JP2008202240A - 柱状構造物 - Google Patents

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隆夫 井上
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Abstract

【課題】柱状構造物にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができる柱状構造物を得る。
【解決手段】円柱状構造物1は少なくとも下端部を固定した状態で設置され、線条部材6が円柱状構造物1上端部から円柱状構造物1下端部に向かってすだれ状に弛みのある状態で円柱状構造物1の周囲表面に複数取り付けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばカルマン渦による振動を低減する柱状構造物に関するものである。
従来、特許文献1のように、カルマン渦による振動を低減する柱状構造物は、流れに対して直角または斜めに設置された円柱状構造物で、流れが衝突する前面は、長さ方向に複数の溝または凹凸状の表面にすることにより、円柱表面に衝突した流れは撹乱され層流境界層になることなく、ただちに乱流境界層を形成して、よどみ点から90度以降ではく離し、これにより、変動揚力係数は低減され、さらに、背面に2本の突起物をよどみ点から任意の角度で対称に長さ方向に設置することにより、乱流境界層が突起物の位置ではく離することにより、はく離点を一定にし、カルマン渦の発生周波数を一定にすることができるというものであった。
特開平9−210120号公報(段落0015)
従来の柱状構造物は以上のように構成され、柱状構造物にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工が必要となり、台数を多く製作する場合は機械加工によるコスト高等の課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、柱状構造物にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができる柱状構造物を得ることを目的とする。
この発明に係る柱状構造物は、少なくとも下端部を固定した状態で設置される柱状構造物において、上端部から下端部に向かってすだれ状に弛みのある状態で、周囲表面に複数の線条部材を取り付けたものである。
この発明によれば、柱状構造物にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができるという効果を奏する。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の円柱状構造物の構成を示す外観図であり、図1(a)は円柱状構造物の上面図であり、図1(b)は円柱状構造物の側面図であり、図1(c)は各円柱状構造物をつなぐ支持構成の拡大図であり、図1(d)は図1(c)で示すA部の詳細図であり、図1(e)は図1(c)で示すB部の詳細図である。
この実施の形態では柱状構造物として円柱状構造物1を用い、円柱状構造物1は下端部をベースプレート2に固定ボルト3にて固定した状態で設置されている。各々の円柱状構造物1の周囲表面に等間隔に5本の線条部材6を弛みのある状態で垂らしてバインダー8にて円柱状構造物1の上、中、下の3か所を固定して取り付ける。また円柱状構造物1は周囲に設置された他の円柱状構造物1と線条部材4と線条部材5を用いて相互に接続する。A部で示すように線条部材4や線条部材5は溝付きゴム7とバインダー8により円柱状構造物1に固定され、B部で示すように線条部材4や線条部材5はワイヤークランプ9により接続される。
ここで円柱状構造物1は、少なくとも円柱状構造物1下端部を固定した状態で設置される柱状構造物であり、例えばアンテナなどに使用する円柱状の構造物であり、構造上の制約により円柱状構造物1の形状、外形寸法が決まっていることが多い。また設置場所の制約等により上端部を支線等で堅牢に固定できない円柱状構造物1の全てのものに適用できることは言うまでもない。
ベースプレート2は円柱状構造物1を固定する対象としてのプレートであり、固定ボルト3はベースプレート2に円柱状構造物1を固定するボルトである。
線条部材4と線条部材5は周囲に設置された他の円柱状構造物1と相互に接続するものであり、非金属の線条部材を用い、ケブラ線など減衰性能をもつ線材を使用することができる。
図2はこの発明の実施の形態1の円柱状構造物の振動モードを示す概略図である。
円柱状構造物1の1次モード及び2次モードの振動を抑える位置に非金属の線条部材4と線条部材5を取り付ける。図2に示すように、線条部材4は円柱状構造物1の振動1次モードに対応するために円柱状構造物1の上端部付近に取り付け、線条部材5は2次モードに対応するため円柱状構造物1の中央付近に取り付け、円柱状構造物1が1次モード、2次モードで振れようとした場合に線条部材4、線条部材5が円柱状構造物1の1次モード、2次モードの動きを抑える方向に作用する。1次モード、2次モードでない場合の円柱状構造物1の微振動は、線条部材4、線条部材5をたるまない程度でつなぐことにより、互いの円柱状構造物1の動きは同期しづらいことで動きの違いにより互いの動きを線条部材4、線条部材5が抑制する。また、カルマン渦による振動の初期段階において線条部材4、線条部材5からのランダムに作用する引張力の影響により円柱状構造物1の周期振動を崩すことにより周期的な振動が起こりにくくなる。
線条部材6は、円柱状構造物1上端部から円柱状構造物1下端部に向かってすだれ状や螺旋状に弛みのある状態で円柱状構造物1周囲表面に複数垂らしたものである。本数を減らしすぎるとカルマン渦を左右不均等にする効果が出にくくなり、本数を増やしすぎてしまうと何もないのと同じようになってしまうのでカルマン渦を左右不均等にする効果が出にくくなる。線条部材6の本数は、偶数本用いることもできるが、奇数本にした方が、カルマン渦が左右対称になりにくくなる。等間隔にすることで線条部材6が円柱状構造物1の円周上に偏ることをなくし、また線条部材6が偏らなければ等間隔でなくても良い。実施の形態1では線条部材6が5本として記載したが、線条部材6の本数を7本と増やしても同様の効果がある。また例えば線条部材6を6本と偶数とすることも可能である。線条部材を増やすとコストと設置費用が増加するので、実施の形態1では5本を選択した。
バインダー8は、線条部材6を固定するものである。実施の形態1ではバインダー8を円柱状構造物1の上、中、下の3か所で固定したが必要に応じてバインダー8の個数を増やして固定しても同様の効果が得られることは言うまでもない。ワイヤークランプ9は線条部材4や線条部材5を繋ぎ止めて固定するものである。
図12はこの発明の実施をしない状態での円柱状構造物の後方に交互に発生するカルマン渦を示す概略図である。
野外に円柱状構造物1を設置する場合、種々の気象状況により台風等も含めると風速0m/s〜40m/s程度の風が吹く可能性がある。自然風でのレイノルズ数Reは流速uを円柱状構造物1の直径Dと流体の動粘性係数νを用いて無次元化したものであり、次式で示される。
e=u・D/ν
レイノルズ数Reが4×104〜3×105の場合、円柱状構造物1後流渦の周波数fを無次元化したストローハル数Stは次式より求められるがこのレイノルズ数Reの範囲では0.2となる。
t=f・D/u
円柱状構造物1表面に衝突した流れにより、円柱状構造物1の後流に図12に示すカルマン渦列が生じ、この渦の円柱状構造物1表面からの周期的離脱が円柱状構造物1に反力として作用することによりカルマン渦による振動が生じる。
上記の式からわかるように、周波数fは流速uに応じて変化するため、流速uが変化してこの周波数fと円柱状構造物1の固有振動数とが一致すると、円柱状構造物1が共振して激しく揺れてしまう。
円柱状構造物1の固有振動数がカルマン渦による励振振動数に近い場合には、渦のはく離振動数が円柱状構造物1の固有振動数に同期するロックインと呼ばれる振動が発生する。この振動は図12に示すカルマン渦の交互渦の振動数と円柱状構造物1の固有振動数が一致した場合に流れと直角の揚力方向に発生する振動であり、この円柱状構造物1の固有振動数での振動により円柱状構造物1の根元部に大きな応力が発生する場合、製品寿命に影響を及ぼすため振動抑制対策が必要となる。
図3は、この発明の実施の形態1の円柱状構造物の後方のカルマン渦を示す概略図である。図3(a)は円柱状構造物の表面に線条部材が接している状態であり、図3(b)は円柱状構造物の表面から線条部材が浮いている状態の図であり、図3(c)は線条部材の位置がずれている状態の図である。
図3(a)に示すように、流れ方向に対して円柱状構造物1後方に発生する渦の形は、流れ方向に対して流れのはく離点付近での円柱状構造物1後方の左右方向に渦ができ、図3(a)で示す風方向から風が吹いたときは、風方向に対して左右方向での線条部材6の本数が違うため、円柱状構造物1後方のできる渦が風方向に対して左右対称になりにくく渦が乱れて円柱状構造物1後方に交互に左右対称でないカルマン渦10、カルマン渦11が発生し、左右対称の交互渦でないため揚力方向の振動が起こりにくい。
また図3(b)に示すように、円柱状構造物1全長に一直線ではなく多少たるみをもたせた状態でバインダー8を固定するために円柱状構造物1の長手方向において、円柱状構造物1の表面から線条部材6が浮いている状態となる。この場合線条部材6まわりの渦は、円柱状構造物1と線条部材6の外側を通ってできる線条部材6まわりの渦12と、線条部材6の間を通ってできる線条部材6まわりの渦13ができ、線条部材6が円柱状構造物1と密接した状態とは異なるため円柱状構造物1の流れのはく離点付近での渦の乱れ方が円柱状構造物1後方の左右で異なり、円柱状構造物1後方に交互に左右対称のカルマン渦が発生しにくいため、揚力方向の振動が起こりにくい。また、線条部材6も円柱状構造物1に接していない場合は風により不規則に動き、又動いている線条部材6まわりの渦も不規則な動きを見せるため円柱状構造物1後方に交互に左右対称のカルマン渦ができにくい効果がある。
また図3(c)に示すように、多少たるみをもたせた状態で線条部材6を固定することにより、円柱状構造物1からの流れのはくり点と線条部材6の位置が等間隔の位置からずれるため渦のできる位置がずれ円柱状構造物1後方にできる渦が乱れることにより円柱状構造物1後方に交互に左右対称のカルマン渦が発生しにくいため、揚力方向の振動が起こりにくい。
図4は、この発明の実施の形態1の円柱状構造物の線条部材の長さを短くしたものを示す概略図である。
図1では線条部材6は円柱状構造物1の全長に施したが、図4に示すように円柱状構造物1の上端部にのみ線条部材6の長さを短くして、円柱状構造物1上端部のみに線条部材6をすだれ状にピンと張らない弛みのある状態で等間隔に5本の線条部材6を固定する対策を施しても上端部のカルマン渦による振動が振動での支配的影響力をもつため類似の効果はある。
図5は、この発明の実施の形態1の円柱状構造物の線条部材を螺旋状に巻いたものを示す概略図である。
線条部材6は螺旋状に巻いても効果があり、図5に示すように線条部材6を螺旋状に3本並行に円柱状構造物1に巻いていき適宜バインダー8で円柱状構造物1に固定する。線条部材6は円柱状構造物1に接触したりしなかったり円柱状構造物1に対して隙間が空くように固定しているため線条部材6まわりの渦14は線条部材6と円柱状構造物1の間を通る風によってできる渦と線条部材6の外側を通る渦によって渦が乱れ、3次元的に渦ができる位置も変わっていくため渦を乱す効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態1では円柱状構造物1の一方が固定されている場合について記載したが、両端が固定されている場合(巨大な吊り橋のワイアー部、柱など)においても同様に振動を抑えることができることから同様の効果があるのは言うまでもない。また、完全な円柱について説明を行ったが、断面が楕円、四角、H型等の構造物についてもカルマン渦の発生を乱すことから、類似の効果が得られるのは言うまでもない。また、円柱状構造物1下端部を固定された斜めに建てられた部材でも類似の効果が得られるのは言うまでもない。
図6は、この発明の実施の形態1の円柱状構造物を多角形形状部材とした場合の多角形断面での渦の状態を示す概略図である。
図6に示すように断面が多角形形状の多角形棒状部材15の振動に対しても、すだれ状に線をピンと張らない弛みのある状態で固定することにより、線条部材6まわりの渦と多角形の先端でできる多角形先端渦16の違いによりカルマン渦の発生を乱すことから類似の効果が得られるのは言うまでもない。
以上のように、実施の形態1によれば、少なくとも下端部を固定した状態で設置される円柱状構造物1において、上端部から下端部に向かってすだれ状に弛みのある状態で、周囲表面に複数の線条部材6を取り付けたことにより、円柱状構造物1にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができるという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、少なくとも下端部を固定した状態で設置される円柱状構造物1について、上端部から下端部に向かって螺旋状に弛みのある状態で、周囲表面に複数の線条部材6を巻き付けたことにより、円柱状構造物1にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができるという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、円柱状構造物1をアンテナとして使用する場合でも表面形状に溝加工や突起加工をする必要がないので、電気的特性が変えず、電気的制約がないという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、溝加工や突起加工等の機械加工をする必要がないので、円柱状構造物1の長さが長い場合でも容易に対応することができるという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、従来の円柱状構造物をアンテナとして使用し、複数本の円柱状構造物をリジッドの部材で相互に連結して振動抑制を行おうとした場合、電気的影響を考慮して補強部材は樹脂材料とする必要があり、強度を確保するために補強部材の寸法を大きくなり、逆に補強部材が風を受けて風による荷重がかかる等という課題があったが、実施の形態1では補強部材の寸法が大きくなることがないので、風による荷重を受けにくいという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、複数本の円柱状構造物1を非金属の線条部材を相互につないだことにより、個々の振動は完全に一致しずらいことを利用し、つないだ線条部材4及び線条部材5が相互に影響しあい各円柱状構造物1の振動の1次モード、2次モードに対応した振動を抑制することにより円柱状構造物1の固有振動数とカルマン渦の振動数がロックインし共振が起こる際の揚力方向での振動を抑制するという効果を奏する。
また実施の形態1によれば、構造上の制約により円柱状構造物1の形状、外形寸法が決まっており上述した円柱状構造物1の固有振動数が風によるカルマン渦の周波数と離せない場合、共振緩和対策ができるという効果を奏する。
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2による、円柱状構造物と線条部材の間の角度が角度αになるように、線条部材を円柱状構造物上端部からベースプレート2に接続した状態を示す概略図であり、図7(a)は各円柱状構造物に対して線条部材を1本接続した状態の上面図であり、図7(b)は各円柱状構造物に対して線条部材を1本接続した状態の側面図であり、図7(c)は各円柱状構造物に対して線条部材を2本接続した状態の上面図であり、図7(d)は各円柱状構造物に対して線条部材を2本接続した状態の側面図である。
図7で示すように、線条部材17は円柱状構造物1の上端部からベースプレート2に張ったものであり、ターンバックル18は線条部材17の固定がたるまない程度に張力をあたえて線条部材17を固定するものであり、角度αは円柱状構造物1と線条部材17との間の角度である。
実施の形態2では、図7に示すように、実施の形態1と同様に、円柱状構造物1が線条部材4と線条部材5を用いて周囲に設置された他の柱状構造物と相互に接続したものである。そして実施の形態1とは異なり、円柱状構造物1上端部から円柱状構造物1下端部を固定しているベースプレート上に線条部材17を接続し、円柱状構造物と線条部材の間の角度αが小さくするようにし、線条部材17をゆるまない程度で張る。図7においては円柱状構造物1と線条部材17との間の角度αは5度ぐらいになり、この角度αが小さいため、線条部材17の周りで発生した渦が円柱状構造物1の渦に影響を与えることができる。
図8は、この発明の実施の形態2の円柱状構造物の上端部の渦を示す概略図であり、図8(a)は上面図であり、図8(b)は側面図であり、図8(c)は円柱状構造物が左に振れている図であり、図8(d)は円柱状構造物が右に振れている図である。
図8は図7(a)及び図7(b)の状態を示す図である。
円柱状構造物1上端部付近での渦は線条部材17のある側とない側で渦のできかたが異なってくる。線条部材17がある側は、図8(a)及び図8(b)に示すように、線条部材17まわりの渦19が発生し、線条部材17のある側と無い側で風の流れ方向における円柱状構造物1後方に生じるカルマン渦のできかたは異なり、円柱状構造物1後方に発生するカルマン渦が左右対称にならないように片側の渦を壊すことにより風方向に対する揚力方向の振動を抑制する効果が生じる。円柱状構造物1の振動方向に平行に線条部材17を張ると円柱状構造物1後方の渦が円柱状構造物1後方の左右で対称でなくなるため振動抑制に大きな効果がある。また線条部材17は、円柱状構造物1の上端部での円柱状構造物1後方の左右にできる渦を乱すことと円柱状構造物1の振れ始めを抑えることができればよいので手で添える程度の小さな力で押さえる程度の張力がかけられればよいので線条部材17の固定はたるまない程度にターンバックル18等で張力をあたえて固定すればよい。
また、あるタイミングで円柱状構造物1が4本とも同期して振れ始めた場合は線条部材4、線条部材5が振動抑制に効果を発揮しないため、円柱状構造物1が同期して全体で振れ始めることがある。線条部材4、線条部材5と線条部材17が振動方向に平行に張られていた場合には、振動方向に線条部材17が引っ張られ、円柱状構造物1を更に振動させようとする反力が発生してしまい、図8(c)及び図8(d)に示すように、左右に振れた場合線条部材17の反力がカルマン渦の振動に力を与えて更に振動してしまう。これを防ぐために、線条部材4、線条部材5と平行にならないように角度をつけて線条部材17を張ることにより4本の円柱状構造物1が同期して振動し始めた場合は振動方向で振動を増すような反力が線条部材17から発生しないようにしている。
図7(c)及び図7(d)に示すように、線条部材17を8本張ることにより、図7の風方向(0度)が90度ずつずれた場合での揚力方向の振動を抑制することができる。通常図7の風方向(45度)からの風に対する振れ幅は風方向(0度)に対する振れ幅より小さいことが実験で確かめられており、風方向(0度)での対策を行うことで十分な振動抑制効果がある。
また、本実施の形態2は円柱状構造物1が電気的な特性を持つアンテナであり上端部を固定するための形状変更ができない場合の振動抑制対策としても有効である。
図9はこの発明の実施の形態2の各円柱状構造物の線条部材の角度を90度ずらした状態を示す概略図である。
図7(c)及び図7(d)では線条部材17を8本用いて全方位からの風の流れに対する振動抑制を行っているが、図9に示すように線条部材17を各円柱状構造物1で90度ずつずらして張ることによっても、振動方向での振れ方向での線条部材17の反力を1つにすることにより振動方向での円柱状構造物1の動きが違うため、同期振動が起こりにくく振動を抑制する効果がある。
また90度でなくても、各円柱状構造物の間で反力が1つにすることができる角度であれば同様の効果を得ることができる。
図10はこの発明の実施の形態1,実施の形態2を施した円柱状構造物、及び円柱状構造物に何も対策を施していないもの円柱状構造物の根元部発生応力を計測する概略図である。
図11はこの発明の実施の形態1,実施の形態2を施した円柱状構造物、及び円柱状構造物に何も対策を施していないもの円柱状構造物の根元部発生応力の計測結果を示す図である。
計測に用いた円柱状構造物の構造は、円柱直径6cm、高さ約2m、円柱ピッチ約40cmである。図11は、流れ方向での円柱状構造物1の2本において、各6か所ずつ円柱状構造物1根元部にひずみゲージを貼付けて発生応力を比較したものを示す。平均風速2〜4m/sにおいて実施の形態1、実施の形態2は対策なしの場合に比べ円柱状構造物1根元部の発生応力は大幅に低減される結果が得られた。
以上のように、実施の形態2によれば、少なくとも下端部を固定した状態で設置される円柱状構造物1において、上端部から下端部を固定しているベースプレート2上に線条部材17を接続したことにより、円柱状構造物1にカルマン渦による振動を低減するための溝加工や突起加工を必要とせず、機械加工によるコストを抑えることができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1の円柱状構造物の構成を示す外観図である。 この発明の実施の形態1の円柱状構造物の振動モードを示す概略図である。 この発明の実施の形態1の円柱状構造物の後方のカルマン渦を示す概略図である。 この発明の実施の形態1の円柱状構造物の線条部材の長さを短くしたものを示す概略図である。 この発明の実施の形態1の円柱状構造物の線条部材を螺旋状に巻いたものを示す概略図である。 この発明の実施の形態1の円柱状構造物を多角形形状部材とした場合の多角形断面での渦の状態を示す概略図である。 この発明の実施の形態2による、円柱状構造物と線条部材の間の角度が角度αになるように、線条部材を円柱状構造物上端部からベースプレート2に接続した状態を示す概略図である。 この発明の実施の形態2の円柱状構造物の上端部の渦を示す概略図である。 この発明の実施の形態2の各円柱状構造物の線条部材の角度を90度ずらした状態を示す概略図である。 この発明の実施の形態1,実施の形態2を施した円柱状構造物、及び円柱状構造物に何も対策を施していないもの円柱状構造物の根元部発生応力を計測する概略図である。 この発明の実施の形態1,実施の形態2を施した円柱状構造物、及び円柱状構造物に何も対策を施していないもの円柱状構造物の根元部発生応力の計測結果を示す図である。 この発明の実施をしない状態での円柱状構造物の後方に交互に発生するカルマン渦を示す概略図である。
符号の説明
1 円柱状構造物、2 ベースプレート、3 固定ボルト、4,5,6,17 線条部材、7 溝付きゴム、8 バインダー、9 ワイヤークランプ、10,11,20 カルマン渦、12,13,14 線条部材6まわりの渦、15 多角形棒状部材、16 多角形先端渦、18 ターンバックル、19 線条部材17まわりの渦、α 角度。

Claims (7)

  1. 少なくとも下端部を固定した状態で設置される柱状構造物において、
    上端部から上記下端部に向かってすだれ状に弛みのある状態で、周囲表面に複数の線条部材を取り付けたことを特徴とする柱状構造物。
  2. 5本の線条部材を取り付けたことを特徴とする請求項1記載の柱状構造物。
  3. 複数の線条部材を等間隔に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の柱状構造物。
  4. 少なくとも下端部を固定した状態で設置される柱状構造物について、
    上端部から上記下端部に向かって螺旋状に弛みのある状態で、周囲表面に複数の線条部材を巻き付けたことを特徴とする柱状構造物。
  5. 少なくとも下端部を固定した状態で設置される柱状構造物において、
    上端部から上記下端部を固定しているベースプレート上に線条部材を接続したことを特徴とする柱状構造物。
  6. 非金属の線条部材により、周囲に設置された他の柱状構造物と相互に接続したことを特徴とする請求項1、請求項4または請求項5のうちのいずれか1項記載の柱状構造物。
  7. 1次モード及び2次モードの振動を抑える位置に非金属の線条部材を取り付けることを特徴とする請求項6記載の柱状構造物。
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