JP2008195381A - 自転車部品ポジショニング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スムーズに移動でき、各ポジションに確実に保持される、自転車部品ポジショニング装置を提供する。
【解決手段】この装置は、固定部材と、動作部材と、ポジショニング機構と、を備える。動作部材は、入力部と出力部とを有し、固定部材に移動可能に連結され、少なくとも2つの動作ポジション間で移動する。ポジショニング機構は、動作部材と固定部材との間で機能的に配置され、固定部材と係合する第1位置と固定部材から非係合となる第2位置との間で移動可能なポジショニング部材を有する。入力部が動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションにあるとき、ポジショニング部材は入力部によって第1位置において固定部材と係合状態に保持される。ポジショニング部材は、動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションからの入力部の移動に応じて、第1位置から第2位置へ移動可能である。
【選択図】図2
【解決手段】この装置は、固定部材と、動作部材と、ポジショニング機構と、を備える。動作部材は、入力部と出力部とを有し、固定部材に移動可能に連結され、少なくとも2つの動作ポジション間で移動する。ポジショニング機構は、動作部材と固定部材との間で機能的に配置され、固定部材と係合する第1位置と固定部材から非係合となる第2位置との間で移動可能なポジショニング部材を有する。入力部が動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションにあるとき、ポジショニング部材は入力部によって第1位置において固定部材と係合状態に保持される。ポジショニング部材は、動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションからの入力部の移動に応じて、第1位置から第2位置へ移動可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、自転車部品ポジショニング装置に関する。より具体的には、本発明は、2つの反対方向における移動時に、同じように動作しやすく、しかも確実に保持される、ディレーラやシフタなどの自転車部品のポジショニング装置に関する。
自転車に乗ることは、移動の手段であるとともに、レクレーションの形態としてもますます人気が高まっている。また、自転車に乗ることは、プロ、アマを問わず、競技スポーツとしても人気が高い。レクレーション、移動、競技の用途に関わらず、自転車産業において、ディレーラ及びシフタなどの種々の自転車部品は常に改良が続けられている。
特開昭51−28934号公報
特開昭51−50141号公報
自転車ディレーラは、基本的に、ベースと、チェーンガイドと、異なるシフトポジションにわたってチェーンガイドを移動させるようベースとチェーンガイドとの間に連結されたリンクと、を備える。ベースは、自転車フレームに固定される。そして、チェーンガイドをベースに対して横方向の一方向に付勢するようにスプリングが配置されている。また、コントロールケーブルが設けられており、このコントロールケーブルが引っ張られた時にはスプリングの付勢力に抗してチェーンガイドが移動され、ケーブルが解放された時にはスプリングの付勢力によってチェーンガイドが反対方向に移動させられる。さらに、シフタがケーブルに取り付けられており、このシフタにより、選択的にケーブルを引っ張り/解放することにより、チェーンガイドが横方向に往復移動させられる。こうした従来のディレーラでは、変速動作については、ライダーたちが望んでいるほどには、必ずしもスムーズかつ確実なものではない。また、コントロールケーブルは、スプリングによって常にテンションが作用しているので、ケーブルの延びを引き起こす。このようなケーブルの延びは、ディレーラ及び/又はシフタの定期的な調整、あるいはディレーラのわずかな位置合せ不良をもたらす。また、従来のディレーラは、製造、組み立て、自転車への装着、及び/又は調整することが、比較的複雑にそして高コストになること場合がある。
従来のディレーラをコントロールするためのシフタは、一般に、巻取部材に連結された1つ以上のレバーを用いて、選択的にケーブルを引っ張り/解放している。巻取部材は、保持構造、摩擦などによって、互いに異なるシフトポジションに保持される。オプションとして、ある種のシフタは、さらに、シフトポジションの数に対応する複数のポジションを有するインデックス機構を備えている。いずれの場合も、ディレーラスプリングの付勢力によるディレーラのチェーンガイドの不意の移動を防止するためには、巻取部材に十分な保持力を持たせる必要がある。したがって、比較的強い保持力を与える必要があり、その結果、強い保持力に抗してレバーを移動させるために比較的労力を要する。加えて、ケーブルを巻き取るためにシフティング装置を作動する時には、ディレーラ付勢部材による巻き戻し操作の際よりもさらにより強い力が多くの場合必要になる。いずれの場合も、シフティング操作は、ある人々にとっては、扱いにくく感じることもある。また、こうした従来のシフタでも、変速動作は、ライダーたちが望んでいるほどには、必ずしもスムーズかつ確実なものではない。さらに、従来のシフタは、製造、組み立て、自転車への装着、及び/又は調整することが、比較的複雑にそして高コストになる場合がある。
以上の点から、本開示によって、この技術分野において、自転車部品ポジショニング装置の改良に対するニーズがあることが明らかにされる。本発明は、このニーズと同様に、本開示から、当業者に対して、明らかにされる他のニーズに対してもなされたものである。
本発明の目的は、スムーズかつ確実に移動でき、しかも確実に異なるポジションに保持される、自転車部品ポジショニング装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、どちらの方向にも同じように比較的軽い操作が可能な自転車部品ポジショニング装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、比較的簡単な構成で、製造及び/又は組み立てにコストがかからない自転車部品ポジショニング装置を提供することにある。
以上の目的は、簡潔には、固定部材と、動作部材と、ポジショニング機構と、を備える自転車部品ポジショニング装置を提供することによって達成できる。動作部材は、入力部と出力部とを有し、固定部材に移動可能に連結され、少なくとも2つの動作ポジション間で移動する。ポジショニング機構は、動作部材と固定部材との間で機能的に配置される。ポジショニング機構は、ポジショニング部材を有し、ポジショニング部材が固定部材と係合する第1位置と、ポジショニング部材が固定部材から非係合となる第2位置と、の間で、移動可能である。入力部が動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションにあるとき、ポジショニング部材は入力部によって第1位置において固定部材と係合状態に保持される。ポジショニング部材は、動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションからの入力部の移動に応じて、第1位置から第2位置へ移動可能である。
以上のような本発明では、ポジショニング機構にポジショニング部材を設け、動作部材の入力部が動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションにあるとき、ポジショニング部材は固定部材と係合状態に保持されるので、スムーズかつ確実に移動でき、しかも確実に異なるポジションに保持することができる。
本発明の選択的な実施形態を、図面を用いて説明する。以下の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではない。
図1に本発明の一実施形態によるフロント変速システム及びリア変速システムが連結された自転車10を示す。フロント変速システムは、フロントディレーラ12と、1組のフロントシフトコントロールケーブル16Fを介してフロントディレーラ12に機能的に連結されるフロントシフタ14Fと、を備えており、これにより、少なくとも2つの(ここでは3つを図示)フロントスプロケットすなわちチェーンリングFS間でチェーンCを移動させる。同様に、リア変速システムは、リアディレーラ18と、1組のリアシフトコントロールケーブル16Rを介してリアディレーラ18に機能的に連結されるリアシフタ14Rと、を備えており、これにより、複数の(たとえば7あるいは8つの)リアスプロケットすなわちチェーンリングRS間でチェーンCを移動させる。
フロント及びリアディレーラ12,18は、自転車10のフレーム11に取り付けられており、一方、フロント及びリアシフタ14F,14Rは、ハンドルバー13に取り付けられている。ハンドルバー13はフロントフォークに固定されており、フロントフォークは、従来と同様に自転車10のハンドルを操作するようフレーム11に回動可能に取り付けられている。フロント及びリアシフトコントロールケーブル16F,16Rは、フロント及びリアシフタ14F,14Rとフロント及びリアディレーラ12,18との間のそれぞれにおいて、フレーム11に沿って設けられている。1組のフロントシフトケーブル16Fは、従来のボーデンタイプケーブルであり、それぞれのフロントシフトケーブル16Fは、アウタケーシング16aと、インナワイヤ16bと、を有する。同様に、1組のリアシフトコントロールケーブル16Rは、従来のボーデンタイプケーブルであり、それぞれのリアシフトケーブル16Rは、アウタケーシング16aと、インナワイヤ16bと、を有する。
自転車10は、フロント及びリア変速システムを除いて、従来と同様の構成である。したがって、自転車10及び種々の部品は、本発明のフロント及びリア変速システムに関係するものを除いて、従来から周知であり、ここでは詳細に説明及び/又は図示しない。また、本発明を逸脱しない限り、自転車10に種々の変形が可能である。
[フロントディレーラ]
図1〜図8を参照して、本発明にかかるフロント変速システムのフロントディレーラ12をより詳細に説明する。フロントディレーラ12は、固定本体すなわちベース部材20と、フロントディレーラ(部品)ポジショニング装置22と、支持リンク24と、チェーンガイド26と、を備える。固定本体20は、フレーム11のシートチューブ11aに固定される。図1、図6及び図7からよくわかるように、ポジショニング装置22は、固定本体20とチェーンガイド26とを連結し、チェーンガイド26を少なくとも2つのシフトポジション(ここでは3つを図示)間で移動させ、かつそれらの位置(シフトポジション)に保持する。支持リンク24は、固定本体20及びチェーンガイド26に回動可能に連結される。チェーンガイド26は、付勢部材によって、ベース部材20に対して相対的に、シフトポジションのうちのいずれか1つのポジションへ向かって、常時、付勢されるわけではない。フロントディレーラ12のポジショニング装置22の作動は、フロントシフタ14Fによってコントロールされる。それを以下に説明する。
図1〜図8を参照して、本発明にかかるフロント変速システムのフロントディレーラ12をより詳細に説明する。フロントディレーラ12は、固定本体すなわちベース部材20と、フロントディレーラ(部品)ポジショニング装置22と、支持リンク24と、チェーンガイド26と、を備える。固定本体20は、フレーム11のシートチューブ11aに固定される。図1、図6及び図7からよくわかるように、ポジショニング装置22は、固定本体20とチェーンガイド26とを連結し、チェーンガイド26を少なくとも2つのシフトポジション(ここでは3つを図示)間で移動させ、かつそれらの位置(シフトポジション)に保持する。支持リンク24は、固定本体20及びチェーンガイド26に回動可能に連結される。チェーンガイド26は、付勢部材によって、ベース部材20に対して相対的に、シフトポジションのうちのいずれか1つのポジションへ向かって、常時、付勢されるわけではない。フロントディレーラ12のポジショニング装置22の作動は、フロントシフタ14Fによってコントロールされる。それを以下に説明する。
フロントディレーラ12は、ポジショニング装置22を除いて、ほぼ従来のものである。したがって、フロントディレーラ12に関しては、ポジショニング装置22に関するものを除いて、ここでは詳細には説明及び/又は図示しない。固定本体20、ポジショニング装置22、支持リンク24及びチェーンガイド26の一部は、比較的幅の広い4節リンク機構アセンブリの一部分を構成する。図5及び図6から明らかなように、4節リンク機構アセンブリは4つの回動軸A,B,C,Dによって形成される。ポジショニング装置22の一部は回動軸A,B間の1つのリンクを構成する。支持リンク24の一部は回動軸C,D間の1つのリンクを構成する。チェーンガイド26の一部は回動軸B,D間の1つのリンクを構成する。そして、固定本体20の一部は回動軸A,C間の1つのリンクを構成する。
次に、図2〜図12を参照して、固定本体20をより詳細に説明する。固定本体20は、チューブ状のクランプ部材であり、自転車フレーム11のシートチューブ11aに取り付けられる。しかしながら、必要に応じて、及び/又は所望により、フロントディレーラ12を、ボトムブラケットなど自転車10の他のパーツに連結することができることはもちろんである。いずれの場合も、チェーンガイド26は、ポジショニング装置22及び支持リンク24によって、固定本体20に対して相対的に移動可能に支持され、これにより、フロントスプロケットFSのポジションに対応する互いに異なるシフトポジション間(つまり、少なくとも1つの後退ポジションと少なくとも1つの延出ポジション間)で自転車10の長手方向の中心面Pに対して相対的に横方向に移動する。シートチューブ11aは、好ましくは、長手方向面P内に位置する中心軸Xを含んでいる。
本実施形態において、固定本体20は、好ましくは、チェーンガイド26の下に(ポジショニング装置22及び支持リンク24に連結されるチェーンガイド26の、少なくとも上部の下に)位置する。図4から明らかなように、固定本体20は、基本的に、第1クランプ部30と、第2クランプ部32と、回動ピン34と、ボルト36と、を有する。クランプ部30,32の第1端部は、ともに、従来と同様に自転車10に対して略垂直方向において延びている回動ピン34によって回動可能に連結される。クランプ部30,32の他方の端部は、ともに、ボルト36を介して取り外し可能に接続される。第1及び第2クランプ部30,32は、剛性材料で形成され、フロントディレーラ12の固定本体20を自転車10のシートチューブ11aに移動不能に固定する。好ましくは、クランプ部30,32は、打ち抜き加工/曲げ加工、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属で構成される。
第1クランプ部30は、ポジショニング装置22及び支持リンク24を介して、チェーンガイド26を支持する。具体的には、以下に説明するように、第1クランプ部30は、ポジショニング装置22の一部を取り付けるように構成される第1及び第2ネジ孔30a,30bを有する。支持リンク24は、従来の回動ピンなどを従来と同様に用いて、第1クランプ部30及びチェーンガイド26に回動可能に連結される。
次に、図2〜図49を参照して、本発明にかかるポジショニング装置22を説明する。ポジショニング装置22は、メイン装着アクセル40と、ハウジング部材42と、ケーブル巻き取り部材44と、ホールディング部分すなわち保持部分46と、被動作部分すなわちリンク部分48と、ポジショニング機構50と、を有する。ポジショニング機構50は、ケーブル巻き取り部材44、保持部分46及びリンク部分48を、ハウジング部材42に対して、本発明にかかる少なくとも2つの動作ポジション(ここでは3つを図示)に、取り外し可能に保持する。
メイン装着アクセル40は、第1クランプ部30に固定される。具体的には、メイン装着アクセル40は、第1クランプ部30の取付孔30aにネジ込まれて取り付けられる。ハウジング部材42は、メイン装着アクセル40に支持され、孔30bに取り付けられるボルトなど少なくとも1つの追加の留め具41を介して第1クランプ部30に取り付けられ、これにより、ハウジング部材42が、固定本体20の第1クランプ部30に移動不能に固定される。こうして、図8から明らかなように、ハウジング部材42、メイン装着アクセル40及び少なくとも1つの追加の留め具41は、本発明にかかる、固定本体20に移動不能に固定される固定部材の一部を構成する。
ワイヤ巻取部材44、保持部分46及びリンク部分48は、すべて、回動軸A回りに回転するように、メイン装着アクセル40に回動可能に支持される。ワイヤ巻取部材44、保持部分46及びリンク部分48は、ともに接続され、フロントシフタ14Fの操作によるフロントシフトコントロールケーブル16Fの移動に応じて、少なくとも2つの(ここでは3つを図示)シフトポジション間でチェーンガイド26を選択的に移動させる。ワイヤ巻取部材44、保持部分46及びリンク部分48は、回動軸A回りにフロントディレーラ12の固定部に対して付勢部材によって周方向に付勢されていない。こうして、ワイヤ巻取部材44、保持部分46及びリンク部分48は、メイン装着アクセル40及びハウジング部材42に移動可能に連結される動作部材の一部を構成し、以下に説明するように、本発明にかかる少なくとも2つの動作ポジション(ここでは3つを図示)間で移動する。
図41〜図49から明らかなように、ポジショニング機構50は、ハウジング部材42、ワイヤ動作部材44及び保持部分46の間で機能的に配置され、チェーンガイド26のシフトポジションの数に対応するいくつかの動作ポジション(少なくとも2つ)にこれらのパーツを保持する。被動作部分すなわちリンク部分48は、チェーンガイド26に回動可能に連結され、互いに異なる動作ポジション間でのワイヤ動作部材44及び保持部分46の移動に応じて、互いに異なるシフトポジション間でチェーンガイド26を移動させる。具体的には、リンク部分48は、調整機構52を介して保持部分46に取り付けられており、これにより、リンク部分48及び保持部分46は、常に、ともに回転し、しかも、以下に説明するように、リンク部分48と保持部分46の相対的な回転位置は調整可能である。こうして、保持部分46がワイヤ動作部材44によって回転されると、リンク部分48は回動軸A回りに回動し、チェーンガイド26を移動させる。
図2〜図8及び図13〜図15を参照して、メイン装着アクセル40をより詳細に説明する。メイン装着アクセル40は、基本的に、ロッド状に形成されている。メイン装着アクセル40は、ネジ形成部40aと、ツール係合部40bと、支持部40cと、保持部40dと、を有している。ネジ形成部40aと、ツール係合部40bと、支持部40cと、保持部40dと、は、好ましくは、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に形成される。
ネジ形成部40aは第1クランプ部のネジ孔30aに収容される。ツール係合部40bは、第1クランプ部30への取り付けの際にメイン装着アクセル40を回転させるよう用いられ、また、ハウジング部材42を第1クランプ部30から間隔をあけて配置させる。支持部40cは、ハウジング部材42、ワイヤ動作部材44、保持部分46及びリンク部分48を回動可能に支持する。しかしながら、ハウジング部材42は、少なくとも1つの留め具41により、第1クランプ部30に対して移動不能である。好ましくは、付加的なスペーシングワッシャが、第1クランプ部30とハウジング部材42との間の少なくとも1つの留め具41に配置される。保持部40dは、保持クリップなどを収容する環状溝を有し、これにより、ワイヤ動作部材44、保持部分46及びリンク部分48を支持部40cに保持する。
次に、図2〜図8,図16〜図19、図23及び図24を参照して、ハウジング部材42をより詳細に説明する。ハウジング部材42は、基本的に、フロントシフトケーブル16Fを収容するための開放端部を有するカップ状の部材である。ハウジング部材は、ベースプレート42aと、円弧状の凹部42cが内部に形成される概ね半環状の壁42bと、を有している。ベースプレート42a、及び円弧状の凹部42cを有する概ね半環状の壁42bは、好ましくは、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に形成される。
ベースプレート42aは、メイン装着アクセル40及び少なくとも1つの留め具41を収容するように、孔が内部に形成されている。概ね半環状の壁42bは、ベースプレート42aから回動軸Aと平行な方向に延設される。円弧状の凹部42cは、ポジショニング機構50の一部分と解除可能に係合する円弧状の係合部材43(図23及び図24)を収容する。具体的には、係合部材43は、好ましくは、ポジショニング装置22の操作部の所望の数に対応する多くのノッチ43aを有している。ノッチ43aは、ハウジング部材42(固定部材)の噛み合い構造を構成する。係合部材43は、好ましくは、プラスチック材料など、比較的摩擦係数が低い、軽量で剛性のある材料で構成される。本実施形態では、係合部材43は、円弧状の凹部42c内へと軸方向にスライドされて、一体的な部材として構成される。
図2〜図8及び図20〜図22を参照して、ワイヤ動作部材44をより詳細に説明する。ワイヤ動作部材44は、基本的に、ディスク状(リング)に形成されている。ワイヤ動作部材44は、本体部44aと、1組の作動凸部44bと、ケーブル取付凸部44cと、保持/解放部分44dと、本体部分44a回りに延びている1組の周上巻き取り溝44eと、を有している。本体部44aは、メイン回動アクセル30に装着される。本体部44a、1組の作動凸部44b、ケーブル取付凸部44c及び保持/解放部分44dは、好ましくは、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に形成される。ワイヤ巻取部材44は、動作部材の入力部を構成する。
作動凸部44b及び保持・解放部分44dは、本体部44aの軸方向の一方の側から延設される。また、ケーブル取付凸部44cは、本体部44の軸方向の反対の側から延設される。L字状のケーブル取付プレート45bをケーブル取付凸部44cに取り付けるために、ケーブル取付凸部44cは、ボルトなど留め具45aを収容するネジ穴を有する。図2〜図4及び図8から明らかなように、L字状のケーブル取付プレート45bは、フロントシフトケーブル16Fのインナワイヤ16bをワイヤ巻き取り溝44eに保持する。本体部分44aの外周面は、図21に示す1つのフラットな側面を有しており、これにより、フロントシフトケーブル16Fをフラットな側面にクランプしやすくしている。ワイヤ巻き取り溝44eは、このフラットな側面に沿って、より浅くすることができる。
図6及び図7に示すように、インナワイヤ16bは、本体部44a周囲のワイヤ巻き取り溝44eにおいてL字状のケーブル取付プレート45bから互いに周方向の反対方向に延び、さらにシートチューブ11aに沿って上方向に延びている。ワイヤ巻き取り溝44e、ケーブル取付凸部44c、留め具45a及びL字状のプレート45bは、フロントシフトケーブル16Fのインナワイヤ16bの自由端をワイヤ動作部材44に固定的に取り付けるケーブル取付構造の一部を構成する。フロントシフタ14Fは、フロントシフトケーブル16Fのインナワイヤ16bの一方を引っ張る。また、フロントシフトケーブル16Fのインナワイヤ16bの他方は、ワイヤ動作部材44を回動軸A回りに往復回転させるために、フロントシフタ14Fによって、対応する量の分だけ解放される。
作動凸部44bは、回動軸A回りに周方向に互いから間隔をあけて配置される。作動凸部44bは、ワイヤ動作部材44が動作ポジションから回動軸A回りに、所定量だけ移動した後保持部分46と当接するように配置されている。ワイヤ動作部材44が動作ポジションから回動軸A回りに、所定量だけ移動した後、保持部分46はワイヤ動作部材44とともに回転する。ワイヤ動作部材44は、好ましくは、どちらの回転方向にも往復移動可能である。作動凸部44bは、本発明にかかるポジショニング装置22の入力部の作動部の一部を構成する。
以下に説明するように、ワイヤ動作部材44が、動作ポジションから回動軸A回りに、所定量だけ移動すると、ワイヤ動作部材44の保持/解放部分44dは、ポジショニング機構50と非係合となる。保持/解放部分44dは、好ましくは、作動凸部44bから周方向に均等に間隔をあけて配置されており、動作ポジションからの回動軸A回りの所定量は、どちらの回転方向でも同じである。保持/解放部分44dは、円弧状に形成されており、1組の端部凸部44fと、止まり孔44gと、を有する。1組の端部凸部44fは径方向に延設される。止まり孔44gは保持/解放部分44dの外側の面から径方向内側に延びている。以下に説明するように、保持/解放部分は、保持部分46を回転不能/可能にし、ポジショニング機構50を選択的に維持/解放するように構成されている。
次に、図2〜8、及び図28〜図33を参照して、保持部分46をより詳細に説明する。保持部分46は、1組の互いに対向する周辺当接面46aと、調整凸状部46bと、1組の円弧状のスロット46cと、ポジショニング凹部46dと、を有する概ね扇型の部材である。好ましくは、保持部分46は、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に形成される。
ワイヤ動作部材44の作動凸部44bは、当接面46aと選択的に当接し、これにより、ワイヤ動作部材44が、ワイヤ動作部材44との保持部分46との間の(つまり、それぞれの回転方向の)所定量の相対回転後に、保持部分46を移動させる。調整凸状部46bは、リンク部分48に取り付けられている1組のネジ53と当接する。こうして、保持部分46及びリンク部分48の相対的な回転位置を、ネジ53を回転させることにより調整することができる。調整凸状部46b及びネジ53は、調整機構52の一部を構成する。通常、保持部分46及びリンク部分48が互いに対して相対回転可能とならないように、ネジ53は締められている。しかしながら、保持部分46及びリンク部分48の相対的位置を調整する必要がある場合、ネジ53の一方は緩められ、他方のネジ53が、対応する量だけ締められる。
図41、図45、図46及び図49からわかるように、ポジショニング凹部46dは、保持/解放44dの周方向の対向する両側に配置された1組の付勢エレメント(スプリング)47を用いて、保持/解放部分44dを内部に収容し、これにより、保持部分46を、ワイヤ動作部材44に対する回転移動の制限された範囲の2つの端部位置間の静止中間位置に維持している。しかしながら、図42〜図44、図47及び図48から明らかなように、凹部46b、付勢エレメント47及びワイヤ動作部材44の保持/解放部分44dの構成により、ワイヤ動作部材44と保持部分46は、制限された範囲で、相対的に回転移動できる。以下に説明するように、ポジショニング機構50の一部も、また、凹部46b及びスロット46c内に収容される。
次に、図2〜図8、及び図34〜図40を参照して、リンク部分48をより詳細に説明する。リンク部分48は、基本的に、第1端部48aと、第2端部48bと、1組の調整フランジ48cと、を有している。好ましくは、リンク部分48は、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に形成される。第1端部48aは、メイン装着アクセル40に回動可能に装着される。第2端部48bは、従来の回動ピンあるいは回動軸ボルトを用いて、チェーンガイド26に回動可能に取り付けられる。
調整凸状部46bは、調整フランジ48c間に配置され、これにより、ネジ53が調整フランジ48cにネジ締めされて取り付けられて調整凸状部46bと当接することができる。こうして、保持部分46が回動軸A回りに回転すると、リンク部分48は回動軸A回りに回転し、これにより、チェーンガイド26を移動させる。保持部分46及びリンク部分48は、動作部材の出力部の2つのパーツを構成する。調整フランジ48cは、調整凸状部46b及びネジ53とともに、保持部分46とリンク部分48との間の調整機構52の一部を構成する。
次に、図25〜図27を参照して、ポジショニング機構50をより詳細に説明する。ポジショニング機構50は、基本的に、ポジショニング部材54と、さらには、ワイヤ動作部材44の一部(例えば、保持/解放部分44d)と、保持部分46の一部(例えば、スロット46c及びポジショニング凹部46d)と、ハウジング部材42の一部(例えば、係合部材43)と、を備える。ポジショニング部材は、中央係合凸部54aと、中央スプリング支持凸部54bと、ポジショニング部材の両端部に配置された1組のピン54cと、を有する円弧状の部材である。ポジショニング部材54は、好ましくは、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属材料など軽量剛性材料から一体の単一部材として、一体的に構成される。好ましくは、ポジショニング部材54は、使用時に変形しない材料(つまり、比較的非弾性的な剛性材料)で構成される。
図2〜図49を参照して、ポジショニング部材54は、保持/解放部分44dとともに、保持部分のポジショニング凹部46d内に配置される。ポジショニング部材54のピン54cは、スロット46c内に収容されて、ポジショニング部材54の移動をコントロールする。径方向の付勢部材56は、中央のスプリング支持凸部54bに装着され、かつ、止まり孔44gの保持/解放部分44d内に収容されて、ポジショニング部材を、係合部材43との係合状態にある第1位置へ向かって、常に、付勢している。また、ワイヤ動作部材44が、動作ポジションの1つにあるとき、1組の端部凸部44fは、(ピン54c)ポジショニング部材54を第1位置に保持する。
しかしながら、ワイヤ動作部材44が、保持部分46に対して相対的に、所定量だけ回動すると、ピン54cの一方だけが保持され、他方のピン54cは対応するスロット46cにおいて可動である。こうして、この状態になると、ポジショニング部材54は、係合部材43から非係合となる第2位置へと移動することができる。つまり、ポジショニング部材54は、選択的にピン54cの一方の回りに回動し、これにより、ポジショニング部材54が第1位置から第2位置へ移動するとき、他方のピン54cはその対応するスロット46c内でスライドする。ポジショニング部材54の第1位置から第2の位置へのこのような移動を、図41〜図43及び図46〜図48に示す。つまり、付勢エレメント47は、ワイヤ動作部材44を保持(中間)位置に通常維持し、これにより、ワイヤ動作部材44が動作ポジションのそれぞれにあるとき、ポジショニング部材54を係合部材43の噛み合い構造との係合状態に保持する。
図2〜図8を再び参照して、支持リンク24は、接続部64を有する1組(フロント及びリア)のリンクプレート60,62を備える。接続部64は、リンクプレート60,62間で延設される。支持リンク24は、硬質剛性材料から好ましくは構成される。例えば、支持リンクは、好ましくは、打ち抜き加工/曲げ加工、鋳造及び/又は機械加工などの従来の生産技術を用いて金属で構成される。フロントディレーラ12が組み上げられたとき、リンクプレート60,62は、略垂直なプレートであり、一方、接続部64は自転車10に対して長手方向に延設されている。
リンクプレート60,62は、従来の回動ピンなどを介して、従来と同様に、固定本体20の第1クランプ部30に回動可能に連結される。チェーンガイド26を回動可能に支持するために、リンクプレート60,62は、また、従来の回動ピンなどを介して、従来と同様に、チェーンガイド26に回動可能に連結される。リンクプレート60は、調整ネジ70,72と選択的に係合する扇状の端部を有する。調整ネジ70,72は、従来と同様に、チェーンガイド26の移動を最も延出した位置と最も後退した位置にそれぞれ制限する。調整ネジ70,72は、チェーンガイド26にネジ締めして取り付けられている。したがって、調整ネジ70は、チェーンガイド26の外側への移動を(トップの)最も延出した位置に制限する高速側調整ネジであり、また、調整ネジ72は、チェーンガイド26の内側への移動を最も後退した位置に制限する低速側調整ネジである。
図2〜図8をさらに参照して、チェーンガイド26は、インナガイドプレート80と、アウタガイドプレート82と、を有している。アウタガイドプレート82は、インナガイドプレート80に対して、間隔をあけて、曲がらないよう強固に接続され、これにより、チェーン収容領域を、インナガイドプレート80とアウタガイドプレート82との間に形成する。ガイドプレート80,82のそれぞれは、硬質剛性材料から構成されている。例えば、チェーンガイド26のガイドプレート80,82のそれぞれは、所望の形状に曲げられた剛性のシート状金属など金属材料から好ましくは構成される。インナ及びアウタガイドプレート80,82は、ともに、チェーンガイド26のフロント部及びチェーンガイド26のリア部に接続される。インナガイドプレート80は、回動ピンあるいは回動軸ボルトを用いて、ポジショニング装置22(つまりリンク部分48)に回動可能に連結されるとともに、支持リンク24のリンクプレート60,62に回動可能に連結される。
[リアディレーラ]
次に、図50〜図52を参照して、本発明の一実施形態によるリア変速システムのリアディレーラ18をより詳細に説明する。リアディレーラ18は、固定本体すなわちベース部材120と、リアディレーラ(部品)ポジショニング装置122と、1組のリンク124と、リアチェーンガイド128を支持する可動部材126と、を備える。固定本体120は、従来と同様、フレーム11のリア側トライアングル部に固定的に取り付けられる。リンク124は、ベース部材120と可動部材126との間で回動可能に連結されて、従来と同様に、4節リンク機構を形成する。ポジショニング装置122は、ベース部材120のリンク124の回動軸のうちの1つと共通である回動軸を有するとともに、ポジショニング装置122と共通の回動軸を有するリンク124に連結されている。こうして、ポジショニング装置122は、リアシフトケーブル16Rのインナワイヤ16bを引っ張り、あるいは解放することに応じて、リンク124のうちの1つを回転させ、これにより、可動部材126及びチェーンガイド128をリアスプロケットRS上で横方向に移動させる。可動部材126及びチェーンガイド128は、付勢部材によって、ベース部材120に対して相対的に、シフトポジションのうちのいずれか1つのポジションへ向かって、常時、付勢されるわけではない。リアディレーラ18のポジショニング装置122の作動は、リアシフタ14Rによってコントロールされる。それを以下に説明する。
次に、図50〜図52を参照して、本発明の一実施形態によるリア変速システムのリアディレーラ18をより詳細に説明する。リアディレーラ18は、固定本体すなわちベース部材120と、リアディレーラ(部品)ポジショニング装置122と、1組のリンク124と、リアチェーンガイド128を支持する可動部材126と、を備える。固定本体120は、従来と同様、フレーム11のリア側トライアングル部に固定的に取り付けられる。リンク124は、ベース部材120と可動部材126との間で回動可能に連結されて、従来と同様に、4節リンク機構を形成する。ポジショニング装置122は、ベース部材120のリンク124の回動軸のうちの1つと共通である回動軸を有するとともに、ポジショニング装置122と共通の回動軸を有するリンク124に連結されている。こうして、ポジショニング装置122は、リアシフトケーブル16Rのインナワイヤ16bを引っ張り、あるいは解放することに応じて、リンク124のうちの1つを回転させ、これにより、可動部材126及びチェーンガイド128をリアスプロケットRS上で横方向に移動させる。可動部材126及びチェーンガイド128は、付勢部材によって、ベース部材120に対して相対的に、シフトポジションのうちのいずれか1つのポジションへ向かって、常時、付勢されるわけではない。リアディレーラ18のポジショニング装置122の作動は、リアシフタ14Rによってコントロールされる。それを以下に説明する。
リアディレーラ18は、ポジショニング装置122を除いて、ほぼ従来のものである。したがって、本発明のポジショニング装置122に関するものを除いて、ここでは、リアディレーラ18を、詳細には、説明及び/又は図示しない。また、ポジショニング装置122が、ポジショニング装置22の係合部材43の代わりに変形例としての係合部材143を用いることを除いて、ポジショニング装置122は、フロントディレーラ12のポジショニング装置22と同一である。したがって、ポジショニング装置122は、ここでは、詳細には、説明及び/又は図示しない。しかしながら、ここでの説明及び/又は図示以外の、ポジショニング装置22の説明及び図示がポジショニング装置122にもまた当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。また、簡単化のため、ポジショニング機構22と同一のポジショニング装置122のパーツには、同一の参照符号を付して同一のものとする。
動作(シフト)ポジションの数が、リアスプロケットRSの数が増加していることに対応して増えていることを除いて、係合部材143は、フロントディレーラ12の係合部材43と同一である。したがって、係合部材143は、係合部材43よりもより多くのノッチ143aを有する。いずれの場合も、リアディレーラチェーンガイド128は、ポジショニング装置122に機能的に連結されており、これにより、ポジショニング装置122のパーツが、前記同様に、互いに異なるシフトポジション間で移動されると、ポジショニング装置122のリンク部分48が、リンク124をベース部材120上のそれぞれの回動軸回りに移動させて、チェーンガイド128を延出ポジションと後退ポジションとの間で移動させる。リンク124の移動によって行われるチェーンガイド128の移動は、当技術分野においてよく知られており、したがって、簡潔化のため、ここでは、さらに詳細には、説明及び/又は図示しない。
[フロント及びリアシフタ]
次に、図53及び図54を参照して、本発明の一実施形態によるフロント及びリア変速システムのフロント及びリアシフタ14F,14Rをそれぞれより詳細に説明する。フロントシフタ14Fは、固定本体220Fと、フロントポジショニング装置222Fと、シフトレバーSLと、を有している。同様に、リアシフタ14Rは、固定本体220Rと、リアポジショニング装置222Rと、シフトレバーSLと、を有している。フロント及びリアシフタ14F,14Rは、互いに対して鏡像で、ポジショニング装置222F,222Rにおける係合部材43,143をそれぞれ利用することを除いて、互いに同一である。ポジショニング装置222Fは、ポジショニング装置22のリンク部分48がなく、シフトレバーSLが加えられたことを除いて、ポジショニング装置22と同一である。同様に、ポジショニング装置222Rは、ポジショニング装置122のリンク部分48がなく、シフトレバーSLが加えられたことを除いて、ポジショニング装置122と同一である。シフトレバーSLは、フロント及びリアポジショニング装置222F,222Rのワイヤ動作部材44を移動させるように配置される。
次に、図53及び図54を参照して、本発明の一実施形態によるフロント及びリア変速システムのフロント及びリアシフタ14F,14Rをそれぞれより詳細に説明する。フロントシフタ14Fは、固定本体220Fと、フロントポジショニング装置222Fと、シフトレバーSLと、を有している。同様に、リアシフタ14Rは、固定本体220Rと、リアポジショニング装置222Rと、シフトレバーSLと、を有している。フロント及びリアシフタ14F,14Rは、互いに対して鏡像で、ポジショニング装置222F,222Rにおける係合部材43,143をそれぞれ利用することを除いて、互いに同一である。ポジショニング装置222Fは、ポジショニング装置22のリンク部分48がなく、シフトレバーSLが加えられたことを除いて、ポジショニング装置22と同一である。同様に、ポジショニング装置222Rは、ポジショニング装置122のリンク部分48がなく、シフトレバーSLが加えられたことを除いて、ポジショニング装置122と同一である。シフトレバーSLは、フロント及びリアポジショニング装置222F,222Rのワイヤ動作部材44を移動させるように配置される。
ポジショニング装置222F,222Rとポジショニング装置22,122との間のそれぞれの類似性を考慮して、ポジショニング装置222F,222Rを、ここでは、詳細には、説明及び/又は図示しない。しかしながら、ここでの説明及び/又は図示以外の、ポジショニング装置22,122の説明及び図示がポジショニング装置222F,222Rもまたそれぞれ当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。また、簡単化のため、ポジショニング機構22,122とそれぞれ同一のポジショニング装置222f,222Rのパーツには、同一の参照符号を付して同一のものとする。いずれの場合も、シフトコントロールレバーSLのライダーの操作に応じてワイヤ動作部材44を動作ポジションから移動させるために、シフトコントロールレバーSLは、ワイヤ動作部材44に機能的に連結される。
[用語の概括的な説明]
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、エレメント、部品、群、完全体、及び/又はステップがあることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、エレメント、部品、群、完全体、及び/又はステップがあることを排除するものではない。これらのことは、用語「有する」、「含む」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「部分」、「セクション」、「部」、「部材」あるいは「エレメント」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。ここで、本発明を説明するために用いられる、次の用語、「前方、後方、上、下向き、垂直、水平、下、横」同じく他の同様な方向を示す用語が、本発明の自転車の方向を示す用語として使用されている。このように、本発明において用いられるこれらの用語は、通常のライディングポジションにおいて用いられるような、本発明が適用される自転車に対して相対的な意味で用いられる。さらには、ここでは、「略」、「およそ」、「約」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、エレメント、部品、群、完全体、及び/又はステップがあることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、エレメント、部品、群、完全体、及び/又はステップがあることを排除するものではない。これらのことは、用語「有する」、「含む」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「部分」、「セクション」、「部」、「部材」あるいは「エレメント」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。ここで、本発明を説明するために用いられる、次の用語、「前方、後方、上、下向き、垂直、水平、下、横」同じく他の同様な方向を示す用語が、本発明の自転車の方向を示す用語として使用されている。このように、本発明において用いられるこれらの用語は、通常のライディングポジションにおいて用いられるような、本発明が適用される自転車に対して相対的な意味で用いられる。さらには、ここでは、「略」、「およそ」、「約」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
本発明の説明のためにいくつかの実施形態が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することがない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。さらに、前述の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
10 自転車
11 フレーム
12 フロントディレーラ
13 ハンドルバー
14F フロントシフタ
14R リアシフタ
16F フロントシフトコントロールケーブル
16R リアシフトコントロールケーブル
16a アウタケーシング
16b インナワイヤ
18 リアディレーラ
20 固定本体
22 フロントディレーラポジショニング装置
24 支持リンク
26 チェーンガイド
40 メイン装着アクセル
42 ハウジング部材
43 係合部材
43a ノッチ
44ワイヤ動作部材
44a 本体部
44b 作動凸部
44c ケーブル取り付け凸部
11 フレーム
12 フロントディレーラ
13 ハンドルバー
14F フロントシフタ
14R リアシフタ
16F フロントシフトコントロールケーブル
16R リアシフトコントロールケーブル
16a アウタケーシング
16b インナワイヤ
18 リアディレーラ
20 固定本体
22 フロントディレーラポジショニング装置
24 支持リンク
26 チェーンガイド
40 メイン装着アクセル
42 ハウジング部材
43 係合部材
43a ノッチ
44ワイヤ動作部材
44a 本体部
44b 作動凸部
44c ケーブル取り付け凸部
Claims (22)
- 固定部材と、
少なくとも2つの動作ポジション間で移動するよう前記固定部材に移動可能に連結され、入力部及び出力部を有する動作部材と、
前記動作部材と前記固定部材との間で機能的に配置され、ポジショニング部材を有し、前記ポジショニング部材が前記固定部材と係合する第1位置と前記ポジショニング部材が前記固定部材から非係合となる第2位置との間で移動可能である、ポジショニング機構と、
を備え、
前記入力部が前記動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションにあるとき、前記ポジショニング部材は前記入力部によって前記第1位置において前記固定部材と係合状態に保持され、
前記ポジショニング部材は、前記動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションからの入力部の移動に応じて、前記第1位置から前記第2位置へ移動可能である、
自転車部品ポジショニング装置。 - 前記動作部材は、回動軸回りに回動可能に前記固定部材に連結されている、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材は、付勢部材によって前記固定部材に対して前記回動軸回りに付勢されていない、請求項2に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材の前記入力部は、前記入力部が前記動作ポジションのうち少なくとも1つのポジションから前記回動軸回りに所定量だけ移動した後、前記動作部材の前記出力部を移動させるよう構成された作動部を有する、請求項2に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記作動部は、前記入力部が前記動作ポジションから前記回動軸回りに前記所定量だけ移動した後、前記出力部と選択的に当接する、1組の周方向に間隔をあけて配置された作動当接部を有する、請求項4に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材の前記出力部は、調整機構を用いて、第2部分に取り付けられる第1部分を有しており、これにより、前記第1及び第2部分の相対位置を調整する、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記入力部及び前記出力部は、制限された範囲で相対的に回転移動するように互いに連結されている、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材は、前記出力部と前記入力部との間で配置される少なくとも1つのエレメントを有し、これにより、前記出力部を回転移動の前記制限された範囲の2つの端部位置の間の静止中間位置に維持する、請求項7に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材は、前記入力部の周方向の両側に配置される1組の付勢エレメントを有している、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記付勢エレメントは、通常時において前記入力部を中間位置に維持し、これにより、前記入力部が前記動作ポジションのそれぞれのポジションにあるとき、前記ポジショニング部材を前記固定部材の噛み合い構造との係合状態に保持する、請求項9に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、前記ポジショニング部材と前記入力部との間に配置された付勢エレメントによって、前記第1位置へ向かって常時付勢される、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、前記第1位置と前記第2位置との間で移動するよう、前記出力部によって移動可能に支持される、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、中央凸部を有する円弧状に形成されており、前記中央凸部は前記円弧状の構造から延びている円弧状の構造を備えるとともに、前記固定部材の噛み合い構造と選択的に係合する、請求項12に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、前記ポジショニング部材の両端に配置されるピンを有しており、それぞれのピンは前記出力部のそれぞれの対応するスロット内に収容される、請求項13に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、選択的に前記ピンのうちの一方の回りに回動し、これにより、前記ポジショニング部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動するとき、他方のピンはその対応するスロット内でスライドする、請求項14に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は、前記出力部のスロットに配置される少なくとも1つの凸部を有しており、これにより、前記第1位置と前記第2位置との間の前記ポジショニング部材の移動をコントロールする、請求項12に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記入力部及び前記出力部の一方はケーブル取り付け構造を有しており、前記ケーブル取り付け構造は、少なくとも1つのコントロールケーブルを前記入力部及び前記出力部の前記一方に取り付けるよう構成されている、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ケーブル取り付け構造を有する前記入力部及び前記出力部の一方は、第1円周方向に前記ケーブル取り付け構造から離れよう延びる第1ワイヤ巻き取り溝と、前記第1円周方向と反対の第2円周方向に前記ケーブル取り付け構造から離れるよう延びる第2ワイヤ巻き取り溝と、を有する、請求項17に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記ポジショニング部材は剛性材料で形成されている、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材に機能的に連結され、これにより、前記2つの動作ポジション間の動作部材の移動に応じて延出ポジションと後退ポジションとの間で移動するフロントディレーラーチェーンガイドをさらに備える、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
- 前記動作部材に機能的に連結され、これにより、前記2つの動作ポジション間の動作部材の移動に応じて延出ポジションと後退ポジションとの間で移動するリアディレーラチェーンガイド
をさらに備える、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。 - 前記動作部材に機能的に連結され、ライダーの操作に応じて前記入力部を前記動作ポジションから移動させるシフトコントロールレバーをさらに備える、請求項1に記載の自転車部品ポジショニング装置。
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