JP2008200990A - 包装材料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高湿度条件でも優れた酸素ガスバリヤー性と耐水性、さらに防湿性、ヒートシール等が付与される包装材料の提出。
【解決手段】基材フィルム上に樹脂組成物(a)が積層された酸素ガスバリヤー層(A)と、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)を有する複合フィルム(C)を備える包装材料を、樹脂組成物(a)は、ハロゲン原子及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つが結合した金属原子を含む少なくとも1種の化合物(L)の加水分解縮合物と、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の2価以上の金属イオンによる中和物を含む組成物からなり、酸素ガスバリヤー層(A)と複合フィルム(C)が、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに接着された積層体からなるようにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリ(メタ)アクリル酸に代表される、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体の中和物を含む樹脂組成物が積層された、酸素ガスバリヤー層を含有する積層体からなる包装材料とその製造方法に関する。本発明の包装材料は、酸素ガスバリヤー層により、高湿度条件でも優れた酸素ガスバリヤー性と耐水性(水や沸騰水に対する不溶性)が付与され、他の層により防湿性、ヒートシール性等が付与されており、酸化等の酸素による品質の劣化を受けやすい、食用油を多量に含む食品の包装に好適である。更に、本発明の包装材料は高い強度を有し得る。
酸化劣化しやすい食品の包装材料には、優れた酸素ガスバリヤー性が求められる。更に、レトルト処理やボイル処理される食品の包装材料には、耐水性が求められる。酸素ガスバリヤー性が優れる包装材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)フィルムが例示される。しかしながら、PVAフィルムは、乾燥状態での酸素ガスバリヤー性が優れているが、高湿度条件下での酸素ガスバリヤー性が著しく低下し、沸騰水に溶解するものであり、また、PVDCフィルムは、酸素ガスバリヤー性が十分であるとは言えない。
そこで、湿度に依存しない酸素ガスバリヤー性及び耐水性を有する食品包装材料として、PVAフィルム及びPVDCフィルムに代わる下記(1)〜(5)のポリカルボン酸系重合体層を含む積層体等が検討された。
(1)ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂から形成された耐熱性フィルム(B)の上に、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーと糖類を含有する溶液を塗工し、乾燥して被膜を形成させた後、該被膜を100℃以上の温度で熱処理してガスバリヤー性フィルム(A)を形成し、耐熱性フィルム(B)に隣接してポリプロピレン、ポリエチレン等のヒートシール性を有するシール性層(C)が形成されて得られる積層体(例えば、特許文献1参照)。
(2)ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール類との混合物からなる成形物表面に金属化合物を含む層を塗工したものを100℃以上の温度で熱処理して得られたガスバリヤ性フィルム、又は、ポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコール類との混合物からなる成形物を100℃以上の温度で熱処理した後、成形物表面に金属化合物を含む層を塗工して得られたフィルムの金属化合物を含む層が塗工されていない面にポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムが固定されているガスバリヤ性フィルムの一方の外層にポリプロピレン、ポリエチレン等のヒートシール性を有する樹脂層が形成された積層体(例えば、特許文献2参照)。
(3)ポリエチレンテレフタレートフィルム上に接着剤、ポリアクリル酸と溶剤の混合物、酸化亜鉛含有塗料の順に塗工、乾燥して積層体を得、積層体の酸化亜鉛含有塗料面に接着剤を介して未延伸ポリプロピレンフィルムをドライラミネートして得られるラミネートフィルム(例えば、特許文献3、実施例33参照)。
(4)ポリエチレンテレフタレート等の第一の高分子フィルムにポリ(メタ)アクリル酸系ポリマーとポリアルコールとの混合物から形成されるコーティング層が積層されている第一の複合フィルムと、延伸ナイロンフィルム等の第二の高分子フィルム上に無機材料からなる薄膜が積層されている第二の複合フィルムと、エチレン系共重合体、ポリプロピレン等の第三の高分子フィルムを備え、第一の高分子複合フィルム、第二の高分子複合フィルム及び第三の高分子フィルムが互いに接着剤を介して積層されている積層フィルム(例えば、特許文献4参照)。
(5)ハロゲン原子及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの特性基が結合した金属原子を含む少なくとも1種の化合物、例えばテトラメトキシシラン等の加水分解縮合物と、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体、例えばポリアクリル酸を含む組成物からなる層をポリエチレンテレフタレートフィルム等の基材に形成し、前記層を、カルシウム等の2価以上の金属イオンを含む溶液に接触させて得られた積層体の基材側に、延伸ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムを順次接着させて得たガスバリア性積層体(例えば、特許文献5参照)。
上記(1)〜(5)の積層体のポリオレフィン面をヒートシールして製袋して得られる包装材料は、ポリオレフィン層に由来する防湿性を持っている。しかしながら、これらの包装材料に、食用油を多く含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理したり、長期保存すると、包装材料の水蒸気透過度が大きくなり防湿性が低下するという問題があった。本発明の発明者は、この理由を検討し、ポリオレフィン層に食用油が浸透し、ポリオレフィンの結晶構造が破壊される結果、ポリオレフィン層の防湿性が低下してくることを見出した。また、本発明の発明者は、上記(4)の積層フィルムの延伸ナイロンフィルムが、食用油を浸透させないものであることが見出した。更に、本発明の発明者は、ナイロン以外にも、SP値が9.5〜20の樹脂には食用油が浸透してこないことを見出して本発明を完成させた。
ところで、ポリカルボン酸系重合体層は備えていないが、油分と水分が含まれる内容物が充填される包装材料は検討されている。例えば、油分と水分が含まれる内容物が充填された場合に酸素バリアー性及び水分バリアー性が優れる多層容器であって、最内層から順に、オレフィン系樹脂層(A)、溶解度パラメータが9.0以上の極性基を有する親水性樹脂層(B)、環状オレフィン系重合体又は環状オレフィンとオレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体からなる高防湿性樹脂層(C)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド等のガスバリアー性樹脂層(D)、オレフィン系樹脂層(E)を備える多層容器が検討された(例えば、特許文献6参照)。
特開平7−251485号公報 特開2000−931号公報 国際公開第03/091317号パンフレット 特開2002−67237号公報 国際公開第2005/053954号パンフレット 特開2006−82446号公報
本発明は、相対湿度が80%以上のような高湿度条件でも酸素ガスバリヤー性及び耐水性を有する、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体の中和物を含む樹脂組成物を含み、ポリオレフィン層をヒートシール面として製袋される包装材料において、当該包装材料に食用油を含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理に付したり、長期保存すると、ポリオレフィン層に由来する防湿性が低下するという問題を解決することを課題とする。
本発明は、基材フィルム上に樹脂組成物(a)が積層された酸素ガスバリヤー層(A)と、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)が、(C−1)、(C−2)、(C−3)の順に共押出して得られる複合フィルム(C)を備える包装材料であって、樹脂組成物(a)は、ハロゲン原子及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つが結合した金属原子を含む少なくとも1種の化合物(L)の加水分解縮合物と、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の中和物を含む組成物からなり、前記少なくとも1つの官能基に含まれる−COO−基の少なくとも一部が2価以上の金属イオンで中和されており、酸素ガスバリヤー層(A)の一方の面と、複合フィルム(C)の(C−1)面が、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに接着された積層体からなる包装材料である。
本発明の好ましい実施態様では、上記包装材料の(C−1)、(C−2)及び(C−3)の総厚みに対する(C−1)の厚みが20〜60%の範囲である。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料の酸素ガスバリヤー層(A)と複合フィルム(C)、又は、酸素ガスバリヤー層(A)とポリアミド系樹脂層(B)と複合フィルム(C)とが、ポリエステル樹脂又はポリウレタン樹脂を含む接着剤により接着されている。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料のSP値が9.5〜20の樹脂が、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物である。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料のポリアミド系樹脂層(B)が、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12又はナイロン6・66共重合体の未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムである。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料の化合物(L)が、以下の化学式(I)で示される少なくとも1種の化合物(D)を含む。
1(OR1n1 k1 m-n-k・・・(I)
[M1は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。R1はアルキル基を表す。X1はハロゲン原子を表す。Z1はカルボキシル基との反応性を有する官能基で置換されたアルキル基を表す。mはM1の原子価と等しい。nは0〜(m−1)の整数を表す。kは0〜(m−1)の整数を表す。1≦n+k≦(m−1)である。]
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料の化合物(L)が、化合物(D)と、以下の化学式(II)で示される少なくとも1種の化合物(E)からなり、化合物(D)/化合物(E)のモル比が0.5/99.5〜40/60の範囲である。
M2(OR2q3 p-q-r2 r・・・(II)
[M2は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。R2はアルキル基を表す。R3はアルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。X2はハロゲン原子を表す。pはM2の原子価と等しい。qは0〜pの整数を表す。rは0〜pの整数を表す。1≦q+r≦pである。]
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料の重合体(a’)が、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種の重合体である。
本発明の好ましい別の実施態様では、上記包装材料の2価以上の金属イオンが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン及び亜鉛イオンから選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンである。
本発明は、包装材料の製造方法であって、基材フィルム上に樹脂組成物(a)を積層して酸素ガスバリヤー層(A)を得る工程、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)を、(C−1)、(C−2)、(C−3)の順に共押出して複合フィルム(C)を得る工程、酸素ガスバリヤー層(A)の一方の面と、複合フィルム(C)の(C−1)面を、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに接着する工程を実施して積層体を得る、包装材料の製造方法である。
本発明の包装材料は、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体の中和物を含む樹脂組成物(a)層を含み、相対湿度80%以上のような高湿度条件でも優れた酸素ガスバリヤー性及び耐水性を有する。本発明の包装材料が、ポリアミド系樹脂層(B)を備えている場合、本発明の包装材料は高い強度を有している。更に、本発明の包装材料は、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)をヒートシール面として製袋され、食用油を含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理に付されたり、長期保存されても、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)に浸透してくる食用油が、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)には浸透してこないから、層(C−2)の外側のポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)に食用油が浸透せず、本発明の包装材料は、(C−1)に由来する防湿性を保持する。また、本発明の包装材料の製造方法では、複合フィルム(C)を共押出により得ているので、複合フィルム(C)を構成する3つの層(C−1)、(C−2)、(C−3)の厚みを自由に設定することができる。なお、複合フィルム(C)を市販されているフィルムをドライラミネートして製造すると、3つの層(C−1)、(C−2)、(C−3)の厚みの選択幅が狭い。また、ドライラミネートに使用する接着剤に由来する溶剤の包装材料中の残留量が増大する。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明に使用される酸素ガスバリヤー層(A)は、基材フィルム上に、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の中和物を含む樹脂組成物(a)層が積層されることにより得られる。酸素ガスバリヤー層(A)とその形成方法の詳細は、特許文献5に記載されている。
基材フィルムは、特に限定されない。基材フィルムの具体例は、金属類、紙類、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(金属が蒸着された熱可塑性樹脂を含む)である。好ましい基材フィルムは、熱可塑性樹脂(金属が蒸着された熱可塑性樹脂を含む)である。熱可塑性樹脂(金属が蒸着された熱可塑性樹脂を含む)の具体例は、ポリエチレンテレフタレート(PET);ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体等のポリアミド;低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸塩共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフェニレンサルファイドである。好ましい熱可塑性樹脂(金属が蒸着された熱可塑性樹脂を含む)の具体例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン6、ポリプロピレンである。これらの樹脂の未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムを基材フィルムとして用いることができる。また、基材フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましい厚さは0.001〜1000μmの範囲である。更に好ましい厚さは0.01〜200μmの範囲であり、最も好ましい厚さは0.1〜50μmの範囲である。基材フィルムの少なくとも片方の面にはコロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の物理的処理が施されていてもよい。
カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の中和物を含む樹脂組成物(a)は、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の、当該官能基に含まれる−COO−基のすくなとも一部が2価以上の金属イオンで中和されている中和物と、ハロゲン原子及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つの特性基が結合した金属原子を含む少なくとも1種の化合物(L)の加水分解縮合物を含む。
カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)は、重合体1分子中に2個以上のカルボキシル基又は1個以上のカルボン酸無水物基を有する。カルボキシル基を有する構造単位の具体例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸である。カルボン酸無水物基を有する構造単位の具体例は、無水マレイン酸、無水フタル酸である。カルボキシル基を有する構造単位及び/又はカルボン酸無水物基を有する構造単位(カルボン酸含有単位)の1種又は2種以上が、重合体(a’)に含まれ得る。
重合体(a’)の全構造単位に占めるカルボン酸含有単位の含有率は、高湿度下でのガスバリヤー性を向上させるため、10モル%以上であり、より好ましい含有率は20モル%以上であり、更に好ましい含有率は40モル%以上であり、特に好ましい含有率は70モル%以上である。なお、重合体(a’)が、カルボキシル基を有する構造単位及びカルボン酸無水物基を有する構造単位を含有する場合、両構造単位の合計が上記範囲内にある。
重合体(a’)は、カルボン酸含有単位以外の構造単位を含有し得る。カルボン酸含有単位以外の構造単位の具体例は、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ギ酸ビニル、酢酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン;p−スチレンスルホン酸;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類である。
重合体(a’)は、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体又はテーパー型共重合体であり得る。
重合体(a’)の好ましい具体例は、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ(アクリル酸/メタクリル酸)である。重合体(a’)は、1種の重合体又は2種以上の重合体の混合物である。カルボン酸含有単位以外の構造単位を含有する重合体(a’)の具体例は、エチレン−無水マレイン酸交互重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体のケン化物である。
重合体(a’)の分子量は特に限定されない。重合体(a’)の好ましい数平均分子量は、本発明の包装材料のガスバリヤー性及び落下衝撃強さ等の力学的観点から5,000以上であり、より好ましい数平均分子量は10,000以上であり、更に好ましい数平均分子量は20,000以上である。重合体(a’)の分子量の上限は特に限定されない。重合体(a’)の数平均分子量の上限は、一般的には1,500,000である。
カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基に含まれる−COO−基の少なくとも一部は、2価以上の金属イオンにより中和される。なお、カルボン酸無水物基は、−COO−基を2つ含んでいるとみなす。カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基に含まれ、2価以上の金属イオンで中和されている−COO−基の割合は、好ましくは20モル%以上であり、より好ましくは30モル%以上であり、更に好ましくは40モル%以上であり、特に好ましくは50モル%以上である。当該割合の上限は特に制限されない。当該割合の上限は95モル%となり得る。重合体(a’)のカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基の2価以上の金属イオンによる中和は、本発明の包装材料の乾燥及び高湿度下におけるガスバリヤー性を向上させる。重合体(a’)のカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基が未中和又は後述される1価のイオンのみで中和されて得られる中和物は、良好なガスバリヤー性を有していない。重合体(a’)のカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基は、2価以上の金属イオンに加え、1価のイオンで中和され得る。カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基に対する1価のイオンで中和されている−COO−基の割合は、好ましくは0.1〜10モル%であり、より好ましくは0.5〜5モル%であり、更に好ましくは0.7〜3モル%である。重合体(a’)のカルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基の2価以上の金属イオン及び少量の1価のイオンによる中和は、本発明の包装材料のヘイズを低減し、表面外観を良好にする。1価のイオンによる中和度が高過ぎると、中和物のガスバリヤー性が低下する。
2価以上の金属イオンの具体例は、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、亜鉛イオン、2価の銅イオン、鉛イオン、2価の水銀イオン、バリウムイオン、ニッケルイオン、ジルコニウムイオン、アルミニウムイオン、チタンイオンである。
1価のイオンの具体例は、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンである。好ましい1価のイオンはアンモニウムイオンである。
化合物(L)は、以下で説明される化合物(D)及び/又は化合物(E)の少なくとも1種である。
化合物(D)は、化学式(I)で示される少なくとも1種の化合物である。
M1(OR1n1 k1 m-n-k・・・(I)
化学式(I)中、M1は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。M1は好ましくはSi、Al、Ti又はZrであり、特に好ましくはSiである。R1は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基である。X1は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。Z1は、カルボキシル基と反応性を有する官能基で置換されたアルキル基を表す。カルボキシル基と反応性を有する官能基の具体例は、エポキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子、メルカプト基、イソシアネート基、ウレイド基、オキサゾリン基、カルボジイミド基である。カルボキシル基と反応性を有する好ましい官能基の具体例は、エポキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ウレイド基、ハロゲン原子である。アルキル基としては上記されたものが例示できる。mは金属元素M1の原子価であり、n及びkは0〜(m−1)の整数を表し、1≦n+k≦(m−1)である。
化合物(D)の具体例は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリクロロシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリクロロシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリクロロシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリエトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリクロロシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリクロロシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリクロロシランである。化合物(D)の好ましい具体例は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランである。
化合物(E)は、以下の化学式(II)で示される少なくとも1種の化合物である。
M2(OR2q3 p-q-r2 r・・・(II)
化学式(II)中、M2は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。M2は好ましくはSi、Al、Ti又はZrであり、特に好ましくはSi、Al又はTiである。R2は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基であり、好ましくはメチル基又はエチル基である。X2は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。R3は、アルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。R3が表すアルキル基の具体例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基である。R3が表すアラルキル基の具体例は、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基である。R3が表すアリール基の具体例は、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基である。R3が表すアルケニル基の具体例は、ビニル基、アリル基である。pは金属元素M2の原子価に等しい。qは0〜pの整数を表す。rは0〜pの整数を表す。1≦q+r≦pである。
化学式(I)及び(II)において、M1とM2は同じであっても異なっていてもよい。
化学式(E)の具体例は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、クロロトリメトキシシラン、クロロトリエトキシシラン、ジクロロジメトキシシラン、ジクロロジエトキシシラン、トリクロロメトキシシラン、トリクロロエトキシシラン等のシリコンアルコキシド;ビニルトリクロロシラン、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のハロゲン化シラン;テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン等のアルコキシチタン化合物;テトラクロロチタン等のハロゲン化チタン;トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム、メチルジイソプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム、ジエトキシアルミニウムクロリド等のアルコキシアルミニウム化合物;テトラエトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニウム、メチルトリイソプロポキシジルコニウム等のアルコキシジルコニウム化合物である。
本発明の樹脂組成物(a)は、化合物(L)の加水分解縮合物を含む。化合物(L)が加水分解され、化合物(L)のハロゲンおよびアルコキシ基の少なくとも一部が水酸基に置換される。更に、その加水分解物が縮合され、金属元素が酸素を介して結合された化合物が形成される。この縮合が繰り返され、実質的に金属酸化物とみなしうる化合物が生成される。当該加水分解及び縮合が起こるためには、金属にハロゲン原子又はアルコキシ基が結合している必要がある。金属にハロゲン原子又はアルコキシ基が結合していない場合、加水分解及び縮合反応が起こらないか極めて緩慢であり、本発明の効果は得難い。
化合物(L)の加水分解縮合物の製造方法は特に限定されない。化合物(L)の製造方法の具体例はゾルゲル法である。ゾルゲル法では、上記した原料に水と酸とアルコールとを加え、加水分解および縮合が行われる。
以下、化合物(L)を金属アルコキシド(アルコキシ基が結合した金属を含む化合物)として説明する場合がある。金属アルコキシドに代えて、ハロゲンが結合した金属を含む化合物が用いられてもよい。
化合物(L)は、上述したように、化合物(D)及び/又は化合物(E)の少なくとも1種である。化合物(L)が、化合物(D)のみ、または化合物(D)と化合物(E)の両方からなる場合には、本発明の包装材料のガスバリア性が良好となる。そして、化合物(L)が、実質的に、化合物(D)と化合物(E)の両方からなり、更に好ましくは、化合物(D)/化合物(E)のモル比は0.5/99.5〜30/70の範囲にある。化合物(D)と化合物(E)とがこの比率で併用される場合には、本発明の包装材料のガスバリア性、引張り強伸度などの力学的物性、外観、取り扱い性などの性能が優れる。化合物(D)/化合物(E)のより好ましいモル比は3/97〜30/70の範囲であり、更に好ましいモル比は4/96〜30/70の範囲である。
ハロゲン原子、メルカプト基および水酸基から選ばれる少なくとも1つを有する有機基が、化合物(L)の金属原子に結合していてもよい。以下、そのような有機基が結合している化合物(L)を化合物(L’)という場合がある。樹脂組成物(a)が化合物(L’)を含んでいる場合、本発明の包装材料の表面外観が特に良好になる。
化合物(L’)の金属原子の具体例は、ケイ素、スズ、チタンである。なお、ケイ素原子は非金属元素に分類される場合もあるが、この明細書では金属元素として扱う。この中でも、反応がコントロールし易く、安定な製品を与え、且つ入手が容易という点で、ケイ素原子が好ましい。ケイ素原子には、ハロゲン原子、メルカプト基および水酸基から選ばれる少なくとも1つを有する有機基と、ハロゲン原子およびアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つが結合している。本発明の効果が得られる限り、ケイ素原子には他の置換基が結合していてもよい。そのような他の置換基の具体例は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アミノ基である。ケイ素原子を含む化合物(L’)の具体例は、以下の式(I’)で表される化合物、アリル(クロロプロピル)ジクロロシラン、ビス(クロロメチルジメチルシロキシ)ベンゼン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミドである。
Si(OR1s4 t12 4-s-t-u・・・(I’)
[化学式(I’)中、RlおよびR4はそれぞれ独立にアルキル基を表す。X1はハロゲンを表す。Z2はハロゲン原子、メルカプト基および水酸基から選ばれる少なくとも1つを有する有機基を表す。sは0〜3の整数を表す。tは0〜2の整数を表す。uは0〜3の整数を表す。1≦s+u≦3である。1≦s+t+u≦3である。]
1およびR4は、それぞれ独立にメチル基、エチル基、n一プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などのアルキル基であり、好ましくは、メチル基またはエチル基である。Xlが表すハロゲンの具体例は、塩素、臭素、ヨウ素であり、好ましいハロゲンは塩素である。
有機基Z2は、ハロゲン原子、メルカプト基、イソシアネート基、ウレイド基、および水酸基から選ばれる少なくとも1つで置換された炭化水素基(炭素数が1〜5)であってもよい。このような有機基の具体例は、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロプロピル基、クロロエチルメチル基、これらのクロロ基をブロモ基、ヨウ素基、フッ素基、メルカプト基または水酸基に変更した有機基である。有機基Z2は、ハロゲン原子、メルカプト基および水酸基から選ばれる少なくとも1つと、アミド構造を有する有機基であってもよい。
式(I’)においてtが1または2である化合物(D’)の具体例は、クロロメチルメチルジメトキシシラン、クロロメチルジメチルメトキシシラン、2−クロロエチルメチルジメトキシシラン、2−クロロエチルジメチルメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、メルカプトメチルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルジメチルメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、ビス(クロロメチル)メチルクロロシランである。これらの化合物のメトキシ基の部分を、エトキシ基、n一プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基又は塩素基とした化合物を用いてもよい。
式(I’)においてtが0である化合物(D’)の具体例は、クロロメチルトリメトキシシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、2−クロロプロピルトリメトキシシラン、4−クロロブチルトリメトキシシラン、5−クロロペンチルトリメトキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、(ジクロロメチル)ジメトキシシシラン、(ジクロロエチル)ジメトキシシラン、(ジクロロプロピル)ジメトキシシラン、(トリクロロメチル)メトキシシシラン、(トリクロロエチル)メトキシシラン、(トリクロロプロピル)メトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、5−メルカプトペンチルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、(ジメルカプトメチル)ジメトキシシシラン、(ジメルカプトエチル)ジメトキシシラン、(ジメルカプトプロピル)ジメトキシシラン、(トリメルカプトメチル)メトキシシシラン、(トリメルカプトエチル)メトキシシラン、(トリメルカプトプロピル)メトキシシラン、フルオロメチルトリメトキシシシラン、2−フルオロエチルトリメトキシシラン、3−フルオロプロピルトリメトキシシラン、ブロモメチルトリメトキシシシラン、2−ブロモエチルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、ヨードメチルトリメトキシシシラン、2−ヨードエチルトリメトキシシラン、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、(クロロメチル)フェニルトリメトキシシシラン、(クロロメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン、1−クロロエチルトリメトキシシラン、2−(クロロメチル)アリルトリメトキシシラン、(3−クロロシクロヘキシル)トリメトキシシラン、(4−クロロシクロヘキシル)トリメトキシシラン、(メルカプトメチル)フェニルトリメトキシシシラン、(メルカプトメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン、1−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−(メルカプトメチル)アリルトリメトキシシラン、(3−メルカプトシクロヘキシル)トリメトキシシラン、(4−メルカプトシクロヘキシル)トリメトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミドである。これらの化合物のメトキシ基の部分を、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基又は塩素基とした化合物を用いてもよい。
化合物(L’)は、好ましくは、クロロメチルトリメトキシシシラン、クロロメチルトリエトキシシシラン、クロロメチルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリクロロシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、(クロロメチル)フェニルトリメトキシシシラン、(クロロメチル)フェニルトリエトキシシシラン、(クロロメチル)フェニルトリクロロシラン、(クロロメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン、(クロロメチル)フェニルエチルトリエトキシシラン、(クロロメチル)フェニルエチルトリクロロシラン、(メルカプトメチル)フェニルトリメトキシシシラン、(メルカプトメチル)フェニルトリエトキシシシラン、(メルカプトメチル)フェニルトリクロロシラン、(メルカプトメチル)フェニルエチルトリメトキシシラン、(メルカプトメチル)フェニルエチルトリエトキシシラン、(メルカプトメチル)フェニルエチルトリクロロシラン、ヒドロキシメチルトリメトキシシラン、ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(ヒドロキシエチル)−N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、およびN−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物を含む。
これらの中でも、好ましい化合物(L’)は、クロロメチルトリアルコキシシラン、クロロメチルトリクロロシラン、2−クロロエチルトリアルコキシシラン、2−クロロエチルトリクロロシラン、3−クロロプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロプロピルトリクロロシラン、メルカプトメチルトリアルコキシシラン、メルカプトメチルトリクロロシラン、2−メルカプトエチルトリアルコキシシラン、2−メルカプトエチルトリクロロシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシシラン、3−メルカプトプロピルトリクロロシラン、N−(3−トリアルコキシシリルプロピル)グルコンアミド、N−(3−トリアルコキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミドから選ばれる少なくとも1種の化合物である。これらの化合物を用いることによって、透明性に優れる包装材料が得られる。特に好ましい化合物(L’)は、クロロメチルトリメトキシシシラン、クロロメチルトリエトキシシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランである。化合物(L’)としてこれらの化合物を用いることによって、ガスバリア性と透明性が共に優れる包装材料が得られる。本発明の包装材料のヘイズ値は3%以下であり、本発明の包装材料の透明性は優れでいる。
これらの化合物(L’)は、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法で合成してもよい。
化合物(L)は、化合物(D’)に加えて、上述した化学式(II)で表される少なくとも1種の化合物(E)を含み得る。なお、化学式(I’)および(ll)において、R1とR2とは同じであってもよいし異なっていてもよい。
化合物(L)が化合物(D’)と化合物(E)とを含む場合、化合物(D’)/化合物(E)の好ましいモル比は、0.1/99.9〜20/80の範囲にあり、より好ましいモル比は0.5/99.5〜20/80の範囲にあり、更に好ましいモル比は1/99〜20/80の範囲にあり、特に好ましいモル比は5/95〜20/80)の範囲にある。化合物(D’)と化合物(E)とを上記比率で併用することによって、本発明の包装材料のガスバリア性、引張り強伸度などの力学的物性、外観、取り扱い性などの性能が向上する。
樹脂組成物(a)中の無機成分の好ましい含有率は、本発明の包装材料のガスバリヤー性の観点から、5〜50質量%の範囲である。より好ましい含有率は10〜45質量%の範囲であり、さらに好ましい含有率は15〜40質量%であり、特に好ましい含有率は25〜40質量%の範囲である。樹脂組成物(a)中の無機成分の含有率は、樹脂組成物(a)を調製する際に使用する原料の質量から算出することができる。化合物(L)、化合物(L)が部分的に加水分解したもの、化合物(L)が完全に加水分解したもの、化合物(L)が部分的に加水分解縮合したもの、化合物(L)が完全に加水分解しその一部が縮合したもの又はこれらを組み合わせたものが、完全に加水分解及び縮合して金属酸化物になったと仮定し、その金属酸化物の質量を算出する。そして算出された金属酸化物の質量を樹脂組成物(a)中の無機成分の質量とみなし、無機成分の含有率を算出する。なお、後述するような金属塩、金属錯体、金属酸化物などの無機添加物を加える場合は、加えた無機添加物の質量を、そのまま無機成分の重量に合算する。
樹脂組成物(a)は、所望により、本発明の効果を損なわない範囲内において、炭酸塩、塩酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、ホウ酸塩、アルミン酸塩等の無機酸金属塩;シュウ酸塩、酢酸塩、酒石酸塩、ステアリン酸塩等の有機酸金属塩、アルミニウムアセチルアセトナート等のアセチルアセトナート金属錯体、チタノセン等のシクロペンタジエニル金属錯体、シアノ金属錯体等の金属錯体、層状粘土化合物、架橋剤、ポリアルコール類またはそれ以外の高分子化合物、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤等を含有していてもよい。樹脂組成物(a)は、上記金属アルコキシドが湿式で加水分解及び縮合されて製造された金属酸化物の微粉末、金属アルコキシドが乾式で加水分解及び縮合されるか、又は燃焼されて調製された金属酸化物の微粉末、水ガラスから調製されたシリカ微粉末等を含有していてもよい。
化合物(L)の加水分解縮合物とカルボキシル基含有重合体(a’)の中和物とを含む樹脂組成物(a)層は、基材フィルムの少なくとも一方の面に形成される。当該樹脂組成物(a)層は、基材フィルムの一方の面のみに形成されていてもよいし、両方の面に形成されてもよい。
樹脂組成物(a)層の厚みは特に制限されない。樹脂組成物(a)層の好ましい厚みは0.1〜100μmの範囲にある。樹脂組成物(a)層の厚みが0.1μmよりも薄い場合、包装材料のガスバリア性が不十分となり得る。樹脂組成物(a)層の厚みが100μmよりも厚い場合、包装材料の加工時、運搬時、使用時に樹脂組成物(a)層にクラックが入り易くなり得る。樹脂組成物(a)層のより好ましい厚みは、0.1〜50μmの範囲であり、樹脂組成物(a)層の更に好ましい厚みは0.1〜20μmの範囲である。
化合物(L)、化合物(L)が部分的に加水分解されたもの、化合物(L)が完全に加水分解されたもの、化合物(L)が部分的に加水分解縮合されたもの、及び、化合物(L)が完全に加水分解されその一部が縮合したものから選ばれる少なくとも1つの金属元素化合物と重合体(a’)が含まれる溶液(S)が調製される。
溶液(S)は、基材の少なくとも一方の面に塗工される。溶液(S)を塗工する前に、基材の表面を公知のアンカーコーティング剤で処理するか、基材の表面に公知の接着剤を塗布してもよい。溶液(S)を基材に塗工する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。好ましい方法の具体例は、キャスト法、ディッピング法、ロールコーティング法、グラビアコート法、スクリーン印刷法、リバースコート法、スプレーコート法、キットコート法、ダイコート法、メタリングバーコート法、チャンバードクター併用コート法、カーテンコート法である。
溶液(S)が基材上に塗工された後、溶液(S)に含まれる溶媒が除去される。溶媒の除去方法は特に制限がなく、公知の方法が採用される。溶媒除去の具体例は、熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法である。これらの方法は単独で、または組み合わせて採用される。乾燥温度は、基材の流動開始温度よりも15〜20℃以上低く、かつカルボン酸含有重合体の熱分解開始温度よりも15〜20℃以上低い温度であれば特に制限されない。好ましい乾燥温度は80℃〜200℃の範囲である。溶媒の除去は、常圧下または減圧下のいずれで実施してもよい。
上記の工程によって得られる積層体は、2価以上の金属イオンを含む溶液(以下、溶液(MI)という場合がある)に接触させられ(イオン化工程)、本発明の包装材料が得られる。なお、イオン化工程は、本発明の効果を損なわない限り、どのような段階で行ってもよい。イオン化工程は、包装材料の形態に加工する前あるいは加工した後に行ってもよいし、さらに包装材料中に内容物を充填して密封した後に行ってもよい。
溶液(MI)は、溶解によって2価以上の金属イオンを放出する化合物(多価金属化合物)を、溶媒に溶解させて調製される。溶液(MI)が調製される際に使用される好ましい溶媒は水または、水と有機溶媒の混合物である。有機溶媒の具体例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルビニルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、n−ブチルセロソルブ等のグリコール誘導体、グリセリン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ジメトキシエタンである。最も好ましい溶媒は水である。
多価金属化合物の具体例は、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、炭酸カルシウム、酢酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、炭酸マグネシム、酢酸鉄(ll)、塩化鉄(II)、酢酸鉄(III)、塩化鉄(llI)、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸銅(II)、酢酸銅(III)、酢酸鉛、酢酸水銀(II)、酢酸バリウム、酢酸ジルコニウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硫酸ニッケル、硫酸鉛、塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、カリウムミョウバン(KAl(SO42)、硫酸チタン(IV)である。多価金属化合物は、1種類のみを用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。好ましい多価金属化合物は、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸バリウムである。なお、これらの多価金属化合物は、水和物の形態で用いてもよい。
溶液(MI)における多価金属化合物の濃度は特に制限されない。好ましい濃度は5×10-4〜50質量%の範囲であり、より好ましい濃度は1×10-2〜30質量%の範囲であり、さらに好ましい濃度は1〜20質量%の範囲である。
溶液(MI)とイオン化工程前の積層体が接触させられる際、溶液(MI)の温度は、特に制限されない。溶液(MI)の温度が高いほど、カルボキシル基含有重合体のイオン化速度が速い。溶液(MI)の好ましい温度は、30〜140℃の範囲であり、より好ましい温度は40〜120℃の範囲であり、さらに好ましい温度は50〜100℃の範囲である。
溶液(MI)とイオン化工程前の積層体が接触させられた後、望ましくは、イオン化工程前の積層体に残留した溶媒は除去される。溶媒の除去方法は、特に制限がなく、公知の方法が採用される。溶媒の除去方法の具体例は、熱風乾燥法、熱ロール接触法、赤外線加熱法、マイクロ波加熱法である。これらの乾燥法が単独で又は2種以上を組み合わせて採用される。溶媒の除去温度は、基材フィルムの流動開始温度よりも15〜20℃以上低く、かっカルボン酸含有重合体の熱分解開始温度よりも15〜20℃以上低い温度である。好ましい乾燥温度は40〜200℃の範囲であり、より好ましい乾燥温度は40〜150℃の範囲であり、さらに好ましい乾燥温度は40〜100℃の範囲である。溶媒の除去は、常圧下または減圧下のいずれで実施してもよい。
樹脂組成物(a)層の厚みは10μm以下であり、好ましくは5μm以下、更に好ましくは2μm以下である。
基材フィルム上に上記コーティング液をコーティングする際、基材フィルムと樹脂組成物(a)層との接着性を向上させるため、基材フィルムの表面をアンカーコーティング剤で処理するか、又は基剤フィルムの表面に接着剤を塗布して、接着性樹脂からなる接着層を基材フィルム上に形成できる。基材フィルムと樹脂組成物(a)層の接着強度が大きくなると、本発明の酸素ガスバリヤー層(A)に印刷、ラミネート等の加工を施す際、ガスバリヤー性の低下及び外観の悪化を抑制できる。
接着性樹脂は特に限定されない。好ましい接着性樹脂はアルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を含む接着性樹脂である。最も好ましい接着性樹脂は、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を含む接着性樹脂である。接着層の好ましい厚さは0.05〜1μmであり、より好ましい厚さは0.07〜0.5μmである。
酸素ガスバリヤー層(A)の一方の面は、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)が、(C−1)、(C−2)、(C−3)の順に共押出して得られる複合フィルム(C)の(C−1)面と接着される。
ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)は防湿性及びヒートシール性を有するものであり、本発明の包装材料を製袋する際のヒートシール面となり、被包装物と接触する。本発明の包装材料を製袋して食用油を多く含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理したり、長期保存すると、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)には食用油が浸透し、防湿性が低下する。
本発明の発明者は、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層に浸透する食用油がナイロン層には浸透しないことを見出し、ナイロン以外の食用油が浸透しない樹脂を検討した結果、SP値が9.5〜20の樹脂には食用油が浸透してこないことを見出した。
SP値とは、溶解度パラメータ(Solubility Parameter)であり、J. H. Hildebrandにより展開された正則溶液の理論によるものである。SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)は、食用油が浸透しないものである。従って、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)に浸透した食用は、樹脂層(C−2)より外側の層、すなわちポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)には浸透しない。SP値が9.5〜20の樹脂は特に限定されないが、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体、ナイロン6・12共重合体、メタキシリレンアジパミド・ナイロン6共重合体、非晶性ナイロン等のポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物が例示され、好ましくは、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレート、エチレン・酢酸ビニル共重合体ケン化物である。表1に、主な熱可塑性樹脂のSP値を示す。
Figure 2008200990
ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)は、本発明の包装材料に防湿性を与えるものである。ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)に食用油は浸透してこないから、本発明の包装材料を製袋して食用油を多く含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理したり、長期保存しても、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)の防湿性は維持される。
(C−1)及び(C−3)を構成する樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸塩共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレンープロピレン共重合体等が例示される。
複合フィルム(C)は、厚みの選択幅が制限される市販のフィルムをドライラミネートにより接着して製造されるものではなく、(C−1)、(C−2)及び(C−3)を共押出して製造されるものであるから、(C−1)、(C−2)、(C−3)のそれぞれの厚みを自由設定することができる。また、複合フィルム(C)の製造コストも安価である。
(C−1)の厚みは、(C−1)、(C−2)及び(C−3)の総厚みの合計に対して20〜60%の範囲である。(C−1)の厚みが、(C−1)、(C−2)及び(C−3)の総厚みの合計に対して20%未満であると、包装材料の水蒸気透過度が大きくなり防湿性が低下する。(C−1)の厚みが、(C−1)、(C−2)及び(C−3)の総厚みの合計に対して60%を超えると、(C−3)が相対的に薄くなり、包装材料のシール強度が低下する。また、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)の厚みは0.01〜30μm、好ましくは0.1〜20μm、最も好ましくは1〜10μmの範囲である。また、(C−1)の表面には、コロナ処理、プラズマ処理、紫外線等の物理的処理が施されていてもよい。
(C−1)と(C−2)の間、(C−2)と(C−3)の間には、接着剤層が設けられていてもよい。接着剤は特に限定されない。当該接着剤の具体例は、無水マレイン酸又はマレイン酸で変性されたポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂を含む接着剤である。
ポリアミド系樹脂層(B)は、本発明の包装材料に強度を与えている。ポリアミド系樹脂層(B)は突起物による衝撃や振動に対する耐性が高いから、本発明の包装材料を製袋して食品を充填し、流通させても、本発明の包装材料に穴が開いたりしない。
ポリアミド系樹脂層(B)を構成するポリアミド系樹脂の具体例は、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12、ナイロン6・66共重合体である。ポリアミド系樹脂層(B)は、ポリアミド系樹脂の未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムからなる。コロナ処理、プラズマ処理、紫外線処理等の物理的処理が、ポリアミド系樹脂層(B)の一方の面又は両方の面に施され得る。ポリアミド系樹脂層(B)の厚さは特に限定されないが、好ましい厚さは0.001〜1000μmの範囲であり、更に好ましい厚さは0.01〜200μmの範囲であり、最も好ましい範囲は0.1〜50μmの範囲である。
酸素ガスバリヤー層(A)とポリアミド系樹脂層(B)の接着、ポリアミド系樹脂層(B)と複合フィルム(C)の接着に使用される接着剤は特に限定されない。当該接着剤の具体例は、アルキド樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、硝化綿、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂を含む接着剤である。好ましく使用される接着剤は、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂を含む接着剤である。
本発明の包装材料の、20℃、80%RHで測定される酸素透過度は特に限定されない。当該酸素透過度の好ましい範囲は1000cm3(STP)/m2・day・MPa以下であり、更に好ましい範囲は500cm3(STP)/m2・day・MPa以下であり、最も好ましい範囲は100cm3(STP)/m2・day・MPa以下である。ここで、(STP)は酸素の体積を規定するための標準条件(0℃、1気圧)を意味する。また、本発明の包装材料の、40℃、90%RHで測定される水蒸気透過度は特に限定されない。当該水蒸気透過度の好ましい範囲は100g/m2・day以下であり、更に好ましい範囲は50g/m2・day以下であり、最も好ましい範囲は20g/m2・day以下である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、評価方法について説明する。
1.水蒸気透過度(WVTR)
レトルト処理後の包装材料の水蒸気透過度は、Modern Control社製PERMATRAN−W3/31を用いて、40℃、90%RHの条件で、ASTM F1249−01の規定に従って測定した。測定値は、単位g/m2・dayで表記した。
2.酸素ガス透過度(OTR)
レトルト処理後の包装材料の酸素透過度は、Modern Control社製酸素透過試験器OXTRANTM2/20を用いて、20℃、80%RHの条件で、ASTM F1927−98(2004)の規定に従って測定した。測定値は、単位cm3(STP)/m2・day・MPaで表記した。ここで(STP)は酸素の体積を規定するための標準状態(0℃、1気圧)を意味する。
3.突き刺し強度
レトルト処理後の包装材料の突き刺し強度は、東洋ボールドウィン社製引張り試験機RTM−100を用いて、温度23℃、相対湿度50%の条件下で、食品衛生法に準拠して測定した。測定値は、単位kgfで表記した。
(実施例1)
(酸素ガスバリヤー層の作製1)
先ず、下記の塗液1、2−1、2−2及び2が調製された。塗液1は、基材フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムと、樹脂組成物層であるポリカルボン酸系重合体組成物層との接着性を向上させるためのアンカーコート(AC)塗液である。塗液2は塗液2−1及び2−2が混合されて得られる、ポリカルボン酸(PCA)塗液である。
塗液1;ウレタン樹脂前駆体50質量%及び酢酸エチル50質量%からなるウレタン樹脂前駆体の溶液(三井武田ポリウレタン(株)製タケラックA525)9質量部と、ウレタン樹脂の硬化剤55質量%及び酢酸エチル45質量%からなるウレタン樹脂の硬化剤の溶液(三井武田ポリウレタン(株)製タケネートA52)1質量部と酢酸エチル165質量部が混合及び攪拌され、固形分濃度が3質量%である塗液1が調整された。
塗液2−1;ポリアクリル酸水溶液(東亜合成(株)製アロンTMA−10H;数平均分子量20万、25質量%水溶液)に蒸留水が添加され、次いで、アンモニア水が添加された。ポリアクリル酸のカルボキシル基の1.5モル%が中和され、水溶液中の固形分濃度が10質量%である塗液2−1が調整された。
塗液2−2;テトラメトキシシラン(信越シリコーン(株)製)68.4質量部がメタノール82.0質量部に溶解され、その後、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製)13.6質量部が溶解された。次に、蒸留水5.13質量部と0.1N塩酸12.7質量部が加えられてゾルが調整された。当該ゾルが10℃で1時間攪拌され、加水分解および縮合重合が行われた。得られたゾルが蒸留水185質量部で希釈され、塗液2−2が調整された。
塗液2;攪拌されている塗液2−1(634質量部)に塗液2−2(366.83質量部)が速やかに添加され、塗液2が調整された。
次に、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのコロナ処理面に、塗液1が、乾燥後の厚みが0.1μmになるように、グラビアコーターにて塗工され、次いで乾燥され、PET/ACからなる積層体が作製された。塗液2が、乾燥後の厚みが2μmになるように、上記AC上にグラビアコーターにて塗工され、80℃で50分乾燥され、その後50℃で3日間養生され、更に、乾燥空気中で200℃で5分間熱処理されて、PET/AC/PCAからなるイオン化工程前の積層体が作製された。
次に、PET/AC/PCAからなるイオン化工程前の積層体が、80℃に保温された濃度10質量%の酢酸カルシウム水溶液に20秒浸漬された。次いで、PET/AC/PCAからなる積層体が取り出され、80℃の蒸留水で洗浄され、その後、80℃で5分間乾燥され、酸素ガスバリヤー層が作製された。
(複合フィルムの共押出しによる作製)
PP(30μm)/接着剤(5μm)/Ny(5μm)/接着剤(5μm)/PP(60μm)からなる複合フィルムが、5種5層のフィードブロック方式Tダイ(MT−2押出し設備)にて作製された。PPは日本ポリプロ(株)製ポリプロピレンのノバテックFB3HAT、接着剤は三井化学(株)製ポリプロピレン系接着剤のアドマーQF500、Nyは東レ(株)製ナイロンのアミランCM1021XFである。各層の厚みが( )内に示されている。
(酸素ガスバリヤー層と複合フィルムのドライラミネートによる接着)
得られた複合フィルムのPP(30μm)の表面が、濡れ性を向上させるため、春日電機(株)製高周波電源AGI−040にて、コロナ強度23w/m2−minでコロナ処理された。その後、酸素ガスバリヤー層のPCA側と複合フィルムのPP(30μm)側が、東洋モートン(株)製2液硬化型ドライラミネート用接着剤TM−250HV(主剤:ポリエステル系樹脂)/CAT−RT86−L60(硬化剤:ポリイソシアネート)により、ヒラノテクシード(株)製マルチコーターTM−MCにて接着された。その後、養生が40℃で3日間行われ、包装材料が得られた。
(製袋、食品充填及びレトルト処理)
得られた包装材料のPP(60μm)側をインパルスシーラーで貼り合わせることにより100mm×140mmの平パウチを作製し、かつお油漬(はごろもフーズ(株)製シーチキン)80gを充填した。得られたパウチは日阪製作所(株)貯湯式レトルト釜RCS−60/10TGにて120℃、処理槽圧力2kgで30分間レトルト処理され、包装材料の水蒸気透過度、酸素ガス透過度及び突き刺し強度が測定された。
(実施例2)
実施例1における酸素ガスバリヤー層の作製1に代えて、下記酸素ガスバリヤー層の作製2が行われる以外は、実施例1と同じ操作が行われた。
(酸素ガスバリヤー層の作製2)
実施例1に記載の2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの非コロナ処理面がコロナ処理された。次に、実施例1に記載の塗液1が、乾燥後の質量が0.1g/m2になるようにグラビアコーターにて、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に塗工され、乾燥されて、PET/ACからなる積層体が作製された。次に、実施例1に記載の塗液2が、上記AC上に、乾燥後の厚みが2μmになるように、グラビアコーターにて塗工された後、80℃で50分間乾燥され、その後、50℃で3日間養生され、更に、乾燥空気中で200℃で5分間熱処理されて、PET/AC/PCAからなる積層体が作製された。
更に、上記の操作が繰り返され、PCA/AC/PET/AC/PCAからなる積層体が作製された。
次に、上記PCA/AC/PET/AC/PCAからなる積層体が、80℃に保温された濃度10質量%の酢酸カルシウム水溶液に20秒間浸漬された。浸漬後、PCA/AC/PET/AC/PCAからなる積層体が取り出され、80℃の蒸留水で洗浄され、その後、80℃で5分間乾燥し、酸素ガスバリヤー層が作製された。
(実施例3)
実施例1における、酸素ガスバリヤー層と複合フィルムのドライラミネートによる接着に代えて、下記操作が行われた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(酸素ガスバリヤー層とナイロン層と複合フィルムのドライラミネートによる接着)
複合フィルムのPP(30μm)の表面が、濡れ性を向上させるため、春日電機(株)製高周波電源AGI−040にて、コロナ強度23w/m2−minでコロナ処理された。その後、酸素ガスバリヤー層のPCA側とユニチカ(株)製ナイロンであるエンブレムONUMのコロナ処理面、エンブレムONUMの易接着処理面と複合フィルムのPP(30μm)側が、東洋モートン(株)製2液硬化型ドライラミネート用接着剤TM−250HV(主剤:ポリエステル系樹脂)/CAT−RT86−L60(硬化剤:ポリイソシアネート)により、ヒラノテクシード(株)製マルチコーターTM−MCにてそれぞれ接着された。その後、養生が40℃で3日間行われ、包装材料が作製された。
(実施例4)
実施例1におけるNyに代えて、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物((株)クラレ製エバールL101)が使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例5)
実施例1におけるNyに代えて、ポリエチレンテレフタレート(カネボウ合繊(株)製ベルペットIFG8L)が使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例6)
実施例1におけるNyに代えて、ポリ塩化ビニリデン((株)クレハ製クレハロンFM−10)が使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例7)
実施例1における複合フィルムに代えて、5種5層のフィードブロック方式Tダイ(MT−2押出し設備)にて作製された、PE(30μm)/接着剤(5μm)/Ny(5μm)/接着剤(5μm)/PE(60μm)からなる複合フィルムが使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。PEは日本ポリケム(株)製低密度ポリエチレンのノバテックLD LF420M、接着剤は三井化学(株)製線状低密度ポリエチレン系接着剤のアドマーNF500である。各層の厚みが( )内にを示されている。
(実施例8)
実施例1における複合フィルムに代えて、5種5層のフィードブロック方式Tダイ(MT−2押出し設備)にて作製された、PP(30μm)/接着剤a(5μm)/Ny(5μm)/接着剤b(5μm)/PE(60μm)からなる複合フィルムが使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。PPは日本ポリプロ(株)製ポリプロピレンのノバテックFB3HAT、接着剤aは三井化学(株)製ポリプロピレン系接着剤のアドマーQF500、Nyは東レ(株)製ナイロンのアミランCM1021XF、接着剤bは三井化学(株)製線状低密度ポリエチレン系接着剤のアドマーNF500、PEは日本ポリケム(株)製低密度ポリエチレンのノバテックLD LF420Mである。各層の厚みが( )内にを示されている。
(実施例9)
実施例1における複合フィルムに代えて、5種5層のフィードブロック方式Tダイ(MT−2押出し設備)にて作製した、PE(30μm)/接着剤b(5μm)/Ny(5μm)/接着剤a(5μm)/PP(60μm)からなる複合フィルムが使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。PPは日本ポリプロ(株)製ポリプロピレンのノバテックFB3HAT、接着剤aは三井化学(株)製ポリプロピレン系接着剤のアドマーQF500、Nyは東レ(株)製ナイロンのアミランCM1021XF、接着剤bは三井化学(株)製線状低密度ポリエチレン系接着剤のアドマーNF500、PEは日本ポリケム(株)製低密度ポリエチレンのノバテックLD LF420Mである。各層の厚みが( )内にを示されている。
(実施例10)
実施例1における酸素ガスバリヤー層と複合フィルムのドライラミネートによる接着時に使用された接着剤に代えて、東洋モートン(株)製2液硬化型ドライラミネート用接着剤AD811(主剤:ポリウレタン系樹脂)/CAT−RT86−L60(硬化剤:ポリイソシアネート)が用いられた以外は、実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例11)
実施例1における酸素ガスバリヤー層に使用される2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、2軸延伸ポリアミドフィルム(ユニチカ(株)製2軸延伸ナイロンフィルム、エンブレムON)のコロナ処理面が用いられた以外は、実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例12)
実施例1における酸素ガスバリヤー層に使用される2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、2軸延伸ポリプロピレン(東洋紡績(株)製2軸延伸ポリプロピレン、パイレンフィルム−OT P2102)のコロナ処理面が用いられた以外は、実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例13)
実施例1で使用される塗液2−1に代えて、下記塗液2−1−(2)が用いられた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
塗液2−1−(2);ポリアクリル酸水溶液(東亜合成(株)製アロンTMA−10H、数平均分子量20万、25質量%水溶液)とポリビニルアルコール((株)クラレ製PVA−105)が、質量比が97:3になるように蒸留水に溶解され、その後、アンモニア水が添加された。ポリアクリル酸のカルボキシル基の1.5モル%が中和され、水溶液中の固形分濃度が10質量%である、塗液2−1−(2)が調整された。
(実施例14)
実施例1で使用される塗液2−2におけるテトラメトキシシランに代えて、テトラエトキシシラン(アルドリッチ社製)が用いられた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例15)
実施例1で使用される塗液2−2におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製)が用いられた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例16)
実施例1で使用される塗液2−2におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、ビニルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製)が用いられた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(実施例17)
実施例1で使用される塗液2−2におけるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランに代えて、メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン(アルドリッチ社製)が用いられた以外は実施例1と同じ操作が行われた。
(比較例1)
実施例1における複合フィルムに代えて、5種5層のフィードブロック方式Tダイ(MT−2押出し設備)にて作製した、PP(30μm)/接着剤(5μm)/PE(5μm)/接着剤(5μm)/PP(60μm)からなる複合フィルムが使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。PPは日本ポリプロ(株)製ポリプロピレンのノバテックFB3HAT、接着剤は三井化学(株)製ポリプロピレン系接着剤のアドマーQF500、PEは日本ポリケム(株)製低密度ポリエチレンのノバテックLD LF420Mである。各層の厚みが( )内にを示されている。
(比較例2)
実施例1における複合フィルムに代えて、PP(30μm)/接着剤(5μm)/接着剤(5μm)/PP(60μm)からなる複合フィルムが使用された以外は実施例1と同じ操作が行われた。PPは日本ポリプロ(株)製ポリプロピレンのノバテックFB3HAT、接着剤は三井化学(株)製ポリプロピレン系接着剤のアドマーQF500である。各層の厚みが( )内にを示されている。
実施例1〜17、比較例1及び2の結果を表2に示す。
Figure 2008200990
本発明の(C−2)に位置する層が、SP値9.5〜20の範囲にないポリエチレン層である比較例1の包装材料のかつお油漬に接触しているポリプロピレン層の結晶構造は、レトルト処理中にかつお油漬に含まれる食用油により破壊される。その結果、かつお油漬に含まれる食用油は、かつお油漬に接触しているポリプロピレン層よりも外側のポリエチレン層及びポリプロピレン層にまで浸透し、当該ポリエチレン層及びポリプロピレン層の結晶構造が破壊される。従って、比較例1の包装材料のレトルト処理後の水蒸気透過度は、実施例1〜17の包装材料のレトルト処理後の水蒸気透過度より大きくなっている。
本発明の(C−2)が設けられていない比較例2の包装材料のかつお油漬に接触しているポリプロピレン層の結晶構造は、レトルト処理中にかつお油漬に含まれる食用油により破壊される。その結果、かつお油漬に含まれる食用油は、かつお油漬に接触しているポリプロピレン層よりも外側のポリプロピレン層にまで浸透し、外側のポリプロピレン層の結晶構造が破壊される。従って、比較例2の包装材料のレトルト処理後の水蒸気透過度は、実施例1〜17の包装材料のレトルト処理後の水蒸気透過度よりも大きくなっている。
本発明は、高湿度条件でも優れた酸素ガスバリヤー性と耐水性を有し、食用油を多く含む食品を充填してレトルト処理、ボイル処理又は長期保存しても耐湿性が低下せず、高強度の包装材料を安価に提供できる。本発明の包装材料は、酸素により劣化を受けやすい食品、飲料、薬品、電子部品等の包装に適したものであり、特に食用油を多く含む食品の包装に好ましく使用される。

Claims (10)

  1. 基材フィルム上に樹脂組成物(a)が積層された酸素ガスバリヤー層(A)と、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)が、(C−1)、(C−2)、(C−3)の順に共押出して得られる複合フィルム(C)を備える包装材料であって、
    樹脂組成物(a)は、ハロゲン原子及びアルコキシ基から選ばれる少なくとも1つが結合した金属原子を含む少なくとも1種の化合物(L)の加水分解縮合物と、カルボキシル基及びカルボン酸無水物基から選ばれる少なくとも1つの官能基を含有する重合体(a’)の中和物を含む組成物からなり、
    前記少なくとも1つの官能基に含まれる−COO−基の少なくとも一部が2価以上の金属イオンで中和されており、
    酸素ガスバリヤー層(A)の一方の面と、複合フィルム(C)の(C−1)面が、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに接着された積層体からなる包装材料。
  2. (C−1)、(C−2)及び(C−3)の総厚みに対する(C−1)の厚みが20〜60%の範囲である、請求項1に記載の包装材料。
  3. 酸素ガスバリヤー層(A)と複合フィルム(C)、又は、酸素ガスバリヤー層(A)とポリアミド系樹脂層(B)と複合フィルム(C)とが、ポリエステル樹脂又はポリウレタン樹脂を含む接着剤により接着されている、請求項1又は2に記載された包装材料。
  4. SP値が9.5〜20の樹脂が、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載された包装材料。
  5. ポリアミド系樹脂層(B)が、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン12又はナイロン6・66共重合体の未延伸フィルム、1軸延伸フィルム又は2軸延伸フィルムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載された包装材料。
  6. 化合物(L)が、以下の化学式(I)で示される少なくとも1種の化合物(D)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載された包装材料。
    1(OR1n1 k1 m-n-k・・・(I)
    [M1は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。R1はアルキル基を表す。X1はハロゲン原子を表す。Z1はカルボキシル基との反応性を有する官能基で置換されたアルキル基を表す。mはM1の原子価と等しい。nは0〜(m−1)の整数を表す。kは0〜(m−1)の整数を表す。1≦n+k≦(m−1)である。]
  7. 化合物(L)が、化合物(D)と、以下の化学式(II)で示される少なくとも1種の化合物(E)からなり、化合物(D)/化合物(E)のモル比が0.5/99.5〜40/60の範囲である、請求項6に記載された包装材料。
    M2(OR2q3 p-q-r2 r・・・(II)
    [M2は、Si、Al、Ti、Zr、Cu、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Ga、Y、Ge、Pb、P、Sb、V、Ta、W、La及びNdから選択される原子を表す。R2はアルキル基を表す。R3はアルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルケニル基を表す。X2はハロゲン原子を表す。pはM2の原子価と等しい。qは0〜pの整数を表す。rは0〜pの整数を表す。1≦q+r≦pである。]
  8. 重合体(a’)が、ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸から選ばれる少なくとも1種の重合体である、請求項1〜7のいずれか1項に記載された包装材料。
  9. 2価以上の金属イオンが、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、バリウムイオン及び亜鉛イオンから選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載された包装材料。
  10. 基材フィルム上に樹脂組成物(a)を積層して酸素ガスバリヤー層(A)を得る工程、
    ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−1)、SP値が9.5〜20の樹脂層(C−2)、ポリプロピレン系樹脂層又はポリエチレン系樹脂層(C−3)を、(C−1)、(C−2)、(C−3)の順に共押出して複合フィルム(C)を得る工程、
    酸素ガスバリヤー層(A)の一方の面と、複合フィルム(C)の(C−1)面を、ポリアミド系樹脂層(B)を介して又は介さずに接着する工程を実施して積層体を得る、請求項1に記載の包装材料の製造方法。
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