JP2008198490A - 全固体リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制でき、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、上記負極層および上記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、上記金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、上記負極層および上記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、上記金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制できる、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラ及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として優れた二次電池、例えば、リチウム二次電池の開発が重要視されている。また、上記情報関連機器や通信関連機器以外の分野としては、例えば自動車産業界においても、低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量のリチウム二次電池の開発が進められている。
しかし、現在市販されているリチウム二次電池は、可燃性の有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。
これに対し、液体電解質を固体電解質に変えて、電池を全固体化した全固体リチウム二次電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。
上記の全固体リチウム二次電池では、例えば、正極/固体電解質/負極の3層構成のペレットを粉末成型法により構成し、従来のコイン型電池ケースあるいはボタン型電池ケースに挿入し、その周囲を封口して作製される。このような全固体リチウム二次電池は、正極、負極、および電解質よりなる電池構成群が全て堅い固体であるため、有機電解液を用いたリチウム二次電池と比較して、電気化学抵抗が大きくなり、出力電流が小さなものとなる傾向にある。
したがって、電池のエネルギー密度を高くすることが望ましく、正極層と負極層とによって挟持された固体電解質層をできるだけ薄くする方が望ましい。電池の中で、蓄電に寄与しているのは、正極、負極であるため、固体電解質層等の非蓄電部の体積を小さくすることによって、相対的に電池全体の体積エネルギー密度を大きくすることができるからである。
上述したように、電池を高エネルギー密度化するためには、固体電解質層を薄くするほうが望ましい。しかしながら、例えば、特許文献1のように、従来用いられる通常の金属箔を負極層2として用いる場合、図5に示すように成形冶具7および8を用いて、図5中の矢印方向の所定の圧力によってプレス成形すると、負極層2としての金属箔が変形し、固体電解質層方向に変形した金属箔5が固体電解質層1を突き破って正極3・負極2が短絡(内部短絡)しやすくなる。このような短絡が起こると、正負極を絶縁するという固体電解質層の機能が損なわれてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制できる、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる全固体リチウム二次電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明においては、負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、上記負極層および上記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、上記金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記工程を経ることにより、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制することができるため、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができるという利点を有する。
また、上記発明においては、上記固体電解質層の膜厚が500μm以下であることが好ましい。内部短絡の発生しやすいこのような場合に、本発明はその優れた効果を特に発揮することができる。また、上記のような膜厚であれば、所望の高エネルギー密度を得ることができるからである。
本発明においては、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制することができる、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができるという効果を奏する。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、上記負極層および上記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、上記金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とするものである。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、上記負極層および上記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、上記金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、金属箔に予め高い圧力を加えているので、プレス成形時の圧力では塑性変形は抑制される。したがって、固体電解質層を薄くした場合にも、内部短絡による不良を抑制することができるため、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができるという利点を有する。
以下、本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法について、詳細に説明する。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、少なくとも上記の予め圧力を付与された金属箔と、固体電解質層とを金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって一体化させるプレス成形工程(後述する負極一体化プレス工程)を有するものであれば、特に限定されるものではなく、他の工程を有していても良い。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法は、少なくとも上記の予め圧力を付与された金属箔と、固体電解質層とを金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって一体化させるプレス成形工程(後述する負極一体化プレス工程)を有するものであれば、特に限定されるものではなく、他の工程を有していても良い。
本発明の全固体リチウム二次電池の製造方法を、図を用いて説明する。図1は本発明における全固体リチウム二次電池の製造方法の流れ(作製フロー図)の一例を示した模式図である。また、図2は本発明の全固体リチウム二次電池のペレット4を作成するための成形冶具7、8の一例を示した概略断面図である。なお、上記成形冶具7は集電体、8は絶縁体としての機能を有していても良い。
本発明においては、図1の作製フロー図にしたがって、図2で示される成形冶具7、8を用いることにより、固体電解質層1、正極層3、負極層6からなる全固体リチウム二次電池のペレット4が得られる。図1に示されるように、本発明における作製フロー図において、まず、固体電解質プレス工程で、固体電解質材料を図2で示される成形冶具7、8中に挿入し、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形して固体電解質ペレット(固体電解質層)1を得る。次に正極一体化プレス工程で、上記固体電解質プレス工程で得られた固体電解質ペレット上に正極用合剤等を設置後、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形して固体電解質層上に正極層3を作製、一体化させる。次に負極一体化プレス工程で、上記正極一体化プレス工程で得られた固体電解質層1上に正極層3を一体化させたペレットの正極層3と反対側の固体電解質層1上に、図2の成形冶具の上下を逆にするなどして、予め圧力を付与された金属箔を挿入して、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形することにより負極層6を作製、一体化させる。これらの工程を行うことにより図3に示されるように、内部短絡のない全固体リチウム二次電池ペレット4を得ることができる。さらに、図4に示すように、上記負極一体化プレス工程で得られた全固体リチウム二次電池ペレット4を例えばコイン型の電池ケース内10に設置し、樹脂パッキン11で密閉等することにより、内部短絡を抑制した高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる。
本発明においては、負極一体化プレス工程を有すれば特に限定されるものでは無く、上述したような固体電解質プレス工程を行った後、正極一体化プレス工程を行い、その後、負極一体化プレス工程を行う第1態様の他、固体電解質プレス工程を行った後、負極一体化プレス工程を行い、その後、正極一体化プレス工程を行う第2態様であっても良い。以下、本発明に必須の工程である負極一体化プレス工程と、その他の工程について詳細に説明する。
本発明においては、図1の作製フロー図にしたがって、図2で示される成形冶具7、8を用いることにより、固体電解質層1、正極層3、負極層6からなる全固体リチウム二次電池のペレット4が得られる。図1に示されるように、本発明における作製フロー図において、まず、固体電解質プレス工程で、固体電解質材料を図2で示される成形冶具7、8中に挿入し、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形して固体電解質ペレット(固体電解質層)1を得る。次に正極一体化プレス工程で、上記固体電解質プレス工程で得られた固体電解質ペレット上に正極用合剤等を設置後、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形して固体電解質層上に正極層3を作製、一体化させる。次に負極一体化プレス工程で、上記正極一体化プレス工程で得られた固体電解質層1上に正極層3を一体化させたペレットの正極層3と反対側の固体電解質層1上に、図2の成形冶具の上下を逆にするなどして、予め圧力を付与された金属箔を挿入して、図2中、矢印方向の所定の圧力で成形することにより負極層6を作製、一体化させる。これらの工程を行うことにより図3に示されるように、内部短絡のない全固体リチウム二次電池ペレット4を得ることができる。さらに、図4に示すように、上記負極一体化プレス工程で得られた全固体リチウム二次電池ペレット4を例えばコイン型の電池ケース内10に設置し、樹脂パッキン11で密閉等することにより、内部短絡を抑制した高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる。
本発明においては、負極一体化プレス工程を有すれば特に限定されるものでは無く、上述したような固体電解質プレス工程を行った後、正極一体化プレス工程を行い、その後、負極一体化プレス工程を行う第1態様の他、固体電解質プレス工程を行った後、負極一体化プレス工程を行い、その後、正極一体化プレス工程を行う第2態様であっても良い。以下、本発明に必須の工程である負極一体化プレス工程と、その他の工程について詳細に説明する。
1.負極一体化プレス工程
本発明における負極一体化プレス工程について説明する。本発明における負極一体化プレス工程は、図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図において、上記の予め圧力を付与された金属箔と、上記固体電解質層とを一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形して負極層を作製、一体化させ、全固体二次電池ペレットを得る工程である。
本発明における負極一体化プレス工程について説明する。本発明における負極一体化プレス工程は、図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図において、上記の予め圧力を付与された金属箔と、上記固体電解質層とを一体化させる際のプレス成形を、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によって、プレス成形して負極層を作製、一体化させ、全固体二次電池ペレットを得る工程である。
本発明における負極一体化プレス工程は、上記の予め圧力を付与された金属箔を負極層として用いることに特徴を有するものである。本発明においては、上記金属箔と、固体電解質層とを、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によってプレス成形し、一体化させる。上記金属箔には予め充分高い圧力を加えているので、プレス成形時の圧力では塑性変形しにくい。したがって、固体電解質層を薄くした場合にも、短絡が起こらないので、内部短絡による不良を抑制することができる。このため、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる。これは以下の理由によるものと推定することができる。
一般的に、金属内には転位が存在している。転位とは、点欠陥に対して、格子配列中に形成された線状の乱れのことを言う。圧力を金属箔等、金属に付与していくと、金属内の転位の移動がおこり、主にこの転位の移動によって塑性変形が起こる。通常、上記の塑性変形が過剰に進行していくと加工に必要な応力は増加し、材料が硬化していく。本発明においては、上記の予め付与される圧力によって金属箔を変形させるので、変形が進行していくにつれて次第に転位する方向がなくなっていき、加工に必要な応力が増加する。
すなわち、本発明に用いられる上記金属箔は、上記の負極一体化プレス工程の前に、圧延圧力等によって予め金属箔に充分な圧力を付与するために、圧力を付与した後に得られた金属箔は変形しにくい状態となっている。さらに、本発明においては、上記の変形しにくい状態の予め圧力を付与された金属箔と、固体電解質層とを、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも充分低い圧力によってプレス成形し、一体化させるので、上記プレス成形時の圧力での転位の移動は起こりにくく、金属箔の塑性変形は抑制される。このため、内部短絡が起こらず、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる。
すなわち、本発明に用いられる上記金属箔は、上記の負極一体化プレス工程の前に、圧延圧力等によって予め金属箔に充分な圧力を付与するために、圧力を付与した後に得られた金属箔は変形しにくい状態となっている。さらに、本発明においては、上記の変形しにくい状態の予め圧力を付与された金属箔と、固体電解質層とを、上記の金属箔に予め付与された圧力よりも充分低い圧力によってプレス成形し、一体化させるので、上記プレス成形時の圧力での転位の移動は起こりにくく、金属箔の塑性変形は抑制される。このため、内部短絡が起こらず、高エネルギー密度でかつ信頼性の高い全固体リチウム二次電池を得ることができる。
本発明における上記の金属箔に予め付与される圧力としては、上記の予め圧力を付与された金属箔を、上記固体電解質層と一体化させる際の上記プレス成形時の加圧圧力よりも大きいものであれば良く、金属箔の種類等によっても変化するものであるが、通常、上記プレス成形時の加圧圧力を1とした場合、上記プレス成形時の加圧圧力と、金属箔に予め付与する圧力との比が、例えば(プレス成形時の加圧圧力:金属箔に予め付与する圧力)=1:1.5〜20の範囲内、中でも(プレス成形時の加圧圧力:金属箔に予め付与する圧力)=1:1.5〜10の範囲内、特に(プレス成形時の加圧圧力:金属箔に予め付与する圧力)=1:1.5〜5の範囲内であることが好ましい。(プレス成形時の加圧圧力:金属箔に予め付与する圧力)が上記範囲内であれば、プレス成形時の金属箔の塑性変形を充分に抑制することができる。このため、より確実に内部短絡の発生を抑制することができるからである。
本発明において、金属箔に予め圧力を付与する方法としては、上述したように、充分に高い圧力をかけることができ、上記固体電解質層と一体化させる際の上記プレス成形時に塑性変形しにくく、内部短絡の起こらない金属箔が得られる方法であれば、特に限定されるものではない。具体的には、圧延や、一軸圧縮プレス等によって面圧を付与する方法等が挙げられる。
本発明に用いられる負極層には、上述したような予め圧力を付与された金属箔を用いる。上記の金属箔としては、上記固体電解質層を通って、正極と負極間を移動するイオンを充電時に取り込み、放電時に放出することができるものであれば特に限定されるものではなく、単体であっても良く、合金であっても良い。具体的には、Li、In、Sn、Al等、およびこれらの合金等が挙げられる。中でも、Liイオンを充電時に取り込み、放電時に放出することができるものが良く、さらに、変形しやすくやわらかいものが良い。このような観点からLi、Inが好ましい。LiやInは延性が大きく、比較的柔らかい金属であるため、このような金属を金属箔として負極層に用いると、プレス成形時に短絡がおこりやすい。本発明は、このような、延性が大きく、比較的柔らかい金属を金属箔に用いた場合に、上述したようなプレス成形時よりも高い圧力を予め金属箔に付与することによって、その後のプレス成形時の短絡を防止できるという優れた効果を、特に顕著に発揮できるからである。
また、上記負極層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる負極層の厚さと同様の厚さのものを用いることができる。
本発明における負極一体化プレス工程を行う場合には、上記の予め圧力を付与された後の金属箔は焼きなまし(焼鈍)を行わずに、予め圧力を付与されたままの結晶状態で固体電解質層と一体化させるプレス成形を行うことが好ましい。焼きなましとは、加工硬化による内部ひずみを取り除き、組織を軟化させ、展延性を向上させる熱処理である。すなわち、金属箔に予め圧力を付与した後、焼きなますと、転位が元の状態に戻ってしまうため、再び塑性変形が起こりやすい状態となる。このため、固体電解質層と一体化させるプレス成形時の金属箔の塑性変形を抑制することができなくなり、内部短絡を起こすおそれがあるからである。
2.その他の工程
(1)固体電解質プレス工程
本発明における負極一体化プレス工程の前には、上記の作製フロー図に示したように、通常、固体電解質プレス工程を行う。このような固体電解質プレス工程について、以下に説明する。
上記固体電解質プレス工程とは、図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図において、固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層(固体電解質ペレット)を得る工程である。上記固体電解質ペレットを得る方法としては、具体的には図2で示す成形冶具中に所定の量の固体電解質材料を挿入し、所定の圧力によって一軸圧縮成形することによりペレット状にする方法等が挙げられる。
(1)固体電解質プレス工程
本発明における負極一体化プレス工程の前には、上記の作製フロー図に示したように、通常、固体電解質プレス工程を行う。このような固体電解質プレス工程について、以下に説明する。
上記固体電解質プレス工程とは、図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図において、固体電解質材料をプレス成形して固体電解質層(固体電解質ペレット)を得る工程である。上記固体電解質ペレットを得る方法としては、具体的には図2で示す成形冶具中に所定の量の固体電解質材料を挿入し、所定の圧力によって一軸圧縮成形することによりペレット状にする方法等が挙げられる。
上記固体電解質層の膜厚としては、全固体リチウム二次電池の電流密度を上げるために、出来るだけ薄くする方が好ましく、具体的には、500μm以下、中でも、0.1〜300μmの範囲内、特に、1〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記範囲内の膜厚とすると、従来の圧力をかけていない金属箔を用いた場合に、短絡する割合が増加する。したがって、このような場合に、本発明はその優れた効果を特に発揮することができる。また、上記のような膜厚であれば、電池の中で蓄電に寄与していない非蓄電部である電解質層の体積が充分小さくなり、所望の高エネルギー密度を得ることができるからである。
また、上記固体電解質材料としては、固体電解質としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、Liイオンが移動しやすいものが良く、具体的にはLiGe0.25P0.75S4、70Li2S−30P2S5、80Li2S−20P2S5、Li2S−SiS2等を挙げることができ、特にLiGe0.25P0.75S4、70Li2S−30P2S5はイオン伝導度が高いので好ましい。
本工程の固体電解質プレス成形時のプレス圧力は、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質ペレットを作製する際のプレス圧力によってプレス成形することができる。
本発明に用いられる上記固体電解質材料の製造方法としては、所望の固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、Liを含んだ原料等を遊星ボールミルにてガラス化させ、その後熱処理することで得る方法等を挙げることができる。
(2)正極一体化プレス工程
上記正極一体化プレス工程は、上記固体電解質ペレット上に正極層を作製、一体化させる工程である。本工程は、上述した第1態様の場合には、上記作製フロー図(図1)に示したように、本発明における上記負極一体化プレス工程の前、上記固体電解質プレス工程の後に、行うことができる。また、本工程は、上述した第2態様の場合には、上記固体電解質プレス工程、上記負極一体化プレス工程の後に、行うことができる。このような正極一体化プレス工程について、以下に説明する。
上記正極一体化プレス工程は、上記固体電解質ペレット上に正極層を作製、一体化させる工程である。本工程は、上述した第1態様の場合には、上記作製フロー図(図1)に示したように、本発明における上記負極一体化プレス工程の前、上記固体電解質プレス工程の後に、行うことができる。また、本工程は、上述した第2態様の場合には、上記固体電解質プレス工程、上記負極一体化プレス工程の後に、行うことができる。このような正極一体化プレス工程について、以下に説明する。
本工程のプレス成形時のプレス圧力は、上記の第1態様の場合には、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる正極層を作製、一体化させる際のプレス圧力によってプレス成形することができる。
一方、上記の第2態様の場合には、負極一体化プレス工程後に正極一体化プレス工程を行う。したがって、この場合の本工程の正極一体化プレス工程時のプレス圧力は、上記金属箔に予め付与される圧力よりも小さい圧力によってプレス成形が行われることが好ましい。上記正極一体化プレス工程時のプレス圧力が、上記金属箔に予め付与される圧力よりも大きい圧力によってプレス成形してしまうと、予め圧力を付与された金属箔が塑性変形してしまい、内部短絡が発生するおそれがあるからである。
一方、上記の第2態様の場合には、負極一体化プレス工程後に正極一体化プレス工程を行う。したがって、この場合の本工程の正極一体化プレス工程時のプレス圧力は、上記金属箔に予め付与される圧力よりも小さい圧力によってプレス成形が行われることが好ましい。上記正極一体化プレス工程時のプレス圧力が、上記金属箔に予め付与される圧力よりも大きい圧力によってプレス成形してしまうと、予め圧力を付与された金属箔が塑性変形してしまい、内部短絡が発生するおそれがあるからである。
上記正極層に用いられる正極材料としては、正極としての機能を有するものであれば特に限定されるものではないが、充電時にLiイオンを放出し、放電時にLiイオンを取り込む性質を有し、Li元素を含有するものが好ましく、一般的な全固体リチウム二次電池に用いられるものと同様のものを用いることができる。例えば、正極活物質LiCoO2と固体電解質LiGe0.25P0.75S4とを所定の比率で混合して正極用合剤としたもの等を挙げることができる。また、導電性を向上させるために、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等の導電助剤を含有していても良い。
本発明に用いられる正極層の膜厚としては、特に限定されるものではなく、通常の全固体リチウム二次電池に用いられる正極層の厚さと同様の厚さのものを用いることができる。
なお、第一態様においては、正極一体化プレス工程は上記固体電解質プレス工程と同時に行っても良い。具体的には、図2で示す成形冶具中に所定の量の固体電解質材料および正極用合剤を挿入し、所定の圧力によって一軸圧縮成形することによりペレット状にする方法等が挙げられる。
(3)その他の工程
上述したように、固体電解質プレス工程から負極一体化プレス工程を行うことによって、全固体リチウム二次電池ペレットを得ることができる。上記図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図に示すように、負極一体化プレス工程によって全固体リチウム二次電池ペレットが得られた後、得られたペレットを電池ケース内に設置する等して電池セルを作製する工程を行うことによって、全固体リチウム二次電池を得ることができる。
上記全固体リチウム二次電池に用いられる上記全固体リチウム二次電池ペレット以外の構成、すなわちスペーサー、樹脂パッキン、電池ケース、また、集電板等に関しては、特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム二次電池と同様のものを用いることができる。具体的には、スペーサーとしては、電池ケースと同一の材質が好ましく、ステンレス、アルミニウム製のもの等が挙げられる。また、樹脂パッキンとしては、吸水率の低い樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂等が挙げられる。また、電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、集電板は、反応により生じた電子を伝達する機能を有するものである。上記集電板としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Al、Ni、Ti等の金属箔、あるいはカーボンペーパ等を挙げることができる。また、本発明に用いられる集電板は、電池ケースの機能を兼ね備えたものであっても良い。具体的には、SUS(ステンレス鋼)製の電池ケースを用意し、その一部を集電部として用いる場合等を挙げることができる。
上述したように、固体電解質プレス工程から負極一体化プレス工程を行うことによって、全固体リチウム二次電池ペレットを得ることができる。上記図1で示す全固体リチウム二次電池の作製フロー図に示すように、負極一体化プレス工程によって全固体リチウム二次電池ペレットが得られた後、得られたペレットを電池ケース内に設置する等して電池セルを作製する工程を行うことによって、全固体リチウム二次電池を得ることができる。
上記全固体リチウム二次電池に用いられる上記全固体リチウム二次電池ペレット以外の構成、すなわちスペーサー、樹脂パッキン、電池ケース、また、集電板等に関しては、特に限定されるものではなく、一般的な全固体リチウム二次電池と同様のものを用いることができる。具体的には、スペーサーとしては、電池ケースと同一の材質が好ましく、ステンレス、アルミニウム製のもの等が挙げられる。また、樹脂パッキンとしては、吸水率の低い樹脂が好ましく、例えばエポキシ樹脂等が挙げられる。また、電池ケースとしては、一般的には、金属製のものが用いられ、例えばステンレス製のもの等が挙げられる。また、集電板は、反応により生じた電子を伝達する機能を有するものである。上記集電板としては、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、Al、Ni、Ti等の金属箔、あるいはカーボンペーパ等を挙げることができる。また、本発明に用いられる集電板は、電池ケースの機能を兼ね備えたものであっても良い。具体的には、SUS(ステンレス鋼)製の電池ケースを用意し、その一部を集電部として用いる場合等を挙げることができる。
5.用途
本発明により得られる全固体リチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の全固体リチウム二次電池等として、用いることができる。
本発明により得られる全固体リチウム二次電池の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、自動車用の全固体リチウム二次電池等として、用いることができる。
6.形状
本発明により得られる上記の全固体リチウム二次電池の形状は、例えばコイン型、ラミネート型、円筒型、角型等を挙げることができる。中でも角型、ラミネート型が好ましく、特にラミネート型が好ましい。
本発明により得られる上記の全固体リチウム二次電池の形状は、例えばコイン型、ラミネート型、円筒型、角型等を挙げることができる。中でも角型、ラミネート型が好ましく、特にラミネート型が好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(全固体リチウム二次電池作製)
固体電解質層の厚さが約500μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末75mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入した。次に正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合した正極用合剤15mgを、成形冶具中に挿入し、5t/cm2でプレス成形して、固体電解質と正極用合剤を一体化させ、固体電解質層および正極層を作製した。
次に、負極として、インジウム(In)箔(厚さ100μm)を5t/cm2で圧延し、直径10mmの円状に打ち抜いた。この圧延された負極層としてのインジウム箔(厚さ約30μm)を、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、0.6t/cm2でプレス成形して、インジウム箔を一体化させ負極層を作製し、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは462μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
(全固体リチウム二次電池作製)
固体電解質層の厚さが約500μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末75mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入した。次に正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合した正極用合剤15mgを、成形冶具中に挿入し、5t/cm2でプレス成形して、固体電解質と正極用合剤を一体化させ、固体電解質層および正極層を作製した。
次に、負極として、インジウム(In)箔(厚さ100μm)を5t/cm2で圧延し、直径10mmの円状に打ち抜いた。この圧延された負極層としてのインジウム箔(厚さ約30μm)を、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、0.6t/cm2でプレス成形して、インジウム箔を一体化させ負極層を作製し、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは462μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
[実施例2]
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、474μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして、電池セルを作製した。
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、474μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして、電池セルを作製した。
[比較例1]
固体電解質層の厚さが約500μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末75mgと、正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合して正極用合剤とした正極用合剤15mgと、負極として、インジウム(In)箔(厚さ100μm)とを、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、5t/cm2でプレス成形して、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは475μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
固体電解質層の厚さが約500μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末75mgと、正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合して正極用合剤とした正極用合剤15mgと、負極として、インジウム(In)箔(厚さ100μm)とを、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、5t/cm2でプレス成形して、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは475μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
[比較例2]
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、470μmとなったこと以外は、比較例1と同様にして、電池セルを作製した。
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、470μmとなったこと以外は、比較例1と同様にして、電池セルを作製した。
[実施例3]
上記の実施例1において、固体電解質層の厚さが約100μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末25mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入し、成形後の全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、124μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして電池セルを作製した。
上記の実施例1において、固体電解質層の厚さが約100μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末25mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入し、成形後の全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、124μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして電池セルを作製した。
[比較例3]
上記の実施例3において、負極層として、インジウム箔を圧延しないで用いたこと以外は、実施例3と同様にして電池セルを作製した。また、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは124μmとなった。
上記の実施例3において、負極層として、インジウム箔を圧延しないで用いたこと以外は、実施例3と同様にして電池セルを作製した。また、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは124μmとなった。
[実施例4]
固体電解質層の厚さが約350μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末50mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入した。次に正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合した正極用合剤15mgを、成形冶具中に挿入し、5t/cm2でプレス成形して、固体電解質と正極用合剤を一体化させ、固体電解質層および正極層を作製した。
次に、負極として、リチウム(Li)箔(厚さ300μm)を0.32t/cm2で圧延し、直径10mmで打ち抜いた。この圧延された負極層としてのリチウム箔(厚さ約100μm)を、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、0.1t/cm2でプレス成形して、リチウム箔を一体化させ負極層を作製し、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは362μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
固体電解質層の厚さが約350μmとなるように固体電解質材料としてLiGe0.25P0.75S4粉末50mgを、評価セルとしての機能を有する成形冶具(図2)中に挿入した。次に正極活物質(LiCoO2)と固体電解質材料(LiGe0.25P0.75S4)を質量比7:3で混合した正極用合剤15mgを、成形冶具中に挿入し、5t/cm2でプレス成形して、固体電解質と正極用合剤を一体化させ、固体電解質層および正極層を作製した。
次に、負極として、リチウム(Li)箔(厚さ300μm)を0.32t/cm2で圧延し、直径10mmで打ち抜いた。この圧延された負極層としてのリチウム箔(厚さ約100μm)を、上記固体電解質層を正極層と負極層とで挟持するような順番となるように成形冶具中に挿入した後、0.1t/cm2でプレス成形して、リチウム箔を一体化させ負極層を作製し、全固体リチウム二次電池ペレットを得た。ここで、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは362μmとなった。上記の全固体リチウム二次電池ペレットを評価セルとしての機能を有する成形冶具に挿入した状態で、ボルトでセルを固定し、電池セルを作製した。
[比較例4]
上記の実施例4において、負極層として、リチウム箔を圧延しないで用いたこと以外は、実施例4と同様にして電池セルを作製した。また、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは366μmとなった。
上記の実施例4において、負極層として、リチウム箔を圧延しないで用いたこと以外は、実施例4と同様にして電池セルを作製した。また、表1に示すように、全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さは366μmとなった。
[実施例5]
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、555μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして全固体リチウム二次電池ペレットを得た。これを評価セルとしての機能を有する成形冶具から抜き出し、コインセル中に設置し、密閉してコインセルを作製した。
全固体リチウム二次電池ペレット中の固体電解質層の厚さが表1で示されるように、555μmとなったこと以外は、実施例1と同様にして全固体リチウム二次電池ペレットを得た。これを評価セルとしての機能を有する成形冶具から抜き出し、コインセル中に設置し、密閉してコインセルを作製した。
[評価]
(内部短絡評価)
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた全固体リチウム二次電池セルにテスターを当て、初期電圧(V)を計測することにより、内部短絡の有無を確認した。内部短絡の有無の評価結果および電池セルの作成条件を表1に示す。
(内部短絡評価)
実施例1〜5および比較例1〜4で得られた全固体リチウム二次電池セルにテスターを当て、初期電圧(V)を計測することにより、内部短絡の有無を確認した。内部短絡の有無の評価結果および電池セルの作成条件を表1に示す。
表1に示すように、実施例1〜5では、初期電圧が計測され内部短絡は起きていなかった。一方、比較例1〜4では、初期電圧は観測されず、内部短絡が起きていた。比較例においては、圧延してない金属箔を用いて負極層作製時のプレス成形したため、負極層すなわち金属箔の塑性変形が上記プレス成形時に起こり、変形した金属箔が固体電解質層を突き破って正極・負極が内部短絡したためであると推測される。
以上の結果から、実施例で得られた全固体リチウム二次電池は、予め圧延による圧力を付与された金属箔と、固体電解質層とを、金属箔に予め付与された圧延による圧力よりも低い圧力によってプレス成形し、一体化させることにより、プレス成形時の金属箔の塑性変形を抑制するということが明らかになった。これにより、本発明により得られた全固体リチウム二次電池は、固体電解質層を薄くした場合にも、短絡が起こらず、内部短絡による不良を抑制するという効果を有することが分かった。
1 … 固体電解質層
2 … 従来の負極層
3 … 正極層
4 … 全固体リチウム二次電池ペレット
5 … 固体電解質方向に変形した負極層
6 … 本発明に用いられる負極層
7 … 成形冶具
8 … 成形冶具
9 … スペーサー
10 … 電池ケース
11 … 樹脂パッキン
2 … 従来の負極層
3 … 正極層
4 … 全固体リチウム二次電池ペレット
5 … 固体電解質方向に変形した負極層
6 … 本発明に用いられる負極層
7 … 成形冶具
8 … 成形冶具
9 … スペーサー
10 … 電池ケース
11 … 樹脂パッキン
Claims (2)
- 負極層としての予め圧力を付与された金属箔と、正極層と、前記負極層および前記正極層により挟持される固体電解質層とを少なくとも有する全固体リチウム二次電池の製造方法であって、前記金属箔と、前記固体電解質層とを一体化させる際のプレス成形を、前記の金属箔に予め付与された圧力よりも低い圧力によってプレス成形する負極一体化プレス工程を有することを特徴とする全固体リチウム二次電池の製造方法。
- 前記固体電解質層の膜厚が500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の全固体リチウム二次電池の製造方法。
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---|---|---|---|---|
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-
2007
- 2007-02-13 JP JP2007032565A patent/JP2008198490A/ja not_active Withdrawn
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