JP2008200148A - 塗装面上突起物除去用カッター - Google Patents

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忠史 高垣
Akio Harada
彰夫 原田
Keisuke Fukuda
恵介 福田
Takeyasu Furuta
武保 古田
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Abstract

【課題】切れ刃の塗装面に対する食込みを防止することができ、高度な機械加工技術を要することなくカッターと塗装面との間の滑り性を良好なものとすることができる塗装面上突起物除去用カッターを提供すること。
【解決手段】カッター本体2の少なくとも一側端部に、すくい面4と逃げ面5との交差稜線部6に形成される切れ刃3を備え、この切れ刃3を含む部分を塗装面8に接触させた状態で塗装面8に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面8に沿って移動することで塗装面8上の突起物9を切除する塗装面上突起物除去用カッターであって、逃げ面5に、前記所定の姿勢で仮想される支持平面(仮想支持平面18)に対して平行であり、この仮想支持平面18に対して前記所定の姿勢で接することとなる微小な平面部30を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車ボデー等の塗装面上に発生したブツやタレ等の突起物を除去するための塗装面上突起物除去用カッターに関する。
例えば自動車ボデー等の塗装面(表面)においては、その塗装欠陥として塗装面上に不良の突起物が生じることがある。塗装面上の突起物としては、塗装面上にホコリやゴミ等の異物が付着することにより生じるブツや塗料のタレ等がある。そこで、こうした塗装面上の突起物を除去するための工具として刃具(カッター)が用いられている。つまり、この刃具により、塗装面上の突起物が削り落とされることで除去される。
このような塗装面の突起物を除去するための刃具としては、従来、平型形状のナイフ等の平板状のもの(以下「平刃カッター」とする。)が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。すなわち、特許文献1に示されている構成を例に説明すると、本文献には、塗装面から突出する異物を所定の突出高さまで削り取るための補修工具として、所定のホルダと、このホルダに取り付けられる刃具とを備える構成が開示されている。かかる補修工具に備えられる刃具として平刃カッター(パネルカッター)が用いられており、この平刃カッターの一端(一辺側)に直線状の切れ刃が形成される。そして、平刃カッターが、塗装面に対して所定の角度でその切れ刃を塗装面に対して線当たり(線接触)させた状態で突起物上を移動することで、突起物の切除が行われる。
しかし、従来の平刃カッターにおいては、前述のように塗装面に対して一箇所で線当たりする状態となることから、カッターの姿勢を保持する部位がなく、塗装面に対する切れ刃の角度が安定しないため、その扱いに相当程度の技能を必要とするという問題がある。具体的には、塗装面に対する切れ刃の角度が小さくなると、塗装面が傷付けられることがあり、逆に大きくなると、切れ味が悪化することとなる。
この点、特許文献1に示されている補修工具においては、刃具が取り付けられるホルダが、塗装面に対する刃具の角度が所定の角度となるように構成されており、塗装面に対する切れ刃の角度を安定させることができると考えられる。
一方で、前記のような平刃カッターにおける問題を解決するための技術として、円周状の切れ刃を有する丸刃カッターが提案さている。つまり、丸刃カッターにおいては、その切れ刃が、丸型(円周状)の内切れ刃として構成される。
しかし、塗装面に対する切れ刃の角度を安定させるべく、特許文献1に記載のように平刃カッターについて所定のホルダが用いられる構成や、前述のような丸刃カッターが用いられる場合においても、塗装面上の突起物を除去するためのカッターとしては、次のような問題がある。
まず、カッターによる塗装面上の突起物の切除中、つまり切れ刃の塗装面に対する滑り移動中、切れ刃が塗装膜に食い込み、塗装膜に深い傷が発生するということがある。
すなわち、カッターにおいて切れ刃を構成する逃げ面とすくい面との稜線部(交差稜線部)は、塗装面に対する接触部であり、カッターについてのガイド部ともなる。この切れ刃の塗装面に対する接触部は、前記のとおり線当たりとなる。このため、切れ刃の塗装面に対する接触部には、カッターによる押付方向(塗装面に対して略垂直方向)に大きな圧力(接触圧)が発生し、切れ刃が塗装面に食い込んでしまう。これを丸刃カッターの場合について説明すると、丸刃カッターにおいては、その円周状の切れ刃の先端全周部がガイド部としての機能を果たす。そして、突起物の切除作業は、円周状の切れ刃の先端全周部(ガイド部)が塗装膜と接触した状態、つまりカッターがガイドされた状態で、丸刃カッターが滑らされることにより行われる。この切れ刃の塗装面に対する接触部は線当たりとなり、これによって塗装面に対して大きな圧力(接触圧)が作用し、切れ刃が塗装面に食い込むこととなる。
次に、カッターと塗装面との間の滑り性が悪いということがある。
すなわち、カッターの切れ刃は、一般には切削等の機械加工により生成されるところ、その切れ刃の先端部は、微視的には、厳密に一直線として加工されておらず、鋸刃状(ギザギザ状)となったり微妙なうねり面となったりしている。このため、突起物の除去に際しては、塗装面に対する切れ刃の接触により、その先端部が塗装膜に食い込んだ状態でカッターが滑らされて作業が行われることとなる。このため、カッターと塗装面との間の滑り性が悪く、場合によっては塗装膜に擦り傷が発生する。カッターと塗装面との間の滑り性が悪いと、作業者に対してデリケートな扱いが要求される。また、塗装膜に擦り傷が発生することから、塗装面の仕上げが行われる上塗り工程(塗完工程)にはカッターが使用できない場合がある。
また、カッターと塗装面との間の滑り性に関し、その滑り性を向上させるには、非常に高精度な加工が必要となり、加工コストが高くなるという問題がある。
すなわち、上述のような切れ刃において生じる鋸刃状態やうねり面を無くす(小さくする)ためには、切れ刃を構成するすくい面及び逃げ面を高面粗度に仕上げる必要が生じ、機械加工に際して高度な技術が必要となる。特に、丸刃カッターの場合、切れ刃を構成するすくい面及び逃げ面が円錐面の一部形状となるため、円錐面に対する高度な機械加工技術が必要となり、加工コストが高くなる。
他の問題として、従来のカッターやナイフ等は、塗装面に傷が付きやすく、扱いに熟練を要するということ、及び刃具寿命が短いということがある。
すなわち、従来の塗装面突起物処理用のカッターやナイフ等は、その切れ刃が鋭い(すくい角が大きい(20°より大))ため、熟練度の低い作業者が扱うと、切れ刃を塗装面に食い込ませてしまい、塗装面に傷を付ける可能性が大きい。また、切れ刃のすくい角が大きいため、刃先強度が低く、突起物処理中に刃先に変形や欠け等が発生しやすくなり、刃具寿命が短くなる。
特開2000−271539号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、切れ刃の塗装面に対する食込みを防止することができ、高度な機械加工技術を要することなくカッターと塗装面との間の滑り性を良好なものとすることができる塗装面上突起物除去用カッターを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、カッター本体の少なくとも一側端部に、すくい面と逃げ面との交差稜線部に形成される切れ刃を備え、該切れ刃を含む部分を塗装面に接触させた状態で塗装面に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面に沿って移動することで塗装面上の突起物を切除する塗装面上突起物除去用カッターであって、前記逃げ面に、前記所定の姿勢で仮想される支持平面に対して平行であり、該支持平面に対して前記所定の姿勢で接することとなる微小な平面部を設けたものである。
請求項2においては、カッター本体の少なくとも一側端部に、すくい面と逃げ面との交差稜線部に形成される切れ刃を備え、該切れ刃を含む部分を塗装面に接触させた状態で塗装面に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面に沿って移動することで塗装面上の突起物を切除する塗装面上突起物除去用カッターであって、前記交差稜線部を、前記すくい面と前記逃げ面との稜線方向に対して垂直方向にR形状を有する曲面部としたものである。
請求項3においては、前記切れ刃のすくい角を、0〜20°の範囲で設定したものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、切れ刃の塗装面に対する食込みを防止することができ、高度な機械加工技術を要することなくカッターと塗装面との間の滑り性を良好なものとすることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明に係る塗装面上突起物除去用カッター(以下単に「カッター」とする。)は、例えば自動車ボデー等の塗装面上に発生したブツやタレ等の突起物を除去するためのものである。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係るカッター1は、カッター本体2の少なくとも一側端部に、すくい面4と逃げ面5との交差稜線部6に形成される切れ刃3を備え、この切れ刃3を含む部分を塗装面8に接触させた状態で塗装面8に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面8に沿って移動することで塗装面8上の突起物9を切除する。すなわち、図2に示すように、カッター1は、自動車ボデー等を被覆する塗装膜7の表面となる塗装面8上に存在する塗装欠陥としての突起物9に対し、切れ刃3が塗装面8に接触した状態で移動する(滑る)ことで作用する。つまり、カッター1の切れ刃3を塗装面8に接触させた状態での塗装面8に沿う移動により、処理対象物である突起物9が切れ刃3によって削り落とされることで除去される。
図1〜図4に示すように、本実施形態のカッター本体2は、鉄系合金等の金属材料を母材として構成されるものであり、矩形板状に構成される基部11と、この板状の基部11の一方の板面側から略円筒状に突出するとともに切れ刃3を構成する刃部12とを有する。
カッター本体2においては、板状の基部11の板面に対して垂直方向に基部11及び刃部12を貫通する孔部13が形成されており、この孔部13の刃部12側の開口端部に、切れ刃3が形成される。つまり、孔部13によって、刃部12の略円筒形状の内周面が構成されるとともに、基部11の内周面が、基部11において刃部12が設けられる側と反対側に開口する。このように、カッター本体2の一側端部となる刃部12の開口端部には、切れ刃3が形成されている。
孔部13は、刃部12の基部側(基部11側、図2における上側)から先端側(切れ刃3側、図2における下側)にかけて徐々に縮径する(テーパする)内側斜面部13aを有する。つまり、内側斜面部13aは、切れ刃3側が頂点側となる円錐面の一部形状を有し、この内側斜面部13aが、刃部12の内周面となる。内側斜面部13aの先端側には、切れ刃3を形成するすくい面4が形成されている。
すくい面4は、内側斜面部13aに対して連続して形成される面であり、内側斜面部13aよりも縮径度合いが小さい円錐面の一部形状を有する。つまり、すくい面4は、その基部11の板面に対して平行方向の面(以下「水平面」とする。)に対する傾斜角度が、内側斜面部13aのそれよりも大きくなる面であり、図2及び図3に示す、カッター1についての径方向の断面形状において、内側斜面部13aに対して外側方向に折れ曲がる部分となる。
刃部12の端面側には、円筒状の外周面12aから連続する逃げ面5が形成されている。
逃げ面5は、内側斜面部13aよりも縮径度合いが大きい円錐面の一部形状を有する。つまり、逃げ面5は、その水平面に対する傾斜角度が、内側斜面部13aのそれよりも小さくなる面であり、図2及び図3に示すカッター1についての径方向の断面形状において、外周面12aから内側方向に折れ曲がる部分となる。
すくい面4と逃げ面5とは、互いに交差して稜線部(以下「交差稜線部」とする。)6を形成し、この交差稜線部6により切れ刃3が形成される。つまり、切れ刃3の先端が、すくい面4と逃げ面5との稜線となる。
そして、本実施形態に係るカッター1においては、切れ刃3が、円周状の内切れ刃として構成されている。つまり、交差稜線部6が円周状となるように、すくい面4及び逃げ面5が形成される。
このような構成を備えるカッター1は、その基部11側からホルダ等の操作具(図示略)に取り付けられ、この操作具を介して作業者に操作される。操作具に対するカッター1の取付けに際しては、基部11においてその周縁部(刃部12の突出部分よりも外側部分)に板面を貫通するように設けられる固定孔11aが用いられる(図1及び図4参照)。本実施形態では、固定孔11aは、矩形板状の基部11においてその四隅部分にそれぞれ設けられている。つまり、この固定孔11aを介するボルト等の締結具が用いられることで、カッター1が操作具に対して固定される。このように、本実施形態に係るカッター1においては、基部11が刃部12に対するフランジ部として機能する。
そして、塗装面8上の突起物9の除去に際しては、操作具に取り付けられた状態のカッター1が、その円周状の切れ刃3の内側に突起物9が位置するように塗装面8に対してあてがわれ、切れ刃3が塗装面8に接触した状態で滑り移動させられる。これにより、切れ刃3が突起物9に作用し、突起物9が切れ刃3によって削り落とされることで除去される。
この塗装面8上におけるカッター1の滑り移動に際しては、円周状の切れ刃3を形成する交差稜線部6の先端全周部がガイド部として機能する。つまり、突起物9の切除作業時には、円周状の切れ刃3(交差稜線部6)の先端全周部が塗装面8と接触した状態となることで、カッター1が塗装面8上における滑り移動についてガイドされることとなる。
なお、本実施形態に係るカッター1は、図示のように、切れ刃3が円周状に形成される丸刃カッターであるが、これに限定されるものではなく、切れ刃3を含む部分を塗装面8に接触させた状態で塗装面8に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面8に沿って移動することで塗装面8上の突起物9を切除する構成であればよい。
すなわち、本発明に係るカッターについて「所定の姿勢で支持され」るとは、カッターにおける切れ刃が、曲線形状部分を含む形状や閉じた形状等であることや、カッターが、切れ刃と切れ刃以外の部分とにより複数箇所(複数部分)で接触可能な構成であること等により、カッターが、例えば平面等のある面上に支持された状態(接触した状態)で、その面に対する切れ刃の角度が定まることを意味する。したがって、カッターについて「所定の姿勢」とは、カッターがある面上に支持された状態(例えば、ある面上に切れ刃の部分を接触させて自立した状態)における、その面に対するカッターの姿勢を意味する。そして、この所定の姿勢で支持された状態のカッターが、前述した操作具を介して作業者に操作されることにより、塗装面に沿って移動し、塗装面上の突起物を切除することとなる。
塗装面に対して所定の姿勢で支持されるカッターの構成例としては、カッターにおける切れ刃が、本実施形態のような円周状の他、楕円状や矩形状の閉じた形状を有する構成や、カッターが、例えば矩形板状部材がコ字状(門状)に折り曲げられることにより二箇所の部分で線当たり可能な形状を有し、それらの部分のうち少なくとも一方が直線状の切れ刃である構成等が考えられる。
以上の構成を備えるカッター1において、逃げ面5に、前述した所定の姿勢(以下単に「所定の姿勢」とする。)で仮想される支持平面に対して平行であり、この支持平面に対して所定の姿勢で接することとなる微小な平面部30が設けられている。
すなわち、図3の部分拡大図(図2中、一点鎖線で示すA部分参照)、図4、及び図5の部分拡大図(図4中、一点鎖線で示すB部分参照)に示すように、カッター1において逃げ面5の先端側の僅かな部分、つまり逃げ面5の切れ刃3を形成する部分が、平面部30として構成されている。
ここで、カッター1において所定の姿勢で仮想される支持平面(以下「仮想支持平面」とする。)とは次のとおりである。
すなわち、カッター1は、塗装面8に対して前述したように所定の姿勢で支持される構成となっている。本実施形態に係るカッター1においては、図2に示すように、カッター1が塗装面8に対して所定の姿勢で支持された状態では、円周状の切れ刃3が全周にわたって塗装面8に接触した状態となる。そしてこの切れ刃3の全周にわたって接触可能な平面が、カッター1について仮想支持平面18となる。つまり、塗装面8が平面であると仮定した場合、その塗装面8上に所定の姿勢で支持された状態のカッター1については塗装面8が仮想支持平面18となる(図3中、二点鎖線参照)。
したがって、例えば、カッターにおいて切れ刃が閉じた形状(例えば円周状)である場合は、その切れ刃の全周にわたって接触可能な平面が仮想支持平面18となり、また、カッターが切れ刃を含む部分により複数箇所で接触可能な(支持可能な)構成である場合は、その複数箇所で接触可能な(支持可能な)平面が仮想支持平面18となる。
このようなカッター1についての仮想支持平面18に対して平行となるように、逃げ面5に微小な平面部30が設けられる。
平面部30は、逃げ面5においてすくい面4との交差稜線部6から仮想支持平面18と平行な微小な平面部分として形成される。言い換えると、すくい面4と平面部30とにより交差稜線部6が形成され、カッター1が所定の姿勢で支持された状態で、平面部30は仮想支持平面18に接することとなる。
また、平面部30は、カッター1が所定の姿勢で支持された状態で塗装面8に沿って移動することにつき、その移動方向に対して略平行となる平面部分であると言うこともできる。つまり、平面部30は、逃げ面5の先端部分に形成される、塗装面8に対して接触可能な平面部分となる。
平面部30の形成に際しての加工方法としては、ラッピングや噴射加工等の研磨加工や研削加工等が用いられる。
本実施形態では、図4に示すように、平面部30は、逃げ面5において交差稜線部6から一定長さ部分に形成され、交差稜線部6を内側端部とする微小な一定幅を有するリング状の平面部分となる(図4及び図5中、薄墨部分参照)。
このように、カッター1において逃げ面5の先端部に微小な平面部30を設けることにより、切れ刃3の塗装面8に対する食込みを防止することができ、高度な機械加工技術を要することなくカッター1と塗装面8との間の滑り性を良好なものとすることができる。
すなわち、平面部30は、カッター1において切れ刃3を形成する交差稜線部6から逃げ面5側に設けられる平面部分となり、塗装面8に対して接触する部分となるので、切れ刃3の接触面8に対する接触部が面当たり(面接触)となる。これにより、カッター1の塗装面8に対する押付方向の圧力(接触圧)を分散させて低減することが可能となり、塗装面8に対する切れ刃3の食込みを抑制することができる。
また、平面部30は、前記のとおりラッピング等の加工方法によって形成されるが、その加工の際、切れ刃3に生成している鋸刃状の部分やうねり面の突出部分から先に除去されることとなり、塗装面8に対する接触部となる切れ刃3の先端部が、微視的には全体的により平面に近いものとして生成される。これにより、切れ刃3における前記のような先端突出部分の微小な食込みが抑制されるため、カッター1と塗装面8との間の滑り性を改善することができる。
このように、カッター1の滑り性を改善する観点からは、平面部30に、自己潤滑性を有する硬質皮膜としてDLC(Diamond Like Carbon)膜のコーティングを施すことが好ましい。
すなわち、平面部30は、塗装面8に対して面接触する部分であるとともに、DLCは、非常に小さな摩擦係数を示し高い潤滑性能を有する。このため、平面部30にDLC膜のコーティングを施すことにより、DLCの有する潤滑性能が十分に発揮され、滑り性を効果的に改善することができる。
なお、DLC膜は、高真空中でのプラズマプロセスであるイオン化蒸着法により成膜することができる。
また、カッター1において平面部30を設けるに際しては、その平面部30を形成するための加工を精度良く行えば足り、その前工程となるすくい面4及び逃げ面5を形成する際の加工には、平面部30を形成するための加工精度ほどの精度は要求されない。また、平面部30を形成するためのラッピングや噴射加工等の研磨加工や研削加工によると、平面部分を高精度に仕上げることは容易である。つまり、平面部分に対する加工は、例えば本実施形態のような丸刃カッターにおいて切れ刃3を形成する面(すくい面4及び逃げ面5)のような円錐面に対する加工と比較して容易なものとなる。これらのことから、切れ刃3を形成するための加工に際し、高度な機械加工技術を要することがなく、安価な加工コストでカッター1の塗装面8に対する滑り性を向上させることが可能となる。
微小な平面部30について、その幅(交差稜線部6からの長さ)は特に限定されるものではないが、前述したような切れ刃3の塗装面8に対する接触圧の低減作用(食込み防止効果)が得られる程度に大きく、カッター1の滑り性が悪化しない程度に小さくなる範囲で、微小な幅に設定される。
具体的には、平面部30の幅は、0.005〜0.2mmの範囲であることが望ましい。すなわち、平面部30の幅が0.005mmよりも小さい場合は、切れ刃3の塗装面8に対する接触圧の低減作用(食込み防止効果)が得られにくくなり、平面部30の幅が0.2mmよりも大きい場合は、切れ刃3の塗装面8に対する接触面積が大きくなり過ぎるため、逆に滑り性が悪化することとなる。
次に、本発明に係るカッターの別実施形態について説明する。なお、前述した実施形態と共通する部分については同一の符号を用いる等してその説明を省略する。
本実施形態に係るカッター1は、交差稜線部6が、すくい面4と逃げ面5との稜線方向に対して垂直方向にR形状を有する曲面部とされている。
すなわち、図6に示すように、カッター1において切れ刃3を形成する交差稜線部6が、その稜線方向に対して垂直方向にR形状を有する曲面部40として形成されている。なお、図6は、本実施形態に係るカッター1における、図2中A部分に対応する部分の部分拡大図である。
曲面部40は、すくい面4と逃げ面5との交差稜線部6が面取りされ、丸み付けが行われることにより形成される。つまり、曲面部40は、すくい面4の先端に形成される曲面部分と、逃げ面5の先端に形成される曲面部分とが連続する部分となる。
曲面部40は、すくい面4と逃げ面5との稜線方向に対して垂直方向にR形状を有する。つまり、すくい面4と逃げ面5との稜線方向に対して垂直方向の面についての断面視において、曲面部40が、所定の曲率半径を有するR形状部分となる。
本実施形態では、曲面部40は、円周状である切れ刃3において、その全周にわたって設けられる。
曲面部40の形成に際しての加工方法としては、ショットブラスト等の噴射加工等が用いられる。
このように、カッター1において切れ刃3を形成する交差稜線部6を、R形状を有する曲面部40とすることにより、前述した実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
すなわち、交差稜線部6が曲面部40として形成されることで、カッター1の塗装面8に対する接触部分が曲面部分となるため、塗装面8に対する切れ刃の食込みを抑制することができる。
また、曲面部40は、前記のとおりショットブラスト等の加工方法によって形成されるが、その加工の際、切れ刃3に生成している鋸刃状の部分やうねり面の突出部分から先に除去されることとなり、塗装面8に対する接触部となる切れ刃3の先端部が、微視的には全体的により平面に近いものとして生成される。これにより、切れ刃3における前記のような先端突出部分の微小な食込みが抑制されるため、カッター1と塗装面8との間の滑り性を改善することができる。
また、カッター1において曲面部40を設けるに際しては、その曲面部40を形成するための加工を精度良く行えば足り、その前工程となるすくい面4及び逃げ面5を形成する際の加工には、曲面部40を形成するための加工精度ほどの精度は要求されない。また、曲面部40を形成するためのショットブラスト等の噴射加工によると、曲面部分を高精度に仕上げることは容易である。これらのことから、切れ刃3を形成するための加工に際し、高度な機械加工技術を要することがなく、安価な加工コストでカッター1の塗装面8に対する滑り性を向上させることが可能となる。
曲面部40について、そのR形状部分についての曲率半径Rは特に限定されるものではないが、前述したような切れ刃3の塗装面8に対する食込み防止効果が得られる程度に大きく、切れ刃3の切れ味が悪化しない程度に小さくなる範囲で設定される。
具体的には、曲面部40が有するR形状部分の曲率半径Rは、0.005〜0.1mmの範囲であることが望ましい。すなわち、曲面部40の曲率半径Rが0.005mmよりも小さい場合は、切れ刃3の塗装面8に対する食込み防止効果が得られにくくなり、曲面部40の幅が0.1mmよりも大きい場合は、切れ刃3の切れ味が悪化することとなる。
以上のような構成を備えるカッター1においては、切れ刃3のすくい角が、0〜20°の範囲で設定される。
本実施形態においては、切れ刃3のすくい角は、すくい面4の垂直方向に対する角度、つまり前述した仮想支持平面18(図3等参照)に対して垂直方向を基準方向として、その基準方向に対するすくい面4の傾斜角度となる。
切れ刃3のすくい角(以下単に「すくい角」ともいう。)の大きさは、切れ刃3の切れ味とカッター1の取扱いの難易度(作業性)とに影響する。具体的には、切れ刃3の切れ味については、すくい角が小さいほど切れ味が損なわれ、すくい角が大きいほど切れ味は良くなる。また、カッター1を用いる際の作業性については、すくい角が小さいほどカッター1の扱いが容易となって作業性は向上し、すくい角が大きいほどカッター1の扱いに熟練を要する。
以下では、すくい角が0〜20°の範囲における、すくい角の大きさと、切れ刃3の切れ味及びカッター1の取扱いの難易度等との関係について、図7を参照しながら説明する。なお、図7は、平面部30を有するカッター1における切れ刃3の部分の部分拡大断面図を示している。
図7(a)には、すくい角が0°の場合を示している。つまり、すくい角の大きさが、前述した範囲で最も小さい場合を示している。
この場合、切れ刃3の切れ味を多少犠牲にしたうえで、切れ刃3の塗装面8への食込みの防止、及び切れ刃3の刃先寿命の向上を図ることができる。また、経験が少なく熟練度の低い作業者でもカッター1の扱いが容易となる。つまりこの場合、すくい角が小さいため、切れ刃3の切れ味は損なわれるものの、切れ刃3の刃先が比較的鈍くなるため塗装面8に対して食い込みにくく、カッター1の扱いが容易となって良好な作業性が得られる。
したがって、すくい角が0°の場合は、切れ味よりも作業性などが要求される場合に適している。
図7(b)には、すくい角が20°の場合を示している。つまり、すくい角の大きさが、前述した範囲で最も大きい場合を示している。
この場合、切れ刃3の切れ味が良好となり、突起物処理後の塗装面8の仕上がりが比較的良好となる。その一方で、カッターの扱いによっては切れ刃3の塗装面8に対する食込みが発生しやすくなる。つまりこの場合、すくい角が大きいため、切れ刃3については高い切れ味が得られるものの、切れ刃3の刃先が比較的鋭利となるため塗装面8に対して食い込みやすく、カッター1の扱いに熟練が要求される。
したがって、すくい角が20°の場合は、カッター1の扱いの容易さよりも切れ刃3の切れ味が重視される場合に適している。つまり熟練の作業者に適している。
図7(c)には、すくい角が10°の場合を示している。つまり、すくい角の大きさが、前述した範囲における中間値である場合を示している。
この場合、切れ刃3の切れ味についてある程度の良好な切れ味が得られつつ、切れ刃3の塗装面8への食込み防止効果もある程度得られる。また、カッター1の扱いに要求される熟練度も中程度のものとなる。つまりこの場合、すくい角の大きさが前述した範囲における中間値であるため、切れ刃3の切れ味と食込み防止効果(良好な作業性)との両者がバランスよく得られる。
したがって、すくい角が10°の場合は、未経験もしくは経験の少ない作業者、熟練作業者のいずれにも適し、両者に扱われることのある場合等に適している。
このように、カッター1における切れ刃3の切れ味と食込み防止効果との両者の観点から、切れ刃3のすくい角を0〜20°の範囲で設定することにより、切れ刃3の切れ味と食込み防止効果とを効果的に調整することができ、切れ刃3について要求される切れ味や作業者の熟練度等に応じて適切な切れ刃3を形成することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るカッターの切れ刃側から見た斜視図。 本発明の一実施形態に係るカッターの切れ刃の径方向の断面図。 図2のA部分拡大図。 本発明の一実施形態に係るカッターの切れ刃側からの平面図。 図4のB部分拡大図。 本発明の別実施形態に係るカッターの部分拡大図。 切れ刃のすくい角の設定例を示す説明図。
符号の説明
1 カッター(塗装面上突起物除去用カッター)
2 カッター本体
3 切れ刃
4 すくい面
5 逃げ面
6 交差稜線部
8 塗装面
9 突起物
18 仮想支持平面(支持平面)
30 平面部
40 曲面部

Claims (3)

  1. カッター本体の少なくとも一側端部に、すくい面と逃げ面との交差稜線部に形成される切れ刃を備え、該切れ刃を含む部分を塗装面に接触させた状態で塗装面に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面に沿って移動することで塗装面上の突起物を切除する塗装面上突起物除去用カッターであって、
    前記逃げ面に、前記所定の姿勢で仮想される支持平面に対して平行であり、該支持平面に対して前記所定の姿勢で接することとなる微小な平面部を設けたことを特徴とする塗装面上突起物除去用カッター。
  2. カッター本体の少なくとも一側端部に、すくい面と逃げ面との交差稜線部に形成される切れ刃を備え、該切れ刃を含む部分を塗装面に接触させた状態で塗装面に対して所定の姿勢で支持され、その支持された状態で塗装面に沿って移動することで塗装面上の突起物を切除する塗装面上突起物除去用カッターであって、
    前記交差稜線部を、前記すくい面と前記逃げ面との稜線方向に対して垂直方向にR形状を有する曲面部としたことを特徴とする塗装面上突起物除去用カッター。
  3. 前記切れ刃のすくい角を、0〜20°の範囲で設定したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗装面上突起物除去用カッター。
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