別情報が付与される。
また、位置情報は、媒体上の座標位置を表す情報である。
そして、この特定された電子文書に対し、筆記情報が関連付けられる。
なお、上述したように、本実施の形態の筆記情報処理システムでは、識別情報として、媒体を一意に識別する識別情報と、媒体に印刷された電子文書を一意に識別する識別情報とを用いることができるが、ここでは媒体を一意に識別する識別情報を採用した場合を例として説明する。
また、媒体毎に異なる識別情報を埋め込んでおけば、情報追跡にも役立つ。例えば、媒体の識別情報と印刷を指示したユーザとの対応を記録しておくことで、特定の印刷文書を誰が出力したか容易に把握できるようになる。
なお、以下では、説明を簡単にするために、識別情報と位置情報とは明確に区別して用いる。しかしながら、媒体毎に異なる位置情報をコードパターン画像に埋め込み、その位置情報の違いにより媒体を識別するという手法もある。そこで、このような手法を採用した場合は、位置情報に媒体を識別する機能も備わっているものと見て、これを識別情報と考えるものとする。
図1は、本実施の形態が適用される筆記情報処理システムの全体構成を示した図である。この筆記情報処理システムは、情報処理装置の一例としての端末装置10、情報処理装置の一例としての文書サーバ20、情報処理装置の一例としての識別情報サーバ30、および画像形成装置40がネットワーク90に接続されることにより構成されている。また、この筆記情報処理システムは、印刷文書50および読取り装置の一例としての電子ペン60を含んで構成される。
文書サーバ20は、電子文書を記憶している。そして、電子文書の印刷指示があると、電子文書の画像とコードパターン画像とを重畳した重畳画像の形成指示を出力する。また、本実施の形態において、文書サーバ20は、電子文書を複製する機能も有する。なお、この文書サーバ20は、例えば汎用のサーバコンピュータによって実現することができる。
画像形成装置40は、媒体に画像を形成する。ここで、画像形成装置40における画像形成方式としては、例えば、電子写真方式を用いることができるが、インクジェット方式等のその他の如何なる方式を用いてもよい。
電子ペン60は、印刷文書50に文字または図形を記録(筆記)する機能を有する読取り装置である。また、本実施の形態において、電子ペン60は、コードパターン画像から取得した情報を他の装置(例えば、端末装置10)に送信する機構も有する。さらには、ポインティングデバイス(マウス)機能や、媒体上の領域に対応して記録された所定の情報(例えば、コマンド情報)を読み取るスタイラス機能を同時に備えることもできる。
図2は、印刷文書50を生成する際の筆記情報処理システムでの動作を示したシーケンス図である。
まず、ユーザが、端末装置10を操作し、文書サーバ20に格納された電子文書の中から印刷対象の電子文書を指定する。それにより、端末装置10は、その電子文書の印刷指示を文書サーバ20に送信する(ステップ101)。なお、このとき、端末装置10は、ユーザが指定した印刷パラメータも送信する。ここで、印刷パラメータには、ページ、部数、用紙サイズ、N−up(用紙の1ページ内に電子文書のNページを割り付ける印刷)、余白等がある。
次に、識別情報サーバ30は、識別情報と、電子文書の格納場所と、印刷パラメータとを関連付けてデータベースに登録する(ステップ303)。そして、識別情報サーバ30は、文書サーバ20に対し、識別情報を送信する(ステップ304)。
その後、文書サーバ20は、電子文書の文書画像とコードパターン画像とを画像形成装置40に送信し、画像形成を指示する(ステップ205)。この指示は、例えば、電子文書、識別情報、位置情報からページ記述言語(PDL:Print Description Language)を生成し、これを送信することで行うことができる。
また、コードパターン画像は、画像形成装置40で生成することもできる。この場合は、文書サーバ20または識別情報サーバ30が、電子文書から生成したPDLに識別情報を付加して画像形成装置40へ送信し、画像形成装置40が識別情報を含むコードパターン画像を生成することになる。
ここで、特殊トナーとしては、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が30%以上の不可視トナーが例示される。ここで、「可視」および「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。印刷された媒体に形成された画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別している。また、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性が若干あるが、人間の目で認識し難いものも「不可視」に含める。
また、この不可視トナーは、画像の機械読取りのために必要な近赤外光吸収能力を高めるために、平均分散径が100nm〜600nmの範囲のものが望ましい。
図3は、コードパターンについて説明するための図である。
まず、コードパターンを構成するビットパターンについて説明する。
図3(a)に、ビットパターンの配置の一例を示す。
ビットパターンとは、情報埋め込みの最小単位である。ここでは、図3(a)に示すように、9箇所の中から選択した2箇所にビットを配置する。図では、黒の四角が、ビットが配置された位置を示し、斜線の四角が、ビットが配置されていない位置を示している。9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは、36(=9C2)通りある。したがって、このような配置方法により、36通り(約5.2ビット)の情報を表現することができる。
ただし、識別情報および位置情報は、この36通りのうち32通り(5ビット)を使用して表現するものとする。
なお、ドットをこのような大きさにすることで、1つのビットパターンの一辺は、約0.5(=0.0423×2×6)mmとなる。
図3(b)に、コードパターンの配置の一例を示す。
ここで、図3(b)に示した最小単位の四角が、図3(a)に示したビットパターンに相当する。すなわち、識別情報を符号化した識別符号は、16(=4×4)個のビットパターンを使用して埋め込まれる。また、X方向の位置情報を符号化したX位置符号と、Y方向の位置情報を符号化したY位置符号とは、それぞれ、4個のビットパターンを使用して埋め込まれる。さらに、左上角部に、コードパターンの位置と回転を検出するための同期符号が、1つのビットパターンを使用して埋め込まれる。
なお、1つのコードパターンの大きさは、ビットパターンの5個分の幅に等しいため、約2.5mmとなる。本実施の形態では、このように生成したコードパターンを画像化したコードパターン画像を、用紙全面に配置する。
まず、印刷文書50に対する筆記を読み取るのに用いられる電子ペン60について説明する。
図4は、電子ペン60の機能構成を示したブロック図である。
図4に示したように、電子ペン60は、ペン全体の動作を制御する制御部61、電子ペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62、媒体上に赤外光を照射する照明手段の一例としての第1赤外LED63aと第2赤外LED63bと第3赤外LED63c(以下、これらを総称して単に「赤外LED63」とも記す)、画像を撮像する撮像手段(情報読取手段)の一例としての赤外CMOS64を備えている。ここで、第1赤外LED63aと第2赤外LED63bと第3赤外LED63cとは、それぞれの光軸(図4中、1点鎖線)が媒体に対して異なる角度で交差するように配置されている。
加えて、電子ペン60は、識別情報および位置情報を記憶する情報メモリ65、外部装置との通信を制御する通信部66、電子ペン60を駆動するための充電可能なバッテリ67、電子ペン60の識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68、各種設定を切り替えるスイッチ75を備えている。そして、これら各部は、制御部61に接続されている。
コード検出部611は、赤外CMOS64にて撮像された画像の各々からコードパターン画像を検出すると同時に、検出されたコードパターン画像の検出精度(読取認識率)信号を生成する。したがって、コード検出部611は、認識率算出手段としても機能する。
データ処理部612は、コード検出部611にて検出されたコードパターン画像から識別情報および位置情報を抽出する。
照明切替部616は、照明制御部615から送られた照明設定信号に基づいて、設定された一または複数の赤外LED63をパルス点灯させる。
図6は、各赤外LED63のパルス点灯を制御する照明制御信号、赤外CMOS64における画像取込信号と出力画像信号、およびコード検出部611での検出精度信号に関する出力タイミングチャートを示した図である。
ところで、本実施の形態の赤外CMOS64には、赤外領域に感度があるCMOSセンサであって、撮像した画像を同時に転送できるグローバルシャッタ方式のCMOSセンサが使用される。そして、赤外CMOS64は、70fps〜100fps(frame per second)程度の周期の画像取込信号(フレームレート)に従って画像を撮像する。また、それに伴い、本実施の形態の赤外LED63は、消費電力を抑制するために、赤外CMOS64への画像取込信号に同期してパルス点灯するように構成されている。
なお、撮像素子としてはCMOSセンサに限定するものではなく、CCD等の他の撮像素子を使用してもよい。
この照明選択サイクルでは、制御部61の照明制御部615は、まず、第1赤外LED63aをパルス点灯するための第1照明制御信号(図6(A))、第2赤外LED63bをパルス点灯するための第2照明制御信号(図6(B))、第3赤外LED63cをパルス点灯させるための第3照明制御信号(図6(C))を、照明切替部616に対して順次送信する。
照明制御部615から各照明制御信号を受け取った照明切替部616は、各照明制御信号に基づいて第1赤外LED63aと第2赤外LED63bと第3赤外LED63cとを順次パルス点灯させる。
そして、検出された各コードパターン画像について、予め用意された複数のコードパターン画像とのパターンマッチングをそれぞれ行う。それにより、各コードパターン画像についての予め用意された複数のコードパターン画像に対する類似度がそれぞれ算出される。そして、算出された各コードパターン画像の類似度を表す検出精度信号を生成し(図6(F))、照明制御部615に送る。
なお、コード検出部611では、赤外CMOS64から受け取った出力画像信号を複数に分割し、分割された出力画像信号から検出精度信号を生成することもできる。すなわち、コード検出部611では、赤外CMOS64から受け取った出力画像信号を複数に分割し、分割されたそれぞれの出力画像信号についてコードパターン画像を検出する。そして、各コードパターン画像に対する上記したパターンマッチングをそれぞれ行い、それらの結果を統合して各コードパターンの類似度を表す検出精度信号を生成することもできる。
そして、照明切替部616は、媒体上に赤外光を照射する照明として第2赤外LED63bをパルス点灯させ、他の第1赤外LED63aおよび第3赤外LED63cを消灯するように制御する。それにより、それ以降の電子ペン60での筆記においては、第2赤外LED63bが使用されて、識別情報および位置情報を取得する「識別情報および位置情報取得サイクル」が実行されることとなる。
このようにして、本実施の形態の電子ペン60では、識別情報および位置情報取得サイクルにおいて、コードパターン画像の検出精度の最も高いと判断された赤外LED63が選択されて使用される。
コードパターン画像を受け取ったデータ処理部612は、コードパターン画像を復号し、コードパターン画像に埋め込まれている識別情報および位置情報を取得する。
また、本実施の形態の電子ペン60では、光軸が媒体に対して異なる角度で交差する複数の赤外LED63を配置し、その中から1または複数を選択的にパルス点灯される構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば異なる波長の光を照射する複数の赤外LED63を配置する。そして、媒体に印刷されるコードパターン画像を形成する色材(例えば、トナー)の特性や、コードパターンを構成するコード体系等に対応して、それぞれに適した1または複数の赤外LED63を選択するように構成することもできる。
図7は、電子ペン60のコード検出部611およびデータ処理部612での動作を示したフローチャートである。
まず、コード検出部611は、赤外CMOS64から印刷文書50上の画像を入力する(ステップ601)。そして、画像に含まれるノイズを除去するための処理を行う(ステップ602)。ここで、ノイズとしては、CMOS感度のばらつきや電子回路により発生するノイズ等がある。ノイズを除去するために如何なる処理を行うかは、電子ペン60の撮像系の特性に応じて決定する。例えば、ぼかし処理やアンシャープマスキング等の先鋭化処理を適用することができる。
また、コード検出部611は、検出したドットパターンを2次元配列上のデジタルデータに変換する(ステップ604)。例えば、2次元配列上で、ドットがある位置を「1」、ドットがない位置を「0」というように変換する。そして、この2次元配列上のデジタルデータ(コードパターン画像)は、コード検出部611からデータ処理部612へと受け渡される。
このようにしてビットパターンが検出されると、データ処理部612は、ビットパターンの種類を参照することにより、同期符号を検出する(ステップ606)。そして、同期符号からの位置関係に基づいて、識別符号および位置符号を検出する(ステップ607)。
その後、データ処理部612は、識別符号を復号して識別情報を取得し、位置符号を復号して位置情報を取得する(ステップ608)。
例えば、図6に例示した出力タイミングチャートでは、検出精度信号が(F1)の時点で閾値を下回ったので、照明選択サイクルが実行されることとなる。
また、赤外LED63から赤外CMOS64に至る光路中に、手動シャッタを設けておき、電子ペン60を単なるペンとして使用する場合には、手動シャッタにより赤外LED63からの照射光を遮断することもできる。この場合にも、識別情報および位置情報は取得されないので、筆記情報は生成されず、電子文書に付加されない。そのため、電子ペン60は、単なるペンとして使用されることとなる。
図8は、端末装置10、文書サーバ20、識別情報サーバ30の機能構成を示した図である。なお、端末装置10、文書サーバ20、識別情報サーバ30は、印刷文書50を生成するための機能も有しているが、ここでは、筆記情報を電子文書に付加するための機能のみを示す。
入力部11は、ユーザへの問い合わせに対するユーザからの応答等の入力を受け付ける。
出力部12は、ユーザへの問い合わせ等を出力する。
筆記生成部13は、電子ペン60から得た位置情報に基づいて筆記情報を生成する。したがって、筆記生成部13は筆記情報生成手段として機能する。
送信部14は、識別情報、筆記情報、ユーザへの問い合わせに対する応答等を送信する。
受信部15は、電子ペン60からは、識別情報および位置情報を受信し、識別情報サーバ30からは、ユーザへの問い合わせ等を受信する。
文書記憶部21は、記憶手段であって、電子文書を記憶する。
文書生成部22は、文書記憶部21に記憶された電子文書を複製した新たな電子文書(以下、「複製文書」という)を生成し、この複製文書を文書記憶部21に記憶する。
筆記付加部23は、文書記憶部21に記憶された複製文書に筆記情報を付加する。
送信部24は、複製文書の生成や、複製文書に対する筆記情報の付加の結果を送信する。
受信部25は、複製文書の生成や、複製文書に対する筆記情報の付加の指示を受信する。
DB記憶部31は、識別情報と、電子文書の格納場所と、印刷パラメータと、複製文書の存否を示すフラグとを対応付けたデータベースを記憶する。
制御部32は、識別情報サーバ30全体の動作を制御する。
登録部33は、DB記憶部31に記憶されたデータベースに情報を登録する。
送信部34は、端末装置10へは、ユーザへの問い合わせ等を送信し、文書サーバ20へは、複製文書の生成や、複製文書に対する筆記情報の付加の指示を送信する。
受信部35は、端末装置10からは、識別情報、筆記情報、ユーザへの問い合わせに対する応答等を受信し、文書サーバ20からは、複製文書の生成や、複製文書に対する筆記情報の付加の結果を受信する。
図9は、このデータベース内のデータの一例を示している。
このうち、図9(a)は、各媒体に印刷された電子文書を管理するためのテーブルを示している。
図9(a)に示したように、このテーブルには、識別情報と、電子文書の格納場所と、印刷パラメータと、フラグとが項目として設けられている。
電子文書の格納場所は、各媒体に印刷された電子文書が格納された場所の情報(アドレス情報)である。
印刷パラメータは、各媒体に電子文書を印刷した際に設定した印刷パラメータである。図9(a)では、印刷パラメータを、「ページ(P),余白(A,B,C,D)」という形式で示している。Pはページ番号であり、A、B、C、Dは、それぞれ、左側、右側、上側、下側の余白(単位はmm)である。なお、ここでは、印刷パラメータとしてページおよび余白を示したが、これに限られるものではない。この他にも、通常の印刷で用いられる種々の印刷パラメータを管理することが可能である。
まず、1行目から4行目は、電子文書「aaa.doc」の第1ページから第2ページが2部印刷されたことを示している。その際、1部は、左右上下の余白が1mmで印刷され、もう1部は、左右上下の余白が2mmで印刷されている。
また、5行目は、電子文書「bbb.doc」の第1ページが1部印刷されたことを示している。その際、左右の余白は1mmで、上下の余白は2mmで印刷されている。
図9(b)は、このような複製文書を管理するテーブルを示している。
すなわち、図9(a)の1行目で管理される媒体に対し、「aaa.doc」に対する複製文書である「aaa.xdw」の1ページ目が関連付けられている。また、図9(a)の2行目で管理される媒体に対し、「aaa.doc」に対する複製文書である「aaa.xdw」の2ページ目が関連付けられている。
まず、電子ペン60は、図6の処理により取得した識別情報および位置情報を端末装置10に送信する(ステップ611)。
次に、筆記生成部13は、受け渡された情報のうち位置情報に基づいて筆記情報を生成し、送信部14に受け渡す(ステップ112)。このとき、筆記情報は、媒体上の複数の位置を示す位置情報に基づいて生成される。
第一に、複数の位置情報を比較し、その中で特異点を取り除くフィルタ処理である。すなわち、1回の筆記動作(ストローク)によって取得した複数の位置情報の連続性を検査し、連続性から大きく外れる点は、復号エラーがあった点として除外する。これにより、スムーズな筆記情報を得ることができる。
第二に、復号に失敗した位置情報を検出し、その位置情報を周辺の位置情報に基づいて補正する補正処理である。すなわち、1回の筆記動作(ストローク)によって取得した複数の位置情報の連続性を検査することで、復号エラーを検出する。そして、復号に失敗した位置情報を、その近傍の復号に成功した位置情報を用いて補正する。ここで、補正方法としては、線形補間、スプライン補間等、公知の手法を用いることができる。
その後、送信部14は、識別情報および筆記情報を識別情報サーバ30に送信する(ステップ113)。
複製文書があれば、その複製文書に筆記情報を追加する場合と、その複製文書とは別に新たな複製文書を生成してその新たな複製文書に筆記情報を付加する場合とが考えられる。そこで、本実施の形態では、このどちらを選択するかをユーザの判断に委ねているのである。例えば、図9(a)の1行目で管理される媒体に筆記がなされた場合、図9(b)の1行目で管理される複製文書に筆記情報を追加するか、図9(a)の1行目で管理されるオリジナルの電子文書から生成された新たな複製文書に筆記情報を付加するかが、問い合わせられる。
ここで、既にある複製文書に筆記情報を追加すると判定した場合は、その旨の指示を送信部34に対して行う。そして、送信部34が、ステップ312で特定した複製文書に対する筆記情報の追加を文書サーバ20に指示する(ステップ319)。
一方、新たに複製文書を生成してそれに筆記情報を付加すると判定した場合は、ステップ316へ進む。また、本実施の形態では、媒体に印刷された電子文書そのもの(オリジナルの電子文書)に筆記情報を付加することはしない。したがって、ステップ312でフラグが「OFF」であると判定された場合、すなわち、複製文書がないと判定された場合も、同様にステップ316へ進む。
すなわち、制御部32は、ステップ312で特定したオリジナルの電子文書に対する複製文書の生成指示を文書サーバ20に送信するよう送信部34に指示する。そして、送信部34は、文書サーバ20に対し、複製文書の生成を指示する(ステップ316)。例えば、図9(a)の3行目で管理される媒体に筆記がなされた場合、「aaa.doc」に対する複製文書の生成が指示される。
また、電子文書が編集されてしまうと、電子文書と筆記情報との対応関係が崩れ、矛盾が生じる場合がある。さらに、電子文書の中には、Webページ等のように、印刷文書に相当するページ構造を持たないものもあり、印刷時の設定により印刷文書のレイアウトが大きく異なる場合がある。このような場合であっても、印刷文書と同じレイアウトを持つ電子文書を生成することで、筆記情報を適切な位置に反映させることができるのである。
まず、ユーザに対する問い合わせ等を行うことなく、筆記情報を付加する電子文書をシステム側で決めてしまうという方法である。
或いは、筆記情報を付加すべき電子文書の選択方法が印刷時に既に決まっている場合は、その選択方法を指定する指定情報をコードパターン画像の一部として媒体に埋め込んでおいてもよい。この場合は、電子ペン60がコードパターン画像から識別情報および位置情報を取得する際に、この指定情報も取得し、識別情報サーバ30に送信する。そして、識別情報サーバ30では、ステップ315での判定をこの指定情報に基づいて行う。
それにより、ユーザによる電子ペン60での筆記に際して様々な状況の変化が生じた場合にも、媒体上から正確に識別情報および位置情報を取得できる。
実施の形態1の筆記情報処理システムでは、コードパターン画像がどの程度正確に判別されたかを示す検出精度に基づいて、照明として用いる赤外LED63を選択する構成について説明した。本実施の形態の筆記情報処理システムでは、電子ペン60の傾き角に基づいて、照明として用いる赤外LED63を選択する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
ここで、傾き角検出部614は、傾き角検出手段の一例であって、電子ペン60の所定の平面(例えば、水平面)からの傾き角を検出するセンサを有している。そして、本実施の形態の筆記情報処理システムでは、傾き角検出部614での検出値(傾き検出信号のレベル)により、照明として用いる赤外LED63を選択するように構成している。すなわち、媒体を照射する光の入射角によって、媒体上に形成されたコードパターン画像から赤外CMOS64に入射する反射光量が変化することから、電子ペン60の傾きに応じて、最適な赤外LED63を選択するものである。
図12は、各赤外LED63のパルス点灯を制御する照明制御信号、赤外CMOS64における画像取込信号と出力画像信号、および傾き角検出部614での傾き検出信号に関する出力タイミングチャートを示した図である。
図12に示したように、電子ペン60による筆記が開始されると、ペンチップ69に接続された圧力センサ62が筆記動作を検出する。それにより、傾き角検出部614は、電子ペン60の傾き角の検出を開始し、電子ペン60の傾き角を表す傾き検出信号を生成する。そして、生成した傾き検出信号を照明制御部615に送る。
傾き検出信号のレベルが“b”以上“a”未満の場合には、第1照明制御信号を生成する。すなわち、この場合には、第1赤外LED63aがパルス点灯される。
傾き検出信号のレベルが“c”以上“b”未満の場合には、第2照明制御信号を生成する。すなわち、この場合には、第2赤外LED63bがパルス点灯される。
傾き検出信号のレベルが“c”未満の場合には、第3照明制御信号を生成する。すなわち、この場合には、第3赤外LED63cがパルス点灯される。
コードパターン画像を受け取ったデータ処理部612は、コードパターン画像を復号し、コードパターン画像に埋め込まれている識別情報および位置情報を取得する。
それにより、例えばユーザ各々が有する癖により電子ペン60の傾きが異なる状態で電子ペン60による筆記が行われる場合にも、媒体上から正確に識別情報および位置情報を取得することができる。
実施の形態1の筆記情報処理システムでは、コードパターン画像がどの程度正確に判別されたかを示す検出精度に基づいて、照明として用いる赤外LED63を選択する構成について説明した。また、実施の形態2の筆記情報処理システムでは、電子ペンの傾き角に基づいて、照明として用いる赤外LED63を選択する構成について説明した。本実施の形態の筆記情報処理システムでは、コードパターン画像の検出精度と電子ペンの傾き角との双方に基づいて、照明として用いる赤外LED63を選択する構成について説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態の筆記情報処理システムでは、コード検出部611にてコードパターン画像がどの程度正確に判別されたかに基づいて設定された赤外LED63と、傾き角検出部614での検出値(傾き検出信号のレベル)に基づいて設定された赤外LED63との双方を、照明として用いる赤外LED63として選択するように構成している。
図14は、各赤外LED63のパルス点灯を制御する照明制御信号、赤外CMOS64における画像取込信号と出力画像信号、コード検出部611での検出精度信号および傾き角検出部614での傾き検出信号に関する出力タイミングチャートを示した図である。
図14に示したように、電子ペン60による筆記が開始されると、ペンチップ69に接続された圧力センサ62が筆記動作を検出する。それにより、制御部61は、実施の形態1と同様の照明選択サイクルを開始する。そして、制御部61では、照明選択サイクルにおいて、実施の形態1と同様に、コード検出部611により算出された検出精度に基づいて、照明制御部615は、最も高い検出精度を実現する赤外LED63を、照明に用いる赤外LED63として設定する。なお、図14に例示した出力タイミングチャートでは、検出精度が最も高い第2赤外LED63bが照明として用いる赤外LED63に設定される。
それにより、本実施の形態の電子ペン60では、照明選択サイクルにおいて設定された赤外LED63に加えて、電子ペン60の傾き角に応じて選択された赤外LED63の1または複数が同時にパルス点灯する。
まず、照明制御部615は、照明選択サイクルにて照明として用いる赤外LED63として第2赤外LED63bを設定する。
引き続いて、識別情報および位置情報取得サイクルにおいて、傾き角検出部614により電子ペン60の傾き角を検出し、傾き検出信号のレベルが“a”以上の場合には、第1赤外LED63aと第3赤外LED63cとが同時にパルス点灯される。したがって、照明選択サイクルでの第2赤外LED63bに加えて、傾き検出信号に基づく第1赤外LED63aと第3赤外LED63cとが選択される。すなわち、この場合には、すべての赤外LED63(第1赤外LED63aと第2赤外LED63bと第3赤外LED63c)がパルス点灯する。
また、傾き検出信号のレベルが“b”以上“a”未満の場合には、第1赤外LED63aが同時にパルス点灯される。したがって、この場合には、第1赤外LED63aと第2赤外LED63bとがパルス点灯する。
傾き検出信号のレベルが“c”未満の場合には、第3赤外LED63cがパルス点灯される。したがって、この場合には、第2赤外LED63bと第3赤外LED63cとがパルス点灯する。
それにより、ユーザによる電子ペン60での筆記に際した様々な状況の変化に、ユーザ各々が有する癖を加味することで、媒体上からさらに正確に識別情報および位置情報を取得することができる。
実施の形態1〜3の筆記情報処理システムでは、媒体上から識別情報および位置情報を取得する機能(電子ペン機能)を有する電子ペンを用いる構成について説明した。本実施の形態の筆記情報処理システムでは、ポインティングデバイス(マウス)機能や、媒体上の領域に対応して記録された所定の情報(例えば、コマンド情報)を読み取るスタイラス機能を同時に備えた電子ペンを用いる構成について説明する。なお、実施の形態1および実施の形態2と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
なお、その場合に、電子ペン60として機能する場合とスタイラスとして機能する場合とで、それぞれにおいて最適となるように、赤外CMOS64のフレームレート(1秒間に何回画面を書き換えることができるかを表す指標。単位はfps(frame per second))やシャッタスピード等の撮像条件を変更するように設定することもできる。
マウス用赤外LED63fから照射された光は、媒体で乱反射して、反射光の一部が格納部60Bに配置された反射ミラー71により電子ペン機能部60Aの赤外CMOS64に導かれる。それにより、赤外CMOS64により撮像された画像により、媒体上の位置情報が取得されることとなる。
図16の構成では、格納部60Bはケーブルを介して端末装置10に接続されており、端末装置10との通信が可能であるように構成されている。そして、図16(b)に示したように、電子ペン機能部60Aが格納部60Bから取り外されて使用される場合には、電子ペン機能部60Aは格納部60Bと無線通信を行い、格納部60Bから各種情報を送信することができる。
このように、図16に示した構成の電子ペン60では、電子ペン機能部60A単体で使用できるので、電子ペン60の機動性を高めることができる。
611…コード検出部、612…データ処理部、614…傾き角検出部、615…照明制御部、616…照明切替部
Claims (12)
- 媒体に対して光を照射する複数の照明手段と、
前記複数の照明手段の中から、ユーザによる前記媒体への操作の際に点灯させる1または複数の当該照明手段を選択する照明選択手段と、
前記照明選択手段により選択された前記照明手段にて照明された前記媒体から、当該媒体上に存在する情報を読み取る情報読取手段と
を備えたことを特徴とする読取り装置。 - 前記情報読取手段にて読み取った前記情報の読取認識率を算出する認識率算出手段と、当該読取り装置の傾き角を検出する傾き角検出手段とをさらに備え、
前記照明選択手段は、前記認識率算出手段にて算出された前記読取認識率と前記傾き角検出手段にて検出された当該読取り装置の傾き角とのいずれか一方または双方に基づいて、前記照明手段を選択することを特徴とする請求項1記載の読取り装置。 - 前記情報読取手段は、前記照明選択手段による前記照明手段の選択に対応して、前記情報を読み取る際の撮像条件を変更することを特徴とする請求項1記載の読取り装置。
- 前記照明選択手段は、ユーザによる前記媒体への筆記操作、当該媒体上の領域に対応して記憶された所定の情報を読み取る操作、およびポインティング操作のそれぞれにおいて、1または複数の前記照明手段を選択することを特徴とする請求項1記載の読取り装置。
- 前記照明選択手段は、ユーザによる前記操作の際に、常時または所定の時間間隔にて前記照明手段を選択することを特徴とする請求項1記載の読取り装置。
- ユーザによる媒体への筆記操作に応じて、当該媒体上に記録された情報を読み取る読取り装置と、
前記読取り装置にて読み取られた前記情報を取得し、取得した当該情報に基づいて前記媒体への筆記内容を当該媒体または当該媒体に印刷された電子文書に関連付けて記憶する情報処理装置とを備え、
前記読取り装置は、
前記媒体に対して光を照射する複数の照明手段と、
前記複数の照明手段の中から前記媒体への筆記操作の際に点灯させる1または複数の当該照明手段を選択する照明選択手段と
を有することを特徴とする筆記情報処理システム。 - 前記読取り装置は、読み取った前記情報の読取認識率を算出する認識率算出手段をさらに備え、
前記照明選択手段は、前記認識率算出手段にて算出された前記読取認識率に基づいて、前記照明手段を選択することを特徴とする請求項6記載の筆記情報処理システム。 - 前記認識率算出手段は、ユーザによる前記筆記操作の際に常時または所定の時間間隔にて前記読取認識率を算出し、
前記照明選択手段は、前記認識率算出手段にて算出された前記読取認識率が所定値を下回った場合に、前記照明手段を再度選択し直すことを特徴とする請求項7記載の筆記情報処理システム。 - 前記読取り装置は、当該読取り装置の傾き角を検出する傾き角検出手段をさらに備え、
前記照明選択手段は、前記傾き角検出手段にて検出された前記読取り装置の傾き角に基づいて、前記照明手段を選択することを特徴とする請求項6記載の筆記情報処理システム。 - 前記読取り装置は、読み取った前記情報の読取認識率を算出する認識率算出手段と、当該読取り装置の傾き角を検出する傾き角検出手段とをさらに備え、
前記照明選択手段は、前記認識率算出手段にて算出された前記読取認識率と前記傾き角検出手段にて検出された前記読取り装置の傾き角との双方に基づいて、前記照明手段を選択することを特徴とする請求項6記載の筆記情報処理システム。 - 前記読取り装置は、前記照明選択手段による前記照明手段の選択に対応して、前記媒体上に記録された情報を読み取る際の撮像条件を変更する情報読取手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6記載の筆記情報処理システム。
- コンピュータに、
媒体に対して光を照射する複数の照明手段の中から、ユーザによる当該媒体への操作の際に点灯される1または複数の当該照明手段を選択する機能と、
選択された前記照明手段にて照明された前記媒体から、当該媒体上に存在する情報を読み取る機能と
を実現することを特徴とするプログラム。
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