JP2008201418A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中型、大型の自動二輪車における乗降性を著しく向上することができるようにした自動二輪車を提供することを課題とする。
【解決手段】 シリンダCを上方に起立して設けたエンジン13を、シート29前方に配置した自動二輪車において、ヘッドパイプ8から斜め下後方に垂下、延出する左右一対のフレーム9の下端部を、エンジンのミッションケース17上部に取り付け、フレームとシリンダとの間に凹状空間部31を設けた自動二輪車。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗降性を向上させた自動二輪車に関する。
排気量がある程度大きい中型、大型の自動二輪車では、燃料タンク、或いは燃料タンクを模したカバーがエンジン上方に配置され、燃料タンク、或いはカバーの直後にシートが配置されており、燃料タンク、或いはカバーの後端部とシート前端部とは極めて近接するか、或いは連続した構造のものが多い。
このような従来の自動二輪車では、シート前端部と燃料タンク、或いはカバーとが近接し、或いは連続しているので、跨ぎにくく、乗降時の点で改善が望ましい。
従来技術として、自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−67285号公報
上記した特許文献1に掲載の自動二輪車は、ヘッドパイプから後下傾するフレームと、該フレームの後部から一段高い位置にシートを備え、シートの前方に低い凹状空間部が形成されている構造である。
エンジンのシリンダヘッドは、フレームの下方に空間をもって配置されている。
以上の公報掲載の従来技術は、起立したエンジンのシリンダ後方に燃料供給装置、エアクリーナを配置している。
このため、排気量のある程度大きい、或いは大排気量のエンジンを搭載した自動二輪車においては、シリンダが長くなり、この結果、シリンダの高さが高くなり、これによりフレームの高さが高くなること、又シリンダの高さが高くなる結果、これの後方に配置される燃料供給装置、エアクリーナの設置位置も高くなり、公報掲載のような凹状空間部を形成することが難しくなったり、凹状空間部を設けても、凹状空間部の底の位置が高い位置となり、乗降時に跨ぎ難くなり、乗降性の改善が難しい。
本発明は、排気量がある程度大きい中型、大型の自動二輪車における以上の課題に鑑み、これを解決するためになされたものである。
本発明は、排気量がある程度大きく、或いは大排気量の自動二輪車において、シリンダを起立させた形式のエンジンを採用した自動二輪車において、乗降時に跨ぎ易く、スクータと同様の乗降性を確保することが可能であり、中型、大型の自動二輪車における乗降性を著しく向上することができるようにした自動二輪車を提供することを課題とする。
又本発明の他の課題は、上記を自動二輪車の外観性を向上させながら簡素な構成で実現し得るようにした自動二輪車を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1は、シリンダを上方に起立して設けたエンジンを、シート前方に配置した自動二輪車において、ヘッドパイプから斜め下後方に垂下、延出する左右一対のフレームの下端部を、エンジンのミッションケース上部に取り付け、前記フレームと前記シリンダとの間に凹状空間部を設けたことを特徴とする。
請求項2は、請求項1において、前記ミッションケースは、クランクケースと一体であることを特徴とする。
請求項3は、請求項1において、前記フレームはメインフレームであり、左右一対のシートフレームは、凹状空間部の下方で、前記左右一対のメインフレームの後端部から斜め上後方に延出し、左右一対の補強部材は、前記左右一対のシートフレームの前後方向の中間部から斜め下方に延出され、ミッションケースに下端部を結合したことを特徴とする。
請求項4は、請求項2において、前記左右一対のメインフレームは、前記ヘッドパイプと繋がる前部は上下方向の幅が大きく、中間部がこれよりも上下方向の幅が小さく、下部(後部)は下方に垂下し、前後方向に長さを有し、下端部は水平方向に直線状であることを特徴とする。
請求項5は、請求項1〜4何れか1項において、前記クランクケースおよび/または前記ミッションケースの左右両端部を、前記左右一対のメインフレームの下端部に取り付け、支持したことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ヘッドパイプから斜め下後方に垂下、延出する左右一対のメインフレームの下端部を、ミッションケースの上部で取り付けることで、シートとシリンダとの間に凹状空間部ができ、跨ぎ易く、優れた乗降性を確保することができる。
請求項2に係る発明では、請求項1において、ミッションケースはクランクケースと一体なので、エンジンのクランクケースを含んでミッションケースの上部で取り付けることで、シートとシリンダとの間に凹状空間部ができ、跨ぎ易く、優れた乗降性を確保することができる。
請求項3に係る発明では、左右一対のシートフレームが、左右一対のメインフレームの下位の後端部から斜め上後方に延出し、左右一対の補強部材を、ミッションケースにその下端部を結合することで、跨ぎ易く、優れた乗降性を確保することができる。
請求項4に係る発明では、メインフレームの中間部が前部よりも上下方向の幅が小さく、下部(後部)が下方に垂下していることで、跨ぎ易く、優れた乗降性を確保することができる。
請求項5に係る発明では、クランクケースおよび/またはミッションケースの左右両端縁部を、左右一対のメインフレームを取り付けることで、左右のメインフレーム間の空間内にエンジンのシリンダの上部を収納することができる。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車1は、フロントフォーク2で支持された操向輪である前輪3を備え、フロントフォーク2の図示しないステアリングステムは、フレーム7の前端部に設けたヘッドパイプ8に操向回動自在に支持されており、ヘッドパイプの上にはハンドルベース4がステアリングステム上端部に結合して配置され、該ハンドルベース上にバー式のハンドル5が設けられており、図中6はヘッドライトである。
フレーム7は、ヘッドパイプ8から斜め下後方に延出された左右のメインフレーム9、メインフレーム9の下位の後端部から斜め上後方に延出した左右のシートフレーム10、該各シートフレーム10の前後方向の中間部から斜め下前方に延出され、後述するミッションケース17に下端部を結合した左右の補強部材11とで構成する。
図1では、メインフレームの左側が示されており、右側は紙面の裏面方向に平行に配置されている。図2、図3でメインフレームの構造は後述する。
同様にシートフレーム10及び補強部材11も左右両側に配置されている。
メインフレーム9は、実施の形態では、側面視で上下方向に幅のある略Z字形類似の形状で、ヘッドパイプ8と繋がる前部9aは上下方向の幅が大きく、中間部9bがこれよりも上下方向の幅が小さく、下部(後部)9cは下方に垂下し、前後方向に長さを有し、下端部9dは水平方向に直線状である。
左右のメインフレーム9は、実施の形態ではアルミニウム合金鋳物で形成した。
左右のシートフレーム10、左右の補強部材11はアルミニウム合金の中空押し出し材等で形成した。
13はエンジンであり、クランクケース14上に起立するように設けられたシリンダC、具体的はシリンダブロック15、この上のシリンダヘッド16(シリンダヘッドカバーを含む)からなる。シリンダCは、実施の形態では、若干前方に上向きとなるように傾斜して配置されている。
前記左右のメインフレーム9の前部9aの下端部には、エンジンハンガーブラケット12を垂下、設置し、該ブラケット12を介してエンジン13のシリンダCのシリンダブロック15の上部を吊下げ支持した。
エンジン13のクランクケース14の後方には、ミッションケース17を一体化して配置し、該ミッションケース17の前半部上に、前記メインフレーム9の下部(後部)9cを位置させ、これの下端部9dをミッションケース17の前半部の左右両端縁部17b上に重ね合せるようにする。
上記したミッションケース17の前半部の左右両端縁部17b上には、ステイを17cを設け(図2参照)、メインフレーム9の下部(後部)9cとをボルト17a,17aで結合する。
このように、エンジンハンガーブラケット12とミッションケース17により、エンジン13、ミッションケース17を含むパワーユニットを、メインフレーム9に取付、支持する。
ミッションケース17の後方に後輪19を支持するリヤスイングアーム18を延出する。実施の形態ではシャフトドライブ機構を採用し、リヤスイングアーム18は支軸18aを支点としてスイング動する。リヤスイングアーム18の後部と左右両側の一方のシートフレーム10との間には、リヤクッションユニット20を介装した。これ等により後輪懸架機構を構成した。
前記したエンジン13のシリンダCを、左右のメインフレーム9の間の空間内に配置する。図では、シリンダブロック15の一部、シリンダヘッド16が、左右のメインフレーム9の間の空間内に配置した。
シリンダヘッド16の上方で、左右のメインフレーム9間の空間には、エアクリーナ21を配置する。
図では、エアクリーナ21の前部がメインフレーム9の縦長の前部9a間に配置され、メインフレーム9の前部9a後方からエアクリーナ21の中間部〜後部の上部を覆い、メインフレーム9の中間部9bの後部上にかけて、燃料タンク類似形状の前部カバー22を設ける。前部カバー22にメータユニット23を配置した。
エンジン13のシリンダブロック15の後部には、斜め上方にインレットマニホールド24を延出し、該インレットマニホールド24をコンチューブ25でエアククリーナ21のクリーンサイドを連結する。
インレットマニホールド24の近傍には燃料供給装置としてのフューエルインジェクション26を配置し、該フューエルインジェクション26を燃料供給管28を介して後述する燃料タンク27に連通、接続する。
前記した左右のシートフレーム10上には、シート29を配置し、シート29は、実施の形態ではタンデム式のシートとした。
以上のシート29の下方に前記した燃料タンク27を収納配置し、シート29の下方両側及びメインフレーム9の下部(後部)9cとの間を後部カバー30で覆う。
シート29の前端部19aと、前記した前部カバー22の後端部22aとは、前後方向に間隔を開けて配置し、この間には、前後方向に長さを有する凹状空間部31を設ける。
凹状空間部31は、前記した前部カバー22の後端部22aと、後下傾したメインフレーム9の下部(後部)上縁9eと突合された後部カバー30の前端部30aとの間で、シート29の前端部29a間に上方に開放し、左右両側に開放するように凹状に形成されている。
凹状空間部31の部分を一点鎖線のハッチングで示した。以下の図においても、凹状空間部31を同様に示した。
図2は、車体関係の構成要素を鎖線で示し、エンジン、ミッションケース、エアクリーナ、燃料タンクを実線で示した要部拡大側面図である。
図で明示したように、シリンダヘッド16の上端部16a(図ではシリンダヘッドカバーの上端部)に対し、凹状空間部31の底部31aは、高さHだけ低い位置に設定する。
又シート29の前端部29aと、燃料タンクを模した前部カバー22の後端部22aとの間の空間Wは、前後方向に大きく設定する。
実質的には、前部カバー22の後部が、後方に下向きに傾斜しているので、凹状空間部31の前後方向の寸法はより大きくなる。
これにより、凹状空間部31の底部31aの高さは、シリンダヘッド16よりも低く、これの後方の上方にシート29の前端部29aが位置し、又前後方向に大きな空間が形成されており、跨ぎ易く、スクータと同様の乗降性を確保することができる。
図3は、フレームとエンジンとの関係を示す要部の平面図である。
図で明示されたように、エンジン13のシリンダC(シリンダブロック15、シリンダヘッド16)は、左右のメインフレーム9,9の前半部間の空間内に配置されており、従って、起立したシリンダC(シリンダブロック15、シリンダヘッド16を含む)の長さが大きくなり、この結果、高さが高くなっても、左右のメインフレーム9,9間の空間内にその上部〜上半部が配置されることとなる。
図4は、フレームとエンジン、エアクリーナとの関係を示す一部を破断した正面図である。
エンジン13は、実施の形態では図示しないシリンダボアを左右に並設した並列2気筒エンジンを用い、左右の幅がある程度大きい。前記したインレットマニホールド24は、気筒毎に左右2ヵ所備え、又図4で明示したように、排気管32は、並設したシリンダボアの夫々に設けた図示しない左右の排気孔に対応して、左右に2ヵ所32,32としてシリンダブロック15の前部から下方に向けて配設される。各排気管32,32は、図1のように、エンジン13のクランクケース14の下方、ミッションケース17の下方、該ミッションケース17の後部上方に斜めに延出され、後輪19の上部の左右外側で、後部カバー30の両側に配置されたマフラ33に夫々接続される。
図5は、本発明の他の実施の形態を示す自動二輪車の側面図である。図6は、図5の実施の形態の自動二輪車の車体関係の構成要素を鎖線で示し、エンジン、ミッションケース、エアクリーナ、燃料タンクを実線で示した要部拡大側面図である。図5、図6に従って、本実施の形態を説明する。
本実施の形態においても、上記した実施の形態と自動二輪車の構成要素が燃料タンク、エアクリーナの配置を除いては全く同様である。従って、上記した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施の形態は、エンジン13、フレーム7のヘッドパイプ8、メインフレーム9の構造、シート29の配置が、前記した実施の形態と同様なので、変更した構成のみを説明する。
本実施の形態では、燃料タンク127をエンジン13のシリンダCの上方で、左右のメインフレーム9,9の前半部間に配置した。インレットマニホールド124をシリンダ後方で、斜め下方に向けて配置した。又シリンダ後方に配置したフューエルインジェクション126を、上方に配置した燃料タンク127の後部下方に垂下した短い燃料供給管128に接続した。
燃料タンク127を、前述のようにシリンダC(シリンダヘッド16)の上方に配置し、一方、エアクリーナ121は、シート29の下方に配置した。
エアクリーナ121のクリーンサイドは、前記したシリンダの後方で、斜め下方に延出するように設けたインレットマニホールド124に、長いコンチューブ125で接続した。
以上、実施の形態を図1〜図4、図5及び図6で説明した。実施の形態では、燃料供給装置としてフューエルインジェクションを用いた。フューエルインジェクションを用いることで、燃料供給装置を小型化することができ、従って、凹状空間部31の形成がし易く、又凹状空間部31を大きくすることができる。燃料供給装置は、フューエルインジェクションに代えてキャブレターを用いても良い。
又エンジンを実施の形態では、並列2気筒エンジンとしたが、単気筒の排気量が大きいエンジンを用いても良い。更に2気筒以上の複数気筒のエンジンを用いても良い。
本発明は、排気量がある程度大きく、或いは大排気量の自動二輪車に実施するに好適である。
本発明に係る自動二輪車の側面図である。 車体関係の構成要素を鎖線で示し、エンジン、ミッションケース、エアクリーナ、燃料タンクを実線で示した要部拡大側面図である。 フレームとエンジンとの関係を示す要部の平面図である。 フレームとエンジン、エアクリーナとの関係を示す一部を破断した正面図である。 本発明の他の実施の形態を示す自動二輪車の側面図である。 図5の実施の形態の自動二輪車の車体関係の構成要素を鎖線で示し、エンジン、ミッションケース、エアクリーナ、燃料タンクを実線で示した要部拡大側面図である。
符号の説明
1…自動二輪車、 …7フレーム、 8…ヘッドパイプ、 9…左右のフレームであるメインフレーム、 13…エンジン、 14…クランクケース、 C…シリンダ、 16…シリンダヘッド、 21,121…エアクリーナ、 24,124…インレットマニホールド、 26…フューエルインジェクション、 27,127…燃料タンク、 29…シート、 31…凹状空間部。

Claims (5)

  1. シリンダを上方に起立して設けたエンジンを、シート前方に配置した自動二輪車において、
    ヘッドパイプから斜め下後方に垂下、延出する左右一対のフレームの下端部を、エンジンのミッションケース上部に取り付け、
    前記フレームと前記シリンダとの間に凹状空間部を設けた、
    ことを特徴とする自動二輪車。
  2. 前記ミッションケースは、クランクケースと一体であることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 前記フレームはメインフレームであり、左右一対のシートフレームは、凹状空間部の下方で、前記左右一対のメインフレームの後端部から斜め上後方に延出し、左右一対の補強部材は、前記左右一対のシートフレームの前後方向の中間部から斜め下方に延出され、ミッションケースに下端部を結合したことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車。
  4. 前記左右一対のメインフレームは、前記ヘッドパイプと繋がる前部は上下方向の幅が大きく、中間部がこれよりも上下方向の幅が小さく、下部(後部)は下方に垂下し、前後方向に長さを有し、下端部は水平方向に直線状であることを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車。
  5. 前記ミッションケースの左右両端部を、前記左右一対のメインフレームの下端部に取り付け、支持したことを特徴とする請求項1〜4何れか1項に記載の自動二輪車。
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