JP2008198325A - 磁気ヘッドの特性評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ヘッドの特性における実際のアシンメトリ量をより正確に評価すること。
【解決手段】方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたQ個のビットパターンを磁気ヘッドにより記録再生し、各ターンの再生波形のLF区間と1T区間の振幅から、LF区間のアシンメトリに関連した複数のパラメータ値Xq、1T区間のアシンメトリに関連した複数のパラメータ値Yqを求める。Xqは、1T区間とLF区間の再生波形のピークツーピークの振幅値をそれぞれ2A、2Bとすると、B2/Aで与えられ、Yqは、LF区間の見かけ上のアシンメトリをAsymMeas、前記LF区間と1T区間の比をM対Nとすると、(M+N)/N*AsymMeasである。Q=2では、実際のアシンメトリ量は(X12−X21)/(X1−X2)で算出される。Q≧3では、複数の(Xq,q)の回帰計算からYの切片として求めることもできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ディスク装置において信号の再生に用いられる磁気ヘッドの特性評価装置(property evaluation equipment)および特性評価方法(property evaluation method)に関し、より詳細には、垂直記録(perpendicular magnetic recording)における再生素子(playback device, playback sensor)としてGMR素子を使用した磁気ヘッドの非線形性を評価する装置および方法に関する。
今日、磁気ディスク装置で使用される薄膜ヘッド(thin film head)は、磁気抵抗効果素子からなる再生素子と、インダクティブ型の電磁変換素子から構成された複合型ヘッドのものが主流である。インダクティブ型の電磁変換素子は、長手記録(longitudinal magnetic recording)では記録コアがリング形状のものが用いられ、垂直記録では単磁極(single-pole)タイプのものが用いられている。一方、再生素子としては主に巨大磁気抵抗効果を利用したGMR(Giant Magneto Resistance)ヘッドが長手記録および垂直記録で共通に用いられている。GMRヘッドの主要構成要素である巨大磁気抵抗効果膜(Giant Magneto Resistive effect layers)は、非磁性層の膜(non-magnetic Layer)を強磁性ピン層(Ferromagnetic pin layer)と強磁性フリー層(Ferromagnetic free layer)が挟むスピンバルブ構造(Structure of spin-valve)を有し、この2つの強磁性フリー層の磁化の方向が平行か反平行かで、この膜(layer)の電気伝導性が変化する特性を有する。このGMRヘッドは、その優れた感度により、磁気ディスク装置の高記録密度化に寄与した。しかしその一方、GMRヘッドは、垂直記録の再生に使用した場合、外部磁場の変化に対する応答が非線形であるという欠点を有する。その非線形性は、主に正・負のゲイン特性が異なることによる非線形性(ゲイン非対称性)と、大きな外部磁界に対して出力が飽和することによる非線形性(飽和)に分けられる。
ところで今日、磁気ディスク装置の信号処理方式としてPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式が一般に用いられている。PRML方式は、再生ヘッドからの再生信号を目的の波形に変形するPR等化と、データ誤りを含んでいる再生信号から最も確からしいデータ系列を選択するML方式と、を組み合わせた方式である。さらに、最近では、このPRML方式を改良したEPRML(extended PRML)やE2PRMLなどの信号処理方式も用いられている。
ところでGMRヘッドは、上述したように、ゲイン非対称性や飽和特性を有するので、再生信号波形(playback waveforms)は上下が非対称なアシンメトリ波形となる。一方、PRML方式では等化後の波形が孤立波形(isolated wave)を線形的に重ね合わせたものと一致することを前提にした方式である。GMRヘッドにおけるこのアシンメトリ波形は、この前提に適合しない。したがって、GMRヘッドにおけるこのアシンメトリ波形は、PRML信号処理におけるデータの誤りを増加させ、エラーレートを低下(悪化)させる。したがって、GMRヘッドの特性評価において、アシンメトリの評価が重要となっている。
アシンメトリは一般に以下のような式(1)で定義されている。
Figure 2008198325
ここで、Vpos、Vnegはそれぞれ再生パルス波形におけるベースラインに対する正・負のピーク電圧である。ここで、再生パルス波形におけるベースラインとは、図5の符号502に示す波形部のレベルを言う。
長手記録用のヘッドで低周波の方形波(square wave pattern)信号を記録した時のGMRヘッドによる再生波形は図5のように正のパルス501と負のパルス503がベースライン502を間に挟んで交互に現れる波形となる。この時、Vpos、Vnegは、それぞれベースライン502と正のパルス501および負のパルス503のそれぞれの大きさの差として求めることができる。ここで、図5では、符号502で示すベースラインが、明確に目視可能であり、またそのレベルを、再生波形上で位置決めすることが可能であることに注意されたい。また、ベースライン502が、0(ゼロ)電位よりも、若干、プラス方向に位置している。これは、AC増幅器の出力を観測しているためである。
一方、垂直記録用のヘッドで低周波の方形波信号を記録した時のGMRヘッドによる再生波形は図6のように矩形波となる。図6の場合、ベースラインが、図5に示すような波形として現れず、その波形における位置が明確でないため、上述した方法では、Vpos、Vnegが特定できない。仮にDCレベル13をベースラインと仮定しても、再生信号波形がアシンメトリ形状を有する場合、Vpos、Vnegの正確な値は得られない。これは再生系回路のACカプリングにより、正負の極性のパルス領域を等しく保つようにDCレベルがシフトしてしまうこと、および再生パルス波形におけるベースラインを見つけることができないためである。そのため垂直記録の場合、従来の長手記録用の方法でアシンメトリを評価した場合には、実際よりも小さく評価されてしまう。そのため従来長手記録に使用されてきた方法は、垂直記録に対しては適用できなかった。
したがって、垂直記録用ヘッドでアシンメトリを評価する実用的な方法が研究された(たとえば、非特許文献1を参照)。以下に、この方法を、非特許文献1を引用して簡単に説明する。
非特許文献1に記載された方法は、2Mビット(Mは整数)を1周期とする方形波のLF(Low Frequency)パターン(これは、従来、長手記録の場合に使用されていた。以後方形波LFパターンと称す)の半周期(Mビット)毎に、N個(Nは偶数)の1T(Tは、ビット周期であり、1Tは、ビット周期Tで磁化が反転する信号を指す)からなる高周波パターン(以後、このようなパターンを1Tパターンと総称することにする。たとえば、周期T’の類似パターンも、周期T’の1Tパターンと総称することがある。)が挿入された以下の記録パターンを使用する。
Figure 2008198325
ここで、N≫Mとされる。これを磁気ディスクに記録して再生した場合の再生波形は、図7に示すような波形となる。図7に示すように、1Tの信号区間(以後、1T区間と称す)の再生信号の振幅は、LFの信号区間(以後、LF区間と称す)の振幅よりも小さくなる。一般にGMRヘッドは、この振幅の小さな1T区間に対してはリニアに応答すると見なすことができる。したがって、1T区間の、非線形性(ゲイン非対称性)に起因するアシンメトリは、LF区間のそれと比べてはるかに少ない。したがって、1T区間のアシンメトリを無視する(ゼロと仮定すると)と、LF区間のアシンメトリによるDCレベルのシフト量は、1T区間が無いと仮定した場合のM/(N+M)倍に減少する。すなわち、1T区間がない場合、ACカプリングされた信号におけるベースラインは、グラウンド電位から最大にシフトされる(Vpos、Vnegが等しい)が、1T区間がある場合は、1T区間があるためにそのシフト量が減少する(VposとVnegは等しくなくなる)。以後、このDCレベルのシフト量を、アシンメトリ量、あるいは単にアシンメトリと称す。この時、再生信号のLF区間の見掛け上のアシンメトリ量をAsymMeas、実際のアシンメトリ量をAsymRealとすると、以下の関係が成り立つ。
Figure 2008198325
ここで、見掛け上のアシンメトリ量とは、再生信号波形における平均DCレベルをベースラインと仮定した場合のアシンメトリ量である。また、実際のアシンメトリ量とは、再生信号波形上の仮想的なベースラインに基づくアシンメトリ量である。言い換えれば、実際のアシンメトリ量とは、再生ヘッドからの信号をDC増幅した場合に、再生波形のベースラインと想定される電位をベースラインと仮定した場合のアシンメトリ量である。
すなわち非特許文献1に開示された方法は、以下の(a)と(b)の処理を実行することにより、実際のアシンメトリ量AsymRealを求める方法である。
(a)上記パターンの再生信号波形から、平均DCレベルをベースラインとして、式(1)によりLF区間のVpos、Vnegを求める。
(b)このVpos、Vnegから、式(1)を使用して見かけ上のアシンメトリ量を求め、これを(N+M)/N倍することで実際のアシンメトリ量AsymRealを算出する。
また、録再生システムにおける記録時の非線形ひずみに対する対処方法として、垂直2層構造のディスク記録媒体からの漏洩磁界又は再生磁界の影響がある場合でも、再生信号に歪みのない安定した再生動作を行なうことが可能なGMR素子からなるリードヘッド素子も開発されている(たとえば、特許文献1を参照)。
また、ディジタル情報記録装置における高密度記録時には位相性および振幅性の非線形な記録ひずみを生じ、これら2種類のひずみは再生時にデータ誤りを増加させるとして、2種類のパターンA〜Dを記録再生することにより、位相性ひずみと振幅性ひずみを分離して測定することも行われている(たとえば、特許文献2を参照)。この場合、この測定された位相性ひずみ量は、記録前置補償量として使用される。この特許文献2では、以下ことが記述されている;この測定方式で評価される量は、記録再生波形の高調波成分の比の値(即ち、5次高調波電圧比)であり、波形の形状によらないものであることは明らかであり、このため、記録再生系の周波数特性や、長手記録および垂直記録による記録磁化モードの違いによる波形の違いに対しても特別な波形等化処理は不要である。
特開2002−197620号公報(米国特許第6903905号明細書) 特開平10−269511号公報 "Experimental Study of Amplitude Asymmetry Effects in Perpendicular Recording" IEEE Transaction on Magnetics Vol.39, No.5, 2003, pp 2222-2224
しかしながら、上述の非特許文献1に開示された方法は、1T区間のアシンメトリをゼロと仮定していた。ところで1T区間のDCレベルのシフトへの寄与率はLF区間のN/M倍である。ここで、N≫Mであるために1T区間のアシンメトリがLF区間に比べはるかに少ないと見なしても、N≫Mと見なすことができない場合には1T区間のアシンメトリの影響は無視できない。そのため、N≫Mと見なすことができない場合には1T区間のアシンメトリをゼロと仮定することはできない。そのため式(2)の関係は、一般論としては成立せず、式(2)から求めたアシンメトリ値は1T区間の影響による誤差を含まざるを得えなかった。この方法で求めたアシンメトリ量は、垂直記録再生のパフォーマンスを向上させるのに利用することが可能であっても、十分な精度で磁気ヘッドの特性におけるアシンメトリ量を評価することはできなかった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、垂直記録用磁気ヘッドについて、記録再生波形のアシンメトリ量をより高い精度で測定し、その非線形性を評価することのできる磁気ヘッドの特性評価装置および特性評価方法を提供することにある。
上記目的を達成させるために、本発明の第1の実施形態における特性評価装置は、以下の各動作を実行可能な各手段を備える。第1に、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入された第1のビットパターンを磁気ヘッドにより記録再生すること。第2に、前記ビットパターンのLF区間と1T区間の再生波形の振幅から、前記LF区間のアシンメトリに関連したパラメータ値X1と、1T区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Y1を求めること。第3に、前記ビットパターンと1T区間の周波数が異なる第2のビットパターンを、磁気ヘッドにより記録再生すること。第4に、前記ビットパターンのLF区間と1T区間の再生波形の振幅から、前記LF区間のアシンメトリに関連したパラメータ値X2と、1T区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Y2を求めること。第5に、前記パラメータ、X1、X2、Y1およびY2から所定の演算により前記再生波形のLF区間のアシンメトリ量を算出すること。最後に、算出したアシンメトリ量を出力すること。得られたアシンメトリ量は精度が従来例よりも改善されており、これを使用して磁気ヘッドの非線形性の大小を評価することができる。
ここで、前記第1または第2のビットパターンにおける前記1T区間の再生波形のピークツーピークの振幅値を2B、LF区間の再生波形のピークツーピークの振幅値を2Aとした場合、前記パラメータX1またはX2は、B2/Aとして与えられる。
また、前記第1または第2のビットパターンにおけるLF区間の見かけ上のアシンメトリをAsymMeas、前記LF区間と1T区間の比率をM対Nとした場合、前記パラメータY1またはY2が、(M+N)/N*AsymMeasとして与えられる。
また本発明の第2の実施形態における特性評価装置は、以下の各動作を実行可能な各手段を備える。第1に、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入され、かつ、1T区間の周波数が異なるQ個のビットパターンを、それぞれ磁気ヘッドにより記録再生すること。第2に、それぞれの再生波形について前記パラメータ値Xqおよび、Yqを求めること。第3に、Q個の(Xq,Yq)の組についての線形回帰分析(linear regression analysis)を行い、回帰式パラメータ(parameter in linear regression)のY切片(intercept)の値を求めること、第4に、求められたY切片の値を、前記再生波形のLF区間のアシンメトリ量の推定値とし出力すること。得られたアシンメトリ量は、精度が従来例よりも改善されており、多くの測定値によりまた測定誤差の影響が低減されるので、これを使用して磁気ヘッドの非線形性の大小を評価することができる。
本発明の第3の実施形態における特性評価装置は、以下の各動作を実行可能な各手段を備える。第1に、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入され、かつ、1T区間の周波数が異なるQ個のビットパターンを、それぞれ磁気ヘッドにより記録再生すること。第2に、前記Q個のビットパターンのそれぞれについて、LF区間と1T区間の再生波形の振幅から、前記LF区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Xp(p=1,2,...,Q−1)と、1T区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Yを求めること。第3に、Q組のパラメータ(Xp、Y)から所定の演算により前記再生波形のLF区間のアシンメトリ量を算出すること。最後に、算出したアシンメトリ量を出力すること。得られたアシンメトリ量は精度が従来例よりも改善されており、これを使用して磁気ヘッドの非線形性の大小を評価することができる。
ここで、前記各ビットパターンにおける前記1T区間の再生波形のピークツーピークの振幅値を2B、LF区間の再生波形のピークツーピークの振幅値を2Aとした場合、前記パラメータXpは、B^2p/A(p=1,2,...Q−1)として与えられる。
また、前記各ビットパターンにおけるLF区間の見かけ上のアシンメトリをAsymMeas、前記LF区間と1T区間の比率をM対Nとした場合、前記パラメータYが、(M+N)/N*AsymMeasとして与えられる。
また本発明の第4の実施形態における特性評価装置は、以下の各動作を実行可能な各手段を備える。第1に、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入され、かつ、1T区間の周波数が異なるQ個のビットパターンを、それぞれ磁気ヘッドにより記録再生すること。
第2に、前記Q個のビットパターンのそれぞれについて、LF区間と1T区間の再生波形の振幅から、前記LF区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Xp(p=1,2,...,P−1、P<Q−1)と、1T区間のアシンメトリに関連したパラメータ値Yを求めること。第3に、Q組のパラメータ(Xp,Y)についての線形重回帰分析を行い、回帰式パラメータの定数項の係数の値を求めること、第4に、求められた定数項の係数の値を、前記再生波形のLF区間のアシンメトリ量の推定値とし出力すること。得られたアシンメトリ量は、精度が従来例よりも改善されており、多くの測定値によりまた測定誤差の影響が低減されるので、これを使用して磁気ヘッドの非線形性の大小を評価することができる。
以上説明したように、本発明の磁気ヘッドの特性評価方法によれば、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンを使用してLF区間のアシンメトリ量を求め、本アシンメトリ量に基づいて磁気ヘッドの非線形性を評価する際に、従来の方法において無視していた1T区間のアシンメトリの影響を考慮する。これにより、従来の方法に比べ高い精度でLF区間のアシンメトリ量を求めることができるようになり、その結果、より信頼性の高い磁気ヘッドの非線形性の評価が可能となる。
以下、図面を参照して本発明の磁気ヘッドの特性評価方法の実施形態について説明する。
図1は、本発明による磁気ヘッドの特性評価方法を実施するための特性評価装置100の概略構成を示す。この特性評価装置100は、特性評価対象の磁気ヘッドの特性を評価するために、次のように構成されている。すなわち、この装置は、所定のデータ・パターンを発生するデータ・ジェネレータ103と、データ・パターンに応じた記録電流を磁気ヘッド101(正確には記録ヘッド)へ供給するライト・アンプ104と、回転する磁気ディスク102の所定のトラックに対して記録・再生を行う磁気ヘッド101(正確には記録ヘッド)と、磁気ヘッド101(再生ヘッド)からの再生信号を増幅するためのリード・アンプ105と、増幅した信号波形を測定するための波形測定(Wave-Profile Measuring)部106、および評価部(アシンメトリ算出)108を備える。波形測定部106は、観測した波形を測定して、後述するような値を測定し、出力する。評価部108は、各測定値を入力して、最終的に、これらの各測定値に基づいてアシンメトリ量を算出する。
ここで評価対象の磁気ヘッド101は、記録素子として記録面に対して垂直方向に磁界を発生する単磁極ヘッド(図省略)を有しており、また再生素子としてGMRヘッド(図省略)を有している。また磁気ディスク102は、磁性膜の磁気異方性が記録面に垂直に調整された垂直記録媒体である。
また、図示するように、この特性評価装置100は、さらに、波形測定部からの信号を受けて再生波形を観測者が目視観測するためのオシロスコープ107、算出されたアシンメトル量を表示するディスプレイ109、ディスク駆動部110、特性評価装置100の全体を制御する制御部111なども含んでいる。ここで、オシロスコープ107は、外部接続とすることもできる。また、この特性評価装置100には、算出されたアシンメトリを含む測定結果を格納するPC(personal computer)120を外部に接続することが可能である。制御部111は、マイクロ・プロセッサ、メモリ、および入出力インターフェース等を備えた、基本的なコンピュータの構成を備えることができる。なお、特性評価装置100は、図1に示していないが、装置に通常備えられる、入出力のユーザ・インターフェースを備えている。
上述した図1の構成とは別な構成でも、同様な機能を持たせることができる。たとえば、波形測定部106、オシロスコープ107および評価部108は、市販の波形測定器(Wave-Profile Measuring Machine)と、この波形測定器からのデータを入力して目的の測定値を算出して、算出した測定値からアシンメトリを算出するソフトプログラムを実装したPCとを含む構成とすることもできる。この構成の場合、ディスプレイ109やPC120の機能も含むことになる。このようなPCが制御部111を外部機器として接続した場合、このPCが、本発明による手順を管理し、制御部111を制御すると同時に、この手順の一部については、直接実行する構成とすることが可能になる。
以下に各実施形態について、説明する。
(第1の実施形態)
以下では、図1の構成に基づいて、第1の実施形態の評価装置について説明するが、細部の動作を除く基本的な動作を、上述した別の構成でも同様に実行することになる。
制御部111は、ユーザからの設定および開始指示にしたがって、内部メモリに内蔵したプログラムコードにより、特性評価装置100内のそれぞれの構成要素を制御して、最終的に本発明の方法を実行する。実行結果は、ディスプレイ109に表示し、および/または、PC120に出力される。
図2は、特性評価装置100が実行する、本発明による第1の実施形態の測定方法を実施するための手順を示している。この手順は以下のステップで実施される。
まず、ステップ202では、磁気ディスク102に設けられた測定トラック(図省略)を磁気ヘッド1によりAC消磁する動作を実行する。ここでAC消磁を行う目的は、測定トラックが一方向に磁化されることによる書き込み時の非線形効果の影響を少なくするためである。
次にステップ204では、第1のビットパターンを書き込むための設定を行う。ここで第1のビットパターンは、2Mビット(Mは整数)を1周期とする方形波LFパターンの半周期(Mビット)毎に、N個(Nは偶数)の1Tが挿入された以下のパターンである。
Figure 2008198325
ここでNの値はMの値の少なくとも3倍以上の値とすることが望ましい。本ステップは、上記のビットパターンをデータ・ジェネレータ103に設定し、さらにデータ・ジェネレータ103のデータ出力レートを1/Tに設定することにより、この設定を完了する。
次にステップ206では、第1のビットパターンを磁気ディスク102の、AC消磁された測定トラックに記録する動作を実行する。この動作は次のとおりである。まずデータ・ジェネレータ103から第1のビットパターンを出力レート1/Tで出力させ、ライト・アンプ104によりデータの1/0に応じて極性の変化するライト電流を発生させる。このライト電流は、磁気ヘッド101(記録ヘッド)により磁気信号に変換され、したがって磁気ディスク102の測定トラックに磁気パターンが記録される。
次にステップ208では、記録した磁気パターンを再生する動作を実行する。このステップが実行されると、磁気ヘッド101(再生ヘッド)により測定トラックの磁気パターンが電気信号に変換され、これはリード・アンプ105により増幅される。増幅された信号は、波形測定部に入力され、波形測定が行われる。測定された波形は、オシロスコープ107のモニタ画面に表示することができる。この例を、図3の第1のビットパターンの再生信号波形300として示す。図示したように、再生信号波形300は、方形波LF信号の区間(LF区間307)と、1T信号の区間(1T区間308)を含む。
次にステップ210では、再生信波形300の方形波LF区間307と1T区間308の各波形振幅から、パラメータ値X1とY1をそれぞれ算出する動作を実行する。この動作の具体的手順は次のとおりである。
まず、波形測定部106により、再生信波形300のLF区間27のピークツーピーク振幅値305を読み取り、これを0.5倍したものをAとする。次に1T区間28のピークツーピーク振幅値306を読み取り、これを0.5倍したものをBとする。そしてパラメータX1を以下のように定義する。
1=B2/A 式(3)
次に、LF区間の、平均DCレベルに対するプラス側のピーク振幅値303と、マイナス側のピーク振幅値304を測定し、それぞれをA1’、A2’とする。そして下記の式によりLF区間の見かけ上のアシンメトリAsymMeasを求める。
Figure 2008198325
次ぎに、パラメータY1を以下のように定義する。
1=(M+N)/N×AsymMeas …式(4)
次に、ステップ212では、磁気ディスク102の測定トラックを磁気ヘッド101により再びAC消磁する。次にステップ214では、第2のビットパターンを書き込むための設定を行う。ここで第2のビットパターンは、基本的には、第1のビットパターンと1T区間の周波数(周期)だけが異なる。すなわち、この第2のビットパターンは、以下のようなパターンである。
Figure 2008198325
ここで、M’は整数、N’は偶数、T’はビット周期である。さらに、LF区間の長さが第1のビットパターンと等しくなるように、以下の関係が満足されている。
Figure 2008198325
また、本実施例ではT’<Tであり、1T’区間の周波数は第1のビットパターンの1T区間の周波数より高くなっている。またN’の値としては、以下を満足するような偶数が選ばれている。
Figure 2008198325
本ステップは、上記のビットパターンをデータ・ジェネレータ103に設定し、さらにデータ・ジェネレータ103のデータ出力レート(繰り返し)周波数を1/T’に設定することにより完了する。
次にステップ216では、第2のビットパターンを測定トラックに記録する。さらにステップ218では、記録した磁気パターンを再生する。この再生波形の例を、図4の第2のビットパターンの再生信号波形400として示す。図示したように、再生信号波形400もLF区間407と1T区間408を含む。
次に、ステップ220では、再生信波形400のLF区間407と1T区間408の各波形振幅から、パラメータ値X2とY2をそれぞれ求める。その具体的手順は、上述したステップ210と同様である。
最後に、ステップ222では、下記の式(5)によりLF区間407(又はLF区間307)の実際のアシンメトリ量AsymRealを算出する。
Figure 2008198325
算出したアシンメトリ量AsymRealの大きさを、あらかじめ定めた基準値と比較すること、あるいは比較した差分の大きさにより、磁気ヘッド1の非線形の大小を評価することができる。また、同一のディスクを使用して複数種の磁気ヘッドのアシンメトリ量AsymRealを比較して評価することができる。
以上、本発明による磁気ヘッドの特性評価装置の一実施形態を説明した。
次に、上述した実施形態における、上述した式(5)から、より正確なアシンメトリ量を求めることができることを説明する。
(式(5)が導き出されることの説明)
まず第1または第2のビットパターンの再生波形におけるLF区間のベースラインに対するプラス側およびマイナス側の振幅をA1、A2とし、LF区間以外の区間(たとえば、1T区間)のベースラインに対するプラス側およびマイナス側の振幅をB1、B2とする。
LF区間においてA1≠A2の場合、言い換えれば、非線形性が存在する場合、AC増幅器の出力は、上下の非対称性を補うようにDCレベルはベースラインに対して上または下にシフトする。そのシフト量をVM(上にシフトする場合VM>0)とすると、以下の式が成立する。
Figure 2008198325
同様に1T区間のDCレベルのシフト量をVN(上にシフトする場合VN>0)とすると、以下の式が成立する。
Figure 2008198325
LF区間と1T区間の比率がM対Nの場合、トータルのシフト量VTは、次の式(6)で求められる。
Figure 2008198325
一方、DCレベルのシフトによりLF区間の見掛け上のアシンメトリは実際より小さくなる。ここで、見掛け上のアシンメトリをAsymMeasと置くと、以下の式(7)が成立する。
Figure 2008198325
ここで、式(7)に式(6)を代入して整理すると、以下の式(8)の形となる。
Figure 2008198325
式(8)において、(A1−A2)/(A1+A2)は、式(1)を表しており、したがってLF区間の実際のアシンメトリをAsymRealとすると。式(8)は、以下の式に変換される。
Figure 2008198325
この式から、以下の式(9)が導き出される。
Figure 2008198325
上記をさらに展開するため、以下を仮定する。LF区間は振幅が大きいためGMR素子の非線形性の内、飽和の影響が支配的となる。一方、1T区間は振幅が小さいためゲイン非対称性の影響が支配的となる。したがって、ここでゲイン非対称性は、以下の2次式で表すことができると仮定する。
Figure 2008198325
ここで、左辺は出力、xは入力、αはゲイン非対称性の強さと極性を示すものであり、アシンメトリが正の場合、α>0、負の場合α<0である。
GMR素子の特性がリニアな場合の1T区間のベースラインに対するプラス側およびマイナス側の振幅をそれぞれ+B、−B、GMR素子がゲイン非対称性を有する場合の1T区間の再生信号のプラス側およびマイナス側の振幅をそれぞれB1、B2とする。この仮定に基づいて、B1とB2は、それぞれ、以下のように表すことができる。
Figure 2008198325
上式より、以下の等式が成立する。
Figure 2008198325
さらに、A1+A2=2Aと置くと、式(9)は、以下のように表すことができる。
Figure 2008198325
ここで、Bは、上述の定義から、下式により求めることができる。
Figure 2008198325
ここで、パラメータX、Yを以下のように定義する。
Figure 2008198325
すると、上述した式(10)は、以下の式(11)に変換される。
Figure 2008198325
LF区間の周波数が変化しなければ、LF区間の振幅は一定に保たれるため、実際のアシンメトリAsymRealは変化しないと考えられる。またαはヘッドの特性の変化を無視すれば一定である。また1T区間の周波数が変化すると1T区間の振幅が変化するので、パラメータXが変化する。またそれに応じてパラメータYも変化する。
そのため1T区間の周波数(あるいは周期)が異なる2種類のビットパターンを記録再生し、それぞれの再生波形についてパラメータ(X1,Y1)と(X2,Y2)を求め、式(11)式に代入することにより以下の連立方程式が導かれる。
Figure 2008198325
この連立方程式を解くことにより、実際のLF区間のアシンメトリAsymRealは以下のように求められる
Figure 2008198325
この式は、前述した式(5)と同一である。
前述した実施形態では1T区間の周波数の異なる2個のビットパターンを使用したが、より多くのビットパターンを使用する方法も考えられる。それはたとえば次のような方法である。
(第2の実施形態)
この第2の実施形態における方法では、まず上述した方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンで、1T区間の周波数(周期)がそれぞれ異なるQ個のビットパターンを、それぞれ磁気ヘッドにより記録再生する。次ぎに、それぞれのビットパターンの再生波形の測定値から、上述したパラメータ値Xqおよび、Yqを求め、合計Q個のパラメータ値群(Xq,Yq)(q=1、2、・・・、Q)を得る。これらの値は、上述した式(11)の関係にあることになる。これらの値に対して、線形回帰分析を実行するにより、YをXの一次式で近似した場合の近似式、すなわち式(11)の形の式の傾き(式(11)のαに相当する)とY切片(式(11)のAsymRealに相当する)を求める。求めたY切片の値をLF区間のアシンメトリAsymRealの推定値とする。この方法の場合、Qの数を十分に大きくすれば、得られるAsymRealの測定精度は、上述した2個のビットパターンを使用してAsymRealを求める方法に比べて、改善されることは明らかである。この理由は、極性を有する測定誤差が、複数集まることにより打ち消し合う方向に作用する傾向があり、これにより、アシンメトリAsymRealの推定値に与える、それぞれの測定誤差の影響が低減されるからである。
なお、上述した式(5)による(X1,Y1)と(X1,Y2)を使用してAsymRealを求めることは、上述した線形回帰分析では、(X1,Y1)と(X1,Y2)の点を通る直線のY切片を求めることになることが理解されよう。
上述したこれらの方法は、磁気ヘッドの非線形性を、従来の方法に比べて、より高い精度でLF区間のアシンメトリ量を求めることを可能にする。特に後者の方法は、Qの数を増加させることにより、測定誤差を低減するので、より正確な値を求めることができるので、特に複数の磁気ヘッドの特性を比較評価する場合に有効となる。
上述した、式(11)から理解されるように、測定誤差を軽減しながら、より正確なAsymRealを求めるためには、X1とX2の値は、その差が大きい方が、測定誤差の結果に与える影響が少なくなることが理解されよう。そのためには、特にX1>X2の場合に、X1/X2の比が大きいことが好ましい。X1/X2の比が大きいことは、二つのビットパターンにおける方形波LFパターン区間以外の区間(1Tパターン部分)の周期が大きく異なることを意味する。
(第3の実施形態)
この実施形態は、上述した第2の実施形態における算出の具体化であり、図2と同様な処理を複数回実行する処理を示す図8を使用して具体的に説明する。
図8は、特性評価装置100が実行する、第3の実施形態の測定方法を実施するための手順を示している。なお、図8において、図2と対応するステップは基本的に同様な処理を実行するので、以降では、説明の簡略化のために、主に図2と異なる処理について説明する。
この第3の実施形態の手順は以下のステップで実施される。
まず、ステップ802では、Q組のビットパターンの番号を表すパラメータであるqの値を1に設定する。
次にステップ804では、磁気ディスク102に設けられた測定トラック(図省略)を磁気ヘッド1によりAC消磁する動作を実行する。
次にステップ806では、Q個のビットパターンの内のq(最初に実行される場合はq=1)番目のビットパターンを書き込むための設定を行う。ここでQ個のビットパターンは、図8のステップ804で設定されるようなパターンである。
しかしながら、第3の実施形態では、1Tの周期はQ個のビットパターンの各々で異なった値を有している。q番目のビットパターンの1Tの周期をTq(q=1,2,・・・、Q)とすると、本実施例ではT1>T2>,...,>TQの関係にある。しかしながら、周期の大小関係は特にこれに限るものではない。またQ個のビットパターンでLF区間の長さM・Tが一定となるように、1Tの周期Tqと整数Mの値が定められている。また偶数Nの値はN/Mの値が少なくとも3より大きく、Q個のビットパターンでほぼ一定となるような値が選ばれる。
本ステップは、上記のビットパターンをデータ・ジェネレータ103に設定し、さらにデータ・ジェネレータ103のデータ出力レートを1/Tq(q=1)に設定することにより、この設定を完了する。
次にステップ808では、q番目のビットパターンを磁気ディスク102の、AC消磁された測定トラックに記録する動作を実行する。
次にステップ810では、記録した磁気パターンを再生する動作を実行する。再生された波形は、図3に示すような波形となる。
次にステップ812では、再生信波形300の方形波LF区間307と1T区間308の各波形振幅から、パラメータ値Xq,p(最初の場合は、X1,p)とYq(最初の場合は、Y1)をそれぞれ算出する動作を実行する。この動作の具体的手順は次のとおりである。
まず、LF区間の、平均DCレベルに対するプラス側のピーク振幅値303と、マイナス側のピーク振幅値304を測定し、それぞれをA1’、A2’とする。そしてA1’、A2’を足して0.5倍したものをAとする。次に1T区間28のピークツーピーク振幅値306を読み取り、これを0.5倍したものをBとする。そして以下のように定義されたQ−1個のパラメータXq,p(最初の場合は、X1,p)を計算する。
q,p=B^2p/A (p=1,2,...Q−1) … 式(12)
さらに下記の式によりLF区間の見かけ上のアシンメトリAsymMeasを求める。
Figure 2008198325
次ぎに、以下のように定義されたパラメータYqを計算する。
q=(M+N)/N×AsymMeas … 式(13)
次にステップ814では、ビットパターンの番号を表すパラメータqをQと比較し、q<Qの場合はステップ816へ進み、qをインクリメントする。
そしてステップ804に戻り、今度はq(q=2)番目のビットパターンについてステップ804〜812の処理を実行する。
Q個のビットパターンについて同様の処理を完了すると、ステップ814の判定においてq=Qが成立するため、ステップ818に進む。
ステップ818では、下記の式(5)によりLF区間307の実際のアシンメトリ量AsymRealを算出する。
Figure 2008198325
Figure 2008198325
算出したアシンメトリ量AsymRealの大きさを、あらかじめ定めた基準値と比較すること、あるいは比較した差分の大きさにより、磁気ヘッド1の非線形の大小を評価することができる。また、同一のディスクを使用して複数種の磁気ヘッドのアシンメトリ量AsymRealを比較して評価することができる。
以上、本発明による磁気ヘッドの特性評価装置の一実施形態を説明した。
次に、上述した実施形態における、上述した式(14)から、より正確なアシンメトリ量を求めることができることを説明する。
(式(14)が導き出されることの説明)
この説明に当たっては、上述した「式(5)が導き出されることの説明」における説明が適用可能である。上述した式(6)〜式(9)を使用して説明する。
上述した式(6)〜式(9)をさらに展開するため、以下を仮定する。LF区間は振幅が大きいためGMR素子の非線形性の内、飽和の影響が支配的となる。一方、1T区間は振幅が小さいためゲイン非対称性の影響が支配的となる。したがって、ここでゲイン非対称性は、以下の1次と偶数次の多項式の和で表すことができると仮定する。
Figure 2008198325
ここで、左辺は出力、xは入力である。α1、α2,・・・αpはゲイン非対称性の強さと極性を示すものであり、アシンメトリが正の場合、α>0、負の場合α<0である。
GMR素子の特性がリニアな場合の1T区間のベースラインに対するプラス側およびマイナス側の振幅をそれぞれ+B、−B、GMR素子がゲイン非対称性を有する場合の1T区間の再生信号のプラス側およびマイナス側の振幅をそれぞれB1、B2とする。この仮定に基づいて、B1とB2は、それぞれ、以下のように表すことができる。
Figure 2008198325
上式より、以下の等式が成立する。
Figure 2008198325
さらに、A1+A2=2Aと置くと、式(9)は、以下のように表すことができる。
Figure 2008198325
ここで、Bは、上述した定義から、下式により求めることができる。
Figure 2008198325
ここで、パラメータXp、Yを以下のように定義する。
Figure 2008198325
Figure 2008198325
但し、P(大文字の)=Q−1
すると、上述した式(15)は、以下の式(16)に変換される。
Figure 2008198325
LF区間の周波数が変化しなければ、LF区間の振幅は一定に保たれるため、実際のアシンメトリAsymRealは変化しないと考えられる。またα1、α2、...αPはヘッドの特性の変化を無視すれば一定である。また1T区間の周波数が変化すると1T区間の振幅が変化するので、パラメータXpが変化する。またそれに応じてパラメータYも変化する。
そのため1T区間の周波数(あるいは周期)が異なるQ種類のビットパターンを記録再生し、それぞれの再生波形についてパラメータXp(p=1,2,...,Q−1)とYを求め、式(11)式に代入することにより、実際のアシンメトリ量AsymRealと、α1,α2,...,αPのQ個(Q=P+1)の未知数に関する以下の連立方程式が導かれる。
Figure 2008198325
ここで、Xq,p、Yqはq番目のビットパターンについて求めたパラメータXp(p=1,2,...,Q−1)及び、Yの値である。この連立方程式を解くことにより、実際のLF区間のアシンメトリAsymRealは以下のように求められる。
Figure 2008198325
Figure 2008198325
この式は、前述した式(5)と同一の形式を有する。言い換えれば、前述した式(5)は、上式においてQが2の場合であると言うことができる。
前述した実施形態ではGMR素子が有するゲイン非対称性を2P次の多項式で近似する際に、1T区間の周波数の異なるQ(Q=P+1)個のビットパターンを使用したが、より多くのビットパターンを使用する方法も考えられる。それはたとえば次のような方法である。
(第4の実施形態)
この第2の実施形態における方法では、まず上述した方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンで、1T区間の周波数(周期)がそれぞれ異なるQ‘個のビットパターンを、それぞれ磁気ヘッドにより記録再生する。ここでQ’はPよりも十分に大きな数である。
次ぎに、それぞれのビットパターンの再生波形の測定値から、上述したパラメータ値Xp(p=1,2,..,P)および、Yを求め、合計Q‘個のパラメータ値群(Xq,p,Yq)(p=1,2,..,P、q=1、2、・・・、Q’)を得る。これらの値に対して、以下の線形重回帰モデルによる回帰分析を実行する。なお下式においてεqは誤差を表す。
Figure 2008198325
そしてYをXp(p=1,2,..,P)の一次式で近似した場合の近似式、すなわち式(12)の係数α0,α1,...,αPの係数を求める。求めた係数の内、定数項の係数α0をLF区間の実際のアシンメトリAsymRealの推定値とする。この方法の場合、Q’の数を十分に大きくすれば、得られるAsymRealの測定精度は、上述したQ個のビットパターンを使用してAsymRealを求める方法に比べて、改善されることは明らかである。この理由は、極性を有する測定誤差が、複数集まることにより打ち消し合う方向に作用する傾向があり、これにより、アシンメトリAsymRealの推定値に与える、それぞれの測定誤差の影響が低減されるからである。
上述したこれらの方法は、磁気ヘッドの非線形性を、従来の方法に比べて、より高い精度でLF区間のアシンメトリ量を求めることを可能にする。特に後者の方法は、Q’の数を増加させることにより、測定誤差を低減するので、より正確な値を求めることができるので、特に複数の磁気ヘッドの特性を比較評価する場合に有効となる。
図1に戻って、さらに説明する。上述したように、本発明の主要なポイントは、周期の異なる1Tパターンを発生させることが可能なデータ・ジェネレータ103と、上述したパラメーXとYを算出するための測定値を得る波形測定部106、および、波形測定部からの測定値から各パラメータおよびアシンメトリを算出する評価(アシンメトリ算出)部108、に存在することが理解されよう。
ここで、上述した波形測定部106、および評価(アシンメトリ算出)部108の機能は、市販の波形測定器とこれとインターフェースされたPCの構成とすることができる。この構成は、大まかには波形測定部106の部分を市販の波形測定器が、評価(アシンメトリ算出)部108の部分を、PC内に実装されたプログラム(implemented program)が実行することになる。このPCは、また、特性評価装置100の107〜109を除く特性評価装置100の部分を外部装置として結合することができる。この結合は、PCに接続される一般的なハードディスクと同様のインターフェースとすることも、他のインターフェースとすることもできる。また、別のインターフェースを追加することもできる。このような構成の場合、この構成に含まれるPC上で実行されるコンピュータ実行命令群は、それぞれの機能を実行し、全体として、図1に示す特性評価装置100が実行する機能を達成することになる。
(別の実施形態)
上述した実施形態では、自動的に特性評価装置100が磁気ヘッド101のアシンメトリを算出することを説明したが、この複数の動作における一部の動作のみを自動化させることも容易である。この方法は、いわゆるPCが、上述した手順における測定値を入力して、上述したパラメータX1、Y1およびX2とY2、あるいは、Xq,pおよびYqを求めること、およびこれらのパラメータからアシンメトリを算出し、出力すること、を備える。
この実施形態では、手動でデータ・ジェネレータ(たとえば、図1の103)を設定し、リード・アンプに接続された波形測定装置のトリガーを適切に設定して、所定のビットパターンを記録再生し、得られた波形を目視観測して各測定値を得ることになる。得られた各測定値は、ユーザ・インターフェースを介して、本発明の各(演算)手段等を実行するためのプログラムを実行するPCに入力される。PCに格納されているプログラムは、入力した各測定値に基づいて、上述した各パラメータを算出し、さらに算出した各パラメータから、測定対象の磁気ヘッドのアシンメトリAsymRealを算出し、出力する。この出力は、PCに接続されたディスプレイに、あるいは入出力インターフェースを介して接続された外部装置に、あるいは着脱可能な記憶装置に対して実行される。
また、PC内部の記憶装置に実装されたプログラムコードが読み出されて実行され、上述した機能が実行される場合、このプログラムコードは、本発明を構成することになる。このプログラムコードを供給する媒体には、CD、不揮発性メモリ、通信媒体などが含まれる。このような媒体からPCがプログラムコードを読み出して実行することによっても、上述した機能が実現される。
この方法は、PCと波形測定装置との間の接続を必要としないので、PCとのインターフェースを有しないが所望の波形を測定することが可能な任意の波形測定装置を使用することが可能となる利点がある。また、波形測定を熟練者が行う場合、高い精度で波形を測定することが可能となる利点がある。
本発明の実施形態における磁気ヘッドの特性評価装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態における磁気ヘッドの特性評価方法の手順を示したフローチャートである。 本発明の実施形態において使用する第1のビットパターンを記録再生した場合の再生信号波形の例を示す図である。 本発明の実施形態において使用する第2のビットパターンを記録再生した場合の再生信号波形の例を示す図である。 長手記録の場合における、アシンメトリ歪みを有する再生信号波形の例を示す図である。 垂直記録の場合における、アシンメトリ歪みを有する再生信号波形の例を示す図である。 従来方法で使用されるビットパターンの再生信号波形の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態における磁気ヘッドの特性評価方法の手順を示したフローチャートである。
符号の説明
100 磁気ヘッドの特性評価装置
101 磁気ヘッド
102 磁気ディスク
103 データ・ジェネレータ
104 ライト・アンプ
105 リード・アンプ
106 波形測定
107 オシロスコープ
108 評価(アシンメトリ算出)
109 ディスプレイ
110 ディスク駆動部
111 制御部
120 PC(パーソナル・コンピュータ)
300、400 ビットパターンの再生波形
302 再生波形の平均レベル
303、403 再生波形のLF期間の正ピーク値
304、404 再生波形のLF期間の負ピーク値
305、405 再生波形のLF区間のピークツーピーク値
306、406 再生波形のLF区間以外の区間(1T)区間のピークツーピーク値
307、407 LF区間
308、408 1T区間
501 長手記録における再生波形のベースラインに対する正ピーク値
502 ベースライン
503 長手記録における再生波形のベースラインに対する負ピーク値
13 平均(グラウンド)レベル

Claims (19)

  1. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給することが可能なデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、および当該波形測定手段からの測定値を入力して前記磁気ヘッドの非線形性を表すデータを算出する評価手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置であって、
    前記特定のビットパターンは、第1と第2のビットパターンを備え、前記第1のビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、第2のビットパターンは、前記第1のビットパターンのうちの前記偶数個の1Tパターンの期間が、当該1Tパターンとビット周期が異なる偶数の1T’パターンと入れ替わったビットパターンであり、
    前記波形測定手段は、前記第1および第2のビットパターンのそれぞれについて、再生波形のLF区間に対応する正負極性のピークツーピークの振幅値、当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、および再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を測定し、
    前記評価手段は、前記波形測定手段から各測定値を入力し、当該各測定値に基づいて前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出する
    ことを特徴とする磁気ヘッドの特性評価装置。
  2. 前記評価手段は、
    LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をAとし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をBとした場合に、B2/Aを演算し、
    前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を、それぞれA1、A2とし、前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)を演算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドの特性評価装置。
  3. 前記評価手段は、
    前記1Tパターンの周期が前記1T’パターンの周期よりも長い場合、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれX1、X2とし、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をそれぞれY1、Y2とした場合に、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を、(X12−X21)/(X1−X2)により算出する
    ことを特徴とする請求項2に記載の磁気ヘッドの特性評価装置。
  4. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給することが可能なデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、および当該波形測定手段からの測定値を入力して前記磁気ヘッドの非線形性を表すデータを算出する評価手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置であって、
    前記特定のビットパターンは、Q個のビットパターンを備え、前記各ビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、Q個のビットパターンのうちの第K番目のビットパターンの前記1Tパターンの周期はTKであり、
    前記波形測定手段は、前記Q個のビットパターンそれぞれについて、LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値と当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、および再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を測定し、
    前記評価手段は、前記波形測定手段からQ組の各測定値を入力し、当該各測定値に基づいて、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出する
    ことを特徴とする磁気ヘッドの特性評価装置。
  5. 前記評価手段は、
    前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をAとし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をBとした場合に、B2/Aの演算を実行し、および
    前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を、それぞれA1、A2とし、前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)の演算を実行する手段を備え、
    前記各ビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれXqとし、前記各ビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、Q個の(Xq,q)の組について線形回帰分析を行い、得られた回帰式パラメータのY切片の値を前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量とする
    ことを特徴とする請求項4に記載の磁気ヘッドの特性評価装置。
  6. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給することが可能なデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、および前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置における特性評価方法であって、
    前記特定のビットパターンは、第1と第2のビットパターンを備え、前記第1のビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、第2のビットパターンは、前記第1のビットパターンのうちの前記偶数個の1Tパターンの期間が、当該1Tパターンとビット周期が異なる偶数の1T’パターンと入れ替わったビットパターンであり、
    前記データ・ジェネレータを使用して前記第1のビットパターンを書き込むステップ、
    前記波形測定手段を使用して、前記第1のビットパターンのLF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、および再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を測定するステップ、
    前記データ・ジェネレータを使用して前記第2のビットパターンを書き込むステップ、
    前記波形測定手段を使用して、前記第2のビットパターンのLF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値と当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、および再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を測定するステップ、
    各測定するステップから得られた各測定値に基づいて前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出するステップ
    を備えることを特徴とする磁気ヘッドの特性評価方法。
  7. 前記アシンメトリ量を算出するステップは、
    LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をAとし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をBとした場合に、B2/Aを演算し、
    前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を、それぞれA1、A2とし、前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)を演算する
    ことを特徴とする請求項6に記載の磁気ヘッドの特性評価方法。
  8. 前記アシンメトリ量を算出するステップは、
    前記1Tパターンの周期が前記1T’パターンの周期よりも長い場合、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれX1、X2とし、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をそれぞれY1、Y2とした場合に、前記前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を、(X12−X21)/(X1−X2)により算出する
    ことを特徴とする請求項7に記載の磁気ヘッドの特性評価方法。
  9. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給するデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、および前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置における特性評価方法であって、
    前記特定のビットパターンは、Q個のビットパターンを備え、前記各ビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、Q個のビットパターンのうちの第K番目のビットパターンの前記1Tパターンの周期はTKであり、
    前記Q個のビットパターンのLF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値と当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値、および再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を測定するステップ、
    前記測定するステップからQ組の各測定値を入力し、当該各測定値に基づいて、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出するステップ
    を備えることを特徴とする磁気ヘッドの特性評価方法。
  10. 前記アシンメトリ量を算出するステップは、
    前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をAとし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値をBとした場合に、B2/Aの演算を実行し、および
    前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値を、それぞれA1、A2とし、前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)の演算を実行し、
    前記各ビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれXqとし、前記各ビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、Q個の(Xq,q)の組について線形回帰分析を行い、得られた回帰式パラメータのY切片の値を前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量とする
    ことを特徴とする請求項9に記載の磁気ヘッドの特性評価方法。
  11. 磁気ヘッドのアシンメトリを算出する方法であって、
    (a)方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入された第1のビットパターンの磁気ヘッドからの再生波形に関する複数の値であって、LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値A、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値B、前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値A1とA2、および前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対N、を入力するステップ、
    (b)前記入力ステップで入力した値A、Bについて、B2/Aを演算するステップ、
    (c)前記入力ステップで入力した値A1、A2、MおよびNについて、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)を演算するステップ、
    (d)前記(a)〜(c)のステップを、前記複数個の1Tパターンの区間が、周期が異なる複数個の1T’パターンを有する第2のビットパターンに対して繰り返すステップ、
    (e)前記1Tパターンの周期が前記1T’パターンの周期よりも長い場合、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれX1、X2とし、
    前記第1および第2のビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をそれぞれY1、Y2とした場合に、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を、(X12−X21)/(X1−X2)により算出するステップ、および
    算出された前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を出力するステップ
    を備えることを特徴とする方法。
  12. 磁気ヘッドのアシンメトリを算出する方法であって、
    (a)方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入された第1のビットパターンの磁気ヘッドからの再生波形に関する複数の値であって、LF区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値A、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値B、前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値A1とA2、および前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対N、を入力するステップ、
    (b)前記入力ステップで入力した値A、Bについて、B2/Aを演算するステップ、
    (c)前記入力ステップで入力した値A1、A2、MおよびNについて、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)を演算するステップ、
    (d)前記(a)〜(c)のステップを、前記複数個の1Tパターンの区間が、それぞれ周期が異なる複数個の1Tパターンを有するQ個のビットパターンに対して繰り返すステップ、
    前記各ビットパターンにおける前記B2/AをそれぞれXqとし、前記各ビットパターンにおける前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、Q個の(Xq,q)の組について線形回帰分析を行い、回帰式パラメータのY切片の値を求めるステップ、および
    求められたY切片の値を前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量として出力するステップ
    を備えることを特徴とする方法。
  13. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給することが可能なデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、および当該波形測定手段からの測定値を入力して前記磁気ヘッドの非線形性を表すデータを算出する評価手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置であって、
    前記特定のビットパターンは、Q個のビットパターンを備え、前記Q個の各ビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、前記Q個のビットパターン内のそれぞれの1Tパターンは、それぞれ異なる周期の1Tパターンであり、前記Q個のビットパターンのうちの第K番目のビットパターンの1Tパターンの周期はTKであり、
    前記波形測定手段は、前記Q個のビットパターンそれぞれについて、再生波形の平均DCレベルに対するLF区間に対応する正負極性それぞれのピークと、当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を測定し、
    前記評価手段は、前記波形測定手段からQ組の各測定値を入力し、当該各測定値に基づいて、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出する
    ことを特徴とする磁気ヘッドの特性評価装置。
  14. 前記評価手段は、前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する平均DCレベルに対する正負極性それぞれのピークをA1、A2とし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を2×Bとした場合に、B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)の演算をそれぞれ実行し、
    前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)の演算を実行し、および
    前記Q個のビットパターンの内、q番目のビットパターンにおける前記B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)をそれぞれXq,pとし、前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量AsymRealを、
    Figure 2008198325
    Figure 2008198325
    として算出する
    ことを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッドの特性評価装置。
  15. 前記評価手段は、前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する平均DCレベルに対する正負極性それぞれのピークをA1、A2とし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を2×Bとした場合に、B^2p/A、(p=1,2、...P、P<Q−1、A=(A1+A2)/2)の演算をそれぞれ実行し、 前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1-A2)/N×(A1+A2)の演算を実行し、
    前記Q個のビットパターンの内、q番目のビットパターンにおける前記B^2p/A、(q=1,2、...P、P<Q−1、A=(A1+A2)/2)をそれぞれXq,pとし、前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、
    Figure 2008198325
    の線形重回帰モデルによる回帰分析を行い、得られたパラメータα0を実際のアシンメトリ量とする
    ことを特徴とする請求項13に記載の磁気ヘッドの特性評価装置。
  16. 磁気ディスクの回転駆動部、回転する前記磁気ディスク上の所定のトラックに対してデータを記録再生する磁気ヘッド、当該磁気ヘッドにデータに応じた記録電流を供給するライト・アンプ、前記ライト・アンプへ特定のビットパターンのデータ信号を供給することが可能なデータ・ジェネレータ、前記磁気ヘッドからの信号を増幅するリード・アンプ、および前記所定のトラックに記録されたデータを再生して前記リード・アンプの出力信号における前記特定のビットパターンの再生波形を測定する波形測定手段、を備えた磁気ヘッドの特性評価装置における特性評価方法であって、
    前記特定のビットパターンは、Q個のビットパターンを備え、前記Q個の各ビットパターンは、方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンであり、前記Q個のビットパターン内のそれぞれの1Tパターンは、それぞれ異なる周期の1Tパターンであり、前記Q個のビットパターンのうちの第K番目のビットパターンの1Tパターンの周期はTKであり、
    前記Q個のビットパターンそれぞれについて、再生波形の平均DCレベルに対するLF区間に対応する正負極性それぞれのピークと、当該LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を測定するステップ、
    前記測定するステップからQ組の各測定値を入力し、当該各測定値に基づいて、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を算出するステップ
    を備えることを特徴とする磁気ヘッドの特性評価方法。
  17. 前記アシンメトリ量を算出するステップは、前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する平均DCレベルに対する正負極性それぞれのピークをA1、A2とし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を2×Bとした場合に、B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)の演算をそれぞれ実行し、および
    前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)の演算を実行し、および
    前記Q個のビットパターンの内、q番目のビットパターンにおける前記B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)をそれぞれXq,pとし、前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量AsymRealを、
    Figure 2008198325
    Figure 2008198325
    により算出することを特徴とする請求項16に記載の磁気ヘッドの特性評価方法。
  18. 前記アシンメトリ量を算出するステップは、前記Q組の各測定値に対して、LF区間に対応する平均DCレベルに対する正負極性それぞれのピークをA1、A2とし、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値を2×Bとした場合に、B^2p/A、(p=1,2、...P−1、P<Q、A=(A1+A2)/2)の演算をそれぞれ実行し、および
    前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対Nとした場合に、(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)の演算を実行し、および
    前記Q個のビットパターンの内、q番目のビットパターンにおける前記B^2p/A、(q=1,2、...P、P<Q−1、A=(A1+A2)/2)をそれぞれXq,pとし、前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、
    Figure 2008198325
    の線形重回帰モデルによる回帰分析を行い、得られたパラメータa0を実際のアシンメトリ量とすることを特徴とする請求項16に記載の磁気ヘッドの特性評価方法。
  19. 磁気ヘッドのアシンメトリを算出する方法であって、
    方形波LFパターンの半周期毎に偶数個の1Tパターンが挿入されたビットパターンの構成をそれぞれが有する、Q個のビットパターンであって、Q個のビットパターンのうちの第K番目のビットパターンの前記1Tパターンの周期がTKであり、ビットパターンのそれぞれについて、磁気ヘッドからの再生波形に関する複数の値であって、
    (a)前記再生波形の平均DCレベルに対する前記LF区間に対応する再生波形の正負極性それぞれのピーク値A1とA2、LF区間以外の区間に対応する再生波形の正負極性のピークツーピークの振幅値2×B、および前記LF区間と前記LF区間以外の区間との比率をM対N、をQ個のビットパターンのそれぞれについて入力するステップ、
    (b)前記入力ステップで入力した値について、B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)および(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)を演算するステップ、
    (c)前記Q個のビットパターンの内、q番目のビットパターンにおける前記B^2p/A、(p=1,2、...Q−1、A=(A1+A2)/2)をそれぞれXq,pとし、前記(M+N)×(A1−A2)/N×(A1+A2)をYqとした場合に、前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量AsymRealを、
    Figure 2008198325
    Figure 2008198325
    として算出するステップ、および
    算出された前記再生波形におけるLF区間の実際のアシンメトリ量を出力するステップ
    を備えることを特徴とする方法。
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