JP2008200098A - 内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】 内視鏡により観察することができない体腔内の狭い領域における病変部位であっても、確実にその細胞を採取することができる内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステムを提供する。
【解決手段】 内視鏡の処置具チャンネルに挿通可能なシースと、細胞を採取するための採取部を有し、シースの基端側からシース内に挿通された採取手段と、先端部近傍において所定領域を観察可能であり、シースの基端側からシース内に挿通されたOCTプローブとを備え、OCTプローブの先端部近傍をシース先端から突出するよう配置すると共に、採取部が所定領域内に位置することができるよう構成したことを特徴とする内視鏡用処置具を提供する
【選択図】 図7
【解決手段】 内視鏡の処置具チャンネルに挿通可能なシースと、細胞を採取するための採取部を有し、シースの基端側からシース内に挿通された採取手段と、先端部近傍において所定領域を観察可能であり、シースの基端側からシース内に挿通されたOCTプローブとを備え、OCTプローブの先端部近傍をシース先端から突出するよう配置すると共に、採取部が所定領域内に位置することができるよう構成したことを特徴とする内視鏡用処置具を提供する
【選択図】 図7
Description
この発明は、内視鏡を用いて体腔内の細胞を採取する内視鏡用処置具、及び当該処置具を用いたシステムに関する。
従来、内視鏡を用いて病変を診断する際、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入して、内視鏡観察により管腔の内表面を観察してその形態変化から病変部位を検出していた。病変部位の検出後、内視鏡の処置具チャンネルに細胞診ブラシ等の細胞採取手段を挿通し、当該病変部位を観察しつつ、細胞診ブラシにより当該病変部位の粘膜を擦過し、細胞を採取していた。その後、採取された細胞に対する顕微鏡観察の結果等から診断を行っていた。
上述のような病変の診断に際しては、胆管、膵管、気管支末端など、管腔のなかでもその径が小さい領域に病変部位が存在する場合には、それらの径よりも大きな径を有する内視鏡の挿入部を進入させることができなかったため、当該病変部位を内視鏡観察により検出することができなかった。そのような場合は、例えばX線撮影で病変部位を検出した後、X線透視下において、内視鏡挿入部の先端から当該管腔内に挿入された細胞診ブラシの位置と当該病変部位の位置とを確認しながら、当該病変部位へ細胞診ブラシを近づけて、擦過を行っていた。特許文献1には、X線透視下において、気管支末端などの、狭く複雑な管腔内の目的部位へ、確実・迅速に挿入できる処置具が開示されている。なお、この処置具には細胞採取手段も含まれている。
一方、近年、例えばSLD(Super Luminescent Diode)等の時間コヒーレンスが低く空間コヒーレンスが高い光源からの光(以下、低コヒーレント光という)を用いた光干渉断層法(Optical Coherence Tomography、以下、OCTと略記する)により、生体組織の断層像を取得するOCTシステムが実用化されている。具体的には、OCTシステムは、上記光源を有する本体装置と、管腔内に挿入されるOCTプローブとを有する。
OCTプローブは、特許文献2に開示されているように、内視鏡の処置具チャンネルに挿通されるため、内視鏡の挿入部よりもその径が小さい。このため、胆管、膵管、血管、気管支末端などの管腔内の径が小さく、内視鏡の挿入部を挿入させることができないような領域であっても、OCTによる管腔内の観察を可能としている。
しかしながら、特許文献1に開示されている手法を用いても、病変部位に存在する病変部位の細胞を確実に採取することができるとは限らない。すなわち、X線透視下においては、病変部位付近に処置具が到達したことは確認できても、当該病変部位が実際に管腔内面のどの位置に存在するか等の詳細な部位の特定や処置具が実際にどの部位を擦過したか等の判断は困難であり、当該病変部位の細胞が確実に採取されたかどうかはわからない。内視鏡の挿入部を体内から引き抜いた後に、顕微鏡観察等により、当該病変部位の細胞が採取されていないことがわかった場合には、再度目的部位まで内視鏡を挿入させなければならないため、患者の負担が増えてしまう。
一方、特許文献2に記載のようなOCTプローブは、X線透視下において、管腔内の狭い部位に存在する病変部位付近まで挿入された後、OCTにより直接観察することで、当該管腔内における病変部位の正確な位置を特定することができる。しかしながら、OCTプローブは、狭い管腔内に挿入できるほど細径ではあるが、細胞採取等の機能を備えていない。
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡により観察することができない体腔内の狭い領域における病変部位であっても、確実にその細胞を採取することができる内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステムを提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明は、内視鏡の処置具チャンネルに挿通可能なシースと、細胞を採取するための採取部を有し、シースの基端側からシース内に挿通された採取手段と、先端部近傍において所定領域を観察可能であり、シースの基端側からシース内に挿通されたOCTプローブとを備え、OCTプローブの先端部近傍をシース先端から突出するよう配置すると共に、採取部が所定領域内に位置することができるよう構成したことを特徴とする内視鏡用処置具を提供する。
この構成によれば、当該内視鏡用処置具のシースは、内視鏡の処置具チャンネルに挿通されるものであるため、内視鏡の挿入部を挿入することができない狭い管腔内であっても当該シースを入り込ませることができる。また、当該シース先端から突出したOCTプローブにより、当該管腔内の断層像を取得することができる。この内視鏡用処置具を使用するユーザは、OCTプローブの断層像から病変部位の正確な位置を確認しつつ、採取部を用いて病変部位の細胞を確実に採取することができる。
また、本発明では、採取手段は、シース内を進退移動可能にシース内に挿通されている。また、採取手段の進退移動により、採取部は、所定領域内に含まれる位置と含まれない位置とに移動可能となっている。このような構成により、ユーザは、採取部で細胞を擦過する前、すなわち病変部位の発見・観察時には、OCTプローブによる断層像に採取部が含まれず、病変部位の発見・観察が容易になる。
さらに、本発明においては、採取手段の進退移動により、採取部を、シースの内部と外部とに配置させることが可能となっている。
また、シースの基端部は、採取手段を進退移動させる駆動手段を備える把持部材に結合されており、当該把持部材には、OCTプローブを当該把持部材外部からシース内へ案内するOCTプローブ用の孔が形成されており、OCTプローブは、孔を経て、シース内に導かれている。
また、本発明の一つの側面によれば、採取手段が駆動手段によりシース先端から突出する方向に移動させられたときに、採取部の先端が前進すると共にシースの中心軸から離れる方向に移動するよう構成されている。このような構成により、採取手段の先端に設けられた採取部を用いて、シースの半径方向に対して、より広い範囲まで擦過することができるため、管腔内において擦過しやすい処置具を提供することができる。
また、本発明のその他の側面においては、採取手段が、先端が開口した中空管状部材を有している。この場合、採取部が、中空管状部材の先端近傍においてその外周面上に設けられている。さらに、OCTプローブが中空管状部材の基端部付近から中空管状部材の内部を通るよう構成されている。
また、本発明における例示的な側面においては、採取部が細胞診ブラシである。また、OCTプローブがラジアルスキャン型のOCTプローブである。
また、本発明は、上記の内視鏡処置具と、内視鏡用処置具に含まれるOCTプローブを機能させるOCTシステムとを備えたシステムを提供する。
さらに、OCTシステムは、OCTプローブにより観察される体腔内の断層像を表示する表示手段と、表示手段に、断層像内において採取部が現れるであろう位置を表示させるよう制御する制御手段と、を備えてもよい。このような構成とすれば、ユーザが病変部位を擦過しようとするときに、表示画面上の断層像内に、採取部により擦過可能な範囲が表示されているので、確実に擦過することができる。また、誤って別の部位を擦過してしまうことを未然に防止できる。
したがって、本発明によれば、内視鏡により観察することができない体腔内の狭い領域における病変部位であっても、確実にその細胞を採取することができる内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステムを提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステムの具体的な実施形態について説明する。
図1は、内視鏡スコープ100および内視鏡用処置具としての細胞診ブラシユニット200の外観図である。内視鏡スコープ100は、挿入部101、処置具挿入口102、操作部103、接続ケーブル105、コネクタ106を有する。
挿入部101は、体腔内に挿入される管であり、可撓性を有し、体腔内の経路に沿って湾曲する。挿入部101の先端付近は、ユーザによる操作部103の操作により、いくつかの所定の方向のうちのいずれかの方向へある角度範囲だけ湾曲するよう構成されている。また、挿入部101の内部には、各種処置具を挿通するための処置具チャンネルC、図示しない各種信号ケーブルや光源からの光を伝送するライトガイド等が設けられている。
挿入部101の先端部111には、撮像素子であるCCDが備えられている。CCDから出力された画像信号は挿入部101内部の信号ケーブルを経て、コネクタ106まで伝送され、内視鏡スコープ100外部へ出力される。また、先端部111には、処置具チャンネルCの出口が形成されている。
処置具挿入口102は、患部の止血や生体組織の採取等の様々な処置を行うための処置具類を挿入する部位である。ユーザは、医療行為の内容に応じて様々な処置具を、処置具挿入口102に挿入することができる。処置具挿入口102に挿入された処置具は、処置具チャンネルCを通って、先端部111の処置具チャンネルの出口から突出する。本実施形態では、図1に示すように、細胞診ブラシユニット200のブラシ挿入管220が、処置具チャンネルCに挿通される。
操作部103は、挿入部101の先端部111付近を湾曲させるためのノブやレバー、その他内視鏡スコープ100に備わる機能である吸引・送気・送水等を実行するための各種ボタンからなる。ユーザは、ノブ等を操作することで先端部111を種々の方向に湾曲させて、CCDによる観察領域を変更したり、挿入部101の体腔内の経路に沿った挿入を容易にしたりする。
コネクタ106は、図示しない画像処理装置や光源に接続される。画像処理装置により、CCDにより撮像された画像がモニタ等に表示される。
細胞診ブラシユニット200は、ハンドル部210と、ブラシ挿入管220と、OCTプローブ230とを有する。ハンドル部210は、操作部211と把持部212からなる。ブラシ挿入管220は、後述するようにシースで覆われた部材であり、処置具挿入口102に挿入される。OCTプローブ230は、後に詳述するが、把持部212の所定位置から当該把持部212内部に通され、さらにブラシ挿入管220のシース内に挿通される。
図2は、細胞診ブラシユニット200の内部構造を示した図である。把持部212は、ユーザの指で挟持された際に当該把持部212に対して指が図中上方向又は下方向に外れないようにするための突起部212a、OCTプローブ230を当該把持部212の外部からブラシ挿入管220へ導くためのプローブ用孔212b、操作部211を進退方向(図中上下方向)への移動のみ許容するように保持する操作部用ガイド孔212c、ブラシガイドワイヤ240(先端に細胞診ブラシを備えたワイヤ)を挿通するためのブラシガイドワイヤ用孔212dを備える。
把持部212の先端部212eには、ブラシ挿入管220のシース221が接続されている。シース221には、ブラシガイドワイヤ用孔222と、プローブ用孔223とが形成されている。把持部212のブラシガイドワイヤ用孔212dとブラシ挿入管220のブラシワイヤ用孔222、把持部212のプローブ用孔212bとブラシ挿入管220のプローブ用孔223は、それぞれ連通するよう形成されている。
操作部211の上部211aは、ユーザが親指等を入れて操作部211を進退移動させることができるよう環状となるように形成されている。操作部211の下部211bには、ブラシガイドワイヤ240の基端部が接続されている。操作部211は、ユーザの操作により、操作部用ガイド孔212cに沿って、把持部212に対して相対的に移動する。また、ブラシガイドワイヤ240は、操作部211の移動と共に、一体的に移動する。ブラシガイドワイヤ240は、シース221のブラシガイドワイヤ用孔222に挿通されている。
OCTプローブ230は、プローブ用孔212bとプローブ用孔223を通って、シース221の先端から所定量突出した状態でその挿入方向の位置が固定されている。例えば、接着剤等を用いて、把持部212のプローブ用孔212bに固定されている。したがって、OCTプローブ230は、シース221から常に所定量突出した状態に保たれている。
次に、OCTプローブ230を使用するために必要な、OCTプローブ230を含むシステムであるOCTシステム500の構成について説明する。
図3は、OCTシステム500の全体構成を示すブロック図である。OCTシステム500は、OCTを利用して管腔内の生体組織に関する断層像を取得するためのシステムである。図3に示すようにOCTシステム500は、OCTプローブ230と、メイン装置300と、表示部400と、を有する。なお、図3に示すメイン装置300内においては、電気信号の経路を破線で示す。また、以下の説明においては、光路上、OCTシステムの光源(302)に近づく方向を基端側、該光源から遠ざかる方向を先端側と定義する。
メイン装置300は、コントローラ301、低コヒーレント光源302、光カプラ303、ロータリジョイント304、第1アクチュエータ305、光検出機構306、信号処理回路307、レンズ308、ダハミラー309、第2アクチュエータ310、光ファイバF1〜F5を有する。なお、光ファイバF1〜F5はいずれもシングルモード光ファイバである。
コントローラ301は、メイン装置300全体を統括して制御する。低コヒーレント光源302は、低コヒーレント光を出力することができる光源であり、具体的にはSLD(Super Luminescent Diode)である。
OCTプローブ230は、ロータリジョイント304に結合される光ファイバF5および光偏向部231を有する。OCTプローブ230の内部には、少なくとも光偏向部231の周囲に、屈折率差による無用な光量損失を抑えるためのシリコンオイルが充填されている。
OCTシステム500を使用した場合、以下のようにして断層像が取得される。
まず、低コヒーレント光源302から低コヒーレント光が出力される。その低コヒーレント光は、光ファイバF1内を通り、光カプラ303に入射する。光カプラ303は、2対2の双方向4チャネルタイプのものを使用している。光カプラ303は、入射した低コヒーレント光を、光ファイバF2を通る光と、光ファイバF3を通る光とに分割する。
光カプラ303で分割されて光ファイバF2を光路上先端側へ進む低コヒーレント光(以降、本明細書中ではこの光を物体光と称する)は、次いでロータリジョイント304に導かれる。そして、ロータリジョイント304において結合される光ファイバF5に入射する。ロータリジョイント304は、コントローラ301の制御下、第1アクチュエータ305によって回転駆動され、光ファイバF5をその中心軸回りに回転させる。
光ファイバF5内を進む物体光は、光ファイバF5に軸合わせされた状態で接合している光偏向部231に入射する。光偏向部231の構成は後に詳述するが、入射する物体光を略直角に偏向する機能を有する。偏向された物体光は、OCTプローブ230の側面から射出され、OCTプローブ230外部に存在する管腔内の生体組織に照射される。
光偏向部231は、光ファイバF5と共に、OCTプローブ230内部で回転する。従って、光偏向部231で偏向された物体光は、光偏向部231の回転軸に直交する面内において回転走査される。当該面内の生体組織からの反射光(以降、本明細書中では、この光を物体反射光と称するものとする)は、入射時の光路と同一の光路を戻り、光カプラ303に導かれる。なお、図3は、各構成要素の機能を説明するための図であるため、OCTプローブ230における、光ファイバF5や光偏向部231の図示された形状及びサイズは、実際の形状及びサイズを示すものではない。
光カプラ303で分割されて光ファイバF3を進む低コヒーレント光(以降、本明細書中では、この光を参照光と称する)は、レンズ308を介して、平行光束に変換された後、ダハミラー309で反射される。ダハミラー309からの反射光(以降、本明細書中では、この光を参照反射光と称する)は、光ファイバF3を通って戻り、光カプラ303に導かれる。
ダハミラー309は、コントローラ301の制御下、第2アクチュエータ310によって、レンズ308の光軸に沿って平行移動自在に構成されている。該構成により、光ファイバF3の先端側端面F3aからダハミラー309間の光路長は可変となっている。言い換えれば、光カプラ303からダハミラー309間の光路長が可変となっている。
物体反射光および参照反射光は共に光カプラ303と光ファイバF4を経て光検出機構306に入射する。ここで、ダハミラー309を平行移動させ、光カプラ303からダハミラー309間の光路長と光カプラ303から生体組織の表面又は生体組織内部の所望の深さまでの間の光路長に一致させる。これにより、生体組織からの物体反射光があれば、二種類の反射光は干渉し、光検出機構306において検出される。
光検出機構306は、二種類の反射光(物体反射光、参照反射光)を受光することにより検出した干渉パターンに対応する信号を信号処理回路307に送信する。信号処理回路307は、受信した該信号に所定の処理を施して、生体組織に関する画像信号を生成する。生成された画像信号は、表示部400に出力される。表示部400は、該画像信号に対応する画像を表示する。なお、上述したように、光偏向部231により偏向された物体光は、その回転軸に直交する面内において走査され、生体組織に照射される。また、ダハミラー309の平行移動により、生体組織の深さ方向(物体光の回転走査の半径方向)の各位置における物体反射光の干渉を検出することができる。このような構成により、生成される画像信号に対応して表示される画像を生体組織の断層像とすることができる。
図4は、内視鏡スコープ100及び細胞診ブラシユニット200を用いて、実際に体腔内の観察・診断を行う際の体腔内の様子を模式的に図示したものである。
図4に示す状態では、内視鏡スコープ100の挿入部101が十二指腸まで挿入されている。十二指腸よりも細い管腔(例えば総胆管)の内部を観察・診断する際には、挿入部101の先端部111から、総胆管に、細胞診ブラシユニット200のブラシ挿入管220を挿入する。総胆管の入口からブラシ挿入管220が挿入されたことは、内視鏡スコープ100による観察においても確認できる。総胆管内では、ブラシ挿入管220の先端のOCTプローブ230により管腔内を直接観察する。なお、ブラシ挿入管220がどの辺りまで挿入されているかは、X線透視下でモニタできる。
図5は、病変部位付近の管腔(例えば総胆管)内およびブラシ挿入管220の先端付近を示す図である。図6は、図5の状態において、OCTプローブ230の観察領域の断層像である。なお、OCTプローブ230は、当該プローブの軸付近は観察することができない。
図5に示すように、OCTプローブ230は、シース221の先端から突出している。OCTプローブ230は、その先端付近において、その延びる方向と直交する面(図5の円Dで示される領域(観察領域))の断層像を取得することができる。図6に示すように、管腔壁Sが断層像に見られる。本実施形態では、管腔壁Sのうち、病変部位S1の細胞(生体組織)を採取するものとする。なお、病変部位S1は、説明の便宜上、管腔壁Sに対し突起部となるように示しているが、必ずしも図のような突起部となるとは限らない。また、本発明は、病変部位が図のような突起部とならなくても(例えば管腔壁Sに対して平坦でも)、細胞を採取することが可能である。
ブラシガイドワイヤ240の先端には、細胞診ブラシBが設けられている。細胞診ブラシBは、その毛部で粘膜等を擦過することにより、その細胞を採取することができるブラシである。細胞診ブラシBは、その毛部がシース221内に完全に収まる初期位置と、その毛部の全てがシース221外部に露出する突出位置との間で移動可能となっている。この細胞診ブラシBの移動は、ハンドル部210における操作部211の操作により行われる。すなわち、操作部211の進退移動により、ブラシガイドワイヤ240が進退移動され、結果として細胞診ブラシBも進退移動する。なお、図2に示す操作部211の位置は、細胞診ブラシBを初期位置とする位置である。
図7は、細胞診ブラシBが突出位置にある状態を示す図である。図7では、細胞診ブラシBの毛部が、病変部位S1に接触していることがわかる。この状態の後、細胞診ブラシBは、ユーザの操作により、再び初期位置(図5)に戻される。すなわち、図5および図7に示す、細胞診ブラシBの各位置間への移動により、その毛部が病変部位S1を擦過する。
図8は、図7の状態において、OCTプローブ230により観察される断層像である。図8に示すように、この断層像では、細胞診ブラシBが表示されている。また、細胞診ブラシBが病変部位S1に接触していることがわかる(実際には、細胞診ブラシBによりOCTプローブ230からの物体光が遮られるため、細胞診ブラシBよりも半径方向外側の領域は撮像されない、すなわち病変部位S1の位置及び形状が表示されない可能性がある。しかし、図6から図8へ画像が連続的に変化する状態を観察しているユーザにとっては、細胞診ブラシBが病変部位S1に適切に接触していることは一目瞭然である)。このように、ユーザは、OCTシステム500の表示部400に表示される画像により、病変部位S1に対する細胞診ブラシBの相対的位置の変化を容易に観察することができる。結果として、細胞診ブラシBが病変部位S1を擦過したことを確認することができる。
図9は、シース221の断面を示す模式図である。ブラシガイドワイヤ用孔222は、シース221の先端付近において、シース221の中心軸Pと所定角度θをなすように曲がっている。ブラシガイドワイヤ用孔222から突出する細胞診ブラシBは、シース221の中心軸Pと角度θをなして、当該中心軸Pから離れつつ突出する。このような構成により、細胞診ブラシBは、その毛部が、シース221の中心軸Pからより離れた方向まで届くようになるので、病変部位がシース221から少し離れていても擦過できる。また、シース221の細径化を維持しつつも、ユーザは容易に擦過することができる。さらに、細胞診ブラシBが中心軸Pから離れた方向に移動するので、OCTプローブ230と細胞診ブラシBとの間の距離を確保することができ、細胞診ブラシBによる物体光の遮光領域をより少ないものとすることができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば細胞診ブラシユニットは、以下に示すように変形が可能である。
図10は、他の実施形態による、細胞診ブラシユニット1200の内部構造を示した図である。細胞診ブラシユニット1200は、細胞診ブラシユニット200と類似した構造を持ち、細胞を擦過する機能を備える。図10(a)に示すように、細胞診ブラシユニット1200は、ハンドル部1210と、ブラシ挿入管1220と、OCTプローブ230とを有する。ハンドル部1210は、操作部1211と把持部1212とを有する。
把持部1212に形成されている突起部1212aは、細胞診ブラシユニット200の突起部212aと同様の形状及び機能を有する。また、把持部1212には、OCTプローブ230を当該把持部1212の外部からブラシ挿入管1220へ導くためのプローブ用孔1212b、操作部1211を進退方向(図中上下方向)への移動のみ許容するように保持する操作部用ガイド孔1212c、ブラシガイド中空管1240(先端に細胞診ブラシを備えた管状部材)を挿通するためのブラシガイド中空管用孔1212dを備える。
把持部1212の先端部1212eには、ブラシ挿入管1220のシース1221が接続されている。把持部1212のブラシガイド中空管用孔1212dとシース1221内部は連通している。
ブラシガイド中空管1240は、操作部1211に結合されている。ブラシガイド中空管1240の内部には、OCTプローブ230が挿通されている。図10(b)は、図10(a)において矢印Aで示した付近のブラシガイド中空管1240を、その形状の説明のために示した図である。ブラシガイド中空管1240には、その軸方向に沿って延びた開口部1240aが形成されている。OCTプローブ230は、プローブ用孔1212bを通った後、この開口部1240aから、ブラシガイド中空管1240内部に入り込む。
OCTプローブ230は、プローブ用孔1212bにおいて固定されている。例えば、接着剤等を用いて当該孔に固定されている。なお、図10に示す状態(後述するようにこの状態では、細胞診ブラシがシース1221内に収納されている)では、OCTプローブ230は、開口部1240aの先端側端部に位置している。図10に示す状態から、操作部1211を図中下方に押し込むと、ブラシガイド中空管1240とOCTプローブ230との相対位置が変化する。すなわち、ブラシガイド中空管1240が、OCTプローブ230に対して、図10(b)中の矢印方向に移動する。このような構成により、細胞診ブラシユニット1200では、ブラシ挿入管1220において、OCTプローブ230の挿入方向の位置をシース1221に対して固定としつつも、細胞診ブラシを備えるブラシガイド中空管1240のみシース1221に対して進退移動可能となるように構成されている。
図11は、図5と同様の状況を示す図であって、細胞診ブラシユニット1200のブラシ挿入管1220の先端付近を示す図である。図12は、図11の状態において、OCTプローブ230により観察される断層像である。なお、この実施形態においては、OCTシステム500の表示部400内には、細胞診ブラシによる擦過可能範囲を示すデータが保持されている。表示部400は、OCTプローブによる断層像に該擦過可能範囲を重畳して表示することができる。図12では、上記擦過可能範囲を破線Lで示している。ユーザは、破線Lと病変部位S1との位置関係を観察しつつ、ブラシ挿入管1220の位置を調整することができる。図12では、細胞診ブラシによる擦過可能範囲内に、管腔壁Sの病変部位S1が表示されている。すなわち、この状態は、細胞診ブラシが病変部位S1を擦過できる位置にブラシ挿入管1220が位置していることを意味する。なお、破線Lは、表示部400の制御により表示させるものとしたが、メイン装置300の制御により表示部400に表示させるようにしてもよい。
図11に示すように、OCTプローブ230は、シース1221から突出している。ブラシガイド中空管1240は、先端外周面上に細胞診ブラシBを備える。図11に示す状態は、細胞診ブラシB’の毛部がシース1221内部に収まっており、細胞診ブラシB’のこの位置を初期位置とする。
図13は、細胞診ブラシB’が突出位置にある状態を示す図である。図13では、細胞診ブラシB’の毛部が、病変部位S1に接触していることがわかる。この状態の後、細胞診ブラシB’は、ユーザの操作により、再び初期位置(図11)に戻される。すなわち、図11および図13に示す、細胞診ブラシB’の各位置間への移動により、その毛部が病変部位S1を擦過する。
図13に示す、突出位置においては、ブラシガイド中空管1240により、OCTプローブ230が完全に覆われる。すなわち、細胞診ブラシB’により、図12において観察される病変部位S1を擦過するためには、少なくとも、OCTプローブ230の観察断面上に細胞診ブラシB’の毛部を位置させなければならないためである。この実施形態においては、ユーザは、図12において、細胞診ブラシB’が擦過する範囲を予め知ることができるので、病変部位S1を確実に擦過することができる。
細胞診ブラシユニット1200は、細胞診ブラシユニット200と比べて、ブラシ挿入管(1220)の径を小さくすることができる。すなわち、細胞診ブラシを移動させるための部材(ブラシガイド中空管1240)を、OCTプローブ230と同軸に配置したため、それらを異なる軸に配置した細胞診ブラシユニット200と比べてそのブラシ挿入管の径を小さくすることができる。
よって、本発明によれば、内視鏡用処置具として細胞診ブラシユニットのブラシ挿入管は、内視鏡の処置具チャンネルに挿通されるものであるため、内視鏡の挿入部を挿入することができない狭い管腔内であっても入り込ませることができる。また、当該ブラシ挿入管のシース先端から突出したOCTプローブにより、当該管腔内の断層像を取得することができる。この細胞診ブラシユニットを使用するユーザは、OCTプローブの断層像から病変部位の正確な位置を観察しつつ、細胞診ブラシを用いて病変部位の細胞を確実に採取することができる。
したがって、内視鏡により観察することができない体腔内の狭い領域における病変に対して、確実に診断を行うことができる内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステムを提供することができる。
なお、本発明の各実施形態においては、細胞を採取する手段として、細胞診ブラシを用いたが、細胞を採取するための他の器具を用いてもよい。また、OCTプローブは、ラジアルスキャン型のものを用いたが、リニアスキャン型であっても、その断層像に細胞診ブラシを表示させるよう構成すれば、本発明の目的を達成することができる。
100 内視鏡スコープ
101 挿入部
102 処置具挿入口
200,1200 細胞診ブラシユニット
220,1220 ブラシ挿入管
230 OCTプローブ
300 メイン装置
400 表示部
500 OCTシステム
B 細胞診ブラシ
C 処置具チャンネル
S 管腔壁
S1 病変部位
101 挿入部
102 処置具挿入口
200,1200 細胞診ブラシユニット
220,1220 ブラシ挿入管
230 OCTプローブ
300 メイン装置
400 表示部
500 OCTシステム
B 細胞診ブラシ
C 処置具チャンネル
S 管腔壁
S1 病変部位
Claims (11)
- 内視鏡の処置具チャンネルに挿通可能なシースと、
細胞を採取するための採取部を有し、前記シースの基端側から前記シース内に挿通された採取手段と、
先端部近傍において所定領域を観察可能であり、前記シースの基端側から前記シース内に挿通されたOCTプローブと、を備え、
前記OCTプローブの先端部近傍を前記シース先端から突出するよう配置すると共に、前記採取部が前記所定領域内に位置することができるよう構成したことを特徴とする内視鏡用処置具。 - 前記採取手段が、前記シース内を進退移動可能に前記シース内に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
- 前記採取手段の進退移動により、前記採取部が、前記所定領域内に含まれる位置と含まれない位置とに移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用処置具。
- 前記採取手段の進退移動により、前記採取部を、前記シースの内部と外部とに配置可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の内視鏡用処置具。
- 前記シースの基端部は、前記採取手段を進退移動させる駆動手段を備える把持部材に結合されており、
前記把持部材には、前記OCTプローブを前記把持部材外部から前記シース内へ案内する前記OCTプローブ用の孔が形成されており、
前記OCTプローブは、前記孔を経て、前記シース内に導かれていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の内視鏡用処置具。 - 前記採取手段が前記駆動手段により前記シース先端から突出する方向に移動させられたときに、前記採取部の先端が前進すると共に前記シースの中心軸から離れる方向に移動するよう構成されていることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用処置具。
- 前記採取手段は、先端が開口した中空管状部材を有し、
前記採取部は、前記中空管状部材の先端近傍においてその外周面上に設けられており、
前記OCTプローブが、前記中空管状部材の基端部付近から前記中空管状部材の内部を通っていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の内視鏡用処置具。 - 前記採取部が、細胞診ブラシであることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の内視鏡用処置具。
- 前記OCTプローブが、ラジアルスキャン型のOCTプローブであることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の内視鏡用処置具。
- 請求項1から請求項9のいずれかに記載の内視鏡用処置具と、
前記内視鏡用処置具に含まれるOCTプローブを機能させるOCTシステムと、
を備えたシステム。 - 前記OCTシステムが、前記OCTプローブにより観察される体腔内の断層像を表示する表示手段と、前記表示手段に、前記断層像内において前記採取部が現れるであろう位置を表示させるよう制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007036500A JP2008200098A (ja) | 2007-02-16 | 2007-02-16 | 内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007036500A JP2008200098A (ja) | 2007-02-16 | 2007-02-16 | 内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008200098A true JP2008200098A (ja) | 2008-09-04 |
Family
ID=39778197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007036500A Pending JP2008200098A (ja) | 2007-02-16 | 2007-02-16 | 内視鏡用処置具及び当該処置具を用いたシステム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008200098A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2012014919A1 (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-02 | 富士フイルム株式会社 | 光プローブ及び光断層画像化装置 |
WO2023214151A1 (en) | 2022-05-04 | 2023-11-09 | The University Court Of The University Of Edinburgh | Endoscopic device, system and method |
-
2007
- 2007-02-16 JP JP2007036500A patent/JP2008200098A/ja active Pending
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WO2012014919A1 (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-02 | 富士フイルム株式会社 | 光プローブ及び光断層画像化装置 |
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