JP2008201756A - トリプトファン誘導体、その製造方法及びそれを有効成分とするインドールアミン酸素添加酵素阻害剤 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規なトリプトファン誘導体、その製造方法及びそれを有効成分とするインドールアミン酸素添加酵素(以下、「IDO」という。)阻害剤に関する。
ヒトの体内では、摂取された約95%のトリプトファンがキヌレニン経路で代謝され、この経路を開始するIDOが、種々の感染症や炎症性疾患で局所的或いは全身に、爆発的(10〜100倍)に誘導され、トリプトファン代謝が異常に亢進することが知られている。このトリプトファン代謝異常は、癌、老人性白内障、アルツハイマー病、敗血症等の疾患の原因因子であるといわれており(例えば、非特許文献1参照)、IDO活性を制御する薬剤は、これらの疾患に対する新規の予防薬又は治療薬として期待されている。
IDO阻害剤としては、従来、トリプトファン誘導体である1−メチル−DL−トリプトファン(以下、「1−MT」という。)や5−(1H−インドール−3−イルメチル)−(2−チオ−3−メチル)ヒダントイン(Necrostatin−1、以下、「Nec−1」という。)等が知られており(例えば、特許文献1又は2、及び非特許文献2参照)、特に、1−MTが優れたIDO阻害活性を示す。
Biochemical and Biophysical Reserch Communication 338 (2005) p12−19 Nature Chemical Biology Vol.1 No.4 (2005) p112−119 特表2006−521377号公報(段落0043)
特表2006−521378号公報(段落0021)
Biochemical and Biophysical Reserch Communication 338 (2005) p12−19 Nature Chemical Biology Vol.1 No.4 (2005) p112−119
本発明は、優れたIDO阻害活性有し、IDO阻害剤、特に抗癌剤として有用な、新規トリプトファン誘導体を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の手段により達成される。
(1)すなわち、本発明は、一般式(I)
[式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基又は低級アルコキシル基を表し、R2は、ベンゼン環と縮合した、置換基を有してもよいベンゼン環又は置換基を有してもよいシクロヘキサン環を表し、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、R5は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、アリール基、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボキシル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はチオエーテル基を表す。]で示されるトリプトファン誘導体である。
(2)本発明は、また、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである(1)に記載のトリプトファン誘導体である。
(3)本発明は、また、一般式(II)
[式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基又は低級アルコキシル基を表し、R2は、ベンゼン環と縮合した、置換基を有してもよいベンゼン環又は置換基を有してもよいシクロヘキサン環を表し、R3は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。]で示されるトリプトファン化合物に強酸を添加した後、一般式(III)
[式中、R5は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、アリール基、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボキシル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はチオエーテル基を表す。]で示されるアルデヒド化合物を反応させ、次いで一般式(IV)
[式中、R4は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。]で示されるイソシアネート化合物を反応させることを特徴とする、一般式(I)
[式中、R1〜R5は、前記定義どおりである。]で示されるトリプトファン誘導体の製造方法である。
(4)本発明は、また、前記トリプトファン誘導体は、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである(3)に記載の製造方法である。
(5)本発明は、また、一般式(I)
[式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基又は低級アルコキシル基を表し、R2は、ベンゼン環と縮合した、置換基を有してもよいベンゼン環又は置換基を有してもよいシクロヘキサン環を表し、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、R5は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基、アリール基、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルカルボキシル基、アルキルエーテル基、ハロゲン化アルキル基、アルキルアミノ基、アシル基、アシルアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はチオエーテル基を表す。]で示されるトリプトファン誘導体又はその生理学的に許容される塩を有効成分とするインドールアミン酸素添加酵素阻害剤である。
(6)本発明は、また、前記トリプトファン誘導体は、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである(5)に記載のインドールアミン酸素添加酵素阻害剤である。
(7)抗癌剤である(5)又は(6)に記載のインドールアミン酸素添加酵素阻害剤である。
本発明によれば、優れたIDO阻害活性有し、IDO阻害剤、特に抗癌剤として有用な、新規トリプトファン誘導体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のトリプトファン誘導体は、一般式(I)
[式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基又は低級アルコキシル基を表し、R2は、ベンゼン環と縮合した、置換基を有してもよいベンゼン環又は置換基を有してもよいシクロヘキサン環を表し、R3及びR4は、同一又は異なって、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、R5は、水素原子、直鎖状又は分枝鎖状の、無置換の又はハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基、ヒドロキシ基、低級チオアルキル基若しくは低級アルキルアミノ基を有するアルキル基、アリール基、ホルミル基、カルボキシル基、低級アルキルカルボキシル基又はアシル基を表す。]で示される。
R1のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり、直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基は炭素数が1〜6であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基等が挙げられ、低級アルコシキル基は炭素数が1〜6であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等が挙げられる。
また、R2のベンゼン環又はシクロヘキサン環が有してもよい置換基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等の低級アルコシキル基等が挙げられる。
また、R3及びR4の直鎖状又は分枝鎖状の低級アルキル基は炭素数が1〜6であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基等が挙げられ、シクロアルキル基は炭素数が3〜8であり、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
さらに、R5の直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基は炭素数が3〜8であり、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1−メチル−2−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−エチル−1−ヘキシル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、アルキルカルボキシル基は炭素数が1〜8であり、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシキカルボニル基等が挙げられ、アルキルエーテル基は炭素数が1〜8であり、エーテル酸素が少なくとも1つ含有された化合物であれば特に限定されず、例えば、アセトニル基、アセトニリデン基、アセトニリジン基、フェナシル基、フェナシリデン基、フェナシリジン基等が挙げられ、ハロゲン化アルキル基は、上記低級アルキル基の水素原子が少なくとも1個、上記ハロゲン原子に置き換わっていればよく、例えば、塩化メチル基、塩化エチル基、塩化プロピル基、塩化ブチル基、臭化メチル基、臭化エチル基、臭化プロピル基、臭化ブチル基、フッ化メチル基、フッ化エチル基、フッ化プロピル基、フッ化ブチル基等が挙げられ、アルキルアミノ基は炭素数が1〜6であり、具体的には、エチルメチルアミノ基、エチルジメチルアミノ基、アミノエチル基、1−アミノプロピル基、2−アミノプロピル基、1−アミノブチル基、2−アミノブチル基、3−アミノブチル基、2−アミノメチルプロピル基、1−アミノメチルプロピル基等が挙げられ、アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等の脂肪族飽和モノカルボン酸から誘導される基、アクリロイル基、プロピオロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基等の脂肪族不飽和カルボン酸から誘導される基、ベンゾイル基、ナフトイル基、トルオイル基、ヒドロアトロポイル基、アトロポイル基、シンナモイル基等の炭素環式カルボン酸から誘導される基、フロイル基、テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等の複素環式カルボン酸から誘導される基、グリコロイル基、ラクトイル基、グリセロイル基、トロポイル基、ベンジロイル基、サリチロイル基、アニソイル基、バニロイル基、ピペロニロイル基、ガロイル基等のヒドロキシカルボン酸若しくはアルコキシカルボン酸から誘導される基または各種アミノ酸から誘導される基等が挙げられ、アシルアルキル基としては、アセトニル基、アセチルメチル基、プロピオニルメチル基、ベンゾイルエチル基、ナフトイルプロピル基、シンナモイルプロピル基、サリチロイルブチル基、ニコチノイルペンチル基、グリセロイルヘキシル基等が挙げられ、ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の少なくとも1個の炭素原子に水酸基が結合したものを意味し、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、メチルジオール基、エチルジオール基、プロピルジオール基等が挙げられ、チオエーテル基としては、メチルスルファニルメチル基、メチルスルファニルエチル基、エチルスルファニルメチル基等が挙げられる。
本発明のトリプトファン誘導体の具体例としては、以下に示すものが挙げられる。なお、これらの誘導体は複数のジアステレオマーを含むが、本発明のトリプトファン誘導体は、これらのジアステレオマーのいずれか1つ又は2つ以上の混合物を包含するものである。
本発明における生理学的に許容される塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、燐酸塩等の無機酸塩、酢酸炎、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩、または、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸との塩等が挙げられ、本発明のトリプトファン誘導体及びその生理学的に許容される塩は水和物の形であってもよい。
次に、本発明のトリプトファン誘導体の製造方法について説明する。
まず、DL−セリンに酢酸を加え、不活性ガス雰囲気下で酸無水物を加え、加温しながら一定時間攪拌し、次いで一般式(V)
[式中、R1〜R3は、前記定義どおりである。]で示されるインドール化合物を加え、加温しながら一定時間反応させる。反応終了後、酸無水物を加水分解し、適当な溶媒を加えて酸を留去した後、アルカリを添加して適当な溶媒を用いて抽出を行い、有機層からは未反応のインドール化合物を回収する。一方、水層に酸を添加し、適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行い、非結晶質化合物を得る。得られた非結晶質化合物にメタノール及び酢酸エチルを加え、不活性ガス雰囲気下でトリメチルシリルジアゾメタンを加えて室温で一定時間攪拌する。反応終了後、酸を用いてトリメチルシリルジアゾメタンを失活させ、適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行って、得られた化合物を精製し、一般式(VI)
[式中、R1〜R3は、前記定義どおりである。]で示される化合物を得る。
次に、得られた化合物(VI)を適当な溶媒に溶解させ、ジ(t−ブチル)カーボネートを添加し、一定温度下で一定時間攪拌して反応させる。反応終了後、適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行い、得られた化合物を精製し、一般式(VII)
[式中、R1〜R3は、前記定義どおりである。]で示される化合物を得る。
次に、得られた化合物(VII)を適当な溶媒に溶解させ、一定温度に保ちながら一定時間攪拌する。反応終了後、適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行い、得られた化合物を精製し、一般式(VIII)
[式中、R1〜R3は、前記定義どおりである。]で示される化合物を得る。
さらに、得られた化合物(VIII)を適当な溶媒に溶解させ、強酸を添加して一定温度下で一定時間攪拌し、次いでアルデヒド化合物を加えて一定時間攪拌し、反応終了後、中和した後に適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行い、一般式(X)
[式中、R1〜R3及びR5は、前記定義どおりである。]で示される化合物を得る。得られた化合物(X)に、イソシアネート化合物を添加して適当な溶媒に溶解させ、一定温度下で一定時間攪拌する。反応終了後、適当な溶媒で抽出を行い、洗浄・脱水した後に溶媒の留去を行い、得られた化合物を精製し、一般式(I)
[式中、R1〜R5は、前記定義どおりである。]で示される本発明のトリプトファン誘導体を得、これを再結晶化する。
なお、本発明のトリプトファン誘導体は、一般に知られている方法を組み合わせて製造されてもよく、その他必要に応じて適宜選択・変更することは差し支えない。
また、本発明のトリプトファン誘導体は、優れたIDO阻害活性有し、IDO阻害剤、特に抗癌剤として利用することができる。
本発明のIDO阻害剤は、経口又は非経口により患者に投与することができる。経口投与の場合には、本発明のトリプトファン誘導体に、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤、抗酸化剤等を加えた後、常法により、錠剤、被服錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、粉剤、トローチ剤、カプセル剤等の固形製剤として投与することができる。賦形剤としては、乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素等が挙げられ、結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、セラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が挙げられ、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等が挙げられ、滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油等が挙げられ、着色剤としては、医薬品に添加することが許可されているものであればよく、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末等が挙げられ、抗酸化剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール等の医薬品に添加することが許可されているものであればよい。なお、上記固形製剤には、糖衣、ゼラチン衣、その他必要に応じ適宜コーティングすることは差し支えない。
一方、非経口投与の場合には、坐剤、注射剤(点滴用注射剤も含む。)、軟膏剤、眼軟膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の非固形製剤として投与することができ、注射剤、点眼剤等の液状製剤を製造する場合は本発明のトリプトファン誘導体に、必要に応じてpH調整剤、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等張化剤、抗酸化剤、保存剤等を添加し、常法により製造することができる。なお、上記非固形製剤は、必要に応じて凍結乾燥物にすることも可能であり、注射剤は静脈、皮下、筋肉内に投与することができる。pH調整剤としては、塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム等が挙げられ、懸濁化剤としては、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、トラガント末、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられ、溶解補助剤としては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチン酸アミド、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられ、安定化剤としては、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、エーテル等が挙げられ、等張剤としては、塩化ナトリウム、ぶどう糖等が挙げられ、保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェノール、クレゾール、クロロクレゾール等が挙げられる。
本発明のIDO阻害剤の投与量は、患者、疾患の種類、症状の程度、患者の年齢、性差、薬剤に対する感受性差等により著しく異なり、正確な投与量は医師の診断により決定されるものであるが、通常、成人に対し1日あたり、前記トリプトファン誘導体の投与量換算で、経口投与に場合は0.1〜1000mgを、非経口投与、例えば静脈内投与の場合は0.1〜1000mgを、1日1回又は数回に分けて投与する。
本発明のIDO阻害剤は、極めて優れたIDO阻害活性を有するので、癌、老人性白内障、敗血症、エイズ痴呆症やマラリア脳症等の感染性脳疾患、アルツハイマー病や虚血性脳疾患等の炎症性脳疾患等の予防及び治療に用いることができる。
次に、本発明を、実施例によりさらに詳細に説明するが、これは本発明の実施態様を例示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
[参考例1]DL−N−アセチルベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの合成
まず、二頚ナスフラスコにDL−セリン124.2mg(1.18mmol)を入れ、酢酸2.5mlを加えて脱気後にアルゴン置換を行い、無水酢酸0.6ml(5.5mmol)を加え、45℃の温度条件下で2時間攪拌し、溶液が透明になるのを確認した。そこへ、式(Va)で示されるベンズ[e]インドール104.7mg(0.627mmol)を加え、60℃の温度条件下で4時間反応させた。反応終了後、水を加えて無水酢酸を酢酸とし、ベンゼンを加えて留去を行った。その後、30%水酸化ナトリウムを用いてアルカリ性にし、酢酸エチル:ベンゼン=1:1の溶液を用いて抽出を行った。飽和塩化ナトリウムを用いて有機層を洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて脱水した後に溶媒の留去を行い、茶色オイルのベンズ[e]インドール26.1mg(0.156mmol、23%)を回収した。さらに、10%塩化水素を用いて水層を酸性にして酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、溶媒を留去した後に式(XI)で示される黄色非結晶質化合物184.4mgを得た。得られた化合物(XI)に、メタノール及び酢酸エチルを添加し、簡易的にアルゴン置換を行った。その後、2.0Mトリメチルシリルジアゾメタン2mLを加え、室温で45分間攪拌し、反応終了後、酢酸にてトリメチルシリルジアゾメタンを失活させた後に、酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム及び飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムを用いて脱水し、溶媒を留去した。それをシリカカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ベンゼン=1:1)を用いて精製し、式(VIa)で示される黄色針状結晶のDL−N−アセチルベンズ[e]トリプトファンメチルエステル88.4mg(0.285mmol、収率45%)を得た。以下、DL−N−アセチルベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの理化学的性状を示した。
融点:184〜185℃
400MHz 1HNMR(CDCl3)δ:1.83(3H,s,−NHCOCH3)、3.57(1H,dd,J=6.8,8.1Hz,one of CH2)、3.60(3H,s,−COOCH3)、3.76(1H,dd,J=3.6,5.6Hz,one of CH2)、5.13(1H,dd,J=1.2,5.6Hz,CH)、7.04(1H,d,J=2.4Hz,C2−H)、7.42(1H,t,J=7.2Hz,C5−H or C6−H)、7.48(1H,d,J=8.8Hz,C4−H or C7−H)、7.55〜7.63(3H,m,C5−H or C6−H and C4−H and C7−H)、8.94(1H,d,J=8.0Hz,C8−H or C9−H)、8.40(1H,d,J=8.4Hz,C8−H or C9−H)、8.61(1H,brs,indol−NH)
EI−Mass m/z:91(BP)、310(M+)
Rf value:0.4(酢酸エチル:ベンゼン=1:1)
融点:184〜185℃
400MHz 1HNMR(CDCl3)δ:1.83(3H,s,−NHCOCH3)、3.57(1H,dd,J=6.8,8.1Hz,one of CH2)、3.60(3H,s,−COOCH3)、3.76(1H,dd,J=3.6,5.6Hz,one of CH2)、5.13(1H,dd,J=1.2,5.6Hz,CH)、7.04(1H,d,J=2.4Hz,C2−H)、7.42(1H,t,J=7.2Hz,C5−H or C6−H)、7.48(1H,d,J=8.8Hz,C4−H or C7−H)、7.55〜7.63(3H,m,C5−H or C6−H and C4−H and C7−H)、8.94(1H,d,J=8.0Hz,C8−H or C9−H)、8.40(1H,d,J=8.4Hz,C8−H or C9−H)、8.61(1H,brs,indol−NH)
EI−Mass m/z:91(BP)、310(M+)
Rf value:0.4(酢酸エチル:ベンゼン=1:1)
[参考例2]N−アセチル−1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの合成
まず、参考例1で得られたDL−N−アセチルベンズ[e]トリプトファンメチルエステル208.5mg(0.671mmol)、及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジン89.7mg(0.735mmol)をナスフラスコに入れ、テトラヒドロフラン4.2mlを加えて溶解させ、次いでジ(t−ブチル)カーボネート1.4ml(5.857mmol)を加え、外温30℃条件下で90分間撹拌した。反応終了後、水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムを用いて脱水した後に溶媒を留去し、黄褐色オイル675.0mgを得た。これをシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用いて精製し、式(VIIa)で示されるN−アセチル−1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステル314.3mg(収率91.6%)を得た。以下、N−アセチル−1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの理化学的性状を示した。
融点:58〜65℃
400MHz 1HNMR(CDCl3)δ:1.525(9H,s,One of Boc)、1.657(9H,s,One of Boc)、2.375(3H,s,N−Ac)、3.601(1H,dd,J=15.6,10.8Hz,One of CH2)、3.796(3H,s,COOCH3)、4.037(1H,dd,J=15.6,4.0Hz,One of CH2)、5.546(1H,dd,J=10.8,4.0Hz,−CH)、7.351(1H,s,C2−H)、7.442(1H,ddd,J=8.0,7.2,0.8Hz,C5 or C6−H)、7.550(1H,ddd,J=8.0,7.2,1.2Hz,C5 or C6−H)、7.698(1H,d,J=8.8Hz,C8 or C9−H)、7.910(1H,d,J=7.6Hz,C8 or C9−H)、8.315(1H,d,J=8.4Hz,C4 or C7−H)、8.347(1H,d,J=9.2Hz,C4 or C7−H)
EI−MS m/z:510(M+)
融点:58〜65℃
400MHz 1HNMR(CDCl3)δ:1.525(9H,s,One of Boc)、1.657(9H,s,One of Boc)、2.375(3H,s,N−Ac)、3.601(1H,dd,J=15.6,10.8Hz,One of CH2)、3.796(3H,s,COOCH3)、4.037(1H,dd,J=15.6,4.0Hz,One of CH2)、5.546(1H,dd,J=10.8,4.0Hz,−CH)、7.351(1H,s,C2−H)、7.442(1H,ddd,J=8.0,7.2,0.8Hz,C5 or C6−H)、7.550(1H,ddd,J=8.0,7.2,1.2Hz,C5 or C6−H)、7.698(1H,d,J=8.8Hz,C8 or C9−H)、7.910(1H,d,J=7.6Hz,C8 or C9−H)、8.315(1H,d,J=8.4Hz,C4 or C7−H)、8.347(1H,d,J=9.2Hz,C4 or C7−H)
EI−MS m/z:510(M+)
[参考例3]1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの合成
まず、参考例2で得られたN−アセチル−1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステル726.1mg(1.422mmol)をナスフラスコに入れ、1,2−ジクロロエタン5.0ml及びメタノール1.0mlを加えて溶解させ、氷冷下で抱水ヒドラジン700μL(14.4mmol)を滴下し、外温3℃条件下で40分間撹拌した。反応終了後に水を加えて酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、次いで無水硫酸マグネシウムを用いて脱水した後に溶媒を留去し、白色固体641.9mgを得た。シリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)を用いてこれを精製し、式(VIIIa)で示される1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステルを571.5mg(収率82.2%)を得た。以下、1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステルの理化学的性状を示した。
融点:151〜153℃
400MHz NMR(Acetone−d6)δ:1.332(9H,s,One of Boc)、1.698(9H,s,One of Boc)、3.427(1H,dd,J=15.2,10.8Hz,One of CH2)、3.710〜3.758(4H,m,COOMe and One of CH2)、4.717(1H,s,CH)、6.453(1H,d,J=8.1Hz,NH)、7.503(1H,t,J=8.0Hz,C5 or C6−H)、7.627(1H,t,J=8.4Hz,C5 or C6−H)、7.701(1H,s,C2−H)、7.804(1H,d,J=8.8Hz,C8 or C9−H)、8.008(1H,d,J=7.6Hz,C8 or C9−H)、8.410(1H,d,J=8.8Hz,C4 or C7−H)、8.536(1H,d,J=8.4Hz,C4 or C7−H)
EI−MS m/z:468(M+)
融点:151〜153℃
400MHz NMR(Acetone−d6)δ:1.332(9H,s,One of Boc)、1.698(9H,s,One of Boc)、3.427(1H,dd,J=15.2,10.8Hz,One of CH2)、3.710〜3.758(4H,m,COOMe and One of CH2)、4.717(1H,s,CH)、6.453(1H,d,J=8.1Hz,NH)、7.503(1H,t,J=8.0Hz,C5 or C6−H)、7.627(1H,t,J=8.4Hz,C5 or C6−H)、7.701(1H,s,C2−H)、7.804(1H,d,J=8.8Hz,C8 or C9−H)、8.008(1H,d,J=7.6Hz,C8 or C9−H)、8.410(1H,d,J=8.8Hz,C4 or C7−H)、8.536(1H,d,J=8.4Hz,C4 or C7−H)
EI−MS m/z:468(M+)
[実施例1]9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンの合成
次に、下記反応式(D)
に従って9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンの製造を行った。
まず、参考例3で得られた1,N−ビス(t−ブトキシカルボニル)−ベンズ[e]トリプトファンメチルエステル72.7mg(0.155mmol)をナスフラスコに入れ、ジクロロメタン2.0mlを加えて溶解させ、次いでトリフルオロ酢酸270μL(3.5046mmol)を加えて外温30℃条件下で2時間撹拌し、アセトアルデヒド43μL(0.766mmol)を加え、1.5時間撹拌し、式(IXa)で示される化合物を得た。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウムを用いて中和し、酢酸エチルで抽出し、飽和塩化ナトリウムを用いて洗浄し、次いで炭酸カリウムを用いて脱水した後に溶媒を留去し、式(Xa)で示される赤茶色固体46.3mgを得た。これをナスフラスコに入れ、メチルイソシアネート0.6mg(0.418mmol)及びトリエチルアミン0.5ml(3.587mmol)を加えてジクロロメタン2.0mlに溶解させ、30℃条件下で4時間撹拌した。反応終了後、水を加えて酢酸エチルで抽出し、10%塩化水素、飽和塩化ナトリウム及び飽和炭酸水素ナトリウムを用いて洗浄し、次いで硫酸ナトリウムを用いて脱水した後に溶媒を留去し、茶褐色固体48.5mgを得た。シリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)を用いてこれを精製し、本発明のトリプトファン化合物である一般式(Ia)で示される9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オン36.7mg(収率70.5%)を得た。これをエタノール−酢酸エチルを用いて再結晶させた。以下、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンの理化学的性状を示した。
融点:260〜263℃(分解)
400MHz 1H−NMR(CDCl3)δ:1.687(3H,d,J=6.8Hz,C5−CH3)、3.222(1H,dd,J=15.2,11.2Hz,One of CH2)、3.348(3H,s,N2−CH3)、3.924(1H,dd,J=14.8,5.6Hz,One of CH2)、4.457(1H,dd,J=10.8,6.0Hz,Chiral CH)、5.931(1H q,J=6.4Hz,C5−H)、7.415(1H,ddd,J=8.0,7.2,0.8Hz,C10 or 11−H)、7.482(1H,d,J=8.4Hz,C7 or 8−H)、7.535(1H,ddd,J=8.4,6.8,1.6Hz,C10 or 11−H)、7.601(1H,d,J=8.8Hz,C7 or 8−H)、7.902(1H, d, J=8.0Hz,C9 or 12−H),8.216(1H,d,J=8.4Hz,C9 or 12−H)、8.251(1H,s,indole NH)
EI−MS m/z:335(M+)
融点:260〜263℃(分解)
400MHz 1H−NMR(CDCl3)δ:1.687(3H,d,J=6.8Hz,C5−CH3)、3.222(1H,dd,J=15.2,11.2Hz,One of CH2)、3.348(3H,s,N2−CH3)、3.924(1H,dd,J=14.8,5.6Hz,One of CH2)、4.457(1H,dd,J=10.8,6.0Hz,Chiral CH)、5.931(1H q,J=6.4Hz,C5−H)、7.415(1H,ddd,J=8.0,7.2,0.8Hz,C10 or 11−H)、7.482(1H,d,J=8.4Hz,C7 or 8−H)、7.535(1H,ddd,J=8.4,6.8,1.6Hz,C10 or 11−H)、7.601(1H,d,J=8.8Hz,C7 or 8−H)、7.902(1H, d, J=8.0Hz,C9 or 12−H),8.216(1H,d,J=8.4Hz,C9 or 12−H)、8.251(1H,s,indole NH)
EI−MS m/z:335(M+)
[実施例2]IDO阻害作用確認試験(試験管内反応)
基本反応系は、滝川らの方法(滝川、他 J. Biol. Chem. 263巻 p2041−2048 (1988)参照)に従った。各濃度(0,50,100,200μM)の本発明のトリプトファン誘導体を、トリプトファンに加えて37℃条件下で60分間反応させ、反応産物であるキヌレニンを高速液体クロマトグラフィーで測定した結果を図2に示した。ただし、トリプトファンの濃度は200μMに固定して測定を行い、本発明のトリプトファン誘導体が含まれていない時の活性を100%とし、相対活性として表示した。
図1に示したとおり、精製IDOに対する本発明のトリプトファン誘導体の阻害活性は、市販のIDO阻害剤として最高活性を示すNec−1と同等の阻害活性を示し、さらに、汎用されるIDO阻害剤である1−MTより高い阻害活性を示した。
[実施例3]トリプトファン代謝阻害作用確認試験(培養細胞反応)
まず、96ウェルのマイクロプレートに、ウェル当たり5×104個のヒト卵巣癌由来細胞(ヒト卵巣癌由来細胞株:2008/PX2、Okamoto et al. Clin. Cancer. Res. 11 p6030−6039 (2005)参照)を、ヒトIFN−γ(Sigma I1520)100U/mlを含む液体培地(90%DMEM(Sigma D5796)+10%子牛血清+ペニシリンG(100U/ml)+ストレプトマイシン(100μg/ml)+トリプトファン(100μM))100μLに懸濁して分注し、37℃、5%CO2条件下で培養を行った。なお、ヒトIFN−γは、IDOを細胞内に誘導するために添加した。24時間後、上記液体培地を、各濃度(0,1,3,10,30,100μM)の本発明のトリプトファン誘導体を含む100μLの液体培地に交換し、培養を続けた。さらに24時間後、細胞内のIDOの代謝によって培地中に蓄積したトリプトファンの代謝産物であるキヌレニンを、エールリッヒ試薬(p−ジメチルアミノベンズアルデヒド(以下、「DMABA」という。)0.2gを酢酸10mlに溶解させた2%(w/v)DMABA酢酸溶液10mlに、7%(w/v)トリクロロ酢酸水溶液4mlを加えて混合したもの。)140μLを添加した各ウェルに加えて発色させ、マイクロプレートリーダー(標準フィルタ:450nm)で比色定量し、阻害率を求めた結果を図2に示した。
図2に示すとおり、本発明のトリプトファン誘導体は、Nec−1より若干劣るものの、1−MTより高い阻害活性を示し、IDOによるトリプトファン代謝活性を、細胞レベルで阻害することがわかった。
[実施例4]細胞毒性試験
実施例3と同様のヒト卵巣癌由来細胞株を、96ウェルマイクロプレートに、ウェル当たり2000個を、実施例3と同様の液体培地100μLに懸濁し、37℃、5%CO2条件下で培養した。24時間後、各濃度(0,1,3,10,30,100μM)を含む培地に交換して培養を続け、さらに24時間後、水溶性テトラゾリウム塩WST−8(Cell Counting Kit−8、(株)同仁化学研究所)を、9%(v/v)含む培地100μLに交換して1時間呈色反応を行い、吸光度(標準フィルタ:450nm)を測定することにより細胞毒性を評価した。
図3に示すとおり、本発明のトリプトファン誘導体は、Nec−1や1−MTと比較して非常に強い細胞毒性を示し、特に、IDO活性抑制による癌の免疫抑制を解除するのみならず、癌そのもの増殖をも抑制することを示した。即ち、本化合物は癌細胞の増殖に対して少なくとも二面的な抑制機序を有する優れた性質を有することを示した。
本発明のトリプトファン誘導体は、極めて優れたIDO阻害活性を有するので、癌、老人性白内障、敗血症、エイズ痴呆症やマラリア脳症等の感染性脳疾患、アルツハイマー病や虚血性脳疾患等の炎症性脳疾患等の予防及び治療に用いることができる。
Claims (7)
- 一般式(I)
- 9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである請求項1に記載のトリプトファン誘導体。
- 一般式(II)
- 前記トリプトファン誘導体は、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである請求項3に記載の製造方法。
- 一般式(I)
- 前記トリプトファン誘導体は、9,11―ジメチル−10−ジオキソ−7,7a、9,10,11,12−ヘキサヒドロ−9,10a,12−トリアザ−ベンゾ[c]シクロペンタ[h]フルオレン−8−オンである請求項5に記載のインドールアミン酸素添加酵素阻害剤。
- 抗癌剤である請求項5又は6に記載のインドールアミン酸素添加酵素阻害剤。
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