JP2008193824A - 非常用発電装置 - Google Patents

Abstract

【課題】簡単な構造で充電器の電源切替を無接点で行うことができ、コストの低減化や耐久性及びメンテナンス性の向上を図ることのできる非常用発電装置を提供する。
【解決手段】非常用発電装置１０のバッテリー充電用回路１７は、商用電源１１側の回路１１ａから分岐したバッテリー充電用回路１７ａと、エンジン発電機１２側の回路１２ａから分岐したバッテリー充電用回路１７ｂと、各バッテリー充電用回路１７ａ，１７ｂのそれぞれに設けられた第１充電器１８ａ及び第２充電器１８ａと、第１充電器１８ａ及び第２充電器１８ｂの出力側に設けられて各充電器１８ａ，１８ｂからバッテリー側にのみ電流を流すダイオード１９ａ，１９ｂとを備え、両ダイオード１９ａ，１９ｂからの出力が一つの回路１９ｃにまとめられて所定電圧、所定電流の充電用直流電力としてバッテリー１６に供給される。
【選択図】図１

Description

本発明は、商用電源の停電時にエンジン発電機を作動させて負荷に電力を供給する非常用発電装置に係り、詳しくは、エンジン発電機のエンジンを始動するためのバッテリーを充電する充電回路の構成に関する。

停電時にエンジン発電機を運転して負荷に電力を供給する非常用発電装置は、エンジン始動のためのバッテリーとバッテリー用の充電器とを備えており、停電時に確実にエンジンを始動できるように、バッテリーは常時商用電源で充電されている（例えば、特許文献１参照。）。

図３は、標準的な非常用発電装置の充電回路を示したもので、エンジンＥを備えたエンジン発電機３１と、エンジン始動のためのバッテリー３２と、バッテリー用の充電器３３と、商用電源３４とエンジン発電機３１とを切替えて負荷３５と充電器３３とに電力を供給する切替スイッチ３６とがパッケージ３７内に搭載され、充電器３３は常に電源を確保した状態（常時活き）となっている。

また、非常用発電装置を設置する現場の都合によって負荷に供給する電力を切り替える切替スイッチを非常用発電装置とは別に設けなければならない場合は、図４に示されるように、パッケージ３７内に、エンジンＥを備えたエンジン発電機３１と、エンジン始動のためのバッテリー３２と、バッテリー用の充電器３３と、商用電源３４とエンジン発電機３１とを切替えて充電器３３に電力を供給する切替スイッチ３６ａとが搭載され、商用電源３４とエンジン発電機３１とを切替えて負荷３５に電力を供給する切替スイッチ３６ｂは、パッケージ３７の外に設けられる。
特開平１１−１８３２０号公報

図３に示すように、非常用発電装置内に切替スイッチが設けられてバッテリー充電用の回路を常時活きの状態にできる場合には問題はないが、図４に示すように、負荷に供給する電力を切り替える切替スイッチを非常用発電装置とは別に設けなければならない場合、商用電源の回路から非常用発電装置へバッテリー充電用の専用の回路を別途設けるとともに、非常用発電装置内にバッテリー充電用の回路を商用電源側とエンジン発電機側とに切り替えるための専用の切替スイッチを対負荷用の切替スイッチとは別に設ける必要が生じる。

このとき、バッテリー充電用の回路に設ける切替スイッチに有接点スイッチを用いると、接点の劣化を考慮しなければならないだけでなく、切替スイッチの入力側が発電機電圧と商用電圧との異電源突き合わせ回路となることから、簡単な小形リレーでは絶縁距離等の特性が不十分であり、それなりのアーク対策が施された切替スイッチが必要となる。したがって、バッテリー充電用のためだけに専用の高電圧対応の切替スイッチを別途設置しなければならず、非常用発電装置のコストアップの要因となっていた。

そこで本発明は、簡単な構造でバッテリー充電用回路の電源切替を無接点で行うことができ、コストの低減化や耐久性及びメンテナンス性の向上を図ることができる非常用発電装置を提供することを目的としている。

上記目的を達成するため、本発明の非常用発電装置における第１の構成は、商用電源の停電時に作動するエンジン発電機と、該エンジン発電機のエンジンを始動させるためのバッテリーと、負荷に供給する電力を商用電源とエンジン発電機とに切り替える切り替えスイッチとを備えた非常用発電装置において、前記商用電源から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路と、前記エンジン発電機から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路とを設けるとともに、前記各バッテリー充電用回路に、商用電源又はエンジン発電機からの高圧交流電力をバッテリー充電用の低圧直流電力に変換する商用電源側の第１充電器とエンジン発電機側の第２充電器とをそれぞれ設け、第１充電器の出力及び第２充電器の出力を、各充電器からバッテリー側にのみ電流を流すダイオードを介して前記バッテリーにそれぞれ接続したことを特徴としている。

また、本発明の非常用発電装置における第２の構成は、商用電源の停電時に作動するエンジン発電機と、該エンジン発電機のエンジンを始動させるためのバッテリーと、負荷に供給する電力を商用電源とエンジン発電機とに切り替える切り替えスイッチとを備えた非常用発電装置において、前記商用電源から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路と、前記エンジン発電機から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路とを設けるとともに、前記各バッテリー充電用回路に、商用電源又はエンジン発電機からの高圧交流電力を低圧交流電力に変換する商用電源側の第１変圧器とエンジン発電機側の第２変圧器とをそれぞれ設け、第１変圧器の出力及び第２変圧器の出力を、各変圧器からバッテリー側にのみ電流を流すダイオードを介してバッテリー充電用のスイッチング回路の入力側にそれぞれ接続し、該スイッチング回路の出力を前記バッテリーに接続したことを特徴としている。

本発明によれば、充電器又は変圧器によって商用電圧やエンジン発電機電圧からバッテリー充電用の所定の低電圧に変換してから一対のダイオードを突き合わせてバッテリーの充電用に使用するので、有接点の高圧用切替スイッチを用いることなく簡単な回路構成で無接点化を図ることができ、接点の劣化の虞がなくなり、耐久性が向上するとともに保守点検が簡単になり、メンテナンス性の向上も図ることができる。

図１は本発明の非常用発電装置の第１形態例を示すブロック図である。この非常用発電装置１０は、商用電源１１と非常用発電装置としてのエンジン発電機（Ｇ）１２とを切替えて負荷１３に電力を供給する切替スイッチ１４が現場の都合で外部に設けられたものであって、パッケージ１５内には、エンジン発電機１２のエンジンＥを始動させるためのバッテリー１６と、商用電源１１及びエンジン発電機１２のいずれか一方からの高圧交流電力をバッテリー充電用として用いるバッテリー充電用回路１７が設けられている。

バッテリー充電用回路１７は、前記商用電源１１から切替スイッチ１４を介して負荷１３に至る回路１１ａから分岐した商用電源側のバッテリー充電用回路１７ａと、前記エンジン発電機１２から切替スイッチ１４を介して負荷１３に至る回路１２ａから分岐したエンジン発電機側のバッテリー充電用回路１７ｂと、前記各バッテリー充電用回路１７ａ，１７ｂのそれぞれに設けられて商用電源１１又はエンジン発電機１２からの高圧交流電力をバッテリー充電用の低圧直流電力に変換する商用電源側の第１充電器１８ａとエンジン発電機側の第２充電器１８ｂと、第１充電器１８ａ及び第２充電器１８ｂの出力側に設けられて各充電器１８ａ，１８ｂからバッテリー側にのみ電流を流すダイオード１９ａ，１９ｂとを備え、両ダイオード１９ａ，１９ｂからの出力が一つの回路１９ｃにまとめられて所定電圧、所定電流の充電用直流電力として前記バッテリー１６に供給される構成となっている。

このように形成された非常用発電装置１０では、通常は切替スイッチ１４が商用電源側の回路１１ａに接続しており、負荷１３に商用電源１１から所定の高圧交流電力、例えば、６０Ｈｚ、２２０Ｖが供給されるとともに、その一部が前記バッテリー充電用回路１７ａから第１充電器１８ａに供給され、該第１充電器１８ａによってバッテリー充電用の所定の電圧、例えば２４Ｖの直流に変換され、ダイオード１９ａを通って回路１９ｃからバッテリー１６に供給されてバッテリー１６が充電される。このとき、ダイオード１９ｂの作用によってエンジン発電機側のバッテリー充電用回路１７ｂへの電力は遮断された状態となっている。

この通常の状態から、商用電源１１からの給電が所定時間停止すると、切替スイッチ１４がエンジン発電機側の回路１２ａに切り替わり、負荷１３にエンジン発電機１２から電力が供給されるとともに、その一部が前記バッテリー充電用回路１７ｂから第２充電器１８ｂに供給され、該第２充電器１８ｂによってバッテリー充電用の直流に変換され、ダイオード１９ｂを通って回路１９ｃからバッテリー１６に供給されてバッテリー１６が充電される。このとき、ダイオード１９ａの作用によって商用電源側のバッテリー充電用回路１７ａへの電力は遮断された状態となる。

図２は本発明の第２形態例を示すブロック図で、第１形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。本形態例の非常用発電装置２０は、パッケージ２１内に、エンジンＥを有するエンジン発電機１２と、バッテリー１６と、バッテリー充電用回路を備えた充電器２２とが搭載されている。

充電器２２は、商用電源１１側の前記回路１１ａから分岐したバッテリー充電用回路２３ａと、前記エンジン発電機１２側の前記回路１２ａから分岐したバッテリー充電用回路２３ｂと、各バッテリー充電用回路２３ａ，２３ｂのそれぞれに設けられて商用電源１１又はエンジン発電機１２からの高圧交流電力をバッテリー充電用の低い電圧、例えば２４Ｖの交流電力に変換する商用電源側の第１変圧器２４ａとエンジン発電機側の第２変圧器２４ｂと、第１変圧器２４ａの出力及び第２変圧器２４ｂの出力側にそれぞれ設けられて各変圧器２４ａ，２４ｂからバッテリー１６側にのみ電流を流すダイオード２５ａ，２５ｂと、ダイオード２５ａ，２５ｂの出力を一つにまとめた回路２６が入力側に接続されるとともに、出力側がバッテリー１６に接続されたバッテリー充電用のスイッチング回路２６とを備えている。

このように形成された非常用発電装置２０においても、通常は切替スイッチ１４が商用電源側の回路１１ａに接続して商用電源１１から負荷１３に電力が供給されるとともに、回路１１ａに接続した充電器２２のバッテリー充電用回路２３ａによってバッテリー１６への充電が行われる。停電時には、切替スイッチ１４がエンジン発電機側の回路１２ａに切り替わってエンジン発電機１２から負荷１３に電力が供給されるとともに、回路１２ａに接続した充電器２２のバッテリー充電用回路２３ｂによってバッテリー１６への充電が行われる。

上記両形態例に示すように、本発明の非常用発電装置では、充電器又は変圧器によって低電圧に変換し、ダイオードを突き合わせることにより、通常時には商用電源から、停電時にはエンジン発電機から、それぞれ自動的にバッテリー充電用電源を確保することができる。これにより、非常用発電装置におけるバッテリー充電回路の無接点化を図れるとともに現地工事の制約を少なくすることができ、初期コストの削減、耐久性の向上、保守コストの削減等が図れる。

本発明の非常用発電装置の第１形態例を示すブロック図である。 本発明の非常用発電装置の第２形態例を示すブロック図である。 従来の非常用発電装置の一例を示すブロック図である。 従来の非常用発電装置の他の例を示すブロック図である。

符号の説明

１０…非常用発電装置、１１…商用電源、１２…エンジン発電機、１３…負荷、１４…切替スイッチ、１５…パッケージ、１６…バッテリー、１７，１７ａ，１７ｂ…バッテリー充電用回路、１８ａ…第１充電器、１８ｂ…第２充電器、１９ａ，１９ｂ…ダイオード、１１ａ，１２ａ，１９ｃ…回路、２０…非常用発電装置、２１…パッケージ、２２…充電器、２３ａ，２３ｂ…バッテリー充電用回路、２４ａ…第１変圧器、２４ｂ…第１変圧器、２５ａ，２５ｂ…ダイオード、２６ｃ…回路、２６…スイッチング回路

Claims (2)

1. 商用電源の停電時に作動するエンジン発電機と、該エンジン発電機のエンジンを始動させるためのバッテリーと、負荷に供給する電力を商用電源とエンジン発電機とに切り替える切り替えスイッチとを備えた非常用発電装置において、前記商用電源から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路と、前記エンジン発電機から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路とを設けるとともに、前記各バッテリー充電用回路に、商用電源又はエンジン発電機からの高圧交流電力をバッテリー充電用の低圧直流電力に変換する商用電源側の第１充電器とエンジン発電機側の第２充電器とをそれぞれ設け、第１充電器の出力及び第２充電器の出力を、各充電器からバッテリー側にのみ電流を流すダイオードを介して前記バッテリーにそれぞれ接続したことを特徴とする非常用発電装置。
2. 商用電源の停電時に作動するエンジン発電機と、該エンジン発電機のエンジンを始動させるためのバッテリーと、負荷に供給する電力を商用電源とエンジン発電機とに切り替える切り替えスイッチとを備えた非常用発電装置において、前記商用電源から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路と、前記エンジン発電機から負荷に至る回路から分岐したバッテリー充電用回路とを設けるとともに、前記各バッテリー充電用回路に、商用電源又はエンジン発電機からの高圧交流電力を低圧交流電力に変換する商用電源側の第１変圧器とエンジン発電機側の第２変圧器とをそれぞれ設け、第１変圧器の出力及び第２変圧器の出力を、各変圧器からバッテリー側にのみ電流を流すダイオードを介してバッテリー充電用のスイッチング回路の入力側にそれぞれ接続し、該スイッチング回路の出力を前記バッテリーに接続したことを特徴とする非常用発電装置。

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