JP2008198511A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の端部MEAにおいて、カソードからアノードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードにおいて水分解反応を促進させるための技術を提供すること。
【解決手段】電解質膜をアノードとカソードとで挟持して成る膜電極接合体が、セパレータを介在して複数積層される燃料電池であって、膜電極接合体の積層方向において燃料電池の端部に位置する1つ以上の膜電極接合体から成る端部グループと、積層方向において燃料電池の中央部に位置する1つ以上の膜電極接合体から成る中部グループと、に少なくとも区分され、端部グループの膜電極接合体における電解質膜の膜厚平均値は、中部グループの膜電極接合体における電解質膜の膜厚平均値より小さく、端部グループにおいて、全ての膜電極接合体は、電解質膜として炭化水素系電解質膜を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜をカソードおよびアノードで挟持して成る膜電極接合体を積層して構成する燃料電池に関する。
水素と酸素との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、膜電極接合体(以下では、「MEA」(Membrane Electrode Assembly)とも呼ぶ)が、セパレータを介在して、複数積層されて成るスタック構造を有している。MEAは、プロトン伝導性を有する所定の電解質膜の両面に、アノードおよびカソードを接合して成る。電解質膜としては、例えば、フッ素系電解質膜(パーフルオロカーボンスルホン酸など)が用いられる。
上記燃料電池において、MEAの積層方向に対する端部では、燃料電池の運転停止後の放熱量が比較的大きく、すなわち、冷却されやすい。このため、燃料電池の運転停止後、燃料電池の端部では、内部の残存水蒸気が結露しやすく、水が滞留する場合がある。このような状況で、燃料電池が氷点下にさらされると、燃料電池の端部において、燃料ガス供給マニホールドや、MEAに燃料ガスを供給するための燃料ガス流路等で滞留水が凍結してしまう。この状態で、そのまま燃料電池を起動すると、燃料電池の端部に位置するMEA(以下では、端部MEAとも呼ぶ)のアノードにおいて、燃料ガスが供給不足となり、いわゆる、水素欠運転になるおそれがある。
端部MEAにおいて、このような水素欠運転時では、アノードで、下記の式(1)に示すような水分解反応によりプロトンを創出し、発電が進行されることとなる(下記特許文献1参照)。この水分解反応で用いられる水は、電解質膜を介してアノードに透過してくるカソード側の生成水でまかなわれる。この場合、アノード全体で、水分解反応を進行させるためには、カソード側からの生成水を、電解質膜にできるだけ拡散させつつ、透過させる必要がある。
O→1/2O+e+2H・・・(1)
特開2004−158387号公報
そこで、上記端部MEAにおいて、電解質膜を薄膜化することにより、カソード側からの生成水を、電解質膜全体にできるだけ拡散させる方法が考えられる。しかしながら、電解質膜として、上記フッ素系電解質膜を用いた場合には、それを薄膜化するとカソードからアノードへのガス(窒素ガス、酸化ガスなど)のリーク量が増大し、燃料電池の発電効率が低下するおそれがあった。なお、フッ素系電解質膜を用いて、それを薄膜化した場合において、アノードからカソードへのガス(燃料ガスなど)のリーク量も増大し、燃料電池の発電効率が低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、燃料電池の端部MEAにおいて、カソードからアノードへのガスのリーク及びアノードからカソードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードにおいて水分解反応を促進させるための技術を提供することを目的とする。
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の燃料電池は、
電解質膜をアノードとカソードとで挟持して成る膜電極接合体が、セパレータを介在して複数積層される燃料電池であって、
前記膜電極接合体の積層方向において前記燃料電池の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る端部グループと、前記積層方向において前記燃料電池の中央部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る中部グループと、に少なくとも区分され、
前記端部グループの前記膜電極接合体における前記電解質膜の膜厚平均値は、前記中部グループの前記膜電極接合体における前記電解質膜の膜厚平均値より小さく、
前記端部グループにおいて、全ての前記膜電極接合体は、
前記電解質膜として炭化水素系電解質膜を備えることを要旨とする。
上記構成の燃料電池によれば、燃料電池の端部に位置する膜電極接合体において、カソードからアノードへのガスのリーク及びアノードからカソードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードにおいて水分解反応を促進させることが可能である。
上記燃料電池において、
前記端部グループにおいて、前記膜電極接合体の前記電解質膜の前記膜厚平均値は、30μm以下であることが好ましい。
このようにすれば、燃料電池の端部に位置する膜電極接合体において、カソードからアノードへのガスのリーク及びアノードからカソードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードにおいて水分解反応を促進させることが可能である。
上記燃料電池において、
前記端部グループにおいて、各膜電極接合体の膜厚は、均一であることが好ましい。
このようにすれば、端部グループにおいて、電解質膜の膜抵抗のバラツキを抑制することが可能であり、従って、端部グループの膜電極接合体間の抵抗のばらつきを抑制することが可能である。
上記燃料電池において、
前記端部グループは、
前記積層方向において、前記燃料電池のどちらか一方の最端部に位置する前記膜電極接合体を少なくとも含むことが好ましい。
このようにすれば、水素欠運転時において、より効果的に燃料電池の発電性能を向上させることができる。
上記燃料電池において、
前記端部グループは、
前記最端部に位置する前記膜電極接合体から、前記積層方向であって前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体を含むことが好ましい。
このようにすれば、水素欠運転時であっても、最端部に位置する膜電極接合体から燃料電池の内側に向かって連続する膜電極接合体において、カソードからアノードへのガスリーク及びアノードからカソードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードで水分解反応を促進することが可能となる。その結果、水素欠運転時であっても、それら膜電極接合体において、発電を実行することができ、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
上記燃料電池において、
前記端部グループは、
前記積層方向における前記燃料電池の一方の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る第1端部グループと、前記積層方向における前記燃料電池の他方の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体とから成る第2端部グループとを含み、
前記中部グループにおける前記膜電極接合体は、
前記積層方向において、前記第1端部グループと、前記第2端部グループとの間に位置することが好ましい。
このようにすれば、水素欠運転時において、より効果的に燃料電池の発電性能を向上させることができる。
上記燃料電池において、
前記第1端部グループ、および、前記第2端部グループは、
前記積層方向における前記燃料電池の各最端部に位置する前記膜電極接合体をそれぞれ含むことが好ましい。
このようにすれば、水素欠運転時であっても、より効果的に燃料電池の発電性能を向上させることができる。
上記燃料電池において、
前記第1端部グループ、および、前記第2端部グループは、
各最端部に位置する前記膜電極接合体から、それぞれ前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体から成ることが好ましい。
このようにすれば、各最端部に位置する膜電極接合体から燃料電池の内側に向かって連続する膜電極接合体において、それぞれ、カソードからアノードへのガスリーク及びアノードからカソードへのガスのリークを抑制しつつ、アノードで水分解反応を促進することが可能となる。その結果、水素欠運転時であっても、それら膜電極接合体において、発電を実行することができ、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
上記燃料電池において、
前記最端部に位置する前記膜電極接合体から前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体の数は、5つ以下であることが好ましい。
このようにすれば、燃料電池全体の発電効率を向上させることが可能となる。
上記燃料電池において、
前記中部グループの全ての前記膜電極接合体は、
前記電解質膜としてフッ素系電解質膜を備えることが好ましい。
このようにすれば、中部グループの膜電極接合体において、発電性能を向上させることができ、その結果、燃料電池の発電性能を向上させることができる。
なお、本発明は、上記した燃料電池に限られず、膜電極接合体など他の装置発明の態様で実現することも可能である。また、燃料電池の製造方法や膜電極接合体の製造方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。
A.実施例:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例である燃料電池100の概略外観構成を示す斜視図である。この燃料電池100は、固体高分子型燃料電池として形成され、燃料ガスとしての水素と、酸化ガスとしての空気中の酸素が、各電極において電気化学反応を起こすことによって起電力を得るものである。燃料電池100は、発電体ユニット10を複数積層したスタック構造を有している。これら発電体ユニット10の積層数は、燃料電池100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。これらについては後述する。なお、発電体ユニット10を積層する方向を積層方向とも呼ぶ。
本実施例の燃料電池100では、積層される発電体ユニット10は、発電体ユニット10aと、発電体ユニット10bとの2種類に分けられる。積層方向において、燃料電池100の各最端部に位置する発電体ユニットを、以下では、最端ユニットとも呼ぶ。最端ユニットから連続する5つの発電体ユニットは、発電体ユニット10bである。その他の発電体ユニットは、発電体ユニット10aである。すなわち、発電体ユニット10bは、積層方向において、燃料電池100の端部に位置し、発電体ユニット10aは、積層方向において、燃料電池100の中部に位置している。図1に示すように、燃料電池100の中部に位置する発電体ユニット10aの集合体を、中部グループGaと呼び、燃料電池100の両端部において、発電体ユニット10bの集合体を、それぞれ端部グループGb1,Gb2と呼ぶ(図1クロスハッチ参照)。なお、発電体ユニット10a、および、発電体ユニット10bについての詳細な構成は後述する。
図1に示すように、燃料電池100は、一端からカソード側エンドプレート150、絶縁板130、集電板110、発電体ユニット10、集電板120、絶縁板140、アノード側エンドプレート160の順に積層されて構成される。ここで、エンドプレート150、160は、剛性を確保するため、鋼等の金属によって形成されている。また、集電板110、120は、緻密質カーボンや銅板などガス不透過な導電性部材によって形成されている。絶縁板130、140は、ゴムや樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。集電板110、120には、それぞれ出力端子110A、120Aが設けられており、燃料電池100で発電した電力を出力可能となっている。なお、燃料電池100は、図示を省略したが、テンションプレート等により、積層方向に所定の押圧力がかかった状態で締結されて保持されている。
A2.発電体ユニット10aの構成:
図2は、中部グループGaに属する発電体ユニット10aの概略構成を表わす断面模式図である。この発電体ユニット10aは、図2に示すように、MEA24aと、MEA24aの外側に形成される第1ガス拡散層31,32と、第1ガス拡散層31,32の外側に形成される第2ガス拡散層33,34と、第2ガス拡散層33,34の外側に形成されるセパレータ35,36と、を備えている。MEA24bは、電解質膜21aと、電解質膜21aの両面に形成される触媒電極層(カソード22およびアノード23)とから成る。
電解質膜21aは、固体高分子材料であるフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。このフッ素系樹脂としては、例えば、パーフルオロスルホン酸(ナフィオン(登録商標)など)などが好ましい。電解質膜21aの膜厚は、それぞれほぼ均一であり約50μmである。従って、中部グループGaにおける各発電体ユニット10aの電解質膜21aの膜厚平均値は、約50μmである。なお、この電解質膜21aの膜厚は、燃料電池100の具体的な設計等によって決定されるが、窒素などのガスがリークしにくい範囲である30〜120μmの範囲であることが好ましく、さらに、40〜110μmの範囲であることが好ましく、特に、50〜100μmの範囲であることが好ましい。
第1触媒電極層22、および、第2触媒電極層23は、触媒金属である白金(Pt)を担持したカーボン(以下では、白金担持カーボンとも呼ぶ)と、電解質とから構成される。
第1ガス拡散層31,32は、導電性を有するカーボン製の多孔質部材であり、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパによって形成される。また、第2ガス拡散層33,34は、導電性を有し、第1ガス拡散層31,32よりも比較的大きな細孔からなる多孔質部材であり、例えば、カーボンペーパ等のカーボン多孔質体や、金属メッシュや発泡金属などの金属多孔質体によって形成することができる。
セパレータ35,36は、ガス不透過の導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、プレス成形した金属板によって形成することができる。セパレータ35,36の表面には、発電体ユニット10aに供給された燃料ガスあるいは酸化ガスの流路を形成するための凹凸形状が形成されている。すなわち、カソード22側において、第2ガス拡散層33とセパレータ35との間には、カソード22で電気化学反応に供される酸化ガスが通過するユニット内酸化ガス流路37が形成されている。また、アノード23側の第2ガス拡散層34とセパレータ36との間には、アノード23で電気化学反応に供される燃料ガスが通過するユニット内燃料ガス流路38が形成されている。なお、図2のセパレータ35,36は、平行な複数の溝からなる凹凸形状を有しているが、異なる形状としても良く、セパレータ35,36とMEA24aとの間に、ガスの流路を形成するための空間を形成可能であればよい。
燃料電池100の外周部には、ユニット内酸化ガス流路37およびユニット内燃料ガス流路38におけるガスシール性を確保するためのシール部材(図示しない)が配設されている。また、本実施例の燃料電池100は、発電体ユニット10aまたは発電体ユニット10bを複数積層したスタック構造を有しているが、このスタック構造の外周部には、発電体ユニットの積層方向と平行であって燃料ガスあるいは酸化ガスが流通する複数のガスマニホールドが設けられている(図示せず)。これら複数のガスマニホールドのうちの酸化ガス供給マニホールドを流れる酸化ガスは、各発電体ユニット10(発電体ユニット10aまたは発電体ユニット10b)に分配され、第2ガス拡散層33、第1ガス拡散層31を拡散しMEA24a(または後述のMEA24b)にて電気化学反応に供されつつ、各ユニット内酸化ガス流路37内を通過し、その後、酸化ガス排出マニホールドに集合する。同様に、燃料ガス供給マニホールドを流れる燃料ガスは、各発電体ユニット10に分配され、第2ガス拡散層34、第1ガス拡散層32を拡散しMEA24a(または後述のMEA24b)にて電気化学反応に供されつつ、各ユニット内燃料ガス流路38内を通過し、その後、燃料ガス排出マニホールドに集合する。なお、燃料電池に供給される酸化ガスとしては、例えば空気を用いることができる。また、燃料電池に供給される燃料ガスとしては、炭化水素系燃料を改質して得られる水素リッチガスを用いても良いし、純度の高い水素ガスを用いても良い。なお、以下では、中部グループGaに属するMEA24aを中部MEA24aとも呼ぶ。
A3.発電体ユニット10bの構成:
図3は、端部グループGb1または端部グループGb2に属する発電体ユニット10bの概略構成を表わす断面模式図である。この発電体ユニット10bは、図3に示すように、MEA24bと、MEA24bの外側に形成される第1ガス拡散層31,32と、第1ガス拡散層31,32の外側に形成される第2ガス拡散層33,34と、第2ガス拡散層33,34の外側に形成されるセパレータ35,36と、を備えている。発電体ユニット10bは、発電体ユニット10a(図2参照)と基本的に同様の構造となっており、その部分については、同様の符号を用い、説明は省略する。
発電体ユニット10bは、MEA24bにおいて、発電体ユニット10aの電解質膜21aとは異なる電解質膜21bを備えている。
電解質膜21bは、固体高分子材料である炭化水素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜である。この炭化水素系樹脂としては、例えば、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)樹脂や、PES(ポリエーテルスルホン)樹脂などを用いることが好ましい。電解質膜21bの膜厚は、電解質膜21aよりも薄く、また、ほぼ均一であり約20μmである。従って、端部グループGb1および端部グループGb2において、各発電体ユニット10bの電解質膜21bの膜厚平均値は、約20μmである。なお、電解質膜21bの膜厚は、燃料電池100の具体的な設計等によって決定されるが、15〜45μmの範囲であることが好ましく、特に、15〜30μmの範囲であることが好ましい。以下では、端部グループGb1および端部グループGb2に属するMEA24bを端部MEA24bとも呼ぶ。
ところで、フッ素系樹脂は、一般的に、炭化水素系樹脂と比べて、窒素などのガスを通しやすい。従って、燃料電池100の両端部に配置される端部MEA24bにおいて、電解質膜21bを、膜厚約20μmのフッ素系樹脂で構成することとすると、カソード22からアノード23へのガス(窒素ガス、水素ガス、酸素ガス等)のリークが増大して、その端部MEA24bを備える発電体ユニット10bの発電効率が低下するおそれがある。そして、その結果、燃料電池100の発電効率が低下するおそれがある。
一方、本実施例の燃料電池100では、各端部MEA24bにおいて、炭化水素系樹脂から成る電解質膜21bを用いている。このようにすれば、各端部MEA24bにおいて、電解質膜21bの膜厚を、電解質膜21aより薄い20μmとしても、カソード22からアノード23へガスがリークすることを抑制することができ、燃料電池100の発電効率の低下を抑制することができる。
また、燃料電池100の積層方向に対して端部に位置する発電体ユニット10では、他の発電体ユニット10と比較して、燃料電池100の運転停止後の放熱量が最も大きく、冷却されやすい。そして、この状態で、燃料電池100を氷点下で起動すると、水素欠運転に陥る蓋然性が高い。
一方、本実施例の燃料電池100では、各端部MEA24bにおいて、電解質膜21bの膜厚は、それぞれ、各中部MEA24aの電解質膜21aの膜厚(約50μm)より薄い約20μmとしている。このようにすれば、各端部MEA24bにおいて、水素欠運転に陥ったとしても、カソード22で生成された生成水を、電解質膜21bに拡散させつつアノード23へ透過させることができ、その結果、アノード23において水分解反応を促進することができる。その結果、燃料電池100を氷点下で起動した場合であっても、燃料電池100の発電効率の低下を抑制することができる。
さらに、本実施例の燃料電池100によれば、中部グループGaの中部MEA24aでは、電解質膜21bより厚い電解質膜21aを用いている。このようにすれば、中部MEA24aにおいて、カソード22からアノード23へガスがリーク及びアノード23からカソード22へのガスのリークすることを抑制することができ、その結果、燃料電池100の発電効率の低下を抑制することができる。また、中部MEA24aの耐久性を向上させることができ、その結果、燃料電池100の耐久性を向上させることができる。また、中部MEA24aでは、フッ素系樹脂の電解質膜21aを用いている。このようにすれば、中部MEA24aにおいて、発電性能を向上させることができ、その結果、燃料電池100の発電性能を向上させることができる。
本実施例の燃料電池100では、端部グループGb1および端部グループGb2に、最端ユニットを含んでおり、すなわち、最端部ユニットの電解質膜を電解質膜21bで構成するようにしている。このようにすれば、燃料電池100の発電性能をより向上させることができる。
本実施例の燃料電池100によれば、端部グループGb1,Gb2において、各発電体ユニット10aの電解質膜21bは、膜厚がほぼ均一なものを用いている。このようにすれば、各発電体ユニット10aにおいて、電解質膜21bの膜抵抗のばらつきを抑制することが可能であり、従って、各発電体ユニット10a間の抵抗のばらつきを抑制することが可能である。
なお、端部グループGb1または端部グループGb2は、それぞれ請求項における第1端部グループまたは第2端部グループ、若しくは、端部グループに該当し、中部グループGaは、請求項における中部グループに該当し、電解質膜21bは、請求項における炭化水素系電解質膜に該当し、電解質膜21aは、請求項におけるフッ素系電解質膜に該当する。
A4.実験結果:
図4は、炭化水素系電解質膜である電解質膜21bを用いた発電体ユニットの実験結果を表わす図である。詳しくは、上述のように、電解質膜21bを用いた発電体ユニットにおいて、電解質膜21bの膜厚を45μm、30μm、および、15μmとした実験結果を示す。なお、この場合、発電体ユニットにおいて、電解質膜21bの膜厚のみを変更しており、その他の部位に関しては同様である。また、図4に示す実験結果は、一つの発電体ユニットに対する結果である。
実験に伴う発電の際には、水素欠運転を想定して、アノード側のガスとして、燃料ガスの代わりに窒素ガス(N)を用い、カソード側のガスとして、空気(酸化ガス)を用いた。このとき、発電体ユニットの温度は、実際に水素欠運転が実行されると考えられる温度として−30(℃)に設定し、窒素ガスおよび酸化ガスは、それぞれ、乾燥状態として実験を行なった。また、発電の負荷は、0.1(A/cm2)とした。そして、電解質膜21bの膜厚を代えた各発電体ユニットの各MEA間の電圧(V)を、一定間隔(s)ごとに測定した。
図4に示すように、電解質膜21bの膜厚が45μmとした発電体ユニットでは、ほとんど起電力が生じていない。これは、カソード22側で生成された生成水を、電解質膜21bに拡散させつつアノード23へ透過させることがあまりできず、その結果、アノード23において水分解反応を促進することができなかったためと考えられる。一方、図4に示すように、電解質膜21bの膜厚が30μmとした発電体ユニットでは、500秒程度、膜厚が15μmとした発電体ユニットでは、3000秒以上の間高い起電力が生じていることがわかる。これは、これは、カソード22側で生成された生成水を、電解質膜21bに拡散させつつアノード23へ透過させることができ、その結果、アノード23において水分解反応を促進することができたためと考えられる。
B.変形例:
なお、本発明では、上記した実施の形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
B1.変形例1:
上記実施例の燃料電池100では、中部グループGaの発電体ユニット10aは、フッ素系樹脂の電解質膜21aを備えるようにしているが、本発明は、これに限られるものではない。中部グループGaの発電体ユニット10aは、電解質膜21aとして炭化水素系電解質膜を備えるようにしてもよい。しかし、この場合、電解質膜21aの膜厚は、発電体ユニット10bの電解質膜21bの膜厚よりも厚く形成する。このようにすれば、この中部MEA24aにおいて、カソード22からアノード23へガスがリークすることを抑制することができると共に、この電解質膜21aの耐久性を向上させることができる。
B2.変形例2:
上記実施例の燃料電池100では、端部グループGb1および端部グループGb2は、それぞれ5つの発電体ユニット10bから形成されているが、本発明は、これに限られるものではなく、それぞれ、1〜4つ、または、6以上の発電体ユニット10bから形成されていてもよい。これは、例えば、燃料電池100の具体的な設計によって決定するようにすればよい。このようにしても、上記実施例と同様の効果を奏することは可能である。
また、端部グループGb1または端部グループGb2は、積層方向において、最端部ユニットを含んでいるが、本発明は、これに限られるものではなく、端部グループGb1、端部グループGb2のどちらか一方、または、両方が、必ずしも、最端部ユニットを含まなくてもよい。
B3.変形例3:
上記実施例の燃料電池100では、各発電体ユニット10aにおいて、端部MEA24bの電解質膜21bの膜厚は、ほぼ均一としているが、本発明は、これに限られるものではない。上記燃料電池100は、端部グループGb1,Gb2において、各端部MEA24bの電解質膜21bの膜厚平均値が、中部グループGaにおける各中部MEA24aの電解質膜21aの膜厚平均値より小さければよく、各端部MEA24bの電解質膜21bの膜厚は、均等であることに限定されない。この場合、端部グループGb1,Gb2において、水素欠運転時に、大部分の各端部MEA24bで、カソード22で生成された生成水を、電解質膜21bに拡散させつつアノード23へ透過させることができ、その結果、アノード23において水分解反応を促進することができる。
なお、各端部MEA24bの電解質膜21bの膜厚を均等としない場合において、各端部MEA24bのうちの電解質膜21bの膜厚の最大値が、各中部MEA24aのうちの電解質膜21aの膜厚の最小値を上まわらないことがより好ましい。
本発明の一実施例である燃料電池100の概略外観構成を示す斜視図である。 中部グループGaに属する発電体ユニット10aの概略構成を表わす断面模式図である。 端部グループGb1または端部グループGb2に属する発電体ユニット10bの概略構成を表わす断面模式図である。 炭化水素系電解質膜である電解質膜21bを用いた発電体ユニットの実験結果を表わす図である。
符号の説明
10,10a,10b...発電体ユニット
21a,21b...電解質膜
22...カソード
23...アノード
24a,24b...MEA
37...ユニット内酸化ガス流路
38...ユニット内燃料ガス流路
100...燃料電池
Ga...中部グループ
Gb1,Gb2...端部グループ

Claims (10)

  1. 電解質膜をアノードとカソードとで挟持して成る膜電極接合体が、セパレータを介在して複数積層される燃料電池であって、
    前記膜電極接合体の積層方向において前記燃料電池の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る端部グループと、前記積層方向において前記燃料電池の中央部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る中部グループと、に少なくとも区分され、
    前記端部グループの前記膜電極接合体における前記電解質膜の膜厚平均値は、前記中部グループの前記膜電極接合体における前記電解質膜の膜厚平均値より小さく、
    前記端部グループにおいて、全ての前記膜電極接合体は、
    前記電解質膜として炭化水素系電解質膜を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記端部グループにおいて、前記膜電極接合体の前記電解質膜の前記膜厚平均値は、30μm以下であることを特徴とする燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池において、
    前記端部グループにおいて、各膜電極接合体の膜厚は、均一であることを特徴とする燃料電池。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記端部グループは、
    前記積層方向において、前記燃料電池のどちらか一方の最端部に位置する前記膜電極接合体を少なくとも含むことを特徴とする燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池において、
    前記端部グループは、
    前記最端部に位置する前記膜電極接合体から、前記積層方向であって前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体を含むことを特徴とする燃料電池。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記端部グループは、
    前記積層方向における前記燃料電池の一方の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体から成る第1端部グループと、前記積層方向における前記燃料電池の他方の端部に位置する1つ以上の前記膜電極接合体とから成る第2端部グループとを含み、
    前記中部グループにおける前記膜電極接合体は、
    前記積層方向において、前記第1端部グループと、前記第2端部グループとの間に位置することを特徴とする燃料電池。
  7. 請求項6に記載の燃料電池において、
    前記第1端部グループ、および、前記第2端部グループは、
    前記積層方向における前記燃料電池の各最端部に位置する前記膜電極接合体をそれぞれ含むことを特徴とする燃料電池。
  8. 請求項7に記載の燃料電池において、
    前記第1端部グループ、および、前記第2端部グループは、
    各最端部に位置する前記膜電極接合体から、それぞれ前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体から成ることを特徴とする燃料電池。
  9. 請求項5または請求項8に記載の燃料電池において、
    前記最端部に位置する前記膜電極接合体から前記燃料電池の内側に向かって連続する複数の前記膜電極接合体の数は、5つ以下であることを特徴とする燃料電池。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記中部グループの全ての前記膜電極接合体は、
    前記電解質膜としてフッ素系電解質膜を備えることを特徴とする燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016219337A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 本田技研工業株式会社 燃料電池スタック

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