JP2008203001A - 表面にコート層が設けられた板状粉体の調整方法及びこれを用いたコート層厚の測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 表面にコート層が設けられた板状粉体の該コート層の厚さを正確に測定しうるTEM用断面試料の調製方法とこれを用いたコート層厚の測定方法の提供を目的とする。
【解決手段】 表面にコート層が設けられた板状粉体を表面が平滑な難接着性の板上に薄く均一な厚さになるように載せ、この上から樹脂を滴下し、板状粉体と樹脂とを混練することなく板状粉体間に樹脂を染み込ませ、その上に表面が平滑な難接着性の板を載せて、二枚の難接着性の板で挟み込み、そのまま放置して樹脂を固化させ、その後、板状粉体を含む樹脂片を難接着性の板より剥離し、得た樹脂片を用いて収束イオンビーム加工装置により観察用断面を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面にコート層が設けられた板状粉体を表面が平滑な難接着性の板上に薄く均一な厚さになるように載せ、この上から樹脂を滴下し、板状粉体と樹脂とを混練することなく板状粉体間に樹脂を染み込ませ、その上に表面が平滑な難接着性の板を載せて、二枚の難接着性の板で挟み込み、そのまま放置して樹脂を固化させ、その後、板状粉体を含む樹脂片を難接着性の板より剥離し、得た樹脂片を用いて収束イオンビーム加工装置により観察用断面を形成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば表面に所望厚さのリン含有皮膜を有する鱗片状アルミニウム顔料やその表面にアルマイト層が設けられた板状アルミニウム有色顔料などのようにその表面にコート層が設けられた鱗片状粉体、あるいは板状粉体のコート層の厚さをTEMにより測定するためのTEM用観察試料調整方法と、これを用いた測定方法に関する。
粉体のTEM観察用試料を作成する方法としては、例えば、粉体と樹脂との混合体を得る混合工程と、得られた混合体に圧力を付与して薄片化する加圧工程とから構成される薄片試料の作製方法が特許文献1に開示されている。
この方法によれば、樹脂に対する粉体の比率(体積比)を2以上にすることにより、粉体の密度を高めることができる。また加圧工程において、混合体が膜厚20μm以下の領域を有するようにすることができるとしている。そして、この膜厚20μm以下の部分にイオンビームを照射して観察試料を作成している。
また、より簡略化した方法として、粉末を樹脂に練り込み、これを表面が平滑なポリテトラフルオロエチレン板等に押しつけ、薄く伸ばして固化させ、固化後これを剥離し、適当な大きさに裁断し、収束イオンビーム加工装置(FIB)の試料ホルダーに取り付けてイオンビームを照射して断面加工して観察試料を得る方法がある。
特許文献2に示された表面に燐含有皮膜を有する鱗片状アルミニウム顔料や、各種の色を持たせるために表面に厚みを変えたアルマイト層が設けられたアルミニウム顔料のように、その表面にコート層が設けられた鱗片状粉体や板状粉体(以下、双方を併せて「板状粉体」と示す)のコート層の厚さを測定するための観察試料を前記した従来の方法で作成すると、観察面に現れる板状粉体粒子の断面がランダムな方向を向くために、コート層の厚さを正確に測定しうる試料を作成することが困難である。
ちなみに、上記のようにして作成した観察資料の断面図を図2に例示したが、図2からわかるように、板状粉体の形状からくる特有の脆さから樹脂に練りこむ作業中に板状粉体が破壊されてしまい、正確な観察ができなくなっている。
特開2003−294594号公報
特開2003−082259号公報
そこで本発明では、表面にコート層が設けられた板状粉体の該コート層の厚さを正確に測定しうるTEM用断面試料の調製方法とこれを用いたコート層厚の測定方法の提供を目的とする。
前記課題を解決する本第1の発明は、表面にコート層が設けられた板状粉体を表面が平滑な難接着性の板上に薄く均一な厚さになるように載せ、この上から樹脂を滴下し、板状粉体と樹脂とを混練することなく板状粉体間に樹脂を染み込ませ、その上に表面が平滑な難接着性の板を載せて、二枚の難接着性の板で挟み込み、そのまま放置して樹脂を固化させ、その後、板状粉体を含む樹脂片を難接着性の板より剥離し、得た樹脂片を用いて収束イオンビーム加工装置により観察用断面を形成することを特徴とする表面にコート層が設けられた板状粉体の調製方法である。
また、本第2の発明は、前記発明において難接着性板としてポリテトラフルオロエチレン板またはポリテトラフルオロエチレンをコーティングした板を用いるものである。
そして、本第3の発明は、全記2つの発明の何れかを用いて得られた前記断面をTEMで観察することを特徴とする表面にコート層が設けられた板状粉体のコート層厚の測定方法である。
本発明によれば、その表面にコート層が設けられた板状粉体が、板状粒子の長手方向が樹脂平面と略平行になるように整列された状態で固められた樹脂片が得られ、この樹脂片を用いて収束イオンビーム加工装置(FIB)等を用いて観察用断面を形成するので、板状粉体の平面に対して垂直な観察用断面を容易に得ることができ、正確なコート層の厚さの測定が可能となる。
本発明では、例えば前記した表面に燐含有被膜やアルマイト層が設けられたアルミニウム顔料のように、その表面にコート層が設けられた板状粉体を、表面が平滑な難接着性の板の上に薄く均一な厚さになるように載せる。この際、板状粉体を難接着性の板の上に載せた後、例えばへらのようなもので押し延ばせば、より薄く、各板状粉体が、その長手方向が難接着性の板面と平行になるように分散するので好ましい。
次に、この上から液状の樹脂を滴下し、樹脂が板状粉体の隙間に入り込み、板状粉体同士を接合させて一つの樹脂片が形成されるようにする。
次に、表面が平滑な難接着性の板を滴下した樹脂の上に載せ、二枚の難接着性の板で樹脂層を挟み込み必要時間放置して固化させる。樹脂が固化した後、難接着性の板と樹脂片とを分離する。これにより、厚さが均一で、板状粉体が、その長手方向が樹脂の表面と略平行に配列した樹脂片を得ることができる。
得られた樹脂片を収束イオンビーム加工装置(FIB)等を用いて断面加工することで、板状粉体の平面に対して垂直な断面を容易に得ることができる。こうして得た板状粉体の断面を観察することにより、板状粉体の表面に設けられたコート層の正確な厚さを求めることができる。
本発明において用いる難接着性板とは、用いる樹脂と接着性が悪いものをいい、例えばポリテトラフルオロエチレン製の板やポリテトラフルオロエチレンをコートした板などがある。従って、薄いポリテトラフルオロエチレンフィルムとガラス板とを組み合わせて用いてもよい。
また、本発明において用いうる樹脂は液状であれば、熱硬化性樹脂でも、熱可塑性樹脂でも支障はない。また、加熱して液状とすることができ、かつ作業中に硬化しないものであれば、常温で液状となっていなくてもよい。
次に本発明の実施例について述べる。
特開2003−82259号公報に記載された実施例に基づき、その表面に燐含有皮膜を有する平均粒径50μm、平均厚み0.4μmの鱗片状アルミニウム(以下、「サンプル」と記す)を得、この燐含有皮膜の厚さを本発明の方法により測定した。
特開2003−82259号公報に記載された実施例に基づき、その表面に燐含有皮膜を有する平均粒径50μm、平均厚み0.4μmの鱗片状アルミニウム(以下、「サンプル」と記す)を得、この燐含有皮膜の厚さを本発明の方法により測定した。
表面が平滑なポリテトラフルオロエチレン板の上にサンプルをできるだけ均一で薄い層になるように置き、樹脂製のへらで摺り切るようにして薄く延ばした。この状態のサンプルの上からBuehler社製樹脂「EPO-THIN樹脂」をサンプル全体に行きわたるように滴下した。
次いで、もう一枚の表面が平滑なポリテトラフルオロエチレン板を樹脂の上に置き、クリップで挟み込んで放置して樹脂を固化させてサンプルが樹脂で固定された樹脂片を得た。
固化した樹脂片をポリテトラフルオロエチレン板より剥離し、切断して収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて断面加工して観察面を得、観察した。得られた結果を図1に示した。図1より、サンプルの破壊もなく、サンプルの平面に対して正確に垂直となる断面が得られており、サンプルの上下にコートされた被膜の厚みを正確に測定できることがわかる。なお、膜厚は平均で7nmであった。
次いで、もう一枚の表面が平滑なポリテトラフルオロエチレン板を樹脂の上に置き、クリップで挟み込んで放置して樹脂を固化させてサンプルが樹脂で固定された樹脂片を得た。
固化した樹脂片をポリテトラフルオロエチレン板より剥離し、切断して収束イオンビーム加工装置(FIB)を用いて断面加工して観察面を得、観察した。得られた結果を図1に示した。図1より、サンプルの破壊もなく、サンプルの平面に対して正確に垂直となる断面が得られており、サンプルの上下にコートされた被膜の厚みを正確に測定できることがわかる。なお、膜厚は平均で7nmであった。
Claims (3)
- 表面にコート層が設けられた板状粉体を表面が平滑な難接着性の板上に薄く均一な厚さになるように載せ、この上から樹脂を滴下し、板状粉体と樹脂とを混練することなく板状粉体間に樹脂を染み込ませ、その上に表面が平滑な難接着性の板を載せて、二枚の難接着性の板で挟み込み、そのまま放置して樹脂を固化させ、その後、板状粉体を含む樹脂片を難接着性の板より剥離し、得た樹脂片を用いて収束イオンビーム加工装置により観察用断面を形成することを特徴とする表面にコート層が設けられた板状粉体の調製方法。
- 難接着性板としてポリテトラフルオロエチレン板またはポリテトラフルオロエチレンをコーティングした板を用いる請求項1記載の調整方法。
- 請求項1又は2記載の調整方法を用いて得られた前記断面をTEM観察して板状粉体の表面に設けられたコート層の厚さを測定することを特徴とする測定方法。
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JP2007037268A JP2008203001A (ja) | 2007-02-19 | 2007-02-19 | 表面にコート層が設けられた板状粉体の調整方法及びこれを用いたコート層厚の測定方法 |
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JP2013524194A (ja) * | 2010-04-02 | 2013-06-17 | スネクマ | 複数の強磁性粒子を分析する方法 |
JP2016145768A (ja) * | 2015-02-09 | 2016-08-12 | 住友金属鉱山株式会社 | 電子顕微鏡用試料の作製方法および反応生成物金属含有粒子の分析方法 |
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