JP2008193285A - 映像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】入力された映像のコンテンツの特徴に応じて適切な画質補正を行い、かつ画質補正の切換えを、画質変化に気にならないように行う。
【解決手段】輝度情報検出部9により1フレーム分の入力映像信号Dbのヒストグラムから得られた輝度情報により、コンテンツ特徴検出部10と複数コンテンツ特徴検出部11によりコンテンツ種類を判定し、シーンチェンジ検出部12によりシーンチェンジを検出する。また、彩度情報検出部8により入力映像信号Dbの彩度情報を検出する。補正制御部6は、コンテンツの種類、シーンチェンジ、及び彩度情報に基づいて画質補正のための制御値を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、映像表示装置に関する。
従来の映像表示装置の幾つかの例が例えば特許文献1〜3に開示されている。特許文献1に記載のデジタルテレビ放送受信機では、本来の番組データとともに放送局から送られてくる番組案内情報に含まれる番組のジャンルを示す情報を元に、出力映像特性および出力音声特性をジャンル別にユーザーの好みに応じて設定している。
特許文献2には、ビデオコンテンツを特徴付ける方法が開示されている。この方法では、ビデオコンテンツ内のキーフレームを識別し、そのキーフレームからヒストグラムを作成し、そのヒストグラムを分類することで番組の境界を決定すること、及びビデオコンテンツに索引を付けることを可能にしている。
特許文献3に記載の画像処理装置では、入力された映像信号における輝度信号のヒストグラムから輝度信号と出現頻度との関係を求め、映像に合わせて適切な階調パターンを選択し、映像信号を補正することで、高画質の映像を得ることを図っている。
特開平10−322622号公報 特表2002−520747号公報 特開2004−7301号公報
特許文献1において、番組案内情報は、CS放送などのデジタル放送に、本来の番組データと同時に送られてくるものである。この番組案内情報は、従来のアナログ放送や、外部から入力されるDVD装置などの録画された映像には含まれていない。また、番組案内情報が付された番組データの全体がその番組案内情報で示されるジャンルの映像が持つ特徴を持つわけではない。例えば、そのコンテンツが映画であった場合、その途中に挿入されるコマーシャル映像は、特徴は全く異なるが、映画と分類されてしまう。このため、コンテンツの種類に応じて適切に映像表示特性を調整することができない場合があった。
特許文献2の方法は、番組の境界を決定すること、ビデオコンテンツに索引を付けることを目的としたものであり、ビデオコンテンツの特徴に応じて映像表示特性を調整するものではなく、個々のビデオコンテンツに対して映像表示特性が適切ではない場合があった。
特許文献3の画像処理装置は、輝度のヒストグラムに基づいて階調パターンを選択するものであり、コンテンツを分類し、その分類結果に基いて映像表示特性を調整するものではなく、コンテンツの種類に応じて適切に映像表示特性を調整することができない場合があった。
そこで、本発明は上述の問題に鑑みて成されたものであり、表示される映像の種類に応じて適切に映像表示特性を調整することを可能にすることを目的する。
本発明の他の目的は、映像表示特性の切換えに伴う画質の変化に気にならないようにすることを自動的に行う映像表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、
映像信号を入力し、前記映像信号から得られる輝度信号に関する1フレーム分のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムから、輝度情報値を生成する輝度情報検出部と、
前記輝度情報検出部で生成される前記輝度情報値に基づいて、映像コンテンツの特徴を判定し、特徴判定値を生成する特徴検出部と、
前記特徴検出部から出力される前記特徴判定値を、複数フレーム分解析することにより、複数特徴判定値を求める複数特徴検出部と、
映像信号を入力し、前記映像信号から得られる彩度信号に関するヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムから、彩度情報を生成する彩度情報検出部と、
前記映像信号中のシーンチェンジを検出し、シーンチェンジ検出信号を生成するシーンチェンジ検出部と、
前記複数特徴判定値、前記シーンチェンジ検出信号および前記彩度情報に基づいて、映像補正値及び表示部制御値を出力する補正制御部と、
前記映像信号に対して、前記映像補正値に基づいて映像補正を行う映像補正部と、
前記映像補正部より出力した前記映像信号に基づいて映像を表示し、前記表示部制御値に基づいて表示制御を行う表示部と
を備える映像表示装置を提供する。
本発明によれば、入力映像信号の輝度情報から求めた最大階調情報値、中間階調情報値、最小階調情報値、平均輝度階調情報値に基づいて、1または複数フレーム分の情報によりコンテンツを分類しているため、入力映像信号に対してコンテンツの分類結果に応じて適切に映像表示特性の補正を行うことができる。
また、シーンチェンジが発生したタイミングで、映像補正部や表示部に対して映像表示特性の切換えを行っているので、切換えに伴う画質の変化が気にならないようにすることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る映像表示装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る映像表示装置は、入力端子1と、受信部2と、映像処理装置3と、表示部4とを備えている。
入力端子1には、テレビやコンピューター等で用いられている所定の形式の映像信号Daが入力される。受信部2は、入力端子1に入力された映像信号Daを受信して、当該映像信号Daを映像処理装置で処理可能な形式に変換して映像信号Dbとして出力する。例えば受信部2は、映像信号Daを、輝度信号Yを含むいくつかのデジタル形式の映像信号に変換して映像信号Dbとして出力する。受信部2は、入力された映像信号Daがアナログ形式の信号の場合にはアナログ/デジタル変換器などで構成され、入力された映像信号Daがデジタル形式の信号の場合にはその形式に適合した所定の復調器等などで構成される。
映像処理装置3は、輝度情報検出部9、コンテンツ特徴検出部10、複数コンテンツ特徴検出部11、補正制御部6、映像補正部5、フレームバッファ7、シーンチェンジ検出部12、及び彩度情報検出部8を備えている。
受信部2から出力された映像信号Dbは、映像処理装置3の輝度情報検出部9、彩度情報検出部8及びフレームバッファ7に入力される。
フレームバッファ7は映像信号Dbを1または複数フレームメモリに蓄え、1または複数フレーム期間遅延して映像信号Dcとして映像補正部5に出力する。
輝度情報検出部9は、受信部2から出力される映像信号Dbに含まれる輝度信号Yを受け、1フレーム分の輝度信号Yの各画素における輝度より、輝度情報値Yiを検出する。輝度情報検出部9は、輝度情報値Yiをコンテンツ特徴検出部10及びシーンチェンジ検出部12に出力する。
コンテンツ特徴検出部10は、輝度情報検出部9から出力される輝度情報値Yiをもとに各フレームの映像コンテンツの特徴を判定し、コンテンツ特徴判定値Jiを複数コンテンツ特徴検出器11に出力する。
複数コンテンツ特徴検出部11は複数フレーム分のコンテンツ特徴判定値Jiより、変動の少ない映像コンテンツ判定(一時的変動の影響を受けにくいコンテンツ判定)を行い、より尤もらしい判定結果としての、複数コンテンツ特徴判定値Fiを補正制御部6に出力する。区別のため、コンテンツ特徴判定値Jiを「フレーム特徴判定値」と呼び、複数コンテンツ特徴判定値Fiを単に「コンテンツ特徴判定値」と呼ぶことがある。
シーンチェンジ検出部12では輝度情報検出部9から出力される輝度情報値Yiをもとにシーンチェンジを判定し、シーンチェンジが起こった場合に、シーンチェンジ検出信号SCを発生し(シーンチェンジ検出信号SCを有意レベル(例えば“1”とし)、補正制御部6に出力する。
彩度情報検出部8は、受信部2から出力される映像信号Dbに含まれる色差信号Cb、Crを受け、彩度情報値Saを検出する。彩度情報値Saは、例えば以下のように生成される。各画素における色差信号Cb、Crを用い、例えば
Figure 2008193285
の演算により各画素における彩度値Cを求める。なお、映像信号DbがRGBフォーマットの場合、既知のマトリクス演算により、色差成分を算出してから彩度値Cを求めても良い。また、R、G、B信号の最大値、最小値を用いることによって彩度値Cを求めても良い。
彩度情報検出部8は、彩度値Cを1フレーム分、もしくは複数フレーム分にわたって解析することにより、彩度情報値Saを求める。より具体的には、各画素における彩度値Cの1フレーム分または複数フレーム分のヒストグラムを生成し、最大値、平均値、もしくは最小値を求め、彩度情報値Saとすることが考えられる。彩度情報検出部8は、彩度情報値Saを補正制御部6に出力する。なお、複数フレーム分のヒストグラムを生成する代わりに、1フレーム分のヒストグラムから求めた最大値、平均値、もしくは最小値を、複数フレーム分参照して彩度情報値Saを求めることもできる。
補正制御部6は、複数コンテンツ特徴判定値Fiを基にそれぞれのコンテンツの特徴に応じた映像補正値Piを、シーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで映像補正部5に出力する。また、補正制御部6は複数コンテンツ特徴判定値Fiに応じた表示部制御値Ciをシーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで表示部4に出力する。
補正制御部6は、複数コンテンツ特徴判定値Fiおよび彩度情報値Saを基にそれぞれのコンテンツの特徴に応じた映像補正値Piを、シーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで映像補正部5に出力する。また、補正制御部6は複数コンテンツ特徴判定値Fiに応じた表示部制御値Ciをシーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで表示部4に出力する。
映像補正部5は、入力された映像補正パラメータPiを用いて映像信号Dcに対して映像補正を行い、それを映像信号Ddとして表示部4に出力する。
表示部4は、映像補正部5で画質補正された映像信号Ddに基づいて映像を表示する。表示に際し、表示部4は表示部制御値Ciに基づいて表示制御を行う。表示部4は、例えば、液晶ディスプレイ、DMD(Digital Micromirror Device)ディスプレイ、EL(Electoro‐Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT(Cathode−Ray Tube)ディスプレイであって、反射型、透過型、あるいは自発光デバイスなどのあらゆる表示手段を適用できる。
図2は輝度情報検出部9の一例を示すブロック図である。図2に示される輝度情報検出部9は、ヒストグラム生成部91yと、最大階調検出部92yと、中間階調検出部93yと、最小階調検出部94yと、平均輝度階調検出部95yとを備えている。本実施の形態では、輝度情報検出部9は、上記最大階調、中間階調、最小階調、平均輝度の4つの値を検出するが、検出する値の数をより多くしても良く、逆により少なくすることで簡略化を図っても良い。
受信部2から出力された映像信号Dbに含まれる輝度信号Yは、ヒストグラム生成部91yに入力される。ヒストグラム生成部91yは、1フレーム分の映像信号Dbにおける輝度信号Yのヒストグラムを生成する。
入力映像信号Dbがインターレース信号の場合は、2フィールド分の映像信号が1フレーム分の映像信号となるため、2フィールド分を1フレームとして、輝度信号Yのヒストグラムを生成する。
入力される映像信号DbがRGBフォーマットの場合、既知のマトリクス演算により、Y信号成分を算出してからヒストグラム生成部91yに入力しても良い。また、演算回路の簡略化のために、R、G、B信号の何れか1つの信号、例えばG信号を輝度信号Yの代わりに用いても良い。
輝度情報検出部9では1フレーム分の映像信号Dbにおける輝度信号Yのヒストグラムを生成するが、映像有効期間のみの累積でよい。後段の画質補正の切換え処理を映像ブランキング期間内で終了させるのが望ましいため、映像有効期間が終わると、速やかに輝度情報を出力するのが望ましい。映像有効期間以外の映像ブランキング期間は黒(階調0)であるため、映像ブランキング期間もヒストグラムの累積の計測を行うと、黒側のヒストグラムが大きくなる不具合が生じる。また、映像ブランキング期間にはデジタルデータ情報が重畳されている場合があり、その場合には、輝度情報検出部9で生成される輝度情報が、上記重畳されたデジタルデータ情報の影響を受けてしまう不具合が起きることがある。
最大階調検出部92yは、ヒストグラム生成部91yで生成されたヒストグラムから、1フレーム分の映像信号Dbにおける最大輝度階調値を検出して、最大階調情報値Yimaxとして出力する。
中間階調検出部93yは、ヒストグラム生成部91yで生成されたヒストグラムから、1フレーム分の映像信号Dbにおける中間輝度階調値を検出して、これを中間階調情報値Yimidとして出力する。
最小階調検出部94yは、ヒストグラム生成部91yで生成されたヒストグラムから、1フレーム分の映像信号Dbにおける最小輝度階調値を検出して、これを最小階調情報値Yiminとして出力する。
平均輝度階調検出部95yは、ヒストグラム生成部91yで生成されたヒストグラムから、1フレーム分の映像信号Dbにおける平均輝度階調値を検出して、これを平均輝度階調情報値Yiaveとして出力する。
ここで、「最大階調情報値」とは、最大輝度階調値あるいは所定方法で検出される、上記最大輝度階調値に準ずる値を意味している。また「中間階調情報値」とは、中間輝度階調値あるいは所定方法で検出される上記中間輝度階調値に準ずる値を意味している。また「最小階調情報値」とは、最小輝度階調値あるいは所定方法で検出される、上記最小輝度階調値に準ずる値を意味している。また「平均輝度階調情報値」とは、平均輝度階調値あるいは所定方法で検出される、上記平均輝度階調値に準ずる値を意味している。これらについては後で詳細に説明する。
図3は、ヒストグラム生成部91yが生成するヒストグラムの一例を示す図である。図中の横軸は、それぞれ複数の階調値から成る領域即ち階級の代表値を示し、縦軸は1フレーム中の各階級の度数、つまり1フレーム中の、各階級に属する階調値を持つ画素の数、ならびに後述の累積度数を示している。
なお以下の説明では、映像信号Dbの輝度信号Yは、例えば8ビットのデータで構成されており、その階調値が“0”から“255”までの値を取り、その階調数は“256”であるとする。映像信号Dbは本実施の形態では8ビットで表されたものであるが、他のビット数、例えば10ビット、6ビットで表されたものであっても良い。
図3に示されるヒストグラム生成部91yは、例えば256の階調を8階調ごとに32の領域に分割し、当該32の領域をヒストグラムの階級としている。そして、各階級での中心値付近の値、本例では、当該中心値が整数の場合には、当該中心値それ自体、当該中心値が整数ではない場合には、当該中心値に最も近くそれよりも大きい整数値を当該階級の代表値としている。例えば、階調値“0”から“7”までで構成される階級では、中心値は“3.5”となるため、当該階級の代表値は“4”となる。図3の横軸の数字は各階級の代表値を示している。
なお、本例のように階級の中心値が整数でなく小数である場合、該小数を階級の代表値として採用しても良い。なお、階級の中心値が小数の場合に、上記の例のように、該中心値付近の整数を階級の代表値として採用することによって、演算量を低減できる。
このように、本実施の形態のヒストグラム生成部91yでは、8つの連続する階調値からなる領域を一つの階級としているため、図3に示されるヒストグラムの各度数は、8階調分の信号の総和となる。例えば、横軸の数値4に示された度数は、1フレーム分の輝度信号Dbに含まれる、階調値0から階調値7までの信号の総和に相当する。
なお、図3のヒストグラムとは異なり、各階調値ごとに度数を計数してヒストグラムを生成してもよい。つまり、各階級を一つの階調値で構成するようにしても良い。この場合には、各階級の代表値は当該階級を構成する階調値そのものとなる。
上記の例では、256個の階調値を8階調値ごとに32の階級に分割しているが、階級の数は32以外でも良い。また、ヒストグラムの分割数や範囲を自由に設定して良い。例えば、階調数が“256”の場合、階調値“0”から“32”と“200”から“255”の範囲を4階調刻みの分割し、その他を24刻みに分割しても良い。これにより、演算量を低減でき、また、最小階調情報値と最大階調情報値の生成の条件を細かく設定でき、精度が向上する。
最大階調検出部92yは、以上のようにして生成されたヒストグラムにおいて、階級の最大から最小に向かって度数を累積し、それによって得られる累積度数HYWが所定の閾値YA(例えば、全画素の10%にあたる値)よりも初めて大きくなる階級の代表値を抽出する。そして最大階調検出部92yは、抽出した値を最大階調情報値Yimaxとして出力する。なお、最小から最大に向かって度数を累積し、それによって得られるHYBが、全画素数から上記閾値YAを引いた値(例えば全画素数の90%にあたる値)よりも初めて大きくなる階級の代表値を最大階調値情報値Yimaxとして抽出しても実質的に同じである。
一方、最小階調検出部94yは、ヒストグラム生成部91yで生成されたヒストグラムにおいて、最小の階級から最大の階級に向かって度数を累積し、それによって得られる累積度数HYBが所定の閾値YB(例えば、全画素の10%にあたる値)よりも初めて大きくなる階級の代表値を抽出する。そして最小階調検出部94yは、抽出した代表値を最小階調情報値Yiminとして出力する。
また、中間階調検出部93yは、以上のようにして生成されたヒストグラムにおいて、最小の階級から最大の階級に向かって度数を累積し、それによって得られる累積度数HYBが所定の閾値YC(たとえば画素数全体の半分にあたる値)よりも初めて大きくなる階級の代表値を抽出する。そして中間階調検出部93yは、抽出した代表値を中間階調情報値Yimidとして出力する。尚、中間階調の検出は、累積度数HYWを用いてもよい。当然のことながら、閾値YCを全画素の半分にあたる値に設定した場合には、HYBを用いた場合と同じ値が得られる。
図3に示されるヒストグラムでは、累積度数HYWが閾値YAよりも初めて大きくなる階級の代表値は“188”であるため、この“188”が最大階調情報値Yimaxとなる。このように、最大階調情報値Yimaxは1フレーム分の映像信号Dbにおける最大階調値“204”ではなく、累積度数HYW及び閾値YAを用いて検出された値である。なお、処理の軽減のため最大階調値自体を最大階調情報値として用いてもよい。これは最小階調情報値についても同様である。
また図3の例では、累積度数HYBが閾値YBよりも初めて大きくなる階級の代表値が“20”であるため、この“20”が最小階調情報値Yiminとなる。この最小階調情報値Yiminは、1フレーム分の映像信号Dbにおける最小階調値ではなく、累積度数HYB及び閾値YBを用いて検出された値となる。
そして、累積度数HYBが閾値YCよりも初めて大きくなる階級の代表値は“76”であるため、この“76”が中間階調情報値Yimidとなる。通常、この中間階調情報値Yimidは、1フレーム分の映像信号Dbにおける全体の画素数の半分(50%)に達したときの階調値となる。
平均輝度階調検出部95yは、映像信号Dbに含まれる輝度信号から、1フレーム分の輝度信号Yにおける平均輝度階調値を演算してこれを平均輝度階調情報値Yiaveとして出力する。具体的には、輝度信号の階調値をYi、その輝度信号階調値の画素数をnYiとして平均輝度階調値を下記の式(1)で計算する。
平均輝度階調値=Σ(Yi×nYi)/ΣnYi …(1)
この平均輝度階調値を平均輝度階調情報値Yiaveとして出力する。代わりに、この平均輝度階調値を含む階級の代表値を平均輝度階調情報値Yiaveとして出力することしても良い。
なお本例では、累積度数HYW,HYB等は、ヒストグラム生成部91yで生成しているが、最大階調検出部92y及び中間階調検出部93y、最小階調検出部94y、平均輝度階調検出部95y内で生成しても良い。
また、上記の例では、ヒストグラム生成部91yにより、ヒストグラムを均等に分割しているが、ヒストグラムを不均等に分割し、度数を計測する対象となる階調値の範囲を自由に設定できるように構成して良い。刻み値の選定は、検出したいコンテンツの特徴に合わせて選択してもよい。
図4はコンテンツ特徴検出部10の一例を示すブロック図である。図4に示されるコンテンツ特徴検出部10は、最大輝度判定部101yと、中間輝度判定部102yと、最小輝度判定部103yと、平均輝度判定部104yと、コンテンツ特徴判定部105yとを備えている。
輝度情報検出部9から出力された最大階調情報値Yimaxは最大輝度判定部101yに入力され、中間階調情報値Yimidは中間輝度判定部102yに入力され、最小階調情報値Yiminは最小輝度判定部103yに入力され、平均輝度階調情報値Yiaveは平均輝度判定部104yに入力される。
最大輝度判定部101yは、最大階調情報値Yimaxから最大輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を最大輝度判定値D101として出力する。
中間輝度判定部102yは、中間階調情報値Yimidから中間輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を中間輝度判定値D102として出力する。
最小輝度判定部103yは、最小階調情報値Yiminから最小輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を最小輝度判定値D103として出力する。
平均輝度判定部104yは、平均輝度階調情報値Yiaveから平均輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を平均輝度判定値D104として出力する。
具体的には、図5に示すように最大輝度判定部101yは、最大階調情報値Yimaxが、所定の第1の最大輝度判定閾値Ymaxaより小さいか、上記第1の最大輝度判定閾値Ymaxaとそれより大きな第2の所定の最大輝度判定閾値Ymaxbの間の値であるか、上記第2の最大輝度判定閾値Ymaxbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimax小」、「Yimax中」、「Yimax大」のいずれかを最大輝度判定値D101として出力して、コンテンツ特徴検出部10に供給する。図5の例の場合は、第1の最大輝度判定閾値Ymaxaと第2の最大輝度判定閾値Ymaxbの間の値であるため、「Yimax中」の判定値が出力され、コンテンツ特徴判定部105yに供給される。
また、中間輝度判定部102yは、図6に示すように、中間階調情報値Yimidが、所定の第1の中間輝度判定閾値Ymidaより小さいか、上記第1の中間輝度判定閾値Ymidaとそれより大きな所定の第2の中間輝度判定閾値Ymidbの間の値であるか、第2の中間輝度判定閾値Ymidbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimid小」、「Yimid中」、「Yimid大」のいずれかを中間輝度判定値D102として出力して、コンテンツ特徴判定部105yに供給する。図6の例の場合は、第1の中間輝度判定閾値Ymidaと第2の中間輝度判定閾値Ymidbの間の値であるため、「Yimid中」の判定値が出力され、コンテンツ特徴判定部105yに供給される。
また、最小輝度判定部103yは、図7に示すように、最小階調情報値Yiminが、所定の第1の最小輝度判定閾値Yminaより小さいか、上記第1の最小輝度判定閾値Yminaとそれより大きな所定の第2の最小輝度判定閾値Yminbの間の値であるか、第2の最小輝度判定閾値Yminbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimin小」、「Yimin中」、「Yimin大」のいずれかを最小輝度判定値D103として出力して、コンテンツ特徴判定部105yに供給する。図7の例の場合は、第1の所定の最小輝度判定閾値Yminaより小さい値であるため、「Yimin小」の判定値が出力され、コンテンツ特徴判定部105yに供給される。
また、平均輝度判定部104yは、上記の式(1)により計算された平均輝度階調情報値Yiaveが、所定の第1の平均輝度判定閾値Yaveaより小さいか、上記第1の平均輝度判定閾値Yaveaとそれより大きな所定の第2の平均輝度判定閾値Yavebの間の値であるか、上記第2の平均輝度判定閾値Yavebより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yiave小」、「Yiave中」、「Yiave大」のいずれかを平均輝度判定値D104として出力して、コンテンツ特徴判定部105yに供給する。
コンテンツ特徴判定部105yは、4つの判定値D101,D102,D103,D104に基いてコンテンツの種類を判別し(即ち、コンテンツを分類し)、判定結果(分類結果)を出力する。
上記のように、4つの判定値D101,D102,D103,D104はそれぞれ3つの値(「小」、「中」、「大」)のいずれかを取り得るので、4つの判定値の組み合わせは3×3×3×3=81通り存在する。従って、4つの判定値に基づくコンテンツの分類は、最大81の種類に分類することができる。図8は、そのような81通りの組合せと、それぞれの組合せに対応する分類情報としてのコンテンツ特徴判定値J1〜J81を示す。
図9は、4つの判定値の組合せに基づいて、コンテンツを5種類に分類する(5種類のいずれかであるかの判定をする)場合の分類条件と、各分類条件を満たす場合の分類結果を示す情報(分類情報)としてのコンテンツ特徴判定値J1〜J5を示す。図9において、4つの判定値が、D101〜D104の欄に示される組合せであるときには、Jiの欄に示される種類に属するものである旨の判定がなされる。例えば、最も上の行に記載されているように、D104が「小」、D103が「中」、D102が「大」、D101が中であれば、J1で表される種類に属するものである旨の判断がなされる。
図9の右端の「番組のジャンル」の欄には、種類J1〜J5のフレームが頻繁に現れる番組の種類(ジャンル)が示されている。例えば、スポーツや自然画の多い番組においては、種類J1に該当する4つの判定値の組合せを生じるフレームが頻繁に現れることを意味する。
例えば、「スポーツ」(J1)は、スポーツ番組や自然画の多い番組を意味する。この主の番組では、例えばサッカーや野球の芝生のグリーンのあるような映像でヒストグラム分布はガウス分布または平均的に全ての階調に広がっている特徴を持つことが多い。
「音楽」(J2)は、主に音楽のミュージッククリップ等を意味する。この種の番組では、明暗を使った映像が多く、白側と黒側に高い分布がある特徴を持つことが多い。
「スタジオ」(J3)は、スタジオ内撮影の多いバラエティバングや報道番組を意味する。この種の番組では、平均輝度が高く、輝度分布が白の側に多い特徴を持つことが多い。
「映画」(J4)では、暗いシーンが多く、黒側に高い分布がある特徴を持つことが多い。
「ドラマ・アニメ」(J5)は、主にドラマやアニメを意味する。この種の番組では、黒が少ないが低い輝度に高い分布がある特徴を持つことが多い。
なお、図9の表における「番組のジャンル」は便宜上の呼び名であって、例えば、スポーツをテーマにした映画の場合には、映画(J4)ではなく、スポーツ・自然画(J1)の特徴を持つフレームが多く現れる。
図9の種類Jiと、番組のジャンルとの間に上記のような相関関係があるので、図9のように分類を行った場合には、各フレームがどのジャンルの番組に頻繁に現れるものであるのかの判定を行うことができる。
なお、上記の例では、コンテンツ特徴判定部105yが4つの判定値D101,D102,D103,D104に基づいて種類の判定を行っているが、コンテンツ特徴判定部105yとして、上記の4つの判定値のうちの3つ以下の判定値のみを使用して判定を行う構成のものを用いても良い。例えば平均輝度判定値D104のみに基きコンテンツ特徴を分類することとしても良く、平均輝度判定値D104と最大輝度判定値D101の2つに基き分類を行うこととしても良い。即ち、コンテンツ特徴の判定に用いられる情報は選択可能である。
このように、情報量を減らすことによって、コンテンツ特徴検出の速度を速め、必要なメモリ容量を減らすことが出来る。また、各輝度判定値を「大」、「中」、「小」の3通り(3段階)に判定したが、3通り以外でもよい。
後段の画質補正の切換え処理を映像ブランキング期間内で終了させるために、コンテンツ特徴検出部10では、コンテンツ特徴判定を行ったコンテンツ特徴判定値Jiを速やかに出力するのが望ましい。すなわち、1フレームごとに輝度情報検出部9から輝度情報値Yiが、映像有効期間が終わった直後に出力されるため、その映像有効期間に続く映像ブランキング期間内に、即ち次のフレームの映像有効期間が開始される以前に、速やかにコンテンツ特徴判定値Jiを出力する。
なお、コンテンツ特徴検出において、種類判定の精度を上げるために、既知のインターレース・プログレッシブ(IP)変換回路に備えているフィルムソースの検出、すなわち映画の判定結果や、特許文献1にあるようなデジタル番組表のジャンル情報を併用しても良い。
以上のように、コンテンツ特徴検出部10では、各フレームの映像信号から得られた輝度ヒストグラムに基いて、各フレームが、どの種のコンテンツに多く現れる特徴を備えるものであるかの判定(分類)の結果としてコンテンツ特徴判定値Jiを生成することができる。
複数コンテンツ特徴検出部11は、相連続する複数フレーム分のコンテンツ特徴判定値Jiに対する解析処理を行い、複数コンテンツ特徴判定値Fiを生成し、補正制御部6に供給する。
複数コンテンツ特徴判定値Fiは、コンテンツ特徴判定値Jiに対応するものであり、Fiの添え字iの取り得る値の範囲は、Jiの添え字iの取り得る値の範囲と同じである。例えば、図8に示すように、Jiの添え字iが1乃至81のいずれかを取る場合、Fiの添え字iも1乃至81のいずれかを取る。同様に、図9に示すように、Jiの添え字iが1乃至5のいずれかを取る場合、Fiの添え字iも1乃至5のいずれかを取る。
添え字iが特定の値(例えば、1乃至5のいずれか)のコンテンツ特徴判定値Jiが他のものよりも多く発生したときに、同じ添え字iの複数コンテンツ特徴判定値Fiが生成される。
このような処理を行うことにより、1フレームのデータのみに基づく判定結果により生成されたコンテンツ特徴情報値Jiと比較して、より精度が高く、安定したコンテンツ判定(どの種類に多く現れるコンテンツであるかの判定)の結果を示す情報値(Fi)を生成することができる。
以下に、複数フレーム分のコンテンツ特徴判定値Jiに対する解析処理による複数コンテンツ特徴判定値Fiの生成の具体例につき説明する。以下では、図9のように5種類に分類する場合を想定して説明する。
一つの手法(第1の手法)において、複数コンテンツ特徴検出部11は、順次入力されたコンテンツ特徴判定値Jiを検出し、同一のコンテンツ特徴値Ji(i=x)が最も早く所定の回数(N)発生した場合に、コンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する複数コンテンツ特徴判定値Fi(i=x)を生成する(即ち、コンテンツが、Ji又はFi(i=x)で表される種類に該当するとの判定を行う)。
具体的には、例えば上記の所定の回数Nが10である場合、図10に示すように1フレーム毎のコンテンツ特徴判定値Jiが上記の所定の回数(N=10)となるまで、複数フレーム分判断する。本例において、最も早く上記所定の回数(N=10)に達したコンテンツ特徴判定値Jiは、J3であるため、J3に対応するF3が生成され、出力される。
このように第1の手法によれば、順次得られるコンテンツ特徴判定値Jiに基き、最も早く所定回数Nに達したコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する種類であると判断するため、複数コンテンツ特徴判定値Fiを比較的早期に、比較的高精度で得ることができる。
また、他の手法(第2の手法)においては、複数コンテンツ特徴検出部11は、順次入力されたコンテンツ特徴判定値Jiを検出し、同一の特徴判定値Ji(i=x)が連続して所定回数M繰り返された場合に、コンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する複数コンテンツ特徴判定値Fi(i=x)を生成する(即ち、コンテンツが、Ji又はFi(i=x)で表される種類に該当するとの判定を行う)。
具体的には、例えば上記の所定回数Mが10である場合、図11に示すように1フレーム毎のコンテンツ特徴判定値Jiを、複数フレーム分判断する。本例において、4フレーム目から13フレーム目まで連続して所定回数(M=10)繰り返されたコンテンツ特徴判定値JiはJ3である。そのため、J3に対応するF3が生成され、出力される。
このように第2の手法によれば、順次得られるコンテンツ特徴判定値Jiに基づき、最も早く連続して所定回数M繰り返されたコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する種類であると判断するため、複数コンテンツ特徴判定値Fiを、より高い精度で得ることができる。
また、さらに他の手法(第3の手法)においては、複数コンテンツ特徴検出部11は、順次入力されたコンテンツ特徴判定値Jiを検出し、所定の検出回数(フレーム数に一致する)Kのうち、最も多く出現したコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する複数コンテンツ特徴判定値Fi(i=x)を生成する(即ち、コンテンツがJi又はFi(i=x)で表される種類に該当するとの判定を行う)。
具体的には、例えば所定検出回数Kが15である場合、図12に示すように1フレーム毎のコンテンツ特徴判定値Jiを、所定検出回数(K=15)個のフレーム分判断する。本例において、15フレーム内における、各コンテンツ特徴判定値の出現度は、J1が0回、J2が7回、J3が6回、J4,J5が各1回となる。最大の出現度を持つ特徴判定値Jiは、7回の判定が行われているJ2である。そのため、J2に対応するF2が生成され、出力される。
このように第3の手法によれば、順次得られるコンテンツ特徴判定値Jiのうち、所定検出回数K内における計数値が最も大きいコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)に対応する種類であると判断するため、比較的精度の高い複数コンテンツ特徴判定値Fiを所定フレーム数の期間内に必ず得ることができる。
また、上記の複数コンテンツ特徴検出部11は、上記第1〜第3の手法の組み合わせにより、複数コンテンツ特徴値の検出を行ってもよい。
例えば、第1の手法と第2の手法を組合せ、コンテンツ特徴判定値Jiの発生回数を計数し、同一のコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)が第1の所定回数Naに達した後、その特徴判定値Ji(i=x)が連続して第2の所定回数Nbに達した場合に、Ji(i=x)に対応する複数コンテンツ特徴判定値Fi(i=x)を生成することとしても良い。
また、他の組み合わせの手法として、同一のコンテンツ特徴判定値Ji(i=x)が最も早く第1の所定回数Naに達したことが、最も早く第2の所定回数Nb発生したとき、Ji(i=x)に対応するFi(i=x)を生成することとしても良い。言い換えると、特定の値を持つJi(例えばJi(i=x))が第1の所定回数(Na回、例えば10回)発生したら、そのことの発生回数を示す指標Fai(i=x)を1カウントアップし、Fai(i=x)が第2の所定値Nbに達したら(特定の値を持つJi(例えばJ(i=x))が第1の所定回数(Na回、例えば10回)発生したことが、第2の所定回数(Nb回、例えば3回)発生したら)、Ji(i=x)に対応するFi(i=x)を生成する。この方法は、上記の第1の手法を二重に行っていると見ることができる。
このように、上記第1〜第3の手法を組合せることで、複数コンテンツ特徴判定値Fiの決定における精度や所要時間の調整が可能となり、順応性に富んだ映像補正が可能となる。
後段の画質補正の切換え処理を映像ブランキング期間内で終了させるために、複数コンテンツ特徴検出部11では、複数コンテンツ特徴判定を行って生成した複数コンテンツ特徴判定値Fiを、速やかに出力するのが望ましい。そこで、映像有効期間に続く映像ブランキング期間内に、即ち次のフレームの映像有効期間が開始される前に演算を終了し、速やかに複数コンテンツ特徴判定値Fiを出力する。
映像が入力された最初のフレームの、複数コンテンツ特徴検出部11の出力初期値は、複数フレームの入力情報がないと判定値は不定となってしまうため、1フレームで判断されたコンテンツ特徴検出部10からの出力コンテンツ特徴判定値Jiを複数コンテンツ特徴判定値Fiとして良い。
本実施の形態に係る複数コンテンツ特徴検出部11により、例えば同一のジャンル内で、ある1フレームのみコンテンツの内容が大幅に変わった場合においても、当該フレームにおけるコンテンツ特徴判定結果は、複数コンテンツ特徴検出部11における解析処理により自動的に除去(無視)され、一時的なコンテンツ特徴の変化に対する画質補正の切換えが行われることを防ぐことができる。また、1フレーム毎にコンテンツが切り替わるような映像の場合に、複数コンテンツ特徴検出部11により、1フレームごとに画質が切り替わることを防止でき、不自然な映像になることを防止することができる。
複数コンテンツ特徴検出部11による複数コンテンツ特徴検出は、輝度情報値から、映像コンテンツの特徴量をより正確に判定する手法として、映像表示装置に限らず映像に関わる他分野での利用も考えられる。他の分野での利用として、例えば、ハードディスクやDVD等の映像レコーダー等の映像記録装置が挙げられる。
複数コンテンツ特徴検出部11は、複数フレームに基づく判断を行わず複数コンテンツ特徴判定値Fiとして、1フレームのみの判断であるコンテンツ特徴判定値Jiを出力する構成も考えられる。すなわち、1フレーム分でコンテンツ特徴検出を行うこととして、複数コンテンツ特徴検出部11を省略してもよい。その場合、コンテンツ特徴検出部10から出力されるコンテンツ特徴判定値JiがFiとして補正制御部6に出力される。この場合、フレーム毎にコンテンツ特徴判定を行い、フレーム毎に画質補正を行っているため、リアルタイムに最適な画質補正を行う効果がある。
補正制御部6は、複数コンテンツ特徴判定値Fi及び彩度情報値Saを基にそれぞれのコンテンツの特徴に対応し画質調整するための映像補正値Piを、シーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで映像補正部5に出力する。また、補正制御部6は複数コンテンツ特徴判定値Fiに対応した表示部制御値Ciをシーンチェンジ検出信号SCの発生のタイミングで表示部4に出力する。また、補正制御部6は複数コンテンツ特徴判定値Fi及び彩度情報値Saが切り替わっても、シーンチェンジ検出信号SCが入力されるまで、映像補正値Pi、表示部制御値Ciは出力しない。
複数コンテンツ特徴判定値Fiは複数フレームの情報に基づいてコンテンツ特徴判定を行うため、コンテンツ判定まで時間がかかる。彩度情報値Saについても同様である。そのため、判定された時はコンテンツのシーンの切り替わりでない場合がある。連続したシーンの途中で画質が突然変わると不自然に感じてしまうが、補正制御部6はシーンチェンジ検出されたタイミング、すなわち、シーンの切り替わり時に、画質補正の切換えを行うため、画質が切り替わっても不自然に感じないという効果がある。
補正制御部6は、シーンチェンジ検出信号SCが入力された時、映像ブランキング期間内に映像補正値Pi、表示部制御値Ciを出力し、次フレームの映像が始まる前に画質補正の切換えが終了していることが望ましい。
図13は、複数コンテンツ特徴検出部11で生成された複数コンテンツ特徴判定値F1〜F5に対して補正制御部6から出力される制御値、即ちそれぞれの制御項目のための映像補正値Pi及び表示部制御値Ciの一例を示す。
なお、上記の例では、輝度情報からコンテンツ特徴を検出し、複数の種類(それぞれ番組のジャンルに対応する)に分類したが、複数コンテンツ判定値によるジャンル判定の結果に基づき、ジャンルの傾向や特性を考慮に、輝度以外の画質についてもユーザーの好みやシステムに応じて分類を行っても良い。
また分類情報に基づく画質制御の方法も、ユーザーの好みやシステムに応じ図13に示した制御値以外のものの制御により行っても良い。
補正制御部6から映像補正部5に出力される複数コンテンツ判定値Fiに対する映像補正値Piは、例えば、映像コントラストによる輝度制御、シャープネスによる鮮鋭度制御、3次元(3D)ノイズリダクションによるノイズ除去制御、ガンマ補正による輝度補正等の制御項目に関するものである。補正制御部6から表示部4に出力される表示部制御値Ciは、例えば、液晶ディスプレイの場合、オーバードライブによる動画応答性制御、バックライトによる輝度制御等である。また、本実施の形態の映像表示装置では図示していないが、テレビジョン受信機等の場合は、音声出力部も備えるため、コンテンツ特徴やジャンルに合わせた音声補正も行える。なお、図13において、「高」、「中」、「低」は、相対的な値であり、例えばそれぞれの制御項目に関し補正の程度を表す指標が第1の閾値未満であれば「低」であり、第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上であれば「高」であり、第1の閾値以上で第2の閾値未満であれば「中」であることを意味する。
図13においては、例えばスポーツ(F1)の場合、輝度は中間調の多い、平均的に全ての階調に広がっている特徴があるので、ガンマ補正はフラット、コントラストは中、バックライトは中とし、自然画であるので、シャープネスは低とし、スポーツ中に激しい動きがあるので、液晶パネルの動画応答改善は高とし、3次元処理の3Dノイズリダクションは動画では尾引きする場合があるため低とする。
音楽(F2)の場合、明暗を使った派手な映像が多いので、派手な画質にするため、コントラストは高、ガンマ補正は黒側と白側を持ち上げた補正とし、バックライトは高、オーバードライブは高とし、人が主なので、シャープネスは中、3Dノイズリダクションは中とする。
スタジオ(F3)の場合、平均輝度が高く、明るい画面が多いので、ガンマ補正は白側を伸ばす補正とし、明るくて目が疲れやすいので輝度は抑え気味で、コントラストは低、バックライトは中とし、ニュースとかデータ画面が多いので、シャープネスは高とし、ソースはあまりSNが良くないので3Dノイズリダクションは高とし、動きは普通であるので、オーバードライブは中とする。
映画(F4)の場合、暗い画面が多いので、コントラストは高、ガンマ補正は黒側を伸ばすような補正とし、黒側の輝度を沈めてコントラスト感を出すためバックライトは低とし、フィルムらしくしっとりした画質にしたいため、シャープネスは低とし、映画の場合ノイズをわざと混入する映像効果があるため、3Dノイズリダクションは低とし、動きは普通のためオーバードライブは中とする。
ドラマ・アニメ(F5)の場合、やや低い輝度の画素の数が多い傾向があるため、コントラストは高、ガンマ補正は中間調を持ち上げるような補正とし、バックライトは中とし、アニメは輪郭が多いため、シャープネスは中とし、アニメは原色が多いため、動きは少ないため、オーバードライブは低とし、ドラマはまあまあのノイズがあるため、3Dノイズリダクションは中とする。
なお、これらの画質設定は一例でユーザーの好みで後から自由に設定して良い。
また、映像補正値Piとしては、図13に示したものの他に色の濃さがあり、色の濃さは彩度情報値Saを参照して決定される。補正制御部6は、彩度情報値Saを参照して入力映像の彩度を判定し、適切な色の濃さにて表示されるように映像補正値を決定する。より具体的には、標準彩度値をあらかじめ設定しておき、彩度情報値Saが標準彩度値より小さい場合には、色の濃さを濃くするように映像補正値Piを決定し、彩度情報値Saが標準彩度値より大きい場合には、色の濃さを薄くするように映像補正値Piを決定する。ここで、標準彩度値は、設計時にあらかじめ設定することや、ユーザーが好みで設定変更できるように構成することが考えられる。なお、設計時にあらかじめ設定する場合には、表示部4の色再現特性、とくに色再現範囲を考慮して設定することが望ましい。表示部4の色再現範囲が広い場合には、表示部4の色再現範囲が狭い場合と比較すると、同一の映像信号に対して表示される色は濃くなる傾向となる。したがって、表示部4の色再現範囲が広い場合には、標準彩度値は小さくしておくことで表示色が濃くなりすぎるのを抑え、色再現範囲が狭い場合には、標準彩度値は大きくしておき、表示色が薄くなりすぎるのを抑えることが考えられる。
このコントラスト、シャープネス等の画質設定は、ユーザーがリモコンや操作キー等で操作でき、自由に設定変更できるようにしても良い。予め設定されていた画質設定値を後でユーザーが好みで設定変更し、その変更した画質設定値を呼び出すこととして良い。従来は、例えば、映画番組のとき、ユーザーが予め設定していた映画の画質設定をリモコンのボタン操作やオンスクリーンメニューを用い手動で切換え選択していたが、本実施の形態では、番組が映画のコンテンツになると、ユーザーが予め設定した映画の画質設定が自動的に選択され、最適な画質になる効果がある。また、映画番組が終わり、バラエティ番組等の明るいスタジオの映像になった場合、従来は手動でスタジオの画質設定に切換えないと、映画のような暗い映像で適切になるような画質設定のため、白がつぶれたような不適切な画質となることがあったが、本実施の形態では自動的にスタジオの画質に切り替わり、不適切な画質とはならないと言う効果がある。
この複数コンテンツ特徴判定値Fiによる分類結果が得られた場合に、表示画面上にオンスクリーンディスプレイ等で表示しても良い。例えば、映画のコンテンツ特徴判定となった場合、画面上に「映画」の表示をしてよい。また、シーンチェンジ検出のタイミングで画質補正の切換えを行った時に、複数コンテンツ特徴判定値Fiによる分類結果を表示しても良い。
フレームバッファ7は映像信号Dbを1または複数フレーム分メモリに蓄え、遅延させて映像信号Dcとして映像補正部5に出力する。本実施の形態の輝度情報検出部9では、1フレーム分の映像情報の累積値でヒストグラム作成する。そのため、輝度情報検出部9の出力は1フレーム遅れて出力される。そこで、この遅れを補償するため、フレームバッファ7では1フレーム遅延を行うことが望ましい。また、1フレーム遅延を行うことで、後述のシーンチェンジ検出の遅れを補償することができる。なお、フレームバッファ7として、複数コンテンツ特徴検出部11における処理時間をも補償するための遅延時間を持つものを用いても良い。
このフレームバッファ7は、映像表示装置に通常備えてあるフレーム遅延のある信号処理回路と共用して良い。フレーム遅延のある信号処理回路は、例えば、インターレース・プログレッシブ(IP)変換回路やフレームレート変換回路、リサイザ回路等がある。すなわち、例えば、IP変換で1フレーム遅延がある場合、IP変換回路の前の映像信号を輝度情報検出部9に入力し、IP変換回路後の映像信号を映像補正部5に供給して画質補正を行うことで、フレームバッファが省略でき、コストの削減になる。
複数コンテンツ特徴検出部11を、上記の第2の手法(順次入力されたコンテンツ特徴判定値Jiを判断し、同一の特徴判定値Ji(i=x)が連続して所定回数M繰り返された場合に、特定の複数コンテンツ特徴判定値Fi(i=x)を生成する手法)のみで行った場合、コンテンツ特徴判定値Jiを発生させた一連のフレームの最初のフレームが輝度情報検出部9に入力されてからM+1フレーム期間経過であり(Mフレームではなく、M+1フレームとなるのは、輝度情報検出部9での処理に1フレーム期間要するからである)、また該一連のフレームの最初のフレームはシーンチェンジ後の最初のフレームであるので、フレームバッファ7の遅延時間をM+1フレームとすることで、上記M個の一連のフレームの最初のフレームで画質補正の切換えを行うことができる。
また、上記M個の一連のフレームの最初のフレームは、シーンチェンジが発生した後の最初のフレームであるので、コンテンツ特徴判定値の変化を見ることでシーンチェンジを検出することもでき、別個のシーンチェンジ検出部12を設けなくても良い。即ちこの場合には、複数コンテンツ特徴検出部11がシーンチェンジ検出を行う手段としての役割をも果たす。
上記の方法によれば、シーンチェンジ直後で画質補正の切換えが行われるため、画質が変わったことが目立たない効果がある。
尚、複数コンテンツ特徴検出部11の第1の手法では、一定数のフレーム後に複数コンテンツ特徴判定値Fiが出力されない。または、第3の手法では、Kフレーム前の映像が判断された複数コンテンツ特徴判定値Fiではない可能性がある。
第1の手法を用いる場合、或いは第3の手法を用いる場合、或いはこれらの一方又双方を他の手法と組合せて用いる場合には、フレームバッファ7は輝度情報検出部の1フレーム分のヒストグラム累積のための1フレーム遅延のみで良い。
前述の複数コンテンツ特徴検出部11を省略し、1フレーム毎の制御を行う構成とした場合、フレームバッファ7で1フレーム分の遅延を行うことで、現フレーム対してコンテンツ特徴判定による画質補正を行うことができ、リアルタイムに画質補正の切換えを行うことができる。また、コンテンツ特徴判定値Jiの変化した時が、シーンチェンジとなるため、シーンチェンジ検出部12は省略して良い。この場合、コンテンツ特徴検出部10の出力の変化を検出する手段(図示しない)がシーンチェンジ検出部12の代わりに、シーンチェンジ検出を行う手段を構成していると見ることができる。
輝度情報検出部9では1フレーム分の映像信号に基づきヒストグラムを生成するため、検出結果が1フレーム遅れてしまう。その遅れを補償するため、フレームバッファ7で、入力される映像信号Dbを1フレーム遅延させることで、映像の現フレームに対しての検出結果とすることができる効果が得られる。また、フレームバッファ7は、複数コンテンツ判定値Fiやシーンチェンジ検出信号SCによる検出判定が映像信号に対して遅れる遅延を解消するような適切な遅延にすることが望ましい。フレームバッファを使用することで、コンテンツ特徴検出結果による画質補正の切換えが、映像信号に対して遅延することなく、自然な画質補正が行える効果が得られる。
シーンチェンジ検出部12は、輝度情報検出部9から出力される輝度情報値Yiをもとにシーンチェンジを判定し、シーンチェンジが起こった場合に、シーンチェンジ検出信号SCを補正制御部6に出力する。ここで「シーンチェンジ検出信号SCを出力する」とはシーンチェンジ検出信号SCを有意レベル例えば一定時間“1”とすることを意味し、シーンチェンジ検出信号が無意レベル例えば“0”に維持されるときは、「シーンチェンジ検出信号SCは出力されていない」と表現されることもある。シーンチェンジ検出信号SCは、映像有効期間が終了した直後に、できるだけ早く出力するのが望ましい。
図14はシーンチェンジ検出部12の一例を示すブロック図である。図14に示されるシーンチェンジ検出部12は、最大輝度判定部121yと、中間輝度判定部122yと、最小輝度判定部123yと、平均輝度判定部124yと、シーンチェンジ判定部125yとを備えている。
輝度情報検出部9から出力された最大階調情報値Yimaxは最大輝度判定部121yに入力され、中間階調情報値Yimidは中間輝度判定部122yに入力され、最小階調情報値Yiminは最小輝度判定部123yに入力され、平均輝度階調情報値Yiaveは平均輝度判定部124yに入力される。
最大輝度判定部121y、中間輝度判定部122y、最小輝度判定部123y、及び平均輝度判定部124yは、図4に示される、コンテンツ特徴検出部10を構成する、最大輝度判定部101y、中間輝度判定部102y、最小輝度判定部103y、及び平均輝度判定部104yとそれぞれ同様のものである。
即ち、最大輝度判定部121yは、最大階調情報値Yimaxから最大輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を最大輝度判定値D121として出力する。
中間輝度判定部122yは、中間階調情報値Yimidから中間輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を中間輝度判定値D122として出力する。
最小輝度判定部123yは、最小階調情報値Yiminから最小輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を最小輝度判定値D123として出力する。
平均輝度判定部124yは、平均輝度階調情報値Yiaveから平均輝度の大きさを分類して、その分類の結果得られる情報を平均輝度判定値D124として出力する。
具体的には、図5に示すように最大輝度判定部121yは、最大階調情報値Yimaxが、所定の第1の最大輝度判定閾値Ymaxaより小さいか、上記第1の最大輝度判定閾値Ymaxaとそれより大きな所定の第2の最大輝度判定閾値Ymaxbの間の値であるか、上記第2の最大輝度判定閾値Ymaxbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimax小」、「Yimax中」、「Yimax大」のいずれかを最大輝度判定値D121として出力して、シーンチェンジ判定部125yに供給する。
また、中間輝度判定部122yは、図6に示すように、中間階調情報値Yimidが、所定の第1の中間輝度判定閾値Ymidaより小さいか、上記第1の中間輝度判定閾値Ymidaとそれより大きい所定の第2の中間輝度判定閾値Ymidbの間の値であるか、上記第2の中間輝度判定閾値Ymidbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimid小」、「Yimid中」、「Yimid大」のいずれかを中間輝度判定値D122として出力して、シーンチェンジ判定部125yに供給する。
また、最小輝度判定部123yは、図7に示すように、最小階調情報値Yiminが、所定の第1の最小輝度判定閾値Yminaより小さいか、上記第1の最小輝度判定閾値Yminaとそれより大きな所定の第2の最小輝度判定閾値Yminbの間の値であるか、第2の最小輝度判定閾値Yminbより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yimin小」、「Yimin中」、「Yimin大」のいずれかを最小輝度判定値D123として出力して、シーンチェンジ判定部125yに供給する。
また、平均輝度判定部124yは、式(1)より計算された平均輝度階調情報値Yiaveが、所定の第1の平均輝度判定閾値Yaveaより小さいか、上記第1の平均輝度判定閾値Yaveaとそれより大きな所定の第2の平均輝度判定閾値Yavebの間の値であるか、上記第2の平均輝度判定閾値Yavebより大きいかを判定し、3つの分類情報値「Yiave小」、「Yiave中」、「Yiave大」のいずれかを平均輝度判定値D124として出力して、シーンチェンジ判定部125yに供給する。
シーンチェンジ判定部125yは、4つの判定値D121,D122,D123,D124に基づいて、シーンチェンジの判定を行い、シーンチェンジを検出したときは、シーンチェンジ検出信号SCを出力する。
例えば、4つの判定値4つの判定値D121,D122,D123,D124のうちの所定個数以上のものが変化した場合(現フレームにおける値Siが1フレーム前の値S(i-1)と異なる場合)、シーンチェンジが発生したものと判定する。ここで所定個数は1または2以上の値に別途設定される。
上記のように、4つの判定値はそれぞれ3つの値(「小」、「中」、「大」)のいずれかを取り得るので、4つの判定値の組み合わせは図15に示すように、3×3×3×3=81通り存在する。上記した、4つの判定値4つの判定値D121,D122,D123,D124のいずれか一つにおける変化は、図15に示す81通りのうちの一つの組合せから他の組合せへの遷移であると把握することもできる。
なお、全黒画面(Yiave:小、Yimin:小、Yimid:小、Yimax:小)、全白画面(Yiave:大、Yimin:大、Yimid:大、Yimax:大)に変化した場合もシーンチェンジと見なし、同様に扱っても良い。特に全黒画面では、画質補正の切換えを行っても、ほとんど変化が分からないからである。
シーンチェンジ検出部12の最大輝度判定部121y、中間輝度判定部122y、最小輝度判定部123y、平均輝度判定部124yで用いられる閾値Ymaxa、Ymaxb、Ymida、Ymidb、Ymina、Yminb、Yavea、Yavebが、コンテンツ特徴検出部10の最大輝度判定部101y、中間輝度判定部102y、最小輝度判定部103y、平均輝度判定部104yで用いられる閾値Ymaxa、Ymaxb、Ymida、Ymidb、Ymina、Yminb、Yavea、Yavebと同じ値を持つ場合、最大輝度判定部121y、中間輝度判定部122y、最小輝度判定部123y、平均輝度判定部124yから出力される判定値D121,D122,D123,D124は、最大輝度判定部101y、中間輝度判定部102y、最小輝度判定部103y、平均輝度判定部104yから出力される判定値D101,D102,D103,D104と同じとなり、従って、判定値D121,D122,D123,D124とコンテンツの種類との間には、図8に示される判定値D101,D102,D103,D104とコンテンツ特徴判定値Jiとの関係と同様の関係がある。
コンテンツ特徴検出部10で、K種類(K<81)のコンテンツ特徴判定値Ji(i=1〜K)のいずれであるかを出力するものである場合(例えば、図9に示すように、5種類のコンテンツ特徴判定値Ji(i=1〜5)のいずれであるかを出力するものである場合)、シーンチェンジ後のそれぞれの判定値D121,D122,D123,D124の組み合わせが、複数コンテンツ特徴検出部11から現在発生されている複数コンテンツ検出値Fiに対応するものである場合、同じ種類(番組のジャンル)内でのシーンチェンジであると判断して、画質補正に変更を加える必要がないので、シーンチェンジ検出信号SCを補正制御部6に出力しないこととしても良く、またはシーンチェンジ検出信号SCが発生されても、補正制御部6で映像補正値Pi、表示部制御値Ciの更新をしないようにしても良い。
但し、シーンチェンジ後のそれぞれの判定値D121,D122,D123,D124の組み合わせが、複数コンテンツ特徴検出部11から現在発生されている複数コンテンツ検出値Fiに対応するものである場合でも、画質補正のための映像補正値Piや表示部制御値Ciが、現在発生されている複数コンテンツ特徴判定値Fiに対応する種類(ジャンル)のためのものとなっていない場合には、シーンチェンジ検出信号SCを出力し、補正制御部6で映像補正値Pi、表示部制御値Ciの更新を行う。これは複数コンテンツ特徴検出判定を行い、判定が遅れる場合の対策である。
後段の画質補正の切換え処理を映像ブランキング期間内で終了させるために、シーンチェンジ検出部12では、シーンチェンジが検出された後シーンチェンジ検出信号SCを映像ブランキング期間内に速やかに出力するのが望ましい。すなわち、フレームバッファ7により遅延補償された映像が、映像補正部5入力され、映像補正部5入力映像のシーンチェンジ直前のフレームとシーンチェンジ直後のフレームの間の映像ブランキング期間内に、シーンチェンジ検出信号SCに基づく補正制御部6出力である映像補正値Pi及び表示部制御値Ciが出力され、映像ブランキング期間内に画質補正及び表示部補正の切り換えが終了することが望ましい。
シーンチェンジ検出はシーンが変わった映像の終わりのフレームのブランキング期間に出力するが、シーンチェンジ後1フレーム遅れてしまう。そのため、フレームバッファ7で1フレーム遅延補償させることで、シーンチェンジする直前のタイミングで映像補正部5で映像補正を行うことができる。また、表示部4おいてもフレームバッファ7で遅延補償された映像補正部出力映像Ddによって表示されるため、シーンチェンジ直前のタイミングで表示補正を行うことができる。
シーンチェンジ判定部125yは、4つの判定値のうちの3つ以下の判定値のみを使用して判定を行っても良い。例えば、平均輝度判定値のみに基きシーンチェンジを判定することとしても良い。また、各輝度情報値が、各々2つの閾値を用いて、大、中、小の3段階に分類され、各判定値が、大、中、小の3つの値のいずれかを取るようにしているが、2つの値、或いは4つ以上の値のいずれかを取る判定値を生成して、これを用いてシーンチェンジ検出を行っても良い。
また、複数段階への分類の結果ではなく、輝度情報検出部9から出力される、最大階調情報値Yimax、中間階調情報値Yimid、最小階調情報値Yimin、平均輝度階調情報値Yiave自体の比較を行っても良い。例えば、現フレームについての、最大階調情報値Yimax、中間階調情報値Yimid、最小階調情報値Yimin、平均輝度階調情報値Yiaveと、1フレーム前のフレームについての最大階調情報値Y(i−1)max、中間階調情報値Y(i−1)mid、最小階調情報値Y(i−1)min、平均輝度階調情報値Y(i−1)aveの差の絶対値がそれぞれ閾値Rymax、Rymid、Rymin、Ryaveを超えたものが所定数(1又は2以上)以上である場合に、シーンチェンジと判断することとしても良い。
上記のように、シーンチェンジ検出部12の最大輝度判定部121y、中間輝度判定部122y、最小輝度判定部123y、平均輝度判定部124yの構成は、コンテンツ特徴検出部10の最大輝度判定部101y、中間輝度判定部102y、最小輝度判定部103y、平均輝度判定部104yと同じ構成である場合、シーンチェンジ検出部12とコンテンツ特徴検出部10とで、最大輝度判定部(121y/101y)、中間輝度判定部(122y/102y)、最小輝度判定部(123y/103y)、平均輝度判定部(124y/104y)を共用しても良い。例えば、図1のシーンチェンジ検出部12を省略し、図16に示すように、シーンチェンジ判定部125yをコンテンツ特徴検出部10に組み込み、最大輝度判定部101y、中間輝度判定部102y、最小輝度判定部103y、平均輝度判定部104yの出力をシーンチェンジ判定部125yに供給することとしても良い。このようにして最大輝度判定部、中間輝度判定部、最小輝度判定部及び平均輝度判定部を共用することで、システムコストが削減できる。
図17のブロック図に示すように、シーンチェンジ検出部12の入力を、(図1のように輝度情報検出部9の出力ではなく)映像信号Dbとしても良い。この場合、シーンチェンジ検出は既知の方法で良い。例えば、1フレームの映像有効期間をM×Nブロックに分割し、分割されたそれぞれのブロックの平均輝度YSmn(i)の算出を行い、1フレーム前の各ブロックの平均輝度YSmn(i−1)と比較し、平均輝度YSmn(i)−YSmn(i−1)の差が所定値U以上であるブロックの個数Vが、閾値以上、例えば1フレームの映像有効期間内の総ブロックの半分以上である場合にシーンチェンジと判断し、シーンチェンジ検出信号SCを出力する。また、既知のIP変換回路や信号処理回路等に、シーンチェンジ検出手段が備えられている場合は、このシーンチェンジ検出手段による検出結果を使用しても良い。また、特許文献3に記載のシーンチェンジ検出方法を採用して良い。
シーンチェンジ検出部12でシーンチェンジを検出し、シーンチェンジのタイミングで補正制御部6による映像補正部5や表示部4の制御のための映像補正値Pi、表示部制御値Ciの切換えを行い、シーンチェンジ直前及び直後のフレーム相互間の映像ブランキング期間内で画質補正の切換えを行うことで、画質の変化が気にならないものとなる効果が得られる。
以上のように、本実施の形態の映像表示装置では、入力映像信号Dbの1フレーム分の輝度情報のヒストグラムから求めた最大階調情報値、中間階調情報値、最小階調情報値、及び平均輝度階調情報値からコンテンツ特徴情報(コンテンツ特徴判定値)を生成し、複数フレーム分のコンテンツ特徴情報に基づいてコンテンツの特徴やジャンルを判定しているため、入力映像信号Dbに対してコンテンツの特徴やジャンルを正確に判定することができる。
また、フレームバッファ7により、輝度情報検出部9や複数コンテンツ特徴検出部11やシーンチェンジ検出部12における処理の遅延を補償し、シーンチェンジ検出部12でシーンチェンジ検出を行い、シーンチェンジの発生したタイミングで、映像補正部5や表示部4に対して画質補正の切換えを行っているため、自然な画質補正の切換えを行うことができる。
また、入力映像信号Dbから判定された複数コンテンツ特徴判定値Fiに基づいて画質補正を行っているため、コンテンツの特徴やジャンルに最適な画質補正が可能となる。また、コンテンツ特徴やジャンルを判定できるため、輝度補正のみなならず、色やシャープネス、動画応答、デバイスの制御を行うことが可能となる。
さらに、本実施の形態の映像表示装置では、図示していないが、テレビジョン受信機等の場合は、音声出力部も備えるため、コンテンツ特徴やジャンルに合わせた音声補正も行える。
特許文献1では番組の途中での映像コンテンツのリアルタイムな変化には対応できないが、本実施の形態では、同じ番組内の映像コンテンツのリアルタイムな変化にも対応できる効果がある。例えば、デジタル放送で番組データとともに「映画」と言うジャンルを示す情報が送られてきた場合、特許文献1ではその番組の始めから終わりまで「映画」のための画質補正を行い、番組の途中におけるコマーシャル映像も「映画」のための画質補正となっている。本実施の形態を適用することで、映画の番組の途中におけるコマーシャル映像表示中は、コマーシャルに適した画質補正が行える。また、例えば、スポーツをテーマにした内容の「映画」番組の場合、特許文献1では「映画」のための画質補正が行われるが、本実施の形態では、コンテンツ特徴検出により、番組の各部分が「スポーツ」と分類されれば、その部分においてはスポーツに適した画質補正が行われる。そのため、番組データとともに送られたジャンルを示す情報と番組の途中で変化する映像コンテンツとの違いによる不適切な画質補正が防止され、番組の各部分の映像コンテンツに適した画質補正(例えば明るいスポーツ映像に適した画質補正)が行われる。
なお、本発明でも、種類判定(ジャンル判定)の精度を上げるために、特許文献1に記載されているデジタル放送のジャンル情報を組み合わせて判定を行っても良く、判定の初期値として、特許文献1に記載されているデジタル放送のジャンル情報に基づく判定結果を用いても良い。
本発明の実施の形態の映像表示装置の構成を示すブロック図である。 図1に示される輝度情報検出部9の一例を示すブロック図である。 図2に示されるヒストグラム生成部91yで生成されるヒストグラムと輝度階調情報値の生成条件を示す図である。 図1に示されるコンテンツ特徴検出部10の一例を示すブロック図である。 図4に示される最大輝度判定部101yによる最大輝度判定値D101の生成条件を示す図である。 図4に示される中間輝度判定部102yによる中間輝度判定値D102の生成条件を示す図である。 図4に示される最小輝度判定部103yによる最小輝度判定値D103の生成条件を示す図である。 図4のコンテンツ特徴検出部10でコンテンツ判定のために用いられる、最大輝度判定値D101、中間輝度判定値D102、最小輝度判定値D103、及び平均輝度判定値D104の組合せと、対応するコンテンツ特徴判定値Jiの関係の一例を示す表である。 図4のコンテンツ特徴検出部10でコンテンツ判定のために用いられる、最大輝度判定値D101、中間輝度判定値D102、最小輝度判定値D103、及び平均輝度判定値D104の組合せと、対応するコンテンツ特徴判定値Jiの関係の他の例を示す表である。 図1の複数コンテンツ特徴検出部11による、複数フレームの特徴に基くコンテンツ分類のための第1の手法を示す説明図である。 図1の複数コンテンツ特徴検出部11による、複数フレームの特徴に基くコンテンツ分類のための第2の手法を示す説明図である。 図1の複数コンテンツ特徴検出部11による、複数フレームの特徴に基くコンテンツ分類のための第3の手法を示す説明図である。 図1の映像表示装置で用いられる補正制御部の画質設定の一例を示す図である。 図1に示されるシーンチェンジ検出部12の一例を示すブロック図である。 図14のシーンチェンジ検出部12でシーンチェンジ判定のために用いられる、最大輝度判定値D121、中間輝度判定値D122、最小輝度判定値D123、及び平均輝度判定値D124の組合わせを示す図である。 図1の映像表示装置で用いることができる、コンテンツ特徴検出部とシーンチェンジ検出部を兼ねた構成例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態の映像表示装置の別の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
1 入力端子、 2 受信部、 3 映像処理装置、 4 表示部、 5 映像補正部、 6 補正制御部、 7 フレームバッファ、 8 彩度情報検出部、 9 輝度情報検出部、 10 コンテンツ特徴検出部、 11 複数コンテンツ特徴検出部、 12 シーンチェンジ検出部、 91y ヒストグラム生成部、 92y 最大階調検出部、 93y 中間階調検出部、 94y 最小階調検出部、 95y 平均輝度階調検出部、 101y 最大輝度判定部、 102y 中間輝度判定部、 103 最小輝度判定部、 104y 平均輝度判定部、 105y コンテンツ特徴判定部、 121y 最大輝度判定部、 122y 中間輝度判定部、 123y 最小輝度判定部、 124y 平均輝度判定部、 125y シーンチェンジ判定部。

Claims (9)

  1. 映像信号を入力し、前記映像信号から得られる輝度信号に関する1フレーム分のヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムから、輝度情報値を生成する輝度情報検出部と、
    前記輝度情報検出部で生成される前記輝度情報値に基づいて、映像コンテンツの特徴を判定し、特徴判定値を生成する特徴検出部と、
    前記特徴検出部から出力される前記特徴判定値を、複数フレーム分解析することにより、複数特徴判定値を求める複数特徴検出部と、
    映像信号を入力し、前記映像信号から得られる彩度信号に関するヒストグラムを作成し、当該ヒストグラムから、彩度情報を生成する彩度情報検出部と、
    前記映像信号中のシーンチェンジを検出し、シーンチェンジ検出信号を生成するシーンチェンジ検出部と、
    前記複数特徴判定値、前記シーンチェンジ検出信号および前記彩度情報に基づいて、映像補正値及び表示部制御値を出力する補正制御部と、
    前記映像信号に対して、前記映像補正値に基づいて映像補正を行う映像補正部と、
    前記映像補正部より出力した前記映像信号に基づいて映像を表示し、前記表示部制御値に基づいて表示制御を行う表示部と
    を備える映像表示装置。
  2. 前記輝度情報検出部が、
    前記ヒストグラムから、最大階調情報値、中間階調情報値、最小階調情報値、平均輝度階調情報値を生成し、
    前記特徴検出部が、前記輝度情報検出部で生成される前記最大階調情報値、前記中間階調情報値、前記最小階調情報値、前記平均輝度階調情報値に基づいて、映像コンテンツの特徴を判定し、前記特徴判定値を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  3. 前記映像信号を1または複数フレーム遅延させるフレームバッファを更に備え、
    前記映像補正部は、前記フレームバッファにより遅延した前記映像信号に対して、前記映像補正値に基づいて映像補正を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  4. 前記フレームバッファは、前記輝度情報検出部、前記シーンチェンジ検出部及び前記複数特徴検出部の遅延を補償することを特徴とする請求項3に記載の映像表示装置。
  5. 前記特徴検出部は、輝度の大きさを分類して、輝度判定値を生成する輝度判定部と、該輝度判定値を基に映像コンテンツの特徴の判定を行う特徴判定部と含み、
    前記シーンチェンジ検出部は、輝度の大きさを分類して、輝度判定値を生成する輝度判定部と、該輝度判定値を基にシーンチェンジの判定を行うシーチェンジ判定部と含み、
    前記特徴検出部と、前記シーンチェンジ検出部とは、前記輝度判定部を共用していることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  6. 前記シーンチェンジ検出部は、前記輝度情報検出部から出力される前記最大階調情報値、前記中間階調情報値、前記最小階調情報値、及び前記平均輝度階調情報値に基づいて、シーンチェンジを検出することを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
  7. 前記補正制御部は、
    前記シーンチェンジ検出信号に基づき、
    シーンチェンジの間のブランキング期間内に前記映像補正値、及び前記表示部制御値の演算を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  8. 前記映像補正部による映像補正が、映像コントラストによる輝度制御、シャープネスによる鮮鋭度制御、色の濃さの制御、3次元ノイズリダクションによるノイズ除去制御、及びガンマ補正のうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
  9. 前記表示部がバックライトを備えた液晶表示部を備え、
    前記表示部による表示制御が、オーバードライブによる動画応答性の制御、及びバックライトによる輝度制御のうちの一つ以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
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